JP2883668B2 - 衣類用除皺防皺剤組成物 - Google Patents

衣類用除皺防皺剤組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は除皺効果に加え皺防止にも優れ、且つ衣類に
適用後放置するだけの操作で衣類にできた皺をとること
ができる衣類用除皺防皺剤組成物に関するものである。
〔従来技術〕
シャツ、ブラウス、スカート、ズボンなどの衣類は、
着用中又は保存中にしばしば皺ができて美観を損ねるこ
とが多い。
これに対して、繊維業界では新たな繊維素材や防皺加
工剤、編織法などの新たな方法が提案され、実用化され
ているが、天然素材を行かした綿、麻等の除皺防皺につ
いては未だ十分な効果は認られていない。尚、アイロン
がけによって皺を取り除いても、着用等により直ちに皺
が生じてしまうという問題がある。
最近、皺の付いた衣料にスプレーしただけで皺を除く
スプレータイプの除皺剤が市販されているが、麻等に付
いた細かい皺には十分な効果が発揮されていないのが現
状である。この除皺剤の効果を向上させる工夫として、
非イオン界面活性剤を用いて所定の物質の衣料への浸透
性を高めることなどが実施されているが、浸透性の高い
非イオン界面活性剤は、スプレー時の揮散によって目に
刺激感をあたえるものが多く、上記問題のない種々の除
皺組成物が提案されている。例えば、特開平1−16897
号公報には、ウールフェルト沈降法で200秒以下の界面
活性剤とアルコール水溶液を含む組成物が開示され、特
開平1−201597号公報には、アルコール水溶液と界面活
性剤と噴射剤、また、特開平1−292185号公報にはノニ
オン性界面活性剤とシリコンオイルと変性アルコール水
溶液と噴射剤とを含む組成物が開示されている。
また、防皺剤としては、アルコキシシラン/エポキシ
基をもつオルガノポリシロキサンを含む組成物(特開昭
58−163782号公報)や、第4級アンモニウム塩変性オル
ガノポリシロキサン/珪素に結合したヒドロキシ基をも
つオルガノポリシロキサンを含む組成物(特開昭58−70
775号公報)が提案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、綿、麻についた細かい皺を効果的に取り除
くことができ、且つ衣類に適用後放置しても優れた除皺
効果を示すとともに皺をつきにくくさせ、さらにスプレ
ーした場合の目に対する刺激がマイルドである衣類用除
皺防皺剤組成物を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
衣類の曲げ強度及び曲げ回復性に着目し、除皺性は曲
げ強度及び曲げ回復性を低下させること、防皺性は曲げ
強度と曲げ回復性を向上させることであり、除皺と防皺
が全く反していることを見いだしたが、低級アルコール
水溶液に特定に変性シリコンと特定の非イオン界面活性
剤とを組み合わせることにより、衣類に適用した場合に
は、曲げ強度及び曲げ回復性が低下し、乾燥後は適用前
の曲げ強度及び曲げ回復性が向上し、飛躍的に除皺防皺
性が向上し、また、特定の非イオン界面活性剤は、目に
対する刺激がマイルドであることを見いだし、本発明を
完成した。
すなわち、本発明は、5〜50重量%低級アルコール水
溶液に、(a)アミノ変性オルガノポリシロキサン及び
/又は第4級アンモニウム変性オルガノポリシロキサン
と(b)ポリオキシエチレングリセリルモノイソステア
レート(=10〜20)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ
油(=20〜60)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油モ
ノイソステアレート(=30〜60)及びポリオキシエチ
レンモノオレート(=8〜15)からなる群から選ばれ
る少くとも1種の非イオン界面活性剤を含有することを
