JP2004013992A - 磁気ディスクカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【課題】シャッターによる擦れ粉の発生がなく、ケース内外間の隔絶性が高く、また落下による破損も起き難い磁気ディスクカートリッジを得る。
【解決手段】円盤状の磁気ディスクメディア15と、この磁気ディスクメディア15を回転可能に収容した例えば上下シェルハーフ11、12からなるケースとを備えてなる磁気ディスクカートリッジにおいて、上記ケースが樹脂製のケース本体部11a、12および、このケース本体部11a、12と一体的に形成されて少なくともケースの一側面部分を構成する樹脂製のシャッター部11bとから構成する。そして上記シャッター部11bは、磁気ディスクメディア15の表面に略平行で樹脂薄肉部からなる1つのヒンジ軸Hを中心に揺動して、上記側面部分を開放する開位置と、ケース本体部に密接してこの側面部分を閉じる閉位置とを取り得るように、ケース本体部とヒンジ結合する。
【選択図】 図2
【解決手段】円盤状の磁気ディスクメディア15と、この磁気ディスクメディア15を回転可能に収容した例えば上下シェルハーフ11、12からなるケースとを備えてなる磁気ディスクカートリッジにおいて、上記ケースが樹脂製のケース本体部11a、12および、このケース本体部11a、12と一体的に形成されて少なくともケースの一側面部分を構成する樹脂製のシャッター部11bとから構成する。そして上記シャッター部11bは、磁気ディスクメディア15の表面に略平行で樹脂薄肉部からなる1つのヒンジ軸Hを中心に揺動して、上記側面部分を開放する開位置と、ケース本体部に密接してこの側面部分を閉じる閉位置とを取り得るように、ケース本体部とヒンジ結合する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ケース内に磁気ディスクメディアを収容してなり、この磁気ディスクメディアを回転させて磁気記録再生に利用する磁気ディスクカートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、フレキシブルなポリエステルシート等からなる円盤状の支持体の両面に磁性体層が形成された可撓性磁気ディスクメディアを、例えば上下シェルハーフを接合してなる、磁気ヘッド挿入用の窓部を有するケース内に回転自在に収容してなる磁気ディスクカートリッジが提供されている。この種の磁気ディスクカートリッジは、その取扱いの容易性、低コストといった利点から、主としてコンピュータ用の記録媒体として用いられている。
【0003】
上記構成の磁気ディスクカートリッジは、一般に磁気ディスクメディアおよびケースに加えて、磁気ヘッド挿入用の窓部を開閉するシャッターや、このシャッターを開閉動作させるシャッター駆動部材等を備えたものとされる。また上記ケースの中央部には、ドライブ装置に装填された際に、該装置の磁気ディスクメディアを回転させる回転スピンドル部を受け入れる開口が設けられる。
【0004】
従来の磁気ディスクカートリッジにおいて、多くの場合、上記ケースは樹脂から形成され、一方シャッターは金属から形成されて、扁平なケースの上面および底面に(ケースが上下シェルハーフからなる場合はそれら両方に)形成された磁気ヘッド挿入用窓部を開閉するように、内部の磁気ディスクメディアの表面と平行な方向にスライド自在に設けられている。またこのような構造とされたシャッターは、バネによって、磁気ヘッド挿入用窓部を閉じる閉位置に向けて付勢されている。それにより、カートリッジ非使用時は磁気ヘッド挿入用窓部がシャッターによって閉じられ、カートリッジ内部の防塵および磁気ディスクメディアの保護が図られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の構造を有するシャッターおよびバネを備えた従来の磁気ディスクカートリッジにおいては、シャッターがケースに対して摺動することから、ケースが擦れて微細な擦れ粉を発生し、それがケース内部に入って磁気ディスクメディアの表面に付き、ディスク特性を劣化させることがある。また、シャッターをケースに対して摺動させる上で、両者の間にはある程度のクリアランスを設定しておく必要があり、そのためにケース内外間の隔絶性が低くなり、塵埃等がケース内に侵入しやすくなるという問題も認められる。
【0006】
さらに、シャッターおよびバネがケースと別体に形成されているので、磁気ディスクカートリッジを落下させてしまったような場合、シャッターおよびバネがケースから脱落しやすくなっている。この落下時の問題を防止するために、シャッターとケースとの接触面積を減少させる、シャッターの隅部を丸く面取りされた形状とする、シャッター表面に摺動性を高める加工を施す、シャッターとケースとの嵌合力やバネ固定力を強化する、等の種々の方策が考えられて来たが、十分な効果が得られていないのが実状である。
