JP4340677B2 - 発熱ユニット及び加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、熱源として使用される発熱ユニット及びその発熱ユニットを用いた加熱装置、例えば電気暖房機、調理器、乾燥機、及び電子装置(複写機、ファクシミリ、プリンタ等を含む)等に関し、特に、発熱体として炭素系物質を使用し、熱源として優れた発熱特性を有する発熱ユニット及びその発熱ユニットを用いた加熱装置に関する。
従来の発熱ユニットは、ガラス管の内部にタングステン線等によりコイル状に形成された金属電熱線や、棒状若しくは板状に形成された発熱体を用いて構成されていた(例えば、特許文献1参照。)。
このように構成された従来の発熱ユニットは、電気暖房機、調理器、乾燥機、複写機、ファクシミリ、及びプリンタ等における加熱装置の熱源として使用されており、近年、小型で効率的な加熱装置として各種の用途に使われている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2001−155692号公報(第4−6頁、第7図) 特開2003−400267号公報
したがって、加熱装置において、例えば、調理器の熱源としての発熱ユニットが組み込まれた場合には、被加熱物体からの飛散する油や塩分が付着し、さらにはその使用環境において存在する汚染物質等が付着して発熱ユニットの寿命を短くしていた。このため、そのような過酷な使用環境においても寿命が長く、さらに小型で効率の高い熱源が求められており、且つ各種用途において容易に適応することができる汎用性の高い熱源が求められていた。このような熱源を用いる分野においては、上記の要求を満たす発熱ユニット及びその発熱ユニットを用いた加熱装置を提供することが重要な課題であった。
本発明は、上記の課題を解決するものであり、寿命が長く、小型で効率が高く、そして各種用途において容易に適応することができる汎用性の高い熱源としての発熱ユニット及びその発熱ユニットを用いた加熱装置を提供すること目的とする。
本発明に係る第1の観点の発熱ユニットは、
発熱体を有する発熱体構成部と、
前記発熱体構成部を収納する第1の透熱管と、
前記第1の透熱管により貫通されて前記第1の透熱管の両端部分が両側から突設し、前記第1の透熱管の外周面との間に所定の隙間を有して配置された第2の透熱管と、
前記第1の透熱管と前記第2の透熱管との隙間を規定し、かつ前記第2の透熱管の端部と係合して当該第2の透熱管の管軸方向の移動を規制する固定手段と、を具備する発熱ユニットであって、
前記発熱体構成部が、前記発熱体と、前記第1の透熱管の両端から導出するリード線部と、前記発熱体と前記リード線部とを接続する発熱体保持手段とを有し、前記第1の透熱管の内部に不活性ガスが封入され、前記リード線部の一部を埋設して前記第1の透熱管が封着された封止部が形成され、前記固定手段は前記第1の透熱管の管軸方向における前記封止部の発熱体側端部と前記発熱体保持手段の発熱体側端部との間の領域に位置している。このように構成された本発明に係る第1の観点の発熱ユニットは、固定手段が設けられているため、第1の透熱管と第2の透熱管との隙間が確実に規定され、第1の透熱管が確実に保護されており、使用環境による第1の透熱管に対する汚染を防ぎ発熱ユニットの寿命を延ばし、且つ小型にすることが可能となる。また、本発明に係る第1の観点の発熱ユニットは、高温度にて酸化する発熱体材料を使用することが可能となり、立ち上がりの早い、また、封入ガス等で熱伝導等をコントロールすることができる。
本発明に係る第2の観点の発熱ユニットは、前記の第1の観点において、前記固定手段が、前記第1の透熱管と前記第2の透熱管との間の隙間を規定すると共に、前記隙間により形成された空間を密閉する固定リングを含む。このように構成された本発明に係る第2の観点の発熱ユニットは、固定リングが設けられているため、第1の透熱管と第2の透熱管との隙間を確実に保持することができ、かつ第1の透熱管と第2の透熱管との隙間により形成された空間が密閉され、第1の透熱管の破損防止と熱の効率的な放出を図ることができ、発熱ユニットの長寿命化、及び小型化を達成することができる。
本発明に係る第3の観点の発熱ユニットは、前記の第2の観点において、前記固定手段が、前記固定リングを前記第2の透熱管の両端部と前記第1の透熱管の外周面に固着する接合材を含む。このように構成された本発明に係る第3の観点の発熱ユニットは、固定手段が設けられているため、第1の透熱管が確実に保護され、第1の透熱管の破損防止と熱の効率的な放出を図ることができ、発熱ユニットの長寿命化、及び小型化を達成することができる。
本発明に係る第4の観点の発熱ユニットは、前記の第1の観点において、前記固定手段が、前記第1の透熱管と前記第2の透熱管との間の隙間を規定するために、前記第1の透熱管と前記第2の透熱管との間の隙間に設けられたスペーサと、前記第1の透熱管と前記第2の透熱管との間の隙間により形成された空間を密閉する伸縮性のキャップと、を含む。このように構成された本発明に係る第4の観点の発熱ユニットは、スペーサとキャップが設けられているため、第1の透熱管と第2の透熱管との隙間が確実に規定され、第1の透熱管と第2の透熱管との隙間により形成された空間が密閉され、第1の透熱管が確実に保護されており、使用環境による第1の透熱管に対する汚染を防ぎ発熱ユニットの寿命を延ばし、且つ小型にすることが可能となる。
本発明に係る第5の観点の発熱ユニットは、前記の第1の観点乃至第4の観点において、前記第1の透熱管と前記第2の透熱管との隙間に反射手段が配置され、当該反射手段の反射面が前記発熱体に対向するよう配置されている。このように構成された本発明に係る第5の観点の発熱ユニットは、発熱体からの熱輻射の指向性を高めることが可能となり、且つ反射手段の汚染を防止し、効率の高い発熱状態を維持することができる。
本発明に係る第6の観点の発熱ユニットは、前記の第1の観点乃至第5の観点において、前記第1の透熱管が前記発熱体構成部を封入するガラス管で構成され、前記第2の透熱管が前記第1の透熱管を内部に収納する円筒状のガラス管で構成されている。このように構成された本発明に係る第6の観点の発熱ユニットは、発熱体からの熱輻射を効率高く行うことができる。
本発明に係る第7の観点の発熱ユニットは、前記の第1の観点乃至第5の観点において、前記第2の透熱管が耐熱性を有する石英ガラス管、高シリカガラス管、低アルカリホウケイ酸ガラス管、結晶化ガラス管、セラミックス管の中から少なくとも一種類を選択した無機材料管を使用して構成されている。このように構成された本発明に係る第7の観点の発熱ユニットは、急激な温度変化に対しても第2の透熱管が破損することがなく、又使用環境にアルカリイオン金属が用いられている場合であっても、安定的な構成とすることが可能となり、長寿命な発熱ユニットを提供することができる。
本発明に係る第8の観点の発熱ユニットは、前記の第5の観点における前記反射手段が金属薄板で形成されている。このように構成された本発明に係る第8の観点の発熱ユニットは、発熱体からの熱輻射を効率高く行うことができる。
本発明に係る第9の観点の発熱ユニットは、前記の第5の観点における前記反射手段が、ニッケル、フェライト系ステンレス鋼、又はニクロムの金属薄板で形成されている。このように構成された本発明に係る第9の観点の発熱ユニットは、反射手段が耐熱性、高反射率を有するため、高温度においても酸化せず高い放射効率を維持し、高効率な熱輻射を行うことができる。
本発明に係る第10の観点の発熱ユニットは、前記の第1の観点乃至第5の観点における前記発熱体が、焼成により形成された炭素系発熱体である。このように構成された本発明に係る第10の観点の発熱ユニットにおいて、発熱体の材質が炭素系物質を含み、焼成により形成された炭素系発熱体は、放射率が金属系発熱体に比べて高く、80%以上の特性を有している。このような素材により形成された発熱体は、一次放射をより高め、被加熱物体に対しての熱放射量を多く照射して、輻射効率の高い発熱ユニットを構成することができる。
