JP4336380B1 - 水懸濁性を向上させた細粒剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】塩酸セフカペンピボキシル細粒剤の水懸濁性の改良。
【解決手段】ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールその他の添加剤細粒を加えることにより、塩酸セフカペンピボキシル細粒剤の水濡れ性および懸濁性を改良することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、塩酸セフカペンピボキシルを有効成分とする細粒剤の水に対する懸濁性を改善する方法および当該方法により製造される新規細粒剤に関する。
医薬品の経口投与において、散剤は錠剤やカプセル剤に比較して速やかな吸収が期待できる有用な剤形である。特に細粒剤は粉末状の散剤よりも服用しやすいので広範囲に利用されている。しかしながら医薬品が苦味等の不快味を有する場合、細粒剤を投与することはしばしば困難を伴うため、細粒剤表面を被覆することによりその不快味を克服する技術が既に開発されている(例えば、後記特許文献1参照)。
塩酸セフカペンピボキシルは、セフカペンをピバロイルオキシメチルエステル化することで経口吸収性を高めたプロドラッグである。グラム陽性菌からグラム陰性菌まで幅広い抗菌スペクトラムを有しているが、細粒剤にすると服用時の苦味が問題となっている。そこで、その素粒剤表面に熱溶融コーティング法で硬化ヒマシ油を施すことにより、不快味を改善する方法が公開されている(後記特許文献2参照)。
特開平04−300821号公報 国際公開第2005/039538号パンフレット
患者が老人や子供の場合には、細粒剤を少量のお湯または水等に懸濁して服用させることも一般的に行われている。ところが、不快味改善のために細粒剤表面が硬化ヒマシ油等の疎水性物質で被覆されていると、水を加えた場合に、その粒子の多くが水面上に浮いてしまい、また一部が容器内壁面に付着してしまう。そのため、懸濁液をスポイド等でスムーズに所定量とって、服用することが困難であった。
また、ある種の医薬は添加剤と混合して製剤化する際に副反応を生じ、類縁体を生成することが知られている。本発明の目的は、このような製剤化による副反応を起こさず、また不快味改善効果を損なうことなく、細粒剤の水濡れ性を向上させ懸濁性を改良する方法を提供することにある。
塩酸セフカペンピボキシルは、硬化ヒマシ油で被覆した細粒剤が「フロモックス(登録商標)小児用細粒」として市販されている。本発明者等は、懸濁化剤や界面活性剤を種々検討した結果、二酸化ケイ素および界面活性剤を新たに追加するのみで、その水に対する懸濁性が改良できることを見出し、以下に示す本発明を完成した。すなわち、
(1)塩酸セフカペンピボキシルを含有する粒子が、疎水性物質で被覆された主薬細粒、二酸化ケイ素および界面活性剤を含有することを特徴とする、塩酸セフカペンピボキシルの細粒剤、
(2)二酸化ケイ素が、親水性の二酸化ケイ素である、上記(1)に記載の細粒剤、
(3)二酸化ケイ素が、含水二酸化ケイ素である、上記(1)または(2)に記載の細粒剤、
(4)二酸化ケイ素の含量が、製剤全量に対して、0.1〜5重量%である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の細粒剤、
(5)当該界面活性剤の融点が、30℃以上である、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の細粒剤、
(6)当該界面活性剤が、ノニオン性界面活性剤である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の細粒剤、
(7)当該界面活性剤が、ポリオキシエチレン鎖を含む界面活性剤である上記(1)〜(6)のいずれかに記載の細粒剤、
(8)当該界面活性剤が、ポリオキシエチレン(40)モノステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60およびポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールよりなる群から選択される1種または2種以上である上記(7)記載の細粒剤、
(9)当該界面活性剤が、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールである上記(8)記載の細粒剤、
(10)界面活性剤の含量が、製剤全量に対して、0.025〜2重量%である、上記(1)〜(9)のいずれかに記載の細粒剤、
