JP4335513B2 - 摩擦攪拌接合装置と摩擦攪拌接合方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、摩擦攪拌接合装置とその接合方法に係り、特に車両、航空機、船舶、建物等の構造体を製造する際のシングルスキンやダブルスキンパネル(二面中空パネル)の接合に用いる摩擦攪拌接合装置と摩擦攪拌接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば特表平7−505090号公報(特許文献1)には、摩擦攪拌による固相接合方法として長尺材同士の新規な接合方法が開示されており、かかる接合方法は、加工物より実質的に硬い材質からなる回転ツ−ルを加工物の接合部に挿入し、回転ツ−ルを回転させながら移動することにより、回転ツ−ルと加工物との間に生じる摩擦熱による塑性流動によって加工物を接合する接合方法で、かかる摩擦接合法は、接合部材を固相状態で、回転ツ−ルを回転させながら移動させつつ軟化させた固相部分を一体化しながら接合できるために、熱歪みがなく接合方向に対して実質的に無限に長い長尺材でもその長手方向に連続的に固相接合できる利点がある。さらに、回転ツ−ルと接合部材との摩擦熱による金属の塑性流動を利用した固相接合のため、接合部を溶融させることなく接合できる。また、加熱温度が低いため、接合後の変形が少ない。さらには、接合部は溶融されないため、欠陥が少ないなどの多くの利点がある。
【0003】
さらに、かかる摩擦接合を利用して、鉄道車両等の大型構造物に用いられる長尺のダブルスキンパネルからなる中空型材を複数平行に配設したものを突き合わせ接合して構成した摩擦撹拌接合による広幅の二面構造体(パネル)を形成する技術が特許第3152420号公報(特許文献2)に開示されている。
【0004】
次に摩擦撹拌接合に使用される回転工具について説明する。摩擦撹拌接合は前記特許文献1に開示されているように、ブローブ型とボビンツール型の回転工具が存在し、プローブ型工具20は図4(A)に示すように、ショルダ部21とこのショルダ部21に備えられたプローブ22とを備えており、このショルダ部21は円形ショルダ面を有している。そして、複数の型材を突き合わせ、若しくは嵌合された状態の接合線表面より、前記回転工具20を回転させて、プローブ22を被加工物の接合線に設けた不図示の孔に侵入させるとともに、複数の型材の接合線上で摺接回転する円形ショルダ面によって被加工物に摩擦熱が付与されるとともに、プローブ22周囲が塑性流動化し、この状態で回転工具20を接合線に沿って移動させることにより、接合線周囲が塑性流動化しつつ接合線に沿って2つの素材が圧力を受けながら撹拌混練され、プローブの後方側に移行する。この結果塑性流動した素材は後方側で摩擦熱を失って急速に冷却固化するので両パネル板は素材同士が混じり合って完全に一体化した状態で接合される。
【0005】
しかしながらかかる接合方法は円形ショルダ面によって被加工物に摩擦熱を均等に付与する必要があり、このため前記ワークを定盤(裏当て)に固定して平面化して接合を行っているが、ワークの歪みやの製作誤差による板厚変動や定盤へのセッティング誤差等によって上記の位置関係に誤差が生じ、これが原因で接合不良が発生したり、あるいは定盤面の局部的な変形はティーチングによっては吸収できず、これによっても上記の位置関係に誤差が生じ接合不良が発生してしまう。また従来の設備では、被接合部材をセットする定盤の平面度は高精度なものが必要となり、大型の被接合部材を接合するための装置は高価なものになる。特に鉄道車両の場合は、ワークスキンが最大25m程度になり、このような長尺のスキンの接合の場合に定盤のセッテング誤差やワークの歪みが顕著になり、補間作業やテイーチングに非常に手間がかかる。
【0006】
かかる課題を解決するために、特許第3261431号(特許文献3)の発明が提供されている。かかる発明は、図5に示すように前記摩擦攪拌接合装置において、回転工具Tのショルダを被接合部材(ワーク)P表面に対して押圧、接触させるように付勢する付勢手段34と、前記付勢力が略一定になるように制御する付勢力制御手段36とを設けて成り、さらに前記付勢手段34はエアシリンダであり、前記付勢力制御手段36はエアシリンダ34に供給する圧力を制御する2次圧一定形の減圧弁であることを特徴とし、エアシリンダ34により回転工具Tのショルダを付勢力が略一定になるように前記被接合部材Pに対して押圧、接触させることにより、被接合部材Pの製作誤差による板厚変動、被接合部材Pの定盤4へのセッティング誤差、定盤4面の平面度不良、あるいは定盤4面の局部的な変形が存在しても、被接合部材Pと回転工具Tとの位置関係は略一定に保たれ、良好な接合を行うことが可能となる。そして更に、エアシリンダ34を用いた効果としては、押圧力の変動が滑らかであって、油圧シリンダのように急激な変動を生じるものではないので、接合作業には好適である、と油圧シリンダを用いた場合を否定している。
