JP4346545B2 - 複合流体製品を混合し供給するためのエアゾル供給装置 - Google Patents

Description

発明の背景

発明の分野
この発明は、末端のオリフィス（開口部）からエアゾル（つまり、エアゾル剤）を供給する技術に関し、さらに詳しくは、エアゾル容器から複合あるいは複数の流体を同時に混合し供給するためのエアゾル供給装置の改良に関する。

関連技術の説明
今世紀の後半世紀にわたって、バルブ付きエアゾル供給装置は、流体製品を供給する上で、どのような製品にも適し有効であることが証明されている。多くの種類の異なるタイプの流体製品に対し、バルブ付きエアゾル供給装置は、長年にわたって使われ続けている。一般に、バルブ付きエアゾル供給装置は、製品および加圧プロペラント（スプレ−用の高圧ガス）を入れる容器を備え、エアゾルバルブがそれらを密閉する。エアゾルバルブを作動すると、そのエアゾルバルブを通して製品およびプロペラントを放出することができ、流体製品を所期の用途に用いることができる。多くの種類のエアゾルボタン、上ふた、ノズルなどが、通常、一体に組み合わさり、エアゾルバルブから出る製品に対し、適正な流れパタ−ンと他の物理的な特性を与える。

エアゾル供給装置の非常に好ましいタイプの一つとして、エアゾル容器から複合流体を同時に供給することができるものがある。一般に、エアゾル容器には仕切りがあり、複合流体を分離するようになっている。複合流体は、エアゾルバルブを通って流れ、末端のオリフィスから放出される。複合流体は、末端のオリフィスから混合物を放出する前に、エアゾルバルブあるいはエアゾルバルブステムの内部で混合される。

末端のオリフィスから放出する前に、複合流体のすべてを混合すれば、それら複合流体を互いに反応させることができ、それによって、独自のエアゾル製品を提供することができる。たとえば、複合流体が反応し、末端のオリフィスから暖められたエアゾル製品を放出することができる。暖められたエアゾル製品として好ましい例には、ひげそり用のゲルやフォ−ムなどがある。さらには、複合流体が反応し２部のヘアカラ−を家庭用のヘアカラ−市場に提供することができる。

複合流体をエアゾル供給装置から供給する場合に遭遇する一つの問題は、エアゾル供給装置の操作性における制限である。一般に、エアゾル容器から複合流体を供給可能なエアゾル供給装置は、逆さにおかれた容器を積極的に動かす。次に示すものは、エアゾル容器から複合装置を供給するようにした今までの装置の例である。

ニセンの米国特許第３，２４１，７２２号は、供給装置、さらに詳しくは、改良された供給装置およびバルブ構造を示し、分離した２つの容器から加圧状態で複数の材料を混合し供給するようにコントロ−ルし、結合製品を得ている。

フリンの米国特許第３，４５４，１９８号は、２つの容器をもち、それら容器のそれぞれが出口オリフィスをもつ、加圧供給装置を示している。２つの容器から複数の材料の混合物を選択的に供給するようにコントロ−ルするためのバルブアセンブリがあり、それは、フレキシブルな管状ノズル構造と、堅いコア構造とを含み、コア構造の上側部分はノズル構造の内側にある。コア構造の上側部分には、同じリ−ドをもつ２つのらせん形のねじ部、３条ねじの入口部、および１条ねじの出口部が形作られている。コア構造の下側部分、それはバルブハウジングの内部に位置するが、その部分には、２つの容器から主要な出口を閉じる環状のバルブ面が形作られている。さらに、コアの下側部分は、容器の一方から出口オリフィスを閉じるバルブエレメント（弁体）を携えている。また、ノズルの出口端部には、４つの三角形の突起があり、それらの突起は十字形の出口オリフィスを区画し、コアを取り囲む４つの出口通路を提供している。

ウェブスタ−の米国特許第３，７３１，８４７号は、加圧供給パッケ−ジであり、内部に配置され、堅い壁の外側容器のベ−ス上にある、自らを支えるフレキシブルな壁の内側容器をもつものを示している。バルブアセンブリは、内外の容器に貯える材料を混合すること、およびその混合物を大気中に流すことをコントロ−ルする。バルブアセンブリに固定された吸い出しチュ−ブが、各容器の底まで伸びている。外側容器には、バルブアセンブリのバルブステムを通してプロペラントを満たす。ステム上の作動キャップは、斜めの軸回りに回転可能であり、バルブを開いて混合物を放出するようになっている。

ウィ−グナ−ほかの米国特許第５，１６７，３４７号は、加圧パ−マネント毛染め剤ノ成分を共に供給するために、複合流体を混合し自動的に計量して供給する装置を示している。その装置は、毛染め剤およびプロペラント材料を入れる第１容器と、第１容器の内部に位置し、染料の顕色剤材料を入れる第２容器と、放出通路ならびに第１および第２のバルブを含み、ノズルを通る材料の通路をコントロ−ルするバルブ構成を定めるノズル構造とを備える。そのノズル構造によって、第１および第２の両バルブを同時に操作することができ、プロペラントの作用により、第１および第２の両容器から放出通路を通して材料を同時に流すことができる。それによって、材料は、約１．８ｇｍ／ｓｅｃを越えない総合的な流れ速度で供給装置から出ることになり、第１バルブから出る毛染め剤およびプロペラントと、第２バルブから出る染料顕色剤の流れの割合を、１．９から２．５：１の範囲にすることができる。

したがって、この発明の目的は、今までのものの問題を解決し、エアゾル剤供給産業を大いに伸展させることができる供給装置（複合流体製品を混合し供給するためのエアゾル供給装置）を提供することにある。

また、この発明の他の目的は、多くの種類の異なる流体をエアゾル容器から混合し供給することができる供給装置（複合流体製品を混合し供給するためのエアゾル供給装置）を提供することにある。

この発明の目的は、装置の操作性が制限されない供給装置（複合流体製品を混合し供給するためのエアゾル供給装置）を提供することにもある。

さらに、この発明の他の目的は、直立した位置あるいは逆さにした位置で作動することができる供給装置（複合流体製品を混合し供給するためのエアゾル供給装置）を提供することにある。

この発明の他の目的は、一般に用いられているエアゾル供給装置と同様に操作することができる供給装置（複合流体製品を混合し供給するためのエアゾル供給装置）を提供することにある。

さらにまた、この発明は、変更しないで既存のエアゾル容器に組み込むことができる供給装置（複合流体製品を混合し供給するためのエアゾル供給装置）を提供することをも目的にする。

さらに、この発明の他の目的は、改良したエアゾル供給装置に対し、第１および第２の流体製品およびエアゾルプロペラントを満たすプロセスを提供することをも目的にする。

以上に、この発明により関連した目的のいくつかを挙げた。それらの目的は、この発明により関連する特徴および応用のいくつかを例証したにすぎない。この発明の考え方の中で、異なる方法あるいは変更した方法によって、他の多くの利点を得ることができる。したがって、この発明の他の目的については、添付の図面と共にクレ−ムに定まるこの発明の考え方に加えて、この発明のサマリ−、ならびに好適な実施例を示す詳細な説明を通して充分に理解することができるであろう。