本発明に係る第11の観点の発熱ユニットは、前記の第1の観点乃至第5の観点における前記発熱体が、炭素系物質と抵抗調整物質とを含んで構成され、焼成により形成された板状の炭素系発熱体である。このように構成された本発明に係る第11の観点の発熱ユニットにおいて、発熱体の材質が炭素系物質と抵抗調整物質とを含み、焼成により形成されているため、発熱体の放射率は金属に比べて高く、80%以上の特性を有している。このような素材により形成された発熱体は、一次放射をより高め、被加熱物体に対しての熱放射量を多く照射して、輻射効率の高い発熱ユニットを構成することができる。また、このような構成の発熱体は、固有抵抗値を任意に変化させることができ、各種サイズに対応して小型化を可能とし、さらには温度による抵抗変化率を負から正に変化させることができ発熱体の安定性を確保することができる。
本発明に係る第12の観点の発熱ユニットは、前記の第1の観点乃至第5の観点における前記発熱体が、炭素系繊維を含んで構成された帯状の炭素系発熱体である。このように構成された本発明に係る第12の観点の発熱ユニットにおいて、発熱体が炭素系繊維を含んで構成されているため、衝撃等の振動に強い構成となる。
本発明に係る第13の観点の発熱ユニットは、前記の第11の観点において、前記発熱体は幅が厚みの5倍以上の実質的な板状であり、前記発熱体における幅を構成する面が実質的な平面を有する。このように構成された本発明に係る第13の観点の発熱ユニットにおいて、発熱体自身において指向性ある熱放射が可能となりこのような素材により形成された発熱体が平坦面を有するよう形成されているため、高い指向性を持たせることが可能となり、発熱体による一次輻射により被加熱物体を確実に照射して、輻射効率の高い発熱ユニットを構成することができる。
本発明に係る第14の観点の発熱ユニットは、前記の第5の観点において、前記発熱体は幅が厚みの5倍以上の実質的な板状であり、前記反射手段の反射面が、前記発熱体における幅を構成する面の実質的な平面に対向して設けられている。このように構成された本発明に係る第14の観点の発熱ユニットにおいて、発熱体自身において指向性ある熱放射が可能であり、さらに反射面を対向して配置することにより、さらに高い指向性を持たせることが可能となる。また、発熱体による一次輻射に反射手段による2次放射を加えることができ、より被加熱物体を確実に照射して、輻射効率の高い発熱ユニットを構成することができる。
本発明に係る第15の観点の発熱ユニットは、前記の第5の観点において、前記発熱体は幅が厚みの5倍以上の実質的な板状であり、前記反射手段の反射面が、前記発熱体における幅を構成する面の実質的な平面に直交して設けられている。このように構成された本発明に係る第15の観点の発熱ユニットにおいて、発熱体自身において指向性ある熱放射が可能であり、さらに反射面を発熱体の平坦面に直交するよう配置することにより、指向性の高い発熱ユニットとすることが可能となる。また、発熱体からの一次輻射に反射手段による2次放射を加えることができ、より被加熱物体を均一的に照射して、幅広い輻射領域を有して、輻射効率の高い発熱ユニットを構成することができる。
本発明に係る第16の観点の発熱ユニットにおいて、前記の第2の観点の前記固定リングをセラミック材料で構成している。このように構成された本発明に係る第16の観点の発熱ユニットは、耐熱性の高い材料を用いることが可能となり、寿命の長い信頼性の高い発熱ユニットとなる。
本発明に係る第17の観点の発熱ユニットにおいて、前記の第3の観点の前記接合材が無機系耐熱接着剤で構成されている。このように構成された本発明に係る第17の観点の発熱ユニットは、気密性を高く構成することが可能となり、寿命の長い信頼性の高い発熱ユニットとなる。
本発明に係る第18の観点の加熱装置において、前記の第1の観点乃至第17の観点の発熱ユニットと、
前記発熱ユニットのリード線部に接続された電源回路と、
前記発熱ユニットを液密に保持し、前記リード線部を加熱空間から隔離する筐体と、を具備する。このように構成された本発明に係る第18の観点の加熱装置において、リード線部を発熱領域から隔離することにより、発熱ユニットの寿命を延ばすことが可能となる。
本発明に係る第19の観点の加熱装置において、前記の第18の観点の前記筐体における前記加熱空間に前記発熱体と対向する反射手段を配設している。このように構成された本発明に係る第19の観点の加熱装置において、発熱ユニットからの2次放射を余さず反射手段により被加熱物体の熱輻射に使うことが可能となり、より輻射効率の高い加熱装置とすることができる。
本発明に係る第20の観点の加熱装置において、前記の第18の観点及び第19の観点において、前記発熱ユニットの加熱制御を行う制御回路を有し、前記制御回路がオンオフ制御、通電率制御、位相制御、及びゼロクロス制御のそれぞれの回路を単独、若しくは少なくとも二つを組み合わせて構成している。このように構成された本発明に係る第20の観点の加熱装置は、制御回路においてオンオフ制御、通電率制御、位相制御、及びゼロクロス制御のそれぞれの回路を単独、若しくは少なくとも二つを組み合わせて構成されているため、精度の高い温度制御が可能な加熱装置となる。さらに、被加熱物体を所望の温度で適切に加熱することができるため、発熱体の温度及び被加熱物体の温度を正確に制御することが可能となり、余分なエネルギーの投入を防止し、省エネルギーが可能な高い効率を有する加熱装置を構築することができる。
本発明に係る第21の観点の発熱ユニットは、
発熱体を有する発熱体構成部と、
前記発熱体構成部を収納する第1の透熱管と、
前記第1の透熱管により貫通されて前記第1の透熱管の両端部分が両側から突設し、前記第1の透熱管の外周面との間に所定の隙間を有して配置された第2の透熱管と、
前記第1の透熱管と前記第2の透熱管との隙間を規定し、かつ前記第2の透熱管の端部と係合して当該第2の透熱管の管軸方向の移動を規制する固定手段と、を具備する発熱ユニットであって、
前記発熱体構成部が、前記発熱体と、前記第1の透熱管の両端から導出するリード線部と、前記発熱体と前記リード線部とを接続する発熱体保持手段とを有し、前記第1の透熱管の内部に不活性ガスが封入され、前記リード線部の一部を埋設して前記第1の透熱管が封着された封止部が形成され、前記固定手段は前記第1の透熱管の管軸方向における前記封止部の発熱体側端部と前記発熱体保持手段の発熱体側端部との間の領域に位置しており、
前記固定手段は、前記第1の透熱管の両側に固定され、前記第1の透熱管の端部により貫通されて前記第1の透熱管の両側にある前記封止部が前記固定手段より外方に配置されるよう構成されており、且つ、前記固定手段は、前記発熱体構成部を加熱装置の加熱空間内に配置するための装着手段を有し、
前記発熱体構成部が前記装着手段により前記加熱装置の加熱空間内に配置されているとき、前記封止部を含む前記第1の透熱管の端部が当該加熱空間外に配置されるよう構成されている。このように構成された本発明に係る第21の観点の発熱ユニットは、固定手段が設けられているため、第1の透熱管と第2の透熱管との隙間が確実に規定され、第1の透熱管が確実に保護されており、使用環境による第1の透熱管に対する汚染を防ぎ、発熱ユニットの寿命を延ばし、且つ小型にすることが可能となる。
本発明によれば、寿命が長く、小型で効率が高く、そして各種用途において容易に適応することができる汎用性の高い熱源としての発熱ユニット及びその発熱ユニットを用いた加熱装置を提供することができる。
以下、本発明に係る発熱ユニット及びその発熱ユニットを用いた加熱装置の好適な実施の形態について添付の図面を参照しつつ説明する。
《実施の形態1》
図1及び図2は本発明に係る実施の形態1の発熱ユニットの構成及びその構成部品を示す図である。図1は実施の形態1の発熱ユニットの構造を示す正面図である。図2は実施の形態1の発熱ユニットに空隙を設ける手段であるスペーサの形状を示す図である。