しかしながらエアシリンダはその加圧力を空気という圧縮性流体を用いているために、大きな加圧力が得られず、例えば、ショルダ面の荷重が200kgf以上になるように制御しようとすると、油圧シリンダに比べてエアシリンダのシリンダ容積が大きくなるのみならず、エアシリンダで前記圧力を達成するのはなかなか困難であり、結果として良好な接合が出来ない。
【0007】
また、特開2000−301361号公報(特許文献4)における摩擦攪拌接合において、接合の開始部位から終了部位まで均等な接合品位が得られ、高い加工能率を達成できる発明として、摩擦攪拌接合ツールの先端部をワークWの接合線に沿って埋入状態で回転しつつ相対的に進行させて、ワーク同士を接合一体化する摩擦攪拌接合方法において、接合ツールの回転数、接合速度、外からの加熱・冷却、接合ツールの加熱・冷却等により、ワークへの入熱量を略一定に制御する技術が開示されている。
【0008】
さて前記のような片側より摩擦圧力を付勢するブローブ型の回転工具ではなく、図4(B)に示すように、ボビンツール10と呼ばれる回転工具も提案されている。
かかる工具は接合する金属板の表裏両面を挟持するように一定間隔を設けた一対のショルダ10A、10Bが設けられているとともに、該上下一対のショルダ10A、10B間にプローブ11が設けられているので、接合面の両面において摩擦発熱させることが出来、裏面側の接合不良が生じないのみならず、上下一対のショルダ10A、10B間で互いの反力を受けているために、裏当金や前記した支柱が不要になるが、ブローブ11により上下一対のショルダ10A、10B間隔が固定されているために、被接合部材の変形や肉厚の変動があると、これを吸収することができず、円滑な摩擦攪拌接合ができない。
【0009】
更に、ボビンツール10を用いた際、ショルダ部10A、10Bの間隔と接合部との間に空隙があると、接合部に圧力がかからないため、空洞的な欠陥が発生してしまう。ショルダ部の間隔と接合部の厚さが同一の場合には、接合部が接合部以外の厚さより薄くなる。このため、接合部の品質に問題が発生することがある。
【0010】
又裏面押圧部材と表面押圧部材を備え、該押圧部間が可変のボビンツールを用いた摩擦攪拌接合装置は公知であり、例えば特開2000−33484(特許文献5)において、コイルスプリングを用いて下面押圧部を軸方向に可変にした技術が存在する。
【0011】
しかしかかる従来技術においても、下面押圧部として機能する攪拌ピンの回転は、ストッパ部とコイルスプリングを介して下面押圧部に伝えられるものであるために、コイルスプリングの押し付け力によってその荷重が規定され、下面押圧部の押し付け力を制御できない。しかもコイルスプリングの押し付け力には上限があり、基本的に上面押圧部として機能する回転筒の押し付け力より大きくすることができない。
【0012】
【特許文献1】
特表平7−505090号公報
【特許文献2】
特許第3152420号公報
【特許文献3】
特許第3261431号号公報
【特許文献4】
特開2000−301361号公報
【特許文献5】
特開2000−33484号公報
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、高品質な接合を高能率に行うことが可能な摩擦撹拌接合装置と摩擦攪拌接合方法を提供することを目的とする。
また本発明の他の目的は、油圧シリンダで加圧力制御することで定盤の歪みやセッテング不良、若しくはワーク接合部の歪みや凹凸があっても精度よくこれを倣うことが出来る摩擦撹拌接合装置と摩擦攪拌接合方法を提供することを目的とする。
また本発明の他の目的は、片面押圧型のブローブ型回転工具を用いて摩擦攪拌接合を行う場合に、工具経路でのZ方向(ワーク離接方向、図2参照)の位置を補間せずに、Z座標一定で走査しても油圧シリンダにより精度よくワークを倣うことの出来る摩擦撹拌接合装置と摩擦攪拌接合方法を提供することを目的とする。
また本発明の他の目的は回転工具にホビンツールを用いた場合に、精度よくワークを倣う事ができ、表裏両面側での入熱量を調整でき、これにより母材をボビンツールを用いて摩擦攪拌接合する際に該摩擦攪拌接合の柔軟性と円滑化をはかることのできる摩擦撹拌接合装置と摩擦攪拌接合方法を提供することを目的とする。
