JP4347562B2 - ホモポリマーから光学素子を作製する方法 - Google Patents

ホモポリマーから光学素子を作製する方法 Download PDF

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    • C08L67/00Compositions of polyesters obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L67/02Polyesters derived from dicarboxylic acids and dihydroxy compounds

Description

【0001】
発明の分野
本発明は一般的に、偏光子、拡散体、ミラーなどの光学素子に関し、さらに詳細にはそのような素子を製作するために用いられる材料の改良に関する。
【0002】
背景
不規則偏光の偏光などの一定の光学的効果を実現するために、歪みが誘発する複屈折によって生成されることがある屈折率差を基にしたさまざまな光学フィルムおよび光学素子が当業界では公知である。このようなフィルムおよび素子は、多層積層の形態であってもよく、米国特許第5,882,774号(Jonzaら)に開示されたフィルムのように、積層の隣接層間の屈折率差は一定の光学特性を生じる。他の光学素子は、連続マトリックスに配置された分散相を含み、連続相と分散相との間の屈折率差から光学特性を得る。米国特許第5,825,543号(Ouderkirkら)に開示された材料は、このタイプの系の代表的な材料である。上述の系のさまざまな混成体も公知であり、たとえば米国特許第5,867,316号(Carlsonら)に開示された多層光学フィルムなどが挙げられる。このようなフィルムは、反復層序列を有する多層積層を含み、少なくとも一層は連続相/分散相形態を有する。当業界では、その他さまざまな光学フィルムおよび素子も公知であり、これらについては、米国特許第5,831,375号(Benson,Jr.)、米国特許第5,825,542号(Cobb,Jr.ら)、米国特許第5,808,794号(Weberら)、米国特許第5,783,120号(Ouderkirkら)、米国特許第5,751,388号(Larson)、米国特許第5,940,211号(Hikmetら)、米国特許第3,213,753号(Rogers)、米国特許第2,604,817号(Schupp,Jr.)、Aphonin,O.A.,”Optical Properties of Stretched Polymer Dispersed Liquid Crystal Films:Angle−Dependent Polarized Light Scattering”,Liquid Crysals,Vol.19,No.4,pp.469−480(1995)、Land,E.H.,”Some Aspects of the Development of Sheet Polarizers,(著作権)1951 Optical Society of America,Reprinted from Journal of the Optical Society of America,Vol.41(12)、957−963(1951年12月),pp.45−51、2244 Research Disclosure(1993)、7月号、No.351,Emsworth,GB,”Polarizer”,pp.452−453に記載されている。
【0003】
過去数年において、材料科学、具体的には、ブロックコポリマーの分野において、かなりの進歩を遂げ、さまざまな目的のために、新たな興味深い材料およびこれらの材料の製作方法および利用方法が開発されている。場合によっては、これらの進歩は、光学フィルムおよび光学素子の分野における用途につながっている。したがって、たとえば、Urbasら著「One−Dimensional Peroidic Reflectors from Self−Assembly Block Copolymer−Homopolymer Blends」,Macromolecules,Vol.32,p.4748−4750(1999)は、ホモポリマーを任意に含むブロックコポリマーの自己集合ブレンドを含む多層4分の1波長積層と類似の十分に整列された光結晶の形成について報告している。一実施形態としては、狭帯域反射体の形成が挙げられている。また、ニートブロックコポリマーのほか、ブロックコポリマー材料における周期性を生成する手段として液晶材料を含むコポリマーの利用がまとめられている。
【0004】
米国出願第08/904,325号(Weberら)(WO 9906203に相当)は、層間接着を改善するという特定の目的のために、多層光学積層の隣接層に存在するポリエステルの反応またはエステル交換反応について開示している。反応材料を含む境界面の厚さは、境界面を除き、他の場所では光学積層の光学特性に影響を及ぼさないほど十分に薄いと考えられる。
【0005】
米国出願第09/006,455号(Merrillら)(WO 9936812に相当)は、偏光子およびミラーなどの光学素子を製作するために、多層光学積層における単一層の中にPENおよびPETのエステル交換されたブレンドの利用を開示している。
【0006】
米国特許第3,546,320号(Dulingら)は、94〜60重量パーセントのポリアルキレンテレフタレートと、6〜40重量パーセントのポリアルキレンナフタレン−2,6−ジカルボキシレートと、パーセントポリアルキレンテレフタレートおよびポリアルキレンナフタレン−2,6−ジカルボキシレートの個別のポリマーセグメントを含む少なくとも5重量パーセントのブロックコポリマーと、を含む半結晶質組成物を作製するためのエステル交換方法を開示している。ブロックコポリマーは個別のホモポリマーの溶融エステル交換反応によって作製され、エステル交換度は混合時間によって制御される。Dulingは、組成物に基づき、広範囲にわたるエステル交換後、ブロックコポリマーの結晶化度の全損失を実証している。
【0007】
