JP4992375B2 - 樹脂層読取方法、樹脂層識別照合方法、樹脂層読取装置および樹脂層識別照合装置 - Google Patents

樹脂層読取方法、樹脂層識別照合方法、樹脂層読取装置および樹脂層識別照合装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4992375B2
JP4992375B2 JP2006283762A JP2006283762A JP4992375B2 JP 4992375 B2 JP4992375 B2 JP 4992375B2 JP 2006283762 A JP2006283762 A JP 2006283762A JP 2006283762 A JP2006283762 A JP 2006283762A JP 4992375 B2 JP4992375 B2 JP 4992375B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin layer
observation
pattern image
base material
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006283762A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008102676A (ja
Inventor
健介 伊藤
正 清水
哲也 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd, Fujifilm Business Innovation Corp filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2006283762A priority Critical patent/JP4992375B2/ja
Publication of JP2008102676A publication Critical patent/JP2008102676A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4992375B2 publication Critical patent/JP4992375B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Credit Cards Or The Like (AREA)
  • Inspection Of Paper Currency And Valuable Securities (AREA)

Description

本発明は、有価証券や、各種の権利書、保険証書、住民票、出生証明書、保証書、旅券、銀行券、機密文書等の文書に形成される樹脂層を読み取りの真偽を判定する際に用いて好適な樹脂層読取方法、樹脂層識別照合方法、並びに樹脂層読取装置、樹脂層識別照合装置に関する。
近年、文書の電子化が急速に進むなかで、紙等の記録媒体に印字された文書の重要性や有用性が見直され、これに伴って文書を出力(印刷)して発行される各種の記録媒体の原本性や真正性などを確保するために、記録媒体の真偽を的確に判定する技術が求められている。一般に、記録媒体(書類)の偽造防止の手段としては、記録媒体そのものに識別符号を印刷するとともに、この識別符号を印刷するにあたって、偽造を困難にするために高度な印刷技術や入手困難な特殊なインクを用いる方法が知られている。また、これ以外にも、ホログラフのような特殊な技術による偽造防止シートを貼付する方法が知られている。
また、識別符号無しに個々の記録媒体(書類)を弁別する技術として、例えば、紙等の媒体に発色反応を呈する反応体や、紫外線照射によって蛍光色を発する細片、赤外線吸収繊維や細片等を抄紙工程で紙に漉き込むことにより、ランダムな異物パターンを形成する方法が示されている(例えば、特許文献1〜4参照)。その他にも、磁性材料をランダムパターンに付与する方法や、スレッドを用紙中に挿入する技術(例えば、特許文献4または5参照)等が存在する。さらに、識別符号とともにシート(用紙)中にランダムパターンを形成する機能性材料を付与することで偽造を防止する方法が開示されている(例えば、特許文献6参照)。また、赤外吸収インクによって不可視パターンを印刷して偽造防止を図る方法が開示されている(例えば、特許文献7または8参照)。
しかし、上述したような特殊印刷や機能性材料等の異物混入技術は、通常の紙との区別が第1の目的であり、銀行券のような大量発行物での利用が想定されている。そのため、不可視の機能性材料を漉き込む技術であっても、そのランダムパターンを利用した個別の紙の識別や照合は行われていない。この場合、個々の紙の分離(区別)は識別符号という可視情報を用いて行われる。
銀行券や証券等のように基本的に同一券種、同一の証券では、識別符号を除いて印刷内容が同一であるため、偽造犯にとっては上記機能性材料を漉き込む技術等を一度習得すれば、大量偽造が可能になるという問題がある。ここでは識別符号は偽造券の特定手段でしかなく、偽造防止には限界がある。
各種の証明書や機密文書のように印刷内容が個々に異なるような場合でも、原本性を確保する手段としては、やはり識別符号の印刷や機能性材料を漉き込む等の特殊紙、あるいはそれらの技術を併用することが最善である。しかし、銀行券や証券のように特定の印刷所で大量に印刷する場合と異なり、企業や地方自治体等で限られた量を印刷する場合は、特殊紙や特殊な印刷技術を用いるこれらの方法では高コストという問題が生ずる。
また、パーソナルコンピュータとネットワーク技術の進展によって、オンデマンドで何処でも手軽に証明書等、原本性を保証すべき文書を出力したいという要求が強まっている。このような要求に応えるためには、特殊紙あるいは特殊なインク等の消耗品の入手性が良くならなければならない。しかし、特殊紙や特殊インクを用いる技術は、元々消耗品の入手が困難であるゆえに偽造の抑止効果を期待するものであるから、その入手性を良くすることは偽造防止の抑止効果を失するという相矛盾した結果を招いてしまう。
さらに、個々の紙を分離できる機能性材料等の異物をランダムパターンとして混入した特殊紙は、高コストであるだけでなく、一般に流通するものではない。そのため、用紙切れによる出力不能という事態も起り得る。
これらの欠点を解決する手段として、各種書類の原本性を確保でき、低コストで、詐称が困難である紙の識別照合技術が開示されている(例えば、特許文献9参照)。この技術は、紙を形成する植物繊維が不定形に絡み合った状態で該植物繊維が作り出すランダムなパターンを個々に照合する一意識別、偽造防止技術である。
また、書類に記録された画像の再現不能な乱れ部を読み取り、特徴を抽出して、識別照合する技術が開示されている(例えば、特許文献10参照)。この技術は、書類に対する画像形成材料の飛び散りの状態や浸透ムラの状態、形状再現の不完全性、画像形成材料の低被覆率時の微視的な不均一性等、記録媒体上に記録された画像に含まれる当該画像の記録時には制御できなかった微視的な画像の乱れを、透過光或いは反射光を受光することによって読み取り、事前に記憶した特徴情報と比較して識別照合する技術である。
特開平6−287895号公報 特開平7−166498号公報 特開平8−120598号公報 特開平10−269333号公報 特開平10−219597号公報 特開2002−83274号公報 特開平6−210987号公報 特開2002−146254号公報 特開2004−102562号公報 特開2004−153405号公報
しかし、これらの技術は、記録媒体である基材の種類によってはその表面に照合に必要な程度のランダムパターンを観測できないことがある。例えば、基材である紙表面の平滑性が高く紙面そのままではランダムパターンを観測し難い場合や、紙ではなくOHPシートのような平滑なプラスチックフィルム等では、上記ランダムパターンが観測できない。
また、基材が紙であると、水に濡れて紙の繊維パターンが崩れ照合不能になるなど安定性に欠ける。
そのため、基材の種類を選ばず、且つ安定性に優れた読取技術、および識別照合技術が求められていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、記録媒体である基材の選択性に優れ、水等に対する良好な安定性を有する樹脂層読取方法、樹脂層識別照合方法、並びに樹脂層読取装置、樹脂層識別照合装置を提供することにある。
上記目的は、以下の本発明によって達成される。即ち、本発明の樹脂層読取方法は、
<1> 基材表面、樹脂を付与し固着させることによって樹脂による不定形な表面凹凸形状を有する樹脂層を形成し強制的にランダムなパターン画像を形成する樹脂層形成工程と、前記樹脂層の表面凹凸形状のランダムなパターン画像を観測する観測工程と、前記観測工程で観測された前記パターン画像の特徴量を抽出する抽出工程と、を含む樹脂層読取方法である。
<2> 前記観測工程は、前記樹脂層に光を照射した際に得られる前記樹脂層からの反射光を受光することにより、前記パターン画像を観測する前記<1>記載の樹脂層読取方法である。
<3> 前記抽出工程は、前記パターン画像の濃度データまたは前記パターン画像の特徴点の位置データを用いて前記特徴量を抽出する前記<1>記載の樹脂層読取方法である。
<4> 前記基材上で前記パターン画像を観測するための観測領域を特定する特定工程を有する前記<1>記載の樹脂層読取方法である。
<5> 前記ランダムな表面凹凸形状を有する樹脂層は、表面の中心線平均粗さRaが0.1μm以上1000μm以下である前記<1>記載の樹脂層読取方法である。
<6> 前記樹脂層形成工程は、電子写真方式によって前記樹脂層を形成する前記<1>記載の樹脂層読取方法である。
<7> 前記樹脂層形成工程は、熱転写記録方式によって前記樹脂層を形成する前記<1>記載の樹脂層読取方法である。
また、本発明の樹脂層識別照合方法は、
<8> 基材表面、樹脂を付与し固着させることによって樹脂による不定形な表面凹凸形状を有する樹脂層を形成し強制的にランダムなパターン画像を形成する樹脂層形成工程と、前記樹脂層の表面凹凸形状のランダムなパターン画像を観測する第1の観測工程と、前記第1の観測工程で観測された前記パターン画像の特徴量を抽出する第1の抽出工程と、前記第1の抽出工程で抽出された特徴量を記憶する記憶工程と、比較対照となる基材の表面上に形成された樹脂層の表面凹凸形状のランダムなパターン画像を観測する第2の観測工程と、前記第2の観測工程で観測された前記パターン画像の特徴量を抽出する第2の抽出工程と、前記第2の抽出工程で抽出された特徴量と前記記憶工程で記憶された特徴量とを比較し前記第2の観測工程で観測した比較対照となる基材が前記第1の観測工程で観測した基材と同一のものであるか否かを識別照合する比較工程と、を含む樹脂層識別照合方法である。
また、本発明の樹脂層読取装置は、
<9> 基材表面樹脂を付与し固着させることによって形成された樹脂層の、樹脂による不定形な表面凹凸形状のランダムなパターン画像を観測する観測手段と、前記観測手段で観測された前記パターン画像の特徴量を抽出する抽出手段と、を含む樹脂層読取装置である。
更に、本発明の樹脂層識別照合装置は、
