以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。
本発明の実施の形態に係る組版システムは、例えば新聞社や印刷会社において新聞や雑誌等の紙面を作成し、印刷用の版下データを作成するためのシステムである。以下の説明では、新聞紙面用の版下データを作成する場合を例に説明するが、本発明でいう組版システムは、勿論新聞紙面用の版下データの作成に限定的に用いられるものではなく、雑誌等の版下データの作成に用いることもできるものである。
図1は、本実施の形態に係る新聞紙面用の版下データの作成に適用される組版システムの一例を示す機能ブロック図である。
すなわち、このような組版システムは、通常は新聞社に設置され、記事入力/校正端末1と、記事サーバ2と、画像入力/加工端末3と、画像サーバ4と、組版端末5と、組版編集サーバ6と、紙面データ記憶装置7と、出力サーバ8と、プリンタ/プロッタ9とを備えている。
記事入力/校正端末1は、記事や、画像の説明文の入力および校正を行うための端末であり、オペレータによって記事データや説明文データが入力されると、入力された記事データや説明文データは、この記事入力/校正端末1によって記事サーバ2に出力される。また、この記事入力/校正端末1によって、記事サーバ2に蓄積されている記事データや説明文データが取得される。この取得された記事データや説明文データは、記事入力/校正端末1を介してなされるオペレータ操作によって校正がなされ、更に校正された記事データや説明文データは、記事入力/校正端末1から記事サーバ2に再び出力される。
記事サーバ2では、このようにして記事入力/校正端末1から入力された記事データや説明文データの他に、図示しない通信回線を経由して通信社などから入力された記事データや説明文データも送信される。この送信された記事データや説明文データもまた記事サーバ2に蓄積される。更に、記事入力/校正端末1からの校正要求に基づいて、蓄積している記事データや説明文データの中から、要求のあった記事データや説明文データが、記事サーバ2から記事入力/校正端末1へと出力される。更に、記事サーバ2に蓄積されている記事データや説明文データは、オペレータ指示に基づいて組版編集サーバ6に出力され、組版編集サーバ6でなされる組版編集に供される。
スキャナやディスプレイ等が備えられている画像入力/加工端末3では、写真やイラスト等の画像データの入力、およびこれら画像データの加工が行われる。入力された画像データは、画像入力/加工端末3から画像サーバ4へと出力される。また、オペレータから入力された画像データの加工操作入力に基づいて画像データの加工が行われ、加工された画像データは、この画像入力/加工端末3から画像サーバ4へと出力される。
画像入力/加工端末3から出力された画像データは、画像サーバ4に蓄積される。また、画像サーバ4に蓄積されている画像データは、画像入力/加工端末3から要求があると、画像入力/加工端末3に出力される。また、オペレータから指示があった場合には、組版編集サーバ6に出力され、ここで行われる組版編集に供される。
組版端末5は、オペレータが、記事、画像、画像の説明文、および見出しのレイアウト処理を端末であり、各オペレータに対して1台ずつ備えられ、図示しないマウスやキーボード等の入力デバイスを備えている。図1では、代表的に1台の組版端末5のみを示している。各オペレータは、自分が担当する組版端末5を操作することによって、記事サーバ2に格納された記事データや、画像サーバ4に格納された画像データを組版編集サーバ6を介して取得し、画像データや記事データなどの素材を紙面上に配置するレイアウト処理を行うことによって紙面データ71を作成し、作成した紙面データ71を紙面データ記憶装置7に記憶させる。そして、また、紙面データ記憶装置7に記憶されている紙面データ71を編集し、編集後の紙面データ71を紙面データ記憶装置7に再び記憶させる。
紙面データ71は、例えば図3から図11に示すようなデータ構成をしており、図3に示すような管理情報710と、図4から図11に示すような素材情報711〜718と、図12に示すような素材実体725とからなる。
管理情報710は、掲載年月日71KN、面名71MN、版名71HN、印刷ページ番号71PGからなる。なお、体裁情報71TSとは、組方向、段数、字詰、文字サイズ、段間、行間などの定義情報である。
素材情報711〜718は、例えば図4から図11に示すように、素材(#1〜#8)毎に定義したデータであって、図4は「記事ア」、図5は「見出しイ」、図6は「画像ウ」、図7は「罫エ」、図8は「記事オ」、図9は「見出しカ」、図10は「画像キ」、図11は「画像ク」にそれぞれ相当する。勿論これらは一例であって、これに限定されるものではなく、例えば、図4が、記事ではなくて、画像である場合もありうる。また、素材の数も8つに限定されるものではなく、これより多い場合、あるいは少ない場合も当然ありうるものと理解されたい。
このような素材情報は、記事の場合には、例えば図4に示すように、素材種別71SB(=記事)、素材ID番号71ID、配置情報71FL、配置位置座標71LM、配置領域寸法71SZ、仮見出71KM、テキスト格納アドレス情報71AD、レイアウト済テキスト格納アドレス情報71BD等からなる。
また、見出しの場合には、例えば図5に示すように、素材種別71SB(=見出し)、素材ID番号71ID、配置情報71FL、配置位置座標71LM、配置領域寸法71SZ、仮見出71KM、テキスト格納アドレス情報71AD、レイアウト済テキスト格納アドレス情報71BD等からなる。
また、画像の場合には、例えば図6に示すように、素材種別71SB(=画像)、素材ID番号71ID、配置情報71FL、配置位置座標71LM、配置領域寸法71SZ、仮見出71KM、画像区分71GK、対象画像区分71JB、画像付属情報71FZ、表示画格納アドレス情報71AD、実画像格納アドレス情報71BD等からなる。
罫の場合には、例えば図7に示すように、素材種別71SB(=罫)、素材ID番号71ID、配置情報71FL、配置位置座標71LM、配置領域寸法71SZ、罫付属情報71FZ等からなる。
素材実体725は、実際に紙面100に掲載されるデータであって、記事であればテキストデータ、画像であれば画像データに相当する。これらは、紙面データ71に登録された各素材情報711〜718に対応させて格納している。すなわち、素材情報711である「記事ア」のデータは、テキスト71TX(#1)、レイアウト済テキスト71LX(#1)として、素材情報712である「見出しイ」のデータは、テキスト71TX(#2)、レイアウト済テキスト71LX(#2)として、素材情報713である「画像ウ」のデータは、表示画データ71HI(#3)、実画像データ71RI(#3)として、素材情報715である「記事オ」のデータは、テキスト71TX(#5)、レイアウト済テキスト71LX(#5)として、素材情報716である「見出しカ」のデータは、テキスト71TX(#6)、レイアウト済テキスト71LX(#6)として、素材情報717である「画像キ」のデータは、表示画データ71HI(#7)、実画像データ71RI(#7)として、素材情報718である「画像ク」のデータは、表示画データ71HI(#8)、実画像データ71RI(#8)として、それぞれ格納している。なお、「罫」については素材実体725は存在しないので、素材情報714である「罫エ」に関する素材実体725はない。
また、組版端末5は、画像に含まれる人物、旗、建物、マーク等の特定対象物が、紙面の折り目位置上に配置されないように自動的に調整する機能をも有しており、この機能を実現するために、図2の機能ブロック図に示すように、画像識別部52と、表示制御部53と、表示画面54と、配置情報把握部55と、検出部56と、配置位置変更部57とを備えている。
画像識別部52は、紙面データ記憶装置7から紙面データ71を取得し、取得した紙面データ71の対象画像区分71JBが「該当」と設定されている画像を、折り目位置101,102上に配置しないようにする対象物を含む画像(以下、「対象画像」と称する)と認識する。そして、この識別結果を、紙面データ71とともに表示制御部53及び配置情報把握部55に出力する。なお、対象画像は、画像単独として紙面100上に配置される場合もあれば、小組を構成する一素材として小組内に配置される場合もある。
表示制御部53は、予め格納した折り目位置の座標情報と、画像識別部52からの紙面データ71とに基づいて、レイアウト処理後の紙面100のイメージを、折り目位置101,102とともに表示画面54から表示させる。また、折り目位置の座標情報を、検出部56に出力する。
表示画面54は、CRTやLCD等が用いられ、表示制御部53による表示制御に従って、レイアウト処理後の紙面100のイメージを、折り目位置とともに表示する。
配置情報把握部55は、画像識別部52からの識別結果と紙面データ71とに基づいて、対象画像の配置位置座標71LMと配置領域寸法71SZとを把握する。また、対象画像に含まれる対象物に関しても配置位置座標と配置領域寸法とのデータを紙面データ71に持たせることによって、対象画像に含まれる対象物についても配置位置座標と配置領域寸法とを把握することができる。そして、把握した配置位置座標71LMと配置領域寸法71SZとを、画像識別部52からの識別結果及び紙面データ71とともに検出部56に出力する。
検出部56は、表示制御部53からの折り目位置の座標情報と、配置情報把握部55からの識別結果及び紙面データ71とに基づいて、紙面100の折り目位置101,102上に配置されている対象画像を検出する。折り目位置101,102上に配置されている対象画像について、対象画像に含まれる対象物についても配置位置座標と配置領域寸法とが定義されている場合には、この配置位置座標と配置領域寸法とに基づいて、この対象画像に含まれる対象物のうち、紙面100の折り目位置101,102上に配置されている対象物を検出する。配置情報把握部55から出力された情報に、この検出結果を加えて配置位置変更部57に出力する。
配置位置変更部57は、折り目位置101,102上に配置されると検出部56によって検出された対象画像について、以下の(1)〜(7)に示すもののうちの何れかに示す配置位置変更処理を行い、対象画像全体、あるいは対象画像のうちの少なくとも対象物が、折り目位置101,102上に配置されないようにする。
(1)折り目位置101,102上に対象画像が全く配置されないように、対象画像の配置位置座標71LMを変更する。