米国特許第3,937,754号(Sagamiharaら)は、PENを基にして0.5〜10重量パーセントのPEN以外のポリエステル樹脂を含む二軸延伸ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)フィルムおよびその製作工程を開示している。この参考文献は、PEN樹脂(1)が溶融状態でポリエステル樹脂(2)とブレンドされる場合には、ブレンドされた混合物の軟化点は、PENの軟化点から徐々に低くなり、最後に平衡軟化点と呼ばれる一定の点に達することを述べている。この軟化点は、PEN樹脂(1)およびポリエステル樹脂(2)を構成するモノマーと同一の組成物および比のモノマーを共重合することによって得られるPENコポリマーの軟化点と一致することを参考文献は教示している。この事実から、コポリマーが得られる十分な反応時間を与えた場合には、ブロックコポリマーを形成する段階を経て反応が生じると参考文献では推測している。
【0008】
Research Disclosures 28,340および29,410には、PEN、PETおよび二塩基酸を含む他のポリマーのエステル交換生成物について開示されている。一般的な二塩基酸としては、イソフタル酸、アジピン酸、グルタール酸、アゼライン酸、セバシン酸などが挙げられる。PENを基にしたポリマーは、一般的に2,6‐ナフタレン−ジカルボン酸を基にしているが、1,4−、1,5−または2,7−異性体またはこれらの異性体の混合物を基にしていてもよい。これらの教示は、モジュラス、気体の透過性およびガラス転移温度のような機械的特性および物理的特性を制御する力を主に取り上げている。
【0009】
WO 92/02584(Coxら)は、固相重合中、エステル交換速度を制御するために、主に、最終的な生成物の用途における気体拡散などの物理的特性および機械的特性を改善することを意図した用途のために、亜燐酸塩材料の利用について開示している。この参考文献は、より高いガラス転移温度とより低い溶融温度との間の温度範囲に維持されるPENおよびPETホモポリマーペレットのブレンドについて開示している。
【0010】
光学フィルムおよび光学素子の分野において上述のさまざまな利点にもかかわらず、さまざまな問題が依然として当業界では残っている。たとえば、フィルムは好都合にも、十分に確立された方法論および原理に基づいて、実験室の延伸機で制御された方式で延伸されることができるため、光学フィルムにおいて望ましい光学特性を実現するために、歪みが誘発する複屈折を基にすることが望ましいことが多い。これらの方法論は、すべての材料の選択に等しくうまく作用するわけではない。具体的には、界面強度が大きくない熱力学的に混和しないポリマーを利用する場合には、結果として生じるフィルムは常に、最適レベルの複屈折率を実現するために十分に高い延伸比で延伸されることができるわけではないため、問題に遭遇することが多い。連続/分散相系の場合には、たとえば、最適な複屈折のために必要な延伸比でそのようなフィルムを延伸することは、2相間の界面にボイドを形成することになる可能性があるため、系の望ましい光学特性(たとえば偏光特性)を弱めることになる。この種のボイド形成については、米国特許第5,811,493号(Kent)に記載されており、光の両偏光に対して拡散反射するペーパー状のフィルムを生成するために用いられる。残念なことに、ボイド形成を抑制するために、より低い延伸比が用いられる場合には、結果として生じるフィルムはより低い複屈折度を有し、最適な光学特性より弱い可能性がある。
【0011】
したがって、光学フィルムまたは光学素子において望ましい複屈折度を実現すると同時に、望ましいレベルの複屈折を実現するのに一般に必要な延伸比を低減するための方法が当業界には必要である。また、界面強度が大きくない熱力学的に混和しないポリマーから得られる光学フィルムおよび光学素子の製作方法も当業界には必要であり、これらのフィルムおよび素子は、高い複屈折度および最適な光学特性を実現するために必要であることが多い高い延伸比で延伸することができる。これらおよびその他の必要条件は、以下に説明するように、本発明によって満たされる。
【0012】
発明の概要
一態様において、本発明は、ミラー、偏光子または拡散体などの連続/分散相光学素子の製作方法およびそのようにして製作された光学素子に関する。本方法によれば、連続相および分散相の少なくとも1つの相は、ホモポリマーを(たとえば、エステル交換またはアミド交換によって)相互反応させることができる条件下で、ホモポリマーのブレンドから製作され、物理特性および光学特性を改善した光学素子を製作するために用いられることができるコポリマーを形成する。
【0013】
本発明の別の態様において、本発明は、相互反応させることができるホモポリマーのブレンドから製作される連続/分散相光学素子に関し、そのような素子は、ホモポリマーのブレンドを同一比の同モノマーのコポリマーと置換した類似の系と比べて、優れた物理特性および光学特性を有するが、ホモポリマーから製作されるわけではない。そのような系で観察される改善した物理的効果および光学的効果の一部としては、増加したゲイン、より高い固有粘度、歪み硬化のより早い始まり(すなわち、本発明の光学素子は、ランダムコポリマー対応物より初期のレベルの歪みに関して高いレベルの複屈折率を呈する)が挙げられる。連続相および分散相の材料は接着力が弱く、そのような系はより低い延伸比で望ましい複屈折度を実現することができるため、2相間のボイド形成を阻止または最小限に抑えることができることから、後者の特性は、系において具体的には、好都合である。結果として生じる光学素子において望ましい特性を実現するために、相互反応の程度を残留時間などの加工条件の制御によって操作してもよいが、ランダム度は通常70%未満である。
【0014】
本発明の方法によるホモポリマーのブレンドの利用によって、上述の統計的にランダムなコポリマー類似物で実現されるものより高い分子量(およびその結果、より高い固有粘度)の実現を可能にすることができる。驚いたことに、ブレンド材料によって製作された系における分散相の平均粒度が、ランダムコポリマー類似物によって製作された系における分散相の平均粒度より小さいことが観測されなかった場合であっても、最終的なフィルムの固有粘度においてより大きな差であると期待されるように、そのようなブレンドによって製作された連続/分散相光学素子は、材料によって製作された系における分散相の平均粒度が統計的にランダムな類似物に比べて、増加したゲインを呈する。