<10> 基材表面樹脂を付与し固着させることによって形成された樹脂層の、樹脂による不定形な表面凹凸形状のランダムなパターン画像を観測する第1の観測手段と、前記第1の観測手段で観測された前記パターン画像の特徴量を抽出する第1の抽出手段と、前記第1の抽出手段で抽出された特徴量を記憶する記憶手段と、比較対照となる基材の表面上に形成された樹脂層の表面凹凸形状のランダムなパターン画像を観測する第2の観測手段と、前記第2の観測手段で観測された前記パターン画像の特徴量を抽出する第2の抽出手段と、前記第2の抽出手段で抽出された特徴量と前記記憶手段に記憶された特徴量とを比較し前記第2の観測手段で観測した比較対照となる基材が前記第1の観測手段で観測した基材と同一のものであるか否かを識別照合する比較手段と、を含む樹脂層識別照合装置である。
本発明によれば、記録媒体である基材の選択性に優れ、水等に対する良好な安定性を有する樹脂層読取方法、樹脂層識別照合方法、並びに樹脂層読取装置、樹脂層識別照合装置を提供することができる。
≪樹脂層読取方法および樹脂層識別照合方法≫
本発明の樹脂層読取方法は、基材表面、樹脂を付与し固着させることによって樹脂による不定形な表面凹凸形状を有する樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、前記樹脂層の表面凹凸形状のランダムなパターン画像を観測する観測工程と、前記観測工程で観測された前記パターン画像の特徴量を抽出する抽出工程と、を含むことを特徴とする。
上記樹脂層読取方法は、基材表面に表面形状が不定形(ランダム)となる樹脂層を固着させることで強制的にランダムパターンを形成し、該樹脂層のランダムパターンを観測することによって、該ランダムパターンの特徴量を抽出し得る方法である。
樹脂層によるランダムな表面形状(凹凸)は、基材表面に樹脂が付与され加熱等の手段で定着されることによって形成されるものであり、基材表面のランダムパターン(例えば、紙の繊維によるランダムパターン)の影響が少ない。そのため、樹脂層を形成できる基材であれば、平滑性が高く表面凹凸が小さいために繊維のランダムパターンが観測できない紙やOHPシートなど如何なる基材においても、形成した樹脂層のランダムパターンを観測することによって上記特徴量を抽出することができる。また、樹脂層は水に濡れてもパターンが崩れる等の影響を受け難く、水に濡れた後であっても樹脂層のランダムパターンの観測が可能であり、優れた安定性を有する。
また、上記本発明の樹脂層読取方法を活用することにより、識別照合の技術を提供することができる。
即ち、本発明の樹脂層識別照合方法は、基材表面、樹脂を付与し固着させることによって樹脂による不定形な表面凹凸形状を有する樹脂層を形成し強制的にランダムなパターン画像を形成する樹脂層形成工程と、前記樹脂層の表面凹凸形状のランダムなパターン画像を観測する第1の観測工程と、前記第1の観測工程で観測された前記パターン画像の特徴量を抽出する第1の抽出工程と、前記第1の抽出工程で抽出された特徴量を記憶する記憶工程と、比較対照となる基材の表面上に形成された樹脂層の表面凹凸形状のランダムなパターン画像を観測する第2の観測工程と、前記第2の観測工程で観測された前記パターン画像の特徴量を抽出する第2の抽出工程と、前記第2の抽出工程で抽出された特徴量と前記記憶工程で記憶された特徴量とを比較し前記第2の観測工程で観測した比較対照となる基材が前記第1の観測工程で観測した基材と同一のものであるか否かを識別照合する比較工程と、を含むことを特徴とする。
上記樹脂層識別照合方法は、まず、前述の樹脂層読取方法によって基材表面に形成された樹脂層のランダムパターンを観測し抽出した特徴量を、第1の特徴量として記憶し、次いで、前述の樹脂層読取方法によって基材表面に形成された樹脂層のランダムパターンを観測し抽出した特徴量を第2の特徴量とし、前記第2の特徴量と前記第1の特徴量とを比較することによって識別照合を行い得る方法である。
前記本発明の樹脂層読取方法を適用しているため、基材の選択性に優れ且つ良好な安定性を有する。
以下、本発明を工程の順を追って詳細に説明する。
<樹脂層形成工程>
本発明における樹脂層形成工程においては、例えば、トナー粒子を基材(記録媒体)表面の特定位置に特定サイズにて固着させる(単色ベタ印刷)電子写真方式や、固体インクを溶融転写する熱転写記録方式、固体インクを昇華転写する昇華転写記録方式など、熱によってトナーやインクリボン等の樹脂を溶融して転写する方法が挙げられる。該方法であれば、基材の表面状態によらず樹脂層によるランダムな凹凸パターンを形成することができる。
また、電子写真方式や熱転写記録方式以外であっても、粉体トナーを用いるトナージェット方式やイオノグラフィ方式などの画像形成方法でも同様に樹脂層によるランダムパターンを形成することができる。
尚、上記のようにして形成される樹脂層のランダムパターンは、後述の観測工程において良好に観測を行い得るために適度な凹凸を有していることが好ましく、具体的には、形成される樹脂層の中心線平均粗さRaが0.1μm以上1000μm以下であることが好ましく、0.1μm以上100μm以下であることがより好ましい。
上記中心線平均粗さRaが0.1μm以上であることにより、ランダムパターンの凹部と凸部との密度が適当で、その凹凸形状を後述の観測工程によって採取することが容易となる。一方、中心線平均粗さRaが1000μm以下であることにより、ランダムパターンの偽造が困難となる。
ここで、上記中心線平均粗さRaは、JIS−B0651の方法に基づき、測定長さ4〜80mm、カットオフ値0.8〜8mmで測定した時の中心線平均粗さを三次元表面粗さ測定器(SE−3500、小坂研究所社製)を使用して測定することができる。
中心線平均粗さRaを上記範囲にするためには、用いる樹脂(トナーやインクリボン等)の種類や、樹脂の付与量、定着の際のエネルギー供給量(例えば、加熱の温度や時間)を調整することによって、制御可能である。
尚、高温高圧力など、定着プロセスの条件によってはその表面がなだらかとなり、樹脂層の中心線平均粗さRaが上記範囲を外れて、凹凸を観測し難くなる場合があるが、そのような定着条件による画像(樹脂層)はグロスが高く、一般には受け入れられないものと考えられる。
中心線平均粗さRaが上記範囲を満たす樹脂層であれば、顕微鏡レベルの微細な凹凸によって形成されたランダムパターンであり、凸部または凹部の幅はマイクロメートルオーダーと非常に小さく、これを使用者が偽造することは容易ではない。
−電子写真方式−
電子写真方式によって、トナーによるランダムな表面凹凸を形成する場合、トナー(通常、粒径2〜10μm)が溶融・合体することで、基材の表面形状(例えば、紙繊維のランダムパターン)の影響が少ない樹脂層のランダムパターンが形成される。従って、基材の平滑性が高く基材そのままではランダムパターンを観測し難い場合や、或いは、紙ではなくOHPシートのような平滑なプラスチックフィルムであっても、トナー画像を形成する電子写真プロセスを通すことで、簡単に基材上にランダムパターンを形成することができる。尚、表面に微細な凹凸を観測することができるトナー画像は、通常の電子写真プロセスで容易に形成することができる。
以下、図面を用いて、上記電子写真方式の樹脂層(以下、「画像」と称すことがある)形成について説明する。
図1は、本発明における電子写真方式の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図1に示すように、画像記録装置10は、表面に感光体層を備えてドラム状とされた像保持体としての感光体ドラム12を備える。感光体ドラム12は、アルミニウム等の金属製支持体(ドラム)に、電荷発生層、電荷輸送層を順次積層させた所謂機能分離型の感光体であり、感光体ドラム12の外径は直径84mmとされ、図1における時計回り方向(矢印A方向)に回転する。この感光体ドラム12を囲む円周上には、帯電器14、露光装置16、現像装置18、転写ベルト20、およびクリーニング装置34が、図1における時計回り方向(矢印A方向)に順次配設されている。
感光体ドラム12の上方には、感光体ドラム12に対向して帯電器14が配設されている。帯電器14は、金属製の芯金上にカーボンを含有するSBR(スチレンブタジエンゴム)からなる弾性層を形成し、弾性層の上に抵抗層としてイオン導電材を含有するECO(エピクロルヒドリンゴム)を成膜し、さらにその上にカーボンとSnO(導電性フィラー)とを含有するPA(ポリアミド)からなる表面層を成膜したものである。各層の厚みは、弾性層が2.8mm、抵抗層が150μm、表面層が10μmとされており、表面層を含む層全体の抵抗値は、10〜10Ωとされている。この帯電器14の芯金にDC電圧が印加されると、感光体ドラム12の表面12Aは、一様に負に帯電されるようになっている。なお、本実施形態では、感光体ドラム12に接触するタイプの帯電器14を用いたが、スコロトロンや固体放電器等のように、感光体ドラム12に接触しないタイプの帯電器を用いてもよい。
帯電器14の下流側には、露光装置(潜像形成手段)16が設けられている。露光装置16は、発光素子(LD)を備え、この発光素子(LD)のレーザ光を感光体ドラム12の回転方向とほぼ垂直に繰り返し走査可能とされている。発光素子(LD)が画像信号に基づいてON/OFFすることによって、回転駆動される感光体ドラム12の表面12Aに対して画像を書き込み、これにより、感光体ドラム12の表面12Aに潜像が形成されるようになっている。
露光装置16の下流側には、現像装置(現像手段)18が設けられている。現像装置18は、感光体ドラム12の表面12Aに、イエロー色、マゼンタ色、シアン色、ブラック色の各トナーを付着させて各色のトナー画像を形成するために、Y画像形成部18Y、M画像形成部18M、C画像形成部18C、およびBK画像形成部18Bが、図1における反時計回り方向に沿って円周状に配設されている。現像装置18が、露光装置16で形成された潜像にトナーを付着させることで、感光体ドラム12の表面12Aにはトナー像(可視像)が形成されるようになっている。
ここで、現像装置18で用いられる現像剤について説明する。
本発明における現像剤に用いられるトナーの製造方法は、例えば、混練粉砕法、懸濁重合法、乳化重合法、液中乾燥造粒法、等が挙げられるが、超小粒径トナーを工業的な製造コストで得るためには懸濁重合法、乳化重合法、液中乾燥造粒法が望ましく、乳化重合法によるトナー製造法が最も望ましい。
乳化重合法を用いたトナーの製造法は、特開平6−250439号公報などに記載されている。この方法は、界面活性剤を用いて乳化重合させ樹脂粒子分散液を調製し、他方、着色剤を分散させた着色剤分散液を調製し、これらの分散液を混合した後、前記の界面活性剤と反対の電気極性を有する界面活性剤を添加して、上記の樹脂粒子と着色剤を所望の粒子径になるまで凝集させ(凝集工程)、その後、凝集粒子を所望の粒子径で安定化させた後、凝集粒子を樹脂粒子のガラス転移点(Tg)以上の温度で融合させ(融合工程)、トナーを作製するものである。非イオン性界面活性剤は、乳化重合や着色剤分散液を調製するときに、粒子の分散安定性を確保するために添加する。
