JP4349060B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Description
尚、本発明における「吸蔵」とは、NOxがNOx吸蔵触媒上で化学変化を起して蓄積されている状態を示しており、同様の主旨で使用される「吸着」、「吸収」も含むものである。
そして、このNOx吸蔵触媒は、その劣化によって吸蔵可能なNOx量が減少することが知られており、例えば、NOx吸蔵触媒の硫黄の吸着によって吸蔵可能なNOx量が減少する。
つまり、内燃機関に供給される燃料に硫黄成分が含まれていると、内燃機関から排出される排気ガスにも硫黄成分が含まれることになるが、この硫黄成分は、NOxと同様にNOx吸蔵触媒に吸着されてしまうため、この硫黄成分の吸着分、NOx吸蔵触媒における吸蔵可能なNOx量が減少することになる。
そこで、下記特許文献1には、リーン運転時における燃料噴射パルス幅を積算し、その積算された値が所定値以上になった時、NOx吸蔵触媒に所定量以上の硫黄成分が吸着されたことを推定し、燃焼行程または排気行程において燃料を追加噴射してNOx吸蔵触媒の温度を上昇させ、硫黄成分を離脱することが開示されている。
ところが、上述の特許文献1では、硫黄成分の吸着状態を燃料噴射量の積算値に基づいて間接的に推定するようにしているだけであって、熱劣化の影響が考慮されていないため、硫黄成分を離脱するための制御タイミングが適切に行われず、排気浄化性能が低下する虞がある。
つまり、NOx吸蔵触媒が熱劣化している場合、その熱劣化によって既に吸蔵可能なNOx量が減少しているにも拘わらず、硫黄吸着状態のみに基づいて硫黄成分を離脱するための制御が行われるため、熱劣化分を加味するとNOx吸蔵量は既に飽和状態に達している場合であっても、硫黄吸着量自体が飽和状態に達するまでは硫黄成分を離脱するための制御が開始されないため、NOxがNOx吸蔵触媒に吸蔵されないまま放出され、排気浄化性能が悪化する。
このような特許文献2によれば、NOx吸蔵触媒の劣化検出に際し、硫黄成分の吸着以外、熱劣化の影響も考慮して検出することができる。
そして、このような劣化検出に基づいて硫黄成分を離脱するための制御を開始することも考えられるが、この検出された劣化には、熱劣化分も加味されるため、硫黄成分を離脱するための制御頻度が増加し、燃費悪化を招くという問題がある。
内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
該運転状態検出手段により検出された内燃機関の運転状態に基づいて上記NOx吸蔵触媒に吸蔵されるNOx量を算出するNOx量算出手段と、
該NOx量算出手段により算出されたNOx量が目標吸蔵量に達した時、空燃比を理論空燃比又は理論空燃比よりもリッチに制御する空燃比制御手段とを備えた内燃機関の排気浄化装置において、
上記NOx吸蔵触媒からNOxを放出させるための上記空燃比制御手段による空燃比制御量に基づき上記NOx吸蔵触媒の劣化度合に関連するパラメータを検出し、検出された当該パラメータに基づいて上記NOx吸蔵触媒の劣化度合を判定する劣化度合判定手段と、
該劣化度合判定手段により判定された劣化度合が所定値以上になった時、上記NOx吸蔵触媒に吸着された硫黄成分を離脱すべく空燃比を理論空燃比又は理論空燃比よりもリッチに制御するとともに、上記NOx吸蔵触媒の温度を上昇させる硫黄離脱手段とを備えるとともに、
上記空燃比制御手段、および上記劣化度合判定手段は、上記硫黄離脱手段の作動後、上記NOx吸蔵触媒に吸蔵されているNOx量に拘わらず再度各々作動して上記NOx吸蔵触媒の劣化度合に関連するパラメータを検出し、検出された当該パラメータに基づいて上記NOx吸蔵触媒の熱劣化に起因する熱劣化度合を判定するように構成され、かつ
該劣化度合判定手段により判定された熱劣化度合に基づいて上記硫黄離脱手段を作動させるための上記劣化度合に関する所定値を増大方向に補正する補正手段とを備えるよう構成してある。
しかしながら、NOx吸蔵触媒が熱劣化している場合、硫黄離脱手段の作動後、再度劣化検出すると熱劣化分の劣化が検出されることになる。
このように、硫黄離脱手段の作動後に再度劣化検出することによって、この劣化を熱劣化として識別することができるものである。
本発明の第1の構成によれば、硫黄離脱手段の作動後、再度空燃比制御手段、および劣化度合判定手段が作動されて熱劣化度合が判定され、その判定された熱劣化度合に基づいて硫黄離脱手段の作動を開始する所定値が増大方向に補正されるため、熱劣化度合が進む程硫黄離脱手段の作動頻度が低下する方向に硫黄離脱手段の作動開始タイミングを補正され、排気浄化性能の悪化や燃費悪化を抑制することができる。
上記NOx吸蔵触媒下流の排気通路に配設され、排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度検出手段と、
該酸素濃度検出手段の検出結果に基づいて、上記空燃比制御手段による空燃比制御によって上記NOx吸蔵触媒から離脱したNOxの還元に実際に使用された使用CO量を算出する使用CO量算出手段とを備え、
