JP4346079B2 - 天然塩製造装置、およびそれを使用した天然塩の製造方法 - Google Patents

天然塩製造装置、およびそれを使用した天然塩の製造方法 Download PDF

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この発明は、製塩に関連するあらゆる分野をその技術分野とするものであって、製塩装置を製造する分野は勿論のこと、その製造に必要とする設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野、その他現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
(視 点)
従来より製塩工場において大量生産されてきた人工調味料としての食塩は、海から汲み上げられた海水をイオン交換膜法によって濃縮し、その濃縮済み鹹水を複数の密閉釜中で強く攪拌しながら順次、減圧および加熱する真空式製塩法により、最終的に微少サイコロ状の結晶を析出させるという製塩方法によって製造されているが、イオン交換膜法による膜透析によって得られた鹹水は、その製造方法の故に塩化ナトリウムの純度が高く、ミネラル成分に乏しいという問題を抱えていたが、大量生産による市場価格の安定化のために国策として塩専売法による統制が戦後以来永らく続き、最近まで消費者には選択の余地がなかった。
しかし、経済基盤が安定して十分な供給が保証される等、社会情勢の変遷に伴い、平成9年4月1日に専売法が廃止となり、一昨年に完全自由化が実現されたことを契機に、近年の医学的進歩や高齢化社会に伴う健康思考の高揚等の要因も加わって、ミネラル成分を多く含む自然塩(天然塩)が見直され、古くから伝わる塩田法による生産を復活させる動きも出てきているが、このような旧来型の製塩方法では、生産効率が悪くコスト高となり、結果として市場に提供される自然塩も希少から勢い高価なものになってしまうという欠点を克服できないこととなり、欠くことのできない調味料としての有効性から、栄養バランスに秀れた食品の摂取を重視する人々や、深みのある味わいを求める美食家等から暑い視線を集め、次第に高まりを見せる自然塩への市場ニーズに対し、どうにかして効率的な生産を可能とし、しかも塩田法によるものと同等かそれ以上に秀れた品質が保証される食塩の供給を可能とする新技術が必要となってきている。
(従来の技術)
こうした市場ニーズに答える為に、例えば特開2003−212537号公報に開示された、海水を高圧逆浸透法により水を分離することにより濃縮し、この濃縮された鹹水を、カルシウム濃度1重量パーセント以下、マグネシウム濃度が2重量パーセント以上の塩化ナトリウム含有の苦汁に加えて、蒸発濃縮して、鹹水中のカルシウムおよび塩化ナトリウムを析出分離し、この析出した結晶を含む溶液を遠心脱水して水分を含有する塩を製造する「海水からの塩の製造方法および装置」太田発明や、また、特開2002−80219号公報の、強制通風される濃縮塔内に、加熱された塩水を散水することにより、ミネラル成分を減少させることなく、塩水を効率よく濃縮可能とする「製塩装置」三山発明等が既に開発されている。
前者は、製塩の最終段階に「結晶液を、遠心分離装置に送り、遠心脱水を加えて、脱水された濾滓を製品塩とする。」としており、また、後者では、製塩の最終段階で、真空蒸発缶からなる蒸発装置により、塩を生成するものであるとしているが、「海水を遠心脱水機に供給し、該遠心脱水機で塩化ナトリウム以外の各成分を選択して除去した後、乾燥機で乾燥させれば、所望の成分を含む塩や、塩化ナトリウム純度の高い塩を生産できる。」とする技術が開示されている。
したがって双方何れの製塩技術によっても、栄養成分の面から見れば、塩田で生産された天然塩に近い豊富なミネラル成分を含む製品塩を効率的に生産することが可能なものであるが、旧来通りの塩田で静かにゆっくりと粗大結晶化された自然塩に比較して、結晶の形状およびその大きさ、およびそれによって引き出される特有の食感や風味等を実現できるものとはなっていなかった。
(1)特開2003−212537号公報 (2)特開2002−80219号公報
(問題意識)
この発明は、以上のように従来までの製塩技術によって海水または鹹水を加熱濃縮し、脱水析出させることにより、ミネラル成分等を豊富に含む天然塩を製造することは十分に可能となっていたが、古くから行われてきた伝統的な塩田法による天然塩と同等もしくはそれ以上の結晶の形状およびその大きさを、実現することは不可能なものとされ、塩田によって得られた自然塩特有の旨味や食感を再現し、あるいはそれを越える風味を実現することができず、昔ながらの天然塩の食感や味わいを求める高齢者や、調味の質に拘る人々、ならびに高級食材を求める食品業界等からの高まる要請に十分に応え、品質に秀れた天然塩を提供することができなかったというのが実情であった。
(発明の目的)
そこで、この発明は、伝統的な塩田法によって生成された塩と同等か、それ以上に豊富なミネラル成分を含有し、しかも結晶粒の大きさや形状、およびその食感や味わいまでを塩田法による塩に勝るとも劣らない天然塩を、効率的に製造することはできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の天然塩製造装置、およびそれを使用した新規な天然塩の製造方法を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明に包含される天然塩製造装置は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、海水または鹹水を略均質に散水し得る散布管の直下には、蒸発ドラムを一段か上下複数段とするかして水平状に横設すると共に、その下に回収槽を設置し、該回収槽に蓄えた海水または鹹水は順次前記散布管に戻されて循環するようにした予備濃縮設備と、該予備濃縮設備に近接すると共に、衛生管理されるようにした特定施設内において、前記予備濃縮設備で濃縮済の鹹水の所定量を収容可能とし、その底面全面には隔絶した加熱空間部が形成されてなる天面開放型の天然塩析出槽を一台ないし複数台並列配置するようにした天然塩精製設備とを有し、ボイラの蒸気または熱湯の供給管路を、それら天然塩精製設備の天然塩析出槽加熱空間部で所定温度の高温放熱用となるよう配管すると共に、その余熱利用用に、特定施設外に近接、設置してある少なくとも蒸発ドラムを経由するよう引導、連続配管してなるものとした構成を要旨とする天然塩製造装置である。
この発明の天然塩製造装置を、より具体的に示すと、散水可能幅全幅に渡って海水または鹹水を略均質に散水するようにした散布管の直下には、当該散水可能幅を充足するに足る全長、配置具合とした蒸発ドラムを一段か上下複数段とするかして水平状に横設すると共に、その下に当該蒸発ドラム外周面を伝って膜状に落下する海水または鹹水が貯留可能となる大きさ、配置具合とした回収槽を設置し、該回収槽に蓄えた海水または鹹水は順次前記散布管に戻されて循環するようにした予備濃縮設備と、該予備濃縮設備に近接すると共に、衛生管理されるようにした特定施設内において、前記予備濃縮設備で10ないし15パーセント程度までに濃縮済の鹹水の所定量を収容可能とし、その底面全面には隔絶した加熱空間部が形成されてなる天面開放型の天然塩析出槽を一台ないし複数台並列配置するようにした天然塩精製設備とを有し、ボイラの蒸気または熱湯の供給管路を、それら天然塩精製設備の天然塩析出槽加熱空間部で所定温度の高温放熱用となるよう配管すると共に、その余熱利用用に、特定施設外に近接、設置してある少なくとも蒸発ドラムを経由するよう引導、連続配管してなる構成の天然塩製造装置といえる。
さらに具体的に示すと、所定量の海水または鹹水を所定高さ位置に貯溜可能とするタンクを設け、同タンクの底部付近に接続され、散水可能幅全幅に渡って海水または鹹水を略均質に散水するようにした散布管の直下には、当該散水可能幅を充足するに足る全長、配置具合とした蒸発ドラムを一段か上下複数段とするかして水平状に横設すると共に、その下に当該蒸発ドラム外周面を伝って膜状に落下する海水または鹹水が貯留可能となる大きさ、配置具合であって貯留された液面に接するか、もしくは一部または全部を没するよう加熱管を平面蛇行状に配した回収槽を設置し、該回収槽の貯留部分に蓄えられた海水または鹹水を、前記タンクに循環供給可能とする循環用ポンプを設け、回収槽に蓄えた海水または鹹水が順次前記タンクに戻されて循環するようにした予備濃縮設備と、該予備濃縮設備に近接すると共に、衛生管理されるようにした特定施設内において、前記予備濃縮設備で10ないし15パーセント程度までに濃縮済の鹹水の所定量を収容可能とし、その底面全面には隔絶した加熱空間部が形成されてなる天面開放型の天然塩析出槽を一台ないし複数台並列配置するようにした天然塩精製設備とを有し、ボイラの蒸気または熱湯の供給管路を、それら天然塩精製設備の天然塩析出槽加熱空間部で所定温度の高温放熱用となるよう配管すると共に、その余熱利用用に、特定施設外に近接、設置してある少なくとも蒸発ドラムを経由するよう引導、連続配管した天然塩製造装置となる。
