JP3834320B2 - 赤外線電球を設けた暖房機器、乾燥機器、調理器、複写機、印刷機、及び工業用塗料乾燥機 - Google Patents

赤外線電球を設けた暖房機器、乾燥機器、調理器、複写機、印刷機、及び工業用塗料乾燥機 Download PDF

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本発明は、物を加熱する加熱装置及び室内を等を暖める暖房装置(以下、加熱・暖房装置という)に使用される赤外線電球に関するものであり、特に、発熱体として炭素系物質を使用して熱源として優れた機能を有する赤外線電球を設けた暖房機器、乾燥機器、調理器、複写機、印刷機、及び工業用塗料乾燥機に関する。
従来の赤外線電球は、長期間使用すると消費電力が異常に高くなり、場合によっては発熱部分が溶断するという問題があった。以下、この問題について説明する。
従来より熱源として使用されている赤外線電球としては、タングステンスパイラルフィラメントを多数個のタングステンサポートにより硝子管の中心部に保持したものが用いられている。しかしながら、タングステンの赤外線放射率は30〜39%と低く、また、点灯時の突入電流も高い。さらに、タングステンスパイラルフィラメントを硝子管の中心部に保持するためには、多数個のタングステンサポートを使用する必要があり、その組立は簡単なものではなかった。特に、高出力を得るために複数本のタングステンスパイラルフィラメントを硝子管に封入することは非常に困難であった。
これらの問題点を解決するために、タングステンスパイラルフィラメントに代えて、棒状に形成された炭素系物質を発熱体として使用する赤外線電球が従来から提案されている。そのような従来の赤外線電球としては、例えば、本発明と同一出願人による、特開平11−54092号公報(特許文献1)に開示された赤外線電球がある。炭素系物質は赤外線放射率が78〜84%と高いため、発熱体として炭素系物質を用いることで赤外線電球の赤外線放射率も高くなる。また、炭素系物質は、温度上昇とともに抵抗値が低下する負の抵抗温度特性を有するため、点灯時の突入電流を低く出来るという大きな特徴も有している。
図20及び図21は、炭素系物質を発熱体として使用した、特許文献1に記載された従来の赤外線電球を示す正面図である。図20の(a)は、1本の発熱体200を硝子管100内に封入した従来の赤外線電球のリード線導出部の構造を示す図である。図20の(b)は、図20の(a)の赤外線電球の発熱体200とリード線104との接続部の部分拡大図である。図21は、2本の発熱体200a,200bを硝子管内に封入した従来の赤外線電球の発熱体200a,200bとリード線104の接続部分を示す部分拡大図である。なお、図20の(a)は、赤外線電球の一方の端の構造を示したものであり、この赤外線電球の他方の端も同様の構造となっている。また、図21に示した赤外線電球は、図に示した2本の発熱体200a,200bとリード線104の接続部以外は、図20の(a)と同様の構造となっている。
図20の(a)において、従来の赤外線電球は、炭素系物質よりなる棒状に形成された発熱体200の端に、コイル状に巻かれた金属線102が巻回されている。このコイル状の金属線102の端部は金属箔スリーブ103に覆われており、この金属箔スリーブ103は発熱体200の端にカシメにより固着されている。金属箔スリーブ103の一端には、途中にスプリング状に巻かれたコイル部分105を有する金属線からなる内部リード線104が電気的に接合されている。この内部リード線104のもう一方の端には、モリブデン箔107の一端がスポット溶接されている。さらに、そのモリブデン箔107の他端には、モリブデン線からなる外部リード線108が溶接されている。このように一連に接続された、発熱体200、金属箔スリーブ103、内部リード線104、モリブデン箔107、外部リード線108が硝子管100内に挿入され配置されている。硝子管100の内部にはアルゴン、窒素などの不活性ガスが封入されており、モリブデン箔107の部分で硝子管100が溶融接合されて赤外線電球は完成する。
図21は、従来の他の赤外線電球の内部を示す斜視図であり、従来の赤外線電球における2本の発熱体200a,200bと金属リード線104との接続部の構造を示している。図21に示すように、この従来の赤外線電球は2本の発熱体200a,200bを1本の硝子管(図示省略)に封入した構造である。図21の赤外線電球は、発熱体200a,200bの各端部にコイル状の金属線102a,102bを巻回した後、金属箔スリーブ106を挿入している。挿入された金属箔スリーブ106は発熱体200a,200bの端部にカシメにより固着されている。この金属箔スリーブ106には、途中にスプリング状に巻かれたコイル部分105を有する金属リード線104が電気的に接合されている。
上記の構造を有する赤外線電球は、発熱体に炭素系物質を用いているため、優れた赤外線放射率を有するが、次の問題を有していた。
すなわち、図20の構造の従来の赤外線電球において、赤外線電球のワット数が大きくなると、つまり消費電力が大きくなると、コイル状の金属線102が高温になる。その結果、本構造の赤外線電球を長期間使用した場合、発熱体200とコイル状の金属線102と金属箔スリーブ103との接続部の接触抵抗が温度上昇のために増大する。これにより、従来の赤外線電球は接続部が異常に発熱するという問題があった。また、コイル状の金属線102と金属スリーブ103との接続部の温度が長期間にわたり上昇し続けると、最悪の場合にはこの接合部の温度が高くなって溶断してしまう恐れもあった。さらに、熱のサイクルにより発熱体200とコイル状の金属線102との熱膨張率の差によるストレスが加わり、使用当初より接触抵抗が大きくなり接続部の温度の上昇を加速させていた。
また、図21に示した2本の発熱体200a,200bを有する赤外線電球の構造においては、以下のような問題を有していた。
すなわち、2本の発熱体200a,200bの両端を金属箔スリーブ106でカシメる工程において、2本の発熱体200a,200bが均一な張力あるいは圧縮力でカシメられれば問題はないが、張力あるいは圧縮力のバランスが崩れた状態においてカシメられることも起こりうる。そのようにしてカシメられた従来の赤外線電球において、発熱体200a,200bを発熱させると、2本の発熱体200a,200bは異なる状態で熱膨張する。このため、発熱体200a,200bに加わる張力あるいは圧縮力のバランスの崩れがより大きくなる。特にカシメ状態のバランスが悪い場合には、張力あるいは圧縮力の大きくかかった方の炭素系発熱体が破断するときがあった。
次に、従来の赤外線電球における指向性の問題について説明する。
赤外線電球は、輻射する赤外線により物を加熱する加熱装置又は室内等を暖める暖房装置に用いられている。このような従来の赤外線電球としては、図22に示すような構成の赤外線電球が知られている。図22は、従来の赤外線電球の一例を示す平面図である。図23は図22に示した従来の赤外線電球の斜視図である。図22及び図23において、赤外線電球の中央部分は図示された両側部分の記載から容易に理解されるため、いずれの図においても赤外線電球の中央部分の図示を省略している。
図22及び図23に示した従来の赤外線電球は、実質的に円筒形状のガラス管201、このガラス管201の両端部に埋め込まれた金属箔205、ガラス管201の内部に気密に封入された発熱体240と内部リード線204とにより構成されている。発熱体240は、ニクロム又はタングステン等により構成された抵抗線をコイル状に巻回したものである。内部リード線204は発熱体240の両端と金属箔205とをそれぞれ接続する。これにより、発熱体240は、金属箔205と電気的に接続されると共に、両側の内部リード線204により適度に引っ張られて安定に固定される。この時、コイル状の発熱体240の中心軸は円筒形状のガラス管201の中心軸と実質的に同軸となるよう配置される。
図22及び図23に示すように、両側の金属箔205には外部リード線206がそれぞれ接続されている。両側から導出している外部リード線206に電圧を印加すると、発熱体240内に電流が流れ、その電流に対する発熱体240の抵抗により発熱体240から熱が生じる。このとき、発熱体240からは赤外線が輻射される。
図24の(a)は図23に示した赤外線電球の発熱体240が輻射する赤外線の強度分布曲線270のグラフである。図24の(b)は図23に示した赤外線電球の発熱体240を有する部分の横断面図である。図24の(a)、(b)に示されているx軸及びy軸は、図23に示した発熱体240の軸方向に対して垂直な平面内における直交座標軸である。図24の(a)、(b)において、原点0が発熱体240の中心軸に相当する。図24の(a)のグラフにおいて、半径方向が赤外線の輻射強度を示し、円周方向が発熱体240の軸方向に対して垂直な平面における中心軸に対する角度を示している。この角度はx軸の正方向からの角度により示される。
強度分布曲線270は、発熱体240に一定の電圧を印加したとき、発熱体240の中心軸(図24の原点0)から一定の距離の地点における微少な一定の面積内に到達する赤外線量を測定して得た。
図24の(a)の強度分布曲線270により示されているように、発熱体240は赤外線を全方位に実質上同じ強度で輻射する。これは、図24の(b)に示されているように、発熱体240の横断面形状が実質的に軸対称で円形状を有することに起因する。
このように全方位に実質上同じ強度で輻射される等方的な赤外線により、発熱体240から熱が外部へと伝えられ、外部の加熱や周囲の暖房に利用される。
上記のように構成された従来の赤外線電球において、赤外線の輻射強度に指向性を持たせたい場合には、例えば、赤外線用反射板を赤外線電球の外側に設置する構成が知られている。
図25は、従来の赤外線電球に赤外線用反射板280を設けた例を示す斜視図であり、赤外線電球と赤外線用反射板280との位置関係を示している。赤外線用反射板280は半円筒形状であり、発熱体240の半分を囲むように発熱体240と同軸に配置されている。