【0007】
本発明は上記の事情に鑑みて、シャッターによる擦れ粉の発生がなく、ケース内外間の隔絶性が高く、また落下による破損も起き難い磁気ディスクカートリッジを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明による磁気ディスクカートリッジは、
前述したような円盤状の磁気ディスクメディアと、
この磁気ディスクメディアを回転可能に収容したケースとを備えてなる磁気ディスクカートリッジにおいて、
前記ケースが樹脂製のケース本体部および、このケース本体部と一体的に形成されて少なくともケースの一側面部分を構成する樹脂製のシャッター部とから構成され、
前記シャッター部が、前記磁気ディスクメディアの表面に略平行で樹脂薄肉部からなる1つのヒンジ軸を中心に揺動して、前記側面部分を開放する開位置と、ケース本体部に密接してこの側面部分を閉じる閉位置とを取り得るように、前記ケース本体部とヒンジ結合されていることを特徴とするものである。
【0009】
なお上記のシャッター部とケース本体部には、シャッター部が閉位置に設定されると互いに係合して、このシャッター部を閉位置状態に保つ係合部を設けておくことが好ましい。
【0010】
また上記のケース本体部およびシャッター部の材料には、公知の樹脂を適用可能であるが、好ましくは熱可塑性樹脂、さらに好ましくはポリエチレンやポリプロピレンが用いられる。
【0011】
【発明の効果】
本発明の磁気ディスクカートリッジにおいては、ケースとシャッターとが樹脂を用いて一体的に形成されて、シャッターがケースに対して揺動して開閉するように構成されているので、従来の磁気ディスクカートリッジのように、シャッターの摺動に起因して擦れ粉が発生することがない。また上記のようなシャッター開閉構造を採用しているので、シャッターをケースに対して摺動させる場合のようにそれら両者間にクリアランスを設定する必要が無く、そこでケース内外間の隔絶性が高くて、磁気ディスクメディアに対する防塵効果が高いものとなる。さらに、ケースとシャッターとが別部品になっていないので、落下による破損も起き難いものとなる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0013】
図1は本発明の一実施の形態による磁気ディスクカートリッジ1の平面形状を示すものであり、また図2は、その一部の側断面形状を示すものである。この磁気ディスクカートリッジ1は、比較的小径の1.8インチタイプの磁気ディスクメディアを回転可能にケースに収納してなるものであり、図示の通り上シェルハーフ11と、下シェルハーフ12と、押込み部13とからなる扁平形状のハウジング(ケース)10を有している。
【0014】
このケース10の内部には、センタコア14に固着保持された磁気ディスクメディア15が回転自在に収納されている。またケース10の左右側面の一つには、図示しないドライブ装置内の係合部材に係合させて、ドライブ装置内での位置決めを確実にするためのノッチ10aが設けられている。
【0015】
上記上下シェルハーフ11、12はともに一例としてポリエチレンから形成されている。上シェルハーフ11は、下シェルハーフ12とともにケース本体を構成する本体部11aおよび、それと一体的に形成されてケース10の前側面部分(つまり該ケース10のドライブ装置に対する挿入方向前方側の側面)を構成する断面略コ字状のシャッター部11bとから構成されている。シャッター部11bは、円の一部を切り取った平面形状を有し、本体部11aとはヒンジ結合している。すなわちこのシャッター部11bは、樹脂が薄肉とされた部分であるヒンジ軸Hを中心にして、図2の矢印R方向に揺動自在とされている。
【0016】
図1と図2はそれぞれ、シャッター部11bが上記のケース前側面部分を閉じる閉位置、ケース前側面部分を開放する開位置にある状態を示している。以下図3を参照して、シャッター部11bが上記閉位置から開位置に移動する動作について説明する。
【0017】
磁気ディスクカートリッジ1の非使用時、シャッター部11bは図3の(1)に示すように本体部11aに密接、結合して、ケース前側面部分を閉じている。このときケース10は、下シェルハーフ12のスピンドル挿入用開口12a(図2参照)を除けば、その内外を連通する開口部分は持たない状態となっており、よって該ケース内に外部から塵埃等が侵入し難くなっている。
【0018】