なおも具体的には、所定量の海水または鹹水を所定高さ位置に貯溜可能とするタンクを設け、同タンクの底部付近に接続され、散水可能幅全幅に渡って海水または鹹水を略均質に散水するようにした散布管の直下には、当該散水可能幅を充足するに足る全長、配置具合とした蒸発ドラムを一段か上下複数段とするかして水平状に横設すると共に、その下に当該蒸発ドラム外周面を伝って膜状に落下する海水または鹹水が貯留可能となる大きさ、配置具合であって貯留された液面に接するか、もしくは一部または全部を没するよう加熱管を平面蛇行状に配した回収槽を設置し、該回収槽の貯留部分に蓄えられた海水または鹹水を、前記タンクに循環供給可能とする循環用ポンプを設け、回収槽に蓄えた海水または鹹水が順次前記タンクに戻されて循環するようにした予備濃縮設備と、該予備濃縮設備に近接すると共に、衛生管理されるようにした特定施設内において、前記予備濃縮設備で10ないし15パーセント程度までに濃縮済の鹹水の所定量を収容可能とし、その底面全面には隔絶した加熱空間部が形成されてなる天面開放型の天然塩析出槽を一台ないし複数台並列配置するようにした天然塩精製設備とを有し、ボイラの蒸気または熱湯の供給管路を、それら天然塩精製設備の天然塩析出槽加熱空間部で所定温度の高温放熱用となるよう配管すると共に、その余熱利用用に、特定施設外に近接、設置してある蒸発ドラムおよび加熱管を経由するよう引導、連続配管してなるものとしたことにより、ボイラからの蒸気または熱湯を、天然塩析出槽の加熱空間部、蒸発ドラムおよび加熱管に順次、通過させ、各段階で海水または鹹水液を加熱可能とするよう構成した天然塩製造装置ということができる。
そして、上記迄のこの発明の天然塩製造装置には、散水可能幅全幅に渡って海水または鹹水を略均質に散水するようにした散布管の直下には、当該散水可能幅を充足するに足る全長、配置具合とした蒸発ドラムを一段か上下複数段とするかして水平状に横設すると共に、その下に当該蒸発ドラム外周面を伝って膜状に落下する海水または鹹水が貯留可能となる大きさ、配置具合とした回収槽を設置し、該回収槽に蓄えた海水または鹹水は順次前記散布管に戻されて循環するようにした予備濃縮設備と、該予備濃縮設備に近接すると共に、衛生管理されるようにした特定施設内において、前記予備濃縮設備で10ないし15パーセント程度までに濃縮済の鹹水の所定量を収容可能とし、その底面全面には隔絶した加熱空間部が形成されてなる天面開放型の天然塩析出槽を一台ないし複数台並列配置するようにした天然塩精製設備とを有し、ボイラの蒸気または熱湯の供給管路を、それら天然塩精製設備の天然塩析出槽加熱空間部で所定温度の高温放熱用となるよう配管すると共に、その余熱利用用として、特定施設外に近接、設置してある少なくとも蒸発ドラムを経由するよう引導、連続配管したものとする一方、天然塩精製設備に附随し、該天然塩精製設備の天然塩析出槽から残留する海水母液の収容、煮沸用とする残留塩回収装置部を併設してなるものとした天然塩製造装置が包含される。
また、この発明の天然塩製造装置は、換言するならば、所定量の海水または鹹水を所定高さ位置に貯溜可能とするタンクを設け、同タンクの底部付近に接続され、散水可能幅全幅に渡って海水または鹹水を略均質に散水するようにした散布管の直下には、当該散水可能幅を充足するに足る全長、配置具合とした蒸発ドラムを一段か上下複数段とするかして水平状に横設すると共に、その下に当該蒸発ドラム外周面を伝って膜状に落下する海水または鹹水が貯留可能となる大きさ、配置具合であって貯留された液面に接するか、もしくは一部または全部を没するよう加熱管を平面蛇行状に配した回収槽を設置し、該回収槽の貯留部分に蓄えられた海水または鹹水を、前記タンクに循環供給可能とする循環用ポンプを設け、回収槽に蓄えた海水または鹹水が順次前記タンクに戻されて循環するようにした予備濃縮設備と、該予備濃縮設備に近接すると共に、衛生管理されるようにした特定施設内において、前記予備濃縮設備で10ないし15パーセント程度までに濃縮済の鹹水の所定量を収容可能とし、その底面全面には隔絶した加熱空間部が形成されてなる天面開放型の天然塩析出槽を一台ないし複数台並列配置するようにした天然塩精製設備とを有し、ボイラの蒸気または熱湯の供給管路を、それら天然塩精製設備の天然塩析出槽加熱空間部で所定温度の高温放熱用となるよう配管すると共に、その余熱利用用に、特定施設外に近接、設置してある少なくとも蒸発ドラムを経由するよう引導、連続配管したものとすることにより、ボイラからの蒸気または熱湯を、天然塩析出槽の加熱空間部に供給、通過させて海水または鹹水温を、約摂氏80度前後の略一定温度に加熱可能とし、続いて蒸発ドラムに接した海水または鹹水を約摂氏60ないし40度前後に、続いて加熱管に接した海水または鹹水を摂氏約40度以下の温度に夫々加熱可能とするよう構成した天然塩製造装置ということが可能である。
これを、より具体的な表現によるものとすれば、所定量の海水または鹹水を所定高さ位置に貯溜可能とするタンクを設け、同タンクの底部付近に接続され、散水可能幅全幅に渡って海水または鹹水を略均質に散水するようにした散布管の直下には、当該散水可能幅を充足するに足る全長、配置具合とした蒸発ドラムを一段か上下複数段とするかして水平状に横設すると共に、その下に当該蒸発ドラム外周面を伝って膜状に落下する海水または鹹水が貯留可能となる大きさ、配置具合であって貯留された液面に接するか、もしくは一部または全部を没するよう加熱管を平面蛇行状に配した回収槽を設置し、該回収槽の貯留部分に蓄えられた海水または鹹水を、前記タンクに循環供給可能とする循環用ポンプを設け、回収槽に蓄えた海水または鹹水が順次前記タンクに戻されて循環するようにした予備濃縮設備と、該予備濃縮設備に近接すると共に、衛生管理されるようにした特定施設内において、前記予備濃縮設備で10ないし15パーセント程度までに濃縮済の鹹水の所定量を収容可能とし、その底面全面には隔絶した加熱空間部が形成されてなる天面開放型の天然塩析出槽を一台ないし複数台並列配置するようにした天然塩精製設備とを有し、ボイラの蒸気または熱湯の供給管路を、それら天然塩精製設備の天然塩析出槽加熱空間部で所定温度の高温放熱用となるよう配管すると共に、その余熱利用用に、特定施設外に近接、設置してある少なくとも蒸発ドラムを経由するよう引導、連続配管し、同配管の末端側をボイラの吸水管路に接続して閉じた循環型の管路を形成したものとすることにより、ボイラからの蒸気または熱湯を、天然塩析出槽の加熱空間部に供給、通過させて海水または鹹水温を、約摂氏80度前後の略一定温度に加熱可能とし、続いて蒸発ドラムに接した海水または鹹水を摂氏60ないし40度前後に、加熱管に接した海水または鹹水を摂氏約40度以下の温度に夫々加熱可能とすると共に、加熱管を通過して冷めた蒸気または熱湯は、再びボイラに供給して加温され、再加熱して循環、利用可能とするようにした天然塩製造装置となる。
(関連する発明)
上記した天然塩製造装置に関連し、この発明には、それを使用した天然塩の製造方法も包含している。
即ち、清浄な沖合から汲み上げた海水を、予備濃縮設備散布管の散布可能幅全幅に渡って略均質に散布し、直下に横設され、ボイラからの熱を帯びた蒸発ドラム外周面を伝って膜状に落下させ、回収槽に貯溜する過程で海水または鹹水中の水分を次第に蒸発させ、該回収槽の貯留部分に蓄えられた海水または鹹水を、順次前記散布管に戻して循環、蒸発させる予備濃縮工程を行った後に、該予備濃縮工程で10ないし15パーセント程度までに濃縮済みの鹹水の所定量を、天然塩精製設備の天然塩析出槽中に移動して、前記予備濃縮工程よりも高温となる所定温度に加熱、維持しながら蒸発を進行させ、天然塩を静かに沈殿、析出させる天然塩精製工程を行うものとした構成を要旨とする、この発明の基本をなす天然塩製造装置を使用した天然塩の製造方法である。
