JP4343825B2 - イエロートナー - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法によって形成される静電潜像を現像するための重合法イエロートナーに関するものである。
電子写真装置等の画像形成装置において形成される静電潜像は、現像剤により現像される。次に、形成された現像剤像は転写材上に転写された後、加熱、加圧、溶剤蒸気など種々の方式により定着される。
トナーは、熱可塑性樹脂中に、着色剤、帯電制御剤、離型剤等を溶融混合して均一に分散させて組成物とした後、粉砕、分級する粉砕法により製造されてきた。この粉砕法では、ある程度優れた特性を有するトナーを製造することができるが、トナー用材料の選択に制限がある。例えば、溶融混合により生成した組成物は、粉砕できるものでなければならないことから、溶融混合した組成物は、十分に脆くせざるを得ない。
粉砕法においては、着色剤、帯電制御剤、離型剤等の固体微粒子を熱可塑性樹脂中に均一に分散させることが困難である。これらの固体微粒子の分散状態は、トナーの流動性、摩擦帯電性等に大きく影響を与え、トナーの現像性、耐久性能などの特性を左右する。
従って、粉砕法では、これら固体微粒子を均一分散するのに十分な注意を払わなければならない。また、粉砕法では、粉砕中に発生する熱がトナー粒子に影響を与えるので、定着性を改善するためにガラス転移温度を60℃以下にすることができなかった。
印字品質を向上させながら定着時の解像度、その後の耐光性を向上させるためには、小粒径化と樹脂の改良が困難な粉砕法に変わる手段を提案する必要があった。
これらの粉砕法における問題点を克服するために、本発明のトナーを製造する方法は、特に制約を受けるものではないが、懸濁重合法を用いて直接トナーを生成する方法に述べられている(特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。単量体には可溶で水溶性重合開始剤の存在下で直接重合させてトナー粒子を生成するソープフリー重合法に代表される乳化重合法によるトナー粒子の製造が挙げられる。また、マイクロカプセル製法のような界面重合法、in situ重合法、コアセルベーション法などの製造も挙げられる。さらに、少なくとも1種以上の微粒子を凝集させ所望の粒径のものを得る界面会合法なども挙げられる(特許文献4、特許文献5参照)。
中でも、小粒径のトナー粒子が容易に得られる懸濁重合方法が特に好ましい。この懸濁重合法においては、重合性単量体、着色剤、帯電制御剤、離型剤等を均一に溶解または分散せしめた重合性単量体を、分散安定剤を含有する水または水を中心とする水系分散媒体中に投入し、液滴粒径が一定になるまで撹拌し、ここに重合開始剤を添加し、さらに高せん断力を有する混合装置を用いて分散し重合してトナー粒子を形成している。懸濁重合法では、着色剤、帯電制御剤、離型剤等を、低粘度の液体状である重合性単量体中に添加し、分散するため十分な分散性が確保される。一旦得られた重合粒子に更に単量体を吸着せしめた後、重合開始剤を用い重合せしめるシード重合方法も本発明に好適に利用することができる。このとき、吸着させる単量体中に、極性を有する化合物を分散あるいは溶解させて使用することも可能である。
トナー粒子の製造方法としては懸濁重合を利用する場合には、以下のような製造方法によって直接的にトナー粒子を製造することが可能である。単量体中にワックスの如き低軟化点物質,着色剤,重合開始剤,架橋剤,その他の添加剤を加え、ホモジナイザー,超音波分散機等によって均一に溶解又は分散せしめた単量体組成物を、分散安定剤を含有する水系媒体中に通常の撹拌機またはホモミキサー,ホモジナイザー等により分散せしめる。好ましくは単量体組成物の液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように撹拌速度・時間を調整し、造粒する。その後は、分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。重合温度は40℃以上、通常50〜90℃(好ましくは55〜85℃)の温度に設定して重合を行う。重合反応後半に昇温しても良く、必要に応じpH変更しても良い。更に、トナー定着時の臭いの原因となる未反応の重合性単量体、副生成物等を除去するために反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を留去しても良い。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄・ろ過により収集し、乾燥する。
まず、顔料、荷電制御剤及び結着性樹脂形成用単量体を懸濁重合した後、水不溶性無機塩を分解させて水に溶解させて、顔料、荷電制御剤及び結着性樹脂を含有する平均粒径1〜5μmの着色微粒子を製造する方法が提案されている。しかしながら、荷電制御剤として、金属錯体を含有させた重合性単量体組成物を懸濁重合すると、液滴分散安定性が低下し、更に粒径が小さくなるほど分散安定性の低下が大きくなるという問題を抱えていた(特許文献6)。
次に、長期にわたる安定した帯電量やOHPシートの透明性の改善を目的として、ヒドロキシカルボン酸誘導体を含有するトナーが出願されている。C.I.Pigment Yellow12、14;C.I.SolventYellow21、77、114;C.I.Disperse Yellow164などを用いたイエロー着色剤を用いた場合には、先に挙げた顔料の分散性、画像の解像度に関して必ずしも満足のいくものではなかった。
また、着色剤、荷電制御樹脂及び離型剤を含有する重合性単量体組成物を水中で懸濁重合することによって得られる重合法トナーにおいて、荷電制御樹脂が硫黄原子を含有する重合体である重合法トナーが提案されている。こうした荷電制御樹脂を用いるとトナーは安定した負帯電性を示すが、顔料の分散性がまだ十分でないという問題点がある(特許文献7、特許文献8)。
そして、着色剤である顔料の分散は、重合性単量体の重合速度と顔料の種類に依存する。このため、重合開始剤の半減期分解温度およびその構造が、重合性単量体の重合速度に影響を与える。キノフタロン顔料とビスアゾ系顔料とを重合性単量体中に分散して重合性単量体組成物を得て、重合性単量体組成物を水分散媒に分散させ懸濁し、組成物中の重合性単量体を重合して重合体粒子を得ることを特徴とするイエロートナーが提案されている(特許文献9)。
しかしながら、帯電性に影響を与える重合性単量体の重合速度を左右する重合開始剤の半減期温度が、まだ最適化されていない。そこで、荷電制御樹脂および荷電制御剤が存在する系で、さらに着色剤の分散を良好にするような重合開始剤の選択が必要となった。
特公昭36−10231号公報 特開昭59−53856号公報 特開昭59−61842号公報 特開昭62−106473号公報 特開昭63−186253号公報 特開昭62−262055号公報 特開平03−15858号公報 特開平03−243954号公報 特開平10−232510号公報
本発明の目的は、静電荷像現像用の重合法イエロートナーのうち、帯電安定性と耐久性に優れ、着色剤の分散がよく、解像度に優れたものを提供することにある。従来の問題点を克服するために鋭意検討することで、重合性単量体、着色剤及び極性樹脂を含有する重合性単量体組成物を懸濁重合することによってカラートナー粒子を製造する懸濁重合法において、前記重合開始剤とイエロー顔料を使用することで、上記目的を達成することができることを本発明者らは見いだした。
本発明では以下のことを提案する。
(1)少なくとも重合性単量体、極性樹脂、着色剤及び架橋性単量体を含有するコア用単量体組成物を微小な液滴に造粒した後、重合開始剤の存在下、懸濁重合して着色重合体粒子を生成させ、次いで、該着色重合体粒子の存在下にシェル用重合性単量体を懸濁重合することにより得られたコア・シェル構造の重合法トナーであって、
該極性樹脂が、縮合系化合物であり、
該重合開始剤が下記構造式(1)で示される分子量が240以下の化合物であり、
Figure 0004343825
(式中、R 1 乃至R 6 は、炭素数1乃至5のアルキル基)