磁気ディスクカートリッジ1を使用する際に、該磁気ディスクカートリッジ1は図3(1)に矢印Aで動きを示すように、ケース10の前側面(同図の右端面)側から、ドライブ装置に挿入される。こうしてケース10が所定位置まで押し込まれると、その前側面がドライブ装置の1対のL字型のシャッター駆動部材20に当接する。なおこのときケース10は、ドライブ装置のガイド部材21によって上方位置が規定された状態で押し込まれる。
【0019】
ケース10の前側面が上記シャッター駆動部材20に当接すると、次に図3(2)に矢印Bで動きを示すように、ケース10は図示外の上下動機構により下方に降ろされる。なお、この下降動を始めるときのケース10の上面位置を、図3(2)中に2点鎖線で示す。
【0020】
こうしてケース10が下降すると、シャッター部11bが上記シャッター駆動部材20の先端に掛かって相対的に下から上方に押されるので、ヒンジ軸Hを中心に揺動して本体部11aから離れるようになる。なおシャッター駆動部材20は図示しないバネ等により、図3中で左方に付勢されており、シャッター部11bの揺動に伴い、この付勢に抗して矢印Cで示すように図中右方に退避動する。
【0021】
ケース10が所定距離だけ下降すると、シャッター部11bは図3(2)に示されている位置まで跳ね上げられ、ケース10の前側面部分を開放する状態となる。この状態においては、ケース内部の磁気ディスクメディア15の一部が露出する。そこで図2に示すように、ケース10の開放した部分からドライブ装置の磁気ヘッドアーム23がケース内に挿入され、その先端に固定された1対の磁気ヘッド24、24が磁気ディスクメディア15に接触させられる。それにより、該磁気ヘッド24を用いて磁気ディスクメディア15に情報が記録され、あるいは磁気ディスクメディア15の記録情報が読み取られるようになる。
【0022】
なお、ドライブ装置において1対のシャッター駆動部材20は、図2に示すようにケース10の幅方向(同図中の左右方向)中央位置から左右に外れた位置に配設されている。それに対して磁気ヘッドアーム23は、ケース10の幅方向中央位置に配設されているので、これらのシャッター駆動部材20と磁気ヘッドアーム23とが干渉することはない。また、シャッター駆動部材20の先端部にはゴム等の弾性部材20aが取り付けられ、シャッター部11bにはこの弾性部材20aが接触するようにして、該シャッター部11bに損傷を与えないように考慮されている。
【0023】
磁気ディスクカートリッジ1をドライブ装置から取り出す際には、まず前述の上下動機構によりケース10が図3(2)の状態から、同図(1)の位置まで上方に移動される。それによりシャッター部11bは、内側を向いた先端部が下シェルハーフ12の先端部に接する状態となる。
【0024】
次に図示外のイジェクト機構により、ケース10は図3(1)の矢印Aと反対方向に移動され、後端つまり押込み部13(図1参照)の有る部分がドライブ装置から飛び出す状態にされる。このようにケース10が後端側に移動するとき、シャッター部11bはドライブ装置のガイド部材21によって上から押さえ付けられるので、その先端の折り返し部に形成されている係合凹部11cが、下シェルハーフ12の先端部に形成されている係合突起12cと係合し、該シャッター部11bは下シェルハーフ12と一体化して、容易には離れない状態となる。こうしてケース10の前側面部分は再びシャッター部11bによって閉じられ、その内部に塵埃等が侵入することが防止される。このケース10は、押込み部13の近辺を把持して引き抜くことにより、ドライブ装置から取り出される。
【0025】
以上説明した通り本実施の形態の磁気ディスクカートリッジ1は、シャッター部11bがケース本体と一体的に形成されて、シャッター部11bがケース本体に対して揺動して開閉するように構成されているので、従来の磁気ディスクカートリッジにおけるようにシャッターの摺動に起因して擦れ粉が発生することがない。またこのようなシャッター開閉構造を採用しているので、シャッターをケースに対して摺動させる場合のようにそれら両者間にクリアランスを設定する必要が無く、そこでケース10の内外間の隔絶性が高くて、磁気ディスクメディア15に対する防塵効果が高いものとなっている。さらに、ケースとシャッターとが別部品になっていないので、落下による破損も起き難いものとなる。
【0026】
なお、上記実施の形態において、シャッター部11bは断面略コ字状のものとされているが、シャッター部の形状はそれに限られるものではなく、その他例えば断面L字状や断面I字状の形状とされてもよい。
【0027】