また、前記凝集工程と融合工程との間に、凝集粒子分散液中に、粒子を分散させた粒子分散液を添加混合して前記凝集粒子に粒子を付着させて付着粒子を形成する工程(付着工程)を設けたものであってもよい。この付着工程では、凝集工程で調製された凝集粒子分散液中に、粒子分散液を添加混合して、凝集粒子に粒子を付着させて付着粒子を形成するが、添加される粒子は、凝集粒子に凝集粒子から見て新たに追加される粒子に該当するので、追加粒子とされる場合がある。
追加粒子としては、樹脂粒子の他に離型剤粒子、着色剤粒子等を単独もしくは複数組み合わせたものであってもよい。粒子分散液を追加混合する方法としては、特に制限はなく、例えば徐々に連続的に行ってもよいし、複数回に分割して段階的に行ってもよい。このようにして、粒子(追加粒子)を添加混合することにより、微小な粒子の発生を抑制し、得られるトナー粒子の粒度分布をシャープにすることができ、高画質化に寄与することが可能となる。
また、付着工程を設けることにより、擬似的なシェル構造を形成することができ、着色剤や離型剤などの内添物のトナー表面露出を低減でき、結果として帯電性や寿命を向上させることができることや、融合工程における融合時において、粒度分布を維持し、その変動を抑制することができると共に、融合時の安定性を高めるための界面活性剤や塩基または酸等の安定剤の添加を不要にしたり、それらの添加量を最少限度に抑制することができ、コストの削減や品質の改善可能となる点で有利である。従って、離型剤を使用するときには、樹脂粒子を主体とした追加粒子を添加することが好ましい。さらにこの方法を用いれば、融合工程において、温度、攪拌数、pHなどの調整により、トナー形状制御を簡単に行うことができる。
本発明に用いられるトナーは、体積平均粒子径D50v が2.0〜10.0μmの範囲であることが好ましく、2.0〜5.0μmの範囲がより好ましい。トナーの体積平均粒径が10.0μmを超えると、粗大粒子の比率が高くなり、定着工程を経て得られる画像の細線や微小ドットの再現性、および階調性が低下する。一方、トナーの体積平均粒径が、2.0μm未満となると、トナーの粉体流動性、現像性、あるいは転写性が悪化し、像保持体表面等に残留するトナーのクリーニング性が低下する等、粉体特性低下に伴う他の工程における種々の不具合が生じる。
本発明におけるトナーの体積粒度分布指標GSDvは1.3以下であることが好ましく、1.25以下であることがより好ましい。また、個数粒度分布指標GSDpは1.4以下であることが好ましく、1.3以下であることがより好ましい。
GSDvが1.3よりも大きいと、トナー中の粗粉が多くなり、画像の飛び散りが発生する場合がある。GSDpが1.4よりも大きいと、トナー中の微粉が多くなり、トナー飛散による機内のトナー汚染が多くなる場合がある。
前記体積平均粒子径D50v、GSDv及びGSDpは、以下のように求められる。まず、例えばコールターカウンターTAII(ベックマン−コールター社製)などの測定器で測定される粒度分布を基にして、体積、数をそれぞれ小粒径側から累積分布を引いて、累積16%となる粒径をD16v、D16p、累積50%となる粒径をD50v(これを体積平均粒子径とする)、D50p、累積84%となる粒径をD84v、D84pと定義する。
そして、体積粒度分布指標GSDvは、(D84v/D16v1/2として算出され、個数粒度分布指標GSDpは、(D84p/D16p1/2として算出される。
さらに、本発明におけるトナーの形状係数SF1は105〜160の範囲にあることが好ましい。形状係数SF1が105より小さいと、形状が球形に極めて近いため、水のような流動性を持つようになり、搬送性が悪化する場合がある。形状係数SF1が160より大きいと、トナーの流動性が低下し、部分的に強いストレスが加わったり、搬送力、攪拌力を上げる必要が生ずるなどして、現像剤の劣化が促進されることがある。
なお、上記SF1は110〜145の範囲がより好ましい。
ここで上記形状係数SF1は、下記式(1)により求められる。
SF1=(ML/A)×(π/4)×100 ・・・ 式(1)
上記式(1)中、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す。
前記SF1は、主に顕微鏡画像または走査電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、例えば、以下のようにして算出することができる。すなわち、スライドガラス表面に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個以上のトナー粒子の最大長と投影面積を求め、上記式(1)によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
得られたトナー粒子には、流動性助剤、クリーニング助剤、研磨剤等として、無機粒体および有機粒体を添加しトナーとすることができる。無機粒体としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウム、酸化セリウム等の通常トナー表面の外添剤として使用される総ての粒子があげられ、有機粒体としては、例えば、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂等の通常トナー表面の外添剤として使用される総ての粒子が挙げられる。
キャリアは、フェライトの芯材表面に、カーボンブラック等の導電材料が分散された樹脂被膜層を有する樹脂コートキャリアで、体積平均粒径が45μmである。
トナーとキャリアとを混合した2成分現像剤としては、例えば、トナー濃度(TC:Toner Concentration)を8質量%とし、現像剤中トナー帯電量を絶対値で20〜30μC/gとしたものを適用することができる。ここで、TCは次式で求められる。
TC(質量%)=((現像剤に含まれるトナーの質量(g))/(現像剤の総質量(g))×100
トナーとキャリアとを混合して現像剤としたときのトナーの電荷量は、高すぎるとトナーのキャリアに対する付着力が高くなりすぎてトナーが現像されないという現象が発生する。一方、電荷量が低すぎると、トナーのキャリアに対する付着力が弱くなり、遊離トナーによるトナークラウドが発生し、プリント時に本来白抜けとなるべき非画像部にトナーが付着して濃度が高くなる現象(かぶり)が発生して問題となる。トナーを転移して良好な現像を行うためには、現像剤中のトナーの電荷量は、絶対値で5〜50μC/gとするのが好ましく、より好ましくは10〜40μC/gである。
尚、本発明の樹脂層読取方法、および樹脂層識別照合方法においては、形成される画像(樹脂層)の色は特に限定されるものではなく、シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック等のトナーを用いることができる。但し、後述の観測工程における観測容易性の観点からは、単色の画像(樹脂層)であることが好ましい。
図1に示されるように、このような現像剤を用いる現像装置18の下流側には、感光体ドラム12に接触する無端帯状の中間転写ベルト(中間転写体)20が設けられている。中間転写ベルト20としては、図示しないが、例えば、基体上に弾性層及び表面層を設けた種々の積層型のものを好ましく用いることができるが、これに限定されるわけではなく、例えば、基体と表面層との2層構成でもよいし、基体のみの単層構成でもよい。また、中間転写体としては、上記ベルト形状に限られるわけではなく、ドラム状のものであってもよい。
中間転写ベルト20の基体の構成材料としては、ニッケル、ステンレスなどの金属やポリエステル、ポリイミド、ポリカーボネート等からなる無端状ベルトが挙げられ、またアルミニウムやステンレスなどの金属パイプや、ポリイミドなどの樹脂パイプからなるドラム状のものであってもよい。
中間転写ベルト20の弾性層の構成材料としては、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ニトリルゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム(ACM)、シリコーンゴム及びフッ素ゴム等のゴム材料;ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエステル及びポリアミド系の熱可塑性エストラマーなど;ウレタン樹脂及びウレア樹脂など;が挙げられる。また、弾性層は、これら構成材料のブレンド材料で構成してもよい。さらに、これらの発泡材料(例えば発泡ウレタン)で構成してもよい。
中間転写ベルト20の表面層の構成材料としては、特に限定されるものではないが、摩擦抵抗の低減、表面粗さ低減によって残留トナークリーニング性を向上したものが好ましい。
中間転写ベルト20の基体及び弾性層には、抵抗制御のために、例えば、4級アンモニウム塩類、カーボンブラック、金属酸化物等の導電性顔料、ポリアニリン及びポリピロールなどの導電性材料、並びにこれら2種以上の混合物を分散させることがよい。特に、弾性層は体積抵抗率を10〜1014Ω・cmに調整したものが好ましい。
中間転写ベルト20は、搬送ロール19A、19B、19C、19Dによって内側から張架された状態で保持されると共に、図1における反時計回り方向(矢印B方向)に駆動可能とされている。中間転写ベルト20の内側にあって、感光体ドラム12に対向する位置には、中間転写ベルト20を正に帯電させて中間転写ベルト20の外側の面に感光体ドラム12の表面12A上のトナーを転写させる1次転写ロール(1次転写部材)22が配設されている。1次転写ロール22は、金属製の芯金にウレタン発泡体の層を形成したもので、ウレタン発砲層の体積抵抗率は、10〜10Ωcmとされている。
この1次転写ロール22には、プラスの電圧が印加されている。1次転写ロール22は、中間転写ベルト20に圧力を加えながら回転するので、中間転写ベルト20には、感光体ドラム12の表面12Aに形成されたトナー像が転写されるようになっている。
そして、中間転写ベルト20の一部と対向するように、2次転写部材が配されている。2次転写部材は、無端状の転写搬送ベルト32とそれを張架する2つの張架ロール33a、33bとで構成され、さらに、中間転写ベルト20との対向部における転写搬送ベルト32の張架ロール33aは2次転写ロールを兼ねている。即ち、転写搬送ベルト32は、中間転写ベルト20と張架ロール33aとの間に挿通し、張架ロール33a、33bの少なくとも一方が駆動ロールを兼ねている。
なお、本発明において2次転写部材は、用紙に中間転写ベルト上のトナー像を転写する転写ロールを備えるものであってもよいし、用紙を搬送して前記トナー像を転写する転写搬送ベルトを備えるものであってもよい。
転写搬送ベルト32としては、基体上に弾性層を設けた種々の積層型ものを好ましく用いることができる。また、転写搬送ベルト32は、記録媒体Pを転写領域へ搬送して弾性層に埋め込ませるには、十分に記録媒体Pを静電的に吸着拘束させていることがよい。このため、表面層の電気特性は、電荷を保持でき、且つチャージアップしないことがよく、このような観点から、最表面層の体積抵抗率を10〜1012Ω・cmの範囲とすることが好ましい。この体積抵抗率は例えば、最表面層に導電性の樹脂材料を使用したり、導電剤を分散させるなどして調整することができる。
