JP4335592B2 - マグネットローラの製造方法およびマグネットローラ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式の複写機、ファクシミリ、レーザープリンタなどに使用されるマグネットローラの製造方法およびマグネットローラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から電子写真方式の複写機、ファクシミリやレーザープリンタなどに使用されるマグネットローラは、複数の磁極をその表面に形成し、回転自在な円筒状のスリーブに封入され、スリーブ内周面とマグネットローラ外周面が接触しないように構成されている。
【0003】
前記マグネットローラとしては、たとえば軸周辺にブロック磁石を配設し、複数個の磁極を形成し、かつ該複数個の磁極のうち同極性の磁極を2個連続して配設された同極対向部を有するように構成された永久磁石体を用いたマグネットローラにおいて、前記2個の同極性の中間の磁界の強さを該磁極の1/10未満の強さとした電子写真現像用マグネットローラ(たとえば、特許文献1参照)や、ロール状磁性体の周方向に沿って隣接した2つの磁極形成部位をこれらの部位にまたがる1つの電磁石で同極に着磁する工程と、前記ロール状磁性体の外周面上に非極性スリーブを同心状に、かつ回転可能に配置する工程とを含む製造方法により製造された磁石ロール(たとえば、特許文献2参照)などが知られている。
【0004】
一体型のマグネットローラの場合、マグネットローラ本体上に複数の磁極を形成させる必要があるが、マグネットローラ本体に複数の磁極を様々な磁力パターンで形成するのが困難な場合も多く、技術的に限界がある。そのため、一般に各々必要とされる磁力および磁力パターンを持つマグネットピースを個別に作製し、必要とされる所定の着磁パターンになるようにシャフトに各々接着する方法がとられている。
【0005】
【特許文献1】
特開昭54−80755号公報
【特許文献2】
特開昭59−166977号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
マグネットピースを接着する従来の手順として、図2に示すような基準となる1つのマグネットピース2aの側面のみで貼り付け位置を規制する接着治具にシャフトをセットし、ついで、マグネットピース2aの側面を接着治具に合わせ、内周面側に瞬間接着剤を長手方向に均一に塗布し、直ちにマグネットピース2aの内周面側をシャフト1に押しつけて接着する。そののち、マグネットピース2aの位置に合わせて順次1本づつマグネットピース2b、2cをシャフト1上に貼り合わせて接着・固定し、マグネットローラを形成している。
【0007】
この作業は、その都度1本づつマグネットピースの側面および内周面に瞬間接着剤を長手方向に均一に塗布し、基準マグネットピース2aの位置に合わせて順に貼り付けていくため、作業効率がわるく、接着に時間がかかってしまう。また、接着精度がよくないため、磁極位置精度の低下を招く。さらに、この方法では、マグネットピース外周面やマグネットピース軸方向端面などに余分な接着剤が溢れだし、マグネットピース接着後、溢れだした接着剤を除去する作業が必要となる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記のごとき問題を改善し、作業効率よく、高い接着精度で、必要のない部分に余分な接着剤を溢れださせないでマグネットローラを成形するためになされたものであり、
複数の棒状のマグネットピースからなるマグネットローラの製造方法において、少なくとも2つのマグネットピースを、外周面と端面により貼り付け位置を規制したのち、内周面側からマグネットピースとマグネットピースとの接着面に接着剤を塗布し、それによって少なくとも2つのマグネットピースを貼り合わせたマグネットピースブロックを形成し、マグネットピースブロックをシャフトに接着・固定することを特徴とするマグネットローラの製造方法(請求項1)、
複数の棒状のマグネットピースからなるマグネットローラの製造方法において、マグネットピース同士の対向する接着面のどちらか一方または両方に内周面側から外周面側の方向に間隔0.1〜5mm、幅0.1〜2mm、深さ0.1〜0.5mmの複数個の溝を形成した少なくとも2つのマグネットピースの内周面側からマグネットピースとマグネットピースとの接着面に接着剤を塗布し、それによって少なくとも2つのマグネットピースを貼り合わせたマグネットピースブロックを形成し、マグネットピースブロックをシャフトに接着・固定することを特徴とするマグネットローラの製造方法(請求項2)、
内周面側から外周面側の方向に形成される溝の長さが、マグネットピースの径方向の厚さの15〜95%であり、溝が内周面から形成されている請求項2記載の製造方法(請求項3)、
マグネットピースの押出成形と同時に前記溝を形成する請求項2または3記載の製造方法(請求項4)、
少なくとも2つのマグネットピースを外周面と端面により貼り付け位置を規制したのち、内周面側からマグネットピースとマグネットピースとの接着面に接着剤を塗布し、少なくとも2つのマグネットピースを貼り合わせたマグネットピースブロックをシャフトに接着・固定することを特徴とする請求項2、3または4記載の製造方法(請求項5)、
マグネットピースのビッカース硬度が5〜150である請求項2、3、4または5記載の製造方法(請求項6)、
略円筒体を形成するように互いに接着面を周方向に貼り合わせた複数のマグネットピースからなるマグネットローラにおいて、マグネットピース同士の接着面の少なくとも一方に、内周面側から外周面側の方向に、間隔0.1〜5mm、幅0.1〜2mm、深さ0.1〜0.5mmの複数個の溝を形成したことを特徴とするマグネットローラ(請求項7)、
内周面側から外周面側の方向に形成された溝の長さが、マグネットピースの径方向の厚さの15〜95%であり、溝が内周面から形成されている請求項7記載のマグネットローラ(請求項8)、
マグネットピースの押出成形と同時に前記溝が形成されている請求項7または8記載のマグネットローラ(請求項9)、
前記マグネットローラが、少なくとも2つのマグネットピースを外周面と端面により貼り付け位置を規制したのち、内周面側からマグネットピースとマグネットピースとの接着面に接着剤を塗布し、少なくとも2つのマグネットピースを貼り合わせたマグネットピースブロックをシャフトに接着・固定したものである請求項7、8または9記載のマグネットローラ(請求項10)、および
マグネットピースのビッカース硬度が5〜150である請求項7、8、9または10記載のマグネットローラ(請求項11)