図26の(a)は赤外線用反射板280が設けられた赤外線電球から輻射される赤外線を示す強度分布曲線271のグラフである。図26の(b)は図25に示した赤外線用反射板280を持つ赤外線電球の発熱体240を有する部分の横断面図である。図26の(a)、(b)に示されているx軸及びy軸は、図25に示した発熱体240の軸方向に対して垂直な平面内における直交座標軸である。赤外線用反射板280の反射面と対向する向きをx軸の負の向きとする。図26の(a)、(b)において、原点0が発熱体240の中心軸に相当する。図26の(a)のグラフにおいて、半径方向が赤外線の輻射強度を示し、円周方向が発熱体240の軸方向に対して垂直な平面における中心軸に対する角度を示している。この角度はx軸の正方向からの角度により示される。図26の(a)において、輻射強度を示す同心円状の目盛は、前述の図24の(a)の目盛と同じ値である。また、輻射強度の測定方法は図24の(a)の場合と同様である。
図26の(a)に示されているように、赤外線用反射板280を設けることにより、x軸の正の向きを中心として、赤外線電球の片側にだけ赤外線が強く輻射される。
特開平11−54092号公報 特開平11−214215号公報 特開平11−214216号公報
上記のように、従来の赤外線電球は赤外線の輻射が等方的な強度分布を示している。そのため、赤外線の輻射に指向性を持たせるには、赤外線電球の外部に赤外線用反射板を設ける必要があった。
しかし、赤外線用反射板の赤外線反射率は経年変化や汚れの付着により劣化しやすい。従って、赤外線輻射の強度分布はその輻射する方向により異なってくる。更に、赤外線反射率の低下に伴って反射板自体に吸収される赤外線量も増加する。このような加熱・暖房装置を長期間使用していると、輻射効率が悪くなり、予期しない部分が過熱されるおそれがあった。
更に、上記のように等方的な輻射強度分布を有する赤外線電球に対して半円筒形状の赤外線用反射板を設けることにより得られる輻射強度分布は、図26の(a)に示したように、一般的に片側の広い範囲において実質的に同じ強度である。従って、従来の赤外線電球においては、輻射強度をより限られた範囲だけで大きくし、それ以外の範囲では小さく抑えるという指向性を高めることは困難であった。この結果、従来の加熱・暖房装置を局所的な加熱に対して用いる場合には、加熱効率が悪くなるという問題があった。
本発明は上記のような問題を解決するためになされたものであり、長期間使用しても消費電力が大きくなることがなく、かつ長期間使用による発熱部分の溶断を防止し、優れた指向性を有する信頼性の高い赤外線電球を加熱手段として設けた暖房機器、乾燥機器、調理器、複写機、印刷機、及び工業用塗料乾燥機を提供することを目的とする。
発明に係る暖房機器は、実質的に板形状又は棒形状を有し、その両端近傍に凹部が形成され、炭素系物質で構成された少なくとも1本の発熱体、
前記発熱体の両端部が挿入されて接合される良導電性を有する放熱ブロック、
前記発熱体の凹部を含む両端近傍領域において、前記放熱ブロックとの接合面に形成され焼結された接着剤の焼結体、
前記発熱体、前記接着剤の焼結体及び前記放熱ブロックを不活性ガスとともに気密に封入する硝子管、及び
前記放熱ブロックに電気的に接続され、その端部が硝子管外へ導出されているリード線、を具備する赤外線電球を熱源として設けている。このように構成された本発明の暖房機器は、長期間使用しても消費電力が大きくなることがなく、かつ長期間使用による発熱部分の溶断が防止された、優れた指向性を有する信頼性の高い赤外線電球を加熱手段として設けているため、高効率で信頼性の高い暖房機器となる。
本発明に係る乾燥機器は、実質的に板形状又は棒形状を有し、その両端近傍に凹部が形成され、炭素系物質で構成された少なくとも1本の発熱体、
前記発熱体の両端部が挿入されて接合される良導電性を有する放熱ブロック、
前記発熱体の凹部を含む両端近傍領域において、前記放熱ブロックとの接合面に形成され焼結された接着剤の焼結体、
前記発熱体、前記接着剤の焼結体及び前記放熱ブロックを不活性ガスとともに気密に封入する硝子管、及び
前記放熱ブロックに電気的に接続され、その端部が硝子管外へ導出されているリード線、を具備する赤外線電球を設けている。このように構成された本発明の乾燥機器は、長期間使用しても消費電力が大きくなることがなく、かつ長期間使用による発熱部分の溶断が防止された、優れた指向性を有する信頼性の高い赤外線電球を加熱手段として設けているため、高効率で信頼性の高い乾燥機器となる。
本発明に係る調理器は、実質的に板形状又は棒形状を有し、その両端近傍に凹部が形成され、炭素系物質で構成された少なくとも1本の発熱体、
前記発熱体の両端部が挿入されて接合される良導電性を有する放熱ブロック、
前記発熱体の凹部を含む両端近傍領域において、前記放熱ブロックとの接合面に形成され焼結された接着剤の焼結体、
前記発熱体、前記接着剤の焼結体及び前記放熱ブロックを不活性ガスとともに気密に封入する硝子管、及び
前記放熱ブロックに電気的に接続され、その端部が硝子管外へ導出されているリード線、を具備する赤外線電球を設けている。このように構成された本発明の調理器は、長期間使用しても消費電力が大きくなることがなく、かつ長期間使用による発熱部分の溶断が防止された、優れた指向性を有する信頼性の高い赤外線電球を加熱手段として設けているため、高効率で信頼性の高い調理器となる。
本発明に係る複写機は、実質的に板形状又は棒形状を有し、その両端近傍に凹部が形成され、炭素系物質で構成された少なくとも1本の発熱体、
前記発熱体の両端部が挿入されて接合される良導電性を有する放熱ブロック、
前記発熱体の凹部を含む両端近傍領域において、前記放熱ブロックとの接合面に形成され焼結された接着剤の焼結体、
前記発熱体、前記接着剤の焼結体及び前記放熱ブロックを不活性ガスとともに気密に封入する硝子管、及び
前記放熱ブロックに電気的に接続され、その端部が硝子管外へ導出されているリード線、を具備する赤外線電球を設けている。このように構成された本発明の複写機は、長期間使用しても消費電力が大きくなることがなく、かつ長期間使用による発熱部分の溶断が防止された、優れた指向性を有する信頼性の高い赤外線電球を加熱手段として設けているため、高効率で信頼性の高い複写機となる。
本発明に係る印刷機は、実質的に板形状又は棒形状を有し、その両端近傍に凹部が形成され、炭素系物質で構成された少なくとも1本の発熱体、
前記発熱体の両端部が挿入されて接合される良導電性を有する放熱ブロック、
前記発熱体の凹部を含む両端近傍領域において、前記放熱ブロックとの接合面に形成され焼結された接着剤の焼結体、
前記発熱体、前記接着剤の焼結体及び前記放熱ブロックを不活性ガスとともに気密に封入する硝子管、及び
前記放熱ブロックに電気的に接続され、その端部が硝子管外へ導出されているリード線、を具備する赤外線電球を設けている。このように構成された本発明の印刷機は、長期間使用しても消費電力が大きくなることがなく、かつ長期間使用による発熱部分の溶断が防止された、優れた指向性を有する信頼性の高い赤外線電球を加熱手段として設けているため、高効率で信頼性の高い印刷機となる。
本発明に係る工業用塗料乾燥機は、実質的に板形状又は棒形状を有し、その両端近傍に凹部が形成され、炭素系物質で構成された少なくとも1本の発熱体、
前記発熱体の両端部が挿入されて接合される良導電性を有する放熱ブロック、
前記発熱体の凹部を含む両端近傍領域において、前記放熱ブロックとの接合面に形成され焼結された接着剤の焼結体、
前記発熱体、前記接着剤の焼結体及び前記放熱ブロックを不活性ガスとともに気密に封入する硝子管、及び
前記放熱ブロックに電気的に接続され、その端部が硝子管外へ導出されているリード線、を具備する赤外線電球を設けている。このように構成された本発明の工業用塗料乾燥機は、長期間使用しても消費電力が大きくなることがなく、かつ長期間使用による発熱部分の溶断が防止された、優れた指向性を有する信頼性の高い赤外線電球を加熱手段として設けているため、高効率で信頼性の高い工業用塗料乾燥機となる。
発明の新規な特徴は添付の請求の範囲に記載したが、構成及び内容の双方に関して本発明は、他の目的や特徴と共に、図面と共同して理解されるところの以下の詳細な説明から、より良く理解され評価されるであろう。
本発明によれば、以下に述べる優れた効果を奏する。
本発明係る暖房機器、乾燥機器、調理器、複写機、印刷機、及び工業用塗料乾燥機に設けられた赤外線電球においては、発熱体から輻射される赤外線の強度が高く優れた指向性を有する。すなわち、赤外線の輻射強度において、発熱体の厚さ方向では最大であり、発熱体の幅方向では最大値に比べて実質的に無視できる程度に小さい値である。このように指向性を有する赤外線電球が適している用途では、従来のような反射板を用いる必要がなく、簡単に構成することが可能となる。このような構成の赤外線電球は、反射板の反射率が低下することがなく、効率の低下が防止されている。このため、上記構成の赤外線電球を設けた暖房機器、乾燥機器、調理器、複写機、印刷機、及び工業用塗料乾燥機は、高効率で信頼性の高い機器となる。
また、本発明に係る暖房機器、乾燥機器、調理器、複写機、印刷機、及び工業用塗料乾燥機に設けられた赤外線電球において反射膜が形成されている場合には、発熱体から輻射される赤外線の輻射の強度分布曲線を所定の形状に調整することができる。これにより、必要ではない方向へ輻射される赤外線の強度を抑制することができるため、本発明における赤外線電球は高い輻射効率を示す。更に、反射膜の反射面が反射板とは異なり外部の付着物等により汚されない。その上、反射膜では反射板に比べ形状等の経年変化が小さく、反射膜は反射板に比べ長期間高い反射率が維持される。それ故、本発明において設けている赤外線電球は優れた特性を長期間保持することが可能となる。
本発明に係る暖房機器、乾燥機器、調理器、複写機、印刷機、及び工業用塗料乾燥機における赤外線電球において、反射膜を発熱体に対して望ましい位置に設けることにより、反射膜により反射されて輻射される赤外線の強度を特定の方向に大きく、その大きな輻射強度の範囲を狭くすることができる。このような反射膜を有する赤外線電球を、反射膜に対向する方向を局所的に加熱するよう配置することにより、本発明に係る暖房機器、乾燥機器、調理器、複写機、印刷機、及び工業用塗料乾燥機は、高い加熱効率を有する装置となる。
