JP4344156B2 - 物性値算出方法、物性値算出装置、画像作成装置及びコンピュータプログラム - Google Patents

物性値算出方法、物性値算出装置、画像作成装置及びコンピュータプログラム Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、複数の原子が結合して構成される分子の物性値を算出する物性値算出方法、その方法を適用した物性値算出装置、その装置にて物性値が算出される分子の結合状況を作成する画像作成装置、及びその物性値算出装置を実現するためのコンピュータプログラムに関し、特に高分子化合物を構成する単位となる単量体等の分子を粗視化して、粗視化した夫々の粗視化単位間のボンド、アングル及びトーション等の結合関係毎のポテンシャルエネルギ値を算出する物性値算出方法、物性値算出装置及びコンピュータプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
高分子化合物は数千から数百万、更にはそれ以上の原子からなる巨大な分子であり、多様な構造とその構造に依存する特徴的な機能とを持っている。
例えばポリエチレンのような単純な構造の分子でさえも、分子量、分子量分布、分岐構造及び分岐度等の全体構造を制御することにより、様々な特性を持つ材料を創り出すことができる。
しかし現在の高分子化合物材料は、その可能性のごく一部を実現しているに過ぎない。
そこで高分子化合物の可能性を探索し、開発に活かすべくコンピュータ等の計算機を用いて高分子化合物の特性を設計段階から予測及び評価することが求められている。
【0003】
高分子化合物では、数十nmの構造からμmスケール以上の大きさの構造まで材料特性に影響を与えるため、開発に際しては多様な空間スケールを持つ因子が複雑に絡まった系を最適化し、設計していかなければならない。
即ち、材料開発におけるシミュレーションシステムは、このように広い空間スケールを網羅する必要があり、これを扱うことは単一の方法論及び単一のモデル化では不可能である。
そこで現象の時間スケールと空間スケールとに応じて適切なモデル化を行い、それらを組み合わせてミクロ世界とマクロ世界とをつなぐものがメソスコピックシミュレーションであり、そしてシームレスズーミングという考え方である。
シームレスズーミングとは、nmスケールのミクロ世界からcmスケールのマクロ世界を自由に行き来することを可能にする仮想実験技術であり、この広い空間スケールに渡る領域を自由に行き来し、夫々の階層の情報を活かしながら、現象の予測、解析及び設計を行うことのできるシミュレーションツールである。
【0004】
シームレスズーミングの基礎となっているのは、メソスコピックモデリングの考え方であり、メソスコピックモデリングとはマクロ世界とミクロ世界との間に様々な中間階層を設定し、夫々の階層に応じて現象の本質的な部分を取り出したモデル化を行うという考え方である。
そして与えられた対象に対して、異なる階層の間を自由に行き来し、ミクロ世界からマクロ世界までの間の任意のスケールの現象に対して仮想実験を行うことがシームレスズーミングの最終目標である。
そのためには、先ずメソスコピック領域の現象を高速かつ正確にシミュレートすることが可能なメソスコピックシミュレーションエンジンが必要であり、夫々のスケールのエンジンを協調させることによって問題の解決を図る仮想実験技術の確立が求められる。
【0005】
このような分子モデルのシミュレーションに関しては例えば非特許文献1に開示されている。
【0006】
【非特許文献1】
田崎弘恭、外3名、「材料設計におけるメソスコピックシミュレーション」、日本シミュレーション学会、シミュレーション、平成12年3月、第19巻、第1号、p.17−25
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらメソスコピックシミュレーションエンジンは、任意のメソスコピックな階層で起こる現象を精密にシミュレーションするものであり、シームレスズーミングの概念を実現化すべく各階層にて夫々のエンジンを協調して動作させることが求められる。
即ちミクロスコピックなエンジンをマクロスコピックなエンジンにつなげるためには、ミクロスコピック側からマクロスコピック側で必要とされるパラメータをマクロスコピック側のエンジンで認識することが可能な形式で出力しなければならない。
【0008】
ところが非特許文献1では、粗視化分子動力学法エンジンにてユナイテッドアトム等の簡単化した分子モデルについて分子動力学に基づくシミュレーションを行う方法が記載されているが、当該エンジンにつなげるためのパラメータとなる粗視化データを原子同士の物性値及び分子の形状等の諸条件に基づき手作業で作成しているため、非効率的であるという問題がある。
【0009】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、高分子化合物を構成する単位となる単量体等の分子を構成する複数の原子の中で、任意の連なる複数の原子の指定に基づき粗視化単位(ユナイテッドアトム)を決定し、決定した粗視化単位間のボンド(結合)、アングル(結合角)及びトーション(二面角)等の結合に関するポテンシャルエネルギ値等の物性値を分子動力学等の方法を用いて求めることにより、粗視化分子動力学法エンジンにつなげるためのパラメータとなる粗視化データを自動的に算出することを可能とし、しかも計算の対象が原子ではなく粗視化単位であるので必要な計算量を大幅に削減することができるため更に大規模な系(階層)に展開した場合での計算も容易に実現することが可能となるので、高分子化学物質の材料設計等の用途における仮想実験技術の効率化を支援することができる物性値算出方法、その方法を適用した物性値算出装置、その装置にて物性値が算出される分子の結合状況を作成する画像作成装置、及びその物性値算出装置を実現するためのコンピュータプログラムの提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る物性値算出方法は、複数の原子が結合して構成される分子の物性値を算出する物性値算出装置による物性値算出方法において、前記物性値算出装置は、原子を識別する原子識別情報に原子を示す原子情報を対応付けて記録する原子データベースと、所定の結合関係にある複数の原子の原子識別情報を対応付けて記録する分子構造データベースと、連なる複数の原子の原子識別情報を粗視化単位として、該粗視化単位を識別する粗視化単位識別情報に対応付けて記録する粗視化単位データベースと、所定の結合関係にある複数の粗視化単位の粗視化単位識別情報を記録する粗視化構造データベースとにアクセスすることが可能であり、分子を構成する複数の原子を示す原子情報を受け付けるステップと、受け付けた原子情報に原子識別情報を付与して原子データベースに記録するステップと、受け付けた原子情報が示す原子の結合関係を示す情報を受け付けるステップと、受け付けた結合関係を示す情報に基づいて分子構造データベースに所定の結合関係にある原子の原子識別情報を記録するステップと、任意の連なる複数の原子の指定を受け付けるステップと、指定された連なる複数の原子を、粗視化単位として粗視化単位識別情報を付与し、粗視化単位に含まれる原子の原子識別情報を粗視化単位識別情報に対応付けて粗視化単位データベースに記録するステップと、分子構造データベースの記録内容に基づく原子の結合関係及び指定された粗視化単位に基づいて粗視化単位の結合関係を求めるステップと、求めた粗視化単位の結合関係に基づいて粗視化構造データベースに所定の結合関係にある粗視化単位の粗視化単位識別情報を記録するステップと、粗視化構造データベースの記録内容に基づく粗視化単位の結合関係及び分子構造データベースの記録内容に基づく原子の結合関係から、粗視化単位間の結合関係に関する物性値を算出するステップとを実行することを特徴とする。
【0011】
第1発明に係る物性値算出方法では、高分子化合物を構成する単位となる単量体等の分子を構成する複数の原子の中で、任意の連なる複数の原子を粗視化単位とし、粗視化単位間のボンド(結合)、アングル(結合角)及びトーション(二面角)等の結合に関するポテンシャルエネルギ値等の物性値を分子動力学等の方法を用いて求めることにより、粗視化分子動力学法エンジン等のシミュレーションを行う他の計算プログラムにつなげるためのパラメータとなる粗視化データを自動的に算出することを可能とし、しかも計算の対象が原子ではなく粗視化単位であるため必要な計算量を大幅に削減することができるため更に大規模な系に展開した場合での計算も容易に実現することができるようになるので、分子設計等の用途におけるシミュレーション技術の利用の効率化を支援することが可能である。
例えば三つのベンゼン環を有する分子を想定し、各ベンゼン環を粗視化単位として指定したとすると、従来の方法の様に原子を計算の対象として物性値を算出する場合には、計算の対象となる原子が30個であるのに対し、粗視化単位で物性値を算出することにより計算の対象となる粗視化単位は3個となる。
計算量は原子数の二乗に比例すると考えられるため、上述した例では計算時間が約1/100になることが推定され、従って更に大規模な系への展開も容易に実現することが可能である。
【0014】