より具体的には、清浄な沖合から汲み上げた海水を、予備濃縮設備散布管の散布可能幅全幅に渡って略均質に散布し、直下に横設され、ボイラからの熱を帯びた蒸発ドラム外周面を伝って膜状に落下させ、回収槽に貯溜する過程で摂氏60度ないし40度前後に加熱して水分を次第に蒸発させ、該回収槽の貯留部分に蓄えられた海水または鹹水を、順次前記散布管に戻して循環、蒸発させる予備濃縮工程を行った後に、該予備濃縮工程で10ないし15パーセント程度までに濃縮済みの鹹水の所定量を、天然塩精製設備の天然塩析出槽中に移動して、摂氏77度ないし83度前後の範囲に加熱、維持しながら蒸発を進行させ、天然塩を静かに沈殿、析出させる天然塩精製工程を行うものとした構成の天然塩の製造方法であるということができる。
そして、さらに具体的なものとして示すならば、清浄な沖合から汲み上げた海水を、予備濃縮設備散布管の散布可能幅全幅に渡って略均質に散布し、直下に横設され、ボイラからの熱を帯びた蒸発ドラム外周面を伝って膜状に落下させ、回収槽に貯溜する過程で海水または鹹水中の水分を次第に蒸発させ、該回収槽の貯留部分に蓄えられた海水または鹹水を、順次前記散布管に戻して循環、蒸発させる予備濃縮工程を行い、該予備濃縮工程で10ないし15パーセント程度までに濃縮済みの鹹水の所定量を、天然塩精製設備の天然塩析出槽中に移動して、前記予備濃縮工程よりも高温となる所定温度に加熱、維持して蒸発を進行させ、天然塩を静かに沈殿、析出させる天然塩精製工程を行った後に、天然塩精製設備の天然塩析出槽から残留する海水母液を、残留塩回収装置部に移して煮沸、濃縮し、次回もしくはそれ以降に行う新たな天然塩精製工程の初期段階における天然塩析出槽の濃縮済みの鹹水中に投入、均質化して25パーセント程度まで濃度を高めてから、摂氏77度ないし83度前後の範囲に加熱、維持して次第に蒸発させ、天然塩を静かに沈殿、析出させる苦汁天然塩精製工程を行うものとした天然塩の製造方法となる。
以上のとおり、この発明の天然塩製造装置によれば、散布管の散水可能幅全幅に渡って海水または鹹水を略均質に散水し、その直下に配置され、ボイラからの蒸気または熱湯の余熱を利用て加熱された蒸発ドラムの外周面を伝って膜状に落下させ、回収槽に蓄えた海水または鹹水を散布管に戻し、繰り返し循環させながら海水または鹹水を次第に濃縮させる予備濃縮設備を設けたことにより、比較的低温の加熱で自然な蒸発に近い条件の下に、効率的に濃縮処理を行うことを可能とし、さらに、該予備濃縮設備で濃縮した鹹水の所定量を、衛生管理された特定施設内に設置した天面開放型の天然塩析出槽に移し、その底面全面に形成した加熱空間部に、ボイラからの高温放熱となる蒸気または熱湯を供給して該天然塩析出槽内の鹹水を所定温度に加熱、維持可能とする天然塩精製装置を設けたことにより、鹹水をゆっくりと蒸発させ、天然塩を静かに沈殿、析出させることを可能として、伝統的な塩田法によって生成された塩と同等か、それ以上に豊富なミネラル成分を含有し、しかも結晶粒の大きさや形状、およびその食感や味わいまでを塩田法による塩に勝るとも劣らない天然塩を、効率的に製造することができるものとなるという秀れた特徴が得られるものである。
また、この発明の天然塩の製造方法によれば、当該発明の天然塩製造装置を使用し、清浄な沖合から汲み上げた海水を、予備濃縮設備の散布管から均質に散布し、蒸発ドラムの外周面を伝って膜状に落下させることを繰り返して連続循環させる予備濃縮工程を行うことにより、海水または鹹水を効率的に濃縮すると同時に、蒸発ドラム表面に石膏等の不要成分や不純物等を付着、析出させて除去することができ、しかも常時流動させることによって天然塩の結晶化を阻害して海水または鹹水の濃縮を進行させることができるものとなり、予備濃縮工程に続き、予備濃縮設備によって10ないし15パーセント程度までに濃縮済みの鹹水を、衛生管理された特定施設内に設置した天然塩精製設備の天面開放型の天然塩析出槽に移動し、所定温度に加熱、維持してゆっくりと蒸発させ、天然塩を静かに沈殿、析出させる天然塩精製工程を行うことにより、伝統的な塩田法によって生成された塩と同等か、それ以上に豊富なミネラル成分を含有する天然塩を製造できる上、大型の結晶を析出させることができるものとなり、従前までの真空式製塩法によって製造されたサイコロ状の食塩のように表面積が最小となり、比較的硬質で塩辛く、大粒化したときに非常に硬くなって良好な食感を得ることができないという欠点を解消することができ、大粒ながら結晶同士が複雑な形状に組み合わさって大小様々な小片状に一体化し、夫々の表面積が大きく、比較的容易にサクサクと噛み砕くことができる複雑で独特な食感と、より深い味わいとを得ることができる天然塩を提供できるという大きな効果を発揮するものである。
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
予備濃縮設備は、天然塩精製設備による天然塩の析出、精製に先立って行う予備濃縮工程を、効率的に行うものであり、海水または鹹水を薄膜化するよう散布すると共に比較的弱い加熱を行って連続的な流動と蒸発とを可能とし、最終的に10ないし15パーセント程度まで次第に海水または鹹水濃度を高めて行くという機能を果たすものであり、散水可能幅全幅に渡って海水または鹹水を略均質に散布可能な散布管と、その直下に水平状に横設され、散布された海水または鹹水が外周面を伝って膜状に落下するものとした蒸発ドラムとを有するものとしなければならず、複数の蒸発ドラムを上下複数段に配して落下の過程で所望の濃度まで海水または鹹水を濃縮処理可能とするか、または、一段もしくは二、三段程度の蒸発ドラムを設け、その下方に配した回収槽に蓄えた海水または鹹水を、再度散布管に供給し、循環させることにより、蒸発ドラム外周面に石膏等の不要物を析出させながら、所望する濃度の鹹水を製造可能とするもの等とすることができる。
蒸発ドラムは、散布管から略均質に散布された海水または鹹水を受けて、外周面を伝って膜状に落下させる過程で、内部に供給されたボイラからの蒸気または熱湯の余熱利用となる熱を、海水または鹹水に伝達して水分を蒸発させることにより、海水または鹹水の濃縮処理を可能とする機能を果たすものであり、長期に渡って加熱、冷却を繰り返し、さらに海水または鹹水に接触しても腐触や錆の発生が無いかあるいは少なく、しかも気密性を確保しやすい、比較的熱伝導率に秀れた素材か、あるいは保温性に秀れた素材から形成しなければならず、例えば海水または鹹水に対する耐食性および耐熱性に秀れたステンレス鋼やチタン合金等の金属製または塩化ビニル等の合成樹脂製とすることができ、散布管の散水可能幅全幅を充足するに足る全長、配置具合としたものとすべきであり、海水または鹹水の蒸発過程で外周壁面に析出、付着する石膏やその他の不要成分を、簡便に除去可能とするよう、比較的平滑な表面形状とし、効率的な熱伝達を可能とするようボイラから供給された蒸気または熱湯を、少なくとも有る程度の時間に渡り、外部に漏出せず、内部に留めるか、内部に設けられた順路を巡るようにした後に、流路下流側に接続された蒸発ドラムに流入させるか、接続された加熱管等の配管に送出するものとするのが望ましい。
散布管は、その散水可能幅全体に渡って海水または鹹水を略均質に散水し、直下に横設された蒸発ドラムの外周面に沿って膜状となるよう、連続供給可能とする機能を果たすものであり、長期に渡り海水または鹹水を供給しても錆びない程度の耐食性を有すると共に、蒸発ドラムによって加熱された海水または鹹水を供給可能な程度の、例えば摂氏60度前後程度の熱にも耐え得るステンレス鋼やチタン合金等の金属または塩化ビニル等の合成樹脂素材製等とし、海水または鹹水を管の長さ方向に沿って略均質に散水可能な構造としなければならず、例えば、直管状に形成され、外周面の略全長に渡り、略均等配置となる複数適所の夫々に噴出ノズルを配したものとすることが可能である外、平面L字状、U字状、ロ字状等に連続する管路状に形成し、その各直線範囲の直下毎に一段か上下複数段の蒸発ドラムを水平状に横設したものとすることが可能であり、また、高所に設置されたタンクから供給される海水または鹹水を散水するものとするか、もしくは循環ポンプによって供給された水圧によって海水または鹹水を散水するものとすることができ、より均質な散水を可能とするよう、管路周壁面の真上または殆ど真上方向への散水が可能な複数個の散水孔を形成したものとすることができる。