更に又本発明は、摩擦攪拌接合により入熱過剰あるいは入熱不足により接合品質が損なわれるために、それに応じて回転数や速度を制御することにより、信頼性の高い摩擦撹拌接合装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、接合面の表裏両面に対してそれぞれ押圧される裏面押圧部と表面押圧部を備え、該押圧部間が可変のボビンツールを用いた摩擦攪拌接合装置において、
前記裏面押圧部より接合面へ付勢される押圧力と前記表面押圧部より接合面へ付勢される押圧力とを夫々独立して調整可能に構成するとともに、前記それぞれの押圧部より接合面への押圧力付手段が、流体圧を利用して押圧力を付勢する手段であることを特徴とする。
【0015】
例えば、本発明は、前記流体圧に油圧を用いると共に、前記接合面の表裏両面に対してそれぞれ押圧、接触されるボビンツールの各ショルダ面が、接合面に対し離接する方向(以下Z軸という)に移動可能に構成するとともに、流体圧により上記ショルダ面の接合面への押圧力が略一定になるように前記油圧を制御する油圧制御手段を設けてなる請求項1記載の摩擦攪拌接合装置において、
前記裏面側押圧部の接合面への押圧力と前記表面側押圧部の接合面への押圧力とを夫々独立して、前記油圧制御手段により前記油圧を制御して接合を行う前記ボビンツールを有し、
前記ボビンツールの上面側ショルダ面と下面側ショルダ面よりそれぞれ前記油圧を利用して押圧力を付勢する油圧ピストン機構が一対存在し、該一対の油圧ピストン機構はそれぞれ独立してZ軸方向に移動可能に構成されている。
【0016】
かかる発明によれば、回転工具が接合面や定盤の凹凸に対応して上下に変位してもこれに対応して油圧ピストンの上下の圧力バランスをとることにより、前記効果を得ることが出来る。
【0017】
本発明は、前記したように、請求項1記載の摩擦攪拌接合装置において、
前記裏面押圧部の押圧力を前記表面押圧部の押圧力より大にするとともに、該裏面側押圧力付勢手段が、前記流体圧として油圧を利用して押圧力を付勢する手段である。
【0018】
かかる発明によれば、例えば接合されるスキンパネルの自由端側の面板の厚みをその自由端より該パネルのリブを介して自由端内側に位置する中空部の面板厚みより他の自由端の面板厚みを大に設定するとともに、該ダブルスキンパネルの自由端同士を突き合わせ、その突き合わせ面において、表裏両面側にショルダ面より摩擦熱が入熱されるボビンツールにより、裏面側押圧力を表面側押圧力より大に押圧力を調整してしながら摩擦攪拌接合がなされるようにして接合させることにより接合部の突き合わせ部にギャップ(隙間)が生じていても、パネル自由端の裏面側が先に摩擦熱による入熱により軟化し裏面側の余肉部が接合ギャップ空間に進入するため、外部から見える表面側は凹部が発生することなく、平坦を維持できる。この結果、接合後における表面加工処理が基本的に不要であり、特に車両構造体のような長尺のものについては、その作業が大幅に簡単化する。
【0019】
そしてこの場合表面側凹部の発生を防ぐために、前記裏面押圧部の押圧力を前記表面押圧部の押圧力より大にするとともに、該裏面側押圧力付勢手段が、油圧であるのが好ましいことは前記したとおりである。
一方表面側は、前記表面押圧部の押圧力を前記裏面押圧部の押圧力より小にして倣いを優先するとともに、倣いの場合に空圧であることにより位置変動に対し、なめらかに追従でき、好ましい。
【0020】
尚、本発明は、油圧や空圧に限定されることなく、水圧や他のガス圧を利用してもよく、従って前記裏面押圧部の押圧力と前記表面押圧部の押圧力とを夫々異なる流体種類による流体圧で構成し、例えば相対的に大なる押圧部の押圧力付勢手段が、油圧であるのが前提であるが、相対的に小なる押圧部の押圧力付勢手段は、油圧若しくは空圧を用いて構成してもよい。
【0021】
請求項7記載の発明は、前記装置発明を思想として具現化したもので、母材接合部を挟んでその表面側と裏面側より夫々押圧部を介して押圧力を加えてその接合部への摩擦入熱により接合を行う摩擦攪拌接合方法において、
前記表面側と裏面側に夫々設けた押圧部が、母材接合部に倣う方向に移動可能に構成するとともに、前記裏面側押圧部の接合面へ付勢される押圧力と前記表面側押圧部の接合面へ付勢される押圧力とを夫々独立して、流体圧を利用した押圧力により制御して接合を行うことを特徴とする。
そして前記相対的に大なる一の押圧部の押圧力付勢は、夫々の押圧部を回転させた後に行なわれるのがよい。回転前に200kgfを超える押圧力を付勢することにより、モータロックが生じてしまう。
そして本発明の思想を実現するには、相対的に大なる押圧部の押圧力付勢が、塑性流動可能な温度域に達する摩擦入熱であり、相対的に小なる押圧部の押圧力付勢が、接合部に沿う倣いに必要な押圧力である必要がある。