また、本発明において設ける赤外線電球を、反射膜を発熱体に対して別の望ましい位置に設けることにより、反射膜により反射されて輻射される赤外線の強度を広い角度範囲で実質的に同様の大きさにすることが可能となり、これにより、このような反射膜を有する赤外線電球を設けた本発明の機器は、発熱体に平行で反射膜に対向するように置かれた平面全体を一様に加熱する用途に適した装置となる。
以下、本発明に係る暖房機器、乾燥機器、調理器、複写機、印刷機、及び工業用塗料乾燥機に設けている赤外線電球の好適な実施例について、添付の図面を参照しつつ説明する。
《第1の実施例》
図1は本発明に係る第1の実施例における赤外線電球の構成を示す正面図であり、赤外線電球のリード線導出部の構造を示している。なお、図1は第1の実施例の赤外線電球の両端側部分を示しており、その中央部分は両端側部分を繋ぐよう連続した構造を有しているため省略している。
図1に示すように、第1の実施例の赤外線電球は、発熱体2と放熱ブロック3と内部リード線4が硝子管1内に封入されている。内部リード線4は、モリブデン箔7を介して外部リード線8に接続されている。硝子管1内に封入された板状の発熱体2は、黒鉛などの結晶化炭素、抵抗値調整物質、及びアモルファス炭素の混合物からなる炭素系物質で形成されている。この発熱体2の形状は板状であり、例えば、幅6mm、厚さ0.5mm、長さ300mmに形成されている。放熱ブロック3は導電性材料で形成されており、発熱体2の一端に後述する方法により電気的に接続されている。内部リード線4は、その一端にコイル状部5が形成されており、そのコイル状部5に続いて弾性を有するスプリング状部6が形成されている。
図1に示すように、内部リード線4のコイル状部5が放熱ブロック3の外周面に密着して巻回され電気的に接続されている。内部リード線4のスプリング状部6は、放熱ブロック3の外周面から所定間隔を有して配置されており、発熱体2の膨張による寸法変化をその伸び縮みにより打ち消し吸収できるよう構成されている。
第1の実施例の赤外線電球の封止部1cにおいて、硝子管1内の内部リード線4がモリブデン箔7の一端に接続され、モリブデン箔7の他端は外部リード線8に接続されている。
図2は図1に示した第1の実施例における発熱体2と放熱ブロック3の嵌合状態を示した部分拡大斜視図である。図2に示すように、放熱ブロック3の端部の中心には、スリット3aが形成されている。一方、発熱体2の端部近傍には、この発熱体2の挿入方向(図2において矢印で示す方向)と直交する方向に延びる溝2aが形成されている。また、発熱体2の溝2aの近傍には接着剤9が塗布されている。このように形成された発熱体2は放熱ブロック3のスリット3aに挿入されて互いに固着するよう構成されている。
発熱体2に塗布される接着剤9は、高温度に加熱することにより黒鉛などの結晶化炭素、及びアモルファス炭素の混合物となる炭素系物質で形成されている。第1の実施例において、放熱ブロック3は、導電性に優れた黒鉛で形成されている。また、第1の実施例おいては、内部リード線4を炭素の熱膨張係数に近似したタングステン線により形成した。但し、内部リード線4としては、使用環境において耐熱性に問題がなければ、モリブデン線、チタン等の他の金属線であっても良い。なお、外部リード線8はモリブデン線により形成されている。
上記のように、第1の実施例の赤外線電球において、板状の発熱体2の端部近傍は放熱ブロック3が接着剤9を介して密着嵌合されている。また、放熱ブロック3には内部リード線4のコイル状部5が密着して巻回され固定されている。このように、発熱体2と内部リード線4は接着剤9と放熱ブロック3を介して電気的に接続されている。内部リード線4は、コイル状部5より巻き径の大きいスプリング状部6の端部が、硝子管1の封止部1cの中に埋設されたモリブデン箔7に電気的に接続されている。このモリブデン箔7の他端には同じく封止部1c内で外部リード線8に接続されている。
第1の実施例の赤外線電球においては、一連に接続された発熱体2、放熱ブロック3、内部リード線4が耐熱性の硝子管1内の空間に挿入され、その硝子管1内の空間にアルゴン、窒素などの不活性ガスを入れて、硝子管1の端部(封止部)を溶解融合して封止する。なお、内部リード線4の一部、モリブデン箔7、外部リード線8の一部は、この硝子管1の封止部1cに封止されている。以上のように、第1の実施例の赤外線電球は形成されている。
上記のように構成された第1の実施例の赤外線電球において、両端の外部リード線8に電圧を印加して、赤外線電球を点灯することにより、炭素系物質から形成された発熱体2はその抵抗により高温度になる。この発熱により発熱体2がその長手方向に膨張した場合でも、発熱体2とモリブデン箔7との間に内部リード線4のスプリング状部6が設けられているため、発熱体2の膨張による寸法変化の影響はスプリング状部6の収縮により打ち消される。その結果、発熱体2に対して不要な曲げ力が働くことを防止することができる。このように、高温度で脆い状態の発熱体2に対して不要な曲げ力が加わることがないため、発熱体2は高温度になっても破損することがない。
第1の実施例の赤外線電球において、発熱体2の端部近傍には、優れた電気導電性の素材により形成された放熱ブロック3が優れた電気導電性の炭素系接着剤により接続されている。このため、第1の実施例の赤外線電球においては、接触抵抗を小さくして接続部の温度を下げることができる。
次に、第1の実施例の赤外線電球における発熱体2と放熱ブロック3との嵌合状態について、より詳細に説明する。
図2に示すように、赤外線電球の製造時において、発熱体2の端部近傍に形成された溝2aを含む発熱体2の先端部分には、液状の炭素系有機物質を主成分とする接着剤9が十分に塗布される。そして、接着剤9が塗布された発熱体2が放熱ブロック3のスリット3aに挿入され、密着される。発熱体2が放熱ブロック3に密着嵌合された後、乾燥、加温(焼成)により接着剤9の炭素系物質を主成分とする導電性の高い焼結体が形成される。この結果、発熱体2と放熱ブロック3は導電性の高い接着剤9の焼結体により接続される。
なお、第1の実施例においては、発熱体2に溝2aを形成することにより、発熱体2と放熱ブロック3との接触面積が増加し、接触抵抗を小さくすることができる。
また、炭素系有機物質の接着剤9は黒鉛の放熱ブロック3に特に固着しやすいため、溝2aに接着剤9が入り込み、発熱体2と放熱ブロック3との間は凹凸面の接合になり、接合強度は飛躍的に向上している。なお、第1の実施例において、発熱体2の端部近傍に形成された溝2aの数は1本の例で説明したが、片面及び両面に複数本あっても同様の効果があり、その本数が多いほど効果が増大する。
第1の実施例において、発熱体2と放熱ブロック3との間のクリアランスは、0から100μmと幅を持っても接触抵抗及び接合強度に差異はない。
次に、前述の第1の実施例の赤外線電球における発熱体と放熱ブロックの接続方法を用いて、他の構成の赤外線電球における発熱体と放熱ブロックとの接続について説明する。
図3は2本の棒状の発熱体21a,21bを有する赤外線電球における発熱体21a,21bと放熱ブロック31との接続方法を示す部分拡大斜視図である。図4は2本の棒状の発熱体22a,22bを有する赤外線電球における発熱体22a,22bと放熱ブロック32との他の接続方法を示す部分拡大斜視図である。
図3及び図4に示した赤外線電球において、図示以外の構成については、前述の図1に示した第1の実施例と同様の構成である。
図3に示すように、この赤外線電球における発熱体21a,21bの端部は、放熱ブロック31に形成された2個の孔31a,31aに挿入されて接続されている。各発熱体21a,21bに形成された複数の溝21cは、発熱体21a,21bの挿入方向(図3において矢印で示す方向)と直交する方向に延設されている。
図3に示した赤外線電球における発熱体21a,21b及び放熱ブロック31は、前述の第1の実施例と同様の材質により形成されており、第2の実施例の接着剤9は、第1の実施例と同様に、高温度で加熱することにより黒鉛などの結晶化炭素、及びアモルファス炭素の混合物となる炭素系物質で形成されている。
円柱状の上記発熱体21a,21bの端部近傍には、複数(図3の例においては3本)の溝21cが形成されている。そのため、発熱体21a,21bの端部近傍には、凹凸面が形成されており、この凹凸面を含む先端には接着剤9が十分に塗布されている。そして、接着剤9が塗布された発熱体21a,21bが放熱ブロック31の孔31a,31aにそれぞれ挿入され、密着される。各発熱体21a,21bが放熱ブロック31に密着嵌合された後、乾燥、加温(焼成)により接着剤9の炭素系物質の焼結体が形成される。この結果、各発熱体21a,21bと放熱ブロック31は導電性の高い接着剤9の焼結体により接続される。
図3に示した例において、円柱状の発熱体21a,21bの端部近傍に凹凸面が形成されているため、発熱体21a,21bと放熱ブロック31との接触面積が増加している。また、発熱体21a,21bの端部近傍に挿入方向と直交する溝21cが形成され、この溝21cに接着剤9の焼結体が形成されるよう構成されている。このため、図3に示した赤外線電球は、発熱体21a,21bと放熱ブロック31との接触抵抗を小さくすることができるとともに接合強度を飛躍的に向上させている。
図4に示した赤外線電球は、2本の発熱体22a,22bの端部近傍外面には複数(図4の例においては3本)の溝22cが形成されている。各発熱体22a,22bに形成された複数の溝22cは、各発熱体22a,22bの挿入方向(図4において矢印で示す方向)と直交する方向に設けられ凹凸面を形成している。そして、発熱体22a,22bの端部近傍の凹凸面を含む先端には接着剤9が十分に塗布されている。
一方、放熱ブロック32には2個の孔32a,32aが形成されており、これらの孔32a,32aの各内面には溝32bが形成されている。この溝32bは、各発熱体22a,22bの挿入方向(図4において矢印で示す方向)と直交する方向に延設されている。
