JP4346074B2 - 包装体 - Google Patents

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Description

本発明は、食品や薬品等の粒状をなす複数の被収容物を包装する包装体に関する。
インジェクション成型により成形されたプラスチック容器や、スクリューキャップ付きのガラス瓶等の容器は、開封が容易で被収容物を保護するのに最適であるとして、粒状の食品(例えば、粒状の菓子(ガム、飴等))や、錠剤の医薬品、錠剤の健康補助食品(サプリメント)等の複数の被収容物を収容するのに採用されている。
ところで、前記容器に被収容物を収容して携行すると、該被収容物が容器の内部で自由に移動して容器の壁部や底等に衝突することがある。そうすると、前記容器の壁部や底部は剛性を有するため、被収容物が容器の壁部や底に衝突した際に破損してしまうといった問題があった。
このような問題を解決する方法として、被収容物を可撓性を有する袋に収容し、被収容物に直接作用する衝撃を抑えて被収容物の破損を防止することも考えられるが、このように被収容物を袋に収容すると、該袋が可撓性を有することから、袋に外力が作用した際に、該外力が被収容物にまで影響を及ぼし、被収容物が破損してしまうことがある。
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、開封を容易に行うことができ、携行時等に被収容物が破損してしまうのを防止することができる包装体を提供することを課題とする。
本発明にかかる包装体は、シートを折曲加工して形成された外装体と、複数の被収容物を収容すべく、可撓性を有するフィルムから袋状に形成された内袋とで構成され、前記外装体は、少なくとも一端が開口した筒状の胴部と、該胴部の一端開口縁部を基端にして延設され、胴部側に折り返し可能な蓋片とで構成されるとともに、蓋片を折り返し状態で保持する保持手段を備えてなり、前記内袋は、被収容物を収容する一端側が、前記胴部に収容された状態で、他端側が前記基端よりも外側に延出し、且つ前記胴部の一端開口縁部の近傍に開封手段が設けられ、前記胴部は、両側端同士が接続されて互いに対向する一対のシート壁部によって扁平状に形成され、前記蓋片が何れか一方のシート壁部の一端を基端にして延設され、前記胴部の一対のシート壁部の両側端近傍で且つ一端開口縁部近傍の一部の領域と、胴部に内装された内袋の一部の領域とが一体的に溶着され、前記一対のシート壁部の何れか一方には、前記一対のシート壁部の一部と内袋の一部とを溶着させた溶着領域を挟んで胴部の周方向に延びる一対の切込部が形成されていることを特徴とする。
上記包装体によれば、被収容物を収容する内袋が可撓性を有するフィルムから形成されているので、収容された被収容物が内袋の内部で移動して当該内袋に衝突しても、該被収容物に加わる衝撃が極めて小さく、被収容物の破損を防止することができる。また、該包装体は、内袋がシートを折曲加工して形成された外装体に内装されているので、該包装体に外力が加わっても外装体によって吸収されて被収容物に直接影響せず、被収容物を外部からの衝撃等からも保護することができる。
また、内袋には、外装体(胴部)の一端開口縁部の近傍に開封手段が設けられているので、該開封手段を介して内袋を開封すると、該内袋は、胴部の一端開口縁に沿って引き裂かれることになる。つまり、胴部の一端開口縁が定規として機能することになり、内袋が無造作に引き裂かれるのを防止することができる。これにより、開封された内袋の開封口は、真っ直ぐな状態で開封されることになり、被収容物の取り出しを容易に行うことができる。
したがって、内袋が未開封状態にある場合には、蓋片を胴部側に折り返した際に、内袋の他端側も胴部の一端開口縁を支点にして折り返された状態となり、開封手段を介して内袋を開封した場合には、内袋の開封口が胴部の一端開口縁部に略沿って形成されるので、蓋片を胴部側に折り返し、保持手段で蓋片をその姿勢で維持させれば、内袋の開封口が蓋片によって閉塞された状態となり、内袋から被収容物が脱落するような態様になるのを防止することができる。
前記胴部は、両側端同士が接続されて互いに対向する一対のシート壁部によって扁平状に形成され、前記蓋片が何れか一方のシート壁部の一端を基端にして延設されているので、通常の状態で胴部が扁平状態をなすため、胴部の一端開口が大きく開いておらず、内袋を開封手段を介してを開封しても被収容物が不用意にこぼれ落ちるといった事態になるのを防止することができる。
更に、前記胴部の一対のシート壁部の両側端近傍で且つ一端開口縁部近傍の一部の領域と、胴部に内装された内袋の一部の領域とが一体的に溶着され、前記一対のシート壁部の何れか一方には、前記一対のシート壁部の一部と内袋の一部とを溶着させた溶着領域を挟んで胴部の周方向に延びる一対の切込部が形成されているので、胴部(一対のシート壁部)の一部と内袋の一部とが一体的になっており、胴部からの内袋の脱落を確実に防止することができる。
このように胴部と内袋とを溶着すれば、胴部に径方向の外力を加えても溶着領域が変形しないため、扁平状にある胴部の一端開口が開きにくくなるが、上述の如く、前記一対のシート壁部の何れか一方に、溶着領域を挟んで胴部の周方向に延びる一対の切込部を形成することで、胴部の一端開口が開き易くなる。つまり、一対の切込部を設けると、胴部に径方向の外力を加えた際に、切込部を境にして溶着領域がある一対の切込部間と、他の部分とが異なった変形をするので、シート壁部と内袋とを一体的に溶着しても、胴部全体における径方向の変形に影響がなく、胴部の一端開口の開度を容易に大きくすることができる。
以上のように、本発明にかかる包装体によれば、開封を容易に行うことができ、携行時等に被収容物が破損するのを防止することができるという優れた効果を奏し得る。
以下、本発明にかかる包装体の第一実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。本実施形態にかかる包装体は、図1、及び図2に示す如く、外装体1と、外装体1に内装され、複数の被収容物A(例えば、粒状の食品(例えば、粒状の菓子(ガム、飴等))、錠剤の医薬品、錠剤の健康補助食品(サプリメント)等)を収容する内袋2とで構成されている。