上記劣化度合判定手段は、上記目標CO量算出手段により算出された目標CO量と、上記使用CO量算出手段により算出された使用CO量との偏差に基づいて上記NOx吸蔵触媒の劣化度合に関連するパラメータを算出し、算出された当該パラメータに基づいて劣化度合を判定するよう構成してある。
ここで、本発明者等は、NOx吸蔵触媒に吸蔵されたNOxの還元に使用されるCO量は、NOx吸蔵触媒に吸蔵されるNOx量と相関が高いことから、このCO量に着目してNOx吸蔵触媒の劣化を検出すれば、精度の高い劣化判定が行えることを見出した。
つまり、NOx吸蔵触媒が劣化していない時、NOx吸蔵触媒には吸蔵可能な最大NOx吸蔵量までNOxが吸蔵されるため、その最大NOx吸蔵量を還元するために必要な目標CO量と、実際に還元に使用されたCO量とは一致する。
ところが、NOx吸蔵触媒が劣化すると、吸蔵可能な最大NOx吸蔵量が低下するため、当初の最大NOx吸蔵量までNOxを吸蔵することができなくなり、実際に還元に使用されるCO量は、目標CO量よりも少なくなる。
本発明の第2の構成によれば、目標CO量と使用CO量との偏差に基づいてNOx吸蔵触媒の劣化度合が精度良く判定され、その精度良く判定された劣化度合に基づいて硫黄離脱制手段の作動開始時期が設定されるため、硫黄離脱手段の作動開始タイミングを適切に設定でき、排気浄化性能の悪化や、燃費悪化を抑制できる。
また、同様に精度良く判定されたNOx吸蔵触媒の熱劣化度合に応じて硫黄離脱手段の作動開始タイミングが補正されるため、排気浄化性能の悪化や燃費悪化を抑制することができる。
上記硫黄離脱手段は、上記NOx吸蔵触媒の温度を上記所定の活性温度範囲よりも高い温度まで上昇するよう構成され、
上記空燃比制御手段、および劣化度合判定手段は、上記硫黄離脱手段の作動後、上記NOx吸蔵の触媒が上記所定の活性温度範囲内に低下した時、再度各々作動するよう構成してある。
そして、上述のNOx吸蔵触媒に吸着された硫黄の離脱制御は、通常、NOx吸蔵触媒の温度を上記所定の温度範囲以上、例えば、650℃まで上昇させられる。
ところが、その硫黄の離脱制御後直ちに、熱劣化度合を検出すると、NOx吸蔵触媒の温度が未だ高く、NOx吸蔵能力が高い上記所定の温度範囲内まで低下していない温度状態で熱劣化度合の検出が行われるため、熱劣化度合の検出精度が低下する虞がある。
本発明の第4の構成によれば、空燃比制御手段、および劣化度合検出手段は、硫黄離脱制御後、NOx吸蔵触媒の温度が上記所定の活性温度範囲内に低下した時各々作動されるため、NOx吸蔵触媒の所定の活性温度範囲内で熱劣化度合を検出することができ、熱劣化度合の検出精度を向上することができる。
上記劣化度合検出手段は、上記低下時間検出手段により検出された時間が長い程算出された熱劣化度合を減少方向に補正するよう構成してある。
本発明の第5の構成によれば、硫黄離脱手段の作動後、NOx吸蔵触媒の温度が上記活性温度範囲内に低下するまでの時間が長い程算出された熱劣化度合が減少方向に補正されるため、熱劣化度合の検出精度を向上することができる。
上述した点火回路18、インジェクタ20、高圧燃料ポンプ22、スロットル弁28、TSCV32、EGR弁46等は、いずれもエンジンコントロールユニット50(以下、ECUという)によって作動制御される。一方、このECU50には、少なくとも、上記クランク角センサ9、ノックセンサ10、水温センサ11、エアフローセンサ27、スロットルセンサ29,3つの酸素濃度センサ40,41,43、排気温度センサ42等からの出力信号がそれぞれ入力され、さらに、アクセルペダルの操作量(以下、アクセル開度という)を検出するアクセル開度センサ51からの出力信号と、エンジン回転速度(クランク軸8の回転速度)を検出する回転速度センサ52からの出力信号と、車速センサ53からの出力信号とが入力されるようになっている。
尚、分割噴射によって排気ガス温度が上昇する理由は、分割噴射に伴う弱成層化によって、燃焼が緩慢になり、混合気の一部が排気通路34で後燃えするためである。
また、NOx吸蔵触媒38、39を高温状態にする方法として、分割噴射の例を示したが、その他、点火時期を遅角して排気ガス温度を上昇させたり、或いはNOx吸蔵触媒38、39にヒータ等の加熱手段を設け、直接NOx吸蔵触媒38、39の温度を上昇させるようにしてもよい。
図5は、NOxパージ条件の判定フローチャートであって、図5のステップSA1で、エンジン1がエンストモード以外にあるか否か判定する。エンストモードであるか否かの判定は、例えば、イグニッションスイッチがON状態でエンジン回転数がエンスト判定回転数(例えば、300rpm)以下である時、エンストモードであると判定する。
ステップSA1でYESと判定された時、ステップSA2に進み、エンジン1が始動モード以外にあるか否か判定する。始動モードであるか否かの判定は、例えば、スタータスイッチがON状態で、エンジン回転数が完爆判定回転数(例えば、500rpm)以下である時、始動モードであると判定する。
ステップSA2の判定でYESと判定された時、ステップSA3に進み、エンジン1が燃料カットモード以外にあるか否か判定する。燃料カットモードであるか否かの判定は、スロットル弁が全閉状態で、かつエンジン回転数がアイドル回転数よりも高い所定回転数以上にある時減速状態と判定し、燃料カットモードであると判定する。