転写搬送ベルト32の基体の構成材料としては、ポリイミド、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリフッ化ビニリデン等の樹脂材料及びこれらを主原料としてなる樹脂材料が挙げられる。特に、ベルトとしての機械特性を満足する観点から、ポリイミド樹脂が好ましい。
転写搬送ベルト32の弾性層の構成材料としては、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ニトリルゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム(ACM)、シリコーンゴム及びフッ素ゴム等のゴム材料;ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエステル及びポリアミド系の熱可塑性エストラマーなど;ウレタン樹脂及びウレア樹脂など;が挙げられる。
転写搬送ベルト32の上流には、転写搬送ベルト32に記録紙Pを供給する記録紙供給装置が設けられている。記録紙供給装置は、1対の搬送ローラ26A、26Aを備える。転写搬送ベルト32による記録紙Pの排出側には、記録紙P上のトナー像を定着させる定着装置28が設けられている。定着装置28は、2次転写部材33aによってトナー像が転写された記録紙Pを加熱・押圧することにより、トナー像を定着させる1対の定着ロール28A、28Aを備えると共に、この定着ロール28A、28Aに向かって記録紙Pを搬送する搬送コンベア28B、及び、定着ロール28A、28Aで定着された記録紙Pを排出する一対の排出ロール28C、28Cを備える。なお、記録紙Pは、記録紙供給装置と定着装置28とにより、図1において矢印Cに示す方向に搬送されるようになっている。
転写搬送ベルト32の近傍であって、張架ロール33aから張架ロール33bへ至る中間位置には、2次転写時に遊離して転写搬送ベルト32に付着したトナーを除去するトナー除去装置(2次転写クリーナ)40が、また、中間転写ベルト20の近傍であって、転写搬送ベルト32と接触する位置の搬送ロール19Cから1次転写ロール22へ至る中間位置には、転写搬送ベルト32によって記録紙Pにトナー像を転写した後に中間転写ベルト20に残留したトナーを除去するトナー除去装置(1次転写クリーナ)30が設けられている。
さらに、1次転写ロール22と感光体ドラム12とが中間転写ベルト20を挟持する位置から、感光体ドラム12の回転方向(矢印A方向)へ少し進んだ位置には、感光体ドラム12の表面12Aを清掃して転写残留の廃トナー等を除去するクリーニング装置34が配設されている。
1次転写ローラ22と感光体ドラム12とが転写ベルト20を挟持する位置から、感光体ドラム12の回転方向(矢印A方向)へ少し進んだ位置には、感光体ドラム12の表面12Aを清掃して転写残留の廃トナー等を除去するクリーニング装置34が配設されている。本発明においては、クリーニング装置34におけるクリーニング部材としては、ブレードであってもブラシであっても、さらには磁気ブラシであってもよい。
−熱転写記録方式−
また、本発明における画像(樹脂層)は、熱転写記録方式によっても形成することができる。上記熱転写記録方式としては、例えば、感熱ヘッドにより熱溶融性インク層を有する熱転写材料(インクリボン)を加熱してから、インクを基材(記録媒体)上に溶融転写する方式などが挙げられる。
−昇華転写記録方式−
また、本発明における画像(樹脂層)は、昇華転写記録方式によっても形成することができる。上記昇華転写記録方式としては、例えば、インク層を有する転写材料(インクリボン)を感熱ヘッドにより加熱して、該インク層に含まれる熱拡散性色素(昇華性色素)を転写する方式などが挙げられる。
尚、インクリボン基材からのインク層の剥離条件によるものの、一般に熱転写記録方式や昇華転写記録方式では画像表面がなだらかな傾向にあり、照合に十分な量のデータを得るためには観測面積を広く取ることが好ましい。
<観測工程、抽出工程、記憶工程および比較工程>
上記のようにして形成される樹脂層のランダムな表面凹凸パターンの観測は、白地の紙表面における凹凸の影とは異なり、トナー層等の樹脂表面の凹凸であるため、ランダムな反射光(正反射光)として観測されることになる。
ここで、図2(A)および(B)の顕微鏡写真は、ブラックトナーによる樹脂層のランダムな反射光を得るため、斜方から光を照射して撮影したものである(図2(A)および(B)は光の照射方向が異なる)。尚、シアン・マゼンタ・イエロー等、ブラック以外の樹脂層では表面凹凸の状態を斜方照明によって影を作ることで捕えることもできる。このようにして捕えたランダムな反射光のパターンは、人為的に制御できるものではなく、また電子写真方式によって形成した樹脂層であれば、トナー粒径オーダー(溶融合体後の凹凸であり、通常数十μmオーダー)の凹凸であるため、容易に偽造できるものではない。
尚、観測装置は、画像形成装置の記録媒体(基材)排出部(即ちプリント直後)に設置されていても、また画像形成装置とは独立な装置であっても良い。
上記のようにして観測工程にて読取られたランダムパターンの画像若しくはその特徴情報をサーバー等に記憶(登録)しておく。基材が本物であるか否かを識別照合する際は、当該ランダムパターン部を観測し、そのパターン若しくはパターンの特徴情報と、事前に登録してあるパターン若しくはパターンの特徴情報とを比較し、その一致の度合が特定の閾値以上であれば「本物」と判定することになる。
この際、本物か否かを確認しようとする基材のランダムパターン若しくはパターンの特徴情報を、事前に登録されている全ランダムパターン若しくはパターンの特徴情報と比較することは、比較対象が多く走査に時間がかかるため、例えば、偽造を防止したい基材に個々にID等を印刷しておき、このIDと紐付けしたランダムパターン若しくはパターンの特徴情報を登録データと比較することで真贋判定を行うことが好ましい。上記ID等としては、基材に文字列やバーコード、二次元バーコード(QRコード等)、画像や文字部への情報埋め込み技術(富士ゼロックスの「MIG」技術、「iTone」技術等)等による印刷が挙げられる。このIDと印刷後に読取った当該ランダムパターン若しくはパターンの特徴情報を関連付けてサーバー等に記憶(登録)しておき、真贋判定(照合)の際には、観測装置によってIDと当該ランダムパターンを読取り、サーバーに登録されている該当IDのランダムパターン若しくはパターンの特徴情報との一致を確認することになる。
以下、上記樹脂形成工程以降の本発明の樹脂層識別照合方法、即ち観測工程(第1および第2の観測工程)と、抽出工程(第1および第2の抽出工程)と、記憶工程と、比較工程と、の一実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図3は、本発明に係る樹脂層識別照合方法に用いる照合装置の構成例を示すブロック図である。この照合装置1は、樹脂層表面に形成されるランダムなパターン画像を利用して個々の基材(記録媒体)を識別照合するもので、主として、操作部2と、制御部3と、観測部4と、信号処理部5と、抽出処理部6と、記憶部7と、比較処理部8と、判定処理部9とを備えて構成されている。
操作部2は、照合装置1を使用するユーザが当該装置を操作するための、いわゆるユーザインタフェースである。この操作部2は、各種のスイッチ、ボタン、キーボード等からなる入力部を備える。入力部には、処理開始を指示するためのスタートスイッチや、処理内容を設定するための選択スイッチなどが設けられている。
スタートスイッチは、例えば指先で操作するスイッチでもよいし、種々の接触式センサあるいは非接触式センサにより基材が観測部4に接触あるいは所定の距離まで接近したら自動的にオンするようなスイッチでもよい。スタートスイッチのオン/オフ信号は制御部3に送られる。選択スイッチによって設定される処理内容には、登録処理と比較判定処理といった2つの処理モードがある。登録処理とは、基材を用いて得られたランダムパターンの特徴量を登録する処理をいい、即ち記憶工程をさす。比較判定処理とは、基材を用いて得られたランダムパターンの特徴量と予め登録(記憶)された特徴量とを比較することにより、基材が登録済の紙であるか否かを判定する処理をいい、即ち比較工程をさす。
制御部3は、上記操作部2のスイッチのオン/オフ信号に基づいて、観測部4および信号処理部5にそれぞれ処理開始の指示を与えるものである。
観測部4は、基材表面に形成された樹脂層のランダムなパターン画像を観測するものである。この観測部4では、樹脂層に光を照射した際に得られる基材からの反射光を受光することにより、上記パターン画像を観測する。観測部4による観測結果、すなわち上記パターン画像の画像信号は信号処理部5に送られる。
信号処理部5は、観測部4によって観測されたパターン画像の画像信号に所定の信号処理を施すものである。この信号処理は、後述する抽出処理部6でパターン画像の特徴量を抽出するための前処理として行われる。信号処理の具体的な処理内容としては、例えば、照明系の光量バラツキ等を考慮した輝度補正などが一例として挙げられる。また、信号処理部5は、樹脂層上でパターン画像を観測するための観測領域を特定する機能を備える。観測領域の特定は、例えば観測部4で観測された、ある範囲内の画像の中から観測領域となる位置を特定し、この観測領域に相当するパターン画像の部分を切り出すことで行われる。この信号処理部5で信号処理が施されたパターン画像は抽出処理部6に送られる。
抽出処理部6は、観測部4によって観測されたパターン画像の特徴量を抽出するもので、より具体的には、信号処理部5で信号処理されたパターン画像に基づいて樹脂層固有の特徴量を抽出するものである。この抽出処理部6では、上述したランダムなパターン画像から得られる、樹脂層表面の凹凸による濃度のデータ、または樹脂層表面の凹凸による特徴点の位置データ、あるいはその両方のデータを用いて、樹脂層固有の特徴量を抽出する。
記憶部7は、抽出処理部6によって抽出された特徴量を記憶するもので、例えば大容量の記憶領域を有するハードディスクドライブ等によって構成される。この記憶部7への記憶によって樹脂層が形成された基材(原本)の記憶がなされる。また、上述した登録処理時においては、基材に予め印刷等によって記された識別符号(番号、記号等)と、この基材から得られた特徴量とを対応付けたデータ(以下、登録データとも記す)が記憶部7に記憶・登録される。
比較処理部8は、抽出処理部6によって抽出された特徴量と記憶部7に記憶された特徴量とを比較することにより、基材の識別・照合を行うものである。基材の識別は、樹脂層のパターン画像から抽出処理部6により新たに抽出された特徴量と、記憶部7に予め記憶された全ての特徴量とを個々に比較することにより行われる。また、基材の照合は、樹脂層のパターン画像から抽出処理部6により新たに抽出された特徴量と、この基材に印刷された識別符号に対応して記憶部7から読み出された特徴量とを比較することにより行われる。比較処理部8による比較結果は判定処理部9に与えられる。
判定処理部9は、比較処理部8の比較結果に基づいて、基材の識別・照合の判定を行い、この判定結果を出力するものである。すなわち、基材の識別においては、記憶部7に記憶された登録済の基材の中に、新たに特徴量を抽出した基材が存在するか否か(換言すると、基材が登録済の基材であるか否か)を判定し、基材の照合においては、基材が記憶部7から読み出した登録済の基材と同一のものであるか否かを判定する。判定処理部9による判定結果は、例えば操作部2に設けられた表示部やディスプレイなどの表示手段に表示出力される。
