JP4333919B2 - 有機多孔質イオン交換体、その製造方法、イオン濃縮カラム及びイオンクロマトグラフィー装置 - Google Patents

有機多孔質イオン交換体、その製造方法、イオン濃縮カラム及びイオンクロマトグラフィー装置 Download PDF

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Description

本発明は、有機多孔質イオン交換体、その製造方法、該有機多孔質イオン交換体を充填したイオン濃縮カラム及び該イオン濃縮カラムを備えるイオンクロマトグラフィー装置に関するものである。
イオン濃縮カラムは、μg/lからng/l程度の微量イオンの分析の際に、試料中の測定対象イオンを一般に数百倍から数千倍濃縮して分離カラムに導入するために、分離カラムの前段に設置されるものである。該イオン濃縮カラムのサイズは、通常内径2〜5mm、長さ10〜50mm程度であって、イオン交換体が充填されている。従来、イオン濃縮カラムに充填されるイオン交換体は、直径30μm程度の粒子状イオン交換体であり、ペリキュラー型と呼ばれる構造のものが一般的である。ペリキュラー型イオン交換体とは、例えば粒径5〜30μm程度の球状スチレン/ジビニルベンゼン共重合体などの表面を、粒径0.05〜0.5μm程度の微小粒スチレン/ジビニルベンゼン共重合体などで被覆し、該微小粒表面に測定対象イオンに応じたイオン交換基を導入したイオン交換体である。該イオン交換基としては、陰イオンが測定対象イオンの場合には、例えば第4級アルキルアンモニウム基などの自身は解離して正電荷を持ち陰イオンに静電的相互作用による親和性を持つ基を、陽イオンが測定対象イオンの場合には、例えばスルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基などの自身は解離して負電荷を持ち陽イオンに静電的相互作用による親和性を持つ基を例示することができる。
しかしながら、上記粒子状イオン交換体を充填したイオン濃縮カラムは、以下のような問題を有していた。第一に、イオンの濃縮効率を高めるためには粒子状イオン交換体の粒子径を5〜30μm程度と小さくする必要があり、そのため、通液時の圧力損失が大きくなってしまう点である。微量イオンを分析する際にはポンプ等からの汚染を最小限にする必要があり、ポンプを介さずに試料溶液をイオン濃縮カラムに導入できる吸引濃縮法等を用いることが望ましいが、圧力損失が大きいと、このような方法が適用できない。第二に、フッ化物イオンの定量的な濃縮が困難な点である。このことは、従来の粒子状イオン交換体を充填した濃縮カラムでは、選択係数の小さなイオンに対する濃縮能力が不十分であることを示している。
このような問題を解決するものとして、特定の半径を有するメソポアを有し、イオン交換容量が1.0μg当量/g乾燥有機多孔質イオン交換体以上となるようにイオン交換基が導入された3次元網目構造を有する有機多孔質イオン交換体(以下、単に「モノリス」とも言う。)を充填したイオン濃縮カラムが提案されている(特開2004−264045号公報)。このイオン濃縮カラムは、従来のイオン濃縮カラムに比べ圧倒的に圧力損失が小さく、更に選択係数の小さなフッ化物イオンも定量的に濃縮することができる。
しかしながら、このイオン濃縮カラムはイオンに対する吸着特性があまりにも高いため、イオン溶離能力の高い炭酸系溶離液を用いた場合には優れた性能を示すものの、イオン溶離能力が比較的低い水酸化カリウム系溶離液を用いると、イオンの離脱が遅く且つ均一に行われず、クロマトグラムのピークがテーリングするといった問題がある。特開2004−264045号公報に記載のイオンモノリスは陽イオン交換基が導入されたカチオンモノリスであるか、陰イオン交換基が導入されたアニオンモノリスのいずれかであるが、このようなイオンモノリスは、イオンの離脱を早く均一にするには、イオン交換容量を低くすることで解決できる。しかし、イオン交換容量が小さいモノリスは疎水性で硬くなり、加工が容易ではなくなり実用に供し得ないという問題がある。
従って、本発明の目的は、圧力損失が小さく、選択係数の小さなイオンも定量的に濃縮することができると共に、イオン溶離能力が比較的低い溶離液を用いても良好なクロマトグラムを得ることができるイオン濃縮カラムへの使用が好適な多孔質イオン交換体、その製造方法、イオン濃縮カラム及びイオンクロマトグラフィー装置を提供することにある。
かかる実情において、本発明者らは鋭意検討を行った結果、有機多孔質体中、陽イオン交換基と陰イオン交換基を共に均一に導入すれば、陽イオン交換基と陰イオン交換基の内部塩形成反応により、イオン交換容量を低く制御することができると共に、親水性と柔軟性を保持し、圧力損失が小さく、選択係数の小さなイオンも定量的に濃縮できるというモノリスの特徴を維持できること、この有機多孔質イオン交換体をイオン濃縮カラムに適用すれば、イオン溶離能力が比較的低い溶離液を用いても良好なクロマトグラムを得ることができること等を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、イオン交換基に変換される官能基を有する油溶性モノマー、架橋剤、界面活性剤、水及び必要に応じて重合開始剤とを混合し、油中水滴型エマルジョンを得る工程と、前記油中水滴型エマルジョンを重合させる工程と、前記工程で得られた多孔質体中の前記官能基を陽イオン交換基と陰イオン交換基に変換する工程と、
を行い得られる有機多孔質イオン交換体であり、
