JP4335417B2 - トルク検量装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トルク検量のための重錘自動吊り下げ機構を備えたトルク検量装置に関し、特に、固定枠に保持した重錘を、保持状態から吊下状態に移行させることにより、吊り下げ負荷を自在に変更できるようにしたトルク検量装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のトルク検量装置は、内燃機関の性能試験などにおいて、回転トルクを検量するために用されていおり、回転子と、その回転子に滑りながら接触する揺動子とからなり、それらの間に発生する反作用の力を測定し、その測定点と回転中心との距離によって、トルクを計測する。
図13は、従来のエンジン動力計を示す正面図である。従来のエンジン動力計は、揺動子3がベッド1上の浮揚軸受に支持されている。一方、回転子軸2は、揺動子3に回転自在に支持されている。
揺動子3の端部には、水平にトルクアーム4、5が取り付けられ、トルクアーム4の先端とベッド1の間には、加重測定のためのロードセル6が取り付けられている。なお、8は、加重状況を示す表示器である。
【0003】
ロードセル6は、圧縮加重や引っ張り加重を、電気信号に変換して回転トルクを測定するが、測定の回を重ねる毎に、次第に誤差を生じるようになる。この誤差を少なくするためには、適宜誤差チェックとして検量を実施する必要がある。この検量は、揺動子3の外周左右に取り付けられた検量アーム(以下、トルクアームという)の何れかに、検量錘(以下、重錘という)7、7・・・7を吊り下げて模擬負荷とし、この模擬負荷による測定値と、予め算出されている回転トルクとを、比較して行われる。
【0004】
この検量作業には、加重作業と減重作業とがあり、従来は、全て人手により行われていた。
加重作業は、先ず、検量アーム4、5に接続された金具に、図14に示すように、予め最下段用の重錘7aを下端に接続した吊金具9のフック9aを接続する。そして、最下段の重錘7aの上に、重錘7b、7c・・・を一枚ずつ順次積み重ね、定格トルク相当の模擬荷重に達するまで積み重ねる。
減重作業は、加重作業の最後の状態から、積み重なった最上段の重錘より、一枚ずつ取り外し、最後に、吊金具9のフック9aを外して終了する。
【0005】
以上の作業検量は、煩雑であり、一個の重錘のみで、かなりの重量があり、作業員に無用の労力を強い、時間もかかるところから、最近では、自動化する方法が提案されている。
特開平11−64146号は、複数の重錘を個々に支持枠に当接させ、これを上下に枠とともに移動させ、重錘の間隔を設定することによって、吊り下げ負荷を自在に変更できるようにした「トルク検量装置」を提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した理由により、検量作業を自動化しようという要望は極めて高い。しかも、既に、人手による検量作業が行われている所では、自動化された装置への交換設置が、容易にできることが望まれている。
ところが、検量されるべきトルクを発生する回転軸の位置(特に、据え付け場所の床面よりの高さ)は、不安定にならないように、あまり高くすることができない場合が多い。また、既存の設備と交換する場合には、トルクアームの高さは、そのままで、そこに重錘を吊るす部分だけを、従来のものと交換できれば都合がよい。
【0007】
この場合に、トルクアームの上側に加重装置を付加してもよいが、その構造は複雑となり、費用も高くつく。したがって、従来のように、検量アームに重錘を吊り下げる方法を採らざるを得ない。
前記提案(特開平11−64146号)によるトルク検量装置は、加重状態にない重錘を枠ごと支え、その枠を上下するリフト部駆動手段(ジャッキ)を枠の下部に挿入し、枠の上下の位置と、検量アームへの吊り下げ点との相互の位置関係を制御して、所要の加重を行っている。
このため、ジャッキの可動部のストロークは、加重状態にない重錘と重錘の間に設けられている隙間を、全て加算した長さが必要となる。
【0008】
従って、前記提案のトルク検量装置では、トルクアームの下に、従来の装置全体の最下部に、ジャッキの高さと更に可動部のストロークの長さを加えただけ余分なスペースを必要とする。そこで、トルク検量装置のベットよりトルクアームの下の床面を、相対的に低くしなければならい。