【0015】
別の態様において、本発明は、連続/分散相系からミラー、偏光子、拡散体などの改良した光学素子の製作方法およびそのようにして製作された光学素子に関する。驚いたことに、出願人らは、連続相および分散相の少なくとも1つの相がブロックコポリマーを含む場合には、系において実現可能な歪みが誘発する複屈折率を最大にするために、コポリマーのモノマー単位のランダム度を操作することができることを発見した。具体的には、コポリマーにおけるランダム度の適正な操作によって、同一の延伸条件下で、モノマー単位の序列長さが統計的にランダムである類似の系に関して実現可能であるものより高い複屈折度を得ることができる。
【0016】
関連する態様において、本発明は、連続/分散相光学体の物理特性および光学特性を改善するための方法に関し、本方法によって製作された光学素子に組み込まれる少なくとも1つの相は2種類のモノマーからなる統計的にランダムなコポリマーを含む。本方法によれは、統計的にランダムなコポリマーは、モノマーの比は依然として同一であるような同一のモノマーからなるホモポリマーのブレンドによって置換される。
【0017】
発明の詳細な説明
本願明細書で用いられるとき、以下の略語は以下の意味を有する。
「T」はジメチルテレフタレートを指す。
「N」はナフタレンジカルボキシレートを指す。
「E」はエチレングリコールを指す。
「coPEN」はナフタレンジカルボキシレートおよびジメチルテレフタレートおよびエチレングリコールを基にしたコポリマーを指す。
「PEN」はポリエチレンナフタレートを指す。
「PET」はポリエチレンテレフタレートを指す。
「NDC」はナフタレンジカルボキシレートを指す。
「DMT」はジメチルテレフタレートを指す。
「EG」はエチレングリコールを指す。
「I.V.」は固有粘度を指す。
「Δn」は複屈折率を示し、主延伸方向における屈折率から垂直方向における屈折率を減じたものとして定義される。本願明細書に記載される場合には、屈折率は分散のために波長が減少すると一般に増大するため、屈折率は632.8nmで測定される。
【0018】
ブロックコポリマーを作製する際に用いるほか、固相重合は、ポリエチレンナフタレート(PEN)およびポリエチレンテレフタレート(PET)を含むポリエステルの分子量を増大させるために一般に用いられる工程である。たとえば、米国特許第5,825,543号(Ouderkirkら)、米国特許第5,783,120号(Ouderkirkら)、米国特許第5,867,316号(Carlsonら)のような連続および分散相光学素子について記載している先行出願において教示されたように、分散相の粒度は、これらの素子を最適化する際に制御するための重要なパラメータである。2相の粘度を適合させることは、分散相の粒度を最小限に抑え、制御する1つの方法である。固相重合中に、記載したタイプのポリエステルを含むポリマーペレットは結晶化され、次に、重縮合副産物エチレングリコールを排除して分子量を増大させるために、通常は5トール未満の真空下で235℃〜255℃の温度まで上昇される。きわめて遅い反応速度および長い重合時間のために、210℃以下の温度における芳香族ポリエステルの固相重合は、非実用的である。重合時間が長いと、工程および/または材料コストが嵩むことになる恐れがある。一部のランダムコポリエステルの融点は210℃未満であるため、より高温の使用は、ペレットの凝集物を望ましくない固体の塊にすることになる。したがって、約75モルパーセント未満のナフタレート含有量でランダムコポリエチレンナフタレートを固相重合することは、非現実的であり、コストが嵩む。しかし、偏光子およびミラーなどの光学素子に用いる場合には、改良した色、より低い分散、約380〜400nmの範囲の紫外光を含む光による劣化の低減、より低いコストのために、75モルパーセント未満のナフタレート含有量のポリエチレンナフタレートのコポリマーが望ましい。低いナフタレート含有量の樹脂の利点は、代理人整理番号55028USA1Aで本願明細書と同日に出願された同時係属出願の米国出願第09/416462号に記載されている。
【0019】
75モルパーセント未満のナフタレートを有する高分子量のコポリエチレンナフタレートは、高分子量のポリエチレンテレフタレート(PET)を高分子量のポリエチレンナフタレート(PEN)と共に押出しブレンディングして、エステル交換することによって生成されることができる。より高い粘度の固相重合されたPETおよびPENを出発ホモポリマーとして用いることができるため、PETおよびPENのコポリマーの粘度は、従来の反応炉工程における重合中に得ることができるものより高い粘度を実現することができる。本発明によれば、同一比の個別のモノマーを含むが、ランダム度が統計的にランダムなコポリマーのランダム度より小さいコポリマーでランダムまたはほぼランダムなコポリマーを置換することによって、2種類以上のモノマーからなる統計的にランダムまたはほぼランダムなコポリマーを含む連続/分散相系の複屈折率および他の光学特性および物理特性を改善することができる。置換コポリマーは、ランダム度が統計的にランダムなコポリマーのランダム度より低いコポリマーを生じるように制御することができるような程度に(たとえばエステル交換、アミド交換または類似の反応を受けることによって、)互いに相互反応することができる個別のモノマーからなる縮合ホモポリマーのブレンドであることが好ましい。
【0020】