(11)当該疎水性物質が、硬化油である上記(1)〜(10)のいずれかに記載の細粒剤、
(12)製剤中に、塩酸セフカペンピボキシルを1〜20重量%、硬化油を1〜50重量%、含水二酸化ケイ素を0.1〜5重量%、融点が30℃以上のポリオキシエチレン鎖を含む界面活性剤を0.025〜2重量%を含有する、上記(1)に記載の細粒剤、
(13)主薬細粒がさらに崩壊剤および/または賦形剤を含有する、上記(1)〜(12)のいずれかに記載の細粒剤、
(14)上記(1)〜(13)のいずれかに記載の細粒剤を含有した懸濁剤、および
(15)有効成分の粒子が疎水性物質で被覆された主薬細粒に、二酸化ケイ素および界面活性剤を添加することを特徴とする、塩酸セフカペンピボキシル細粒剤の水懸濁性を向上する方法、に関する。
本発明によれば、疎水性皮膜に覆われた塩酸セフカペンピボキシル細粒剤の水に対する懸濁性を向上させることができ、結果として容易に水に懸濁して服用できる細粒剤が提供される。また、該皮膜による有効成分の不快味マスキング効果が損なわれることもないので、特に小児用製剤として好適に用いることができる。さらに好ましくは、主薬の分解に伴い生成し得る類縁物質の発生も制御されている。
本発明細粒剤における有効成分は塩酸セフカペンピボキシル(化学名:(+)−(6R、7R)−7−[(Z)−2−(2−アミノ−4−チアゾリル)−2−ペンテンアミド]−3−カルバモイルオキシメチル−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボン酸ピバロイルオキシメチルエステル塩酸塩・1 水和物)である。有効成分である塩酸セフカペンピボキシルの含量は、製剤全量に対して、約1〜20重量%、好ましくは約2.5〜17.5重量%、さらに好ましくは約5〜15重量%である。
疎水性物質としては、例えば、国際公開第2005/039538号に記載のワックス状物質が例示される。以下、疎水性物質あるいはワックス状物質ということがある。具体的に疎水性物質としては、室温付近で固体状であるが、加熱により容易に軟化及び溶融するものであれば製薬上許容されるものを幅広く使用することができる。例えば、硬化油( 硬化ヒマシ油、硬化大豆油、硬化ナタネ油等)、高級アルコ−ル(ステアリルアルコ−ル、セタノ−ル等)、高級脂肪酸(ステアリン酸、パルミチン酸等)、植物性又は動物性脂肪(牛脂、カルナウバロウ)、ロウ、ポリエチレングリコ− ル(PEG:マクロゴ− ル4000 、マクロゴ−ル6000等)等が例示される。工業的実施の面からは、その融点が約40℃ 〜約100℃の範囲内のものが好ましい。特に好ましくは硬化油であり、さらに好ましくは硬化ヒマシ油である。
疎水性物質の含量は、主薬に対して、約50〜200重量%、好ましくは約75〜175重量%、さらに好ましくは約100〜150重量%である。主薬細粒に対して、約1〜50重量%、好ましくは約5〜40重量%、さらに好ましくは約10〜30重量%である。また製剤全量に対して、約1〜50重量%、好ましくは約2.5〜25重量%、さらに好ましくは約5〜20重量%である。疎水性物質は、有効成分が不快味を有する成分である場合に、マスキング効果がある。疎水性物質が上記量よりも多いと、体内で顆粒が崩壊しにくくなり内包成分の溶出性が低下する可能性がある。逆に、上記量よりも少ないと口腔内での漏出の抑制が不充分となる恐れがある。
二酸化ケイ素は、好ましくは親水性の二酸化ケイ素である。親水性の二酸化ケイ素の中で、湿式法で製造される含水二酸化ケイ素(例:カープレックス(登録商標、DSL.ジャパン株式会社))または乾式法で製造される軽質無水ケイ酸(例:アエロジル(登録商標、DSL.ジャパン))のいずれも使用されるが、より好ましくは親水性の含水二酸化ケイ素(例:カープレックス(登録商標))である。親水性の含水二酸化ケイ素として、具体的には、カープレックス♯67(比表面積:約429m/g、平均粒子径:約6.4μm)、カープレックス♯80(比表面積:約193m/g、平均粒子径:約8.1μm)、カープレックス♯1120(比表面積:約109m/g、平均粒子径:約8.1μm)、カープレックスFPS−1(比表面積:約199m/g、平均粒子径:約2.1μm)、カープレックスFPS−2(比表面積:約242m/g、平均粒子径:約1.8μm)、カープレックスCS−5(比表面積:約154m/g、平均粒子径:約2.3μm)(いずれもDSL.ジャパン株式会社)等があるが、好ましくはカープレックス♯67である。