ステップSA3でYESと判定された時、つまり、エンストモード、始動モード、燃料カットモードのいずれでもなく、エンジン1が安定しているとみなせる場合、ステップSA4に進み、後述の処理(図6に示すフローチャート)によって求められる目標吸蔵量を読込む。
また、ステップSA5では、後述の処理(図7に示すフローチャート)によって求められる吸蔵積算量を読込む。
続く、ステップSA6では、ステップSA5で読込んだ吸蔵積算量が、ステップSA4で読込んだ目標吸蔵量以上になっているか否か判定する。
ステップSA6でYESと判定された時、つまり、NOx吸蔵触媒38、39に吸収されたNOx量が目標吸蔵量に達し、NOxパージ条件が成立したため、ステップSA7に進み、NOxパージ実行フラグF1を1にセットする。
また、ステップSA6でNOと判定された時は、ステップSA8に進み、後述の処理(図10に示すフローチャート)によって判定されるNOxパージ継続条件が不成立であるか否か判定する。(NOxパージ継続フラグF2が0にリセットされているか否か判定。)
ステップSA8でYESと判定された時、つまり、後述するNOxパージ継続フラグF2が0にリセットされ、NOxパージを継続する必要がない時は、ステップSA9に進み、NOxパージ実行フラグF1を0にリセットする。
また、ステップSA8でNOと判定された時は、ステップSA7に進み、引き続きNOxパージフラグF1を1にセットする。
また、上記ステップSA1乃至SA3のいずれかの判定において、NOと判定された時は、ステップSA9に進み、NOxパージ実行フラグF1を0にリセットする。
次に、図5のステップSA4で読込まれるNOxの目標吸蔵量の具体的な演算を、図6のフローチャートに基づいて説明する。
図6のステップSB1では、まず、基本吸蔵量を予め設定されたマップから読込む。このマップは、例えば、エンジン回転数とエンジン負荷(目標トルク)とをパラメータとし、エンジン回転数、エンジン負荷に応じた基本目標吸蔵量が実験的によって予め求められ、記憶されている。
ステップSB2では、後述の処理(図12に示すフローチャート)によって求められるNOx吸蔵触媒38、39の劣化係数を読込む。
ステップSB3では、排気ガス温度に対する排気ガス温度補正係数、エンジン水温に対する水温補正係数等各種補正係数を読込む。
続く、ステップSB4では、基本目標吸蔵量に対して、劣化係数、排気ガス温度補正係数、水温補正係数及び反映率を乗算して目標吸蔵量を演算する。
尚、反映率は、NOx吸蔵触媒38、39に吸蔵可能な最大量(つまり、目標吸蔵量)に対するばらつきを考慮した余裕代であって、ここでは一定値が設定されている。
そして、ステップSB5では、目標吸蔵量をステップSB4で演算された目標吸蔵量を最新の値として設定、更新する。
次に、図5のステップSA5で読込まれるNOxの吸蔵積算量の具体的な演算を、図7のフローチャートに基づいて説明する。
図7のステップSC1では、エンジン1の運転状態が成層燃焼モードか否か判定する。
ステップSC1でYESと判定された時、つまり、成層燃焼モードでNOx吸蔵触媒38、39にNOxが吸蔵されていく時は、ステップSC2に進み、NOx瞬時値を予め設定されたマップから読み込む。このマップは、例えば、エンジン回転数とエンジン負荷(目標トルク)とをパラメータとし、エンジン回転数とエンジン負荷(目標トルク)に応じたNOx瞬時値が実験等によって予め求められ、記憶されている。
また、ステップSC1でNOと判定された時は、ステップSC3に進み、目標CO量を演算する。
ここで、目標CO量について説明すると、NOx吸蔵触媒38、39に吸蔵されたNOx量が目標吸蔵量にある時、その目標吸蔵量を放出、還元するめたに必要なCO量であり、この目標CO量は、例えば、エンジン回転数とエンジン負荷(目標トルク)とをパラメータとしたマップに実験等によって予め求められ、記憶されている。
そして、このマップに記憶されている目標CO量は、NOx吸蔵触媒38、39が劣化していない新品の状態に対応させて設定されており、劣化の影響が考慮されないため、後述の処理(図12に示すフローチャート)によって求められる劣化係数を、上記マップから読出した目標CO量に乗算して最終的な目標CO量を求める。
ステップSC4では、後述の処理(図8に示すフローチャート)によって求められる実CO積算量を読込む。
続く、ステップSC5では、実CO積算量に対する目標CO量の比率に基づいてリッチ運転状態におけるNOx離脱率を演算する。
そして、ステップSC6では、前回の吸蔵積算量にステップSC2で読込んだ今回のNOx瞬時値を加算した値に、ステップSC5で演算したNOx離脱率を乗算して今回の吸蔵積算量を求める。
次に、図7のSC3で読込まれる実CO積算量の具体的な演算を、図8のフローチャート、図9のタイムチャートに基づいて説明する。
図8のステップSD1では、NOxパージモード条件が成立しているか否か判定する。具体的には、図5のフローチャートにおいて設定されたNOxパージ実行フラグF1が1にセットされているか否か判定する。
ステップSD1でYESと判定された時、つまり、NOxパージ実行フラグF1が1にセットされ、エンジン1がリッチ運転状態にされている時、ステップSD2に進み、CO量瞬時値を演算する。
