JP4342449B2 - データ消去装置 - Google Patents

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Description

本発明はデータ消去装置に関し、特に、コンピュータに使用される記憶装置としてのハードディスク装置のデータ消去装置に関する。
従来、パーソナルコンピュータ等のコンピュータには、プログラムやデータを記憶するための記憶媒体が必要であり、近年、この記憶媒体として、表面に磁気材料を塗布した円板(ディスク)を用いたハードディスク装置が普及している。このハードディスク装置は、コンピュータに内蔵されるか、或いはコンピュータの外部にケーブルを介して接続して用いられるものであり、少なくとも1枚内蔵されたディスクに対して、ヘッドを通じてデータの読み出しと書き込みを行うものである。このハードディスク装置の記憶容量は、年々増加している。
一方、コンピュータは、これを駆動するOS(オペレーティング・システム)の進歩や、CPU(中央処理ユニット)の処理能力の高速化、通信機能の拡充、及びハードディスク装置の大容量化等にともなって年々新型が発売されており、旧型のコンピュータは短期間で新型のコンピュータに置き換えられてしまう傾向にある。
ところで、新型のコンピュータへの置き換えによって廃棄される旧型のコンピュータに内蔵されたハードディスク装置や、記憶容量の大きい新型への置換によって廃棄されるハードディスク装置には、ハードディスク装置の使用中に書き込まれた色々なデータが大量に残っている。このようなデータの中には、個人情報や企業の内部情報等の第三者に漏洩すると困るものがある。そこで、ハードディスク装置は、廃棄前にコンピュータのソフトウエアを用いたデータの抹消処理が行われることが一般的である。
しかしながら、このデータの抹消処理は、ハードディスク装置内のディスクに上書きを可能にする処理であり、それまでに記録されたデータが完全にディスク上から消滅している訳ではない。すると、このようにデータが完全に抹消されていないハードディスク装置では、悪意のある第三者が特殊なソフトウエアを使用すれば、残留するデータが読み出されてしまう可能性がある。
ハードディスク装置に記録されたデータを完全に抹消する方法としては、意味のないデータをハードディスク装置の磁気ディスクの全面に書き込む方法、或いは、ハードディスク装置の磁気ディスクを永久磁石等の強力な磁場を通すことにより、強制的にデータを抹消する方法が知られている。前者の方法に対しては、この方法を行うサービス機関や、この方法を行う市販のソフトウエアの存在が知られている。また、後者の方法に対しては、ハードディスク装置のスピンドルモータに印加される磁場の強度を抑制しつつ、磁気ディスクには強い磁場を印加させてデータを消去するデータ消去装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載のデータ消去装置は磁気ディスクを再生することが目的であるので、磁気ディスクをスピンドルモータで回転させた状態で、磁気ディスク装置の一端を永久磁石に挟まれた磁場の中を通すことによって磁気ディスク上のデータを消去している。
ところが、前述のような意味のないデータをハードディスク装置の磁気ディスクの全面に書き込む方法は、ハードディスク装置の容量が大きいので、データの書き込みに時間がかかるという問題があり、また、サービス機関への依頼に対しては廃棄コストが上昇するという問題があった。一方、磁気ディスクを強い磁場の中を通して磁気飽和によりデータを消去する特許文献1に記載のデータ消去装置では、スピンドルモータを回転させる設備が必要であり、装置が大がかりになるという問題がある。また、何らかの原因でスピンドルモータが回転しないとデータが完全に消去されないという問題もある。このように、従来のデータ消去装置には、磁気ディスクの再生使用を考慮することなく、廃棄するハードディスク装置からのデータ漏洩を防止することだけを目的としたデータの消去については考慮されていなかった。
そこで、本発明者らは、廃棄するハードディスク装置のような磁気ディスク装置やその他の磁気記録媒体に記憶された水平記録方式のデータの漏洩を防止するために、特許文献2に示されるような、データ消去を簡単な操作で確実に行うことができる可搬型の簡便なデータ消去装置を提案した。
特開2001−331904号公報(特許請求の範囲、図1,図4) 特開2004−110908号公報
磁気ディスク上にデータを書き込む手段としては、現在のところは水平記録方式が主流であるが、記録密度を上げるために近い将来、垂直記録方式が採用され、垂直記録方式で記録されたデータを消去する必要が出てくる。しかしながら、先に提案されているデータ消去装置では、データを消去するために発生させる磁場が水平方向のみであるので、垂直記録方式で書き込まれた磁気ディスクのデータは、記録磁場が消去用の磁場と直交するため、完全に消去することができないと考えられる。
そこで、本発明は、廃棄するハードディスク装置のような磁気ディスク装置やその他の磁気記録媒体に記憶されたデータが、水平記録方式で記録されたものであっても、垂直記録方式で記録されたものであっても、データ消去を簡単な操作で確実に行うことができるデータ消去装置を提供することを目的としている。
前記目的を達成する本発明は、以下に第1から第3の形態として示される。
第1の形態は、磁気記録媒体に記録されたデータを、N極とS極とを有する永久磁石から発生した磁界を利用して消去するデータ消去装置であって、少なくとも一側面に開口部が設けられ、内部にこの開口部に連続する通路が設けられた本体ケースと、通路の一面に沿って設けられ、少なくとも3つの永久磁石が、互いに吸着し合う極性となるように隣接配置された第1の磁場発生源と、通路の他の面に第1の磁場発生源に対向して設けられた第2の磁場発生源と、磁気記録媒体を収容することができると共に、通路に沿って本体ケース内を往復動することができるサイズのトレイとを備え、第2の磁場発生源の永久磁石は、第1の磁場発生源の永久磁石にそれぞれ対向する少なくとも3つの永久磁石から構成され、対向する永久磁石の少なくとも1組は、磁力線が通路に対して垂直方向に発生するように配置されており、残りの永久磁石は、磁力線が通路に沿った方向に発生するように配置されていることを特徴とするデータ消去装置である。
第1の形態のデータ消去装置においては、第1の磁場発生源にある永久磁石と、第2の磁場発生源にあるの永久磁石とを、それぞれ強磁性体板の上に配置することができる。
第2の形態は、磁気記録媒体に記録されたデータを、N極とS極とを有する永久磁石から発生した磁界を利用して消去するデータ消去装置であって、磁気記録媒体を上面に保持する本体ケースと、2つの永久磁石から構成されてこれらが互いに吸着し合う極性となるように隣接配置された第1の磁場発生源と、1つの永久磁石から構成されて第1の磁場発生源と同じサイズで、その極性が上下方向である第2の磁場発生源と、1つの永久磁石から構成されて第2の磁場発生源と同じサイズで、その極性も同じである第3の磁場発生源と、第1と第2の磁場発生源を交換可能に装着でき、装着した磁場発生源を、本体ケースの内部で所定方向に移動させることができる第1の移動部材と、本体ケースの上面において、磁気記録媒体を磁場発生源の移動方向に略直交する方向に移動させることができる第2の移動部材と、第1の移動部材に第2の磁場発生源が装着された時に、第2の移動部材の上部に取り付けられ、第1の移動部材に装着された第2の磁場発生源に対向する位置に、第3の磁場発生源を装着可能に構成された第3の磁場発生源の保持部材とを備えることを特徴とするデータ消去装置である。