発明のサマリ−

この発明を実施する最良の形態（ベストモ−ド）の具体例を添付の図面に示す。この発明を要約すれば、この発明は、末端のオリフィスを通してエアゾル剤の容器から第１および第２の流体を混合し供給するためのエアゾル供給装置の改良に関する。改良したエアゾル供給装置は、弁胴キャビティをもつ弁胴を伴うエアゾル容器に密に支持した弁胴（バルブボディ）を備える。その弁胴には、弁胴キャビティと流体を連絡する第１の通路がある。また、弁胴には、弁胴キャビティと流体を連通する第２の通路がある。エアゾル容器の内部に第１の内側容器があり、その第１の内側容器は、第１の通路のみに連絡している。また、エアゾル容器の内部に第２の内側容器があり、その第２の内側容器は、第２の通路のみに連絡している。第１および第２のバルブエレメントを含むバルブアセンブリが、弁胴キャビティの中にあり、第１および第２の流体が末端のオリフィスから流れることを禁止している。そのバルブアセンブリは、第１および第２のバルブエレメントを同時に作動することに応じて、末端のオリフィスから第１および第２の流体を混合し供給することができる。

この発明のより具体的な実施例では、マウンティングカップが弁胴の第１端をエアゾル容器に対し密に据え付けている。第１の通路は弁胴の一端に定められ、第２の通路は弁胴の中であって、第１の通路から離れたところに定められている。

好ましくは、第１および第２の内側容器が、第１および第２のフレキシブルな内側容器から構成される。この発明の一つの実施例において、第１の内側容器は、第２の内側容器の内部に位置する。第１の内側容器は、弁胴の第２端に固定され、第１の通路だけに連絡する。また、第２の内側容器は、マウンティングカップに固定され、第２の通路だけに連絡する。

この発明の別の具体的な実施例において、バルブアセンブリは、第１と第２のバルブエレメントとの間に配置したバイアススプリングを備える。そのバイアススプリングは、第１および第２のバルブエレメントを同時に動かし（バイアスし）、それぞれ第１および第２の通路を密閉する。第２のバルブエレメントは、第１のバルブエレメントに対し移動可能に支持されている。第１および第２のバルブエレメントは、それらを傾けることに応じて、第１および第２の流体を末端のオリフィスから供給可能にする。

この発明は、また、改良したエアゾル供給装置に第１および第２の流体製品ならびにエアゾルプロペラントを満たすプロセスをも一体に備えている。そのプロセスは、エアゾル容器の内部にある第２の内側容器に第２の流体製品を満たすことを含む。第２の容器の内部には第１の内側容器があり、それには第１の流体製品を満たす。エアゾル容器には、エアゾルプロペラントを満たす。

プロセスのさらに具体的な実施例では、エアゾル容器の内部にフレキシブルな第２の内側容器があり、エアゾル容器に開口するマウンティングカップを通して、エアゾルバルブおよびマウンティングカップアセンブリをそれぞれ受け入れるようになっている。フレキシブルな第２の内側容器には、エアゾル容器に開口したマウンティングカップを通して第２の流体製品を満たす。フレキシブルな第１の内側容器、エアゾルマウントカップおよびバルブアセンブリは、エアゾル容器に開口するマウンティングカップを通して挿入する。エアゾルマウントカップおよびバルブアセンブリは、エアゾル容器に開口するマウンティングカップに対して密閉する。第１の容器には、エアゾルマウントカップおよびバルブアセンブリを通して第１の流体製品を満たす。また、エアゾル容器には、エアゾル容器に開口するマウンティングカップとは異なる充填口を通してエアゾルプロペラントを満たす。

以上、この発明に関連する重要な特徴について概説した。それによって、これに続く詳細な説明を良く理解し、この発明の貢献を充分に評価することになろう。この発明のさらなる特徴（この発明の主題を構成する特徴）について、以下にも説明する。いわゆる当業者であれば、ここに示す考え方および具体的な実施例に基づいて、この発明の同じ目的を達成するために、変形したり他の構成を採用することによりこの発明を容易に利用することができるであろう。また、当業者であれば、そのような等価の構成が、この発明の考え方から外れないことを理解することであろう。

詳細説明

図１は改良したエアゾル供給装置１０、つまり第１の流体製品１１と第２の流体製品１２とを混合し供給する装置の一部を断面で示す側面図である。エアゾルバルブ１４は、第１および第２の流体製品１１，１２をアクチュエ−タ１６を通して流し末端のオリフィス１８から放出するのをコントロ−ルする。エアゾルプロペラント１９だけでなく、第１および第２の流体製品１１，１２をエアゾル容器２０の中に貯える。エアゾルプロペラント１９は、圧縮ガス、二酸化炭素、あるいは他の適当なプロペラントである。

エアゾル容器２０は、通常の設計および材料による円筒形の容器である。エアゾル容器２０は、上方部分２１から下方部分２２にまで広がる。エアゾル容器２０は、円筒形の側壁２３を定め、その側壁２３がエアゾル容器２０の外径周りに伸びる容器リム２４を形作っている。エアゾル容器２０の上方部分２１は、径方向内側のネック２５側に傾斜してビ−ド２６が終点になっている。ビ−ド２６は、エアゾル容器２０のマウンティングカップ開口２７を定めている。エアゾル容器２０の下方部分２２は、プラグ２９付きの充填口を含む端壁２８が閉じている。プラグ２９付きの充填口は、エアゾル容器２０のマウンティングカップ開口２７とは別個のものである。

プラグ２９付きの充填口によって、エアゾルプロペラント１９をエアゾル容器２０の中に導入することができ、エアゾルプロペラント１９を一杯にした後プラグ２９で密閉することができる。プラグ２９付きの充填口の代わりに、一方向充填バルブを用い、エアゾル容器２０にエアゾルプロペラント１９を充填することができる。その一方向充填バルブとして、一般に傘バルブと称するものを用いることができる。好ましくは、この分野で良く知られた充填機械を用いて、エアゾル容器２０を充填するのが良い。

第１の流体製品１１が入っている第１の内側容器３０は、エアゾル容器２０の内部にある。その第１の内側容器３０は、上方部分３１と下方部分３２との間に広がり、その間に側壁３３を形作っている。第１の内側容器３０の上方部分３１は、第１の内側容器開口３４を定めている。それに対し、第１の内側容器３０の下方部分３２は、流体を密封するように閉じている。第１の内側容器３０は、フレキシブルな材料から作られ、エアゾルプロペラント１９からの外圧によって、第１の内側容器３０から第１の流体製品１１を推進させるようになっている。第１の内側容器３０は、コネクタ３５によってエアゾルバルブ１４に固定されている。