特徴とする衣類用除皺剤組成物を提供する。
本発明で用いるアミノ変性オルガノポリシロキサン及
び/又は第4級アンモニウム変性オルガノポリシロキサ
ンとしては、下記一般式〔I〕で表わされるものが好ま
しい。
(式中、R1は水素原子、置換又は非置換の一価の炭化水
素基、R2は −{−(CH2xNH−}a−(CH2y−NH2 又は −{−(CH2xN+(R32−}a−(CH2y−N+(R33 (ただし、R3は炭素数1〜3のアルキル基、aは0又は
1〜5の整数、x及びyは2又は3を示す。)で表され
る基、RはR1、R2と同一の基、アルコキシ基又はヒドロ
キシ基、mは500〜10000の整数、nは1〜300の整数を
示す。) 本発明の除皺防皺剤には、上記成分(a)に加えて、
成分(b)ポリオキシエチレングリセリルモノイソステ
アレート(=10〜20)、ポリオキシエチレン硬化ヒマ
シ油(=20〜60)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
モノイソステアレート(=30〜60)及びポリオキシエ
チレンモノオレート(=8〜15)からなる群から選ば
れる少くとも1種の非イオン界面活性剤をを併用するこ
とが重要である。上記化合物中、はエチレンオキシド
の平均付加モル数を示す。又、成分(b)の化合物を表
示するのに使用するPOEはポリオキシエチレンの意味で
ある。
本発明の衣類用除皺防皺剤組成物では、成分(a)と
(b)とを任意の割合で含有することができるが、成分
(a)のアミノ変性オルガノポリシロキサン及び/又は
第4級アンモニウム変性オルガノポリシロキサンの含有
量を0.01〜2.0重量%(以下%と略称する)とするのが
よく、成分(b)の非イオン界面活性剤の含有量を0.02
〜0.5%とするのがよい。
本発明の衣類用除皺防皺剤組成物には、上記成分の他
に、アルコール変性剤、芳香剤、抗菌剤、殺菌剤、防虫
剤、繊維柔軟化剤、帯電防止剤、消泡剤及び噴射剤など
を含有させることができる。
〔発明の効果〕
本発明の衣類用除皺防皺剤組成物によれば、除皺効果
に加え皺防止にも優れ、且つ衣類に適用後放置するだけ
の操作で衣類にできた皺を簡単にとることができる。さ
らに、霧吹き容器使用によるスプレーや、エアゾールに
より衣類用除皺防皺剤組成物をスプレーした場合の目刺
激が小さく、且つアイロンがけによる除皺効果にも優れ
ると共にアイロンの滑りを向上させ、楽にアイロンがけ
ができ、防皺効果に優れた衣類用除皺防皺剤組成物を提
供することができる。
次に本発明を実施例により説明する。
〔実施例〕
実施例1 28号変性エタノール15%、POE硬化ヒマシ油(=4
0)0.1%、表−1に示すオルガノポリシロキサン0.2
%、香料0.01%、精製水84.69%からなる衣類用除皺防
皺液を調製し、除皺防皺性を下記の方法で測定し、結果
を表−1に示した。
表−1の結果から明らかなように、各種あるオルガノ
ポリシロキサンのうち、本発明の成分(a)に規定する
アミノ変性オルガノポリシロキサン及び/又は第4級ア
ンモニウム変性オルガノポリシロキサンを用いると、優
れた除皺防皺効果が得られることがわかる。
除皺防皺性測定方法 1)試験布の作成 市販の綿布(平織)、綿65/ポリエステル35混紡布
(平織;テト綿#40)、ウールトロピカル及び麻を20×
20cmに裁断し、綿布及びテト綿は市販の粉末洗剤を用い
て標準使用濃度で洗浄した。ウールトロピカル及び麻は
パークロエチレン(布1kg/10L)を用いてドライクリー
ニングした。
2)除皺効果の評価法 試験布に1〜1.5gの水を噴霧し6重に重折りした後、
ステンレス板の間に挟み5kgの荷重をかけ、20℃で1夜
放置して折皺をつけた。次いで荷重を外し20℃で風乾
後、折皺と直角の方向で5cm幅に裁断し、下記の方法で
除皺効果を評価した。
一端をクリップで固定し、縦長にして吊り下げた。
30分経過後、上端から下端までの長さを測定し、その