発明に係る物性値算出装置は、複数の原子が結合して構成される分子に関する物性値を算出する物性値算出装置において、原子を識別する原子識別情報に原子を示す原子情報を対応付けて記録する原子データベースと、所定の結合関係にある複数の原子の原子識別情報を対応付けて記録する分子構造データベースと、連なる複数の原子の原子識別情報を粗視化単位として、該粗視化単位を識別する粗視化単位識別情報に対応付けて記録する粗視化単位データベースと、所定の結合関係にある複数の粗視化単位の粗視化単位識別情報を記録する粗視化構造データベースと、分子を構成する複数の原子を示す原子情報を受け付ける手段と、受け付けた原子情報に原子識別情報を付与して原子データベースに記録する手段と、受け付けた原子情報が示す原子の結合関係を示す情報を受け付ける手段と、受け付けた結合関係を示す情報に基づいて分子構造データベースに所定の結合関係にある原子の原子識別情報を記録する手段と、任意の連なる複数の原子の指定を受け付ける手段と、指定された連なる複数の原子を粗視化単位として粗視化単位識別情報を付与し、粗視化単位に含まれる原子の原子識別情報を粗視化単位識別情報に対応付けて粗視化単位データベースに記録する手段と、分子構造データベースの記録内容に基づく原子の結合関係及び指定された粗視化単位に基づいて粗視化単位の結合関係を求める手段と、求めた粗視化単位の結合関係に基づいて粗視化構造データベースに所定の結合関係にある粗視化単位の粗視化単位識別情報を記録する手段と、粗視化構造データベースの記録内容に基づく粗視化単位の結合関係及び分子構造データベースの記録内容に基づく原子の結合関係から、粗視化単位間の結合関係に関する物性値を算出する物性値算出手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
発明に係る物性値算出装置では、分子を構成する複数の原子の中で、指定された任意の連なる複数の原子を粗視化単位とし、分子を構成する複数の原子の結合関係及び指定された粗視化単位に基づいて粗視化単位の結合関係を求め、求めた粗視化単位の結合関係及び原子の結合関係から、粗視化単位間の結合に関する物性値を求めることにより、粗視化分子動力学法エンジン等のシミュレーションを行う他の計算プログラムにつなげるためのパラメータとなる粗視化データを自動的に算出することを可能とし、しかも計算の対象が原子ではなく粗視化単位であるので必要な計算量を大幅に削減することができるため更に大規模な系に展開した場合での計算も容易に実現することができるようになるので、分子設計等の用途におけるシミュレーション技術の利用の効率化を支援することが可能である。
【0016】
発明に係る物性値算出装置は、第発明において、前記分子構造データベースは、結合する二つの原子の原子識別情報を対応付けて記録する原子結合データベースと、連なる三つの原子の原子識別情報を対応付けて記録する原子結合角データベースと、直鎖状に連なる四つの原子の原子識別情報を対応付けて記録する原子二面角データベースとを有し、前記粗視化構造データベースは、結合する二つの粗視化単位の粗視化単位識別情報を対応付けて記録する粗視化単位結合データベースと、連なる三つの粗視化単位の粗視化単位識別情報を対応付けて記録する粗視化単位結合角データベースと、直鎖状に連なる四つの原子の原子識別情報を対応付けて記録する粗視化単位二面角データベースとを有することを特徴とする。
【0017】
発明に係る物性値算出装置では、原子の結合関係及び粗視化単位の結合関係としてボンド(結合)、アングル(結合角)及びトーション(二面角)を用いることにより、粗視化単位間の平面的及び立体的な関係に基づく動力学的な物性値を算出することが可能である。
【0018】
発明に係る物性値算出装置は、第発明又は第発明において、前記物性値算出手段は、前記分子構造データベースに記録されている複数の結合関係から、分子動力学に基づく所定の計算方法にて各原子の位置を示す位置情報の時間変化を算出する手段と、算出した各原子の位置情報の時間変化を原子識別情報に対応付けて記録する手段と、粗視化構造データベースから粗視化単位毎の原子識別情報を抽出する手段と、抽出した粗視化単位毎の原子識別情報及び該原子識別情報にて識別される各原子の位置情報の時間変化に基づいて、所定の結合関係にある各粗視化単位の位置を示す位置情報の時間変化を分布関数として算出する手段と、算出した分布関数から所定の結合関係にある粗視化単位の物性値を算出する手段とを含み、前記所定の結合関係にある粗視化単位の物性値は、分布関数の対数に基づくポテンシャルエネルギ値であることを特徴とする。
【0019】
発明に係る物性値算出装置では、分子動力学に基づく計算により粗視化単位の重心の位置の変化を分布関数として算出し、算出した分布関数から物性値としてポテンシャルエネルギ値を算出することにより、粗視化分子動力学法エンジン等のシミュレーションを行う他の計算プログラムにつなげるためのパラメータとなる物性値を精度良く算出することができ、しかも大規模な系に展開した場合での計算も容易に実現することが可能となるので、分子設計等の用途におけるシミュレーション技術の利用の効率化を支援することが可能である。
【0020】
発明に係る物性値算出装置は、第2発明乃至第発明のいずれかにおいて、前記分子は、高分子化合物を構成する単位となる単量体であることを特徴とする。
【0021】
発明に係る物性値算出装置では、高分子化合物を構成する単位となる単量体の物性値を算出することにより、様々な特性を持つ材料の設計を支援することが可能である。
【0022】
発明に係る画像作成装置は、複数の原子が結合して構成される分子の画像を作成する画像作成装置において、原子を識別する原子識別情報に原子を示す原子情報を対応付けて記録する原子データベースと、所定の結合関係にある複数の原子の原子識別情報を対応付けて記録する分子構造データベースと、連なる複数の原子の原子識別情報を粗視化単位として、該粗視化単位を識別する粗視化単位識別情報に対応付けて記録する粗視化単位データベースと、所定の結合関係にある複数の粗視化単位の粗視化単位識別情報を記録する粗視化構造データベースとにアクセスする手段を備え、更に、分子を構成する複数の原子を示す原子情報を受け付ける手段と、受け付けた原子情報に原子識別情報を付与して原子データベースに記録する手段と、受け付けた原子情報が示す原子の結合関係を示す情報を受け付ける手段と、受け付けた結合関係を示す情報に基づいて分子構造データベースに所定の結合関係にある原子の原子識別情報を記録する手段と、任意の連なる複数の原子の指定を受け付ける手段と、指定された連なる複数の原子を粗視化単位として粗視化単位識別情報を付与し、粗視化単位に含まれる原子の原子識別情報を粗視化単位識別情報に対応付けて粗視化単位データベースに記録する手段と、分子構造データベースの記録内容に基づく原子の結合関係及び指定された粗視化単位に基づいて粗視化単位の結合関係を求める手段と、求めた粗視化単位の結合関係に基づいて粗視化構造データベースに所定の結合関係にある粗視化単位の粗視化単位識別情報を記録する手段と、粗視化構造データベースの記録内容に基づく粗視化単位の結合関係及び分子構造データベースの記録内容に基づく原子の結合関係から、粗視化単位間の結合関係に関する物性値を算出する手段と、粗視化単位間の結合関係及び該結合関係に関する物性値に基づいて、指定された連なる複数の原子を、一つの粗視化単位として示す画像を作成する手段とを備えることを特徴とする。
【0023】
発明に係る画像作成装置は、指定された複数の原子を一つの粗視化単位として示す画像を作成することにより、分子の粗視化的な構造を視覚的に捉えやすくすることが可能である。
【0024】
発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、複数の原子が結合して構成される分子に関する物性値を算出させるコンピュータプログラムにおいて、コンピュータに、分子を構成する複数の原子を示す原子情報を受け付けた場合に、原子を識別する原子識別情報に原子を示す原子情報を対応付けて記録する原子データベースにアクセスして、受け付けた原子情報に原子識別情報を付与して原子データベースに記録させる手順と、コンピュータに、受け付けた原子情報が示す原子の結合関係を示す情報を受け付けた場合に、所定の結合関係にある複数の原子の原子識別情報を対応付けて記録する分子構造データベースにアクセスして、受け付けた結合関係を示す情報に基づいて分子構造データベースに所定の結合関係にある原子の原子識別情報を記録させる手順と、コンピュータに、任意の連なる複数の原子の指定を受け付けた場合に、連なる複数の原子の原子識別情報を粗視化単位として、該粗視化単位を識別する粗視化単位識別情報に対応付けて記録する粗視化単位データベースにアクセスして、指定された連なる複数の原子を粗視化単位として粗視化単位識別情報を付与し、粗視化単位に含まれる原子の原子識別情報を粗視化単位識別情報に対応付けて粗視化単位データベースに記録させる手順と、コンピュータに、分子構造データベースの記録内容に基づく原子の結合関係及び指定された粗視化単位に基づいて粗視化単位の結合関係を求めさせる手順と、コンピュータに、所定の結合関係にある複数の粗視化単位の粗視化単位識別情報を記録する粗視化構造データベースにアクセスして、求めた粗視化単位の結合関係に基づいて粗視化構造データベースに所定の結合関係にある粗視化単位の粗視化単位識別情報を記録させる手順と、コンピュータに、粗視化構造データベースの記録内容に基づく粗視化単位の結合関係及び分子構造データベースの記録内容に基づく原子の結合関係から、粗視化単位間の結合関係に関する物性値を算出させる手順とを実行させることを特徴とする。