第２の流体製品１２が入っている第２の内側容器４０は、エアゾル容器２０の内部にある。その第２の内側容器４０は、上方部分４１と下方部分４２との間に広がり、その間に側壁４３を形作っている。第２の内側容器４０の上方部分４１は、第２の内側容器開口４４を定めている。それに対し、第２の内側容器４０の下方部分４２は、流体を密封するように閉じている。第２の内側容器４０は、フレキシブルな材料から作られ、エアゾルプロペラント１９からの外圧によって、第２の内側容器４０から第２の流体製品１２を推進させるようになっている。また、第２の内側容器４０がフレキシブルな材料からなるので、その第２の内側容器４０をマウンティングカップ開口２７を通してエアゾル容器２０の中に挿入することができる。第２の内側容器４０は、コネクタ４５によってエアゾル容器２０に固定されている。

エアゾル供給装置１０は、周辺リム５２をもつマウンティングカップ５０を含み、周辺リム５２がエアゾル容器２０のビ−ド２６に対しシ−ル機能を果たす。リムシ−ル用ガスケット５４は、マウンティングカップ５０のリム５２とエアゾル容器２０のビ−ド２６との間を密に閉じる。好ましくは、マウンティングカップ５０のリム５２を常法によってエアゾル容器２０のビ−ド２６にクリンプ（縁曲げ）し、エアゾル容器２０にマウンティングカップ５０を密に固定するのが良い。マウンティングカップ５０には、塔状部分５６があり、その部分にエアゾルバルブ１４を受け入れる。バルブシ−ル用ガスケット５８は、エアゾルバルブ１４をマウンティングカップ５０に対しシ−ルする。そのバルブシ−ル用ガスケット５８には、中央孔５９がある。

エアゾルバルブ１４は、バルブシ−ル用ガスケット５８の中央孔５９から伸びるバルブステム６０を備える。バルブステム６０は、アクチュエ−タ１６を支持している。そのアクチュエ−タ１６は第１および第２の流体製品１１，１２を末端のオリフィス１８から放出するためのものである。好ましくは、エアゾル供給装置１０は、末端のオリフィス１８から放出するに先立ち、第１および第２の流体製品１１，１２を混合するミキサ−６５を備える。バルブアクチュエ−タ１６については、保護のための被いキャップあるいはカバ−（図示しない）で被うことによって、出荷中にエアゾルバルブ１４が偶発的に作動することを防いだり、および／または使用者が偶発的に作動することを防止する。

第１および第２の内側容器３０，４０は、フレキシブルな内側容器であり、エアゾル容器２０の中のエアゾルプロペラントが第１および第２の内側容器２０，３０の両方に等しい圧力を加えることができるようになっている。エアゾルバルブ１４を作動すると、第１および第２の流体製品１１，１２がエアゾルバルブ１４を通過する。改良したエアゾルバルブ１４によれば、第１および第２の流体製品１１，１２をエアゾル容器２０から同時に供給することができる。

ミキサ−６５は、末端のオリフィス１８から放出する以前に、第１および第２の流体製品１１，１２を混合する。第１および第２の流体製品１１，１２の混合物は、プロペラント１３を排除することなく末端のオリフィス１８から排出される。第１および第２の内側容器２０，３０は、第１および第２の流体製品１１，１２がそこから減るにつれて、つぶれる。

図２は、図１に示す改良エアゾル供給装置１０Ａの第１実施例の拡大図である。バルブステム６０は、第１端６１と第２端６２との間に伸びている。バルブステム６０は、その中に伸びるステム通路６４と一緒に外側表面６３を定める。アクチュエ−タ１６には、バルブステム６０の第１端６１が摩擦力を生じつつはまり合うソケット６６がある。アクチュエ−タ１６は、ソケット６６を末端のオリフィス１８まで連絡するアクチュエ−タ通路６８をもつ。アクチュエ−タ１６のソケット６６には、バルブステム６０が摩擦力を生じつつ固定され、アクチュエ−タ１６がエアゾルバルブ１４に開いている。

エアゾルバルブ１４は、上方部分７１、下方部分７２およびそれらの間に伸びる側壁７３をもつ弁胴（バルブボディ）７０を備える。弁胴７０の下方部分７２には、内側表面７５および外側表面７６を定める端壁７４がある。弁胴７０は、内側バルブキャビティ７８を定め、エアゾルバルブ１４を通る第１および第２の流体製品１１，１２の流れをコントロ−ルする。

弁胴７０の上方部分７１は、バルブシ−ル用ガスケット５８を伴ってマウンティングカップ５０の塔状部分５６に固定されている。好ましくは、弁胴７０の第１端７１をバルブシ−ル用ガスケット５８を間に挟んでマウンティングカップ５０の塔状部分５６に常法でクリンプ（縁曲げ）する。

弁胴７０は、第１および第２の通路８１，８２を備える。それらは、弁胴７０の内側バルブキャビティ７８と流体を連通させるためのものである。この発明のこの実施例において、第１の通路８１は、弁胴７０の端壁７４の内部にあり、第２の通路８２は、弁胴７０の側壁７３の内部にある。第１および第２の通路８１，８２は、エアゾルバルブ１４の弁胴７０の内側バルブキャビティ７８に対し独立した道を与える。

弁胴７０の下方部分７２は、第１の内側容器３０に固定され、第１の内側容器３０と弁胴７０の第１の通路８１とを単独で連通する。この発明のこの実施例において、第１の内側容器３０は、第２の通路８２がある部分の下方に位置する、弁胴７０の側壁７３に固定されている。

第１の内側容器３０を金属ホイルの袋として示している。その袋は、弁胴７０の下方部分７０にたとえば溶接３６などのコネクタ３５で固定した第１の内側容器３０の上方部分３１を伴う。第１の内側容器３０を弁胴７０に対し溶接３６で固定するように示しているが、第１の内側容器３０を弁胴７０に固定する方法としては、たとえば、超音波溶接、接着剤、高周波溶接、レ−ザ−溶接、機械的な固定（たとえば、機械的なクランプ、摩擦あるいは他の適当な手段）など、多くの方法を適用することができる。

第２の内側容器４０は、第２の内側容器４０と弁胴７０の第２の通路８２との間を単独に連通するように組み立てられている。この発明のこの第１実施例において、第２の内側容器４０の上方部分４１にある第２の内側容器開口４４は、リム４６として示すコネクタ４５を定める。リム４６は、エアゾル容器２０のビ−ド２６と密に結合するように設けられている。リム４６は、エアゾル容器２０のビ−ド２６とマウンティングカップ５０のリム５２との間に位置する。第２の内側容器４０のリム４６は、当業者に良く知られているように、通常のリムシ−ル用ガスケット５４の代わりに、エアゾル容器２０のビ−ド２６とマウンティングカップ５０のリム５２との間をシ−ルするガスケットとして機能する。第２の内側容器４０をエアゾル容器２０にリム４６で固定するように示しているが、第２の内側容器４０をエアゾル容器２０あるいは弁胴７０に固定する方法としては、たとえば、超音波溶接、接着剤、高周波溶接、レ−ザ−溶接、機械的な固定（たとえば、機械的なクランプ、摩擦あるいは他の適当な手段）など、多くの方法を適用することができる。

