JP2002037727A - 脂溶性薬物を配合した速崩性固形製剤及びその製造方法 - Google Patents

脂溶性薬物を配合した速崩性固形製剤及びその製造方法

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JP2002037727A
JP2002037727A JP2000225061A JP2000225061A JP2002037727A JP 2002037727 A JP2002037727 A JP 2002037727A JP 2000225061 A JP2000225061 A JP 2000225061A JP 2000225061 A JP2000225061 A JP 2000225061A JP 2002037727 A JP2002037727 A JP 2002037727A
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Yasuyuki Ikematsu
康之 池松
Katsuhiro Nakamura
雄啓 中村
Minoru Hashizume
稔 橋爪
Masahiro Nakamura
昌広 中村
Kazumi Nanbu
一美 南部
Eishin Ando
英信 安藤
Noritoshi Koyama
典利 小山
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Eisai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ビタミンE群、ビタミンK群等の脂溶性薬物を
配合し、口腔内での崩壊性に優れた口腔内溶解型錠剤及
びその製造方法を提供する。 【解決手段】水溶性高分子物質と、該高分子物質中均一
に分散した脂溶性薬物と、賦形剤(糖類等)とを含有す
る湿潤粉体を湿製錠用打錠機により製錠することによ
り、前記課題を解決し目的とするする口腔内溶解型錠剤
(湿製錠)が得られる。水溶性高分子物質に均一に分散
した脂溶性薬物は、必要成分を含有する乳化物をスプレ
ードライ法で乾燥することにより容易に調製することが
でき、この乾燥物を用いた前記湿製錠の製造方法も提供
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脂溶性薬物を配合
した新規速崩性固形製剤、更に詳しくはビタミンE群、
ビタミンK群等の脂溶性薬物を含有し口腔内での崩壊が
速い錠剤及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】速崩性固形製剤、特に湿製錠は口腔内に
おいて速やかに崩壊する錠剤で、高齢者や燕下機能が低
下した患者のみならず、簡単に服用できるため、近年急
速に製剤開発が進行している剤型である。
【0003】例えば、薬物成分と糖類(賦形剤)の粒子
表面が湿る程度の水分を含む混合物を打錠口腔内溶解型
錠剤(湿製錠;特開平5-271054号公報参照。)が提案さ
れている。しかしながら、脂溶性薬物については崩壊性
や摩損度等製剤特性に優れた錠剤を製造するのが困難で
あった。特に、薬物の安定性、速崩性及び製造時の薬物
の染み出し等、多くの問題があり、改良すべき課題が多
かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等はビタミン
E群、ビタミンK群等の脂溶性薬物について優れた湿製
錠を開発すべく検討を行った。湿製錠に薬物を配合する
ためには、脂溶性薬物の好適な粉末化処理が必要である
ことを見出し、担体に薬物を吸着する方法(吸着法)を
種々検討した。
【0005】既に、本発明者等は、脂溶性薬物であるビ
タミンKについて、高齢者でも服用し易いビタミンK製
剤の開発を検討し、ビタミンKを吸着した結晶セルロー
ス(結晶セルロース吸着法)、糖類及び溶媒からなる湿
潤粉体を製錠した錠剤を開発している(特願平11-15183
5号明細書参照。)。また、ビタミンEについては珪酸
カルシウムに吸着し(珪酸カルシウム吸着法)、粉末化
処理を行う方法が見出されている(特開平11-302157号
公報参照。)。尚、ビタミンKについてはその反応性の
ために珪酸カルシウムに吸着、粉末化処理を行う方法の
使用は困難である。このように吸着法では脂溶性薬物の
種類により好適な吸着媒体を選択する必要もある。
