JP3800066B2 - エンジンの排気浄化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、HC吸着触媒を備えたエンジンの排気浄化装置に関し、特に、HC吸着触媒に流入する排気ガスの還元度を適正化する対策に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、排気通路にHC吸着触媒を配置すると共に、このHC吸着触媒に流入する酸素量を調整するようにしたエンジンの排気浄化装置が知られている。この排気浄化装置に用いられるHC吸着触媒は、一般にHC吸着材と酸素吸蔵物質と触媒金属とを含有している。HC吸着材は、エンジンの冷間始動時等の低温時に排気ガス中のHC(炭化水素)を吸着する一方、この吸着したHCをHC吸着材の昇温に伴って脱離する特性を有している。酸素吸蔵物質は、例えば酸化セリウム等のように、酸化側(リーン側)で酸素を吸蔵し、還元側(リッチ側)で酸素を放出する特性を有している。触媒金属は、所定温度以上になると活性化されて排気ガス中のHC、CO及びNOxを分解して排気ガスを浄化する特性を有している。
【0003】
そして、エンジンを始動すると、上記排気浄化装置では、HC吸着材がHCを吸着するが、HC吸着材の温度が上昇して所定温度に達すると、吸着していたHCの脱離を開始する。このHCの脱離中には触媒金属が未だ活性化されていない状態であるために、例えば、特開平10−61426号公報及び特開平11−82111号公報に開示されているように、空燃比をリーン側に制御することによってHC吸着触媒内における排気ガスを酸素リッチな状態にし、排気ガス中の酸素を用いてHCを分解する技術が知られている。一方で、HCの脱離中に空燃比をリッチ側に制御することにより、HC吸着触媒内における酸素濃度を略0.5%以下に減少制御し、酸素吸蔵物質から酸素を放出させて、HC吸着材から脱離したHCを上記放出酸素によって分解させることが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようにHC吸着触媒内における排気ガスの酸素濃度を略0.5%以下に減少制御するものでは、HC吸着触媒でのHC濃度が上昇し、HCを完全に分解できないことが起こり得るという問題が生ずる。あるいは、HC吸着触媒に吸着されているHCが減少した場合においても、酸素吸蔵物質から多量の酸素を放出させてしまうために、無駄に酸素を供給する必要が生ずるという問題もある。
【0005】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは脱離運転状態において酸素吸蔵物質から放出される酸素量を最適化することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、脱離運転状態にあるときにHC吸着触媒の下流側における還元度に基づいて、HC吸着触媒の上流側における排気ガスの還元度制御を補正するようにしたものである。
【0007】
具体的に、第1の解決手段は、エンジンの排気通路に配置され、HCを吸着する一方で昇温に伴って吸着したHCを脱離するHC吸着材と、酸化側で酸素を吸蔵し、還元側で酸素を放出する酸素吸蔵物質と、上記HC吸着材から脱離したHCを酸化する触媒金属とを含有するHC吸着触媒と、少なくともHC吸着材への炭化水素の吸着量をHC吸着材からの炭化水素の脱離量が上回る脱離運転状態にあるときに、酸素吸蔵物質から酸素が放出されるようにHC吸着触媒の上流側又はHC吸着触媒内における排気ガスを還元側に制御する還元度制御手段と、排気通路におけるHC吸着触媒の下流側における排気ガスの還元度を排気空燃比として検出する還元度検出手段と、上記還元度検出手段が検出したHC吸着触媒下流側における排気空燃比が理論空燃比になるように、還元度制御手段による制御を補正する補正手段とを備えている。上記排気空燃比とは、排気ガスの酸素濃度と還元剤濃度との存在状態からその排気ガス状態に直接対応する燃料と空気との混合気の空燃比を表す表現手法であり、排気空燃比が14.7のときは理論空燃比に相当し、このときの酸素濃度は実質的に0〜0.5%となる。これを境界として排気空燃比が14.7以下のときには、酸素濃度が減少あるいはゼロに固定され、還元剤濃度が増大する。一方、排気空燃比が14.7以上では、酸素濃度が増大し、還元剤濃度が減少する。
【0012】
すなわち、上記第1の解決手段では、少なくともHC吸着材へのHCの吸着量をHC吸着材からのHCの脱離量が上回る脱離運転状態にあるときには、還元度制御手段がHC吸着触媒の上流側又はHC吸着触媒内における排気ガスを還元側(リッチ側)、つまり、排気ガスの酸素濃度を低下させるか、あるいは還元剤を増量させるように還元側に制御する。即ち、HC吸着触媒の上流側又はHC吸着触媒内における排気ガスを還元側に制御することにより酸素濃度が低下して、酸素吸蔵物質から酸素が放出される。この放出された酸素は、活性化された状態にあるために反応性が高く、HC吸着材から脱離したHC(炭化水素)を浄化処理する。
