JP2001003731A - 排気ガス浄化装置、排気ガス浄化方法及び排気ガス浄化用触媒 - Google Patents

排気ガス浄化装置、排気ガス浄化方法及び排気ガス浄化用触媒

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JP2001003731A JP2000115337A JP2000115337A JP2001003731A JP 2001003731 A JP2001003731 A JP 2001003731A JP 2000115337 A JP2000115337 A JP 2000115337A JP 2000115337 A JP2000115337 A JP 2000115337A JP 2001003731 A JP2001003731 A JP 2001003731A
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Yuki Koda
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン1の排気通路22に、排気中の酸素
濃度が高いときにNOx及び硫黄成分を吸収し、酸素濃
度が低下するとNOxを放出するリーンNOx触媒25
を設けた排気浄化装置Aにおいて、該触媒25のS被毒
からの回復性を高める。 【解決手段】 触媒25のNOx吸収材を構成する元素
として、K、Sr、Mg及びLaのうちの少なくとも一
種とBaとを採用し、S被毒からの回復は、硫黄過吸収
判定手段40aによりNOx吸収材に硫黄成分が過剰に
吸収されたことが判定されたときに、硫黄脱離手段40
bにより排気ガス中の酸素濃度を低下させるとともに、
NOx吸収材の温度を高めることによって行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジン等の排気
通路に酸素過剰雰囲気でNOx(窒素酸化物)を吸収す
るNOx吸収材を配設して、空燃比がリーンな状態でも
排気中のNOxを除去できるようにした排気ガス浄化装
置および排気ガス浄化方法に関し、特に上記NOx吸収
材の性能が低下したときに、その性能を復活させるよう
にした触媒の再生の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】エンジンの排気通路に、混合気の空燃比
がリーンで排気ガス中の酸素濃度が高いときに排気ガス
中のNOxを吸収し、酸素濃度が低下するとそのNOx
を放出するNOx吸収材を設け、この放出されるNOx
を還元浄化するようにしたものは一般に知られている。
【0003】しかし、燃料やエンジンオイルに硫黄成分
(S)が微量に含まれている場合、この硫黄成分が燃焼
し排出されると、上記NOx吸収材は、排気ガス中のN
OxよりもSOx(硫黄酸化物)を吸収し易く、しか
も、一旦吸収すると排気ガス中の酸素濃度が低下しても
そのSOxを殆ど放出しないので、時間の経過とともに
SOxの吸収量が増大して、NOx吸収性能が徐々に低
下する。
【0004】このS被毒の問題に関し、特開平6−14
2458号公報には、NOx吸収材としてのBaにアル
カリ金属、Fe、Ni、Co及びMgのうちの少なくと
も1種を組み合わせると、Baの耐S被毒性の向上に有
利であることが示唆されている。
【0005】また、特開平10−118494号公報に
は、酸素過多雰囲気でもNOxを換言浄化するNOx浄
化用触媒に関し、アルミナ担体に触媒金属としてPt及
びRhを担持させるとともに、NOx親和性の高いKの
他にCe、Sr、Mg等を担持させ、SOx存在下でも
高いNOx浄化性能を得ることが記載されている。
【0006】また、特開平10−274031号公報に
は、筒内直噴エンジンにおいて、その膨張行程で燃料を
噴射することにより、排気ガス温度を上昇させてNOx
吸収材に吸収されているSOxを脱離させることが記載
されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、NO
x吸収材が排気ガス中の硫黄成分を吸収してそのNOx
吸収性能が低下したときに、硫黄成分を脱離させてその
性能を復活させることにあり、特にNOx吸収材の構成
を、所定の硫黄脱離手段を施したときに硫黄成分を脱離
して再生し易いものにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、図1
に示すように、エンジン1等の排気通路22に配設さ
れ、排気ガス中の酸素濃度が高い酸素過剰雰囲気で排気
ガス中のNOx及び硫黄成分を吸収する一方、酸素濃度
の低下によって上記吸収したNOxを放出するNOx吸
収材25と、上記NOx吸収材25への硫黄成分の吸収
過剰状態を判定する硫黄過吸収判定手段aと、上記硫黄
過吸収判定手段aにより硫黄成分の吸収過剰状態が判定
されたとき、上記NOx吸収材25の温度を高めるとと
もに、上記酸素濃度を低下させることによって、上記N
Ox吸収材25から硫黄成分を脱離させる硫黄脱離手段
bとを備え、上記NOx吸収材25を構成する元素とし
て、K、Sr、Mg及びLaのうちの少なくとも一種と
Baとを具備することを特徴とする。
【0009】かかる構成により、NOx吸収材25に硫
黄成分が過剰に吸収された後に、硫黄脱離手段bを働か
せると、そのNOx吸収性能が硫黄成分を吸収する前の
性能に近いところまで回復し易くなる。すなわち、その
NOx吸収材25は、回復(S被毒からの回復のこと。
以下、同じ。)後のNOx吸収性能がBa単独でNOx
吸収材を構成した場合に比べて高くなり、あるいは、高
熱に晒されたときのNOx吸収性能の低下が少なくな
る、つまり耐熱性が高くなる。この耐熱性の向上はNO
x吸収材25の回復に有利に働く。この耐熱性向上とN
Ox吸収材25の回復との関係は次の通りである。
【0010】すなわち、上記硫黄脱離手段bは、排気ガ
ス中の酸素濃度を低下させるだけでなく、NOx吸収材
25の温度を高めることによって該NOx吸収材25か
ら硫黄成分を脱離させる。従って、NOx吸収材の耐熱
性が低いものであれば、硫黄成分の脱離のために該NO
x吸収材25の温度を高めることが難しくなり、本来の
目的を達成することができない。これに対して、本発明
の如く、NOx吸収材25の耐熱性が高くなれば、上記
硫黄脱離手段bを有効に利用してそのNOx吸収性能を
回復させることができる、ということになる。つまり、
硫黄脱離処理時の熱によるNOx吸収材25の劣化を避
けることができる。
【0011】このように本発明によって、回復後のNO
x吸収性能がBa単独でNOx吸収材を構成した場合に
比べて高くなり、あるいは、耐熱性が高くなる理由は定
かでないが、次のように考えられる。
【0012】すなわち、Ba以外の他の元素(K、S
r、Mg又はLa)は、BaよりもS被毒を受け易く、
そのために相対的にBaのS被毒が少なくなって、S被
毒後のNOx吸収性能の低下が小さくなっていることが
まず考えられる。これはBaの方が当該他の元素よりも
NOx吸収性能が高い場合である。
【0013】また、上記他の元素(K、Sr、Mg又は
La)は、BaよりもS被毒から回復し易く、そのため
に回復後のNOx吸収性能が高くなっていることが考え
られる。すなわち、BaにSOxが化合した硫酸塩は安
定であるが、上記他の元素の硫酸塩はBaの硫酸塩より
も不安定であって、酸素濃度が低い雰囲気で高温になる
と、SOxを脱離し易いと考えられる。あるいはBaと
上記他の元素(K、Sr、Mg又はLa)とは複合酸化
物を形成しうるが、硫黄被毒するときはBaと上記他の
元差とが複合硫酸塩を形成し、それがあまり安定でない
ためにSOxを脱離して回復し易くなっていると考えら
れる。
【0014】さらに、NOx吸収材25を構成する元素
をBa単独として、その量を多くしてもS被毒前のNO
x吸収性能及び回復後のNOx吸収性能はそれほど向上
しないが、これはBa量がある量を越えて多くなっても
その粒子径が大きくなるだけで比表面積は増大しないか
らであると考えられる。これに対して、Baと他の元素
(K、Sr、Mg及びLaのうちの少なくとも一種)と
を組み合わせた場合、それらの元素の性質の違いから各
々が別個に存在し、比表面積ないしは反応サイトが増大
するとともに、熱によるシンタリングを生じ難くなると
考えられる。さらにNOx吸収材を構成する異なる元素
間の相互作用により、硫黄が脱離し易くなる、と考えら
れる。
【0015】Ba及び上記他の元素をハニカム形状等の
担体に担持させる場合、担体1L当たりのBa担持量は
10〜50g程度、さらには20〜40gが好ましく、
上記他の元素については、その担持量をBa担持量と同
程度かそれよりも少なくすることが好ましい。
【0016】上記酸素濃度が高い酸素過剰の排気ガスと
しては、例えばエンジンを空燃比A/F>16のリーン
混合気(特にA/F=18〜50)で運転したときの排
気ガス(酸素濃度4〜20%程度)がこれに相当する。
【0017】上記NOx吸収材25を構成する元素とし
ては、Baの他にKを含むことが好ましい。これによ
り、S被毒前のNOx吸収性能が高くなるとともに、S
被毒を受けた時のNOx吸収性能の低下が小さくなり、
また、回復後のNOx吸収性能も高くなる。BaとKと
の重量比率は例えば、Ba:K=30:(1 〜30)
が好ましい。
【0018】上記NOx吸収材25を構成する元素とし
ては、上記Ba及びKの他にSr、Mg及びLaのうち
の少なくとも一種を含むことが好ましい。これにより、
NOx吸収材25の耐熱性が高くなり、硫黄脱離処理時
に熱劣化することを避けるうえで有利になる。
【0019】上記NOx吸収材25を構成する元素とし
て、上記Ba、K及びMgを採用しこれらをハニカム形
状等の担体に担持させる場合、担体1L当たりのBa担
持量は10〜50gとすること、K担持量は1g以上と
すること(上限は例えば15gとすること)、Mg担持
量は3〜17gとすることが好ましい。また、Mg担持
量は5〜15gとすること、さらには8〜12gとする
ことがより好ましい。これにより、耐熱性が得られると
ともに、S被毒からの回復性も良くなる。BaとKとM
gとの重量比率は例えば、Ba:K:Mg=30:(1
〜30):(1〜30)が好ましい。
【0020】上記NOx吸収材25を構成する元素とし
て、上記Ba、K及びSrを採用しこれらをハニカム形
状等の担体に担持させる場合、担体1L当たりのBa担
持量及びK担持量は上記Ba−K−Mgの系と同様にし
て、Sr担持量を10〜20gとすることが好ましい。
また、Sr担持量は13〜17gとすることがより好ま