実施の形態1の発熱ユニットは、熱源である発熱体2aを有する発熱体構成部2を2重の透熱管により収納する構成を有している。実施の形態1の発熱ユニットにおいて、第1の透熱管は石英ガラス管で形成された第1のガラス管1ある。第1のガラス管1の内部には発熱体構成部2が配設されており、第1のガラス管1の両端部は溶融されて平板状に押し潰されて封止されている。第1のガラス管1の内部にはアルゴンガス又はアルゴンガスと窒素ガスの混合ガス等の不活性ガスが封入されている。発熱体構成部2は、熱輻射体としての長い略平板状の発熱体2aと、この発熱体2aの両端に固着された保持部3と、保持部3の外側端部に取り付けられたコイル部5と、コイル部5に繋がるスプリング部6と、スプリング部6と一体的に構成された内部リード線4と、第1のガラス管1の両端部から導出する外部リード線8と、内部リード線部4と外部リード線8とを電気的に接続するモリブデン箔7とを有して構成されている。モリブデン箔7は第1のガラス管1の両端部に形成された封止部分に埋設されている。ここで、発熱体保持手段は、保持部3とコイル部5とスプリング部6とで構成される。また、リード線部は、内部リード線4とモリブデン箔7と外部リード線8とで構成される。
実施の形態1の発熱ユニットにおける発熱体2aは、細長い平板状に形成された炭素系物質であり、黒鉛等の結晶化炭素の基材に窒素化合物の抵抗値調整物質、及びアモルファス炭素を加えた混合物により構成されている。この発熱体2aの形状寸法は、例えば、板幅Tが6.0mm、板厚tが0.5mm、長さLが300mmである。発熱体2aにおいては、板幅Tと板厚tとの比(T/t)が5以上、即ち板幅Tが板厚tの5倍以上であるのが望ましい。板幅Tを板厚tより5倍以上大きい平板状とすることにより、広い平面(板幅Tを構成する面)から出る熱量が狭い側面(板厚tを構成する面)から出る熱量より多くなり、平板状の発熱体2aの熱輻射に指向性を持たすことが可能となる。
図1に示すように、発熱体構成部2の保持部3の一端には発熱体2aの端部が固着されており、この保持部3の他端にはコイル部5が巻着されている。コイル部5、スプリング部6及び内部リード線4は、モリブデン線により一体的に形成されている。実施の形態1においては、コイル部5、スプリング部6及び内部リード線4をモリブデン線により形成した例で説明するが、モリブデン線の他にタングステン等の弾性を有する金属線を用いて構成しても良い。コイル部5は保持部3の外周面に密着して螺旋状に巻き付けられており、保持部3とコイル部5は電気的に確実に接続されている。弾性力を有して螺旋状に形成されたスプリング部6は、発熱体2aに対して張力を与えるものであり、発熱体2aが第1のガラス管1の内部で所望の位置に常に配置される。このようにコイル部5と内部リード線4との間にスプリング部6を設けることにより、発熱体2aの熱膨張による寸法変化を吸収することが可能となる。
なお、実施の形態1の発熱ユニットにおいては、スプリング部6を発熱体2aの両端側に設けた例で説明するが、スプリング部6を発熱体2aの片側だけに設けた構成でも可能であることは言うまでもない。
内部リード線4は溶接によりモリブデン箔7の一端近傍に接合されており、モリブデン箔7の他端近傍には発熱体構成部2に電源電圧を供給する外部リード線8が溶接により接合されている。
上記のように構成された発熱体2aが第1のガラス管1内の所望の位置に配置され、内部リード線4と外部リード線8とを接続するモリブデン箔7が第1のガラス管1の平板状に押し潰された封止部分に埋設されている。なお、この第1のガラス管1の内部に封入されている不活性ガスであるアルゴンガス又はアルゴンガスと窒素ガスの混合ガスは、炭素系物質である発熱体2aの酸化を防止するためのものである。
上記のように構成された発熱体構成部2を収納する第1のガラス管1は、円筒状の第2の透熱管である第2のガラス管9の内部に所定の空隙を有して配設されている。第2のガラス管9の内部に第1のガラス管1を所定の空隙を有して配設するために、スペーサ11が設けられている。実施の形態1におけるスペーサ11を図2の(a)に示す。図2の(a)に示すように、スペーサ11は、円筒部111aと鍔部111bとを有して構成されている。円筒部111aは第1のガラス管1と第2のガラス管9との間に配置され、第1のガラス管1と第2のガラス管9との間に所定の空隙(隙間)を形成する。鍔部111bは第2のガラス管9の端部に係合し、スペーサ11の位置決めとなる。実施の形態1におけるスペーサ11は熱伝導性の高い金属、例えばアルミニウムや真鍮で構成される。このように熱伝導性の高い材料を用いることにより、発熱ユニットの両端部分への熱伝導が遮断され、この発熱ユニットを用いた装置の信頼性を高めることが可能となる。また、スペーサ11の材料としては、耐熱性の高いステンレス鋼を用いることにより、高温度化に対応することができる。
実施の形態1の発熱ユニットにおいては、図2の(a)に示したスペーサ11を用いた例で説明したが、このスペーサの構成としては各種形状があり、その例を図2の(b)から(i)に示す。
図2の(b)に示すスペーサ11bは、円筒部が波をうつように凹凸面により形成されている。このように円筒部に凹凸面を形成することにより、第1のガラス管1と第2のガラス管9との間に円筒部の板厚より大きな隙間を形成することが可能となる。
図2の(c)に示すスペーサ11cは、円筒部に複数の突起111cが形成されている。突起111cは円筒部の外周面に一定間隔を有して配設されている。このように円筒部に突起111cを形成することにより、第1のガラス管1と第2のガラス管9との間に円筒部の板厚より大きな隙間を確実に形成することが可能となる。
図2の(d)に示すスペーサ11dは、円筒部と鍔部に切断部分111dが形成されており、実質的に円形に形成されたスペーサ11dの直径が可変となる。スペーサ11dは弾性を有する金属材料により構成されており、取り付けられる第1のガラス管1の直径に応じて変形し、その外周面を挟着する構成となる。したがって、スペーサ11dは、直径の異なる第1のガラス管1に対応することができるため、各種発熱ユニットの構成に用いることが可能となる。
図2の(e)に示すスペーサ11eは、円筒部と鍔部に切断部分111eが形成されており、実質的に円形に形成されたスペーサ11eの直径が可変となる。スペーサ11eは弾性を有する金属材料により構成されており、取り付けられる第1のガラス管1の直径に応じて変形し、その外周面を挟着する構成となる。また、円筒部が波をうつように凹凸面により形成されているため、第1のガラス管1と第2のガラス管9との間に円筒部の板厚より大きな隙間を形成することが可能となる。
図2の(f)に示すスペーサ11fは、円筒部に複数の切れ込みが形成されており、実質的に円形に形成されたスペーサ11fの円筒部の直径が可変となる。スペーサ11fは弾性を有する金属材料により構成されており、取り付けられる第1のガラス管1の直径に応じて変形し、その外周面を挟着する構成となる。したがって、スペーサ11fは、直径の異なる第1のガラス管1に、簡単に挿入するだけで容易に対応することができる。
図2の(g)に示すスペーサ11gは、鍔部が無く円筒部だけで構成されており、その円筒部に切断部分111gが形成されている。スペーサ11gは弾性を有する金属材料により構成されており、取り付けられる第1のガラス管1の外周面を挟着する構成となる。したがって、スペーサ11gは、直径の異なる第1のガラス管1に対応することができ、且つ容易に装着することが可能である。
図2の(h)に示すスペーサ11hは、鍔部が無く円筒部だけで構成されており、その円筒部が凹凸面で構成され、且つ切断部分111hが形成されている。スペーサ11hは弾性を有する金属材料により構成されており、取り付けられる第1のガラス管1の外周面を挟着する構成となる。したがって、スペーサ11hは、直径の異なる第1のガラス管1に対応することができ、且つ第1のガラス管1と第2のガラス管9との間に円筒部の板厚より大きな隙間を形成することが可能となる。