【0013】
一方、還元度検出手段が、HC吸着触媒の下流側における排気ガスの還元度を排気空燃比として検出し、このHC吸着触媒下流側における排気空燃比が理論空燃比になるように、補正手段が還元度制御手段による制御を補正する。つまり、脱離運転状態にあるときは、HC吸着触媒の上流側又はHC吸着触媒内における排気ガスを還元側に制御するので、HC吸着触媒でのHC濃度が上昇しようとするが、HC吸着触媒の下流側における排気空燃比が理論空燃比になるように、還元度制御手段による制御を補正するために、HCを完全に分解処理できないほどに排気ガスを還元側に制御するのを防止することができる。つまり、排気ガスが不要に還元側に制御されるのを防止することができる。あるいは、HC吸着触媒から脱離するHCが減少したときには、酸素吸蔵物質から過剰に酸素を放出させるのを防止することができるために、酸素吸蔵物質に必要以上に酸素を吸蔵させておく必要がなくなる。尚、上記還元度とは、酸素吸蔵物質からの酸素の放出に影響を与えるHC、CO等の還元剤成分の成分濃度に相当するものである。
また、HC吸着触媒下流側における排気空燃比が理論空燃比になるように還元度制御手段による制御が補正されることにより、HC吸着触媒にHCが過剰に流入するのを抑制して、過剰に還元側に制御されるのを確実に防止できると共に、酸素吸蔵物質からの酸素の過放出を防止して最適な酸素放出量を得ることができ、必要以上に酸素吸蔵物質に酸素を吸蔵させる必要がなくなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
本発明の実施形態に係るエンジンの排気浄化装置は、筒内噴射式エンジンのガソリンエンジンからの排気ガスを浄化するものでる。上記ガソリンエンジンは、エンジン本体1に、複数の気筒2と、各気筒2内に往復動可能に嵌挿されたピストン3とが設けられ、このピストン3によって上記気筒2の上部に燃焼室4が区画形成されている。この燃焼室4の上部所定位置には、点火回路5に接続された点火プラグ6が燃焼室4内に望むように取り付けられている。
【0019】
上記燃焼室4の周辺部には、この燃焼室4内に燃料を直接噴射する燃料供給手段としてのインジェクタ7が取り付けられている。このインジェクタ7には、図示省略した高圧燃料ポンプ、プレッシャレギュレータ等を有する燃料供給回路が接続され、この燃料供給回路によって燃料タンクからの燃料が適正な圧力に調整されてインジェクタ7に供給されるようになっている。また、上記燃料供給回路には、燃料圧力を検出する燃圧センサ8が設けられている。
【0020】
上記燃焼室4は、吸気弁9が設けられた吸気ポートを介して吸気通路10に連通している。この吸気通路10には、その上流側から順に、吸気を濾過するエアクリーナ11と、吸入空気量を検出するエアフローセンサ12と、吸気通路10を絞る電気式スロットル弁13と、サージタンク14とが配設されている。上記電気スロットル弁13は、図外のアクセルペダルに連動することなく、モータ15により駆動されて開閉動作するようになっている。さらに、上記電気スロットル弁13の設置部には、その弁開度を検出するスロットル開度センサ16が設けられ、上記サージタンク14の設置部には、吸気圧を検出する吸気圧センサ17が設けられている。
【0021】
上記サージタンク14よりも下流側の吸気通路10は、気筒2毎に分岐する独立通路とされ、各独立通路の下流端部が2つに分岐してそれぞれ吸気ポートに連通すると共に、その一方にスワール弁18が設けられている。このスワール弁18がアクチュエータ19により駆動されて閉鎖状態となると、吸気が他方の分岐通路のみから燃焼室4内に供給されるために、この燃焼室4内に強い吸気スワールが生成するようになっている。この吸気スワールは、上記スワール弁18が開放するのに伴って弱められることとなる。上記スワール弁18の設置部には、その開度を検出するスワール弁開度センサ20が設けられている。尚、上記スワール弁18に代え、タンブル流を生成するためのタンブル弁を設置した構造としてもよい。
【0022】
上記燃焼室4には、排気弁21が設けられた排気ポートを介して排気通路22に連通し、この排気通路22の上流端は気筒2毎に分岐している。上記排気通路22には、その上流側から順に、排気ガス中の酸素濃度を検出する第1酸素濃度センサ24と、排気ガス中のHC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)及びNOx(窒素酸化物)の全てを浄化する機能を有する従来周知の三元触媒25と、この三元触媒25の下流側における排気ガス中の酸素濃度を検出する第2酸素濃度センサ26と、排気ガス中のHCを吸着して浄化するHC吸着触媒27と、その下流側における排気ガス中の酸素濃度を検出する第3酸素濃度センサ28とが配設されている。
