JP4349061B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
ところで、上記のようなステアリング装置では、その操舵機構において、トルクセンサ周りの摩擦が低いものであるため、トーションバーの弾性(バネ)によって振動し易く、例えば操舵部材を手放しにしたときでの収斂性が悪くなることがあった。それ故、従来装置には、上記入出力軸の間に介在させた巻きブッシュから摩擦(抵抗)を付与して、上記収斂性の悪化を抑えたものがある(例えば、下記特許文献1参照。)。
また、従来装置には、下記特許文献2に記載されているように、操舵部材の操舵角速度に応じて定めた粘性補償値を、車速速度を基に補正することにより、上記振動による操舵フィーリングの低下を制御的に抑制しようとしたものもある。
0.8((K1+K2)J)1/2 ≦ C ―――(1)
を満足するように設定されており、前記粘弾性部材は、内筒部と、その内筒部を隙間を有して包囲する外筒部と、前記内筒部と前記外筒部とを連結するとともに前記弾性定数K2を有する弾性体と、前記内筒部及び前記外筒部の間の前記隙間内に入れられるとともに前記粘性定数Cを有する粘性体とを備えることを特徴とするものである。
0.8((K1+K2)J) 1/2 ≦ C ≦ 4((K1+K2)J) 1/2 ―――(2)
を満足するように設定されていることが好ましい。
この場合、粘弾性部材から操舵機構に付与される粘性が不等式(2)の右辺項によって制限されることとなり、当該操舵機構での応答性が低下するのを抑制することができる。
図1は、本発明の一実施形態による電動パワーステアリング装置の主要部の構成を示す模式図である。図において、当該装置は、例えば自動車に搭載され、操舵部材(ステアリングホイール)1に加わるドライバーの操舵動作に応じて、操向車輪5の向きを変える操舵軸2を備えている。この操舵軸2には、上記操舵部材1が上端部に取り付けられる筒状の取付軸21と、この取付軸21に一体回転可能に連結された筒状の入力軸22と、トーションバー23を介在させて入力軸22に同軸的に連結された筒状の出力軸24が設けられている。この出力軸24の下端側には、図示しない自在継手などを介在させてラックピニオン式伝達機構3のピニオン軸31及びラック軸32が順次連結されており、さらには左右の上記操向車輪5がタイロッド4を介してラック軸32の対応する左右端部に連結されている。そして、操舵軸2の回転が、ラックピニオン式伝達機構3によって左右方向の直線運動に変換され、操向車輪5が転舵される。
上記入力軸22及び出力軸24は、車体側に固定され、かつ図の上下方向に分離可能な第1及び第2、第3のハウジングH1及びH2、H3の内部にニードル軸受61及び玉軸受62、63を介してそれぞれ回転自在に取り付けられている。
また、上記出力軸24には、減速歯車81及びこれに噛み合うピニオン軸82を有する減速機構8と、上記ピニオン軸82が出力軸に一体回転可能に取り付けられるとともに、トルクセンサ7の検出結果に応じて制御ユニット(図示せず)により駆動される操舵補助用の電動モータ9とが連結されている。また、上記減速機構8では、その減速歯車81が例えば一段のはすば歯車により構成されており、さらにその歯車歯部とピニオン軸82の歯部との噛み合い部において、バックラッシュをある程度許容することで当該減速機構8でのギヤ効率を向上させた状態でモータ動力を出力軸24に伝達している。これらの減速機構8と電動モータ9とが、操舵部材1から操向車輪5に至る操舵機構Aにモータ動力による操舵補助力を付与する操舵補助部を構成している。
0.8((K1+K2)J)1/2 ≦ C ―(1)
0.8((K1+K2)J)1/2 ≦ C ≦ 4((K1+K2)J)1/2 ―(2)
但し、(1)及び(2)式において、Jはトーションバー23の操舵部材1側(バネ上)の慣性であり、K1はトーションバー23の弾性定数であり、K2は梁11cの弾性定数である。このような粘性定数Cを有する粘弾性部材10を用いることにより、操舵軸2に対して適切な値の粘性を付与することができ、操舵機構Aでの振動を抑えることができる。また、(2)式の右辺項の値により、粘性定数Cの上限を規定することにより、当該操舵機構Aでの応答性が低下するのを抑制することができる。尚、上記バネ上の慣性Jは、主に操舵部材1の慣性である。
1/(Js2+Cs+K0)= (1/J)/(s2+Cs/J+K0/J) ―(3)
= (1/J)/(s2+2ζωns+ωn2) ―(4)
ωn = (K0/J)1/2 ――(5)
ζ = C/2Jωn =C/2(K0J)1/2 ――(6)
0.4 ≦ ζ ≦ 2 ――(7)