二酸化ケイ素の含量は、主薬に対して、約1〜20重量%、好ましくは約2.5〜17.5重量%、さらに好ましくは約5〜15重量%である。また、製剤全量に対して、約0.1〜5重量%、好ましくは約0.25〜4.75重量%、さらに好ましくは約0.3〜4.5重量%である。これら量よりも多ければ、製剤投与時に粉立ちする可能性があり、これら含量よりも少なければ、細粒剤が水中で十分に懸濁しない恐れがある。
界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウムやノニオン性界面活性剤が使用される。ノニオン性界面活性剤として好ましくは、ポリオキシエチレン鎖を含む界面活性剤であり、具体的にはモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(40)モノステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60およびポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールである。より好ましくは、融点が30℃以上の界面活性剤であり、さらに好ましくは、融点が30℃以上のポリオキシエチレン鎖を含む界面活性剤(例:ポリオキシエチレン(40)モノステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60およびポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール)である。特に好ましくは、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールである。主薬が塩酸セフカペンピボキシルの場合は、有効成分の安定性の観点からポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールが最適である。界面活性剤の種類によっては、有効成分の類縁物質が発生する恐れがあり、有効成分の安定性は、類縁物質の発生等によって判断することができる。
界面活性剤の含量は、主薬である塩酸セフカペンピボキシルに対して、約0.1〜20重量%、好ましくは約0.25〜15重量%、さらに好ましくは約0.5〜10重量%である。製剤全量に対して、約0.025〜2重量%、好ましくは約0.05〜1.75重量%、さらに好ましくは約0.1〜1.5重量%である。これら含量よりも多ければ、類縁物質が増加する可能性があり、これら含量よりも少なければ、細粒剤が十分に水中で懸濁しない恐れがある。
上述の通り、細粒剤の懸濁化のため、特に有用な添加物としては、二酸化ケイ素と界面活性剤の混合物(以下、「懸濁化剤カープ散」という場合がある)である。これらの混合物を細粒剤、細粒剤の表面に被覆すれば、水中で容易に細粒剤を懸濁することができる。特に、細粒剤へ疎水性物質を被覆した場合、疎水性物質の表面に懸濁化剤カープ散を被覆すると、水中で容易に当該細粒剤が懸濁する。なお、二酸化ケイ素と界面活性剤の混合比としては、二酸化ケイ素を1とすると、界面活性剤が約0.1〜2、好ましくは約0.5〜2である。これらの混合比において、二酸化ケイ素の比率が多ければ、製剤が粉立ちする可能性があり、少なければ、細粒剤同士の粘着性が増し、細粒剤同士が凝集する恐れもある。
また、二酸化ケイ素と界面活性剤の混合物、すなわち懸濁化剤カープ散としての含有量は、製剤全量に対して、0.125〜7重量%、好ましくは0.3〜6.5重量%、さらに好ましくは0.4〜6重量%である。これらの量よりも多ければ、二酸化ケイ素によって粉立ちする可能性があり、少なければ、十分な懸濁性を得ることができない恐れがある。
本発明製剤はさらに、以下の製薬上許容される添加物を含有していてもよい。
崩壊剤としては、例えば、国際公開第2005/039538号に記載の水膨潤性物質が例示される。以下、崩壊剤あるいは水膨潤性物質ということがある。当該物質は、水にはほとんど溶解しないが、製剤形を保ちながら吸水しつつ膨張しマトリックス構造を形成するものである。水膨潤性物質の例としては、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)、クロスカルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC)などのセルロース誘導体;部分アルファ化スターチ(PCS)、カルボキシメチルスターチ−ナトリウム(CMS−Na)などの各種デンプン類を挙げることができる。
崩壊剤の含量は、主薬に対して、約50〜250重量%、好ましくは約75〜200重量%、さらに好ましくは約100〜175重量%である。主薬細粒に対して、約1〜50重量%、好ましくは約2.5〜40重量%、さらに好ましくは約5〜30重量%である。また製剤全量に対して、約1〜30重量%、好ましくは約2.5〜25重量%、さらに好ましくは約5〜20重量%である。崩壊剤の量が上記よりも少ないと、体内で顆粒が崩壊しにくくなり内包成分の溶出性が低下する可能性がある。逆に、崩壊剤が上記量よりも多いと、口腔内での漏出の抑制が不充分となる恐れがある。