【0022】
さて、前記したように特許文献4における摩擦攪拌接合には、接合の開始部位から終了部位まで均等な接合品位が得られ、高い加工能率を達成できる発明として、摩擦攪拌接合ツールの先端部をワークWの接合線に沿って埋入状態で回転しつつ相対的に進行させて、ワーク同士を接合一体化する摩擦攪拌接合方法において、接合ツールの回転数、接合速度、外からの加熱・冷却、接合ツールの加熱・冷却等により、ワークへの入熱量を略一定に制御する技術が開示されている。
しかしながらかかる技術はホビンツールに関するものではなく、その結果裏面押圧部と表面押圧部を間を可変にした場合の課題を何ら示唆していない。
【0023】
そこで請求項10記載の発明は、裏面押圧部と表面押圧部を備え、該押圧部間が可変のボビンツールを用いた摩擦攪拌接合装置において、
前記裏面押圧部より接合面へ付勢される押圧力と前記表面押圧部より接合面へ付勢される押圧力とを夫々独立して調整可能に構成するとともに、前記裏面押圧部と表面押圧部からなる回転工具の周囲の温度を検知する手段を設け、該検知温度に基づいて前記裏面押圧部、前記表面押圧部の内の少なくとも1の押圧力付勢力を制御する付勢力制御手段を設けたことを特徴とする。
この場合に裏面押圧部は入熱、表面押圧部は倣いの役割を有しているために、単純な制御を行う場合は前記検知温度に基づいて前記表面押圧部の押圧力付勢力を制御する付勢力制御手段を設ければよい。
更に前記検知温度に基づいて前記裏面押圧部、前記表面押圧部の内の少なくとも1の押圧力付勢力とともに回転速度を制御する押圧部制御手段を設けてもよい。
【0024】
かかる発明によれば、接合運転開始前には、ホビンツールの周囲の接合位置からはずれたワークP表面温度を計測し、基準温度より低い(高い)場合は、裏面押圧部(必要に応じて表面押圧部)の付勢力を大きく(小さく)するか、若しくは回転工具の回転速度を大きく(低く)するか若しくは工具の送り速度を小さく(大きく)するか若しくはこの3つの組み合わせを制御テーブルを用いて制御することにより接合運転の基準温度への移行の際の時間的若しくは温度的バラツキを小さくできる。
【0025】
運転開始後の運転中には、ホビンツールの後ろ側のワークP接合直後の接合部(後述する図6に示すP1)温度を計測し、ワークP接合直後の接合部温度が基準接合温度より低い(高い)場合は、裏面押圧部(必要に応じて表面押圧部)の付勢力を大きく(小さく)するか、若しくは回転工具の回転速度を大きく(低く)するか若しくは工具の送り速度を小さく(大きく)するか若しくはこの3つの組み合わせを制御テーブルを用いて制御することにより接合運転中の温度的バラツキを小さくできる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0027】
図1及び図2はプローブを用いた本発明の第1実施例にかかる摩擦攪拌接合装置の具体的構成を示し、図2においてワーク上面に取り付け固定し、X軸方向に移動する定盤4と、X軸と直行するY軸方向に延在する水平スライドフレーム3Aを有する門型枠3と、該門型枠3のスライドフレーム3Aに沿ってY軸方向に移動可能な主軸支持枠5と、該主軸支持枠5に垂直移動機構6を介してZ軸方向に移動可能に取り付けられた主軸1と主軸の先端に取り付けられたブローブ型回転工具取り付け装置30よりなる。
【0028】
図1に戻り、主軸1は主軸枠1Bの中心軸線上にベアリング31によって回転自在に支持されており、前記主軸はモータによって回転駆動されている。
回転工具取り付け装置30は、主軸1のテーパ穴に嵌着され、一体として回転駆動する回転筒33と、前記回転筒33を、その内周部で上下一対のベアリング22、23によって回転可能に支持させるとともに、前記主軸枠1Bにボルトによって固定されている支持筒枠35からなる。
この支持筒枠35には油圧ポンプ37、油圧通路45、リリーフ(逃がし)弁39、減圧弁41、切替弁43、からなる油圧一定制御の油圧経路40が接続され、支持筒枠35内に設けた油圧通路47、シール56されたリングバッファ49及び回転筒33の油圧通路51を介して、回転筒33中心軸線上に設けた油圧シリンダ53に開口している。
油圧シリンダ53にはメタルシール55により上下に摺動自在に支持された油圧ピストン57が嵌入されており、該油圧ピストン57の先端に同軸上にブローブ型回転工具20が連接されている。
ブローブ型回転工具20と油圧ピストン57の間は、段差状に縮径された移動規制部59が設けられており、該移動規制部59は回転筒33下端面よりリング円先端L字状に垂下されたリング円筒部54により移動規制されて係止されている。