に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明においては、少なくとも2つの棒状のマグネットピースを、外周面と端面により貼り付け位置を規制したのち、内周面側からマグネットピースとマグネットピースとの接着面に、マグネットピース同士を接着してマグネットブロックを形成するための接着剤を塗布し、少なくとも2つのマグネットピースを貼り合わせたマグネットブロックをシャフトに接着・固定することによりマグネットローラが製造される。
【0010】
マグネットピースは、異方性フェライト磁性粉などの磁性粉、樹脂バインダーなどを含有する樹脂組成物から形成される。棒状のマグネットピースは、側面を互いに接合したときに円筒体が形成されるごとき断面形状を有している。
【0011】
前記マグネットピースの外周面と端面により貼り付け位置を規制してマグネットピース同士を接着する方法、および一体化されたマグネットピースのブロックとシャフトとを接着する方法について、例をあげて説明する。
【0012】
外周面と端面により貼り付け位置を規制してマグネットピース同士を接着する方法としては、図3に示すように、マグネットピースの外周面の形状と同じ形状を有し、マグネットピースの端面により貼り付け位置を規制することができる接着治具3を使用するのが好ましい。
【0013】
図1a〜1dは接着治具を用いてマグネットローラを製造する方法を示す。接着治具3は、通常、マグネットピースの外周面とその端部があたる部分をあらかじめ必要とされる接着位置、角度に設定しておき、マグネットピース21を該治具に押しあてて位置を規制する(図1a)。そののち、位置を規制されたマグネットピース21の側面の接着面にあわせて2本目のマグネットピース22の接着面を押しあてる(図1b)。そして、該マグネットピース21とマグネットピース22の接着面の界面に浸透させるように、シャフト1が接着されるべき内周面側より接着剤4を流し込み、マグネットピースを接着・固定させてブロックまたは円筒を形成する(図1c)。
【0014】
貼り付け位置を規制するためのマグネットピースの端面は、少なくとも一方の端面であってよく、また、、貼り付け位置を規制することができる限り、該端面の一部分であってもよい。
【0015】
つぎに、必要であれば3本目のマグネットピースを同様の方法で接着し、マグネットピース同士を固定する。また、接着剤の流し込み作業は、1本目、2本目に続き3本目の位置も規制して治具に固定してから、1本目と2本目の接着と同時に行なってもよい(効率的な方を行なえばよい)。4本目以降の接着に関しても同様で、作業効率を考慮に入れて行なえばよい。
【0016】
つぎに、前記の方法で複数本のマグネットピースを接着させたマグネットピースブロックに、シャフトを接着させる方法について説明する。
【0017】
通常、シャフト1の端部(径方向断面部)には、磁極位置の角度規制用のDカットがあり、このDカットにより磁極位置が調整される。
【0018】
前記のようにして複数本のマグネットピースが接着され、一体化されたマグネットピースブロックの内周面側に接着剤を長手方向に均一に塗布したのち、この内周面にシャフト1を押しあてることにより、マグネットピースブロックとシャフト1とを接着させることができる(図1d)。また、シャフト1を所定の角度に位置を固定したのち、一体化されたマグネットピースブロックをシャフトに押しあてて接着し、固定してもよい。
【0019】
前記接着方式は、マグネットピース1本1本に接着剤を塗布し、基準マグネットピースに合わせながら接着するという従来の方式に比べて効率的であり、素早く、しかも正確にマグネットピースとシャフトとを接着・固定することができる。
【0020】
また、マグネットピースの外周を規制することにより、マグネットピースとマグネットピースの微妙な寸法のバラツキによる外周の段差を小さくすることができ、長手方向のうねりを少なくすることができるので磁力の長手方向の偏差が小さくなり、磁気特性を向上させることができる。
【0021】
さらに、マグネットピースとシャフトとを接着させる前に、マグネットピース同士の接着面を合わせてからシャフトに接着させるため、マグネットピースとマグネットピースの隙間を小さくすることができ(従来の100μm以下程度を10μm以下程度にすることができ)、磁極間の角度の精度を向上させることができる。
【0022】
また、治具を用いることにより接着精度が向上する結果、マグネットピースがねじれて接着されることが少なくなり、マグネットロールの品質が向上する。
【0023】
前記マグネットピースとマグネットピースとの接着面への接着剤の塗布は、当接されたマグネットピースの接着面間に接着剤が浸透するようにマグネットピースの内周面に塗布するのが好ましい。
【0024】
接着剤を浸透させるように塗布する方法としては、たとえば手塗りでもよいが、定量塗布が可能なディスペンサーを使用するのが好ましい。この場合の吐出量、吐出圧などは、接着するマグネットピースやシャフトの長さ、大きさなどに合わせて決定すればよく、とくに限定されるものではない。ただし、マグネットピースの軸方向の端面に接着剤がはみ出さないように適量を調整して塗布する必要がある。
【0025】
前記マグネットピースの軸方向の端面に接着剤がはみ出さないような接着剤の適量というのは、通常30〜200g/m2、さらには50〜100g/m2程度であり、接着するマグネットピースやシャフトの長さ、太さ、マグネットピースに形成した溝の大きさや接着剤の性状、粘度などにより適切な量が決定される。
【0026】
前記マグネットピースとマグネットピースとの間に塗布する接着剤としては、たとえばシアノアクリレート系接着剤などの瞬間接着剤が好ましいものとしてあげられる。
【0027】
マグネットピースとマグネットピースを接着する接着剤の粘度は、隙間に浸透するように塗布するため、低粘度のものが好ましい。具体的には、使用温度(通常20℃)で700mPa・s以下であれば使用することができ、300mPa・s以下であるのが好ましい。下限は、入手可能性の点から5mPa・s程度である。700mPa・sをこえる場合、隙間に浸透させにくくなる。
【0028】
また、シャフトとマグネットピースブロックとの接着・固定に使用する接着剤としては、シアノアクリレート系接着剤の他、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤などがあげられる。使用するマグネットピースおよびシャフトなどに適した接着剤を選択して使用すればよい。これらの接着剤は、1種で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0029】