このため、新しく装置を設置の場合には、検量アームの下側の床面と揺動子を含む他の部分を支える床面の高さに高低差をつけなくてはならないので、複雑な床面の整備が必要となる。また、既設の装置と交換するためには、床面の改修が必要となる、という問題点がある。
【0009】
本発明の目的は、前述した課題を解決して、従来の検量作業を自動化して労力と時間を節減し、しかも、設置工事も従来と同様の規模で済み、従来装置との交換に際しても、大きな改修工事を伴わず、既設のものと容易に交換できるトルク検量装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、装置台上に測定すべきトルクが発生する揺動子を揺動自由に支持し、前記揺動子に固定された検量アームに複数の重錘を吊り下げる自動吊り下げ機構を備えたトルク検量装置において、前記装置台(1)と固定関係にあって前記検量アーム(104)に吊下されない重錘(11、12・・・24の一部又は全部)を支持するための重錘支持棚(10)と、前記重錘支持棚(10)に係合し、水平の移動を垂直の移動に変換する機構を含むことにより、前記重錘(11、12・・・24の一部又は全部)を前記検量アーム(104)に吊り下げない上位にある位置と前記検量アーム(104)に吊り下げる下位の位置との間を移動させる複数の重錘上下移動機構(31a、31b、32a、32b、・・・44a、44b、51、52・・・64)と、前記複数の重錘上下移動機構(31a、31b、32a、32b、・・・44a、44b、51、52・・・64)を個別に水平方向に移動させる複数の駆動部(71、72・・・84)と、を備え、前記駆動部(71、72・・・84)により前記重錘上下移動機構(31a、31b、32a、32b、・・・44a、44b、51、52・・・64)が駆動されることにより、任意の数の重錘(11、12・・・24の一部又は全部)が積み重ねられて、前記検量アーム(104)に吊り下げられ、前記重錘上下移動機構は、前記重錘支持棚(10)に設けられたガイド(45、46、47、48)に沿って上下方向に移動自由で前記検量アーム(104)に吊り下げられない状態の重錘(11、12・・・24の一部又は全部)を支持するための複数対の重錘支持棒(31a、31b、32a、32b、・・・44a、44b)と、前記重錘支持棚(10)に設けられた枠ガイド(65、66、67、68)に沿って水平方向に移動自由で、水平に置かれた略コの字形の平行する部分の上向きの面に斜面を含む一対の凹部(57d、57e、57f、57など)を設け、その凹部(57d、57e、57f、57など)に前記重錘支持棒(31a、31b、32a、32b、・・・44a、44b)の両端部が転がり自在に支持されることにより、前記重錘支持棒(31a、31b、32a、32b、・・・44a、44b)を介して前記重錘(11、12・・・24の一部又は全部)を支持することができる上下に配置された複数の重錘支持枠(51、52・・・64)とからなり、前記複数の駆動部(71、72・・・84)は、固定部が前記重錘支持棚(10)の一部に固定され、可動部(71a、72a・・・84a)が前記重錘支持枠(51、52・・・64)の一部に固定されており、前記駆動部(71、72・・・84)により駆動されて、前記重錘支持枠(51、52・・・64)が水平方向に移動したときに、前記重錘支持棒(31a、31b、32a、32b、・・・44a、44b)が上方又は下方に移動して、前記重錘(11、12・・・24の一部又は全部)を上昇又は下降させるようにしたことを、特徴とするトルク検量装置である。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について、図面等を参照して詳しく説明する。
図1は、加重作業(例えば図13及び図14の装置における重錘7a、7b、7c・・・の加重作業)に相当する作業を自動的に行う部分(以下、自動加重部という)を示す断面図である。図1は、図2の平面図の中に示すA−A線で切断した断面図である。なお、図1では、重錘11〜14を加重し、重錘15〜24を非加重の状態で示してある。
【0013】