本発明の連続/分散相系から製作される偏光子、ミラー、拡散体および他の光学素子は、統計的にランダムなコポリマーを利用する類似の系に比べて、複数の利点がある。具体的には、押出し時間においてモノマー比およびエステル交換度または相互反応度を制御することができることが好都合であり、それによって、所与の一連の延伸条件下で実現可能な複屈折量を最適にすることができる。さらに、通常、特注のコポリマーを用いた場合より高い分子量をより廉価かつより容易に実現することができるホモポリマーから本発明の連続/分散相系を形成することができる。さらに、予備形成されたコポリマー材料を必要とする工程に比べて、本発明の工程は、組成物を押出し中に容易に制御または変更することができる点において、コポリマーのより大きな組成自由度を可能とする。
【0021】
連続および分散相系を含む光学素子において、素子の光学性能を改善する方法の1つは、3つの直交方向のうち少なくとも1方向において少なくとも1つの相の複屈折率を最大にすると同時に、直交方向の少なくとも別の方向に沿って2相間の屈折率の不整合を最小限に抑えることである。上述したタイプのブロックコポリマーおよび/または統計的にランダムでないコポリマー類似物の場合には、統計的にランダムなコポリマー類似物の場合より早く(たとえば、より低い延伸比で)所与のレベルの複屈折率を実現することができることが本発明で明らかになった。より低い延伸比の利用により(たとえばボイド形成を誘発するなどの)2相間の界面接触を妥協する傾向が小さくなるため、連続相および分散相に関して界面強度が大きくない熱力学的に混和しないポリマーを利用することが望ましい場合には、より低い延伸比で所与の複屈折度を実現することができることは特に好都合である。
【0022】
本発明の関連において、エステル交換は、色、紫外安定性または他の望ましい特性を提供するために、ポリエステル、ポリアミド、コポリエステルアミド、ある種のメチン部分などの縮合ポリマーの反応を含むものとする。本発明において有用な材料は、ポリエステル、ポリアミド、コポリエステルアミドのほか、たとえば米国特許第4,617,373号(Pruettら)に記載されているような他の材料を含む。
【0023】
本発明のさまざまな実施形態において、ランダム度が約70%未満、好ましくは約50%未満、さらに好ましくは約40%未満であるような程度で、相互反応することが好ましい統計的にランダムでないコポリマーを生じるように、連続/分散相光学素子の少なくとも1つの相の熱可塑成分において、エステル交換度が制御される。所望のランダム度を実現するために利用可能な方法は、溶融工程のほか、溶融工程の前に生じ得る固相重合工程を含む。相互反応速度を制御するために、個別のブロックおよびブロックコポリマー全体の分子量、反応温度、反応が行われる物質の状態(たとえば、固体状態または溶融状態のいずれで行われるか)、反応を終了することができる時間などさまざまなパラメータを用いてもよいが、それに限定されるわけではない。あるいは、方法によっては、相互反応速度をさらに加速または減速するために、安定剤および酸化防止剤などの添加物を用いてもよい。
【0024】
たとえば、偏光子として有用な光学素子は、連続相および分散相を含む。光学素子は、3つの直交方向のうちの少なくとも第1の方向に沿って連続相と分散相との間の屈折率を実質的に整合することによって作用し、3つの直交方向の少なくとも第2の方向に沿って2相間の屈折率を実質的に不整合とする。屈折率が少なくとも第1の方向において実質的に整合され、少なくとも第2の方向において不整合であるような機構は当業界では公知であり、たとえば、米国特許第5,783,129号および1998年1月13日出願の米国出願第09/006,455号(Merrillら)(WO 9936812に対応)に記載されている。
【0025】
簡単に言えば、屈折率を実質的に整合することは、材料および加工技術の慎重な選択によって主に実現される。たとえば、第1の方向に沿った材料の延伸により、第1の方向および他の方向における屈折率を延伸温度および延伸速度に応じた量だけ変化させることができる。したがって、1つの相および両方の相における延伸中に呈する複屈折率が実質的に整合するように、分散相の屈折率と連続相の屈折率を整合するために、それらの相の公称屈折率は互いに適切に異なる材料で始めなければならない。
【0026】
しかし、連続相材料または分散相材料の少なくとも1つの材料がコポリマーを含む場合、具体的に言えばコポリマーが歪みを誘発することができるかおよび/または静止した結晶化を行うことができる場合には、延伸度、延伸温度、延伸速度に加えて、呈する複屈折量はまた、コポリマーを含む個別のモノマー単位のランダム度またはホモポリマーおよび結果として生じるコポリマーの固有粘度にも左右されることが本発明者らによって確認された。
【0027】
一実施形態において、個別のモノマーを含む混和性ポリマーは、本発明に有用なものとして考えられる。用いられるポリマーのうちの少なくとも1種類は、理想的には高い複屈折度を呈することができる必要がある。複屈折率における差は、多岐にわたる因子に起因していると考えられる。限定するわけではないが、これらの特性のうち少なくとも複数の特性としては、延伸中に形成する結晶化の量のほか、ブロックコポリマーに対するランダムコポリマーの固有複屈折率が挙げられる。所与の分子量および等量の2種類のモノマーを含むコポリマーに関して、統計的にランダムなコポリマーおよびジブロックコポリマーは、到達可能なランダム度における極値を規定する。
【0028】
例示の実施形態において、連続相材料は、モノマーがジメチルテレフタレート(T)、ナフタレンジカルボキシレート(N)、エチレングリコール(E)を含むポリエステルである。これらのモノマーからなるホモポリマーは、ポリエチレンテレフタレート(PET)ポリエチレンナフタレート(PEN)として一般に公知である。すなわち、PETは序列TE−TE−TE−...に対応し、PENは序列NE−NE−NE−...に対応する。ランダム配置を想定するNETトリアドの統計的にランダムな確率に対する観測されるNETトリアドの比率の比によって、NEブロックまたはTEブロックのランダム度を近似することができる。トリアドを決定するための手順は、Polymer,Vol.34,pp.4060−4067(1993)にStewartおよびCoxによって記載されている。NETトリアドの統計的にランダムな確率は、積:2×Wt×Wnによって与えられることが分かっている。式中、WtはTモノマーのモル分率であり、WnはNモノマーのモル分率である。ランダム度は、統計的にランダムなコポリマーにおけるNETトリアドの理論的な比率に対する観測されるNETトリアドの比率の比として規定される。