【0006】このようにして得られた上記結晶セルロー
ス吸着法及び珪酸カルシウム吸着法について、吸着顆粒
を湿製錠に配合し製剤特性を評価した結果では、錠剤硬
度がやや低く、摩損度と薬物の含量均一性に改善が認め
られた。
【0007】本発明の課題は、前記吸着法に比較して湿
製錠に配合するために優れた脂溶性薬物(特に、油状性
薬物)を配合した粉体を開発することである。即ち、ビ
タミンE群、ビタミンK群等の脂溶性薬物を配合し、口
腔内での崩壊性に優れた口腔内溶解型錠剤を開発するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記課題を
解決すべく、吸着法により得られた粉体について顆粒特
性を検討した結果、吸着法では特に粒子径が大きく(珪
酸カルシウム吸着法:400ミクロン、結晶セルロース吸
着法:250ミクロン)、湿製錠にこのような粉末化顆粒
を配合した際、錠剤内での粒子間結合力が低下するもの
と推察した。そこで、粉末化処理を行う際、粒子径を小
さくすることが必須と考え、これに基づき更に鋭意検討
した結果、水溶性高分子物質を用いて脂溶性薬物をビル
ダーに均一に分散させて得られる粉体、特に好ましくは
脂溶性薬物と水溶性高分子物質を含む乳化物をスプレー
ドライ法で乾燥することにより得られ、脂溶性薬物が均
一に分散した粉体が前記湿製錠に配合する粉体として好
適であることを見出した。
【0009】以上、多くの各種知見に基づいて本発明が
完成されるに到った。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0011】本発明は脂溶性薬物を配合した速崩性固形
製剤及びその製造方法に存し、詳しくは、 1)水溶性高分子物質と、該高分子物質中均一に分散し
た脂溶性薬物と、賦形剤とを含有することに特徴を有す
る速崩性固形製剤;及び 2)水溶性高分子物質中均一に分散した脂溶性薬物を含
む湿潤粉体を製錠することに特徴を有する速崩性固形製
剤の製造方法(湿潤粉体は、溶媒、賦形剤及び/又は結
合剤を含んでいてもよい。)に存する。
【0012】本発明においては速崩性固形製剤として好
ましくは湿製錠を提供する。以下に、この湿製錠及びそ
の製造方法を中心に説明するが、本発明はこれを含む
が、代表的な例として説明するものでこれらに限定され
るものではない。
【0013】(脂溶性薬物の粉末化;スプレードライ顆
粒の調製)本発明においては湿製錠に配合するために好
適な脂溶性薬物の粉体を提供する点でも特徴を有してい
る。そのような目的とする脂溶性薬物の優れた粉末化を
行うためには、水溶性高分子物質を、脂溶性薬物を分散
するためのビルダーに選択して、これに薬物を均一に分
散させること、特に好ましくは必要成分を含有した乳化
物についてスプレードライ法で乾燥を行うことにより達
成される。水溶性高分子物質は水溶性で、食用可能であ
ることが必要であり、更に乳化性を有することが望まし
い。その例として、好ましくはゼラチン、加水分解ゼラ
チン(加水分解ゼラチン粉末等)、アラビアゴム(アラ
ビアゴム粉末等)、ヒドロキシプロピルセルロース、ポ
リエチレングリコール等を挙げることができる。
【0014】本発明において、脂溶性薬物とは、動物、
特にヒトの疾病の治療、改善、予防、体調や栄養の改善
や維持、その補助のために使用する経口投与に適し、薬
理活性を有し、又は有しない物質と定義される。油溶性
で、常温で油状又は固形状である。固形状薬物の場合、
好ましくは100℃以下の融点を有する。
【0015】本発明に使用する脂溶性薬物とは医薬品と
して許容されるあらゆる脂溶性の成分を意味する。具体
的には、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等の
ビタミンA群、コレカルシフェロール、エルゴカルシフ
ェロール等のビタミンD群、トコフェロール、コハク酸
トコフェロール、酢酸d−α−トコフェロール、ニコチ
ン酸トコフェロール等のビタミンE群、フィトナジオ
ン、メナテトレノン等のビタミンK群、ユビデカレノン
等の補酵素Q群、その他テプレノン等を挙げることがで
きる。
【0016】水溶性高分子物質と薬物の配合組成につい
ては、両者の物性に応じて、特に乳化物のスプレードラ
イ法での乾燥を行う場合には乳化に適した組成を選択す
ることができる。乳化物を調製する上で、通常好ましく