前記シャフトとマグネットピースブロックとの接着・固定に使用する接着剤の使用量としては、通常、30〜300g/m2、さらには50〜150g/m2であるのが、接着性、コストの点から好ましい。接着剤が少なすぎる場合には、接着不良がおきやすく、多すぎても接着しにくい。
【0030】
また、該接着剤の粘度としては、通常、使用温度(通常20℃)で5〜700mPa・s、さらには5〜300mPa・sであるのが、塗布しやすさの点から好ましい。
【0031】
前記接着治具に使用する材料には、とくに限定はないが、鉄などの磁性体が、マグネットピースを押しあてる際にマグネットピースが磁気により吸引され、接着治具に保持させる場合の作業性がよくなる点から好ましい。ただし、非磁性体あるいは磁性体と非磁性体を組み合わせたものでも、問題なく使用することができる。
【0032】
本発明の好ましい態様においては、横断面がシャフトを固定するための凹部を有する半円状のマグネットブロックを製造し、それにシャフトを接着した後、同様の半円状横断面を有する別のマグネットブロックを接着してマグネットローラが製造される。
【0033】
前記マグネットピースとしては、配向着磁されたものをそのまま使用することができるが、配向後脱磁処理したものも使用することができる。この場合、シャフトに接着固定したのち、再度着磁処理が行なわれる。再着磁は、1極づつ行なってもよいし、多極を同時に行なってもよい。その際使用される着磁ヨークの形状などにはとくに限定はない。
【0034】
マグネットピースの製造に際して、公知の種々の磁性粉を使用することができる。高磁束密度への要求に応えるために、マグネットピースの製造に等方性希土類磁性粉と異方性フェライト磁性粉とを混合した磁性粉を用いてもよい。
【0035】
前記等方性希土類磁性粉と異方性フェライト磁性粉との混合割合としては、通常、等方性希土類磁性粉が10〜90重量%(以下、%という)で、異方性フェライト磁性粉が90〜10%であるが、等方性希土類磁性粉が20〜80%で、異方性フェライト磁性粉が80〜20%(両者の合計は100%)であるのが、高価な等方性希土類磁性粉の含有率を少なくすることにより、マグネットローラの低コスト化を図ることができる点から好ましい。等方性希土類磁性粉の含有率が前記範囲よりも少ない場合には、マグネットピースまたは一体型マグネットにしめる等方性希土類磁性粉の割合が少なくなりすぎるため、従来のフェライト磁石と同程度の磁力しか得ることができなくなる。等方性希土類磁性粉の含有率が前記範囲よりも多い場合には、高磁力を得る(高磁束密度を達成する)ことができるが、マグネットローラに所望される範囲をこえた磁力を有する磁極が着磁する場合があるとともに、マグネットローラの仕様に無駄が生じ、該マグネットローラが高価になってしまう。
【0036】
前記等方性希土類磁性粉としては、たとえばR(希土類元素)−Fe−N系合金、R−Fe−B系合金、R−Co系合金、R−Fe−Co系合金などがあげられる。これらの中でも、軟磁性相と硬磁性相とを含み、両相の磁化が交換相互作用する構造を持つ交換スプリング磁性粉を用いるのが好ましい。
【0037】
交換スプリング磁性とは、磁石内に多量の軟磁性相が存在し、軟磁性特性を有する結晶粒と硬磁性特性を有する結晶粒の磁化とが交換相互作用で互いに結びつき、軟磁性結晶粒の磁化が反転するのを硬磁性結晶粒の磁化が妨げ、あたかも軟磁性相が存在しないかのような特性を示すものである。このように、残留磁束密度が大きく、かつ保磁力が小さい軟磁性相が多量に含まれる場合、保磁力が小さく、かつ高残留磁束密度の磁石が得られる。
【0038】
前記交換スプリング磁性粉は、軟磁性相からくる低保磁力を有するが、交換相互作用からくる高い残留磁束密度を有するので、高い磁力を得ることができる。また、従来の希土類磁性粉に比べ耐酸化性が良好で、メッキなどの表面被覆をすることなく錆を防止することができる。さらに、多量の軟磁性相が含まれるので、キュリー点が高くなり(400℃以上)、使用限界温度が高く(200℃以上)、残留磁化の温度依存性が小さくなる。
【0039】
前記R(希土類元素)として好ましいものとしては、Sm、Nbがあげられる。この他に、Pr、Dy、Tbなどの1種または2種以上を組み合わせたものを用いることができる。また、前記Feの一部を置換して磁気特性を高めるために、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Al、Si、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Biなどの元素の1種または2種以上を添加することができる。
【0040】
前記交換スプリング磁性粉としては、硬磁性相としてR−Fe−B化合物を用い、軟磁性相としてFe相またはFe−B化合物相を用いたものや、硬磁性相としてR−Fe−N系化合物相を用い、軟磁性相としてFe相を用いたものが好ましい。より具体的には、Nd−Fe−B系合金(軟磁性相:Fe−B合金、αFe)、Sm−Fe−N系合金(軟磁性相:αFe)、Nd−Fe−Co−Cu−Nb−B系合金(軟磁性相:Fe−B系合金、αFeなど)Nd−Fe−Co系合金(軟磁性相:αFeなど)などの交換スプリング磁性粉が好適であり、とくに保磁力(iHc)を低く、かつ残留磁束密度(Br)を大きくする観点から、Nd4Fe8020合金(軟磁性相:Fe3B、αFe)やSm2Fe173合金(軟磁性相:αFe)などの交換スプリング磁性粉が好ましい。
【0041】
前記異方性フェライト磁性粉としては、MO・nFe23(nは自然数)で代表される化学式を持つ異方性フェライト磁性粉などがあげられる。式中のMとして、Sr、Baまたは鉛などの1種または2種以上が適宜選択して用いられる。
【0042】
異方性フェライト磁性粉や前記混合磁性粉などの磁性粉は、樹脂バインダーと混合して使用され、マグネットピースに成形される。
【0043】
前記樹脂バインダーとしては、たとえば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)、EVOH(エチレン−ビニルアルコール共重合体)、CPE(塩素化ポリエチレン)およびPVC(ポリ塩化ビニル)などの熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂およびポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂があげられる。これらは1種で使用してもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体が、コストなどの点から好ましい。