図2の(i)に示すスペーサ11iは、円筒部と鍔部に切断部分111iが形成されており、実質的に円形に形成されたスペーサ11iの直径が可変となる。スペーサ11iは弾性を有する金属材料により構成されており、取り付けられる第1のガラス管1の直径に応じて変形し、その外周面を挟着する構成となる。また、スペーサ11iの円筒部は、先窄がりの形状(図2の(i)において上方が窄がる形状)を有しており、第1のガラス管1と第2のガラス管9との間に円筒部の板厚より大きな隙間を形成することが可能となる。
また、実施の形態1の発熱ユニットにおいては、第1のガラス管1と第2のガラス管9との間の空隙(隙間)を密閉するキャップ10が設けられている。キャップ10は、伸縮性を有するゴム体で構成され、前述のスペーサ11を覆うように配置されている。即ち、キャップ10は、第2のガラス管9の両端部分に設けられたスペーサ11を覆い、第2のガラス管9を第1のガラス管1に固定するために設けられている。
実施の形態1において、キャップ10は、第1のガラス管1と第2のガラス管9との密着をはかるため、耐熱性と熱収縮性を有するチューブ状のシリコンゴムにより構成した。キャップ10としては、成形が容易なシリコンゴムの他に、耐熱性のあるフッ素系樹脂により形成されたチューブ状のものでも第1のガラス管1と第2のガラス管9との隙間を密閉することができる。なお、キャップ10としては、樹脂材の他に金属製のチューブ状のものを用いて、第2のガラス管9の両端部分をカシメにより密閉して構成することも可能である。金属製のキャップ10としては、カシメ加工を行うことが可能なアルミニウム、真鍮等の軟らかい金属を用いて構成することが好ましい。
実施の形態1の発熱ユニットにおいては、第1のガラス管1と第2のガラス管9との隙間を規定するスペーサ11が熱伝導性を有する材料で構成され、発熱体2aから放射され第1のガラス管1を伝導する熱を分散させる機能を有する。このようにスペーサ11が熱分散を行うため、キャップ10への熱伝導がある程度遮蔽されており、キャップ10の高温度化が防止される構成である。したがって、上記構成の発熱ユニットを熱源として装置に組み込む場合、キャップ10の部分を装置の筐体に取り付ける構造とすることにより、信頼性の高い装置を構築することが可能となる。
上記のように、図1に示した実施の形態1の発熱ユニットにおいては、第1のガラス管1と第2のガラス管9との間にスペーサ11を設けて、所望の隙間を形成し、且つスペーサ11の配設位置を覆うようにキャップ10が設けられている。このように構成された実施の形態1の発熱ユニットを熱源として加熱装置に組み込む場合には、キャップ10が設けられている位置で筐体に取り付けることにより、加熱時に加熱領域において生じる汚染物質が筐体と発熱ユニットとの間から加熱領域外へ流出することが防止される。これは、キャップ10により発熱ユニットの第2のガラス管9と筐体との間を塞ぐ構成とすることが容易に可能であるためである。なお、発熱ユニットと加熱装置の筐体との装着部分に密閉用部材、例えば耐熱性及び柔軟性のあるゴムブッシュ等を用いることにより、加熱時に加熱領域において生じる汚染物質の加熱領域外への流出が確実に防止される。
また、実施の形態1の発熱ユニットを加熱装置に用いた場合、第1のガラス管1は第2のガラス管9の内部に収納されキャップ10により隙間が密閉された構造であるため、第1のガラス管1は加熱時に生じる汚染物質から第2のガラス管9とキャップ10により保護されており、長寿命化が図られている。
第1のガラス管1は溶着により封止部分を形成する構成であるため、石英ガラス管等のガラス管が用いられており、このようなガラス管に汚染物質(アルカリ性金属等)が付着し高温度となると、失透という現象を起こしガラス管の破損に繋がるという問題がある。しかし、実施の形態1の発熱ユニットにおいては第2のガラス管9が第1のガラス管1と所定隙間を有して覆うように設けられているため、第2のガラス管9は第1のガラス管1より温度が低く、失透という現象が起こり難い構成となる。また、第2のガラス管9の材料として結晶化ガラスを用いることにより、さらに失透という現象が起こり難い構造となる。上記のように、実施の形態1の発熱ユニットにおいては、第2のガラス管9とキャップ10とにより、第1のガラス管1に対する汚染物質の進入を物理的に確実に防止する構成である。
なお、第2のガラス管9としては、その使用状態に応じて耐熱性を有するガラス管、例えば、石英ガラス管、高シリカガラス管、低アルカリホウケイ酸ガラス管、結晶化ガラス管、セラミックス管等を選択して用いることができる。使用状態における考慮条件としては、使用温度、熱の透過度、汚染物質としてのアルカリ性金属の発生の度合い、強度等があり、これらの条件を考慮して第2のガラス管9の材質が選択される。
上記のように構成された第1のガラス管1と第2のガラス管9を用いた実施の形態1の発熱ユニットと、第2のガラス管9を用いずに第1のガラス管1のみにより構成された発熱ユニットとに対して輻射強度測定を行った。ここで、第1のガラス管1は石英ガラス管を用い、第2のガラス管9は結晶化ガラスを用いた。
図3は実施の形態1の発熱ユニットにおける発熱体2aの端部近傍を示す部分斜視図であり、第1のガラス管1、第2のガラス管9、キャップ10は透明体として描かれている。この部分斜視図において、細長い平板状の発熱体2aの幅(T)方向がX0−X0であり、厚み(t)方向がY0−Y0である。
図4は、第1のガラス管1と第2のガラス管9とを用いた実施の形態1の発熱ユニットの輻射強度曲線Aと、第1のガラス管1のみで構成された発熱ユニットにおける輻射強度曲線Bとを示す。図4において、図3に示した幅方向をX0−X0とし、厚み方向をY0−Y0として表示する。
図4に示すように、第1のガラス管1と第2のガラス管9とを用いた実施の形態1の発熱ユニットの輻射強度曲線Aは、第1のガラス管1のみで構成された発熱ユニットにおける輻射強度曲線Bに比べて、結晶化ガラスを用いた第2のガラス管9が設けられているため、輻射は約5%低下するが指向性は大きく変わることがない。したがって、第2のガラス管9は、第1のガラス管1のカバーガラスとして用いても、影響の少ない構成となる。
実施の形態1の発熱ユニットにおいては、第1のガラス管1を封止した構造で説明したが、この構造の場合には発熱体2aが空気中で高温度において酸化するタングステン系、モリブデン系、炭素系、炭素系と抵抗調整剤を含む材料で構成されている。しかし、発熱体が空気中で利用できる炭化珪素系、二ケイ化モリブデン系、ランタンクロマイト、ニクロム系、ステンレス系の材料で構成されている場合には、実施の形態1のような封止構造とする必要がないことは言うまでもない。
以上のように、本発明に係る実施の形態1の発熱ユニットにおいては、第2のガラス管9とキャップ10とスペーサ11とにより第1のガラス管1を保護する構造であるため、発熱体2aの寿命を延ばすことができる。したがって、実施の形態1の発熱ユニットによれば、被加熱物体を加熱する際に発生する汚染物質から発熱体2aを確実に保護し、寿命の長い加熱装置を提供することができる。
《実施の形態2》
以下、本発明に係る実施の形態2の発熱ユニットについて、添付の図5から図7を用いて説明する。図5は実施の形態2の発熱ユニットの構造を示す正面図である。図6は実施の形態2における膜体である反射シート12が発熱体2aの幅方向(X0−X0方向)と平行な平面に対向して配置された構成の発熱ユニット断面方向の輻射強度曲線図である。また、図7は実施の形態2における反射シート12が発熱体2aの厚み方向(Y0−Y0方向)と平行な面に対向して配置された構成の発熱ユニット断面方向の輻射強度曲線図である。
実施の形態2の発熱ユニットにおいて、前述の実施の形態1の発熱ユニットと異なる構成は、第1のガラス管1と第2のガラス管9との隙間に反射手段である反射シート12が形成されている点である。この反射シート12は、第1のガラス管1の内部に収納された発熱体2aに対向する位置に配設されている。実施の形態2の説明及び図面において、実施の形態1と同じ機能、構成を有するものには同じ符号を付し、その説明は省略する。また、実施の形態2において、実施の形態1における構成物と同じものには同じ材料により形成されている。