互いにつながっているマクロポアとマクロポアの壁内に平均径が0.1〜1000μmのメソポアを有する連続気泡構造であって、全細孔容積が1〜50ml/gの多孔質ポリマーに陽イオン交換基と陰イオン交換基が均一に導入され、該陽イオン交換基の一部と該陰イオン交換基の全部または該陽イオン交換基の全部と該陰イオン交換基の一部が反応して内部塩を形成し、イオン交換容量が0.05〜4mg当量/g乾燥多孔質イオン交換体であることを特徴とする有機多孔質イオン交換体を提供するものである。
また、本発明は、イオン交換基に変換される官能基を有する油溶性モノマー、架橋剤、界面活性剤、水及び必要に応じて重合開始剤とを混合し、油中水滴型エマルジョンを得る工程
前記油中水滴型エマルジョンを重合させる工程
前記工程で得られた多孔質体中の前記官能基を陽イオン交換基と陰イオン交換基に変換して、互いにつながっているマクロポアとマクロポアの壁内に平均径が0.1〜1000μmのメソポアを有する連続気泡構造であって、全細孔容積が1〜50ml/gの多孔質ポリマーに陽イオン交換基と陰イオン交換基が均一に導入され、該陽イオン交換基の一部と該陰イオン交換基の全部または該陽イオン交換基の全部と該陰イオン交換基の一部が反応して内部塩を形成し、イオン交換容量が0.05〜4mg当量/g乾燥多孔質イオン交換体である有機多孔質イオン交換体を得る工程
を有することを特徴とする有機多孔質イオン交換体の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、前記有機多孔質イオン交換体を充填したことを特徴とするイオン濃縮カラムを提供するものである。また、本発明は、前記イオン濃縮カラムを少なくとも備えることを特徴とするイオンクロマトグラフィー装置を提供するものである。
本発明の有機多孔質イオン交換体は、有機多孔質体中、陽イオン交換基と陰イオン交換基を共に均一に導入しているため、有機多孔質体の親水性と柔軟性を保持し、圧力損失が小さく、選択係数の小さなイオンも定量的に濃縮することができるというモノリスの特徴を維持したまま、陽イオン交換基と陰イオン交換基の内部塩形成反応により、イオン交換容量を低くすることができる。このような多孔質イオン交換体は、優れたイオン吸着特性を保持したままで、吸着したイオンを容易に脱着するといった従来の多孔質イオン交換体にはない特異的な特性を示す。この特異的なイオン吸着/脱着挙動は、イオン濃縮カラムに応用することで、イオン溶離能力が比較的低い水酸化カリウム系溶離液を用いてもイオン濃縮カラムからのイオンの脱着がスムーズとなり、従来の多孔質イオン交換体を充填した濃縮カラムでは得られなかった良好なクロマトグラムを得ることができる。
本発明の有機多孔質イオン交換体(以下、単に「多孔質イオン交換体」とも言う。)の基本構造である多孔質ポリマー(以下、「多孔質体」とも言う。)は、互いにつながっているマクロポアとマクロポアの壁内に平均径が0.1〜1000μm、好ましくは1〜100μmのメソポアを有する連続気泡構造である。連続気泡構造とは、通常、平均径2〜5000μmのマクロポアとマクロポアが重なり合い、この重なる部分が共通の開口となるメソポアを有するもので、その大部分がオープンポア構造のものである。該オープンポア構造は水を流せば、該マクロポアと該メソポアで形成される気泡内が流路となる。マクロポアとマクロポアの重なりは、1個のマクロポアで1〜12個、多くのものは3〜10個である。メソポアの平均径が0.1μm未満であると、通液時の圧力損失が大きくなってしまい、一方、メソポアの平均径が1000μmより大きいと、イオン濃縮カラムに適用した場合、イオンの濃縮効率が低下してしまう点で好ましくない。
また、該多孔質ポリマーは全細孔容積が1〜50ml/gである。全細孔容積が1ml/g未満であると、単位断面積当りの通液量が小さくなってしまい、圧力損失が大きくなってしまうため好ましくない。一方、全細孔容積が50ml/gを超えると、骨格部分のポリマーの占める割合が低下し、多孔質体の強度が著しく低下してしまうため好ましくない。連続気泡を形成する骨格部分のポリマーは、架橋構造を有する有機ポリマー材料を用い、該ポリマー材料はポリマー材料を構成する全構成単位に対して、1〜90モル%の架橋構造単位を含むことが好ましい。架橋構造単位が1モル%未満であると、機械的強度が不足し、膨潤・収縮に対する耐久性が低下してしまうため好ましくなく、一方、90モル%を越えると、イオン交換基の導入が困難となるため好ましくない。
該ポリマー材料の種類に特に制限はなく、例えば、ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリビニルベンジルクロライド、ポリスチレンスルホン酸エチル、ポリスチレンスルホン酸シクロヘキシル、ビニル安息香酸ブチルエステル等のスチレン系ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン等のポリ(ハロゲン化オレフィン);ポリアクリロニトリル等のニトリル系ポリマー、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸-2-エチルヘキシル、ポリアクリル酸エチル等の(メタ)アクリル系ポリマー;スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、スチレン−スチレンスルホン酸アルキルエステル−ジビニルベンゼン共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキルエステル−ジビニルベンゼン共重合体、スチレン−アクリル酸アルキルエステル−ジビニルベンゼン共重合体、ビニルベンジルクロライド−ジビニルベンゼン共重合体、ビニルベンジルクロライド−スチレンスルホン酸アルキルエステル−ジビニルベンゼン共重合体、ビニルベンジルクロライド−メタクリル酸アルキルエステル−ジビニルベンゼン共重合体、ビニルベンジルクロライド−アクリル酸アルキルエステル−ジビニルベンゼン共重合体等が挙げられる。