【0025】
発明に係るコンピュータプログラムでは、コンピュータにて実行することで、コンピュータが物性値算出装置として作動し、高分子化合物を構成する単位となる単量体等の分子を構成する複数の原子の中で、任意の連なる複数の原子を粗視化単位とし、粗視化単位間のボンド(結合)、アングル(結合角)及びトーション(二面角)等の結合に関するポテンシャルエネルギ値等の物性値を分子動力学等の方法を用いて求めることにより、粗視化分子動力学法エンジン等のシミュレーションを行う他の計算プログラムにつなげるためのパラメータとなる粗視化データを自動的に算出することを可能とし、しかも計算の対象が原子ではなく粗視化単位であるので必要な計算量を大幅に削減することができるため更に大規模な系に展開した場合での計算も容易に実現することができるようになるので、分子設計等の用途におけるシミュレーション技術の利用の効率化を支援することが可能である。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は本発明の物性値算出装置の構成を示すブロック図である。
図1中1は、汎用型コンピュータを用いた物性値算出装置であり、物性値算出装置1は、装置全体を制御するCPU11、本発明の物性値算出装置用のコンピュータプログラムPG及びデータ等の各種情報を記録したCD−ROM等の記録媒体RECから各種情報を読み取るCD−ROMドライブ等の補助記憶手段12、補助記憶手段12により読み取られたコンピュータプログラムPG及びデータ等の各種情報を記録するハードディスク等の記録手段13、各種情報を一時的に記憶するRAM14、マウス及びキーボード等の入力手段15並びにモニタ及びプリンタ等の出力手段16を備えている。
そして記録手段13から本発明のコンピュータプログラムPG及びデータ等の各種情報を読み取り、RAM14に記憶させてコンピュータプログラムPGに含まれる各種手順をCPU11により実行することで、汎用型コンピュータは本発明の物性値算出装置10として動作する。
【0029】
図2は本発明の物性値算出装置1が備える記録手段13に記録されている各種データベースを示すブロック図である。
記録手段13の記録領域の一部は、分子を構成する原子について記録する原子データベース(原子DB)131、複数の原子の結合関係について記録する分子構造データベース(分子構造DB)132、複数の原子を含む粗視化単位について記録する粗視化単位データベース(粗視化単位DB)133、複数の粗視化単位の結合関係について記録する粗視化構造データベース(粗視化構造DB)134、原子の位置について記録する位置情報データベース(位置情報DB)135、粗視化単位の結合関係に関して計算した結果となる物性値について記録する物性値データベース(物性値DB)136、及び原子の基本的な各種物性値について記録する基本情報データベース(基本情報DB)137等の各種データベースとして用いられている。
【0030】
分子構造データベース132は、ボンドの関係にある原子について記録する原子結合データベース(原子結合DB)132a、アングルの関係にある原子について記録する原子結合角データベース(原子結合角DB)132b及びトーションの関係にある原子について記録する原子二面角データベース(原子二面角DB)132cを含んでいる。
【0031】
粗視化構造データベース134は、ボンドの関係にある粗視化単位について記録する粗視化単位結合データベース(粗視化単位結合DB)134a、アングルの関係にある粗視化単位について記録する粗視化単位結合角データベース(粗視化単位結合角DB)134b及びトーションの関係にある粗視化単位について記録する粗視化単位二面角データベース(粗視化単位二面角DB)134cを含んでいる。
【0032】
物性値データベース136は、ボンドの関係にある粗視化単位に関する物性値について記録する物性値結合データベース(物性値結合DB)136a、アングルの関係にある粗視化単位に関する物性値について記録する物性値結合角データベース(物性値結合角DB)136b、トーションの関係にある粗視化単位に関する物性値について記録する物性値二面角データベース(物性値二面角DB)136c及び非結合ボンドの関係にある粗視化単位に関する物性値について記録する物性値非結合データベース(物性値非結合DB)136dを含んでいる。
【0033】
基本情報データベース137は、本発明の物性値算出方法にて用いられる基本的な情報を記録しているデータベースであり、本発明の物性値算出装置1を実現するために独自に開発するようにしても良いが、様々な機関から有償又は無償で提供されている既存のデータベースを利用するようにしても良い。
基本情報データベース137は、ボンドの関係にある原子に関する物性値について記録する基本物性値結合データベース(基本物性値結合DB)137a、アングルの関係にある原子に関する物性値について記録する基本物性値結合角データベース(基本物性値結合角DB)137b、トーションの関係にある原子に関する物性値について記録する基本物性値二面角データベース(基本物性値二面角DB)137c及び非結合ボンドの関係にある原子に関する物性値について記録する基本物性値非結合データベース(基本物性値非結合DB)137dを含んでいる。
【0034】
なお物性値算出装置1が備える記録手段13の記録領域の一部を各種データベースとして用いるのではなく、物性値算出装置1に接続する他の装置を各種データベースとして用い、必要に応じて各種データベースにアクセスし、データの記録/読取を行うようにしても良い。
【0035】
次に原子の結合関係並びに粗視化単位及び粗視化単位の結合関係について説明する。
図3は本発明の物性値算出装置1にて取り扱う原子の結合関係を示す模式図である。
なおここでいう結合とは共有結合による結合を言う。
図3(a)では、ボンドと呼ばれる結合関係を示しており、ボンドでは図3(a)中にatom1及びatom2として示した二つの原子が結合した関係にあり、原子間の距離Lが伸縮する振動運動を行っている。
ボンドの結合関係にある原子間にはポテンシャルエネルギ値として示されるエネルギ場が存在し、エネルギ場は振動運動に伴い経時的に変化する。
【0036】
図3(b)では、アングルと呼ばれる結合関係を示しており、アングルでは図3(b)中にatom1、atom2及びatom3として示した三つの原子が直鎖状に連なる関係にあり、中央に位置するatom2を頂点として形成される角度Θが変化する変角振動運動を行っている。
アングルの結合関係にある原子間にはポテンシャルエネルギ値として示されるエネルギ場が存在し、エネルギ場は変角振動運動に伴い経時的に変化する。
【0037】
図3(c)では、トーションと呼ばれる結合関係を示しており、トーションでは図3(c)中にatom1、atom2、atom3及びatom4として示した四つの原子が直鎖状に連なる関係にあり、atom1、atom2及びatom3により決定される平面と、atom2、atom3及びatom4により決定される平面とがなす二面角の角度Φが変化する変角振動を行っている。
トーションの結合関係にある原子間にはポテンシャルエネルギ値として示されるエネルギ場が存在し、エネルギ場は変角振動運動に伴い経時的に変化する。
【0038】
図4は物性値算出装置1にて取り扱う粗視化単位の構造を示す模式図である。
粗視化単位とは、連なる複数の原子を、分子を構成する一つの集合体と見なしたものであり、力学的処理及び統計学的処理等の様々な処理の対象となる単位である。
図4に示す例では、三つの連なる原子atom1、atom2及びatom3が粗視化単位unit1を構成し、三つの連なる原子atom4、atom5及びatom6が粗視化単位unit2を構成し、そして二つの連なる原子atom7及びatom8が粗視化単位unit3を構成している。
なお一つの原子を一つの粗視化単位と見なすようにしても良い。
【0039】
図5は本発明の物性値算出装置1にて取り扱う粗視化単位の結合関係を示す模式図である。
図5(a)では、ボンドと呼ばれる結合関係を示しており、ボンドでは図5(a)中にunit1及びunit2として示した二つの粗視化単位が結合した関係にあり、粗視化単位の重心間の距離Lが伸縮する振動運動を行っている。
ボンドの結合関係にある粗視化単位間にはポテンシャルエネルギ値として示されるエネルギ場が存在し、エネルギ場は振動運動に伴い経時的に変化する。
【0040】
図5(b)では、アングルと呼ばれる結合関係を示しており、アングルでは図5(b)中にunit1、unit2及びunit3として示した三つの粗視化単位が直鎖状に連なる関係にあり、中央に位置するunit2の重心を頂点として形成される角度Θが変化する変角振動運動を行っている。
アングルの結合関係にある粗視化単位間にはポテンシャルエネルギ値として示されるエネルギ場が存在し、エネルギ場は変角振動運動に伴い経時的に変化する。