以上の各構成要素のうち、信号処理部5、抽出処理部6、比較処理部7、判定処理部9は、各々の機能部の処理を実行する処理プログラム(ソフトウェア)によって具現化されるものである。
本発明で利用する樹脂層のパターン画像の情報は、例えば、図2に示すように樹脂層表面のランダムなパターンの形状に由来する光学的特性であり、表面に斜方から光を照射したときに観測できる表面の微細な凹凸のパターンである。樹脂層表面のランダムな凹凸パターンは、全く同一のものを故意に作り出すことは困難である。
続いて、本実施形態に係る樹脂層識別照合方法の具体的な形態と動作について説明する。本発明の樹脂層識別照合方法は、先述のように樹脂層表面のランダムなパターン画像を直接的あるいは間接的に利用する。パターン画像の読み取りには、光を利用した電子顕微鏡観察法が優れている。
図4および図5は観測部4の具体的な構成例を示す側面図および斜視図である。図4に示すように観測部4は、レンズ410の周囲に光導波路光学系415を設け、この光導波路光学系415を用いて光源404A,404Bからの光を基材414の樹脂層表面に照射する、暗視野照明(斜方照明)を採用している。この図4に示す構成では、基材414からの反射光をレンズ410を通して撮像素子411が受光することになる。尚、外乱光の影響を除くため、装置全体が光学的に閉じられていることが望ましい。
ユニット筐体403の上面は、基材414をセットするための検査ステージ406を形成している。検査ステージ406上には基材を位置決めするための突き当て板408が設けられている。突き当て板408は、互いに直角をなして略L字形に配置されている。このように突き当て板408を略L字形に配置する理由は、通常、基材414の外形が長方形でその角部が直角に形成されているためである。
撮像ユニット402は、平面視円形のユニット筐体409と、このユニット筐体409の内部に設けられた撮像用のレンズ410と、ユニット筐体409の内部でレンズ410による光の結像位置に設けられた撮像素子411とを有している。また、撮像ユニット402は、光照射系として、光源404A,404Bと、この光源404A,404Bの下方に設けられた光導波路光学系415とを有している。光の照射は、光源404A,404Bと、この光源404A,404Bの下方に設けられた光導波路光学系415とによって行われる。光源404A,404Bは、例えばLED、ハロゲンランプ、蛍光燈、キセノン放電管等によって構成されるものである。
ユニット筐体409の下面部には、上述した突き当て板408との位置的な干渉を避けるために凹状の逃げ部412が形成されている。レンズ410は、対物レンズ系によって構成されている。撮像素子411は、CCDやCMOSなどの撮像素子によって構成されている。
また、撮像ユニット402とユニット筐体403は、ユニット筐体403を下側、撮像ユニット402を上側とした上下の位置関係で互いに同軸上に配置されている。撮像ユニット402とユニット筐体403は、支持アーム413によって連結されている。また、撮像ユニット402は、支持アーム413によって上下動可能に支持されている。
上記構成からなる観測部4においては、上記図5に示すように、ユニット筐体403と撮像ユニット402とを上下に分離した状態で、それらの間(検査ステージ406上)に基材414がセットされる。このとき、検査ステージ406上で基材414の一辺とこれに直角をなす他辺をそれぞれ突き当て板408に突き当てることにより、基材414の位置決めがなされる。さらに、この状態で撮像ユニット402を下降させることにより、基材414が撮像ユニット402,ユニット筐体403間に挟持される。
また、上述のように基材414をセットした後、光源404Aおよび404Bを発光(点灯)させると、光源404Aおよび404Bからの光が光導波路光学系415を通して基材414の樹脂層表面に照射される。また、撮像ユニット402とユニット筐体403の間が隙間のないように閉じられるため、基材414には光源404Aおよび404Bからの光だけが照射される。したがって、ランダムなパターン画像を常に安定して読み取ることができる。
また、光源404Aおよび404Bからの光の照射により、この光が基材414の樹脂層表面で反射された後の光、すなわち樹脂層からの反射光がレンズ410を通して撮像素子411に受光される。このとき、樹脂層から反射する光の状態(強度分布等)は、この樹脂層の表面状態によって微妙に変化する。そのため、樹脂層からの反射光を撮像素子411で撮像することにより、樹脂層が作り出すランダムなパターン画像を観測することができる。
ここで、観測対象とする樹脂層のランダムパターンの個体差は、観測領域が広ければ一般的にはより多くの情報が得られるため、鮮明になると考えられる。しかし、観測領域が広すぎると、情報に占める一様性が大きくなり、個々の基材を弁別するための特徴を抽出し難くなる。また、観測領域が広くなると、その分だけ観測機器のサイズも大型化するため、設置面積やコスト上などの点でも不利になる。よって、観測領域のサイズ(面積)は、抽出すべき特徴や観測部4のコスト、サイズなどを考慮して、できるだけ多くの樹脂層の個体差を明瞭にできるように決定すべきである。
こうした観点から、観測領域のサイズは、例えば情報用紙(コピー、プリンタ、ファックス等の用紙)の場合、紙面上の面積が0.1〜1000mmの範囲内で設定することが適切である。
また、撮像素子411として、例えば、白黒タイプで、有効画素数1300×1030(約130万画素)、正方格子のCCDを用い、有効画素領域全体に6.3mm×5.0mmの観測領域を光学系(レンズ410)で結像すると、このときの1画素当りの観測面積はおおよそ4.9×4.9μm(6.3mm/1300=4.9μm、5.0mm/1030=4.9μm)となり、この場合は十分に樹脂層表面の状態を観測できることになる。また、この場合、CCDが2/3型で、画素サイズが6.7μm×6.7μmの正方格子(CCD有効画面サイズ8.7mm×6.9mm)であるとすると、レンズ410による結像光学系の倍率は1.38倍(横倍率、8.7/6.3=1.38、6.9/5.0=1.38)となる。
また、撮像素子411として、白黒タイプ、有効画素数640×480(約30万画素)のCCDを用い、有効画素領域全体に7.7mm×5.7mmの観測領域を光学系(レンズ410)で結像すると、このときの1画素当りの観測面積はおおよそ12μm×12μm(7.7mm/640=12μm、5.7mm/480=12μm)となる。この場合でも、樹脂層表面のおおよその状態や、樹脂層が作り出す濃淡の状態を観測することができる。また、この場合、CCDが1/3型で、画素サイズが8.4μm×8.4μmの正方格子(CCD有効画面サイズ5.4mm×4.0mm)であるとすると、レンズ410による結像光学系の倍率は0.7倍(横倍率、5.4/7.7=0.7、4.0/5.7=0.7)に設計すればよい。
また、撮像素子411として、白黒タイプ、有効画素数367×291(約11万画素)、出力信号8ビット(256階調)のCMOSを用い、有効画素領域全体に7.3mm×5.8mmの観測領域を光学系(レンズ410)で結像すると、このときの1画素当りの観測面積はおおよそ20μm×20μm(7.3mm/367=20μm、5.8mm/291=20μm)となる。この場合でも植物繊維が作り出す濃淡の状態を十分に観測することができる。また、この場合、CMOSが1/7型で、画素サイズが5.6μm×5.6μmの正方格子(CMOS有効画面サイズ2.1mm×1.6mm)であるとすると、レンズ410による結像光学系の倍率は約0.3倍(横倍率、2.1/7.3=0.3、1.6/5.0=0.3)に設計すればよい。
続いて、上記構成からなる照合装置1を用いた樹脂層識別照合方法について説明する。図6は照合装置1で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。先ず、観測部4の検査ステージ406に基材414をセットした後、操作部2で選択スイッチにより処理内容(登録処理または比較判定処理)を設定し、スタートスイッチを入れると(オンすると)、このスイッチオン信号を受けて制御部3が観測部4および信号処理部5に処理開始を指示する。
そうすると、観測部4では、光源404Aおよび404Bを点灯して基材414の樹脂層表面に光を照射し、これによって得られる樹脂層からの反射光を撮像ユニット402の撮像素子411で受光することにより、基材414の樹脂層表面に現れたランダムなパターン画像を観測する(ステップS1)。
一方、信号処理部5では、観測部4での観測によって得られたパターン画像の画像信号を取り込むとともに、この画像信号に対して特徴量抽出のための信号処理(前処理)を行う(ステップS2)。この信号処理では、上述した輝度補正などの処理と併せて、基材上でパターン画像を観測するための観測領域の特定処理を行う。観測領域の特定処理は、観測すべきパターン画像の領域が基材414のどの部分に相当するかを特定することで行われる。以下に、観測領域の具体的な特定方法について説明する。
まず、特徴量の抽出に際しては、基材全体に形成された樹脂層の状態を反映する特徴的なデータを用いることは希であり、先述のように基材の限られた部分の情報を用いるのが普通である。したがって、選択スイッチで設定された処理内容が登録処理と比較判定処理のいずれであっても、同一の基材であれば、常に同一の場所を観測領域として特定する必要がある。観測領域の特定は、基材全体を走査することで登録情報と比較する方法でも可能であるが、この場合は走査に時間がかかるため効率的ではない。
観測領域を特定する最も簡単な手法としては、基材414に予め設けられた起点、例えば紙の縁や角を起点とし、この起点からの距離によって観測領域を特定する方法が考えられる。検査ステージ406上の突き当て板408はそのために設けられたものである。この方法では基材414に何の処理を施さなくても、観測領域特定のための起点を設定することができる。ただし、この方法は、紙の変形の影響を受け易いという難点も併せ持つ。
そこで、他の方法として、基材414に観測領域を特定するためのマークを予め設けておき、このマークを用いて観測領域を特定する方法が考えられる。例えば、図7に示すように、基材414の紙面上に十字(+)のマークを印刷しておき、このマークを手がかりに観測領域Sを特定する。具体的には、例えば+マークの交点を起点Pとし、この起点Pから距離0(ゼロ)にある点Q(すなわち点P=点Q)を中心に半径rの円内を観測領域Sとして特定する。あるいは、+マークの交点を起点とし、この起点を頂点とした四角形領域を観測領域として特定する。
このようにマークを用いて観測領域を特定する場合でも、上述した突き当て板408によって基材414の概略の位置を指定することが望ましい。また、概略の位置の範囲において広視野角(画角)のレンズ系を用い(撮像ユニット402のレンズ410とは別に用意しておく)、撮像ユニット402の撮像素子411により、図8に示すように、大きさM×Mの+のマークを含む大きさL×L(但し、L>M)の画像を一括に取得し、このL×Lの画像の範囲内で、例えば相関法や残差逐次検定法等の手法により、M×Mの+マーク画像が対応するL×Lの画像上の位置(観測領域S)を特定すればよい。この場合の領域特定にかかる処理も一種の照合処理であるが、樹脂層表面のパターン情報に比べ遥かに情報量が少ないため、容易に観測領域Sを特定することができる。