【0044】
また、前記混合磁性粉および樹脂バインダーに占める混合磁性粉の含有率は、50〜95%、さらには60〜90%であるのが好ましい。前記混合磁性粉が50%未満の場合、磁性粉不足によりマグネットローラの磁気特性が低下して所望の磁力が得られにくくなり、また、95%をこえる場合、バインダー不足となり、マグネットピースの成形性が損われやすくなる。樹脂バインダーが少ないと成形性が損われるだけでなく、強度低下が著しくなる。
【0045】
前記マグネットピースを成形する場合、異方性フェライト磁性粉は、磁場を印加した方向に配向着磁されるが、等方性希土類磁性粉は配向されず、着磁のみされる。
【0046】
異方性フェライト磁性粉単独使用や異方性フェライト磁性粉と等方性希土類磁性粉との混合磁性粉以外に、磁性粉として、等方性フェライト単独、等方性希土類単独、異方性希土類単独、等方性フェライトと異方性フェライトとの混合磁性粉、異方性フェライトと異方性希土類との混合磁性粉、等方性フェライトと異方性希土類との混合磁性粉、等方性フェライトと等方性希土類との混合磁性粉、異方性希土類と等方性希土類との混合磁性粉を用いてもよい。
【0047】
前記混合磁性粉および樹脂バインダーの組成物から所望の形状、大きさのマグネットピースが製造され、複数のマグネットピースを貼り合わせてマグネットローラが製造される。
【0048】
マグネットローラの製造に使用されるシャフトとしては、従来から使用されているシャフトをとくに限定なく使用し得る。このようなシャフトとしては、たとえばSUSやSUM製のシャフトなどがあげられる。
【0049】
マグネットピースは、その少なくとも一方の接着面に(すなわち、棒状マグネットピースの一方または両方の側面に)複数個の溝を有していてもよい。つぎに、略円筒状に互いに接合された複数のマグネットピースおよびシャフトからなるマグネットローラの製造方法であって、隣接する2つのマグネットピースの対向する接着面の少なくとも一方に、マグネットピースの内周面側から外周面側の方向に、間隔0.1〜5mm、幅0.1〜2mm、深さ0.1〜0.5mmの複数個の溝が形成されている、少なくとも2つのマグネットピースの内周面側からマグネットピースとマグネットピースとの接着面に接着剤を塗布し、それによって得られる少なくとも2つのマグネットピースを貼り合わせたマグネットピースブロックをシャフトに接着・固定することからなるマグネットローラの製造方法、およびこのようにして製造されたマグネットローラについて説明する。
【0050】
たとえば図4に示すように櫛状に、マグネットピース同士の接着面に、内周面側から外周面側の方向に、間隔0.1〜5mm、さらには0.5〜4mm、幅0.1〜2mm、さらには0.4〜1mm、深さ0.1〜0.5mm、さらには0.1〜0.4mmの溝51が形成される。このような溝51を有するマグネットピース6を使用するため、当接されたマグネットピースの内周面側からその合わせ目に接着剤を塗布するときは、当接されたマグネットピースの接着面の界面への接着剤の浸透性がよくなり、その結果、従来と比較して作業性(具体的には1本1本貼り合わせていく手間など)が格段によくなり、マグネットピース位置精度も向上したマグネットローラを得ることができる。
【0051】
前記溝同士の間隔が0.1mm未満の場合、溝形成が困難であり、5mmをこえる場合、接着不良による剥がれが発生しやすくなる。溝を形成することによる効果を得るためには5mm以下であることが好ましい。また、幅が0.1mm未満の場合、接着剤が浸透しにくくなり、溝を形成することによる効果が充分に得られにくくなる。一方、2mmをこえる場合、磁力パターンによくない影響がでやすくなる。さらに、深さが0.1mm未満の場合、接着剤が浸透しにくくなり、溝を形成することによる効果が充分に得られにくくなる。一方、0.5mmをこえる場合、磁力パターンによくない影響がでやすくなる。
【0052】
前記溝の間隔とは、マグネットピースの側面に形成された溝の端からつぎの溝の端までの距離(溝と溝との間の溝でない部分の幅)のことであり、側面に見える溝の端からつぎの溝の端までの距離を測定することにより求めることができる。溝の間隔が一定でない場合、隣接する10本の溝と溝との間の溝でない部分の幅を測定し、平均することにより求めることができる。
【0053】
また、前記溝の幅とは、マグネットピースの側面に形成された溝の幅のことであり、側面に見える溝の幅を測定することにより求めることができる。溝の幅が一定でない場合、溝の開放端から閉塞端までを4等分し、閉束側を除く4点の幅を測定し、平均することにより求めることができる。
【0054】
さらに、前記溝の深さとは、マグネットピースの側面からの溝の深さのことである。溝の深さが一定でない場合、溝の開放側から閉束側までを4等分し、閉束側を除く4点の深さを測定し、平均することにより求めることができる。
【0055】
溝の形状は、図5a〜図5fに示すように、長方形51や三角形52、前方後円形53、半円形54、これらの2種以上など、任意の形状でよい。また、溝の大きさ、形状は、必ずしもみな同じである必要はない。
【0056】
マグネットピースに形成する溝は内周面側から外周面側に向かって形成し、マグネットピースの側面の厚さ(径方向の厚さ)の内周面から15〜95%、さらには20〜90%まで形成されているのが好ましい。この場合、溝が外周面に達していないため、接着後に溢れでる接着剤が少なくなり、除去作業が少なくなる。また、外周面に傷ができないため、磁気パターンによくない影響がでにくくなる。
【0057】
前記溝は、接着面(側面)のどちらか一方の側に形成されていればよいが、両側に形成されていてもよい。一方の側面のみに形成されている場合には、マグネットピースの接着方向の確認がしやすい点から好ましい。また、両方の側面に形成されている場合には、浸透しやすい点から好ましい。
【0058】
また、前記溝が形成されているマグネットピース長さ方向の位置は、全長にわたっていてもよく、あるいはマグネットピースの側面の一部であってもよい。
【0059】
さらに、前記溝は、マグネットピース内周面側から外周面の方向に形成されるが、必ずしも長さ方向に垂直である必要はない。斜方に形成されていても格子状に形成されていてもよいが、マグネットピース外周面まで突き出すのは好ましくない。
【0060】
溝の形成は、たとえば図6に示すごとき溝形成用治具を用いて行なうことができる。
【0061】