【0023】
上記第1〜第3酸素濃度センサ24,26,28は、排気ガスの還元度を酸素濃度に基づいて得られる排気空燃比として検出するものであり、その出力が理論空燃比を境にしてリーン側とリッチ側とで大きく反転(変化)するλセンサにより構成され、これにより理論空燃比の近傍で優れた検出精度が得られるようになっている。上記第3酸素濃度センサ28は、HC吸着触媒27の下流側における排気ガスの還元度を排気空燃比として検出する還元度検出手段を構成している。言い換えると、第3酸素濃度センサ28の検出値により、後述の酸素吸蔵物質からの酸素の放出に影響を与えるHC、CO等の還元剤成分の成分濃度に相当するHC吸着触媒27の下流側における排気ガスの還元度を推定するようになっている。尚、上記第1〜第3酸素濃度センサ24,26,28は、上記λセンサに代え、空燃比に応じて出力がリニアに変化するリニア酸素センサにより構成するようにしてもよい。
【0024】
上記HC吸着触媒27は、特に冷間始動時等に排出されるHCを吸着して排気ガスを浄化する機能を有し、図2に示すように、コージュライト製のハニカム構造体からなる担体27aと、この担体27aに形成された貫通孔の壁面に担持されたHC吸着材27bと、その表面にコーティングされる等により担持された三元触媒層27cとにより構成されている。
【0025】
上記HC吸着材27bは、排気ガス中のHCを吸着保持するのに適した孔径、つまり、7.2オングストローム程度の孔径を有する多数の細孔が形成された、いわゆるβ型ゼオライトに、銀(Ag)を含侵担持させてなり、エンジンの冷間始動時等の低温時に排気ガス中のHCを吸着すると共に、昇温に伴って吸着したHCを脱離するものである。上記銀は、β型ゼオライトのHC吸着作用を高めて、より高温までHCを保持し得るようにするために担持されている。
【0026】
上記三元触媒層27cは、アルミナ等に担持されたパラジウム(Pd)又は白金(Pt)等の触媒金属と、ジルコニウム(Zr)等からなるバインダーとを有し、所定温度に加熱されて活性化することにより、排気ガス中のHC及びCOを酸化すると共に、排気ガス中のNOxを還元して浄化する機能を有している。この浄化機能は、理論空燃比の付近において顕著に発揮されるものである。
【0027】
上記三元触媒層27cは、所定温度に加熱されて活性化することにより、排気ガス中の酸素濃度が高い高酸素雰囲気(例えば酸素濃度が0.5%以上の雰囲気)で酸素を吸蔵すると共に、排気ガス中の酸素濃度が低下して低酸素雰囲気下になるのに伴い、吸蔵した酸素を放出する機能を有する酸素吸蔵物質、例えば酸化セリウム(CeO2)又はセリウムCeとプラセオジウムPr等の希土類元素との複合酸化物等からなる酸素吸蔵物質を含有している。つまり、酸素吸蔵物質は、周囲の排気ガスが酸化側(リーン側)にあるときに酸素を吸蔵し、周囲の排気ガスが還元側(リッチ側)になるとこの吸蔵した酸素を放出する特性を有している。
【0028】
上記三元触媒層27cでは、上記酸素吸蔵物質から放出された酸素を利用した酸化作用により、上記HC吸着材27bから脱離したHCが、比較的低温で酸化されて浄化されるようになっている。尚、上記HC吸着触媒27は、三元触媒層27cを構成する材料とHC吸着材27bとを一体に混合して構成するようにしてもよい。
【0029】
上記排気通路22には、排気ガスの一部を吸気系に還流させるEGR通路29が接続されている。EGR通路29は、その上流端が排気通路22における上記第1酸素濃度センサ24の上流側に接続され、下流端が吸気通路10における上記スロットル弁13とサージタンク14との間に接続されている。EGR通路29には、開度が電気的に調節可能に構成されたEGR弁30と、このEGR弁30のリフト量を検出するリフトセンサ31とが配設されている。これらEGR通路29とEGR弁30とリフトセンサ31とにより排気還流手段が構成されている。
【0030】
上記排気通路22には、吸気の一部を吸気通路10から排気通路22における上記HC吸着触媒27の上流側に送り込む二次エア供給通路32が接続され、この二次エア供給通路32には、エンジンの制御を行うコントロールユニット(ECU)34から出力された制御信号に応じて開閉制御される流量制御弁33が設けられている。
【0031】
上記コントロールユニット34には、上記エアフローセンサ12、スロットル開度センサ16、吸気圧センサ17、スワール弁開度センサ20、各酸素濃度センサ24,26,28、及びEGR通路29のリフトセンサ31からの出力信号が入力されている。また、上記コントロールユニット34には、エンジンの冷却水温度を検出する水温センサ35,吸気温度を検出する吸気温度センサ36、大気圧を検出する大気圧センサ37、エンジンの回転数を検出する回転数センサ38、及びアクセルペダルの開度(アクセル操作量)を検出するアクセル開度センサ39から出力された検出信号が入力されている。