エアゾルバルブ１４は、弁胴７０の内部バルブキャビティ７８に配置した第１および第２のバルブエレメント９１，９２を備える。第１のバルブエレメント９１は、第１の通路８１を通して第１の内側容器３０から流れる第１の流体製品１１の流れを調整するように置かれている。同様に、第２のバルブエレメント９２は、第２の通路８２を通して第２の内側容器４０から流れる第２の流体製品１２の流れを調整するように置かれている。

この発明のこの第１実施例において、弁胴７０は、基部端１０１から末端１０２まで伸び、外側表面１０３および内側表面１０４を定める円筒形の部材１００を備える。円筒形の部材１００の基部端１０１は、弁胴７０の下方部分７２に固定され、末端１０２はそこから下方に伸びている。

複数の突起１１０が、弁胴７０の下方端壁７４から円筒形部材１００の内側表面１０４の内部に伸びている。それらの複数の突起１１０は、部分的にのみ円筒形部材１００の末端１０２まで伸びている。複数の突起１１０は、隣り合う突起間に空所１１２を区画する。複数の突起１１０は、さらに、外側表面１１３と内側表面１１４とを定める。

オプションのスリ−ブ１２０が、基部端１２１と末端１２２との間に伸び、外側スリ−ブ表面１２３および内側スリ−ブ表面１２４を定めている。スリ−ブ１２０の基部端１２１は、複数の突起１１０に固定され、末端１２２はそこから下方に伸びている。この発明のこの実施例において、外側スリ−ブ表面１２３は、複数の突起１１０の内側表面１１４に摩擦力を生じつつ固定されている。スリ−ブ１２０の基部端１２１は、弁胴７０の下方端壁７４から間隔をおき、空間１２８を設けている。

図１が最もよく示すように、スリ−ブ１２０の末端１２２は、第１の内側容器３０の内部にまで伸び、第１の内側容器３０の下方部分３２に近接している。スリ−ブ１２０は、エアゾル供給装置１０Ａに対し、独立した３つの機能を与える。第１には、第１の内側容器３０をスリ−ブ１２０上に巻くためのサポ−トとなり、第１の内側容器３０を付属するエアゾルバルブ１４をエアゾル容器２０中の第２の内側容器４０および／またはマウンティングカップ開口２７に挿入することを楽にする。第２に、スリ−ブ１２０は、第１の内側容器３０から第１の流体製品１１が減るにつれて、第１の内側容器３０が均一につぶれるようにする。第３には、スリ−ブ１２０は、第１の内側容器３０が完全につぶれ、円筒形部材１００の末端１０２に近接した場合、第１の内側容器３０の底部から第１の通路８１までの流体通路を提供する。

図３は、図２と同様の図であり、改良エアゾル供給装置１０Ａの作動状態、つまり、第１および第２の流体製品１１，１２の混合物を放出する状態を示している。アクチュエ−タ１６を作動状態に動かすと、エアゾルバルブ１４が第１および第２のバルブエレメント９１，９２を同時に動かし、第１およ第２の流体製品を同時に流し混合する。エアゾル容器２０の内部にあるエアゾルプロペラント１９は、第１および第２の内側容器２０，３０に対し等しい圧力を加える。

ミキサ−６５がエアゾルバルブ１４および／またはアクチュエ−タ１６の中にあり、末端のオリフィス１８から放出される前に、第１の流体製品１１と第２の流体製品１２とを混合する。混合された第１および第２の流体製品１１，１２は、末端のオリフィス１８からプロペラント１３を排除することなく吐き出される。

図４は、図２を拡大した部分図である。第１の通路８１が、弁胴７０の下方端壁７４を貫いて内側端１３１と外側端１３２の間に伸びている。第１の通路８１の内側端１３１は、弁胴７０の内側表面７５の端にある。好ましくは、第１の通路８１に選択した断面形状をもつ計量域１３４を含ませ、第１の通路８１を通して流れる第１の流体製品１１を計量するようにすると良い。

第２の通路８２は、内側端１４１と外側端１４２との間に伸びている。第２の通路８２の外側端１４２は、弁胴７０の側壁７３に位置する。好ましくは、第２の通路８２に選択した断面形状をもつ計量域１４４を含ませ、第２の通路８２を通して流れる第２の流体製品１２を計量するようにすると良い。第２の通路８２の内側端１４１は、弁胴７０の内側表面７５の端のシ−ル座１４６のところにある。Ｌ字型のわん曲部１４８が、第２の通路８２の内側端１４１と外側端１４２とを連絡している。

好ましくは、第１の通路８１の計量域１３４の断面および第２の通路８２の計量域１４４の断面について、第１の流体製品１１と第２の流体製品１２との割合が適正になるように設定する。第１および第２の内側容器２０，３０の両方に等しい圧力が加わること、ならびに第１および第２の通路８１，８２および／または計量域１３４，１４４が組み合わさることによって、適正な割合の第１および第２の流体製品１１，１２が、弁胴７０の内側バルブキャビティ７８に入るようにすることができる。

この発明のこの第１実施例において、エアゾルバルブ１４Ａは、第１端１５１と第２端１５２との間に伸び、外側の側壁１５３が閉じるバルブエレメントベ−ス１５０を備える。バルブエレメントベ−ス１５０の第１端１５１には、環状の突起１５６を定める凹所１５４がある。環状の突起１５６の終点は、第１のバルブエレメント９１を形作る環状の表面である。第１のバルブエレメント９１は、バルブシ−ル用ガスケット５８と密にシ−ルをする。環状の突起１５６は、第１の通路８１を密封するようにシ−ル用ガスケット５８に当たり、第１の流体製品１１の流れを禁止する。

バルブエレメントベ−ス１５０の第２端１５２は、円筒形の孔１５８を定める。一本の柱１５９が、バルブエレメントベ−ス１５０から円筒形の孔１５８の内部に伸びている。可動プラグ１６０が、円筒形の孔１５８の中にスライド可能に位置している。可動プラグ１６０は、第１端１６１と第２端１６２との間に伸び、円筒形の側壁１６３を定めている。可動プラグ１６０の第１端１６１には、一本の柱１６４がある。可動プラグ１６０の第２端１６２には、第２のバルブエレメント９２を形作るテ−パ端１６６がある。第２のバルブエレメント９２は、第２の通路８２を密封するようにシ−ル座１４６に当たり、第２の流体製品１２の流れを禁止する。

バイアススプリング１６８が、バルブエレメントベ−ス１５０から伸びる柱１５９と、可動プラグ１６０の第１端１６１から伸びる柱１６４との間にある。好ましくは、バイアススプリング１６８がポスト１５９および１６４に当たることにより、エアゾルバルブ１４Ａを組み立てる際、可動プラグ１６０を保持するのが良い。