図2は、図1の自動加重部の上板25と側面カバー26を取り除いて示した平面図である。図2は、全重錘を加重した状態で示してある。
図3は、図1の自動加重部の外観を、全重錘非加重の状態で示した斜視図である。
【0014】
本実施形態の自動加重部には、図1に示すように、重錘11、12・・・24と、重錘11、12・・・24を、上下に移動させるための対をなす重錘支持棒(以下、リフトバーという)31aと31b、32aと32b、・・・44aと44b、リフトバー31a、31b、32a、32b、・・・44a、44bを上下に移動させるためのバー支持枠51、52・・・64と、バー支持枠51、52・・・64を個別に水平方向に移動させることができる複数の枠駆動体(以下、シリンダという)71、72・・・84が設けられている。
なお、リフトバー31a〜44b及びバー支持枠51〜64は、すべて長手方向が水平になるように配置されている。
【0015】
図4は、重錘支持棚10の構成を、側面カバー10bを除去して示した斜視図である。
図4には、重錘を上下動させるためのリフトバーと、そのリフトバーを支持するバー支持枠の移動方向を規正する各ガイドの構造が示されている。ただし、リフトバーとバー支持枠は、上下に隣接して配置されるリフトバー36a、36b、37a、37b、バー支持枠56、57のみを示し、他は省略してある。
【0016】
リフトバー36b、37aを案内するバーガイド(以下、ガイドプレートという)は、45と47である。リフトバー36a、37bを案内するガイドプレートは、46、48である。
ガイドプレート45、46、47、48は、それぞれ上端が上板10aに、下端が台板10bに固定され、それぞれ、上下に細長い案内孔45g、46g、47g、48gを備えている。
【0017】
リフトバー36aは、その両端の一方が案内孔46gに貫通し、他方が案内孔48gを貫通している。リフトバー37aも同様である。リフトバー36bは、その両端の一方が案内孔45gに貫通し、他方が案内孔47gを貫通している。リフトバー37aも同様である。
したがって、リフトバー36a、36b、37a、37bや、図示しないその他のリフトバーは、すべてガイドプレートの案内孔45g、46g、47g、48gに規正されて、垂直方向には、自由に動くことができるが、長手方向に直角な水平方向には、動くことができない。
【0018】
バー支持枠56は、平行な一対のスライドレール56a、56bと、前記一対のスライドレールの端部同士を連結する棒(以下、連結棒という)56cによって構成されている。
バー支持枠57は、平行な一対のスライドレール57a、57bと、連結棒57cによって構成されている。連結棒56c、57cの中央部は、それぞれ、図1〜図3に示されているエアシリンダの中の一つの可動部の先端に接続されているる。以上の構成は、図示しない他のバー支持枠も同様である。
【0019】
バー支持枠56、57を案内する枠ガイド(以下、ガイドポールという)は、65、66、67、68である。
ガイドポール65、66、67、68には、それぞれスライドレールを水平方向にスライド自由に案内する案内溝65g、65g・・・65g、又は、66g、66g・・・66g、又は、67g、67g・・・67g、又は、68g、68g・・・68gが上下に並んで設けられている。
本実施形態では、案内すべきバー支持枠が14個あるので、各ガイドポールには、それぞれ14個の案内溝が設けられている。
【0020】
バー支持枠56のスライドレール56aは、案内溝65g及び案内溝66gにスライド自由に嵌合している。スライドレール56bは、案内溝65gに対向する位置にある案内溝67g、及び、案内溝66gに対向する位置にある案内溝68gにスライド自由に嵌合している。バー支持枠57も同様である。ただし、バー支持枠56の連結棒56cとバー支持枠57の連結棒57cのある側は、上下に隣接するバー支持枠同士で互いに反対側にあるように組み合わせて配置してある。
【0021】
図5は、一つの重錘を上下に移動させる機構を説明するために、図4のバー支持枠57と、その関連部分のみを取り出して示した斜視図である。図5は、重錘がスライドレールによって、最も高く持ち上げられている状態である。