は脂溶性薬物100重量部に対して、水溶性高分子物質
を好ましくは30〜500程度、より好ましくは40〜
400程度、更に好ましくは50〜300程度を使用す
ることができる。
【0017】この乳化に際して、更に賦形剤の他、安定
化剤、分散剤、吸着剤等を必要により添加することがで
きる。賦形剤として好ましくは無水燐酸水素カルシウ
ム、分散剤として好ましくは軽質無水珪酸等を挙げるこ
とができる。
【0018】乳化に際しては、食用の成分、材料を使用
し通常の乳化方法により乳化物を調製することができ
る。
【0019】得られた乳化物についてスプレードライ法
で乾燥する場合は特に困難はなく、通常使用されるスプ
レードライ法で乾燥を行うと目的とする粉体、スプレー
ドライ顆粒を容易に調製することができる。
【0020】(湿製錠の製造)本発明の速崩性固形製剤
(湿製錠)に配合して使用する粉体である粉末化薬物
(水溶性高分子物質に均一に分散した脂溶性薬物)には
前記の如く調製されるスプレードライ顆粒を用いるのが
簡便である。この粉末化薬物には、脂溶性薬物が水溶性
高分子物質の高分子マトリックス中に均一に分散してい
るものが好ましく、前記乳化物のスプレードライ法によ
る乾燥によれば容易に達成される。
【0021】粉体状の脂溶性薬物は湿潤粉体の形態で湿
製錠用打錠機による成型に付すると目的とする錠剤(湿
製錠)を製造することができる。例えば、上記の如く得
られた粉末化薬物の他に、賦形剤(好ましくは糖類を使
用する。)、溶媒、好ましくは水及び/又は水と混和す
る有機溶媒(アルコール類等)を含む混合物について混
練合を行い湿潤粉体を調製することができる。これよ
り、湿製錠用打錠機を使用して成型、乾燥を行うと目的
とする速崩性固形製剤(湿製錠)を製造することができ
る。溶媒として水を使用し或いは水が有機溶媒に混合使
用される場合、湿潤粉体中に含まれる水分含量は、好ま
しくは0.1〜15重量%程度、更に好ましくは0.5
〜12重量%程度である。
【0022】前記練合において、更に結合剤や、その他
必要成分を加えて練合を行うことができる。結合剤の使
用により錠剤の硬度を改善することができる。
【0023】湿潤粉体を調製するために使用する溶媒と
して、水及び/又は水と混和する有機溶媒を好ましく使
用することができる。このような有機溶媒としては、例
えばアルコール類、好ましくはエタノール、n−プロパ
ノール、イソプロパノール等を挙げることができる。
【0024】賦形剤としては糖類が好ましい。このよう
な糖類として、ショ糖、乳糖、ブドウ糖、マンニトー
ル、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、ト
レハロース、グルコース等を挙げることができる。この
ような糖類は1種又は複数混合して使用することができ
る。
【0025】賦形剤の使用量については、脂溶性薬物の
物性や粉末化薬物の物性や量により適宜選択することが
できる。通常、粉末化粉体、例えばスプレードライ顆粒
100重量部に対して賦形剤、例えば前記糖類を好まし
くは50〜8000重量部程度、より好ましくは100
〜5000重量部程度、更に好ましくは150〜200
0重量部程度使用することができる。
【0026】結合剤を使用する場合の結合剤として好ま
しくは、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリ
ビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロー
ス、カルボキシビニルポリマー、澱粉等を挙げることが
でき、これら1種又は2種以上を使用することができ
る。
【0027】このような成分を使用して製錠する場合、
湿潤粉体の形態で、湿製錠用打錠機を使用して成型を行
うとよい。この際、鋳型若しくは臼に摺り込むようにし
て上記湿潤粉体を充填し、必要に応じてフィルムを介し
て低圧圧縮を行うとよい。圧縮を行わなくとも製錠は可
能であるが、錠剤の硬度を増し、輸送中の摩損を防止す
るためには2〜150kgの低圧、好ましくは10〜1
00kgの低圧により圧縮するとよい。一般に湿潤粉体
の製錠には、ハリツキやスティッキングが起こるが、特
開平8-19589号公報に開示される製錠機を使用すると効
率良く高品質の錠剤を得ることができる。
【0028】このようにして得られた錠剤は、乾燥後、
次の包装工程に供される。