【0032】
上記コントロールユニット34は、HC判定制御手段42と、燃料噴射制御手段40と、点火時期制御手段41と、補正手段44とを備えている。
【0033】
上記HC判定制御手段42は、エンジンの始動後に計測された時間経過及び運転履歴等に基づいて導出されたHC吸着触媒27の温度THCEと、予め設定された基準温度とを比較することにより、上記HC吸着触媒27でのHCの吸着脱離状態を判定するように構成されている。
【0034】
つまり、図3(a)、(b)に示すように、エンジンの冷間始動後は、HC吸着材27bにHCが吸着するのみでHC吸着材27bからHCが脱離しない初期運転状態が継続し、HC吸着触媒27の温度THCEが時間の経過に伴って次第に上昇する。そして、HCの吸着量が次第に増大すると共に、HC吸着触媒27の温度THCEが脱離開始温度THC1に達すると、HC吸着材27bからのHCの脱離が開始する。このとき、HC吸着材27bへの吸着及びHC吸着材27bからの脱離が並行して行われる。そして、更にHC吸着触媒27の温度THCEが上昇すると、HC吸着材27bから脱離するHCの脱離量がHC吸着材27に吸着されるHC吸着量を上回る脱離運転状態となる。このときの温度を脱離運転開始温度THC2とする。そして、更にHC吸着触媒27の温度が上昇すると、HC吸着材27bからHCが脱離するのが完了する。このときの温度THCEを脱離運転完了温度THC3とする。
【0035】
即ち、HC吸着触媒27の温度THCEは、時間の経過に伴って次第に上昇するが、上昇速度はエンジン始動後の履歴等によって異なるために、HC判定制御手段42は、エンジン始動後の履歴等により、HC吸着触媒27の温度THCEが冷間始動後の脱離運転開始温度THC2に達する以前の温度か否か、又は脱離運転完了温度THC3に達しているか否かを判定する。
【0036】
尚、上記HC吸着触媒27の下流側に配設された上記第3酸素濃度センサ28により検出された酸素濃度に基づいて上記HC吸着材27bからのHCの脱離量が吸着量を上回る脱離運転状態にあるか否かを検出するようにしてもよい。
【0037】
上記燃料噴射制御手段40は、エンジンの運転状態に応じてインジェクタ7から噴射される燃料噴射状態を制御するように構成されている。
【0038】
上記燃料噴射制御手段40は、HC判定制御手段42により上記HC吸着触媒27の温度THCEが脱離運転開始温度THC2より低い温度での運転である初期運転状態にあると判定されたときには、燃焼室4内における平均空燃比が14.0になるように燃料噴射量を制御する初期噴射制御を実行するように構成されている。
【0039】
上記燃料噴射制御手段40は、HC吸着触媒27がHCの吸着と脱離とを行う運転状態にある場合には、吸気行程から点火時期にかけての期間内で、圧縮行程中期以降の後期噴射と、これより前の早期噴射とにおいてそれぞれ燃料噴射を行い、少なくとも2回の分割噴射を行わせるようにインジェクタ7を制御するように構成されている。尚、上記燃料噴射制御手段40は、冷間運転時の全運転領域で分割噴射を行うように構成してもよく、また高負荷領域ではエンジン出力の要求を満足すべく、吸気行程のみで燃料噴射を行うように構成してもよい。また、必ずしも直噴で燃料を噴射を行う構成である必要はなく、吸気ポートにインジェクタ7を配置して、吸気と燃料との混合気を燃焼室4内に供給する構成のものであってもよい。
【0040】
また、上記燃料噴射制御手段40は、還元度制御手段43を備えている。該還元度制御手段43は、上記HC判定制御手段42がHC吸着触媒27のHC吸着材27bからのHCの脱離量がHC吸着材27bへの吸着量を上回る脱離運転状態にあると判定した場合に、初期噴射制御を停止し、HC吸着触媒27と接触する排気ガスが酸素濃度0.5%以下の還元側(リッチ側)になるように燃料噴射量をフィードバック制御する酸素放出制御を実行するように構成されている。酸素放出制御では、HC吸着触媒27の上流側における排気ガスの還元度OX2を排気空燃比で理論空燃比よりも低い(理論空燃比相当の還元度よりも還元度が高い)14.5程度の還元度に制御してリッチ側に制御することにより、HC吸着触媒27と接触する排気ガスの酸素濃度を0.5%以下に制御するようになっている。つまり、酸素放出制御において、排気空燃比14.5相当の排気ガスの還元度が、HC吸着触媒27の上流側における還元度目標値として設定されている。
【0041】