バー支持枠57は、スライドレール57aには凹部57d、57eが、スライドレール57bには凹部57f、57gが、それぞれ上面内側を切り欠いて設けられている。凹部57d、57e、57f、57gは、上向きの面の中央部が傾斜していて、連結棒57c側が低くなっている。
【0022】
スライドレール57aの凹部57dの上向きの面で、リフトバー37aの一端を支持し、凹部57eの上向きの面で、リフトバー37bの一端を支持している。また、スライドレール57bの凹部57fの上向きの面で、リフトバー37aの他端を支持し、凹部57gの上向きの面で、リフトバー37bの他端を支持している。
【0023】
重錘17は、他の重錘11〜16、18〜24と同様に、対向する辺の下側を切り欠いて上面の長手方向より同方向の下面が短い階段状に形成されている。この切り欠き17a、17bのそれぞれの下面に沿って、リフトバー37a、37bが配置されている。このため、リフトバー37a、37bが切り欠き17a、17bのそれぞれの下面に接触していない場合は、リフトバーが重錘を持ち上げることはないが、接触していれば、リフトバーの上下移動に伴って、重錘が上下に移動する。
【0024】
リフトバー37a、37bは、スライドレール57aの凹部57d、57e、57f、57gによって支えられ、ガイドプレートの案内孔45g、46g、47g、48gに規正されて上下方向のみに動く。このため、バー支持枠57全体が水平方向に動くときは、リフトバー37a、37bの端部が凹部57d、57e、57f、57gに接触する位置が変わり、リフトバー37a、37bは、前記凹部の上向きの斜面に沿って転がり、リフトバーは上下に移動する。
【0025】
図6〜図8は、バー支持枠、リフトバー、重錘の三者の動きの相互関係を示す説明図(断面図)である。
図6は、図5と同じ状態を示している。シリンダ支持ポール85に、その固定部が支持されたシリンダ77の可動部77aは、最も突き出した状態で、バー支持枠57の連結棒57cは、シリンダ支持ポール85より最も離れた位置にあり、バー支持枠57は、図中最も左にスライドした状態にある。
リフトバー37a、37bは、スライドレール57a(57b)の凹部57d、57e、57f、57gの上向き斜面の最も高い位置に接触し、重錘17は、最上の位置にある。
【0026】
図7は、図6の状態からシリンダ77の可動部77aは、やや固定部に引き込まれ、連結棒57cは、シリンダ支持ポール85側に引き寄せられ、バー支持枠57は、スライドして中間の位置にある。
リフトバー37a、37bは、前記スライドレールの凹部の上向き斜面の中間の位置に接触し、重錘17は、図6よりは下がった位置にある。ここで、重錘17の下面は、下の段の図示しない重錘16の上面に当接すると、バー支持枠57がさらに図中左方向にスライドしても、重錘17は下降せず、リフトバー37a、37bの位置のみが下降する。
【0027】
図8は、シリンダ77の可動部77aが最も固定部に引き込まれた状態を示している。連結棒57cはシリンダ支持ポール85側に最も引き寄せられ、バー支持枠57は、図中の右側に最も偏った位置にある。
リフトバー37a、37bは、前記スライドレールの凹部の上向き斜面の最も低い位置にあり、重錘17は、完全にリフトバー37a、37bから離れ、下段の重錘16の上に乗ることによって、重錘16より下の全ての重錘とともに、吊り金具29のフック29aを介して、図13のトルクアーム4、5に相当するトルクアーム(図11及び図12では30)に吊り下げられて加重される。
【0028】
図9は、最下段の重錘11と吊り金具29の関係を示す斜視図である。図9に示すように、重錘の中で最下段の重錘11のみが吊り金具29に直結している。図10は、図9の重錘11の上に、他の全ての重錘12〜24が重ねられた状態を示す斜視図である。これは、全ての重錘が加重されている状態である。
【0029】
本実施形態の自動加重部は、非検量時には、リフトバーで最上段から重錘を1つずつ持ち上げ、トルクアーム104のU字フック104aに荷重が掛からない位置で固定されている。
【0030】
図11は、全ての重錘が加重されていない場合のリフトバー、重錘、トルクアームの三者の関係を示す説明図(断面図)である。