上記ポリマーは、単独のモノマーを重合させて得られるホモポリマーでも、複数のモノマーを重合させて得られるコポリマーであってもよく、また、2種類以上のポリマーがブレンドされたものであってもよい。これら有機ポリマー材料の中で、本発明を達成する上で、スチレン−スチレンスルホン酸エチル−ジビニルベンゼン共重合体、スチレン−メタクリル酸2-エチルヘキシル−ジビニルベンゼン共重合体、ビニルベンジルクロライド−スチレンスルホン酸エチル−ジビニルベンゼン共重合体、ビニルベンジルクロライド−メタクリル酸2-エチルヘキシル−ジビニルベンゼン共重合体が好ましい材料として挙げられる。本発明の複合多孔質イオン交換体の連続気泡構造は、SEM写真で比較的容易に観察できる。
本発明の多孔質イオン交換体は、多孔質ポリマーに陽イオン交換基と陰イオン交換基が均一に導入され、該陽イオン交換基の一部と該陰イオン交換基の全部または該陽イオン交換基の全部と該陰イオン交換基の一部が反応して内部塩を形成している。陽イオン交換基及び陰イオン交換基の導入量は、それぞれ0.01〜5ミリモル/g乾燥多孔質イオン交換体、好ましくは0.02〜4ミリモル/g乾燥多孔質イオン交換体であり、陽イオン交換基の導入量と陰イオン交換基の導入量が互いに異なるものである。陽イオン交換基及び陰イオン交換基の導入量が、それぞれ0.01ミリモル/g乾燥多孔質イオン交換体未満であると、イオン交換能が低すぎるため好ましくない。また5ミリモル/g乾燥多孔質イオン交換体を越えると、多孔質イオン交換体とイオンとの相互作用が強すぎて、イオンの脱着反応が均一に進行しなくなるため、好ましくない。また、陽イオン交換基及び陰イオン交換基の導入量が同じであると、内部反応により余剰のイオン交換基が存在しなくなり、イオン交換容量がゼロとなる。なお、本発明においては、多孔質ポリマーに陽イオン交換基と陰イオン交換基が導入されるが、これは例えばベタインのような1官能基中に陽イオンと陰イオンを有するいわゆる両性イオンと呼ばれるものとは異なり、例えばX−Y−X−Yの繰り返し単位からなる共重合体において、繰り返し単位Xに陽イオン交換基が導入され、繰り返し単位Yに陰イオン交換基が導入されるように、1つの官能基(交換基)は陽イオン交換基か、あるいは陰イオン交換基のいずれかとなるものである。
このように、同一の多孔質ポリマーに陽イオン交換基と陰イオン交換基が導入されると、陽イオン交換基の一部と陰イオン交換基の全部、または陽イオン交換基の全部と陰イオン交換基の一部が反応して内部塩を形成し、余剰のイオン交換基のみがイオン交換反応に関与するようになる。したがって、イオン交換基を多孔質ポリマーに大量に導入しても、陽イオン交換基導入量と陰イオン交換基導入量の比率をコントロールすることで、見かけ上のイオン交換容量を大幅に低減することができる。なお、従来のカチオンモノリスまたはアニオンモノリスのように、同じイオン交換基が導入されたイオンモノリスの場合、陽イオン交換基又は陰イオン交換基のいずれか一方でイオン交換容量を低くしても、イオン交換体は疎水性で硬くなり、加工が容易ではなくなり実用に供し得ない。
本発明の多孔質イオン交換体は、イオン交換容量が0.05〜4mg当量/g乾燥多孔質イオン交換体である。イオン交換容量の最適値は用途によって異なるが、イオン濃縮カラムに用いる場合は、イオンの濃縮と溶離のバランスを良好に維持するために、イオン交換容量を0.5〜2mg当量/g乾燥複合多孔質イオン交換体に設定することが好ましい。また、多孔質イオン交換体の親水性と柔軟性を維持するためには、イオン交換基導入量は多い方が好ましく、多孔質ポリマーがスチレン系共重合体の場合、ベンゼン環1個当り0.8個以上のイオン交換基が導入されていることが好ましい。なお、「イオン交換基が均一に分布された」とは、相分離した特定の部位にイオン交換基が導入されているのではなく、イオン交換基が少なくともμmオーダーで偏りなく分布していることを指す。イオン交換基の分布状況は、EPMA等を用いることで、比較的簡単に確認することができる。
多孔質ポリマーに導入される陽イオン交換基としては、カルボン酸基、イミノジ酢酸基、スルホン酸基、リン酸基等が挙げられ、陰イオン交換基としては、四級アンモニウム基、三級アミノ基、二級アミノ基、一級アミノ基、スルホニウム基、ホスホニウム基等が挙げられる。
次に、本発明の多孔質イオン交換体の製造方法について説明する。当該多孔質イオン交換体は、イオン交換基に変換される官能基を有する油溶性モノマー、架橋剤、界面活性剤、水及び必要に応じて重合開始剤とを混合し、油中水滴型エマルジョンを得る工程(以下、「油中水滴型エマルジョン形成工程」とも言う。)、前記油中水滴型エマルジョンを重合させる工程(以下、「重合工程」とも言う。)、前記工程で得られた多孔質体中の前記官能基をイオン交換基に変換する工程(以下、「イオン交換基導入工程」とも言う。)、の各工程を経て製造される。
