JP4337283B2 - 光ピックアップ装置及び記録及び/又は再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば光ディスクや光磁気ディスク等の光学ディスクに対して情報信号を記録し又は光学ディスクに記録された情報信号を再生する光ピックアップ装置及びこの光ピックアップ装置を備える記録及び/又は再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光学ディスクの記録及び/又は再生装置に設けられている光ピックアップ装置には、対物レンズに塵埃等の異物が付着することを防止する防塵機構を備えたものがある。
【0003】
例えば、防塵機構を備えた光ピックアップ装置は、ベースに対して光学ディスクの径方向に移動可能に配設される光ピックアップと、この光ピックアップを光学ディスクの径方向に移動する移動機構とを備える。そして、この光ピックアップ装置は、更に、光ピックアップ全体を収納する収納部を備える。このような光ピックアップ装置は、記録及び/又は再生装置の非使用時において、光ピックアップの対物レンズに塵埃等の異物か付着することを防止するために、光ピックアップを収納部に収納するように移動機構を制御している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、記録媒体となる光ディスクは、高密度に情報信号が記録されるようになり、これに伴い、対物レンズも高開口数のものが用いられ、光ディスクと対物レンズとの距離が近接するようになってきている。このため、収納部に光ピックアップを収納するときや収納部より光ピックアップを取り出すとき、対物レンズは、収納部の内面に接触し、傷等が付いてしまうおそれがある。対物レンズに傷等が付いてしまったときには、光ディスクに記録された情報信号を正確に読み出すことができなくなり、また、光ディスクに情報信号を正確に記録することができなくなってしまう。
【0005】
本発明の目的は、対物レンズに塵埃等の異物が付着することを防止するためにシャッタで対物レンズを閉塞する際に、対物レンズに傷等が付くことを防止することができる光ピックアップ装置及びこの光ピックアップ装置を備えた記録及び/又は再生装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光ピックアップ装置は、上述した課題を解決すべく、光ディスクの信号記録面に光源より出射された光ビームを集光する対物レンズが設けられた光ピックアップと、上記光ピックアップを、この光ピックアップが配設されるベースに設けられたガイド部に沿って、上記光ディスクの径方向に移動する移動機構と、上記対物レンズを外部から開閉するシャッタと、上記対物レンズを、この対物レンズの光軸方向に移動可能に支持すると共に、この対物レンズの移動を制御する移動制御手段とを備え、上記移動制御手段は、上記光ピックアップが上記移動機構により上記光ディスクの内周側又は外周側の待機位置に移動し、上記対物レンズを上記シャッタで閉塞するとき、所定位置にある対物レンズを更に光ディスクから離間する方向に移動させ、上記移動機構は、上記光ピックアップの移動方向に沿って設けられ、上記光ピックアップを上記光ディスクの径方向に移動する送りねじと、上記送りねじに伝達部が係合することにより上記送りねじに接続されていると共に、上記対物レンズを閉塞する上記シャッタが設けられ、上記シャッタが上記対物レンズを開放する方向に付勢する付勢部材により上記光ピックアップに接続され、上記光ピックアップに対して上記光ディスクの径方向にスライド可能に設けられているスライド部材とを有し、上記スライド部材は、上記伝達部が係合された上記送りねじが回転したとき、上記光ピックアップと共に上記光ディスクの径方向に移動し、上記待機位置まで移動したとき、上記光ピックアップの移動が上記ベースに設けられた規制部によって規制され、上記付勢部材の付勢力に抗して上記光ピックアップに対してスライドすることで、上記シャッタによって上記対物レンズを閉塞する。
また、本発明に係る光ピックアップ装置は、上述した課題を解決すべく、光ディスクの信号記録面に光源より出射された光ビームを集光する対物レンズが設けられた光ピックアップと、上記光ピックアップを、この光ピックアップが配設されるベースに設けられたガイド部に沿って、上記光ディスクの径方向に移動する移動機構と、上記対物レンズを外部から開閉するシャッタと、上記対物レンズを、この対物レンズの光軸方向に移動可能に支持すると共に、この対物レンズの移動を制御する移動制御手段とを備え、上記移動制御手段は、上記光ピックアップが上記移動機構により上記光ディスクの内周側又は外周側の待機位置に移動し、上記対物レンズを上記シャッタで閉塞するとき、所定位置にある対物レンズを更に光ディスクから離間する方向に移動させ、上記移動機構は、上記光ピックアップに設けられて上記光ピックアップを移動するための第1のラック部と、上記第1のラック部に対してスライド可能に設けられており、上記第1のラック部と共に上記光ピックアップを光ディスクの径方向に移動させる第2のラック部と上記対物レンズを開閉する上記シャッタとが設けられているスライド部材と、上記第1のラック部と上記スライド部材の上記第2のラック部との間に張架される付勢部材と、上記第1及び第2のラック部にぞれぞれ噛合する駆動ギヤを有し、上記駆動ギヤによって上記第1及び第2のラック部を駆動する駆動機構とを有し、上記光ピックアップが所定方向に移動されて上記待機位置に到達したときに、上記第1のラック部と上記駆動ギヤとの噛合状態が解除されて、上記第2のラック部のみが上記駆動機構によって駆動されて、上記第1のラック部に対して上記スライド部材が更に移動されることによって、上記シャッタが上記対物レンズを閉塞する。
【0007】
また、本発明に係る記録及び/又は再生装置は、上述した課題を解決すべく、光ディスクの信号記録面に光源より出射された光ビームを集光する対物レンズが設けられた光ピックアップと、上記光ピックアップを、この光ピックアップが配設されるベースに設けられたガイド部に沿って、上記光ディスクの径方向に移動する移動機構と、上記対物レンズを外部から開閉するシャッタと、上記対物レンズを、この対物レンズの光軸方向に移動可能に支持すると共に、この対物レンズの移動を制御する移動制御手段とを備え、上記移動制御手段は、上記光ピックアップが上記移動機構により上記光ディスクの内周側又は外周側の待機位置に移動し、上記対物レンズを上記シャッタで閉塞するとき、所定位置にある対物レンズを更に光ディスクから離間する方向に移動させ、上記移動機構は、上記光ピックアップの移動方向に沿って設けられ、上記光ピックアップを上記光ディスクの径方向に移動する送りねじと、上記送りねじに伝達部が係合することにより上記送りねじに接続されていると共に、上記対物レンズを閉塞する上記シャッタが設けられ、上記シャッタが上記対物レンズを開放する方向に付勢する付勢部材により上記光ピックアップに接続され、上記光ピックアップに対して上記光ディスクの径方向にスライド可能に設けられているスライド部材とを有し、上記スライド部材は、上記伝達部が係合された上記送りねじが回転したとき、上記光ピックアップと共に上記光ディスクの径方向に移動し、上記待機位置まで移動したとき、上記光ピックアップの移動が上記ベースに設けられた規制部によって規制され、上記付勢部材の付勢力に抗して上記光ピックアップに対してスライドすることで、上記シャッタによって上記対物レンズを閉塞する。
また、本発明に係る記録及び/又は再生装置は、上述した課題を解決すべく、光ディスクの信号記録面に光源より出射された光ビームを集光する対物レンズが設けられた光ピックアップと、上記光ピックアップを、この光ピックアップが配設されるベースに設けられたガイド部に沿って、上記光ディスクの径方向に移動する移動機構と、上記対物レンズを外部から開閉するシャッタと、上記対物レンズを、この対物レンズの光軸方向に移動可能に支持すると共に、この対物レンズの移動を制御する移動制御手段とを備え、上記移動制御手段は、上記光ピックアップが上記移動機構により上記光ディスクの内周側又は外周側の待機位置に移動し、上記対物レンズを上記シャッタで閉塞するとき、所定位置にある対物レンズを更に光ディスクから離間する方向に移動させ、上記移動機構は、上記光ピックアップに設けられて上記光ピックアップを移動するための第1のラック部と、上記第1のラック部に対してスライド可能に設けられており、上記第1のラック部と共に上記光ピックアップを光ディスクの径方向に移動させる第2のラック部と上記対物レンズを開閉する上記シャッタとが設けられているスライド部材と、上記第1のラック部と上記スライド部材の上記第2のラック部との間に張架される付勢部材と、上記第1及び第2のラック部にぞれぞれ噛合する駆動ギヤを有し、上記駆動ギヤによって上記第1及び第2のラック部を駆動する駆動機構とを有し、上記光ピックアップが所定方向に移動されて上記待機位置に到達したときに、上記第1のラック部と上記駆動ギヤとの噛合状態が解除されて、上記第2のラック部のみが上記駆動機構によって駆動されて、上記第1のラック部に対して上記スライド部材が更に移動されることによって、上記シャッタが上記対物レンズを閉塞する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用されたディスクドライブ装置について、図面を参照して説明する。