前記外装体1は、内袋2を収容(内装)する筒状の胴部10と、該胴部10の一端開口縁部に延設され、前記胴部10の一端開口を閉塞するように折り返される蓋片11とで構成されており、前記胴部10、及び蓋片11には、蓋片11を折り返した姿勢で保持させる保持手段12が設けられている。さらに、本実施形態にかかる外装体1は、胴部10の他端開口縁部に延設されて胴部10内に折り返され、胴部10内での内袋2の位置決めをする位置決片13が延設されている。
前記胴部10は、平面視略矩形状の一対のシート壁部10a,10bの両側端同士が接続されて形成されている。これにより、胴部10は、両端が開口した扁平筒状(径方向に扁平な筒状)に形成されている。
前記一対のシート壁部10a,10bは、胴部10の一端部であって、一対のシート壁部10a,10bの両側端近傍で、且つ一端近傍の一部の領域が、内装された内袋2の一部の領域に対して貼着されている。具体的には、一対のシート壁部10a,10bの一端側の両角部における一部の領域と、胴部10に内装した内袋2の両側端部における一部の領域とが超音波シールによって溶着され、当該包装体には、それぞれが溶け込んだ溶着領域P(図1に示す円形の領域)が形成されている。
前記蓋片11は、前記一対のシート壁部10a,10bのうちの一方のシート壁部10aの一端を基端にして延設されており、該基端(後述する第五罫線L5)で胴部10の開口側に折り返すことで、該胴部10の開口を閉塞できるようになっている。
前記位置決片13は、他方のシート壁部10bの他端を基端にして延設されており、該位置決片13は、胴部10内に折り返された態様をなしている。該位置決片13は、胴部10内に折り返された状態で、先端が一方のシート壁部10aの内面(胴部10の内面)に干渉し、胴部10内から抜け出るのを防止できる延出量に設定されている。
前記保持手段12は、前記蓋片11の先端から延出した係止片12aと、胴部10(他方のシート壁部10b)に設けられた切込部12bとで構成されており、係止片12aを切込部12bに差し込むことで、蓋片11を折り返した姿勢で保持できるようになっている。
該外装体1は、蓋片11の折り返し線(第五罫線L5)上から延出した陳列用の吊下片15を備えている。吊下片15には係止穴15aが穿設されており、該係止穴15aに陳列台等に設けられたバーを挿通させることで当該包装体を吊り下げた態様で陳列できるようになっている。
本実施形態にかかる外装体は、例えば、厚さ0.15mm〜0.5mm程度のポリプロピレン、又は、ポリエチレンテレフタレート(PET)等からなる所定形状に裁断したプラスチック製のシート(以下、このシートを原シートという)を折曲加工することにより形成されている。
図3に基づき該原シートについて詳しく説明すると、原シートSは、略矩形状に形成されて短手方向の一端同士が接続され、前記一対のシート壁部10a、10bとなる一対の壁形成領域16a,16bと、一方の壁形成領域16aの短手方向の他端に延設され、一対の壁形成領域16a,16b同士を連結する貼着領域17と、一方の壁形成領域16aの長手方向の一端に延設され、前記蓋片11となる蓋形成領域18と、他方の壁形成領域16bの長手方向の他端に延設され、前記位置決片13となる位置決片形成領域19とで構成されている。前記一対の壁形成領域16a,16bの境界には、これらが互いに対向するように折り返すための折曲罫線L1(以下、この折曲罫線を第一罫線という)が設けられている。なお、前記第一罫線L1、及び以下に説明する折曲罫線L2〜L5は、極細の溝で構成されており、他の部分よりも厚みが薄くなるように構成されている。具体的には、シートの折曲性と強度を鑑みれば、折曲罫線L1〜L5のそれぞれに特開平10−193450号公報所載の折曲罫線を採用することが好ましい。
前記他方の壁形成領域16bには、前記保持手段12の切込部12bとなる切り込み26が設けられている。該切り込み26は、他方の壁形成領域16bの一端から前記蓋片11の延出量(一方の壁形成領域16aの一端からの後述する第一蓋形成領域18aの延出量、又は第一蓋形成領域18aからの後述する第二蓋形成領域18bの延出量)よりもやや長い距離をおいた位置に、当該他方の壁形成領域16bの短手方向に延びるように形成されている。なお、該切り込み26の両端部は、前記係止片12aの抜き差しに伴って他方の壁形成領域16b(他方のシート壁部10b)が裂けるのを防止すべく、略半円弧状に切り込まれている。
前記一対の壁形成領域16a,16bは、長手方向の一端部であって短手方向の両端部が、内袋2に貼着(溶着)させる被溶着領域P’に設定されている。なお、本実施形態において被溶着領域P’の配置を説明するのに、図3において概念的に示しており、実際には被溶着領域P’と他の領域との境に罫線等は設けられていない。
前記一方の壁形成領域16aと貼着領域17との境界、及び他方の壁形成領域16bと位置決片形成領域19との境界には、各領域16a,17,16b,19を折り返すための折曲罫線L2,L3が設けられている。(以下、一方の壁形成領域16aと貼着領域17との境界の折曲罫線L2を第二罫線といい、他方の壁形成領域16bと位置決片形成領域19との境界の折曲罫線L3を第三罫線という)。
前記蓋形成領域18は、前記一方の壁形成領域16aに接続された第一蓋形成領域18aと、該第一蓋形成領域18aの先端に接続された第二蓋形成領域18bとで構成されている。前記第一蓋形成領域18a及び第二蓋形成領域18bは、平面形状において略対称に形成されており、第一蓋形成領域18aと第二蓋形成領域18bとの境界には、折曲罫線L4(以下、この折曲罫線を第四罫線という)が設けられている。これにより、第一蓋形成領域18a、及び第二蓋形成領域18bは、第四罫線L4で折り返して互いに対向できるようになっている。前記第二蓋形成領域18bの先端には、前記吊下片15となる吊下片形成領域20が延設されている。該吊下片形成領域20内には、前記係止穴15aとなる穴20aが穿設されている。
該蓋形成領域18(第一蓋形成領域18a)と一方の壁形成領域16aとの境界には、折曲罫線L5(以下、この折曲罫線を第五罫線という)が設けられており、該蓋形成領域18で蓋片11を形成した際に、該蓋片11を第五罫線L5で折り返せるようになっている。前記第五罫線L5上には、第二蓋形成領域18bを第四罫線L4で折り返した状態で、吊下片形成領域20(吊下片15)を差し込むための切り込み22が設けられている。
前記第二蓋形成領域18bは、前記係止片12aとなる係止片形成領域21を含んでいる。具体的に説明すると、第二蓋形成領域18bには、第四罫線L4上に始点、及び終点を形成するように、略U字状の切り込み23が設けられており、前記係止片形成領域21は、該切り込み23で包囲された領域により構成されている。