排気空燃比とは、排気ガスの酸素濃度と還元剤濃度との存在状態からその排気ガス状態に直接対応する燃料と空気との混合気の空燃比を表す表現手法であり、排気空燃比が14.7のときは理論空燃比に相当し、このときの酸素濃度は実質的に0〜0.5%となる。これを境界として排気空燃比が14.7以下のときには、酸素濃度が減少あるいはゼロに固定され、還元剤濃度が増大する。このときには、排気ガスが還元側(リッチ側)となって排気ガスの還元度が大きくなる。一方、排気空燃比が14.7以上では、酸素濃度が増大し、還元剤濃度が減少する。このときには、排気ガスが酸化側(リーン側)となって排気ガスの還元度が小さくなる。
【0042】
上記酸素放出制御において、排気ガスに含まれる酸素濃度が0.5%以下になるように制御するようになっているのは、上記HC吸着触媒27と接触する排気ガスに含まれる酸素濃度が0.5%を越える酸化側(リーン側)に制御されると、HC吸着触媒27に含有される酸素吸蔵物質から酸素が放出され難くなるからである。つまり、還元度制御手段43は、酸素吸蔵物質に対する排気ガスの還元度を制御するようになっている。
【0043】
上記酸素放出制御では、第2酸素濃度センサ26が検出したHC吸着触媒27の上流側における排気ガスの還元度OX2が排気空燃比で14.5相当の還元度基準値OX20よりも高いときには、燃料噴射量のフィードバック値Qfb2を補正値β1だけ低減し、逆に排気空燃比で14.5相当の還元度基準値OX20よりも低いときには、燃料噴射量のフィードバック値Qfb2を補正値β2だけ増大することにより、HC吸着触媒27の上流側における還元度基準値OX20になるように制御を行うようになっている。このとき、補正値β1を補正値β2よりも小さい値に設定することにより、HC吸着触媒27の上流側における排気ガスをリッチ側に制御し易くなっている。
【0044】
HC吸着触媒27の上流側における排気ガスの還元度OX2は、排気空燃比13.5相当の還元度より還元強さが弱い状態(排気空燃比が大きな状態、還元度が小さな状態)に制御するのが好ましい。HC吸着触媒27の上流側における排気ガスの還元度OX2が排気空燃比13.5相当の還元度より還元強さが強い状態(排気空燃比が小さな状態、還元度が大きな状態)で燃焼した場合、上記酸素吸蔵物質からの酸素放出が促進されるものの、エンジンから排出されるHC量が急増するために、HC吸着材27aから放出されるHCもあるためHCが浄化しきれなくなってしまうためである。そして、HC吸着触媒27の上流側における排気ガスの還元度OX2を、排気空燃比で14.0以上で且つ14.7未満相当の還元度に制御するのがより好ましい。
【0045】
上記点火時期制御手段41は、点火回路5に制御信号を出力して、エンジンの運転状態に応じて混合気の点火時期を制御するように構成されている。つまり、点火時期制御手段41は、基本的には点火時期をMBTに制御するが、エンジンの冷間運転状態において、上記分割噴射が行われているときに、上記HC判定制御手段42においてHCの脱離度合いが大きいことが確認された場合に、必要に応じて点火時期を上記MBTよりも所定量だけリタードさせるように構成されている。
【0046】
上記補正手段44は、上記酸素放出制御において、第3酸素濃度センサ28が検出した還元度OX3に基づいて、上記燃料噴射制御手段40の還元度制御手段43による制御を補正するように構成されている。つまり、排気空燃比14.7相当(理論空燃比相当)の還元度がHC吸着触媒27の下流側における目標値OX30として設定されており、上記補正手段44は、HC吸着触媒27の下流側における還元度が排気空燃比で14.7相当の目標値OX30になるように還元度制御手段43による燃料噴射量のフィードバック制御を補正するように構成されている。言い換えると、燃料噴射制御手段40は、HC吸着触媒27の下流側における排気ガスの還元度OX3が上流側における還元度基準値OX20(平均空燃比14.5相当)よりも還元度合いの小さな目標値OX30(平均空燃比14.6から14.7相当)になるように燃料噴射量のフィードバック制御を実行するようになっている。
【0047】
上記酸素放出制御では、第3酸素濃度センサ28が検出した還元度OX3が排気空燃比で14.6から14.7相当の目標値OX30よりも高いか否かが判断され、排気空燃比で14.6から14.7相当の目標値OX30よりも高いときには、前回に検出した還元度OX3が排気空燃比で14.6から14.7相当の目標値OX30よりも高い場合に限り、燃料噴射量のフィードバック値Qfb3を補正値γ1だけ低減するようになっている。逆に第3酸素濃度センサ28が検出した還元度OX3が排気空燃比で14.6から14.7相当の目標値OX30以下のときには、燃料噴射量のフィードバック値Qfb3を補正値γ2だけ増大するようになっている。また、第3酸素濃度センサ28が検出した還元度OX3が、排気空燃比で14.6から14.7相当の目標値OX30よりも高いときにおいて、前回に検出した還元度OX3が排気空燃比で14.6から14.7相当の目標値OX30以下であった場合には、フィードバック値Qfb3の補正を行わないようになっている。