【0041】
図5(c)では、トーションと呼ばれる結合関係を示しており、トーションでは図5(c)中にunit1、unit2、unit3及びunit4として示した四つの粗視化単位が直鎖状に連なる関係にあり、unit1、unit2及びunit3により決定される平面と、unit2、unit3及びunit4により決定される平面とがなす二面角の角度Φが変化する変角振動を行っている。
トーションの結合関係にある粗視化単位間にはポテンシャルエネルギ値として示されるエネルギ場が存在し、エネルギ場は変角振動運動に伴い経時的に変化する。
【0042】
次に本発明の物性値算出装置1が備える各種データベースの記録内容について説明する。
図6は本発明の物性値算出装置1が備える原子データベース131の記録内容を概念的に示す説明図である。
原子データベース131は、原子を識別する原子識別情報に対応付けて、炭素及び水素等の原子の名称及び種類等の原子情報を記録するデータベースであり、本発明の物性値算出装置1を用いて行われる分子設計において、設計の対象となる分子を構成する全ての原子についての情報が記録される。
【0043】
図7は本発明の物性値算出装置1が備える分子構造データベース132の記録内容を概念的に示す説明図である。
図7(a)は分子構造データベース132に含まれる原子結合データベース132aの記録内容を概念的に示す説明図である。
原子結合データベース132aには、atom1及びatom2として示す様に、ボンドの関係にある二つの原子の原子識別情報が対応付けられたレコードとして記録されている。
【0044】
図7(b)は分子構造データベース132に含まれる原子結合角データベース132bの記録内容を概念的に示す説明図である。
原子結合角データベース132bには、頂点となるatom2並びにatom2に結合する一方の原子atom1及び他方の原子atom3として示す様に、アングルの関係にある三つの原子の原子識別情報が対応付けられたレコードとして記録されている。
【0045】
図7(c)は分子構造データベース132に含まれる原子二面角データベース132cの記録内容を概念的に示す説明図である。
原子二面角データベース132cには、二面角を形成する二つの平面が交差することで形成される直線上に位置する一方の原子atom2及び他方の原子atom3と、atom2と結合する原子atom1及びatom3と結合するatom4として示す様に、トーションの関係にある四つの原子の原子識別情報が対応付けられたレコードとして記録されている。
【0046】
図8は本発明の物性値算出装置1が備える粗視化単位データベース133の記録内容を概念的に示す説明図である。
粗視化単位データベース133は、粗視化単位を識別する粗視化単位識別情報に対応付けて粗視化単位を構成する原子の原子識別情報が記録されている。
【0047】
図9は本発明の物性値算出装置1が備える粗視化構造データベース134の記録内容を概念的に示す説明図である。
図9(a)は粗視化構造データベース134に含まれる粗視化単位結合データベース134aの記録内容を概念的に示す説明図である。
原子結合データベース134aには、unit1及びunit2として示す様に、ボンドの関係にある二つの粗視化単位の粗視化単位識別情報が対応付けられたレコードとして記録されている。
【0048】
図9(b)は粗視化構造データベース134に含まれる粗視化単位結合角データベース134bの記録内容を概念的に示す説明図である。
粗視化単位結合角データベース132bには、頂点となるunit2並びにunit2に結合する一方の粗視化単位unit1及び他方の粗視化単位unit3として示す様に、アングルの関係にある三つの粗視化単位の粗視化単位識別情報が対応付けられたレコードとして記録されている。
【0049】
図9(c)は粗視化構造データベース134に含まれる粗視化単位二面角データベース134cの記録内容を概念的に示す説明図である。
粗視化単位二面角データベース134cには、二面角を形成する二つの平面が交差することで形成される直線上に位置する一方の粗視化単位unit2及び他方の粗視化単位unit3と、unit2と結合する粗視化単位unit1及びunit3と結合するunit4して示す様に、トーションの関係にある四つの粗視化単位の粗視化単位識別情報が対応付けられたレコードとして記録されている。
【0050】
図10は本発明の物性値算出装置1が備える位置情報データベース135の記録内容を概念的に示す説明図である。
位置情報データベース135には、原子を識別する原子識別情報に対応付けて、原子の位置を、例えばX座標、Y座標及びZ座標として示す位置情報が記録されている。
ただし原子は振動運動等の運動により、その位置が経時的に変化しているため、これらの位置情報は、時刻を示す離散的な複数の時刻情報の夫々に対応付けられた経時的な変化を示す離散値として記録されている。
【0051】
図11は本発明の物性値算出装置1が備える物性値データベース136に含まれる物性値結合データベース136aの記録内容を概念的に示す説明図である。
物性値データベース136は、粗視化単位間の結合関係に関する物性値として算出されるポテンシャルエネルギ値を記録するデータベースであり、物性値データベース136に含まれる物性値結合データベース136aには、当該レコードを識別する物性値識別情報に対応付けてボンドの関係にある二つの粗視化単位の粗視化単位識別情報及び物性値であるポテンシャルエネルギ値が記録される。
【0052】
図12は本発明の物性値算出装置1が備える物性値データベース136に含まれる物性値結合角データベース136bの記録内容を概念的に示す説明図である。
物性値データベース136に含まれる物性値結合角データベース136bには、当該レコードを識別する物性値識別情報に対応付けてアングルの関係にある三つの粗視化単位の粗視化単位識別情報及び物性値であるポテンシャルエネルギ値が記録される。
【0053】
図13は本発明の物性値算出装置1が備える物性値データベース136に含まれる物性値二面角データベース136cの記録内容を概念的に示す説明図である。
物性値データベース136に含まれる物性値二面角データベース136cには、当該レコードを識別する物性値識別情報に対応付けてトーションの関係にある四つの粗視化単位の粗視化単位識別情報及び物性値であるポテンシャルエネルギ値が記録される。
【0054】
図14は本発明の物性値算出装置1が備える物性値データベース136に含まれる物性値非結合データベース136dの記録内容を概念的に示す説明図である。
物性値データベース136に含まれる物性値非結合データベース136dは、非結合ボンドの関係にある二つの粗視化単位、即ち共有結合による強い結合関係はないが、ファンデルワールス力等の微弱な力により互いに影響を与える二つの粗視化単位間の物性値であるポテンシャルエネルギ値を記録するデータベースであり、当該レコードを識別する物性値識別情報に対応付けて非結合ボンドの関係にある二つの粗視化単位の粗視化単位識別情報及び物性値であるポテンシャルエネルギ値が記録される。
【0055】
図15は本発明の物性値算出装置1が備える基本情報データベース137に含まれる基本物性値結合データベース137aの記録内容を概念的に示す説明図である。
基本情報データベース137は、本発明の物性値算出方法にて用いられる基本的な情報を記録するデータベースであり、基本情報データベース137に含まれる基本物性値結合データベース137aには、ボンドの関係にある二つの原子を示す原子名称情報及び物性値であるポテンシャルエネルギ値が対応付けて記録されている。
なおここでいう原子名称情報とは、炭素C及び水素H等の単なる原子の名称を示すものではなく、原子の位置する状況をも区分するための名称を示しており、メチル基を形成する炭素C_Me及びベンゼン環を形成する炭素C_φというように同じ原子であっても原子が属する官能基等の周囲の構成状況に応じて異なる名称が付与されている。
このように周囲の構成状況に応じて異なる名称を付与することにより、夫々のエネルギ場固有の物性値を導き出すことが可能になる。
【0056】
図16は本発明の物性値算出装置1が備える基本情報データベース137に含まれる基本物性値結合角データベース137bの記録内容を概念的に示す説明図である。
基本情報データベース137に含まれる基本物性値結合角データベース137bには、アングルの関係にある三つの原子を示す原子名称情報及び物性値であるポテンシャルエネルギ値が対応付けて記録されている。
【0057】
図17は本発明の物性値算出装置1が備える基本情報データベース137に含まれる基本物性値二面角データベース137cの記録内容を概念的に示す説明図である。
基本情報データベース137に含まれる基本物性値二面角データベース137cには、トーションの関係にある四つの原子を示す原子名称情報及び物性値であるポテンシャルエネルギ値が対応付けて記録されている。
【0058】
図18は本発明の物性値算出装置1が備える基本情報データベース137に含まれる基本物性値非結合データベース137dの記録内容を概念的に示す説明図である。