【0009】
図1に示すように、本発明が適用されたディスクドライブ装置1は、光ディスクに記録された情報信号の読み出しを行う装置である。このディスクドライブ装置1は、具体的に、コンパクトディスク(CD)やディジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)に記録された情報信号の読み出しを行う。光ディスクには、内周側のリードイン領域にアドレス情報等のTOC(table of contents)等が記録され、リードイン領域の外周側のプログラム領域に、画像データ、映像データ、音声データ、コンピュータプログラム、コンピュータで処理される処理データ等の情報信号が記録され、このプログラム領域の外周側に、リードアウト領域が設けられている。ディスクドライブ装置1に設けられる光ピックアップは、この光ディスクDの内外周に亘って移動されることによって、各記録領域に記録された情報信号の読み出しを行う。
【0010】
このようなディスクドライブ装置1は、光ディスクDに対して情報の記録再生を行う光ピックアップ機構2と、光学ディスクを回転駆動するディスク駆動機構3とを備える。
【0011】
光ピックアップ機構2は、光ディスクDに記録された情報信号の読み出しを行う光ピックアップ11と、この光ピックアップ11を光ディスクDの径方向に移動する移動機構12と、光ピックアップ11が光ディスクDの径方向に移動可能に配設されるベース13とを備える。
【0012】
光ピックアップ11は、図1及び図2に示すように、ベース13に、光ピックアップ11が光ディスクDの内外周、すなわち図1及び図2中矢印a1及びa2方向に亘って移動できるように設けられた光ピックアップ11の移動用の開口部16内に移動可能に配設されている。光ピックアップ11は、光源である半導体レーザより出射された光ビームを対物レンズ14で集光し光ディスクDの信号記録面に照射すると共に光ディスクDの信号記録面で反射された戻りの光ビームを光検出器で検出する光学系ブロックと、対物レンズ14を対物レンズ14の光軸方向であるフォーカシング方向と対物レンズ14の光軸に直交するトラッキング方向に駆動変位する対物レンズ駆動部とを有する。これら光学ブロックと対物レンズ駆動部とは、カバー15内に配設されている。
【0013】
カバー15は、例えばABS樹脂等の樹脂材料によって、光ディスクDの信号記録面に略平行な主面部15aを有する略箱状に形成されている。カバー15には、図1及び図2に示すように、主面部15aの略中央に、レンズホルダに保持された対物レンズ14を光ディスクDの信号記録面に臨ませるための開口部18が設けられている。この開口部18は、光ディスクDの径方向に長径とされた略楕円形状に形成されている。また、対物レンズ14を外部に臨ませる開口部18の周囲には、対物レンズ14の頂点より高い突部17が設けられている。突部17は、対物レンズ14の頂部より高く形成されていることで、後述するシャッタが対物レンズ14を開閉する際、対物レンズ14の頂部とシャッタが接触し、対物レンズ14に傷等が付かないようにしている。
【0014】
以上のような光ピックアップ11を光ディスクDの径方向に移動する移動機構12は、図2及び図3に示すように、光ピックアップ11を支持する支持部材21と、光ピックアップ11が配設された支持部材21を光ディスクDの径方向に送り操作するための送りねじ22と、光ピックアップ11が配設された支持部材21を光ディスクDの径方向に送り操作する際に支持部材21のガイドを行うガイド部23と、支持部材21に配設されると共に送りねじ22に接続されて支持部材21を光ディスクDの径方向に移動させるスライド部材24と、支持部材21とスライド部材24とを接続するコイルバネ25とを備える。
【0015】
支持部材21は、図2及び図3に示すように、主面上に、光ピックアップ11が配設されており、下側に、送りねじ22が挿通される挿通孔31が設けられ、側面部に、ベース13に設けられた開口部16の光ピックアップ11の移動方向と平行な側縁部に形成されたガイド部23に移動可能に係合する一対のガイド片32,32が設けられている。
【0016】
挿通孔31に挿通される送りねじ22は、金属等の棒状部材の外周面にねじ溝が形成されたものであり、光ピックアップ11の移動方向に亘って、ベース13の裏面側に設けられた支持部に回転可能に支持されている。図1及び図2に示すように、送りねじ22の一端部には、ギヤ33が設けられ、このギヤ33は、複数のギヤからなるギヤ列34を介して駆動源となる駆動モータ35に接続されている。支持部材21は、送りねじ22が挿入されている部分が貫通した開口部40となっており、送りねじ22を外部に臨ませている。
【0017】
光ピックアップ11の一側面に形成された一対のガイド片32,32は、ベース13の開口部16の側縁部に設けられたガイド部23を挟み込むように係合される。一対のガイド片32,32は、ベース13のガイド部23を挟み込むように係合することで、光ピックアップ11の径方向となる図2中矢印a1及びa2方向の移動をガイドすると共に、ベース13の主面に対して直交する方向の振動等が加わったときにも、光ピックアップ11ががたつかないようにしている。
【0018】
支持部材21には、光ディスクDの外周側となる一端部に、コイルバネ25が係止される係止片36が設けられ、光ディスクDの内周側となる他端側に、スライド部材24のスライドをガイドするガイド片37が設けられている。なお、係止片36は、スライド部材24のスライドをガイドするガイド片としても機能する。
【0019】
また、支持部材21には、図2及び図3に示すように、光ディスクDの内周側に対応する位置に、支持部材21が光ディスクDの内周側の図2中矢印a1方向に移動し過ぎ、ディスク駆動機構3に衝突することを防止する内周側ストッパ片38が設けられている。この内周側ストッパ片38は、光ディスクDの内周側の側面より突出して設けられている。一方、ベース13には、光ピックアップ11の移動用の開口部16のディスク駆動機構3に近接する側縁部に、内周側ストッパ片38が当接される内周側規制凹部39が設けられている。
【0020】
また、支持部材21には、図2及び図3に示すように、光ディスクDの外周側に対応する位置に、支持部材21が光ディスクDの外周側の図2中矢印a2方向に移動し過ぎることを防止する外周側ストッパ片41が設けられている。一方、ベース13には、光ピックアップ11の移動用の開口部16の内周側規制凹部39が設けられた側縁部と対向する側縁部、すなわち光ディスクDの外周側に対応する側縁部に、外周側ストッパ片41が当接される外周側規制凹部42が設けられている。すなわち、支持部材21に支持された光ピックアップ11は、内周側ストッパ片38が内周側規制凹部39に当接し、外周側ストッパ片41が外周側規制凹部42に当接することで、光ディスクDの径方向の移動可能範囲が規制されている。
【0021】
支持部材21に取り付けられるスライド部材24は、図2及び図3に示すように、略矩形の板状体よりなり、送りねじ22の軸線方向となる長手方向に、スライドをガイドする第1のガイド孔43と第2のガイド孔44が設けられている。第1のガイド孔43には、コイルバネ25が係止される支持部材21の係止片36が係合される。また、第1のガイド孔43の図2中矢印a2方向の端部には、第1のガイド孔43に係合された係止片36が当接され、スライド部材24が光ディスクDの内周側にスライドし過ぎることを防止する規制片45が設けられている。更に、第1のガイド孔43の中程の両側には、第1のガイド孔43に係合された係止片36が当接されることでスライド部材24が光ディスクDの外周側に移動し過ぎることを防止する規制突部46,46が設けられている。
【0022】
また、第2のガイド孔44は、支持部材21のガイド片37が係合され、第1のガイド孔43と共にスライド部材24の移動範囲を規制する。この第2のガイド孔44の図2中矢印a2方向の端部には、コイルバネ25の他端が係止される。したがって、第1のガイド孔43に支持部材21の係止片36が係合され、第2のガイド孔44にガイド片37が係合され、コイルバネ25を介して支持部材21に接続されたスライド部材24は、コイルバネ25の付勢力によって常時光ディスクDの外周側である図2中矢印a2方向に付勢された状態にあり、規制突部46,46が係止片36の一方の面に当接した状態にある。
【0023】
また、このスライド部材24には、光ピックアップ11の開口部18に取り付けられた対物レンズ14を開閉するシャッタ47が設けられている。このシャッタ47は、スライド部材24のスライドに伴って、対物レンズ14を開放した開放位置と対物レンズ14を閉塞した閉塞位置とに亘って移動する。すなわち、シャッタ47は、光ディスクDの再生を行うとき、図1乃至図3中矢印a2方向にスライドすることで対物レンズ14を開放し、非使用時等これ以外のとき、図1乃至図3中矢印a1方向にスライドすることで、対物レンズ14を閉塞する。シャッタ47は、図2に示すように、POM(ポリオキシメチレン)等の樹脂材料によって略矩形状に形成されており、カバー15の開口部18を閉塞するに足る面積を有している。シャッタ47は、図2に示すように、弾性を有する一対の直線状の連結片48,48を介してスライド部材24に一体に形成されており、これら連結片48,48の弾性力によってカバー15の上面に付勢されている。なお、対物レンズ14の周囲には、対物レンズ14の頂部より高い突部17が設けられていることから、シャッタ47は、閉塞位置において、対物レンズ14と接触すること無く、突部17に接触することになる。