実施の形態2の発熱ユニットにおける発熱体2aは、実施の形態1と同様に、細長い平板状に形成された炭素系物質であり、黒鉛等の結晶化炭素の基材に窒素化合物の抵抗値調整物質、及びアモルファス炭素を加えた混合物により構成されている。この発熱体2aの形状寸法は、例えば、板幅Tが6.0mm、板厚tが0.5mm、長さLが300mmである。発熱体2においては、板幅Tと板厚tとの比(T/t)が5以上であるのが望ましい。板幅Tを板厚tより5倍以上大きい平板状とすることにより、広い平面(板幅Tを構成する面)から出る熱量が狭い側面(板厚tを構成する面)から出る熱量より多くなり、平板状の発熱体2aの熱輻射に指向性を持たすことが可能となる。
実施の形態2の発熱ユニットにおいて用いた反射シート12は、耐熱性に優れたフェライト系ステンレス鋼の板厚50ミクロンを用い、熱処理(900〜1000℃)を行い表面にアルミナを析出させ高温度で変色しにくい材料により構成した。反射シート12の取り付け方法は、第1のガラス管1と第2のガラス管9との間の湾曲した空隙に、弾性を有して曲率が小さい板厚50ミクロンの反射シート12を配置することにより、空隙と反射シート12との曲率差により反射シート12を第1のガラス管1と第2のガラス管9と間の所望の位置に固定することができる。
実施の形態2においては、反射シート12を上記のように第1のガラス管1と第2のガラス管9との間に挟むよう構成したが、反射シート12の材質及び形状によっては、反射シート12を第1のガラス管1と第2のガラス管9の間に配置するために、第1のガラス管1又は第2のガラス管9に反射シート12を固定するための固定手段、例えば突起を設けるか、反射シート12と第1のガラス管1又は第2のガラス管のいずれかに凹凸等の固定手段を設けて嵌め込むよう構成しても良い。又は、反射シート12を第1のガラス管1の内壁もしくは第2のガラス管9の外壁に固定しても良く、その場合には該当する壁面に固定部材を形成すれば良い。また、反射シート12を反射膜により構成して、この反射膜をアルミ蒸着、金転写等により形成しても良い。上記の反射シート12に関する各種構成においても、本発明の効果に影響するものではない。
上記のように構成された反射シート12を設けた実施の形態2の発熱ユニットと、前述の実施の形態1の発熱ユニットに対して輻射強度測定を行った。ここで、第1のガラス管1は石英ガラス管を用い、第2のガラス管9は結晶化ガラスを用いた。また、この輻射強度測定において使用した発熱体2aは細長い平板状に形成された炭素系物質であり、黒鉛等の結晶化炭素の基材に窒素化合物の抵抗値調整物質、及びアモルファス炭素を加えた混合物により構成されている。この発熱体2aの形状寸法は、板幅Tが6.0mm、板厚tが0.5mm、長さLが300mmである。
図6は、第1のガラス管1と第2のガラス管9とを用いた実施の形態1の発熱ユニットの断面方向の輻射強度曲線Aと、反射シート12が発熱体2aの幅方向(X0−X0方向)と平行な平面に対向して配置された実施の形態2の発熱ユニットの断面方向の輻射強度曲線図Cとを示す。図6に示すように、第2のガラス管9と第1のガラス管1との隙間に反射シート12を設け、その反射シート12が発熱体2aの幅方向(X0−X0方向)と平行な平面に対向して配置された構成の輻射強度曲線Cは、実施の形態1の構成の輻射強度曲線Aに比べて、一方向(図6における右側Y0方向)の輻射強度を20〜30%向上させることができる。
図7は、第1のガラス管1と第2のガラス管9とを用いた実施の形態1の発熱ユニットの断面方向の輻射強度曲線Aと、反射シート12が発熱体2aの厚み方向(Y0−Y0方向)と平行な平面に対向して配置された実施の形態2の発熱ユニットの断面方向の輻射強度曲線図Dとを示す。図7に示すように、反射シート12が発熱体2aの厚み(t)方向(Y0−Y0方向)と平行な平面に対向して配置された実施の形態2の発熱ユニットは、発熱体2aの幅(T)方向(X0−X0方向)における輻射強度を高めて、幅広い加熱が可能となる。
上記のように、発熱体2aの幅が厚みの5倍以上の構成の発熱ユニットに反射シート12を設けることにより、発熱ユニットの指向性を高めることが可能となり、被加熱物体に応じた加熱状態を形成することができる。
なお、実施の形態2の発熱ユニットにおいては、発熱体2aが平面を有する板状で説明したが、発熱体2aとしては炭素繊維等を含む繊維状の、例えば帯状や、帯状のものに切れ込みが入っている形状等の場合でも良く、その場合には凸凹面であっても平均的に略平面を有する発熱体であれば実施の形態2と同様の効果が得られる。
図5に示した実施の形態2の発熱ユニットにおいては、反射シート12が第1のガラス管1と第2のガラス管9との間の隙間に配置され、当該隙間がキャップ10により密閉されている。この実施の形態2の発熱ユニットを、例えば加熱装置に設けた場合、加熱時の加熱空間において生じる汚染物質が反射シート12に直接付着することがなく、当該反射シート12の反射面は変色することがなく、高反射率を維持することができる。
なお、実施の形態2における反射シート12としてはフェライト系ステンレス鋼を用いたが高温度で変色し難く反射率の高い金属、例えばニッケル(Ni)、ニクロム、金、白金、クロム合金等の材料を用いて構成しても同様の効果を奏する。また構成的に高温度にならない場合はアルミニウム(AL)、アルミニウム合金、一般ステンレス鋼、銅合金、等を用いても同様の効果が得られることは言うまでもない。
実施の形態2の発熱ユニットにおいては、指向性のある板状の発熱体を用いて説明したが、指向性のない発熱体、例えば円筒の丸巻き状、丸棒状、略四角の角柱状の発熱体に対しても反射シート12を用いることにより、一方向への指向性を高めることができ、反射シート12と第1のガラス管1とを汚染物質から保護し、寿命の長い発熱ユニットを提供することができる。
以上のように、本発明に係る実施の形態2の発熱ユニットによれば、第2のガラス管9とキャップ10とスペーサ11とにより第1のガラス管1を保護し、発熱体2aの長寿命化を図ることができるとともに、第1のガラス管1と第2のガラス管9との空隙に反射シート12を配設することにより、被加熱物体を加熱する際の指向性を高め、反射シート12を保護できる加熱装置を提供することができる。
《実施の形態3》
以下、本発明に係る実施の形態3の加熱装置について、添付の図8と図9を用いて説明する。図8は実施の形態3の第1の加熱装置の構造を示す断面図である。図9は実施の形態3の第2の加熱装置の構造を示す断面図である。
実施の形態3における第1の加熱装置は、前述の実施の形態1の発熱ユニットを熱輻射源として用いたものであり、2組の発熱ユニットを被加熱物体の上下に配設して構成したものである。実施の形態3における第2の加熱装置は、前述の実施の形態2の発熱ユニットを熱輻射源として用いたものであり、1組の発熱ユニットを被加熱物体の下方に配設したものである。
図8に示すように、第1の加熱装置は、実施の形態1で説明した発熱ユニットが被加熱物体を載せる金網14の上下に配設されている。各発熱ユニット100は、その両端側に設けられているキャップ10の位置において、加熱空間を形成する内部筐体16に固定されている。各キャップ10は内部筐体16に形成された孔に密着して嵌め込まれて固定されている。なお、発熱ユニット100と内部筐体16とは密閉用部材22、例えばゴムブッシュ等の耐熱性及び柔軟性を有する部材により固定しても良い。このように密閉用部材22を用いることにより、加熱装置の外観を構成する外部筐体13と内部筐体16との間の装置内部空間は、加熱空間と確実に液密状態で隔離され、加熱空間からの汚染物質の流入が防止される。