甘味剤としては、例えば、国際公開第2005/039538号に記載の剤を使用することができる。具体的には、乳糖、白糖、粉末還元麦芽糖水あめ、ブドウ糖、キシリトール、D−マンニトール、マンニトール、ソルビトール、マルトース、エリスリトール、アスパルテーム、サッカリン、サッカリンナトリウム、アセスルファムカリウム又はグリチルリチン酸二カリウム等が用いられ、好ましくは粉末還元麦芽糖水あめ、D−マンニトール、キシリトール、アスパルテームである。
甘味剤の含量は、主薬に対して、約100〜800重量%、好ましくは約200〜750重量%、さらに好ましくは約300〜700重量%である。また、製剤全量に対して、約10〜80重量%、好ましくは約20〜75重量%、さらに好ましくは約30〜70重量%である。
結合剤としては、例えば、国際公開第2005/039538号に記載の水溶性結合剤を使用することができる。特に、界面活性作用を持つ結合剤、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)等が好ましいが、より好ましくはヒドロキシプロピルセルロースで(HPC)ある。
結合剤の含量は、主薬である塩酸セフカペンピボキシルに対して、約5〜40重量%、好ましくは約7.5〜35重量%、さらに好ましくは約10〜30重量%である。甘味細粒に対して、約0.1〜10重量%、好ましくは約0.5〜8重量%、さらに好ましくは約1〜7.5重量%である。また製剤全量に対して、約0.1〜5重量%、好ましくは約0.5〜4.5重量%、さらに好ましくは約1〜4重量%である。
その他の添加剤として、香料(例:ストロベリーエッセンス)、滑沢剤(例:ステアリン酸マグネシウム)、賦形剤(例:タルク)が例示される。
これらの製薬上許容される添加物は、主薬塩酸セフカペンピボキシルの細粒の内部および/または外部に存在し得る。例えば、これらの製薬上許容される添加物の一部は、主薬細粒とは別の細粒として調製された後、主薬細粒と混合されてもよい。主薬が不快味を有する成分である場合、主薬細粒の中に甘味剤(例:糖類等)が存在してもよい。また主薬細粒とは別に甘味剤を含有すう甘味細粒を調製してもよい。
本発明のより好ましい態様を以下に示す。なお、いずれの量も、製剤全量に対する量である。すなわち、塩酸セフカペンピボキシルが約1〜20重量%、疎水性物質が約1〜50重量%、二酸化ケイ素が約0.1〜5重量%、界面活性剤が約0.025〜2重量%(特に、懸濁化剤カープ散として、約0.125〜7重量%)、崩壊剤が約1〜50重量%、甘味剤が約10〜80重量%である。好ましくは、塩酸セフカペンピボキシルが約2.5〜17.5重量%、疎水性物質が約2.5〜25重量%、二酸化ケイ素が約0.25〜4.75重量%、界面活性剤が約0.05〜1.75重量%(特に、懸濁化剤カープ散として、0.3〜6.5重量%)、崩壊剤が約5〜30重量%、甘味剤が約20〜75重量%である。さらに好ましくは塩酸セフカペンピボキシルが約5〜15重量%、疎水性物質が約5〜25重量%、二酸化ケイ素が約0.3〜4.5重量%、界面活性剤が約0.1〜1.5重量%(特に、懸濁化剤カープ散として、0.4〜6重量%)、崩壊剤が約5〜20重量%、甘味剤が約30〜70重量%である。
本発明の特に好ましい態様を以下に示す。なお、いずれの量も、製剤全量に対する量である。すなわち、塩酸セフカペンピボキシルが約1〜20重量%、硬化油が約1〜50重量%、含水二酸化ケイ素が約0.1〜5重量%、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールが約0.025〜2重量%(特に、懸濁化剤カープ散として、約0.125〜7重量%)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが約1〜50重量%、粉末還元麦芽糖水飴、D−マンニトール、キシリトールおよびアスパルテームが約10〜80重量%である。好ましくは、塩酸セフカペンピボキシルが約2.5〜17.5重量%、硬化油が約2.5〜25重量%、含水二酸化ケイ素が約0.25〜4.75重量%、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールステアリン酸マグネシウムが約0.05〜1.75重量%(特に、懸濁化剤カープ散として、約0.3〜6.5重量%)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが約5〜30重量%、粉末還元麦芽糖水飴、D−マンニトール、キシリトールおよびアスパルテームが約20〜75重量%である。