JP4337422B2 - 物品登録装置、物品確認装置、及び物品登録確認装置 - Google Patents

物品登録装置、物品確認装置、及び物品登録確認装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、物品登録装置、物品確認装置及び物品登録確認装置に係わり、特に、物品の真贋を確認するための物品登録装置、物品確認装置及び物品登録確認装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、貴重品や重量書類などの偽造防止のために、貴重品や重量書類などの本物の物品の表面に、高度な印刷技術や一般には入手困難な特殊なインクを用いて識別符号を記録したり、ホログラムのような偽造防止シートを貼付する方法が一般に採用されている。しかしながら、この方法では、高度な印刷技術、或いは特殊インクや偽造防止シートの製造技術が詐称者に習得されてしまうと、大量偽造が行われてしまった。
【0003】
このため、近年は、より偽造を困難にするための技術として、固有のIDが記憶された薄型で微小な非接触ICチップを本物の物品に埋め込む(書類の場合は用紙に漉き込む)技術が提案されている(例えば、特許文献1、2、3参照)。この技術では、特に、非接触ICチップを用いることにより、非接触で物品の真贋を確認することができ、利用者が真贋を確認するための装置に物品をセットする作業を行わずともよくなるので利便性も良い。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−283011号公報
【特許文献2】
特開2001−357377号公報
【特許文献3】
特開平11−277963号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術では、各物品に対してICチップが必要とされ、且つ製造段階でICチップを埋め込む専用工程が必要とされるために、その分コストが高くなってしまうという問題があった。また、物品製造後に、偽造品が出回るなどの理由で偽造防止が必要になった場合に対応することができなかった。また、ICチップの製造技術や埋め込み技術が詐称者に習得されてしまえば、やはり偽造が可能となり、確実に偽造を防止することはできなかった。
【0006】
このため、物品自体が有する再現不能な微細な特徴(ランダムパターン)、例えば表面の微細な凹凸のパターンなどを用いて物品の真贋を確認する方法も考えられるが、この方法では確認精度が低くなってしまう。すなわち、物品自体が有する再現不能なランダムパターンは、物品の表面に傷や汚れが付くと変化してしまうので、真贋を確認不能になってしまう。また、このランダムパターンは、物品の形状変化によっても変化するため、布製品や皮製品などのように形状が変化する物品には適用することができない。
【0007】
本発明は上記問題点を解消するためになされたもので、偽造防止効果の向上を図ると共に、容易且つ高精度で物品の真贋を確認することができる物品登録装置、物品確認装置、及び物品登録確認装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の物品登録装置は、表面に物品を識別するための識別符号が記録された保護材が固着され、かつ表面にランダムパターンを有する登録対象の物品の表面の保護材固着部分からランダムパターンを読み取る読取手段と、前記保護材から識別符号を読み取る識別符号読取手段と、前記読取手段で保護材固着部分からランダムパターンを読み取るため、または前記識別符号読取手段で保護材から識別符号を読み取るために、前記保護材の外縁部が突き当てられることにより保護材固着部分または保護材が読取位置に対応するように位置決めする位置決め手段と、前記読取手段により読み取ったランダムパターンの特徴を示す特徴情報を、前記識別符号読取手段で読み取った識別符号と対応付けて記憶する記憶手段と、を有することを特徴としている。また、請求項2に記載の物品確認装置は、物品を識別するための識別符号が記録された保護材が固着された確認対象の物品の表面の保護材固着部分からランダムパターンを読み取る読取手段と、前記保護材から識別符号を読み取る識別符号読取手段と、前記読取手段で保護材固着部分からランダムパターンを読み取るため、または前記識別符号読取手段で保護材から識別符号を読み取るために、前記保護材の外縁部が突き当てられることにより保護材固着部分または保護材が読取位置に対応するように位置決めする位置決め手段と、前記読取手段で読み取ったランダムパターンの特徴を示す特徴情報を、予め特徴情報及び識別符号を対応付けて記憶した記憶手段に記憶され、かつ、前記識別符号読取手段により読み取った識別符号に対応する特徴情報と比較し、該比較結果に基づいて、物品の真贋を確認する確認手段と、を有することを特徴としている。さらに、請求項3に記載の物品登録確認装置は、表面に物品を識別するための識別符号が記録された保護材が固着され、かつ表面にランダムパターンを有する登録対象の物品の表面の保護材固着部分からランダムパターンを読み取る第1の読取手段と、前記登録対象の物品に固着された保護材から識別符号を読み取る第1の識別符号読取手段と、前記第1の読取手段により読み取ったランダムパターンの特徴を示す特徴情報を、前記第1の識別符号読取手段で読み取った識別符号と対応付けて記憶する記憶手段と、物品を識別するための識別符号が記録された保護材が固着された確認対象の物品の表面の保護材固着部分からランダムパターンを読み取る第2の読取手段と、前記確認対象の物品に固着された保護材から識別符号を読み取る第2の識別符号読取手段と、前記第1の読取手段及び前記第2の読取手段で保護材固着部分からランダムパターンを読み取るため、または前記第1の識別符号読取手段及び前記第2の識別符号読取手段で保護材から識別符号を読み取るために、前記保護材の外縁部が突き当てられることにより保護材固着部分または保護材が読取位置に対応するように位置決めする位置決め手段と、前記第2の読取手段で読み取ったランダムパターンの特徴を示す特徴情報を、前記記憶手段に記憶され、かつ、前記第2の識別符号読取手段により読み取った識別符号に対応する特徴情報と比較し、該比較結果に基づいて、物品の真贋を確認する確認手段と、を有することを特徴としている。
【0009】
請求項1に記載の物品登録装置または請求項3に記載の物品登録確認装置によれば、本物(登録対象)の物品が有している再現不能な微細な特徴(ランダムパターン)を読取って、当該特徴を示す特徴情報を予め記憶しておく。請求項2に記載の物品確認装置または請求項3に記載の物品登録確認装置によれば、確認対象の物品の真偽を確認する際には、当該確認対象の物品から同様に再現不能な微細な特徴を読取って、読取った特徴を予め記憶しておいた特徴情報と比較することで、当該確認対象の物品の真贋を判定することができる。このように、物品自体が有している再現不能な微細な特徴を利用して、物品の確認を行うことにより、高度な印刷技術、特殊インク、偽造防止シート、ホログラム、ICチップといった物品以外の異物を用いる従来技術と比べて、非常に簡単で且つ低コストで実現可能である。また、再現不能な微細な特徴は、人工的に生成された情報と異なり、非常に偽造が困難であるため、偽造防止効果が高い。
【0010】
また、物品の再現不能な微細な特徴を読取る部分を予め保護材で固着しているので、再現不能な微細な特徴を保護材により保護・固定化することができる。すなわち、物品から再現不能な微細な特徴を安定して読取ることができるので、高精度に真贋判定可能である。
【0011】
さらに、物品に対しては、再現不能な微細な特徴を読取る部分を保護材で固着しておくだけでよいので、物品製造後に、偽造品が出回るなどの理由で偽造防止が必要になった場合でも対応可能である。
【0012】
なお、請求項1に記載の物品登録装置または請求項3に記載の物品登録確認装置においては、前記確認対象の物品から読取った前記微細な特徴を、前記記憶手段に記憶されている全ての前記特徴情報と比較してもよい。すなわち、識別により物品の真贋を確認してもよい。また、或いは、本物の物品を識別するための識別符号を当該本物の物品表面又は当該本物の物品に固着されている前記保護材に記録しておくと共に、前記特徴情報を記憶する際に、当該特徴情報を前記識別符号と対応付けて記憶しておき、前記確認対象の物品又は当該確認対象の物品に固着されている前記保護材から前記識別符号を読み取り、前記確認対象の物品から読取った前記微細な特徴を、読み取った識別符号に対応する特徴情報と比較するようにしてもよい。すなわち、照合により物品の真贋を確認してもよい。
【0013】