基本情報データベース137に含まれる基本物性値非結合データベース137dは、非結合ボンドの関係にある二つの原子、即ち共有結合による強い結合関係はないが、ファンデルワールス力等の微弱な力により互いに影響を与える二つの原子間の物性値であるポテンシャルエネルギ値を記録するデータベースであり、非結合ボンドの関係にある二つの原子を示す原子名称情報及び物性値であるポテンシャルエネルギ値が対応付けて記録されている。
【0059】
次に本発明の物性値算出装置1の各種処理について説明する。
図19は本発明の物性値算出装置1の粗視化単位出力処理を示すフローチャートである。
物性値算出装置1を操作する操作者は、入力手段15を用いて分子を構成する複数の原子を夫々示す原子情報並びに原子情報が示す原子の結合関係を示す情報を物性値算出装置1に入力する操作を行う。
物性値算出装置1は、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、分子を構成する複数の原子を夫々示す原子情報の入力を入力手段15から受け付け(S101)、受け付けた原子情報に原子識別情報を付与し(S102)、原子識別情報を付与した原子情報を原子データベース131に記録し(S103)、更に原子の結合関係を示す情報の入力を入力手段15から受け付け(S104)、受け付けた結合関係を示す情報に基づいて分子構造データベース132に所定の結合関係にある原子の原子識別情報を前述した所定の記録方法により記録する(S105)。
なおステップS101及びS104による各種情報の受付は入力手段15を用いた入力操作を受け付けるのではなく、予め記録手段13に記録されている情報の読み込み又は補助記憶手段12による記録媒体に記録されている情報の読み込みであっても良い。
また複数の原子情報及び結合関係を示す情報を一括して、具体的にはベンゼン環、五員環(シクロヘキサン)及びメチル基等の官能基として受け付けるようにしても良い。
【0060】
そして物性値算出装置1は、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、原子データベース131及び分子構造データベース132に記録した情報に基づき複数の原子が結合して構成される高分子化合物(ポリマー)を構成する単位となる単量体(モノマー)等の分子の画像を作成し(S106)、作成した画像をモニタ等の出力手段16から出力する(S107)。
【0061】
出力手段16から出力された分子の画像を視認した操作者は入力手段15を用い、出力された分子を構成する複数の原子の中から任意の一又は連なる複数の原子を指定する入力を行う。
物性値算出装置1は、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、任意の一又は連なる複数の原子の指定の入力を入力手段15から受け付け(S108)、指定された一又は連なる複数の原子を粗視化単位として粗視化単位識別情報を付与し(S109)、粗視化単位に含まれる原子の原子識別情報を粗視化単位識別情報に対応付けて粗視化単位データベース133に記録する(S110)。
【0062】
さらに物性値算出装置1は、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、分子構造データベース134の記録内容に基づく原子の結合関係及び指定された粗視化単位に基づいて粗視化単位の結合関係を求め(S111)、求めた粗視化単位の結合関係に基づいて粗視化構造データベース134に所定の結合関係にある粗視化単位の粗視化単位識別情報を前述した所定の記録方法により記録する(S112)。
【0063】
そして物性値算出装置1は、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、各種データベースに記録させた各種情報に基づき、指定された一又は連なる複数の原子を、一つの粗視化単位として示す画像を作成し(S113)、作成した画像を出力手段16から出力する(S114)。
このように粗視化単位出力処理における物性値算出装置1は、複数の原子が結合して構成される分子及び指定された一又は連なる複数の原子にて構成される粗視化単位の画像を出力すべく作成する画像作成装置として用いられる。
【0064】
次に画像作成装置として用いられる物性値算出装置1から出力される画像について説明する。
図20は本発明の物性値算出装置1から出力される画像を示す説明図である。
図20は、図19を用いて説明した粗視化単位出力処理におけるステップS107にて出力された画像を示している。
図20に示される分子は、高分子化合物を構成する繰り返し単位となるCH2 CH2 CH2 に対して、図中左側の炭素Cに結合する水素Hの一つがベンゼン環に置換された単量体を示している。
【0065】
図21は本発明の物性値算出装置1から出力される画像を示す説明図である。
図21は、図19を用いて説明した粗視化単位出力処理におけるステップS114にて出力された画像を示しており、図20に示した分子を粗視化したものである。
図21に示した画像中unit1は連なる複数の原子にて構成されるベンゼン環であり、unit2は連なる複数の原子であるCHであり、そしてunit3は連なる複数の原子であるCH2 CH2 である。
図21に例示した分子では、単量体内の結合関係として、unit1−unit2及びunit2−unit3が夫々ボンドの結合関係にあり、unit1−unit2−unit3がアングルの結合関係にある。
また単量体間を跨る結合関係として、unit3−unit2がボンドの結合関係にあり、unit2−unit3−unit2及びunit3−unit2−unit3が夫々アングルの結合関係にある。
さらにunit1−unit2−unit3−unit2及びunit2−unit3−unit2−unit3等の連なる四つの粗視化単位の組み合わせが夫々トーションの結合関係にある。
【0066】
図22は本発明の物性値算出装置1の位置情報算出処理を示すフローチャートである。
物性値算出装置1では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、図19を用いて説明した粗視化単位出力処理におけるステップS103及びS105にて原子データベース131に記録した原子情報及び分子構造データベース132に記録した複数の結合関係を示す情報に基づく分子の平衡構造から、分子軌道法に基づく計算にて分子軌道に関する電荷情報及び双極子モーメント等の分子軌道情報を計算する(S201)。
ステップS201にて分子軌道情報を算出する方法としては、様々な計算方法及び近似式の選択が考えられるが、本発明はその計算方法について特に指定するものではなく、公知の方法の中から計算の対象となる分子の大きさ及び構成並びに物性値算出装置1の計算能力に応じて適宜選択することが望ましく、また各原子の結合状況及び分子軌道情報を対応付けて記録するデータベースを予め準備しておいた上で用いるようにしても良い。
【0067】
また物性値算出装置1では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、原子データベース131に記録した原子情報、分子構造データベース132に記録した結合関係を示す情報に基づく分子を構成する原子の結合状況、及び基本情報データベース137に記録されている基本情報から、分子を構成する各原子間に働くポテンシャルエネルギ値等の物性値を算出する(S202)。
ステップS202における計算は、原子データベース131に記録した原子情報及び分子構造データベース132に記録した結合関係を示す情報に基づく分子を構成する原子の結合状況から分子の構成を導き出し、導き出した分子の構成、即ち夫々の原子及びその原子の周囲の構成状況から、ボンド、アングル、トーション及び非結合ボンドの関係にある原子間の物性値を、夫々基本情報データベース137に含まれる基本物性値結合データベース137a、基本物性値結合角データベース137b、基本物性値二面角データベース137c及び基本物性値非結合データベース137dから抽出して計算する。
【0068】
そして物性値算出装置1では、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、原子データベース131に記録した原子情報及び分子構造データベース132に記録した複数の結合関係を示す情報に基づく分子の構造、ステップS201にて計算した分子軌道情報及びステップS202にて計算した物性値から、分子動力学に基づく運動方程式を用いた所定の計算方法にて、分子を構成する各原子の位置を示す位置情報の時間変化を算出し(S203)、算出した各原子の位置情報の時間変化を、各時刻を示す時刻情報及び各時刻における位置情報として原子識別情報に対応付けて位置情報データベース135に記録する(S204)。
このように位置情報算出処理により、分子の構成、分子軌道法及び分子動力学に基づく計算により、分子を構成する各原子の位置の時間変化が、離散的な時刻を示す時刻情報に対応付けられた時系列データとして求められる。
【0069】
図23は本発明の物性値算出装置1の物性値算出処理を示すフローチャートである。