前記外装体1は、原シートSを第一罫線L1及び第二罫線L2で折り返した状態で、貼着領域17と他方の壁形成領域16bの短手方向の他端部とを接着剤、ヒートシール、又は超音波シール等の貼着手段を介して貼着することで、胴部10が扁平な筒状に形成されている。また、外装体1は、原シートSを第四罫線L4で折り返して吊下片形成領域20を第五罫線L5上の切り込み22に差し込むことで蓋片11、及び吊下片15が形成されている。さらに、外装体1は、原シートSが第三罫線L3で折り返され、位置決片形成領域19が胴部10内に差し込まれた態様となって前記位置決片13を構成をしている。
前記内袋2は、可撓性を有するフィルムから開封可能な袋体に形成されたものであり、図4に示す如く、互いに対向する一対の壁フィルム30a,30bの外周端部同士が連結されて形成されている。具体的には、本実施形態にかかる内袋2は、平面視略矩形上に形状設定された一対の壁フィルム30a,30bを重ね合わせた状態で、まず、長手方向の一端部、及び短手方向の両端部同士が直接熱シールされ、他端が開口した袋体に形成され、該他端開口を介してサプリメント等の複数の被収容物Aを収容した後に、一対の壁フィルム30a,30bの長手方向の他端部同士が熱シールされて密閉状態に形成されている。なお、図4においてハッチングが付された領域Bが熱シールされた領域である。
したがって、このように作製された内袋2は、壁フィルム30a,30bの平面視形状に略対応して略矩形状をなしている。該内袋2は、長手方向の長さが前記胴部10の中心線方向(シート壁部10a,10b)の長さよりもやや長く設定されており、一端側を外装体1の胴部10内に内装させた(収容した)状態で、他端側が胴部10の一端開口縁部よりも外側に延出するようになっている。
一対の壁フィルム30a,30b(内袋2を構成するフィルム)は、ガスバリア性を有する積層フィルムで構成されている。該積層フィルムとしては、外側層、中間層、及び内側層が積層されたものを採用することが好ましい。この場合、外側層としては、延伸ポリエチレンテレフタレート、延伸ナイロンフィルム、延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム等が挙げられる。また、中間層としては、ガスバリア性を有するアルミ層、又は、EVOH(エチレンービニルアルコール共重合体)層等からなるフィルムが挙げられ、内側層として、ヒートシール性を有する未延伸ポリプロピレン(CPP)、又は、ポリエチレン系樹脂(LDPE等)のフィルムが挙げられる。また、防湿性のみが必要な場合には、OPPとCPPやLDPE等との積層フィルムを採用することもできる。
該内袋2は、胴部10に内装した状態で、該胴部10の一端開口縁部近傍となる短手方向の一端部(一対の壁フィルム30a,30b同士を熱シールした領域)に開封手段としてのノッチ31が設けられている。本実施形態において、ノッチ31は、内袋2の短手方向の一端部の一部が略V字型に切り欠かれることにより形成されている。
上記構成の内袋2は、一端側が胴部10に内装された状態で、長手方向の一端部が胴部10内に折り返された位置決片13によって位置決めされた態様になっており、この状態で、上述の如く、一対のシート壁部10a,10bになった壁形成領域16a,16bの一端側の両角部における被溶着領域P’に対し、短手方向の両端部の一部の領域P’’(本実施形態においては熱シールされた一部の領域)が一体的に溶着されている。この溶着により、当該包装体の胴部10の一端部には、一対の溶着領域P(図1参照)が形成され、胴部10からの内袋2の抜け止めがなされている。
本実施形態にかかる包装体は、以上の構成からなり、蓋片11を第五罫線L5で折り返し、切込部12bに係止片12aを差し込んだ状態で商品として陳列されることになる。
該包装体は、図5に示す如く、陳列台Eに設けられたバーRに吊り下げられた状態で陳列されたり、陳列台E上に自立した状態で陳列されたりすることになる。すなわち、上記構成の包装体は、上述の如く、係止穴15aが穿設された吊下片15を備えているので、係止穴15aに陳列台EのバーRを挿通することで吊り下げた態様で陳列される。また、該包装体は、胴部10が一対のシート壁部10a,10bで構成されているので、内袋2に被収容物Aが収容された状態で、一対のシート壁部10a,10bが互いに離間した態様となり、該包装体は自立した態様でも陳列されることになる。
そして、当該包装体が携行された場合、被収容物Aが移動して内袋2に接触したとしても、当該内袋2は可撓性を有するため、当該接触によって被収容物Aには衝撃力等が作用することがなく、被収容物Aの破損が防止される。また、該包装体は、何らかの外力が作用しても、内袋2がシートを折曲加工して形成した外装体1に内装されているので、該包装体に加わった外力が吸収され、被収容物Aの破損が防止される。
そして、被収容物Aを取り出すべく、内袋2を開封するには、図6(イ)に示す如く、係止片12aを切込部12bから抜いて蓋片11を起立させた状態にし、ノッチ31を介して内袋2を引き裂くことで行われる。すなわち、該包装体は、ノッチ31が、胴部10の一端開口縁部近傍に設けられているので、内袋2を開封するに際し、内袋2の他端部を胴部10側に引っ張ることで、ノッチ31が起因して内袋2が胴部10の一端に沿って(胴部10の一端縁が定規の役目を担い)引き裂かれることになる。これにより、図6(ロ)に示す如く、内袋2には、体裁のよい真っ直ぐな端縁によって扁平状の開封口Oが形成されることになる。
そして、図6(ハ)に示す如く、胴部10の側端(一対のシート壁部10a,10b同士の両側の接続部分)を把持し、胴部10の径方向に外力を作用させると、扁平状態にあった胴部10の一端が開口することになる。この際、胴部10の変形に追従するように内袋2に形成された開封口Oも開いた状態になり、内袋2から完全な形状の被収容物Aを取り出せることができる。
そして、図6(ニ)に示す如く、被収容物Aを取り出した後、第五罫線L5で蓋片11を折り返し、係止片12aを切込部12bに差し込むことで、当該包装体が再封されることになる。一旦開封された包装体は、内袋2の開封口が胴部10の一端開口縁部に沿って形成されているので、上述の如く再封された状態で、内袋2の開封口が蓋片11と一方のシート壁部10aとの接続部分、及びその近傍の領域(第五罫線L5を含む所定の領域)により覆われた態様となっており、被収容物Aのこぼれ落ちが確実に防止されることになる。