また、請求項4に記載の物品登録装置は、表面に保護材が固着され、かつ表面にランダムパターンを有する登録対象の物品の表面の保護材固着部分からランダムパターンを読み取る読取手段と、前記読取手段で保護材固着部分からランダムパターンを読み取るために、前記保護材の外縁部が突き当てられることにより保護材固着部分が読取位置に対応するように位置決めする位置決め手段と、前記読取手段により読み取ったランダムパターンの特徴を示す特徴情報を符号化して前記保護材に記録する記録手段と、を有することを特徴としている。また、請求項5に記載の物品確認装置は、物品の表面のランダムパターンの特徴を示す特徴情報を符号化して記録した保護材が固着された確認対象の物品の表面の保護材固着部分からランダムパターンを読み取る読取手段と、前記読取手段で保護材固着部分からランダムパターンを読み取るために、前記保護材の外縁部が突き当てられることにより保護材固着部分が読取位置に対応するように位置決めする位置決め手段と、前記読取手段により読み取ったランダムパターンの特徴を示す特徴情報を、前記保護材に記録された特徴情報と比較し、該比較結果に基づいて、前記確認対象の物品の真贋を確認する確認手段と、を有することを特徴としている。さらに、請求項6記載の物品登録確認装置は、表面に保護材が固着され、かつ表面にランダムパターンを有する登録対象の物品の表面の保護材固着部分からランダムパターンを読み取る第1の読取手段と、前記第1の読取手段により読み取ったランダムパターンの特徴を示す特徴情報を符号化して前記保護材に記録する記録手段と、物品の表面のランダムパターンの特徴を示す特徴情報を符号化して記録した保護材が固着された確認対象の物品の表面の保護材固着部分からランダムパターンを読み取る第2の読取手段と、前記第1の読取手段及び前記第2の読取手段で保護材固着部分からランダムパターンを読み取るために、前記保護材の外縁部が突き当てられることにより保護材固着部分が読取位置に対応するように位置決めする位置決め手段と、前記第2の読取手段により読み取ったランダムパターンの特徴を示す特徴情報を、前記確認対象の物品に固着された保護材に記録された特徴情報と比較し、該比較結果に基づいて、前記確認対象の物品の真贋を確認する確認手段と、を有することを特徴としている。
【0014】
請求項4に記載の物品登録装置または請求項6に記載の物品登録確認装置によれば、本物の物品から読取った再現不能な微細な特徴を示す特徴情報が、当該物品或いは当該物品に固着されている保護材に予め記録される。すなわち、物品自体に特徴情報が記録される。
【0015】
請求項5に記載の物品確認装置または請求項6に記載の物品登録確認装置によれば、確認対象の物品の真偽を確認する際には、当該確認対象の物品から再現不能な微細な特徴と特徴情報とを読取って、両者を比較することで当該確認対象の物品の真贋を判定することができる。すなわち、物品自体に特徴情報を記録することにより、識別符号を用いずとも、照合により物品の確認を行うことができる。
【0016】
また、上記の物品登録装置または物品登録確認装置においては、本物の物品が、前記微細な特徴が読取困難なものである場合は、前記保護材を固着させるのに先立ち、当該本物の物品の前記保護材が固着される部分の表面に、ランダムな傷を付けておくとよい。この場合の傷は、物理的に削られたことで形成されたものでもよいし、化学的に削られたことで形成されたものでもよい。
【0017】
また、上記の物品登録装置または物品登録確認装置においては、本物の物品が、前記微細な特徴が読取困難なものである場合は、前記保護材に再現不能なランダムなパターンを予め形成しておき、当該形成したランダムなパターンを前記物品の再現不能な微細な特徴の代替に用いるようにしてもよい。この場合のランダムなパターンは、例えば、保護材中に微粒子や繊維を分散させることで形成できる。
【0018】
また、上記の物品登録装置、物品確認装置、及び物品登録確認装置においては、前記保護材として、前記物品との固着面側に透明な粘着層が形成された透明フィルムを用いることができ、この場合、前記粘着層は、前記物品に付着後、所定時間経過すると透明な状態で固定化する粘着成分で形成されているとよい。また、前記保護材として、常温で透明な熱可塑性樹脂を用いることもできる。
【0019】
また、上記の物品確認装置、物品確認装置、及び物品登録確認装置においては、前記保護材の表面を、剥離可能な第2の保護層で被覆することが好ましい。
【0027】
【発明の実施の形態】
[ランダムパターン]
まず、本発明に係る実施の形態を説明するのに先立ち、物品自体が元来有している再現不能な微細な特徴(以下、ランダムパターンと称す)について説明する。
【0028】
図1は、不織布表面の顕微鏡写真である。図1から分かるように、不織布では、繊維が複雑に絡み合ってできたものであり、この繊維によるパターンが同一になるものはない。すなわち、不織布から繊維によるランダムパターンを観測することができる。また、図示は省略するが、紙も植物繊維が複雑に絡み合ってできたものであり、不織布と同様に、紙からもランダムパターンを観測することができる。同一種、同一ロットの紙であっても紙毎にそのパターンは異なる。
【0029】
また、図2は、市販のCD−ROM表面(非記録面)の印刷部の顕微鏡写真であり、図3は、図2とは別のCD−ROM表面の印刷部の顕微鏡写真である。図2、図3から分かるように、CD−ROMの印刷面にも、基材の不定成形や制御限界以下のインク流動等によってランダムなパターンが形成される。
【0030】
また、図4は、カーボン充填した黒色のゴム表面、図5は、ICパッケージ用のセラミック表面、図6は、金属微粒子分散のUV硬化型塗料の塗膜(所謂ラメ塗装)表面の顕微鏡写真図である。図4〜図6から分かるように、何れの表面からもランダムパターンが観察できる。これらのランダムパターンは、表面の微小なクラックや材料の微粒子等によって形成されるものである。
【0031】
また、図7、図8は、ステンレス鋼材表面の顕微鏡写真図である。図7、図8から分かるように、ステンレス鋼材の表面からもランダムパターンを観察できる。このランダムパターンは、ヘアライン処理やサンドブラスト処理等、表面仕上げ時に作られたものである。
【0032】
また、図9は、半透明樹脂表面の顕微鏡写真図である。図9から分かるように、半透明樹脂表面からもランダムパターンを観察できる。このランダムパターンは、主に樹脂中に分散する粒子により形成されるものである。
【0033】
また、図10は、皮革表面の顕微鏡写真である。図10から分かるように、皮革もまた自然の状態でその表面にランダムな皺がランダムパターンとして観察される。
【0034】
図1〜図10に示したように、各種の物品からランダムパターンを観察することができる。このランダムパターンは、意図的に作ったのではなく、物品そのものの成り立ち、製造工程、或いは製造後などで不作為にできたものであり、そのパターンが全く同じである物品が複数存在するとは考え難い。また、同一のものを故意に作り出すことは困難と思われる。すなわち、同一の工程を経て製造・物流された物品であっても、微視的には、各物品ごとにランダムパターンが異なる。
【0035】
特に、図1〜10に示すようなランダムパターンは、顕微鏡レベルの微細なパターンであり、例えば微粒子によって形成されたと考えられる図5や図6の濃淡周期や、図7や図8の傷の周期はマイクロメートルオーダーと非常に小さく、これを偽造することは容易ではない。また、図2、図3の印刷インクや、図5のセラミック、図6の金属微粒子、図7、図8の金属加工表面、図9の樹脂から観測されるランダムパターンは、通常の使用下では非常に安定している。また、図4のゴム表面、図10の皮革表面、或いは図1の不織布といった形状が変化し易い軟らかい素材のランダムパターンも、外力が加わらない状態では安定である。
【0036】
本発明は、上記のような物品が元来有するランダムなパターンを、各物品を確認(識別・照合)するための情報として利用するものである。このような微細なランダムパターンの読み取りには、触針法、電子顕微鏡観察法等幾つかの方法が考えられるが、物品保護の観点から未処理、非破壊であることが望ましい。光を利用する方法はこの点で優れている。以下、本発明に係る実施形態の1例として、光を利用してランダムパターンを読み取って、物品の真贋を確認する物品確認装置を説明する。
【0037】
<第1の実施の形態>
[全体構成]
図11に、本発明の第1の実施の形態に係る物品確認装置の概略構成図を示す。
【0038】
図11に示すように、物品確認装置10は、読取手段として、物品12(図12参照)から当該物品自体が元来有しているランダムパターンを読み取る読取部14と、読取部14に読取を開始させるためのスイッチ16と、読取部14による読取結果に基づいて物品12の真偽(本物/偽物)を判定する判定部18とを備えており、読取部14及びスイッチ16は、判定部18と接続されて構成されている。なお、これらの読取部14、スイッチ16、及び判定部18は、一体であってもよいし、物理的に異なる装置として構成され、ケーブルなどの接続手段を介して接続して用いる形態であってもよい。