図8に示す第1の加熱装置には反射板17が設けられている。反射板17は発熱ユニット100の発熱体2aの背面側(金網14に対向しない面側)から放射された熱を金網14上の被加熱物体15に反射するよう、上部の発熱ユニット100の上側と、下部の発熱ユニット100の下側に配設されている。図8に示す第1の加熱装置において、加熱空間を構成する筐体16の内面に反射板17を設けて、発熱ユニット100からの2次輻射を反射板17により被加熱物体15への熱輻射に使うことが可能となり、被加熱物体15に対する加熱効果が高く優れた加熱効率を有する加熱装置となる。反射板17の材料としては、反射率の高いアルミニウム、アルミニウム合金、又はステンレス等の金属板、若しくは耐熱性の材料の表面にアルミニウム、窒化チタン、ニッケル、クロム等の金属薄膜形成処理した板材等が用いられる。
また、第1の加熱装置において、内部筐体16と外部筐体13との間の内部空間には、各発熱ユニット100における両端部分にある封止部分から導出した外部リード線8と共に、発熱ユニット100に電源を供給する電源供給回路18と、発熱ユニット100への電源供給の制御を行う制御回路19が設けられている。
図9に示す第2の加熱装置は、実施の形態2で説明した反射シート12を第1のガラス管1と第2のガラス管9との空隙に配設した発熱ユニットが被加熱物体を載せる金網14の下方に配設されている。発熱ユニット101は、その両端側に設けられているキャップ10の位置において、上方が開口した加熱空間を形成する内部筐体20に固定されている。両端側にあるキャップ10は内部筐体20に形成された孔に密着して嵌め込まれて固定されている。なお、発熱ユニット101と内部筐体20とは密閉用部材22、例えばゴムブッシュ等の耐熱性及び柔軟性を有する部材により固定しても良い。このように密閉用部材22を用いることにより、加熱装置の外観を構成する外部筐体21と内部筐体20との間の装置内部空間は、加熱空間と確実に隔離され、加熱空間からの汚染物質の流入が防止される。
なお、図9に示す第2の加熱装置における内部筐体20の底面には、第1の加熱装置において用いた反射板17を設けても良い。この場合、反射板17は発熱ユニット101の発熱体2aの背面側(金網14に対向しない面側)から放射された熱(反射シート12に反射される熱を除く)を金網14上の被加熱物体15に反射するよう配設される。図9に示す第2の加熱装置において、加熱空間を構成する筐体20の底面に反射板17を設けた場合には、被加熱物体15に対する加熱効果をさらに高め、優れた加熱効率を有する加熱装置となる。
なお、第2の加熱装置においても、前述の第1の加熱装置と同様に、内部筐体20と外部筐体21との間の内部空間には、発熱ユニット101における両端部分にある封止部分から導出した外部リード線8と共に、発熱ユニット101に電源を供給する電源供給回路と、発熱ユニット101への電源供給の制御を行う制御回路が設けられている。
実施の形態3の加熱装置においては、各発熱ユニット100,101のキャップ10の位置で内部筺体16,20に固着されているため、加熱時の使用環境により生じる汚染物質が加熱空間から内部空間へ流出することが防止されている。
また、発熱ユニット100,101と内部筐体16,20との嵌合部分に密閉用部材22を用いることにより、汚染物質の内部空間への流入が確実に防止され、内部空間に配設した電気部品等への汚染物質の付着が無くなり、さらに信頼性が高く、寿命の長い加熱装置を提供することができる。
実施の形態3の加熱装置において、加熱時の第1のガラス管1は、加熱時の使用環境による汚染に対して、第2のガラス管9とキャップ10により保護されているため、第1のガラス管1は長時間の使用が可能となり、装置全体としての寿命を延ばすことができる。また、内部筐体16,20と外部筐体13,21との間の内部空間を内部筐体16,20により高温度領域から遮蔽するよう構成し、この内部空間に発熱ユニットの封止部分、この封止部分から導出した外部リード線8、及び電気回路等の耐熱性の低い部分を配設する構成であるため、加熱装置としての長寿命化が図られている。
実施の形態3の加熱装置において、加熱空間の内部筐体16,20内で加熱調理する場合、被加熱物体15を金網14上に載せて発熱ユニットに所望の電源を供給することにより、金網14上の被加熱物体15は所望の温度で加熱される。このとき被加熱物体15から発生した油煙や調味料等の汚染物質は、加熱空間に充満するが第2のガラス管9とキャップ10により遮断されて第1のガラス管1に達することはない。このため、第1のガラス管1には汚染物質が付着することが防止されており、失透や破損が生じることはない。なお、実施の形態3においては、調理用の加熱装置として説明したが、熱源として用いる各種の加熱装置においても有用であり、例えば、加熱空間に水溶液や蒸気が発生する状態においても、内部筐体と外部筐体との間の内部空間には水溶液や蒸気が流入することがなく、長寿命の加熱装置を構築することができる。
実施の形態3の加熱装置においては、発熱ユニット100,101に電源を供給し、制御する電気回路を内部空間に配置した構成で説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、電気回路が加熱装置の外部筐体の外側に配置された構成でも同様の効果があることは言うまでもない。
図8に示した第1の加熱装置は、実施の形態1で説明したが発熱ユニットを用いて説明したが、反射シート12を有する実施の形態2で説明した発熱ユニットを用いて構成しても良い。このように構成した場合には、発熱ユニットの反射シート12により、さらに指向性の高い加熱が可能となる。
また、実施の形態3の加熱装置においては、発熱ユニットにおける反射手段(反射シート12,反射板17)の位置や形状を変更することにより、ワイドな焼き面、スポット的な焼き面等、使用用途に応じた利用が可能となる。
上記のように実施の形態3の加熱装置においては、発熱ユニット及び反射手段が熱源として配置され、広範囲な加熱、平行熱線による加熱、乱反射によるムラのない加熱、汚染されない加熱、及び輻射効率の高い加熱を行うことができ、被加熱物体と使用環境に応じた汎用性の高い加熱装置となる。
本発明において、加熱装置とは、暖房用ストーブ等の輻射電気暖房器、調理加熱等の調理器、食品等の乾燥機、水溶液の加熱器、複写機、ファクシミリ、プリンタ等におけるトナー定着等の電子装置、及び短時間で高温度に加熱する必要のある装置を含む。
実施の形態3の加熱装置において、発熱ユニットに対して制御回路により通電制御を行う場合、その通電制御の選択条件として温度条件を加味する制御も可能である。温度制御としては、例えばサーモスタット等の温度検知手段を用いたオンオフ制御、正確な温度を感知する温度感知センサを用いた入力電源の位相制御、さらに通電率制御、ゼロクロス制御等を単独で、若しくはそれらを組み合わせて行うことにより、高精度な温度管理が可能な加熱装置を実現できる。したがって、このように構成された実施の形態3の加熱装置によれば、発熱体の平面部分の指向変更制御(反射板17の配置制御)と通電制御とにより、輻射特性に優れた加熱と高精度な温度管理が可能となる。
実施の形態1から3においては、発熱ユニットを第1のガラス管1により発熱体を封止する構成で説明したが、封止を必要としない発熱体を有する発熱ユニットにおいても同様の効果があることは言うまでもない。即ち、第1のガラス管1の内部に発熱体構成部2が封止されない開放された状態で配置され、この第1のガラス管1を第2のガラス管9の内部に収納して、前述の実施の形態1及び2において説明したキャップ10及び/又はスペーサ11を設けて発熱ユニットを構成しても良い。