【0048】
ここで、フィードバック値Qfb3を低減させる補正値γ1は、フィードバック値Qfb3を増大させる補正値γ2よりも小さい値に設定されている。つまり、HC吸着触媒27の下流側における排気ガスの還元度OX3が連続して排気空燃比で14.6から14.7相当の目標値OX30よりも高い場合、即ち連続してリッチ側に制御されている場合にのみ、フィードバック値Qfb3の低減補正を行うようにすると共に、低減させる補正値γ1を増大させる補正値γ2よりも小さい値に設定することにより、HC吸着触媒27の上流側における排気ガスをリッチ側に制御し易くなっている。尚、連続してリッチ側に制御されている場合において、フィードバック値Qfb3を低減させる補正を禁止する構成にしてもよい。
【0049】
HC吸着触媒27の下流側における目標値OX30を理論空燃比相当の還元度に設定することにより、HC吸着触媒27にHCが過剰に流入するのを抑制して、過剰に還元側に制御されるのを防止することができると共に、酸素吸蔵物質からの酸素の過放出を防止して最適な酸素放出量を得ることができ、必要以上に酸素吸蔵物質に酸素を吸蔵させる必要がなくなる。
【0050】
上記燃料噴射制御手段40は、HC吸着触媒27の温度THCEがHC吸着材27bからのHCの脱離が完了する脱離完了温度THC3以上になったことが確認されたときには、酸素放出制御から、運転状態に対応した燃料噴射量をフィードバック制御する温間運転制御に移行するように構成されている。温間運転制御では、上記フィードバック値Qfb2、Qfb3をゼロリセットすると共に、第1酸素濃度センサ24が検出した三元触媒25の上流側における排気ガスの還元度OX1に基づいて、燃料噴射量が制御される。
【0051】
また、上記燃料噴射制御手段40は、例えば、温間運転時の成層燃焼領域では、上記インジェクタ7から圧縮行程の所定時期に燃料を一括して噴射させることにより、点火プラグ6の近傍に混合気の燃料を偏在させた状態で燃焼させると共に、例えば燃焼室4内における混合気の空燃比を30程度のリーン状態とする成層燃焼モードの燃焼制御を実行するように構成されている。また、上記燃料噴射制御手段40は、温間運転時の均一燃料燃焼領域では、上記インジェクタ7から吸気行程で燃焼を一括噴射させると共に、燃焼室4全体の平均空燃比を略理論空燃比(A/F=14.7)とする均一燃焼モードの燃焼制御を実行するように構成されている。尚、エンジンの中負荷中回転領域では、吸気行程と圧縮行程とに分割して燃料を噴射させるようにしてもよい。
【0052】
−制御動作−
上述の如く構成されたエンジンの排気浄化装置の制御動作について、図4及び図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0053】
先ず、上記制御動作がスタートすると、ステップST11において、エアフローセンサ12、第1〜第3酸素濃度センサ24,26,28、水温センサ35、吸気温センサ36、大気圧センサ37、回転数センサ38及びアクセル開度センサ39の検出値に対応した各データを入力し、ステップST12に移る。ステップST12では、アクセル開度及びエンジンの回転数に基づいて、予め設定されたマップからエンジンの目標トルクTrを設定してステップST13に移る。ステップST13では、上記目標トルクTrとエンジンの回転数とをパラメータとして、予め設定されたマップから燃料の基本噴射量Qb及び電気式スロットル弁13の基本開度Th0を設定し、ステップST14に移り、電気式スロットル弁13を駆動してステップST15に移る。上記基本噴射量Qb及び電気式スロットル弁13の基本開度Th0は、エンジンの燃焼室4内における空燃比が理論空燃比になるように設定されている。
【0054】
ステップST15において、HC吸着触媒27の温度THCEを導出し、ステップST16において、このHC吸着触媒27の温度THCEに基づいてHC吸着材27bからHCが脱離する運転状態にあるか否かを判定する。つまり、運転履歴等によりHC吸着触媒27の温度THCEを導出すると共に、この温度THCEが脱離運転開始温度THC2未満であるか否かを判断し、脱離運転状態に移行したか否かを判断する。上記脱離運転開始温度THC2は、例えば150℃に設定されている。
【0055】