【0039】
なお、スイッチ16は、物品12が読取部14に挿入或いは近接されて読取部14が読取スタンバイ状態になった後に、読取開始するようにオン操作されるものである。このスイッチ16は、オペレータにより指先で操作されるスイッチでもよいし、種々の接触或いは非接触センサにより読取対象の物品12が読取部14に接触或いは所定の距離まで接近したらオンするようなスイッチでもよい。本実施の形態では、オペレータにより指先で操作される場合を例に説明する。読取部14及び判定部18についての詳細な説明は後述する。
【0040】
[物品]
次に、物品12について説明する。なお、ここでいう物品12とは、有価証券やパスポート等の書類、皮革、木材、ゴム、繊維(布)、石材、樹脂、金属等で作られたバック、靴、衣料品、家具調度品、宝飾品、精密機械、家電製品、美術品など、物理的に存在する物体であれば如何なる種類の物でもよい。
【0041】
前述したように、物品に存在するランダムパターンは通常環境下では安定に存在すると考えられる。しかしながら、現実には傷や汚れによってそのパターンが崩れる可能性があり、さらに皮革や布地のような柔らかい素材の物品では外力によって簡単にパターンそのものが変形してしまう。
【0042】
そこで、本実施形態では、図12に示すように、ランダムパターンを保護・固定化するために、物品12の表面のうち、少なくともランダムパターンの観測領域Sが含まれる部分には保護材20を予め固着させて、観測領域Sを保護材20によりカバーしている。ここでいう物品12の表面とは、当該物品の使用形態での表裏とは関係なく、外界に曝されている部分のことである。なお、図12では、保護材20が固着された面を上面とした場合の物品12の上面図(A)と、断面図(B)を示している。
【0043】
具体的には、保護材20には、粘着層付きのフィルムを用いることができる。図13に、透明のフィルムを保護材20として用いた場合の物品12の様子を示す。なお、図13は、皮革製品を物品12とした場合の例である。
【0044】
図13に示すように、物品12の皮革表面12Aに、保護材20として透明フィルムが貼付されている。この透明フィルムは、物品12を傷や汚れから保護するための透明な保護層20Aと共に、皮革表面12Aに固着される側の面に透明な粘着層20Bを有している。すなわち、保護材20としてこの透明フィルムを皮革表面12Aに貼付すると、保護層20Aと皮革表面12Aとが粘着層20Bによって固着されることになり、透明フィルムの貼付部分の皮革表面12Aの皺の状態、すなわち観測領域S内のランダムパターンを固定することができ、また傷や汚れからも保護される。これにより、物品12の観測領域S内で観測されるランダムパターンを一定に保つことができる。
【0045】
なお、粘着層20Bに使用する粘着剤は、皺等の空隙に浸透するように設計することが望ましい。また、観測領域Sのランダムパターンが外力によって容易に変形することがないように、貼付後に硬化する粘着剤であることが望ましい。但し、ランダムパターンの固定化が目的であるから、1本1本の微細な皺、繊維等が相対的に位置ずれを起こさない程度の硬化後の硬度であれば良い。
【0046】
このような透明フィルムとしては、例えば図14に示すような透明粘着テープと同様な構造のものが好適である。図14に示すこのフィルムは、厚さ150μmのポリエステルフィルムの支持体である保護層20A、厚さ25μmのシリコーン系粘着材からなる粘着層20B、保管時に必要な厚さ50μmのポリエステルフィルムのセパレータ20Cから成る。なお、フィルム材料は一例であり、本発明は特にこれに限定されるものではない。例えば、保護層20A(支持体)の材料としては、例えばアクリルフォームやカプトンフィルム、ビニルフィルム等用いることもでき、粘着層20Bの材料には、ゴム系のものやシリコーン系のもの等種々のものを用いることができる。
【0047】
また、保護材20は、図13、図14に示したような粘着層付きのフィルム以外にも、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体(Ethylene vinyl acetate copolymer:EVA)のような透明な熱可塑性樹脂を用いることが出来る。また、ビニル含有量が高いEVAでは、その不定形性のため感圧接着剤(Pressure Sensitive Adhesives:PSA)として機能する。この場合は事前にフィルム状に成形しておき、当該物品表面に貼付するだけで保護材20として機能、すなわちランダムパターンを固定化・保護させることが出来る。
【0048】
なお、保護材20の形状を示すために上記ではフィルムという表現を用いたが、ランダムパターンの固定化・保護がこの保護材20の目的であり、且つランダムパターンの読み取りが出来ることが条件であるから、この目的及び条件に合致する形状であればどのような形状であってもかまわない。当然ながら、保護材20としての熱可塑性樹脂は、上述のように事前にフィルム状に成形しておいても良いし、不定形であって、当該物品に接着後形状が安定するものであっても良い。
【0049】
[読取部の詳細構成]
次に、読取部14について詳細に説明する。
【0050】
読取部14は、図11に示すように、読取対象の物品12に対して光を照射する照明部30と、照明部30により照射された光の物品12からの反射光又は透過光を受光する受光部32とを備えており、照明部30により物品12に光を照射し、その反射光又は透過光を受光部32により受光することで、当該物品12のランダムパターンを読み取るものである。以下に読取部14の具体的な構成例を示す。
【0051】
図15に、読取部14の一例を示す。図15では、読取部14は略L字型に形成されており、その長辺側は、オペレータにより把持されるハンドル部40とされており、短辺側には、その端面を読取面42とするように、照明部30及び受光部32が埋め込まれている。オペレータは、ハンドル部40を把持して、物品12表面の接触させるように、読取面42を保護材20が固着された部分に押し当てる。このように読取面42を押し当てることにより、読取部14全体が光学的に閉じられた状態となり、物品12のランダムパターンを外乱光の影響を受けることなく読み取ることができる。
【0052】
照明部30は、図16に示すように、光を出力する光源50と、光源50から出力された光を読取面42方向へと案内し、照明光として、当該読取面42が接触された物品12表面上の保護材20に照射する光導波路光学系52と、を備えている。光源50には、例えば、LED、ハロゲンランプ、蛍光灯、キセノン放電管などを用いることができる。また、光導波路光学系52の代わりに、物品12の表面に光を集める集光レンズを用いることもできる。また、周囲光の影響を受けないように、遮光板を設けてもよい。
【0053】
受光部32は、撮像素子60と、照明部30により照射された照明光の保護材20を透過して物品12からの反射光を撮像素子60の受光面に結像させるレンズユニット62と、を備えている。撮像素子60には、CMOS或いはCCDを用いることができ、各物品12のランダムパターンは濃淡情報として取得されることになる。
【0054】
ここで、物品12のランダムパターンから得られる濃淡情報の個体差は、一般的には、ランダムパターンの観測領域Sが広い程、より多くの情報が得られるため鮮明になると考えられる。
【0055】
しかしながら、一般に物品はその素材段階では均質であることが求められ、そのため観測領域Sが広すぎれば情報に占める一様性が大きくなり、個々の物品を効果的に弁別する特徴を抽出し難くなる。また、観測領域Sが広くなると、その分読取部14も大型化するため、設置面積やコスト的にも不利になる。したがって、着目するランダムパターンと照明部30や受光部32等の読取部14のコストやサイズから、できるだけ多くの物品12の個体差を明瞭にする観測領域S面積を決定すべきである。
【0056】
このような観点から観測領域Sとしては、具体的には、物品12の表面上の面積が0.1〜1000mm2であることが適切であることが本出願人により確認されている。この範囲にある、例えば6.3mm×5.0mmの領域を観測領域Sとする場合、照明部30の光導波路光学系52によって照らす保護材20面の面積は50mm2程度で充分である。
【0057】