該着色剤がC.I.Pigment Yellow24、60、73、75、83、90、99、100、101、104、108、117、123、138、139、148、150、151、154、155、156、166、169、173、175、177、179、180、183、185、191、192、193及び199からなるグループから選択されるイエロー着色剤であり、
該トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)における重量平均分子量が30000乃至100000であることを特徴とする非磁性イエロートナー。
(2)前記重合開始剤の10時間半減期温度が50℃乃至60℃であることを特徴とする1に記載の非磁性イエロートナー。
(3)前記式(1)のR1乃至R6が炭素数1乃至3のアルキル基であることを特徴とする1又は2に記載の非磁性イエロートナー。
)前記トナーの平均円形度が0.940乃至0.995であることを特徴とする1乃至に記載の非磁性イエロートナー。
)前記トナーが、硫黄原子を有する極性樹脂を含有することを特徴とする1乃至に記載の非磁性イエロートナー。
本発明の重合法カラートナーは、帯電安定性が優れ、耐久性がよく、環境依存性が少なく、かつ、着色剤の分散性がよく、解像度に優れ、カラー印字、カラー複写しても色むらがない現像剤を与えるので、印刷機や複写機に好適に使用できる。
(製造方法)
以下に重合法トナーの材料に関して記載する。本発明の重合法イエロートナーは、分散安定剤を含有する水系分散媒体中で、少なくとも重合性単量体、着色剤及び極性樹脂を含有する単量体組成物を懸濁させ、重合開始剤を用いて重合することによって製造される。具体的には、単量体、着色剤、極性樹脂、その他の添加剤を混合し、ボールミル等により均一に分散させて混合液を調製する。次いで、この混合液を、分散剤を含有する水系分散媒体中に投入し、通常の撹拌機で撹拌し、液滴の粒径が一定になってから、油溶性重合開始剤を添加する。そして、高剪断力を有する混合装置を用いて分散させることによって、微小な液滴に造粒した後、通常、20〜200℃、好ましくは30〜100℃の温度で重合する。単量体組成物分散液の分散状態は、単量体組成物の液滴の体積平均粒径が、通常1〜10μm、好ましくは、3〜8μmの状態である。液滴が大きすぎるとトナー粒子が大きくなり、画像の解像度が低下するようになる。
(ビニル系単量体)
本発明において用いられる単量体としては、モノビニル系単量体を挙げることができる。本発明のトナーを重合方法で製造する際に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することが出来る。
単官能性重合性単量体としては、スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系重合性単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトンが挙げられる。
また、エチレン、プロピレン、ブチレン等のエチレン性不飽和モノオレフィン;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン等の含窒素ビニル化合物;等のモノビニル系単量体が挙げられる。
多官能性重合性単量体としては、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル等が挙げられる。
本発明においては、上記した単官能性重合性単量体を単独或いは、2種以上組み合わせて、又は、上記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組み合わせて使用する。多官能性重合性単量体は架橋剤として使用することも可能である。
(コア・シェル構造)
本発明では、懸濁重合により重合トナーを製造しそれを現像剤として使用する。ただし、重合トナーの保存性、低温定着性、定着時での溶融性などを改善するために、着色重合体粒子の上にシェルを形成して、コア・シェル型重合トナーとしてもよい。着色重合体粒子をコア粒子とし、シェル用重合性単量体を重合してコア粒子の表面に重合体層(シェル)を形成する。コア粒子を構成する重合体成分のガラス転移温度を低く設定することにより、重合トナーの定着温度を下げることができ、複写・印刷の高速化やフルカラー化などに良好に対応することができる。
シェル用重合性単量体として、コア粒子を構成する重合体成分のガラス転移温度よりも高いガラス転移温度を有する重合体を形成するものを使用すると重合トナーの保存性を改善することができる。シェル用重合性単量体としては、ガラス転移温度が80℃を超える重合体を形成する単量体を、それぞれ単独か、2種以上組み合わせて使用する。シェル用重合性単量体の割合が過小であると保存性の改善効果が小さくなり、逆に、過大であると定着温度の低減やOHP透過性の改善効果が小さくなる。
着色重合体粒子を形成する重合体成分のガラス転移温度が30℃乃至60℃であって、かつ、重合体層を形成する重合体成分のガラス転移温度が80℃乃至105℃であることが好ましい。コア・シェル型重合トナーにおいて、コア用重合性単量体とシェル用重合性単量体との重量比率は好ましくは80/20〜99/1である。
コアの重合反応は、重合反応器内のコア用重合性単量体水性分散液を撹拌しつつ、温度30〜80℃までに昇温する。1〜20時間で反応温度を制御し、重合率が90モル%以上になるまで反応を行う。
コアの重合に引き続き、重合反応器内にシェル形成用重合性単量体とその単量体に見合う重合開始剤を添加する。
コア粒子に対してシェルの被覆重合が行われるために、シェル形成反応に用いる重合開始剤は、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;過酸化水素;4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス−〔2−メチル−N−(1,1’−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル)プロピオアミド〕などの水溶性アゾ化合物などの水溶性重合開始剤が水槽層に均一に行き渡るので好都合である。また、前記の油溶性重合開始剤を用いる場合は、分散安定剤を用いてホモミキサーなどで微細な水性分散液にして添加することが好ましい。
シェル形成反応のための単量体および重合開始剤の添加は、2〜10回に分割してプランジャーポンプなどを用いて連続的に添加する。
シェルを構成する重合体(以下、「シェル重合体」と記すことがある。コアについてもこれに倣う。)のガラス転移温度は、コア重合体のガラス転移温度よりも高くなるように設定することが好ましい。シェル重合体のガラス転移温度は、トナーの保存性を向上させるために50〜130℃、好ましくは60〜120℃、より好ましくは80〜110℃である。コア重合体とシェル重合体とのガラス転移温度の差は、通常、10℃以上、好ましくは20℃以上、より好ましくは30℃以上である。
コア・シェル粒子のシェル層の平均厚みは、0.001〜1.0μm、好ましくは0.003〜0.5μmである。厚みが過度に大きいと定着時にオフセットが発生するおそれがあり、過度に小さいとトナー粒子同士が固着して流動性が低下することがある。
コア・シェル粒子のコア粒子径およびシェル層の厚みは、電子顕微鏡により観察できる場合は、その観察写真から無作為に選択した粒子の大きさおよびシェル厚みを直接測ることにより得ることができる。
電子顕微鏡でコアとシェルとを観察することが困難な場合は、コア粒子の粒径およびトナー製造時に用いたシェルを形成する単量体の量から算定することができる。
(架橋性単量体)
架橋剤としては、2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられる。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンのような芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートのような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンの如きジビニル化合物;及び3個以上のビニル基を有する化合物が挙げられる。これらは単独もしくは混合物として用いられる。このような架橋性単量体の使用量は、単量体100質量部に対して、通常0〜5.0質量部、好ましくは0.1〜3.0質量部である。架橋性単量体の量が少な過ぎると十分なゲル量を得られない。逆に多すぎるとゲル含量が高くなり、定着が良好なトナー特性が得られなくなる。