バイアススプリング１６８は、第１および第２のバルブエレメント９１，９２に力を加えることにより、図２および図４に示す閉じた状態にし、第１および第２の通路８１，８２を通して第１および第２の流体製品１１，１２が流れるのを禁止する。もう少し具体的には、バイアススプリング１６８は、環状の突起１５６の第１のバルブエレメント９１に力を加えてバルブシ−ル用ガスケット５８に当てることにより、第１の流体製品１１の流れを禁止する。それと同時に、バイアススプリング１６８は、第２のバルブエレメント９２に力を加えて第２の通路８２のシ−ル座１４６に当て、第２の流体製品１２の流れを禁止する。

図５は、図３を拡大した部分図である。エアゾルバルブ１４Ａを傾斜バルブとして示している。アクチュエ−タ１６を傾斜させると、エアゾルバルブ１４のバルブステム６０が傾斜する。バルブステム６０が傾斜すると、第１および第２のバルブエレメント９１，９２が、図２および図４の閉じ状態から図３および図５に示す開き状態に取って代わる。バルブステム６０の傾斜によって、第１および第２のバルブエレメント９１，９２が同時に取って代わると、第１および第２の通路８１，８２を通って第１およ第２の流体製品１１，１２が同時に流れるようになる。環状の突起１５６の第１のバルブエレメント９１がバルブシ−ル用ガスケット５８から離れるように動くと、第１の流体製品１１の流れが可能になる。それと同時に、第２のバルブエレメント９２が第２の通路８２のシ−ル座１４６から離れるように動くと、第２の流体製品１２の流れを可能にする。

図６〜図９は、図１〜図５に示すバルブステム６０の拡大図である。バルブステム６０の内側端６１に拡大フランジ１７０がある。拡大フランジ１７０は、第１および第２の表面１７１，１７２と、それらの間に位置する周面１７３とを備える。拡大フランジ１７０は、バルブエレメントベ−ス１５０の凹所１５４の中に入るようになっている。好ましくは、拡大フランジ１７０が、凹所１５４にしまりばめ状態にはまり合うようにし、バルブステム６０をバルブエレメントベ−ス１５０に固定するのが良い。

バルブステム６０には、バルブステム６０のステム通路６４と連絡するバルブステムポ−ト１７４がある。バルブステムポ−ト１７４は、弁胴７０の内側キャビティ７８とバルブステム６０のステム通路６４との間を連絡する。バルブステムポ−ト１７４には、第１および第２の流体製品１１，１２の混合物を計量するための計量域１７５がある。計量域１７５は、ステム通路６４に入る第１および第２の流体製品１１，１２の混合物の流れを計量するようにした断面をもつ。

図６〜図９は、さらに、改良エアゾル供給装置１０Ａのミキサ−６５を示している。この発明のこの実施例において、ミキサ−６５は、バルブステム６０の内側端６１の拡大フランジ１７０上に位置する。ミキサ−６５は、拡大フランジ１７０の周りに均一に配置した複数の溝１８０を備える。複数の溝１８０によって、末端のオリフィス１８から放出される前に、第１の流体製品１１と第２の流体製品１２とを適切に混合することができる。

複数の溝１８０のそれぞれが、径方向の成分１８１と、軸方向の成分１８２とを備える。各径方向の成分１８１は、バルブステム６０のステム通路６４から径方向外側に伸びている。径方向の成分１８１は、バルブステム６０のステム通路６４に対し実質的に直交するように伸びている。各径方向の成分１８１は、バルブステム６０のバルブステムポ−ト１７４と連通している。各軸方向の成分１８２は、拡大フランジ１７０の周側面１７３に沿って、バルブステム６０のステム通路６４に対し実質的に平行に伸びている。各軸方向の成分１８２は、径方向の成分１８１を通してバルブステム６０のステム通路６４に連絡している。

拡大フランジ１７０をバルブエレメントベ−ス１５０の凹所１５０内に固定すると、第２の表面１７２および周側面１７３が凹所１５４と一緒になって、複数の溝１８０を取り囲んで複数の混合通路１８５を形作る。複数の混合通路１８５およびバルブステムポ−ト１７４によって、弁胴７０の内側キャビティ７８とバルブステム６０のステム通路６４とを連絡することができる。複数の混合通路１８５は、それら複数の混合通路１８５のそれぞれを通して第１の流体製品１１と第２の流体製品１２との乱流を生じる。複数の混合通路１８５のそれぞれを通って流れる第１および第２の流体製品１１，１２の乱流によって、末端のオリフィス１８から放出する前に、第１および第２の流体製品１１，１２を適切に混合することができる。さらに、複数の混合通路１８５は、第１および第２の流体製品１１，１２間に必要な化学反応を生じさせるために、適切な混合時間を保証する。

図１０は、第２の内側容器４０に第２の流体製品１２を満たすことを示す側断面図である。第２の内側容器４０は、マウンティングカップ開口２７を通してエアゾル容器２０の中に挿入される。第２の内側容器４０は、リム４６として示すコネクタ４５でエアゾル容器２０に固定する。第２の流体製品１２は、矢印で示すように、第２の内側容器開口４４から第２の内側容器４０に入れる。その他に、通常ＵＴＣ（under-the-cap）法と称されるプロセスで第２の流体製品１２を入れることもできる。

図１１は、エアゾル容器２０に改良エアゾル供給装置１４Ａを挿入することを示す側面図である。第１の内側容器３０は、未充填でつぶれた状態にあり、その第１の内側容器３０を第２の容器４０の第２の内側容器開口４４から挿入することができる。第１の内側容器３０は、スリ−ブ１２０の周りに巻くことにより、第２の容器４０の中に挿入することができる。

改良エアゾル供給装置１０Ａをエアゾル容器２０に一部挿入した状態は、ＵＴＣ充填法に適した状態である。第２の流体製品１２は、矢印で示すように、第２の内側容器開口４４とマウンティングカップ５０の間の第２の内側容器４０に入れることができる。

図１２は、図１１と同様の図であり、改良エアゾル供給装置１４Ａをエアゾル容器２０にクリンプ（縁曲げ）することを示している。マウンティングカップ５０の周辺リム５２は、通常の方法でエアゾル容器２０のビ−ド２６にクリンプする。リムシ−ル用ガスケット５４が、マウンティングカップ５０のリム５２とエアゾル容器２０のビ−ド２６との間を密にシ−ルする。

図１３は、図１２と同様の図であり、第１の内側容器３０に第１の流体製品１１を満たすことを示している。第１の流体製品１１は、バルブステム６０のステム通路６４を通して第１の内側容器３０に入れる。バルブステム６０を垂直に押し、第２のバルブエレメント９２を開かずに第１のバルブエレメント９１を開く。

バルブステム６０を垂直に押すと、バルブシ−ル用ガスケット５８から環状突起１５６を離し、第１の流体製品１１を第１の内側容器３０の中に流すことができる。バルブステム６０を垂直に押しても、第２のバルブエレメント９２は、弁胴７０の第２の通路８２のシ−ル座１４６からは離れない。バルブステム６０を垂直に押したとき、第２のバルブエレメント９２は、第１の流体製品１１が第２の内側容器４０に入るのを防ぐ。