【0029】
たとえば、50モルパーセントのTおよび50モルパーセントのNからなるジブロックコポリマーの高分子量ブロックは、それぞれの分子に1組のNETトリアドを有すると推測されることから、高分子量ポリマーにおいてNETトリアドの実質的には検出することができない比率を呈すると思われる。ランダム度を規定する比は、ほぼ0であると推測される。ランダムコポリマーに関してNETトリアドの理論的な確率は0.5であると推測される。そのような真のランダムコポリマーの場合には、ランダム度を規定する比は約1.0(100パーセント)であると推測される。
【0030】
2種類のモノマー材料の反応比が等価であると仮定すれば、以下の理論的アプローチを用いて、NE−序列またはTE−序列のランダム度を近似することができる。モノマー単位の反応比が等価でない場合には、より複雑な解析を行うことができる。この議論のために、
Wn=核磁気共鳴分光法(nmr)によって帯電または測定されたNEモル分率
Wt=nmrによって帯電または測定されたTEモル分率
Pnn=nmrによって測定されたNEN序列の比率
Pnt=nmrによって測定されたNET序列の比率
Ptt=nmrによって測定されたTET序列の比率
とする。その結果、
Wt+Wn=1
および
Pnn+Pnt+Ptt=1
となる。
【0031】
また、P(j|i)は、ポリマー鎖において現在選択されたモノマーが「i」モノマー序列であるとすると、ポリマー鎖において次の「j」モノマーを発見する条件付き確率に等しい。これらの後述の4つの量P(n|n)、P(n|t)、P(t|n)、P(t|t)が存在する。高分子量の限度において、末端基の確率は本質的に0であり、
P(n|t)+P(t|t)=1
および
P(n|n)+P(t|n)=1
となる。また、条件付き確率の定義から、
Pnn=P(n|n)*Wn
Ptt=P(t|t)*Wt
Pnt=P(n|t)*Wt+P(t|n)*Wn
となる。
【0032】
したがって、上式は、NMR測定可能な量に関する条件付き確率を定義している。ランダムコポリマーの特殊な場合には、次の「j」モノマーを見つける確率は、「i」に関係ないため、P(j|i)は単なるWjである。したがって、ランダムポリマーの場合には、初めに述べたように、
Pnn=Wn*Wn
Ptt=Wt*Wt
Pnt=2*Wn*Wt
である。この高分子量限度において、通常実際に適用可能であるランダム%の定義は以下の通りである。
ランダム%=Pnt/(2*Wn*Wt)=Pnt(観測)/Pnt(ランダム)
【0033】
WjおよびPijはnmrグラフの個別の態様から得られるが、これらの間にはさらに関係があることを留意すべきである。一般に、これらの関係も維持されるものとし、
0.5*Pnt+Pnn=Wn
および
0.5*Pnt+Ptt=Wt
である。
【0034】
特に、低いレベルのランダム度の場合には、実験誤差はこれらの関係においてわずかな差異を生じやすい。これらの差異を仮定すると、実際的な問題として、ランダムパーセントの最適な定義は、上記で与えたようなPntの実験(観測)値に基づいている。jモノマー単位のk長さ序列の確率(<k>が単一鎖におけるモノマーの数の程度ではない場合に妥当であるにすぎないため、これは高分子量限度を仮定する)は、「j」モノマーの第1の発生×k+1モノマーが「j」モノマーでない確率を与えた場合のk−1回連続発生の確率にすぎない。すべての序列は一定の長さでなければならないため、
【0035】
【数1】
Figure 0004347562
【0036】
となる。jモノマーの数平均長さは、
【0037】
【数2】
Figure 0004347562
【0038】
であり
=1/(1−P(i|j))
={Pjj/(Wj−Pjj)}+1
に変形される。ランダムコポリマーの場合には、これはさらに量(1−Wj)-1に変形される。
【0039】
有限鎖のさらに一般的な場合は、Macromolecules,4,369(1971)にFrensdorffによって示されている。条件付き確率は、鎖の末端の確率によって少し変形される。たとえば、P(j|j)は1に近い反応範囲が乗算される。類似の結果に関する別の「再帰的」アプローチは、Polymer,21,263(1980)にLopez−Serranoらによって示されている。いずれの場合も本願明細書に記載した特徴化方法は、単位「A」「B」を含むブロックコポリマーに適用可能であり、A=NEおよびB=TEの実施例の場合に限定されるわけではない。以下の実施例において、70%のNEブロックモノマー組成物のランダムコポリマーの数平均NEブロック序列長さは、約3にすぎない。50%のNEブロック組成物のランダムコポリマーの数平均NEブロック序列長さは、約2にすぎない。理論によって拘束したいわけではないが、平均序列長さがより長い場合には、さまざまな物理特性、光学特性または機械特性を改善することができると考えられる。たとえば、所与の延伸条件で結晶化の量が増大し、より高い複屈折率または寸法安定性を生じる可能性がある。また、融点を増大すると、高温でランダムな場合より安定なフィルムを生じ得る。屈折率が光学素子の性能の重要な要素である点において、特に高温での焼なましまたはヒートセットによって温度的に安定化される光学素子の場合には、ブロック長さを増大することにより、延伸工程中および延伸工程直後の分子配向を増大および/または維持しなければならない。分子配向を安定化または維持することができる機構の1つは、延伸工程中の結晶形成である。延伸中の結晶化の始まりは、延伸力の増大を生じる可能性が高い。その結果、延伸中に結晶化することができるブロックコポリマーは、類似の延伸工程の所与の点において同一のモノマーを含む統計的にランダムなコポリマーの応力に加えて、応力の増大を呈する可能性がある。すなわち、ブロックコポリマーは、他の点では同一である統計的にランダムなコポリマーより早く歪み硬化しやすい。より早い歪み硬化に伴い、正の複屈折材料の場合には延伸方向においてより高い屈折率であり、所与の延伸工程における所与の点の場合にはより高い複屈折率となる。他の量のすべてが一定に維持される場合には、、より高い複屈折率は一般に、より高いゲインを生じる。