【0024】
また、スライド部材24には、図2及び図4に示すように、支持部材21を上側から下側に回り込むようにして、送りねじ22に接続するための伝達部材51が設けられている。伝達部材51は、先端部に、支持部材21の開口部40より外部に臨まされた送りねじ22のねじ溝に係合する係合突起52が設けられている。この伝達部材51は、例えば板バネ等の弾性材料により形成され、スライド部材24に取り付けられることでスライド部材24と一体的に移動するようになっている。なお、伝達部材51は、伝達部材51は、スライド部材24と一体成形するようにしてもよい。この伝達部材51は、係合突起52が板バネの付勢力により常時送りねじ22のねじ溝に係合するようになっている。かくして、送りねじ22の回転を直線移動に変換する伝達部材51が取り付けられたスライド部材24は、送りねじ22が回転することによって図1乃至図3中矢印a1及びa2方向にスライドし、シャッタ47を対物レンズ14を開放した開放位置と対物レンズ14を閉塞した閉塞位置とに亘って移動させる。
【0025】
一端が支持部材21の係止片36に係止され他端が第2のガイド孔44の端部に係止されるコイルバネ25は、スライド部材24を、シャッタ47を対物レンズ14を開放する図2及び図3中矢印a2方向に付勢する付勢部材であると共に支持部材21とを接続する接続部材である。したがって、光ピックアップ11が配設された支持部材21は、スライド部材24が送りねじ22の回転により図2及び図3中矢印a1及びa2方向にスライドすると、これに合わせて光ディスクDの径方向に移動する。このように、支持部材21とスライド部材24とを接続する接続部材となるこのコイルバネ25は、トラックジャンプ時等に光ピックアップ11を高速に移動させる際に、スライド部材24に対して光ピックアップ11が配設された支持部材21がぶれない程度の付勢力を有する。
【0026】
更に、移動機構12は、図2に示すように、光ピックアップ11が光ディスクDのリードイン領域に移動されたことを検出する検出機構53を有している。検出機構53は、支持部材21に取り付けられる検出スイッチ54と、検出スイッチ54の押圧子55を押圧する押圧片56とを有する。
【0027】
検出スイッチ54は、図2に示すように、押圧子55が光ディスクDの内周側を向くように支持部材21に取り付けられている。押圧片56は、光ピックアップ11の移動用の開口部16のディスク回転駆動機構3側の側縁部に設けられている。検出スイッチ54は、具体的に光ピックアップ11が光ディスクDのTOCを読み出すためリードイン領域の略中央に移動したとき、押圧子55が押圧片56に押圧され、これによって、光ピックアップ11が光ディスクDのリードイン領域の読み出し位置にあることを検出する。
【0028】
ところで、図5に示すように、検出スイッチ54で生成された検出信号は、マイコン61に入力される。マイコン61は、検出信号が入力されると、タイマ62で所定時間を計時し、この間、送りねじ22を回転する駆動モータ35を駆動する駆動信号を駆動モータ35の駆動回路63に出力する。この間、駆動モータ35は、送りねじ22を回転し続ける。光ピックアップ11が配設された支持部材21は、内周側ストッパ片38がベース13の内周側規制凹部39に当接され、位置が規制されていることから、スライド部材24は、コイルバネ25の付勢力に抗して図5中矢印a1方向に移動し、シャッタ47で対物レンズ14を閉塞する。
【0029】
また、マイコン61は、シャッタ47で対物レンズ14を閉塞するとき、対物レンズ14がシャッタ47に当たることを防止するため、対物レンズ14を光ディスクDから離間させる方向の逆バイアス電圧を、上記所定期間、対物レンズ14のフォーカシング制御を行うフォーカシング駆動部64に印加する。このフォーカシング駆動部64は、マグネットにより発生される磁界とフォーカシングコイルに流れる電流との作用により対物レンズ14をフォーカシング方向に駆動変位する。これにより、マイコン61は、対物レンズ14を、装置の電源オフのときより更に光ディスクDより離間する方向に変位させる。
【0030】
図1及び図5に示すように、ディスク回転駆動機構3は、光ディスクDを回転する駆動モータ64を有する。この駆動モータ64は、ベース13に固定されており、駆動軸に、光ディスクDが装着されるディスク駆動部を構成するディスクテーブルが設けられている。このような駆動モータ64は、光ディスクDがディスクテーブルに装着されると、例えば線速度が一定となるように光ディスクDを駆動する。
【0031】
次に、以上のように構成されたディスクドライブ装置1の一連の動作について説明する。先ず、図6に示す時刻t1において、ディスクドライブ装置1は、光ディスクDのプログラム領域に記録された情報信号の再生中である。ところで、ディスクドライブ装置1は、ワーキングディスタンスの異なるCDとDVDの再生が可能である。そこで、CDの再生を行うとき、フォーカシング駆動部64は、図5及び図7に示すように、対物レンズ14を、フォーカシング駆動部64に電圧が印加されていない基準位置から対物レンズ14が光ビームを信号記録面に合焦した基準位置よりCDに近接した合焦位置に変位させる。更に、フォーカシング駆動部64は、更にCDに面ぶれ等が発生したときにフォーカシング制御を行うため合焦位置より更にCDに近接したフォーカシング制御位置まで対物レンズ14を変位させる。すなわち、フォーカシング駆動部64は、CDの再生を行うとき、対物レンズ14を合焦位置とフォーカシング制御位置とに亘って駆動変位する。
【0032】
トラッキングコイルとマグネットから構成され、トラッキングコイルに流れる電流と磁界との作用により対物レンズ14をトラッキング方向に駆動変位するトラッキング制御部65は、CDの再生を行っているとき、対物レンズ14の光軸と直交するトラッキング方向に対物レンズ14を変位させ、対物レンズ14のトラッキング制御を行う。
【0033】
また、DVDの再生を行うとき、図5及び図8に示すように、対物レンズ14を、フォーカシング駆動部64に電圧が印加されていないときの位置であり、対物レンズ14が光ビームを信号記録面に合焦した位置でもある基準位置からDVDに近接したDVDに面ぶれ等が発生したときにフォーカシング制御を行うため合焦位置より更にDVDに近接したフォーカシング制御位置まで対物レンズ14を変位させる。すなわち、フォーカシング駆動部64は、DVDの再生を行うとき、対物レンズ14を基準位置とフォーカシング制御位置とに亘って駆動変位する。
【0034】
トラッキング制御部65は、DVDの再生を行っているとき、対物レンズ14の光軸と直交するトラッキング方向に対物レンズ14を変位させ、対物レンズ14のトラッキング制御を行う。
【0035】
かくして、CDやDVDの信号記録面で反射された戻りの光ビームは、光ピックアップ11内の光学ブロックに配設された光検出器で検出され、光電変換される。
【0036】
以上のようにして、光ピックアップ11がCDやDVDの再生を行っているとき、図9に示すように、スライド部材24は、コイルバネ25の付勢力によって支持部材21に対して図9中矢印a2方向にスライドされており、支持部材21の係止片36に規制突部46が当接した状態にある。したがって、対物レンズ14を閉塞するシャッタ47も、対物レンズ14を開放する開放位置にあり、光ディスクDの信号記録面に光ビームを照射することができるようになっている。光ディスクDのプログラム領域に記録された情報信号を読み出しに従って、駆動モータ34は、送りねじ22を回転し、これに合わせて、スライド部材24と一体的に支持部材21に配設された光ピックアップ11を光ディスクDの径方向である図7中矢印a1及びa2方向に移動させる。そして、光ピックアップ11は、光源より出射した光ビームを対物レンズ14で集光し、光ディスクDの信号記録面で反射された光ビームを光検出器で検出し、情報信号の読み出しを行う。このとき、コイルバネ25は、トラックジャンプ時等に光ピックアップ11を高速に移動させる際に、スライド部材24に対して光ピックアップ11が配設された支持部材21がぶれない程度の付勢力を有することから、送りねじ22により直接的にスライドされるスライド部材24に対して支持部材21に配設された光ピックアップ11の位置がずれることを防止することができる。なお、光ピックアップ11が光ディスクDの外周側、すなわちリードアウト領域に移動したときには、外周側ストッパ片41が外周側規制凹部42に当接され、光ディスクDの外周側に移動し過ぎることが防止される。
【0037】
次いで、図6中時刻t2において、再生を終了するとき等に光ピックアップ11が光ディスクDの外周側から内周側、すなわちリードイン領域に移動すると、図10に示すように、支持部材21に設けられた内周側ストッパ片38は、ベース13に設けられた内周側規制凹部39に当接し、光ピックアップ11が配設された支持部材21がこれ以上光ディスクDの内周側に行かないようにする。これと同時に、支持部材21に設けられた検出スイッチ54は、押圧子55がベース13に設けられた押圧片56に押圧されオン状態となり、検出信号をマイコン61に出力する。