油中水滴型エマルジョン形成工程で使用される「イオン交換基に変換される官能基を有する油溶性モノマー」中の「イオン交換基に変換される官能基」とは、それ自身はイオン交換基ではないが何らかの反応を経ることでイオン交換基を生成する官能基を指す。このような官能基としては、カルボン酸エステル基、スルホン酸エステル基、クロロメチル基等が挙げられる。カルボン酸エステル基やスルホン酸エステルは、加水分解することで陽イオン交換基であるカルボキシル基やスルホン酸基に変換できる。クロロメチル基は、アミンと反応させることで陰イオン交換基であるアミノ基や四級アンモニウム基に変換できる。なお、このような官能基変換反応は一段階の反応に限定されるわけではなく、二段階以上の官能基変換反応を経るものであってよい。二段階以上の反応を経るものとしては、例えば、ベンゼン環にクロロメチル基を導入し、更にアミノ基を有する化合物と反応させ陰イオン交換基を導入する方法が挙げられる。したがって、スチレン等芳香族環を有するビニルモノマーも、本発明のイオン交換基に変換される官能基を有する油溶性モノマーの中に包含される。
また、「油溶性モノマー」とは、水に対する溶解性が低く、親油性のモノマーを指すものである。これらモノマーの具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン、ビニルベンジルクロライド、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジビニルナフタレン、ビス(4-ビニルフェニル)スルホン、ビニル安息香酸メチル、ビニル安息香酸エチル、ビニル安息香酸ブチル、スチレンスルホン酸メチル、スチレンスルホン酸エチル、スチレンスルホン酸ブチル、スチレンスルホン酸シクロヘキシル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸グリシジル等が挙げられる。これらモノマーは、1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。ただし、本発明においては、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、ジビニルナフタレンビス(4-ビニルフェニル)スルホン等の架橋性モノマーを少なくとも油溶性モノマーの一成分として選択し、その含有量を全油溶性モノマー中、1〜90モル%、好ましくは2〜80モル%とすることが、後の工程でイオン交換基量を多く導入するに際して必要な機械的強度が得られる点で好ましい。
油中水滴型エマルジョン形成工程で使用される界面活性剤は、イオン交換基に変換される官能基を有する油溶性モノマーと水とを混合した際に、油中水滴型(W/O)エマルジョンを形成できるものであれば特に制限はなく、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート、スクロースモノステアレート、スクロースジステアレート、スクロースジラウレート、スクロースジオレエート、スクロースジパルミテート、フラクトースモノパルミテート、フラクトースジパルミテート、グルコースモノデカノエート、グルコースモノオクタノエート、グルコースジオクタノエート、ラクトースジラウレート、マルトースモノラウレート、マルトースジラウレート、マンノースモノデカノエート、マンノースジデカノエート、アラビトール脂肪酸エステル、マンニトール脂肪酸エステル、キシリトール脂肪酸エステル、エリスリトールモノオレエート、マンニトールモノラウレート、キシリトールジオレエート、エチルグルコピラノシドジドデカノエート、エチルガラクトピラノシルグルコピラノシドジドデカノエート、エチルガラクトピラノシルグルコピラノシドモノドデカノエート、メチルマンノシドジドデカノエート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンアクリレート、ポリオキシエチレンメタクリレート、ポリオキシブチレンアクリレート、ポリオキシブチレンメタクリレート等の非イオン界面活性剤;オレイン酸カリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム等の陰イオン界面活性剤;ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、トリヘキサデシルメチルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルアルキルアンモニウムクロライド、ベンジルメチルジアルキルアンモニウムクロライド、ジメチルエルシルビニルベンジルアンモニウムクロライド、ドデシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、ビ(セチルピリジニウム)ジクロライド、ラウリルピリジニウムクロライド、ヘキサデシルピリジニウムクロライド、ラウリルイソキノリニウムブロミド、ヘキサデシルトリブチルホスホニウムブロミド、ジエチルヘプタデシルイミダゾリニウムメチルホスフェート、オレイルヒドロキシエチルビニルベンジルイミダゾリニウムクロライド等の陽イオン界面活性剤;ラウリルジメチルベタイン等の両性界面活性剤を用いることができる。これら界面活性剤は1種単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。なお、油中水滴型エマルジョンとは、油相が連続相となり、その中に水滴が分散しているエマルジョンを言う。上記界面活性剤の添加量としては、油溶性モノマーの種類および目的とするエマルジョン粒子(マクロポア)の大きさによって大幅に変動するため一概には言えないが、油溶性モノマーと界面活性剤の合計量に対して約2〜70%の範囲で選択することができる。また、必ずしも必須ではないが、多孔質ポリマーの気泡形状やサイズを制御するために、メタノール、ステアリルアルコール等のアルコール;ステアリン酸等のカルボン酸;オクタン、ドデカン、トルエン、キシレン等の炭化水素を系内に共存させることもできる。