図11の場合には、全ての重錘11〜24が全てのリフトバー31a、31b、32a、32b・・・44a、44bによって支えられている。その全てのリフトバーは、全てバー支持枠に支えられ、その全バー支持枠は、ガイドポールを介して台板に支えられている。その台板は、装置全体の土台又はこの土台と固定関係にある床面に固定されている。しかも、全ての重錘が、最も高い位置で支えられているために、吊り金具29のフック29aは、トルクアーム104のU字フック104aにたとえ接触していても、吊り下げ状態にはならず、トルクアーム104への加重は全くない。
【0031】
トルク検量のために加重する場合には、図示しない操作部により操作すると、先ず、最下段のシリンダ71が、最下段のバー支持枠51を水平に移動させることにより、図11の状態から、最下段の重錘11を支えるリフトバー31a、31bを、図6〜図8に示す過程を経て、重錘11から下方に離脱させ、図9に示す吊り金具29のフック29a及びトルクアーム104に取り付けられたU字フック104aを介して、吊り金具29を含む重錘11の重量が仮想負荷として揺動子に加重する。
【0032】
同様にして、重錘12を支えるリフトバー32a、32bが、図6〜図8に示す過程を経て重錘12から離れると、重錘12が重錘11に接触し、揺動子には前記の負荷にさらに加算されて加重される。続いて、重錘13、重錘14と同様にして加重される。全ての重錘が加重された状態が、図12の状態である。
図12は、全ての重錘が加重されている場合のリフトバー、重錘、トルクアームの3者の関係を示す説明図(断面図)である。
【0033】
図12の場合には、全ての重錘11〜24が全てのリフトバー31a、31b、32a、32b・・・44a、44bから離れる。そのため、全ての重錘は、吊り金具29のフック29a及びトルクアーム104に取り付けられたU字フック104aを介して、仮想負荷として揺動子に加重されている。加重除去の場合も、前記動作の逆の手順によって自動的に行うことができる。
【0034】
このように、本実施形態の自動加重部は、常時固定状態で、検量時のみトルクアームのU字フックに吊り金具のフックが引っ掛かって加重される。自動加重部は、複数の重錘を上げたり下げたりして、所定の荷重を自動で掛けることができる。そして、複数の重錘を1枚載せる毎に、データを図示しないパソコンに取り込み、データ管理を行う。取り込んだデータは、瞬時に良否判定を行うことができる。
【0035】
(他の実施形態)
本発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、種々の変形又は変更が可能であって、これらも本発明の均等の範囲内である。
例えば、図示の実施形態では、バー支持枠は、一対の平行するスライドレールの一端同士を棒で連結して略「コ」の字形としているが、一対のスライドレールの両端同士を連結して略「ロ」の字形としてもよい。
その他、各部の構造、形態、数量についても、種々の変形を加え、図示のものと異なっていても、本発明の主旨に沿うものであれば、そのいずれも本発明に含まれる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、本体の装置台と固定関係にあって検量アームに吊下されない重錘を支持するための重錘支持棚と、重錘支持棚に係合し水平の移動を垂直の移動に変換する機構のある重錘上下移動機構と、重錘上下移動機構を駆動して複数の重錘を個別に上下に移動させるための駆動部を備えることにより、駆動部を重錘群の側面に配置することができるので、自動加重部の高さを最低に抑えることができる、という効果がある。
従って、本発明を実施することにより、自動化したトルク検量装置の設置条件が従来の装置と同様で済み、特に、手作業で行われる従来の装置との交換が容易である、という効果がある。
【0037】
また、重錘上下移動機構を、重錘支持棚に設けられたガイドに沿って上下方向に移動自由で、検量アームに吊り下げられない状態の重錘を支持する複数の重錘支持棒と、重錘支持棚に設けられた枠ガイドに沿って水平方向に移動自由で、ほぼコの字形の対向して水平に平行する部分の上向きの面に、斜面を含む一対の凹部を設け、この凹部に前記重錘支持棒の両端部が転がり自在に支持されることにより、重錘支持棒を介して重錘を支持することができる複数の重錘支持枠とで構成し、複数の駆動部を、固定部が重錘支持棚の一部に固定され、可動部が前記重錘支持枠の一部に固定され、重錘支持枠のそれぞれを個別に水平方向に移動可能であり、重錘支持枠が駆動部により駆動されて、水平方向に移動したときに、重錘支持棒が上下方向に移動して、重錘を上下方向に移動させることができるので、前記効果を具体的に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるトルク検量装置の自動加重部の実施形態を示す断面図(図2のA−A断面図)である。