実施の形態1から3においては、第1の透熱管としての第1のガラス管1と第2の透熱管としての第2のガラス管9との間が所定の空隙(隙間)を有して密閉されるように、キャップ10が設けられている。このキャップ10は、伸縮性を有するゴム体で構成され、所定の空隙を確保するためのスペーサ11を覆うように配置されている。即ち、キャップ10により、第2のガラス管9は第1のガラス管1に固定され、互いの隙間が密閉されている。本発明においては、第1のガラス管1と第2のガラス管9との固定手段として上記の構成に限定されるものではない。別の固定手段としては、例えば、図10に示す固定手段がある。図10はキャップとして固定リング30を用いた発熱ユニットを示した断面図である。固定リング30は第1のガラス管1の両側に装着され、第2のガラス管9の端部と固定リング30の内側の段部が固着されている。固定リング30により第1のガラス管1と第2のガラス管9との間の隙間が確保され、その隙間が密閉されている。固定リング30と第1のガラス管1と第2のガラス管9との接触箇所には接合材として接着剤31が塗布されて接着されている。接着剤31としては、例えばアルミナを主原料とする無機耐熱接着剤、又はこの無機耐熱接着剤に二酸化珪素や、酸化マグネシウム等を含む構成でもよい。固定リング30の材料としては、セラミックス材、例えばステアタイト、アルミナや、又はアルミニウム、ステンレス等の金属である。
固定リング30の外周面には、細い溝30aが発熱ユニットの長手方向に直交するように形成されている。溝30aには、この発熱ユニットが取り付けられる加熱装置における支持部が嵌め込まれて位置決めされる。
上記のように、固定リング30を設けることにより、第1のガラス管1と第2のガラス管9との間の隙間をスペーサを用いることなく正確に保持できるとともに、加熱装置への装着が確実に、且つ容易となり、信頼性の高い加熱装置を構築できる。
図11は固定リングを用いた発熱ユニットに反射手段として反射シート12を設けた例を示す断面図である。図12は、図11のZ−Z線による断面図であり、固定リング32における断面図である。図13は反射シート12の端部を示す斜視図である。図11において、キャップとしての固定リング32は第1のガラス管1と第2のガラス管9の間の隙間を密閉するとともに、反射シート12を第1のガラス管1に固定している。
図12に示すように、固定リング32の内面にはその長手方向に延びる凹み32bが形成されており、この凹み32bに反射シート12が配置されるよう構成されている。この結果、反射シート12は固定リング32に対して周方向の所定位置に確実に配置されている。さらに、無機耐熱接着剤31にて反射シート12の端部を閉じるよう固定リング32に接続することにより、反射シート12を発熱ユニットの長手方向の所定の位置に確実に設けることも可能である。
また、固定リング32の内面には反射シート12の端部に形成された突起33(図13参照)に嵌合する穴32aが形成されており、反射シート12は固定リング32によって周方向及び長手方向の所定位置で確実に固定されるよう構成されている。なお、無機耐熱接着剤31にて反射シート12端部を閉じるよう固定リング32に接続することにより密閉性を増すことは言うまでもない。
図14はキャップとしての他の固定リングを用いた変形例を示す断面図である。図14に示すように、固定リング34の外周面には鍔状の突起35が形成されており、この発熱ユニットが熱源として取り付けられる加熱装置における支持部に対して容易に装着できる構成となる。
図10から図14に示した構成の発熱ユニットは、前述の実施の形態1から3に示した発熱ユニット30、32,34と同じ材料を用いて構成されており、同様の効果を奏するものである。
本発明に係る発熱ユニットにおいては、径の異なる2つのガラス管1,9を有し、第1のガラス管1が発熱体2aを内包し、第2のガラス管9が第1のガラス管1を内包し、第1のガラス管1と第2のガラス管9の端部との接合部分に密閉を保つキャップ10が具備されている。このように構成された本発明の発熱ユニットは、発熱体2aを内包する第1のガラス管1を第2のガラス管9と密閉を保つキャップ10により保護する構成である。このため、第1のガラス管1には使用環境により生じる汚染物質が付着することが防止されており、発熱ユニットの長寿命化と、小型化を達成することができる。
また、本発明に係る発熱ユニットにおいては、発熱体2aを内包する第1のガラス管1と、この第1のガラス管1を内包する第2のガラス管9との空隙に、発熱体2aに対向して反射シート12が設けられている。このように構成された本発明の発熱ユニットは、発熱体2aからの熱輻射の指向性を高くすると共に反射シート12の汚染を防ぎ、高い輻射効率を維持することができる。また、この構成の発熱ユニットを加熱装置の熱源として設けることにより、小型で指向性が高く、加熱効率の高い加熱装置を提供することができる。
本発明に係る発熱ユニットにおける発熱体2aは、高温度にて酸化する発熱体材料、例えば炭素系物質と抵抗調整物質とを含み、焼成により形成された固形の炭素系発熱体でも良い。このように構成された発熱体2aの放射率は、金属材料に比べて80%以上高い特性を有している。また、このような発熱体2aを用いることにより、一次放射をより高め、被加熱物体に対して熱放射量が多く、輻射効率の高い発熱ユニットを構成することができる。さらに、本発明に係る発熱ユニットにおける発熱体2aは、固有抵抗値を変化させることにより、いろいろなサイズに形成することが可能であり、各種構成の加熱装置の熱源として対応が可能である。また、本発明によれば、小型で輻射効率の高い発熱ユニットを提供することができる。
本発明に係る発熱ユニットにおける発熱体2aは、略平面を有する実質的な板状であり、発熱体2aの幅が厚みの5倍以上であっても良い。このような発熱体2aを有して構成された本発明の発熱ユニットにおいては、発熱体自身において指向性のある熱放射が可能となり、さらに反射手段である反射シート12を発熱体2aの略平面に平行又は直交する位置に配置することにより、指向性を高めることが可能となる。また、本発明によれば、発熱体2aからの一次輻射、反射シート12による2次放射により、被加熱物体を目的に応じ照射して、適切な輻射域を持ち、輻射効率の高い発熱ユニットを提供することができる。
本発明に係る加熱装置には、径の異なる2つのガラス管1,9を有し、第1のガラス管1が発熱体を内包し、第2のガラス管9が第1のガラス管1を内包し、第1のガラス管1と第2のガラス管9の端部との接合部分に密閉を保つキャップ10を有する発熱ユニットが設けられており、この発熱ユニットに対向するように反射手段である反射板17が設けられている。
また、本発明に係る加熱装置には、発熱体2aを内包する第1のガラス管1と、この第1のガラス管1を内包する第2のガラス管9との空隙に、発熱体2aに対向して反射手段である反射シート12を有する発熱ユニットが設けられており、この発熱ユニットの発熱体2aが配置された加熱空間から内部筐体により遮蔽された空間に発熱体ユニットに電源を供給し制御する電気回路が配設されている。また、この電気回路が配設された空間に発熱ユニットの両端部分である発熱ユニットへの電源給端部が配置されている。このように構成された本発明に係る加熱装置においては、第1のガラス管1を内包する第2のガラス管9と、この第2のガラス管9の端部接合部分の密閉を保つキャップ10とにより、空隙に設けた反射シート12と第1のガラス管1と発熱体2aに対して、その使用環境による汚染が防止されているため、発熱ユニットの長寿命化と小型化を達成している。さらに、本発明に係る加熱装置においては、発熱ユニットの封止部分が加熱空間とは異なる内部筐体により遮蔽された空間に配置されているため、発熱ユニットの封止部分における断線等の事故の発生が抑制され、発熱ユニットの寿命を延命することができる。このように構成された発熱ユニットを加熱装置に用いることにより、輻射効率の高い小型で寿命の長い装置となる。
本発明に係る加熱装置においは、発熱ユニットの電気的な制御を行う制御回路を有し、この制御回路においてオンオフ制御、通電率制御、位相制御、及びゼロクロス制御のそれぞれの回路を単独、若しくは少なくとも二つを組み合わせて構成することにより、精度の高い温度制御が可能な加熱装置となる。また、本発明によれば、被加熱物体を所望の温度で適切に加熱するため、発熱体の温度を適切に制御して、発熱体に対する余分なエネルギーの投入を防止し、省エネルギーを達成する加熱装置を提供することができる。
本発明に係る発熱ユニットを熱源として用いた加熱装置は、例えば電気暖房機(ストーブ等)、電気調理器、水溶液加熱器、電子装置等の加熱部として利用でき、優れた加熱機能を有する構成となる。