この場合、例えば、白黒で、有効画素数が1300×1030(約130万画素)で、且つ正方格子のCCDを撮像素子60として用い、有効画素領域いっぱいに6.3mm×5.0mmの観測領域Sをレンズユニット62で結像させるとすると、この時の1画素当りの観測面積は凡そ4.9×4.9μm(6.3mm/1300=4.9μm、5.0mm/1030=4.9μm)となる。前述したように、観測対象であるランダムパターンの大きさ(周期)はマイクロメートルオーダー、すなわち数〜数百μm程度であるから、この場合十分にそのパターンの状態を観測できることになる。また、この場合のレンズユニット62による倍率(以下、光学系の倍率)は、撮像素子60として用いるCCDが、例えば2/3型で、画素サイズが6.7μm×6.7μm(正方格子)(CCD有効画面サイズ8.7mm×6.9mm)であれば、1.38倍(横倍率、8.7/6.3=1.38、6.9/5.0=1.38)となる。
【0058】
また、例えば、白黒で、有効画素数が640×480(約30万画素)のCCDを撮像素子60として用い、有効画素領域全体に7.7mm×5.7mmの観測領域Sをレンズユニット62で結像させるとすると、この時の1画素当りの観測面積は凡そ12μm×12μm(7.7mm/640=12μm、5.7mm/480=12μm)となる。つまりこの場合でも大凡のランダムパターンの状態を観測できることになる。また、この場合の光学系の倍率については、撮像素子60として用いるCCDが、例えば1/3型で、画素サイズが8.4μm×8.3μm(正方格子)(CCD有効画面サイズ5.4mm×4.0mm)であれば、0.7倍(横倍率、5.4/7.7=0.7、4.0/5.7=0.7)に設計すれば良い。
【0059】
また、例えば、白黒で、有効画素数が367×291(約11万画素)で、出力信号が8ビット(256階調)のCMOSを撮像素子60として用い、有効画素領域いっぱいに7.3mm×5.8mmの観測領域Sをレンズユニット62で結像させるとすると、この時の1画素当りの観測面積は凡そ20μm×20μm(7.3mm/367=20μm、5.8mm/291=20μm)となる。この場合でもランダムパターンを充分観測できる。また、この場合の光学系の倍率については、撮像素子60として用いるCMOSが、例えば1/7型で、画素サイズが5.6μm×5.6μm(正方格子)(CMOS有効画面サイズ2.1mm×1.6mm)であれば、約0.3倍(横倍率、2.1/7.3=0.3、1.6/5.8=0.3)に設計すれば良い。
【0060】
なお、レンズユニット62(光学系)の焦点については、保護材20の表面にできる傷の影響を避けるため、物品12表面となるように設計し、物品12のラインダムパターン部のみに合焦するようにすることが望ましい。
【0061】
なお、図15、図16では、反射光型の読取部の例を示したが、物品12が光透過性を有するものであれば透過光型とし、保護材20及び物品12の透過した照射光を受光してランダムパターンを取得するようにしても良い。
【0062】
[判定部の詳細構成]
次に、判定部18について詳細に説明する。
【0063】
判定部18は、図11に示すように、読取部14からの読取結果を示す信号に対して所定の処理を施す信号処理回路80と、信号処理回路80の駆動を制御する制御回路82と、信号処理回路80からの出力信号から再現不能なランダムパターンの特徴量を抽出する特徴量抽出部84と、記憶手段として、特徴量抽出部84により抽出された特徴量を記憶するメモリ86と、判定手段として、特徴量抽出部84により抽出された特徴量をメモリ86に登録されている特徴量と比較して、当該比較結果に基づいて物品12の真偽(本物/偽物)を判定する比較部88と、真偽判定結果を示す信号を出力する判定結果信号出力部90とを備えている。
【0064】
信号処理回路80は、制御回路82、特徴量抽出部84、及び読取部14の受光部32と接続されている。制御回路82は、スイッチ16及び読取部14と接続されている。判定部18には、スイッチ16からのオン/オフを示す信号が入力されるようになっており、判定部18は、スイッチ16からオンを示す信号入力があった場合に、読取部14に読取を指示する信号を送出すると共に、信号処理回路80に計測開始の指示する信号を送出する。
【0065】
信号処理回路80は、制御回路82からの計測開始指示を受けて、受光部32による受光結果、すなわち、読取部14による観測領域S内のランダムパターンの読取結果である濃淡情報の信号を受信するようになっている。信号処理回路80は、この受信した信号に増幅など所定の信号処理を施した後、特徴量抽出部84へ出力する。すなわち、特徴量抽出部には、読取部14による物品12のランダムパターンの読取結果を表す画像データが入力される。
【0066】
特徴量抽出部84は、入力された画像データから物品12が有するランダムパターンの特徴抽出を行う。特徴抽出には、従来公知の技術を採用することができ、一例を以下に示す。
【0067】
読取部14によるランダムパターンの読取結果を適切な大きさのメッシュ(メッシュ数d=縦M×横N)に区切り(量子化)、各メッシュをある濃度値(濃度レベルq)で代表させて(標本化)、モザイク状の画像に変換する。このように量子化・標本化した後は、j番目のメッシュの濃度をxjとすると、このパターンはx=(x1,x2,・・・xdt(tは転置を表す)なるベクトルで記述できる。このベクトルを特徴ベクトルと呼ぶ。ベクトルの各要素は対応する画像領域の濃度を与える。得られたパターンは特徴ベクトルによって張られた特徴空間上の1点として表されることになる。前述したように、各物品は、微視的には異なるランダムパターンを有するため、特徴ベクトルもそれぞれ固有の特徴を表すものとなる。すなわち、各物品のランダムパターンの特徴をこの特徴ベクトルによって表すことができる。
【0068】
具体的に、図17に1.0×1.0mmの物品表面の元画像とd=32×32(M=N)、q=255に量子化・標本化した例を示す。図17は、物品12は、図6で示した金属微粒子分散のUV硬化型塗料で塗装された樹脂製品であり、図18に示すように、この物品12の表面には、5×2mmの透明フィルムが保護材20として貼付されている場合のランダムパターンの読取り結果の画像(A)と、その量子化標本化結果画像(B)である。透明フィルムの保護層20Aの厚さは、例えば120μmであり、粘着層20Bの厚さは、例えば35μmである。また、実線で囲んだ領域が、ランダムパターンの観測領域Sである。
【0069】
また、特徴量抽出部84は、メモリ86及び比較部88と接続されている。特徴量抽出部84は、登録時には、求めた特徴ベクトルを表す情報を、本物の物品12のランダムパターンの特徴として、メモリ86に格納するようになっている。なお、特徴量抽出部84は、特徴ベクトルの代わりに、全ベクトルから分散共分散行列又は相関行列を求めてメモリ86に格納するようにしてもよい。以下、メモリ86に格納した特徴ベクトルを表す情報(又は分散共分散行列又は相関行列)のことを「第1の特徴情報」と称す。なお、この第1の特徴情報が、本発明の本物の物品から読取った微細な特徴を示す特徴情報に対応する。
【0070】
また、特徴量抽出部84は、確認時には、求めた特徴ベクトルを表す情報(又は分散共分散行列又は相関行列)を第2の特徴情報として、比較部88へ出力するようになっている。以下、特徴量抽出部84から比較部88に出力される特徴ベクトルを表す情報(又は分散共分散行列又は相関行列)のことを「第2の特徴情報」と称す。なお、この第2の特徴情報が、本発明の確認対象の物品から読取った微細な特徴を示す。
【0071】
比較部88は、メモリ86と接続されており、メモリ86の登録情報を任意に読出し可能となっている。比較部88は、特徴量抽出部84から入力された第2の特徴情報と、メモリ86に登録されている全ての第1の特徴情報とを比較し、その類似度に応じて、物品12の真偽を判定する。
【0072】
詳しくは、第1の特徴情報と第2の特徴情報とは、同一特徴空間内の特徴ベクトルを示しているため、その類似度は、第1の特徴情報が示す特徴ベクトルと、第2の特徴情報が示す特徴ベクトルとの距離を算出することで求めることができ、この求めた距離が近い程、類似度が高い(両者が似ている)ことになる。当然ながら、KL(Karhunen-Loeve)展開等による特徴空間の次元削減を行って距離を求めてもよい。
【0073】
比較部88では、全ての第1の特徴情報と第2の特徴情報との距離を求め、確認対象の物品12は、この距離が最も近い第1の特徴情報に対応する本物の物品12であると判別する。ただし、予め設定した所定の閾値より距離が遠い場合には登録された本物の物品12の該当はなし、すなわち確認対象の物品12は偽物であると判別する。
【0074】
ここで、類似度として計算する距離としては、統計学上の判別分析やクラスター分析などで用いられる距離、例えば、市街地距離、ユークリッド距離、標準化ユークリッド距離、ミンコフスキーの距離、マハラノビス距離などを用いることができる(村上征勝著:行動計量学シリーズ「真贋の科学」朝倉書店、1996)。前者4つの距離は、何れも確認対象の物品の特徴ベクトルと登録された本物の物品12の特徴ベクトル間の距離として得られる。マハラノビスの距離は、確認対象の物品12の特徴ベクトルと登録された本物の物品12の特徴ベクトル(平均ベクトル)と、特徴行列(分散共分散行列、又は相関行列)の逆行列から計算される。