(2)折り目位置101,102上に対象物が配置されないように、対象画像の配置位置座標71LMを変更する。すなわち、折り目位置101,102上に対象画像の一部が配置されていても、対象物が配置されないようにする。
(3)折り目位置101,102上に対象物を囲む最小矩形領域が配置されないように、対象画像の配置位置座標71LMを変更する。すなわち、折り目位置101,102上に対象画像の一部が配置されていても、最小矩形領域が配置されないようにする。
(4)検出部56によって検出された対象物を含む対象画像が、小組内に配置されている場合には、折り目位置101,102上に対象画像が全く配置されないように、対象画像の配置位置座標71LMをこの小組内で変更する。
(5)検出部56によって検出された対象物を含む対象画像が、小組内に配置されている場合には、折り目位置101,102上に対象物が配置されないように、対象画像の配置位置座標71LMをこの小組内で変更する。すなわち、折り目位置101,102上に対象画像の一部が配置されていても、対象画像の配置位置座標を小組内で変更することによって、対象物が折り目位置上に配置されないようにする。
(6)検出部56によって検出された対象物を含む対象画像が、小組内に配置されている場合には、対象物を囲む最小矩形領域が折り目位置101,102上に配置されないように、対象画像の配置位置座標71LMをこの小組内で変更する。すなわち、折り目位置101,102上に対象画像の一部が配置されていても、対象画像の配置位置座標を小組内で変更することによって、最小矩形領域が折り目位置上に配置されないようにする。
(7)検出部56によって検出された対象物を含む対象画像が、小組内に配置されている場合には、折り目位置101,102上に対象物が配置されないように、この小組の配置位置座標71LMを変更する。
なお、図2に示すような機能は、組版端末5に備えられるのに限定されるわけではなく、例えば組版編集サーバ6のように、組版端末5以外の別の部位に備えるようにしても良い。
組版編集サーバ6では、組版端末5から出力されたレイアウト処理の結果に基づいて、紙面データ71の編集作業が行われる。そして、このように組版編集サーバ6で編集作業がなされた紙面データ71は、紙面データ記憶装置7に格納される。また、一旦格納された紙面データ71が再び組版編集サーバ6へと読み出され、再び編集作業が行われた後に紙面データ記憶装置7に格納されることも可能である。なお、紙面データ記憶装置7は、メモリやハードディスク等の記憶媒体からなる。
出力サーバ8では、組版端末5からの大刷/版下出力指示にしたがって、組版編集サーバ6から出力された紙面データ71がドットデータに展開される。このように展開されたドットデータに基づいて、プリンタ/プロッタ9から大刷や版下が出力される。
各サーバ2,4,6,8は、図示しないプログラム記憶領域を備えており、ここに記憶されたプログラムを読み出し、このプログラムにしたがって動作する。なお、このプログラムは、このように自己に記憶される場合に限定されるものではなく、インターネット等の通信ネットワークを介してダウンロードされるようにしてもよい。
ここでプログラム記憶領域としては、磁気ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、光磁気ディスク(MO等)、半導体メモリ等、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であれば、その記憶形式は何れの形態であってもよい。
また、プログラム記憶領域からインストールされたプログラムの指示に基づき各サーバ2,4,6,8で稼働しているOS(オペレーティングシステム)や、データベース管理ソフト、ネットワークソフト等のMW(ミドルウェア)等が本実施の形態を実現するための各処理の一部を実行してもよい。
さらに、プログラム記憶領域は、コンピュータである各サーバ2,4,6,8の一部であっても独立した媒体であっても良く、更にはLANやインターネット等により伝送されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体であっても良い。
また、この記憶媒体は1つに限らず、複数の媒体から本実施の形態における処理が実行される場合もここでいう記憶媒体に含まれ、媒体構成は何らの構成であってもよい。
なお、ここでいうコンピュータは、記憶媒体に記憶されたプログラムに基づき、本実施の形態における各処理を実行するものであって、パソコン等の1つからなる装置、複数の装置がネットワーク接続されたシステム等の何れの構成であってもよい。また、このコンピュータとは、パソコンに限らず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコン等も含み、プログラムによって本発明の機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。
次に、以上のように構成した本実施の形態に係る組版システムの表示制御部53による表示制御処理の流れについて図13に示すフローチャートを用いて説明する。
新聞紙面には、折り目が2つ、4つ、8つのタイプがある。そこでまず表示制御部53では、これらタイプ別に表示制御処理がなされる。まず、折り目が2つ折りである場合(S1:Yes)には、2つ折りの折り目の始点座標及び終点座標が計算される(S2)。具体的な計算方法について図14及び図15を用いて説明する。
2つ折りの場合、図14に示す紙面100における線分Aが折り目となる。紙面100の始点座標が(XP、YP)、終点座標が(XQ,YQ)である場合、線分Aの始点X座標、始点Y座標、終点X座標、終点Y座標は図15に示す通りとなる。次に、表示画面54上から、2つ折りの折り目の位置、即ち線分Aが表示される(S3)。
一方、折り目が4つ折りである場合(S4:Yes)には、4つ折りの折り目の始点座標及び終点座標が計算される(S5)。具体的な計算方法について図14及び図16を用いて説明する。
4つ折りの場合、図14に示す紙面100における線分A及び線分Bが折り目となる。紙面100の始点座標が(XP、YP)、終点座標が(XQ,YQ)である場合、線分A及び線分Bの始点X座標、始点Y座標、終点X座標、終点Y座標は図16に示す通りとなる。次に、表示画面54上から、4つ折りの折り目の位置、即ち線分A及び線分Bが表示される(S6)。
更に、折り目が8つ折りである場合(S7:Yes)には、8つ折りの折り目の始点座標及び終点座標が計算される(S8)。具体的な計算方法について図14及び図17を用いて説明する。
8つ折りの場合、図14に示す紙面100における線分A、線分B、線分C、及び線分Dが折り目となる。紙面100の始点座標が(XP、YP)、終点座標が(XQ,YQ)である場合、線分A、線分B、線分C、及び線分Dの始点X座標、始点Y座標、終点X座標、終点Y座標は図17に示す通りとなる。次に、表示画面54上から、4つ折りの折り目の位置、即ち線分A、線分B、線分C、及び線分Dが表示される(S9)。
このようにして、表示画面54から、紙面100の折り目位置を表示することができる。
次に、本実施の形態に係る組版システムの組版端末5においてなされる折り目位置上に配置された対象画像の検出処理の流れについて図18及び図19に示すフローチャートを用いて説明する。対象画像としては、写真や、イラスト等が該当しうるが、以下に示す実施の形態では全て写真を例に説明する。
まず、組版端末5に取り込まれた紙面データ71のうち、先頭の素材が、画像識別部52によって対象とされる(S11)。次に、画像識別部52によって、素材種別71SBから、この素材の種別が画像であるか否かが識別される(S12)。そして、画像である場合(S12:Yes)には、配置情報71FLから、この素材が配置済であるか否かが識別される(S13)。そして、配置済である場合(S13:Yes)には、画像区分71GKから、この素材が写真であるかが識別される(S14)。そして、写真である場合(S14:Yes)には、対象画像区分71JBから、この写真が対象画像であるか否かが識別される(S15)。
そして、対象画像である場合(S15:Yes)には、配置情報把握部55によって、配置位置座標71LMと配置領域寸法71SZとからこの素材の紙面100における配置領域が把握される。更に検出部56によって、この把握された配置領域と折り目位置の座標とから、配置領域と折り目位置とが重なるか否かが判定される(S16)。そして、重なるものと判定された場合(S17:Yes)には、この素材の素材ID番号71IDが検出部56によって記録される(S18)。
そして、全ての素材情報が処理され(S19:Yes)、折り目と重なる対象画像が検出部56に記録されているのであれば(S20:Yes)、この記録されている対象画像の素材ID番号71IDが表示画面54から表示される(S21)。一方、ステップS20において記録されていないのであれば(S20:No)、対象画像が折り目位置と重ならないことを意味するメッセージが表示画面54から表示される(S22)。
一方、ステップS19において未処理の素材情報がある場合(S19:No)には、次の素材情報が対象とされて(S23)、ステップS12に移行する。
また、ステップS17において、配置位置と折り目位置とが重ならないと判定された場合(S17:No)、ステップS15において、この写真が対象画像でない場合(S15:No)、ステップS14において、この素材が写真ではない場合(S14:No)、ステップS13において、配置済ではない場合(S13:No)、ステップS12において、素材の種別が画像ではない場合(S12:No)にはステップS19に移行する。
このようにして、表示画面54から、折り目位置と重なって配置されている対象画像を検出することができる。
次に、折り目位置上に配置された対象画像を、折り目位置上に配置されないように移動させる配置位置変更部57でなされる処理の流れについて図20乃至図25に示すフローチャートを用いて説明する。
配置位置変更部57でなされる処理は、図19のフローチャートにおけるステップS16の後にステップS17及びステップS18と並行して行われる。すなわち、ステップS16において該当素材の配置領域が折れ目と重なるか調べられると、ステップS31では、該当の対象画像の配置領域が縦線の折れ目と重なるか否かが判定される(S31)。重ならないと判定された場合(S31:No)には、次に、横線の折れ目と重なるか否かが判定される(S32)。重ならないと判定され(S32:No)、全ての素材情報が処理された場合(S33:Yes)には、処理を終了する。一方、ステップS33において未処理の素材情報がある場合(S33:No)には、次の素材情報が対象とされて(S34)、ステップS12に移行する。