マグネットピース成形後に溝を形成する場合には、たとえば図7に示すように、マグネットピース押出成形機9の出口付近に溝形成用治具を設置し、該治具を通過させることにより押出成形と同時に形成させることができる。
【0062】
溝形成用治具は、通常、押出成形後のマグネットピースが通過する位置に設置され、溝を形成すべき位置、角度に調整される。溝形成用治具は、本体の台座8およびその上に設置されたギア7からなり、ギア7と、ギアの歯と対向して台座表面に設けられた押さえ溝との間を通すことにより、マグネットピースに溝が圧刻され、同じ間隔、幅、深さで溝の形成が可能になる。また、ギアを交換することにより、溝の形状、間隔、幅、深さを調整することができる。
【0063】
また、溝の形成は、必ずしも押出成形工程の出口付近で行なわなくても、後工程としてマグネットピースごとに行なってもよい。たとえば、接着工程の直前で行なってもよい。
【0064】
さらに、溝の形成は、射出成形法などにより成形されたマグネットピースでも、同様に成形後、図6に示すような治具を用いて溝を形成することができる。
【0065】
なお、前記マグネットピースのビッカース硬度が5〜150、さらには5〜100の場合には、溝の形成を容易にすることができる。ビッカース硬度が150をこえる場合、とくに後加工により溝を形成する場合、硬すぎて溝の形成が困難になる。一方、ビッカース硬度が5未満の場合も、軟らかすぎて溝の形成が困難になる。
【0066】
ただし、ビッカース硬度が150以下のマグネットピースと150をこえるマグネットピースとを組み合わせて使用し、マグネットローラを製造することもできる。この場合、ビッカース硬度が150以下のマグネットピースの側面に溝を形成し、ビッカース硬度が150をこえる溝を形成していないマグネットピースと組み合わせて用いるのが好ましい。
【0067】
前記のごとき溝を有するマグネットピースを用いてマグネットローラを製造する際に、前述のごとく、少なくとも2つのマグネットピースを外周面と側面の一部により貼り付け位置を規制したのち、内周面側からマグネットピースとマグネットピースとの接着面に接着剤を塗布し、少なくとも2つのマグネットピースを貼り合わせたマグネットピースブロックをシャフトに接着・固定して製造する場合には、マグネットピースに溝を形成することによる前記効果に加えて、マグネットピースを外周面と側面の一部により貼り付け位置を規制することによる前述の効果が加わった効果が得られ、作業性がよく、磁極位置精度の良好なマグネットローラを製造することができる。
【0068】
従来、マグネットピースをシャフトに接着・固定する方法として、マグネットピース側面および内周面にシアノアクリレート系接着剤に代表される瞬間接着剤や、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤などの2液型接着剤などを塗布し、マグネットピースをシャフトおよび隣り合うマグネットピースに貼り合わせる方法が採用されていたが、この方法の場合、マグネットピース外周面やマグネットピース軸方向の端面などに余分な接着剤が溢れだし、マグネットピース接着後、溢れだした接着剤を除去する作業が必要となるため、作業効率が低くなる。この問題は、外周面と端面により貼り付け位置を規制した後、当接された2本以上のマグネットピースの内周面に接着剤を塗布してそれらの界面に接着剤を浸透せしめることによってマグネットピースを互いに貼り合わせ、ついで得られたマグネットブロックをシャフトに接着することからなる前記のごとき本発明の方法により、解決することができる。
【0069】
前述の溝を有さないマグネットピースを用いてマグネットローラを製造する方法では、マグネットピースとマグネットピースとの接着面に接着剤を浸透させるように塗布するが、接着剤が浸透しづらい場合もあり、接着強度に若干の不安がのこる。前記問題は、マグネットピースの内周面側から外周面側の方向に内周面から溝を形成し、接着剤を浸透しやすくすることにより、確実に接着させることができる。
【0070】
マグネットピースの外周面と側面の一部により貼り付け位置を規制して接着する方法としては、たとえば図3に示すごときマグネットピースの外周面の形状と同じ形状を持つ接着治具3を使用し、図1a〜図1dと同様の手順でマグネットローラを製造する方法があげられる。
【0071】
前記マグネットローラの製造に使用する接着剤、磁性粉、樹脂バインダー、シャフトなどは前記と同じであるので説明は省略する。異なるのは、マグネットピース同士を接着するのに使用する接着剤の量が、通常、30〜300g/m2、さらには50〜150g/m2であり、溝を有さないマグネットピース同士を接着する場合よりも多くなるが、確実な接着が得られる点である。
【0072】
このようにして製造されたマグネットローラは、高性能であり、作業性よく製造することができる。
【0073】
【実施例】
以下に、本発明を、実施例および比較例に基づきより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0074】
実施例1
樹脂バインダーとして塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(鐘淵化学工業(株)製、MB1008)を10%、磁性粉として異方性ストロンチウムフェライト(SrO・6Fe23)(日本弁柄工業(株)製、NF110)を90%とし、これらを混合・溶融混練し、ペレット状にしたものを押出成形し、図2に示すようなマグネットピース(扇形状、厚さ5.5mm、長さ330mm)を製造した。また、マグネットピースの製造と同時に、239〜1113kA/mの磁場にて一定方向に配向着磁を行なった。
【0075】
得られたマグネットピース(ビッカース硬度20)を使用して、図1に示す手順で5極マグネットローラを製造した。
【0076】
まず、マグネットピース21を接着治具3に外周を押しつけるように装着し、2本目のマグネットピース22を1本目のマグネットピース21の側面に合わせて、1本目と同様に外周に押しつけるように装着した。内周面側からマグネットピースの側面同士の合わせ目にシアノアクリレート系瞬間接着剤(スリーボンド社製、1782、20℃粘度80mPa・s)を80g/m2の割合で浸透させるように塗布し、2本のマグネットピース21、22を一体化させた。そののち、さらに3本目のマグネットピースを2本目のマグネットピース22の側面に合わせて外周に押しつけるように装着し、側面同士の合わせ目にシアノアクリレート系瞬間接着剤(スリーボンド社製、1782)を80g/m2の割合で浸透させるように塗布し、3本目のマグネットピースも最初に一体化させたマグネットピース21、22に接着させた。