上記のように構成された発熱体22a,22bは、接着剤9が塗布され、放熱ブロック32の孔32a,32aにそれぞれ挿入されて密着される。各発熱体22a,22bが放熱ブロック32に密着嵌合された後、乾燥、加温(焼成)により接着剤9の炭素系物質の焼結体が形成される。この結果、各発熱体22a,22bと放熱ブロック32は導電性の高い接着剤9の焼結体により接続される。
図4に示した赤外線電球には、円柱状の発熱体22a,22bの端部近傍に凹凸面が形成されており、かつ孔32a,32aの内面に溝32bが形成されている。これにより、発熱体22a,22bと放熱ブロック32との接触面積が増加している。また、発熱体22a,22bの端部近傍と孔32a,32aの内面に挿入方向と直交する溝32bが形成されている。これらの溝32bには接着剤9の焼結体が形成される。このため、図4に示した赤外線電球は、発熱体22a,22bと放熱ブロック32との接触抵抗を小さくすることができ、接合強度を飛躍的に向上している。
図4に示した赤外線電球においては、複数の発熱体22a,22bの両端部が放熱ブロック32の孔に炭素系接着剤9で接合されている。複数の発熱体22a,22bを放熱ブロック32に挿入した段階では炭素系接着剤9がまだ柔らかい状態であるので、発熱体間の張力或いは圧縮力のバランスにひずみが生じていても、接着剤9を硬化する熱処理までにそのひずみが緩和される。そして、複数本の発熱体間での張力或いは圧縮力のバランスが略均一化された後、接着剤9が硬化して、炭素化される。その結果、発熱体22a,22bが高温になった場合でも、発熱体間の張力或いは圧縮力のバランスのひずみが、発熱体22a,22bを破壊する程増大することがなくなる。従って、上記のように赤外線電球を製造することにより複数本の発熱体22a,22bを1本の硝子管内に封入した寿命の長い赤外線電球を容易に作成できる。
なお、図3と図4に示した赤外線電球において、放熱ブロック31,32に形成した孔31a,32aは、貫通孔でも止まり孔(有底孔)であっても同様の効果がある。
《第2の実施例》
次に、本発明に係る第2の実施例の赤外線電球について添付の図面を参照して説明する。図5は、本発明に係る第2の実施例の赤外線電球を示す平面図である。なお、図5は第2の実施例の赤外線電球の両端側部分を示しており、その中央部分は両端側部分を繋ぐよう連続した構造を有しているため省略している。図6は、図5に示した第2の実施例における発熱体と放熱ブロックの接続状態を示した部分拡大斜視図である。図7と図8は、第2の実施例の赤外線電球の別の構成を示しており、発熱体と放熱ブロックとの接続方法を示した部分拡大斜視図である。
本発明に係る第2の実施例の赤外線電球は、図5に示すように、板状の発熱体23と2分割された放熱ブロック33a,33bとを有している。第2の実施例におけるその他の構成は、前述の第1の実施例と同様の構成であるため、その説明は省略する。
図5及び図6に示すように、第2の実施例の赤外線電球は、前述の第1の実施例と同様に、発熱体23と放熱ブロック33a,33bと内部リード線4が硝子管1内に封入されている。内部リード線4は、モリブデン箔7を介して外部リード線8に接続されている。硝子管1内に封入された板状の発熱体23は、黒鉛などの結晶化炭素、抵抗値調整物質、及びアモルファス炭素の混合物からなる炭素系物質で形成されている。この発熱体23の形状は板状であり、例えば、幅6mm、厚さ0.5mm、長さ300mmに形成されている。放熱ブロック33a,33bは導電性材料で形成されており、発熱体23の一端に後述する方法により電気的に接続されている。内部リード線4は、その一端にコイル状部5が形成されており、そのコイル状部5に続いて弾性を有するスプリング状部6が形成されている。
図6に示すように、第4の実施例の赤外線電球においては、板状の発熱体23の端部の表裏に溝23a,23bがそれぞれ形成されている。溝23a,23bは、発熱体23の長手方向と直交する方向に延設されている。これらの溝23a,23bを含む発熱体23の端部近傍には接着剤9が十分に塗布されている。この発熱体23の端部に、2分割された放熱ブロック33a,33bが導電性の高い接着剤9を介して挟着され電気的に接続されている。接着剤9は、高温度に加熱することにより、黒鉛などの結晶化炭素、及びアモルファス炭素の混合物となる炭素系物質で構成されている。放熱ブロック33a,33bは、横断面が略半円で同一形状を有する2つのブロックから構成されており、導電性に優れた黒鉛で形成されている。
第2の実施例においては、内部リード線4を炭素の熱膨張係数に近似したタングステン線により形成した。しかし、内部リード線4としては、使用環境において耐熱性に問題がなければ、モリブデン線、チタン等の他の金属線であっても良い。外部リード線8はモリブデン線により形成されている。
上記のように、第2の実施例の赤外線電球において、板状の発熱体23の端部近傍は放熱ブロック33a,33bが接着剤9を介して挟着接合されている。また、放熱ブロック33a,33bには内部リード線4のコイル状部5が密着して巻回されて固定されている。このように、発熱体23と内部リード線4は接着剤9と放熱ブロック33a,33bを介して電気的に接続されている。内部リード線4は、コイル状部5より巻き径の大きいスプリング状部6の端部が、硝子管1の封止部の中に埋設されたモリブデン箔7に電気的に接続されている。このモリブデン箔7の他端には同じく封止部内で外部リード線8に接続されている。
第2の実施例の赤外線電球においては、一連に接続された発熱体23、放熱ブロック33a,33b、内部リード線4が耐熱性の硝子管内の空間に挿入される。その硝子管内の空間にアルゴン、窒素などの不活性ガスを入れた後、硝子管1の端部(封止部)を溶解融合して封止する。なお、内部リード線4の一部、モリブデン箔7、外部リード線8の一部は、この硝子管1の封止部で封止されている。以上のようにして、第2の実施例の赤外線電球が形成される。
上記のように構成された第2の実施例の赤外線電球において、両端の外部リード線8(図5)に電圧を印加して、赤外線電球を点灯することにより、炭素系物質から形成された発熱体23はその抵抗により高温度になる。この発熱により発熱体23がその長手方向に膨張した場合でも、発熱体23とモリブデン箔7との間に内部リード線4のスプリング状部6が設けられているため、発熱体23の膨張による寸法変化はスプリング状部6の収縮により吸収される。その結果、発熱体23に対して不要な曲げ力が働くことを防止することができる。したがって、高温度の脆い発熱体23に対して不要な曲げ力が加わることがなく、発熱体23は高温度になっても破損することがない。
第2の実施例の赤外線電球において、発熱体23の端部近傍には、優れた電気導電性の素材により形成された放熱ブロック33a,33bが優れた電気導電性の炭素系の接着剤9により接続されている。このため、第2の実施例の赤外線電球においては、接触抵抗を小さくして接続部の温度を下げることができる。
次に、第2の実施例の赤外線電球における発熱体23と放熱ブロック33a,33bとの接合状態について、より詳細に説明する。
図6に示すように、第2の実施例の赤外線電球は、発熱体23の端部近傍の表裏に溝23a,23bが形成されている。この溝23a,23bを含む先端部分には、炭素系有機物質の液状で構成された接着剤9が十分に塗布され、発熱体23は2つの放熱ブロック33a,33bとの間に挟着され接合される。このように接合された後、発熱体23と放熱ブロック33a,33bは、乾燥、加温(焼成)されて、接着剤9の炭素系物質の導電性の高い焼結体により確実に接続される。
なお、第2の実施例においては、発熱体23に溝23a,23bを形成することにより、発熱体23と放熱ブロック33a,33bとの接触面積が増加し、接触抵抗を小さくすることができる。
また、炭素系有機物質の接着剤9は黒鉛の放熱ブロック33a,33bに特に固着しやすいため、溝23a,23bに接着剤9が入り込み、発熱体23と放熱ブロック33a,33bとの間は凹凸面の接合になり、接合強度は飛躍的に向上している。なお、第2の実施例において、発熱体23の端部近傍に形成された溝の数は1本の例で説明したが、片面及び両面に複数本あっても同様の効果があり、その本数が多いほど効果が増大する。
第2の実施例において、発熱体23と放熱ブロック33a,33bとは圧接により接合されている。この結果、嵌め合わせなどの組み立て工程のように発熱体と放熱ブロックを所定の位置に正確に配設する必要がないため、組立が簡単に行うことが可能となり、製造コストを大幅に削減することが可能となる。
図7は、第2の実施例の赤外線電球の別の構成を示した部分拡大斜視図であり、板状の発熱体23と2分割された放熱ブロック34a,34bとの接続方法の例を示している。
図7に示すように、発熱体23の端部近傍の表裏には溝23a,23bが形成されている。これらの溝23a,23bは、発熱体23の長手方向と直交する方向に延設されている。これらの溝23a,23bを含む先端部分には炭素系有機物質の液状で構成された接着剤9が十分に塗布されている。
一方、放熱ブロック34a,34bのそれぞれには、発熱体23を挟む位置にえぐられた段部34dが形成されている。また、この段部34dには突出部34cが形成されている。この突出部34cは前述の発熱体23に形成された溝23a,23bと嵌合する位置に形成されている。
上記のように構成された発熱体23は、2つの放熱ブロック34a,34bとの間に挟着され接合される。このとき、発熱体23の溝23a,23bと放熱ブロック34a,34bの突出部34cは嵌合する。このように接合された後、発熱体23と放熱ブロック34a,34bは、乾燥、加温(焼成)されて、接着剤9の炭素系物質の導電性の高い焼結体により確実に接続される。
図7に示した第2の実施例において、発熱体23の溝23a,23bと放熱ブロック34a,34bの突出部34cが嵌合する構成であるため、発熱体23と放熱ブロック34a,34bとの接触面積が増加し、接触抵抗を小さくすることができる。
また、溝23a,23bと突出部34cとが嵌合する構成であるため、発熱体23と放熱ブロック34a,34bとの間の接着剤9を介した接合状態は強固なものとなり、接合強度の向上が図られている。