一方、ステップS32において、横線の折れ目と重なると判定された場合(S32:Yes)には、横線の折り目位置と重なった画像のY方向移動量YU(上方向移動量)/YD(下方向移動量)が計算される(S35)。上方向移動量YU及び下方向移動量YDは、図22及び図26に示すように、横線の折り目のY方向座標YPから画像の配置領域のY方向始点座標YSを減じることによって、画像の配置領域のY方向終点座標YEから横線の折り目のY方向座標YPを減じることによってそれぞれ求められる。
次に、画像の配置位置のY方向座標が修正される(S36)。これは、図23に示すように、上方向移動量YUが、下方向移動量YDよりも大きい場合(S51:Yes)には、上方向に移動させるように、現在の配置開始位置Y座標から下方向移動量YDにオペレータ操作量β(任意の値)を加えた値を減じることによって、新たな配置開始Y座標とされる(S52)。一方、上方向移動量YUが、下方向移動量YDよりも大きくない場合(S51:No)には、下方向に移動させるように、現在の配置開始位置Y座標に下方向移動量YDにオペレータ操作量βを加えた値を加えることによって、新たな配置開始Y座標とされる(S53)。その後、ステップS33に移行する。
一方、ステップS31において、該当の対象画像の配置領域が縦線の折れ目と重なると判定された場合(S31:Yes)には、該当の対象画像の配置領域が横線の折り目と重なるか否かが判定される(S37)。そして、重ならないと判定された場合(S37:No)には、縦線の折り目位置と重なった画像のX方向移動量XR(右方向移動量)/XL(左方向移動量)の値が計算される(S38)。右方向移動量XR及び左方向移動量XLは、図24及び図26に示すように、縦線の折り目のX方向座標XPから画像の配置領域のX方向始点座標XSを減じることによって、画像の配置領域のX方向終点座標XEから縦線の折り目のX方向座標XPを減じることによってそれぞれ求められる。
次に、画像の配置位置のX方向座標が修正される(S39)。これは、図25に示すように、右方向移動量XRが、左方向移動量XLよりも大きい場合(S61:Yes)には、右方向に移動させるように、現在の配置開始位置X座標から右方向移動量XRにオペレータ操作量α(任意の値)を加えた値を減じることによって、新たな配置開始X座標とされる(S62)。一方、右方向移動量XRが、左方向移動量XLよりも大きくない場合(S61:No)には、左方向に移動させるように、現在の配置開始位置X座標に右方向移動量XRにオペレータ操作量αを加えた値を加えることによって、新たな配置開始X座標とされる(S63)。その後、ステップS33に移行する。
一方、ステップS37において、該当の対象画像の配置領域が横線の折り目と重なるか否かが判定される(S37)。そして、重なると判定された場合(S37:Yes)には、図24に示すように縦線の折り目位置と重なった画像の右方向移動量XR及び左方向移動量XLの値が計算される(S40)。次に、図22に示すように、横線の折り目位置と重なった画像の上方向移動量YU及び下方向移動量YDの値が計算される(S41)。更に、図25に示すように、画像の配置位置のX方向座標が修正され(S42)、更にまた、図23に示すように、画像の配置位置のY方向座標が修正される(S43)。
このようにして、折り目位置上に配置された対象画像を、折り目位置上に配置されない位置に配置変更することができる。
次に、折り目位置上に重なって配置されている対象画像について、対象画像に含まれる対象物が折り目位置上に重なって配置されているか否かを判定する処理の動作について説明する。
折り目位置上に重なって配置されている対象画像について、対象画像に含まれる対象物が折り目位置上に重なって配置されているか否かを判定するためには、画像に関する素材情報を、図27に示すようなデータ構成とする。このデータ構成は、例えば図6に示すような画像の素材情報713のデータ項目に更に、対象物の部分領域件数71JB0と、対象物領域座標71JBLX,71JBLYと、対象物領域寸法71JBSX、71JBSYとを追加した構成としている。図27に示す例では、対象物の部分領域件数71JB0=2が設定されているので、対象物領域座標71JBLX,71JBLYとして71JBLX1,71JBLY1及び71JBLX2,71JBLY2の2つが、対象物領域寸法71JBSX、71JBSYとして71JBSX1、71JBSY1及び71JBSX2、71JBSY2の2つがそれぞれ定義されている。なお、対象物の部分領域件数71JB0=0である場合には、対象物領域座標71JBLX,71JBLYと、対象物領域寸法71JBSX、71JBSYとは不要である。
このような構成からなる素材情報を持つ紙面データ71に対して組版端末5によってなされるレイアウト処理について、図28に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、指定された画像(例えば画像ウ)に対する紙面データ71の素材情報(例えば素材情報713)が探索される(S71)。そして、対象画像区分71JBの指定が「非該当」であるか否かが判定される(S72)。そして、対象画像区分71JBの指定が「非該当」ではない場合(S72:No)には、対象画像区分71JBの指定が「全体該当」であるか否かが判定される(S73)。そして、対象画像区分71JBの指定が「全体該当」ではない場合(S73:No)には、対象画像区分71JBの指定が「部分該当」であるか否かが判定される(S74)。そして、対象画像区分71JBの指定が「部分該当」ではない場合(S74:No)には、処理が終了する。
一方、ステップS74において、対象画像区分71JBの指定が「部分該当」である場合(S74:Yes)には、部分領域件数71JB0が指定され、更に対象物領域の配置位置相対X座標71JBLX、配置位置相対Y座標71JBLY、X方向寸法71JBSX、Y方向寸法71JBSYが部分領域件数71JB0の数指定され(S75)、処理が終了する。
一方、ステップS73において、対象画像区分71JBの指定が「全体該当」である場合(S73:Yes)には、対象物の部分領域件数71JB0として「0」が書き込まれ(S76)、処理が終了する。
一方、ステップS72において、対象画像区分71JBの指定が「非該当」ではない場合(S72:No)には、対象物の部分領域件数71JB0として「0」が書き込まれ(S77)、処理が終了する。
次に、折り目位置上に配置された対象物の検出処理の流れについて図29乃至図32に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、組版端末5に取り込まれた紙面データ71のうち、先頭の素材が、画像識別部52によって対象とされる(S81)。次に、画像識別部52によって、素材種別71SBから、この素材の種別が画像であるか否かが識別される(S82)。そして、画像である場合(S82:Yes)には、配置情報71FLから、この素材が配置済であるか否かが識別される(S83)。そして、配置済である場合(S83:Yes)には、画像区分71GKから、この素材が写真であるかが識別される(S84)。そして、写真である場合(S84:Yes)には、対象画像区分71JBから、この写真が対象画像であるか否かが識別される(S85)。
そして、対象画像ではない場合(S85:No)には、対象画像区分71JBが「全体該当」であるか否かが識別される(S86)。そして、「全体該当」ではない場合(S86:No)には、対象画像区分71JBが「部分該当」であるか否かが識別される(S87)。そして、「部分該当」ではない場合(S87:No)には、全ての素材情報を処理したか否かが判定される(S88)。そして、未だに処理されていない素材情報がある場合(S88:No)には、次の素材情報が対象とされ(S89)、ステップS82に移行する。
一方、全ての素材情報が処理された場合(S88:Yes)には、折り目と重なる対象画像が検出部56に記録されているか否かが判定される(S100)。そして、記録されている(S100:Yes)のであれば、この記録されている対象画像の素材ID番号71ID、対象物領域の番号が表示画面54から表示される(S101)。一方、ステップS100において記録されていないのであれば(S100:No)、対象画像が折り目位置と重ならないことを意味するメッセージが表示画面54から表示される(S102)。
一方、ステップS87において、そして、「部分該当」であると判定された場合(S87:Yes)には、配置情報把握部55によって、対象物領域の配置位置相対X座標71JBLX、配置位置相対Y座標71JBLY、X方向寸法71JBSX、Y方向寸法71JBSYが処理対象とされる(S90)。そして、対象物領域の配置位置相対座標71JBLX,71JBLYが、紙面100内の配置位置座標値に変換される(S91)。
そして、検出部56によって、対象物の配置位置が、折り目位置と重なるか否かが判定される(S92)。そして、重なると判定された場合(S93:Yes)には、この素材の素材ID番号71IDと、対象物のシリアル番号とが検出部56によって記録される(S94)。
そして、処理対象の対象物領域の全てが処理されたか否かが判定される(S95)。そして、未だに処理されていない対象物領域がある場合(S95:No)には、次の対象物領域の配置位置相対X座標71JBLX、配置位置相対Y座標71JBLY、X方向寸法71JBSX、Y方向寸法71JBSYが処理対象とされ(S96)、ステップS91に移行する。
一方、処理対象の対象物領域の全てが処理された場合(S95:Yes)には、ステップS88に移行する。また、ステップS92において、検出部56によって、対象物の配置位置が、折り目位置と重なるか否かが判定され、重ならないと判定された場合(S93:No)には、ステップS95に移行する。
また、ステップS86において、「全体該当」である場合(S86:Yes)には、該当素材の配置領域が折り目と重なるかが調べられる(S97)。そして、折り目と重なる場合(S98:Yes)には、該当素材の素材ID番号が検出部56に記録され(S99)、ステップS88に移行する。