しい。これにより、耐熱性が得られるとともに、S被毒
からの回復性も良くなる。BaとKとSrとの重量比率
は例えば、Ba:K:Sr=30:(1〜30):(1
〜30)が好ましい。
【0021】上記NOx吸収材25を構成する元素とし
ては、Baの他にSrを含むことが好ましい。これによ
り、NOx吸収材25の耐熱性が高くなり、硫黄脱離処
理時に熱劣化することを避けるうえで有利になる。
【0022】上記NOx吸収材25を構成する元素とし
ては、上記Ba及びSrの他にMg及びLaのうちの少
なくとも一種を含むことが好ましい。これにより、NO
x吸収材25の耐熱性が高くなり、硫黄脱離処理時に熱
劣化することを避けるうえでさらに有利になる。
【0023】上記NOx吸収材25を構成する元素とし
ては、Baの他にMgを含むことが好ましい。これによ
り、NOx吸収材25の耐熱性が高くなり、硫黄脱離処
理時に熱劣化することを避けるうえで有利になる。
【0024】上記NOx吸収材25を構成する元素とし
ては、上記Ba及びMgの他にLaを含むことが好まし
い。これにより、NOx吸収材25の耐熱性が高くな
り、硫黄脱離処理時に熱劣化することを避けるうえでさ
らに有利になる。
【0025】上記硫黄脱離手段bによる上記NOx吸収
材25の昇温は、排気ガス温度を高めることによって実
現することができ、例えば排気ガス温度が500〜11
00℃(好ましくは600〜1100℃)となるように
すれば、NOx吸収材25からの硫黄の脱離に有利にな
る。なお、NOx吸収材25にヒータを付設してこれを
加熱するようにしてもよい。また、上記硫黄脱離手段b
による排気ガス中の酸素濃度の低下は、エンジンの空燃
比を制御することによって実現することができ、例えば
λ(酸素過剰率)が1付近となるように若しくは1以下
となるようにすれば、排気ガス中の酸素濃度が0.5%
以下になり、NOx吸収材25からの硫黄成分の脱離に
有利になる。
【0026】上記エンジンとして火花点火式直噴エンジ
ンを採用した場合、上記硫黄脱離手段bとしては、燃料
を気筒内燃焼室へ吸気行程の始めから圧縮行程の終わり
までの間に少なくとも2回に分割して噴射するように燃
料噴射弁を作動させる燃料噴射制御手段であることが好
ましい。これにより、上記排気ガス中の酸素濃度を低下
させながら、排気ガス温度を高めて上記NOx吸収材2
5の温度を高めることが可能である。特にこのような分
割噴射であれば、排気ガス中のCO濃度を高めることが
でき、NOx吸収材25からの硫黄成分の脱離にさらに
有利になる。
【0027】すなわち、NOx吸収材25がBaである
場合、SOxはバリウム粒子の表面に硫酸塩の形態で吸
着されており、この硫酸バリウムがCOの供給により次
の反応が進行して、炭酸バリウムと二酸化硫黄とが生成
すると考えられる。
【0028】BaSO4+CO → BaCO3+SO2
(係数省略) また、CO濃度が高くなると、このCOと排気中の水分
との間でいわゆる水性ガスシフト反応が進み、これによ
り、触媒の反応サイトで水素が生成される。
【0029】CO+H2O → H2+CO2 そして、この水素によりNOx吸収材25に吸着されて
いる硫黄が硫化水素の形で脱離されるので、硫黄成分の
脱離に有利になり、しかもこの水性ガスシフト反応は比
較的低温でも進行するので、NOx吸収材25の温度を
高くしなくてもよい。
【0030】また、上記NOx吸収材25への硫黄成分
の吸収過剰状態を判定する硫黄過吸収判定手段aとして
は、例えば、当該自動車の走行距離とその間に消費した
燃料の総量とに基いて、さらにはその間のNOx吸収材
25の温度状態を加味して、該NOx吸収材25のSO
x吸収量を推定し、該推定量が所定値を越えたことをも
って、硫黄成分の吸収過剰状態と判定するようにしたも
のを採用することができる。
【0031】この出願の他の発明は、NOx及び硫黄成
分を含む排気ガスを浄化する排気ガス浄化方法であっ
て、上記排気ガスをその酸素濃度が高い酸素過剰状態に
あるときに、K、Sr、Mg及びLaのうちの少なくと
も一種とBaとを具備するNOx吸収材25に接触させ
ることによって、該NOx吸収材25に上記NOx及び
硫黄成分を吸収させ、上記NOx吸収材25の硫黄成分
吸収状態が所定の過剰吸収状態になったときに、該NO
x吸収材25の温度を高めるとともに、上記排気ガス中
の酸素濃度を低下させることによって、該NOx吸収材
25から上記硫黄成分を脱離させることを特徴とする。
【0032】すなわち、このような方法によれば、上述
の説明から明らかなように、NOx吸収材25のNOx
吸収性能がS被毒によって低下したときに、その硫黄成
分をNOx吸収材25から脱離させてNOx吸収性能を
高いレベルまで回復させることが容易になり、NOxの
浄化に有利になる。
【0033】この出願のさらに他の発明は、排気通路に
配設され、排気ガス中の酸素濃度が高い酸素過剰雰囲気
で排気ガス中のNOx及び硫黄成分を吸収する一方、酸
素濃度の低下によって上記吸収したNOxを放出するN
Ox吸収材を備えている排気ガス浄化用触媒であって、
上記NOx吸収材を構成する元素が、Ba、K、Mg及
びSrを含むことを特徴とする。
【0034】すなわち、このような排気ガス浄化用触媒
であれば、耐熱性が得られるとともに、S被毒からの回
復性を高める上でも有利になる。この場合、Ba、K、
Mg及びSrの一部はBa(x)-K(y)-Mg(z)-Sr(m)
系の複合酸化物を形成していると考えられる。ここに、
x、y、z及びmは構成原子数の比を表し、x+y+z
+m=1とすると、x=0.3〜0.9、y=0.01
〜0.5、z=0.01〜0.5、m=0.01〜0.
7である。
【0035】
【発明の効果】以上のように、この出願の排気ガス浄化
装置に関する発明によれば、NOx吸収材がK、Sr、
Mg及びLaのうちの少なくとも一種とBaとを具備
し、該NOx吸収材への硫黄成分の吸収過剰状態を判定
する手段と、該硫黄成分の吸収過剰状態が判定されたと
き、NOx吸収材の温度を高めるとともに、排気ガス中
の酸素濃度を低下させる硫黄脱離手段bとを備えている
から、NOx吸収材のS被毒からの回復に有利になり、
NOx浄化性能の向上を図ることができる。
【0036】また、この出願の排気ガス浄化方法に関す
る発明によれば、酸素過剰の排気ガスを、K、Sr、M
g及びLaのうちの少なくとも一種とBaとを具備する
NOx吸収材に接触させることによって、これに排気ガ
ス中のNOx及び硫黄成分を吸収させ、該NOx吸収材
が硫黄成分を過剰に吸収した状態になったときに、該N
Ox吸収材の温度を高めるとともに、上記排気ガス中の
酸素濃度を低下させるようにしたから、NOx吸収材を
S被毒から回復させて、NOx吸収性能を高いレベルで
維持することができ、NOxの浄化に有利になる。
【0037】また、この出願の排気ガス浄化用触媒に関
する発明によれば、NOx吸収材を構成する元素が、B
aの他に、K、Mg及びSrを含むから、耐熱性が得ら
れるとともに、S被毒からの回復性を高める上でも有利
になる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0039】(エンジン全体構成)図2は本発明の実施
形態に係る排気ガス浄化装置Aを搭載したエンジンの全
体構成を示す。同図において、1は例えば自動車に搭載
された多気筒エンジンであり、各気筒2に嵌挿されたピ
ストン3により該気筒2内に燃焼室4が区画形成されて
いる。この燃焼室4の上壁における気筒軸心上の位置に
は、点火回路5に接続された点火プラグ6が燃焼室4に
臨むように取り付けられている。また、上記燃焼室4の
周縁部には、この燃焼室4に燃料を直接噴射するインジ
ェクタ(燃料噴射弁)7が取り付けられている。
【0040】上記インジェクタ7には、図示しないが、
高圧燃料ポンプ、プレッシャレギュレータ等を有する燃
料供給回路が接続されている。この燃料供給回路は、燃
料タンクからの燃料を適正な圧力に調整しながら、イン
ジェクタ7に供給するためのものであり、燃料圧力を検
出する燃圧センサ8を備えている。そして、インジェク
タ7により燃料が気筒2の圧縮行程後期に噴射される
と、その燃料噴霧はピストン3の頂面に凹設したキャビ
ティ(図示せず)にトラップされて、上記点火プラグ6
近傍に比較的濃い混合気の層が形成される。一方、イン
ジェクタ7により燃料が気筒2の吸気行程で噴射される
と、その燃料噴霧は燃焼室4に拡散して吸気(空気)と
混合されて、燃焼室4に均一な混合気が形成される。
【0041】上記燃焼室4は、吸気弁9で開閉される吸
気ポート(図示省略)を介して吸気通路10に連通され
ている。この吸気通路10は、エンジン1の燃焼室4に
対しエアクリーナ11で濾過した吸気を供給するもので
あり、上流側から下流側に向かって順に、吸入空気量を
検出するホットワイヤ式エアフローセンサ12と、吸気
通路10を絞る電気式スロットル弁13と、サージタン
ク14とがそれぞれ配設されている。上記電気式スロッ
トル弁13は、図外のアクセルペダルに対し機械的には
連結されておらず、モータ15により駆動されて開閉す
るようになっている。さらに、上記スロットル弁13の
開度を検出するスロットル開度センサ16と、サージタ
ンク14内の吸気圧を検出する吸気圧センサ17とがそ
れぞれ設けられている。
【0042】上記サージタンク14よりも下流側の吸気
通路10は、気筒2毎に分岐する独立通路とされてい
て、その各独立通路の下流端部がさらに2つに分岐して
それぞれ吸気ポートに連通しており、その分岐路のうち
の一方にスワール制御弁18が設けられている。このス
ワール制御弁18はアクチュエータ19により駆動され
て開閉するものであり、スワール制御弁18が閉弁する
と、吸気は他方の分岐路のみから燃焼室4に供給され
て、その燃焼室4に強い吸気スワールが生成される一
方、スワール制御弁18が開くに連れて、吸気スワール
は弱められるようになっている。また、そのスワール制
御弁18の開度を検出するスワール制御弁開度センサ2
0が設けられている。
【0043】図2において22は燃焼室4から燃焼ガス
を排出する排気通路で、この排気通路22の上流端は気
筒2毎に分岐して、図示しない排気ポートにより排気弁
23を介して燃焼室4に連通されている。この排気通路
22には上流側から下流側に向かって順に、排気ガス中
の酸素濃度を検出するO2センサ24と、排気ガスを浄
化する触媒25とがそれぞれ配設されている。上記O2
センサ24の出力(起電力)は、図3に示すように、排
気ガス中の酸素濃度が略理論空燃比に対応する濃度(約
