JP4335649B2 - 繊維製品用水性しわ減少剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、洗濯乾燥後に発生する繊維製品のしわ、その中でも特にシームパッカリングと呼ばれる縫目じわを顕著に減少させることが可能な、繊維製品用の水性しわ減少剤組成物に関する。
Yシャツ等の繊維製品を洗濯乾燥した場合、綿を中心とした多くの繊維製品においては、そのまま着用、使用するのは躊躇われる程度のしわが発生し、アイロンがけが必要となる。しかしながら、アイロンがけは、その手間と技術的な難しさから家事の中でも最も敬遠されるものの一つとなっている。
一方で近年、特にアイロンがけを軽減する目的で、種々の形態安定加工衣料が登場している。これら形態安定衣料は、縫製及び加工処理がしっかりとしているものであれば洗濯乾燥後も殆どノーアイロンで着用できるが、多くのものは縫製又は加工処理が十分でなく、形態安定衣料といえども、特に繰り返し洗濯することによりしわが発生するようになり、ノーアイロンでの着用は困難になってくる。特にしわの発生が顕著なのは肩や襟、袖の縫製部分であり、この縫製部分において、シームパッカリングと呼ばれる縫目じわが発生してしまう。シームパッカリング発生の原因の一つとしては、水に濡れた後、乾燥する時の布地と縫製糸との収縮率の差が挙げられ、形態安定加工はこの収縮率の差が生じないように施されている。しかしながら、縫製や加工処理が十分でないものはこの収縮率の差が発生してしまい、アイロンがけ無くしては着用を躊躇する程度にまでシームパッカリングが発生してしまう。
また、繊維製品を対象としたしわ取り剤組成物としては、特定の界面活性剤を含有したもの(例えば、特許文献1参照。)、特定のシリコーンを含有したもの(例えば、特許文献2、3、4、5参照。)、特定の多価アルコールを含有したもの(例えば、特許文献6、7、8、9参照。)、特定の多価アルコールと特定のシリコーンを組合せたもの(例えば、特許文献10、11参照。)等が知られている。しかしながら、いずれも非縫製部のしわ取り効果には優れているものの、洗濯乾燥後に発生するしわの中でも特に目立つ縫製部のシームパッカリング修復に関しては、十分な効果が得られるものではない。
特開平1−168967号公報 特開平1−292185号公報 特開平3−269165号公報 特表平10−508912号公報 特開2003−96667号公報 特開平10−25660号公報 特開平10−25661号公報 特表2002−513095号公報 特表2002−513096号公報 特開平10−46471号公報 特開2000−178882号公報
本発明が解決しようとする課題は、洗濯乾燥後に発生する繊維製品のしわ、その中でも特に、見栄えが悪く、形態安定加工衣料といえども発生してしまう、シームパッカリングと呼ばれる縫目じわを、家庭においても簡単に、アイロンがけすることなく顕著に減少させ、修復することが可能な繊維製品用の水性しわ減少剤組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を克服するために鋭意検討を行った結果、シリコーン化合物とシリカ微粒子、及び水を含有する水性組成物において、シリコーン化合物とシリカ微粒子を特定の比率で組み合わた組成物が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(a)シリコーン化合物、(b)シリカ微粒子、及び水を含有し、(a)成分と(b)成分の比率が質量比で(a):(b)=1:10〜10:1であることを特徴とする繊維製品用水性しわ減少剤組成物を提供する。
本発明によれば、洗濯乾燥後に発生する繊維製品のしわ、その中でも特にシームパッカリングと呼ばれる縫目じわを、家庭においても簡単に、アイロンがけすることなく顕著に減少させることが可能となる繊維製品用水性しわ減少剤組成物が提供される。
以下に、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明の繊維製品用水性しわ減少剤組成物は、(a)シリコーン化合物、(b)シリカ微粒子、及び水を含有し、(a)成分と(b)成分の比率が質量比で(a)/(b)=1/10〜10/1であることを特徴とするものである。
本発明の組成物には、水が必須成分となる。水は収縮した繊維及び糸を湿潤させ、シームパッカリングの原因となる繊維と糸の収縮率の差を解消させる上で必要となる。水としては、水道水、精製水、蒸留水等が挙げられるが、液安定性及び経済性の点から精製水が好ましい。