具体的には、リッチ運転時に設定された目標空燃比、エンジン回転数やエンジン負荷によって間接的に求められた排気ガス流量(g/s)、及び、図9に示すように、エンジン1がリッチ運転に制御開始された後、NOx吸蔵触媒38、39下流の第3の酸素濃度センサ43により検出される空燃比が上記目標空燃比に一致するまでの間において、所定の演算タイミング毎に求められる上記目標空燃比と検出空燃比との変化率(偏差)を乗算して求める。
そして、ステップSD3では、前回まで積算された実CO積算量にステップSD2で演算された今回のCO量瞬時値を加算して、今回の実CO積算量(使用CO量)を演算する。
また、ステップSD1でNOと判定された時、ステップSD4に進み、NOxパージモードが成立状態から不成立に移行した直後か否か判定する。
ステップSD4でYESと判定された時は、ステップSD5に進み、図7のステップSC3で演算された目標CO量を最新の目標CO量として設定、更新する。
具体的には、NOx吸蔵触媒38、39が劣化すると、NOx吸蔵量が低下するため、目標吸蔵量と同じように減少方向に補正するものである。
続く、ステップSD6では、ステップSD3で求められた実CO積算量をリセットする。
また、ステップSD4でNOと判定された時は、ステップSD5の処理をバイパスしてSD6に進み、実CO積算量をリセットする。
次に、図5のステップSA8の判定で使用されたNOxパージ継続条件の具体的な判定を、図10のフローチャート、図11のタイムチャートに基づいて説明する。
図10のステップSE1でNOxパージ条件が不成立から成立状態に移行したか否か判定する。具体的には、図5のフローチャートにおいて設定されるNOxパージ実行フラグF1が0から1にセットされたか否か判定する。
ステップSE1でYESと判定された時、ステップSE2に進み、図7のステップSC6で演算されたNOxの吸蔵積算量が0より大きいか否か判定する。
ステップSE2でYESと判定された時、ステップSE3に進み、図7のステップSC5で演算されたNOxの離脱率が0又は所定値より大きいか否か判定する。
NOxの離脱率は、要求CO量に対する実CO積算量(使用CO量)の比率であって、
この比率に基づいてリッチ運転によってNOx吸蔵触媒38、39からどの程度NOxが離脱したか否か判定するための指標である。
このNOxの離脱率が0よりも大きい時、つまり、図11に示すように、エンジン1がリッチ運転状態に移行された後、目標CO量に対し、実CO積算量(使用CO量)が少ない時は、NOx吸蔵触媒38、39に吸蔵されたNOxが全て放出、還元されていない状態であり、NOx離脱率が0になった時は、実際の使用CO量が目標CO量に一致していることから、NOx吸蔵触媒38、39に吸蔵されたNOx全てが放出、還元された状態としてみなすことができる。
また、上記ステップSE1乃至SE3のいずれかの判定において、NOと判定された時は、ステップSE5に進み、NOxパージ継続フラグF2を0にリセットする。
次に、図6のステップSB2、図7のステップSC3、図8のステップSD5において使用されるNOx吸蔵触媒38、39の劣化度合を示す劣化係数の具体的な演算について、図12のフローチャートに基づいて説明する。
図12のステップSF1において、後述する処理(図13に示すフローチャート)によって判定されるNOx吸蔵触媒38、39の劣化判定車両条件が成立しているか否か判定する。具体的には、図13に示すフローチャートにおいて設定される劣化判定車両条件フラグF3が1にセットされているか否か判定する。
ステップSF1でYESと判定された時、ステップSF2に進み、図7のステップSC3と同様、目標CO量をマップから読込む。
また、ステップSF3では、図8のステップSD3で求められた実CO積算量を読込む。
続く、ステップSF4では、実CO積算量に対する目標CO量の比率に基づいて劣化判定偏差を演算する。
ステップSF5では、ステップSF4で演算された劣化判定偏差を所定回数積算し、その積算回数で除算して平均劣化偏差を演算する。
ステップSF6では、ステップSF5で求められた平均劣化偏差が所定値(例えば、10%劣化相当の値)以上か否か判定する。
ステップSF6でYESと判定された時、つまり、NOx吸蔵触媒38、39の劣化がある程度進んだと考えられる時、ステップSF7に進み、前回の劣化係数からステップSF5で求められた平均劣化偏差に反映係数を乗算した値を差し引いた値を今回の劣化係数として更新する。尚、反映係数は、平均劣化偏差の大きさが大きくなる程大きく設定される値で、バッテリー交換によってそれまで記憶されていた劣化係数が消去された時、平均劣化偏差が大きい程その反映度合を大きくして、速やかに適正な劣化判定偏差に収束させるためである。
また、ステップSF8ではステップSF7で求められた劣化係数が所定値α以下か否か判定する。
ステップSF8でYESと判定された時、つまり、NO吸蔵触媒38、39の劣化が相当に進んだ状態であるため、ステップSF9に進み、NOx吸蔵触媒38、39の劣化判定を行い、例えば、故障ランプの点灯等によって、NOx吸蔵触媒38、39の劣化をドライバーに報知する。
また、ステップSF8でNOと判定された時は、ステップSF10に進み、NOx吸蔵触媒38、39の劣化判定をリセットする。