0.5%)になっているときに基準値E1になるが、そ
れよりも濃い場合(リッチ側)には急増する一方、それ
よりも薄い場合(リーン側)には急減するようになって
いる。つまり、O2センサ24は、その出力が理論空燃
比を境にステップ状に反転するいわゆるラムダO2セン
サからなるものである。
【0044】また、上記触媒25は、排気ガス中の酸素
濃度が高い酸素過剰雰囲気でNOxを吸収する一方、酸
素濃度の低下によって吸収したNOxを放出しかつ還元
浄化するNOx吸収還元タイプのものである。このリー
ンNOx触媒25は、図4に示すように、コージェライ
ト製のハニカム構造の担体25aを有し、その担体25
aに形成された各貫通孔の壁面に内側触媒層25bと、
その上の外側触媒層25cとが形成されている。
【0045】さらに、上記O2センサ24よりも上流側
の排気通路22には、EGR通路26の上流端が接続さ
れ、その下流端は上記スロットル弁13とサージタンク
14との間の吸気通路10に接続されていて、排気ガス
の一部を吸気系に還流させるようになっている。このE
GR通路26の下流端寄りにはその通路開度を調節する
電気式のEGR弁27が配設されており、EGR通路2
6による排気の還流量(以下EGR量という)を調節す
るようになっている。このEGR通路26及びEGR弁
27により、排気還流手段が構成されている。また、そ
のEGR弁27のリフト量を検出するリフトセンサ28
が設けられている。
【0046】上記点火プラグ6の点火回路5、インジェ
クタ7、電気式スロットル弁13の駆動モータ15、ス
ワール制御弁18のアクチュエータ19、電気式EGR
弁27等はコントロールユニット40(以下、ECUと
いう)によって作動制御されるようになっている。一
方、このECU40には、上記エアフローセンサ12、
スロットル開度センサ16、吸気圧センサ17、スワー
ル制御弁開度センサ20、O2センサ24及びEGR弁
27のリフトセンサ28の各出力信号が入力されてお
り、加えて、エンジン1の冷却水温度(エンジン水温)
を検出する水温センサ30、吸気温度を検出する吸気温
センサ31、大気圧を検出する大気圧センサ32、エン
ジン回転数を検出する回転数センサ33、及びアクセル
ペダルの開度(アクセル操作量)を検出するアクセル開
度センサ34の各出力信号が入力されている。
【0047】(エンジン制御の概要)この実施形態に係
るエンジン1は、その運転状態に応じてインジェクタ7
による燃料噴射の形態(燃料噴射時期及び空燃比等)が
切替えられて、異なる燃焼状態で運転されるようになっ
ている。すなわち、エンジン1の温間時には、例えば図
5に示すように、低負荷低回転側の所定領域が成層燃焼
領域とされ、図6に示すように、インジェクタ7により
圧縮行程後期に燃料を一括して噴射させて、点火プラグ
6の近傍に混合気が偏在する成層状態で燃焼させる燃焼
モードになる。この成層燃焼モードでは、エンジン1の
ポンプ損失を低減するためにスロットル弁13の開度を
大きくしており、このことで、燃焼室4の平均空燃比は
大幅にリーンな状態(例えばA/F=30くらい)にな
る。
【0048】一方、それ以外の運転領域は均一燃焼領域
とされており、低負荷側のλ=1分割領域では、インジ
ェクタ7により燃料を吸気行程と圧縮行程とでそれぞれ
1回ずつ合計2回に分割して噴射させるとともに、燃焼
室4における混合気の空燃比が略理論空燃比(A/F=
14.7)になるように、燃料噴射量やスロットル開度
等を制御する(以下、λ=1分割モードという)。ま
た、均一燃焼領域における高負荷ないし高回転側のエン
リッチ領域では、インジェクタ7により燃料を吸気行程
前期に一括して噴射させるとともに、空燃比は理論空燃
比よりもリッチな状態(例えばA/F=13〜14)に
させる(以下、エンリッチモードという)。
【0049】また、上記図5の制御マップに斜線を入れ
て示す領域では、EGR弁27を開弁させて、EGR通
路26により排気ガスの一部を吸気通路10に還流させ
るようにしている。尚、図示しないが、エンジン冷間時
には燃焼安定性の向上のためにエンジン1の全ての運転
領域を均一燃焼領域としている。
【0050】より詳しくは、上記ECU40はエンジン
出力に関係する各種制御パラメータとして、例えば、イ
ンジェクタ7による燃料噴射量及び噴射時期、スロット
ル弁13により調整される吸入空気量、スワール制御弁
18により調整される吸気スワール強さ、EGR弁27
により調整されるEGR量等をエンジン1の運転状態に
応じて決定するようになっている。
【0051】すなわち、まず、アクセル開度accel及び
エンジン回転数neに基づいて、エンジン1の目標トルク
trqが演算される。この目標トルクtrqは予めベンチテス
ト等により、要求される出力性能が得られるようにアク
セル開度accel及びエンジン回転数neとの対応関係が求
められ、この対応関係がマップとしてECU40のメモ
リに記憶されていて、このマップから、実際のアクセル
開度accel及びエンジン回転数neに対応する値が読み込
まれる。上記アクセル開度accel及びエンジン回転数ne
と目標トルクtrqとの対応関係は、例えば、図7(a)
に示すようになり、目標トルクtrqはアクセル開度accel
が大きくなるに連れて増加し、かつエンジン回転数neが
高いほど大きくなる。
【0052】続いて、上記のように求めた目標トルクtr
qとエンジン回転数neとに基づいて、運転モードが設定
される。すなわち、例えばエンジン温間時には、図5に
示すように、目標トルクtrqが所定の低負荷側しきい値t
rq*よりも低く且つエンジン回転数neが低いときには成
層燃焼モードとされる一方、それ以外の運転状態では均
一燃焼モードとされ、さらにこの場合は、目標トルクtr
q及びエンジン回転数neに応じてλ=1分割モードかエ
ンリッチモードかが選択される。
【0053】続いて、上記運転モード別に目標空燃比af
wが設定される。すなわち、成層燃焼モードやエンリッ
チモードでは目標トルクtrqとエンジン回転数neとに応
じて、予め作成されているマップから目標空燃比afwを
求め、また、λ=1分割モードでは目標空燃比afwを理
論空燃比とする。そして、この目標空燃比afw、エンジ
ン回転数ne及び上記目標トルクtrqに基づいて目標充填
効率ceが演算され、さらに、この目標充填効率ceとエン
ジン回転数neとに応じて、予め作成されているマップ
(図7(b)参照)からスロットル開度tvoが求められ
る。尚、エンジン回転数とスロットル開度との対応関係
はEGRの有無によって異なり、スロットル開度tvoは
EGRがある場合にはない場合よりも大きめにされる。
【0054】また、エアフローセンサ12からの出力信
号に基づいて、エンジン1の実充填効率ceが演算され、
この実充填効率ceと上記目標空燃比afwとに基づいて、
基本的な燃料噴射量qbaseが演算される。
【0055】qbase = KGKF×ce/afw (但し、KGK
Fは換算用の係数) これとともに、運転モード別に吸気行程噴射と圧縮行程
噴射との燃料の分割比が設定され、成層燃焼モードでは
吸気行程噴射割合が0%となる一方、エンリッチモード
では吸気行程噴射割合が100%となり、また、λ=1
分割モードでは目標空燃比afw及びエンジン回転数neに
応じて分割比が設定される。
【0056】さらに、燃料噴射時期が上記運転モード別
に設定され、図示しないが、成層燃焼モードでは目標ト
ルクtrqとエンジン回転数neとに応じて予め作成されて
いるマップから圧縮行程噴射用の噴射時期Inj#TTが求め
られる一方、均一燃焼モードではエンジン回転数neに応
じて予め設定されているテーブルから吸気行程噴射用の
噴射時期Inj#TLが求められる。また、分割噴射の場合に
は圧縮行程噴射用の噴射時期Inj#TTとして成層燃焼モー
ドにおけるデータが流用されるとともに、目標空燃比af
w及びエンジン回転数neに応じて予め作成されているマ
ップから吸気行程噴射用の噴射時期Inj#TLが求められ
る。
【0057】その他、エンジン1の点火時期も運転モー
ド別に設定されており、成層燃焼モードでは、主に目標
トルクtrqとエンジン回転数neとに基づいて基本点火時
期が求められる一方、λ=1分割モードやエンリッチモ
ードでは、基本点火時期は充填効率ceとエンジン回転数
neとに基づいて求められ、この基本点火時期がエンジン
水温等に基づいて補正される。さらに、上記スワール制
御弁18も運転モード別に制御されるようになってお
り、成層燃焼モードでは、スワール制御弁18の開度は
目標トルクtrqが大きいほど、またエンジン回転数neが
高いほど大きくされる一方、λ=1分割モードやエンリ
ッチモードでは、スワール制御弁18の開度は目標トル
クtrqが大きいほど、またエンジン回転数neが高いほど
小さくされる。尚、詳しくは後述するが、EGR量もエ
ンジン1の運転状態に応じて、運転モード別に制御され
るようになっている。
【0058】(触媒の構成及びその再生)この実施形態
では、上述の如く、エンジン1を低負荷域で成層燃焼状
態として、燃費の大幅な改善を図るとともに、その成層
燃焼状態のように空燃比が極めてリーンな状態でも排気
ガス中のNOxを低減できるように、いわゆる吸収還元
タイプのリーンNOx触媒25を採用しており、この触
媒25の浄化性能を安定して発揮させるために、触媒2
5におけるNOxの吸収量がある程度多くなれば、その
NOxを放出させて還元浄化するようにしている。ま
た、排気ガスに含まれる僅かなSOxが徐々にNOx吸
収材に吸収され、触媒25におけるSOx吸収量が時間
の経過とともに徐々に増大して、NOx浄化性能が妨げ
られるようになれば、そのSOxを触媒25から強制的
に脱離させるようにしている。
【0059】上記リーンNOx触媒25の内側触媒層2
5bは、触媒金属とNOx吸収材とを多孔質のサポート
材に担持させてなるものである。触媒金属としてはPt
が採用され、NOx吸収材としては、K、Sr、Mg及
びLaのうちの少なくとも一種とBaとが採用され、サ
ポート材としてはアルミナ及びセリア−ジルコニア複合
酸化物が採用されている。
【0060】外側触媒層25cは、同じく触媒金属とN
Ox吸収材とを多孔質のサポート材に担持させてなるも
のであるが、触媒金属としてはPtとRhとを有し、N
Ox吸収材としては、K、Sr、Mg及びLaのうちの
少なくとも一種とBaとを有し、サポート材としてはゼ
オライトが採用されている。
【0061】尚、上記内側触媒層25bのサポート材と
してゼオライトを用いてもよく、その場合には上記外側