タンクは、清浄な沖合から汲み上げた海水の所定量を、貯溜可能とするものであってしかも散布管に対して適量ずつの海水または鹹水を供給可能とすると共に、蒸発ドラムの下方に設けられた回収槽から循環ポンプを用いて汲み上げた鹹水を、貯溜海水または鹹水に混合状とするように収容可能とする機能を果たすものであり、海水または鹹水を貯溜しても錆びない程度の耐食性を有すると共に、蒸発ドラムによって加熱された海水または鹹水を供給可能な程度の、例えば摂氏60度前後程度の熱にも耐え得る素材製とし、散布管の散水孔よりも、貯溜海水または鹹水面を上側に配置可能な高さに設置したものとすべきである。
循環用ポンプは、蒸発ドラムを伝って落下して回収槽に蓄えられた海水または鹹水を、散布管に向けてか、もしくはタンクに向けて連続的に圧送し、連続的な濃縮を可能とする機能を果たし、散布管による散水量と略等しい量の海水または鹹水を連続的に、もしくはタイマーや水量センサー等による制御を受けて間欠的に作動して循環供給可能なものとしなければならない。
回収槽は、散布管から散布され、蒸発ドラムの外周面を伝って落下する海水または鹹水を回収し、循環用ポンプによる汲み上げを可能とする機能を果たすものであり、海水または鹹水の散布量に応じた容量を有するものとしなければならず、必要に応じてボイラの余熱を利用して蓄えられた海水または鹹水を加熱可能とする加熱管を、槽内に配したものとすることができ、海水または鹹水が所望の濃度まで濃縮された際には、汲み上げて天然塩精製設備に移動可能とするものとするのが望ましい。
加熱管は、内部に蒸発ドラムから排出される蒸気または熱湯を通過させ、蒸発ドラムの外周面を伝って落下し、回収槽に蓄えられる海水または鹹水を加熱可能とする機能を果たすものであり、蒸発ドラムの外周面を伝って落下して来る海水または鹹水に、空中で接触状となるか、または回収槽に蓄えられた海水または鹹水面に接するか、もしくは一部または全部が没するようにして海水または鹹水を、加熱可能なものとすべきであり、海水または鹹水に接触あるいは浸漬しても腐触や錆び等を発生せず、熱を良好に伝えることができる金属素材あるいは合成樹脂素材等から形成されたものとするのが望ましく、配管の末端側を、下水処理施設に接続したものとすることが可能である外、ボイラの吸水管路に直接、もしくは予備貯溜槽等を介して接続し、排出された蒸気や熱湯あるいは湯、水を循環利用し、ボイラに供給する浄水を削減し、熱エネルギーの排出を抑えたものとすることができる。
貯留部分は、回収槽に落下した海水または鹹水を適所に蓄えて循環ポンプによる汲み上げを可能とする程度の海水または鹹水量を貯溜可能とするものであり、回収槽の所定深さに形成した底面付近全体とすることができる外、底面の適所に開口し、下方に向けて配管され、直接循環ポンプの吸水部分に接続された配管部分自体とすることが可能であり、また、回収槽の適所に蓄えた海水または鹹水を自然落下させる落水口を形成し、その下側に別体状に形成された貯溜槽を配し、この貯溜槽をもって貯留部分とすること等が可能である。
天然塩精製設備は、予備濃縮設備によって所望濃度まで濃縮された鹹水を、衛生的に管理された特定の施設内で所定温度に加熱、維持してゆっくりと天然塩を析出させ、静かに精製可能とする機能を果たすものであり、底面の略全面には隔絶した加熱空間部を形成した天面開放型の天然塩析出槽の一台ないし複数台を有し、複数台を設置する場合には、各々の加熱空間部に対してボイラの蒸気または熱湯の供給管路を並列状に配管、接続してなるものとすべきであり、加熱空間部中には、天然塩析出槽を満遍なく加熱可能とするよう、一端をボイラ供給管路に接続し、他端を加熱空間部外へ導出し、加熱空間部内周壁面の複数適所に均質な蒸気の放出を可能とする蒸気噴出孔が穿孔された蒸気管を、適宜折曲、迂回形状とするよう配管したものとするのが望ましい。
特定施設は、天然塩精製設備を、外部環境から隔離して風や埃、害虫や野鳥等の侵入を防止して異物が混入していない高品質な天然塩を精製可能とする機能を果たすものであり、一般的な壁面や床面、屋根を有する建築物であれば足りるものであるが、必要に応じて換気扇や換気口、上下水道、採光窓、照明器具類等を設けて鹹水の蒸発を促進可能とすると共に、良好な作業環境を確保できるものとすべきである。
天然塩析出槽は、予備濃縮設備によって濃縮された鹹水の所定量を収容可能とし、所望の温度に加熱、維持して天然塩の析出を可能とする機能を果たし、少なくとも濃縮済みの鹹水に接する内周壁面を、耐食性に秀れた素材製のものとしなければならず、しかもボイラから供給される蒸気による加熱に耐え、槽内の鹹水を十分に加熱可能とするよう伝熱性に秀れた素材からなるものとすべきであり、自然な蒸発を可能とするよう天面が開放された器状のものとするのがよい。
加熱空間部は、天然塩析出槽の底面下に隔絶された空間を形成し、その空間中にボイラから供給された蒸気あるいは熱湯を通過させることによって天然塩析出槽床面全体を略均質に加熱可能とする機能を果たすものであり、内部に平面蛇行状に形成、配置され、外周面の複数適所に蒸気噴出孔を穿孔してなる蒸気管を収容、配管したものとするのが望ましく、蒸気管の末端側を、余熱利用のために後続する蒸気ドラム等へ接続する場合には、蒸気または熱湯の圧力を高めて通過速度を上昇させるよう、該ボイラ側の供給管路よりも縮径された流路内径に設定すると共に、配管折曲箇所を極力少なくするよう配管した上、管路略全長に渡る外周壁面上側に沿って略均等配置となる複数の蒸気噴出孔を穿孔してなるものとするのが良い。
残留塩回収装置部は、天然塩析出槽から残留する海水母液を収容し、煮沸濃縮可能とする機能を果たすものであり、特定施設の内外に拘らず、適宜設置することが可能なものであって、天然塩精製設備に対して随時または常時設置したものとすることができ、より具体的には、天然塩析出槽で天然塩を析出、精製する過程に、残留状となって生成する海水母液を無駄無く回収して、効率的に煮沸できるよう、直火加熱することによって速やかに濃縮、処理可能とするものであって、それは天然塩析出槽の底面付近に開閉可能な海水母液排出口を設け、天然塩が析出した後に、該排出口を開放し、流出する海水母液を加熱容器に回収し、加熱、蒸発させて濃縮可能とする構造のものとすることができる外、天然塩析出槽内で析出した天然塩を、別途準備された分離用容器に移動させ、該分離用容器の底面適所に開口された海水母液排出口を通じて海水母液を回収し、加熱容器に移して、直火加熱、蒸発させて濃縮することができる構造とすることが可能である。
ボイラは、供給管路を通じて予備濃縮設備や天然塩精製設備等に、蒸気または熱湯を供給可能とすると共に、供給管路に供給する蒸気または熱湯の温度や供給量を、予備濃縮設備や天然塩精製設備の加熱状態に応じて適宜調節可能とする機能を果たすものであり、正常に配管されていれば、設置場所を限定されるものではなく、適正に管理できる場所に設置すれば足り、必要に応じて配管部分に断熱材を装着して熱損失を抑えたものとするのが望ましく、予備濃縮設備および天然塩精製設備を通過して冷却された熱媒体である湯や水を回収して再度、加熱して蒸気や熱湯とし、新たな熱エネルギー源として循環、供給可能とすることもできる。
この発明の天然塩の製造方法は、沖合において海水を汲み上げる際に、貯溜設備を有した船舶を利用することができる外、所望する沖合までの海底に給水パイプを敷設し、海岸または陸上に設けられたポンプによって汲み上げることが可能であり、また、同様にして深度200メートルないし1000メートル以深から海洋深層水を汲み上げて使用することも可能であり、予備濃縮工程の散布管に供給する前段階において、海水または鹹水に濾過や遠心分離を施し、混入している不要物を除去するものとすることができ、また、予備濃縮工程を終えて10ないし15パーセントに濃縮された鹹水も同様の不要物の除去を行うことが可能であり、さらに、天然塩精製工程を経て、製造された天然塩は、最終的に異物等の除去作業を行った後に計量、袋詰め作業を行い製品化することが可能であり、また、精製の過程で残留する海水母液は、次回以降に行われる天然塩精製工程の初期段階において鹹水中に混入させて利用することの外、別の製品として海水母液のみを瓶詰めやパック詰めとして商品化すること等が可能である。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