【0038】
マイコン61は、検出スイッチ54から検出信号が入力されると、スライド部材24に設けられたシャッタ47が対物レンズ14を閉塞する閉塞位置まで移動させるまでの所定時間を計時する。ここで、支持部材21は、内周側ストッパ片38が内周側規制凹部39に当接し、図10中矢印a1方向に行かない状態にある。この状態で、更に、駆動モータ35が駆動し送りねじ22が回転し続けると、スライド部材24は、コイルバネ25の付勢力に抗して図10中矢印a1方向に移動する。これによって、図6中時刻t3において、スライド部材24に設けられたシャッタ47は、対物レンズ14を閉塞する閉塞位置の方向に移動を開始する。
【0039】
マイコン61は、所定時間が経過すると、図6中時刻t4において、駆動モータ35を停止する。すると、シャッタ47は、図11及び図12に示すように、対物レンズ14を閉塞する閉塞位置に移動し、対物レンズ14を閉塞する。このとき、シャッタ47は、連結片48によって対物レンズ14の方向に付勢されることから、隙間から塵埃等が侵入し対物レンズ14に付着することを防止することができる。これにより、対物レンズ14には、ディスクドライブ装置1の非使用時等に塵埃等の異物が付着することを防止することができる。なお、スライド部材24の移動は、支持部材21の係止片36の他方の面にスライド部材24の規制片45が当接することによっても機械的に規制される。
【0040】
ところで、図6中時刻t2において検出スイッチ54がオンとなってから時刻時刻t4において所定期間が経過するまでの間、図6に示すように、マイコン61は、フォーカシング駆動部64に逆バイアス電圧を印加する。これによって、フォーカシング駆動部64は、図7及び図8に示すように、対物レンズ14を、光ディスクDから最も離間したカバー15内の待避位置に変位させる。これによって、シャッタ47が対物レンズ14を開放した開放位置から閉塞した閉塞位置に移動する際に、シャッタ47が対物レンズ14に接触し対物レンズ14に傷等が付くことを防止することができる。そして、マイコン61は、所定時間が経過した時刻t4において、フォーカシング駆動部64に電圧を印加しないように例えば0Vとする。これによって、図7及び図8に示すように、対物レンズ14は、待避位置から基準位置に戻る。この基準位置において、対物レンズ14の頂部は、突部17より低い位置にある。したがって、対物レンズ14とシャッタ47とが接触し対物レンズ14に傷等が付くことを防止することができる。なお、仮に、振動等により対物レンズ14がシャッタ47に接触したときにも、点接触であることから、対物レンズ14の傷等を最小限に止めることができる。
【0041】
次に、図13を参照して、再生を開始するときの動作を説明する。再生開始信号等がマイコン61に入力されると、マイコン61は、時刻t5において、検出スイッチ54がオンの状態にあり、光ピックアップ11が光ディスクDの最内周側のリードイン読み出し位置にあることを検出する。これと同時に、マイコン61は、フォーカシング駆動部64に逆バイアスを印加し、対物レンズ14を、図7及び図8に示す基準位置から待避位置に変位させ、シャッタ47が対物レンズ14を閉塞した閉塞位置から開放位置に移動する際に対物レンズ14とシャッタ47が接触しないようにする。次いで、時刻t6において、マイコン61は、駆動モータ35をオンとし、送りねじ22を回転する。これによって、伝達部材51で送りねじ22に接続されたスライド部材24は、図11中矢印a2方向への移動を開始する。すなわち、スライド部材24に設けられたシャッタ48は、対物レンズ14を閉塞した閉塞位置から開放位置への移動を開始する。
【0042】
そして、スライド部材24が図11中矢印a2方向に移動し、図10に示すように、シャッタ47が対物レンズ14を開放した開放位置に移動すると、時刻t7において、検出スイッチ54がオフの状態となる。マイコン61は、検出スイッチ54がオフになったことを検出すると、光ディスクDのリードイン領域に記録された情報信号、具体的にTOCの読み出しを行うことができるように、対物レンズ14の引き込み動作を行う。すなわち、フォーカシング駆動部64には、逆バイアス電圧とバイアス電圧が印加される。これによって、対物レンズ14は、図7及び図8に示すように、フォーカシング制御位置と待避位置とに亘って変位し合焦位置に変位される。この後、移動機構12は、図9に示すような状態となり、光ディスクDに記録された情報信号の読み出しが可能な状態となる。この光ピックアップ11がある位置は、光ディスクDのリードイン領域の略中央であり、従って、光ピックアップ11を送り操作すること無く直ちにTOCの読み出しを開始することができる。
【0043】
以上のようなディスクドライブ装置1は、光ピックアップ11の対物レンズ14に塵埃等の異物が付着することを防止するための機構として、従来のように非使用時に光ピックアップ11を収納する収納部を設ける必要が無く、光ピックアップ11を光ディスクDの径方向に移動する送りねじ22を用いてシャッタ47を移動し、このシャッタ47の移動によって対物レンズ14の開閉を行うようにすることで、小型化や構成の簡素化を図りつつ非使用時にい対物レンズ14に塵埃等の異物が付着することを防止することができる。また、ディスクドライブ装置1は、光ピックアップ11を光ディスクDの径方向に送り操作する移動機構12として、小型の携帯型の機器に多く用いられる送りねじ22を用いるものに、対物レンズ14に塵埃等の異物が付着することを防止するシャッタ47を設けることができる。また、シャッタ47の開閉時において、対物レンズ14を光ディスクDから離間する方向に移動させることから、シャッタ47と対物レンズ14とが接触し傷等が付くことを防止することができる。
【0044】
ところで、上述した対物レンズ14をシャッタ47の開閉動作時に限って逆バイアス電圧をフォーカシング駆動部64に印加し、対物レンズ14を待避位置にまで引き込む動作は、以下に示すような光ピックアップ機構に適用することもできる。
【0045】
この光ピックアップ機構110は、図14に示すように、光ディスクDから情報を再生する光ピックアップ111と、この光ピックアップ111を光ディスクDの径方向に移動する移動機構112と、光ピックアップ111を移動可能に支持するとともに移動機構112を支持するベース113とを備えている。
【0046】
光ピックアップ111は、図14に示すように、ベース113に設けられた移動用の開口部116内に図14中矢印b1方向及びb2方向に移動可能に設けられている。光ピックアップ111は、対物レンズ118を有する光学系(図示せず)と、対物レンズ118の光軸方向及びこの光軸方向に直交する方向に対物レンズ118をそれぞれ駆動変位させる駆動部(図示せず)と、この駆動部を覆うカバー120とを有している。
【0047】
図示しないが、光学系は、レーザ光を出射する光源と、光路を構成するレンズ群と、光ディスクDからの反射光を受光する受光部とを有している。図示しないが、駆動部は、対物レンズ118を保持するレンズホルダと、このレンズホルダを変位可能に支持する支持機構と、レンズホルダを電磁力によって駆動する電磁回路部とを有している。カバー120は、図14に示すように、例えば樹脂材料によって略箱状に形成されており、対物レンズ118を光ディスクDに臨ませるための略楕円状の開口部121が設けられている。
【0048】
移動機構112は、図14に示すように、光ピックアップ111を支持する支持部材123と、この支持部材123を光ディスクDの径方向に移動可能に支持するガイド軸124と、支持部材123を移動可能にガイドするガイド部125と、支持部材123を移動させるスライド部材126と、支持部材123に対してスライド部材126をガイド軸124の軸方向に付勢するコイルバネ127と、スライド部材126を駆動する駆動ギヤ128と、この駆動ギヤ128を回転駆動する駆動モータ129とを備えている。
【0049】
支持部材123は、図14及び図15に示すように、主面上に、光ピックアップ111が配設されており、ガイド軸124が移動可能に挿通される軸挿通部131,131と、ガイド部125に移動可能に係合するガイド凹部132とを有している。また、支持部材123には、一側端に、駆動ギヤ128に噛合されて移動されるラック部133が一体に形成されている。
【0050】
このラック部133は、図14に示すように、ガイド軸124の軸方向と平行に形成されている。ラック部133には、スライド部材126に係合する係合片135,135と、コイルバネ127の一端が係止される係止片136とを有している。
【0051】
ガイド軸124は、図14に示すように、ベース113の移動用の開口部116に跨って、軸方向が光ディスクDの径方向に平行に配設されており、ベース113上に、両端が図示しない固定部によってそれぞれ固定されている。
【0052】
ガイド部125は、図14に示すように、樹脂材料によって直線状に形成されており、ガイド軸124の軸方向と平行に、ベース113の移動用の開口部116の一側縁部に沿って形成されている。このガイド部125には、図15に示すように、支持部材123のガイド凹部132が移動可能に係合されている。
【0053】