さらに好ましくは塩酸セフカペンピボキシルが約5〜15重量%、硬化油が約5〜20重量%、含水二酸化ケイ素が約0.3〜4.5重量%、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールが約0.1〜1.5重量%(特に、懸濁化剤カープ散として、約0.4〜6重量%)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが約5〜20重量%、粉末還元麦芽糖水飴、D−マンニトール、キシリトールおよびアスパルテームが約30〜70重量%である。
本発明製剤は細粒剤であって、75μm〜500μmの粒子径の細粒剤が85%以上をしめるものである。
本発明製剤を服用する場合、当該製剤をそのまま口へいれ、水等で服用することもできるが、当該発明製剤を水、牛乳、ジュース等に懸濁し、その懸濁液を服用することもできる。当該発明製剤は、水性液体中の懸濁性がよく、十分液体中に懸濁することができる。
細粒剤の代表的製法を以下に説明する。
塩酸セフカペンピボキシル、所望により前記の製薬上許容される添加物、および疎水性物質を混合し、それらを含む素粒剤を調製した後、加熱処理することにより、有効成分の粒子が疎水性物質で被覆された主薬細粒を得る。該加熱処理は、例えば、特開平4−300821号の方法に準じて行われる。すなわち、本発明の被覆製剤は塩酸セフカペンピボキシル、ワックス状物質、水膨潤性物質、二酸化ケイ素および界面活性剤、必要とあれば結合剤、滑沢剤、甘味剤、着色剤などのその他添加剤からなる混合粉末を、乾式造粒し、例えば、圧縮成形した後破砕して、任意の粒子径に調整し、ついでワックス状物質が少なくとも表面を覆うように加熱処理することを特徴とする製造方法により容易に製造し得る。
各粉末成分の混合、圧縮、整粒は常法に従って行うことができる。例えば粉末の圧縮は打錠機、ロ−ラ圧縮機などのプレス機で500〜1000kg/cmの圧力でスラッグ状、フレ−ク状に成形し、次いで架砕方式の調整機で任意の粒度に調整して行う。本製法で得られる素粒剤(加熱処理前の粒剤をいう。以下同じ)は構成成分のワックス状物質、水膨潤性物質が均一に分散し、かつ圧縮によりワックス状物質の一部が展延しているものと推定される。ついで、この素粒剤を加熱処理に付し、熱溶融粒剤(加熱処理後の粒剤をいう。以下同じ)を調製する。
加熱処理工程はワックス状物質が少なくとも軟化するに十分な温度で十分な時間行われる。このような温度と時間は通常約40℃以上で約10〜約90分間、好ましくは約20〜約60分間である。すなわち、加熱温度はこの間にワックス状物質が表面を少なくとも湿潤し得る温度以上であればよい。加熱は棚乾燥でもよいが、流動層乾燥装置による方が好ましい。この処理によりマトリックス中に分散していたワックス状物質は溶融され、均一かつほぼ連続した状態で不快な味の粉末状物質を被覆する。従つて、加熱温度はワックス状物質の融点により変動する。ワックス状物質は好ましくは約40〜約90℃、特に好ましくは約50〜約85℃で溶融するものがよい。
またさらに好ましくは、WO2005/039538号に記載の方法により行ってもよい。即ち、疎水性物質の添加および引続く加熱処理の操作を2回繰り返してもよい。本発明の被覆製剤は、例えば、塩酸セフカペンピボキシル、ワックス状物質、水膨潤性物質、二酸化ケイ素および界面活性剤、必要とあれば、結合剤、滑沢剤、嬌味剤、着色剤等のその他添加剤からなる混合粉末を、湿式法又は乾式法により造粒、整粒して、任意の粒子径に調整し、ついでワックス状物質が結合剤として働くように加熱処理し、さらに粉末状ワックス状物質約5〜約25重量%を加えて、熱溶融コーティングすることを特徴とする製造方法により容易に製造し得る。
各粉末成分の混合、造粒、整粒は、常法に従って行うことができる。例えば乾式法を用いる場合、粉末の造粒は、打錠機、ロール圧縮機等のプレス機で50〜100MPaの圧力でスラッグ状、フレーク状に圧縮成形し、次いで架砕方式の整粒機で任意の粒度に調整する。本製法で得られる素粒剤(加熱処理前の粒剤をいう。以下同じ。) は、構成成分のワックス状物質、水膨潤性物質が均一に分散し、かつ圧縮によりワックス状物質の一部が展延しているものと推定される。
ついで、この素粒剤を加熱処理した後、粉末状ワックス状物質を加えることにより、熱溶融コーティング粒剤(加熱しながらワックスコーティング処理した後の粒剤をいう。以下同じ。)を調製する。