油中水滴型エマルジョン形成工程で必要に応じて使用される重合開始剤は、熱及び光照射によりラジカルを発生する化合物が好適に用いられる。重合開始剤は水溶性であっても油溶性であってもよく、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、過酸化ベンゾイル、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素−塩化第一鉄、過硫酸ナトリウム−酸性亜硫酸ナトリウム、テトラメチルチウラムジスルフィド等が挙げられる。ただし、場合によっては、重合開始剤を添加しなくても加熱のみや光照射のみで重合が進行する系もあるため、そのような系では重合開始剤の添加は不要である。
イオン交換基に変換される官能基を有する油溶性モノマー、界面活性剤、水及び重合開始剤とを混合し、油中水滴型エマルジョンを形成させる際の混合方法としては、特に制限はなく、各成分を一括して一度に混合する方法、油溶性モノマー、界面活性剤及び油溶性重合開始剤である油溶性成分と、水や水溶性重合開始剤である水溶性成分とを別々に均一溶解させた後、それぞれの成分を混合する方法などが使用できる。エマルジョンを形成させるための混合装置についても特に制限はなく、通常のミキサーやホモジナイザー、高圧ホモジナイザー等を用いることができ、目的のエマルジョン粒径を得るのに適切な装置を選択すればよいが、得られる多孔質体の細孔分布を均一化するためには、被処理物を混合容器に入れ、該混合容器を傾斜させた状態で公転軸の周りに公転させながら自転させることで被処理物を攪拌混合する、所謂遊星式攪拌装置と称されるものを用いることが好ましい。この遊星式攪拌装置は、例えば、特開平6-71110号公報や特開平11-104404号公報等に開示されているような装置である。本装置の原理は、混合容器を公転させながら自転させることにより、その遠心力作用を利用して該被処理物中の比重の重い成分を外側に移動させ攪拌すると共に、混入する気体をその反対方向に押し出して脱泡するものである。更に、該容器は公転しながら自転しているため、該容器内の該被処理物にらせん状に流れ(渦流)が発生し、攪拌作用を高める。該装置は大気圧下で運転しても良いが、脱泡を短時間で完全に行うためには、減圧下で運転することが好ましい。また、混合条件についても特に制限はなく、目的のエマルジョン粒径を得ることができる攪拌回転数や攪拌時間を、任意に設定することができる。
このようにして得られた油中水滴型エマルジョンを重合させる重合条件は、モノマーの種類、開始剤系により様々な条件が選択できる。例えば、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、過硫酸カリウム等を用いたときには、不活性雰囲気下の密封容器内において、30〜100℃で1〜48時間加熱重合させればよく、開始剤として過酸化水素-塩化第一鉄、過硫酸ナトリウム-酸性亜硫酸ナトリウム等を用いたときには、不活性雰囲気下の密封容器内において、0〜30℃で1〜48時間重合させればよい。重合終了後、内容物を取り出し、必要であれば、未反応モノマーと界面活性剤除去を目的に、イソプロパノール等の溶剤で抽出して有機多孔質体を得る。すなわち、油中水滴型エマルジョンのうち、油分が重合して骨格構造を形成し、水滴部分が気泡部を形成することになる。
次に、前記重合工程で得られた多孔質体中の官能基をイオン交換基に変換する工程(イオン交換基導入工程)について説明する。多孔質体に導入された官能基をイオン交換基に変換する方法は、イオン交換基に変換される官能基の種類によって異なる。例えば、イオン交換基に変換される官能基が、スルホン酸エステル基やカルボン酸エステル基の場合、酸もしくは塩基を触媒とした加水分解反応により、スルホン酸基やカルボキシル基といった陽イオン交換基に変換される。また、イオン交換基に変換される官能基がエポキシ基の場合、亜硫酸ナトリウムと反応させることでスルホン酸基が、ジカルボン酸と反応させることでカルボキシル基といった陽イオン交換基が導入できる。多孔質体がスチレン−ジビニルベンゼン共重合体等であればクロロ硫酸や濃硫酸、発煙硫酸を用いてスチレン由来のベンゼン環をスルホン化し、陽イオン交換基であるスルホン酸基を導入することできる。一方、イオン交換基に変換される官能基がクロロメチル基の場合、一級アミノ基や二級アミノ基を含む化合物と反応させることで、二級アミノ基や三級アミノ基といった弱塩基性陰イオン交換基に変換でき、三級アミノ基を含む化合物と反応させることで強塩基性陰イオン交換基である四級アンモニウム基に変換できる。また、イオン交換基に変換される官能基がエポキシ基の場合、アミノ基を含む化合物と反応させることで陰イオン交換基への変換ができる。なお、このような官能基変換反応は一段階の反応に限定されるわけではなく、二段階以上の官能基変換反応を経るものでもよい。例えば、ベンゼン環にクロロメチル基を導入し、更にアミノ基を含む化合物と反応させ陰イオン交換基を導入する方法であってもよい。また、上記反応を一括して行ってもよい。例えば、ビニルベンジルクロライド−スチレンスルホン酸エチル−ジビニルベンゼン共重合体とトリメチルアミンを反応させた場合、ビニルベンジルクロライド中のクロロメチル基とトリメチルアミンが反応し陰イオン交換基である四級アンモニウム基が導入されるが、トリメチルアミンが塩基性であるため、スチレンスルホン酸エチルが加水分解を受け、陽イオン交換基であるスルホン酸基が生成する。