スライド部材126は、図16に示すように、ガイド軸124の軸方向と平行に形成されたラック部138を有し、このラック部138を支持部材123のラック部133に対して1/2歯厚程度ずらした状態で取り付けられている。スライド部材126には、図14に示すように、支持部材123のラック部133の係合片135,135が係合する係合孔140,140が形成されている。また、スライド部材126には、主面の略中央に、コイルバネ127が配設される開口部141が設けられており、この開口部141の一端に、コイルバネ127の他端が係止される係止片142が形成されている。
【0054】
コイルバネ127は、図14に示すように、一端が支持部材123のラック部133の係止片136に係止されると共に、他端がスライド部材126の係止片142に係止されている。コイルバネ127は、付勢力によって、支持部材123のラック部133に対してスライド部材126をガイド軸124の軸方向に平行な矢印b2方向に付勢している。すなわち、コイルバネ127は、支持部材123のラック部133とスライド部材126のラック部138を駆動ギヤ128に対してバックラッシュを打ち消す方向に付勢している。したがって、ベース113及びスライド部材126は、駆動ギヤ128の回転によってベース113及びスライド部材126を高精度に移動可能となる。
【0055】
また、光ピックアップ機構110は、図14に示すように、再生待機状態等における装置内の気流によって、光ピックアップ111の対物レンズ118の光ディスクDに対向する対向面に塵埃が付着することを防止するために、対物レンズ118の対向面を覆う閉塞位置と、対物レンズ118の対向面を光ディスクDに臨ませるように開放する開放位置とに開閉可能に設けられた開閉部材146を有する開閉機構145を備えている。
【0056】
この開閉機構145は、図14及び図17に示すように、対物レンズ118の対向面を開閉する開閉部材146と、この開閉部材146を回動可能に支持する回動軸147と、開閉部材146を開放位置に付勢する引っ張りコイルバネ148とを有している。
【0057】
開閉部材146は、図14に示すように、光ピックアップ111のカバー120の開口部121を開閉するシャッタ151と、回動軸147に回動可能に支持される回動支持部152と、カバー120に摺動可能に係合されてシャッタ151をガイドするガイド部153と、シャッタ151を図14中矢印c1方向及びc2方向に回動させるための作動部154とを有している。
【0058】
シャッタ151は、略平板状に形成されており、カバー120の上面を摺動して、カバー120の開口部121を開閉する。回動支持部152は、シャッタ151の一端部に位置して一体に形成されており、回動軸147が回動可能に挿入される軸穴を有している。ガイド部153は、断面略コ字状に形成されており、カバー120の外周部に一体に突出形成された略円弧状のガイド片155に摺動可能に係合されている。作動部154は、回動支持部152の外周部に、図14に示すように、ベース113上に設けられた操作突部156に臨む位置に形成されている。作動部154は、光ピックアップ111が光ディスクDの記録領域の最内周部、すなわちリードイン領域に移動されたときに、操作突部156に当接されて、回動支持部152を回動軸147の軸回り方向に回動させる。
【0059】
回動軸147は、支持部材123上に立設されており、開閉部材146の回動支持部152の軸穴に回動可能に挿入されている。引っ張りコイルバネ148は、図14に示すように、一端が、支持部材123に設けられた係止片158に係止されると共に、他端が、開閉部材146の回動支持部152近傍に位置する係止片159に係止されている。
【0060】
更に、移動機構112は、図14に示すように、光ピックアップ111が光ディスクDのリードイン領域に移動されたことを検出する検出機構161を有している。検出機構161は、光ピックアップ111が光ディスクDのリードイン領域の読み出し位置にあることを検出する検出スイッチ162と、検出スイッチ162の押圧子163を押圧する押圧片164を有する。
【0061】
検出スイッチ162は、押圧子163が光ピックアップ111の移動方向と直交する方向に向くように支持部材121に取り付けられている。また、押圧片164は、光ピックアップ111の移動方向に延長されて一体に突出形成されている。検出スイッチ16は、具体的に光ピックアップ111が光ディスクDのTOCを読み出すためリードイン領域の略中央に移動したとき、押圧子163が押圧片164に押圧され、これによって、光ピックアップ111が光ディスクDのリードイン領域の読み出し位置にあることを検出する。
【0062】
ところで、上記図5に示すように、検出スイッチ162で生成された検出信号は、マイコン61に入力される。マイコン61は、検出信号が入力されると、タイマ62で所定時間を計時し、この間、駆動モータ129を駆動し、支持部材123を移動させ、開閉部材146が開放位置から閉塞位置に移動するようにする。
【0063】
また、ベース113上には、光ディスクDを回転駆動するディスク回転駆動機構が配設されている。ディスク回転駆動機構は、図16に示すように、光ディスクDが載置されるディスクテーブル160と、このディスクテーブル160を回転駆動するスピンドルモータ(図示しない)とを有している。
【0064】
以上のように構成された光ピックアップ機構110は、光ディスクDから情報を再生する際に、移動機構112によってガイド軸124及びガイド部125に沿って支持部材123が移動されて、光ピックアップ111が光ディスクDの径方向に移動される。
【0065】
光ピックアップ機構110は、図17に示すように、光ピックアップ111が光ディスクDの径方向に移動されて、光ディスクDのリードイン領域の略中央部の読み出し位置に移動されたとき、ベース113上の操作突部156に開閉部材146の作動部154が当接される。このとき、検出スイッチ162の押圧子163がベース113に設けられた押圧片164に押圧される。これによって、検出スイッチ162は、検出信号をマイコン61に出力し、マイコン61は、所定時間を計時する。そして、駆動モータ129は、所定時間駆動を続け、図18に示すように、光ピックアップ111を更に所定量だけ移動させる。これによって、引っ張りコイルバネ148の付勢力に抗して開閉部材146が矢印c2方向に回動される。光ピックアップ機構110は、光ピックアップ111が光ディスクDの最内周に移動されたとき、図18に示すように、開閉部材146が閉塞位置に回動されてカバー120の開口部121が閉塞されることによって、対物レンズ118の対向面に塵埃が付着することが防止されている。
【0066】
ところで、検出スイッチ54がオンとなってから所定時間が経過するまでの間、すなわち開閉部材146が対物レンズ118の開放位置から閉塞位置まで移動するまでの間、図6に示すように、マイコン61は、フォーカシング駆動部64に逆バイアス電圧を印加する。これによって、フォーカシング駆動部64は、図7及び図8に示すように、対物レンズ14を、光ディスクDから最も離間し、カバー15内の待避位置に変位させる。これによって、開閉部材146が対物レンズ118を開放した開放位置から閉塞した閉塞位置に移動する際に、開閉部材146が対物レンズ118に接触し対物レンズ118に傷等が付くことを防止することができる。そして、マイコン61は、所定時間が経過したとき、フォーカシング駆動部64に電圧を印加しないように例えば0Vとする。これによって、図7及び図8に示すように、対物レンズ118は、待避位置から基準位置に戻る。したがって、対物レンズ118と開閉部材146とが接触し対物レンズ118に傷等が付くことを防止することができる。なお、仮に、対物レンズ118が開閉部材146に接触したときにも、点接触であることから、対物レンズ118の傷等を最小限に止めることができる。
【0067】
また、光ピックアップ機構110は、光ピックアップ111が記録領域の内周側のTOCが記録されたリードイン領域内に移動されたとき、開閉部材146が開放位置に回動されて、光ピックアップ111の対物レンズ118の対向面が光ディスクDに臨まされることにより、光ディスクDから情報を再生することが可能とされる。光ピックアップ111は、図17に示すように、開閉部材146が開放位置に移動された状態で、光ディスクDから情報信号を再生する。
【0068】
この場合、再生開始信号がマイコン61に入力されたとき、検出スイッチ162は、オンの状態にあり、これによって、マイコン61は、光ピックアップ111が開閉部材146が対物レンズ118の閉塞位置にあることを検出する。これと同時に、マイコン61は、フォーカシング駆動部64に逆バイアスを印加し、対物レンズ118を、図7及び図8に示す基準位置から待避位置に変位させ、開閉部材146が対物レンズ118を閉塞した閉塞位置から開放位置に移動する際に対物レンズ118と開閉部材146が接触しないようにする。そして、マイコン61は、タイマ62で所定時間を計時する。マイコン61は、所定時間が経過し検出スイッチ54がオフになったことを検出すると、マイコン61は、光ディスクDのリードイン領域に記録された情報信号、具体的にTOCの読み出しを行うことができるように、対物レンズ14の引き込み動作を行う。すなわち、フォーカシング駆動部64には、逆バイアス電圧とバイアス電圧が印加される。これによって、対物レンズ118は、図7及び図8に示すように、フォーカシング制御位置と待避位置とに亘って変位し合焦位置に変位される。この後、移動機構112は、光ディスクDに記録された情報信号の読み出しが可能な状態となる。この光ピックアップ111がある位置は、光ディスクDのリードイン領域の略中央であり、従って、光ピックアップ111を送り操作すること無く直ちにTOCの読み出しを開始することができる。