【0075】
なお、本実施の形態では、距離によって物品12の真偽を判定するようにしたが、第1、第2の特徴情報の両者の特徴ベクトルの成す角度から判定しても良い。また、本実施の形態では、読取部14で取得された画像データが示す画像を実空間上で比較して真偽を判定するようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、得られた画像データが示す画像を2次元フーリエ変換により周波数領域へ変換し、フーリエ空間上で比較してもよい。この場合、予め登録された本物の物品12から得た画像と確認対象の物品12から得た画像とをフーリエ空間上で画像合成し、逆フーリエ変換することで相関強度画像を得て、そのピーク値から二つの画像の類似度を評価することができる。例えば振幅のピークの大きさが予め決めておいた閾値以上であった場合に同一画像、即ち確認対象の物品は、登録されている本物の物品12と同一であると判断すればよい。
【0076】
また、比較部88は、判定結果信号出力部90とも接続されている。比較部88は、第1の特徴情報と第2の特徴情報との比較により判定した確認対象の物品12の真偽判定結果を示す信号を判定結果信号出力部90へ出力する。判定結果信号出力部90は、後段の装置と接続されており、後段の装置の動作を制御するために、真偽判定結果を示す信号を後段の装置へ出力する。例えば、判定結果信号出力部90からの出力信号を受けて、液晶ディスプレイのような表示手段に判定結果を表示させるようにしてもよいし、後段の装置における所定の処理開始や処理禁止等を制御するようにしてもよい。
【0077】
[観測領域Sの特定方法例]
ところで、本実施形態に係る物品確認装置10では、同一の物品12であれば、後述する登録時と確認時とで、同一の観測領域Sのランダムパターンを観測することが必要とされる。すなわち、同一の物品12から常に同一の観測領域Sを特定する必要がある。
【0078】
この位置合わせは、透明フィルム等の保護材20によりカバーされている領域全体を走査してランダムパターンを読取って、比較部88での比較時に、登録情報と比較することでも行うこともできる。しかしながら、観測領域Sは、前述したように0.1〜1000mm2と微小領域でよく、保護材20によりカバーされている領域全体を走査することは効率的ではない。観測領域Sを特定する最も簡単な方法は、物品の縁等、物理的境界からの距離を計る方法である。
【0079】
このため、本実施の形態では、図15に示すように、読取面42に、矩形に凹部を形成することで、物品12を位置決めするための突き当て部46を設けている。
【0080】
読取部14の読取面42を物品12に接触させたときに、当該物品12に固着されている保護材20の外縁部を突き当て部46に突き当てることで、照明部30及び受光部32に対する物品12の位置が常に同位置に定められるようになっている。これにより、保護材20により覆われている観測領域Sを含む部分が読取部14の読取位置に対応するように、突き当て部46により物品12を位置決めすることができる。このような突き当て部46により物品12を位置決めすることにより、物品12表面上の観測領域Sの特定が容易に可能となる。
【0081】
なお、図15は、保護材20が矩形のフィルム状に形成されていることを前提とした場合の例であり、突き当て部46の形状、個数、設置位置などは、保護材20の形状により適宜選択されることは言うまでもない。
【0082】
また、本実施の形態では、物品12の位置決めは、オペレータが読取部14のハンドル部40を把持してその読取面42を物品12に接触させる際に手動で行う場合を例に説明するが、自動的に行われるようにしてもよい。
【0083】
このように、本実施の形態では、突き当て部46により物品12を位置決めすることで観測領域Sが特定されるようにしたが、本発明は、観測領域Sの特定方法をこれに限定するものではない。他の方法として、位置検出用のマークを透明フィルム等の保護材20に付す方法がある。特に、突き当て部46により物品12を位置決めする方法は、物品12の変形の影響を受け易いため、皮革や布地のような柔らかい素材の物品12の場合には、位置検出用のマークを透明フィルム等の保護材20に付す方法の方が好ましい。
【0084】
図19に、位置検出用のマークを付す場合の一例が示されている。図19に示すように、物品12上の保護材20の表面に「+」のマーク100を印字しておけば、このマーク100を手がかりに観測領域Sを特定することができる。この場合、例えば「+」のマーク100の交点Pを中心に、半径rの円内を観測領域Sと決めておけば良い。なお、この場合でも、突き当て部46等によって概略の位置を特定することが望ましい。概略の位置の範囲において広視野角(画角)のレンズ系(受光部32のレンズユニット62とは別に用意しておく)を用い、受光部32の撮像素子60によって、大きさM×Mの「+」のマーク100を含む大きさL×L(L>M)の画像を示す画像データを取得し、相関法や残差逐次検定法等の手法を用いて、このL×Lの画像上における、M×Mの「+」マーク100が対応する位置を捜せば良い。このとき行われる処理も照合処理であるが、物品12の持つランダムパターン情報に比べ遥かに情報量が少なく、容易に観測領域Sを特定することができる。
【0085】
[物品確認装置の動作]
次に、本実施の形態の作用として、物品確認装置10の動作を説明する。物品確認装置10では、物品12の真偽を判定するためには、本物の物品12が有するランダムパターンの特徴を予め登録しておく必要がある。図20に、このために物品確認装置10において実行される登録処理を示す。
【0086】
ランダムパターンの特徴を登録する場合、オペレータは、ハンドル部40を把持して登録対象(本物)の物品12に読取り面40Aを押し当てて接触させ、且つ突き当て部46に当該物品12に固着されている保護材20の周縁部を突き当てることによって、当該物品12を位置決めした状態で、スイッチ16をONにする。
【0087】
図20に示すように、物品確認装置10は、スイッチ16がONされると、ステップS1からステップS2に進み、読取部14により登録対象(本物)の物品12から観測領域S内のランダムパターンを読み取る。
【0088】
詳しくは、制御回路82から読取部14へ読取指示を送出して、読取部14に観測領域S内のランダムパターンを読み取らせると共に、当該読取結果を示す信号を信号処理回路80で受信して、所定の信号処理を施し、観測領域S内のランダムパターンを表す画像データを得る。なお、観測領域Sについては、突き当て部46に保護材20の周縁部が突き当てられて物品12が位置決めされているので、保護材20の縁からの距離により容易に特定することができる。
【0089】
次のステップS3では、特徴量抽出部84により、観測領域S内のランダムパターンを表す画像データを予め定められたステップで量子化・標本化し、モザイク状の画像に変換して、ステップS4に進み、量子化標本化後の画像データから特徴ベクトル(又は分散共分散行列又は相関行列)を算出する。
【0090】
そして、最後にステップS5で、算出した特徴ベクトル(又は分散共分散行列又は相関行列)を表すデータを第1の特徴情報としてメモリ86に格納して、図16の登録処理は終了される。これにより、本物の物品12のランダムパターンの特徴が第1の特徴情報としてメモリ86に登録されることになる。
【0091】
次に、確認対象の物品12の真偽を確認する場合について説明する。図21に、このために物品確認装置10において実行される物品12の確認処理を示す。
【0092】
オペレータは、物品12を確認する場合も、オペレータは、ハンドル部40を把持して確認対象の物品12に読取り面40Aを押し当てて接触させ、且つ突き当て部46に当該物品12に固着されている保護材20の周縁部を突き当てることによって、当該物品12を位置決めした状態で、スイッチ16をONにする。
【0093】
図21に示すように、物品確認装置10は、スイッチ16がONされると、ステップS10からステップS11に進み、読取部14により確認対象の物品12から観測領域S内のランダムパターンを読み取る。
【0094】
そして、その結果得られた観測領域S内のランダムパターンを表す画像データを、次のステップS12で予め定められたステップで量子化・標本化し、モザイク状の画像に変換して、次のステップS13で、第2の特徴情報としての特徴ベクトルを算出する。なお、ステップS11〜ステップS13の処理については、登録処理(図20のステップS2〜ステップS4)と同様であるため詳細な説明は省略する。
【0095】