図1の天然塩製造装置の概念的構成の斜視図、図2の予備濃縮設備の要部の斜視図、および図3の一部断面化された天然塩精製設備の斜視図に示される事例は、散布管2の直下に蒸発ドラム3,3を横設すると共に、その下に当該蒸発ドラム3,3の外周面を伝って膜状に落下する海水または鹹水が貯留可能となる回収槽4を設置し、該回収槽4に蓄えた海水または鹹水は順次前記散布管2に戻されて循環するようにした予備濃縮設備1と、該予備濃縮設備1に近接すると共に、衛生管理された特定施設内において、前記予備濃縮設備1で所定濃度までに濃縮済の鹹水S1の所定量を収容可能とし、その底面全面に隔絶した加熱空間部61が形成されてなる天然塩析出槽6を設けた天然塩精製設備5とを有し、ボイラ8の蒸気または熱湯の供給管路81を、天然塩精製設備5の加熱空間部61で高温放熱用となるよう配管すると共に、その余熱利用用に、特定施設外の蒸発ドラム3を経由するよう引導、連続配管してなるものとしたこの発明に包含される天然塩製造装置における代表的な一実施例を示すものである。
当該天然塩製造装置は基本的に、特定施設である衛生的に管理された図示しない工場屋内に設置され、最終的な天然塩精製工程の実行を可能とする天然塩精製設備5と、該天然塩精製設備5に近接する屋外に設置され、天然塩精製工程に先立って行われる予備濃縮工程を実行可能とする予備濃縮設備1とを有している。
予備濃縮設備1は、所定高さ位置に所定量の海水または鹹水を貯溜可能とする合成樹脂製のタンク11が設置され、その底面付近から延伸された所定寸法の直線棒状管体を略水平棒状に横設し、その外周壁上面には、棒形状の直線状方向に沿う一定間隔置き毎に、鉛直上方に向けて開口された複数の散水孔21,21,……を、穿孔した散布管2を設け、該散布管2の散水孔21,21,……の配設幅範囲に渡る直下には、各々の外径が28センチメートル前後の密閉円筒状に形成された上下二段の蒸発ドラム3,3が、夫々同一平面配置とするよう上下水平状に横設されており、その下方には、上下段蒸発ドラム3,3の平面形状、寸法を越える平面矩形状に形成され、所定深さに設定された周縁部分の適所に、回収された海水または鹹水を流下可能とする図示しない開閉シャッター有する流出口41を形成した回収槽4を、蒸発ドラム3,3から落下してくる海水または鹹水を受け止めるこができる配置具合とするよう設置したものとなし、該回収槽4の矩形器状の槽内には、下側蒸発ドラム3から延伸され、蓄えられた海水または鹹水面に没する深さ配置となり、回収槽4内側の略全体に渡り、平面蛇行状に折曲された加熱管42を配管したものとなっていおり、さらに、該回収槽4の流出口41下方には、貯留部分を形成する貯溜槽43を配設し、該貯溜槽43に近接配置された循環用ポンプ12の給液管が、該貯溜槽43の底部付近に達するよう延伸され、同吐出端を、前記タンク11の上部に開口するよう配管したものとなっている。
天然塩精製設備5は、前記予備濃縮設備1に近接する位置であって、衛生的に管理された特定施設である図示しない製塩工場屋内の適所に設置されており、所定量の濃縮済み鹹水S1を十分に収容可能とする容積を確保した、天面開放型で平面矩形状に形成された天然塩析出槽6を有し、該天然塩析出槽6の底面下には、略同じ平面形状の隔絶された空間部分を形成し、その内部に平面蛇行状に折曲され、外周上面の長手方向に沿う等間隔を隔てた複数箇所の夫々に蒸気噴出孔63,63,……を開口した蒸気管62を配管してなる加熱空間部61を設けたものとなっており、加熱空間部61内に噴射された蒸気は、高温状態にある蒸気や熱湯を、図示しない配管を通じて、蒸気管62の末端側に合流し、また、冷却して液化した湯は、図示しない配管を通じて排水されるか、もしくはボイラ8の給水管路82側に戻され、循環利用されるものとしている。
天然塩精製設備5加熱空間部61の蒸気管62の上流側端には、製塩工場屋内外の何れか適所に設置されたボイラ8の供給管路81を接続し、該蒸気管62の下流側端を製塩工場屋外へ導引し、予備濃縮設備1の上側の蒸発ドラム3に接続し、上側の蒸発ドラム3から下側の蒸発ドラム3へ接続し、さらに、下側の蒸発ドラム3から回収槽4内の加熱管42の流入端に接続したものとした上、該加熱管42の流出端側を、ボイラ8の給水管路82に直接か、もしくは間に図示しない予備貯溜槽を介在させるかする等して接続したものとなっている。
当該天然塩製造装置は、予備濃縮設備1の散布管2、上下段の蒸発ドラム3,3、回収槽4、加熱管42、貯溜槽43、および天然塩精製設備5の天然塩析出槽6、加熱空間部61、蒸気管62、ならびにボイラ8供給管路81から供給管路82の間に配設された管路や、循環用ポンプ12用の配管類等は、殆どの部分を塩分に対する耐腐触性と、十分な耐熱性とを有するステンレス合金製とし、比較的低温で使用される部分には塩化ビニル製の部品を適宜用いたものとして製作されている。
図4の一部を断面化した天然塩精製設備の斜視図、および図5の蒸気管の斜視図に示した天然塩精製設備5は、天然塩析出槽6加熱空間部61の内部空間中に、一端をボイラ8からの供給管路81に接続し、該供給管路81よりも縮径された流路内径に設定すると共に、配管折曲箇所を極力少なくするよう配管した上、管路略全長に渡る外周壁面上側に沿って略均等配置となる複数の蒸気噴出孔63,63,……を穿孔してなる蒸気管62を設けたものとしてなる、この発明に包含する天然塩製造装置における他の一実施例を示すものである。
ボイラ8の供給管路81の内径は、3/4インチに設定され、蒸気管62の内径は1/2インチのものを使用し、加熱空間部61内で二度のみ折曲されてクランク状の平面形状とされ、円形管路断面形の最上部から周方向の左右に60度、合計120度の開き角度θに傾斜された方向に開口された蒸気噴出孔63,63,……を、長さ方向に沿って8.5cmの寸法L置き毎に、左右交互に配置したものとし、加熱空間部61の外部に延伸された蒸気管62の末端側は、その内径を再び3/4インチに拡大され、特定施設外に設置された図2中に示す上段の蒸発ドラム3へと延伸、接続されたものとなっている。
図7の製塩工程の説明図に示すように、この発明の天然塩製造装置は、天然塩精製設備5によって天然塩を析出させた後に、残留する海水母液S2を回収して加熱、濃縮可能とする残留塩回収装置部7を付随させたものとすることが可能である。
残留塩回収装置部7は、天然塩析出槽6内で析出した天然塩Sを収容可能な容量を有し、底面適所に、天然塩Sから自然に滴る海水母液S2を、分離可能とする海水母液排出口72を形成した分離用容器71を有し、該分離用容器71から分離された海水母液S2を回収する回収容器73と、該回収容器73中の海水母液S2を受けてコンロ等による直火加熱による加熱、濃縮を可能とする加熱容器74とを設けたものとなっており、作業性を考慮すれば、特定施設である製塩工場屋内の天然塩精製設備5付近に併設するのが望ましいが、製塩工場屋外の何れの場所にも良好な作業性を確保できる所に設置することが可能である。
(実施例の作用)
以上のとおりの構成からなるこの発明の天然塩製造装置は、この発明に包含される天然塩の製造方法に好適に使用することができるものであり、以下ではこの発明の天然塩の製造装置の利用を、この発明の天然塩の製造方法に従って順次示すこととする。
タンクおよびポンプを搭載した船舶で清浄な沖合まで行き、所定量の海水を汲み上げて来るか、もしくは、天然塩製造装置が設置された製塩工場から清浄な沖合までの海底に給水パイプを敷設し、海岸付近に設置された図示しないポンプによって清浄な海水を汲み上げるかして、図1中の天然塩製造装置のタンク11中に、3.4ないし3.5パーセント前後程度の海水を約2,000リットル程度貯溜すると、タンク11の設置高さによる貯溜海水の位置エネルギーと、大気圧差とにより、図2中に示すように、散布管2の各散水孔21,21,……から海水まが、自動的且つ均等に噴出されることとなる。
散布管2の各散水孔21,21,……からの海水または鹹水の散布量は、予めタンク11の設置高さを調節して適量に調節するか、あるいは散布管2の基端付近に調節バルブを設けて流量を調節する等して適宜調節するものとする。
散布管2による散水の開始と略同時に、ボイラ8の供給管路81から、図1中に白抜き矢印で示すように、天然塩精製設備5加熱空間部61の蒸気管62を通じて上段の蒸発ドラム3に、余熱利用程度となる蒸気または熱湯を供給することにより、順路を追うように上段蒸発ドラム3、下段蒸発ドラム3および加熱管42の夫々が、次第に低温の加熱状態となるよう加熱され、予備濃縮工程が開始されることとなる。