第3の形態は、第2の形態のデータ消去装置において、第1と第2の磁場発生源が、発生した磁場が本体ケースの上面を越えてその上方の空間に達するように強磁性体板に取り付けられており、第1の移動部材が、本体ケースの上面の所定範囲内に満遍なく磁場が印加されるように、本体ケースに対して段階的に移動可能に本体ケースに取り付けられており、第2の移動部材は、磁気記録媒体が本体ケースの上面に保持された状態で、その中央部に磁気記録媒体を収容できる枠体を備えて構成され、この枠体の一端が回動軸によって本体ケースの上面の上に回動自在に固定されており、第3の磁場発生源の保持部材には、第1の移動部材の段階的な移動可能に対応して、第3の磁場発生源を段階的に移動させる第3の磁場発生源の位置決め部が設けられており、枠体内に磁気記録媒体を収容した状態で、第2の移動部材を回動軸を中心にして揺動させると共に、第2の移動部材の所定回数の揺動後に、第1の移動部材の位置を段階的に順次変更し、第1の移動部材に第2の磁場発生源が装着されている場合には、第3の磁場発生源をその保持部材で第1の移動部材の段階的な移動可能に対応して移動させ、各段階において第2の移動部材を所定回数だけ揺動させることができるように構成されていることを特徴とするデータ消去装置である。
第3の形態のデータ消去装置において、枠体の回動軸が設けられている端部と反対側の端部に、枠体の揺動を容易にするグリップを突設し、第3の磁場発生源の保持部材を構成するフレームの、一端にはグリップを受け入れる凹部を設け、他端には回動軸を挿通するための貫通孔を設けることができる。
本発明の第1の形態のデータ消去装置には、簡単な操作で、磁気記録装置に内蔵される磁気ディスク等の磁気記録媒体に記録されたデータが水平記録方式でも、垂直記録方式でもどちらでも消去することができるという効果がある。また、第2と第3の形態のデータ消去装置には、磁気記録装置に内蔵される磁気ディスク等の磁気媒体に記録されたデータを消去する永久磁石のサイズを小さくするができると共に、記録されたデータが水平記録方式でも、垂直記録方式でも、磁石を取り替えることによって対応することができるという効果がある。
以下添付図面を用いて本発明の実施形態を具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。
図1(a)は本発明のデータ消去装置によってデータが消去される磁気ディスク装置1の分解斜視図である。磁気ディスク装置1はハードディスク装置であり、アルミニウム合金製のベース2とカバー9で密閉されている。ベース2の上にはスピンドルモータ3がねじ4によって取り付けられており、スピンドルモータ3には少なくとも1枚の磁気ディスク5がクランプ7を介してねじ8にて固定されている。なお、磁気ディスク5はデータを記憶するためのディスク状の記憶媒体であり、スピンドルモータ3に固定される磁気ディスク5の枚数は、磁気ディスク装置1の仕様によって決定される。磁気ディスク5同士の間、及び磁気ディスク5とクランプ7との間にはスペーサ6が挿入されている。
また、ベース2の上の磁気ディスク5に近接する部位にはアクチュエータ11が揺動可能に取り付けられている。アクチュエータ11の先端部には、データを磁気ディスク5に書き込む、或いはデータを磁気ディスク5から読み出すためのヘッドを備えたヘッド部12がある。また、このヘッド部12と反対側のアクチュエータ11の端部は、同じくベース2の上に固定されたボイスコイルモータ(VCM)13によって駆動される。以上説明した部材をベース2の上に取り付けた後に、ねじ10によってカバー9をベース2に固定すると、図1(b)に示す状態となる。
図2(a)は本発明の第1の実施例のデータ消去装置60の構成を示すものであり、図2(b)はこのデータ消去装置60により磁気ディスク装置1のデータを消去する原理を説明するものである。第1の実施例のデータ消去装置60には、一側面に開口部67が設けられ、内部にこの開口部67に連続する通路68が設けられた本体ケース62がある。この本体ケース62内の通路68の上下方向には、磁場発生源が設けられている。
通路68の下側の面には、強磁性体板から構成されたヨーク26の上に配置された3つの磁石27、28、29があり、3つの磁石27、28、29の頂面が通路68と面一になっている。3つの磁石27、28、29のサイズはほぼ同じである。この実施例では、3つの磁石27、28、29は互いに吸着し合う極性となるように隣接配置されている。即ち、通路68の開口部67に最も近い磁石27の極性は、通路68側がN極でヨーク26側がS極であり、真ん中の磁石28の極性は、通路68側がS極でヨーク26側がN極であり、開口部67から最も遠い磁石29の極性は、通路68側の極性がN極でヨーク26側の極性がS極である。
通路68の上側の面には、強磁性体板から構成されたヨーク26Aの上に配置された3つの磁石27A、28A、29Aがあり、3つの磁石27A、28A、29Aの頂面が通路68と面一になっている。また、磁石27,28、29と磁石27A,28A、29Aの幅は同じであり、磁気ディスク装置1の幅よりも大きく形成されている。この実施例では、3つの磁石27A、28A、29Aの内、開口部67側の2つの磁石27A、28Aは互いに吸着し合う極性となるように隣接配置されているが、開口部67から最も遠い磁石29Aの極性は、隣接する磁石28Aの極性に対して互いに反発する極性になっている。即ち、通路68の開口部67に最も近い磁石27Aの極性は、通路68側がN極でヨーク26A側がS極であり、真ん中の磁石28Aの極性は、通路68側がS極でヨーク26A側がN極であり、開口部67から最も遠い磁石29Aの極性は、通路68側がS極でヨーク26側がN極である。
第1の実施例のデータ消去装置60には、以上のように構成された本体ケース62の他に、このケース62に出し入れ自在に構成された引き出し式のトレイ61がある。データを消去しようとする磁気記録媒体である磁気ディスク装置1は、このトレイ61の上に搭載されてケース62に対して出し入れされる。
そして、ケース62内の通路68に面して配置された磁石27,28、29と、これらに対向して配置された磁石27A、28A、29Aによって、図2(b)に示すように通路68に、符号A、Bで示す磁場が発生する。符号Aで示す磁場は、磁石29から磁石29Aに向かう磁束で構成され、通路68の長手方向に対して垂直な方向の磁場である。一方、符号Bで示す磁場は、磁石27から磁石28に向かう磁束、磁石27Aから磁石28Aに向かう磁束、及び磁石29から磁石28に向かう磁束で構成され、これらの磁束は通路68の長手方向に対してほぼ平行な成分を有する。
磁石27,28、及びこれに対向する磁石27A、28Aはケース62の前面側に配置されているので、磁石27,28、27A、28Aによって発生する磁場Bに対して、水平記録方式で記録された磁気ディスクを内蔵する磁気ディスク装置1が搭載されたトレイ61を、ケース62に対して少なくとも1回出し入れすることにより、磁気ディスク装置1内の磁気ディスク5に記録されたデータがこの磁場Bによって消去される。即ち、この磁場Bによって形成される領域は、水平記録方式で記録された磁気ディスクのデータを消去するデータ消去領域EHである。
一方、磁石29及びこれに対向する磁石29Aはケース62の奥側(背面側)に配置されているので、磁石29,29Aによって発生する磁場Aに対して、垂直記録方式で記録された磁気ディスクを内蔵する磁気ディスク装置1が搭載されたトレイ61は、ケース62に対して奥まで押し込むことにより、磁気ディスク装置1内の磁気ディスク5に垂直記録王式で記録されたデータがこの磁場Aによって消去される。即ち、この磁場Aによって形成される領域は、垂直記録方式で記録された磁気ディスクのデータを消去するデータ消去領域EVである。データ消去領域EHとEVの位置は通路68に対して逆でも良い。即ち、通路68を挟んで対抗する磁石29と磁石29Aの組は、同じく通路68を挟んで対抗する磁石27と磁石27Aの組の左側(開口部67側)にあっても良い。