熱溶融コーティング工程において、粉末状ワックス状物質の添加前及び添加時の加熱は、内添加ワックス状物質が軟化するに十分な温度で十分な時間行われる。加熱温度は、通常約40℃ 以上で、内添加ワックス状物質の融点以下が好ましい。すなわち、加熱温度は、該工程間に内添加ワックス状物質が素粒剤表面を湿潤し得る温度以上であればよい。この処理により溶融された内添加ワックス状物質は、素粒剤表面で外添加ワックス状物質の結合剤として作用する。従って、加熱温度は内添加ワックス状物質の融点により変動する。内添加ワックス状物質は、好ましくは約40〜約90℃、特に好ましくは約50〜約85℃で軟化するものがよい。
粉末状ワックス状物質の添加後の加熱は、外添加ワックス状物質が軟化するに十分な温度で十分な時間行われる。加熱温度は、通常約40℃以上で、外添加ワックス状物質の融点以下が好ましい。従って、加熱温度は外添加ワックス状物質の融点により変動する。外添加ワックス状物質は、好ましくは約40〜約90℃、特に好ましくは約50〜約85℃で軟化するものがよい。
熱溶融コーティング工程において、加熱温度が高すぎる場合、内添加ワックス状物質及び外添加ワックス状物質が完全融解し、ワックス状物質による顆粒の被覆が完全となるため、体内で顆粒が崩壊しにくくなり、内包成分の溶出性が低下する。逆に、加熱温度が低すぎる場合、内添加ワックス状物質が外添加ワックス状物質の結合剤として働かず、また、外添加ワックス状物質が素粒剤表面で十分に展延しないため、顆粒の被覆が過少となり、口腔内での漏出の抑制が不充分となる。
加熱温度が適温に達した時点で、粉末状ワックス状物質を加え、素粒剤表面に熱溶融コーティングを施す。コーティング時間は、好ましくは約10〜約90分間、特に好ましくは約20〜約60分間である。熱溶融コーティングに適した装置として、流動層乾燥装置が挙げられる。
通常、流動層で粉末コーティングを行う場合、均一にコーティングすることが非常に困難である。しかし、粉末状ワックス状物質を添加した際に不均一であっても、流動層乾燥装置(フローコーターFLO−5型;大河原製作所)により、加熱しながら流動させることによりワックス状物質は軟化し、素粒剤表面で展延し、均一化されていく。このことから、本法は非常に簡易な外部コーティング方法を提供する。
以下に本発明に関わる被覆製剤の製造方法について詳細に説明する。本明細書において、特に指示のない限り、当該分野で公知である製剤工程が採用される。
(1)主薬細粒の製造
まず、塩酸セフカペンピボキシル約40重量%以下、ワックス状物質約5〜約25重量%及び水膨潤性物質約5〜約35重量%、必要とあれば、結合剤、滑沢剤、甘味剤、着色剤等のその他添加剤を混合する。この混合粉末を、圧縮してフレーク状に成形後、破砕する。その後、ふるい機で分級し、任意の粒子径に調整することにより、素粒剤を得る。(造粒工程)
尚、ここで使用される原料は後述する添加剤もすべて、その性状によって下表に示す処理を実施して混合用細粒とすることで効率のよい混合作業が可能となる。
Figure 0004336380
次に、ワックス状物質が表面を湿潤するように素粒剤を加熱し、その状態下で粉末状ワックス状物質(約5〜約25重量%)を加える。その後、加熱状態下で、一定時間、流動させることにより熱溶融コーティング粒剤を得る(熱溶融コーティング工程)。
(2)甘味細粒の製造
また、口腔内において不快味を改善するために、甘味剤を含む該被覆製剤を造粒することができる。又は、甘味細粒を造粒して該被覆製剤と混合することができる。甘味剤としては、例えば、乳糖、白糖、粉末還元麦芽糖水あめ、ブドウ糖、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、マルトース、エリスリトール、アスパルテーム、サッカリン、サッカリンナトリウム、アセスルファムカリウム又はグリチルリチン酸二カリウム等が用いられる。
甘味細粒を該被覆製剤と混合する場合、通常の方法で製した甘味細粒を使用することができる。例えば、甘味剤を混合し、適量の水を加え練合し、練合物を押出し造粒で製し、乾燥することにより得ることができる。
本発明は、上記の甘味細粒より、甘味が増した甘味細粒を提供する。すなわち、本発明における甘味細粒は、甘味剤の溶出性を改善するために、甘味剤を造粒する際、一部の甘味剤を可溶化作用のある結合剤と共に水に溶解又は分散させたものを結合液として、残りの甘味剤に加え、練合し、練合物を造粒し、乾燥することによって得ることができる。
この甘味細粒を上記の被覆製剤と混合して服用することにより、さらに不快味を改善することができる。