そして、内袋2内の被収容物Aの量が減ると、一対のシート壁部10a,10bは、自己の弾性によって互いに接近しようとするが、当該包装体には、位置決片13が設けられているため、一対のシート壁部10a,10bの接近が阻止されて胴部10の他端部(下端部)が開口状態を維持され、開封後であっても当該包装体を自立させることができる。すなわち、前記位置決片13は、原シートSを折曲加工して形成されたものであるため、第三罫線L3の周辺に弾性力(位置決片13が元の姿勢に戻ろうとする復元力)が作用し、図7に示す如く、位置決片13が一方のシート壁部10aを他方のシート壁部10bから離間させる方向に押圧することになり、内袋2内の被収容物Aの収容量に関係なく胴部10の下端部が開口状態で維持されることになる。これにより、開封後の包装体であっても自立させた状態で置くことができる。なお、図7において、蓋片11と胴部10との接続部分(第五罫線L5、及びその周辺)が円弧状に湾曲した態様となっているが、これは本実施形態にかかる包装体を説明すべくシート壁部10a,10b等の厚みを強調して示したためであり、実際には第五罫線L5で折り返されるため、蓋片2と胴部10との接続部分には稜線が形成された態様になっている。
以上のように、本実施形態にかかる包装体によれば、被収容物Aを収容する内袋2を可撓性を有するフィルムで形成するとともに、シートを折曲加工して形成した外装体1に前記内袋2を内装するようにしたので、携行時に被収容物Aが破損してしまうのを確実に防止することができる。
また、該包装体は、胴部10の一端開口縁部近傍に内袋2を開封するノッチ31を設けたので、内袋2を開封するに当たり、胴部10の一端開口縁に沿って容易に開封することができる。また、このようにすることで、開封時に内袋2の引き裂き方向を一定方向にすることができ、開封後の内袋2の開封口Oを体裁よく形成することができる。
さらに、該包装体は、一対のシート壁部10a,10bの長手方向の一端部であって、短手方向の両端部の一部(被溶着領域P)同士を、内袋2の一部を介して貼着するようにしたので、内袋2が胴部10から抜け出るのを防止することができる上に、胴部10を変形させることで、開封後の内袋2の開封口を開口状態にすることができ、被収容物Aを容易に取り出せる状態にすることができる。
さらに、該包装体は、位置決片13が設けられているので、胴部10内で内袋2の一端部側が無造作に移動したりすることなく位置することができる。また、該位置決片13を設けることで、内袋2を胴部10内に内装するに際し、内袋2の一端が胴部10の他端にまで到達することがないので、一対のシート壁部10a,10bの他端部側の角部を丸くしても(角を落とした形状にしても)内袋2の一端側の角部が胴部10から突出することがなく、見栄えをよくすることができる。
さらに、原シートSを折曲加工して位置決片13を形成するようにしたので、該包装体は、内袋2内における被収容物Aの収容量に関係なく、胴部10の下端部を開口状態にすることができ、陳列時や開封後の何れであっても当該包装体を自立させて置くことができる。その上、該包装体は、係止穴15aが穿設された吊下片15を備えているので、吊り下げ状態で陳列することもできる。
次に、本発明にかかる包装体の第二実施形態について説明する。なお、以下の説明において、第一実施形態にかかる包装体の各構成と同一、又は同等の構成については、同一名称、及び同一符号を付すこととする。
本実施形態にかかる包装体は、図8及び図9に示す如く、第一実施形態と同様に、外装体5と、外装体1に内装され、複数の被収容物A(例えば、粒状の食品(例えば、粒状の菓子(ガム、飴等))や、錠剤の医薬品、錠剤の健康補助食品(サプリメント)等)を収容する内袋2とで構成されている。
前記外装体1は、内袋2を収容する筒状の胴部10と、該胴部10の一端開口縁部に延設され、前記胴部10の一端開口を閉塞するように折り返される蓋片11とで構成されており、前記胴部10、及び蓋片11には、蓋片11を折り返した姿勢で保持させる保持手段12が設けられている。さらに、本実施形態にかかる外装体1は、胴部10の他端開口縁部に延設されて胴部10内に折り返され、胴部10に内装した内袋2を位置決めする位置決片13が延設されている。
前記胴部10は、平面視略矩形状の一対のシート壁部10a,10bの両側端同士が接続されて形成されている。これにより、胴部10は、両端が開口した扁平筒状(径方向に扁平な筒状)に形成されている。
前記一対のシート壁部10a,10bは、胴部10の一端部であって、一対のシート壁部10a,10bの両側端近傍で、且つ一端近傍の一部の領域が、内装された内袋2の一部の領域に対して貼着されている。具体的には、一対のシート壁部10a,10bの一端側の両角部における一部の領域と、胴部10に内装した内袋2の両側端部における一部の領域とが超音波シールによって溶着され、当該包装体にはそれぞれが溶け込んだ第一溶着領域P1(図8に示す円形の領域)が形成されている。また、位置決片13(後述する舌片22)の一部の領域と、他方のシート壁部10bの他端部における一部の領域と、位置決片13及び他方のシート壁部10b間に介在する内袋2の一端部における一部の領域とが、超音波シールによって溶着されており、当該包装体には、それぞれが溶け込んだ第二溶着領域P2(図8に示す矩形状の領域)が形成されている。
前記蓋片11は、前記一対のシート壁部10a,10bのうちの一方のシート壁部10aの一端を基端にして延設されており、該基端(後述する第五罫線L5)で胴部10の開口側に折り返すことで、該胴部10の開口を閉塞できるようになっている。
前記位置決片13は、他方のシート壁部10bの他端を基端にして延設されており、胴部10内に折り返された態様をなしている。これにより、当該包装体の製造工程において、位置決片13と該位置決片13が延設された他方のシート壁部10bとの間に内袋2の一端部を介在させることで、内袋2の一端部が当該位置決片13に接触して胴部10に対して適正な配置に位置決めできるようになっている。該位置決片13は、胴部10の開口側に傾動した際に、先端が一方のシート壁部10aに干渉し、位置決片13が胴部10内から抜け出るのを防止することができる程度の延出量に設定されている。
また、本実施形態において、位置決片13における一部の領域(後述する第二被溶着領域P2’(図10参照))が、位置決めされた内袋2の一端部における一部の領域P2’’(図11参照)と、他方のシート壁部10bの他端部における一部の領域とに一体的に溶着されており、内袋2を位置決めした位置で保持するとともに、該内袋2の一端側の移動を規制するようになっている。