図3Aは、水平記録方式でデータを書き込んだ磁気ディスク装置1Hを、図2のように構成された第1の実施例のデータ消去装置60に挿入した状態を示すものである。図3Aにおける黒矢印は磁場の向きを示し、白抜き矢印はディスク装置1Hの移動方向を示す。水平記録方式でデータを書き込んだ磁気ディスク装置1Hは、磁石27,27A,28,28Aの反発力によって形成されたデータ消去領域EHを所定回数通過させる。すると、磁気ディスク装置1Hのスピンドルモータ3に取り付けられた磁気ディスク5は、データ消去領域EHにおける水平方向成分の磁場を通過することにより、水平記録方式で書き込まれたデータが消去される。
図3Bは、垂直記録方式でデータを書き込んだ磁気ディスク装置1Vを、図2のように構成された第1の実施例のデータ消去装置60に挿入した状態を示すものである。図3Bにおける黒矢印は磁場の向きを示し、白抜き矢印はディスク装置1Vの移動方向を示す。垂直記録方式でデータを書き込んだ磁気ディスク装置1Vは、磁石29,29Aの吸着力によって形成されたデータ消去領域EVを所定回数通過させる。すると、磁気ディスク装置1Vのスピンドルモータ3に取り付けられた磁気ディスク5は、データ消去領域EVにおける垂直方向成分の磁場を通過することにより、垂直記録方式で書き込まれたデータが消去される。このように、第1の実施例のデータ消去装置60は、磁石の配列を工夫して磁気ディスク装置が垂直、水平、何れの記録方式で記録されていてもそのデータを消去できる点が、これまでの装置にない最大のポイントである。
第1の実施例のデータ消去装置60では、通路68に磁石27,27A,28,28Aによって形成された水平方向の磁場を、水平記録方式でデータを書き込んだ磁気ディスク装置1Hが移動する場合に、磁気ディスク装置1Hの上下に水平方向の磁場が存在するので、図2に示したトレイ61に搭載された磁気ディスク装置1Hの上下を逆にして同じ動作を行う必要がない。また、通路68に磁石29,29Aによって形成された垂直方向の磁場を、垂直記録方式でデータを書き込んだ磁気ディスク装置1Vが移動する場合に、磁場は磁気ディスク装置1Vを垂直方向に通過するので、図2に示したトレイ61に搭載された磁気ディスク装置1Vの上下を逆にして同じ動作を行う必要がない。
第1の実施例のデータ消去装置60では、図2に示したトレイ61に搭載された磁気ディスク装置1H又は1Vを、開口部67から挿入して通路68の中を往復動させる必要がある。一方、本発明者らは、トレイに載せた水平記録方式でデータを書き込んだ磁気ディスク装置を、水平方向成分の磁場を持つデータ消去領域を内蔵するデータ消去装置内で往復動させることができる移動機構を備えたデータ消去装置を、特願2003−208087で提案している。第1の実施例のデータ消去装置60は、この特願2003−208087で提案したデータ消去装置に適用することが可能であり、この場合には、特願2003−208087で提案したデータ消去装置内の磁石の配置を、第1の実施例のデータ消去装置60と同様にすれば良い。
図4は、本発明の第2の実施例のデータ消去装置50の構成を分解して示すものである。第2の実施例のデータ消去装置50は、大きく分けて、第1の移動部材であるスライドトレイ20、本体30、第2の移動部材であるスイングトレイ40、及び磁場発生源の保持部材である磁石トレイ80とから構成されている。データ消去装置50は、図の左側が前端側、右側が後端側となっている。よって、第2の実施例では、図の左側をスライドトレイ20、本体30、スイングトレイ40、及び磁石トレイ80の前端側、右側を後端側として説明する。
スライドトレイ20は本体30に対してスライド可能に構成されており、このため本体21のスライド方向に直交する方向の断面形状は均一である。本体21の前端側にはスイングトレイ20をスライドさせるための把手23が設けられており、把手23側の本体21の前端側の上面には後述するスライドトレイ20の段階的なスライド位置を規定するための溝22が設けられている。この溝22の数は第2の実施例では4である。また、本体21の溝22に隣接する後端側の部位には磁石取付孔25が設けられており、この磁石取付孔25の後端側にはヨーク26に取り付けられる2つの永久磁石(第1の磁場発生源であり、以後単に磁石と言う)27,28が設置されている。また、本体21の側面には後述するストッパ突起24が突設されている。
スライドトレイ20に取り付けられる磁石27,28は、ヨーク26と分離して、これらを合わせたサイズと同じサイズの別の1つの磁石29(第2の磁場発生源)に交換可能である。磁石29は、上側がN極であり、下側がS極となっている。
本体30は箱型のケース31から構成されており、その前端面にスライドトレイ20を受け入れるための凹部32が開口している。凹部32の断面形状はスライドトレイ20のベース21の断面形状と同じである。この実施例では断面形状は凸型である。また、ケース31の前端面の所定位置にはラッチレバー34が回動自在に設けられている。このラッチレバー34の先端部はスライドトレイ20の溝22に嵌合するようになっている。更に、ケース31の上面にはスイングトレイ40を取り付けるための取付孔35が開けられている。そして、ケース31の上面の後端部にはストッパ36が突設されている。このストッパ36は、スイングトレイ40の揺動範囲を規制するためのものである。
なお、スライドトレイ20の側面にはストッパ突起24が突設されているので、凹部32の断面形状がスライドトレイ20のベース21の断面形状と同じであると、スライドトレイ20は凹部32にはケース31の前端面側からは挿入できない。そこで、本体30のケース31は組立式になっており、凹部32の中にスライドトレイ20を実際に嵌め込む場合には、最初にケース31の側面が外され、ケース31内にスライドトレイ20を収容した後に、外された側面が組み付けられる。
スイングトレイ40は、中央部に媒体収容孔42が設けられた矩形状のフレーム41を備えており、このフレーム41の前端側の上面にはグリップ43が突設されている。また、このフレーム41の後端側には、このフレーム41を本体30の上面に軸ピン44によって回動可能に取り付けるための貫通孔である取付孔45が設けられている。媒体収容孔42には、図1に示した磁気ディスク装置1が正立状態、或いは倒立状態でセットされる。そして、スイングトレイ40はこのグリップ43に加わる外力によって軸ピン44を中心にして回動する。本体30のケース31の上面に突設されたストッパ36は、このスイングトレイ40の揺動範囲を規制するためのものである。
磁石トレイ80は、第3の磁場発生源である磁石29Aを保持するためのものであり、スライドトレイ20に磁石29が取り付けられた時に使用されるものである。磁石トレイ80のフレーム81の外形は、この実施例ではスイングトレイ40の外形に一致しており、中央部に磁石29Aを収容する磁石収容孔82が設けられた矩形状をしている。フレーム81の前端側には、フレーム41上に載置された時にグリップ43を収容するグリップ収容溝83が設けられている。また、このフレーム81の後端側には、フレーム41に重ね合わされた時に、フレーム41に設けられた取付孔45に重なる貫通孔85が設けられている。フレーム81をフレーム41の上に重ね合わせて取り付ける場合には、軸ピン44に代えて、フレーム81の肉厚分だけ軸長が長い長軸ピン44Lを使用する。
磁石トレイ80の磁石収容孔82に収容される第3の磁場発生源である磁石29Aは、磁石29Aの両端部に設けられた突起29Pを除いて磁石29と同じ形状、同じ極性を備えている。一方、磁石トレイ80の磁石収容孔82には、磁石29Aに設けられた突起29Pを受け入れて位置決めする位置決め溝84が設けられている。位置決め溝84の数は、スライドトレイ20の側面に設けられた溝22の数と同じであり、4つである。また、位置決め溝84の間隔は、溝22の間隔と同じである。