また、ステップSF6でNOと判定された時、ステップSF11に進み、ステップSF5で演算された平均劣化判定偏差が所定値(マイナス側に設定された値)よりも小さいか否か判定する。
ステップSF11でYESと判定された時、ステップSF12に進み、EGRの異常判定フラグをセットする。つまり、平均劣化判定偏差が所定値より小さい場合は、実CO積算量(使用CO量)が目標CO量よりも多く、EGR弁46が閉状態で固着した異常状態とみなせるため、EGRの異常判定を行い、NOx吸蔵触媒38、39劣化時と同様、EGR弁46の閉異常をドライバーに報知する。
また、ステップSF11でNOと判定された時は、ステップSF13に進み、EGRの異常判定をリセットする。
そして、続く、ステップSF14では、劣化係数を初期化、又は前回値に保持する。
また、ステップSF1でNOと判定された時は、ステップSF14に進み、劣化係数を初期化、又は前回値に保持する。
次に、図12のステップSF1の判定で使用された劣化判定車両条件の具体的な判定を、図13のフローチャートに基づいて説明する。
図13のステップSG1において、まず、NOxパージモードが成立しているか否か判定する。具体的には、図5のフローチャートにおいて設定されるNOxパージ実行フラグF1が1にセットされているか否か判定する。
ステップSG1でYESと判定された時、ステップSG2に進み、エンジン回転数が所定値以下か否か判定する。これは、エンジン回転数が高いと、排気ガス流速が高く、NOx吸蔵触媒38、39におけるCOの還元反応時間が短くなるため、還元反応率が低下し、実CO積算量(使用CO量)がずれることによって劣化誤判定する虞があることから、この誤判定条件を排除するための条件判定である。
ステップSG2でYESと判定された時、ステップSG3に進み、目標トルクが所定値以下か否か判定する。これは、エンジン回転数と同様、誤判定の影響を排除するための条件判定である。
ステップSG3でYESと判定された時、ステップSG4に進み、NOx吸蔵触媒38、39の温度が予め設定された上限値(例えば、500℃)と下限値(例えば、300℃)との間にあるか否か判定する。これは、NOx吸蔵触媒38、39は、上記上限値と下限値とで規定される所定の温度範囲で高いNOx吸蔵能力を発揮するものであり、この温度範囲外で劣化判定すると誤判定する虞があるためである。
ステップSG4でYESと判定された時、ステップSG5に進み、加速判定以外、つまり、定常状態にあるか否か判定する。これは上述したように、実CO積算量(使用CO量)に対する目標CO量の比率に基づいて劣化判定するようにしているが、実CO積算量(使用CO量)を空燃比に基づいて求めているため、その空燃比のずれに起因する誤判定と、加速性能から有効にNOxパージを活用する際、目標吸蔵量に達していなくてもNOxパージを実行するための影響を抑制するための条件判定である。
そして、ステップSG5でYESと判定された時、つまり、全ての判定条件が成立していると判定された時、劣化判定に際し、誤判定への影響が低い状態とみなせることから、ステップSG6に進み、劣化判定車両条件フラグF3を1にセットする。
また、ステップSG1乃至SG5の内、いずれか一つでもNOと判定された時は、ステップSG7に進み、劣化判定車両条件フラグF3を0にリセットする。
次に、硫黄の離脱の具体的な処理について、図14のフローチャートに基づき説明する。
図14のステップSH1において、図12のステップSF7において求められた劣化係数が所定値β以下(図12のステップSF8の判定において使用される所定値αより大きな値)になっているか否か判定する。
ステップSH1でYESと判定された時、つまり、硫黄等の要因によってNOx吸蔵触媒38、39が劣化し、硫黄の離脱を行う必要があると判定された時、ステップSH2に進み、Sリジェネ実行フラグF4を1にセットする。尚、このSリジェネ実行フラグF4が1にセットされた時は成層燃焼モードには移行させない。
続く、ステップSH3では、後述する処理によって(図14に示すフローチャート)Sリジェネ車両実行条件が成立しているか否か判定する。
ステップSH3でYESと判定された時、ステップSH4に進み、Sリジェネを実行する。尚、ここで、Sリジェネとは、上述したとおり、エンジン1の運転状態をリッチ運転に切換えるとともに、燃料の噴射時期を吸気行程と圧縮行程とに分割して噴射する分割噴射とし、NOx吸蔵触媒38、39に流入される排気ガス温度を上昇させ、これによって、NOx吸蔵触媒38、39の温度を硫黄の離脱可能な所定温度(例えば、650℃)以上とし、リッチ雰囲気下でバリウムからSOxが離脱して還元浄化することを言う。
ステップSH5では、Sリジェネ継続時間を計測し、続く、ステップSH6では、Sリジェネ率を演算する。Sリジェネ率とは、NOx吸蔵触媒38、39に吸着されている硫黄吸着量がSリジェネによってどの程度離脱したかを示す指標であって、硫黄吸着量に対するSリジェネによって離脱した硫黄離脱量との比率に基づいて求められ、具体的には、次のようにして求める。
まず、硫黄吸着量は、NOx吸蔵触媒38、39が劣化していない時、実験等によって求められる吸蔵可能なNOx吸蔵量に、劣化係数を乗算して求める。つまり、NOx吸蔵量の劣化分が硫黄吸着量としてみなすようにしている。