【0040】
実際には、複数の因子は、延伸挙動に対する応力を変更することができるため、歪み硬化の始まりにおける変化を生じ得る。ランダムパーセントのほかに、連続相の分子量またはI.V.の増大、より高いガラス転移温度および/または(たとえばNEのような)より急激な結晶化成分を有するブロックモノマー単位の相対組成物、位相反転の前の(たとえば、シンジオクタクチックポリスチレン(sPS)などの)分散相の割合の増大により、通常は歪み硬化の始まりを加速する。これらの因子は例示に過ぎず、限定するものと考えるべきではない。一般に、これらの因子のそれぞれにより、所与の設定の加工条件に関して垂直入射における複屈折率および光学的ゲインを改善することもできる。
【0041】
以下の実施例では、連続相は、エステル交換後の平衡状態がランダムまたは少なくともほぼランダムであるポリエステルを含み、エステル交換パーセントは98%以上である。
【0042】
比較例1
米国特許第5,783,120号(Ouderkirkら)に記載されたタイプの押出し技術を用いて、ポリマーブレンドがフィルムに押出し注型された。このブレンドは、連続相として57.6重量パーセントのcoPEN(70モルパーセントのPENおよび30モルパーセントのPET)を、分散相として40重量パーセントのQuestra MA 405シンジオクタクチックポリスチレン(Dow Chemical Co.,Midland,Michiganから市販されている)を、2.4重量パーセントのDylark 332相溶化剤(Nova Chemicalsから市販されている)を含んでいた。coPENの固有粘度(I.V.)は、0.57(60%フェノール、40%ジクロロベンゼンにおいて測定)であった。
【0043】
Polymer,Vol.34,pp.4060−4067(1993)にStewartらによって記載された方法によって陽子核磁気共鳴を用いてキャストフィルムにおいて、序列分析が行われた。NEN、NET、TETのトリアド序列におけるエチレングリコール(E)陽子に相当する3つの鋭い共鳴が観測された。NETトリアド序列の理論確率に対するNETトリアド序列の観測確率の比(百分率で表す)が、ランダム度を規定する。測定されたランダム度は98.1%であった。このことは、コポリマーが実質的にPENおよびPETのランダムコポリマーであったことを示唆している。
【0044】
第一に、従来の縦延伸機を用いて約1.3:1の延伸比で機械方向にキャストフィルムが延伸された。次に、シートは従来の横延伸機を用いて横方向に一軸延伸された。横延伸機の入口および出口におけるレール設定に基づき、最終的な横延伸比は約5.4:1であった。延伸温度は118℃(245°F)であった。延伸後、フィルムは163℃(325°F)にヒートセットされた。
【0045】
フィルムの光学特性は、積分球およびグラン−トンプソンキューブ偏光子を備えたPerkin−Elmer Lambda−19 紫外可視分光計を用いて測定された。偏光配向がフィルム通過方向と整列された400〜700nmの光の波長の平均透過率は83.5%であった。偏光配向がフィルムのブロック方向と整列された光の平均透過率は、16.3%であった。フィルムをC12Pバックライトキャビティに配置することによって、ゲインが測定された。所定の位置のフィルムに関してキャビティの軸上の輝度は、フィルムがない場合の同装置の輝度より40.2%大きかった。所定の位置のフィルムに関して垂直軸に対して40°の輝度は、フィルムがない場合の同装置の測定輝度より28.5%大きかった。
【0046】
比較例2
比較例1によるcoPENは、透明フィルムに押出し注型され、ランダム度は99.1%であると測定された。したがって、比較例1のQuestra MA 405樹脂の存在は、ポリエステルのランダム度の測定能力を変更するようには見えなかった。最終的なコポリマーの固有粘度は、0.526と測定された。キャストシートは、115℃で実験室バッチ延伸機で公称延伸比6:1に一軸延伸された。シートの応力−歪みの関係が延伸中に測定され、図1の曲線Aとして示された。波長632.8nmにおける延伸方向に沿った屈折率は、真の延伸比5.30:1に関して1.766であると確認された。面内の他の非延伸方向において、屈折率は、1.600であると確認された。示差走査熱量測定法が結晶化度を測定するために用いられ、25.0J/gの見かけの熱量が205℃のピーク溶融温度で測定された。
【0047】
上述の条件によれば、延伸温度が120℃であった場合を除き、複数の異なる一軸延伸比でキャストシートがさらに延伸された。延伸前にキャストシートに刻み付けられた基準点印を用いて、延伸後の印と延伸前の印との距離の比を測定するだけで、真の延伸比を確認することも可能である。主延伸方向の屈折率は、さまざまな真の延伸比に関して測定され、図2において白丸として作図される。この正の複屈折材料に関して期待されるように、延伸方向における屈折率の増大は、延伸比の関数として測定された。
【0048】
実施例1および実施例2
70モルパーセントのPENホモポリマーおよび30モルパーセントのPETホモポリマーを含むポリマーブレンドが、フィルムに押出し注型された。実施例1において、PENのI.V.は0.56であり、PETのI.V.は0.60であった。最終的なコポリマーのI.V.は、0.535と測定された。ランダム度は、23.4%であった。実施例2において、PENのI.V.は0.56であり、PETのI.V.は0.85であった。最終的なコポリマーのI.V.は、0.560と測定された。ランダム度は、30.9%であった。実施例1および実施例2によるシートは、いずれも透明であった。
【0049】