そして、磁石29を取り付けたスライドトレイ20を本体30の箱型のケース31設けられた凹部32に挿入し、最も奥まで押し込んでスライドトレイ20の最も前端側の溝22をラッチレバー34で係止した状態の時に、スイングトレイ41の上に磁石トレイ80を取り付けて、貫通孔85に最も近い位置決め溝84に磁石29Aの突起29Pを嵌合すると、磁石29Aが本体30内にある磁石29の真上に位置するようになっている。
以上のように構成された第2の実施例のデータ消去装置50を使用して、まず、ディスクに水平記録方式でデータが記録された磁気ディスク装置1Hのデータを消去する場合について、図5から図9及び図14を用いて説明する。この場合には、図4に示すように、スライドトレイ20には磁石27,28を取り付け、ケース31の上面にはスイングトレイ40のみを軸ピン44で取り付けて、媒体収容孔42に磁気ディスク装置1H等を装着する。磁石トレイ80、磁石29,29A、及び長軸ピン44Lはこの場合には使用しない。
図5(a)は、図4に示したデータ消去装置50を組み立ててスライドトレイ20を本体30内に完全に挿入した状態を示すものである。この状態では、スライドトレイ20のベース21の上面に設けられた溝22の中の最も前端側のものがケース31から露出している。そして、ラッチレバー34を回転させてこの溝22に係合させれば、スライドトレイ20が本体30に対して最も没入した状態で固定される。
図5(b)は、図5(a)に示したスライドトレイ20を本体30から最大限引き出した状態を示すものである。この状態では、スライドトレイ20のベース21の上面に設けられた4つの溝22が全てケース31から露出している。従って、ラッチレバー34を回転させてこの最も後端側の溝22に係合させれば、スライドトレイ20が本体30から最も引き出された状態で固定される。スライドトレイ20は、図5(a)に示した状態と図5(b)に示した状態の間で、本体30に対して4段階の引き出し位置をとることができる。
図6(a)は本発明のデータ消去装置50により水平記録方式で記録された磁気ディスク装置1Hのデータを消去する原理を説明するものであり、図6(b)は図6(a)の磁石27,28の磁束方向を説明するものである。本発明では、ヨーク26の上に、磁石27は上側がN極、下側がS極となるように配置され、磁石28は逆に上側がS極、下側がN極となるように配置されている。つまり、磁石27,28は、互いに吸着し合う極性となるように隣接配置されており、磁石27,28は磁場発生手段として機能する。磁場発生手段としてみれば、その表裏面において異なる極性同士が隣接している。
磁石27のN極から出た磁束は、ヨーク26がない場合には、外部空間を経由して磁石28のS極に戻る。一方、磁石27,28の下側にヨーク26が取り付けられている場合には、磁石28のN極から出た磁束は、外部空間に漏れずにヨーク26内を通って磁石27のS極に戻る。ヨーク26の機能は、ヨーク26が設けられていない側における磁束密度の向上(ミラー効果)、及びヨーク26が設けられている側における外部空間への不要な磁束の漏れを抑制することである。また、磁石27,28を前述のようにヨーク26の上に配置した場合、磁石27から外部空間を経由して磁石28に戻る磁束は、図6(a)に矢印で示す、磁石27と磁石28が隣接する部分の中央部分Mが最も強いことも知られている。この部分を磁束最大領域Mと記す。なお、ヨーク26は一体ではなく、分割部材を組み立てて構成しても良い。
一方、磁気ディスク5のデータは、図7(b)に示すように、水平磁気記録方式を採用していることから、磁気ディスク5に記録されたデータを消去するためには、磁気ディスク5と平行な方向の磁場を利用することが望ましい。そこで、本発明では、図7(a)に示すように、磁気ディスク装置1Hのスピンドルモータ3に取り付けられた磁気ディスク5に記録されたデータを消去するために、磁気ディスク装置1が磁石27,28の上に置かれるようにし、両者を相対的に前後方向(Y方向)及び左右方向(X方向)に移動させるようにしている。このようにすれば、磁石27,28によって発生する磁場領域の水平方向の成分を利用して磁気ディスク5に記録されたデータを消去することができる。
なお、磁気ディスク5に記録されたデータを消去するための磁場の強度は、磁気ディスク5の保磁力よりも大きいことが必要である。そこで、磁石27,28には、高保磁力の磁気ディスク5に記録されたデータを確実に消去するために、磁束密度の高いNd−Fe−B系の磁石を使用することが望ましい。一方、磁石27,28のヨーク26からはその外部空間への不要な漏れ磁束を抑制することが望ましい。よって、ヨーク26の材料としては、強磁性体、例えば、JIS SS400を使用することが望ましい。
また、磁石27と磁石28の磁束最大領域Mが、確実に磁気ディスク5のデータ消去部分を通過するように構成することも望ましい。更に、磁気ディスク装置1Hに図7(a)に示すように複数枚の磁気ディスク5がある場合には、どうしても磁石27,28から遠い方の磁気ディスク5のデータが消去されにくい。よって、このような場合には、磁気ディスク装置1Hの上下を逆にして、再度データの消去動作を行うようにすれば、確実に磁気ディスク5に記録されたデータを消去することができる。
本発明では、以上説明したように、磁石27,28の配置で得られた磁場を利用して、図1に示した磁気ディスク装置1Hのカバー9内に設けられた磁気ディスク5に水平記録方式で記憶されたデータを消去する。この場合、磁場が磁気ディスク5の全面に当たるようにするためには、磁石27,28のサイズを大きくすれば良い。しかしながら、磁石27,28のサイズをその磁場が磁気ディスク5の全面に当たるように大きくすると、磁石27,28の重量が非常に大きくなって持ち運びが困難になるばかりか、磁石27,28の値段が高くなってしまう。また、限られた磁場を磁気ディスク5の全面に当てるために、磁気ディスク5をスピンドルモータ3で回転させる方法も考えられるが、モータが回転しなかった場合には磁気ディスク5のデータが完全に消去されなくなるので、安全性に問題がある。
そこで、本発明の第2の実施例のデータ消去装置50では、図4,図5でその構成を説明したように、できるだけ磁石27,28のサイズを小さくする一方、磁石27,28からの磁場が磁気ディスク5の全面に当たるように、磁石27,28と磁気ディスク5とを相対的に移動させている。即ち、磁石27,28はスライドトレイ20によってデータ消去装置50の前後方向(Y方向)に移動させ、磁気ディスク5はスイングトレイ40によって磁石27,28に対して略左右方向(X方向)に移動させることによってこれを実現している。
よって、ここで、本発明の第2の実施例のデータ消去装置50を用いて、磁気ディスク装置1H内の磁気ディスク5に水平記録方式で記録されたデータを完全に消去する方法について図8、図9及び図14を用いて説明する。
図8(a)は図5(a)に示した状態のデータ消去装置50の平面図であり、スライドトレイ20にある磁石27,28の位置と、スイングトレイ40に磁気ディスク装置1が取り付けられた場合の、装置内の磁気ディスク5の位置との関係を示すものである。また、図9(a)は図8(a)の状態を側面から見た状態を示すものである。第2の実施例では、図9(a)に示す位置において、磁石27,28の磁束最大領域Mが、スイングトレイ40に取り付けられた磁気ディスク装置1内の磁気ディスク5の後端側の端部からその直径の4分の1の部分の範囲に入るように、磁石27,28がスライドトレイ20に配置されている。このとき、スライドトレイ20の側面に突設されたストッパ突起24は、本体30のケース31の内部に設けられたガイド溝37の後端側の端部に当接する位置にある。