【0077】
前記により一体化したマグネットピースブロックの内周面側にシアノアクリレート系瞬間接着剤(スリーボンド社製、1782)を長手方向に均一に適量(70g/m2の割合)塗布し、上方から所望の角度に合わせたシャフトを押しつけ、接着・固定させた。
【0078】
残りの2極分のマグネットピースを、前記と同様に、図3のごとき治具を用いて接着させてマグネットブロックを形成した。このマグネットブロックの内周面に均一に接着剤を適量(70g/m2の割合)塗布すると共に、2つの側面(接着面)にもそれぞれ70g/m2の割合で塗布し、これをシャフトを固定した前記マグネットブロックに接着させることにより、目的とするマグネットローラを得た。
【0079】
前記と同様にして、合計20個のマグネットローラを製造し、接着開始から接着完了までの時間と磁気特性(ねじれ、長手方向の磁力バラツキ)を測定し、評価した(N=20)。
【0080】
磁気特性の評価は、マグネットローラの両軸を保持し、回転可能な機構を有する測定器にマグネットローラをセッティングし、ガウスメータに接続した測定用プローブを所定の測定位置まで近づけ、マグネットローラを回転させてマグネットローラの表面の磁力を測定することにより、また、プローブをマグネットローラの長手方向に平行に動かしてマグネットローラの表面の磁力を測定することにより、長手方向の磁力バラツキ、ねじれ角度の大きさ、極角度を評価した。また、接着剤がマグネットの外周面や軸方向端面に溢れだしているかをしらべた。
【0081】
結果を表1に示す。
【0082】
実施例2
7極マグネットローラにした以外は、実施例1と同様にしてマグネットローラを製造し、評価した。結果を表1に示す。
【0083】
比較例1
実施例1と同様にしてマグネットピースを製造した。
【0084】
従来の手順で5極マグネットローラを製造した。
【0085】
すなわち、まず、接着治具にシャフトを必要な角度にあわせて装着し、基準のマグネットピースの内周面にシアノアクリレート系瞬間接着剤(スリーボンド社製、1782)を長手方向に均一に塗布し、シャフトに押しつけて接着・固定した。つぎに、2本目のマグネットピースの接着面(側面)と内周面に1本目と同様にシアノアクリレート系接着剤(スリーボンド社製、1782)を長手方向に均一に塗布し、基準のマグネットピースの接着面とシャフトにあわせて押しつけて接着・固定した。3本目以下も同様に、3本目のマグネットピースの接着面(側面)と内周面にシアノアクリレート系接着剤(スリーボンド社製、1782)を長手方向に均一に塗布し、2本目のマグネットピースの接着面とシャフトに合わせて押しつけて接着固定した。4本目のマグネットピースの接着面(側面)と内周面にシアノアクリレート系接着剤(スリーボンド社製、1782)を長手方向に均一に塗布し、3本目のマグネットピースの接着面とシャフトに合わせて押しつけて接着・固定した。5本目のマグネットピースの接着面(側面)と内周面にシアノアクリレート系接着剤(スリーボンド社製、1782)を長手方向に均一に塗布し、4本目のマグネットピースの接着面とシャフトに合わせて押しつけて接着固定した。
【0086】
このようにして順次マグネットピースに接着剤を塗布し、シャフトに押しつけて接着・固定することにより、20個のマグネットロールを製造した。
【0087】
接着開始から接着完了までの時間と磁気特性(ねじれ、長手方向の磁力バラツキ)を評価した(N=20)。また、接着剤がマグネットの外周面や軸方向端面に溢れだしているかをしらべたところ、20本すべてで接着剤が溢れだしており、除去作業が必要とされた。
【0088】
結果を表1に示す。
【0089】
【表1】
Figure 0004335592
【0090】
実施例3
樹脂バインダーとして塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(鐘淵化学工業(株)製、MB1008)を10%、磁性粉として異方性ストロンチウムフェライト(SrO・6Fe23)(日本弁柄工業(株)製、NF110)を90%とし、これらを混合・溶融混練し、ペレット状にしたものを押出成形するとともに、図7に示すように押出機の出口に溝形成用治具を設置し、該治具により、間隔1.7mm、幅0.4mm、深さ0.15mm、溝長さ2.5mm(接着面の幅4.6mmに対して54%)の長方形の溝を接着面の片方に形成し、図4に示すようなマグネットピースを製造した。また、マグネットピースの製造と同時に、239〜1113kA/mの磁場にて一定方向に配向着磁を行なった。
【0091】
得られたマグネットピース(ビッカース硬度20)を使用して、図1に示す手順で5極マグネットローラを製造した。
【0092】
まず、1本目のマグネットピースを接着治具3に外周を押しつけるように装着し、2本目のマグネットピースを1本目のマグネットピースの接着面に合わせて、外周に押しつけるように装着した。内周面側から接着面の合わせ目にシアノアクリレート系瞬間接着剤(セメダイン(株)製、3000、20℃粘度10mPa・s)を90g/m2の割合で浸透させるように塗布し、2本のマグネットピースを一体化させた。そののち、さらに3本目のマグネットピースを2本目のマグネットピースの側面に合わせて外周を押しつけるように装着し、側面同士の合わせ目にシアノアクリレート系瞬間接着剤(セメダイン(株)製、3000)を90g/m2の割合で浸透させるように塗布し、3本目のマグネットピースも最初に一体化させた2本のマグネットピースに接着させて、断面が半円筒形のブロックを形成した。
【0093】
前記により一体化されたマグネットピースブロックの内周面側にシアノアクリレート系瞬間接着剤(セメダイン(株)製、3000)を長手方向に均一に適量(70g/m2の割合)塗布し、上方から所望の角度に合わせたシャフトを押しつけ、接着・固定させた。
【0094】
残りの2極分のマグネットピースを、前記と同様に、前記外周規制の接着治具を用いて接着させ、一体化させたのちにシャフトに接着させることにより目的とするマグネットローラを得た。シャフトに接着させる際に、長手方向に均一に接着剤を適量(70g/m2の割合)塗布したほか、2つの側面(接着面)にも、それぞれ80g/m2の割合で塗布した。2つの側面への接着剤の塗布は、各側面の片側に直接行なった。
【0095】
前記と同様にして、合計20個のマグネットローラを製造し、接着開始から接着完了までの時間(比較例2に対する割合)、接着剤除去作業の必要本数、環境試験後のマグネットローラの接着性(目視による剥離の有無)、磁気特性(実施例1と同様)を評価した(N=20)。