【0029】尚、本発明は、前記の如く速崩性固形製
剤、好ましくは湿製錠の製造方法にも存するが、前記水
溶性高分子物質中均一に分散した脂溶性薬物を含む湿潤
粉体を、湿製錠用打錠機による成型に付して速崩性固形
製剤を製造する点に本発明の製造方法の特徴を有してい
る。勿論、前記説明の賦形剤、結合剤、溶媒等湿潤粉体
製造に必要な成分や好ましい成分を使用することができ
る。また、具体的な製造に関しては前記湿製錠について
の説明や下記実施例等の記載に基づいて当業者であれば
容易に実施することができる。
【0030】
【実施例】以下に、参考例、実施例及び比較例を挙げて
本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例
に限定されるものではない。
【0031】(参考例1)スプレードライ顆粒の調製;25%VK2スプレードラ
イ顆粒の調製 ゼラチン(「ゼラチンTAZ」;ニッピゼラチン工業
製)200gを精製水700gに加え、水浴(ウオータ
ーバス)を使用して70℃で溶解した。これに、予め6
0℃に加温したメナテトレノン(VK2)250gを添
加し、ホモミキサーを使用して10分間、10000r
pm(回転/分)にて乳化を行った。更に、精製水80
0gと無水燐酸水素カルシウム550gを添加して、1
5分間8500rpmにて分散を行い、VK2乳化液を
調製した。
【0032】このようにして調製したVK2乳化液につ
いて、噴霧乾燥機(スプレードライヤー)を使用して、
入口温度200℃、出口温度100℃にてスプレードラ
イを行い、VK2スプレードライ顆粒1000gを調製
した。
【0033】(実施例1)湿製錠の製造:VK2錠剤の製造 前記に調製したVK2スプレードライ顆粒135g(V
K2として1錠15mg)とD−マンニトール488.
7gを混合し、8%ポリビニルピロリドン(「ポビドン
K−30」;BASF社製)を含有する水−エタノール
(重量比1:1)混合液78.75gを加えて練合を行
い、湿製錠用打錠機(「EMT−18」;エーザイ製)
を使用し、直径9.5mm、厚さ4.0mmの鋳型に充
填し、20kgの打錠圧にて成型を行い、35℃で乾燥
して1錠280mgの錠剤を製造した。
【0034】(実施例2)湿製錠の製造−2:VK2錠剤の製造−2 前記に調製したVK2スプレードライ顆粒270g(V
K2として1錠30mg)とD−マンニトール353.
7gを混合し、8%の「ポビドン」を含有する水−エタ
ノール(重量比1:1)混合液78.75gを加えて練
合を行い、前記同様湿製錠用打錠機を使用して20kg
の打錠圧にて成型を行い、35℃で乾燥して1錠280
mgの錠剤を製造した。
【0035】(比較例1)結晶セルロース吸着法による湿製錠の製造−1 <結晶セルロース吸着顆粒の調製>メナテトレノン(V
K2)300gを約50℃に加温し、結晶セルロース
(「アビセル101」;旭化成工業製)580gに吸着
させ、続いて「ポビドンK−30」20gを添加し混合
した。その後、水−エタノール(重量比1:1)混合液
600mlを徐々に加えて造粒を行った。40℃で約1
0時間乾燥後整粒を行い、吸着顆粒900gを調製し
た。
【0036】以上のようにして調製した吸着顆粒315
g(VK2として1錠15mg)にD−マンニトール1
625.4gを加えて混合し、10%「ポビドンK−3
0」を含有する水196gを添加して混練合した。湿製
錠用打錠機にて直径9.5mm、厚さ4.0mmの鋳型
に充填し、20kgの打錠圧にて成型を行い、35℃で
乾燥して1錠280mgの錠剤を得た。
【0037】(比較例2)結晶セルロース吸着法による湿製錠の製造−2 比較例1に示した方法で調製した吸着顆粒630g(V
K2として1錠30mg)にD−マンニトール131
0.4gを加えて混合し、10%「ポビドンK−30」
を含有する水196gを添加して混練合した。湿製錠用
打錠機にて直径9.5mm、厚さ4.0mmの鋳型に充
填し、20kgの打錠圧にて成型を行い、35℃で乾燥
して1錠280mgの錠剤を得た。
【0038】実施例1及び2で得られた錠剤についての
処方構成を表1に、また比較例1及び2で得られた錠剤
についての処方構成を表2に、それぞれ示した。
【0039】
【表1】VK2錠剤についての処方構成−1
【0040】
【表2】VK2錠剤についての処方構成−2
【0041】(参考例2)スプレードライ顆粒の調製−2;50%VEスプレード