(マクロモノマー)
また、本発明では、保存性、オフセット性と低温定着性とのバランスを良くするためにマクロモノマーを重合性単量体として用いることが好ましい。マクロモノマーは、分子鎖の末端にビニル重合性官能基を有し、その数平均分子量が、1000〜30000のオリゴマーまたはポリマーである。数平均分子量が小さいものを用いると、重合体粒子の表面部分が柔らかくなり、保存性が低下するようになる。逆に数平均分子量が大きいものを用いると、マクロモノマーの溶融性が悪くなり、定着性が低下するようになる。
マクロモノマーは、前記重合性単量体を重合して得られる重合体のガラス転移温度よりも高いガラス転移温度を有するものが好適である。なお、マクロモノマーのガラス転移温度は、通常の示差熱計DSC等の測定機器で測定される値である。ガラス転移温度は80℃以上であることが好ましい。
マクロモノマーの具体例としては、スチレン、スチレン誘導体、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等を単独でまたは二種以上を重合して得られる重合体、ポリシロキサン骨格を有するマクロモノマーなどを挙げることができる。これらマクロモノマーのうち、高いガラス転移温度を有するもの、特にスチレン、メタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルを単独でまたはこれらを組み合わせて重合して得られる重合体が、本発明に好適である。マクロモノマーを使用する場合、その量は、重合性単量体100質量部に対して、通常、0.01〜1質量部、好適には0.05〜0.8質量部である。マクロモノマーの量が少ないと、保存性、オフセット性が向上しない。マクロモノマーの量が極端に多くなると定着性が低下するようになる。
(着色剤)
本発明のフルカラートナ―用イエロー着色顔料としては、アゾ系顔料であるC.I.Pigment Yellow60、100、104、150、190、191:1;モノアゾ系顔料であるC.I.Pigment Yellow154、169、183;ベンゾイミダゾロン系顔料であるC.I.Pigment Yellow175;縮合アゾ系顔料であるC.I.Pigment Yellow166;ベンゾイミダゾール系顔料であるC.I.Pigment Yellow75、177、179;アントラキノン系顔料であるC.I.Pigment Yellow99、108、123、193、199;イソインドリン系顔料であるC.I.Pigment Yellow139、173;アゾメチン系顔料であるC.I.Pigment Yellow117;フラバントロン系顔料であるC.I.Pigment Yellow24;ジスアゾメチン系顔料であるC.I.Pigment Yellow101;アントラピリミジン系顔料であるC.I.Pigment Yellow108;その他の顔料であるC.I.Pigment Yellow148、151,156、192から選ばれる。好ましくは、より投影画像の透明性に優れたC.I.Pigment Yellow75、100から選択されることが望まれる。
着色剤は、結着樹脂100質量部当たり1乃至15質量部含有されていることが好ましく、より好ましくは2乃至10質量部が良い。1質量部未満の場合には、画像濃度が十分出ず階調が不鮮明な画像となる。15質量部を超える場合には、トナー中での分散が不十分となって投影画像の透明性にも悪影響を及ぼす。さらに、重合トナーの場合には造粒性に悪影響を与えられて均一な粒度分布が得られない。また、着色剤は表面処理されていてもいなくても構わない。
(分子量調整剤)
分子量調整剤としては、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン等のメルカプタン類;四塩化炭素、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素類などを挙げることができる。これらの分子量調整剤は、重合開始前、あるいは重合途中に添加することができる。分子量調整剤は、ビニル系単量体100質量部に対して、通常、0.01〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部の割合で用いられる。このような分子量調整剤を加えることによって、上述の重量平均分子量のトナーを得るのが容易になる。本発明においては、重合性単量体の重合度を制御する為に、連鎖移動剤、重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能である。
(帯電制御剤)
本発明で用いられる帯電制御剤は、一般的に用いられる正帯電性又は負帯電性の帯電制御剤を用いることが可能である。例えば、カルボキシル基又は含窒素基を有する有機化合物の金属錯体、含金属染料、ニグロシン等が挙げられる。具体的には、スピロンブラックTRH(保土谷化学社製)、T−77(保土ヶ谷化学社製)、ボントロンS−34(オリエント化学社製)、ボントロンE−84(オリエント化学社製)、ボントロンN−01(オリエント化学社製)、コピーブルー−PR(ヘキスト社製)、4級アンモニウム塩含有樹脂、硫黄原子を含む極性樹脂等の帯電制御樹脂を挙げることができる。上記帯電制御剤は、コア用単量体100質量部に対して、通常、0.01〜10質量部、好ましくは0.03〜5質量部を用いる。
荷電制御剤を組み合わせることで、帯電能力を保持できることに加えて、円形度標準偏差が小さいため、現像転写される各トナー間の帯電量分布差が小さいイエロートナーを製造可能とした。
これにより高温高湿での連続通紙における現像性が安定し、加えて、帯電不良のトナーが現像されることによって起こる中抜けについても改善されることがわかった。
また、荷電制御剤と着色剤とを組み合わせることで、従来のカラートナー用帯電制御剤よりも、結着樹脂に弱架橋性が持たせられた。このため、連続通紙におけるトナー劣化に起因する現像性悪化の防止と、OHP(オーバーヘッドプロジェクター)における投影画像の透明性を改善することの両立が可能となった。
さらに、イエロートナー中における荷電制御剤と着色剤の分散に加え、トナーの上記平均分子量が加味されることで、高温下に長期間トナーが曝されても、外添剤がトナー表面へ埋め込まれることや、帯電制御剤の変性に起因するトナー劣化を防止できることを見出した。
荷電制御剤のカウンターイオンは特に制約を受けるのもではなく、任意のものが使用できる。例えば、水素、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、アルキルアンモニウムなどがある。
荷電制御剤は、トナー母体粒子100質量部当り0.01乃至10質量部、より好ましくは0.05乃至5質量部使用するのが良い。添加量が0.01質量部未満の場合には、帯電能が十分に出ず、初期画像から中抜けが生じやすい。10質量部を超える場合には、荷電制御剤自身の分散が悪く、それに伴い着色剤のトナー中での分散も不良になり、高温で劣化のないトナーを製造するという目的が達成できなくなる。本発明のトナーが仮に重合法の場合には、水相、油相のどちらかに荷電制御剤を含有しても良い。
(滑剤・分散助剤)
さらに、その他の添加剤として、例えば着色剤のトナー粒子中への均一分散等を目的として、オレイン酸、ステアリン酸、各種ワックス類、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系の各種滑剤;シラン系またはチタン系カップリング剤等の分散助剤などを使用してもよい。このような滑剤や分散剤は、着色剤の質量を基準として、通常、1/1000〜1/1程度の割合で使用される。
(分散安定剤)
その製法による制限はないが、本発明に用いる分散安定剤は、硫酸,炭酸,燐酸,ピロ燐酸,ポリ燐酸の難水溶性金属化合物のコロイドを含有するものが好適である。これら難水溶性金属水酸化物のコロイドを含有する分散剤は、分散媒中で高速撹拌下において、酸アルカリ金属塩とハロゲン化金属塩との水溶性多価金属化合物の水溶液のpHを7以上に調整する反応によって調製されることが好ましい。