触媒層25cのサポート材として、アルミナ又はセリア
を用いてもよい。さらに、上記触媒25として、図示し
ないが、担体の壁表面にアルミナやセリアがサポート層
を形成し、このサポート材に、触媒金属とNOx吸収材
とを担持した1層コートタイプのものを用いてもよい。
【0062】上記NOxやSOxの脱離による触媒25
の再生は、上記NOx吸収材への硫黄成分の吸収過剰状
態が判定されたときに行なわれる。それは、燃焼室4の
空燃比を略理論空燃比近傍に制御する一方、インジェク
タ7による燃料の噴射を2分割することにより、排気ガ
スの温度を高めてNOx吸収材の温度を上昇させるとと
もに、該排気ガス中のCO濃度を大幅に高めることでな
される。また、そのときには、上記空燃比をリッチ側と
リーン側とに交互に切り替わるように変化せることによ
り、排気ガス中のCO濃度やHC濃度を周期的に変動さ
せるようにしている。
【0063】−触媒再生のための燃料噴射制御等− 次に、上記の触媒25の再生のための制御手順を含む燃
料噴射制御の具体的な処理手順を、図8〜図11に示す
フローチャート図に沿って説明する。
【0064】まず、図8に示すように、スタート後のス
テップSA1において、エアフローセンサ12、O2
ンサ24,水温センサ30、回転数センサ33、アクセ
ル開度センサ34等の各種センサ信号を受け入れるとと
もに、ECU40のメモリから各種データを入力する。
続いて、ステップSA2において、上述の如く充填効率
ceや目標空燃比afw等に基づいて基本燃料噴射量qbaseを
演算して設定する。
【0065】続いて、ステップSA3〜SA9の各ステ
ップにおいて、吸気行程噴射及び圧縮行程噴射のそれぞ
れの噴射パルス幅τL,τTと、それぞれの噴射時期Inj#
TL,Inj#TTとを運転モード別に求める。すなわち、ステ
ップSA3ではλ=1分割モードかどうか判定し、YE
SならばステップSA4に進んで、上記基本燃料噴射量
qbaseを分割比に応じて吸気行程と圧縮行程とに分け、
その各噴射量に対応する噴射パルス幅τをインジェクタ
7の流量特性に基づいて、それぞれ吸気行程噴射パルス
幅τL=τL1、及び圧縮行程噴射パルス幅τT=τT2とし
て設定する。続いて、ステップSA5において、吸気行
程噴射及び圧縮行程噴射のそれぞれの噴射時期を設定す
る(Inj#TL=Inj#TL1、Inj#TT=Inj#TT1)。
【0066】また、上記ステップSA3でλ=1分割モ
ードではないNOと判定されたときは、ステップSA6
に進んで成層燃焼モードかどうかを判定し、YESなら
ばステップSA7に進んで、吸気行程噴射パルス幅τL
=0とするとともに、圧縮行程噴射パルス幅τTを上記
基本燃料噴射量qbaseに対応する値τT1とする。続い
て、ステップSA8では、圧縮行程噴射の噴射時期を設
定する(Inj#TT=Inj#TT2)。一方、上記ステップSA
6で成層燃焼モードではないNOと判定されたときは、
ステップSA9に進んでフューエルカット制御を行なう
かどうか判定し、YESならばリターンする一方、NO
ならばステップSA10に進んで、吸気行程噴射パルス
幅τLを上記基本燃料噴射量qbaseに対応する値τL1とす
るとともに、圧縮行程噴射パルス幅τT=0とし、続く
ステップSA11で、吸気行程噴射の噴射時期を設定す
る(Inj#TL=Inj#TL3)。
【0067】図8のステップSA5,SA8,SA11
に続いて、図9に示すステップSB1では、触媒25に
おけるNOx吸収量を推定する。この推定は例えば、最
後にNOxの放出を促す制御(NOx放出制御)を行な
ってからの走行距離とその間に消費した燃料の総量とに
基づいて行ない、その推定結果に基づいて、続くステッ
プSB2において、NOx吸収量が予め設定した所定値
以上になったかどうか、即ち、NOxの吸収過剰状態か
否か判定する。この判定がYESであればステップSB
3に進み、NOx放出制御を行なう期間であることを示
すフラグF1をオンにする(F1=1)。尚、上記ステ
ップSB2において、エンジン1の加速運転時にはNO
x吸収量に拘わらずYESと判定して、後述のNOx放
出制御を行なうようにしてもよい。
【0068】続いて、ステップSB4では、初期値0の
第1タイマ値T1をインクリメントし、続くステップS
B5において、この第1タイマ値T1が予め設定したし
きい値T10以上になったか否か判定する。この判定が
YESであれば、NOx放出制御を行なう期間は終了し
たと判定してステップSB11,SB12に進み、フラ
グF1をクリアして(F1=0)、第1タイマをリセッ
トする(T1=0)。一方、ステップSB5の判定がN
OであればステップSB6に進み、このステップSB6
〜SB9の各ステップにおいて、O2センサ24からの
信号に基づくフィードバック制御演算を行なう。
【0069】すなわち、上記ステップSB6では、O2
センサ24からの出力Eを理論空燃比に対応する基準値
E1と比較する。出力Eが基準値E1よりも大きいYES
であればステップSB7に進み、フィードバック補正値
τCL,τCTを各々の前回値からそれぞれ定数α、βを減
算して今回値とする演算を行なう。一方、上記出力Eが
基準値E1以下のNOであればステップSB8に進み、
フィードバック補正値τCL,τCTの前回値に定数α、β
を加算して、今回値を求める。
【0070】続いて、ステップSB9では、燃焼室4の
空燃比が理論空燃比になるように実充填効率ceに応じて
求めた噴射パルス幅τL4,τT4と、上記ステップSB
7,SB8で求めたフィードバック補正値τCL,τCTと
に基づいて、NOx放出制御時の吸気行程及び圧縮行程
噴射パルス幅τL,τTをそれぞれ演算するとともに、そ
れらの噴射時期を改めて設定する。
【0071】 τL = τL4+τCL、 Inj#TL = Inj#TL4 τT = τT4+τCT、 Inj#TT = Inj#TT4 つまり、O2センサ24からの出力Eが基準値E1よりも
大きい間は、空燃比は理論空燃比よりもリッチなので、
制御のサイクル毎に吸気及び圧縮行程での燃料噴射量を
一定量α,βずつ徐々に減少させて、空燃比をリーン側
に変化させる。一方、上記出力Eが基準値E1よりも小
さくなれば、今度は空燃比がリーンになったので、燃料
噴射量を徐々に増大させて、空燃比をリッチ側に変化さ
せるようにしている。尚、上記ステップSB7〜SB9
では、吸気行程及び圧縮行程噴射量を両方共にフィード
バック補正するようにしているが、吸気行程噴射量だけ
をフィードバック補正するようにしてもよい。吸気行程
での燃料噴射量を変更しても、燃焼状態や排気ガスへの
悪影響は少ないからである。
【0072】また、上記ステップSB2で、NOと判定
されたときはステップSB10に進んでフラグF1の状
態を判別して、フラグがオンであれば(F1=1)、N
Ox放出制御を行なう期間であると判定して上記ステッ
プSB4に進む一方、フラグがオフであれば(F1=
0)、NOx放出制御を行なう期間でないと判定して上
記ステップSB11,SB12に進む。
【0073】図9のステップSB9,SB12に続い
て、図10に示すステップSC1では、今度は、触媒2
5のS被毒の度合い、即ちSOx吸収量を推定する。こ
の推定も上記ステップSB1におけるNOx吸収量の推
定と同様に、最後にSOxの脱離を促す制御(SOx脱
離制御)を行なってからの走行距離とその間に消費した
燃料の総量とに基づいて、その間の触媒の温度状態を加
味して行なう。その推定結果に基づいて、続くステップ
SC2において、SOx吸収量が予め設定した所定値以
上になったかどうか、即ち、SOxの吸収過剰状態か否
か判定する。ここで、排気ガス中の硫黄成分は僅かなの
で、通常、SOx吸収過剰状態になるまでの走行距離
は、NOx吸収過剰状態になるまでの走行距離よりもは
るかに長い。
【0074】上記ステップSC2における判定がYES
であればステップSC3に進み、SOx脱離制御を行な
う期間であることを示すフラグF2をオンにする(F2
=1)。そして、ステップSC4では排気温度thg、即
ち触媒25の温度状態を推定する。この推定は、主に推
定時の実充填効率ceとエンジン回転数neとに基づいて、
且つこれに推定前の所定時間内における成層燃焼モード
での運転時間や、分割噴射を行なった時間を加味して行
なうが、排気温度thgは、充填効率やエンジン回転数が
高いほど高くなるとともに、分割噴射によっても高くな
る傾向がある。一方、成層燃焼モードでは排気温度thg
がかなり低くなるので、成層燃焼モードでの運転時間が
長いほど触媒25の温度状態は低くなる。
【0075】続いて、ステップSC5では、排気温度th
gが設定温度thg0(例えば450℃)以上か否か判別
し、この判別がNOならば図11のステップSD1に進
む一方、判別がYESならばステップSC6に進んで、
SOx脱離制御を実行する。このように排気温度がある
程度高いときにのみSOx脱離制御を行なうようにする
のは、触媒25の温度状態がある程度以上に高くならな
いと、SOxの脱離性が良好にならないためである。
【0076】ステップSC6では、初期値0の第2タイ
マ値T2をインクリメントし、ステップSC7におい
て、この第2タイマ値T2が予め設定したしきい値T2
0以上になったか否か判別する。この判定がNOである
間はステップSC8〜SC11に進み、O2センサ24
からの信号に基づくフィードバック制御演算を行なう。
このフィードバック制御演算の具体的な手順は図9のス
テップSB6〜SB9と同じなので説明は省略する。そ
して、上記しきい値T20に対応する時間が経過して、
触媒25からSOxが十分に脱離すれば、上記ステップ
SC7の判定がYESになってステップSC12に進
み、フラグF2をクリアして(F2=0)、図11のス
テップSD1に進む。
【0077】一方、上記ステップSC2でNOと判定さ
れると、ステップSC13に進んでフラグF2の状態を
判別し、それがオンであれば(F2=1)、SOx脱離
制御を行なう期間であるとして上記ステップSC4に進
む一方、オフであれば(F2=0)、SOx脱離制御を
行なう期間でないとしてステップSC14,SC15に
進み、フラグF2をクリアするとともに(F2=0)、
第2タイマをリセットして(T2=0)、図11のステ
ップSD1に進む。
【0078】上記ステップSC5,SC12,SC15
に続いて、図11のステップSD1では、まず吸気行程
噴射パルス幅τLが零であるか否か判別して、それがY
ESあれば(τL=0)ステップSD4に進む一方、N
Oであれば(τL≠0)ステップSD2に進んで、吸気
行程噴射時期Inj#TLのタイミングになったか否か判別す