この状態で図8(b)に示すように、グリップ43を把持してスイングトレイ40を、実線で示す位置から破線で示す位置まで揺動させると、磁気ディスク5は二点鎖線で示すように磁石27,28の上を略左右方向に移動する。ここで、磁気ディスク5側から見た磁石27,28の相対的な移動領域を図14に領域(a)で示す。この図から分かるように、図9(a)に示す状態でスイングトレイ40を揺動させることにより、磁気ディスク5の直径の4分の1の領域(a)のデータを、磁石27,28によって消去することができる。
次に、図9(a)の状態から、前述のラッチレバー34(図4,図5参照)を外し、把手23を引くことにより、2つ目の溝22がケース31から露出する距離分だけスライドトレイ20をケース31から引き出し、図9(b)の状態にして前述のラッチレバー34で固定する。この状態では、磁石27,28の磁束最大領域Mは、スイングトレイ40に取り付けられた磁気ディスク装置1H内の磁気ディスク5の中心位置から、その直径の4分の1だけ後端部側の部分の範囲に位置する。
そして、この状態で前述のようにグリップ43を把持してスイングトレイ40を揺動させる。この時の磁気ディスク5側から見た磁石27,28の相対的な移動領域を図14に領域(b)で示す。この図から分かるように、図9(b)に示す状態でスイングトレイ40を揺動させることにより、図9(a)に示す状態でスイングトレイ40を揺動させることにより消去された磁気ディスク5のデータ領域に隣接する、磁気ディスク5の直径の4分の1の領域(b)のデータを、磁石27,28によって消去することができる。
更に、図9(b)の状態から、前述のラッチレバー34(図4,図5参照)を外し、把手23を引くことにより、3つ目の溝22がケース31から露出する距離分だけスライドトレイ20をケース31から引き出し、図9(c)の状態にして前述のラッチレバー34で固定する。この状態では、磁石27,28の磁束最大領域Mは、スイングトレイ40に取り付けられた磁気ディスク装置1H内の磁気ディスク5の中心位置から、その直径の4分の1だけ前端部側の部分の範囲に位置する。
そして、この状態で前述のようにグリップ43を把持してスイングトレイ40を揺動させる。この時の磁気ディスク5側から見た磁石27,28の相対的な移動領域を図14に領域(c)で示す。この図から分かるように、図9(c)に示す状態でスイングトレイ40を揺動させることにより、図9(b)に示す状態でスイングトレイ40を揺動させることにより消去された磁気ディスク5のデータ領域に隣接する、磁気ディスク5の直径の4分の1の領域(c)のデータを、磁石27,28によって消去することができる。
最後に、図9(c)の状態から、前述のラッチレバー34(図4,図5参照)を外し、把手23を引いてスライドトレイ20の側面に突設されたストッパ突起24が、本体30のケース31の内部に設けられたガイド溝37の前端側の端部に当接する図9(d)に示す状態にする。すると、4つ目の溝22がケース31から露出するので、前述のラッチレバー34で固定する。この状態では、磁石27,28の磁束最大領域Mは、スイングトレイ40に取り付けられた磁気ディスク装置1H内の磁気ディスク5の前端側の端部からその直径の4分の1の部分の範囲に位置する。
そして、この状態で前述のようにグリップ43を把持してスイングトレイ40を揺動させる。この時の磁気ディスク5側から見た磁石27,28の相対的な移動領域を図14に領域(d)で示す。この図から分かるように、図9(d)に示す状態でスイングトレイ40を揺動させることにより、図9(c)に示す状態でスイングトレイ40を揺動させることにより消去された磁気ディスク5のデータ領域に隣接する、磁気ディスク5の直径の4分の1の領域(d)のデータを、磁石27,28によって消去することができる。
このように、本体30のケース31からスライドトレイ20を、4段階に分けて引き出し、各段階においてスライドトレイ40を揺動させることにより、磁気ディスク5の4分の1程度の小さなサイズの磁石27,28で、磁気ディスク5の全面に記録されたデータを消去することができる。なお、この後にスイングトレイ40にセットした磁気ディスク装置1Hの上下を逆にして、前述の動作をスライドトレイ20を本体30内に没入される側に移動させて逆の順序で行えば、磁気ディスク装置1の磁気ディスク5に記録されたデータを一層完全に消去することができる。
次に、第2の実施例のデータ消去装置50を使用して、ディスクに垂直記録方式でデータが記録された磁気ディスク装置のデータを消去する場合について、図10から図14を用いて説明する。この場合には、図10に示すように、スライドトレイ20には磁石29を取り付け、ケース31の上面には媒体収容孔42に磁気ディスク装置1V等を装着したスイングトレイ40を、取付孔45がケース31の取付孔35に重なるようにして載置する。そして、スイングトレイ40の上に、磁石29Aを最も後端位置に取り付けた磁石トレイ80を、グリップ収容溝83をグリップ43に係合させた状態で載置し、貫通孔85をスイングトレイ40の取付孔45に合わせ、長軸ピン44Lを挿通する。
図11(a)は、図10に示したデータ消去装置50を組み立ててスライドトレイ20を本体30内に完全に挿入した状態を示すものである。この状態では、スライドトレイ20のベース21の上面に設けられた溝22の中の最も前端側のものがケース31から露出している。そして、ラッチレバー34を回転させてこの溝22に係合させれば、スライドトレイ20が本体30に対して最も没入した状態で固定される。
図11(b)は、図11(a)に示したスライドトレイ20を本体30から最大限引き出した状態を示すものである。この状態では、スライドトレイ20のベース21の上面に設けられた4つの溝22が全てケース31から露出している。従って、ラッチレバー34を回転させてこの最も後端側の溝22に係合させれば、スライドトレイ20が本体30から最も引き出された状態で固定される。スライドトレイ20は、図11(a)に示した状態と図11(b)に示した状態の間で、本体30に対して4段階の引き出し位置をとることができる。
図12(a)は本発明のデータ消去装置50により磁気ディスク装置1Vに垂直記録方式で記録されたデータを消去する原理を説明するものであり、磁石29,29Aの磁束方向が示されている。この実施例では、ヨーク26の上に、磁石29が上側がN極、下側がS極となるように配置されている。そして、磁石29Aは通路68を隔てて上側がN極、下側がS極となるように配置されている。つまり、磁石29,29Aは、互いに吸着し合う極性となるように通路68を隔てて配置されており、磁石29のN極から出た磁束は、磁石29AのS極に向かう。即ち、磁場が磁石29から磁石29Aに向かう方向に発生しており、磁石29,29Aは磁場発生手段として機能している。
一方、磁気ディスク5のデータは、図12(b)に示すように、垂直磁気記録方式を採用していることから、1つのトラック51の磁性粒子52は、磁気ディスク5の平面に対して垂直方向に磁化されている。よって、磁気ディスク5に記録されたデータを消去するためには、磁気ディスク5に垂直な方向の磁場を利用することが望ましい。そこで、本発明では、図12(a)に示すように、磁気ディスク装置1Vの中にある磁気ディスク5に記録されたデータを消去するために、磁気ディスク装置1Vが磁石29,29Aによって発生する磁場の中を移動させるようにしている。このようにすれば、磁石29,29Aによって発生する磁場領域の垂直方向の成分を利用して磁気ディスク5に記録されたデータを消去することができる。磁石29,29Aは、磁石27,28と同じく磁束密度の高いNd−Fe−B系の磁石を使用すれば良い。また、磁石29AのN極側にヨークを設けても良い。