なお、これらにイオン交換基導入工程は、多孔質体の骨格部分を形成する架橋ポリマー部分に対してのみに限定されるわけではなく、多孔質体にラジカル開始基や連鎖移動基を導入し、イオン交換基に変換される官能基を有するモノマーをグラフト重合し、次いでイオン交換基変換反応を行っても良い。なお、変換後のイオン交換基としては、カルボン酸基、イミノジ酢酸基、スルホン酸基、リン酸基、リン酸エステル基等の陽イオン交換基;四級アンモニウム基、三級アミノ基、二級アミノ基、一級アミノ基、ポリエチレンイミン、第三スルホニウム基、ホスホニウム基等の陰イオン交換基が挙げられる。
多孔質ポリマーにイオン交換基が導入されると、前述の如く、陽イオン交換基の一部と陰イオン交換基の全部、陽イオン交換基の全部と陰イオン交換基の一部、又は陽イオン交換基の一部と陰イオン交換基の一部は反応して内部塩を形成し、余剰のイオン交換基のみが存在し、イオン交換反応に関与することになる。
本発明のイオン濃縮カラムは、上記多孔質イオン交換体を所定の容器に挿入できる形状に切り出したものを充填するか、または、該容器内で多孔質イオン交換体を製造することによって得られる。イオン濃縮カラムとは、発電所用水、半導体製造などの精密加工洗浄用水、食品加工用水、水道用水、環境水質分析などの分野において、液中の微量イオン性物質の定量分析に使用されるものである。
前記いずれの方法によって多孔質イオン交換体を充填したイオン濃縮カラムを作成する場合も、従来のμmオーダーの微小粒子よりなる充填剤を分散媒に分散させてスラリーとなし、該スラリーをカラムに流通させて均一な充填層を形成する場合に比して、特別な設備と熟練を要することなく遥かに容易に均一充填カラムを得ることができる。該容器内で多孔質イオン交換体を製造するには、前記油中水滴型(W/O)エマルジョンを容器内で形成させるか、または別容器で作成した該エマルジョンを該容器に充填した後、上述の重合工程、イオン交換基導入工程を行う。該容器の形状は、特に限定されるものではないが、円柱状、円盤状、またはキャピラリーが均一な通液を達成する上で好適である。本発明の多孔質イオン交換体は、多孔質体の親水性と柔軟性を保持したままで陽イオン交換基と陰イオン交換基の内部塩形成反応を利用してイオン交換容量を低下させることが可能なため、切り出しやカラムへの充填が容易であり、充填後のショートパスも抑制できる。また、カラムにエマルジョンを充填し、重合後イオン交換基を導入する方法においても、イオン交換基導入後の多孔質イオン交換体が親水性と柔軟性を十分保持しているため、ショートパスの抑制が可能である。さらに、本発明のイオン濃縮カラムはイオン交換容量を格段に小さくすることができるため、イオン溶離能力が比較的低い水酸化カリウム系溶離液を用いてもイオン濃縮カラムからのイオンの溶離がスムースであり、良好なクロマトグラムを得ることができる。
本発明のイオンクロマトグラフィー装置は、少なくともイオン濃縮カラムを組み込んでなるものである。イオン濃縮カラムの後段には、下流側に向けて順に、ガードカラム、分離カラム、サプレッサー及び検出器が設置される。ガードカラムは必要に応じて設置される任意の構成要素である。
分離カラムは、測定対象イオンを各イオン毎に分離するものであり、通常内径2〜5mm、長さ200〜300mm程度であって、直径3〜20μm程度の粒状イオン交換体あるいはモノリス形有機多孔質イオン交換体が充填される。サプレッサーは、分離カラムの後段に設置され、検出器での測定のS/N比を向上させるために用いられる。イオンクロマトグラフィー装置の検出器としては、通常導電率計が用いられているので、検出時にS/N比を向上させるためには、測定対象イオン以外の成分である溶離液中の溶離成分の導電率を低減すると共に、測定対象イオンをより導電率の高いものへと変換させている。サプレッサーには、測定対象イオンに応じたイオン交換体が用いられる。すなわち、測定対象イオンが陰イオンである場合には陽イオン交換体を、測定対象イオンが陽イオンである場合には陰イオン交換体を用いる。例えば、測定対象イオンが陰イオン(ここでは例として塩化物イオンを挙げる)であって、溶離液として水酸化ナトリウム水溶液を用いる場合、サプレッサーにはH形の陽イオン交換体が用いられる。当該陽イオン交換体は、溶離液中のナトリウムイオンを水素イオンに交換して低導電率の水を生成させ、かつ溶離してくる測定対象イオンについては、その対イオンをナトリウムイオンから水素イオンに交換させることで、溶存形態を塩化ナトリウムから、より高導電率の塩酸に変換させ、測定のS/N比を向上させるように作用する。
溶離液としては、従来と同様の酸又はアルカリの使用が可能であり、例えば、
分離カラムの充填剤が有機多孔質陰イオン交換体の場合は、炭酸水素ナトリウム
、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム及び四ほう酸ナトリウムなどのアルカリを
単独または混合して用いることができ、また、分離カラムの充填剤が有機多孔質
陽イオン交換体の場合には、硝酸、硫酸、塩酸及び酒石酸などの酸を単独または
混合して用いることができる。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
(陽イオン交換基と陰イオン交換基を導入した多孔質イオン交換体の製造)