難水溶性金属化合物としては、硫酸バリウム、硫酸カルシウムなどの硫酸塩;炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩;リン酸カルシウムなどのリン酸塩;酸化アルミニウム、酸化チタンなどの金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄などの金属水酸化物等を挙げることができる。これらのうち、難水溶性の金属水酸化物のコロイドを含有する分散剤は、重合体粒子の粒径分布を狭くすることができ、画像の鮮明性が向上するので好適である。これら分散剤の微細化のため0.001〜0.1質量%の界面活性剤を併用しても良い。具体的には、市販のノニオン,アニオン,カチオン型の界面活性剤が利用できる。例えばドデシル硫酸ナトリウム,テトラデシル硫酸ナトリウム,ペンタデシル硫酸ナトリウム,オクチル硫酸ナトリウム,オレイン酸ナトリウム,ラウリル酸ナトリウム,ステアリン酸カリウム,オレイン酸カルシウム等が好ましく用いられる。
本発明に用いる難水溶性金属化合物のコロイドは、個数粒径分布D50(個数粒径分布の50%累積値)が0.5μm以下で、D90(個数粒径分布の90%累積値)が1μm以下であることが好ましい。
分散剤は、ビニル系単量体100質量部に対して、通常、0.1〜30質量部の割合で使用する。この割合が0.1質量部より少ないと、十分な重合安定性を得ることが困難であり、重合凝集物が生成し易くなる。逆に、30質量部を超えると、水溶液粘度が大きくなって、重合安定性が低くなる。
本発明に用いられる有機系化合物の分散安定剤としては、例えばポリビニルアルコール,ゼラチン,メチセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース,エチルセルロース,カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩,デンプン等が使用される。これら分散剤は、重合性単量体100質量部に対して0.2〜2.0質量部を使用することが好ましい。
(重合開始剤)
ラジカル重合開始剤としては油溶性開始剤及び/又は水溶性開始剤が用いられる。油溶性開始剤としては、上記構造式(1)で示される分子量が240以下の化合物で10時間半減期温度が50℃乃至60℃の重合開始剤を使用する。具体的にはt−ブチルパーオキシヘプタノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソナノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−アミルパーオキシピバレート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシアセテート、t−アミルパーオキシベンゾエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート等の過酸化物類などを例示することができる。また、これら重合開始剤と還元剤とを組み合わせたレドックス開始剤を挙げることができる。これらのうち、前記式(1)のR1乃至R6 が炭素数1乃至5(好ましくは炭素数1乃至3)のアルキル基であり、分子量が240以下の化合物で10時間半減期温度が50℃乃至60℃の有機過酸化物であることを特徴とする油溶性ラジカル開始剤、特にt−ブチルパーオキシピバレートが、印字時の臭気が少なく、揮発成分による機内汚染が抑制され、イエロー着色剤の分散が良くなることから好適である。重合開始剤の使用量は、重合性単量体100質量部当たり0.1〜10.0質量部である。0.1重量%未満では、重合速度が遅く、10重量%以上では、粒径1μm未満の粒子が副生したり分子量が低くなるので好ましくない。
(連鎖移動剤)
連鎖移動剤としては、t−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、2,2,4,4,6−ペンタメチルヘプタン−6−チオールなどのメルカプタン;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィドなどのチウラムジスルフィド;2−エチルヘキシルチオグリコレート;テルピノーレン、β−テルピネン、ジペンテン等のテルペン;α−メチルスチレンダイマーなどが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上併せて使用することができる。連鎖移動剤は、重合性単量体100質量部に対して、通常、0.01〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部の割合で用いられる。この範囲で連鎖移動剤を使用することによって、低温定着性と保存性のバランスを兼備することができる。連鎖移動剤の中でも、メルカプタンとチウラムジスルフィドを併用すると本発明の動的粘弾性を有するトナーを製造することが容易になるので好ましい。併用するメルカプタンでは、2,2,4,4,6−ペンタメチルヘプタン−6−チオールが好ましく、チウラムジスルフィドでは、テトラエチルチウラムジスルフィドが好ましい。これら併用するメルカプタンの使用量は、通常、0.1〜5質量部、好ましくは1〜3質量部であり、チウラムジスルフィドの使用量は、通常、0.05〜2質量部であり、好ましくは0.1〜1質量部である。
これらの連鎖移動剤は、重合開始前、あるいは重合途中に添加することができる。
(分子量分布)
トナー粒子、硫黄原子を含む極性樹脂の分子量及び分子量分布は以下の方法で測定される。40℃のヒートチャンバ中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、たとえば、東ソー社製あるいは、昭和電工社製の分子量が102〜107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。なおカラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、たとえば昭和電工社製のshodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807,800Pの組み合わせや、東ソー社製のTSKgelG1000H(H)(L),G2000H(H)(L),G3000H(H)(L),G4000H(H)(L),G5000H(H)(L),G6000H(H)(L),G7000H(H)(L),TSKguardcolumnの組み合わせを挙げることができる。
また、試料は以下のようにして作製する。試料をTHF中に入れ、数時間放置した後、十分振とうしTHFと良く混ぜ(試料の合一体がなくなるまで)、更に12時間以上静置する。このときTHF中への放置時間が24時間以上となるようにする。その後、サンプル処理フィルタ(ポアサイズ0.45〜0.5μm、たとえば、マイショリディスクH−25−5 東ソー社製、エキクロディスク25CR ゲルマン サイエンス ジャパン社製などが利用できる)を通過させたものを、GPCの試料とする。また試料濃度は、樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整する。
(ガラス転移温度の測定)
該トナー粒子、該縮合系化合物、硫黄原子を含む極性樹脂および該離型剤のガラス転移点はDSC測定により求められる。DSC測定では、測定原理から、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測定することが好ましい。例えば、パーキンエルマー社製のDSC−7が利用できる。測定方法は、ASTM D3418−82に準じて行う。本発明に用いられる測定では、1回昇温,降温させ前履歴を取った後、温度速度10℃/minで、昇温させた時に測定されるDSC曲線を用いる。
(外添剤)