また上シェルハーフ11のシャッター部11bと本体部11aとを密着、結合させるためには、図4に示すように、係合凹部11cを有するシャッター部11bと、係合突起12cを有する下シェルハーフ12の先端面をそれぞれ斜めに形成して、係合凹部11cと係合突起12cとの係合を確実化するようにしてもよい。また図5に示すように、上記とは反対に、シャッター部11bに係合突起11dを、下シェルハーフ12に係合凹部12dを設けてもよい。さらに図6に示すように、シャッター部11b側の係合突起11fおよび下シェルハーフ12側の係合凹部12fを、若干角張った断面形状を有するものとして形成することも可能である。
【0028】
一方、本発明におけるシャッター部およびケース本体部を形成する樹脂としては、上記実施の形態におけるポリエチレンに限らず、その他ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂も好適に用いることができる。
【0029】
また以上説明した実施の形態は、いわゆる1.8インチタイプの磁気ディスクカートリッジに本発明を適用したものであるが、本発明はその種の磁気ディスクカートリッジに限らず、例えば、従来公知のいわゆる3.5インチタイプのフロッピディスク(登録商標)カートリッジ等に対しても適用可能であり、そうした場合にも上記と同様の効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による磁気ディスクカートリッジの平面図
【図2】上記磁気ディスクカートリッジの一部を示す側断面図
【図3】上記磁気ディスクカートリッジのシャッター部の動作を説明する説明図
【図4】本発明の別の実施形態による磁気ディスクカートリッジの一部を示す側断面図
【図5】本発明のさらに別の実施形態による磁気ディスクカートリッジの一部を示す側断面図
【図6】本発明のさらに別の実施形態による磁気ディスクカートリッジの一部を示す側断面図
【符号の説明】
1 磁気ディスクカートリッジ
10 ケース
11 上シェルハーフ
11a 上シェルハーフの本体部
11b 上シェルハーフのシャッター部
11c 係合凹部
11d、11f 係合突起
12 下シェルハーフ
12c 係合突起
12d、12f 係合凹部
14 センタコア
15 磁気ディスクメディア
20 シャッター駆動部材
21 ガイド部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、ケース内に磁気ディスクメディアを収容してなり、この磁気ディスクメディアを回転させて磁気記録再生に利用する磁気ディスクカートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、フレキシブルなポリエステルシート等からなる円盤状の支持体の両面に磁性体層が形成された可撓性磁気ディスクメディアを、例えば上下シェルハーフを接合してなる、磁気ヘッド挿入用の窓部を有するケース内に回転自在に収容してなる磁気ディスクカートリッジが提供されている。この種の磁気ディスクカートリッジは、その取扱いの容易性、低コストといった利点から、主としてコンピュータ用の記録媒体として用いられている。
【0003】
上記構成の磁気ディスクカートリッジは、一般に磁気ディスクメディアおよびケースに加えて、磁気ヘッド挿入用の窓部を開閉するシャッターや、このシャッターを開閉動作させるシャッター駆動部材等を備えたものとされる。また上記ケースの中央部には、ドライブ装置に装填された際に、該装置の磁気ディスクメディアを回転させる回転スピンドル部を受け入れる開口が設けられる。
【0004】
従来の磁気ディスクカートリッジにおいて、多くの場合、上記ケースは樹脂から形成され、一方シャッターは金属から形成されて、扁平なケースの上面および底面に(ケースが上下シェルハーフからなる場合はそれら両方に)形成された磁気ヘッド挿入用窓部を開閉するように、内部の磁気ディスクメディアの表面と平行な方向にスライド自在に設けられている。またこのような構造とされたシャッターは、バネによって、磁気ヘッド挿入用窓部を閉じる閉位置に向けて付勢されている。それにより、カートリッジ非使用時は磁気ヘッド挿入用窓部がシャッターによって閉じられ、カートリッジ内部の防塵および磁気ディスクメディアの保護が図られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の構造を有するシャッターおよびバネを備えた従来の磁気ディスクカートリッジにおいては、シャッターがケースに対して摺動することから、ケースが擦れて微細な擦れ粉を発生し、それがケース内部に入って磁気ディスクメディアの表面に付き、ディスク特性を劣化させることがある。また、シャッターをケースに対して摺動させる上で、両者の間にはある程度のクリアランスを設定しておく必要があり、そのためにケース内外間の隔絶性が低くなり、塵埃等がケース内に侵入しやすくなるという問題も認められる。
【0006】