本発明における甘味細粒は、甘味剤と、甘味剤を結合剤と共に水に溶解又は分散させた結合液を用いて、湿式法で造粒される。甘味剤としては、上記の甘味剤を使用することができる。結合剤としては、上記記載の水溶性結合剤を使用することができる。特に、界面活性作用を持つ結合剤、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリビニルピロリドン(PVP)等が好ましい。
(3)界面活性剤および二酸化ケイ素混合物の製造法
界面活性剤を粉砕した後、倍散篩過機(シオノギエンジニアリングサービス株式会社製)で篩過する。その後、篩過した界面活性剤と二酸化ケイ素を混合し、攪拌造粒機(ハイスピードミキサー、深江パウテック(株)製)内で溶融後、再度倍散篩過機で篩過する。以下、当該混合物を「懸濁化剤カープ散」という場合もある。
(4)懸濁化剤カープ散および香油カープ散の添加
上記の通り主薬細粒を製造した後、前述の懸濁化剤カープ散が添加される。懸濁化剤カープ散は、主薬細粒に対して、複数回に分けて添加してもよい。例えば、塩酸セフカペンの場合、好ましくは、2回に分けて添加する。より好ましくは、香料と二酸化ケイ素との混合物(「香油カープ散」という場合がある)として添加した後、前述の懸濁化剤カープ散として添加される。また主薬細粒をあらかじめ、甘味細粒等の別の細粒と混合した後、前述の懸濁化剤カープ散を添加してもよい。なお上述の製剤の製造スキームは、図1〜4で示す。
実施例1
(1)主薬細粒および甘味細粒の製造
主薬細粒は、下表2に示す成分を特許文献(WO2005/039538)記載の方法、すなわち図1、2のスキームに従い、製造した。また、甘味細粒は、上記特許文献記載の方法で製造した。
Figure 0004336380
(2)含水二酸化ケイ素またはラウリル硫酸ナトリウムを添加した細粒剤の製造
性状が粉体のラウリル硫酸ナトリウムを先の表1に従って処理した。具体的には、ZM200型超遠心粉砕機を用いて、50%平均粒子径が50μm以下となるようにラウリル硫酸ナトリウムを粉砕し(スクリーン:1mm、回転数:低速)、混合用細粒とした。次いで下表3に示すとおり、ラウリル硫酸ナトリウムの該混合用細粒と含水二酸化ケイ素から懸濁化剤カープ散を製造し、所定量の懸濁化剤カープ散を秤量して主薬細粒と袋混合した後、甘味細粒と香油カープ散および三二酸化鉄五倍散その他を袋混合して目的の細粒を製造した。
Figure 0004336380
尚、表3に記載のとおり、ナチュラルストロベリーおよび懸濁化剤カープ散のないもの、およびナチュラルストロベリーとラウリル硫酸ナトリウムのないものを別途調製し、それぞれ比較例1および2とした。
実施例4−6および参考例2−3
性状が液体またはろう状である界面活性剤を先の表1の記載に従って処理し界面活性剤混合用細粒とした。次いで下表4に従い、その所定量を秤量して主薬細粒と袋混合した後、甘味細粒と香油カープ散および三二酸化鉄五倍散その他を袋混合して目的の細粒を製造した。
Figure 0004336380
試験例1 水懸濁性の評価
本発明の細粒剤について、製造直後に水への懸濁性を試験した。試験は、50mLビーカーに精製水を30mL入れて、その中に実施例細粒剤約0.5gを投入し、当該細粒剤の沈降性を目視で確認した。結果を表5に示す(直後)。
試験例2 水懸濁性の安定性評価
本発明の細粒剤について、温度40℃/湿度75%の環境下において経時安定性評価を実施した。2週間後に上記試験例と同様の方法で水への懸濁性を試験し、結果を表5に示す。
Figure 0004336380
懸濁化剤カープ散を含有しない細粒剤を水にいれた場合、水中に懸濁せず、沈降しなかった。しかし、他の細粒剤は、製造直後において、いずれも速やかに沈降が認められた。また、温度40℃/相対湿度75%の環境下において経時安定性を評価した場合、含水二酸化ケイ素のみの細粒剤は、経時的な懸濁性の低下が認められたが、その他の細粒剤では特に懸濁性の変化は認められなかった。
試験例3 有効成分の安定性評価
塩酸セフカペンピボキシルの場合、ポリエチレングリコール類の添加によりトランス体等、類縁物質への分解が促進されることが報告されている。このため、上記試験例2の試験でトランス体等、類縁物質の発生量を追跡した。
温度40℃、相対湿度75%の環境下で2週間経過後、塩酸セフカペンピボキシル10mg(力価)相当量にメタノール1mLを加えて振り混ぜた後,水/メタノール混液(1:1)約25mLを加えて10分間激しく浸透し、さらに水/メタノール混液(1:1)を加え,正確に50mLとし、この液を孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過した。初流5mL以上を除去した後のろ液を試料溶液とした。