ライ顆粒の調製 「ゼラチンTAZ」370g及び加水分解ゼラチン31
7gを精製水700gに加え、水浴を使用して70℃で
溶解した。これに、予め60℃に加温した酢酸d−α−
トコフェロール(VE)700gを添加し、ホモミキサ
ーを使用して10分間、10000rpmにて乳化を行
った。更に、精製水800gと軽質無水珪酸(「サイリ
シア350」;冨士サイリシア化学製)13gを添加し
て、15分間8500rpmにて分散を行い、VE乳化
液を調製した。
【0042】このようにして調製したVE乳化液につい
て、噴霧乾燥機(スプレードライヤー)を使用して、入
口温度200℃、出口温度100℃にてスプレードライ
を行い、VEスプレードライ顆粒1400gを調製し
た。
【0043】(実施例3)湿製錠の製造−3:VE錠剤の製造 前記に調製したVEスプレードライ顆粒31.5g(V
Eとして1錠7mg)とD−マンニトール592.2g
を混合し、8%の「ポビドン」を含有する水−エタノー
ル(重量比1:1)混合液78.75gを加えて練合を
行い、前記同様湿製錠用打錠機を使用して20kgの打
錠圧にて成型を行い、35℃で乾燥して1錠280mg
の錠剤を製造した。
【0044】(実施例4)湿製錠の製造−4:VE錠剤の製造−2 前記に調製したVEスプレードライ顆粒63g(VEと
して1錠14mg)とD−マンニトール560.7gを
混合し、8%「ポビドンK−30」を含有する水−エタ
ノール(重量比1:1)混合液78.75gを加えて練
合を行い、前記同様湿製錠用打錠機を使用して20kg
の打錠圧にて成型を行い、35℃で乾燥して1錠280
mgの錠剤を製造した。
【0045】(比較例3)珪酸カルシウム吸着法による湿製錠の製造−1 <珪酸カルシウム吸着顆粒の調製>珪酸カルシウム
(「フローライトR」;徳山曹達製)700gに酢酸d
−α−トコフェロール1400gを吸着し、更に10%
トウモロコシ澱粉(「コーンスターチ」;日本食品加工
製)を含有する水2100gを加えてスーパーミキサー
(「SM−20」;カワタ製)で練合し、60℃で17
時間乾燥後、整粒を行い、珪酸カルシウム吸着顆粒23
10gを調製した。
【0046】以上のようにして調製した吸着顆粒11
5.5g(VEとして1錠7mg)にD−マンニトール
2656.5gを加えて混合し、20%「ポビドンK−
30」を含有する水140gを添加して混練合した。湿
製錠用打錠機にて直径9.5mm、厚さ4.0mmの鋳
型に充填し、20kgの打錠圧にて成型を行い、35℃
で乾燥して1錠280mgの錠剤を得た。
【0047】(比較例4)珪酸カルシウム吸着法による湿製錠の製造−2 比較例3に示した方法で調製した吸着顆粒231g(V
Eとして1錠14mg)にD−マンニトール2541g
を加えて混合し、20%「ポビドンK−30」を含有す
る水140gを添加して混練合した。湿製錠用打錠機に
て直径9.5mm、厚さ4.0mmの鋳型に充填し、2
0kgの打錠圧にて成型を行い、35℃で乾燥して1錠
280mgの錠剤を得た。
【0048】実施例3及び4で得られた錠剤についての
処方構成を表3に、また比較例3及び4で得られた錠剤
についての処方構成を表4に、それぞれ示した。
【0049】
【表3】VE錠剤についての処方構成−1
【0050】
【表4】VE錠剤についての処方構成−2
【0051】次に、前記実施例及び比較例で得られた錠
剤について製剤特性を比較し、結果を表5に示した。製
剤特性評価については、水等を含まず口腔内で崩壊する
時間(口腔内崩壊時間)、錠剤の摩損度、硬度、薬物の
含量均一性、錠剤空隙率及び引張強度を測定した。
【0052】
【表5】製剤特性
【0053】表5の結果から、本発明により得られた湿
製錠は、錠剤物性及び含量均一性共に良好であり、特に
摩損度が低くなった。これは、スプレードライ法により
得られた粉体の平均粒子径が約50μmであったため、
十分な粒子間結合力が得られたものと考えられる。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、速崩性に優れた固形製
剤、特に脂溶性薬物を配合した優れた速崩性製剤(特
に、湿製錠)が得られる。脂溶性薬物、例えばビタミン
E群、ビタミンK群等を含有し、水等を特に必要とする
ことなく口腔内で30秒以内で溶解する錠剤で、しかも