本発明の重合法イエロートナーと外添剤から現像剤が製造される。本発明の重合法イエロートナーに添加される外添剤としては、無機粒子や有機樹脂粒子が挙げられる。無機粒子としては、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムなどが挙げられる。有機樹脂粒子としては、メタクリル酸エステル重合体粒子、アクリル酸エステル重合体粒子、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体粒子、スチレン−アクリル酸エステル共重合体粒子、コアがメタクリル酸エステル重合体で、シェルがスチレン重合体で形成されたコアシェル型粒子、コアがスチレン重合体で、シェルがメタクリル酸エステル重合体で形成されたコアシェル型粒子などが挙げられる。これらのうち、無機酸化物粒子、特に二酸化ケイ素粒子が好適である。また、これらの粒子表面を疎水化処理することができ、疎水化処理された二酸化ケイ素粒子が特に好適である。外添剤の量は、特に限定されないが、トナー粒子100質量部に対して、通常、0.1〜3質量部である。該無機微粒子が少なくともシラン化合物及びシリコーンオイルのいずれかで疎水化処理されていることを特徴とするこれら添加剤は、単独で用いても、また、複数併用しても良い。
流動性付与剤としては、金属酸化物(酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタンなど)カーボンブラック、フッ化カーボンなどが挙げられる。それぞれ、疎水化処理を行ったものが、より好ましい。
外添剤は2種以上を組み合わせて用いても良い。外添剤を組み合わせて用いる場合には、平均粒子径の異なる二種の無機酸化物粒子または有機樹脂粒子を組み合わせる方法が好適である。具体的には、平均粒子径5〜20nm、好ましくは7〜18nmの粒子(好適には無機酸化物粒子)と、平均粒子径20nm超過2μm以下、好ましくは30nm〜1μmの粒子(好適には無機酸化物粒子)とを組み合わせて付着させることが好適である。なお、外添剤用の粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡で該粒子を観察し、無作為に100個選び粒子径を測定した値の平均値である。前記2種の外添剤(粒子)の量は、トナー粒子100質量部に対して、平均粒子径5〜20nmの粒子が、通常、0.1〜3質量部、好ましくは0.2〜2質量部、平均粒子径20nm超過2μm以下の粒子が、通常、0.1〜3質量部、好ましくは0.2〜2質量部である。外添剤の付着は、通常、外添剤とトナー粒子とをヘンシェルミキサーなどの混合機に入れて撹拌して行う。
(硫黄原子を含む極性樹脂)
本発明のトナーには、硫黄原子を有する重合体を添加することが必須である。硫黄原子を有する重合体の中でも、特にスルホン酸基を有する重合体を用いることが好ましい。本発明において用いられる極性樹脂は、ビニル系単量体とSO3X(X=H、アルカリ金属)基含有(メタ)アクリルアミド(以下、スルホン酸アクリルアミドということがある)とからなる共重合体であって、かつ、重量平均分子量が10000〜30000のものであり、帯電制御性能を有する。スルホン酸基を有する重合体をトナーに添加することで、バインダー中のワックスの分散状態が良好になり、低温側と高温側の定着性が飛躍的に向上すると共にワックスによる帯電性の悪化を防ぐことができる。更にはスルホン酸基の持つ極性により、トナーの帯電性も良好なものとなるため、定着時に発生する飛び散りが十分に抑制できる共に画像濃度やカブリも良好になる。
本発明に用いられるスルホン酸基を有する重合体としては、側鎖にスルホン酸基を有する高分子型化合物等が挙げられ、特にスルホン酸基含有(メタ)アクリルアミド系モノマーを共重合比で2質量%以上、好ましくは5質量%以上含有し、且つガラス転移温度が40〜90℃のスチレン及び/又はスチレン(メタ)アクリル酸エステル共重合体からなる高分子型化合物を用いた場合、トナー粒子に求められる熱特性に影響を及ぼすことなく、好ましい帯電特性を享受することができる。
上記のスルホン酸基含有(メタ)アクリルアミド系モノマーとしては、下記一般式(2)で表せるものが好ましく、具体的には、2−アクリルアミド−2−メチルプロパン酸や2−メタクリルアミド−2−メチルプロパン酸等が挙げられる。
Figure 0004343825
[上記一般式(2)中、R1は水素原子、又はメチル基を示し、R2とR3は、それぞれ水素原子、C1〜C10のアルキル基、アルケニル基、アリール基、又はアルコキシ基を示し、nは1〜10の整数を示す。]
(極性樹脂中のビニル系単量体)
スルホン酸アクリルアミドと共重合されるビニル系単量体の代表例としては、ビニル芳香族炭化水素単量体及び(メタ)アクリレート単量体が挙げられる。
ビニル芳香族炭化水素単量体は、芳香族炭化水素にビニル基が結合した構造を有する化合物であり、具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、2−プロピルスチレン、3−プロピルスチレン、4−プロピルスチレン、2−イソプロピルスチレン、3−イソプロピルスチレン、4−イソプロピルスチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン、2−メチル−α−メチルスチレン、3−メチル−α−メチルスチレン、4−メチル−α−メチルスチレン、2−エチル−α−メチルスチレン、3−エチル−α−メチルスチレン、4−エチル−α−メチルスチレン、2−プロピル−α−メチルスチレン、3−プロピル−α−メチルスチレン、4−プロピル−α−メチルスチレン、2−イソプロピル−α−メチルスチレン、3−イソプロピル−α−メチルスチレン、4−イソプロピル−α−メチルスチレン、2−クロロ−α−メチルスチレン、3−クロロ−α−メチルスチレン、4−クロロ−α−メチルスチレン、2,3−ジメチルスチレン、3,4−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,6−ジメチルスチレン、2,3−ジエチルスチレン、3,4−ジエチルスチレン、2,4−ジエチルスチレン、2,6−ジエチルスチレン、2−メチル−3−エチルスチレン、2−メチル−4−エチルスチレン、2−クロロ−4−メチルスチレン、2,3−ジメチル−α−メチルスチレン、3,4−ジメチル−α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,6−ジメチル−α−メチルスチレン、2,3−ジエチル−α−メチルスチレン、3,4−ジエチル−α−メチルスチレン、2,4−ジエチル−α−メチルスチレン、2,6−ジエチル−α−メチルスチレン、2−エチル−3−メチル−α−メチルスチレン、2−メチル−4−プロピル−α−メチルスチレン、2−クロロ−4−エチル−α−メチルスチレンなどが挙げられる。これらのビニル芳香族炭化水素単量体は、単独であっても、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、(メタ)アクリレート単量体の具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ラウリル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ラウリル等のメタクリル酸エステル類、などが挙げられる。これらの(メタ)アクリレート単量体は、単独であっても、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
(極性樹脂中のスルホン酸アクリルアミド)