【0069】
更に、上述した対物レンズ14をシャッタ47の開閉動作時に限って逆バイアス電圧をフォーカシング駆動部64に印加し、対物レンズ14を待避位置にまで引き込む動作は、以下に示すような光ピックアップ機構に適用することもできる。
【0070】
図19に示すように、光ピックアップ機構201は、対物レンズ214を有する光ピックアップ211と、この光ピックアップ211を光ディスクDの径方向に平行な矢印c1方向及びc2方向に移動させる移動機構212と、光ピックアップ211を移動可能に支持するとともに移動機構212を支持するベース213とを備えている。
【0071】
光ピックアップ211は、図20に示すように、ベース213に設けられた移動用の開口部216内に移動可能に設けられている。光ピックアップ211は、対物レンズ214を有する光学系と、対物レンズ214の光軸方向に平行なフォーカシング方向及び光軸方向に直交するトラッキング方向に対物レンズ214をそれぞれ駆動変位する駆動部と、この駆動部を覆うカバー218とを有している。
【0072】
光ピックアップ211の駆動部は、対物レンズ214を保持するレンズホルダと、このレンズホルダを変位可能に支持する支持機構と、対物レンズ214を電磁力によって駆動変位させる電磁回路部とを有している。また、光学系は、レーザ光を出射する光源と、光路を構成するレンズ群と、光ディスクDからの反射光を受光する受光部とを有している。このような光ピックアップ211は、半導体レーザ等より出射した光ビームを対物レンズ214で集光し、光ディスクDの信号記録面に照射し光ディスクDの信号記録面で反射した戻りの光ビームを検出し光ディスクDに記録された情報信号の読み出しを行う。また、駆動部は、光ディスクDに記録された情報信号の読み出し等を行っているとき、対物レンズ214をフォーカシング方向やトラッキング方向に駆動変位し、フォーカシング及びトラッキング制御を行う。
【0073】
カバー218は、例えばABS樹脂等の樹脂材料によって、光ディスクDの記録面に略平行な上面を有する略箱状に形成されている。カバー218には、図19に示すように、上面の略中央に、対物レンズ214を光ディスクDの記録面に臨ませるための開口部220が設けられている。この開口部220は、光ディスクDの径方向に長径とされた略楕円形状に形成されている。
【0074】
移動機構212は、図19に示すように、光ピックアップ211を支持する支持部材221と、この支持部材221を光ディスクDの径方向に移動可能に支持するガイド軸222と、支持部材221を移動可能にガイドするガイド部223と、支持部材221を移動させるためのスライド部材224と、支持部材221に対してスライド部材224をガイド軸222の軸方向に付勢する付勢部材となるコイルバネ225と、スライド部材224を駆動する駆動ギヤ226と、この駆動ギヤ226をギヤ列を介して回転駆動する駆動モータ228とを有している。
【0075】
支持部材221は、図20に示すように、主面上に、光ピックアップ211が配設されており、ガイド軸222が移動可能に挿通される軸挿通部231と、ガイド部223に移動可能に係合する一対のガイド片232,232とを有している。また、支持部材221には、図20に示すように、一側端に、駆動ギヤ226に噛合されて移動されるラック部233が一体に形成されている。
【0076】
このラック部233は、図20に示すように、ガイド軸222の軸方向と平行に形成されている。ラック部233には、スライド部材224に移動可能に係合される係合片235,236と、コイルバネ225の一端が係止される係止片237とがそれぞれ一体に形成されている。また、ラック部233は、図21及び図22に示すように、光ディスクDの外周側の終端に位置する歯238が、他の歯239に比して歯厚が1/2程度に小さくされた略三角形状に形成されており、駆動ギヤ226から容易に離間されて支持部材221のラック部233との噛合状態が解除されるようにされている。
【0077】
また、支持部材221には、図20に示すように、光ディスクDの内周側に対応する位置に、支持部材221が矢印c1方向に移動することを規制する内周側ストッパ片241が、移動方向と平行に一体に突出形成されている。また、ベース213には、移動用の開口部216の内周側の一側縁部に、支持部材221の内周側ストッパ片241が当接される内周側規制用凹部242が切り欠かれて形成されている。
【0078】
また、支持部材221には、図20に示すように、光ディスクDの外周側に対応する位置に、支持部材221が矢印c2方向に移動することを規制する外周側ストッパ片243が、移動方向と平行に一体に突出形成されている。また、ベース213には、移動用の開口部216の外周側の一側縁部に、支持部材221の外周側ストッパ片243が当接される外周側規制用凹部244が切り欠かれて形成されている。
【0079】
ガイド軸222は、図19に示すように、ベース213の移動用の開口部216に跨って、軸方向が光ディスクDの径方向に平行に配設されており、ベース213上に、両端が固定部によってそれぞれ固定されている。
【0080】
ガイド部223は、図19及び図20に示すように、ガイド軸222の軸方向と平行に、ベース213の移動用の開口部216の一側縁部に沿って形成されている。このガイド部223には、支持部材221のガイド片232,232が移動可能に係合されており、ガイド軸222の軸回り方向に対する支持部材221の自由度を規制している。
【0081】
スライド部材224は、図19に示すように、ガイド軸222の軸方向と平行に形成されたラック部246を有し、このラック部246を支持部材221のラック部233に一致させて支持部材221上に設けられている。スライド部材224には、支持部材221のラック部233の各係合片235,236が、ガイド軸222の軸方向と平行に移動可能に係合する係合溝248,249がそれぞれ形成されている。
【0082】
また、スライド部材224には、図19及び図21に示すように、支持部材221のラック部233の一方の係合片236に当接されることによって、ラック部233に対する相対位置を規制するための規制突部250,250がそれぞれ一体に突出形成されている。
【0083】
また、スライド部材224には、駆動ギヤ226に移動可能に係合されるガイド片252が、ラック部246に沿って一体に突出形成されている。また、スライド部材224には、コイルバネ225が係止される係止片253が一体に形成されている。
【0084】
コイルバネ225は、図19に示すように、一端が支持部材221のラック部233の係止片236に係止されるとともに、他端がスライド部材224の係止片253に係止されている。したがって、コイルバネ225は、付勢力によって、支持部材221のラック部233に対してスライド部材224をガイド軸222の軸方向に平行な方向である矢印c2方向に付勢している。
【0085】
駆動ギヤ226は、図19に示すように、支持部材221及びスライド部材224の各ラック部233,246に噛合するギヤ部255を有している。また、駆動ギヤ226は、図19に示すように、先端に、スライド部材224のガイド片252が移動可能に係合するガイド溝256が形成されている。駆動ギヤ226及びギヤ群は、ベース213上に、ガイド軸222を介して回転可能にそれぞれ設けられている。駆動モータ228は、ベース213上に、ギヤ群に噛合されて設けられている。
【0086】
また、移動機構212は、図19に示すように、光ピックアップ211の対物レンズ214の光ディスクDに対向する対向面を覆う閉塞位置と、対物レンズ214の対向面を光ディスクDに臨ませるように開放する開放位置とに開閉可能に設けられたシャッタ258を有している。
【0087】
シャッタ258は、図19に示すように、例えばPOM(ポリオキシメチレン)等の樹脂材料によって略矩形状に形成されており、カバー218の開口部220を閉塞するに足る面積を有している。シャッタ258は、図19に示すように、弾性を有する一対の直線状の連結片259,259を介してスライド部材224に一体に形成されており、これら連結片259,259の弾性力によってカバー218の上面に付勢されている。
【0088】
また、移動機構212は、図19及び図20に示すように、光ピックアップ211が光ディスクDのTOCが記録されたリードイン領域の内周側に移動されたことを検出する検出機構260を有している。検出機構260は、支持部材221に設けられた検出片261と、この検出片261が当接されたことを検出する検出スイッチ262とを有している。検出片261は、支持部材221の底面側に、光ピックアップ211の移動方向に延長されて一体に突出形成されている。検出スイッチ262は、ベース213に取り付けられた回路基板上に設けられており、光ピックアップ211の対物レンズ214が、光ディスクDのリードイン領域内の径方向の略中央に移動されたときに、検出片261に当接する位置に配設されている。そして、検出スイッチ262は、光ピックアップ211が光ディスクDのリードイン領域内の径方向の略中央に移動に移動したとき、検出片261に押圧されることによりオンとなり、検出信号を生成する。