物性値算出装置1は、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、図19を用いて説明した粗視化単位出力処理にて粗視化単位データベース133に記録した粗視化単位の構造を示す各種情報を抽出し(S301)、更に図22を用いて説明した位置情報算出処理にて位置情報データベース135に記録した各原子の各時刻における位置を示す位置情報を抽出する(S302)。
ステップS301にて抽出する粗視化単位の構造を示す各種情報とは、粗視化単位データベース133に記録されている粗視化単位を示す粗視化単位識別情報及び該粗視化単位識別情報にて示される粗視化単位毎の原子を示す原子識別情報と、粗視化構造データベース134に含まれる粗視化単位結合データベース134aに記録されたボンドの結合関係にある粗視化単位識別情報と、粗視化構造データベース134に含まれる粗視化単位結合角データベース134bに記録されたアングルの関係にある粗視化単位識別情報と、粗視化構造データベース134に含まれる粗視化単位二面角データベース134cに記録されたトーションの関係にある粗視化単位識別情報とである。
なおステップS302に記録されている各原子の位置情報に対応付けられた夫々の原子を識別する原子識別情報は、粗視化単位データベース133及び粗視化構造データベース134にて用いられている原子識別情報と対応している。
【0070】
物性値算出装置1は、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、ステップS301にて抽出した粗視化単位の構造を示す各種情報及び各原子の時間変化を示す位置情報に基づいて、粗視化単位の結合関係毎に、粗視化単位同士の距離又は角度に対する存在確率を求める統計処理により粗視化単位の分布状況を示す分布情報を算出する(S303)。
ステップS303における分布状況を示す分布情報を算出する処理とは、ボンドの結合関係にある二つの粗視化単位の夫々の重心の距離L、アングルの結合関係にある三つの粗視化単位の夫々の重心により形成される結合角Θ、トーションの結合関係にある四つの粗視化単位の夫々の重心により形成される二面角Φ、及び非結合ボンドの関係にある二つの粗視化単位の夫々の重心の距離Rに対する存在確率を、その合計値が1になるように規格化した離散値として求める処理を示す。
【0071】
図24は本発明の物性値算出装置1にて実行される統計処理を説明するグラフである。
図24は、ボンドの結合関係にある二つの粗視化単位の重心間の距離毎の存在確率を例示したグラフであり、横軸に距離を取り、縦軸に存在確率を取って、その関係を示したものである。
ボンドの結合関係にある二つの粗視化単位は振動しているため、その重心間の距離は経時的に変化する。
ステップS303に示した統計処理においては、重心間の距離の時間的な分布状況を存在確率として示したものであり、存在確率の合計値は1になるように規格化されている。
ただし統計処理の元になった各原子のX座標、Y座標及びZ座標を示す位置情報は、離散値である時刻情報に対応付けられた離散値の情報であるため、算出される分布情報も離散値であり、図24では便宜上滑らかな曲線としてグラフを示しているが、実際には離散的な点の集合となる。
【0072】
またアングルの結合関係にある三つの粗視化単位についての存在確率は、夫々の重心により形成される結合角に対する存在確率であるため、図24に示すグラフと同様のグラフを作成する場合、その横軸は結合角の角度となる。
同様にしてトーションの結合関係にある四つの粗視化単位についての存在確率は、夫々の重心により形成される二面角に対する存在確率であるため、存在確率のグラフの横軸は二面角の角度となり、非結合ボンドの関係にある二つの粗視化単位についての存在確率は、夫々の重心間の距離に対する存在確率であるため、存在確率のグラフの横軸は距離となる。
【0073】
フローチャートに戻り、物性値算出装置1は、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、ステップS303にて算出した分布情報を、最小二乗法及び最大エントロピー法(MEM:Maximum Entropy Method)等の方法にて平滑化することで分布関数を算出する(S304)。
なお分布情報は、ボンド、アングル、トーション及び非結合ボンドの四つの結合関係毎に算出されているため、ステップS304にて算出される分布関数も以下に示すように結合関係毎に距離又は角度の関数として求められ、求められた関数は図24に示したグラフを離散値の集合ではなく連続した曲線にて表したグラフとして示される。
なお関数中に用いられている絶対温度Tには定数が用いられるので、夫々の関数は実質的に距離L、角度Θ、角度Φ又は距離Rを変数とする関数となる。
【0074】
ボンドの結合関係にある粗視化単位の分布関数;
UA bond(L,T)
但し、L:粗視化単位の重心間の距離
T:絶対温度
【0075】
アングルの結合関係にある粗視化単位の分布関数;
UA arg (Θ,T)
但し、Θ:粗視化単位の重心により形成される結合角の角度
T:絶対温度
【0076】
トーションの結合関係にある粗視化単位の分布関数;
UA tor (Φ,T)
但し、Φ:粗視化単位の重心により形成される二面角の角度
T:絶対温度
【0077】
非結合ボンドの関係にある粗視化単位の分布関数;
UA nb(R,T)
但し、R:粗視化単位の重心間の距離
T:絶対温度
【0078】
そして物性値算出装置1は、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、ステップS304にて算出した分布関数の対数に基づいて、粗視化単位間の結合関係に関する物性値を示す関数、具体的にはボンドの結合関係における距離に対する物性値であるポテンシャルエネルギ値を示す関数、並びにアングル及びトーションの結合関係における角度に対する物性値であるポテンシャルエネルギ値を示す関数を算出する(S305)。
ステップS305にて算出した物性値であるポテンシャルエネルギ値を示す関数は以下の通りである。
【0079】
ボンドの結合関係にある粗視化単位に関する物性値を示す関数;
CG bond(L,T)=−kT・logPUA bond(L,T)
但し、k:ボルツマン定数
【0080】
アングルの結合関係にある粗視化単位に関する物性値を示す関数;
CG arg (Θ,T)=−kT・logPUA arg (Θ,T)
但し、k:ボルツマン定数
【0081】
トーションの結合関係にある粗視化単位に関する物性値を示す関数;
CG tor (Φ,T)=−kT・logPUA tor (Φ,T)
但し、k:ボルツマン定数
【0082】
ステップS305では、ボンド、アングル及びトーションの結合関係に関する物性値を示す関数を算出するが、非結合ボンドの関係に関する物性値を示す関数については、更に補正値を付加する必要がある。
即ち物性値算出装置1は、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、ステップS305と同様の計算方法にて算出した関数に付加すべき補正値を算出し(S306)、算出した補正値を前述した関数に付加することで、非結合ボンドの結合関係における距離に対する物性値であるポテンシャルエネルギ値を示す関数を算出する(S307)。
非結合ボンドのポテンシャルエネルギ値には、原子を含む官能基の形状及び配置による影響を無視することができないため、これらの影響によるポテンシャルエネルギ値を補正値として算出して付加する必要があり、ステップS306にてこのような補正値を算出し、ステップS307にて算出した補正値に基づきポテンシャルエネルギ値を示す関数を算出する。
また補正値は、結合する二つの粗視化単位の距離を変化させることにより、また一方を固定した状態で他方を回転させることにより、補正値の算出の対象となる粗視化単位の相対的な位置及び距離を変化させ、例えば基本情報データベース137に記録されている基本情報を参照することで、距離及び角度の変化に基づく相対位置及び距離の変化に対するポテンシャルエネルギ値を逐次求め、求めたポテンシャルエネルギ値の平均値を、存在確率を加味して算出したものである。ステップS307にて算出した物性値であるポテンシャルエネルギ値を示す関数は以下の通りである。
【0083】
非結合ボンドの関係にある粗視化単位の物性値を示す関数;
CG nb(R,T)=−kT・logPUA nb(R,T)+RE
但し、k:ボルツマン定数
RE:補正値
【0084】
図25は本発明の物性値算出装置1にて算出される物性値を示す関数により示されるグラフである。
図25は、ボンドの結合関係にある粗視化単位の距離に対するポテンシャルエネルギ値を示す関数を、横軸に重心間の距離を取り、縦軸にポテンシャルエネルギ値を取ることによりグラフとして示したものである。
なお非結合ボンドの結合関係にある粗視化単位の物性値を示す関数も横軸に重心間の距離を取り、縦軸にポテンシャルエネルギ値を取ることによりグラフとして示すことが可能である。
【0085】
図26は本発明の物性値算出装置1にて算出される物性値を示す関数により示されるグラフである。
図26は、アングルの結合関係にある粗視化単位の結合角に対するポテンシャルエネルギ値を示す関数を、横軸に形成される角度を取り、縦軸にポテンシャルエネルギ値を取ることによりグラフとして示したものである。
グラフにおいて横軸は、例えば−π〜+πの範囲として示される。