SO3X(X=H、アルカリ金属)基含有(メタ)アクリルアミド、すなわち、スルホン酸基又はスルホン酸塩基含有(メタ)アクリルアミドとしては、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−n−ブタンスルホン酸、2−アクリルアミド−n−ヘキサンスルホン酸、2−アクリルアミド−n−オクタンスルホン酸、2−アクリルアミド−n−ドデカンスルホン酸、2−アクリルアミド−n−テトラデカンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−フェニルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2,2,4−トリメチルペンタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルフェニルエタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−(4−クロロフェニル)プロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−カルボキシメチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−(2−ピリジン)プロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−1−メチルプロパンスルホン酸、3−アクリルアミド−3−メチルブタンスルホン酸、2−メタクリルアミド−n−デカンスルホン酸、4−メタクリルアミドベンゼンスルホン酸等の酸、又はこれらの酸のナトリウム塩、カリウム塩等の金属塩などが挙げられる。これらは、単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
以下に本発明の好ましいトナー物性を記載する。
フロー式粒子像測定装置で計測されるトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、トナーの円相当個数平均径D1(μm)が2乃至10μmである。
トナーの円相当個数平均径D1(μm)を2乃至10μmと小粒径化することにより、画像の輪郭部分、特に文字画像やラインパターンの現像での再現性が良好なものとなる。しかし、一般にトナー粒子を小粒径化すると必然的に微小粒子のトナーの存在率が高くなるため、トナーを均一に帯電させることが困難となり画像カブリを生じるばかりか、静電潜像担持体表面やトナー担持体への付着力が高くなり、結果として現像特性を悪化させた。
また、トナー粒子の円形度頻度分布の平均円形度を0.940乃至0.995、より好ましくは0.960乃至0.995とすることにより、従来では困難であった小粒径を呈するトナーの転写性が大幅に改善されると共に、低電位潜像に対する現像能力も格段に向上する。特に上記の如き傾向は、デジタル方式の微小スポット潜像を現像する場合や中間転写体を用い多数回の転写を行うフルカラーの画像形成の際に非常に有効で、画像形成装置とのマッチングも良好なものとなる。
本発明におけるトナーの円相当径、円形度及びそれらの頻度分布とは、トナー粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、本発明ではフロー式粒子像測定装置「FPIA−1000型」(東亜医用電子社製)を用いて測定を行い、下式を用いて算出した。
Figure 0004343825
ここで、「粒子投影面積」とは二値化されたトナー粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは該トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。
本発明における円形度はトナー粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、トナー粒子が完全な球形の場合に1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を0.02gを加え、均一に分散させる。分散させる手段としては、超音波分散機「UH−50型」(エスエムテー社製)に振動子として5φのチタン合金チップを装着したものを用い、5分間分散処理を用い、測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上とならない様に適宜冷却する。
トナー粒子の形状測定には、前記フロー式粒子像測定装置を用い、測定時のトナー粒子濃度が3000〜1万個/μlとなる様に該分散液濃度を再調整し、トナー粒子を1000個以上計測する。計測後、このデータを用いて、トナー粒子の円相当径や円形度頻度分布等を求める。
該トナーのテトラヒドロフラン(THF)の可溶成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)における重量平均分子量が30000乃至100000であり、より好ましくは重量平均分子量が30000乃至80000であることが良い。
重量平均分子量が30000未満の場合には、耐久によるトナーの劣化が大きく、中抜けが発生しやすくなる。重量平均分子量が100000を超える場合とTHFの不溶成分が60%を超える場合には、定着温度でのトナーの溶融が十分に行えず、イエローの投影画像がくすんでしまう。
本発明のトナーは、非磁性一成分系現像剤のトナーとして使用することも可能であり、キャリア粒子を有する二成分系現像剤用のトナーとしても使用可能である。非磁性トナーを用いる場合には、ブレード又はローラを用い、現像スリーブにて強制的に摩擦帯電しスリーブ上にトナーを付着せしめることで搬送せしめる方法がある。
(画像形成装置)
本発明に係る画像形成方法は、帯電部材に電圧を印加して像担持体を帯電させる帯電工程と、帯電された像担持体に静電潜像を形成させる静電潜像形成工程と、下記(a)乃至(d)を含む現像工程と、
(a)現像容器内に収容されている現像剤を現像剤担持体上に担持させる工程
(b)該現像剤担持体上の現像剤の層厚を現像剤層厚規制部材により規制する工程
(c)層厚を規制された前記現像剤を前記現像剤担持体と像担持体とが対向する現像領域へ担持搬送する工程
(d)現像剤担持体上の現像剤を像担持体上の静電潜像に転移させてトナー像を形成する工程
前記像担持体表面に形成されたトナー像を転写材に静電転写する転写工程と、前記転写材上に転写されたトナー像を加熱・定着する定着工程を有する。
本発明に係る画像形成方法は、カラー画像を形成する複写機やプリンター等のカラー画像形成装置にも適用できる。カラー画像形成装置としては、感光体上で多色のトナー像を現像させ、それを転写材に一括転写させる多重現像方式、感光体上には単色のトナー像のみを現像させた後、転写材に転写させることをカラートナーの色の数だけ繰り返し行う多重転写方式がある。また、多重転写方式には、転写ドラムに転写材を巻きつけ、各色ごとに転写を行う転写ドラム方式、中間転写体上に各色毎に一次転写を行い、中間転写体上に多色の画像を形成させた後、一括して二次転写を行う中間転写方式、感光体廻りに現像装置をタンデムに配置させ、転写材を転写搬送ベルトで吸着搬送させて、順次各色を転写材に転写を行うタンデム方式がある。これらの中でも、画像形成を高速で行うことのできるタンデム方式の画像形成装置が好ましい。
図2は、本発明のトナーが適用できるタンデム方式のカラー画像形成装置の一例を示す模式図である。タンデム方式のカラー画像形成装置には、レーザ光照射装置10、感光ドラム5、現像装置、クリーニング装置11がセットとなった画像形成部が、使用するトナーの色の数だけ設けられている。各画像形成部は、搬送ベルト16に沿って、通常、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順で配置されている。各画像形成部によって形成された画像は、搬送ベルトに吸着されて搬送される転写材Pに転写ロール12によって順次重ね合わせて転写され、定着される。上述したように、転写材Pは通常、搬送ベルトによる搬送が一般的であるが、転写ドラムに吸着して搬送することもできる。この場合、各画像形成部は、転写ドラムに沿って順に配置されている。中間転写ベルトに1次転写した後に転写材Pに2次転写することも可能である。
以下に本発明のトナーを用いた画像形成装置について図1、図2を用いて説明するが、本発明はこれらに限定されない。
感光体5a上に適当な手段で形成された静電潜像は、矢印の方向へ回転する現像ローラ4a上の第1のカラートナーにより可視化される。感光ドラム上のカラートナー画像は、搬送ベルト上に保持されている転写材Pに、転写帯電器12aにより転写される。10aは露光装置、9aは帯電器である。
転写帯電器には、コロナ帯電器,接触帯電器が利用される。2色目として回転現像ユニットが回転し、現像ローラ4bが感光体5bに対向する。そして現像器中の第2のカラートナーを有する現像剤により現像され、このカラートナー画像も前記と同一の転写材上に重ねて転写される。