なお、第2の実施例においては発熱体23に溝を形成し、放熱ブロック34a,34bに突出部を形成した例で説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、それぞれ反対に形成しても良く、またそれぞれの個数も1本に限定されるものではない。
図8は、第2の実施例の赤外線電球のさらに別の構成を示した部分拡大斜視図であり、板状の発熱体24と2分割された放熱ブロック35a,35bの接続方法を示している。
図8に示すように、発熱体24の端部近傍には貫通孔24aが形成されている。この貫通孔24aを含む先端部分には炭素系有機物質の液状で構成された接着剤9が十分に塗布されている。
一方、放熱ブロック35a,35bのそれぞれには、発熱体24を挟む位置にえぐられた段部35dが形成されている。また、この段部35dには突起部35cが形成されている。この突起部35cは前述の発熱体24に形成された貫通孔24aと嵌合する位置に形成されている。
上記のように構成された発熱体24は、2つの放熱ブロック35a,35bとの間に挟着され接合される。このとき、発熱体24の貫通孔24aと放熱ブロック35a,35bの突起部35cは嵌合する。このように接合された後、発熱体24と放熱ブロック35a,35bは、乾燥、加温(焼成)されて、接着剤9の炭素系物質の導電性の高い焼結体により確実に接続される。
図8に示した実施例において、発熱体24の貫通孔24aと放熱ブロック35a,35bの突起部34cが嵌合する構成であるため、発熱体24と放熱ブロック35a,35bとの接触面積が増加し、接触抵抗を小さくすることができる。
また、貫通孔24aと突起部35cとが嵌合する構成であるため、発熱体24と放熱ブロック35a,35bとの間の接着剤9を介した接合状態は強固なものとなり、接合強度の向上が図られている。
なお、図8に示した実施例においては貫通孔と突起部をそれぞれ1つの丸形状で構成した例で説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、例えば、長孔と長凸、多数の孔と多数の凸などの嵌合可能な構成であれば、上記実施例と同様の効果が得られる。
また、図8に示した突起部35cの部分のみを別ピースで棒状に形成し、放熱ブロック35a,35bのそれぞれの段部35dに貫通孔を形成して、棒状の突起部を放熱ブロック35a,35bの貫通孔と発熱体24の貫通孔24aとを貫通する構成でもよい。このような構成にすれば、放熱ブロック35a,35bの加工が簡単となり、製造コストの低減が図れる。
なお、第1から第2の実施例においては、放熱ブロックとして導電性と電極端子機能を有する黒鉛を用いた例で説明したが、放熱ブロックの材質は黒鉛だけに限定されるものではなく、1200℃までの耐熱性、電気良伝導性、熱良伝導性を有する材質である各種のものが適用できる。例えば、黒鉛単独では硬度、強度が低いのでその強度向上を行った各種材料、例えば、黒鉛に炭化物、窒化物、ホウ化物などを混合して焼成した材料、黒鉛に硝子状炭素を加え焼成した材料などが適用できる。
以上、第1から第2の実施例について詳細に説明したところから明らかなように、本発明は次の効果を有する。
本発明によれば、長期間使用による発熱部分の溶断を防止して、信頼性が高く、寿命の長い赤外線電球を得ることができる。
本発明の赤外線電球は、従来のタングステンスパイラルフィラメントに代えて、棒状に形成された炭素系物質の発熱体を使用するものであり、棒状の炭素系物質の赤外線放射率は78〜84%と高いため、赤外線電球としての赤外線放射効率が高い。また、棒状の炭素系物質は温度上昇とともに抵抗値が低下する負の温度特性を有しているため、本発明の赤外線電球は点灯時の突入電流を低くすることができる。
また、本発明の赤外線電球は、棒状の炭素系物質の発熱体の端部に導電性の良い放熱ブロックを接合する構成であるため、発熱時における発熱体と放熱ブロックとの間の接触抵抗を低減し、温度上昇を低く押さえることができ、リード線取付部の信頼性を飛躍的に向上することができる。
また、本発明の赤外線電球は、棒状の炭素系物質の発熱体と放熱ブロックとの間に凹凸部分を形成し、炭素系接着剤を介して接着、焼成した構成である。このように構成されているため、本発明の赤外線電球は接合部の強度が高いものとなる。また、本発明によれば、棒状の炭素系物質の発熱体及び放熱ブロックとを接合する接着剤が同じ材質であるため、それぞれの熱膨張係数がほぼ等しく、長期間のオン−オフの切り替え動作に対して破断などの事故のない高い信頼性を有する赤外線電球を提供できる。さらに、本発明によれば、棒状の炭素系物質の発熱体と放熱ブロックが凹凸の噛み合わせによる嵌合と炭素系接着剤により接合される構成であるため、作業性の向上及び接合時の品質向上を図ることができる。
本発明の赤外線電球の製造方法によれば、長期間使用しても消費電力を異常に変化させることがなく、かつ長期間使用による発熱部分の溶断を防止して、信頼性の高い赤外線電球を得ることができるとともに、作業性の向上及び組立接合時の品質向上を図ることができる。
《第3の実施例》
次に、本発明に係る第3の実施例を添付の図面を参照しつつ説明する。但し、以下に示す実施例の材料、サイズ、及び、製法等は本発明の実施例として好ましい一例を示したものにすぎない。従って、これらの例示により本発明の実施可能な範囲が限定されるわけではない。
図9における(a)は本発明に係る第3の実施例の赤外線電球を示す平面図であり、(b)はその正面図である。また、図10は図9の赤外線電球の斜視図である。但し、赤外線電球の中央部分は図示された両側部分から理解されるので、いずれの図においても赤外線電球の中央部分は図示を省略する。
第3の実施例の赤外線電球は、実質的に円筒形状のガラス管301、このガラス管301の両端部301cに埋め込まれた金属箔305、ガラス管301の内部に気密に封入された発熱体302、発熱体302の両端部に固定された放熱ブロック303、放熱ブロック303と金属箔305とを接続する内部リード線304、及び金属箔305と外部の電気回路とを接続する外部リード線306を具備している。
ガラス管301は石英ガラスにより形成されている。ガラス管301の円筒形状の部分は、外径約10mm、厚さ約1mm、長さ約360mmである。円筒形状の部分の両端にある封止部301cはそれぞれ板状に形成されており、円筒形状の部分の内部に常圧のアルゴンガスが封入されている。
発熱体302は、黒鉛等の結晶化炭素、窒素化合物等の抵抗値調整用物質、及びアモルファス炭素を含む混合物である炭素系物質により構成されている。ここで、抵抗値調整用物質は、発熱体302の抵抗を調整するために混合されている。この抵抗値調整用物質は、炭素のみから構成された発熱体よりその抵抗値を大きくするために用いられる。
第3の実施例における発熱体302は、厚さt=0.5mm、幅T=1.0mm(=2t)、2.5mm(=5t)、または、6.0mm(=12t)のいずれか、長さ約300mmの板状である。但し、図9及び図10には、幅T=6.0mm(=12t)の板状の発熱体302を示している。
発熱体302の両端部に固定された放熱ブロック303は、発熱体302と同様な炭素系物質により構成されている。放熱ブロック303の形状は、直径約6mm、長さ約20mmの実質的な円柱形状である。放熱ブロック303の発熱体302と対向する端面303bには、その中心を通るように、発熱体2の長さ方向の端部がはめ込まれる切れ込み303aが形成されている。発熱体2はこの切れ込み303aにはめ込まれて、放熱ブロック303に固着される。放熱ブロック303の中央部分の側面には、内部リード線304が密に巻回されて密着部分304aが形成されている。
放熱ブロック303は発熱体302の横断面積に比べて十分に大きな横断面積(第3の実施例では約9倍以上)を有している。従って、放熱ブロック303の抵抗値は、発熱体302の抵抗値に比べて十分に小さい。その結果、後述するように発熱体302に電流が流れて発熱体302が発熱する時、放熱ブロック303自体の発熱は発熱体302に比べて十分小さく無視できるものである。更に、放熱ブロック303には発熱体302から熱が伝わってくるが、その熱の一部は放熱ブロック303の表面から発散する。これにより、放熱ブロック303から内部リード線304へ伝わる熱量は非常に少なく、内部リード線304が過熱されることがない。
内部リード線304はモリブデンまたはタングステンにより構成されており、直径約0.7mmの導線である。内部リード線304は、放熱ブロック303に巻回された密着部分304aに続いてスパイラルコイル状部分304bを有する。スパイラルコイル状部分304bは、密着部分304aより約0.5〜1.0mm程直径が大きく、かつ、放熱ブロック303の中心軸と同軸になるよう設けられている。スパイラルコイル状部分304bは、放熱ブロック303の軸方向にコイルバネのように伸縮できるように、放熱ブロック303の側面から所定間隔を有して配置されている。また、内部リード線304の一端は金属箔305にカシメにより固定されている。組立時において、両側の内部リード線304は通常状態に比べて長さ方向の外向きにそれぞれが約3mmだけ伸びるよう引っ張られて、発熱体302は固定されている。
上記のように、第3の実施例において、発熱体302は金属箔305と電気的に接続されると共に、内部リード線304により両側に適度に引っ張られて安定に固定される。この時、発熱体302の長さ方向の中心線がガラス管301の中心軸と一致するよう発熱体302は固定される。
また、内部リード線304のスパイラルコイル状部分304bは、以下のような機能を有する。後述するように発熱体302に電流が流れて発熱体302が発熱する時、その熱により発熱体302及びガラス管301のそれぞれの温度が上昇し、それぞれが熱膨張する。この時、それぞれの熱膨張率の違いにより、発熱体302及びガラス管301の間に熱応力が生じる。この熱応力はスパイラルコイル状部分304bの弾性力により吸収される。このように構成されているため、第3の実施例においては、内部リード線304による放熱ブロック303と金属箔305との接続が熱応力により損なわれることがない。