また、実際の硫黄離脱量は、単位時間当たりの硫黄離脱量と、Sリジェネ継続時間、排気ガス温度補正と、空燃比補正とに基づいて演算される。
ここで、単位時間当たりの硫黄離脱量は、エンジン回転数とエンジン負荷(目標トルク)とをパラメータとするマップに記憶され、予め設定された空燃比(例えば、理論空燃比)で、かつ予め設定された排気ガス温度(例えば、650℃)の条件下で、実験等によって得られた硫黄離脱量が各運転領域毎に記憶されている。
また、排気ガス温度補正は、単位時間当たりの硫黄離脱量が記憶されたマップの排気ガス温度に対して、実際の排気ガス温度がずれている場合硫黄離脱量が変わるため、そのずれを補正するための補正項である。
また、空燃比補正は、単位時間当たりの硫黄離脱量が記憶されたマップの空燃比に対して、実際の空燃比がずれている場合硫黄離脱量が変わるため、そのずれを補正するための補正項である。
そして、硫黄吸着量と硫黄離脱量との比率に基づいてSリジェネ率が演算される。
また、ステップSH3でNOと判定された時、つまり、Sリジェネ車両実行条件が不成立である時は、ステップSH7に進み、Sリジェネを中止し、続く、ステップSH8でSリジェネ継続時間をリセットする。
また、ステップSH1でNOと判定された時、つまり、Sリジェネによって硫黄が離脱されて劣化係数が大きくなると(NOx吸蔵能力が回復すると)、ステップSH9に進み、Sリジェネ実行フラグF4を0にリセットする。尚、このSリジェネ実行フラグF4が0にリセットされると、エンジン1のリッチ運転を解除する。
次に、NOx吸蔵触媒38、39の熱劣化度合の演算、および図14のステップSH1の判定で使用されたSリジェネ実行用の所定値βの熱劣化度合に基づく演算処理を、図15のフローチャートに基づき説明する。
図15のステップSI1において、Sリジェネ直後で、かつそのSリジェネによるSリジェネ率(図14のステップSH6で演算されたSリジェネ率)が所定値(例えば、硫黄の離脱率が略100%相当の値)以上か否か判定する。
ステップSI1でYESと判定された時は、ステップSI2に進み、、Sリジェネ後、NOx吸蔵触媒38、39の温度が所定温度(例えば、500℃)以下まで低下したか否か判定する。
ステップSI2でNOと判定された時は、NOx吸蔵触媒38、39の温度が所定温度まで低下していないことから、ステップSI3に進み、Sリジェネ後、NOx吸蔵触媒38、39の温度が所定温度よりも高い状態における経過時間Cを計測する。
また、ステップSI2でYESと判定された時、ステップSI4に進み、空燃比をリッチ化し、続く、ステップSI5でSリジェネ直後の劣化係数(i)を演算する。尚、Sリジェネ直後の劣化係数(i)は、図12のステップSF2乃至SF7の演算と同様の演算によって求める。
ステップSI6では、ステップSI5で演算されたSリジェネ直後の劣化係数(i)が、Sリジェネ前に演算された劣化係数(i−1)よりも小さいか否か判定する。
ステップSI6でYESと判定された時、つまり、SリジェネによってSリジェネ率が所定値以上になり、本来であればNOx吸蔵触媒38、39には、硫黄が吸着されていない状態であるにも拘わらず、Sリジェネ直後の劣化係数(i)がSリジェネ前よりも小さくなっている場合は、熱劣化の要因によって劣化係数が低下していると考えられることから、ステップSI7に進み、熱劣化係数を演算する。
熱劣化係数は、前回の熱劣化係数に、Sリジェネ直後の劣化係数(i)とSリジェネ前の劣化係数(i−1)との差分に経過時間Cによる補正を与えてなる補正量を加算して求める。この場合、経過時間Cによる補正は、経過時間Cが長い程熱劣化度合が減少するように(熱劣化係数が増大するように)与えられる。尚、経過時間Cによる補正を与える理由は、Sリジェネ直後から上記所定温度以下になるまでの時間が長いと、その間にリーン運転が継続されてNOx吸蔵触媒38、39に再び硫黄が吸蔵される虞があり、Sリジェネ直後の劣化係数(i)とSリジェネ前の劣化係数(i−1)との差分に熱劣化係数以外、硫黄吸着分が含まれ、熱劣化の検出精度が低下するのを抑制するためである。
ここで、劣化係数は、図12のステップSF4、SF7に示したように演算されることから、NOx吸蔵触媒38、39が劣化していない場合1となり、劣化が進むにつれて1より小さくなっていく。
また、Sリジェネは、劣化が進み、劣化係数がSリジェネ実行用の所定値βよりも小さくなった時実行されることから、この所定値βを熱劣化度合分小さくすれば、それだけ劣化度合が進まないと、Sリジェネは実行されなくなる。つまり、この所定値βを小さくすることが、請求の範囲で記載の硫黄離脱手段を作動させるための上記劣化度合に関する所定値の増大方向への補正に該当し、これによってSリジェネの実行頻度が低下されることになる。
また、上記ステップSI6でNOと判定された時は、熱劣化の影響がないとみなせることから、ステップSI9に進み、Sリジェネ実行用の所定値βを前前回値に設定する。
ステップSI10では、ステップSI3で計測した経過時間Cをリセットする。
次に、図14のステップSH3の判定で使用されたSリジェネ車両実行条件の具体的な判定について、図16のフローチャートに基づき説明する。