【0096】
前記環境試験後のマグネットローラの接着性(目視による剥離の有無)は、−40℃・3時間、70℃・3時間のヒートサイクルを、40サイクル行ない、マグネットピースの剥離の具合を観察、評価することにより行なった。
【0097】
結果を表2に示す。
【0098】
実施例4
樹脂バインダーとして塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(鐘淵化学工業(株)製、MB1008)を10%、磁性粉として異方性ストロンチウムフェライト(SrO・6Fe23)(日本弁柄工業(株)製、NF110)を90%とし、これらを混合・溶融混練し、ペレット状にしたものを押出成形するとともに、押出機の出口に溝形成用治具を設置し、該治具により間隔4.0mm、幅1.0mm、深さ0.4mm、溝長さ4.1mm(接着面の幅4.6mmに対して89%)の長方形の溝を接着面の片方に形成し、図4に示すようなマグネットピースを製造した。また、マグネットピースの製造と同時に、239〜1113kA/mの磁場にて一定方向に配向着磁を行なった。
【0099】
得られたマグネットピース(ビッカース硬度20)を使用して、図1に示す手順で5極マグネットローラを製造した。
【0100】
まず、1本目のマグネットピースを接着治具3に外周を押しつけるように装着し、2本目のマグネットピースを1本目のマグネットピースの接着面に合わせて、外周に押しつけるように装着した。内周面側から接着面の合わせ目にシアノアクリレート系瞬間接着剤(セメダイン(株)製、3000)を90g/m2の割合で浸透させるように塗布し、2本のマグネットピースを一体化させた。そののち、さらに3本目のマグネットピースを2本目のマグネットピースの側面に合わせて外周に押しつけるように装着し、側面同士の合わせ目にシアノアクリレート系瞬間接着剤(セメダイン(株)製、3000)を90g/m2の割合で浸透させるように塗布し、3本目のマグネットピースも最初に一体化させたマグネットピースに接着させた。
【0101】
前記により一体化されたマグネットピースブロックの内周面側にシアノアクリレート系瞬間接着剤(セメダイン(株)製、3000)を長手方向に均一に適量(70g/m2の割合)塗布し、上方から所望の角度に合わせたシャフトを押しつけ、接着・固定させた。
【0102】
残りの2極分のマグネットピースを、前記と同様に、前記外周規制の接着治具を用いて接着させ、一体化させたのちにシャフトに接着させることにより目的とするマグネットローラを得た。シャフトに接着させる際に、長手方向に均一に接着剤を適量(70g/m2の割合)塗布したほか、2つの側面(接着面)にも、それぞれ80g/m2の割合で塗布した。2つの側面への接着剤の塗布は、各側面の片側に直接行なった。
【0103】
前記と同様にして、合計20個のマグネットローラを製造し、接着開始から接着完了までの時間、環境試験によるマグネットローラの接着性、接着剤除去作業の必要性の有無を評価した(N=20)。
【0104】
結果を表2に示す。
【0105】
実施例5
樹脂バインダーとして塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(鐘淵化学工業(株)製、MB1008)を10%、磁性粉として異方性ストロンチウムフェライト(SrO・6Fe23)(日本弁柄工業(株)製、NF110)を90%とし、これらを混合・溶融混練し、ペレット状にしたものを押出成形するとともに、押出機の出口に溝形成用治具を設置し、該治具により間隔1.0mm、幅0.5mm、深さ0.2mm、溝長さ1.0mm(接着面の幅4.6mmに対して21%)の長方形の溝を接着面の片方に形成し、図4に示すようなマグネットピースを製造した。また、マグネットピースの製造と同時に、239〜1113kA/mの磁場にて一定方向に配向着磁を行なった。
【0106】
得られたマグネットピース(ビッカース硬度20)を使用して、図1に示す手順で5極マグネットローラを製造した。
【0107】
まず、1本目のマグネットピースを接着治具3に外周を押しつけるように装着し、2本目のマグネットピースを1本目のマグネットピースの接着面に合わせて、外周に押しつけるように装着した。内周面側から接着面の合わせ目にシアノアクリレート系瞬間接着剤(セメダイン(株)製、3000)を90g/m2の割合で浸透させるように塗布し、2本のマグネットピースを一体化させた。そののち、さらに3本目のマグネットピースを2本目のマグネットピースの側面に合わせて外周に押しつけるように装着し、側面同士の合わせ目にシアノアクリレート系瞬間接着剤(セメダイン(株)製、3000)を90g/m2の割合で浸透させるように塗布し、3本目のマグネットピースも最初に一体化させたマグネットピースに接着させた。
【0108】
前記により一体化されたマグネットピースブロックの内周面側にシアノアクリレート系瞬間接着剤(セメダイン(株)製、3000)を長手方向に均一に適量(70g/m2の割合)塗布し、上方から所望の角度に合わせたシャフトを押しつけ、接着・固定させた。
【0109】
残りの2極分のマグネットピースを、前記と同様に、前記外周規制の接着治具により接着させ、一体化させたのちにシャフトに接着させることにより目的とするマグネットロールを得た。シャフトに接着させる際に、長手方向に均一に接着剤を適量(70g/m2の割合)塗布したほか、2つの側面(接着面)にも、それぞれ80g/m2の割合で塗布した。2つの側面への接着剤の塗布は、各側面の片側に側面に直接行なった。
【0110】
前記と同様にして、合計20個のマグネットローラを製造し、接着開始から接着完了までの時間、環境試験によるマグネットロールの接着性、接着剤除去作業の必要性の有無を評価した(N=20)。
【0111】
結果を表2に示す。
【0112】
比較例2
比較例1で使用したシアノアクリレート系瞬間接着剤(スリーボンド社製、1782)を、シアノアクリレート系瞬間接着剤(セメダイン(株)製、3000)にかえた他は、比較例1と同様にして5極マグネットロールを製造し、実施例3と同様にして評価した。
【0113】
結果を表2に示す。
【0114】
【表2】
Figure 0004335592
【0115】
表2から、実施例3〜5は、比較例2と比べると接着工程の時間を約2割短縮することができ、かつ、接着剤除去作業が必要でない分さらに時間短縮が可能であることがわかる。接着強度は、比較例2ではマグネットに直接瞬間接着剤を塗布したため非常に強力であり、実施例3〜5も同等であることがわかる。また、マグネットピースのねじれは、比較例2では1〜4°であるのに対し、実施例3〜5では、0〜1°とほとんど発生しておらず非常に改良されていることがわかる。また、長手方向の磁力のバラツキも明らかに小さく抑えられており、極間の角度ズレもほとんど発生しないことがわかる。