一方、ステップS98において折り目と重ならない場合(S98:No)、ステップS85において対象画像である場合(S85:Yes)、ステップS84において写真ではない場合(S84:No)、ステップS83において配置済ではない場合(S83:No)、ステップS82において画像ではない場合(S82:No)には、何れもステップS88に移行する。
このようにして、折り目位置と重なって配置されている対象画像のみならず、折り目位置と重なって配置されている対象物を検出することができる。
次に、折り目位置上に対象物が配置されないように、対象画像の配置位置座標71LMを変更する場合における処理の動作について図33乃至図37に示すフローチャートを用いて説明する。この場合、折り目位置上に対象画像の一部が配置されていても、対象画像の配置位置座標を変更することによって、折り目位置上に対象物が配置されないようにされる。
まず、組版端末5に取り込まれた紙面データ71のうち、先頭の素材が、画像識別部52によって対象とされる(S111)。次に、画像識別部52によって、素材種別71SBから、この素材の種別が画像であるか否かが識別される(S112)。そして、画像である場合(S112:Yes)には、配置情報71FLから、この素材が配置済であるか否かが識別される(S113)。そして、配置済である場合(S113:Yes)には、画像区分71GKから、この素材が写真であるかが識別される(S114)。そして、写真である場合(S114:Yes)には、対象画像区分71JBから、この写真が「非該当」であるか否かが識別される(S115)。
そして、「非該当」ではない場合(S115:No)には、対象画像区分71JBから、「全体該当」であるか否かが識別される(S116)。そして、「全体該当」ではない場合(S116:No)には、対象画像区分71JBが「部分該当」であるか否かが識別される(S117)。そして、「部分該当」ではない場合(S117:No)には、全ての素材情報を処理したか否かが判定される(S118)。そして、未だに処理されていない素材情報がある場合(S118:No)には、次の素材情報が対象とされ(S119)、ステップS112に移行する。一方、全ての素材情報が処理された場合(S118:Yes)には、処理を終了する。
一方、ステップS117において、「部分該当」である場合(S117:Yes)には、配置情報把握部55によって、対象物領域の配置位置相対X座標71JBLX、配置位置相対Y座標71JBLY、X方向寸法71JBSX、Y方向寸法71JBSYが処理対象とされる(S120)。そして、対象物領域の配置位置相対座標71JBLX,71JBLYが、紙面100内の配置位置座標値に変換される(S121)。
そして、検出部56によって、対象物の配置位置が、縦線の折り目位置と重なるか否かが判定される(S122)。そして、重ならないと判定された場合(S122:No)には、更に、対象物の配置位置が、横線の折り目位置と重なるか否かが判定される(S123)。そして、重ならないと判定された場合(S123:No)には、処理対象の対象物領域の全てが処理されたか否かが判定される(S124)。そして、未だに処理されていない対象物領域がある場合(S124:No)には、次の対象物領域の配置位置相対X座標71JBLX、配置位置相対Y座標71JBLY、X方向寸法71JBSX、Y方向寸法71JBSYが処理対象とされ(S125)、ステップS121に移行する。
一方、処理対象の対象物領域の全てが処理された場合(S124:Yes)には、ステップS118に移行する。また、ステップS123において、対象物の配置位置が、横線折り目位置と重なると判定された場合(S123:No)には、配置位置変更部57によって、図38乃至図39のフローチャートに従って動作することにより、写真が現在位置から上側又は下側に平行移動され、当該写真の対象物領域が横線の折り目位置と重ならなくなる上方向移動量最小値YU、下方向移動量最小値YDの値が計算される(S126)。なお、図38乃至図39のフローチャートの説明は後述する。
そして、ステップS126でなされた計算結果に基づいて、写真の配置位置のY方向座標が修正される(S127)。具体的な修正方法は、図23のフローチャートで説明した通りである。その後、ステップS118の処理に移行する。
一方、ステップS122において、縦線の折り目位置と重なると判定された場合(S122:Yes)には、該当の対象物領域が横線の折り目と重なるか否かが判定される(S128)。そして、重ならないと判定された場合(S128:No)には、配置位置変更部57によって、図40乃至図41のフローチャートに従って動作することにより、写真が現在位置から右側又は左側に平行移動され、当該写真の対象物領域が縦線の折り目位置と重ならなくなる右方向移動量最小値XR、左方向移動量最小値XLの値が計算される(S129)。なお、図40乃至図41のフローチャートの説明は後述する。
そして、ステップS129でなされた計算結果に基づいて、写真の配置位置のX方向座標が修正される(S130)。具体的な修正方法は、図25のフローチャートで説明した通りである。その後、ステップS118の処理に移行する。
一方、ステップS128において、横線の折り目と重なると判定された場合(S128:Yes)には、配置位置変更部57によって、図40乃至図41のフローチャートに従って動作することにより、写真が現在位置から右側又は左側に平行移動され、当該写真の対象物領域が縦線の折り目位置と重ならなくなる右方向移動量最小値XR、左方向移動量最小値XLの値が計算される(S142)。
更に、図38乃至図39のフローチャートに従って動作することにより、写真が現在位置から上側又は下側に平行移動され、当該写真の対象物領域が横線の折り目位置と重ならなくなる上方向移動量最小値YU、下方向移動量最小値YDの値が計算される(S143)。
そして、ステップS142でなされた計算結果に基づいて、写真の配置位置のX方向座標が修正される(S144)。具体的な修正方法は、図25のフローチャートで説明した通りである。また、ステップS143でなされた計算結果に基づいて、写真の配置位置のY方向座標が修正される(S145)。具体的な修正方法は、図23のフローチャートで説明した通りである。その後、ステップS118の処理に移行する。
一方、ステップS116において、「全体該当」である場合(S116:Yes)には、該当素材の配置領域が縦線の折り目と重なるか否かが判定される(S131)。そして、重ならない場合(S131:No)には、更に横線の折り目と重なるか否かが判定される(S132)。そして、重ならない場合(S132:No)には、ステップS118の処理に移行する。一方、重なる場合(S132:Yes)には、配置位置変更部57によって、横線の折り目位置と重なった写真のY方向移動量YU/YDの値が計算される(S133)。具体的な修正方法は、図22のフローチャートで説明した通りである。
そして、ステップS133でなされた計算結果に基づいて、写真の配置位置のY方向座標が修正される(S134)。具体的な修正方法は、図23のフローチャートで説明した通りである。その後、ステップS118の処理に移行する。
一方、ステップS131において、該当素材の配置領域が縦線の折り目と重なると判定され(S131:Yes)たものの、横線の折り目とは重ならないと判定された場合(S135:No)には、配置位置変更部57によって、縦線の折り目位置と重なった写真のX方向移動量XR/XLの値が計算される(S136)。具体的な修正方法は、図24のフローチャートで説明した通りである。
そして、ステップS136でなされた計算結果に基づいて、写真の配置位置のX方向座標が修正される(S137)。具体的な修正方法は、図25のフローチャートで説明した通りである。その後、ステップS118の処理に移行する。
一方、ステップS135において、該当素材の配置領域が横線の折り目と重なると判定された場合(S135:Yes)には、配置位置変更部57によって、縦線の折り目位置と重なった写真のX方向移動量XR/XLの値が計算される(S138)。具体的な修正方法は、図24のフローチャートで説明した通りである。更に、横線の折り目位置と重なった写真のY方向移動量YU/YDの値が計算される(S139)。具体的な修正方法は、図22のフローチャートで説明した通りである。
そして、ステップS138でなされた計算結果に基づいて、写真の配置位置のX方向座標が修正される(S140)。具体的な修正方法は、図25のフローチャートで説明した通りである。更に、ステップS139でなされた計算結果に基づいて、写真の配置位置のY方向座標が修正される(S141)。具体的な修正方法は、図23のフローチャートで説明した通りである。その後、ステップS118の処理に移行する。
また、ステップS115において対象画像区分が「非該当」である場合(S115:Yes)、ステップS114において画像区分が写真ではない場合(S114:No)、ステップS113において配置済ではない場合(S113:No)、ステップS112において画像ではない場合(S112:No)には、何れもステップS118の処理に進む。
このようにして、折り目位置上に対象物が配置されないように、対象画像の配置位置座標を変更することができる。これによって、折り目位置上に対象画像の一部が配置されていても、対象物を折り目位置上に配置しないようにすることができる。
本実施の形態に係る組版システムでは、上述したような機能を、以下に説明するように、小組を含む紙面についても同様に実現することができる。
紙面に小組が含まれる場合、紙面データ71は、例えば図42に示すような素材種別71SB(=小組)である素材情報719、図43に示すような小組用管理情報720、図44乃至図46に示すような小組用素材情報721〜723、図47に示すような小組用素材実体726を含む。
本実施の形態に係る組版システムは、紙面データ71に、このような素材種別71SB(=小組)である素材情報719を更に追加することによって、小組もまた他の素材同様に、紙面に配置することが可能となる。
小組用管理情報720は、掲載年月日72KN、面名72MN、版名72HN、小組区分72KB、小組の素材ID番号72ID、小組の仮見出72KM、体裁情報72TS、小組X方向寸法72PX、小組Y方向寸法72PYからなる。なお、体裁情報72TSとは、組方向、段数、字詰、文字サイズ、段間、行間などの定義情報である。