また、マークが半径Rの円で形成(印刷)されていた場合は、起点Pが円の中心、点Q=点Pとし、観測領域を点Qを中心とする半径R−α(αは円マークの線幅以上)の円内とすることにより、パターン画像の観測時にマーキング材料の影響を受けることがないため好都合である。
なお、ここでは、マークを印刷によって基材に設けるものとしたが、観測領域の特定に用いられるマークは、基材を貫通する孔や、基材の紙面上に形成された凹凸であってもよい。これらのマークは、インクを用いた印刷によるマークと同様に撮像ユニット402で光学的に読み取ることができるが、これ以外にも、検査ステージ406上に針や突起物等の検出部を設け、この検出部によって機械的にマークの位置を検出することもできる。
上記の手法を用いて信号処理部5が観測領域を特定すると、これに続いて抽出処理部6は、信号処理部5で特定された観測領域のパターン画像から、このパターン画像の特徴を示す特徴量を抽出する(ステップS3)。特徴量の抽出方法としてはこれまでに多くの方法が提案されており、その中の一例を以下に記述する。
先ず、観測領域のパターン画像を適切な大きさのメッシュ(メッシュ数d=縦M×横N)に区切り、各メッシュ内に存在する複数の画素の濃度値を平均化することにより、各々のメッシュをある濃度値(濃度レベルq)で代表させる。ここで、j番目(jは正の整数)のメッシュの濃度値をXjとすると、このパターン画像は、X=(X1,X2,X3,…Xd)t(tは転置を表す)なるベクトルで記述できる。このベクトルを特徴ベクトルと呼ぶ。ベクトルの各要素は対応する画像領域の濃度を与える。
こうして処理されたパターン画像は、特徴ベクトルによって張られた特徴空間上の1点として表されることになる。すなわち、突き当て板408に突き当てて基材414を位置決めした後、撮像素子411によって得られた観測領域のパターン画像は上記のように特徴ベクトルとして記述される。また、特徴ベクトルの全ベクトルから計算された分散共分散行列(または相関行列)は特徴行列として記述される。これら特徴ベクトルと特徴行列は、一つの特徴量として取り扱われる。なお、ここでは特徴ベクトルと特徴行列の組を特徴量としているが、特徴ベクトルのみを特徴量としてもよい。
こうして特徴量を抽出した後は、現在設定されている処理内容が登録処理であるか否かにより、その後の処理が分かれる。すなわち、現在設定されている処理内容が登録処理である場合(ステップS4でYesの場合)は、先のステップS3で抽出処理部6により抽出された特徴量(すなわち、特徴ベクトルと特徴行列を表す数値データ)を記憶部7に記憶(登録)する(ステップS5)。このとき、基材414に識別符号が印刷されている場合は、この識別符号をOCR(光学式文字読取装置)で光学的に読み取る、あるいは操作部2を用いて識別符号を入力することにより、抽出した特徴量を識別符号と対応付けて記憶部7に記憶する。また、識別符号がバーコードの形態で基材414に印刷されている場合は、別途、紙面上のバーコードをバーコードリーダで読み取って得た識別符号と対応付けて特徴量を記憶部7に記憶する。また、基材414から得たパターン画像の特徴量を表す数値を符号化して基材414の紙面上に直接印刷しておいてもよい。
これに対して、現在設定されている処理内容が比較判定処理である場合(ステップS4でNoの場合)は、先のステップS3で抽出処理部6により抽出された特徴量と記憶部7に記憶された特徴量とを比較処理部8で比較し(ステップS6)、この比較結果に基づく判定結果を出力する(ステップS7)。
比較処理部8による比較処理において、基材を照合するときは、予め記憶部7に記憶された特徴量のデータの中から、比較対象となる特徴量のデータを、基材414に印刷された識別符号を使って記憶部7から読み出し、この読み出した特徴量のデータと実際に基材414のパターン画像から抽出した特徴量のデータとを比較する。この場合、両者の特徴量(特徴ベクトルまたは特徴行列)の距離を算出し、この算出した距離と、予め設定された閾値距離との比較を行うことにより、基材414が、登録された原本の基材であるか否かを判定する。
照合で使用する識別符号については、基材414に印刷された識別符号をOCR等で読み取ってもよいし、操作部2を用いて識別符号を入力してもよい。また、基材414上に特徴量のデータを符号化して印刷してある場合には、直接基材面からその特徴量データ(登録データ)を読み取ってもよい。特徴量のデータを比較する際は、多少のデータ入力時の揺れを見込んで所定の許容範囲を設けてもよい。また、何らかの操作ミスや位置ずれなどの事故が発生することも想定されるため、比較結果が基材の原本性を否定するもの、つまり基材414が原本の基材であると判定しない場合にも所定の回数の再試行を認める設定にしてもよい。また、記憶部7に記憶された特徴量のデータ数が少ない場合には、いちいち識別符号を用いずに、登録データ全数と比較する処理、すなわち識別処理を適用してもよい。
一方、基材を識別するときは、基材414のパターン画像から抽出した特徴量のデータと記憶部7に記憶されている全ての特徴量のデータとを順に比較するとともに、各々の比較に際して双方の特徴量である特徴ベクトルまたは特徴行列の距離を算出する。そして、基材414の特徴ベクトルと最も近い距離にある特徴ベクトルに対応する登録基材がその基材であると判定する。ただし、基材414の特徴ベクトルと最も近い距離にある登録基材であって、比較に際して算出した双方の距離が、予め設定された閾値距離よりも離れている場合は、登録基材のなかに該当する紙が存在しない、つまり登録された原本の基材ではないと判定する。
特徴量の比較に際して計算する距離としては、統計学上の判別分析やクラスター分析等で用いられる距離、例えば市街地距離、ユークリッドの距離、標準化ユークリッド距離、ミンコフスキーの距離、マハラノビスの距離等を適用することができる(村上征勝著:行動計量学シリーズ「真贋の科学」朝倉書店、1996)。前者4つの距離は、いずれも未知の基材の特徴ベクトルと登録された特徴ベクトル間の距離として得られる。マハラノビスの距離は、未知の基材の特徴ベクトルと登録された特徴ベクトル(平均ベクトル)と、特徴行列(分散共分散行列、または相関行列)の逆行列から計算される。
なお、基材の識別照合のために設定される閾値距離は、登録される基材毎に異なる場合もあるので、登録時に識別符号とともに記憶部7に記憶しておく。また、ここでは距離で判定する場合を述べたが、ベクトルの成す角度から判定してもよい。以上のようにデータを処理することで、基材に形成された樹脂層の特徴を捕らえて識別・照合することができる。無論、KL(Karhunen−Loeve)展開等による特徴空間の次元削減を行って識別・照合計算を行ってもよい。
また、上述のように観測部4で観測されたパターン画像から実空間上で識別や照合をする方法以外にも、例えば、観測部4によって得られたパターン画像を、2次元フーリエ変換を用いて周波数領域へ変換し、フーリエ空間上で識別、照合を行ってもよい。この場合、予め登録された画像と基材の画像とをフーリエ空間上で画像合成し、逆フーリエ変換することで相関強度画像を得て、そのピーク値から二つの画像の類似性を評価することができる。例えば、振幅のピークの大きさが予め設定された閾値以上であった場合に同一画像、すなわち同一の基材であると判定することができる。
≪樹脂層読取装置および樹脂層識別照合装置≫
本発明の樹脂層読取装置は、基材表面樹脂を付与し固着させることによって形成された樹脂層の、樹脂による不定形な表面凹凸形状のランダムなパターン画像を観測することによって、該ランダムなパターン画像の特徴量を抽出する装置である。
樹脂層によるランダムな表面形状(凹凸)は、基材表面に樹脂が付与され加熱等の手段で定着されることによって形成されるものであり、基材表面のランダムパターン(例えば、紙の繊維によるランダムパターン)の影響が少ない。そのため、樹脂層を形成できる基材であれば、平滑性が高く表面凹凸が小さいために繊維のランダムパターンが観測できない紙やOHPシートなど如何なる基材においても、形成した樹脂層のランダムパターンを観測することによって上記特徴量を抽出することができる。また、樹脂層は水に濡れてもパターンが崩れる等の影響を受け難く、水に濡れた後であっても樹脂層のランダムパターンの観測が可能である。従って、本発明の樹脂層読取装置を用いることにより優れた安定性を得ることができる。
また、上記樹脂層読取装置は、識別照合を行う装置に適用することができる。
即ち、本発明の樹脂層識別照合装置は、基材表面樹脂を付与し固着させることによって形成された樹脂層の、樹脂による不定形な表面凹凸形状のランダムなパターン画像を観測する第1の観測手段と、前記第1の観測手段によって観測された前記パターン画像の特徴量を抽出する第1の抽出手段と、前記第1の抽出手段によって抽出された特徴量を記憶する記憶手段と、比較対照となる基材の表面上に形成された樹脂層の表面凹凸形状のランダムなパターン画像を観測する第2の観測手段と、前記第2の観測手段によって観測された前記パターン画像の特徴量を抽出する第2の抽出手段と、前記第2の抽出手段によって抽出された特徴量と前記記憶手段に記憶された特徴量とを比較し前記第2の観測手段で観測した比較対照となる基材が前記第1の観測手段で観測した基材と同一のものであるか否かを識別照合する比較手段と、を含むことを特徴とする。
上記樹脂層識別照合装置は、まず、前述の樹脂層読取装置によって基材表面に形成された樹脂層のランダムパターンを観測し抽出した特徴量を、第1の特徴量として記憶し、次いで、前述の樹脂層読取方法によって基材表面に形成された樹脂層のランダムパターンを観測し抽出した特徴量を第2の特徴量とし、前記第2の特徴量と前記第1の特徴量とを比較することによって識別照合を行い得る装置である。
前記本発明の樹脂層読取装置を適用しているため、基材の選択性に優れ且つ良好な安定性を有する。
本発明の樹脂層形成工程に用いる画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 ブラックトナーによって形成された樹脂層のランダムパターンを撮影した顕微鏡画像である。 本発明の実施形態に係る照合装置の構成例を示すブロック図である。 観測部の一構成例を示す側面図である。 観測部に基材をセットする際の状態を示す図である。 照合装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。 観測領域の特定方法の一例を示す図である。 観測領域の特定方法の他の例を示す図である。
符号の説明
1…照合装置、4…観測部、5…信号処理部、6…抽出処理部、7…記憶部、8…比較処理部、9…判定処理部、10…画像記録装置、12…感光体ドラム(像保持体)、18…現像装置(現像手段)、20…中間転写ベルト(中間転写体)、22…1次転写ローラ、30,40…トナー除去装置、32…転写搬送ベルト(2次転写部材)、34…クリーニング装置、402…撮像ユニット、403…ユニット筐体、404A,404B…光源、406…検査ステージ、408…突き当て板、410…レンズ、411…撮像素子