本発明の組成物における水の配合量は、特に限定はされないが、(b)成分のシリカ微粒子の分散安定性の点から、本発明の組成物は水性でなければならない。本発明の組成物における水の配合量は、下限が、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上であり、上限は、好ましくは99質量%以下である。水の配合量がこの範囲内にあると、シームパッカリング除去性及びシリカ微粒子の分散安定性に優れるので好ましい。
本発明における(a)成分のシリコーン化合物は、本発明の組成物で繊維製品を処理した際、繊維製品が湿潤している間に、その良好なすべり性により繊維及び糸の摩擦を低減し、既に生じているシームパッカリングを伸びやすくすることで、シームパッカリング低減効果を発揮するものと考えられる。
本発明における(a)成分のシリコーン化合物としては、ジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、メチルフェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、フッ素変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、及びアミノ変性シリコーン等が挙げられる。これらのシリコーン化合物はオイルとして、また任意の乳化剤によって分散された乳化物としても使用できる。これらシリコーン化合物の分子構造は、直鎖状であっても分岐や架橋していてもよい。また、変性シリコーン化合物は1種類の有機官能基により変性されていても、2種以上の有機官能基により変性されていてもよいが、繊維製品の黄変を防止するという点から、アミノ基を含有しないものであることが好ましい。これらシリコーン化合物の中でも、(b)成分のシリカ微粒子の分散安定性に影響を及ぼさないという点から、非イオン性のものが好ましく、その中でも、溶解性及び保存安定性の点からポリエーテル変性シリコーンがより好ましく、下記一般式〔I〕で示されるポリエーテル変性シリコーンが特に好ましい。

Figure 0004335649
式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3の一価炭化水素基であり、溶解性の点から水素原子又はメチル基が好ましい。mは前記一般式〔I〕中で示されるエチレンオキサイドの平均付加モル数を表わし、mの範囲は、下限が1以上、好ましくは3以上、より好ましくは7以上であり、上限は50以下、好ましくは30以下、より好ましくは20以下である。mがこの範囲内にあると、シームパッカリング除去性及び溶解性に優れるので好ましい。nは前記一般式〔I〕中で示されるプロピレンオキサイドの平均付加モル数を表わし、nの範囲は、下限が0以上、上限は10以下、好ましくは5以下、より好ましくは3以下である。nがこの範囲内にあると、シームパッカリング除去性及び溶解性に優れるので好ましい。エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの重合形態は、ランダム付加及びブロック付加重合のどちらでもよい。xは前記一般式〔I〕中で示されるジメチルシロキサンの平均付加モル数を表わし、xの範囲は、下限が1以上、好ましくは20以上、より好ましくは100以上であり、上限は400以下、好ましくは300以下、より好ましくは250以下である。xがこの範囲内にあると、シームパッカリング除去性及び溶解性に優れるので好ましい。yは前記一般式〔I〕中で示されるメチルポリオキシアルキレンプロピルシロキサンの平均付加モル数を表わし、yの範囲は、下限が1以上、好ましくは3以上、より好ましくは5以上であり、上限は40以下、好ましくは30以下、より好ましくは20以下の範囲である。yがこの範囲内にあると、シームパッカリング除去性及び溶解性に優れるので好ましい。ジメチルシロキサンとメチルポリオキシアルキレンプロピルシロキサンの重合形態は、ランダム付加及びブロック付加重合のどちらでもよい。xとyのモル比x/yは、下限が好ましくは1以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは15以上であり、上限は、好ましくは100以下、より好ましくは50以下、更に好ましくは30以下である。x/yがこの範囲内にあると、シームパッカリング除去性及び溶解性に優れるので好ましい。
前記一般式〔I〕で示されるポリエーテル変性シリコーンは、Si−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、ポリオキシアルキレンアリルエーテルとを付加反応させる等の従来公知の方法により製造することができる。