図2および図6の予備濃縮工程の説明図に破線矢印で示すように、散布管2中央に鉛直上方に向けて開口された各散水孔21,21,……からは、夫々真上に海水または鹹水が噴出され、該散布管2の長手方向に沿って略均質な散布状態を確保することが可能となり、直下に配置された上段の蒸発ドラム3外周壁面に落下した海水または鹹水は、膜状となって伝い落ちながら、ボイラ8からの余熱を受けて、摂氏60度前後程度まで加熱されるように設定し、下段の蒸発ドラム3の周壁面に沿って膜状に伝い落ちるときには、摂氏40度前後程度に加熱されるように設定したものとする。
下段の蒸発ドラム3を伝って落下した海水または鹹水は、下方の回収槽4によって受け止められ、回収槽4内に配管された加熱管42に接することによって摂氏39ないし38度前後程度に加熱されるものとなり、上段および下段の蒸発ドラム3,3および加熱管42に接することにより、海水または鹹水中の水分のみが、次第に蒸発されるものとなり、図1および図6中に示すように、回収槽4の流出口41から流出した海水または鹹水は、貯溜槽43に一時的に蓄えられ、連続的または間欠的に駆動される循環用ポンプ12によって汲み上げられ、同図中に斜線矢印で示すように、強制的にタンク11中に戻され、再び散布管2に循環されるものとなり、このような海水または鹹水の循環を10時間程度に渡り、連続して行うことにより、当初2,000リットル有った海水または鹹水量を650リットルまで減少させ、10ないし15パーセントまで濃縮させた時点で、予備濃縮工程を終了させる。
なお、加熱管42の末端側から排出された、余熱利用済みの湯は、図1中の白抜き矢印に示されるように、ボイラ8の給水管路82に直接戻されるか、あるいは図示しない予備貯溜槽を介在させて間接的に戻されかして再加熱され、循環利用されることとなる。
予備濃縮工程によって濃縮された鹹水S1の適量を、図1、図3および図6中に斜線矢印で示すように、貯溜槽43やタンク11等から適宜運搬用容器に移して、衛生管理された製塩工場屋内に運び込み、天然塩精製設備5の天然塩析出槽6に投入するか、もしくは前記屋外タンク11の底部付近から図示しない配管を、工場屋内天然塩析出槽6まで引き込み、図示しない蛇口部分に設けた開閉バルブを開放操作することにより、タンク11と蛇口部分との間の高低落差を利用して自動的に、所望する量の鹹水S1を、天然塩析出槽6に供給するものとし、供給完了後に再度該開閉バルブを閉鎖することによって鹹水S1の移動を終え、天然塩生成工程を開始することになる。
鹹水S1が満たされた天然塩精製設備5は、図1中に白抜き矢印で示すように、ボイラ8供給管路81から所定圧力によって供給された蒸気または熱湯を、加熱空間部61中の蒸気管62上側周面に沿って配列された複数の蒸気噴出孔63,63,……から、図3および図6中に示すように、一斉に噴出させ、その蒸気噴射瞬間の温度が、摂氏155度前後程度となるよう設定して加熱空間部61内を加熱し、その直上に隔絶状に配置された天然塩析出槽6内の鹹水S1を、摂氏77度前後ないし摂氏83度前後の範囲内、望ましくは摂氏80度前後となるよう加熱し、その温度範囲内の略一定温度に安定、維持させたまま鹹水S1の濃縮を、ゆっくりと静かに進行させて行く。
天面開放型の天然塩析出槽6からは、天面側に露出する鹹水S1から、どんどん水分が蒸発し、次第に結晶が析出し、粗大化して行き、様々な形状の大きな結晶の天然塩が生成される。
十分に結晶が析出した天然塩Sは、図7中に示すように、天然塩精製設備5付近に併設された残留塩回収装置部7の分離用容器71に、網状または笊状のショベルを用いる等して移動することにより、苦汁天然塩精製工程を開始することが可能であり、分離用容器71に投入された天然塩Sからは、ミネラル成分を豊富に含む海水母液S2が排出され、分離用容器71の海水母液排出口72下に配した回収容器73に回収した後に、同図中に斜線矢印で示すように、加熱容器74に移動してコンロ等による直火加熱を行い、十分に濃縮させる。
加熱容器47で十分に濃縮された海水母液S2は、次回以降に行われる天然塩精製工程の初期段階に、天然塩析出槽6に移動された直後の10ないし15パーセント前後に濃縮された鹹水S1中に投入、混合して25パーセント程度まで濃度を高めて均質化した上、加熱空間部61の蒸気管62に、天然塩精製工程と同様の条件で蒸気を供給し加熱、濃縮して次第に大きな結晶を析出させて天然塩Sを生成することが可能である。
また、図4および図5中に示す構造とした、天然塩精製設備5を使用すると、ボイラ8から圧送される蒸気または熱湯は、内径3/4インチの供給管路81から内径1/2インチの蒸気管62に供給されることにより、流動速度が加速され、しかも蒸気管62は、加熱空間部61内で二度のみ折曲されたクランク状となっているので速やかに通過、流出して行くものとなり、不要な過熱を防止できると共に、後に続く予備濃縮設備1での余熱利用に十分な熱量を確保可能とすることができるものとなり、蒸気管62の長さ方向に沿う所定間隔置き毎に、円形管路断面形の最上部から周方向の左右交互に60度、合計120度の開き角度θに傾斜された方向に開口された蒸気噴出孔63,63,……からは、高速で通過する蒸気を効率的に加熱空間部61内に噴出させることが可能である上、天然塩析出槽6底面に対して斜め方向から蒸気を当てるよう加熱するので局所的な過熱を解消し、より均質な加熱を可能として略均一な天然塩Sの析出を可能とするのに好都合なものとなる。
(実施例の効果)
以上のような構成からなる実施例の天然塩製造装置は、前記この発明の効果の項で記載の特徴に加え、予備濃縮設備1のタンク11を所定の高さに設置し、その落差を利用して散布管2から海水または鹹水を散布可能とするようにしたことにより、タンク11の設置高さを調節することにより、最適な海水または鹹水散布圧力に設定することが可能となり、微妙な散布量を調節可能とした散布用ポンプ等を設置する必要がなく、該散布管2周壁面の真上に複数の散水孔21,21,……を形成したものとすることによって散布管2基端側から先端側へ向けて低下してしまう海水または鹹水の供給圧力を、略全長に渡り、一定にすることが可能となり、結果として直下に配設された蒸発ドラム3,3の外周面には、略全長に渡って海水または鹹水が均質な膜状を形成するよう供給され、効率的な蒸発を得るものとなる。
また、上段の蒸発ドラム3から下段の蒸発ドラム3および回収槽4内の加熱管42の順に、余熱利用用の蒸気または熱湯を供給する構造としたことにより、上段の蒸発ドラム3で高温となり、加熱管42に向かうに従って低温となるので、散布管2から散布された海水または鹹水は、上段の蒸発ドラム3に接触したときに最も、加熱されるものとなるので、下段の蒸発ドラム3を伝って回収槽4に収容される間に渡り、最も効率的な蒸発を得ることができる。さらにまた、比較的直径の大きな蒸発ドラム3,3には、周壁を伝って落ちる海水または鹹水から析出した石膏やその外の不要物が付着状となって残り、この付着物を約2ヵ月程度の期間毎にブラッシング処理して定期的に除去、廃棄する必要があるが、各蒸発ドラム3,3の表面が比較的平滑な形状に形成されているので、ブラッシング処理作業を簡便に行うことが可能である。
天然塩精製設備5の加熱空間部61は、図3中に示すように、加熱管42に設けられた複数の蒸気噴出孔63,63,……から蒸気を噴射する構造としたことにより、天然塩析出槽6底面の全体を略均質に加熱することが可能となり、析出される天然塩の結晶の品質、形状を一定にすることができるものとなり、図4および図5中に示すように、加熱管42の内径を、ボイラ8からの供給管路81の内径よりも小さく設定し、その途中折曲数を大幅に減少させて、より直線に近い配管構造とし、複数の蒸気噴出孔63,63,……を、適度な傾斜状として略均等配置とするよう形成したものとすることにより、蒸気または熱湯の通過速度を向上させて、予備濃縮設備1に供給される余熱量を大きくすることが可能となり、しかも天然塩析出槽6底面に対して直接蒸気を噴射しないので、鹹水S1の局部的な過熱を確実に防止できるものとなり、天然塩Sの品質を一定にすることがより確実なものとなる。
実施例の天然塩製造装置を使用した天然塩の製造方法によれば、予備濃縮設備1を用いて行われる予備濃縮工程により、長時間に渡る濃縮の工程が、循環用ポンプ12を、間欠的もしくは連続的に運転し、回収槽4の貯溜槽(貯留部分)43に蓄えられた海水または鹹水を、タンク11に循環、供給するという作業のみによって殆ど無人で行うことが可能となり、海水または鹹水が十分に濃縮処理されるまでの間の作業者の労働負担を大幅に削減できるものとなる。