金属箔305は、約3mm×7mm×0.02(厚さ)mmのモリブデン製の箔である。金属箔305の一端には内部リード線304が、他端には外部リード線306がそれぞれ固定されている。外部リード線306はモリブデンにより構成されており、金属箔305に溶接されている。
外部リード線306を通して発熱体302に電圧を印加すると、発熱体302内に電流が流れる。発熱体302が抵抗を有するため発熱体302から熱が発生する。このとき、発熱体302は赤外線を輻射する。
図11の(a)は、第3の実施例の発熱体302が輻射する赤外線の強度分布曲線を示すグラフである。図11の(b)は、第3の実施例の赤外線電球の発熱体302を有する中央部分の横断面である。図11の(a)、(b)に示されているx軸及びy軸は、図10に示した発熱体302の軸方向に対して垂直な平面内における直交座標軸である。図11の(a)、(b)において、原点0が発熱体302の中心軸に相当する。図11の(a)のグラフにおいて、半径方向が赤外線の輻射強度を示し、円周方向が発熱体302の軸方向に対して垂直な平面における中心軸における角度を示している。この角度はx軸の正方向からの角度により示される。
図11の(a)において、太い実線307a、細い実線307b、及び破線7cはそれぞれ、発熱体302の幅Tが6.0mm、2.5mm、及び1.0mmの場合の強度分布曲線を示している。従って、発熱体302の厚さ(t)は0.5mmであるので、強度分布曲線307aは発熱体302の幅T(6.0mm)が12tの場合であり、強度分布曲線307bは発熱体302の幅T(2.5mm)が5tの場合であり、そして強度分布曲線307cは発熱体302の幅T(1.0mm)が2tの場合である。
第3の実施例において、強度分布曲線307a、307b、及び307cは、次のように測定された。
まず、600Wの赤外線電球に対して一定電圧を印加して、赤外線電球から赤外線を輻射させる。赤外線電球から赤外線が安定して輻射されている状態において、発熱体302の中心線(図11の原点0)から直角に一定距離(約300mm)離れた位置における赤外線量を測定する。このとき、所定位置における微小な所定面積内に到達する赤外線量が測定される。このような測定は、原点0からの距離を一定に保持した状態で、発熱体302に対する角度を変えながら繰り返し行う。このように測定した結果、図11の(a)に示した強度分布曲線307a、307b、及び307cが得られた。
図11の(a)に示した強度分布曲線307a、307b、及び307cに表れているように、発熱体302から輻射される赤外線の強度の指向性は、発熱体2の厚さtに対する幅Tの比が大きくなるほど強くなる。特に、T≧5t、すなわち、厚さtに対する幅Tの比が5倍以上の場合、y軸方向の輻射強度がx軸方向と比べて顕著に小さい。
このように非等方的に赤外線が輻射されると、例えば、所定の領域だけを加熱したい場合は、その領域をx軸上に置くようにすればよい。その逆に所定の領域だけを加熱したくない場合は、その領域をy軸上に置くようにすればよい。従って、第3の実施例においては前述の図25と図26に示した従来の赤外線電球のように反射板を特に設けなくても、輻射強度に指向性を持たせることが可能となる。
第3の実施例における発熱体302は、黒鉛等の結晶化炭素、窒素化合物等の抵抗値調整用物質、及びアモルファス炭素を含む混合物である炭素系物質により構成されている。このように、発熱体302の材料として用いられる炭素系物質は、従来のニクロムやタングステンより赤外線放射率が高い。このため、赤外線電球の発熱体302として炭素系物質を用いた場合、発熱体302からの輻射効率は従来のものより高い。
また、第3の実施例における発熱体302は、抵抗値が従来のものより大きいため、棒状や板状等の形状を有して表面積が従来より小さい形状であっても、十分な強度の赤外線を輻射することができる。従って、発熱体302の表面が従来に比べて小さいため、発熱体302からその周囲の気体への放熱が少なく、発熱体302からの放熱による効率の低下が抑制されている。
以上の理由から、赤外線電球に一定電圧を印加した時、図11の(a)に示されている第3の実施例の輻射強度は、前述の図24の(a)に示したニクロム又はタングステンにより構成された発熱体240を有する従来の赤外線電球の輻射強度より約20〜30%程大きい。
尚、図11の(a)及び図24の(a)において、輻射強度に対する同心円状の目盛はそれぞれ同じ強度値を示す。
しかし、発熱体302が炭素系物質で構成されることは、本発明にとって本質的なことではない。発熱体302が従来のニクロム又はタングステンにより構成されたものであっても、発熱体302の幅Tがその厚さtよりも5倍以上であれば、図11の(a)の強度方向曲線307a及び307bに示されているような比較的強い指向性を有する輻射強度が得られる。
なお、第3の実施例における発熱体302は、棒状または板状で一体的に形成されている例で説明したが、本発明における発熱体はこのような形状に限定されるものではなく、例えば、複数の棒状部材を束ねて、その束全体で発熱体を形成しても良い。
また、第3の実施例の赤外線電球は放熱ブロック303を有する例で説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。例えば、赤外線電球の仕様により、発熱体から内部リード線へと伝わる熱量が少なく、内部リード線を過熱する程ではない場合には、放熱ブロックを省く構成でも実施可能である。
《第4の実施例》
次に、本発明に係る第4の実施例を添付の図面を参照しつつ説明する。但し、以下に示す実施例の材料、サイズ、及び、製法等は本発明の実施例として好ましい一例を示したものにすぎない。従って、これらの例示により本発明の実施可能な範囲が限定されるわけではない。
図12における(a)は本発明に係る第4の実施例の赤外線電球を示す平面図であり、(b)はその正面図である。また、図13は図12の赤外線電球の斜視図である。但し、赤外線電球の中央部分は図示された両側部分から理解されるので、いずれの図においても赤外線電球の中央部分は図示を省略する。
また、第4の実施例において、図9及び図10に示した第3の実施例と同じ構成要素については同じ符号を付して、その説明は省略する。
第4の実施例の赤外線電球は、第3の実施例の構成に加えて、図12及び図13に示すようにガラス管301の外面上の一定の範囲に赤外線用の反射膜301aを有する。反射膜301aはガラス管301の外面上に約5μmの厚みに蒸着された金の薄膜である。この反射膜301aは発熱体302から輻射された赤外線の約70%を反射する。図12及び図13に示すように、反射膜301aは両側にある放熱ブロック303の間に配置されており、すなわち、発熱体302の長手方向の発光部分と対向する位置に配設されている。この反射膜301aは半円筒形状を有し、反射膜301aの内面は、発熱体302の幅が広い方の側面302aに対向するよう配置されている。
図14の(a)は、第4の実施例の発熱体302が輻射する赤外線の強度分布曲線307dを示すグラフである。図14の(b)は、第4の実施例の赤外線電球の発熱体302を有する中央部分の横断面である。図14の(a)、(b)に示されているx軸及びy軸は、図13に示した発熱体302の軸方向に対して垂直な平面内における直交座標軸である。図14の(a)、(b)において、原点0が発熱体302の中心軸に相当する。図14の(a)において、半径方向が赤外線の輻射強度を示し、円周方向が発熱体302の軸方向に対して垂直な平面における中心軸に対する角度を示している。この角度はx軸の正方向からの角度により示される。尚、輻射強度に対する図14の(a)における同心円状の目盛は、図11の(a)の目盛りと同じ値を示す。
また、赤外線電球に対しては、600Wの一定電力が印加されている。測定方法については第3の実施例と同様であるので、その説明は省略する。
図14の(a)の強度分布曲線307dが示すように、発熱体302からの赤外線は、x軸の正の向き、すなわち、発熱体302に対して反射板301aと反対の方向(図14の(b)における右側の方向)に最も強く輻射される。その最大輻射強度は、図11に示した第3の実施例の赤外線電球に比べて約1.5倍になる。
一方、発熱体302からの赤外線において、x軸の負の向きの赤外線は、すなわち、反射膜301aで遮られている方向(図14の(b)における左側の方向)へはほとんど輻射されない。
また、図14の(a)の強度分布曲線307dと図26の(a)に示した従来の強度分布曲線271とを比較すると、従来の強度分布曲線271はx軸の正方向の近傍の広い角度範囲で輻射強度が実質的に一様である。一方、第4の実施例では正方向のx軸から離れるにつれて輻射強度が徐々に減少している。従って、第4の実施例においては輻射強度は、従来のものに比べて大きく、最大となる方向の範囲が狭い。
従って、第4の実施例の赤外線電球は、例えば、x軸の正方向に配置された物体を局所的に加熱する場合に適している。
第4の実施例の赤外線電球において、反射膜301aは以下に述べる形成工程により形成される。
(1) ガラス管301を円筒形状に形成する。(工程1)
(2) 発熱体302等をガラス管301内に配置して気密に封入する。(工程2)
(3) 金をガラス管301の外面に蒸着させて、反射膜301aを形成する。(工程3)
上記のように反射膜301aを形成することにより、反射膜301aはガラス管301の外側形状を利用して形成できる。従って、正確な半円筒形状の反射膜301aを容易に成形できる。
なお、上記の反射膜301aの形成工程において、工程3は工程2の前に行っても良い。
また、反射膜301aは蒸着ではなく、転写等によって形成しても良い。ここで、転写とは次のように行われる。
(1) 樹脂、金、及びガラスとの混合物をフィルム状に形成してガラス管301の表面に貼り付ける。
(2)ガラス管301の表面に貼り付けられたフィルムを焼き付けることにより、フィルムに含まれている樹脂を蒸発させる。
上記のように、転写が行われて金膜がガラス管301の表面上に形成される。
第4の実施例において、反射膜301aの反射面である内面は、ガラス管301の外面に密着されているため、空気と接触することがない。前述の図25に示した従来の赤外線電球においてはガラス管201から所定空間を有して反射板280が配置されているため、反射板280の反射面は外部からの付着物等により汚されるが、第4の実施例においてはそのような問題は解決されている。