Claims (10)

  1. 基材表面、樹脂を付与し固着させることによって樹脂による不定形な表面凹凸形状を有する樹脂層を形成し強制的にランダムなパターン画像を形成する樹脂層形成工程と、
    前記樹脂層の表面凹凸形状のランダムなパターン画像を観測する観測工程と、
    前記観測工程で観測された前記パターン画像の特徴量を抽出する抽出工程と、を含むことを特徴とする樹脂層読取方法。
  2. 前記観測工程は、前記樹脂層に光を照射した際に得られる前記樹脂層からの反射光を受光することにより、前記パターン画像を観測することを特徴とする請求項1記載の樹脂層読取方法。
  3. 前記抽出工程は、前記パターン画像の濃度データまたは前記パターン画像の特徴点の位置データを用いて前記特徴量を抽出することを特徴とする請求項1記載の樹脂層読取方法。
  4. 前記基材上で前記パターン画像を観測するための観測領域を特定する特定工程を有することを特徴とする請求項1記載の樹脂層読取方法。
  5. 前記ランダムな表面凹凸形状を有する樹脂層は、表面の中心線平均粗さRaが0.1μm以上1000μm以下であることを特徴とする請求項1記載の樹脂層読取方法。
  6. 前記樹脂層形成工程は、電子写真方式によって前記樹脂層を形成することを特徴とする請求項1記載の樹脂層読取方法。
  7. 前記樹脂層形成工程は、熱転写記録方式によって前記樹脂層を形成することを特徴とする請求項1記載の樹脂層読取方法。
  8. 基材表面、樹脂を付与し固着させることによって樹脂による不定形な表面凹凸形状を有する樹脂層を形成し強制的にランダムなパターン画像を形成する樹脂層形成工程と、
    前記樹脂層の表面凹凸形状のランダムなパターン画像を観測する第1の観測工程と、
    前記第1の観測工程で観測された前記パターン画像の特徴量を抽出する第1の抽出工程と、
    前記第1の抽出工程で抽出された特徴量を記憶する記憶工程と、
    比較対照となる基材の表面上に形成された樹脂層の表面凹凸形状のランダムなパターン画像を観測する第2の観測工程と、
    前記第2の観測工程で観測された前記パターン画像の特徴量を抽出する第2の抽出工程と、
    前記第2の抽出工程で抽出された特徴量と前記記憶工程で記憶された特徴量とを比較し前記第2の観測工程で観測した比較対照となる基材が前記第1の観測工程で観測した基材と同一のものであるか否かを識別照合する比較工程と、を含むことを特徴とする樹脂層識別照合方法。
  9. 基材表面樹脂を付与し固着させることによって形成された樹脂層の、樹脂による不定形な表面凹凸形状のランダムなパターン画像を観測する観測手段と、
    前記観測手段で観測された前記パターン画像の特徴量を抽出する抽出手段と、を含むことを特徴とする樹脂層読取装置。
  10. 基材表面樹脂を付与し固着させることによって形成された樹脂層の、樹脂による不定形な表面凹凸形状のランダムなパターン画像を観測する第1の観測手段と、
    前記第1の観測手段で観測された前記パターン画像の特徴量を抽出する第1の抽出手段と、
    前記第1の抽出手段で抽出された特徴量を記憶する記憶手段と、
    比較対照となる基材の表面上に形成された樹脂層の表面凹凸形状のランダムなパターン画像を観測する第2の観測手段と、
    前記第2の観測手段で観測された前記パターン画像の特徴量を抽出する第2の抽出手段と、
    前記第2の抽出手段で抽出された特徴量と前記記憶手段に記憶された特徴量とを比較し前記第2の観測手段で観測した比較対照となる基材が前記第1の観測手段で観測した基材と同一のものであるか否かを識別照合する比較手段と、を含むことを特徴とする樹脂層識別照合装置。
JP2006283762A 2006-10-18 2006-10-18 樹脂層読取方法、樹脂層識別照合方法、樹脂層読取装置および樹脂層識別照合装置 Active JP4992375B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006283762A JP4992375B2 (ja) 2006-10-18 2006-10-18 樹脂層読取方法、樹脂層識別照合方法、樹脂層読取装置および樹脂層識別照合装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006283762A JP4992375B2 (ja) 2006-10-18 2006-10-18 樹脂層読取方法、樹脂層識別照合方法、樹脂層読取装置および樹脂層識別照合装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008102676A JP2008102676A (ja) 2008-05-01
JP4992375B2 true JP4992375B2 (ja) 2012-08-08