詳細には、上記(7)式にて規定される減衰係数ζでは、0.4以上の値を選ぶことにより、粘弾性部材10はその粘性を最低限必要な負荷(抵抗)として入出力軸22、24の間、つまり操舵機構Aの操舵軸2に与えることができ、操向車輪5側から外乱などが入力したときでも、その操舵軸2での振動とこれに伴う操舵フィーリングの変化がドライバーに認識されない程度に、粘弾性部材10からの抵抗が操舵軸2に付与されて当該振動を抑制することができる。
また、2以下の減衰係数ζを選ぶことにより、粘弾性部材10から操舵機構A側に与えられる粘性を制限して、当該操舵機構Aでの応答性が低下するのを抑えることができ、ヒステリシスが上記トルクセンサ7の検出結果に表れるのを確実に防ぐことができる。しかも、粘弾性部材10から操舵軸2に加えられる粘性(抵抗)を制限しているので、操舵部材1に対するステアリング操作が過剰に重くなるのを防ぐことができる。
また、2よりも大きい減衰係数ζを選んだときには、粘弾性部材10からの粘性が不必要に大きくなって、ステアリング操作を比較的行い難くなったりして、操舵フィーリングが比較的低下する。
以上の弾性定数K0及び慣性Jの具体値を上記不等式(2)に代入すると、好ましい粘性定数Cの具体的な範囲として、1.44≦C≦8.22が得られる。
この評価試験では、入出力軸22、24間に上記粘弾性部材10を配置した本発明品と、入出力軸22、24間に摩擦体(巻ブッシュ)を配置した従来相当品と、これらの粘弾性部材10及び摩擦体を全く介在させていない比較品とを用意した。そして、これらの各操舵機構に対し、その操向車輪側からインパルスを加え操舵部材側に設置した振動計により、その応答波形を検出した。この結果、図3(a)に示すように、本発明品では、入力インパルスに対し1回振動しただけで、その振動は直ちに収束した。
これに対して、上記従来相当品では、図3(b)に示すように、2〜3回程度振動してその収束時間が本発明品よりも長くなるとともに、摩擦体の摩擦定数などで定まる定常偏差(操舵部材1での中立位置からずれ)が生じていた。
さらに、上記比較品では、図3(c)に示すように、6〜7回程度振動し、本発明品に比べて、その振動が収まるまでに遙かに長い時間を要した。
また、上記の説明では、容器11内に梁(弾性体)11c及び粘性材(粘性体)12を設けた粘弾性部材10について説明したが、本発明は上記粘性定数C及び弾性定数K2を有する粘弾性部材であればよく、その構成、形状、設置数などは上述のものに何等限定されない。但し、図2に示したように、容器11内で粘性体と弾性体とが一体化された粘弾性部材10を用いる場合の方が、当該部材10の操舵機構Aへの組付作業を容易に行える点で好ましい。さらに、このような簡単な構成により、操舵機構Aでの振動を抑制して操舵フィーリングの低下を容易に防止することができる点で好ましい。
また、上記の説明では、操舵軸2に電動モータ9が連結されるコラムアシスト式の電動パワーステアリング装置に適用した場合を例示したが、本発明は操舵補助モータがラック軸に連結されて、このラック軸の移動をアシストするラックアシスト式等の他のアシスト形式の装置にも適用することができる。
2 操舵軸
5 操向車輪
9 電動モータ
10 粘弾性部材
11 容器
11a 内筒部
11b 外筒部
11c 梁(弾性体)
12 粘性材(粘性体)
A 操舵機構
Claims (2)
- 操舵部材から操向車輪に至る操舵機構に、電動モータの動力を付与して操舵補助を行う電動パワーステアリング装置であって、
前記操舵機構は、前記操舵部材側及び前記操向車輪側にそれぞれ連結される入力軸及び出力軸と、これら入出力軸に一端側及び他端側が連結されたトーションバーとを備え、
前記入力軸と前記出力軸との間または前記トーションバーと前記入出力軸の一方の軸との間に粘弾性部材を設けるとともに、
前記トーションバーの弾性定数をK1とし、前記粘弾性部材の弾性定数をK2とし、前記トーションバーの前記操舵部材側の慣性をJとしたときに、前記粘弾性部材は、その粘性定数Cが下記の不等式(1)
0.8((K1+K2)J)1/2 ≦ C ―――(1)
を満足するように設定されており、
前記粘弾性部材は、内筒部と、その内筒部を隙間を有して包囲する外筒部と、前記内筒部と前記外筒部とを連結するとともに前記弾性定数K2を有する弾性体と、前記内筒部及び前記外筒部の間の前記隙間内に入れられるとともに前記粘性定数Cを有する粘性体とを備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記粘弾性部材は、その粘性定数Cが下記の不等式(2)
0.8((K1+K2)J)1/2 ≦ C ≦ 4((K1+K2)J)1/2 ―――(2)
を満足するように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP4349061B2 true JP4349061B2 (ja) | 2009-10-21 |
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