摩損度も極めて低い優れた錠剤が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/59 A61K 31/59 47/26 47/26 47/30 47/30 47/32 47/32 47/36 47/36 47/38 47/38 47/42 47/42 (72)発明者 南部 一美 群馬県佐波郡玉村町桶越268−3 (72)発明者 安藤 英信 岐阜県各務原市蘇原清住町2−71 (72)発明者 小山 典利 埼玉県本庄市見福1−6−21 Fターム(参考) 4C076 AA37 BB01 DD66A DD66B DD67A DD67B EE06A EE16A EE23B EE32A EE32B EE38A EE42B FF04 FF05 FF06 4C086 AA01 BA09 DA14 MA03 MA05 MA35 MA52 NA03 ZC22 ZC23 ZC29 4C206 AA01 CA10 CB12 CB27 MA03 MA05 MA22 MA55 MA72 NA03 ZC22 ZC23 ZC29

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶性高分子物質と、該高分子物質中均一
    に分散した脂溶性薬物と、賦形剤とを含有することを特
    徴とする速崩性固形製剤。
  2. 【請求項2】更に、結合剤を含有する請求項1記載の製
    剤。
  3. 【請求項3】湿製錠である請求項1記載の製剤。
  4. 【請求項4】脂溶性薬物が、当該高分子物質の高分子マ
    トリックス中に均一に分散している状態にある請求項1
    記載の製剤。
  5. 【請求項5】脂溶性薬物が、ビタミンA群、ビタミンD
    群、ビタミンE群、ビタミンK群、補酵素Q群及びテプ
    レノンの何れかに含まれる少なくとも一つの物質である
    請求項1記載の製剤。
  6. 【請求項6】賦形剤が糖類である請求項1記載の製剤。
  7. 【請求項7】糖類が、ショ糖、乳糖、ブドウ糖、マンニ
    トール、エリスリトール、キシリトール、ソルビトー
    ル、トレハロース及びグルコースの中から選択される少
    なくとも1種である請求項6記載の製剤。
  8. 【請求項8】結合剤が、ポリビニルピロリドン、ヒドロ
    キシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセ
    ルロース、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、
    エチルセルロース、カルボキシビニルポリマー及び澱粉
    の中から選択される少なくとも1種である請求項2記載
    の製剤。
  9. 【請求項9】当該脂溶性薬物100重量部に対し水溶性
    高分子物質30〜500重量部を含有する請求項1記載
    の製剤。
  10. 【請求項10】水溶性高分子物質がゼラチン、加水分解
    ゼラチン、アラビアゴム、ヒドロキシプロピルセルロー
    ス及びポリエチレングリコールの中から選択される少な
    くとも1種である請求項1記載の製剤。
  11. 【請求項11】水溶性高分子物質中均一に分散した脂溶
    性薬物が、脂溶性薬物、水溶性高分子物質及び水を含有
    する乳化物をスプレードライ法で乾燥して得られたもの
    である請求項1記載の製剤。
  12. 【請求項12】口腔内の崩壊時間が長くても30秒であ
    る請求項1記載の製剤。
  13. 【請求項13】水溶性高分子物質中均一に分散した脂溶
    性薬物及び賦形剤を含む湿潤粉体を湿製錠用打錠機で製
    錠することにより得られる請求項1又は3記載の製剤。
  14. 【請求項14】水溶性高分子物質中均一に分散した脂溶
    性薬物を含む湿潤粉体を製錠することを特徴とする速崩
    性固形製剤の製造方法。当該湿潤粉体は、溶媒、賦形剤
    及び/又は結合剤を含んでいてもよい。
  15. 【請求項15】水溶性高分子物質中均一に分散した脂溶
    性薬物が、脂溶性薬物、水溶性高分子物質及び水を含有
    する乳化物をスプレードライ法で乾燥して得られたもの
    である請求項14記載の方法。
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