第4の実施例において、反射膜301aはガラス管301の外面に沿った形状、すなわち、半円筒形状に形成され保持されている。従って、従来の赤外線電球で用いた反射板280よりも実質的に同じ形状を長期間維持できる。
以上のように、第4の実施例においては、反射膜301aが長期間に渡って保持され、反射面の反射率は低下することがない。従って、第4の実施例の赤外線電球は、従来の赤外線電球に反射板280を設けた構成のものに比べて優れた特性を長期間維持する。
第4の実施例においては、反射膜301aをガラス管301の外面に形成した例で説明したが、本発明はこの構成に限定するものではなく、反射膜をガラス管の内面に形成した構成でも良い。但し、そのような構成の場合、反射膜の上記形成工程において、工程3は工程2の前に行われなければならない。
ガラス管301の内面に反射膜が形成された場合、その反射膜が空気に晒されることはなく、また反射面が付着物等により汚されることもない。従って、ガラス管301の外面に反射膜を形成する場合と同様に、従来の赤外線電球に反射板280を用いた場合より経年変化がなく優れた特性を長期間維持する。但し、ガラス管の内面に形成された反射膜は、ガラス管内部の高温の気体と接触するため、蒸散等によって反射膜の厚さが減少し、反射率が低下するおそれがある。従って、反射膜をガラス管の内面に形成する場合には、反射膜と発熱体との距離を十分に大きく設定する必要がある。
第4の実施例において、反射膜301aの素材としては金を用いた例で説明したが、金の他に、窒化チタン、銀、アルミニウム等の金属を用いることができ、赤外線に対する反射率が高く、高温に対して安定なものであればよい。
第4の実施例において、反射膜301aの形状は半円筒形状の例で説明したが、本発明はこの形状に限定されるものではなく、赤外線の反射方向を考慮して各種形状が適用できる。反射膜の形状としては、例えば、半円筒形状の他に、横断面が円、放物線、楕円等の曲線の一部を有する形状でも良い。また、横断面が多角形の一部(例えばコの字形)のような複数の直線の組み合わせ、又は、曲線との組み合わせ(例えばU字形)を有する形状、若しくは平面形状等を用いることもできる。反射膜301aの形状としては、赤外線の輻射強度の望ましい方向分布を得るために適した形状であれば良い。このような形状の反射膜301aを形成するためには、反射膜301aが蒸着等により形成されるガラス管の部分を望ましい反射膜の形状に対応するよう成形すればよく、既に述べた反射膜301aの形成方法により容易に得られる。
《第5の実施例》
次に、本発明に係る第5の実施例を添付の図面を参照しつつ説明する。但し、以下に示す実施例の材料、サイズ、及び、製法等は本発明の実施例として好ましい一例を示したものにすぎない。従って、これらの例示により本発明の実施可能な範囲が限定されるわけではない。
図15における(a)は本発明に係る第5の実施例の赤外線電球を示す平面図であり、(b)はその正面図である。また、図16は図15の赤外線電球の斜視図である。但し、赤外線電球の中央部分は図示された両側部分から理解されるので、いずれの図においても赤外線電球の中央部分は図示を省略する。
また、第5の実施例において、図9及び図10に示した第3の実施例と同じ構成要素については同じ符号を付して、その説明は省略する。
第5の実施例の赤外線電球は、前述の第4の実施例と同様に第3の実施例の構成に加えて、赤外線用の反射膜301bが形成されている。但し、第5の実施例の赤外線電球は、ガラス管301の外面において前述の第4の実施例とは異なる位置に反射膜301bが形成されている。第4の実施例の反射膜301aは発熱体302の幅が広い方の側部2aに対向するよう配置されている(図12及び図13)のに対し、第5の実施例の反射膜301bは発熱体302の幅が狭い方の側部2bに対向して配置されている。
第5の実施例の反射膜301bにおいて、素材、厚さ、反射率、形状、及び形成方法は、第4の実施例の反射膜301aと同様である。
図17の(a)は、第5の実施例の発熱体302が輻射する赤外線の強度分布曲線307eを示すグラフである。図17の(b)は、第5の実施例の赤外線電球の発熱体302を有する中央部分の横断面である。図17の(a)、(b)に示されているx軸及びy軸は、図16に示した発熱体302の軸方向に対して垂直な平面内における直交座標軸である。x軸が発熱体302の厚さ方向に相当し、y軸が幅方向に相当する。図17の(a)、(b)において、原点0が発熱体302の中心軸に相当する。図17の(a)において、半径方向が赤外線の輻射強度を示し、円周方向が発熱体302の軸方向に対して垂直な平面における中心軸の角度を示している。この角度はx軸の正方向からの角度により示される。尚、輻射強度に対する図17の(a)における同心円状の目盛は、図11の(a)の目盛りと同じ値を示す。
また、赤外線電球に対しては、600Wの一定電力が印加されている。測定方法については第3の実施例と同様であるので、その説明は省略する。
第5の実施例の赤外線電球において、y軸の正の向き(図16及び図17におけるy軸の矢印の向き)が反射膜301bの内面が向いている方向である。
図17の(a)の赤外線輻射の強度分布曲線307eが示すように、発熱体302からの赤外線は、正方向のy軸の近傍ではx軸方向の近傍よりも輻射強度が小さい。当然、負方向のy軸側では反射膜301bにより輻射が抑制されている。
前述の図26の(a)に示した従来の赤外線電球の強度分布曲線271と第5の実施例とを比較すると、輻射強度が大きい方向の角度範囲は従来のものより第5の実施例の方が広い。
従って、第5の実施例の赤外線電球においては、例えば、被加熱対象物を赤外線電球の正方向のy軸上に中心を置いて、被加熱対象物におけるy軸と垂直な平面全体を実質的に一様に加熱する場合に適する。
《第6の実施例》
次に、本発明に係る赤外線電球を用いた加熱・暖房装置について第6の実施例として説明する。
第6の実施例の加熱・暖房装置における赤外線電球は、前述の第3の実施例で説明した赤外線電球を用いており、この赤外線電球に図25に示した反射板280を設けている。
前述の第1の実施例から第5の実施例までの赤外線電球はいずれも、従来の赤外線電球と実質的に同じ外形を有するよう構成されている。従って、従来の赤外線電球を有する加熱・暖房装置において、その赤外線電球を第1の実施例から第5の実施例までのいずれかの赤外線電球に置き換えることは、関連分野における通常の技術者であれば容易である。
上記のように従来の赤外線電球を本発明の赤外線電球に置き換える対象となり得る加熱・暖房装置としては、例えば次のような装置がある。
(1) ストーブ、コタツ、エアコン、赤外線治療器、浴室暖房器等の暖房機器、
(2) 衣類、布団、食品、生ゴミ処理機、加熱型消臭器、浴室乾燥器等の乾燥機器、
(3) 熱による殺菌消毒器、
(4) オーブン、オーブンレンジ、オーブントースター、トースター、ロースター、保温器、焼き鳥器、コンロ、解凍器、焙煎器等の調理器、
(5) ドライヤー、パーマネント加熱器等の理容器、
(6) シートに文字や画像等を定着するための機器、
(a) LBP(Laser beam printer)、PPC(Plain paper copier)、ファックス等のトナーを媒介して表示する機器、
(b) 熱を利用してフィルム原本から被転写体へ熱転写する機器、
(7) 半田付けに用いる加熱器、
(8) 半導体ウエハ等用乾燥機、
(9) 半導体製造工程中にウエハ等を洗浄する時、純水を加熱する機器、及び
(10)工業用塗料乾燥機。
即ち、赤外線電球を熱源として被加熱物を加熱・暖房する機器であれば、上記のような置き換えの対象の装置となり得る。
図18は、第6の実施例の加熱・暖房装置における赤外線電球と赤外線用の反射板308aとの位置関係を示す斜視図である。図18において赤外線電球の中央部分は省略されている。また、ここで用いた赤外線電球は前述の第3の実施例で説明した赤外線電球であるため、その説明は省略する。
第6の実施例における反射板308aは、厚さ約0.4〜0.5mmのアルミニウム製の半円筒形状であり、その内面に鏡面加工が施された反射面を有する。反射板308aの赤外線反射率は、約80〜90%である。反射板308aは、発熱体302の中心線と平行に、ガラス管301の外面から所定の間隔を有して配置されている。反射板308aは、実質的に発熱体302の中心線を中心として設置される。図18に示すように、反射板308aの内面である反射面は、発熱体302の幅が広い一方の側部302aと対向するよう配置されている。
第6の実施例においては反射板308aをアルミニウムで形成した例で説明したが、アルミニウムの他に、金、窒化チタン、銀、ステンレス鋼等の赤外線反射率が大きく、かつ、高温で安定な素材であればよい。
第6の実施例においては反射板308aの形状を半円筒形状の場合について説明したが、この他の形状としては、例えば、横断面が円、放物線、楕円等の曲線の一部を有する図形、多角形の一部(例えばコの字形)のような複数の直線を組み合わせた図形、又はそれらを組み合わせた図形(例えばU字形)、若しくは平面形状等の赤外線の輻射強度の望ましい方向分布を得るために適した形状であれば良い。
上記のように反射板308aを設置することにより、赤外線の輻射強度の方向分布は、前述の図14の(a)に示した第4の実施例の強度分布曲線307dと実質的に等しい形状を有する。従って、上記のように構成することにより、第3の実施例の赤外線電球を用いて、第4の実施例の赤外線電球と同じ輻射強度の方向分布を有する赤外線が得られる。この結果、第6の実施例の加熱・暖房装置は、例えば、反射板308aの反射面と対向する位置に配置された被加熱物を局所的に加熱する用途に適している。
なお、第3の実施例の赤外線電球は、図11に示したように、輻射強度においてx軸方向に指向性を有する。従って、第6の実施例の加熱・暖房装置においては、反射板308aによる赤外線の輻射強度が従来の物に比べて強くなる。また、反射板308aの反射率が経年変化や汚れの付着等である程度低下した場合において、第6の実施例における輻射強度の方向分布に与える影響は、例えば図22に示した従来の赤外線電球を用いた場合に比べて小さくなる。