更に3色目、4色目も同様に行われる。このように搬送ベルトは転写材を把持したまま所定回数だけ回転し所定色数のトナー像が多重転写される。
多重転写された転写材は、転写ベルト上から分離され、シリコーンオイルを含浸しているウェッブを有する加熱加圧ローラ定着器14,15で定着され、フルカラー画像となる。
現像ローラ4a,4b、4c、4dに供給される補給トナーは各色ごとに具備した補給ホッパーより、一定量をトナー供給部材2a,2b、2c、2dで各現像ローラに送られる。
以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、部および%は、特に断りのない限り重量基準である。なお、本実施例では、以下の方法で画像評価した。具体的には、沖データ社製Microline7300の現像器にトナーを詰めて、画像を評価した。
<実施例1>
・スチレン 83部
・n−ブチルアクリレート 17部
・イエロー顔料P.Y.24 5部
・硫黄原子を含む極性樹脂
正帯電制御樹脂(FCA207P、藤倉化成社製、4級アンモニウム基2%) 1部
負帯電制御樹脂(FCA626N、藤倉化成社製、スルホン酸基7%) 7部
・荷電制御剤ヒドロキシカルボン酸のアルミニウム化合物 1部
・ポリメタクリル酸メチルエステルマクロモノマー(東亜合成化学工業社製、商品名「AA6」)
0.5部
・縮合系化合物 10部
〔飽和ポリエステル(テレフタル酸−プロピレンオキサイド
変性ビスフェノールA、酸価9mgKOH/g、ピーク分子量6000)〕
・エステルワックス(ジペンタエリスリトールヘキサミリステート) 15部
・2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−4−チオール 2部
・テトラエチルチウラムジスルフィド 0.1部
・架橋剤(ジビニルベンゼン) 0.25部
を室温下でビーズミルにて分散させて、コア用重合性単量体組成物を得た。
イオン交換水181部に水酸化ナトリウム7.1部を溶解させた水溶液に25%塩化マグネシウム水溶液(水溶性多価金属塩水溶液)44.8部を撹拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド分散液を調製した。
生成した上記コロイドの粒径分布をマイクロトラック粒径分布測定器(日機装社製)で測定したところ、粒径は、D50(個数粒径分布の50%累積値)が0.30μmで、D90(個数粒径分布の90%累積値)が0.75μmであった。このマイクロトラック粒径分布測定器による測定においては、測定レンジ=0.12〜704μm、測定時間=30秒、媒体=イオン交換水の条件で行った。上記により得られた水酸化マグネシウムコロイド分散液に、上記コア用重合性単量体組成物を投入し、液滴が安定するまで撹拌した。
そこに重合開始剤t−ブチルパーオキシピバレート(分子量174.2、10時間半減期温度55℃(ベンゼン中)日本油脂製パーブチルPV−40E)を5部添加した後、撹拌混合して単量体組成物懸濁液を得た。次いで、この単量体組成物懸濁液を回転子が回転数21,000rpmで稼働している造粒装置(クレアミックスCLM−0.8S、エムテクニック社製)に、ポンプを用いて供給してコア形成用単量体組成物水性分散液を調製した。
この造粒したコア用重合性単量体組成物水性分散液を10Lの撹拌翼を装着した反応器に入れ、90℃で重合反応を開始させ、8時間重合を継続した後、反応を停止し、pH9.5の重合体粒子の水分散液を得た。
コア用重合性単量体組成物の重合転化率がほぼ100%に達したのを確認して、シェル用重合性単量体のメタクリル酸メチル2部と2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ハイドロキシエチル)−プロピオンアミド)(商品名「VA−086」:和光純薬社製)0.2部とをイオン交換水100部に溶解した開始剤溶液を反応槽に添加した。そして重合体粒子の水分散液を得た。重合体粒子の水性分散液を撹拌しながら、硫酸により系のpHを約5.0にして酸洗浄を25℃にて10分間行った。脱水、洗浄を2度繰り返した後、45℃の熱風循環式乾燥器にて2昼夜乾燥を行い、コアシェル型のトナー粒子を得た。この着色粒子をアルピネ分級機で16000rpmの回転数で分級し、微粉側をカットした。また10000rpmでの回転数で分級し、粗粉側をカットした。そして、体積平均粒径が6.7μmのトナー粒子を得た。
2次色の評価をするために、着色剤をマゼンタ着色剤(C.I.Pigment Red150)、シアン着色剤(C.I.Pigment Blue15:3)、カーボンブラックにそれぞれ変更した以外は、同様の方法を用いてマゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーを製造した。これらのトナー粒子は体積平均粒径がそれぞれ、6.8、7.0、6.7μmであった。
上記により得られたトナー粒子100部に、疎水性シリカ(アエロジル社製R974)1.5質量部をヘンシェルミキサーFM10Bにて外添して非磁性一成分現像剤(イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックトナー)を得た。これらのトナーの物性測定を行うと共に、画像評価は上記改造機で行い表2および表3に示した。
<実施例2乃至34>
表1に示す実施例1のトナー粒子処方のうち着色剤を変更する以外は実施例1と同様の実験を行って、イエロートナーを製造した。トナーの物性測定・画像評価は上記改造機で行い表2および表3に示した。
<実施例36>
表1に示す実施例1のトナー粒子処方のうち、着色剤の添加量を15部に変更する以外は実施例1と同様の実験を行って、イエロートナーを製造した。トナーの物性測定・画像評価は上記改造機で行い表2および表3に示した。
<実施例37,38>
表1に示す実施例1のトナー粒子処方のうち、離型剤の添加量をそれぞれ30部、0部に変更する以外は実施例1と同様の実験を行って、イエロートナーを製造した。トナーの物性測定・画像評価は上記改造機で行い表2および表3に示した。
<実施例39,参考例1
表1に示す実施例1のトナー粒子処方のうち、縮合系化合物の添加量をそれぞれ30部、0部に変更する以外は実施例1と同様の実験を行って、イエロートナーを製造した。トナーの物性測定・画像評価は上記改造機で行い表2および表3に示した。
<実施例41>
表1に示す実施例1のトナー粒子処方のうち、コア用重合体組成物用の重合開始剤の添加量を15部に変更する以外は実施例1と同様の実験を行って、イエロートナーを製造した。トナーの物性測定・画像評価は上記改造機で行い表2および表3に示した。
<実施例42,43>
表1に示す実施例1のトナー粒子処方のうち、硫黄原子を含む極性樹脂の添加量をそれぞれ10部、0部に変更する以外は実施例1と同様の実験を行って、イエロートナーを製造した。トナーの物性測定・画像評価は上記改造機で行い表2および表3に示した。
<実施例44,45>
表1に示す実施例1のトナー粒子処方のうち、マクロモノマーの添加量をそれぞれ1.5部、0部に変更する以外は実施例1と同様の実験を行って、イエロートナーを製造した。トナーの物性測定・画像評価は上記改造機で行い表2および表3に示した。
参考例2
表1に示す実施例1のトナー粒子処方のうち、コア用重合体組成物用の重合開始剤をt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(分子量216.3、10時間半減期温度77℃(ベンゼン中)日本油脂製パーブチルO)に変更する以外は実施例1と同様の実験を行って、イエロートナーを製造した。トナーの物性測定・画像評価は上記改造機で行い表2および表3に示した。
参考例3乃至9
表1に示す実施例28乃至34のトナー粒子処方のうち、コア用重合体組成物用の重合開始剤をt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートに変更する以外は実施例1と同様の実験を行って、イエロートナーを製造した。トナーの物性測定・画像評価は上記改造機で行い表2および表3に示した。
<比較例1乃至7>