実施例1および実施例2のシートは、比較例2のフィルムと同様に延伸され、対応する応力−歪み曲線が決定された。実施例1および実施例2の応力−歪みの関係は、図1においてそれぞれ曲線Bおよび曲線Cとして示されている。わずかに低い固有粘度および低いランダム度を有する実施例1のコポリマーは、実施例2のコポリマーよりわずかに早く歪み硬化を示す。曲線Bと曲線Cとの差は、おそらく統計的には重要ではない。しかし、これらの曲線の歪み硬化挙動は、比較例1(曲線A)の統計的にランダムなコポリマーの対応する挙動とは異なる。歪み硬化は課せられた延伸歪みにおける応力の依存度を示すことになっている。
【0050】
実施例1および実施例2によるキャストシートは、比較例2に記載したようなさまざまな真の延伸比で延伸された。主延伸方向における屈折率が測定され、図2においてそれぞれ四角形および三角形として作図された。実施例1および実施例2は、延伸方向に沿って屈折率の増大を示している。さらに、歪み硬化のより早い始まりに従い、実施例1および実施例2の屈折率は、任意の所与の延伸状態に関する比較例2の対応する屈折率より高い。
【0051】
示差走査熱量測定法は、結晶化度を測定するために用いられた。実施例1において、35.9J/gに等しい見かけの熱融合は、251℃のピーク溶融温度と共に測定された。実施例2において、35.3J/gに等しい見かけの熱融合は、244℃のピーク溶融温度と共に測定された。
【0052】
一連の類似の応力歪み実験が延伸温度120℃で行われた。歪み硬化は、実施例1および実施例2よりわずかに高い延伸比で見られた。3つすべての屈折率は、延伸方向において約0.01だけわずかに減少した。
【0053】
任意の特定の理論に拘束するわけではないが、約3より大きい見かけの一軸延伸比における応力の増大は、向上した光学特性となると思われる。たとえば、同一の延伸比で歪み硬化挙動を示さない連続相材料に対して歪み硬化挙動を示す連続相材料において、連続相と分散相との間の屈折率のより大きな差を実現することができる。
【0054】
光学特性が少なくとも1つの軸に沿った連続相と分散相との間の屈折率差に部分的に左右される反射偏光子のような光学素子に関して、比較例に記載された材料の組合せの一部として用いられる場合には、実施例1および実施例2で例示されたブロックコポリマーは、光学特性の増大を示すはずである。
【0055】
実施例3
実施例2によるPENホモポリマーおよびPETホモポリマーのブレンドがcoPENコポリマーと置換されたことを除き、比較例1の方法論によってフィルムが作製された。キャストフィルムのランダム度は、8.7%であった。キャストフィルムは、従来の縦延伸機を用いて、1.25:1の延伸比にまず延伸された後、118℃(245°F)で横方向に延伸比5.1:1で延伸された。軸上のゲインは、43.8%であった。40°のゲインは、20.1%であった。
【0056】
比較例1に関連して、この実施例は、軸上のゲインにおける増大を実現するために、ホモポリマーの混合物および/またはより低いランダム度を用いてもよいことを実証している。
【0057】
実施例4
PENホモポリマーおよびPETホモポリマーが実施例1で用いられたホモポリマーであったことを除き、実施例3の方法論によってフィルムが製作された。このサンプルのランダム度は、10.8%であった。軸上のゲインは、42.8%であった。40°のゲインは、19.2%であった。
【0058】
実施例4を実施例3と比較することによって、一定のランダム度、ほぼ同一の組成物および加工条件で、I.V.を増大することによりゲインを増大させることがわかった。
【0059】
実施例5
溶融ストリームにおいて別の濾過装置を包含することによって、溶融残留時間が実施例3に比べて実質的に増大した点を除き、実施例3の方法論によってフィルムが作製された。実施例3が1つしかフィルタを用いなかったのに対して、実施例5は溶融ストリームにおいて2つのフィルタを用い、残留時間がほぼ二倍となった。残留時間を増大させることによって、ランダム度が増大する。ランダム度を制御するために、残留時間の制御を用いることができる。ランダム度は27.9%であり、軸上のゲインは43.2%であり、40°のゲインは18.1%であった。
【0060】
この実施例は、溶融に関連する残留時間がランダム度に影響を及ぼすことを示唆している。この実施例はまた、ランダム度に関する光学性能の線形依存は必要ではないことを実証している。
【0061】
図3は、比較例1、実施例3、実施例4、実施例5に関するランダム度に対する軸上ゲインのグラフであり、連続/分散相反射偏光素子の少なくとも1つのそうにおけるブロッキネスのプラス効果を実証している。
【0062】
実施例6
実施例5の135℃(275°F)に比べて、横延伸機の予熱温度が140℃(285°F)であった点を除き、実施例5の方法論によってフィルムが作製された。サンプルのランダム度は28.5%であり、軸上のゲインは41.9%を呈した。
【0063】
実施例7
この実施例は、本発明に有用な固有粘度のさらに別の範囲を実証している。PENの固有粘度が0.48であり、PETの固有粘度が0.72である点を除き、実施例6の方法論によってフィルムが製作された。サンプルのランダム度は25.2%であり、軸上のゲインは40.4%を呈した。実施例7を実施例6と比較することによって、ほぼ同一のランダム度および加工条件では、ブレンドされたホモポリマーの粘度を増大することによって、ゲインを増大することがわかった。
【0064】
実施例8〜10
これらの実施例は、PENおよびPETのさまざまな組成物に関して、種々のランダム度を実現することができることを実証している。
【0065】
実施例8〜10のフィルムは、PEN対PETの組成比がそれぞれ65/35、60/40、55/45であった点を除き、実施例4の方法論によって作製された。実施例8、実施例9、実施例10に関して、ランダム度はそれぞれ、11.7%、9.4%、10.1%であった。実施例8、実施例9、実施例10に関して、軸上のゲインは40.2%、44.2%、43.9%であった。65/35のサンプルは、60/40のサンプルおよび55/45のサンプルより約10℃高温で延伸され、期待されたものより低いゲインを生じたため、記録されたゲイン値を直接比較することができないことを留意されたい。実施例8、実施例9、実施例10に関して、40°のゲインはそれぞれ、27.0%、24.8%、28.7%であった。