本発明に係る発熱ユニットを熱源として用いた加熱装置は、熱源を必要とする各種機器に用いることができ、汎用性の高い加熱装置として有用である。
本発明に係る実施の形態1の発熱ユニットの構造を示す断面図 本発明に係る実施の形態1の発熱ユニットにおけるスペーサの形状を示す斜視図 本発明に係る実施の形態1の発熱ユニットの部分斜視図 本発明に係る実施の形態1の発熱ユニットの輻射強度曲線を示す図 本発明に係る実施の形態2の発熱ユニットの構造を示す断面図 本発明に係る実施の形態2の発熱ユニットにおいて反射シートを発熱体の幅方向に対向して配置した輻射強度曲線を示す図 本発明に係る実施の形態2の発熱ユニットにおいて反射シートを発熱体の厚み方向に対向して配置した輻射強度曲線を示す図 本発明に係る実施の形態3の第1の加熱装置を示す図 本発明に係る実施の形態3の第2の加熱装置を示す図 本発明に係る発熱ユニットの別の構造を示す断面図 本発明に係る発熱ユニットの別の構造を示す断面図 図11の発熱ユニットにおけるZ−Z線による断面図 図11の発熱ユニットにおける反射手段を示す斜視図 本発明に係る発熱ユニットの別の構造を示す断面図
符号の説明
1 第1のガラス管
2 発熱体構成部
3 保持部
4 内部リード線
5 コイル部
6 スプリング部
7 モリブデン箔
8 外部リード線
9 第2のガラス管
10 キャップ
11 スペーサ
12 反射シート
13 内部筐体
14 金網
15 被加熱物体
16 外部筐体
17 反射板
18 電源供給回路
19 制御回路
20 内部筐体
21 外部筐体
22 密閉用部材
30 固定リング
31 接着剤
32 固定リング
33 突起
34 固定リング
35 突起
100 発熱ユニット
101 発熱ユニット

Claims (21)

  1. 発熱体を有する発熱体構成部と、
    前記発熱体構成部を収納する第1の透熱管と、
    前記第1の透熱管により貫通されて前記第1の透熱管の両端部分が両側から突設し、前記第1の透熱管の外周面との間に所定の隙間を有して配置された第2の透熱管と、
    前記第1の透熱管と前記第2の透熱管との隙間を規定し、かつ前記第2の透熱管の端部と係合して当該第2の透熱管の管軸方向の移動を規制する固定手段と、を具備する発熱ユニットであって、
    前記発熱体構成部が、前記発熱体と、前記第1の透熱管の両端から導出するリード線部と、前記発熱体と前記リード線部とを接続する発熱体保持手段とを有し、前記第1の透熱管の内部に不活性ガスが封入され、前記リード線部の一部を埋設して前記第1の透熱管が封着された封止部が形成され、前記固定手段は前記第1の透熱管の管軸方向における前記封止部の発熱体側端部と前記発熱体保持手段の発熱体側端部との間の領域に位置していることを特徴とする発熱ユニット。
  2. 前記固定手段が、前記第1の透熱管と前記第2の透熱管との間の隙間を規定すると共に、前記隙間により形成された空間を密閉する固定リングを含む請求項1に記載の発熱ユニット。
  3. 前記固定手段が、前記固定リングを前記第2の透熱管の両端部と前記第1の透熱管の外周面に固着する接合材を含む請求項2に記載の発熱ユニット。
  4. 前記固定手段が、前記第1の透熱管と前記第2の透熱管との間の隙間を規定するために、前記第1の透熱管と前記第2の透熱管との間の隙間に設けられたスペーサと、前記第1の透熱管と前記第2の透熱管との間の隙間により形成された空間を密閉する伸縮性のキャップと、を含む請求項1に記載の発熱ユニット。
  5. 前記第1の透熱管と前記第2の透熱管との隙間に反射手段が配置され、当該反射手段の反射面が前記発熱体に対向するよう配置された請求項1乃至4のいずれか一項に記載の発熱ユニット。
  6. 前記第1の透熱管が前記発熱体構成部を封入するガラス管で構成され、前記第2の透熱管が前記第1の透熱管を内部に収納する円筒状のガラス管で構成された請求項1乃至5のいずれか一項に記載の発熱ユニット。
  7. 前記第2の透熱管が耐熱性を有する石英ガラス管、高シリカガラス管、低アルカリホウケイ酸ガラス管、結晶化ガラス管、セラミックス管の中から少なくとも一種類を選択した無機材料管を使用して構成された請求項1乃至5のいずれか一項に記載の発熱ユニット。
  8. 前記反射手段が金属薄板で形成された請求項5に記載の発熱ユニット。
  9. 前記反射手段が、ニッケル、フェライト系ステンレス鋼、又はニクロムの金属薄板で形成された請求項5に記載の発熱ユニット。
  10. 前記発熱体が、焼成により形成された炭素系発熱体である請求項1乃至5のいずれか一項に記載の発熱ユニット。
  11. 前記発熱体が、炭素系物質と抵抗調整物質とを含んで構成され、焼成により形成された板状の炭素系発熱体である請求項1乃至5のいずれか一項に記載の発熱ユニット。
  12. 前記発熱体が、炭素系繊維を含んで構成された帯状の炭素系発熱体である請求項1乃至5のいずれか一項に記載の発熱ユニット。
  13. 前記発熱体は幅が厚みの5倍以上の実質的な板状であり、前記発熱体における幅を構成する面が実質的な平面を有する請求項11に記載の発熱ユニット。
  14. 前記発熱体は幅が厚みの5倍以上の実質的な板状であり、前記反射手段の反射面は、前記発熱体における幅を構成する面の実質的な平面に対向して設けられた請求項5に記載の発熱ユニット。
  15. 前記発熱体は幅が厚みの5倍以上の実質的な板状であり、前記反射手段の反射面は、前記発熱体における幅を構成する面の実質的な平面に直交して設けられた請求項5に記載の発熱ユニット。
  16. 前記固定リングがセラミック材料で構成された請求項2に記載の発熱ユニット。
  17. 前記接合材が無機系耐熱接着剤で構成された請求項3に記載の発熱ユニット。
  18. 請求項1乃至17のいずれか一項に記載の発熱ユニットと、
    前記発熱ユニットのリード線部に接続された電源回路と、
    前記発熱ユニットを液密に保持し、前記リード線部を加熱空間から隔離する筐体と、
    を具備する加熱装置。
  19. 前記筐体における前記加熱空間に前記発熱体と対向する反射手段を配設した請求項18に記載の加熱装置。
  20. 前記発熱ユニットの加熱制御を行う制御回路を有し、前記制御回路がオンオフ制御、通電率制御、位相制御、及びゼロクロス制御のそれぞれの回路を単独、若しくは少なくとも二つを組み合わせて構成した請求項18又は19に記載の加熱装置。
  21. 発熱体を有する発熱体構成部と、
    前記発熱体構成部を収納する第1の透熱管と、
    前記第1の透熱管により貫通されて前記第1の透熱管の両端部分が両側から突設し、前記第1の透熱管の外周面との間に所定の隙間を有して配置された第2の透熱管と、
    前記第1の透熱管と前記第2の透熱管との隙間を規定し、かつ前記第2の透熱管の端部と係合して当該第2の透熱管の管軸方向の移動を規制する固定手段と、を具備する発熱ユニットであって、
    前記発熱体構成部が、前記発熱体と、前記第1の透熱管の両端から導出するリード線部と、前記発熱体と前記リード線部とを接続する発熱体保持手段とを有し、前記第1の透熱管の内部に不活性ガスが封入され、前記リード線部の一部を埋設して前記第1の透熱管が封着された封止部が形成され、前記固定手段は前記第1の透熱管の管軸方向における前記封止部の発熱体側端部と前記発熱体保持手段の発熱体側端部との間の領域に位置しており、
    前記固定手段は、前記第1の透熱管の両側に固定され、前記第1の透熱管の端部により貫通されて前記第1の透熱管の両側にある前記封止部が前記固定手段より外方に配置されるよう構成されており、且つ、前記固定手段は、前記発熱体構成部を加熱装置の加熱空間内に配置するための装着手段(30a)を有し、
    前記発熱体構成部が前記装着手段により前記加熱装置の加熱空間内に配置されているとき、前記封止部を含む前記第1の透熱管の端部が当該加熱空間外に配置されるよう構成された発熱ユニット。
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