図16のステップSJ1においてエンジン水温がエンジン1の暖機が完了した安定した状態とみなせる所定値(例えば、80℃)以上か否か判定する。これは、Sリジェネ実行に際し、点火時期のリタードを併用する場合、エンジン水温が低いと燃焼が不安定となり、リタード量を十分確保できないため、排気ガス温度を硫黄離脱可能な温度にまで上昇せることができず、Sリジェネを実行することなによって反って燃費悪化を生じるため、エンジン水温が低い時は、Sリジェネを中止するようにしている。
ステップSJ1でYESと判定された時、ステップSJ2に進み、車速が所定値以上であるか否か判定する。これは、Sリジェネが分割噴射や点火時期のリタード等、エンジンの燃焼状態を悪化させるものであるため、このSリジェネを車速が低い状態で行うと、走行性の低下を招くため、車速が低い時は、Sリジェネを中止している。
ステップSJ2でYESと判定された時、ステップSJ3に進み、排気ガス温度が上限値(例えば、800℃)と下限値(例えば、300℃)とで規定される所定温度範囲以内にあるか否か判定する。これは、NOx吸蔵触媒38、39が、NOx放出作用が得られる安定した状態から、上昇させ過ぎによる熱劣化等を防止する範囲内でSリジェネを実行するようにしている。
ステップSJ3でYESと判定された時、ステップSJ4に進み、エンジン回転数が所定回転範囲内にあるか否か判定する。これは、エンジン回転数が低すぎると、分割噴射を実行してもNOx吸蔵触媒温度が硫黄を離脱可能な所定温度にまで上昇しないことから、Sリジェネを実行しても硫黄の離脱を行うことはできず、反って燃費悪化を生じることから、この低回転領域ではSリジェネを中止するようにしている。また、高回転領域は、もともと排気ガス温度が高く、分割噴射を実行するまでもなく硫黄が自然に離脱する自然再生状態になり、逆に、この高回転領域でSリジェネを実行すると排気ガス温度が必要以上に上昇してしまうため、Sリジェネを中止するようにしている。
また、ステップSJ4でYESと判定された時、ステップSJ5に進み、エンジン負荷(目標トルク)が所定範囲内にあるか否か判定する。これは、ステップSJ4の判定と同様、低負荷領域における燃費悪化防止と、高回転領域における排気ガス温度上昇防止とを狙った条件である。
そして、ステップSJ5でYESと判定された時、ステップSJ6に進み、SリジェネモードフラグF5を1にセットする。
また、ステップSJ1乃至SI5のいずれか一つの判定でNOと判定された時は、ステップSJ7に進み、SリジェネモードフラグF5を0にリセットする。
また、目標CO量と使用CO量との偏差に基づいてNOx吸蔵触媒38、39の劣化度合が精度良く判定され、その精度良く判定された劣化度合に基づいてSリジェネ実行用の所定値βが設定されるため、Sリジェネの作動開始タイミングを適切に設定でき、NOx浄化性能の悪化や、燃費悪化を抑制できる。
また、同様に精度良く判定されたNOx吸蔵触媒38、39の熱劣化度合に応じてSリジェネの作動開始タイミングが補正されるため、NOx浄化性能の悪化や、燃費悪化を抑制することができる。
また、NOx吸蔵触媒38、39の熱劣化度合に応じて目標吸蔵量が補正されるため、熱劣化度合に応じてNOxを離脱するための空燃比制御の開始タイミングが適切に設定され、NOx浄化性能の悪化や、燃費悪化を抑制することができる。
また、空燃比のリッチ化、および劣化度合の検出は、Sリジェネ後、NOx吸蔵触媒38、39の温度が上記所定温度以下に低下した時各々作動されるため、NOx吸蔵触媒38、39の熱劣化度合の検出精度を向上することができる。
また、Sリジェネ後、NOx吸蔵触媒38、39の温度が上記所定温以下に低下するまでの時間が長い程算出された熱劣化度合が減少方向に補正されるため、熱劣化度合の検出精度を向上することができる。
また、目標CO量と実CO積算量(使用CO量)との偏差に基づいてNOx吸蔵触媒38、39の劣化が判定されるため、NOx吸蔵触媒38、39の劣化判定精度を向上することができる。
また、目標CO量と実CO積算量(使用CO量)との偏差に基づいて精度良く判定されたNOx吸蔵触媒38、39の劣化係数に応じてNOx吸蔵触媒38、39の目標吸蔵量が補正されるため、NOxを放出して還元するための空燃比のリッチ制御開始時期をNOx吸蔵触媒38、39の劣化度合に応じて精度良く補正でき、NOx吸蔵触媒38、39の劣化に伴うNOx浄化性能の悪化を抑制することができる。
また、目標CO量を劣化係数に応じて補正されるため、NOx吸蔵触媒38、39の劣化状態に応じた目標CO量に補正することができ、NOx吸蔵触媒38、39に過不足なく還元剤としてのCO量を供給することができ、燃費悪化を抑制しつつ、NOx吸蔵触媒38、39の劣化に伴うNOx浄化性能の悪化を抑制することができる。
また、目標CO量と実CO積算量(使用CO量)との偏差に基づいて求められた離脱率が0になり、NOxが略全て離脱されたことが判定された時、NOxパージ継続フラグF2が0にリセットされ、空燃比制御が終了されるため、NOx吸蔵触媒38、39に過不足なく還元剤としてのCO量を供給することができ、燃費悪化を抑制しつつ、NOx吸蔵触媒38、39の劣化に伴うNOx浄化性能の悪化を抑制することができる。