る。そして、噴射タイミングになるまで待機して、噴射
タイミングになれば(ステップSD2でYES)、ステ
ップSD3に進んでインジェクタ7により吸気行程噴射
を実行する。続いて、ステップSD4〜SD6の各ステ
ップにおいて、上記と同様に圧縮行程噴射を実行し、し
かる後にリターンする。
【0079】よって、上記図10に示すフローのステッ
プSC1,SC2は、触媒25におけるSOxの吸収量
が所定以上多いSOx吸収過剰状態であることを判定す
る硫黄過吸収判定手段40aを構成している。また、ス
テップSC8〜SC11は、上記硫黄過吸収判定手段4
0aによりSOx吸収過剰状態が判定されたときに上記
触媒25のNOx吸収材からSOxを脱離させる硫黄脱
離手段40bを構成している。
【0080】すなわち、上記硫黄脱離手段40bは、排
気温度thgが設定温度thg0以上のときに、空燃比を理論
空燃比付近に制御して排気ガス中の酸素濃度を低下させ
るとともに、理論空燃比よりもリッチ側とリーン側とに
交互に変化するように周期的に変動させる一方、インジ
ェクタ7により燃料を気筒の吸気行程及び圧縮行程でそ
れぞれ1回ずつ2分割して噴射させることで、触媒25
を高温状態に保持し、かつ排気ガス中のCO濃度を大幅
に増大させるとともに、燃料噴射量を増量補正すること
によってもCO濃度を増大させる、というものになって
いる。
【0081】(EGR制御)次に、EGR制御の処理手
順を図12に示すフローチャート図に沿って具体的に説
明すると、スタート後のステップSE1において、エア
フローセンサ12、回転数センサ33等の各種センサ信
号を受け入れるとともに、ECU40のメモリから各種
データを入力する。続くステップSE2において、実充
填効率ce及びエンジン回転数neに基づいて目標EGR率
を演算し、この目標EGR率になるようなEGR量を基
本EGR量EGRbとして設定する。尚、上記目標EGR率
は、予めベンチテスト等により充填効率ce及びエンジン
回転数neとの対応関係が求められ、この対応関係がマッ
プとしてECU40のメモリに記憶されている。
【0082】続いて、ステップSE3では、第1フラグ
F1の値に基づいて、NOx放出制御を行なう期間かど
うか判定し、この判定がYESであればステップSE5
に進む一方、判定がNOであればステップSE4に進ん
で、今度は第2フラグF2の値に基づいて、SOx脱離
制御を行なう期間かどうか判定する。この判定がYES
であればステップSE5に進んで、EGR量を増減補正
する補正値EGRcの値を所定値γ(γ<0)とする一方、
判定がNOであればステップSE6に進み、補正値EGRc
の値を零にする(EGRc=0)。そして、ステップSE5
又はステップSE6に続いて、ステップSE7では、上
記基本EGR量EGRbと補正値EGRcとを加算して最終的な
EGR量EGRtを演算し、続くステップSE8において、
EGR弁27に制御信号を出力して、上記最終的なEG
R量EGRtに対応する開度になるように駆動し、しかる後
にリターンする。
【0083】つまり、上述の如く、NOx放出制御又は
SOx脱離制御の少なくとも一方を行ない、インジェク
タ7による燃料噴射量をフィードバック制御することに
より、燃焼室4の空燃比を理論空燃比近傍に維持する間
は、EGR量がやや少なくなるように、EGR弁27の
開度を補正している。
【0084】−作用効果− 次に、上記実施形態の作用効果を説明する。
【0085】このエンジン1は、例えば図13に示すよ
うに、加速運転状態では燃料噴射量が増量されて、λ=
1分割モードかエンリッチモードで運転され、このとき
には触媒25に吸収されているNOxが放出されて還元
浄化される。また、定常運転状態が続くと、最後にNO
xを放出してからの走行距離とその間の燃料消費量とに
基づいて、触媒25のNOx吸収過剰状態が判定されて
(フラグF1=1)、図9のフローに示すようなNOx
放出制御が行なわれる。
【0086】一方、例えば、自動車の走行距離が数千k
mに及んだときには、エンジン1の運転中に触媒25に
SOxが徐々に蓄積されることによりNOxの吸収性能
が低下する虞れがある。その場合、図10のフローに示
すように、エンジン1の運転中に硫黄過吸収判定手段に
よりSOxの吸収過剰状態が判定されて、フラグF2が
オンになると(図13参照)、このときに触媒25が高
温状態(例えば450℃以上)になっていれば、SOx
放出制御が行なわれる。
【0087】このNOx放出及びSOx放出は、いずれ
も燃料の2分割噴射と空燃比の理論空燃比近傍でのフィ
ードバック制御とによって実行され、排気ガス中の酸素
濃度が低下するとともに、排気ガス中のCO濃度やHC
濃度が大幅に増大し且つ周期的に変動し、さらには排気
温度が上昇することで、触媒25からのNOx及びSO
xの脱離が促進される。
【0088】すなわち、インジェクタ7により燃料が2
分割して噴射されることで、まず、各気筒2の吸気行程
で噴射された一部の燃料が燃焼室4に均一に拡散して希
薄な混合気を形成する一方、圧縮行程で噴射された残り
の燃料が点火プラグ6の近傍に過濃混合気を形成する。
そして、この過濃混合気部分では着火直後の初期燃焼速
度は速いものの、酸素が不足しているので、局所的な不
完全燃焼によりCOが生成しやすい状態になる。一方、
その周囲の希薄混合気部分における燃焼は緩慢になり、
燃料の一部が燃焼しきらないうちに排出されることで、
後燃えにより排気温度が上昇するとともに、COはます
ます生成しやすくなる。さらに、燃料噴射の分割により
インジェクタ7の開弁回数が増えると、開弁初期に噴射
される粒の粗い燃料液滴の割合が増えるので、このこと
によっても、COが生成しやすくなる。
【0089】また、インジェクタ7による燃料噴射量が
増量されて、燃焼室4の空燃比が略理論空燃比になるよ
うに制御されることで、排気ガス中のCOやHCといっ
た還元剤成分の濃度が高まるとともに、上記の燃料噴射
量がO2センサ24からの信号に基づいてフィードバッ
ク補正されることで、空燃比がリッチ側とリーン側とに
交互に変化するように周期的に変動するので、排気ガス
中のCO、HC等の濃度は周期的に変動する。このこと
で、触媒25に吸着されているNOxやSOxへのC
O、HC等の働きかけが強まり、触媒25からのNOx
やSOxの放出が促進されることになる。
【0090】この結果、触媒25からSOxを十分に脱
離させるのに要する時間、即ちそのためだけに空燃比を
略理論空燃比に制御する時間が短縮されるので、燃費の
悪化を最小限度に抑えながら、触媒25を十分に再生し
てNOx除去性能を安定確保することができる。
【0091】NOxの放出について 具体的には、触媒25において、NOxはNOx吸収材
(Ba粒子等)の表面に硝酸塩の形態で吸着されてお
り、この硝酸塩の硝酸根がCOの供給により置換され
て、炭酸塩と二酸化窒素とが生成すると考えられる。例
えばBa粒子の場合は次の通りである。
【0092】Ba(NO32+CO → BaCO3+N
2↑ (係数省略) そして、触媒金属上で二酸化窒素がHCやCO等と反応
して還元浄化される。
【0093】NO2 +HC+CO → N2+H2O+CO
2 (係数省略) つまり、触媒25からNOxが放出されて還元浄化され
るので、触媒25は再び排気ガス中のNOxを十分に吸
収できる状態になる(触媒の再生)。
【0094】ここで、上記触媒25では、外側触媒層2
5cのゼオライトにより排気ガス中のCOやHCが吸着
保持されるために、上記のように放出されるNOxを確
実に還元浄化することができるとともに、触媒25から
のNOxの放出量が少なくなっても、COやHCが大気
中に排出されない。従って、触媒25に吸収されている
NOxの殆どを放出させる、つまりは、触媒25を十分
に再生させることができる。
【0095】また、上記外側触媒層25cにはPt及び
Rhが担持されているので、比較的低い温度状態(例え
ば200〜250℃)でも、NO2を有効に還元分解す
ることができる。このことは、この実施形態のようにエ
ンジン1を成層燃焼状態で運転するものには特に有利に
なる。そのような成層燃焼では空燃比が極めてリーンに
なって排気温度がかなり低くなるからである。
【0096】SOxの放出について 次に、上記触媒25のS被毒からの回復、つまり再生に
ついて説明すると、触媒25において、SOxはNOx
と同様にNOx吸収材(Ba粒子等)の表面に硫酸塩の
形態で吸着されており、この硫酸塩の硫酸根がCOの供
給により置換されて、炭酸塩と二酸化硫黄とが生成する
と考えられる。例えば、Ba粒子の場合は次の通りであ
る。
【0097】BaSO4+CO → BaCO3+SO2
(係数省略) また、CO濃度が高くなると、このCOと排気ガス中の
水分H2Oとの間でいわゆる水性ガスシフト反応が進
み、これにより、触媒の反応サイトで水素が生成され
る。
【0098】CO+H2O → H2+CO2 そして、この水素の働きによりSOxが硫化水素の形態
で脱離されるので、このことによっても、触媒25から
の硫黄成分の脱離が促進される。この水性ガスシフト反
応は比較的低温でも進行するものなので、触媒25の温
度状態をあまり高くしなくても、SOxの脱離を促進す
ることができる。
【0099】さらに、上記触媒25の外側触媒層25c
にはゼオライトが担持されており、このゼオライトによ
り排気ガス中のHCが部分酸化されてHCOやCOに変
わるので、内側触媒層25bのNOx吸収材表面に吸着
されているSOxに作用するCOの濃度はさらに増大す
る。
【0100】また、Ba以外の他の元素(K、Sr、M
g又はLa)がBaよりもS被毒を受け易いものであれ
ば、そのために相対的にBaのS被毒が少なくなって、
S被毒後のNOx吸収性能の低下が小さくなる。上記他
の元素(K、Sr、Mg又はLa)がBaよりもS被毒
から回復し易いものであれば、回復後のNOx吸収性能
が高くなる。さらに、上記他の元素(K、Sr、Mg又
はLa)の存在が当該NOx吸収材の比表面積ないしは
反応サイトの増大に結びつくとき、当該NOx吸収材の
NOx吸収性能が高くなる。また、そのような他の元素
がBaの熱によるシンタリングを妨げるものとして働く
とき、当該NOx吸収材の上記硫黄脱離処理による熱劣
化が避けられる。
【0101】(具体例) −例1− Pt−Rh/MFI触媒粉の形成 ジニトロジアミン白金の水溶液と硝酸ロジウムの水溶液
とを、Pt担持量(担持量は後述するハニカム担体に担
持させたときの担体1L当たりの乾燥重量のこと。以
下、同じ。)が0.5g/Lとなり、Rh担持量が0.