本実施形態にかかる位置決片13の領域内には、内袋2と溶着させる領域を含んで基端側から先端側に向けて凸状の舌片22が形成されている。これにより、舌片22(位置決片13の一部)が内袋2と溶着して変形しにくくなっても、位置決片13における舌片22以外の領域が変形できる状態となるので、位置決片13を一方のシート壁部10a側に塑性変形させたり、自己の復元力が有る程度作用するように傾斜させたりすることで、先端を一方のシート壁部10aの内面(胴部10の内面)に干渉させ、一方のシート壁部10aから他方のシート壁10bを離間させて当該胴部10の他端開口を広げることができるようになっている。
前記保持手段12は、前記蓋片11の一部が切り込まれ、蓋片11の先端に向けて凸状に形成された係止片12aと、胴部10(他方のシート壁部10b)に設けられた切込部12bとで構成されており、係止片12aを切込部12bに差し込むことで、蓋片11を折り返した姿勢で保持できるようになっている。
本実施形態にかかる外装体1は、第一実施形態と同様の材料(樹脂)で構成されたシート(原シート)を折曲加工することにより形成されている。図10に基づき、本実施形態の外装体1を形成するための原シートについて説明すると、該原シートSは、略矩形状に形成されて短手方向の一端同士が接続され、前記一対のシート壁部10a、10bとなる一対の壁形成領域16a,16bと、一方の壁形成領域16aの短手方向の他端に延設され、一対の壁形成領域16a,16bの一端部同士を連結する貼着領域17と、一方の壁形成領域16aの長手方向の一端に延設され、前記蓋片11となる蓋形成領域18と、他方の壁形成領域16bの長手方向の他端に延設され、前記位置決片13となる位置決片形成領域19とで構成されている。
前記一対の壁形成領域16a,16bの境界には、これらが互いに対向するように折り返すための折曲罫線L1(以下、この折曲罫線を第一罫線という)が設けられている。なお、本実施形態においても、第一実施形態と同様に、前記第一罫線L1、及び以下に説明する折曲罫線L2〜L5は、極細の溝で構成されており、他の部分よりも厚みが薄くなるように構成されている。
前記他方の壁形成領域16bには、前記保持手段12の切込部12bとなる切り込み26が設けられている。該切り込み26は、他方の壁形成領域16bの一端(後述する第五罫線L5)から他端に向けて、一方の壁形成領域16aから前記蓋形成領域18と後述する係止片形成領域21とが接続された部位(係止片12aの付け根部分)までの距離よりもやや長い距離をおいた位置に、当該他方の壁形成領域16bの短手方向に延びるように形成されている。
前記一対の壁形成領域16a,16bは、長手方向の一端側の両角部(壁形成領域16a,16bの長手方向の一端部であって、短手方向の両端部)の一部の領域が内袋2に溶着させる第一被溶着領域P1’に設定されている。なお、本実施形態にかかる第一被溶着領域P1’は、第一実施形態の被溶着領域P’と同様に略円形の領域に設定されている。
該一対の壁形成領域16a,16bのうちの何れか一方の壁形成領域(本実施形態においては他方の壁形成領域16b)には、前記第一被溶着領域P1’(内袋2に溶着させる領域)を挟んで壁形成領域16bの短手方向(胴部10の周方向)に延びる一対の切込部25a,25b(切り込み)が設けられている。該一対の切込部25a,25bは、各第一被溶着領域P1’に対して設けられており、第一被溶着領域P1’が介在する一端部が、該第一被溶着領域P1’の形状に沿って円弧状に切り込まれて形成されている。
また、一方の壁形成領域16aと貼着領域17との境界、及び他方の壁形成領域16bと位置決片形成領域19との境界にも折曲罫線L2,L3が設けられている。(以下、一方の壁形成領域16aと貼着領域17との境界の折曲罫線L2を第二罫線といい、他方の壁形成領域16bと位置決片形成領域19との境界の折曲罫線L3を第三罫線という)。
前記蓋形成領域18と一方の壁形成領域16aとの境界には、折曲罫線L5(この折曲罫線を第五罫線という)が設けられており、蓋形成領域18で蓋片11を形成した際に、該蓋片11を第五罫線L5で折り返せるようになっている。前記蓋形成領域18は、前記係止片12aとなる係止片形成領域21を含んで形成されている。具体的に説明すると、蓋形成領域18の一部が略U字状に切り込まれ、該切り込み27によって包囲された領域で蓋片形成領域18の先端側に凸状をなす係止片形成領域21が形成されている。
前記位置決片形成領域19の一部の領域は、内袋2の一端部における一部の領域P2’’(図11参照)、及び他方の壁形成領域16b(シート壁部10b)の他端部における一部の領域P2’’’と溶着させる第二被溶着領域P2’に設定されている。なお、本実施形態にかかる第二被溶着領域P2’は、略矩形状の領域に設定されている。
該位置決片形成領域19には、第二被溶着領域P2’を挟んで基端側から先端側に(位置決片形成領域19の延出方向)延びる一対の切込部26,26(切り込み)が設けられている。具体的に説明すると、本実施形態にかかる一対の切込部26,26は、位置決片形成領域19の延出方向に延びる仮想線を基準に互いに対称形状をなしており、当該位置決片形成領域19の延出方向に略直線状に延びる第一切込26aと、位置決片形成領域19の先端側における前記第一切込26aの一端から、前記延出方向と直交する方向で中央に向けて略直線状に延びる第二切込26bとで構成されており、L字状に形成されている。なお、前記原シートSにおいて、各切込部26の第二切込26b同士が非接続状態となっているが、上述の如く、位置決片形成領域19が内袋2に溶着された状態で、該位置決片形成領域19の先端側が内袋2内の被収容物Aによって押され、非接続状態にある第二切込26b間が破断し、該切込部26,26で包囲されていた領域が前記舌片22になるとともに、該舌片22となった領域以外の位置決片形成領域19が位置決片13となるようになっている。
前記外装体1は、原シートSを第一罫線L1及び第二罫線L2で折り返した状態で、貼着領域17を他方の壁形成領域16bの短手方向の他端部とを接着剤、ヒートシール、又は超音波シール等の貼着手段を介して貼着することで胴部10が形成されている。
また、外装体1は、原シートSが第三罫線L3で折り返され、位置決片形成領域19が胴部10内に差し込まれた態様となって前記位置決片13を構成をしている。