【図2】図1の自動加重部の上板と側面カバーを除去して示した平面図である。
【図3】図1の自動加重部の外観を示す斜視図である。
【図4】リフトバーとバー支持枠の移動方向を規正する構造を示す斜視図である。
【図5】重錘を上下動させる機構を示す説明図(斜視図)である。
【図6】図5の部分の各部の動き(重錘加重後前)を示す説明図(断面図)である。
【図7】図5の部分の各部の動き(図6に続く)を示す説明図(断面図)である。
【図8】図5の部分の各部の動き(重錘加重後)を示す説明図(断面図)である。
【図9】最下段の重錘と吊り金具の関係を示す斜視図である。
【図10】図9の重錘の上に他の重錘を重ねた状態を示す斜視図である。
【図11】リフトバー、重錘、トルクアームの相互関係(全ての重錘未加重)を示す説明図(断面図)である。
【図12】リフトバー、重錘、トルクアームの相互関係(全ての重錘加重)を示す説明図(断面図)である。
【図13】トルク検量装置の従来例を示す正面図である。
【図14】図13の装置の重錘の加重方法を示す説明図(斜視図)である。
【符号の説明】
1 ベッド
2 回転子軸
3 揺動子
4、5、104 トルクアーム
6 ロードセル
7、11、12・・・24 重錘
9、29 吊り金具
9a、29a フック
10 重錘支持棚
10a 上板
10b 側面カバー
10c 台板
31a、31b、32a、32b・・・44a、44b リフトバー
45、46、47、48 ガイドプレート
45a、46a、47a、48a 案内孔
51、52・・・64 バー支持枠
51a、51b、52a、52b・・・64a、64b スライドレール
65、66、67、68 ガイドポール
65a、65b・・・65n、66a、66b・・・66n、67a、67b・・・67n、68a、68b・・・68n 案内溝
71、72・・・84 シリンダ
85、86 シリンダ支持ポール
Claims (1)
- 装置台上に測定すべきトルクが発生する揺動子を揺動自由に支持し、前記揺動子に固定された検量アームに複数の重錘を吊り下げる自動吊り下げ機構を備えたトルク検量装置において、
前記装置台と固定関係にあって前記検量アームに吊下されない重錘を支持するための重錘支持棚と、
前記重錘支持棚に係合し、水平の移動を垂直の移動に変換する機構を含むことにより、前記重錘を前記検量アームに吊り下げない上位にある位置と前記検量アームに吊り下げる下位の位置との間を移動させる複数の重錘上下移動機構と、
前記複数の重錘上下移動機構を個別に水平方向に移動させる複数の駆動部と、を備え、
前記駆動部により前記重錘上下移動機構が駆動されることにより、任意の数の重錘が積み重ねられて、前記検量アームに吊り下げられ、
前記重錘上下移動機構は、前記重錘支持棚に設けられたガイドに沿って上下方向に移動自由で前記検量アームに吊り下げられない状態の重錘を支持するための複数対の重錘支持棒と、前記重錘支持棚に設けられた枠ガイドに沿って水平方向に移動自由で、水平に置かれた略コの字形の平行する部分の上向きの面に斜面を含む一対の凹部を設け、その凹部に前記重錘支持棒の両端部が転がり自在に支持されることにより、前記重錘支持棒を介して前記重錘を支持することができる上下に配置された複数の重錘支持枠とからなり、
前記複数の駆動部は、固定部が前記重錘支持棚の一部に固定され、可動部が前記重錘支持枠の一部に固定されており、前記駆動部により駆動されて、前記重錘支持枠が水平方向に移動したときに、前記重錘支持棒が上方又は下方に移動して、前記重錘を上昇又は下降させるようにしたこと、を特徴とするトルク検量装置。
Priority Applications (1)
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