バルブステム６０を垂直に押すと、第１の流体製品１１は、充填圧によって、バルブステム６０から内側バルブキャビティ７８および弁胴７０の第１の通路８１を通り、第１の内側容器３０の中に流れ込む。第１の内側容器３０は、その第１の内側容器３０に第１の流体製品１１が充填されるにつれて、第２の内側容器４０内に広がる。

プロペラント１９は、エアゾル容器２０の端壁２８にある一方向充填バルブの開口を通してエアゾル容器２０内に充填される。プロペラント１９は、第１および第２の内側容器３０，４０の両方に等しい圧力を加える。

図１４〜図１７は、図１の改良エアゾル供給装置１０Ｂの第２実施例を示す拡大図である。図１４〜図１７に示す改良エアゾル供給装置１０Ｂが、図２〜図５に示す改良エアゾル供給装置１０Ａと異なるものは、エアゾルバルブ１４Ｂ、アクチュエ−タ１６Ｂ、バルブステム６０Ｂ、ミキサ−６５Ｂ、ならびに第１および第２のバルブエレメント９１Ｂ，９２Ｂである。

バルブステム６０Ｂは、第１端６１Ｂと第２端６２Ｂとの間に伸びている。バルブステム６０Ｂは、その中に伸びるステム通路６４Ｂと一緒に外側表面６３Ｂを定める。アクチュエ−タ１６Ｂは、バルブステム６０Ｂの第１端６１Ｂが摩擦を生じつつはまり合うソケット６６Ｂを備える。また、アクチュエ−タ１６Ｂには、ソケット６６Ｂと末端のオリフィス１８Ｂとを相互に連絡するアクチュエ−タ通路６８Ｂがあり、アクチュエ−タ１６Ｂをエアゾルバルブ１４Ｂに対し開いている。

エアゾルバルブ１４Ｂは、弁胴７０の内側バルブキャビティ７８に配置した第１および第２のバルブエレメント９１Ｂ，９２Ｂを備える。第１のバルブエレメント９１Ｂは、第１の通路８１を通り第１の内側容器３０から流れる第１の流体製品１１の流れを調節するように位置している。同様に、第２のバルブエレメント９２Ｂは、第２の通路８２を通り第２の内側容器４０から流れる第２の流体製品１２の流れを調節するように位置している。

図１５は、図１４と同様の図であり、改良エアゾル供給装置１０Ｂの作動状態、つまり、混合した第１および第２の流体製品を放出する状態を示している。アクチュエ−タ１６Ｂを作動状態に動かすと、エアゾルバルブ１４Ｂが第１および第２のバルブエレメント９１Ｂ，９２Ｂを同時に動かし、第１および第２の流体製品１１，１２を同時に流し混合することができる。エアゾル容器２０内のエアゾルプロペラント１９は、第１および第２の内側容器２０，３０の両方に同圧を加える。

発明のこの実施例において、ミキサ−６５Ｂは、バルブステム６０Ｂおよび／またはアクチュエ−タ１６Ｂの中に位置し、末端のオリフィス１８から放出する前に、第１の流体製品１１と第２の流体製品１２とを混合する。

図１６は、図１４を拡大した部分図である。発明のこの第２実施例において、エアゾルバルブ１４Ｂは、第１端１５１Ｂと第２端１５２Ｂとの間に伸び、しかも、外側壁１５３Ｂを定めるバルブエレメントベ−ス１５０Ｂを備える。バルブエレメントベ−ス１５０Ｂの第１端１５１Ｂには、環状の突起１５６Ｂを定める凹所１５４Ｂがある。環状の突起１５６Ｂの終点は、環状の表面であり、その表面は、バルブシ−ル用ガスケット５８と密にシ−ルする第１のバルブエレメント９１Ｂを構成する。環状の突起１５６Ｂは、シ−ル用ガスケット５８に当たり、第１の通路８１をシ−ルし、第１の流体製品１１の流れを禁止する。

バルブエレメントベ−ス１５０Ｂの第２端１５２Ｂは、円筒形の孔１５８Ｂを定める。一本の柱１５９Ｂが、バルブエレメントベ−ス１５０Ｂから円筒形の孔１５８Ｂの内部に伸びている。可動の球体１６０Ｂが、円筒形の孔１５８Ｂの中にスライド可能に位置している。可動の球体１６０Ｂには、球形状の外側表面１６３Ｂがあり、それが第２のバルブエレメント９２Ｂを構成する。第２のバルブエレメント９２Ｂを構成する可動の球体１６０Ｂの球形状の外側表面１６３Ｂは、シ−ル座１４６に着座し、第２の通路８２をシ−ルし、第２の流体製品１２の流れを禁止する。可動の球体１６０Ｂは、第２の流体製品１２に対するバルブとして、シンプルで低コストなものとなる。可動の球体１６０Ｂの球形状の外側表面１６３Ｂは、シ−ル座１４６からの動きを促進する。

バイアススプリング１６８が、バルブエレメントベ−ス１５０Ｂから伸びる柱１５９Ｂと、可動の球体１６０Ｂとの間にある。バイアススプリング１６８は、第１および第２のバルブエレメント９１Ｂ，９２Ｂに力を加えることにより、図１４および図１６に示す閉じた状態にし、第１および第２の通路８１，８２を通して第１および第２の流体製品１１，１２が流れるのを禁止する。もう少し具体的には、バイアススプリング１６８は、環状の突起１５６Ｂの第１のバルブエレメント９１Ｂに力を加えてバルブシ−ル用ガスケット５８に当てることにより、第１の流体製品１１の流れを禁止する。それと同時に、バイアススプリング１６８は、第２のバルブエレメント９２Ｂに力を加えて第２の通路８２のシ−ル座１４６に当て、第２の流体製品１２の流れを禁止する。

発明のこの実施例において、バルブステム６０Ｂは、一つのワンピ−スユニットとして、バルブエレメントベ−ス１５０Ｂと一体に形作られている。バルブステム６０Ｂには、バルブステム６０Ｂのステム通路６４Ｂと連通するバルブステムポ−ト１７４Ｂがある。

図１７は、図１５を拡大した部分図である。エアゾルバルブ１４Ｂを傾斜バルブとして示している。アクチュエ−タ１６Ｂを傾斜させると、エアゾルバルブ１４Ｂのバルブステム６０Ｂが傾斜する。バルブステム６０Ｂが傾斜すると、第１および第２のバルブエレメント９１Ｂ，９２Ｂが、図１４および図１６の閉じ状態から図１５および図１７に示す開き状態に取って代わる。バルブステム６０Ｂの傾斜によって、第１および第２のバルブエレメント９１Ｂ，９２Ｂが同時に取って代わると、第１および第２の通路８１，８２を通って第１およ第２の流体製品１１，１２が同時に流れるようになる。環状の突起１５６Ｂの第１のバルブエレメント９１Ｂがバルブシ−ル用ガスケット５８から離れるように動くと、第１の流体製品１１の流れが可能になる。それと同時に、第２のバルブエレメント９２Ｂが第２の通路８２のシ−ル座１４６から離れるように動くと、第２の流体製品１２の流れを可能にする。