小組用素材情報721〜723は、小組に配置する素材のための素材情報であって、そのデータ構成は、素材の種別に応じて素材情報711〜718と同様であるので、ここでは説明を省略する。また、小組用素材実体726のデータ構成もまた、素材実体725と同様であるので、説明を省略する。
以下に、折り目位置上に配置された小組内画像の検出処理の流れについて図48乃至図51に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、組版端末5に取り込まれた小組に関する素材情報719を含む紙面データ71のうち、先頭の素材が、画像識別部52によって対象とされる(S151)。次に、画像識別部52によって、素材種別71SBから、この素材の種別が小組であるか否かが識別される(S152)。そして、小組である場合(S152:Yes)には、配置情報71FLから、この小組が配置済であるか否かが識別される(S153)。そして、配置済である場合(S153:Yes)には、検出部56によって、該当小組の配置領域が、折り目と重なるか否かが判定される(S154)。そして、重なると判定された場合(S155:Yes)には、該当小組の小組用素材情報721〜723が読み込まれる(S156)。そして、折り目の座標値が、小組内の相対座標に変換され(S157)、小組用素材情報721〜723の素材情報の先頭素材である小組用素材情報721が処理対象とされる(S158)。
そして、画像識別部52によって、素材種別72SBから、この素材の種別が画像であるか否かが識別される(S159)。そして、画像である場合(S159:Yes)には、配置情報72FLから、この素材が配置済であるか否かが識別される(S160)。そして、配置済である場合(S160:Yes)には、画像区分72GKから、この素材が写真であるかが識別される(S161)。そして、写真である場合(S161:Yes)には、対象画像区分72JBに該当しているか否かが識別される(S162)。そして、該当する場合(S162:Yes)には、該当画像の素材の配置領域が折り目と重なるか否かが判定される(S163)。
そして、重なると判定された場合(S164:Yes)には、該当小組と該当画像の素材ID番号72IDが検出部56によって記録される(S165)。そして、未処理の小組用素材情報がある場合(S166:No)には、次の小組用素材情報が対象とされて(S167)、ステップS159の処理に移行する。一方、全ての小組用素材情報が処理された場合(S166:Yes)には、更に全ての素材情報が処理されたかが調べられる(S168)。
そして、未処理の素材情報がある場合(S168:No)には、次の素材情報が対象とされ(S169)、ステップS152の処理に移行する。一方、全ての素材情報が処理された場合(S168:Yes)には、折り目と重なる対象画像が検出部56に記録されているか否かが判定される(S170)。そして、記録されている(S170:Yes)のであれば、この記録されている対象画像の素材ID番号71IDが表示画面54から表示される(S171)。一方、ステップS170において記録されていないのであれば(S170:No)、対象画像が折り目位置と重ならないことを意味するメッセージが表示画面54から表示される(S172)。
一方、ステップS164において、折り目と重ならない場合(S164:No)、ステップS162において該当しない場合(S162:No)、ステップS161において写真ではない場合(S161:No)、ステップS160において配置済ではない場合(S160:No)、ステップS159において画像ではない場合(S159:No)にはステップS166の処理に移行する。
また、また、ステップS155において重ならない場合(S155:No)、ステップS153において配置済ではない場合(S153:No)、ステップS152において小組ではない場合(S152:No)には、ステップS168の処理に移行する。
このようにして、折り目位置上に配置された小組内画像を検出することができる。
次に、折り目位置上に配置された小組内の対象画像内の対象物の検出処理の流れについて図52乃至図56に示すフローチャートを用いて説明する。
小組内の対象画像内の対象物を検出するためには、素材情報724を、例えば図57に示すように、図46に示す小組用素材情報723のデータ項目に、対象物の部分領域件数72JB0と、対象物領域配置位置相対座標72JBLと、対象物領域寸法72JBSとを付加したデータ構成とする。
まず、組版端末5に取り込まれた紙面データ71のうち、先頭の素材が、画像識別部52によって対象とされる(S181)。次に、画像識別部52によって、素材種別71SBから、この素材の種別が小組であるか否かが識別される(S182)。そして、小組である場合(S182:Yes)には、配置情報72FLから、この素材が配置済であるか否かが識別される(S183)。そして、配置済である場合(S183:Yes)には、検出部56によって、当該小組の配置位置が、折り目位置と重なるか否かが判定される(S184)。そして、重なると判定された場合(S185:Yes)には、該当小組の小組用素材情報が読み込まれる(S186)。
そして、折り目の座標値が、小組内の相対座標に変換され(S187)、小組用素材情報721〜723の素材情報の先頭素材である小組用素材情報721が処理対象とされる(S188)。
そして、画像識別部52によって、素材種別72SBから、この素材の種別が画像であるか否かが識別される(S189)。そして、画像である場合(S189:Yes)には、配置情報72FLから、この素材が配置済であるか否かが識別される(S190)。そして、配置済である場合(S190:Yes)には、画像区分72GKから、この素材が写真であるかが識別される(S191)。そして、写真である場合(S191:Yes)には、対象画像区分72JBは非該当であるか否かが識別される(S192)。
そして、非該当ではない場合(S192:No)には、対象画像区分72JBが全体該当であるか否かが識別される(S193)。そして、全体該当ではない場合(S193:No)には、対象画像区分72JBが部分該当であるか否かが識別される(S194)。そして、部分該当である場合(S194:Yes)には、配置情報把握部55によって、対象物領域の配置位置相対X座標72JBLX、配置位置相対Y座標72JBLY、X方向寸法72JBSX、Y方向寸法72JBSYが処理対象とされる(S195)。そして、対象物領域の配置位置相対座標72JBLX,72JBLYが、紙面100内の配置位置座標値に変換される(S196)。
そして、この対象物領域が折り目と重なるか否かが判定される(S197)。そして、重なると判定された場合(S198:Yes)には、該当画像の素材ID番号72IDと対象物領域のシリアル番号とが検出部56によって記録される(S199)。そして、未処理の対象物領域がある場合(S200:No)には、配置情報把握部55によって、次の対象物領域の配置位置相対X座標72JBLX、配置位置相対Y座標72JBLY、X方向寸法72JBSX、Y方向寸法72JBSYが処理対象とされる(S201)。しかる後に、ステップS196の処理に移行する。
一方、ステップS193において、全体該当である場合(S193:Yes)には、検出部56によって該当画像の素材の配置領域が折り目と重なるかが調べられる(S202)。そして、該当画像の素材の配置領域が折り目と重なる場合(S203:Yes)には、該当小組と該当画像の素材ID番号72IDが検出部56に記録される(S204)。
そして、未処理の小組用素材情報が存在する場合(S205:No)には、次の小組用素材情報が対象とされ(S206)、ステップS189の処理に移行する。一方、全ての小組用素材情報が処理された場合(S205:Yes)には、更に、全ての素材情報について処理されたか否かが調べられる(S207)。そして、未処理の素材情報がある場合(S207:No)には、次の素材が対象とされ(S208)、ステップS182の処理に移行する。
一方、ステップS207において、全ての素材情報が処理されている場合(S207:Yes)であって、折り目と重なる写真が検出部56に記録されている場合(S209:Yes)には、この記録されている画像の素材ID番号72ID、対象物領域の番号が表示画面54から表示され(S210)、処理を終了する。一方、ステップS209において記録されていないのであれば(S209:No)、対象画像が折り目位置と重ならないことを意味するメッセージが表示画面54から表示され(S211)、処理を終了する。
一方、ステップS203において折り目と重ならない場合(S203:No)、ステップS200において全ての対象物領域を処理している場合(S200:Yes)、ステップS194において部分該当ではない場合(S194:No)、ステップS192において非該当である場合(S192:Yes)、ステップS191において写真ではない場合(S191:No)、ステップS190において配置済ではない場合(S190:No)、ステップS189において画像ではない場合(S189:No)にはステップS205の処理に移行する。また、ステップS198において折り目と重ならない場合(S198:No)には、ステップS200の処理に移行する。
更には、ステップS185において折り目と重ならない場合(S185:No)、ステップS183において配置済ではない場合(S183:No)、ステップS182において小組ではない場合(S182:No)には、ステップS207の処理に移行する。
このようにして、折り目位置と重なって配置されている小組内対象画像のみならず、この対象画像内において折り目位置と重なって配置されている対象物を検出することができる。
次に、折り目位置上に配置された小組の配置位置を、折り目位置上に配置されないように変更する場合における処理の動作について図58乃至図62に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、組版端末5に取り込まれた紙面データ71のうち、先頭の素材が、画像識別部52によって対象とされる(S221)。次に、画像識別部52によって、素材種別71SBから、この素材の種別が小組であるか否かが識別される(S222)。そして、小組である場合(S222:Yes)には、配置情報71FLから、この小組が配置済であるか否かが識別される(S223)。そして、配置済である場合(S223:Yes)には、検出部56によって、この小組の配置位置が、縦線及び横線の折り目位置と重なるか否かが判定される(S224、S225)。