さらに、予備濃縮工程によって海水または鹹水を10ないし15パーセント程度の濃度まで濃縮した鹹水S1を、天然塩精製設備5に移動して天然塩精製工程を行うことにより、天然塩析出槽6の加熱空間部61中に蒸気管62を通じて蒸気の噴射を行い、全体に渡り略均質に過熱して、鹹水S1の温度を摂氏77度前後程度ないし摂氏83度前後程度、望ましくは摂氏80度前後程度に一定に保ちながら、蒸発を進行させることで、より大きな結晶を析出させることが可能となり、特有の食感や風味をもった天然塩Sを精製することができるものとなる。
また、残留塩回収装置部7を使用した苦汁天然塩精製工程により、分離用容器71に移動された天然塩Sから採取し海水母液S2を、適宜濃縮処理して次回以降に行う天然塩精製工程における初期段階の鹹水S1中に投入、均質化して25パーセント程度まで濃度を高めた後に、天然塩精製工程を続行することで、より一層ミネラル成分が豊かで味わい深い天然塩Sを、精製することができるものとなるという利点を得られることになる。
(結 び)
叙述の如く、この発明の天然塩製造装置、およびそれを使用した天然塩の製造方法は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、比較的簡潔な構造の天然塩製造装置は組み立ておよび設置が容易で、従前からの比較的大掛かりな製塩装置等に比較して遥かに経済的なものとすることができる上、天然塩を効率的に生産することができるものであり、しかも当該製造方法を経て精製された天然塩は、ミネラル成分が豊富であり、結晶が大きく、形状が複雑で表面積も広いので調味の際にも水等に速やかに溶け込み、調理用にも最適で、一粒毎の体積が大きいので通常の食卓塩に比較して振りかけ過ぎを防いで、減塩を可能とすることができ、特有のサクサクとした食感や深い風味をもつものとなるので、健康的な食生活や、食事に豊かな味わいを求める人々に大いに歓迎されるものとなり、このような市場ニーズに答えようとする製塩業界および食品販売業界においても高く評価され、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
図面は、この発明の天然塩製造装置、およびそれを使用した天然塩の製造方法の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
天然塩製造装置の全体を概略的に示す斜視図である。 予備濃縮設備の要部構造を示す斜視図である。 天然塩精製設備を示す斜視図である。 要部構造を変更した天然塩精製設備を示す斜視図である。 蒸気管の断面構造を示す斜視図である。 天然塩の製造方法を示す説明図である。 残留塩回収装置部を利用した天然塩の製造方法を示す説明図である。
符号の説明
1 予備濃縮設備
11 同 タンク
12 同 循環用ポンプ
2 散布管
21 同 散水孔
3 蒸発ドラム
4 回収槽
41 同 流出口
42 同 加熱管
43 同 貯溜槽(貯留部分)
5 天然塩精製設備
6 天然塩析出槽
61 同 加熱空間部
62 同 蒸気管
63 同 蒸気噴出孔
7 残留塩回収装置部
71 同 分離用容器
72 同 海水母液排出口
73 同 回収容器
74 同 加熱容器
8 ボイラ
81 同 供給管路
82 同 給水管路
S 天然塩
S1 同 鹹水
S2 同 海水母液

Claims (12)

  1. 海水または鹹水を略均質に散水し得る散布管の直下には、蒸発ドラムを一段か上下複数段とするかして水平状に横設すると共に、その下に回収槽を設置し、該回収槽に蓄えた海水または鹹水は順次前記散布管に戻されて循環するようにした予備濃縮設備と、該予備濃縮設備に近接すると共に、衛生管理されるようにした特定施設内において、前記予備濃縮設備で濃縮済の鹹水の所定量を収容可能とし、その底面全面には隔絶した加熱空間部が形成されてなる天面開放型の天然塩析出槽を一台ないし複数台並列配置するようにした天然塩精製設備とを有し、ボイラの蒸気または熱湯の供給管路を、それら天然塩精製設備の天然塩析出槽加熱空間部で所定温度の高温放熱用となるよう配管すると共に、その余熱利用用に、特定施設外に近接、設置してある少なくとも蒸発ドラムを経由するよう引導、連続配管してなるものとしたことを特徴とする天然塩製造装置。
  2. 散水可能幅全幅に渡って海水または鹹水を略均質に散水するようにした散布管の直下には、当該散水可能幅を充足するに足る全長、配置具合とした蒸発ドラムを一段か上下複数段とするかして水平状に横設すると共に、その下に当該蒸発ドラム外周面を伝って膜状に落下する海水または鹹水が貯留可能となる大きさ、配置具合とした回収槽を設置し、該回収槽に蓄えた海水または鹹水は順次前記散布管に戻されて循環するようにした予備濃縮設備と、該予備濃縮設備に近接すると共に、衛生管理されるようにした特定施設内において、前記予備濃縮設備で10ないし15パーセントまでに濃縮済の鹹水の所定量を収容可能とし、その底面全面には隔絶した加熱空間部が形成されてなる天面開放型の天然塩析出槽を一台ないし複数台並列配置するようにした天然塩精製設備とを有し、ボイラの蒸気または熱湯の供給管路を、それら天然塩精製設備の天然塩析出槽加熱空間部で所定温度の高温放熱用となるよう配管すると共に、その余熱利用用に、特定施設外に近接、設置してある少なくとも蒸発ドラムを経由するよう引導、連続配管してなるものとしたことを特徴とする天然塩製造装置。
  3. 所定量の海水または鹹水を所定高さ位置に貯溜可能とするタンクを設け、同タンクの底部付近に接続され、散水可能幅全幅に渡って海水または鹹水を略均質に散水するようにした散布管の直下には、当該散水可能幅を充足するに足る全長、配置具合とした蒸発ドラムを一段か上下複数段とするかして水平状に横設すると共に、その下に当該蒸発ドラム外周面を伝って膜状に落下する海水または鹹水が貯留可能となる大きさ、配置具合であって貯留された液面に接するか、もしくは一部または全部を没するよう加熱管を平面蛇行状に配した回収槽を設置し、該回収槽の貯留部分に蓄えられた海水または鹹水を、前記タンクに循環供給可能とする循環用ポンプを設け、回収槽に蓄えた海水または鹹水が順次前記タンクに戻されて循環するようにした予備濃縮設備と、該予備濃縮設備に近接すると共に、衛生管理されるようにした特定施設内において、前記予備濃縮設備で10ないし15パーセントまでに濃縮済の鹹水の所定量を収容可能とし、その底面全面には隔絶した加熱空間部が形成されてなる天面開放型の天然塩析出槽を一台ないし複数台並列配置するようにした天然塩精製設備とを有し、ボイラの蒸気または熱湯の供給管路を、それら天然塩精製設備の天然塩析出槽加熱空間部で所定温度の高温放熱用となるよう配管すると共に、その余熱利用用に、特定施設外に近接、設置してある少なくとも蒸発ドラムを経由するよう引導、連続配管してなるものとしたことを特徴とする天然塩製造装置。
  4. 所定量の海水または鹹水を所定高さ位置に貯溜可能とするタンクを設け、同タンクの底部付近に接続され、散水可能幅全幅に渡って海水または鹹水を略均質に散水するようにした散布管の直下には、当該散水可能幅を充足するに足る全長、配置具合とした蒸発ドラムを一段か上下複数段とするかして水平状に横設すると共に、その下に当該蒸発ドラム外周面を伝って膜状に落下する海水または鹹水が貯留可能となる大きさ、配置具合であって貯留された液面に接するか、もしくは一部または全部を没するよう加熱管を平面蛇行状に配した回収槽を設置し、該回収槽の貯留部分に蓄えられた海水または鹹水を、前記タンクに循環供給可能とする循環用ポンプを設け、回収槽に蓄えた海水または鹹水が順次前記タンクに戻されて循環するようにした予備濃縮設備と、該予備濃縮設備に近接すると共に、衛生管理されるようにした特定施設内において、前記予備濃縮設備で10ないし15パーセントまでに濃縮済の鹹水の所定量を収容可能とし、その底面全面には隔絶した加熱空間部が形成されてなる天面開放型の天然塩析出槽を一台ないし複数台並列配置するようにした天然塩精製設備とを有し、ボイラの蒸気または熱湯の供給管路を、それら天然塩精製設備の天然塩析出槽加熱空間部で所定温度の高温放熱用となるよう配管すると共に、その余熱利用用に、特定施設外に近接、設置してある蒸発ドラムおよび加熱管を経由するよう引導、連続配管してなるものとしたことにより、ボイラからの蒸気または熱湯を、天然塩析出槽の加熱空間部、蒸発ドラムおよび加熱管に順次、通過させ、各段階で海水または鹹水液、海水母液を加熱可能とするよう構成したことを特徴とする天然塩製造装置。