HC吸着触媒27の温度THCEが上記脱離運転開始温度THC2以上のときには、ステップST16の判定がNOとなってステップST17に進み、HC吸着触媒27の温度THCEが上記脱離運転開始温度THC2以上で且つ脱離運転完了温度THC3未満であるか否かを判定する。上記脱離運転完了温度THC3は、例えば250℃に設定されている。つまり、HC吸着材27bから脱離されるHCの脱離量がHC吸着材27bに吸着されるHCの吸着量を上回る脱離運転状態にあるか否かを判定する。HC吸着触媒27の温度THCEが上記の範囲内にあり、脱離運転状態にあるときには、ステップST17の判定がYESとなってステップST18に進む。
【0056】
ステップST18において、第2酸素濃度センサ26が検出したHC吸着触媒27の上流側における排気ガスの還元度OX2が予め設定された上流側の還元度基準値OX20(排気空燃比で14.5相当)よりも高い(還元強さが強い)か否かを判定する。そして、HC吸着触媒27の上流側における排気ガスの還元度OX2が上記上流側の還元度基準値OX20よりも高いときにはステップST19に進み、燃料噴射量のフィードバック値Qfb2を補正値β1だけ低減させてステップST20に進む。一方、上記排気ガスの還元度OX2が上記上流側の還元度基準値OX20以下のときには、ステップST21に進み、燃料噴射量のフィードバック値Qfb2を補正値β2だけ増大させてステップST20に進む。つまり、上記脱離運転状態にあるときには、排気空燃比で14.5相当の還元度になるように燃料噴射量を増減してHC吸着触媒27の上流側における排気ガスをリッチ側に制御している。
【0057】
上記ステップST20において、HC吸着触媒27の下流側における排気ガスの還元度OX3が予め設定された下流側の目標値OX30(排気空燃比で14.6から14.7相当)よりも高い(還元度合いが強い)か否かを判定する。そして、HC吸着触媒27の下流側における排気ガスの還元度OX3が上記下流側の目標値OX30よりも高いときにはステップST22に進み、前回に第3酸素濃度センサ28が検出した還元度OX3が上記下流側の目標値OX30よりも高いか否かを判定し、還元度OX3が上記下流側の目標値OX30よりも高いときにのみステップST23に進んで、燃料噴射量のフィードバック値Qfb3を補正値γ1だけ低減させる。また、前回に第3酸素濃度センサ28が検出した還元度OX3が上記下流側の目標値OX30以下であったときには、ステップST24に進み、フィードバック値Qfb3を補正することなくステップST26に進む。
【0058】
一方、上記ステップST20において、HC吸着触媒27の下流側における排気ガスの還元度OX3が上記下流側の目標値OX30以下であるときには、ステップST25に進み、燃料噴射量のフィードバック値Qfb3を補正値γ2だけ増大させてステップST26に進む。つまり、還元度OX3が連続して排気空燃比14.6から14.7相当の下流側の目標値OX30よりも高い場合、即ち連続してリッチ側に制御されている場合にのみ、フィードバック値Qfb3の低減補正を行うようにすると共に、低減補正する補正値γ1を増大補正する補正値γ2より小さい値に設定することにより、HC吸着触媒27の上流側における排気ガスが、酸素濃度0.5%以下の還元側(リッチ側)に制御され易くなっている。更に、HC吸着触媒27の下流側における排気ガスの還元度の目標値OX30を理論空燃比相当に設定すると共に、HC吸着触媒27の下流側における排気ガスの還元度OX3に基づいて燃料噴射量を増減補正するようにしたために、HC吸着触媒27にHCが過剰に流入するのを抑制することができると共に、HC吸着触媒27の酸素吸蔵物質からの酸素の過放出が防止される。
【0059】
つまり、図3(c)に示すように、HC吸着触媒27のHC吸着材27bからのHCの脱離量がHC吸着材27bへの吸着量を上回る脱離運転状態(時間T1から時間T2の間)にあるときには、HC吸着触媒27の上流側における排気ガスは、還元度OX2が排気空燃比で14.5相当のリッチ側に制御されている。また、HC吸着触媒27の下流側における排気ガスは、還元度OX3が排気空燃比で14.6から14.7相当の還元度に制御されている。
【0060】
上記ステップST26において、第1酸素濃度センサ24が検出した排気ガスの還元度OX1が、三元触媒25の上流側における還元度基準値OX10よりも高い(還元度合いが強い)か否かを判定する。排気ガスの還元度OX1が三元触媒25の上流側における還元度基準値OX10よりも低いときには、上記ステップST26における判定がYESとなってステップST27に進み、燃料噴射量のフィードバック値Qfb1を補正値αだけ低減させてステップST28に移る。一方、上記還元度基準値OX10以下のときには、ステップST26からステップST29に進み、フィードバック値Qfb1を補正値αだけ増大させて、ステップST28に移る。
【0061】
上記ステップST28では、上記基本噴射量Qbに上記各フィードバック値Qfb1、Qfb2、Qfb3を加算することにより最終噴射量Qpを導出し、ステップST30に移って噴射タイミングに合わせて、ステップST31において燃料を噴射する。