そして、縦線の折り目と重なっておらず(S226:No)、横線の折り目とも重なっておらず(S227:No)、全ての素材情報が処理された場合(S228:Yes)には、処理を終了する。一方、未処理の素材情報がある場合(S228:No)には、次の素材情報が対象とされ(S229)、ステップS222の処理に移行する。
一方、ステップS227において横線の折り目と重なっている場合(S227:Yes)には、検出部56によって、小組内の対象画像の配置領域が横線の折り目と重なっているかが調べられる(S230)。具体的な方法については後述する。そして、重なっている場合(S231:Yes)には、対象画像が現在位置から上側又は下側に平行移動され、該当する対象画像の対象物領域が横線の折り目位置と重ならなくなる上方向移動量最小値YU、及び下方向移動量最小値YDが配置位置変更部57によって計算される(S232)。具体的な計算方法は、図38乃至図39を用いて後述する。
そして、ステップS232による計算結果に基づいて配置位置変更部57によって、小組の配置位置のY方向座標が修正され(S233)、しかる後にステップS228の処理に移行する。一方、ステップS231において重ならない場合(S231:No)にも、ステップS228の処理に移行する。
一方、ステップS226において重なっており(S226:Yes)、小組の配置位置が横線の折り目と重なっていない場合(S234:No)には、小組内の対象画像の配置領域が縦線の折り目と重なっているかが、検出部56によって調べられる(S235)。具体的な方法については後述する。
そして、小組内の対象画像の配置領域が縦線の折り目と重なっている場合(S236:Yes)には、配置位置変更部57によって、対象画像が現在位置から右側又は左側に平行移動され、該当する対象画像の対象物領域が縦線の折り目位置と重ならなくなる右方向移動量最小値XR、及び左方向移動量最小値XLが配置位置変更部57によって計算される(S237)。具体的な計算方法は、図40乃至図41を用いて後述する。
そして、ステップS237による計算結果に基づいて配置位置変更部57によって、小組の配置位置のX方向座標が修正され(S238)、しかる後にステップS228の処理に移行する。具体的な計算方法は、図63を用いて後述する。一方、ステップS236において重ならない場合(S236:No)にも、ステップS228の処理に移行する。
一方、ステップS234において、重なっている場合(S234:Yes)には、検出部56によって、小組内の対象画像の配置領域が縦線の折り目と重なっているか否かが調べられ(S239)、更に横線の折り目と重なっているか否かが調べられる(S240)。具体的な方法については後述する。そして、縦線の折り目と重なっておらず(S241:No)、横線の折り目とも重なっていない場合(S242:No)には、ステップS228の処理に移行する。
一方、ステップS242において、横線の折り目と重なる場合(S242:Yes)には、ステップS232の処理に移行する。また、ステップS241において、縦線の折り目と重なる場合(S241:Yes)であって、小組内の対象画像の配置領域が横線の折り目と重なる場合(S243:Yes)には、配置位置変更部57によって、対象画像が現在位置から右側又は左側に平行移動され、該当する対象画像の対象物領域が縦線の折り目位置と重ならなくなる右方向移動量最小値XR、及び左方向移動量最小値XLが配置位置変更部57によって計算される(S244)。具体的な計算方法は、図40乃至図41を用いて後述する。更に、対象画像が現在位置から上側又は下側に平行移動され、該当する対象画像の対象物領域が横線の折り目位置と重ならなくなる上方向移動量最小値YU、及び下方向移動量最小値YDが配置位置変更部57によって計算される(S245)。具体的な計算方法は、図38乃至図39を用いて後述する。
そして、ステップS244による計算結果に基づいて配置位置変更部57によって、小組の配置位置のX方向座標が修正される(S246)。具体的な計算方法は、図63を用いて後述する。更に、ステップS245による計算結果に基づいて配置位置変更部57によって、小組の配置位置のY方向座標が修正される(S247)。具体的な計算方法は、図64を用いて後述する。しかる後にステップS228の処理に移行する。
一方、ステップS243において、横線の折り目と重ならない場合(S243:No)には、ステップS237の処理に移行する。また、ステップS223において配置済ではない場合(S223:No)、ステップS222において小組ではない場合(S222:No)には、ステップS228の処理に移行する。
次に、ステップS238及びステップS246においてなされる小組の配置位置のX方向座標の修正方法について図63のフローチャートを用いて説明する。
まず右方向移動量がXR、左方向移動量がXLとされ(S251)、右方向移動量XRと左方向移動量XLとが比較される(S252)。そして、右方向移動量XRが左方向移動量XLよりも大きい場合(S252:Yes)には、配置開始位置X座標から左方向移動量XLとオペレータによる操作量αとの和を減じた座標位置が、新たな配置開始位置X座標とされる(S253)。
一方、ステップS252において、右方向移動量XRが左方向移動量XLよりも大きく
ない場合(S252:No)には、配置開始位置X座標に、左方向移動量XLとオペレータによる操作量αとの和を加えた座標位置が、新たな配置開始位置X座標とされる(S254)。
次に、ステップS233及びステップS247においてなされる小組の配置位置のY方向座標の修正方法について図64のフローチャートを用いて説明する。
まず上方向移動量がYU、下方向移動量がYDとされ(S261)、上方向移動量YUと下方向移動量YDとが比較される(S262)。そして、上方向移動量YUが下方向移動量YDよりも小さい場合(S262:Yes)には、配置開始位置Y座標から上方向移動量YUとオペレータによる操作量βとの和を減じた座標位置が、新たな配置開始位置YX座標とされる(S263)。
一方、ステップS262において、上方向移動量YUが下方向移動量YDよりも小さくない場合(S262:No)には、配置開始位置Y座標に、下方向移動量YDとオペレータによる操作量αとの和を加えた座標位置が、新たな配置開始位置Y座標とされる(S264)。
次に、ステップS230及びステップS240においてなされる横線の折り目との重なりを調べる方法について、図65乃至図68のフローチャートを用いて説明する。
まず、該当小組の小組用素材情報が検出部56によって読み込まれ(S271)、横線の折り目の座標値が小組内の相対座標に変換される(S272)。次に、小組用素材情報の先頭素材が処理対象とされる(S273)。
そして、該当素材の素材種別が画像である場合(S274:Yes)であり、この画像が配置済であり(S275:Yes)、画像区分が写真であり(S276:Yes)、対象画像区分が非該当ではなく(S277:No)、対象画像区分が全体該当ではなく(S278:No)、対象画像区分が部分該当ではなく(S279:No)、小組用素材情報の全てが処理された場合(S280:Yes)には、横線の折り目との重なりはないと判定され、処理を終了する(S281)。一方、ステップS280において、未処理の小組用素材情報がある場合(S280:No)には、次の素材が対象とされ(S282)、ステップS274の処理に移行する。
また、ステップS279において、部分該当である場合(S279:Yes)には、対象物領域の配置位置相対X座標、配置位置相対Y座標、X方向寸法、及びY方向寸法が処理対象とされる(S283)。そして、対象物領域の配置位置相対座標が紙面内の配置位置座標値に変換される(S284)。そして、処理対象の対象物領域が横線の折り目と重なる場合(S285:Yes)には、横線の折り目との重なりがあるものと判定され(S286)、処理を終了する。
一方、ステップS285において、横線の折り目と重ならない場合(S285:No)であって、処理対象の対象物領域が全て処理された場合(S287:Yes)であれば、ステップS280の処理に移行する。一方、未処理の対象物領域がある場合(S287:No)には、次の対象物領域の配置位置相対X座標、配置位置相対Y座標、X方向寸法、及びY方向寸法が処理対象とされ(S288)、ステップS284の処理に移行する。
一方、ステップS278において、全体該当である場合(S278:Yes)には、該当素材の配置領域が横線の折り目と重なるか否かが調べられる(S289)。そして、重なる場合(S290:Yes)には、横線との重なりありと判定され(S291)、処理を終了する。一方、ステップS290において、横線の折り目と重ならない場合(S290:No)には、ステップS280の処理に移行する。
なお、ステップS277において非該当である場合(S277:Yes)、ステップS276において写真ではない場合(S276:No)、ステップS275において配置済ではない場合(S275:No)、ステップS274において画像ではない場合(S274:No)には、ステップS280の処理に移行する。
また、ステップS235及びステップS239においてなされる縦線の折り目との重なりを調べる方法について、図69乃至図72のフローチャートを用いて説明する。
まず、該当小組の小組用素材情報が検出部56によって読み込まれ(S301)、縦線の折り目の座標値が小組内の相対座標に変換される(S302)。次に、小組用素材情報の先頭素材が処理対象とされる(S303)。
そして、該当素材の素材種別が画像である場合(S304:Yes)であり、この画像が配置済であり(S305:Yes)、画像区分が写真であり(S306:Yes)、対象画像区分が非該当ではなく(S307:No)、対象画像区分が全体該当ではなく(S308:No)、対象画像区分が部分該当ではなく(S309:No)、小組用素材情報の全てが処理された場合(S310:Yes)には、縦線の折り目との重なりはないと判定され、処理を終了する(S311)。一方、ステップS310において、未処理の小組用素材情報がある場合(S310:No)には、次の素材が対象とされ(S312)、ステップS304の処理に移行する。