値を(A)値とした。
次いで、調製した除皺防皺剤試料を15cmの距離から2
秒間まんべんなくスプレーし、30分経過後、試験布の上
端から下端までの長さを測定し、この値を(B)値とし
た。
完全に伸びきった状態での試験布の長さを測定し、こ
の値を(C)値とした。
皺回復率を次式により求めた。
皺回復率(%)=100×(B−A)/(C−A) 3)防皺効果の評価法 JIS L 1059の防皺性試験方法D法に従って実施した。
すなわち、試験布に調製した除皺防皺剤試料を15cmの距
離から4gをまんべんなくスプレーし、24時間30℃、90%
RHに風乾した。風乾した試験布を直径20cm、内円5cmの
ドーナッツ状に裁断し、面積を求めた。この値を(S0
値とした。次いで外円から内円にたて方向に裁断した。
これを針を用いて16重に重折りをし、6kgの荷重を1時
間かけた。この試験布から針を取り除きポリテトラフロ
ロエチレンフィルムを貼ったガラス板に置き、24時間後
試験片の水平投影面積を計り、この値を(S)値とし、
防皺率を次式により求めた。
防皺率(%)=100×S/S0 4)保存安定性試験 調製した除皺防皺剤試料を5℃、室温、50℃(エアゾ
ールタイプは45℃)に1カ月間保存し、液の状態を目視
により観察した。エアゾールタイプは開缶後の内溶液を
観察した。
判定基準 分離、沈澱がまったくない・・・○ 分離、沈澱が認められる ・・・× 5)目刺激性試験 兎を用い、ドレイズ法に従い下記の基準で評価した。
判定基準 わずかに刺激性がある ・・・△ 刺激性なし ・・・○ 実施例2 下記の組成の衣類用除皺防皺剤エアゾール組成物を調
製した。
原液75% 内訳:アミノ変性ポリシロキサン0.2%、5号変性エ
タノール15%、表−2に記載の非イオン界面活性剤0.1
%、香料0.01%及び残部水 噴射剤25%(ジメチルエーテル) このエアゾール組成物の除皺防皺性を実施例1と同様
にして測定した。結果を表−2に示す。
表−2の結果から明らかなように、特定のポリオキシ
エチレン型非イオン界面活性剤を用いると所期の目的の
衣類用除皺防皺剤組成物を提供できることがわかる。
実施例3 下記の組成の衣類用除皺防皺液を調製した。
エタノール表−3に示す量、アミノ変性ポリシロキサ
ン0.2%、POE硬化ヒマシ油(=40)0.1%、香料0.01
%、P−ヒドロキシ安息香酸メチル 0.1%及び残部精
製水 この組成物の除皺防皺性を実施例1と同様にして測定
した。結果を表−3に示す。 表−3の結果から明らか
なように、低級アルコールであるエタノールの含有量を
5〜50%にすると所期の目的の衣類用除皺防皺剤組成物
を提供できることがわかる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】5〜50重量%低級アルコール水溶液に、
    (a)アミノ変性オルガノポリシロキサン及び/又は第
    4級アンモニウム変性オルガノポリシロキサンと(b)
    ポリオキシエチレングリセリルモノイソステアレート
    (=10〜20)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(
    =20〜60)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油モノイソ
    ステアレート(=30〜60)及びポリオキシエチレンモ
    ノオレート(=8〜15)からなる群から選ばれる少く
    とも1種の非イオン界面活性剤を含有することを特徴と
    する衣類用除皺防皺剤組成物。
  2. 【請求項2】成分(a)の含有量が0.01〜2.0重量%で
    あり、成分(b)の含有量が0.02〜0.5重量%である請
    求項(1)記載の組成物。
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