ポリエーテル変性シリコーンの具体的な例としては、東レ・ダウ コーニング・シリコーン(株)製のSH3771C、SH3775C、SH3748、SH3749、SF8410、SH8700、BY22−008、BY22−012、CF1188HV、SF8421、信越化学工業(株)製のKF352A、KF6008、KF615A、KF6016、KF6017、GE東芝シリコーン(株)製のTSF4450、TSF4452、日本ユニカー(株)製のSILWET L−7001、SILWET L−7002、SILWET L−7602、SILWET L−7604、SILWET FZ−2104、SILWET FZ−2120、SILWET FZ−2161、SILWET FZ−2162、SILWET FZ−2164、SILWET FZ−2171等が挙げられる。
本発明の組成物中における(a)成分のシリコーン化合物の配合量は、下限が好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上であり、上限は5質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以下である。(a)成分の配合量がこの範囲内にあると、シームパッカリング除去性及び経済性に優れるので好ましい。(a)成分のシリコーン化合物は、単独で使用してもよく、又は2種以上併用してもよい。
本発明における(b)成分のシリカ微粒子は、本発明の組成物で繊維製品を処理した際、繊維製品が湿潤後乾燥していく過程において、その優れた増摩擦性により、繊維及び糸の収縮差により再びシームパッカリングが発生するのを抑制することで、シームパッカリング低減効果を発揮するものと考えられる。
本発明における(b)成分のシリカ微粒子とは、SiO2を主骨格とする水不溶性の微粒子を指し、アモルファスシリカ、結晶性シリカ及びアモルファスシリカを水中に分散させた形態のコロイダルシリカ等が挙げられるが、それらの中でも、微粒子の分散安定性の点から、コロイダルシリカが好ましい。コロイダルシリカは、「スノーテックス」(日産化学工業(株)製)、「シリカドール」(日本化学工業(株)製)等、市販品として容易に入手できる。
通常、コロイダルシリカの表面はシラノール基によりアニオン性を帯びているが、このタイプのものは分散媒である水が凍結した場合、自身も凝集してしまい良好な分散安定性を回復できない傾向にある。一方で、カチオン性を帯びているもの、例えばアニオン性のコロイダルシリカ表面にアルミナをコーティングしたものは、分散媒である水が凍結した場合でも、自身は凝集しにくく、低温安定性に優れることから好ましい。このアルミナのコーティング方法は、特に限定されるものではないが、塩基性塩化アルミニウムで処理する等の従来公知の方法により調整することができる。このようなカチオン変性したコロイダルシリカとしては、スノーテックスAK(日産化学工業(株)製)、シリカドール20P(日本化学工業(株)製)、Klebosol30CAL25(Clariant社製)等が挙げられる。
本発明における(b)成分のシリカ微粒子の粒径は、下限が好ましくは1nm以上であり、上限が好ましくは1μm以下、より好ましくは100nm以下、更に好ましくは30nm以下である。シリカ微粒子の粒径がこの範囲内にあると、低温及び高温安定性に優れるので好ましい。このシリカ微粒子の粒径は、BET法による比表面積から換算されるものである。
本発明の組成物中における(b)成分のシリカ微粒子の配合量は、下限が好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上であり、上限は5質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以下である。(b)成分の配合量がこの範囲内にあると、シームパッカリング除去性及び経済性に優れるので好ましい。(b)成分のシリカ微粒子は、単独で使用してもよく、又はアニオン性又はカチオン性の電荷が同じであれば2種以上併用してもよい。
以上のように本発明の組成物は、(a)成分と(b)成分の相乗効果によりシームパッカリング低減、修復効果を発揮するものであるが、この相乗効果を発揮するためには、本発明における(a)成分と(b)成分の配合量の質量比(a)/(b)は、下限が1/10以上、好ましくは1/5以上、より好ましくは1/3以上、更に好ましくは1/2以上であり、上限が10/1以下、好ましくは5/1以下、より好ましくは3/1以下、更に好ましくは2/1以下である。(a)/(b)がこの範囲にあると、シームパッカリング除去性に優れるので好ましい。
本発明の組成物には、(a)成分として水溶性の低い又は水不溶性のシリコーン化合物を使用した場合の溶解性及び組成物の保存安定性の点から、(c)低級アルコールをさらに配合することが好ましい。低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等が挙げられるが、安全性及び乾燥性の点からエタノールが好ましい。