また、目標CO量と実CO積算量(使用CO量)との偏差が所定値(マイナス側に設定された値)以下の時、つまり、実CO積算量(使用CO量)が目標CO量より所定量以上多い時、EGR弁46の閉異常が検出されるため、閉異常検出精度を向上することができる。
また、目標CO量と実CO積算量(使用CO量)との偏差に基づいて精度良く判定されたNOx吸蔵触媒38、39の劣化係数に応じて、Sリジェネが実行されるため、NOx吸蔵触媒38、39の劣化要因である硫黄の離脱制御開始タイミングを精度良く設定でき、燃費悪化を抑制しつつ、硫黄付着によるNOx浄化性能の悪化を抑制することができる。
17:点火プラグ
20:インジェクタ
34:排気通路
38、39:NOx吸蔵触媒
43:第3の酸素濃度センサ(酸素濃度検出手段)
50:エンジンコントロールユニット
Claims (5)
- 内燃機関の排気通路に配設され、流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比よりもリーンの時にNOxを吸蔵し、流入される排気ガスの空燃比が理論空燃比又は理論空燃比よりもリッチの時吸蔵されているNOxを放出して還元するNOx吸蔵触媒と、
内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
該運転状態検出手段により検出された内燃機関の運転状態に基づいて上記NOx吸蔵触媒に吸蔵されるNOx量を算出するNOx量算出手段と、
該NOx量算出手段により算出されたNOx量が目標吸蔵量に達した時、空燃比を理論空燃比又は理論空燃比よりもリッチに制御する空燃比制御手段とを備えた内燃機関の排気浄化装置において、
上記NOx吸蔵触媒からNOxを放出させるための上記空燃比制御手段による空燃比制御量に基づき上記NOx吸蔵触媒の劣化度合に関連するパラメータを検出し、検出された当該パラメータに基づいて上記NOx吸蔵触媒の劣化度合を判定する劣化度合判定手段と、
該劣化度合判定手段により判定された劣化度合が所定値以上になった時、上記NOx吸蔵触媒に吸着された硫黄成分を離脱すべく空燃比を理論空燃比又は理論空燃比よりもリッチに制御するとともに、上記NOx吸蔵触媒の温度を上昇させる硫黄離脱手段とを備えるとともに、
上記空燃比制御手段、および上記劣化度合判定手段は、上記硫黄離脱手段の作動後、上記NOx吸蔵触媒に吸蔵されているNOx量に拘わらず再度各々作動して上記NOx吸蔵触媒の劣化度合に関連するパラメータを検出し、検出された当該パラメータに基づいて上記NOx吸蔵触媒の熱劣化に起因する熱劣化度合を判定するように構成され、かつ
該劣化度合判定手段により判定された熱劣化度合に基づいて上記硫黄離脱手段を作動させるための上記劣化度合に関する所定値を増大方向に補正する補正手段を備えたことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 上記NOx吸蔵触媒に吸蔵されたNOx量が目標吸蔵量に達した時、当該目標吸蔵量のNOxを還元するために必要な目標CO量を算出する目標CO量算出手段と、
上記NOx吸蔵触媒下流の排気通路に配設され、排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度検出手段と、
該酸素濃度検出手段の検出結果に基づいて、上記空燃比制御手段による空燃比制御によって上記NOx吸蔵触媒から離脱したNOxの還元に実際に使用された使用CO量を算出する使用CO量算出手段とを備え、
上記劣化度合判定手段は、上記目標CO量算出手段により算出された目標CO量と、上記使用CO量算出手段により算出された使用CO量との偏差に基づいて上記NOx吸蔵触媒の劣化度合に関連するパラメータを算出し、算出された当該パラメータに基づいて劣化度合を判定するよう構成されていることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排気浄化装置。 - 上記劣化度合判定手段により判定された熱劣化度合に基づいて上記目標吸蔵量を補正する目標吸蔵量補正手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 上記NOx吸蔵触媒は、当該NOx吸蔵触媒の温度が所定の活性温度範囲内にある時、所定以上のNOx吸蔵能力を発揮する温度特性を有するものであって、
上記硫黄離脱手段は、上記NOx吸蔵触媒の温度を上記所定の活性温度範囲よりも高い温度まで上昇するよう構成され、
上記空燃比制御手段、および劣化度合判定手段は、上記硫黄離脱手段の作動後、上記NOx吸蔵の触媒が上記所定の活性温度範囲内に低下した時、再度各々作動するよう構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の内燃機関の排気浄化装置。 - 上記硫黄離脱手段の作動後、上記NOx吸蔵触媒の温度が上記所定の活性温度範囲内に低下するまでの時間を検出する低下時間検出手段を備え、
上記劣化度合検出手段は、上記低下時間検出手段により検出された時間が長い程算出された熱劣化度合を減少方向に補正するよう構成されていることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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