なおトーションの結合関係にある粗視化単位の物性値を示す関数も横軸に形成される二面角の角度を取り、縦軸にポテンシャルエネルギ値を取ることによりグラフとして示すことができる。
【0086】
そして物性値算出装置1は、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、算出すべき物性値の定義域及び条件を示す分布定義情報の入力を要求する分布定義情報要求をモニタである出力手段16から出力する(S308)。
分布定義情報要求とは、例えば分布定義情報の入力欄及び入力欄への入力を促すメッセージであり、分布定義情報要求を確認した操作者は、分布定義情報要求として示された所定の入力欄に分布定義情報を入力する。
入力される分布定義情報は、定義域となる下限値及び上限値並びに定義域の分割数を示す数値であり、例えばボンド及び非結合ボンドの結合関係に対しては、重心間距離の下限値として「0.0」、上限値として「10.0」、そして分割数として「1000」が入力される。
この場合、0.0から10.0までの範囲で、0.01毎の夫々の距離、具体的には0.0、0.01、0.02、…、9.99、10.0を示すことになる。
同様にしてアングル及びトーションの結合関係に対しては、結合角又は二面角の下限値として「−π」、上限値として「+π」、そして分割数として「1000」が分布定義情報として入力される。
【0087】
物性値算出装置1は、RAM14に記憶させたコンピュータプログラムPGを実行するCPU11の制御により、分布定義情報の入力を受け付け(S309)、受け付けた分布定義情報が示す算出条件並びにステップS305及びS307にて算出した関数から、算出条件に対する物性値を算出し(S310)、算出した物性値を物性値データベース136に含まれる物性値結合データベース136a、物性値結合角データベース136b、物性値二面角データベース136c及び物性値非結合データベース136dに所定の記録方法にて記録する(S311)
このようにして記録された物性値は必要に応じて抽出し、出力することが可能であり、分子設計において設計される分子の物性値を予測し、設計を支援することが可能となる。
【0088】
前記実施の形態では、物性値としてポテンシャルエネルギ値を算出する形態を示したが、本発明はこれに限らず、様々な物性値の算出に適用することが可能である。
また前記実施の形態では、単独の物性値算出装置にて物性値を算出する形態を示したが、複数のコンピュータにてネットワークを形成し、サーバコンピュータを物性値算出装置として用い、サーバコンピュータに接続するクライアントコンピュータにて共用する形態に適用することも可能である。
さらに前記実施の形態では、高分子化合物を構成する単量体に適用する形態を示したが、本発明はこれに限らず、単量体以外の分子に適用することも可能である。
【0089】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明に係る物性値算出方法、物性値算出装置、画像作成装置、コンピュータプログラム及び記録媒体では、高分子化合物を構成する単位となる単量体等の分子を構成する複数の原子の中で、任意の連なる複数の原子の指定を受け付け、指定された複数の原子を一つの粗視化単位とする画像を形成し、形成した画像を出力することにより、分子の粗視化的な構造を視覚的に捉えやすくすることが可能である等、優れた効果を奏する。
【0090】
また本発明では、指定された粗視化単位間のボンド(結合)、アングル(結合角)及びトーション(二面角)等の結合に関するポテンシャルエネルギ値等の物性値を分子動力学等の方法を用いて求めることにより、粗視化分子動力学法エンジン等のシミュレーションを行う他の計算プログラムにつなげるためのパラメータとなる粗視化データを自動的に算出することを可能とし、しかも計算の対象が原子ではなく粗視化単位であるので必要な計算量を大幅に削減することができるため更に大規模な系に展開した場合での計算も容易に実現することができるようになるので、分子設計等の用途におけるシミュレーション技術の利用の効率化を支援することが可能である等、優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の物性値算出装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の物性値算出装置が備える記録手段に記録されている各種データベースを示すブロック図である。
【図3】本発明の物性値算出装置にて取り扱う原子の結合関係を示す模式図である。
【図4】物性値算出装置にて取り扱う粗視化単位の構造を示す模式図である。
【図5】本発明の物性値算出装置にて取り扱う粗視化単位の結合関係を示す模式図である。
【図6】本発明の物性値算出装置が備える原子データベースの記録内容を概念的に示す説明図である。
【図7】本発明の物性値算出装置が備える分子構造データベースの記録内容を概念的に示す説明図である。
【図8】本発明の物性値算出装置が備える粗視化単位データベースの記録内容を概念的に示す説明図である。
【図9】本発明の物性値算出装置が備える粗視化構造データベースの記録内容を概念的に示す説明図である。
【図10】本発明の物性値算出装置が備える位置情報データベースの記録内容を概念的に示す説明図である。
【図11】本発明の物性値算出装置が備える物性値データベースに含まれる物性値結合データベースの記録内容を概念的に示す説明図である。
【図12】本発明の物性値算出装置が備える物性値データベースに含まれる物性値結合角データベースの記録内容を概念的に示す説明図である。
【図13】本発明の物性値算出装置が備える物性値データベースに含まれる物性値二面角データベースの記録内容を概念的に示す説明図である。
【図14】本発明の物性値算出装置が備える物性値データベースに含まれる物性値非結合データベースの記録内容を概念的に示す説明図である。
【図15】本発明の物性値算出装置が備える基本情報データベースに含まれる基本物性値結合データベースの記録内容を概念的に示す説明図である。
【図16】本発明の物性値算出装置が備える基本情報データベースに含まれる基本物性値結合角データベースの記録内容を概念的に示す説明図である。
【図17】本発明の物性値算出装置が備える基本情報データベースに含まれる基本物性値二面角データベースの記録内容を概念的に示す説明図である。
【図18】本発明の物性値算出装置が備える基本情報データベースに含まれる基本物性値非結合データベースの記録内容を概念的に示す説明図である。
【図19】本発明の物性値算出装置の粗視化単位出力処理を示すフローチャートである。
【図20】本発明の物性値算出装置から出力される画像を示す説明図である。
【図21】本発明の物性値算出装置から出力される画像を示す説明図である。
【図22】本発明の物性値算出装置の位置情報算出処理を示すフローチャートである。
【図23】本発明の物性値算出装置の物性値算出処理を示すフローチャートである。
【図24】本発明の物性値算出装置にて実行される統計処理を説明するグラフである。
【図25】本発明の物性値算出装置にて算出される物性値を示す関数により示されるグラフである。
【図26】本発明の物性値算出装置にて算出される物性値を示す関数により示されるグラフである。
【符号の説明】
10 物性値算出装置
11 CPU
12 補助記憶手段
13 記録手段
14 RAM
15 入力手段
16 出力手段
131 原子データベース
132 分子構造データベース
132a 原子結合データベース
132b 原子結合角データベース
133c 原子二面角データベース
133 粗視化単位データベース
134 粗視化構造データベース
134a 粗視化単位結合データベース
134b 粗視化単位結合角データベース
134c 粗視化単位二面角データベース
135 位置情報データベース
136 物性値データベース
136a 物性値結合データベース
136b 物性値結合角データベース
136c 物性値二面角データベース
136d 物性値非結合データベース
137 基本情報データベース
137a 基本物性値結合データベース
137b 基本物性値結合角データベース
137c 基本物性値二面角データベース
137d 基本物性値非結合データベース
PG コンピュータプログラム
REC 記録媒体

Claims (7)

  1. 複数の原子が結合して構成される分子の物性値を算出する物性値算出装置による物性値算出方法において、
    前記物性値算出装置は、
    原子を識別する原子識別情報に原子を示す原子情報を対応付けて記録する原子データベースと、
    所定の結合関係にある複数の原子の原子識別情報を対応付けて記録する分子構造データベースと、
    連なる複数の原子の原子識別情報を粗視化単位として、該粗視化単位を識別する粗視化単位識別情報に対応付けて記録する粗視化単位データベースと、
    所定の結合関係にある複数の粗視化単位の粗視化単位識別情報を記録する粗視化構造データベースと
    にアクセスすることが可能であり、
    分子を構成する複数の原子を示す原子情報を受け付けるステップと、
    受け付けた原子情報に原子識別情報を付与して原子データベースに記録するステップと、