前記内袋2は、可撓性を有するフィルムから開封可能な袋体に形成されたものであり、互いに対向する一対の壁フィルム30a,30bの外周端部同士が連結されて構成されている。
具体的には、本実施形態にかかる内袋2は、図11に示す如く、第一実施形態の内袋2と同様に、平面視略矩形上に形状設定された一対の壁フィルム30a,30bの周縁部同士が熱シールされて袋状に形成されている。本実施形態にかかる内袋2は、前記胴部10の一端開口部内に内装される領域を含んだ長手方向の他端側の領域において、一対の壁フィルム30a,30bの短手方向の両側端部の熱シールの幅が、長手方向の他端側に向かうにつれて広くなっており、被収容物Sを収容する空間となる壁フィルム30a,30bの非溶着(貼着)領域が、長手方向の他端側に向かうにつれて狭くなるように形成されている。
本実施形態にかかる内袋2(一対の壁フィルム30a,30b)は、長手方向の長さが前記胴部10の中心線方向(シート壁部10a,10b)の長手方向の長さよりも長く設定されており、一端側を外装体1の胴部10に内装した状態で、他端側が胴部10の一端開口縁部よりも外側に延出し、且つ熱シールの幅が広くなりつつある部分(一部の部分)が胴部10内に介在するようになっている。該内袋2は、上述の如き態様で胴部10に内装した状態で、該胴部10の一端開口縁部近傍となる短手方向の一端部に開封手段としてのノッチ31が設けられている。本実施形態において、ノッチ31は、内袋2の短手方向の一端部の一部(内袋2の熱シールされた領域であって、熱シールの幅が広くなるつつある領域の一部)が略V字型に切り欠かれることにより形成されている。
上記構成の内袋2は、一端側が胴部10に内装された状態で、長手方向の一端部が胴部10内に折り返された位置決片13によって受け止められた態様になっている。この状態で、内袋2は、超音波シールにより、一対のシート壁部10a,10bになった壁形成領域16a,16bの一端側の両角部における一部の領域(第一被溶着領域P1’)に対し、両側端部の一部の領域P1’’(本実施形態においては熱シールされた一部の領域)が、一体的に溶着され、当該包装体に第一溶着領域P1が形成されるている。また、該内袋2は、超音波シールにより、位置決片13と他方のシート壁部10bとの間に介在した一端部の一部の領域P2’’が、一対の第二切込部26,26間の領域(第二被溶着領域P2’)と、該領域P2’に対向する他方のシート壁部10bの一部の領域P2’’’とに溶着されている。この状態で、内袋2に収容した被収容物Aの存在により、位置決片13となった位置決片形成領域19の先端側が一方のシート壁部10a側に押され、前記第二切込26b,26b間が破断し、切込部26,26で包囲された領域が前記舌片22となっている。これにより、位置決片13には、自己の復元力が作用した状態となり、先端が一方のシート壁部10aに接触状態(押圧状態)となっている。
本実施形態にかかる包装体は、以上の構成からなり、蓋片11を第五罫線L5で折り返し、切込部12bに係止片12aを差し込んだ状態で商品として陳列されることになる。該包装体は、第一実施形態と同様に、自立させても陳列できるが、第一実施形態の包装体のように吊下片15がない為、他の陳列の態様として、図12に示す如く、天面が開放した箱Xに横積みにもできるようになっている。なお、包装体が起立して陳列される場合には、第一実施形態と同様に、一対のシート壁部10a,10bが互いに離間して胴部10の他端に拡大した開口が形成されることで自立できるようになる。
そして、当該包装体が携行された場合、被収容物Aが移動して内袋2に接触したとしても、当該内袋2は可撓性を有するため、当該接触によって被収容物Aには衝撃力等が作用することがなく、被収容物Aの破損が防止される。また、該包装体は、何らかの外力が作用しても、内袋2がシートを折曲加工して形成した外装体1に内装されているので、該包装体に加わった外力が吸収され、被収容物Aの破損が防止される。
そして、被収容物Aを取り出すべく、内袋2を開封するには、図13(イ)に示す如く、係止片12aを切込部12bから抜いて蓋片11を起立させた状態にし、ノッチ31を介して内袋2を引き裂くことで行われる。すなわち、該包装体は、ノッチ31が、胴部10の一端開口縁部近傍に設けられているので、内袋2を開封するに際し、内袋2の他端部を胴部10側に引っ張ることで、ノッチ31が起因して内袋2が胴部10の一端に沿って(胴部10の一端縁が定規の役目を担い)引き裂かれることになる。これにより、図13(ロ)に示す如く、内袋2には、体裁のよい真っ直ぐな端縁によって扁平状態にある開封口Oが形成されることになる。該内袋2は、両側端部の熱シールの幅が他端側ほど広くなるようなっているので、開封により形成された開封口Oの幅は、内袋2の内部より狭いものとなっている。
そして、図13(ハ)に示す如く、胴部10の側端(一対のシート壁部10a,10b同士の両側の接続部分)を把持し、胴部10の径方向に外力を作用させると、扁平状態にあった胴部10の一端開口、及び内袋2の開封口Oが大きく開くことになる。この際、他方のシート壁部10bは、切込部25a,25b間に位置する領域(第一溶着領域P1が介在する領域と、該領域以外の領域とが胴部10の周方向において異なった変形をすることになり、胴部10に大きな力を生じさせることなく、胴部10の一端開口及び内袋2の開封口Oを開くことができる。
そうすると、内袋2の開封口O近傍には、略円錐台状の開放空間が形成されることになるので、包装体を寝かせることで、内袋2内の被収容物Aが開封口Oに集まってきた状態で被収容物Aを取り出すことができる。
そして、被収容物Aを取り出した後に、図13(ニ)に示す如く、第五罫線L5で蓋片11を折り返し、係止片12aを切込部12bに差し込むことで、当該包装体が再封されることになる。一旦開封された包装体は、内袋2の開封口が胴部10の一端開口縁部に沿って形成されているので、上述の如く再封された状態で、内袋2の開封口が蓋片11と一方のシート壁部10aとの接続部分、及びその近傍の領域(第五罫線L5を含む所定の領域)により覆われた態様となっており、被収容物Aのこぼれ落ちが確実に防止されることになる。
そして、内袋2内の被収容物Aの量が減ると、一対のシート壁部10a,10bは、自己の弾性によって互いに接近しようとするが、当該包装体には、位置決片13が設けられているため、図14に示す如く、位置決片13の弾性(折り返しによる復元力)によって一対のシート壁部10a,10bの接近が阻止され、胴部10の他端部(下端部)が開口状態を維持されることになり、開封後であっても当該包装体を自立させることができる。