本発明の組成物中における(c)成分の低級アルコールの配合量は、下限が好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上であり、上限は50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。(c)成分の配合量がこの範囲にあると、(a)成分のシリコーン化合物の溶解性及び(b)成分のシリカ微粒子の低温安定性に優れるので好ましい。(c)成分の低級アルコールは、単独で使用してもよく、又は2種以上併用してもよい。
本発明の組成物には、(a)成分として水溶性の低い又は水不溶性のシリコーン化合物を使用した場合及び(b)成分のシリカ微粒子としてカチオン性を帯びたものを使用した場合の高温安定性の点から、(d)水溶性カチオン界面活性剤をさらに配合することが好ましい。水溶性カチオン界面活性剤としては、アルキル基の炭素数8〜18のモノアルキルトリメチルアンモニウム塩、各アルキル基の炭素数4〜10のジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキル基の炭素数8〜18のアルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキル基の炭素数8〜18のアルキルピリジニウム塩等が挙げられるが、高温安定性の点からステアリルトリメチルアンモニウムクロライド及びジデシルジメチルアンモニウムクロライドが好ましい。
本発明の組成物中における(d)成分の水溶性カチオン界面活性剤の配合量は、下限が好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上であり、上限は5質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である。(d)成分の配合量がこの範囲にあると、高温安定性に優れるので好ましい。(d)成分の水溶性カチオン界面活性剤は、単独で使用してもよく、又は2種以上併用してもよい。
本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、以下の任意成分を配合することができる。炭素数12〜18のアルキル基を有し、ポリオキシエチレンの付加モル数が5〜50、プロピレンオキサイドの付加モル数が0〜5のポリオキシアルキレンアルキルエーテル、炭素数8〜18のアルキル基を有し、グルコースユニットの平均付加モル数1〜10のアルキルポリグルコシド、炭素数8〜18のアルキル基を有し、グリセリンユニットの平均付加モル数1〜3のアルキルグリセリルエーテル、炭素数10〜20の脂肪酸ジエタノールアミド、炭素数10〜18アルキル基を有し、エチレンオキサイドの平均付加モル数1〜30のメトキシポリオキシエチレンアルカノエート等の非イオン界面活性剤。エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアルキレングリコールブチルエーテル、ポリアルキレングリコールフェニルエーテル等のグリコール系溶剤。メチルパラベン、ケーソンCG/ICP等の防腐剤。特開2002−146399号公報記載の香料成分、溶剤及び安定化剤等を含有する香料組成物。硫酸、水酸化ナトリウム等のpH調整剤。
本発明の組成物における上記任意成分の配合量は、上限が好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下であり、0.5質量%以下が更に好ましい。
本発明の組成物のpHは、特に限定されるものではないが、組成物のpHは(b)成分のシリカ微粒子の分散安定性に影響を及ぼすことから、(b)成分のシリカ微粒子がアニオン性を帯びるものの場合、組成物のpHは、下限が好ましくは6.0以上、より好ましくは7.0以上、更に好ましくは8.0以上であり、上限は好ましくは11.0以下、より好ましくは10.0以下、更に好ましくは9.0以下である。また、(b)成分のシリカ微粒子がカチオン性を帯びる場合、組成物のpHは、下限が好ましくは2.0以上、より好ましくは3.0以上、更に好ましくは4.0以上であり、上限は好ましくは7.0以下、より好ましくは6.0以下、更に好ましくは5.0以下である。組成物のpHがこの範囲内にあると、安全性及び(b)成分のシリカ微粒子の分散安定性に優れるので好ましい。
本発明の組成物を対象となる繊維製品に使用する使用方法としては、特に限定はされないが、繊維製品を組成物中に浸漬した後風乾してもよいし、組成物をスプレー容器に収納し、繊維製品に対して組成物を噴霧した後風乾してもよいが、家庭においても手軽に実施できる簡便性や、必要量の組成物を繊維製品のしわになっている部位にのみ作用できるという経済性の点から、組成物をスプレー容器に収納し、繊維製品に噴霧して使用する方法が好ましい。更に、風乾する前に手で軽くしわを伸ばすことは、シームパッカリング除去性の点から好ましい。