    受け付けた原子情報が示す原子の結合関係を示す情報を受け付けるステップと、
    受け付けた結合関係を示す情報に基づいて分子構造データベースに所定の結合関係にある原子の原子識別情報を記録するステップと、
    任意の連なる複数の原子の指定を受け付けるステップと、
    指定された連なる複数の原子を、粗視化単位として粗視化単位識別情報を付与し、粗視化単位に含まれる原子の原子識別情報を粗視化単位識別情報に対応付けて粗視化単位データベースに記録するステップと、
    分子構造データベースの記録内容に基づく原子の結合関係及び指定された粗視化単位に基づいて粗視化単位の結合関係を求めるステップと、
    求めた粗視化単位の結合関係に基づいて粗視化構造データベースに所定の結合関係にある粗視化単位の粗視化単位識別情報を記録するステップと、
    粗視化構造データベースの記録内容に基づく粗視化単位の結合関係及び分子構造データベースの記録内容に基づく原子の結合関係から、粗視化単位間の結合関係に関する物性値を算出するステップと
    を実行することを特徴とする物性値算出方法。
  2. 複数の原子が結合して構成される分子に関する物性値を算出する物性値算出装置において、
    原子を識別する原子識別情報に原子を示す原子情報を対応付けて記録する原子データベースと、
    所定の結合関係にある複数の原子の原子識別情報を対応付けて記録する分子構造データベースと、
    連なる複数の原子の原子識別情報を粗視化単位として、該粗視化単位を識別する粗視化単位識別情報に対応付けて記録する粗視化単位データベースと、
    所定の結合関係にある複数の粗視化単位の粗視化単位識別情報を記録する粗視化構造データベースと、
    分子を構成する複数の原子を示す原子情報を受け付ける手段と、
    受け付けた原子情報に原子識別情報を付与して原子データベースに記録する手段と、
    受け付けた原子情報が示す原子の結合関係を示す情報を受け付ける手段と、
    受け付けた結合関係を示す情報に基づいて分子構造データベースに所定の結合関係にある原子の原子識別情報を記録する手段と、
    任意の連なる複数の原子の指定を受け付ける手段と、
    指定された連なる複数の原子を粗視化単位として粗視化単位識別情報を付与し、粗視化単位に含まれる原子の原子識別情報を粗視化単位識別情報に対応付けて粗視化単位データベースに記録する手段と、
    分子構造データベースの記録内容に基づく原子の結合関係及び指定された粗視化単位に基づいて粗視化単位の結合関係を求める手段と、
    求めた粗視化単位の結合関係に基づいて粗視化構造データベースに所定の結合関係にある粗視化単位の粗視化単位識別情報を記録する手段と、
    粗視化構造データベースの記録内容に基づく粗視化単位の結合関係及び分子構造データベースの記録内容に基づく原子の結合関係から、粗視化単位間の結合関係に関する物性値を算出する物性値算出手段と
    を備えることを特徴とする物性値算出装置。
  3. 前記分子構造データベースは、
    結合する二つの原子の原子識別情報を対応付けて記録する原子結合データベースと、
    連なる三つの原子の原子識別情報を対応付けて記録する原子結合角データベースと、
    直鎖状に連なる四つの原子の原子識別情報を対応付けて記録する原子二面角データベースと
    を有し、
    前記粗視化構造データベースは、
    結合する二つの粗視化単位の粗視化単位識別情報を対応付けて記録する粗視化単位結合データベースと、
    連なる三つの粗視化単位の粗視化単位識別情報を対応付けて記録する粗視化単位結合角データベースと、
    直鎖状に連なる四つの原子の原子識別情報を対応付けて記録する粗視化単位二面角データベースと
    を有する
    ことを特徴とする請求項に記載の物性値算出装置。
  4. 前記物性値算出手段は、
    前記分子構造データベースに記録されている複数の結合関係から、分子動力学に基づく所定の計算方法にて各原子の位置を示す位置情報の時間変化を算出する手段と、
    算出した各原子の位置情報の時間変化を原子識別情報に対応付けて記録する手段と、
    粗視化構造データベースから粗視化単位毎の原子識別情報を抽出する手段と、
    抽出した粗視化単位毎の原子識別情報及び該原子識別情報にて識別される各原子の位置情報の時間変化に基づいて、所定の結合関係にある各粗視化単位の位置を示す位置情報の時間変化を分布関数として算出する手段と、
    算出した分布関数から所定の結合関係にある粗視化単位の物性値を算出する手段と
    を含み、
    前記所定の結合関係にある粗視化単位の物性値は、分布関数の対数に基づくポテンシャルエネルギ値である
    ことを特徴とする請求項又は請求項に記載の物性値算出装置。
  5. 前記分子は、高分子化合物を構成する単位となる単量体であることを特徴とする請求項2乃至請求項のいずれかに記載の物性値算出装置。
  6. 複数の原子が結合して構成される分子の画像を作成する画像作成装置において、
    原子を識別する原子識別情報に原子を示す原子情報を対応付けて記録する原子データベースと、
    所定の結合関係にある複数の原子の原子識別情報を対応付けて記録する分子構造データベースと、
    連なる複数の原子の原子識別情報を粗視化単位として、該粗視化単位を識別する粗視化単位識別情報に対応付けて記録する粗視化単位データベースと、
    所定の結合関係にある複数の粗視化単位の粗視化単位識別情報を記録する粗視化構造データベースと
    にアクセスする手段を備え、
    更に、
    分子を構成する複数の原子を示す原子情報を受け付ける手段と、
    受け付けた原子情報に原子識別情報を付与して原子データベースに記録する手段と、
    受け付けた原子情報が示す原子の結合関係を示す情報を受け付ける手段と、
    受け付けた結合関係を示す情報に基づいて分子構造データベースに所定の結合関係にある原子の原子識別情報を記録する手段と、
    任意の連なる複数の原子の指定を受け付ける手段と、
    指定された連なる複数の原子を粗視化単位として粗視化単位識別情報を付与し、粗視化単位に含まれる原子の原子識別情報を粗視化単位識別情報に対応付けて粗視化単位データベースに記録する手段と、
    分子構造データベースの記録内容に基づく原子の結合関係及び指定された粗視化単位に基づいて粗視化単位の結合関係を求める手段と、
    求めた粗視化単位の結合関係に基づいて粗視化構造データベースに所定の結合関係にある粗視化単位の粗視化単位識別情報を記録する手段と、
    粗視化構造データベースの記録内容に基づく粗視化単位の結合関係及び分子構造データベースの記録内容に基づく原子の結合関係から、粗視化単位間の結合関係に関する物性値を算出する手段と、
    粗視化単位間の結合関係及び該結合関係に関する物性値に基づいて、指定された連なる複数の原子を、一つの粗視化単位として示す画像を作成する手段と
    を備えることを特徴とする画像作成装置。
  7. コンピュータに、複数の原子が結合して構成される分子に関する物性値を算出させるコンピュータプログラムにおいて、
    コンピュータに、分子を構成する複数の原子を示す原子情報を受け付けた場合に、原子を識別する原子識別情報に原子を示す原子情報を対応付けて記録する原子データベースにアクセスして、受け付けた原子情報に原子識別情報を付与して原子データベースに記録させる手順と、
    コンピュータに、受け付けた原子情報が示す原子の結合関係を示す情報を受け付けた場合に、所定の結合関係にある複数の原子の原子識別情報を対応付けて記録する分子構造データベースにアクセスして、受け付けた結合関係を示す情報に基づいて分子構造データベースに所定の結合関係にある原子の原子識別情報を記録させる手順と、
    コンピュータに、任意の連なる複数の原子の指定を受け付けた場合に、連なる複数の原子の原子識別情報を粗視化単位として、該粗視化単位を識別する粗視化単位識別情報に対応付けて記録する粗視化単位データベースにアクセスして、指定された連なる複数の原子を粗視化単位として粗視化単位識別情報を付与し、粗視化単位に含まれる原子の原子識別情報を粗視化単位識別情報に対応付けて粗視化単位データベースに記録させる手順と、
    コンピュータに、分子構造データベースの記録内容に基づく原子の結合関係及び指定された粗視化単位に基づいて粗視化単位の結合関係を求めさせる手順と、
    コンピュータに、所定の結合関係にある複数の粗視化単位の粗視化単位識別情報を記録する粗視化構造データベースにアクセスして、求めた粗視化単位の結合関係に基づいて粗視化構造データベースに所定の結合関係にある粗視化単位の粗視化単位識別情報を記録させる手順と、
    コンピュータに、粗視化構造データベースの記録内容に基づく粗視化単位の結合関係及び分子構造データベースの記録内容に基づく原子の結合関係から、粗視化単位間の結合関係に関する物性値を算出させる手順と
    を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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