以上のように、本実施形態にかかる包装体によれば、被収容物Aを収容する内袋2を可撓性を有するフィルムで形成するとともに、シートを折曲加工して形成した外装体1に前記内袋2を内装するようにしたので、携行時に被収容物Aが破損してしまうのを確実に防止することができる。
また、該包装体は、胴部10の一端開口縁部近傍に内袋2を開封するノッチ31を設けたので、内袋2を開封するに当たり、胴部10の一端開口縁に沿って容易に開封することができる。また、このようにすることで、開封時に内袋2の引き裂き方向を一定方向にすることができ、開封後の内袋2の開封口Oを体裁よく形成することができる。
さらに、該包装体は、一対のシート壁部10a,10bの長手方向の一端部であって、短手方向の両端部の一部(第一被溶着領域P1’)同士を、内袋2の一部を介して貼着するようにしたので、内袋2が胴部10から抜け出るのを防止することができる。その上、第一溶着領域P1を挟んで胴部10の周方向に延びる一対の切込部bを設けたので、大きな把持力を作用させることなく、胴部10を変形させることができ、内袋2の開封口Oを容易に開口状態にすることができる。
該包装体は、位置決片13が設けられているので、胴部10に対して位置決めを容易に行うことができる。また、該位置決片13を設けることで、内袋2を胴部10内に内装するに際し、内袋2の一端が胴部10の他端にまで到達することがないので、一対のシート壁部10a,10bの他端部側の角部を丸くしても(角を落とした形状にしても)内袋2の一端側の角部が胴部10から突出することがなく、見栄えをよくすることができる。その上、位置決片13の形成領域内に舌片22を形成し、内袋2と舌片22と他方のシート壁部10bとを溶着するようにしたので、胴部10に対して位置決めされた内袋2の一端部をその状態で固定することができる。
該包装体は、原シートSを折曲加工して位置決片13を形成するようにしたので、内袋2内における被収容物Aの収容量に関係なく、胴部10の下端部を開口状態にすることができ、陳列時や開封後の何れであっても当該包装体を自立させて置くことができる。
さらに、内袋2の他端側における両側端部の熱シールの幅を、他端に向けるにつれて広くするようにした(他端側ほど非貼着領域が狭くなるようにした)ので、被収容物Aを容易に取り出すことができる。
尚、本発明の包装体は、上記第一及び第二実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
上記第一実施形態において、一対の壁フィルム30a,30bの周縁部を略均等な幅で熱シールして内袋2を形成するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、第二実施形態と同様に、他端側ほど熱シールの幅を広くするようにしても勿論よい。また、平面視台形状、或いは三角形状を呈する一対の壁フィルム30a,30bを重ね合わせ、該壁フィルム30a,30bの周縁部同士を略均等な幅で熱シールして内袋2を形成するとともに、先細りした部分を胴部10の一端開口縁部から延出させるように内袋2を胴部10に内装するようにし、内袋2に対して胴部10の一端開口縁部近傍にノッチ(開封手段)を設けるようにしてもよい。このようにしても、開封手段を介して内袋2を開封すると、内袋2に形成された開封口が内部よりも狭くなり、被収容物Aを安定して取り出すことができる。
また、上記第二実施形態において、一対の壁フィルム30a,30bの他端側の両側端部を、他端に向かうにつれて熱シールの幅が広くなるようにして内袋2を形成するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、第一実施形態と同様に、一対の壁フィルム30a,30bの周縁部を均等な幅で熱シールして内袋2を形成するようにしてもよい。
上記第二実施形態において、他方のシート壁部10b(他方の壁形成領域16b)に第一被溶着領域P1’を挟んで一対の切込部25a,25bを設けたが、これに限定されるものではなく、第一実施形態と同様に、一対のシート壁部10a,10b、及び内袋2の一部同士を溶着するようにしただけでも勿論よい。
上記第二実施形態において、胴部10に対して内袋2を第一溶着領域P1、及び第二溶着領域P2で溶着させるようにしたが、これに限定されるものではなく、胴部10からの内袋2の抜け落ちを防止するには、第一実施形態と同様に第一溶着領域P1のみで外装体1と内袋2とを溶着したり、第二溶着領域P2のみで外装体1と内袋2とを溶着したりしてもよい。
上記第二実施形態において、位置決片13の一部を切り込み、該位置決片13の形成領域内に舌片22が形成されるように構成したが、これに限定されるものではなく、第一実施形態と同様に、単に位置決片13のみ形成するようにしてもよい。
上記第一、及び第二実施形態において、内袋2に設けた開封手段を、V字型の切り欠きでノッチ31で構成するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、開封手段は、略I字型の切り込みからなるノッチや、ハーフカット等で構成するようにしてもよい。
上記第一、及び第二実施形態において、蓋片11を折り返し状態で保持させる保持手段12として、蓋片11の延出方向に凸状に形成された係止片12aと、該係止片12bを差し込むべく、胴部10(他方のシート壁部10b)に切り込まれた切込部12bとで構成したが、これに限定されるものではなく、例えば、係止片を蓋片11の先端から基端に向けて延設(第一、及び第二実施形態とは反対側に延設)し、該係止片を前記切込部12bに差し込むように構成してもよい。また、保持手段は、例えば、雄雌一対のホックボタンや、雄雌一対の面ファスナー等で構成し、雄雌の何れか一方を蓋片11に取り付け、他方を胴部10に取り付けるようにしてもよい。