HPLC条件は以下の通りである。
・検出器:紫外吸光光度計(測定波長:265nm)
・カラム:内径4.6mm、長さ15cmのステンレス管に5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリルカシリカゲルを充填する。
・カラム温度:20℃付近の一定温度
・移動相A:リン酸二水素カリウム5.99gを水に溶かし、1100mLとする。この液に、臭化テトラn-ペンチルアンモニウム1.89gをメタノールに溶かして1000mLとした液を加える。
・移動相B:メタノール/水溶液(22:3)
・移動相の送液:試料注入後20分間は移動相A/移動相B混液(49:1)を送液し、次の20分間は移動相Aと移動相Bの混合比が1:1になるまで,移動相Bの割合を増加させながら送液する。更に、次の10分間は移動相A/移動相B混液(1:1)を送液する。
・流量:毎分0.8mL
・面積測定範囲:セフカペンピボキシルの保持時間の約2.5倍の範囲
・注入量:30μL
2週間経過後の類縁物質の総量値を図5に示す。ポリオキシエチレン40モノステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60やポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールのような融点が30℃以上の界面活性剤を用いた場合は、対照と比して遜色のない安定性が確認された。
本発明によれば、容易に水に懸濁して服用できる細粒剤が提供される。疎水性皮膜による有効成分の不快味マスキング効果が損なわれることもないので、本発明の細粒剤は特に小児用製剤として好適に用いられる。
塩酸セフカペンピボキシルを含有する主薬細粒製剤の製造工程(1) 塩酸セフカペンピボキシルを含有する主薬細粒製剤の製造工程(2) 懸濁化剤カープ散の製造工程 懸濁化剤カープ散と細粒剤の混合工程 温度40℃/湿度75%の環境下で2週間後に生成した類縁物質の総量

Claims (14)

  1. 塩酸セフカペンピボキシルを含有する粒子が、疎水性物質で被覆された塩酸セフカペンピボキシルの細粒、二酸化ケイ素、および融点が30℃以上である界面活性剤を含有することを特徴とする、塩酸セフカペンピボキシルの細粒剤。
  2. 二酸化ケイ素が親水性の二酸化ケイ素である、請求項1に記載の細粒剤。
  3. 二酸化ケイ素が含水二酸化ケイ素である、請求項1又は2に記載の細粒剤。
  4. 二酸化ケイ素の含量が製剤全量に対して0.1〜5重量%である、請求項1〜3のいずれかに記載の細粒剤。
  5. 当該界面活性剤がノニオン性界面活性剤である、請求項1〜4のいずれかに記載の細粒剤。
  6. 当該界面活性剤がポリオキシエチレン鎖を含む界面活性剤である、請求項1〜5に記載の細粒剤。
  7. 当該界面活性剤がポリオキシエチレン(40)モノステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60およびポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールよりなる群から選択される1種または2種以上である、請求項記載の細粒剤。
  8. 当該界面活性剤がポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールである、請求項記載の細粒剤。
  9. 界面活性剤の含量が製剤全量に対して、0.025〜2重量%である、請求項1〜8のいずれかに記載の細粒剤。
  10. 当該疎水性物質が硬化油である、請求項1〜9のいずれかに記載の細粒剤。
  11. 製剤中に、塩酸セフカペンピボキシルを1〜20重量%、硬化油を1〜50重量%、含水二酸化ケイ素を0.1〜5重量%、融点が30℃以上のポリオキシエチレン鎖を含む界面活性剤を0.025〜2重量%を含有する、請求項10に記載の細粒剤。
  12. 塩酸セフカペンピボキシルの細粒がさらに崩壊剤および/または賦形剤を含有する、請求項1〜11のいずれかに記載の細粒剤。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の細粒剤を含有した懸濁剤。
  14. 塩酸セフカペンピボキシルの粒子が、疎水性物質で被覆された塩酸セフカペンピボキシル細粒に、二酸化ケイ素および融点が30℃以上である界面活性剤を添加することを特徴とする、塩酸セフカペンピボキシル細粒剤の水懸濁性を向上させる方法。
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