スプレー容器としては、エアゾールスプレー容器、トリガースプレー容器(直圧型あるいは蓄圧型)、フィンガースプレー容器等が挙げられる。エアゾールスプレー容器の例としては、特開平9−3441、及び特開平9−58765号公報等に記載されているものが挙げられる。また、噴射剤としてはLPG(液化プロパンガス)、DME(ジメチルエーテル)、炭酸ガス、窒素ガス等が挙げられ、これらは単独で使用しても良く、2種以上を混合して使用しても良い。トリガースプレー容器の例としては、特開平9−268473号公報、特開平9−256272号公報、特開平10−76196号公報等に記載のものが挙げられる。フィンガースプレー容器の例としては、特開平9−256272号公報等に記載のものが挙げられる。
本発明の組成物を対象となる繊維製品に噴霧して使用する場合の使用量は、繊維製品の質量に対して、下限が好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上であり、上限は好ましくは100質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは60質量%以下である。使用量がこの範囲内にあると、シームパッカリング除去性及び経済性に優れるので好ましい。
また、本発明の組成物は、プラスチック製容器に収納することができる。プラスチック製容器としては、ボトル容器や詰替え用のスタンディングパウチ等が挙げられる。スタンディングパウチとしては、例えば、特開2000−72181号公報に記載のものが挙げられるが、材質としては、内層に100〜250μmの線状低密度ポリエチレン、外層に15〜30μmの延伸ナイロンの二層構造又は15μmの延伸ナイロンを中間層、15μmの延伸ナイロンを外層にした三層構造のスタンディングパウチが保存安定性の点から好ましい。
本発明の組成物を使用する対象の繊維製品としては、特に限定はされないが、例えば、Yシャツ、Tシャツ、ポロシャツ、ブラウス、チノパン、スーツ、スラックス、スカート、テーブルクロス、ランチョンマット、カーテン等が挙げられる。また、対象とする繊維製品の素材も、特に限定はされないが、例えば、綿、ウール、麻等の天然繊維、ポリエステル、ナイロン、アクリル等の合成繊維、アセテート等の半合成繊維、レーヨン、テンセル、ポリノジック等の再生繊維及びこれら各種繊維の混紡品、混織品、混編品等が挙げられ、その中でも、特にしわになりやすい綿及びその混紡品において、本発明の組成物の効果が研著に発揮される。
次に、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例等に限定されるものではない。
まず、実施例及び比較例において使用した成分について以下に示す。
a−1:ポリエーテル変性シリコーン(前記一般式〔I〕中、R:水素原子、m=20、n=0、x=7、y=3)
a−2:ポリエーテル変性シリコーン(前記一般式〔I〕中、R:水素原子、m=15、n=0、x=70、y=3)
a−3:ポリエーテル変性シリコーン(前記一般式〔I〕中、R:メチル基、m=10、n=0、x=210、y=9)
a−4:ジメチルシリコーン(BY22−068、東レ・ダウ コーニング・シリコーン(株)製、水性エマルション)
a−5:アミノ変性シリコーン(POLON−MF−14、信越化学工業(株)製、水性エマルション)
b−1:カチオン性コロイダルシリカ(スノーテックスAK、日産化学工業(株)製、粒径:10〜20nm)
b−2:カチオン性コロイダルシリカ(シリカドール20P、日本化学工業(株)製、粒径:10〜20nm)
b−3:カチオン性コロイダルシリカ(Klebosol30CAL25、Clariant社製、粒径:25nm)
b−4:アニオン性コロイダルシリカ(スノーテックス20、日産化学工業(株)製、粒径:10〜20nm)
b−5:アニオン性コロイダルシリカ(スノーテックス20L、日産化学工業(株)製、粒径:40〜50nm)
b−6:アニオン性コロイダルシリカ(スノーテックスZL、日産化学工業(株)製、粒径:70〜100nm)
c−1:エタノール(試薬1級、甘糟化学産業株式会社製)
c−2:2−プロパノール(鹿1級、関東化学株式会社製)
d−1:ジデシルジメチルアンモニウムクロライド(アーカード210−80E、ライオンアクゾ(株)製)
d−2:ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド(アーカードT−800、ライオンアクゾ(株)製)
香料:特開2002−146399号公報記載の表11〜18記載の香料組成物A
次に、実施例及び比較例において実施した評価方法について以下に示す。
<シームパッカリング除去性の評価方法>