006g/Lとなるように秤量して混合し、これをMF
I型ゼオライト(SiO2 /Al23 =80)と合わ
せて、スプレードライ法による噴霧乾固を行ない、さら
に乾燥及び焼成を施すことによって触媒粉を形成した。
該触媒粉におけるPt及びRhを合わせた量は約2.5
wt%である。乾燥は150℃の温度で1時間行ない、
焼成は540℃の温度で2時間行なった。なお、この乾
燥条件及び焼成条件は以下の説明における「乾燥」及び
「焼成」も同じである。
【0102】混合溶液(含浸用)の調製 ジニトロジアミン白金硝酸塩の水溶液と酢酸バリウムの
水溶液とを、Pt担持量が6.0g/Lとなり、Ba担
持量が30g/Lとなるように秤量し混合してなる混合
溶液を調製した。
【0103】内側コート層の形成 γーアルミナとCeO2−ZrO2複合酸化物とアルミナ
バインダとを、γ−アルミナ担持量が150g/Lとな
り、その複合酸化物担持量が150g/Lとなり、その
バインダ担持量が30g/Lとなるように秤量して混合
し、これにイオン交換水を添加することによってスラリ
ーを調製した。このスラリーにコージェライト製ハニカ
ム担体(容量25mL、担体1L当りの重量420g/
L)を浸漬して引き上げ、余分なスラリーを吹き飛ば
す、という方法によって、該スラリーを担体にウォッシ
ュコートした。次いでこれに乾燥及び焼成を施すことに
よって内側コート層を形成した。
【0104】外側コート層の形成 上記Pt−Rh/MFI触媒粉とアルミナバインダと
を、該触媒粉担持量が20g/Lとなり、該バインダ担
持量が4g/Lとなるように秤量して混合し、これにイ
オン交換水を添加することによってスラリーを調製し、
このスラリーを上記内側コート層が形成されている担体
にウォッシュコートし、これに乾燥及び焼成を施すこと
によって外側コート層を形成した。
【0105】含浸工程 上記混合溶液を上記担体の内外のコート層に含浸させ、
これに乾燥及び焼成を施した。
【0106】従って、当該触媒の場合、Ptは外側コー
ト層のPt−Rh/MFI触媒粉によって0.5g/L
担持され、上記混合溶液によって6.0g/L担持され
ているから、Pt総担持量は6.5g/Lとなる。
【0107】得られた触媒の不純物量は1%未満であ
る。この点は以下に述べる他の例の触媒も同じである。
【0108】−例2− 上記混合溶液として、ジニトロジアミン白金硝酸塩の水
溶液と酢酸バリウムの水溶液とを、Pt担持量が6.0
g/Lとなり、Ba担持量が50g/Lとなるように秤
量し混合してなるものを用いる他は例1と同じ条件・方
法によって触媒を調製した。本例の場合も、Ptは外側
コート層のPt−Rh/MFI触媒粉によって0.5g
/L担持され、上記混合溶液によって6.0g/L担持
されているから、Pt総担持量は6.5g/Lとなる。
【0109】−例3− 上記混合溶液として、ジニトロジアミン白金硝酸塩、酢
酸バリウム、酢酸ストロンチウム及び酢酸ランタンの各
水溶液を、Pt担持量が6.0g/L、Ba担持量が3
0g/L、Sr担持量が10g/L、La担持量が10
g/Lとなるように秤量し混合してなるものを用いる他
は例1と同じ条件・方法によって触媒を調製した。本例
の場合も、Ptは外側コート層のPt−Rh/MFI触
媒粉によって0.5g/L担持され、上記混合溶液によ
って6.0g/L担持されているから、Pt総担持量は
6.5g/Lとなる。
【0110】−例4− 上記混合溶液として、ジニトロジアミン白金硝酸塩、酢
酸バリウム、酢酸マグネシウム及び酢酸ランタンの各水
溶液を、Pt担持量が6.0g/L、Ba担持量が30
g/L、Mg担持量が10g/L、La担持量が10g
/Lとなるように秤量し混合してなるものを用いる他は
例1と同じ条件・方法によって触媒を調製した。本例の
場合も、Ptは外側コート層のPt−Rh/MFI触媒
粉によって0.5g/L担持され、上記混合溶液によっ
て6.0g/L担持されているから、Pt総担持量は
6.5g/Lとなる。
【0111】−例5− 上記混合溶液として、ジニトロジアミン白金硝酸塩、酢
酸バリウム、酢酸カリウム及び酢酸ストロンチウムの各
水溶液を、Pt担持量が6.0g/L、Ba担持量が3
0g/L、K担持量が10g/L、Sr担持量が10g
/Lとなるように秤量し混合してなるものを用いる他は
例1と同じ条件・方法によって触媒を調製した。本例の
場合も、Ptは外側コート層のPt−Rh/MFI触媒
粉によって0.5g/L担持され、上記混合溶液によっ
て6.0g/L担持されているから、Pt総担持量は
6.5g/Lとなる。
【0112】−例6− 上記混合溶液として、ジニトロジアミン白金硝酸塩、酢
酸バリウム、酢酸ストロンチウム及び酢酸マグネシウム
の各水溶液を、Pt担持量が6.0g/L、Ba担持量
が30g/L、Sr担持量が10g/L、Mg担持量が
10g/Lとなるように秤量し混合してなるものを用い
る他は例1と同じ条件・方法によって触媒を調製した。
本例の場合も、Ptは外側コート層のPt−Rh/MF
I触媒粉によって0.5g/L担持され、上記混合溶液
によって6.0g/L担持されているから、Pt総担持
量は6.5g/Lとなる。
【0113】−例7− 上記混合溶液として、ジニトロジアミン白金硝酸塩、酢
酸バリウム、酢酸カリウムの各水溶液を、Pt担持量が
6.0g/L、Ba担持量が30g/L、K担持量が1
0g/Lとなるように秤量し混合してなるものを用いる
他は例1と同じ条件・方法によって触媒を調製した。本
例の場合も、Ptは外側コート層のPt−Rh/MFI
触媒粉によって0.5g/L担持され、上記混合溶液に
よって6.0g/L担持されているから、Pt総担持量
は6.5g/Lとなる。
【0114】−例8− 上記混合溶液として、ジニトロジアミン白金硝酸塩、酢
酸バリウム、酢酸カリウム及び酢酸マグネシウムの各水
溶液を、Pt担持量が6.0g/L、Ba担持量が30
g/L、K担持量が10g/L、Mg担持量が10g/
Lとなるように秤量し混合してなるものを用いる他は例
1と同じ条件・方法によって触媒を調製した。本例の場
合も、Ptは外側コート層のPt−Rh/MFI触媒粉
によって0.5g/L担持され、上記混合溶液によって
6.0g/L担持されているから、Pt総担持量は6.
5g/Lとなる。
【0115】−例9− 上記混合溶液として、ジニトロジアミン白金硝酸塩、酢
酸バリウム、酢酸カリウム及び酢酸ランタンの各水溶液
を、Pt担持量が6.0g/L、Ba担持量が30g/
L、K担持量が10g/L、La担持量が10g/Lと
なるように秤量し混合してなるものを用いる他は例1と
同じ条件・方法によって触媒を調製した。本例の場合
も、Ptは外側コート層のPt−Rh/MFI触媒粉に
よって0.5g/L担持され、上記混合溶液によって
6.0g/L担持されているから、Pt総担持量は6.