  5. 散水可能幅全幅に渡って海水または鹹水を略均質に散水するようにした散布管の直下には、当該散水可能幅を充足するに足る全長、配置具合とした蒸発ドラムを一段か上下複数段とするかして水平状に横設すると共に、その下に当該蒸発ドラム外周面を伝って膜状に落下する海水または鹹水が貯留可能となる大きさ、配置具合とした回収槽を設置し、該回収槽に蓄えた海水または鹹水は順次前記散布管に戻されて循環するようにした予備濃縮設備と、該予備濃縮設備に近接すると共に、衛生管理されるようにした特定施設内において、前記予備濃縮設備で10ないし15パーセントまでに濃縮済の鹹水の所定量を収容可能とし、その底面全面には隔絶した加熱空間部が形成されてなる天面開放型の天然塩析出槽を一台ないし複数台並列配置するようにした天然塩精製設備とを有し、ボイラの蒸気または熱湯の供給管路を、それら天然塩精製設備の天然塩析出槽加熱空間部で所定温度の高温放熱用となるよう配管すると共に、その余熱利用用として、特定施設外に近接、設置してある少なくとも蒸発ドラムを経由するよう引導、連続配管したものとする一方、天然塩精製設備に附随し、該天然塩精製設備の天然塩析出槽から残留する海水母液の収容、煮沸用とする残留塩回収装置部を併設してなるものとしたことを特徴とする天然塩製造装置。
  6. 所定量の海水または鹹水を所定高さ位置に貯溜可能とするタンクを設け、同タンクの底部付近に接続され、散水可能幅全幅に渡って海水または鹹水を略均質に散水するようにした散布管の直下には、当該散水可能幅を充足するに足る全長、配置具合とした蒸発ドラムを一段か上下複数段とするかして水平状に横設すると共に、その下に当該蒸発ドラム外周面を伝って膜状に落下する海水または鹹水が貯留可能となる大きさ、配置具合であって貯留された液面に接するか、もしくは一部または全部を没するよう加熱管を平面蛇行状に配した回収槽を設置し、該回収槽の貯留部分に蓄えられた海水または鹹水を、前記タンクに循環供給可能とする循環用ポンプを設け、回収槽に蓄えた海水または鹹水が順次前記タンクに戻されて循環するようにした予備濃縮設備と、該予備濃縮設備に近接すると共に、衛生管理されるようにした特定施設内において、前記予備濃縮設備で10ないし15パーセントまでに濃縮済の鹹水の所定量を収容可能とし、その底面全面には隔絶した加熱空間部が形成されてなる天面開放型の天然塩析出槽を一台ないし複数台並列配置するようにした天然塩精製設備とを有し、ボイラの蒸気または熱湯の供給管路を、それら天然塩精製設備の天然塩析出槽加熱空間部で所定温度の高温放熱用となるよう配管すると共に、その余熱利用用に、特定施設外に近接、設置してある少なくとも蒸発ドラムを経由するよう引導、連続配管したものとすることにより、ボイラからの蒸気または熱湯を、天然塩析出槽の加熱空間部に供給、通過させて鹹水または天然塩析出槽中の海水母液温を、摂氏80度の一定温度に加熱可能とし、続いて蒸発ドラムに接した海水または鹹水を摂氏60ないし40度に、続いて加熱管に接した海水または鹹水を摂氏40度以下の温度に夫々加熱可能とするよう構成したことを特徴とする天然塩製造装置。
  7. 所定量の海水または鹹水を所定高さ位置に貯溜可能とするタンクを設け、同タンクの底部付近に接続され、散水可能幅全幅に渡って海水または鹹水を略均質に散水するようにした散布管の直下には、当該散水可能幅を充足するに足る全長、配置具合とした蒸発ドラムを一段か上下複数段とするかして水平状に横設すると共に、その下に当該蒸発ドラム外周面を伝って膜状に落下する海水または鹹水が貯留可能となる大きさ、配置具合であって貯留された液面に接するか、もしくは一部または全部を没するよう加熱管を平面蛇行状に配した回収槽を設置し、該回収槽の貯留部分に蓄えられた海水または鹹水を、前記タンクに循環供給可能とする循環用ポンプを設け、回収槽に蓄えた海水または鹹水が順次前記タンクに戻されて循環するようにした予備濃縮設備と、該予備濃縮設備に近接すると共に、衛生管理されるようにした特定施設内において、前記予備濃縮設備で10ないし15パーセントまでに濃縮済の鹹水の所定量を収容可能とし、その底面全面には隔絶した加熱空間部が形成されてなる天面開放型の天然塩析出槽を一台ないし複数台並列配置するようにした天然塩精製設備とを有し、ボイラの蒸気または熱湯の供給管路を、それら天然塩精製設備の天然塩析出槽加熱空間部で所定温度の高温放熱用となるよう配管すると共に、その余熱利用用に、特定施設外に近接、設置してある少なくとも蒸発ドラムを経由するよう引導、連続配管し、同配管の末端側をボイラの吸水管路に接続して閉じた循環型の管路を形成したものとすることにより、ボイラからの蒸気または熱湯を、天然塩析出槽の加熱空間部に供給、通過させて鹹水または天然塩析出槽中の海水母液温を、摂氏80度の略一定温度に加熱可能とし、続いて蒸発ドラムに接した海水または鹹水を摂氏60ないし40度に、加熱管に接した海水または鹹水を摂氏40度以下の温度に夫々加熱可能とすると共に、加熱管を通過して冷めた蒸気または熱湯は、再びボイラに供給して加温され、再加熱して循環、利用可能とするよう構成したことを特徴とする天然塩製造装置。
  8. 予備濃縮設備の散布管は、真上または殆ど真上方向への散水可能な散水孔が形成されてなるものとした、請求項1ないし7何れか一項記載の天然塩製造装置。
  9. 天然塩精製設備の天然塩析出槽加熱空間部は、その内部空間中に、一端をボイラからの供給管路に接続し、蒸気または熱湯の通過速度を高めるよう、該ボイラ側の供給管路よりも縮径された流路内径に設定すると共に、管路略全長に渡る外周壁面上側に沿って略均等配置となる複数の蒸気噴出孔を穿孔してなる蒸気管を設けたものとしてなる、請求項1ないし8何れか一項記載の天然塩製造装置。
  10. 清浄な沖合から汲み上げた海水を、予備濃縮設備散布管の散布可能幅全幅に渡って略均質に散布し、直下に横設され、ボイラからの熱を帯びた蒸発ドラム外周面を伝って膜状に落下させ、回収槽に貯溜する過程で海水または鹹水中の水分を次第に蒸発させ、該回収槽の貯留部分に蓄えられた海水または鹹水を、順次前記散布管に戻して循環、蒸発させる予備濃縮工程を行った後に、該予備濃縮工程で10ないし15パーセントまでに濃縮済みの鹹水の所定量を天然塩精製設備の天然塩析出槽中に移動し、前記予備濃縮工程よりも高温となる所定温度に加熱、維持しながら蒸発を進行させ、天然塩を静かに沈殿、析出させる天然塩精製工程を行うものとした、請求項1ないし9何れか一項記載の天然塩製造装置を使用した天然塩の製造方法。
  11. 清浄な沖合から汲み上げた海水を、予備濃縮設備散布管の散布可能幅全幅に渡って略均質に散布し、直下に横設され、ボイラからの熱を帯びた蒸発ドラム外周面を伝って膜状に落下させ、回収槽に貯溜する過程で摂氏60度ないし40度に加熱して水分を次第に蒸発させ、該回収槽の貯留部分に蓄えられた海水または鹹水を、順次前記散布管に戻して循環、蒸発させる予備濃縮工程を行った後に、該予備濃縮工程で10ないし15パーセントまでに濃縮済みの鹹水の所定量を天然塩精製設備の天然塩析出槽中に移動し、摂氏77度ないし83度の範囲に加熱、維持しながら蒸発を進行させ、天然塩を静かに沈殿、析出させる天然塩精製工程を行うものとした、請求項1ないし9何れか一項記載の天然塩製造装置を使用した天然塩の製造方法。
  12. 清浄な沖合から汲み上げた海水を、予備濃縮設備散布管の散布可能幅全幅に渡って略均質に散布し、直下に横設され、ボイラからの熱を帯びた蒸発ドラム外周面を伝って膜状に落下させ、回収槽に貯溜する過程で海水または鹹水中の水分を次第に蒸発させ、該回収槽の貯留部分に蓄えられた海水または鹹水を、順次前記散布管に戻して循環、蒸発させる予備濃縮工程を行い、該予備濃縮工程で10ないし15パーセントまでに濃縮済みの鹹水の所定量を、天然塩精製設備の天然塩析出槽中に移動して、前記予備濃縮工程よりも高温となる所定温度に加熱、維持して蒸発を進行させ、天然塩を静かに沈殿、析出させる天然塩精製工程を行った後に、天然塩精製設備の天然塩析出槽から残留する海水母液を、残留塩回収装置部に移して煮沸、濃縮し、次回もしくはそれ以降に行う新たな天然塩精製工程の初期段階における天然塩析出槽の濃縮済みの鹹水中に投入、均質化して25パーセントまで濃度を高めてから、摂氏77度ないし83度の範囲に加熱、維持して次第に蒸発させ、天然塩を静かに沈殿、析出させる苦汁天然塩精製工程を行うものとした、請求項1ないし9何れか一項記載の天然塩製造装置を使用した天然塩の製造方法。
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