図１８は、図１６の一部を拡大した図である。バルブステムポ−ト１７４Ｂが、内側端１７６Ｂと外側端１７８Ｂの間に伸びている。バルブステムポ−ト１７４Ｂの内側端１７６Ｂは、バルブステム６０Ｂのステム通路６４Ｂに直接連通している。バルブステムポ−ト１７４Ｂの外側端１７８Ｂは、弁胴７０の内側バルブキャビティ７８に直接連通している。

バルブステムポ−ト１７４Ｂは、バルブステム６０Ｂのステム通路６４Ｂに対して鋭角方向に向いている。バルブステムポ−ト１７４Ｂの外側端１７８Ｂは、図１６のバルブエレメントベ−ス１５０Ｂの環状突起１５６Ｂとほぼ同じ高さである。バルブステムポ−ト１７４Ｂの内側端１７６Ｂは、図１６のバルブステムポ−ト１７４Ｂの外側端１７８Ｂの位置よりも下である。そのバルブステムポ−ト１７４Ｂの角度方向が、バルブステム６０Ｂとバルブエレメントベ−ス１５０Ｂとを一つのワンピ−スユニットとして成形することを助ける。バルブステムポ−ト１７４Ｂには、計量域（図示しない）を含ませ、第１および第２の流体製品１１，１２の混合物を計量することができる。

発明のこの実施例において、ミキサ−６５Ｂは、バルブステム６０Ｂのステム通路６４Ｂおよび／またはアクチュエ−タ１６Ｂのアクチュエ−タ通路６８Ｂの内部にある。ミキサ−６５Ｂは、アクチュエ−タ１６Ｂから伸びる柱１８１Ｂを備え、その柱１８１Ｂがバルブステム６０Ｂのステム通路６４Ｂ内のらせん溝１８２Ｂと組み合わさる。柱１８１Ｂは、アクチュエ−タ通路６８Ｂを通してバルブステム６０Ｂのステム通路６４Ｂの中に伸びている。らせん溝１８２Ｂは、ステム通路６４Ｂの側壁面６９Ｂの内側に定められている。らせん溝１８２Ｂは、柱１８１Ｂと協力し合って、らせん形の混合通路１８５Ｂを形作る。らせん形の混合通路１８５Ｂは、弁胴７０の内側キャビティ７８と末端のオリフィス１８Ｂとを連通する。

らせん形の混合通路１８５Ｂは、その混合通路１８５Ｂを通して第１の流体製品１１と第２の流体製品１２との流れに乱れを生じる。らせん形の混合通路１８５Ｂを通して生じる第１および第２の流体製品１１，１２の乱流によって、末端のオリフィス１８Ｂから放出される前に、第１および第２の流体製品１１，１２は適切に混合される。さらに、混合通路１８５Ｂが複数あることから、第１および第２の流体製品１１，１２の間に所期の化学反応を生じさせるために、適切な混合時間を確保することができる。

図１９は、図１８と同様の図であり、図１〜図４のエアゾル供給装置１０に用いる別のミキサ−６５Ｃを示している。バルブステムポ−ト１７４Ｃが、内側端１７６Ｃと外側端１７８Ｃの間に伸びている。バルブステムポ−ト１７４Ｃの内側端１７６Ｃは、バルブステム６０Ｃのステム通路６４Ｃに直接連通している。バルブステムポ−ト１７４Ｃの外側端１７８Ｃは、弁胴７０の内側バルブキャビティ７８に直接連通している。

バルブステムポ−ト１７４Ｃは、バルブステム６０Ｃのステム通路６４Ｃに対して垂直方向に向いている。バルブステムポ−ト１７４Ｂの外側端１７８Ｃは、バルブエレメントベ−ス１５０Ｃの環状突起１５６Ｃとほぼ同じ高さである。同様に、バルブステムポ−ト１７４Ｃの内側端１７６Ｃは、バルブエレメントベ−ス１５０Ｃの環状突起１５６Ｃとほぼ同じ高さである。

そのバルブステムポ−ト１７４Ｃの配置によって、バルブステム６０Ｃとバルブエレメントベ−ス１５０Ｃとを一つのワンピ−スユニットとして容易に成形することができる。バルブステムポ−ト１７４Ｃに計量域（図示しない）を含ませ、第１および第２の流体製品１１，１２の混合物を計量することができる。

発明のこの実施例において、シ−ル用ガスケット５８Ｃは、第１および第２のシ−ル用ガスケット１９１Ｃ，１９２Ｃを備える。第１のシ−ル用ガスケット１９１Ｃには、ステム通路６４Ｂを伴う外側表面６３Ｂをシ−ルするための中央孔５９Ｃがある。第２のシ−ル用ガスケット１９２Ｃの中央孔は、拡大孔１９５Ｃであり、バルブステムポ−ト１７４Ｃと協力し合って、混合した第１および第２の流体製品１１，１２がバルブステム６０のステム通路６４Ｃに入ることを可能にする。

発明のこの実施例において、ミキサ−６５Ｃは、バルブステム６０Ｃのステム通路６４Ｃおよび／またはアクチュエ−タ１６Ｃのアクチュエ−タ通路６８Ｃの内部にある。ミキサ−６５Ｃは、アクチュエ−タ１６Ｃから伸びる柱１８１Ｃを備える。その柱１８１Ｃには、柱１８１Ｃの中に設けたらせん溝１８２Ｃがある。柱１８１Ｃは、アクチュエ−タ通路６８Ｃを通してバルブステム６０Ｃのステム通路６４Ｃの中に伸びている。らせん溝１８２Ｃは、ステム通路６４Ｃの側壁面６９Ｃと協力し合って、らせん形の混合通路１８５Ｃを形作る。らせん形の混合通路１８５Ｃは、弁胴７０の内側キャビティ７８と末端のオリフィス１８Ｃとを連通する。

らせん形の混合通路１８５Ｃは、その混合通路１８５Ｃを通して第１の流体製品１１と第２の流体製品１２との流れに乱れを生じる。らせん形の混合通路１８５Ｃを通して生じる第１および第２の流体製品１１，１２の乱流によって、末端のオリフィス１８Ｃから放出される前に、第１および第２の流体製品１１，１２は適切に混合される。さらに、らせん形の混合通路１８５Ｃは、第１および第２の流体製品１１，１２の間に所期の化学反応を生じさせるために、適切な混合時間を確保する。

この発明の重要な点は、エアゾル容器２０の内部にエアゾルプロペラント１９と一緒に第１および第２の流体製品１１，１２を入れるための第１および第２のフレキシブルな内側容器３０，４０を一体にしたことである。この発明によれば、第１の内側容器３０に第１の流体１１を満たす前に、第２の内側容器４０に第２の流体１２を満たすことができる。