次のステップS14では、比較部88により、メモリ86に登録されている全ての第1の特徴情報を順に読み出して、読み出した各第1の特徴情報を前述のステップS13で求めた第2の特徴情報と比較する。この比較の結果、両者の類似度の最大値が予め設定した所定の閾値以上であれば、次のステップS15からステップS16に進み、確認対象の物品12は「本物」であると判定し、それ以外の場合には、ステップS15からステップS17に進み、「偽物」であると判定する。
【0096】
すなわち、第2の特徴情報と全ての第1の特徴情報との類似度を求め、基本的には、最も類似度の高い第1の特徴情報に対応する物品12の「本物」であると判定するが、最も類似度が高くても、予め設定した閾値よりも類似度が低い場合は、「偽物」と判定されることになる。
【0097】
なお、このとき用いる閾値については、第1、第2の特徴情報の誤差(読取部14による読取誤差、量子化標本化誤差など)を見込んで、所定の許容範囲を設けて設定することが好ましい。すなわち、真偽判定を厳しく行うか、甘くするかの要求に応じて、閾値の大きさを適宜選択すればよい。また、物品12の種類によって許容範囲が異なる、すなわち、物品12毎に閾値が異なる場合もあるので、本物の物品12の第1の特徴情報を登録する際に、当該物品12に適切な閾値を第1の特徴情報と対応付けてメモリ86に登録しておき、確認時には、それぞれの第1の特徴情報に対応付けられた閾値を用いて真偽を判別すればよい。
【0098】
また、照合時に何らかの操作ミスや位置ずれなどの事故が発生する場合があるため、複数回の判定結果により最終的な判定を下すようにしたり、比較結果が本物の物品であると判定しない場合に所定の回数まで再試行を認めるようにしてもよい。
【0099】
そして、最後に、ステップS18で、判定結果信号出力部90から「本物」或いは「偽物」の判定結果を示す信号を出力して、図21の確認処理は終了される。
【0100】
このように第1の実施の形態では、確認対象の物品12から得た第2の特徴情報を、登録されている全ての第1の特徴情報と比較する場合(所謂識別)を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。識別符号を用いて、対応する第1の特徴情報を選択し、第2の特徴情報は必ず1つの第1の特徴情報とのみ比較される(所謂照合)ようにしてもよい。特に、第1の特徴情報の登録数が多数になると、上記のように第2の特徴情報を全ての第1の特徴情報と比較するのでは、物品12の確認処理に時間がかかるため、識別符号を用いる方が好ましい。
【0101】
<第2の実施の形態>
以下、第2の実施の形態として、識別符号を用いる場合について説明する。なお、以下では、第1の実施の形態と同一の部材については同一の符号を付与し、第1の実施の形態と異なる部分のみ詳細に説明する。
【0102】
第2の実施の形態では、図22に示すように、物品12に固着された(或いは固着される)保護材20の表面で、且つランダムパターンを観測する観測領域Sとは異なる部分に、当該物品12を識別するための識別符号110が予め記録されている。なお、識別符号は、物品12に記録してもよい。この識別符号110は、文字や数字などの文字列であってもよいし、バーコードでもよいし、コード化された特殊な記号であってもよく、図22(A)は識別符号110を表すバーコードを記録した例、(B)は識別符号110を二次元バーコード化した例である。
【0103】
図23に、第2の実施の形態に係る物品確認装置の概略構成図を示す。なお、図23では、図11と同一の部材については同一の符号を付与して示しており、以下では詳細な説明を省略する。
【0104】
図23に示すように、第2の実施の形態に係る物品確認装置10は、識別符号読取手段として、識別符号110を読取るための識別符号用読取部120と、識別符号用読取部120による読取結果から識別符号を抽出する識別符号抽出部122と、が更に設けられている点が第1の実施の形態と異なる。なお、識別符号用読取部120は、読取部14と同様の構成のものでよいため、詳細な構成の説明は省略する。また、この識別符号用読取部120は、物品12上の保護材20から識別符号110を読み取り可能な位置に設けられていることは言うまでもない。また、読取部14の図路しないレンズユニット(光学系)の焦点は、保護材20表面に合焦するように設計することが好ましい。
【0105】
識別符号用読取部120は、識別符号抽出部122と接続されており、識別符号用読取部120による読取結果を表す画像データは識別符号抽出部122に入力される。識別符号抽出部122は、入力された画像データを読取りデコード処理するなどして、識別符号を抽出する。識別符号抽出部122は、判定部18と接続されており、判定部18には識別符号抽出部122により抽出された識別符号が通知されるようになっている。
【0106】
判定部18では、登録時は、特徴量抽出部84において、通知された識別符号と対応付けて第1の特徴情報をメモリ86に登録する。また判定部18では、確認時は、比較部88において、通知された識別符号と対応付けてメモリ86に登録されている第1の特徴情報を読み出し、読み出した第1の特徴情報を第2の特徴情報と比較し、両者の類似度に応じて確認対象の物品12の真偽を判定すればよい。
【0107】
次の、第2の実施の形態に係る物品確認装置10の動作を説明する。図24に、第2の実施形態に係る物品確認装置10で行われる登録処理を示す。なお、図24では、図20と同様の処理については同一のステップ番号を付与して示しており、以下では詳細な説明を省略する。
【0108】
図24に示すように、物品確認装置10では、スイッチ16がONされると、ステップS1からステップS30に進み、登録対象(本物)の物品12の識別符号を取得する。詳しくは、識別符号用読取部120により、物品12上の保護材20から識別符号が記録されている領域を読取って画像データを取得し、識別符号抽出部122により、この画像データから識別符号を抽出する。
【0109】
物品確認装置10では、続いてステップS2において、第1の実施の形態と同様に、読取部14により登録対象(本物)の物品12から観測領域S内のランダムパターンを読み取り、その結果得られた観測領域S内のランダムパターンを表す画像データを、次のステップS3で予め定められたステップで量子化・標本化し、モザイク状の画像に変換して、次のステップS4で、第1の特徴情報として特徴ベクトルを算出する。
【0110】
そして、最後にステップS31で、ステップS4で求めた第1の特徴情報を、ステップS30で取得した識別符号と対応付けてメモリ86に格納して、図24の登録処理は終了される。これにより、メモリ86には、第1の特徴情報と共に識別符号が登録されることになる。
【0111】
次に、図25に、第2の実施形態に係る物品確認装置10で行われる確認処理を示す。なお、図25では、図21と同様の処理については同一のステップ番号を付与して示しており、以下では詳細な説明を省略する。
【0112】
図25に示すように、物品確認装置10では、スイッチ16がONされると、ステップS10からステップS40に進み、確認対象の物品12から前述した図24のステップS30と同様に識別符号を取得してからステップS11に進む。そして、ステップS11では、読取部14により確認対象の物品12から観測領域S内のランダムパターンを読み取り、その結果得られた観測領域S内のランダムパターンを表す画像データを、次のステップS12で予め定められたステップで量子化・標本化し、モザイク状の画像に変換して、次のステップS13で、第2の特徴情報として特徴ベクトルを算出する。
【0113】
そして、ステップS41に進み、比較部88により、ステップS40で取得され識別符号と対応する第1の特徴情報をメモリ86から読み出し、次のステップS42で、この読み出した第1の特徴情報とステップS13で求めた第2の特徴情報とを比較する。この比較の結果、両者の類似度が所定の閾値以上であれば、次のステップS43からステップS16に進み、確認対象の物品12は「本物」であると判定し、それ以外の場合はステップS43からステップS17に進み、「偽物」であると判定する。
【0114】
なお、このとき用いる閾値については、第1の実施の形態と同様に、許容範囲を設けて設定することが好ましく、真偽判定を厳しく行うか甘くするかの要求に応じて、閾値の大きさを適宜選択すればよい。また、物品12の種類によって許容範囲が異なる場合には、第1の特徴情報の登録時に、識別符号と共に閾値についてもメモリ86に登録しておくとよい。また、複数回の判定結果により最終的な判定を下すようにしたり、「偽物」と判定された場合には所定回数まで再試行を認めるようにしてもよい。
【0115】
そして、最後に、ステップS18で、「本物」或いは「偽物」の判定結果を示す信号を出力して図25の確認処理は終了される。