この実施例では、以上説明したように、磁石29,29Aの配置で得られた磁場を利用して、図1に示した磁気ディスク装置1Vのカバー9内に設けられた磁気ディスク5に垂直記録されたデータを消去する。そして、前述のように、磁場が磁気ディスク5の全面に当たるようにするために、磁石29,29Aのサイズを小さくする一方、磁石29,29Aからの磁場が磁気ディスク5の全面に当たるように、磁石29,29Aと磁気ディスク5とを前述の機構により相対的に移動させている。即ち、磁石29はスライドトレイ20によってデータ消去装置50の前後方向(Y方向)に移動させ、磁気ディスク5と磁石29Aはスイングトレイ40によって磁石29に対して略左右方向(X方向)に移動させることによってこれを実現している。
ここで、本発明の第2の実施例のデータ消去装置50を用いて、磁気ディスク装置1V内の磁気ディスク5に垂直記録されたデータを完全に消去する方法について図8、図13、及び図14を用いて説明する。なお、スイングトレイ40に磁気ディスク装置1Vと磁石29Aが取り付けられた場合の、スライドトレイ20にある磁石29の位置と磁気ディスク5の位置の関係は、図8(a)で説明した水平記録方式の場合と同じであるので、ここではその説明を簡略化する。
図8(a)は図11(a)に示した状態のデータ消去装置50の平面図であり、スライドトレイ20にある磁石29の位置と、スイングトレイ40に磁気ディスク装置1Vと磁石29Aが取り付けられた場合の、磁気ディスク5の位置との関係を示すものである。また、図13(a)は図8(a)の状態を側面から見た状態を示すものである。第2の実施例では、図13(a)に示す位置において、磁石29,29Aによって発生する磁束が、スイングトレイ40に取り付けられた磁気ディスク装置1V内の磁気ディスク5の後端側の端部からその直径の4分の1の部分の範囲に入るように、磁石29,29Aがスライドトレイ20と磁石トレイ(図示せず)に配置されている。
図8(b)に示すように、スイングトレイ40を実線で示す位置から破線で示す位置まで揺動させると、磁気ディスク5と磁石29Aは二点鎖線で示すように磁石29の上を略左右方向に移動する。ここで、磁気ディスク5側から見た磁石29の相対的な移動領域を図14に領域(a)で示す。この図から分かるように、図13(a)に示す状態でスイングトレイ40を揺動させることにより、磁気ディスク5の直径の4分の1の領域(a)の垂直記録データを、磁石29,29Aによって消去することができる。
次に、図13(a)の状態から、前述のラッチレバー34(図11参照)と溝22の関係を変更して、図13(b)の状態にして前述のラッチレバー34で固定する。この状態では、磁石29,29Aによる磁束は、磁気ディスク5の中心位置から、その直径の4分の1だけ後端部側の部分の範囲に位置する。そして、この状態で前述のようにスイングトレイ40を揺動させる。この時の磁気ディスク5側から見た磁石29の相対的な移動領域を図14に領域(b)で示す。この図から分かるように、図13(b)に示す状態でスイングトレイ40を揺動させることにより、図13(a)に示す状態で消去された磁気ディスク5のデータ領域に隣接する、磁気ディスク5の直径の4分の1の領域(b)の垂直記録データを、磁石29,29Aによって消去することができる。
更に、図13(b)の状態から、溝22を1つずらして図13(c)の状態にして前述のラッチレバー34で固定する。この状態では、磁石29,29Aによる磁束は、磁気ディスク5の中心位置から、その直径の4分の1だけ前端部側の部分の範囲に位置する。そして、この状態で前述のようにスイングトレイ40を揺動させる。この時の磁気ディスク5側から見た磁石29の相対的な移動領域を図14に領域(c)で示す。この図から分かるように、図13(c)に示す状態でスイングトレイ40を揺動させることにより、図13(b)に示す状態で消去された磁気ディスク5のデータ領域に隣接する、磁気ディスク5の直径の4分の1の領域(c)の垂直記録データを、磁石29,29Aによって消去することができる。
最後に、図13(c)の状態から、溝22を更に1つずらして図13(d)に示す状態にする。この状態では、磁石29,29Aによる磁束は、磁気ディスク5の前端側の端部からその直径の4分の1の部分の範囲に位置する。そして、この状態で前述のようにスイングトレイ40を揺動させる。この時の磁気ディスク5側から見た磁石29の相対的な移動領域を図14に領域(d)で示す。この図から分かるように、図13(d)に示す状態で消去された磁気ディスク5のデータ領域に隣接する、磁気ディスク5の直径の4分の1の領域(d)の垂直記録データを、磁石29,29Aによって消去することができる。
このように、第2の実施例のデータ消去装置50では、磁石の交換と磁石トレイの追加により、本体30のケース31からスライドトレイ20を4段階に分けて引き出し、各段階においてスライドトレイ40を揺動させることにより、磁気ディスク5の4分の1程度の小さなサイズの磁石29,29Aで、磁気ディスク5の全面に垂直記録されたデータを消去することができる。
また、第2の実施例のデータ消去装置では、水平記録方式でデータが記録された磁気ディスク装置1Hのデータを消去する場合に、図4に示したようにスライドトレイには磁石27,28を装着しておき、磁気ディスク装置1Hを収容したスイングトレイ40の上に磁石トレイ80を長軸ピン44Lによって取り付け、磁石トレイ80の磁石収容孔82には、磁石27,28をそれぞれ上下逆にして接着し、磁石29Aと同様に突起を設けたものを取り付け、前述のデータ消去方法と同じ操作を行えば、スイングトレイ40に収容した磁気ディスク装置1Hの上下をひっくり返さなくてもデータを確実に消去することができる。
なお、以上説明した第2の実施例のデータ消去装置50では、図15(a)に示すように、スイングトレイ40の媒体収容孔42内の長手方向に、磁気ディスク装置1をセットして、磁気ディスク装置1に内蔵された磁気ディスクに記録されたデータを消去する例を説明した。一方、第2の実施例のデータ消去装置50のスイングトレイ40の媒体収容孔42の短手方向の長さは、別の記録媒体、例えばライブラリ装置に使用される磁気記録媒体である磁気テープカートリッジ14、がセットできる長さとなっている(図15(b)参照)。このように、本発明のデータ消去装置50は、スイングトレイ40に設ける媒体収容孔42の形状により、複数種類の磁気記録媒体に記録されたデータを、その磁気記録媒体への記録が水平記録でも、垂直記録でも、装置構成を変更することにより消去することができる。更に、本発明のデータ消去装置50の軸ピン44を本体30から外して、スイングトレイ40を磁気記録媒体に対応させて交換可能にしておけば、更に多くの種類の磁気記録媒体のデータ消去に、本発明のデータ消去装置50を使用することができる。
なお、以上の実施例では、データ消去装置50、60によってデータが消去される磁気記録媒体として、磁気ディスク装置(ハードディスク装置)1と磁気テープカートリッジ14の例を説明したが、本発明のデータ消去装置50、60によってデータが消去される磁気記録媒体は特に限定されるものではない。
以上、本発明を特にその好ましい実施の形態を参照して詳細に説明した。本発明の容易な理解のために、本発明の具体的な形態を以下に付記する。
(付記1)磁気記録媒体(1) に記録されたデータを、N極とS極とを有する永久磁石(27,28,29,29A)から発生した磁界を利用して消去するデータ消去装置(60)であって、
少なくとも一側面に開口部(67)が設けられ、内部にこの開口部(67)に連続する通路(68)が設けられた本体ケース(62)と、