Family

ID=39436967

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006283762A Active JP4992375B2 (ja) 2006-10-18 2006-10-18 樹脂層読取方法、樹脂層識別照合方法、樹脂層読取装置および樹脂層識別照合装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4992375B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11594067B2 (en) * 2017-02-16 2023-02-28 Nec Corporation Object collation device

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010016146A1 (ja) * 2008-08-08 2010-02-11 グローリー株式会社 紙葉類管理システム、紙葉類管理装置、紙葉類管理方法及び紙葉類管理プログラム
CN101537751B (zh) * 2009-04-10 2015-03-18 顾泽苍 一种防伪印刷的处理方法
WO2012122609A2 (en) * 2011-03-15 2012-09-20 Universite De Mons Labelling system
WO2013039002A1 (ja) * 2011-09-12 2013-03-21 独立行政法人産業技術総合研究所 個体識別情報生成装置、物品判定装置、物品判定システム及び方法
CN104520899B (zh) 2012-06-22 2019-07-05 日本电气株式会社 验证方法、验证系统、验证设备及其程序
JP6606855B2 (ja) * 2014-05-14 2019-11-20 株式会社リコー センサ装置、画像形成装置及び光源の制御方法
JP2019188756A (ja) * 2018-04-27 2019-10-31 凸版印刷株式会社 偽造防止用印刷物

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4265180B2 (ja) * 2002-09-09 2009-05-20 富士ゼロックス株式会社 紙識別照合装置
JP2004153405A (ja) * 2002-10-29 2004-05-27 Fuji Xerox Co Ltd 書類確認方法及び装置
JP4337422B2 (ja) * 2003-06-20 2009-09-30 富士ゼロックス株式会社 物品登録装置、物品確認装置、及び物品登録確認装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11594067B2 (en) * 2017-02-16 2023-02-28 Nec Corporation Object collation device

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008102676A (ja) 2008-05-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4992375B2 (ja) 樹脂層読取方法、樹脂層識別照合方法、樹脂層読取装置および樹脂層識別照合装置
JP4063755B2 (ja) 画像形成除去システム
US7830555B2 (en) Image formation apparatus, image forming method and storage medium for storing program
JP5369161B2 (ja) 画像形成システム、画像形成方法、及びプリンタドライバ
EP3851918B1 (en) Image forming apparatus
JP2009031511A (ja) 画像形成装置
US9778587B2 (en) Image forming apparatus
Tanaka Electrophotography
James The classification of office copy machines from physical characteristics
US7344818B2 (en) Method for producing toner and an image forming method employing the toner
JP2000356861A (ja) 記録シート及び画像形成装置
JP2003207932A (ja) トナー、画像形成方法およびプロセスカートリッジ
JP4396456B2 (ja) 画像形成装置
CN110941160A (zh) 图像形成装置及图像结构
JP4262066B2 (ja) 画像形成方法及びトナー
JP2003091106A (ja) 画像形成装置
JP2010145482A (ja) 画像形成装置
JP4804367B2 (ja) 非磁性トナーおよび画像形成方法
JP4227510B2 (ja) トナー
JP2021162786A (ja) 定着装置、画像形成装置、定着方法及び画像形成方法
JP2006053268A (ja) 画像形成方法
JP2023182330A (ja) 画像形成システム及び画像形成装置
JP2006089207A (ja) 画像形成装置及び記録材
JP2007212991A (ja) 転写装置及び画像形成装置
JP6536905B2 (ja) 画像形成装置および画像形成システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090212

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120110

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120309

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120410

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120423

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150518

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4992375

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350