【0029】
かかる摩擦攪拌接合装置によれば、垂直移動機構6を介してZ軸方向に主軸1を移動させて回転工具の20のショルダ面を定盤4に固定させたワークP表面に当接させた状態で、主軸1を回転駆動させた後、油圧ポンプ37を駆動させてリリーフ弁39により一定圧に制御された油圧を油圧シリンダ53に導入することにより、回転筒33、油圧ピストン57及びこれに連接する回転工具20が回転しながら、リング円筒部54によりゾーン移動規制された状態でワーク表面に摩擦熱の入熱を開始する。
即ち、アルミニウム合金の例えばシングルスキンの接合部に上記回転工具20のピンを回転させながら挿入すると共に、上記ショルダを上記接合部表面に接触させながら上記回転工具20を移動させることにより、摩擦熱を利用した接合を行う。このとき回転工具20は上記油圧シリンダ53によって、前記油圧付勢力はショルダ面の荷重が200kgf以上になるように略一定の付勢力でもってシングルスキンの接合部表面に押圧制御している。
【0030】
本発明の有利性を確認するために、前記付勢力に空気圧を用いた場合と、油圧を用いた場合の違いについて説明する。
先ず空気圧の場合に、高圧ガス取締法に該当しない9.9kg/cm以下の圧力で、エアシリンダに空気圧を付勢して、工具ショルダ面の荷重が200kgf以上になるように制御するには、エアシリンダ内径をショルダ外径に比較して相当大きくしなければならないが、本発明のように油圧ピストン/シリンダを用いた油圧シリンダでは、油圧を数十〜200kg/cmに設定することは容易であり、シリンダ内径を小さくでき、結果的には装置全体を小径化できる。
【0031】
又、空気圧の場合に回転工具のショルダ面と被接合部材の表面との位置変動に追従してエアシリンダ容積が変動した場合に、エアは圧縮性流体であるために、これに追従してエア圧も変動して工具ショルダ面の荷重が変動するが、本発明は非圧縮性の油圧であり、且つリリーフ弁によるフィードバック回路を設けることにより、回転工具のショルダ面と接合部表面との間のZ軸方向の位置変動が生じても、言い換えれば油圧シリンダ容積が変動した場合に、リリーフ弁によりフィードバック回路を利用して油圧を油圧ポンプ側に戻すことにより、油圧力を一定に維持できる為に、工具ショルダ面の荷重を一定に維持できる。
更に本発明では、油圧回路にフィードバック回路を設けることにより、油圧を一定に維持しながら前記回転工具は前記移動規制部の範囲内においてワークと回転工具との位置関係を変化させることが出来、言い換えれば、定盤や被接合部材に歪みや高さ変動が生じていてもあるいは、定盤面の局部的な変形が存在しても回転工具が接合部材から受ける反力は一定となるように倣いながら押圧、接触させる事ができ、これにより良好な接合品質が得られる。
【0032】
特に接合線が上下方向に大きく湾曲しているような継手において、移動規制部の範囲をその最大値以上に設定することにより、回転工具の押圧、付勢力を一定に維持しながら、接合ツールTは自動的に上記湾曲形状を倣いながら、接合作業を行うことになるのである。
即ち、前記した従来技術においては、油圧シリンダの場合に前記シリンダ容積の変動により急激な圧力変動を生じると記載しているが、本実施例では、リリーフ弁による油圧回路のフィードバックにより圧力の一定化が達成される。しかもエアシリンダの場合は、その押圧力の変動が滑らかであっても、確実に変動が生じ摩擦接合の品質に悪影響を及ぼすのは必至である。そして前記従来技術においては大幅なエア圧の変動が予想されるような場合には、上記減圧弁の前位にさらに別の2次圧一定形減圧弁を介設しておくのが好ましいと記載しているが、減圧弁を複数直列にしても圧力変動をさけるのは不可能である。
【0033】
図3は、ボビンツール10を用いた本発明の他の実施例で、表面側ショルダ10Aは、ワーク表面を倣うごとく小なる反力(荷重)を付与する第1の油圧ピストン/シリンダ60に連結されており、一方、裏面側ショルダ10Bは、表面側ショルダ10AにワークPを挟み裏面側より摩擦力を発生するために大なる反力(荷重)を付与する第2の油圧ピストン/シリンダ62に連結されており、そしてこれらのボビンツール10は内部に組み込まれたモータ72により回転駆動される。
より具体的に説明するに、図中1は加工機主軸で、前記実施例と異なり回転はしない。51は前記主軸下面に取り付けられた接合機本体で、前記加工主軸1下面に取り付けられた円筒形状の支持外枠64と、前記支持外枠64の上部中心軸上にとりつけられた第1の油圧ピストン/シリンダ60と、前記油圧ピストンに連結された上下動可能な支持軸により吊下された支持内筒66と、前記支持内筒66上部に内蔵された第2の油圧ピストン/シリンダ62と、前記第2の油圧ピストン/シリンダ62下方の支持筒内部に組み込まれたホビンツール取り付け体70よりなり、ホビンツール取付体70周囲にはモータ72が環装されており、支持内筒66に対し、ホビンツール取付体70が回転自在に配設されている。