【0116】
なお、第2の実施の形態では、識別符号用読取部120及び識別符号抽出部122により、識別符号を取得するようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、読取部14に識別符号読取手段の機能も担わせて、識別符号についても読取部14で読取り可能とすれば、識別符号用読取部120を省略することができる。この場合、前述したように、ランダムパターンの読取り時には、保護材20表面にできる傷の影響を避けるため、レンズユニット62(光学系)の焦点が物品12の表面に合焦するようにすることが好ましいが、保護材20表面に識別符号が記録されている場合は、識別符号の読取り時は、保護材20表面に合焦するように焦点を可変にすることが好ましい。このような目的のためには被写界深度が数十〜数百μm程度と浅い光学系が望ましい。
【0117】
また、識別符号110を文字列で印字すれば、オペレータが目視で読取ることも可能であるので、オペレータがキーボードなどから識別符号を入力するようにしてもよい。この場合は、識別符号用読取部120及び識別符号抽出部122を省略可能である。
【0118】
<その他の実施の形態>
なお、第2の実施の形態では、本物の物品12と当該物品のランダムパターンの特徴である第1の特徴情報とを対応付けるために識別符号110を用いたが、識別符号110を用いずとも本物の物品12と当該物品のランダムパターンの特徴とを対応付けることは可能である。すなわち、その他の形態として、本物の物品12に、当該物品のランダムパターンの特徴である第1の特徴情報を記録するようにしてもよい。
【0119】
具体的には、図23に点線で示すように物品確認装置10の判定部18に、記録手段としてプリンタ124を接続し、このプリンタ124より、当該物品12の表面或いは当該物品12上の保護材20表面に、第1の特徴情報を符号化するなどして印刷すれば、物品12と当該物品のランダムパターンの特徴とを対応付けることも可能である。このように本物の物品12自体に第1の特徴情報を記録した場合には、識別符号用読取部120又は読取部14を特徴情報読取手段として用いて、当該物品12の表面から第1の特徴情報を読み取って照合に用いればよい。また、この場合、メモリ86を省略できるという効果もある。
【0120】
また、第1の特徴情報として、読取部14によって本物の物品12から読取ったランダムパターンの画像を当該物品12に記録するようにしてもよい。この場合は、確認時に、ランダムパターンの画像を読取って特徴ベクトルを求めて、第2の特徴情報と照合すればよい。
【0121】
<まとめ>
このように、物品確認装置10では、物品12自体が元来有しているランダムパターンを利用して、個々の物品12の識別や照合を行うことができるため、高度な印刷技術や、特殊インク、偽造防止シート、ホログラム、ICチップといった物品12以外の異物を用いる従来技術と比べて、非常に簡単且つ低コストで実現可能である。また、ランダムパターンは、人工的に生成された情報と異なり、制御できない物品12が有するパターンであるため、偽造は非常に困難である。
【0122】
また、仮にこのようなランダムパターンが何らかの方法で偽造されたとしても、識別・照合に用いる情報に用いるランダムパターンは、物理的に存在する連続量であるから、物品を痛めることなく即座により高精細な解像度で登録したり、物品12上におけるランダムパターンを観測する位置(観測領域S)を変えたり、或いは複数箇所にする等の方法によって、より強固に偽造防止することができる。
【0123】
また、物品12表面の少なくともランダムパターンを観測する観測領域Sを含む部分に保護材20を固着して当該部分をカバーしているので、当該部分のランダムパターンを保護・固定化することができ、安定してランダムパターンを読取ることができる。すなわち、物品12の表面の観測領域Sは保護材20により保護されているので、傷や汚れが付くことがなく、ランダムパターンの変化を防止できる。また布製品や皮製品などのように形状が変化する物品であっても、物品12の表面の観測領域Sは保護材20により固定されているので、ランダムパターンの変化を防止できる。これにより、高精度に真贋判定を行うことができる。
【0124】
また、物品12に対しては、その表面の少なくとも観測領域Sとする部分を保護材20でカバーすることにより当該部分のランダムパターンを保護・固定化し、且つ必要に応じて(確認処理に照合を採用する場合のみ)識別符号を記録するだけでよいので、物品製造後に、偽造品が出回るなどの理由で偽造防止が必要になった場合でも対応可能である。さらには、偽造防止が不要なった場合には、物品12又は保護材20に記録されている識別符号を塗り潰すなどして読み取れなくしたり、物品12から保護材20を剥がし取るなどすれば、当該物品12の真贋を確認不能にすることができる。すなわち、必要時のみ、真贋確認可能にすることができる。
【0125】
さらには、非接触ICを用いる従来技術では、ユーザの知らぬ間に非接触ICから情報が読み出される可能性があったが、物品確認装置10では、物品12の真贋を確認する時には、物品12から微小なランダムパターンを読み取るために読取部14を物品12に接触させる必要があるため、ユーザの知らぬ間に当該物品12を識別・照合するための情報が盗み読まれるのを防止することができ、プライバシー保護の観点においても従来技術よりも優れている。
【0126】
ところで、上記では、物品自体に元来存在するランダムパターンを透明フィルムなどの保護材20で保護固定して利用する場合を述べてきたが、滑らかな表面に成形されて表面が一様なパターンを有する樹脂や、表面を鏡面研磨処理した金属やガラス等、ランダムパターンを観測し難い物品もある。このようなランダムパターンを観測し難い物品については、故意に傷をつけるなどしてランダムパターンを形成すればよい。
【0127】
例えば、表面の一部にグラインダー等による機械加工を施したり、エッチング等の化学的方法で故意にランダムパターンを付すことができる。このような傷は故意に付けるものであるが、付けられた傷面を拡大した場合に観察されるパターンは制御不能なランダムパターンであることは言うまでもない。前述した図7、図8は、このようにして形成されたランダムパターンの例と見ることも出来る。
【0128】
また、ランダムパターンを観測し難く、且つ故意に傷をつけることもできない物品も多く存在する。この場合、物品12の代わりに、保護材20側にランダムパターンを形成する方法が有効である。
【0129】
例えば、図13、図14に示したような透明フィルムを保護材20として用いる場合であれば、透明フィルムの保護層20Aやその粘着層20B中にランダムパターンを形成することで、擬似的に当該物品表面にランダムパターンを得ることができる。具体的には、例えば、その粘着層20Bに不定形な平均粒径15μm程度の金属微粒子を分散させておけば良い。粘着層中20Bの微粒子は、物品12に貼付するまで不安定であるため、事前に微粒子が作りだすランダムパターンを盗みすことは意味が無い。また、物品12に貼付された時点で作られたこの微粒子によるランダムパターンは、物品12から透明フィルム、すなわち保護材20が剥がされれば崩れるため、再利用することはできない。
【0130】
このように、粘着層20Bによって物品12に固着された時点での微粒子のランダムパターンは、前述のような物品12が元来持っているランダムパターンと同様に機能する。
【0131】
なお、この場合の微粒子には、金属微粒子の他にも、樹脂紛、セラミック、ガラスなどを用いることができる。また、微粒子の代わりに、空隙であってもよい。ただし、形状については、球状よりは不定形の方が、ランダムにパターンを発生させる確率が高いので望ましい。また、平均粒子径については、ランダムパターンの再現をより困難にすることを考慮すれば、数μm〜数十μmのものが好適である。また、セルロースや樹脂、金属、ガラス等の繊維を粘着層に分散させてもランダムパターンを形成することができる。繊維の平均径数μm〜数十μm、長さ数十μm〜数mmのものが好適である。また、クレープ紙やフラット紙を支持体とする粘着層付のフィルムを用いる簡便な方法もある。この場合、当該物品にフィルムを貼付する前に支持体の繊維パターン、即ちランダムパターンを読み取ることが可能なため、事前に識別マークや特徴情報を記述した2次元コード等をフィルム上に印刷しておくことができる。但し、ランダムパターンが事前に固定されているため、不正利用されないようフィルムの管理を確実に行う必要がある。
【0132】
また、このように物品12の代わりに、保護材20側に形成したランダムパターンを用いる場合には、保護材20は透明でなくてもよい。ただし、物品12上で保護材20が視覚的に目立つのを防止するためには、透明な方が好ましい。