ビニルベンジルクロライド83ミリモル、スチレンスルホン酸エチル30ミリモル、ジビニルベンゼン13ミリモル、アゾビスイソブチロニトリル1.6ミリモル及びソルビタンモノオレエート2.25gを混合し、均一に溶解させた。次に、当該混合物を180mlの純水に添加し、500ml容量の円筒型容器に入れ、遊星式撹拌装置(VMX-360、EME社製)を用いて−0.08MPaの減圧下、公転回転数1800rpm、自転回転数600rpmで5分間攪拌し、油中水滴型エマルジョンを得た(油中水滴型エマルジョン形成工程)。乳化終了後、窒素で十分置換した後密封し、静置下60℃で24時間重合させた(重合工程)。重合終了後、内容物を取り出し、イソプロパノールで18時間ソックスレー抽出し、未反応モノマーとソルビタンモノオレエートを除去した後、85℃で一昼夜減圧乾燥した。このようにして得られたビニルベンジルクロライド/スチレンスルホン酸エチル/ジビニルベンゼン共重合体よりなる多孔質体(次式の(I))(架橋成分を10モル%含有)から6.6gを切り出して、テトラヒドロフラン900mlおよびジメチルエタノールアミン177ミリモルを加え、40℃で6時間反応させた。反応終了後、多孔質イオン体を取り出し、メタノールで洗浄後水洗し、乾燥して多孔質イオン交換体(次式の(II))を得た。
Figure 0004333919
IR測定の結果より、この多孔質イオン体中には四級アンモニウム基に帰属される吸収(1630cm−1、3390cm−1)とスルホン酸基に帰属される吸収(1033cm−1)は認められたが、スルホン酸エステル基の吸収(1176cm−1)は認められなかった。このことから、この多孔質イオン交換体にはスルホン酸エステル基の加水分解によって生じた陽イオン交換基であるスルホン酸基と、クロロメチル基とジメチルエタノールアミンとの反応で生成した陰イオン交換基である四級アンモニウム基が導入されていることを確認した。また、これらイオン交換基の分布状況を確認するため、硫黄原子および塩素原子の分布をEPMAで測定した。その結果、硫黄原子、塩素原子共に多孔質体中に均一に分布していることが確認できた。導入されたイオン交換基を定量するため、元素分析により硫黄含有量及び窒素含有量を定量し、スルホン酸基導入量と四級アンモニウム基導入量を算出したところ、それぞれ1.5ミリモル/g乾燥多孔質体、3.9ミリモル/g乾燥多孔質体であった。この多孔質イオン体のイオン交換容量を滴定により求めたところ、陰イオン交換容量は1.6mg当量/g乾燥多孔質体、陽イオン交換容量は0mg当量/g乾燥多孔質体であった。このことはスルホン酸基の全部と四級アンモニウム基の一部が反応し、四級アンモニウム基が余剰イオンとなったことを示す。また、SEM観察の結果、多孔質体の連続気泡構造が確認できた。SEM観察結果から求めたマクロポアの平均径は20μmであり、マクロポアとマクロポアの重なりで形成されるメソポアの直径の平均値は8μm、多孔質ポリマー部分の全細孔容積は8.2ml/gであった。なお、メソポアの直径の平均値および全細孔容積は、水銀圧入法を用いて測定した。
実施例2
(陽イオン交換基と陰イオン交換基を導入した多孔質イオン交換体の製造)
ビニルベンジルクロライド83ミリモルに代えて、ビニルベンジルクロライド96ミリモルとし、スチレンスルホン酸エチル30ミリモルに代えて、スチレンスルホン酸エチル20ミリモルとした以外、実施例1と同様の油中水滴型エマルジョン形成工程、重合工程及び乾燥を行い、ビニルベンジルクロライド/スチレンスルホン酸エチル/ジビニルベンゼン共重合体よりなる多孔質体(架橋成分を10モル%含有)を製造した。この多孔質体5.9gを分取し、テトラヒドロフラン900mlおよびジメチルエタノールアミン1633ミリモルを加え、実施例1と同様に反応させた後、洗浄・乾燥し、単離した。実施例1と同様に多孔質体の分析を行った。IR測定結果より、スルホン酸基と四級アンモニウム基の導入が確認され、元素分析から求められたスルホン酸基および四級アンモニウム基の導入量は、それぞれ1.0ミリモル/g乾燥多孔質体、4.5ミリモル/g乾燥多孔質体であった。また、イオン交換基の分布状況をEPMAで観察した結果、イオン交換基は多孔質体中に均一に分布していることが確認できた。滴定から求めたイオン交換容量は、陰イオン交換容量が2.4mg当量/g乾燥多孔質体、陽イオン交換容量が0 mg当量/g乾燥多孔質体であった。また、SEM観察の結果、この多孔質体の内部構造は、連続気泡構造を有しており、平均径20μmのマクロポアの大部分が重なり合い、マクロポアとマクロポアの重なりで形成されるメソポアの直径の平均値は8μm、全細孔容積は8.6ml/gであった。
実施例3
(陽イオン交換基と陰イオン交換基を導入した多孔質イオン交換体の製造)