さらに、シャッターおよびバネがケースと別体に形成されているので、磁気ディスクカートリッジを落下させてしまったような場合、シャッターおよびバネがケースから脱落しやすくなっている。この落下時の問題を防止するために、シャッターとケースとの接触面積を減少させる、シャッターの隅部を丸く面取りされた形状とする、シャッター表面に摺動性を高める加工を施す、シャッターとケースとの嵌合力やバネ固定力を強化する、等の種々の方策が考えられて来たが、十分な効果が得られていないのが実状である。
【0007】
本発明は上記の事情に鑑みて、シャッターによる擦れ粉の発生がなく、ケース内外間の隔絶性が高く、また落下による破損も起き難い磁気ディスクカートリッジを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明による磁気ディスクカートリッジは、
前述したような円盤状の磁気ディスクメディアと、
この磁気ディスクメディアを回転可能に収容したケースとを備えてなる磁気ディスクカートリッジにおいて、
前記ケースが樹脂製のケース本体部および、このケース本体部と一体的に形成されて少なくともケースの一側面部分を構成する樹脂製のシャッター部とから構成され、
前記シャッター部が、前記磁気ディスクメディアの表面に略平行で樹脂薄肉部からなる1つのヒンジ軸を中心に揺動して、前記側面部分を開放する開位置と、ケース本体部に密接してこの側面部分を閉じる閉位置とを取り得るように、前記ケース本体部とヒンジ結合されていることを特徴とするものである。
【0009】
なお上記のシャッター部とケース本体部には、シャッター部が閉位置に設定されると互いに係合して、このシャッター部を閉位置状態に保つ係合部を設けておくことが好ましい。
【0010】
また上記のケース本体部およびシャッター部の材料には、公知の樹脂を適用可能であるが、好ましくは熱可塑性樹脂、さらに好ましくはポリエチレンやポリプロピレンが用いられる。
【0011】
【発明の効果】
本発明の磁気ディスクカートリッジにおいては、ケースとシャッターとが樹脂を用いて一体的に形成されて、シャッターがケースに対して揺動して開閉するように構成されているので、従来の磁気ディスクカートリッジのように、シャッターの摺動に起因して擦れ粉が発生することがない。また上記のようなシャッター開閉構造を採用しているので、シャッターをケースに対して摺動させる場合のようにそれら両者間にクリアランスを設定する必要が無く、そこでケース内外間の隔絶性が高くて、磁気ディスクメディアに対する防塵効果が高いものとなる。さらに、ケースとシャッターとが別部品になっていないので、落下による破損も起き難いものとなる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0013】
図1は本発明の一実施の形態による磁気ディスクカートリッジ1の平面形状を示すものであり、また図2は、その一部の側断面形状を示すものである。この磁気ディスクカートリッジ1は、比較的小径の1.8インチタイプの磁気ディスクメディアを回転可能にケースに収納してなるものであり、図示の通り上シェルハーフ11と、下シェルハーフ12と、押込み部13とからなる扁平形状のハウジング(ケース)10を有している。
【0014】
このケース10の内部には、センタコア14に固着保持された磁気ディスクメディア15が回転自在に収納されている。またケース10の左右側面の一つには、図示しないドライブ装置内の係合部材に係合させて、ドライブ装置内での位置決めを確実にするためのノッチ10aが設けられている。
【0015】
上記上下シェルハーフ11、12はともに一例としてポリエチレンから形成されている。上シェルハーフ11は、下シェルハーフ12とともにケース本体を構成する本体部11aおよび、それと一体的に形成されてケース10の前側面部分(つまり該ケース10のドライブ装置に対する挿入方向前方側の側面)を構成する断面略コ字状のシャッター部11bとから構成されている。シャッター部11bは、円の一部を切り取った平面形状を有し、本体部11aとはヒンジ結合している。すなわちこのシャッター部11bは、樹脂が薄肉とされた部分であるヒンジ軸Hを中心にして、図2の矢印R方向に揺動自在とされている。
【0016】
図1と図2はそれぞれ、シャッター部11bが上記のケース前側面部分を閉じる閉位置、ケース前側面部分を開放する開位置にある状態を示している。以下図3を参照して、シャッター部11bが上記閉位置から開位置に移動する動作について説明する。
【0017】