また、ステップS309において、部分該当である場合(S309:Yes)には、対象物領域の配置位置相対X座標、配置位置相対Y座標、X方向寸法、及びY方向寸法が処理対象とされる(S313)。そして、対象物領域の配置位置相対座標が紙面内の配置位置座標値に変換される(S314)。そして、処理対象の対象物領域が縦線の折り目と重なる場合(S315:Yes)には、縦線の折り目との重なりがあるものと判定され(S316)、処理を終了する。
一方、ステップS315において、縦線の折り目と重ならない場合(S315:No)であって、処理対象の対象物領域が全て処理された場合(S317:Yes)であれば、ステップS310の処理に移行する。一方、未処理の対象物領域がある場合(S317:No)には、次の対象物領域の配置位置相対X座標、配置位置相対Y座標、X方向寸法、及びY方向寸法が処理対象とされ(S318)、ステップS314の処理に移行する。
一方、ステップS308において、全体該当である場合(S308:Yes)には、該当素材の配置領域が縦線の折り目と重なるか否かが調べられる(S319)。そして、重なる場合(S320:Yes)には、縦線との重なりありと判定され(S3291)、処理を終了する。一方、ステップS3290において、縦線の折り目と重ならない場合(S320:No)には、ステップS310の処理に移行する。
なお、ステップS307において非該当である場合(S307:Yes)、ステップS306において写真ではない場合(S306:No)、ステップS305において配置済ではない場合(S305:No)、ステップS304において画像ではない場合(S304:No)には、ステップS310の処理に移行する。
また、ステップS232及びステップS245において配置位置変更部57でなされる上方向移動量最小値YU、及び下方向移動量最小値YDの値の計算方法について図38及び図39に示すフローチャート等を用いて説明する。
まず連結リスト74が初期化される(S321)。連結リスト74とは、例えば図73に示すように、小組内に含まれる全ての対象物をレコードとして始点座標74Sと終点座標74Eとを積み上げたリストである。
次に、対象とする小組用素材情報から対象物のY方向領域始点座標/終点座標が抽出され、抽出リスト73が作成される(S322)。具体的な作成方法については図74乃至図76に示すフローチャートを用いて後述する。また抽出リスト73とは、例えば図77に示すように、小組内に含まれる全ての対象物をレコードとして始点座標73Sと終点座標73Eとを積み上げたリストである。
そして、抽出リスト73の先頭レコードが対象とされる(S323)。そして、Y方向に対して、該当レコードの始点座標73Sから終点座標73Eまでが、連結リスト74内の始点座標74Sから終点座標74Eまでと重なるか否かが調べられる(S324)。そして、重なる場合(S324:Yes)には、重なった連結リスト74内の始点座標74S及び終点座標74Eに対して、該当レコードの始点座標73S及び終点座標73Eが合併される(S325)。
例えば図78に示すように対象物領域61(#1)と対象物領域61(#2)とが対象画像(例えば写真)60内に存在する場合、Y方向に対しては、対象物領域61(#1)の始点座標73S(#1)から終点座標73E(#1)までと、対象物領域61(#2)の始点座標73S(#2)から終点座標73E(#2)までとには、重なり合う部分がない。このような場合、始点座標73S及び終点座標73Eとは合併されない。
そして、抽出リスト73内の全てのレコードが処理された場合(S326:Yes)には、連結リスト74のレコードに対して横線折り目と重なるレコードが探索され(S327)、横線の折り目のY方向座標Ypから横線の折り目と重なった連結領域の始点座標Ysが減じられることによって、上方向移動量最小値YUが求められる。また、横線の折り目と重なった連結領域の終点座標Yeから横線の折り目のY方向座標Ypが減じられることによって、下方向移動量最小値YDが求められる(S328)。そして、処理を終了する。
一方、ステップS326において、未処理のレコードがある場合(S326:No)には、次のレコードが対象とされ(S329)、ステップS324の処理に移行する。
また、ステップS324において、重ならない場合(S324:No)には、連結リスト74に、該当レコードの始点座標73S及び終点座標73Eが追加される(S330)。そして、連結リスト74の登録件数740が1追加され(S331)、ステップS326の処理に移行する。
また、ステップS237及びステップS244において配置位置変更部57でなされる右方向移動量最小値XR、及び左方向移動量最小値XLの値の計算方法について図40及び図41に示すフローチャート等を用いて説明する。
まず、対象とする小組用素材情報から対象物のX方向領域始点座標/終点座標が抽出され、抽出リスト73が作成される(S341)。具体的な作成方法については図79乃至図81に示すフローチャートを用いて後述する。
そして、抽出リスト73の先頭レコードが対象とされる(S342)。そして、X方向に対して、該当レコードの始点座標73Sから終点座標73Eまでが、連結リスト74内の始点座標74Sから終点座標74Eまでと重なるか否かが調べられる(S343)。そして、重なる場合(S343:Yes)には、重なった連結リスト74内の始点座標74S及び終点座標74Eに対して、該当レコードの始点座標73S及び終点座標73Eが合併される(S344)。
例えば図78に示すように対象物領域61(#1)と対象物領域61(#2)とが対象画像(例えば写真)60内に存在する場合、X方向に対しては、対象物領域61(#1)の始点座標73S(#1)から終点座標73E(#1)までと、対象物領域61(#2)の始点座標73S(#2)から終点座標73E(#2)までとには、重なり合う部分がある。このような場合、始点座標73S及び終点座標73Eとは合併される。
そして、抽出リスト73内の全てのレコードが処理された場合(S345:Yes)には、連結リスト74のレコードに対して縦線折り目と重なるレコードが探索され(S346)、縦線の折り目のX方向座標Xpから縦線の折り目と重なった連結領域の始点座標Xsが減じられることによって、右方向移動量最小値XRが求められる。また、縦線の折り目と重なった連結領域の終点座標Xeから縦線の折り目のX方向座標Xpが減じられることによって、左方向移動量最小値XLが求められる(S347)。そして、処理を終了する。
一方、ステップS345において、未処理のレコードがある場合(S345:No)には、次のレコードが対象とされ(S348)、ステップS343の処理に移行する。
また、ステップS343において、重ならない場合(S343:No)には、連結リスト74に、該当レコードの始点座標73S及び終点座標73Eが追加される(S349)。そして、ステップS345の処理に移行する。
次に、ステップS322で、Y方向領域始点座標/終点座標を基に作成される抽出リスト73の作成方法について、図74乃至図76に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、該当小組の小組用素材情報が読み込まれ(S351)、次に、抽出リスト73が初期化される(S352)。そして、小組用素材情報の先頭素材が対象とされる(S353)。そして、該当素材の素材種別が画像である場合(S354:Yes)であり、この画像が配置済であり(S355:Yes)、画像区分が写真であり(S356:Yes)、対象画像区分が非該当ではなく(S357:No)、対象画像区分が全体該当ではなく(S358:No)、対象画像区分が部分該当ではなく(S359:No)、小組用素材情報の全てが処理された場合(S360:Yes)には処理を終了する。一方、ステップS360において、未処理の小組用素材情報がある場合(S360:No)には、次の素材が対象とされ(S361)、ステップS354の処理に移行する。
一方、ステップS359において部分該当である場合(S359:Yes)には、初めの対象物領域が対象とされ(S362)、対象画像の配置開始位置Y座標、配置領域寸法Y方向寸法、対象物領域の配置位置相対Y座標、対象物領域Y方向寸法から対象物領域の対角線始点Y座標、対角線終点Y座標が計算される(S363)。そして、これら始点座標及び終点座標が抽出リスト73に書き込まれ(S364)、登録件数730が1追加される(S365)。
そして、対象画像の対象物領域の全てを処理した場合(S366:Yes)にはステップS360の処理に移行し、未処理の対象物領域がある場合(S366:No)には、次の対象物領域が対象とされ(S367)、ステップS362の処理に移行する。
一方、ステップS358において非該当である場合(S358:Yes)には、配置量域の開始位置座標、配置領域寸法から、配置領域対角線始点Y座標、対角線終点Y座標が計算され(S368)、抽出リスト73に始点座標、終点座標が書き込まれ(S369)、登録件数730が1追加され(S370)、ステップS360の処理に移行する。
なお、ステップS357において非該当である場合(S357:Yes)、ステップS356において写真ではない場合(S356:No)、ステップS355において配置済ではない場合(S355:No)、ステップS354において画像ではない場合(S354:No)には、ステップS360の処理に移行する。
次に、ステップS341で、X方向領域始点座標/終点座標を基に作成される抽出リスト73の作成方法について、図79乃至図81に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、該当小組の小組用素材情報が読み込まれ(S381)、次に、抽出リスト73が初期化される(S382)。そして、小組用素材情報の先頭素材が対象とされる(S383)。そして、該当素材の素材種別が画像である場合(S384:Yes)であり、この画像が配置済であり(S385:Yes)、画像区分が写真であり(S386:Yes)、対象画像区分が非該当ではなく(S387:No)、対象画像区分が全体該当ではなく(S388:No)、対象画像区分が部分該当ではなく(S389:No)、小組用素材情報の全てが処理された場合(S390:Yes)には処理を終了する。一方、ステップS390において、未処理の小組用素材情報がある場合(S390:No)には、次の素材が対象とされ(S391)、ステップS384の処理に移行する。