【0034】
ホビンツール取付体70は、第1の油圧ピストン/シリンダ60の付勢変位を支持内筒66と一体的に受圧しZ軸方向に移動変位可能に、フランジ71を介して回転自在に支持内筒66内に支持されている表面ショルダ取付体80と、表面ショルダ10A内を貫通し、ピン軸10Cを介して先端に裏面ショルダ10Bが取り付けられている裏面ショルダ取付軸78とからなり、裏面ショルダ取付軸78と第2の油圧ピストン/シリンダ62のピストン軸62Bとはベアリング軸受73を介して連結され、モータ72による取付軸78の回転と無関係に支持内筒66に上下動自在に支持されたピストン軸62Bを介して第2の油圧ピストン/シリンダ62の付勢力を受圧可能に構成されている。
又裏面側ショルダ取付軸78と表ショルダ取付体80の嵌合部分はスプライン82状に構成し、スプライン82を介して裏面側ショルダ取付軸78がピストン軸62Bに摺動自在に連結され、これにより表面側ショルダ取付体80側のモータ72と同期して回転可能に構成されている。
【0035】
又支持内筒66下側外周と支持外枠64下側内周との対面位置には、段差状に縮径された移動規制範囲において支持内筒66が上下移動可能なようにリング状係合凹部88とリング状係合凸部89が設けられており、又本実施例の油圧ピストン/シリンダ60、62は、前記実施例と異なりピストン61の上下両側に油圧63A、63Bが導入されてその圧力バランスにより、ピストン軸61Aが上下動するように構成している。これにより倣い及び摩擦押圧力の制御の容易化を図っている。
【0036】
かかる摩擦攪拌接合装置によれば、ボビンツール10(裏面ショルダと表面ショルダ)によりワークPを挟持させた状態で、先ずモータ72により表面ショルダ取付体80とこれにスプライン連結している裏面ショルダ取付軸78とを回転させた後、支持内筒66を吊下し、ピストン軸61A及び支持内筒66を介して表ショルダ10A側に付勢される第1の油圧ピストン/シリンダ60では、ワークP接合面の表面にかかる表面ショルダ10A面の荷重が10kgfになるように、不図示の油圧ポンプを駆動させる。
又同時に支持内筒66に内蔵され、ピストン軸62B及び裏面ショルダ取付軸78を介して裏面ショルダ10B側に付勢される第2の油圧ピストン/シリンダ62では、ワークP接合面の裏面にかかる裏面側ショルダ10Bの荷重が200kgf以上になるように、不図示の油圧ポンプを駆動させる。
この際、前記ボビンツール10を回転自在に支持している接合機本体9は、支持内筒66外周側のリング状係合凹部88と支持外枠64内周側のリング状係合凸部89との間で移動規制された範囲で上下動動に支持している。
【0037】
このように裏面側ショルダ10Bの荷重が200kgfになるように制御し、前記表面側ショルダ10A面にかかる荷重を裏面側ショルダ10Bにかかる荷重より大幅に小にしている理由は次の通りである。
例えば接合部材がスキンパネルの場合に、接合部の継ぎ手構造が突き合わせになっているために、その接合部にギャップ(隙間)が生じるが、パネル自由端の裏面側(中空部側)の板厚を厚くするとともに、表裏両面側にショルダ面より摩擦熱が入熱されるボビンツール10を用い、裏面側ショルダ10Bにかかる荷重を大幅に大にして摩擦攪拌接合がなされることで、継ぎ手部でショルダ面との摩擦熱による入熱により裏面側の軟化した部分が接合ギャップ空間に進入するため外部から見える表面側は凹部が発生することなく、平坦を維持でき、しかも接合後における表面加工処理が基本的に不要であり、特に車両構造体のような長尺のものについては、その作業が大幅に簡単化する。
【0038】
そしてこのような構成を円滑に達成するには、裏面側ショルダ10Bにかかる荷重より大幅にしながら摩擦攪拌接合を行うことにより、表面側より裏面側が前記ギャップに軟化した裏面側が進入することが好ましい。
【0039】
尚、本発明では、裏面側ショルダ10Bと表面側ショルダ10Aをスプライン82により連結して同期回転させているが、両者を独立して回転制御可能に構成してもよい。
【0040】
かかる実施例によれば、表面側ショルダ10Aにおいては、ワークP表面の倣いが主な作用であるために、エアシリンダの利点が有効に生かせる。即ち接合線が上下方向に大きく湾曲しているような継手においてもエアシリンダはその押圧力の変動が滑らかであって、油圧シリンダより倣いの追従性がよい。