磁気ディスクカートリッジ1の非使用時、シャッター部11bは図3の(1)に示すように本体部11aに密接、結合して、ケース前側面部分を閉じている。このときケース10は、下シェルハーフ12のスピンドル挿入用開口12a(図2参照)を除けば、その内外を連通する開口部分は持たない状態となっており、よって該ケース内に外部から塵埃等が侵入し難くなっている。
【0018】
磁気ディスクカートリッジ1を使用する際に、該磁気ディスクカートリッジ1は図3(1)に矢印Aで動きを示すように、ケース10の前側面(同図の右端面)側から、ドライブ装置に挿入される。こうしてケース10が所定位置まで押し込まれると、その前側面がドライブ装置の1対のL字型のシャッター駆動部材20に当接する。なおこのときケース10は、ドライブ装置のガイド部材21によって上方位置が規定された状態で押し込まれる。
【0019】
ケース10の前側面が上記シャッター駆動部材20に当接すると、次に図3(2)に矢印Bで動きを示すように、ケース10は図示外の上下動機構により下方に降ろされる。なお、この下降動を始めるときのケース10の上面位置を、図3(2)中に2点鎖線で示す。
【0020】
こうしてケース10が下降すると、シャッター部11bが上記シャッター駆動部材20の先端に掛かって相対的に下から上方に押されるので、ヒンジ軸Hを中心に揺動して本体部11aから離れるようになる。なおシャッター駆動部材20は図示しないバネ等により、図3中で左方に付勢されており、シャッター部11bの揺動に伴い、この付勢に抗して矢印Cで示すように図中右方に退避動する。
【0021】
ケース10が所定距離だけ下降すると、シャッター部11bは図3(2)に示されている位置まで跳ね上げられ、ケース10の前側面部分を開放する状態となる。この状態においては、ケース内部の磁気ディスクメディア15の一部が露出する。そこで図2に示すように、ケース10の開放した部分からドライブ装置の磁気ヘッドアーム23がケース内に挿入され、その先端に固定された1対の磁気ヘッド24、24が磁気ディスクメディア15に接触させられる。それにより、該磁気ヘッド24を用いて磁気ディスクメディア15に情報が記録され、あるいは磁気ディスクメディア15の記録情報が読み取られるようになる。
【0022】
なお、ドライブ装置において1対のシャッター駆動部材20は、図2に示すようにケース10の幅方向(同図中の左右方向)中央位置から左右に外れた位置に配設されている。それに対して磁気ヘッドアーム23は、ケース10の幅方向中央位置に配設されているので、これらのシャッター駆動部材20と磁気ヘッドアーム23とが干渉することはない。また、シャッター駆動部材20の先端部にはゴム等の弾性部材20aが取り付けられ、シャッター部11bにはこの弾性部材20aが接触するようにして、該シャッター部11bに損傷を与えないように考慮されている。
【0023】
磁気ディスクカートリッジ1をドライブ装置から取り出す際には、まず前述の上下動機構によりケース10が図3(2)の状態から、同図(1)の位置まで上方に移動される。それによりシャッター部11bは、内側を向いた先端部が下シェルハーフ12の先端部に接する状態となる。
【0024】
次に図示外のイジェクト機構により、ケース10は図3(1)の矢印Aと反対方向に移動され、後端つまり押込み部13(図1参照)の有る部分がドライブ装置から飛び出す状態にされる。このようにケース10が後端側に移動するとき、シャッター部11bはドライブ装置のガイド部材21によって上から押さえ付けられるので、その先端の折り返し部に形成されている係合凹部11cが、下シェルハーフ12の先端部に形成されている係合突起12cと係合し、該シャッター部11bは下シェルハーフ12と一体化して、容易には離れない状態となる。こうしてケース10の前側面部分は再びシャッター部11bによって閉じられ、その内部に塵埃等が侵入することが防止される。このケース10は、押込み部13の近辺を把持して引き抜くことにより、ドライブ装置から取り出される。
【0025】
以上説明した通り本実施の形態の磁気ディスクカートリッジ1は、シャッター部11bがケース本体と一体的に形成されて、シャッター部11bがケース本体に対して揺動して開閉するように構成されているので、従来の磁気ディスクカートリッジにおけるようにシャッターの摺動に起因して擦れ粉が発生することがない。またこのようなシャッター開閉構造を採用しているので、シャッターをケースに対して摺動させる場合のようにそれら両者間にクリアランスを設定する必要が無く、そこでケース10の内外間の隔絶性が高くて、磁気ディスクメディア15に対する防塵効果が高いものとなっている。さらに、ケースとシャッターとが別部品になっていないので、落下による破損も起き難いものとなる。
【0026】
なお、上記実施の形態において、シャッター部11bは断面略コ字状のものとされているが、シャッター部の形状はそれに限られるものではなく、その他例えば断面L字状や断面I字状の形状とされてもよい。