【0089】
ところで、上記図5に示すように、検出スイッチ262で生成された検出信号は、マイコン61に入力される。マイコン61は、検出信号が入力されると、タイマ62で所定時間を計時し、この間、駆動モータ228を駆動し、支持部材221のラック部233に対してスライド部材224を所定量だけ移動させることにより、シャッタ258をカバー218の開口部220を閉塞する閉塞位置に移動させる。
【0090】
以上のように構成された光ピックアップ機構201について、光ピックアップ211の移動に伴って、シャッタ258が開閉される動作を図面を参照して説明する。
【0091】
先ず、光ピックアップ機構201は、再生動作を待機する待機位置で、光ピックアップ211が光ディスクDのリードイン領域の内周側に位置されており、図23に示すように、シャッタ258によってカバー218の開口部220が閉塞されて対物レンズ214の対向面が覆われている。したがって、光ピックアップ機構201は、再生操作を待機する待機位置で、対物レンズ214の対向面に塵埃が付着することが防止されている。この待機位置で、光ピックアップ機構201は、図23に示すように、支持部材221のラック部233と駆動ギヤ226との噛合状態が解除されているとともに、シャッタ258が設けられたスライド部材224のラック部246が駆動ギヤ226に噛合されている。
【0092】
次に、光ピックアップ機構201は、光ディスクDの再生が開始されたとき、図24に示すように、駆動ギヤ226にラック部246が噛合されたスライド部材224が、駆動ギヤ226によって矢印c2方向に移動されることに伴ってシャッタ258が矢印c2方向に移動されて、カバー218の開口部220を開放すると共に対物レンズ214の対向面を光ディスクDに臨ませる開放位置に移動される。また、図24に示すように、光ピックアップ機構201は、スライド部材224が矢印c2方向に移動されることに伴って、支持部材221のラック部233の係合片236に、スライド部材224の規制ピン250,250が当接される。
【0093】
光ピックアップ機構201は、係合片236に規制ピン250,250が当接されることによって、支持部材221にコイルバネ225の付勢力が作用されて、支持部材221が矢印c2方向に移動される。このため、図25に示すように、光ピックアップ機構201は、支持部材221のラック部233が駆動ギヤ226に噛合されて、支持部材221のラック部233及びスライド部材224のラック部246の各歯が互いに一致されて、駆動ギヤ226にそれぞれ噛合される。このとき、支持部材221は、ラック部233が駆動ギヤ226に噛合される際の噛み合わせによって、支持部材221が矢印c2方向に微小距離dだけ変位する。このため、移動機構212は、支持部材221が矢印c2方向に微小距離dだけ変位することに伴って、図25に示すように、規制ピン250,250に対して係合片236が微小距離dだけ離間される。移動機構212は、図25に示すように、規制ピン250,250と係合片236との間が離間することによって、コイルバネ225の付勢力が、支持部材221のラック部233及びスライド部材224のラック部246と駆動ギヤ226とのバックラッシュを打ち消すように作用する。
【0094】
そして、光ピックアップ機構201は、図26に示すように、光ディスクDの記録領域から情報信号を再生する再生状態で、コイルバネ225の付勢力によってバックラッシュが打ち消されているため、移動機構212によって光ピックアップ211を矢印c1方向及びc2方向に高精度に移動されて良好に情報を再生することが可能とされる。
【0095】
ところで、光ピックアップ機構201は、図24に示すように、光ピックアップ211が矢印c1方向に更に移動されたときに、支持部材221の内周側ストッパ片241が規制凹部242に当接されて、支持部材221の移動が規制されて停止される。このとき、支持部材221の検出片261が検出スイッチ262に当接することによって、検出スイッチ262がオン状態になり、光ピックアップがリードイン領域に移動されたことを検出する。そして、検出スイッチ262は、検出信号をマイコン61に出力する。このマイコン61は、タイマ62によって所定時間だけ、駆動モータ228を回転駆動する。これによって、図24に示すように、移動機構212は、支持部材221の移動が規制されることによって、支持部材221のラック部233の歯238と駆動ギヤ226から離間されて、ラック部233と駆動ギヤ226との噛合状態が解除される。
【0096】
そして、光ピックアップ機構201は、図23及び図24に示すように、支持部材221の移動が規制されたため、タイマ62によって所定時間だけ駆動される駆動ギヤ26によってスライド部材24のみが、コイルバネ225の付勢力に抗して矢印c1方向に移動される。したがって、移動機構212は、図23及び図24に示すように、支持部材221に対してスライド部材224を相対的に矢印c1方向に移動し、スライド部材224に設けられたシャッタ258を矢印a1方向に移動する。シャッタ258は、光ピックアップ211の対物レンズ214を覆う閉塞位置に移動される。
【0097】
ところで、シャッタ258が図23に示す閉塞位置と図24に示す開放位置とに亘って移動するとき、図6に示すように、マイコン61は、フォーカシング駆動部64に逆バイアス電圧を印加する。これによって、フォーカシング駆動部64は、図7及び図8に示すように、対物レンズ14を、光ディスクDから最も離間したカバー218内の待避位置に変位させる。これによって、シャッタ258が対物レンズ214を開放した開放位置と閉塞した閉塞位置とに亘って移動する際に、シャッタ258が対物レンズ214に接触し対物レンズ214に傷等が付くことを防止することができる。そして、マイコン61は、所定時間が経過したとき、フォーカシング駆動部64に電圧を印加しないように例えば0Vとする。これによって、図7及び図8に示すように、対物レンズ214は、待避位置から基準位置に戻る。したがって、対物レンズ214とシャッタ258とが接触し対物レンズ214に傷等が付くことを防止することができる。なお、仮に、振動等により対物レンズ214がシャッタ258に接触したときにも、点接触であることから、対物レンズ214の傷等を最小限に止めることができる。
【0098】
以上のように光ピックアップ機構201は、光ピックアップ211の対物レンズ214がリードイン領域内に位置するときに、シャッタ258が開放位置に確実に位置されているため、リードイン領域を良好に再生することができる。
【0099】
また、この光ピックアップ機構201によれば、カバー218の開口部220を確実に閉塞することができるため、対物レンズ214に塵埃が付着することを良好に防止することができる。
【0100】
なお、以上の例では、光ディスクDの内周側から情報信号の読み出しを開始する場合を説明したが、本発明は、例えば外周側がら情報信号の読み出しを開始する光ディスクDのとき、光ピックアップの初期位置を光ディスクDの外周側とし、この外周側の位置に光ピックアップが移動したとき、シャッタの開閉を行うようにしてもよい。光ディスクDの外周側にあるとき、シャッタが対物レンズの開閉を行うことになり、このシャッタ開閉時に、対物レンズを基準位置より更に光ディスクDから離間する待避位置に移動させるようにすればよい。
【0101】
なお、上述したディスクドライブ装置は、光ディスクDに対して情報信号を再生するように構成されたが、情報信号の追記可能な追記型の光ディスクDや書換可能な書換型の光ディスクDに対して情報信号を記録するものであってもよく、また、光ピックアップ装置に対向する位置に磁気ヘッド機構を配設し、光磁気ディスク等の他の光学ディスクに対して情報信号を記録再生することができるようにしてもよい。
【0102】
【発明の効果】
本発明によれば、対物レンズをシャッタで閉塞するとき、所定位置にある対物レンズを更に光ディスクから離間する方向に移動させることで、シャッタと対物レンズとが接触し対物レンズに傷等が付くことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ディスクドライブ装置の平面図である。
【図2】ディスクドライブ装置の分解斜視図である。
【図3】光ピックアップの移動機構の斜視図である。
【図4】移動機構の側面図である。
【図5】移動機構の制御を説明する図である。
【図6】光ピックアップを光ディスクの外周側から内周側に移動するため送りねじを回転する駆動モータの動作を説明する図である。
【図7】CDを再生するときの対物レンズの位置を説明する図である。
【図8】DVDを再生するときの対物レンズの位置を説明する図である。
【図9】光ディスクDの再生中の移動機構の状態を説明する図である。
【図10】光ディスクDのリードイン領域の読み出しを行うときの移動機構の状態を説明する図である。
【図11】シャッタが対物レンズを閉塞した状態の移動機構の状態を説明する図である。