一方円滑な摩擦入熱により、大きな押圧力を必要とする裏面ショルダ10Bの場合は油圧ピストン/シリンダを用いることがよいことは前記したとおりである。
【0041】
図6は、図3の摩擦攪拌接合装置の制御装置を示し、(A)は正面概略図、(B)は平面概略図で、図中10Aのワーク表面側ショルダは、ワークP表面を倣うごとく小なる反力(荷重)を付与する第1の油圧ピストン/シリンダ60(図3参照)に連結されており、一方、10Bの裏面側ショルダ10Bは、ピン軸10Cを介して表面側ショルダ10AにワークPを挟み裏面側より摩擦力を発生するために大なる反力(荷重)を付与する第2の油圧ピストン/シリンダ62に連結されており、そしてこれらのボビンツール10は内部に組み込まれたモータ72により回転駆動されることは前記したとおりである。
【0042】
図6に戻り、Sは、非接触式の温度計(商品名:パイロメータ)で、ボビンツールの移動に沿って移動し、該ホビンツールの左右両側と図6(B)に示すその後方の3つの位置の温度値S1、S2、S3を計測する。
そして接合運転開始前には、ホビンツール10の左右両側の温度値S1、S2よりワークP表面温度を計測し、基準温度より低い(高い)場合は、制御装置CLにより、第2の油圧ピストン/シリンダ62を介して矢印A、Bに示すようにショルダ10Bの付勢力を大きく(小さく)するか、矢印Cに示すモータ72の回転速度を大きく(低く)するか若しくは矢印Dに示す工具の送り速度を小さく(大きく)するか若しくはこの3つの組み合わせを制御装置CL内の制御テーブル(不図示)を用いて制御する。
【0043】
運転開始後には、ホビンツール10の後ろ側の温度値S3よりワークP接合直後の接合部P1温度を計測し、ワークP接合直後の接合部P1温度が基準接合温度より低い(高い)場合は、制御装置CLにより第2の油圧ピストン/シリンダ62を介して裏面側ショルダ10Bの付勢力を大きく(小さく)するか、モータ72の回転速度を大きく(低く)するか若しくは工具の送り速度を小さく(大きく)するか若しくはこの3つの組み合わせを制御装置CL内の制御テーブル(不図示)を用いて制御する。
【0044】
【発明の効果】
以上記載のごとく本発明によれば、高品質な接合を高能率に行うことが可能な摩擦撹拌接合装置とその接合方法を提供出来る。
また本発明によれば、油圧シリンダで加圧力制御することで定盤の歪みやセッテング不良、若しくはワーク接合部の歪みや凹凸があっても精度よくこれを倣うことが出来る。
また本発明によれば、片面押圧型のブローブ型回転工具を用いて摩擦攪拌接合を行う場合に、工具経路でのZ方向(ワーク離接方向)の位置を補間せずに、Z座標一定で走査しても油圧シリンダにより精度よくワークを倣うことが出来る。また本発明は回転工具にホビンツールを用いた場合に、表裏両面側での押圧力を調整でき、これにより母材をボビンツールを用いて摩擦攪拌接合する際に該摩擦攪拌接合の柔軟性と円滑化をはかることができる。
【0045】
又本発明によれば、摩擦攪拌接合により入熱過剰あるいは入熱不足により接合品質が損なわれるために、それに応じて回転数や速度を制御することにより、信頼性の高い摩擦撹拌接合装置を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る摩擦攪拌接合装置の第1例を示す加工主軸側の詳細構成図である。
【図2】 図1の実施例の全体概略図である。
【図3】 本発明の実施例に係るボビンツールを用いて表裏両面側の押し付け力を独立して制御可能に構成した摩擦攪拌接合装置の第2例を示す全体概略図である。
【図4】 従来技術に係る摩擦撹拌接合のプローブツールとボビンツールの基本構成図である。
【図5】 従来技術に係る摩擦撹拌接合装置を示す断面概略図である。
【図6】 図3の摩擦攪拌接合装置の制御装置を示し、(A)は正面概略図、(B)は平面概略図である。
【符号の説明】
1 主軸
10 ボビンツール
10A表面側ショルダ
10B裏面側ショルダ
20 ブローブ型回転工具
30 回転工具取り付け装置
36 付勢力制御手段
37 油圧ポンプ
39 リリーフ(逃がし)弁
40 油圧経路
41 減圧弁
43 切替弁
51 接合機本体
53 油圧シリンダ
57 油圧ピストン
60 第1の油圧ピストン/シリンダ
62 第2の油圧ピストン/シリンダ
66 支持内筒
70 ホビンツール取付体
72 モータ
78 裏面ショルダ取付軸
80 表面ショルダ取付体
S 温度計
CL 制御装置
Claims (12)
- 接合面の表裏両面に対してそれぞれ押圧される裏面押圧部と表面押圧部を備え、該押圧部間が可変のボビンツールを用いた摩擦攪拌接合装置において、