一方、ステップS389において部分該当である場合(S389:Yes)には、初めの対象物領域が対象とされ(S392)、対象画像の配置開始位置X座標、配置領域寸法X方向寸法、対象物領域の配置位置相対X座標、対象物領域X方向寸法から対象物領域の対角線始点X座標、対角線終点X座標が計算される(S393)。そして、これら始点座標及び終点座標が抽出リスト73に書き込まれ(S394)、登録件数730が1追加される(S395)。
そして、対象画像の対象物領域の全てを処理した場合(S396:Yes)にはステップS390の処理に移行し、未処理の対象物領域がある場合(S396:No)には、次の対象物領域が対象とされ(S397)、ステップS392の処理に移行する。
一方、ステップS388において非該当である場合(S388:Yes)には、配置量域の開始位置座標、配置領域寸法から、配置領域対角線始点X座標、対角線終点X座標が計算され(S398)、抽出リスト73に始点座標、終点座標が書き込まれ(S399)、登録件数730が1追加され(S400)、ステップS390の処理に移行する。
なお、ステップS387において非該当である場合(S387:Yes)、ステップS386において写真ではない場合(S386:No)、ステップS385において配置済ではない場合(S385:No)、ステップS384において画像ではない場合(S384:No)には、ステップS390の処理に移行する。
このようにして、折り目位置上に配置された小組の配置位置を、折り目位置上に配置されないように変更することができる。
次に、対象物を含む対象画像が、小組内に配置されている場合には、対象物を囲む最小矩形領域が折り目位置101,102上に配置されないように、対象画像の配置位置座標を小組内で変更する場合における動作について図82乃至図86に示すフローチャートを用いて説明する。
最小外接矩形領域について、図87を用いて説明する。図87に示すように、対象物61(#1)と、対象物61(#2)と、非対象物63(#1)と、非対象物63(#2)とが撮像されている対象画像62の場合、最小外接矩形領域65は、全ての対象物、すなわち対象物61(#1)と対象物61(#2)とを囲む最小の矩形領域のことである。
まず、紙面データ71が画像識別部52によって取得され、素材情報のうち先頭素材が対象とされる(S411)。そして、この素材の素材種別が小組であり(S412:Yes)、配置済である場合(S413:Yes)には、検出部56によって、当該小組が折り目と重なるか否かが調べられる(S414)。
そして、重なる場合(S415:Yes)には、更に小組用素材情報が読み込まれ(S416)、配置位置変更部57によって、対象画像の最小外接矩形領域の始点座標(XM,YM)及び終点座標(XN、YN)(図87参照)が初期化される(S417)。更に、配置位置変更部57が記憶している対象画像件数カウンタも零に初期化される(S418)。次に、小組用素材情報の先頭素材が対象とされる(S419)。
そして、該当素材の素材種別が画像であり(S420:Yes)、配置済であり(S421:Yes)、画像区分が写真であり(S422:Yes)、対象画像区分に該当する(S423:Yes)場合には、配置位置変更部57によって対象画像件数カウンタが1とされる(S424)。
そして、対象画像の配置位置開始座標と配置領域寸法から配置領域対角線領域始点座標(x1,y1)、及び配置領域対角線領域終点座標(x2,y2)が計算される(S425)。そして、対象画像の最小外接矩形領域の始点座標(XM,YM)と終点座標(XN,YN)とが以下のようにして更新される(S426)。すなわち、始点X座標XMと始点X座標x1との何れか小さい方を新たな始点X座標XMとし、始点Y座標YMと始点Y座標y1との何れか小さい方を新たな始点Y座標YXとする。また、終点X座標XNと終点X座標x2との何れか大きい方を新たな終点X座標XNとし、終点Y座標YNと終点Y座標y2との何れか大きい方を新たな終点Y座標YNとする。
そして、小組用素材情報内に未処理の素材がある場合(S427:No)には、次の素材が対象とされ(S428)、ステップS420の処理に移行する。一方、小組用素材情報内の全ての素材を処理した場合(S427:Yes)であって、対象画像件数カウンタが零より大きい場合(S429:Yes)には、検出部56によって、対象画像を全て包含する最小外接矩形領域が縦線の折り目と重なるか否かが調べられる(S430)。
そして、縦線の折り目と重ならない場合(S430:No)には、更に検出部56によって、この最小外接矩形領域が横線の折り目と重なるか否かが調べられる(S431)。そして、横線の折り目と重ならず(S431:No)、全ての素材情報を処理した場合(S432:Yes)には、処理を終了する。一方、未処理の素材情報がある場合(S432:No)には、次の素材が対象とされ(S433)、ステップS412の処理に移行する。
一方、ステップS431において、横線の折り目と重なる場合(S431:Yes)には、配置位置変更部57によって、横線の折り目位置と重なった最小外接矩形領域のY方向移動量YU/YD(図88参照)の値が計算され(S434)、この計算結果に基づいて、小組の配置位置のY方向座標が修正され(S435)、ステップS432の処理に移行する。なお、ステップS434及びステップS435の処理の詳細については、図90及び図92のフローチャートを用いて後述する。
一方、ステップS430において、縦線の折り目と重なり(S430:Yes)、対象画像を全て包含する最小外接矩形領域が、横線の折り目と重ならない(S436:No)のであれば、配置位置変更部57によって、縦線の折り目位置と重なった最小外接矩形領域のX方向移動量XR/XL(図88参照)の値が計算され(S437)、この計算結果に基づいて、小組の配置位置のX方向座標が修正され(S438)、ステップS432の処理に移行する。なお、ステップS437及びステップS438の処理の詳細については、図89及び図91のフローチャートを用いて後述する。
一方、ステップS436において、横線の折り目と重なる場合(S436:Yes)には、配置位置変更部57によって、縦線の折り目位置と重なった最小外接矩形領域のX方向移動量XR/XLの値が計算され(S439)、横線の折り目位置と重なった最小外接矩形領域のY方向移動量YU/YDの値が計算される(S440)。そして、ステップS439の計算結果に基づいて、小組の配置位置のX方向座標が修正され(S441)、ステップS440の計算結果に基づいて、小組の配置位置のY方向座標が修正され(S442)、しかる後にステップS432の処理に移行する。なお、ステップS439、ステップS440、ステップS441、及びステップS442の処理の詳細については、図89、図90、図91、及び図92のフローチャートを用いて後述する。
すなわち、ステップS437及びステップS439では、図88及び図89に示すように、縦線の折り目のX方向座標XPから、最小外接矩形領域のX方向始点座標XMを減じることによって右方向移動量XRが計算される。また、最小外接矩形領域のX方向終点座標XNから、縦線の折り目のX方向座標XPを減じることによって左方向移動量XLが計算される(S451)。
また、ステップS434及びステップS440では、図88及び図90に示すように、横線の折り目のY方向座標YPから、最小外接矩形領域のY方向始点座標YMを減じることによって上方向移動量YUが計算される。また、最小外接矩形領域のY方向終点座標YNから、横線の折り目のY方向座標YPを減じることによって下方向移動量YDが計算される(S461)。
更に、ステップS438及びステップS441では、図88及び図91に示すように、右方向移動量XRが、左方向移動量XLよりも大きい場合(S471:Yes)には、配置開始位置X座標から、左方向移動量XLにオペレータ操作量αを加えた値を減じた値を、新たな配置開始位置X座標とすることによって、右方向に移動するように小組の配置開始位置座標が変更される(S472)。
一方、右方向移動量XRが、左方向移動量XLよりも大きくない場合(S471:No)には、配置開始位置X座標に、右方向移動量XRにオペレータ操作量αを加えた値を加えた値を、新たな配置開始位置X座標とすることによって、左方向に移動するように小組の配置開始位置座標が変更される(S473)。
更にまた、ステップS435及びステップS442では、図88及び図92に示すように、上方向移動量YUが、下方向移動量YDよりも大きい場合(S481:Yes)には、配置開始位置Y座標から、上方向移動量YUにオペレータ操作量βを加えた値を減じた値を、新たな配置開始位置Y座標とすることによって、上方向に移動するように小組の配置開始位置座標が変更される(S482)。
一方、上方向移動量YUが、下方向移動量YDよりも大きくない場合(S481:No)には、配置開始位置Y座標に、下方向移動量YDにオペレータ操作量βを加えた値を加えた値を、新たな配置開始位置Y座標とすることによって、下方向に移動するように小組の配置開始位置座標が変更される(S483)。
このようにして、対象物を含む対象画像が、小組内に配置されている場合には、対象物を囲む最小矩形領域が折り目位置上に配置されないように、対象画像の配置位置座標を小組内で変更することができる。
上述したように、本実施の形態に係る組版システムにおいては、上記のような作用により、人物写真、旗、マーク等の対象画像が紙面の折り目の位置にレイアウトされたことを識別を容易にしたり、検知して表示したりすることができる。
更には、これら対象画像のレイアウト位置が、折り目位置上にならないように自動調整することができるので、編集者や操作者の作業上の負担を軽減することが可能となる。
以上、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。特許請求の範囲の発明された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1…記事入力/校正端末、2…記事サーバ、3…画像入力/加工端末、4…画像サーバ、5…組版端末、6…組版編集サーバ、7…紙面データ記憶装置、8…出力サーバ、9…プリンタ/プロッタ、52…画像識別部、53…表示制御部、54…表示画面、55…配置情報把握部、56…検出部、57…配置位置変更部、60…対象画像、61…対象物領域、62…対象画像、63…非対象物、65…最小外接矩形領域、71…紙面データ、73…抽出リスト、74…連結リスト、100…紙面、101.102…折り目位置、710…管理情報、711〜719,724…素材情報、720…小組用管理情報、721〜723…小組用素材情報、725…素材実体、726…小組用素材実体