《第7の実施例》
次に、本発明に係る赤外線電球を用いた加熱・暖房装置の第7の実施例を説明する。
第7の実施例の加熱・暖房装置における赤外線電球は、前述の第6の実施例で説明した反射板308aを赤外線電球の中心線に対して90度回転して配置した構成である。
図19は、第7の実施例の加熱・暖房装置における赤外線電球と赤外線用の反射板308bとの位置関係を示す斜視図である。但し、図19において赤外線電球の中央部分は省略されている。また、ここで用いた赤外線電球は第3の実施例で説明した赤外線電球であるため、その説明は省略する。
図19に示すように、反射板308bの内面である反射面は、発熱体302の幅が狭い方の側部302bと対向するよう配置されている。
上記のように反射板308bを設置することにより、赤外線の輻射強度の方向分布は、前述の図17の(a)に示した第5の実施例のものと実質的に等しい。つまり、第3の実施例の赤外線電球を用いて、第5の実施例の赤外線電球と同じ輻射強度の方向分布を有する赤外線が得られる。従って、第7の実施例の加熱・暖房装置は、例えば、発熱体302に平行で、反射板308bに対向して配置された被加熱物体の平面全体を実質的に一様に加熱する用途に適している。
また、図10に示した第3の実施例の赤外線電球はそれ自体で、図11に示したように、輻射強度において指向性を有する。従って、第7の実施例の加熱・暖房装置においては、反射板308bの反射率が経年変化や汚れの付着等である程度低下した場合において、輻射強度の方向分布に与える影響は、例えば図22に示した従来の赤外線電球を用いた場合に比べて小さくなる。
発明をある程度の詳細さをもって好適な形態について説明したが、この好適形態の現開示内容は構成の細部において変化してしかるべきものであり、各要素の組合せや順序の変化は請求された発明の範囲及び思想を逸脱することなく実現し得るものである。
熱源として優れた特性を有する赤外線電球を設けた暖房機器、乾燥機器、調理器、複写機、印刷機、及び工業用塗料乾燥機は、優れた熱効率を有する寿命の長い装置となり、産業上有用なものである。
本発明に係る第1の実施例における赤外線電球のリード線導出部の構造を示す正面図である。 図1の赤外線電球の発熱体と放熱ブロックとの接続部を示す部分拡大図である。 本発明に係る第1の実施例の他の構成の赤外線電球における発熱体と放熱ブロックとの接続部の部分拡大図である。 本発明に係る第1の実施例のさらに他の構成の赤外線電球における発熱体と放熱ブロックとの接続部の部分拡大図である。 本発明に係る第2の実施例の赤外線電球におけるリード線導出部の構造を示す正面図である。 図5の赤外線電球における発熱体と放熱ブロックとの接続部を示す部分拡大図である。 第2の実施例の他の構成の赤外線電球における発熱体と放熱ブロックとの接続部の部分拡大図である。 第2の実施例のさらに他の構成の赤外線電球における発熱体と放熱ブロックとの接続部の部分拡大図である。 本発明に係る第3の実施例における赤外線電球を示す平面図(a)及び正面図(b)である。 本発明に係る第3の実施例における赤外線電球の斜視図である。 (a)は第3の実施例の発熱体が輻射する赤外線の強度分布曲線を示すグラフである。(b)は第3の実施例の赤外線電球の中央部分における横断面図である。 本発明に係る第4の実施例における赤外線電球を示す平面図(a)及び正面図(b)である。 本発明に係る第4の実施例における赤外線電球の斜視図である。 (a)は第4の実施例の赤外線電球が輻射する赤外線の強度分布曲線を示すグラフである。(b)は第4の実施例の赤外線電球の中央部分における横断面図である。 本発明に係る第5の実施例における赤外線電球を示す平面図(a)及び正面図(b)である。 本発明に係る第5の実施例における赤外線電球の斜視図である。 (a)は第5の実施例の赤外線電球が輻射する赤外線の強度分布曲線を示すグラフである。(b)は第5の実施例の赤外線電球の中央部分における横断面図である。 本発明に係る第6の実施例の加熱・暖房装置における赤外線電球及び赤外線用反射板の位置関係を示す斜視図である。 本発明に係る第7の実施例の加熱・暖房装置における赤外線電球及び赤外線用反射板の位置関係を示す斜視図である。 従来の赤外線電球のリード線導出部の構造を示す部分図である。 2本の発熱体を硝子管に封入した、従来の赤外線電球のリード線導出部の構造を示す部分図である。 従来の赤外線電球を示す平面図である。 従来の赤外線電球の斜視図である。 (a)は従来の赤外線電球における発熱体が輻射する赤外線の強度分布曲線を示すグラフである。(b)は図23の赤外線電球の中央部分における横断面図である。 従来の赤外線電球における赤外線用反射板と赤外線電球との位置関係を示す斜視図である。 (a)は図25に示した従来の赤外線電球において赤外線用反射板を用いた場合の赤外線の強度分布曲線を示すグラフである。(b)は図25の赤外線電球の中央部分における横断面図である。 図面の一部又は全部は、図示を目的とした概要的表現により描かれており、必ずしもそこに示された要素の実際の相対的大きさや位置を忠実に描写しているとは限らないことは考慮願いたい。
符号の説明
1 硝子管
2 発熱体
3 放熱ブロック
4 内部リード線
5 コイル状部
6 スプリング状部
7 モリブデン箔
8 外部リード線
9 接着剤

Claims (12)

  1. 実質的に板形状又は棒形状を有し、その両端近傍に凹部が形成され、炭素系物質で構成された少なくとも1本の発熱体、
    前記発熱体の両端部が挿入されて接合される良導電性を有する放熱ブロック、
    前記発熱体の凹部を含む両端近傍領域において、前記放熱ブロックとの接合面に形成され焼結された接着剤の焼結体、
    前記発熱体、前記接着剤の焼結体及び前記放熱ブロックを不活性ガスとともに気密に封入する硝子管、及び
    前記放熱ブロックに電気的に接続され、その端部が硝子管外へ導出されているリード線、を具備する赤外線電球を熱源として設けた暖房機器。
  2. 放熱ブロックが発熱体の両端部のそれぞれを挟着するよう2分割された請求項1に記載の暖房機器。
  3. 実質的に板形状又は棒形状を有し、その両端近傍に凹部が形成され、炭素系物質で構成された少なくとも1本の発熱体、
    前記発熱体の両端部が挿入されて接合される良導電性を有する放熱ブロック、
    前記発熱体の凹部を含む両端近傍領域において、前記放熱ブロックとの接合面に形成され焼結された接着剤の焼結体、
    前記発熱体、前記接着剤の焼結体及び前記放熱ブロックを不活性ガスとともに気密に封入する硝子管、及び
    前記放熱ブロックに電気的に接続され、その端部が硝子管外へ導出されているリード線、を具備する赤外線電球を熱源として設けた乾燥機器。
  4. 放熱ブロックが発熱体の両端部のそれぞれを挟着するよう2分割された請求項3に記載の乾燥機器。
  5. 実質的に板形状又は棒形状を有し、その両端近傍に凹部が形成され、炭素系物質で構成された少なくとも1本の発熱体、
    前記発熱体の両端部が挿入されて接合される良導電性を有する放熱ブロック、
    前記発熱体の凹部を含む両端近傍領域において、前記放熱ブロックとの接合面に形成され焼結された接着剤の焼結体、
    前記発熱体、前記接着剤の焼結体及び前記放熱ブロックを不活性ガスとともに気密に封入する硝子管、及び
    前記放熱ブロックに電気的に接続され、その端部が硝子管外へ導出されているリード線、を具備する赤外線電球を熱源として設けた調理器。
  6. 放熱ブロックが発熱体の両端部のそれぞれを挟着するよう2分割された請求項5に記載の調理器。
  7. 実質的に板形状又は棒形状を有し、その両端近傍に凹部が形成され、炭素系物質で構成された少なくとも1本の発熱体、
    前記発熱体の両端部が挿入されて接合される良導電性を有する放熱ブロック、
    前記発熱体の凹部を含む両端近傍領域において、前記放熱ブロックとの接合面に形成され焼結された接着剤の焼結体、
    前記発熱体、前記接着剤の焼結体及び前記放熱ブロックを不活性ガスとともに気密に封入する硝子管、及び
    前記放熱ブロックに電気的に接続され、その端部が硝子管外へ導出されているリード線、を具備する赤外線電球を熱源として設けた複写機。
  8. 放熱ブロックが発熱体の両端部のそれぞれを挟着するよう2分割された請求項7に記載の複写機。
  9. 実質的に板形状又は棒形状を有し、その両端近傍に凹部が形成され、炭素系物質で構成された少なくとも1本の発熱体、
    前記発熱体の両端部が挿入されて接合される良導電性を有する放熱ブロック、
    前記発熱体の凹部を含む両端近傍領域において、前記放熱ブロックとの接合面に形成され焼結された接着剤の焼結体、
    前記発熱体、前記接着剤の焼結体及び前記放熱ブロックを不活性ガスとともに気密に封入する硝子管、及び
    前記放熱ブロックに電気的に接続され、その端部が硝子管外へ導出されているリード線、を具備する赤外線電球を熱源として設けた印刷機。
  10. 放熱ブロックが発熱体の両端部のそれぞれを挟着するよう2分割された請求項9に記載の印刷機。
  11. 実質的に板形状又は棒形状を有し、その両端近傍に凹部が形成され、炭素系物質で構成された少なくとも1本の発熱体、
    前記発熱体の両端部が挿入されて接合される良導電性を有する放熱ブロック、
    前記発熱体の凹部を含む両端近傍領域において、前記放熱ブロックとの接合面に形成され焼結された接着剤の焼結体、
    前記発熱体、前記接着剤の焼結体及び前記放熱ブロックを不活性ガスとともに気密に封入する硝子管、及び
    前記放熱ブロックに電気的に接続され、その端部が硝子管外へ導出されているリード線、を具備する赤外線電球を熱源として設けた工業用塗料乾燥機。
  12. 放熱ブロックが発熱体の両端部のそれぞれを挟着するよう2分割された請求項11に記載の工業用塗料乾燥機。
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