【0116】
【発明の効果】
本発明により、接着時間が従来より短くなり、生産性が向上する。また、マグネットピースとマグネットピースの段差が少なくなり、磁力のバラツキは従来方式の約半分となり、マグネットピース間の隙間もできづらくなったため、極間の角度のバラツキが小さくなる。また、マグネットピース自体の寸法のわずかなバラツキが、外周を規制することで解消され、マグネットピースのねじれも少なくなり、品質の良好なマグネットローラを得ることができる。
【0117】
また、マグネットの軸方向の端部や外周面に余分な接着剤が溢れでることもなくなり、接着後の接着剤除去作業が不要となり工程を簡略化することができる。
【0118】
さらに、接着面に特定の溝を形成することにより、接着剤除去作業の必要性がなくなったことで非常に効率的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明に使用する接着治具に1本目のマグネットピースを装着した例を示す説明図、(b)は、本発明に使用する接着治具に2本目のマグネットピースを装着した例を示す説明図、(c)は、本発明に使用する接着治具に装着したマグネットピースに瞬間接着剤を塗布する場合の説明図、および(d)は、本発明に使用する接着治具に装着したマグネットピースブロックにシャフトを接着する場合の説明図である。
【図2】従来法によるマグネットピースのシャフトへの接着例を示す説明図である。
【図3】本発明に使用する外周規制用接着治具の説明図である。
【図4】本発明に使用するマグネットピースに溝を形成した場合の一例を示す説明図である。
【図5】(a)〜(f)はいずれも本発明に使用するマグネットピースに形成する溝の例を示す説明図である。
【図6】本発明に使用するマグネットピースに溝を形成するための溝形成治具の一例を示す説明図である。
【図7】マグネットピースの押出成形機と溝を形成するための溝形成治具の配置の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 シャフト
2a、2b、2c、21、22 マグネットピース
3 接着治具
4 接着剤
51、52、53、54 溝
6 溝を有するマグネットピース
7 ギア
8 溝形成用治具の台座
9 押出成形機

Claims (13)

  1. 複数の棒状のマグネットピースからなるマグネットローラの製造方法において、少なくとも2つのマグネットピースを、外周面と端面により貼り付け位置を規制したのち、隣接するマグネットピース同士を密着させ、当該密着面にマグネットピースの内周面側からマグネットピースとマグネットピースとの接着面に接着剤を塗布し、接着剤を密着面に浸透させ、それによって少なくとも2つのマグネットピースを貼り合わせたマグネットピースブロックを形成し、マグネットピースブロックをシャフトに接着・固定することを特徴とするマグネットローラの製造方法。
  2. 複数の棒状のマグネットピースからなるマグネットローラの製造方法において、マグネットピース同士の対向する接着面のどちらか一方または両方に内周面側から外周面側の方向に間隔0.1〜5mm、幅0.1〜2mm、深さ0.1〜0.5mmの複数個の溝形成され、隣接するマグネットピース同士を密着させ、当該密着面にマグネットピースの内周面側からマグネットピースとマグネットピースとの接着面に接着剤を塗布し、接着剤を密着面に浸透させ、それによって少なくとも2つのマグネットピースを貼り合わせたマグネットピースブロックを形成し、マグネットピースブロックをシャフトに接着・固定することを特徴とするマグネットローラの製造方法。
  3. 内周面側から外周面側の方向に形成される溝の長さが、マグネットピースの径方向の厚さの15〜95%であり、溝が内周面から形成されている請求項2記載の製造方法。
  4. マグネットピースの押出成形と同時に前記溝を形成する請求項2または3記載の製造方法。
  5. 少なくとも2つのマグネットピースを外周面と端面により貼り付け位置を規制したのち、内周面側からマグネットピースとマグネットピースとの接着面に接着剤を塗布し、少なくとも2つのマグネットピースを貼り合わせたマグネットピースブロックをシャフトに接着・固定することを特徴とする請求項2、3または4記載の製造方法。
  6. マグネットピースのビッカース硬度が5〜150である請求項2、3、4または5記載の製造方法。
  7. マグネットピース同士を接着する際に、マグネットピースの外周面と同じ形状を有する接着治具を使用することを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の製造方法。
  8. 略円筒体を形成するように互いに接着面を周方向に貼り合わせた複数のマグネットピースからなるマグネットローラにおいて、マグネットピース同士の接着面の少なくとも一方に、内周面側から外周面側の方向に、間隔0.1〜5mm、幅0.1〜2mm、深さ0.1〜0.5mmの複数個の溝を形成し、当該溝を形成した隣接するマグネットピース同士を密着させた後に、マグネットピースの内周面側から該密着面に接着剤が塗布され、接着剤が密着面に浸透されてなることを特徴とするマグネットローラ。
  9. 内周面側から外周面側の方向に形成された溝の長さが、マグネットピースの径方向の厚さの15〜95%であり、溝が内周面から形成されている請求項記載のマグネットローラ。
  10. マグネットピースの押出成形と同時に前記溝が形成されている請求項または記載のマグネットローラ。
  11. 前記マグネットローラが、少なくとも2つのマグネットピースを外周面と端面により貼り付け位置を規制したのち、内周面側からマグネットピースとマグネットピースとの接着面に接着剤を塗布し、少なくとも2つのマグネットピースを貼り合わせたマグネットピースブロックをシャフトに接着・固定したものである請求項または10記載のマグネットローラ。
  12. マグネットピースのビッカース硬度が5〜150である請求項10または11記載のマグネットローラ。
  13. マグネットピース同士を接着する際に、マグネットピースの外周面と同じ形状を有する接着治具を使用して貼り付け位置を規制することを特徴とする請求項8、9、10、11または12記載のマグネットローラ。
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