【0062】
一方、上記ステップST16において、HC吸着触媒27の温度が上記脱離運転開始温度THC2未満の初期運転状態にあるときには、ステップST16における判定がYESとなり、ステップST32に進む。ステップST32では、基本噴射量Qbに初期調整噴射量Qpreを加算することにより、燃焼室4内の平均空燃比が14.0相当になるように最終噴射量Qpを設定し、ステップST30に移って噴射タイミングに合わせて、ステップST31において燃料を噴射する。
【0063】
また、上記ステップST17において、HC吸着触媒27の温度THCEが上記脱離運転完了温度THC3以上となったとき、即ち、脱離運転状態が終了したと判定されたときには、ステップST33に進んでフィードバック値Qfb2及びフィードバック値Qfb3をゼロに設定し、ステップST26に移る。そして、上記同様にステップST27,ST29においてフィードバック値Qfb1を補正値αだけ増減させ、ステップST28において最終噴射量Qpを導出する。つまり、最終噴射量Qpは、三元触媒25の上流側における排気ガスの還元度OX1に基づいて決定されるフィードバック値Qfb1のみによって導出されて、酸素放出制御から温間運転制御に移行したこととなる。そして、ステップST30において噴射タイミングに合わせて、ステップST31において燃料の噴射制御を実行する。温間運転制御では、運転状態に対応した燃料噴射量のフィードバック制御が実行される。
【0064】
【発明のその他の実施の形態】
上記実施形態について、排気通路22は、三元触媒25と第1酸素濃度センサ24とを省略する構成としてもよい。この場合、酸素放出制御では、三元触媒25の上流側における排気ガスの還元度に基づく燃料噴射制御が省略されることとなる。
【0065】
上記実施形態では、HC吸着触媒27の上流側における排気ガスの還元度は、燃料噴射量のフィードバック制御により行われる構成としたが、この排気ガスの還元度の制御は、燃料噴射量のフィードバック制御に限られるものではなく、2次エアー等による制御の適用も可能である。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、HC吸着触媒の下流側における排気ガスの還元度を排気空燃比として検出し、その検出したHC吸着触媒下流側における排気空燃比が理論空燃比になるように、還元度制御手段による制御を補正するようにしたために、脱離運転状態にあるときに、HC吸着触媒において酸素吸蔵物質から放出される酸素を有効に利用して排気ガス中のHC等を処理することができるのに加え、最適な酸素放出量に制御することができる。つまり、排気ガスが不要に還元側に制御されるのを確実に防止することができて燃費の向上を図ることができると共に、HC吸着触媒に酸素が過剰に供給されるのを抑制することができて酸素吸蔵物質に必要以上に酸素を吸蔵させる必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るエンジンの排気浄化装置の全体構成を示す全体図である。
【図2】HC吸着触媒の構成を部分的に示す断面図である。
【図3】(a)は、HC吸着触媒の運転動作を示す特性図であり、(b)は、HC吸着触媒の温度変化を示す特性図であり、(c)は、HC吸着触媒の上流側における排気ガスの還元度の変化を示す特性図である。
【図4】実施形態に係るエンジンの排気浄化装置の制御動作の前半部を示すフロー図である。
【図5】実施形態に係るエンジンの排気浄化装置の制御動作の後半部を示すフロー図である。
【符号の説明】
22 排気通路
27 HC吸着触媒
27b HC吸着材
28 第3酸素濃度センサ(還元度検出手段)
43 還元度制御手段
44 補正手段
Claims (1)
- エンジンの排気通路に配置され、HCを吸着する一方で昇温に伴って吸着したHCを脱離するHC吸着材と、酸化側で酸素を吸蔵し、還元側で酸素を放出する酸素吸蔵物質と、上記HC吸着材から脱離したHCを酸化する触媒金属とを含有するHC吸着触媒と、
少なくともHC吸着材へのHCの吸着量をHC吸着材からのHCの脱離量が上回る脱離運転状態にあるときに、酸素吸蔵物質から酸素が放出されるようにHC吸着触媒の上流側又はHC吸着触媒内における排気ガスを還元側に制御する還元度制御手段と、
排気通路におけるHC吸着触媒の下流側における排気ガスの還元度を排気空燃比として検出する還元度検出手段と、
上記還元度検出手段が検出したHC吸着触媒下流側における排気空燃比が理論空燃比になるように、還元度制御手段による制御を補正する補正手段とを備えている
ことを特徴とするエンジンの排気浄化装置。
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