上記第一、及び第二実施形態において、一対のシート壁部10a,10bの両側端部同士を接続して胴部10を扁平状に形成するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、シートを折り曲げ加工して胴部10を角筒状に形成するようにしてもよい。具体的には、図15に示す如く、シートを折り曲げ加工して四つのシート壁部10a,10b,10c,10cからなる角筒状の胴部10と、何れか一つの壁面10aの一端を基端にして延設され、胴部10の一端開口を閉塞する蓋片11とを備えた外装体1を形成するようにしてもよい。ただし、この形態の外装体1において、蓋片11の折り返し(当該包装体の再封性)を考慮すれば、四つのシート壁部10a,10b,10c,10cのうち、互いに対向する一対のシート壁部10a,10bを他のシート壁部10c、10cよりも胴部10の中心線方向の長さを長くして一対のシート壁部10a,10bの一端部で突片を形成した態様で胴部10を形成するとともに、該一方のシート壁部10aの一端(突片状をなす先端)を基端にして前記蓋片11を延設することが好ましい。この場合においても、胴部10の一端開口近傍、すなわち、突片状となる先端近傍となる内袋2の側端部に開封手段を設けることで、該胴部10の一端開口縁(他方のシート壁部10bの一端縁)に沿って内袋2を開封することができる。また、一対のシート壁部10a,10bの一端側の角部(突片状をなす先端側の両角部)の一部と、該胴部10に内装した内袋2の両側端部の一部の領域とを溶着した溶着領域Pを形成して内袋2の抜け止めを図るようにしてもよい。さらに、上記第二実施形態と同様に、何れか一方のシート壁部10a,10bに貼着領域Pを挟んで胴部10の周方向に延びる一対の切込部(図示しない)を設けるようにしてもよい。そして、上記第一、及び第二実施形態と同様に、蓋片11の延設されたシート壁部10aと対向する他方のシート壁部10bの他端を基端にして延設されて胴部10内に折り返された位置決片13を設けるようにしたり、四つのシート壁部10a,10b,10c,10cで形成された胴部10の他端開口を閉塞する底部(底片)を設けたりしてもよい。
上記第一、及び第二実施形態において、胴部10を構成する一方のシート壁部10aの一端を基端にして蓋片11を延設するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば他方のシート壁部10bの一端を基端にして蓋片11を延設するようにしてもよい。すなわち、蓋片11を位置決片13の延設された他方のシート壁部10bに延設するようにしてもよい。
上記第一、及び第二実施形態において、外装体1と内袋2との貼着(溶着領域P、第一溶着領域P1、及び第二溶着領域P2の貼着)を超音波シールによる溶着で行うようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、単なる熱シールを行ったり、接着剤や粘着テープを介して行ったりするようにしてもよい。
上記第一、及び第二実施形態において、外装体1に位置決片13を設け、製造時において内袋2を胴部10に対して位置決めを行い、製品として完成した際に内袋2の抜け落ち防止を確実に行えるようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、外装体1を胴部10と蓋片11とで構成するようにしてもよい。この場合、内袋2の抜け落ちを防止すべく、内袋2と胴部10とを貼着するようにしたり、胴部10の他端開口を完全に閉塞するようにすることが好ましい。
また、上記第一、及び第二実施形態において、外装体1と内袋2とを貼着し、胴部10からの内袋2の抜け落ちを防止するようにしたが、これに限定されるものではなく、単に内袋2を胴部10内に内装しただけであっても勿論よい。この場合、上記第一、及び第二実施形態と同様に、外装体1には位置決片13を設けたり、胴部10の他端開口を閉塞したりするようにすれば、外装体1を起立状態で配置しても胴部10から内袋2が抜け落ちることを防止することができる。
本発明の第一実施形態にかかる包装体の全体斜視図を示す。 第一実施形態にかかる包装体の縦断面図を示す。 第一実施形態にかかる外装体を展開した原シートの平面図を示す。 第一実施形態にかかる内袋の平面図を示す。 第一実施形態にかかる包装体を陳列した状態の斜視図を示す。 第一実施形態にかかる包装体の開封工程を説明するための斜視図であって、(イ)は、内袋を開封する際の状態を示し、(ロ)は、内袋が開封された状態を示す、(ハ)は、被収容物を取り出す際の状態を示し、(二)は、包装体を再封した状態を示す。 第一実施形態同実施形態にかかる外装体の縦断面図であって、被収容物が減少した状態で蓋体を閉じた状態を示す。 本発明の第二実施形態にかかる包装体の全体斜視図を示す。 第二実施形態にかかる包装体の縦断面図を示す。 第二実施形態にかかる外装体を展開した原シートの平面図を示す。 第二実施形態にかかる内袋の平面図を示す。 第二実施形態にかかる包装体を陳列した状態の斜視図を示す。 第二実施形態にかかる包装体の開封工程を説明するための斜視図であって、(イ)は、内袋を開封する際の状態を示し、(ロ)は、内袋が開封された状態を示す、(ハ)は、被収容物を取り出す際の状態を示し、(二)は、包装体を再封した状態を示す。 第二実施形態にかかる外装体の縦断面図であって、被収容物が減少した状態で蓋体を閉じた状態を示す。 本発明の他実施形態にかかる外装体の全体斜視図を示す。
符号の説明
1…外装体、2…内袋、10…胴部、10a,10b…シート壁部、11…蓋片、12…保持手段、13…位置決片、30a,30b…壁フィルム(フィルム)、31…ノッチ、A…被収容物、 S…原シート(シート)

Claims (1)

  1. シートを折曲加工して形成された外装体と、複数の被収容物を収容すべく、可撓性を有するフィルムから袋状に形成された内袋とで構成された包装体であって、
    前記外装体は、少なくとも一端が開口した筒状の胴部と、該胴部の一端開口縁部を基端にして延設され、胴部側に折り返し可能な蓋片とで構成されるとともに、蓋片を折り返し状態で保持する保持手段を備え、
    前記内袋は、被収容物を収容する一端側が、前記胴部に収容された状態で、他端側が前記基端よりも外側に延出し、且つ前記胴部の一端開口縁部の近傍に開封手段が設けられ
    前記胴部は、両側端同士が接続されて互いに対向する一対のシート壁部によって扁平状に形成され、前記蓋片が何れか一方のシート壁部の一端を基端にして延設され、
    前記胴部の一対のシート壁部の両側端近傍で且つ一端開口縁部近傍の一部の領域と、胴部に内装された内袋の一部の領域とが一体的に溶着され、前記一対のシート壁部の何れか一方には、前記一対のシート壁部の一部と内袋の一部とを溶着させた溶着領域を挟んで胴部の周方向に延びる一対の切込部が形成されていることを特徴とする包装体。
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