前記裏面押圧部より接合面へ付勢される押圧力と前記表面押圧部より接合面へ付勢される押圧力とを夫々独立して調整可能に構成するとともに、前記それぞれの押圧部より接合面への押圧力付手段が、流体圧を利用して押圧力を付勢する手段であることを特徴とする摩擦攪拌接合装置。 - 前記流体圧に油圧を用いると共に、前記接合面の表裏両面に対してそれぞれ押圧、接触されるボビンツールの各ショルダ面が、接合面に対し離接する方向(以下Z軸という)に移動可能に構成するとともに、流体圧により上記ショルダ面の接合面への押圧力が略一定になるように前記油圧を制御する油圧制御手段を設けてなる請求項1記載の摩擦攪拌接合装置において、
前記裏面側押圧部の接合面への押圧力と前記表面側押圧部の接合面への押圧力とを夫々独立して、前記油圧制御手段により前記油圧を制御して接合を行う前記ボビンツールを有し、
前記ボビンツールの上面側ショルダ面と下面側ショルダ面よりそれぞれ前記油圧を利用して押圧力を付勢する油圧ピストン機構が一対存在し、該一対の油圧ピストン機構はそれぞれ独立してZ軸方向に移動可能に構成されていることを特徴とする摩擦攪拌接合装置。 - 請求項1記載の摩擦攪拌接合装置において、
前記裏面押圧部の押圧力を前記表面押圧部の押圧力より大にするとともに、該裏面側押圧力付勢手段が、前記流体圧として油圧を利用して押圧力を付勢する手段であることを特徴とする摩擦攪拌接合装置。 - 請求項1記載の摩擦攪拌接合装置において、
前記表面押圧部の押圧力を前記裏面押圧部の押圧力より小にするとともに、該表面側の押圧力付勢手段が、前記流体圧として空圧若しくは油圧を利用して押圧力を付勢する手段であることを特徴とする摩擦攪拌接合装置。 - 請求項1記載の摩擦攪拌接合装置において、
前記裏面押圧部より接合面へ付勢される押圧力としての流体圧と前記表面押圧部より接合面へ付勢される押圧力としての流体圧とを夫々異なる流体種類による流体圧で構成したことを特徴とする摩擦攪拌接合装置。 - 前記裏面押圧部の押圧力付勢手段が、油圧を利用して押圧力を付勢する手段であり、表面側の押圧部の押圧力付勢手段が、空圧を利用して押圧力を付勢する手段であることを特徴とする請求項5記載の摩擦攪拌接合装置。
- 母材接合部を挟んでその表面側と裏面側より夫々押圧部を介して押圧力を加えてその接合部への摩擦入熱により接合を行う摩擦攪拌接合方法において、
前記表面側と裏面側に夫々設けた押圧部が、母材接合部に倣う方向に移動可能に構成するとともに、前記裏面側押圧部の接合面へ付勢される押圧力と前記表面側押圧部の接合面へ付勢される押圧力とを夫々独立して、流体圧を利用した押圧力により制御して接合を行うことを特徴とする摩擦攪拌接合方法。 - 請求項7記載の摩擦攪拌接合方法において、
前記裏面側の押圧部の接合面への前記押圧力付勢が、ボビンツールにより前記裏面側と表面側夫々の押圧部を摺動回転させた後に行なわれることを特徴とする摩擦攪拌接合方法。 - 請求項7記載の摩擦攪拌接合方法において、
前記裏面押圧部より接合面へ付勢される押圧力が、塑性流動可能な温度域に達する摩擦入熱であり、表面側の押圧部より接合面へ付勢される押圧力が、接合部に沿う倣いに必要な押圧力であることを特徴とする摩擦攪拌接合方法。 - 裏面押圧部と表面押圧部を備え、該押圧部間が可変のボビンツールを用いた摩擦攪拌接合装置において、
前記裏面押圧部より接合面へ付勢される押圧力と前記表面押圧部より接合面へ付勢される押圧力とを夫々独立して調整可能に構成するとともに、前記裏面押圧部と表面押圧部からなる回転工具の周囲の温度を検知する手段を設け、該検知温度に基づいて前記裏面押圧部、前記表面押圧部の内の少なくとも1の押圧力付勢力を制御する付勢力制御手段を設けたことを特徴とする摩擦攪拌接合装置。 - 裏面押圧部と表面押圧部を備え、該押圧部間が可変のボビンツールを用いた請求項1記載の摩擦攪拌接合装置において、
前記ボビンツールの周囲の温度を検知する手段を設け、該検知温度に基づいて前記裏面押圧部より接合面へ付勢される押圧力を制御する押圧力制御手段を設けたことを特徴とする摩擦攪拌接合装置。 - 裏面押圧部と表面押圧部を備え、該押圧部間が可変のボビンツールを用いた請求項1記載の摩擦攪拌接合装置において、
前記ボビンツールの周囲の温度を検知する手段を設け、該検知温度に基づいて前記裏面押圧部、前記表面押圧部の夫々の押圧部より接合面へ付勢される少なくとも1の押圧力とともに回転速度を制御する押圧部制御手段を設けたことを特徴とする摩擦攪拌接合装置。
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