5g/Lとなる。
【0116】−例10− 上記混合溶液として、ジニトロジアミン白金硝酸塩、酢
酸バリウム、酢酸カリウム、酢酸ストロンチウム、酢酸
マグネシウム及び酢酸ランタンの各水溶液を、Pt担持
量が6.0g/L、Ba担持量が30g/L、K担持量
が10g/L、Sr担持量が10g/L、Mg担持量が
10g/L、La担持量が10g/Lとなるように秤量
し混合してなるものを用いる他は例1と同じ条件・方法
によって触媒を調製した。本例の場合も、Ptは外側コ
ート層のPt−Rh/MFI触媒粉によって0.5g/
L担持され、上記混合溶液によって6.0g/L担持さ
れているから、Pt総担持量は6.5g/Lとなる。
【0117】−例11− 上記混合溶液として、ジニトロジアミン白金硝酸塩、酢
酸ロジウム、酢酸バリウム、酢酸カリウム、酢酸ストロ
ンチウム及び酢酸マグネシウムの各水溶液を、Pt担持
量が6.5g/L、Rh担持量が0.1g/L、Ba担
持量が30g/L、K担持量が6g/L、Sr担持量が
10g/L、Mg担持量が10g/Lとなるように秤量
し混合してなるものを用いる他は例1と同じ条件・方法
によって触媒を調製した。
【0118】本例の場合、当該触媒には、Ptは外側コ
ート層のPt−Rh/MFI触媒粉によって0.5g/
L担持され、上記混合溶液によって6.5g/L担持さ
れているから、Pt総担持量は3.5g/Lとなり、R
hについてもPt−Rh/MFI触媒粉によって0.0
06g/L担持され、上記混合溶液によって0.1g/
L担持されているから、Rh総担持量は0.106g/
Lとなる。
【0119】−各触媒の評価テスト− NOx浄化率の測定方法 NOx浄化率の測定方法は次の通りである。すなわち、
各触媒を固定床流通式反応評価装置に取り付け、表1に
ガス組成Aで示す空燃比リーンの模擬排気ガスを触媒に
NOx浄化率が安定するまで流す。次に模擬排気ガスを
表1にガス組成Bで示す空燃比リッチのものに切り換え
て3分間流すことにより、先にNOx吸収材に吸収され
たNOxを脱離させる。しかる後に模擬排気ガスを上記
ガス組成Aのものに切り換え、この切換時点から130
秒間のNOx浄化率(リーンNOx浄化率)を測定す
る。
【0120】このNOx浄化率の測定温度(触媒入口ガ
ス温度)は350℃又は450℃である。空間速度SV
は例11を除いて他の例はいずれの温度の場合も550
00h-1である。例11では空間速度を25000h-1
とした。また、NOx浄化率の測定は、触媒に劣化処理
を施していないフレッシュのもの、触媒にSO2処理
(S被毒劣化処理)を施した後のもの、SO2処理後に
再生処理を行なった後のもの、並びに熱劣化処理を行な
った後のものについて行なった。SO2処理、再生処理
及び熱劣化処理の条件は次の通りである。
【0121】SO2処理 SO2処理は、固定床流通式反応評価装置に取り付けた
触媒に対して、表1にガス組成Cで示す模擬排気ガスを
60分間流す、というものである。触媒入口ガス温度は
350℃であり、空間速度は55000h-1である。
【0122】再生処理 再生処理は、固定床流通式反応評価装置に取り付けた触
媒に対して、表2に示す3種類の模擬排気ガスを適宜切
り換えて10分間流す、というものである。この場合、
ガス組成は、A/F=14.7→A/F=13.8
→A/F=14.7→A/F=15.6(→A/
F=14.7)、という順で変化するようにし、その周
期を1秒とした。また、触媒入口ガス温度は600℃で
あり、空間速度は120000h-1である。
【0123】熱劣化処理 熱劣化処理は、触媒を大気雰囲気下で900℃に加熱し
た状態を24間保持するというものである。
【0124】
【表1】
【0125】
【表2】
【0126】フレッシュ時のNOx浄化率、SO2処理
後のNOx浄化率、並びにSO2処理後に再生処理を行
なった後のNOx浄化率の測定結果(但し、触媒入口ガ
ス温度はいずれも350℃である。)は図14に示され
ている。同図によれば、フレッシュ時のNOx浄化率に
ついては各触媒間で大差はない。しかし、SO2処理後
のNOx浄化率は、NOx吸収材がBa単独の例1,2
よりも、Baに他の元素(K、Sr、Mg及びLaのう
ちの少なくとも一種)を併用した例3〜11の方が高く
なる傾向を示し、特にKを含有するものではその傾向が
顕著である。一方、再生処理後のNOx浄化率について
も、Kを含有するものは例5を除いて高くなる傾向を示
し、Kの他にMgやLaを併用したものではその傾向が
顕著である。
【0127】触媒入口ガス温度を350℃にした場合の
フレッシュ時及び熱処理(熱劣化処理)後のNOx浄化
率は図15に示されている。同図によれば、例3〜6の
触媒(上記耐S被毒性(上記再生処理後のNOx浄化特
性)についてはそれほど効果が認められなかったもの)
の熱処理後のNOx浄化率が高くなる傾向を示し、特に
例5においてその傾向が顕著である。この傾向は、図1
6に示す触媒入口ガス温度を450℃にした場合のフレ
ッシュ時及び熱処理(熱劣化処理)後のNOx浄化をみ
ても同様である。このように、例3〜6は、耐S被毒性
については顕著な効果が認められないものの、耐熱性に
ついては優れた効果を示しており、再生処理が比較的高
温で行なわれることを考慮すれば、再生処理によってN
Ox吸収性能を維持するうえで有利になる、ということ
ができる。
【0128】また、図16によれば、例5,8,9の各
触媒は、Baの他にKを含有し、さらにSr、Mg及び
Laのいずれか一を含有するものであるが、フレッシュ
時の450℃でのNOx浄化率がかなり高くなってい
る。これは、高速走行のように排気ガス温度が高くなる
場合でも、NOxの排出をそれほど増やすことなく、空
燃比リーンで走行することができることを意味する。
【0129】<Ba−K−Sr系NOx吸収材について
>上記混合溶液として、ジニトロジアミン白金硝酸塩、
酢酸ロジウム、酢酸バリウム、酢酸カリウム及び酢酸ス
トロンチウムの各水溶液を、Pt担持量が3.0g/
L、Rh担持量が0.1g/L、Ba担持量が30g/
L、K担持量が6g/Lとなり、Sr担持量が0g/
L、5g/L、10g/L、15g/L、20g/L及
び30g/Lの各量となるように秤量し混合してなる各
溶液を用いる他は例1と同じ条件・方法によって各触媒
を調製した。
【0130】本例の場合、各触媒には、Ptは外側コー
ト層のPt−Rh/MFI触媒粉によって0.5g/L
担持され、上記混合溶液によって3.0g/L担持され
ているから、Pt総担持量は3.5g/Lとなり、Rh
についてもPt−Rh/MFI触媒粉によって0.00
6g/L担持され、上記混合溶液によって0.1g/L
担持されているから、Rh総担持量は0.106g/L
となる。
【0131】また、比較のために、上記混合溶液とし
て、ジニトロジアミン白金硝酸塩、酢酸ロジウム及び酢
酸バリウムの各水溶液を、Pt担持量が3.0g/L、
Rh担持量が0.1g/L、Ba担持量が30g/Lと
なるように秤量し混合してなるもの(K担持量零,Sr
担持量零)を用いる他は例1と同じ条件・方法によって
比較触媒を調製した。この比較触媒もPt総担持量は
3.5g/Lとなり、Rh総担持量は0.106g/L
となる。
【0132】上記Sr担持量が異なる各触媒及び比較触
媒について、先に説明した評価テストによりフレッシュ
時、SO2 処理後及び再生後の各NOx浄化率を測定し
た。Sr担持量が異なる各触媒の結果を図17に示す。
同図によれば、Srを担持させると、Sr担持量が零の
場合よりも再生後のNOx浄化率が高くなること、但
し、Sr担持量が20g/L以上になると、かえって再
生後のNOx浄化率が低くなること、Sr担持量として
は、5g/L以上20g/L未満が良いこと、あるいは
10g/L以上20g/L未満が良いこと、15g/L
が最も良いこと、従って、13g/L〜17g/Lであ
れば、再生後のNOx浄化率を高い値に維持する上で有
利になることがわかる。
【0133】また、比較触媒ではフレッシュ時のNOx
浄化率が72%、SO2 処理後のNOx浄化率が41
%、再生後のNOx浄化率が63%であった。従って、
Baの他にK及びSrを担持させた場合、Sr担持量2
0g/Lまではフレッシュ時、SO2 処理後及び再生後
の各NOx浄化率がいずれもBaのみの比較触媒よりも
高くなることがわかる。
【0134】図18は上記Sr担持量が異なる各触媒及
び比較触媒について、先に説明した熱劣化処理を施した
後のNOx浄化率を測定した結果を示す。同図の1点鎖
線のラインは比較触媒のNOx浄化率を示す。但し、空
間速度は25000h-1とした。同図によれば、Sr担
持量が30g/L以上になると、触媒の耐熱性が比較触
媒よりも低くなっているが、それよりも少ない担持量で
あれば、触媒の耐熱性が向上し、上述の再生に有利であ
ることがわかる。
【0135】<Ba−K−Mg系NOx吸収材について
>上記混合溶液として、ジニトロジアミン白金硝酸塩、
酢酸ロジウム、酢酸バリウム、酢酸カリウム及び酢酸マ
グネシウムの各水溶液を、Pt担持量が3.0g/L、
Rh担持量が0.1g/L、Ba担持量が30g/L、
K担持量が6g/Lとなり、Mg担持量が0g/L、5
g/L、10g/L、15g/L及び20g/Lの各量
となるように秤量し混合してなる各溶液を用いる他は例
1と同じ条件・方法によって各触媒を調製した。本例の
場合もPt総担持量は3.5g/Lとなり、Rh総担持
量は0.106g/Lとなる。
【0136】上記Mg担持量が異なる各触媒について、
先に説明した評価テストによりフレッシュ時、SO2
理後及び再生後の各NOx浄化率を測定した。その結果
を図19に示す。同図によれば、Mgを担持させると、
Mg担持量が零の場合よりも再生後のNOx浄化率が高
くなること、Mg担持量が10g/Lのときに再生後の
NOx浄化率が最も高くなること、Mg担持量が3g/
L〜17g/L、あるいは5g/L〜15g/Lであれ
ば、再生後のNOx浄化率を高い値に維持する上で有利
になることがわかる。
【0137】また、比較触媒(Ba−K−Sr系NOx
吸収材の項で説明した比較触媒)ではフレッシュ時のN
Ox浄化率が72%、SO2 処理後のNOx浄化率が4
1%、再生後のNOx浄化率が63%であるから、Ba
の他にK及びMgを担持させた場合、フレッシュ時、S
2 処理後及び再生後の各NOx浄化率がいずれもBa
のみの比較触媒よりも高くなることがわかる。
【0138】図20は上記Mg担持量が異なる各触媒及
び比較触媒について、先に説明した熱劣化処理を施した
後のNOx浄化率を測定した結果を示す。同図の1点鎖
線のラインは比較触媒のNOx浄化率を示す。但し、空
間速度は25000h-1とした。同図によれば、Mg担
持量が20g/Lまでは触媒の耐熱性が向上し、上述の
再生に有利であることがわかる。
【0139】<Ba−K−Sr−Mg系NOx吸収材に
ついて>上記混合溶液として、ジニトロジアミン白金硝
酸塩、酢酸ロジウム、酢酸バリウム、酢酸カリウム、酢
酸ストロンチウム及び酢酸マグネシウムの各水溶液を、
Pt担持量が3.0g/L、Rh担持量が0.1g/
L、Ba担持量が30g/L、K担持量が6g/L、M
g担持量が5g/Lであり、Sr担持量が異なる各溶液
を用いる他は例1と同じ条件・方法によって各触媒を調
製した。また、Mg担持量を10g/Lとして同様にS
r担持量が異なる各触媒を調製し、さらにMg担持量を
15g/Lとして同様にSr担持量が異なる各触媒を調
製した。これらの各触媒の場合もPt総担持量は3.5
g/Lとなり、Rh総担持量は0.106g/Lとな
る。
【0140】上記Mg担持量及びSr担持量が異なる各
触媒について、先に説明した評価テストによりフレッシ
ュ時、SO2 処理後及び再生後の各NOx浄化率を測定
した。Mg担持量5g/Lのときの結果を図21に、M
g担持量10g/Lのときの結果を図22に、Mg担持
量15g/Lのときの結果を図23に示す。
【0141】図21によれば、Mg担持量5g/Lのと
きは、Sr担持量が15g/Lのときに回復後のNOx
浄化率が最も高くなり、且つSO2 被毒からのNOx浄
化率の回復率も高い。図22によれば、Mg担持量10
g/Lのときは、Sr担持量10g/Lのときに回復後
のNOx浄化率が最も高くなり、且つSO2 被毒からの