この発明によるエアゾル供給装置１０は、第１および第２の流体製品１１，１２を３６０°のどの方向にも供給することができる。この３６０°へ供給することの可能性は、エアゾルプロペラント１９によって第１および第２の内側容器３０，４０に等しい圧を加えることの結果である。エアゾル供給装置１０Ａは、また、妥当なアクチュエ−タ１６を用いることにより、下方に供給する家具光沢剤などの製品の供給に適している。

この発明について、好ましい形態をある程度詳しく説明したが、その好ましい形態の説明は、あくまで例示であり、この発明の考え方および思想の範囲の中で、その構成の詳細部分や部品の組合わせおよび配置について多くの変形をすることができる。

改良したエアゾル供給装置の一部を断面で示す側面図であり、そのエアゾル供給装置は、エアゾル容器から第２の流体製品を伴う第１の流体製品を混合し供給するためのものである。 図１に示す改良したエアゾル供給装置の第１実施例の拡大図である。 図２と同様の図であり、改良したエアゾル供給装置の作動状態、つまり、混合した第１および第２の流体製品を放出する状態を示す。 図２の一部を拡大した図である。 図３の一部を拡大した図である。 図４の部分を拡大した図である。 図６の分解組立て図である。 図７における８‐８線に沿う図である。 図７における９‐９線に沿う図である。 第２の内側容器中に第２の流体製品を満たすことを示す側断面図である。 エアゾル容器に改良エアゾル供給装置を挿入することを示す側面図である。 図１１と同様の図であり、改良エアゾル供給装置をエアゾル容器にクリンプ（縁曲げ）することを示す。 図１２と同様の図であり、第２の内側容器中に第１の流体製品を満たすことを示す。 図１に示す改良したエアゾル供給装置の第１実施例の拡大図である。 図１４と同様の図であり、改良したエアゾル供給装置の作動状態、つまり、混合した第１および第２の流体製品を放出する状態を示す。 図１４の一部を拡大した図である。 図１５の一部を拡大した図である。 図１６と同様の図であり、この発明の改良エアゾル供給装置の第３実施例を示す。 図１６と同様の図であり、この発明の改良エアゾル供給装置の第４実施例を示す。

符号の説明

１０ 改良エアゾル供給装置
１１ 第１の流体製品
１２ 第２の流体製品
１４ エアゾルバルブ
１６ アクチュエ−タ
１８ 末端のオリフィス
１９ エアゾルプロペラント
２０ エアゾル容器
３０ 第１の内側容器
４０ 第２の内側容器
５０ マウンティングカップ
５８ バルブシ−ル用ガスケット
６０ バルブステム
６４ ステム通路
６５ ミキサ−
７０ 弁胴
７８ 内側キャビティ
８１ 第１の通路
８２ 第２の通路
９１ 第１のバルブエレメント
９２ 第２のバルブエレメント
１００ 円筒形の部材
１１０ 突起
１２０ スリ−ブ
１５０ バルブエレメントベ−ス
１５６ 環状突起
１６０ 可動プラグ
１７０ 拡大フランジ
１７４ バルブステムポ−ト
１８０ 溝
１８１ 柱
１８５ 混合通路

Claims (5)

1. 環状ビードが開口を定めるエアゾル容器から末端のオリフィスを通して第１および第２の流体製品を混合し供給するための装置であって、
   エアゾル容器の内部にエアゾルプロペラント（１９）に加え、第１および第２の流体製品（１１，１２）を入れるためのフレキシブルな第１および第２の内側容器（３０，４０）を装備したものであり、次の構成を備える改良エアゾル装置。
   
   ・前記エアゾル容器の環状ビードに密に取り付けるリムを含むマウンティングカップ
   ・前記マウンティングカップが塔状部分を含むこと
   ・中央孔のあるバルブシール用ガスケット
   ・第１の部分から第２の部分にわたって伸び、前記第１の部分にバルブキャビティを含むエアゾルバルブの弁胴
   ・前記バルブシール用ガスケットの一側を前記弁胴の第１の部分の端に当て、しかも、そのバルブシール用ガスケットのもう一方の側を前記塔状部分に当てることにより、前記弁胴と前記マウンティングカップとの間を密閉するようにして前記エアゾルバルブの弁胴を前記マウンティングカップに固定すること
   ・前記バルブキャビティと連通するために、前記弁胴内に設けた第１の通路
   ・前記バルブキャビティと連通するために、前記第１の通路とは別に前記弁胴内に設けた第２の通路
   ・前記第１の通路とのみ連通するように、前記弁胴の前記第２の部分に固定したフレキシブルな第１の内側容器
   ・前記環状ビードと結合する部分が自らの容器開口となるフレキシブルな第２の内側容器
   ・前記容器開口を通して前記第２の内側容器に第２の流体製品を導入可能であること
   ・前記マウンティングカップのリムが前記環状ビードに結合し、前記第１の内側容器は前記第２の内側容器の内部に位置し、前記第２の通路が前記第２の内側容器とのみ連通すること
   ・第１端から第２端まで伸び、外側表面およびその中に伸びるステム通路を含むバルブステム
   ・前記バルブステムの前記第１端には、前記外側表面から径方向に外側に向かって伸びる拡大フランジがあること
   ・前記バルブステムは、前記バルブシール用ガスケットの前記中央孔を通してスライド可能に伸び、前記弁胴の第１の部分に当たる前記バルブシール用ガスケットの前記一側に隣り合う前記バルブキャビティの内部に前記拡大フランジが位置し、それによって、前記バルブステムを垂直に押し下げることができること
   ・前記バルブステムは、前記バルブキャビティの内部にある第１および第２のバルブエレメントを作動し、前記バルブキャビティを通して前記第１および第２の流体製品の流れを制御すること
   ・前記バルブステムを垂直に押し下げることによって、前記第１のバルブエレメントのみを開き、前記第１の流体製品を加圧下で前記第１の内側容器に導入可能であること
   ・前記バルブステムを傾斜させることによって、前記第１および第２のバルブエレメントを同時に開き、前記末端のオリフィスから前記第１および第２の流体製品を同時に混合し供給可能であること
2. 前記第１の通路が前記弁胴の端部に開口し、前記第２の通路が前記弁胴の側壁に開口している、請求項１の改良エアゾル装置。
3. 前記第１および第２の流体製品を混合するための混合通路を備える、請求項１の改良エアゾル装置。
4. 前記第１のバルブエレメントと前記第２のバルブエレメントとの間に配置したバイアススプリングを備え、そのバイアススプリングは、それら第１および第２のバルブエレメントを同時に動かし、それぞれ前記第１および第２の通路を密閉する、請求項１の改良エアゾル装置。
5. 前記第２のバルブエレメントが、前記第１のバルブエレメントに対し移動可能に支持されている、請求項１の改良エアゾル装置。

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