(試験用繊維製品の前処理)
試験用繊維製品としては、市販の形態安定ワイシャツ(綿:ポリエステル=55:45、AMICIS、カネタ(株)製)を用いた。家庭用の二槽式洗濯機(CW−C30A1−H、三菱電機(株)製)に20℃の水道水30Lを入れ、ここに市販の衣類用粉末洗剤(トップ、ライオン(株)製)15gを添加し、よく分散させた後、試験用繊維製品5枚を投入し、10分間洗浄した。洗剤液を排水後、試験用繊維製品を脱水機で1分間脱水し、20℃の水道水30Lで3分間濯ぐという脱水・濯ぎ工程を2度行ない、最後に3分間脱水後、ハンガーで吊り干しにて1晩風乾した。この洗濯乾燥操作を10回繰り返したものを、前処理済み試験用繊維製品としてシームパッカリング除去性の評価に用いた。
(シームパッカリングの除去処理)
表1及び2に記載の組成物は、市販の衣料用トリガースプレー製品の容器(衣類のキレイキレイしわとり+消臭スプレー、ライオン(株)製)に300g収納し、評価に用いた。上記前処理済み試験用繊維製品の質量に対して50質量%の組成物を、ハンガーに吊るした試験用繊維製品の表面全体に均一になるように噴霧し、次いで肩の部分のシームパッカリングを手で軽く伸ばした後、そのままハンガーに吊るした状態で、20℃、50RH%の室内において12時間風乾した。表1及び2に記載のシームパッカリング除去性は、乾燥後の試験用繊維製品の肩の部分のシームパッカリングの程度を目視で判定し、以下の基準で評価した。
(評価基準)
評価は、AATCC Test Method 88Bにおけるシームパッカリング判定用標準(SS−1〜5、SS−5が最も優れる)と比較して、以下の基準で行なった。
5:SS−5と同等
4:SS−4と同等
3:SS−3と同等
2:SS−2と同等
1:SS−1と同等
<低温安定性の評価方法>
表1、及び2に記載の組成物50mLを、50mL容のスクリューキャップ付きガラス瓶中に収納密閉し、−20℃の恒温室中で24時間保存した後、室温に戻した。表1、及び2に記載の低温安定性は、この保存後と配合直後の組成物の外観を目視で比較し、以下の基準で評価した。
○:外観にほぼ違いは認められない
△:沈殿又は相分離はしていないものの、外観に明らかな違いが認められる
×:沈殿又は相分離が認められる
<高温安定性の評価方法>
表1、及び2に記載の組成物50mLを、50mL容のスクリューキャップ付きガラス瓶中に収納密閉し、50℃の恒温室中で1ヵ月間保存した後、室温に戻した。表1、及び2に記載の高温安定性は、この保存後と配合直後の組成物の外観を目視で比較し、以下の基準で評価した。
○:外観にほぼ違いは認められない
△:沈殿又は相分離はしていないものの、外観に明らかな違いが認められる
×:沈殿又は相分離が認められる
実施例及び比較例を以下の表1及び2に示す。なお、表中の各成分の含有量は純分としての含有量を示し、単位は何れも質量%である。
Figure 0004335649
Figure 0004335649

Claims (7)

  1. (a)ポリエーテル変性シリコーン化合物、(b)シリカ微粒子、及び水を含有し、(a)成分と(b)成分の比率が質量比で(a)/(b)=1/10〜10/1であることを特徴とする繊維製品用水性しわ減少剤組成物。
  2. (a)シリコーン化合物が下記一般式〔I〕で示されるポリエーテル変性シリコーンである、請求項1記載の繊維製品用水性しわ減少剤組成物。
    Figure 0004335649
    (式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3の一価炭化水素基、m、n、x、yは各ユニットの平均付加モル数を表わし、mは1〜50、nは0〜20、xは1〜400、yは1〜40の範囲であり、重合形態はランダム付加、ブロック付加どちらでもよい。)
  3. (b)成分のシリカ微粒子がカチオン性である、請求項1又は2記載の繊維製品用水性しわ減少剤組成物。
  4. カチオン性シリカ微粒子が、アニオン性シリカ微粒子の表面をアルミナで被覆したシリカ微粒子である、請求項3記載の繊維製品用水性しわ減少剤組成物。
  5. さらに、(c)低級アルコールを含有する請求項1から4のいずれか1項記載の繊維製品用水性しわ減少剤組成物。
  6. (b)成分のシリカ微粒子がカチオン性である場合に、さらに(d)水溶性カチオン界面活性剤を含有する請求項3から5のいずれか1項記載の繊維製品用水性しわ減少剤組成物。
  7. (a)ポリエーテル変性シリコーン化合物:0.01〜5質量%、及び(b)シリカ微粒子:0.01〜5質量%を含有する請求項1から6のいずれか1項記載の繊維製品用水性しわ減少剤組成物。
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