【図12】シャッタが対物レンズの閉塞位置にあるときの移動機構の側面図である。
【図13】光ピックアップを光ディスクDの内周側から外周側に移動するため送りねじを回転する駆動モータの動作を説明する図である。
【図14】光ピックアップ装置の他の例の分解斜視図である。
【図15】光ピックアップ装置が備える支持部材を説明する斜視図である。
【図16】光ピックアップ装置が備える支持部材のラック部及びスライド部材のラック部を説明する平面図である。
【図17】光ピックアップ装置が備える開閉機構のシャッタが開放されている状態を説明する平面図である。
【図18】上記開閉機構の開閉部材が閉塞されている状態を説明する平面図である。
【図19】光ピックアップ機構の更に他の例を示す分解斜視図である。
【図20】上記光ピックアップ機構を説明するために示す斜視図である。
【図21】上記光ピックアップ機構が備える支持ベースのラック部及びスライド部材のラック部を説明するために示す平面図である。
【図22】上記支持ベースのラック部の一歯を説明するために示す平面図である。
【図23】上記光ピックアップ機構が備える開閉板が閉塞位置に移動された状態を説明するために示す模式図である。
【図24】上記開閉板が開放位置に移動された状態を説明するために示す模式図である。
【図25】光ピックアップの対物レンズが光ディスクのリードイン領域に移動された状態を説明するために示す模式図である。
【図26】光ピックアップの対物レンズが光ディスクの記録領域に移動された状態を説明するために示す模式図である。
【符号の説明】
1 ディスクドライブ装置、2光ピックアップ機構、11 光ピックアップ、12 移動機構、13 ベース、14 対物レンズ、15 カバー、16 開口部、17 突部、18 開口部、21 支持部材、22 送りねじ、23 ガイド部、24 スライド部材、25 コイルバネ、31 挿通孔、32 ガイド片、33 ギヤ、34 ギヤ列、35 駆動モータ、36 係止片、37 ガイド片、38 内周側ストッパ片、39 内周側規制凹部、40 開口部、41 外周側ストッパ片、42 外周側規制凹部、43 第1のガイド孔、44 第2のガイド孔、45 規制片、46 規制突部、47 シャッタ、48 連結片、51伝達部材、52 係合突起、53 検出機構、54 検出スイッチ、55 押圧子、56 押圧片、61 マイコン、62 タイマ、63 駆動回路、64 フォーカシング駆動部、65 トラッキング駆動部
Claims (4)
- 光ディスクの信号記録面に光源より出射された光ビームを集光する対物レンズが設けられた光ピックアップと、
上記光ピックアップを、この光ピックアップが配設されるベースに設けられたガイド部に沿って、上記光ディスクの径方向に移動する移動機構と、
上記対物レンズを外部から開閉するシャッタと、
上記対物レンズを、この対物レンズの光軸方向に移動可能に支持すると共に、この対物レンズの移動を制御する移動制御手段とを備え、
上記移動制御手段は、上記光ピックアップが上記移動機構により上記光ディスクの内周側又は外周側の待機位置に移動し、上記対物レンズを上記シャッタで閉塞するとき、所定位置にある対物レンズを更に光ディスクから離間する方向に移動させ、
上記移動機構は、上記光ピックアップの移動方向に沿って設けられ、上記光ピックアップを上記光ディスクの径方向に移動する送りねじと、上記送りねじに伝達部が係合することにより上記送りねじに接続されていると共に、上記対物レンズを閉塞する上記シャッタが設けられ、上記シャッタが上記対物レンズを開放する方向に付勢する付勢部材により上記光ピックアップに接続され、上記光ピックアップに対して上記光ディスクの径方向にスライド可能に設けられているスライド部材とを有し、
上記スライド部材は、上記伝達部が係合された上記送りねじが回転したとき、上記光ピックアップと共に上記光ディスクの径方向に移動し、上記待機位置まで移動したとき、上記光ピックアップの移動が上記ベースに設けられた規制部によって規制され、上記付勢部材の付勢力に抗して上記光ピックアップに対してスライドすることで、上記シャッタによって上記対物レンズを閉塞する光ピックアップ装置。 - 光ディスクの信号記録面に光源より出射された光ビームを集光する対物レンズが設けられた光ピックアップと、
上記光ピックアップを、この光ピックアップが配設されるベースに設けられたガイド部に沿って、上記光ディスクの径方向に移動する移動機構と、
上記対物レンズを外部から開閉するシャッタと、
上記対物レンズを、この対物レンズの光軸方向に移動可能に支持すると共に、この対物レンズの移動を制御する移動制御手段とを備え、
上記移動制御手段は、上記光ピックアップが上記移動機構により上記光ディスクの内周側又は外周側の待機位置に移動し、上記対物レンズを上記シャッタで閉塞するとき、所定位置にある対物レンズを更に光ディスクから離間する方向に移動させ、
上記移動機構は、上記光ピックアップに設けられて上記光ピックアップを移動するための第1のラック部と、上記第1のラック部に対してスライド可能に設けられており、上記第1のラック部と共に上記光ピックアップを光ディスクの径方向に移動させる第2のラック部と上記対物レンズを開閉する上記シャッタとが設けられているスライド部材と、上記第1のラック部と上記スライド部材の上記第2のラック部との間に張架される付勢部材と、上記第1及び第2のラック部にぞれぞれ噛合する駆動ギヤを有し、上記駆動ギヤによって上記第1及び第2のラック部を駆動する駆動機構とを有し、
上記光ピックアップが所定方向に移動されて上記待機位置に到達したときに、上記第1のラック部と上記駆動ギヤとの噛合状態が解除されて、上記第2のラック部のみが上記駆動機構によって駆動されて、上記第1のラック部に対して上記スライド部材が更に移動されることによって、上記シャッタが上記対物レンズを閉塞する光ピックアップ装置。 - 光ディスクの信号記録面に光源より出射された光ビームを集光する対物レンズが設けられた光ピックアップと、
上記光ピックアップを、この光ピックアップが配設されるベースに設けられたガイド部に沿って、上記光ディスクの径方向に移動する移動機構と、
上記対物レンズを外部から開閉するシャッタと、
上記対物レンズを、この対物レンズの光軸方向に移動可能に支持すると共に、この対物レンズの移動を制御する移動制御手段とを備え、
上記移動制御手段は、上記光ピックアップが上記移動機構により上記光ディスクの内周側又は外周側の待機位置に移動し、上記対物レンズを上記シャッタで閉塞するとき、所定位置にある対物レンズを更に光ディスクから離間する方向に移動させ、
上記移動機構は、上記光ピックアップの移動方向に沿って設けられ、上記光ピックアップを上記光ディスクの径方向に移動する送りねじと、上記送りねじに伝達部が係合することにより上記送りねじに接続されていると共に、上記対物レンズを閉塞する上記シャッタが設けられ、上記シャッタが上記対物レンズを開放する方向に付勢する付勢部材により上記光ピックアップに接続され、上記光ピックアップに対して上記光ディスクの径方向にスライド可能に設けられているスライド部材とを有し、
上記スライド部材は、上記伝達部が係合された上記送りねじが回転したとき、上記光ピックアップと共に上記光ディスクの径方向に移動し、上記待機位置まで移動したとき、上記光ピックアップの移動が上記ベースに設けられた規制部によって規制され、上記付勢部材の付勢力に抗して上記光ピックアップに対してスライドすることで、上記シャッタによって上記対物レンズを閉塞する記録及び/又は再生装置。 - 光ディスクの信号記録面に光源より出射された光ビームを集光する対物レンズが設けられた光ピックアップと、
上記光ピックアップを、この光ピックアップが配設されるベースに設けられたガイド部に沿って、上記光ディスクの径方向に移動する移動機構と、
上記対物レンズを外部から開閉するシャッタと、
上記対物レンズを、この対物レンズの光軸方向に移動可能に支持すると共に、この対物レンズの移動を制御する移動制御手段とを備え、
上記移動制御手段は、上記光ピックアップが上記移動機構により上記光ディスクの内周側又は外周側の待機位置に移動し、上記対物レンズを上記シャッタで閉塞するとき、所定位置にある対物レンズを更に光ディスクから離間する方向に移動させ、
上記移動機構は、上記光ピックアップに設けられて上記光ピックアップを移動するための第1のラック部と、上記第1のラック部に対してスライド可能に設けられており、上記第1のラック部と共に上記光ピックアップを光ディスクの径方向に移動させる第2のラック部と上記対物レンズを開閉する上記シャッタとが設けられているスライド部材と、上記第1のラック部と上記スライド部材の上記第2のラック部との間に張架される付勢部材と、上記第1及び第2のラック部にぞれぞれ噛合する駆動ギヤを有し、上記駆動ギヤによって上記第1及び第2のラック部を駆動する駆動機構とを有し、
上記光ピックアップが所定方向に移動されて上記待機位置に到達したときに、上記第1のラック部と上記駆動ギヤとの噛合状態が解除されて、上記第2のラック部のみが上記駆動機構によって駆動されて、上記第1のラック部に対して上記スライド部材が更に移動されることによって、上記シャッタが上記対物レンズを閉塞する記録及び/又は再生装置。
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