【0027】
また上シェルハーフ11のシャッター部11bと本体部11aとを密着、結合させるためには、図4に示すように、係合凹部11cを有するシャッター部11bと、係合突起12cを有する下シェルハーフ12の先端面をそれぞれ斜めに形成して、係合凹部11cと係合突起12cとの係合を確実化するようにしてもよい。また図5に示すように、上記とは反対に、シャッター部11bに係合突起11dを、下シェルハーフ12に係合凹部12dを設けてもよい。さらに図6に示すように、シャッター部11b側の係合突起11fおよび下シェルハーフ12側の係合凹部12fを、若干角張った断面形状を有するものとして形成することも可能である。
【0028】
一方、本発明におけるシャッター部およびケース本体部を形成する樹脂としては、上記実施の形態におけるポリエチレンに限らず、その他ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂も好適に用いることができる。
【0029】
また以上説明した実施の形態は、いわゆる1.8インチタイプの磁気ディスクカートリッジに本発明を適用したものであるが、本発明はその種の磁気ディスクカートリッジに限らず、例えば、従来公知のいわゆる3.5インチタイプのフロッピディスク(登録商標)カートリッジ等に対しても適用可能であり、そうした場合にも上記と同様の効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による磁気ディスクカートリッジの平面図
【図2】上記磁気ディスクカートリッジの一部を示す側断面図
【図3】上記磁気ディスクカートリッジのシャッター部の動作を説明する説明図
【図4】本発明の別の実施形態による磁気ディスクカートリッジの一部を示す側断面図
【図5】本発明のさらに別の実施形態による磁気ディスクカートリッジの一部を示す側断面図
【図6】本発明のさらに別の実施形態による磁気ディスクカートリッジの一部を示す側断面図
【符号の説明】
1 磁気ディスクカートリッジ
10 ケース
11 上シェルハーフ
11a 上シェルハーフの本体部
11b 上シェルハーフのシャッター部
11c 係合凹部
11d、11f 係合突起
12 下シェルハーフ
12c 係合突起
12d、12f 係合凹部
14 センタコア
15 磁気ディスクメディア
20 シャッター駆動部材
21 ガイド部材
Claims (1)
- 円盤状の磁気ディスクメディアと、
この磁気ディスクメディアを回転可能に収容したケースとを備えてなる磁気ディスクカートリッジにおいて、
前記ケースが樹脂製のケース本体部および、このケース本体部と一体的に形成されて少なくともケースの一側面部分を構成する樹脂製のシャッター部とから構成され、
前記シャッター部が、前記磁気ディスクメディアの表面に略平行で樹脂薄肉部からなる1つのヒンジ軸を中心に揺動して、前記側面部分を開放する開位置と、ケース本体部に密接してこの側面部分を閉じる閉位置とを取り得るように、前記ケース本体部とヒンジ結合されていることを特徴とする磁気ディスクカートリッジ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002165454A JP2004013992A (ja) | 2002-06-06 | 2002-06-06 | 磁気ディスクカートリッジ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002165454A JP2004013992A (ja) | 2002-06-06 | 2002-06-06 | 磁気ディスクカートリッジ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004013992A true JP2004013992A (ja) | 2004-01-15 |
Family
ID=30433291
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002165454A Withdrawn JP2004013992A (ja) | 2002-06-06 | 2002-06-06 | 磁気ディスクカートリッジ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004013992A (ja) |
-
2002
- 2002-06-06 JP JP2002165454A patent/JP2004013992A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20050906 |