【0066】
実施例11
この実施例は、ゲインにおいてランダム度を増大する効果について示している。ブレンドがPEN/PETのモルパーセント比70/30のcoPENを34.8重量パーセント、I.V.0.85のPETを22.8重量パーセント、Questra MA 405を40重量パーセント、PEN対PETの有効比55/45を生じるDylarkを2.4重量パーセント含む点を除き、比較例1の方法論によって連続/分散相ブレンドが形成された。次に、実施例4と類似の方法論を用いて、ブレンドは、フィルムに押出し注型された。ランダム度は71.0%であると確認された。軸上のゲインは37.9%であった。40°ゲインは27.6%であった。
【0067】
ランダム度が10.1%であった実施例10と比較すると、エステル交換ランダム度が71.0%であったこの実施例のフィルムは、軸上のゲインおよび40°のゲインの両方において減少を示した。
【0068】
比較例3
延伸温度が115℃であり、最終的な公称延伸比が6.0:1である実験室バッチ延伸機で延伸工程が行われた点を除き、比較例1のキャストフィルムからフィルムのサンプルが作製された。工学応力の測定は、延伸工程中に行われ、図4において曲線Dとして示されている。図1の曲線Aを図4の曲線Dと比較することによって、連続相のランダム度に関係なく、分散相の追加が歪み効果挙動を変化させることは明白である。
【0069】
実施例12
実施例3の部分として製作されたキャストシートから作製された点を除き、比較例3の方法論によってフィルムが製作された。応力−歪み測定値は、図4において曲線Fとして示されている。
【0070】
実施例13
ランダムパーセントが40%である点を除き、実施例3と類似の方法で作製されたキャストウェブを用いて、比較例3の方法論によってフィルムが製作された。応力−歪み測定値は、図4において曲線Eとして示されている。
【0071】
図4における3つの曲線の比較は、歪み硬化挙動が分散相の存在によって変更される可能性があると同時に、ランダム度が減少につれて、歪み硬化が始まる見かけの延伸比が対応して減少することを実証している。
【0072】
前述したように、延伸比の関数として後述のものより早く歪み硬化する材料の組合せでは、屈折率におけるより大きな差を生成することによって、約3を超える見かけの一軸延伸比における応力の増大は、光学特性を向上させることになると期待される。
【0073】
本発明の前述の説明は例示に過ぎず、限定することを意図しているわけではない。たとえば、フィルムへの適用を通じて頻繁に参照される。しかし、当業者は、本願明細書に記載された教示を非平面光学レンズなどの光学フィルム以外の他の光学素子に適用することができることを容易に理解すると思われる。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照することによってのみ解釈すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 見かけの延伸比の関数としての工学応力のグラフである。
【図2】 真の延伸比の関数として正の複屈折材料に関する主延伸方向Nxにおける屈折率のグラフである。
【図3】 ランダム%の関数として軸状のゲインにおける%増加率のグラフである。
【図4】 見かけの延伸比の関数としての工学応力のグラフである。

Claims (5)

  1. 少なくとも第1の相および第2の相を有し、前記相の少なくとも1つの相が相互反応することができるポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートのブレンドを含む混合物を形成する工程と、
    前記ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートを相互反応させてコポリマーを形成する工程と、
    前記コポリマーを延伸して複屈折光学体を形成する工程と、
    を含む光学素子を作製する方法。
  2. 前記ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートが、70%未満のランダム度を有するコポリマーを与えるために反応される請求項1に記載の方法。
  3. 連続相および分散相を含み、前記連続相および分散相の少なくとも1相が、互いと相互反応することができる少なくともポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートのブレンドを含む材料の部分を提供する工程と、
    前記材料を少なくとも1つの方向に延伸する工程であって、その延伸を、Δnmaxより大きい複屈折率のレベルΔnを前記材料が呈するまで行う工程と、
    を含み、ここで、
    前記Δnmaxは、前記材料と同一の寸法を有する連続/分散相材料の部分であって、その材料のブレンドが、同一および同一比のモノマー単位を含む類似量のランダムコポリマーと置換されている部分に関して、上記と同一の延伸条件下で得ることができる最大レベルの複屈折率である、光学素子の作製方法。
  4. 前記ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートを相互反応させる工程をさらに含み、前記相互反応がコポリマーを生成し、前記コポリマーが70%未満のランダム度を有する請求項に記載の方法。
  5. 連続相および分散相を含み、前記連続相および分散相の少なくとも1相が少なくともポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートのブレンドを含む材料を提供する工程と、
    前記ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートを相互反応させて、改良材料を生成する工程と、
    前記改良材料を光学素子に作製する工程と、
    を含む光学素子の作製方法。
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