NOx浄化率の回復率も高い。また、Sr担持量が5g
/LのときもSO2 被毒からのNOx浄化率の回復率が
高い。図23によれば、Mg担持量15g/Lのとき
は、Sr担持量が5g/L〜15g/LのいずれでもS
2 被毒からのNOx浄化率の回復率が高い。
【0142】以上から、Ba及びKの他にSrとMgと
を併用すると、Sr担持量が少ない場合でもSO2 被毒
からのNOx浄化率の回復率が高くなることがわかる。
【0143】また、比較触媒(Ba−K−Sr系NOx
吸収材の項で説明した比較触媒)ではフレッシュ時のN
Ox浄化率が72%、SO2 処理後のNOx浄化率が4
1%、再生後のNOx浄化率が63%であるから、Ba
の他にK、Sr及びMgを担持させた場合、フレッシュ
時、SO2 処理後及び再生後の各NOx浄化率がいずれ
もBaのみの比較触媒よりも高くなることがわかる。
【0144】図24は上記Mg担持量及びSr担持量が
異なる各触媒及び比較触媒について、先に説明した熱劣
化処理を施した後のNOx浄化率を測定した結果を示
す。同図の1点鎖線のラインは比較触媒のNOx浄化率
を示す。但し、空間速度は25000h-1とした。同図
によれば、Ba及びKの他にSrとMgとを併用した場
合も触媒の耐熱性が向上し、上述の再生に有利であるこ
とがわかる。但し、Sr担持量又はMg担持量が過剰に
なると、耐熱性の向上には不利になるということができ
る。
【0145】−その他− 上記実施形態では硫黄脱離手段を空燃比制御と分割噴射
制御とによって構成したが、触媒を加熱するヒータを設
け、硫黄過吸収状態が判定されたときに、空燃比をλ=
1近傍に変更するとともに、そのヒータを作動させて触
媒を加熱するようにしてもよい。
【0146】また、上記実施形態のように触媒を内側触
媒層と外側触媒層との二層構造とする場合、内側触媒層
には上記CeO2−ZrO2複合酸化物に代えて微粉Ce
2を用いるようにしてもよい。その場合、微粉CeO2
の粒径は100nm以下であることが好ましい。
【0147】また、本発明は自動車エンジンの排気ガス
に限らず、定置式の産業用エンジンに適用することがで
き、その場合も上記実施形態のように構成することによ
り、所期の効果を得ることができる。この場合、産業用
エンジンとは、例えば排ガスの熱を熱交換してビル等の
空調に利用するものである。このとき、熱交換器を触媒
よりも上流側に配置するときには、上記実施形態のよう
に触媒温度を上昇させる際、熱交換水量を少なくするな
どして熱交換効率を低減させることで、昇温が阻害され
ることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示す説明図。
【図2】本発明の実施形態に係る排気浄化装置の概略構
成図。
【図3】空燃比の変化に対するO2センサの出力特性を
示す図。
【図4】触媒の概略構成を示す断面図。
【図5】エンジンの成層燃焼モード、λ=1分割モード
及びエンリチモードの各運転領域を設定したマップの一
例を示す図。
【図6】エンジンの各運転領域における燃料噴射時期を
示すタイムチャート図。
【図7】エンジン回転数及びアクセル開度に対応するエ
ンジンの目標トルクを設定したマップ(a)と、エンジ
ン回転数及び目標トルクに対応するスロットル弁の開度
を設定したマップ(b)とをそれぞれ例示する説明図。
【図8】基本的な燃料噴射量及び燃料噴射時期の設定手
順を示すフローチャート図。
【図9】NOx放出制御の処理手順を示すフローチャー
ト図。
【図10】SOx脱離制御の処理手順を示すフローチャ
ート図。
【図11】吸気行程噴射及び圧縮行程噴射の実行手順を
示すフローチャート図。
【図12】EGR制御の処理手順を示すフローチャート
図。
【図13】エンジン運転中にNOx放出制御やSOx脱
離制御が行なわれるときの空燃比の変化を示すタイムチ
ャート図。
【図14】触媒の各具体例について、そのフレッシュ
時、S被毒後及び再生後のNOx浄化率を示すグラフ
図。
【図15】触媒の各具体例について、触媒入口ガス温度
を350℃としたときのフレッシュ時と熱劣化処理後の
NOx浄化率を示すグラフ図。
【図16】触媒の各具体例について、触媒入口ガス温度
を450℃としたときのフレッシュ時と熱劣化処理後の
NOx浄化率を示すグラフ図。
【図17】Ba−K−Sr系NOx吸収材を有する触媒
に関し、そのフレッシュ時、S被毒後及び再生後の各N
Ox浄化率にSr担持量が与える影響を示すグラフ図。
【図18】Ba−K−Sr系NOx吸収材を有する触媒
に関し、その耐熱性にSr担持量が与える影響を示すグ
ラフ図。
【図19】Ba−K−Mg系NOx吸収材を有する触媒
に関し、そのフレッシュ時、S被毒後及び再生後の各N
Ox浄化率にMg担持量が与える影響を示すグラフ図。
【図20】Ba−K−Mg系NOx吸収材を有する触媒
に関し、その耐熱性にMg担持量が与える影響を示すグ
ラフ図。
【図21】Ba−K−Sr−Mg系NOx吸収材を有す
る触媒に関し、Mg担持量5g/Lのときの、フレッシ
ュ時、S被毒後及び再生後の各NOx浄化率にSr担持
量が与える影響を示すグラフ図。
【図22】Ba−K−Sr−Mg系NOx吸収材を有す
る触媒に関し、Mg担持量10g/Lのときの、フレッ
シュ時、S被毒後及び再生後の各NOx浄化率にSr担
持量が与える影響を示すグラフ図。
【図23】Ba−K−Sr−Mg系NOx吸収材を有す
る触媒に関し、Mg担持量1g/Lのときの、フレッシ
ュ時、S被毒後及び再生後の各NOx浄化率にSr担持
量が与える影響を示すグラフ図。
【図24】Ba−K−Sr−Mg系NOx吸収材を有す
る触媒の耐熱性に、Mg担持量及びSr担持量が与える
影響を示すグラフ図。
【符号の説明】
A エンジンの排気浄化装置 1 エンジン 2 気筒 4 燃焼室 7 インジェクタ(燃料噴射弁) 24 O2センサ(酸素濃度検出手段) 25 触媒(NOx吸収材) 26 EGR通路(排気還流手段) 27 EGR弁(排気還流手段) 40 コントロールユニット(ECU) 40a 硫黄過吸収判定手段 40b 硫黄脱離手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 29/44 F02D 41/04 335G F01N 3/08 41/34 H 3/20 45/00 314Z 3/28 301 B01D 53/34 129A F02D 41/04 335 53/36 ZABD 41/34 101B 45/00 314 102B (72)発明者 京極 誠 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 山田 啓司 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 岡本 謙治 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 山本 研一 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 國府田 由紀 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気通路に配設され、排気ガス中の酸素
    濃度が高い酸素過剰雰囲気で排気ガス中のNOx及び硫
    黄成分を吸収する一方、酸素濃度の低下によって上記吸
    収したNOxを放出するNOx吸収材と、 上記NOx吸収材への硫黄成分の吸収過剰状態を判定す
    る硫黄過吸収判定手段と、 上記硫黄過吸収判定手段により硫黄成分の吸収過剰状態
    が判定されたとき、上記NOx吸収材の温度を高めると
    ともに、上記酸素濃度を低下させることによって、上記
    NOx吸収材から硫黄成分を脱離させる硫黄脱離手段と
    を備えた排気ガス浄化装置であって、 上記NOx吸収材を構成する元素として、K、Sr、M
    g及びLaのうちの少なくとも一種とBaとを具備する
    排気ガス浄化装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されている排気ガス浄化
    装置において、 上記NOx吸収材を構成する元素としてBaとKとを含
    む排気ガス浄化装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載されている排気ガス浄化
    装置において、 上記NOx吸収材を構成する元素としてSr、Mg及び
    Laのうちの少なくとも一種とBaとKとを含む排気ガ
    ス浄化装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載されている排気ガス浄化
    装置において、 上記NOx吸収材を構成する元素としてBaとSrとを
    含む排気ガス浄化装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載されている排気ガス浄化
    装置において、 上記NOx吸収材を構成する元素としてMg及びLaの
    うちの少なくとも一種とBaとSrとを含む排気ガス浄
    化装置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載されている排気ガス浄化
    装置において、 上記NOx吸収材を構成する元素としてBaとMgとを
    含む排気ガス浄化装置。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載されている排気ガス浄化
    装置において、 上記NOx吸収材を構成する元素がBaとMgとLaと
    を含む排気ガス浄化装置。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載されている排気ガス浄化
    装置において、 上記NOx吸収材を構成する元素がBaとKとMgとを
    含み、これらは担体に担持されていて、担体1L当たり
    のMg量が3〜17gである排気ガス浄化装置。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載されている排気ガス浄化
    装置において、 上記NOx吸収材を構成する元素がBaとKとSrとを
    含み、これらは担体に担持されていて、担体1L当たり
    のSr量が13〜17gである排気ガス浄化装置。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至請求項9のいずれか一に
    記載されている排気ガス浄化装置において、 上記排気ガスが火花点火式直噴エンジンから排出される
    ものであり、 上記硫黄脱離手段は、燃料を上記エンジンの燃焼室へ吸
    気行程の始めから圧縮行程の終わりまでの間に少なくと
    も2回に分割して噴射するように燃料噴射弁を作動させ
    る燃料噴射制御手段である排気ガス浄化装置。
  11. 【請求項11】 NOx及び硫黄成分を含む排気ガスを
    浄化する排気ガス浄化方法であって、 上記排気ガスをその酸素濃度が高い酸素過剰状態にある
    ときに、K、Sr、Mg及びLaのうちの少なくとも一
    種とBaとを具備するNOx吸収材に接触させることに
    よって、該NOx吸収材に上記NOx及び硫黄成分を吸
    収させ、 上記NOx吸収材の硫黄成分吸収状態が所定の過剰吸収
    状態になったときに、該NOx吸収材の温度を高めると
    ともに、上記排気ガス中の酸素濃度を低下させることに
    よって、該NOx吸収材から上記硫黄成分を脱離させる
    排気ガス浄化方法。
  12. 【請求項12】 排気通路に配設され、排気ガス中の酸
    素濃度が高い酸素過剰雰囲気で排気ガス中のNOx及び
    硫黄成分を吸収する一方、酸素濃度の低下によって上記
    吸収したNOxを放出するNOx吸収材を備えている排
    気ガス浄化用触媒であって、 上記NOx吸収材を構成する元素が、Ba、K、Mg及
    びSrを含むことを特徴とする排気ガス浄化用触媒。
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