【0133】
また、保護材20が汚損されたり傷が付いたりして、ランダムパターンを正常に読取れなくなる可能性もある。このためには、図12(B)に点線で示すように、保護材20上を、透明な第2の保護材130により更にカバーすればよい。この場合、第2の保護材130は、保護材20から簡単に剥がすことができるように、例えば感圧接着性の粘着層を有することが好ましい。
【0134】
【発明の効果】
上記に示したように、本発明は、偽造防止効果の向上を図ると共に、容易且つ高精度で物品の真贋を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 不織布表面の顕微鏡拡大図である。
【図2】 CD−ROM表面の印刷部の顕微鏡拡大図である。
【図3】 図2とは異なるCD−ROM表面の印刷部の顕微鏡拡大図である。
【図4】 ゴム表面の顕微鏡拡大図である。
【図5】 セラミック表面の顕微鏡拡大図である。
【図6】 ラメ塗装表面の顕微鏡拡大図である。
【図7】 ステンレス鋼材表面の顕微鏡拡大図である。
【図8】 図7とは別のステンレス鋼材表面の顕微鏡拡大図である。
【図9】 半透明樹脂の顕微鏡拡大図である。
【図10】 皮革表面の顕微鏡拡大図である。
【図11】 第1の実施形態に係る物品確認装置の概略構成を示すブロック図である。
【図12】 (A)は物品の上面、(B)は物品の断面図である。
【図13】 透明フィルムを保護材として用いた場合の物品の状態を示す図である。
【図14】 透明フィルムの断面図である。
【図15】 物品確認装置の読取部の一例を示す外観図である。
【図16】 読取部の詳細構成図である。
【図17】 (A)は、図6で示したラメ塗装表面を有する物品からランダムパターンの読取り結果を示す画像、(B)は(A)の画像を量子化標本化した結果表す画像の一例である。
【図18】 図17の物品における保護材及び観測領域の例を示す図である。
【図19】 保護材上に位置検出用のマークを付した例を示す図である。
【図20】 第1の実施形態に係る物品確認装置で行われる登録処理を示すフローチャートである。
【図21】 第1の実施形態に係る物品確認装置で行われる確認処理を示すフローチャートである。
【図22】 (A)、(B)は、第2の実施形態に係る物品に固着した(固着される)保護材の一例を示す図である。
【図23】 第1の実施形態に係る物品確認装置の概略構成を示すブロック図である。
【図24】 第2の実施形態に係る物品確認装置で行われる登録処理を示すフローチャートである。
【図25】 第2の実施形態に係る物品確認装置で行われる確認処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 物品確認装置
12 物品
14 読取部
18 判定部
20 保護材
40 ハンドル部
42 読取面
46 突き当て部
80 信号処理回路
82 制御回路
84 特徴量抽出部
86 メモリ
88 比較部
90 判定結果信号出力部
110 識別符号
120 識別符号用読取部
122 識別符号抽出部
130 第2の保護材

Claims (6)

  1. 表面に物品を識別するための識別符号が記録された保護材が固着され、かつ表面にランダムパターンを有する登録対象の物品の表面の保護材固着部分からランダムパターンを読み取る読取手段と、
    前記保護材から識別符号を読み取る識別符号読取手段と、
    前記読取手段で保護材固着部分からランダムパターンを読み取るため、または前記識別符号読取手段で保護材から識別符号を読み取るために、前記保護材の外縁部が突き当てられることにより保護材固着部分または保護材が読取位置に対応するように位置決めする位置決め手段と、
    前記読取手段により読み取ったランダムパターンの特徴を示す特徴情報を、前記識別符号読取手段で読み取った識別符号と対応付けて記憶する記憶手段と、
    を有することを特徴とする物品登録装置。
  2. 物品を識別するための識別符号が記録された保護材が固着された確認対象の物品の表面の保護材固着部分からランダムパターンを読み取る読取手段と、
    前記保護材から識別符号を読み取る識別符号読取手段と、
    前記読取手段で保護材固着部分からランダムパターンを読み取るため、または前記識別符号読取手段で保護材から識別符号を読み取るために、前記保護材の外縁部が突き当てられることにより保護材固着部分または保護材が読取位置に対応するように位置決めする位置決め手段と、
    前記読取手段で読み取ったランダムパターンの特徴を示す特徴情報を、予め特徴情報及び識別符号を対応付けて記憶した記憶手段に記憶され、かつ、前記識別符号読取手段により読み取った識別符号に対応する特徴情報と比較し、該比較結果に基づいて、物品の真贋を確認する確認手段と、
    を有することを特徴とする物品確認装置。
  3. 表面に物品を識別するための識別符号が記録された保護材が固着され、かつ表面にランダムパターンを有する登録対象の物品の表面の保護材固着部分からランダムパターンを読み取る第1の読取手段と、
    前記登録対象の物品に固着された保護材から識別符号を読み取る第1の識別符号読取手段と、
    前記第1の読取手段により読み取ったランダムパターンの特徴を示す特徴情報を、前記第1の識別符号読取手段で読み取った識別符号と対応付けて記憶する記憶手段と、
    物品を識別するための識別符号が記録された保護材が固着された確認対象の物品の表面の保護材固着部分からランダムパターンを読み取る第2の読取手段と、
    前記確認対象の物品に固着された保護材から識別符号を読み取る第2の識別符号読取手段と、
    前記第1の読取手段及び前記第2の読取手段で保護材固着部分からランダムパターンを読み取るため、または前記第1の識別符号読取手段及び前記第2の識別符号読取手段で保護材から識別符号を読み取るために、前記保護材の外縁部が突き当てられることにより保護材固着部分または保護材が読取位置に対応するように位置決めする位置決め手段と、
    前記第2の読取手段で読み取ったランダムパターンの特徴を示す特徴情報を、前記記憶手段に記憶され、かつ、前記第2の識別符号読取手段により読み取った識別符号に対応する特徴情報と比較し、該比較結果に基づいて、物品の真贋を確認する確認手段と、
    を有することを特徴とする物品登録確認装置。
  4. 表面に保護材が固着され、かつ表面にランダムパターンを有する登録対象の物品の表面の保護材固着部分からランダムパターンを読み取る読取手段と、
    前記読取手段で保護材固着部分からランダムパターンを読み取るために、前記保護材の外縁部が突き当てられることにより保護材固着部分が読取位置に対応するように位置決めする位置決め手段と、
    前記読取手段により読み取ったランダムパターンの特徴を示す特徴情報を符号化して前記保護材に記録する記録手段と、
    を有することを特徴とする物品登録装置。
  5. 物品の表面のランダムパターンの特徴を示す特徴情報を符号化して記録した保護材が固着された確認対象の物品の表面の保護材固着部分からランダムパターンを読み取る読取手段と、
    前記読取手段で保護材固着部分からランダムパターンを読み取るために、前記保護材の外縁部が突き当てられることにより保護材固着部分が読取位置に対応するように位置決めする位置決め手段と、
    前記読取手段により読み取ったランダムパターンの特徴を示す特徴情報を、前記保護材に記録された特徴情報と比較し、該比較結果に基づいて、前記確認対象の物品の真贋を確認する確認手段と、
    を有することを特徴とする物品確認装置。
  6. 表面に保護材が固着され、かつ表面にランダムパターンを有する登録対象の物品の表面の保護材固着部分からランダムパターンを読み取る第1の読取手段と、
    前記第1の読取手段により読み取ったランダムパターンの特徴を示す特徴情報を符号化して前記保護材に記録する記録手段と、
    物品の表面のランダムパターンの特徴を示す特徴情報を符号化して記録した保護材が固着された確認対象の物品の表面の保護材固着部分からランダムパターンを読み取る第2の読取手段と、
    前記第1の読取手段及び前記第2の読取手段で保護材固着部分からランダムパターンを読み取るために、前記保護材の外縁部が突き当てられることにより保護材固着部分が読取位置に対応するように位置決めする位置決め手段と、
    前記第2の読取手段により読み取ったランダムパターンの特徴を示す特徴情報を、前記確認対象の物品に固着された保護材に記録された特徴情報と比較し、該比較結果に基づいて、前記確認対象の物品の真贋を確認する確認手段と、
    を有することを特徴とする物品登録確認装置。
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