前記通路(68)の一面に沿って設けられ、少なくとも3つの永久磁石(27,28,29) が、互いに吸着し合う極性となるように隣接配置された第1の磁場発生源と、
前記通路(68)の他の面に前記第1の磁場発生源に対向して設けられた第2の磁場発生源と、
前記磁気記録媒体(1) を収容することができると共に、前記通路(68)に沿って前記本体ケース(62)内を往復動することができるサイズのトレイ(61)とを備え、
前記第2の磁場発生源の永久磁石は、前記第1の磁場発生源の永久磁石にそれぞれ対向する少なくとも3つの永久磁石(27A,28A,29A)から構成され、対向する永久磁石の少なくとも1組は磁力線が前記通路(68)に対して垂直方向に発生するように配置されており、残りの永久磁石は、磁力線が前記通路(68)に沿った方向に発生するように配置されていることを特徴とするデータ消去装置(60)。(1)
(付記2)付記1に記載のデータ消去装置(60)において、
前記第1の磁場発生源にある永久磁石(27,28,29)と、前記第2の磁場発生源にある永久磁石(27A,28A,29A)とが、それぞれ強磁性体板(26,26A)の上に配置されていることを特徴とするデータ消去装置。(2)
(付記3)付記1又は2に記載のデータ消去装置(60)において、
前記第1の磁場発生源にある永久磁石の数が、前記第2の磁場発生源にある永久磁石の数とが、それぞれ3個ずつであることを特徴とするデータ消去装置。
(付記4)付記3に記載のデータ消去装置(60)において、
前記第1の磁場発生源にある3個の永久磁石の前記通路(68)側の極性が、前記開口部(67)側からN極、S極、N極となっており、前記第2の磁場発生源にある3個の永久磁石の前記通路(68)側の極性が、前記開口部(67)側からN極、S極、S極となっていることを特徴とするデータ消去装置。
(付記5)磁気記録媒体(1) に記録されたデータを、N極とS極とを有する永久磁石(27,28,29,29A) から発生した磁界を利用して消去するデータ消去装置(50)であって、
前記磁気記録媒体(1) を上面に保持する本体ケース(31)と、
2つの永久磁石(27,28)からなり、これらが互いに吸着し合う極性となるように隣接配置された第1の磁場発生源と、
1つの永久磁石(29A)からなり、前記第1の磁場発生源と同じサイズで、その極性が上下方向である第2の磁場発生源と、
1つの永久磁石(29)からなり、前記第2の磁場発生源と同じサイズで、その極性も同じである第3の磁場発生源と、
前記第1と第2の磁場発生源を交換可能に装着でき、装着した前記磁場発生源を前記本体ケース(31)の内部で所定方向に移動させることができる第1の移動部材(20)と、
前記本体ケース(31)の上面において、前記磁気記録媒体(1) を前記磁場発生源の移動方向に略直交する方向に移動させることができる第2の移動部材(40)と、
前記第1の移動部材(20)に前記第2の磁場発生源が装着された時に、前記第2の移動部材(40)の上部に取り付けられ、前記第1の移動部材(20)に装着された前記第2の磁場発生源に対向する位置に前記第3の磁場発生源を装着可能に構成された第3の磁場発生源の保持部材(80)と、を備えることを特徴とするデータ消去装置。(3)
(付記6)付記5に記載のデータ消去装置(50)において、
前記第1と第2の磁場発生源は、発生した磁場が前記本体ケース(31)の上面を越えてその上方の空間に達するように強磁性体板(26)に取り付けられており、
前記第1の移動部材(20)は、前記本体ケース(31)の上面の所定範囲内に満遍なく前記磁場が印加されるように、前記本体ケース(31)に対して段階的に移動可能に前記本体ケース(31)に取り付けられており、
前記第2の移動部材(40)は、前記磁気記録媒体(1) が前記本体ケース(31)の上面に保持された状態で、その中央部に前記磁気記録媒体(1) を収容できる枠体(41)を備えて構成され、この枠体(41)の一端が回動軸(44)によって前記本体ケース(31)の上面の上に回動自在に固定されており、
前記第3の磁場発生源の保持部材(80)には、前記第1の移動部材(20)の段階的な移動可能に対応して、前記第3の磁場発生源を段階的に移動させる前記第3の磁場発生源の位置決め部が設けられており、
前記枠体(41)内に磁気記録媒体(1) を収容した状態で、前記第2の移動部材(40)を前記回動軸(44)を中心にして揺動させると共に、前記第2の移動部材(40)の所定回数の揺動後に、前記第1の移動部材(20)の位置を段階的に順次変更し、前記第1の移動部材(20)に前記第2の磁場発生源が装着されている場合には、前記第3の磁場発生源をその保持部材(80)で前記第1の移動部材(20)の段階的な移動可能に対応して移動させ、各段階において前記第2の移動部材(40)を前記所定回数だけ揺動させることができるように構成されていることを特徴とするデータ消去装置(50)。(4)
(付記7)付記6に記載のデータ消去装置(50)において、
前記枠体(41)の回動軸(44)が設けられている端部と反対側の端部に、前記枠体(41)の揺動を容易にするグリップ(43)が突設されており、
前記第3の磁場発生源の保持部材(80)を構成するフレーム(41)の、一端には前記グリップ(43)を受け入れる凹部(83)が設けられており、他端には前記回動軸(44)を挿通するための貫通孔(85)が設けられているデータ消去装置(50)。(5)
(付記8)付記6又は7に記載のデータ消去装置(50)において、
前記第1の移動部材(20)の前記本体ケース(31)から遠い方の端部に、前記第1の移動部材(20)の移動を容易にするための把手(23)が設けられていることを特徴とするデータ消去装置(50)。
(付記9)付記6から8の何れか1項に記載のデータ消去装置(50)において、
前記第1の移動部材(20)の上面に所定間隔で溝(22)が設けられていると共に、前記本体ケース(31)にはこの溝(22)に係合して前記第1の移動部材(20)の移動を係止するラッチレバー(34)が設けられているデータ消去装置(50)。
(付記10)付記6から9の何れかに記載のデータ消去装置(50)において、
前記第1の移動部材(20)の側面にストッパ突起(24)が設けられていると共に、前記本体ケース(31)の内面にはこのストッパ突起(24)を受け入れて前記第1の移動部材(20)の移動範囲を規定するガイド溝(37)が設けられているデータ消去装置(50)。
(付記11)付記6から10の何れかに記載のデータ消去装置(50)において、
前記永久磁石(27,28) のサイズは、その磁束最大領域(M) の長さが前記枠体(41)内に収容する磁気記録媒体(1) のデータ消去範囲の長さよりも小さいサイズであり、前記溝(22)の数と間隔が、前記永久磁石(27,28) の磁束最大領域(M) の長さと、前記磁気記録媒体(1) のデータ消去範囲の長さに応じて定められているデータ消去装置(50)。
(付記12)付記11に記載のデータ消去装置(50)において、
前記磁気記録媒体(1) が磁気ディスク装置であり、前記永久磁石(27,28) の磁束最大領域(M) の長さが、前記磁気ディスク装置に内蔵される磁気ディスク(1) の直径の4分の1に設定され、前記溝(22)の数が4であり、前記溝(22)の間隔が前記永久磁石(27,28) の磁束最大領域(M) の長さに等しくなっているデータ消去装置(50)。
(付記13)付記6から12の何れかに記載のデータ消去装置(50)において、
前記本体ケース(31)の上面に、前記第2の移動部材(40)の揺動範囲を規定するストッパ(36)が設けられているデータ消去装置(50)。
(付記14)付記6から13の何れかに記載のデータ消去装置(50)において、
前記磁気記録媒体(1) を収容するために前記枠体(41)の中央部に設けられた媒体収容孔(42)の形状が、複数種類の磁気記録媒体を収容可能な形状になっているデータ消去装置(50)。