表1に示す参考例3乃至9のトナー粒子処方のうち、コア用重合体組成物用の重合開始剤を2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)に変更する以外は実施例1と同様の実験を行って、イエロートナーを製造した。トナーの物性測定・画像評価は上記改造機で行い表2および表3に示した。
<比較例8>
表1に示す参考例3のトナー粒子処方の着色剤、重合開始剤添加量、マクロモノマー、含硫黄原子極性樹脂、離型剤、縮合系化合物をそれぞれ15部、15部、1.5部、10部、30部、30部添加すること以外は同様の実験を行って、イエロートナーを製造した。トナーの物性測定・画像評価は上記改造機で行い表2および表3に示した。
(着色剤の分散性)
単量体、着色剤、極性樹脂及びその他の添加剤を混合し、メディア型分散機により均一に分散させた混合液を光学顕微鏡で目視観察し、以下の基準で評価した。
A:良好に分散している。
B:若干分散が悪い。
C:ほとんど分散していない。
(解像度)
23℃×50RH%室温環境下で、トナーの充填された現像機を所定時間放置した後、前述の改造プリンターで、画像比率4%画像を6000枚連続通紙した後、「驚」文字パターンを厚紙(128g/m2)のA4用紙に出力された際の文字部分の中抜けを目視により評価した。
A;ほとんど発生せず
B:若干の中抜けが見られる
C;顕著な中抜けが見れれる
(耐久性)
前述の改造プリンターを用いて、23℃×50RH%室温環境下で、初期から連続印字を行い、反射濃度計(マクベス製)で測定した印字濃度が1.3以上で、かつ、白色度計(日本電色製)で測定した非画像部のカブリが10%以下の画質を維持できる連続印字枚数を調べた。以下の基準で現像剤による画質の耐久性を評価した。
A:上記画質を維持できる連続印字枚数が10000枚以上。
B:上記画質を維持できる連続印字枚数が5000以上、10000未満。
C:上記画質を維持できる連続印字枚数が5000未満。
(画像ムラ)
高温高湿環境下にトナーの充填された現像機を所定時間放置した後、前述の改造プリンターを用いて、画像比率4%画像を6000枚連続通紙した後、ハーフトーンを厚紙(128g/m2)のA4用紙に出力された際の文字部分の中抜けを目視により評価した。
A;ほとんど発生せず
B:若干の中抜けが見られる
C:顕著な中抜けが見られる
(透過性)
トランスペアレンシーシート画像の透過率は以下の如く評価する。実施例あるいは比較例記載のマシンを用いて、常温常湿環境下でトランスペアレンシーシート(CG3700:3M製)上に、階調を有するイエロートナーの未定着画像を得た。得られたものを定着ローラーの表面がフッ素系樹脂である外部定着器(オイル塗布機能なし、ローラ径40mm)にて、定着温度180℃,プロセススピード35mm/secで、定着画像を得た。得られた定着画像の画像濃度0.5〜0.6mg/cm2の箇所の透過率を測定した。透過率の測定は、島津自己分光光度計UV2200(島津製作所社製)を使用し測定した。そして、トランスペアレンシーシート単独の透過率を100%とし、600nmでの最大吸収波長における透過率を測定した。なお、下記の基準で評価した。
A;透過率が80%以上
B;透過率が50%以上80%未満
C;透過率が50%未満
(投影像)
フルカラー画像におけるトランスペアレンシーシート透過性の評価は、上記イエロートナーと同様の方法で、レッド、ブルーの定着画像を得た。これを白色壁面に投影されたとき透過画像を以下の基準で目視により行った。
A;非常に透明感のある画像
B;若干透明感に欠け、くすんだ画像
C;暗く透明感がなく、くすんだ画像
(帯電性)
トナーを30℃湿度80%の環境下に2日間放置する前後における摩擦帯電量の変化により、高温放置による劣化の程度と常温常湿での状態を評価した。
摩擦帯電量および評価基準は以下である。
トナーの二成分摩擦帯電量はブローオフ法に基づいて測定する。先ず、底に635メッシュのスクリーンのある金属製の測定容器に摩擦帯電量を測定しようとするトナーとキャリアの振とうされた混合物を約0.2gを入れ金属製のフタをする。このときの測定容器全体の重量を秤りW1(g)とする。次に、吸引機(測定容器と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口から吸引し風量調節弁を調整して真空計の圧力を250mmAqとする。この状態で充分、好ましくは2分間吸引を行いトナーを吸引除去する。このときの電位計9の電位をV(ボルト)とする。ここで8はコンデンサーであり容量をC(μF)とする。吸引後の測定容器全体の質量を秤りW2(g)とする。このトナーの摩擦帯電量(mC/kg)は下式の如く計算される。
Figure 0004343825
なお、トナーとキャリアの混合比は2:98とし、キャリアはアクリルコートされたフェライトキャリアを用いた。なお、測定環境は、高温高湿環境(30℃/80%RH)とし、放置時間は12から18時間とする。測定手順は、
(1)同処方のサンプルを2つ用意し、所定時間サンプルを放置した後、150回振とうして帯電量を測定する。
(2)サンプルを30℃湿度80%環境下に2日間放置した後、(1)と同様の操作により帯電量を測定する。
A:測定値(1)−測定値(2)の絶対値が0以上10mC/kg未満。
B:測定値(1)−測定値(2)の絶対値が10以上20mC/kg未満。
C:測定値(1)−測定値(2)の絶対値が20mC/kg以上。
なお、実施例及び比較例記載のトナーの帯電量測定値(1)は、全て−25から−35mC/kgに入り、初期画像を出すには支障が無いものであった。
Figure 0004343825
Figure 0004343825
Figure 0004343825
本発明のトナーが適用できる画像形成装置の一例を示す模式図である。 本発明のトナーが適用できるタンデム方式のフルカラー画像形成装置の一例を示す模式図である。
符号の説明
1 現像剤ホッパー容器
2 供給ローラ
3 規制ブレード
4 現像ローラ
5 感光体
6 現像バイアス電源
7 現像剤
8 撹拌羽
9 帯電ローラ
10 露光装置
11 クリーニング装置
12 転写ローラ
13 転写バイアス電源
14 加熱ローラ
15 加圧ローラ
16 搬送ベルト
P 転写材

Claims (5)

  1. 少なくとも重合性単量体、極性樹脂、着色剤及び架橋性単量体を含有するコア用単量体組成物を微小な液滴に造粒した後、重合開始剤の存在下、懸濁重合して着色重合体粒子を生成させ、次いで、該着色重合体粒子の存在下にシェル用重合性単量体を懸濁重合することにより得られたコア・シェル構造の重合法トナーであって、
    該極性樹脂が、縮合系化合物であり、
    該重合開始剤が下記構造式(1)で示される分子量が240以下の化合物であり、
    Figure 0004343825
    (式中、R1乃至R6は、炭素数1乃至5のアルキル基)
    該着色剤がC.I.Pigment Yellow24、60、73、75、83、90、99、100、101、104、108、117、123、138、139、148、150、151、154、155、156、166、169、173、175、177、179、180、183、185、191、192、193及び199からなるグループから選択されるイエロー着色剤であり、
    該トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)における重量平均分子量が30000乃至100000であることを特徴とする非磁性イエロートナー。
  2. 前記重合開始剤の10時間半減期温度が50℃乃至60℃であることを特徴とする請求項1に記載の非磁性イエロートナー。
  3. 前記式(1)のR1乃至R6が炭素数1乃至3のアルキル基であることを特徴とする請求項1又は2に記載の非磁性イエロートナー。
  4. 前記トナーの平均円形度が0.940乃至0.995であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の非磁性イエロートナー。
  5. 前記トナーが、硫黄原子を有する極性樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の非磁性イエロートナー。
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