(付記15)付記6から14の何れかに記載のデータ消去装置(50)において、
前記枠体(41)を、他の磁気記録媒体を収容するために前記媒体収容穴(42)の形状が異なる別の枠体に交換可能なデータ消去装置(50)。
(a)は本発明のデータ消去装置によってデータが消去される磁気ディスク装置の分解斜視図、(b)は(a)の磁気ディスク装置を組み立てた状態を示す磁気ディスク装置の斜視図である。 (a)は本発明の第1の実施例のデータ消去装置の構成を示す透視図、(b)は本発明の第1の実施例のデータ消去装置により磁気ディスク装置のデータを消去する原理を説明する説明図である。 (a)は本発明の第1の実施例のデータ消去装置により、水平記録方式でデータが記録された磁気ディスクのデータが消去される情況を説明する図、(b)は第1の実施例のデータ消去装置により、垂直記録方式でデータが記録された磁気ディスクのデータが消去される情況を説明する図である。 本発明の第2の実施例のデータ消去装置の構成を示す分解斜視図である。 (a)は図4に示したデータ消去装置を組み立て、水平記録方式でデータが記録された磁気ディスク装置をスイングトレイに装着し、スライドトレイを本体内に完全に挿入した状態を示すデータ消去装置の斜視図、(b)は(a)に示したスライドトレイを最大限引き出した状態を示すデータ消去装置の斜視図である。 (a)は本発明のデータ消去装置により水平記録方式でデータが記録された磁気ディスク装置のデータを消去する原理を説明する説明図、(b)は(a)の磁石の磁束方向を説明する図である。 (a)は本発明のデータ消去装置により水平記録方式でデータが記録された磁気ディスク装置のデータが消去される様子を示す断面図、(b)は磁気ディスク装置内の磁気ディスクに記録されたデータの磁化の方向を説明する図である。 (a)は図5(a)のデータ消去装置の平面図、(b)は(a)のデータ消去装置においてスイングトレイを最大限スイングさせた状態を説明する平面図である。 (a)から(d)は第2の実施例のデータ消去装置に水平記録方式でデータが記録された磁気ディスクが挿入された場合おいて、本体からスライドトレイを4段階に引き出していく各段階と、その時の磁石の最大磁場の位置を説明する説明図である。 本発明の第2の実施例のデータ消去装置を用いて垂直記録方式で記録された磁気ディスク装置のデータを消去する場合の装置の構成を示す分解斜視図である。 (a)は図10に示したデータ消去装置を組み立て、垂直記録方式でデータが記録された磁気ディスク装置と磁石トレイをスイングトレイに装着し、スライドトレイを本体内に完全に挿入した状態を示すデータ消去装置の斜視図、(b)は(a)に示したスライドトレイを最大限引き出した状態を示すデータ消去装置の斜視図である。 (a)は本発明のデータ消去装置により垂直記録方式でデータが記録された磁気ディスク装置のデータを消去する原理を説明する説明図、(b)は(a)の磁気ディスク装置内の磁気ディスクに記録されたデータの磁化の方向を説明する図である。 (a)から(d)は第2の実施例のデータ消去装置に垂直記録方式でデータが記録された磁気ディスクが挿入された場合おいて、本体からスライドトレイを4段階に引き出していく各段階と、その時の磁石の磁場の位置を説明する説明図である。 本発明の第2の実施例における磁気ディスクと磁石の最大磁場の相対変化の様子を説明する説明図である。 (a)は本発明の第2の実施例のデータ消去装置のスイングトレイに磁気ディスクを装着した状態を示す平面図、(b)は本発明の第2の実施例のデータ消去装置のスイングトレイにライブラリ装置で使用する磁気カートリッジを装着した状態を示す平面図である。
符号の説明
1 磁気ディスク装置(ハードディスク装置)
1H 水平記録方式でデータが記録された磁気ディスク装置
1V 垂直記録方式でデータが記録された磁気ディスク装置
5 磁気ディスク
20 スライドトレイ
22 溝
24 ストッパ突起
27,27A,28,28A,29,29A 永久磁石
30 本体
32 凹部
34 ラッチレバー
36 ストッパ
37 ガイド溝
40 スイングトレイ
41 フレーム
42 媒体収容孔
43 グリップ
44 軸ピン
44L 長軸ピン
50 第2の実施例のデータ消去装置
60 第1の実施例のデータ消去装置
61 トレイ
62 ケース
67 開口部
68 通路
80 磁石トレイ
81 フレーム
82 磁石収容孔
83 グリップ収容溝
84 磁石位置決め溝

Claims (3)

  1. 磁気記録媒体に記録されたデータを、N極とS極とを有する永久磁石から発生した磁界を利用して消去するデータ消去装置であって、
    前記磁気記録媒体を上面に保持する本体ケースと、
    2つの永久磁石からなり、これらが互いに吸着し合う極性となるように隣接配置された第1の磁場発生源と、
    1つの永久磁石からなり、前記第1の磁場発生源と同じサイズで、その極性が上下方向である第2の磁場発生源と、
    1つの永久磁石からなり、前記第2の磁場発生源と同じサイズで、その極性も同じである第3の磁場発生源と、
    前記第1と第2の磁場発生源を交換可能に装着でき、装着した前記磁場発生源を、前記本体ケースの内部で所定方向に移動させることができる第1の移動部材と、
    前記本体ケースの上面において、前記磁気記録媒体を前記磁場発生源の移動方向に略直交する方向に移動させることができる第2の移動部材と、
    前記第1の移動部材に前記第2の磁場発生源が装着された時に、前記第2の移動部材の上部に取り付けられ、前記第1の移動部材に装着された前記第2の磁場発生源に対向する位置に、前記第3の磁場発生源を装着可能に構成された第3の磁場発生源の保持部材と、を備えることを特徴とするデータ消去装置。
  2. 請求項に記載のデータ消去装置において、
    前記第1と第2の磁場発生源は、発生した磁場が前記本体ケースの上面を越えてその上方の空間に達するように強磁性体板に取り付けられており、
    前記第1の移動部材は、前記本体ケースの上面の所定範囲内に満遍なく前記磁場が印加されるように、前記本体ケースに対して段階的に移動可能に前記本体ケースに取り付けられており、
    前記第2の移動部材は、前記磁気記録媒体が前記本体ケースの上面に保持された状態で、その中央部に前記磁気記録媒体を収容できる枠体を備えて構成され、この枠体の一端が回動軸によって前記本体ケースの上面の上に回動自在に固定されており、
    前記第3の磁場発生源の保持部材には、前記第1の移動部材の段階的な移動可能に対応して、前記第3の磁場発生源を段階的に移動させる前記第3の磁場発生源の位置決め部が設けられており、
    前記枠体内に磁気記録媒体を収容した状態で、前記第2の移動部材を前記回動軸を中心にして揺動させると共に、前記第2の移動部材の所定回数の揺動後に、前記第1の移動部材の位置を段階的に順次変更し、前記第1の移動部材に前記第2の磁場発生源が装着されている場合には、前記第3の磁場発生源をその保持部材で前記第1の移動部材の段階的な移動可能に対応して移動させ、各段階において前記第2の移動部材を前記所定回数だけ揺動させることができるように構成されていることを特徴とするデータ消去装置。
  3. 請求項に記載のデータ消去装置において、
    前記枠体の回動軸が設けられている端部と反対側の端部に、前記枠体の揺動を容易にするグリップが突設されており、
    前記第3の磁場発生源の保持部材を構成するフレームの、一端には前記グリップを受け入れる凹部が設けられており、他端には前記回動軸を挿通するための貫通孔が設けられているデータ消去装置。
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