ビニルベンジルクロライド83ミリモルに代えて、スチレン115ミリモルとし、スチレンスルホン酸エチル30ミリモルに代えて、スチレンスルホン酸エチルを28ミリモルとし、ジビニルベンゼン13ミリモルに代えて、ジビニルベンゼンを12ミリモルとし、乳化時の撹拌条件の公転回転数1800rpm、自転回転数600rpmで5分間攪拌に代えて、公転回転数1000rpm、自転回転数330rpmで2分間攪拌にしたこと以外は、実施例1と同様の油中水滴型エマルジョン形成工程、重合工程及び乾燥を行い、スチレン/スチレンスルホン酸エチル/ジビニルベンゼン共重合体よりなる多孔質体(架橋成分を8モル%含有)を製造した。この多孔質体5.2gを分取し、ジクロロエタン900mlおよびクロロメチルエチルエーテル3.1モルを加え、60℃で6時間反応させ、スチレンユニットにクロロメチル基を導入した。反応終了後、イソプロパノール/水混合溶媒(混合比2:1)で洗浄し、更にテトラヒドロフランで洗浄した。次いで、テトラヒドロフラン900mlとトリメチルアミン150ミリモルを加え、60℃で6時間反応させた。反応終了後、多孔質イオン体を取り出し、メタノールで洗浄後水洗し、乾燥して多孔質イオン交換体を得た。実施例1と同様に多孔質体の分析を行ったところ、IR測定結果より、スルホン酸基と四級アンモニウム基の導入が確認された。元素分析から求められたスルホン酸基および四級アンモニウム基の導入量は、それぞれ1.4ミリモル/g乾燥多孔質体、4.2ミリモル/g乾燥多孔質体であり、EPMAで観察したイオン交換基の分布も均一であった。滴定から求めたイオン交換容量は、陰イオン交換容量が1.5mg当量/g乾燥多孔質体、陽イオン交換容量が0 mg当量/g乾燥多孔質体であった。また、SEM観察の結果、この多孔質体の内部構造は、連続気泡構造を有しており、平均径50μm のマクロポアの大部分が重なり合い、マクロポアとマクロポアの重なりで形成されるメソポアの直径の平均値は20μm、全細孔容積は10.5ml/gであった。
実施例4
(陽イオン交換基と陰イオン交換基を導入した多孔質イオン交換体の製造)
スチレンスルホン酸エチル20ミリモルに代えて、メタクリル酸2-エチルヘキシル20ミリモルとして以外、実施例1と同様の油中水滴型エマルジョン形成工程、重合工程及び乾燥を行い、ビニルベンジルクロライド/メタクリル酸2-エチルヘキシル/ジビニルベンゼン共重合体よりなる多孔質体(架橋成分を10モル%含有)を製造した。この多孔質体6.6gを分取し、テトラヒドロフラン900mlおよびジメチルエタノールアミン185ミリモルを加え、実施例1と同様に反応させた後、洗浄・乾燥し、単離した。実施例1と同様に多孔質体の分析を行った。IR測定結果より、カルボン酸基と四級アンモニウム基の導入が確認され、元素分析から求められたカルボン酸基および四級アンモニウム基の導入量は、それぞれ1.0ミリモル/g乾燥多孔質体、4.8ミリモル/g乾燥多孔質体であった。また、イオン交換基の分布状況をEPMAで観察した結果、イオン交換基は多孔質体中に均一に分布していることが確認できた。滴定から求めたイオン交換容量は、陰イオン交換容量が2.6mg当量/g乾燥多孔質体、陽イオン交換容量が0 mg当量/g乾燥多孔質体であった。また、SEM観察の結果、この多孔質体の内部構造は、連続気泡構造を有しており、平均径20μmのマクロポアの大部分が重なり合い、マクロポアとマクロポアの重なりで形成されるメソポアの直径の平均値は9μm、全細孔容積は9.6ml/gであった。
比較例1
(陰イオン交換基のみを導入した多孔質イオン交換体の製造)
ビニルベンジルクロライド83ミリモルに代えて、ビニルベンジルクロライドを120ミリモルとし、スチレンスルホン酸エチルを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の油中水滴型エマルジョン形成工程、重合工程及び乾燥を行い、ビニルベンジルクロライド/ジビニルベンゼン共重合体よりなる多孔質体(架橋成分を10モル%含有)を製造した。この多孔質体6.0gを分取し、テトラヒドロフラン900mlおよびジメチルエタノールアミン187ミリモルを加え、実施例1と同様に反応させた後、洗浄・乾燥し、単離した。元素分析から求められた四級アンモニウム基の導入量は、4.8ミリモル/g乾燥多孔質体であり、滴定から求めた陰イオン交換容量は4.5mg当量/g乾燥多孔質体であった。また、SEM観察の結果、この多孔質体の内部構造は、連続気泡構造を有しており、平均径20μmのマクロポアの大部分が重なり合い、マクロポアとマクロポアの重なりで形成されるメソポアの直径の平均値は8μm、全細孔容積は9.2ml/gであった。
実施例5
(イオン濃縮カラムの作成と評価)
実施例1で製造した多孔質イオン交換体を切り出し、内径4.6mm、長さ10mmのカラムに充填した。0.5N水酸化ナトリウム水溶液を流速1ml/分で10分間通液し、続いて純水を1ml/分で20分間通水洗浄して、陰イオン交換体をOH形とした後、10mM水酸化カリウム水溶液を1.5 ml/分で1時間通液し、カラムを該水溶液で平衡化して濃縮カラムを得た。平衡化は、35℃恒温槽内で行った。平衡化の終点における通液圧力は、0.005MPaであり、従来の濃縮カラムに比べて、格段の低圧通液が可能であった。
図1に示すように、上記の多孔質イオン交換体を充填したイオン濃縮カラム5を分離カラム6、サプレッサー7および検出器8を有する市販のイオンクロマトグラフィー装置10(DX−320、ダイオネクス製)に接続してイオン濃縮カラムの評価を行った。試料液は、市販のイオンクロマトグラフィー用標準液を混合し、純水で希釈して所定濃度として用いた。即ち、試料液中の各イオン濃度は、フッ化物イオン2.5μg/l、塩化物イオン5.0μg/l、亜硝酸イオン7.5μg/l、臭化物イオン5.0μg/l、硝酸イオン15μg/l、リン酸イオン15μg/l、硫酸イオン20μg/lである。溶離液は、水酸化カリウム水溶液を用い、濃度を10mMから45mMに濃度を上げていくグラジエント条件下で測定した。試料液タンク1より試料液ポンプ3にて試料液を、イオン濃縮カラム5の分離カラム側(下流側)から流速1ml/分で10分間通液し、イオン濃縮カラム5に充填された有機多孔質陰イオン交換体に試料液中に含有される前記各イオンを吸着させて濃縮した。このとき同時に、溶離液タンク2より溶離液ポンプ4にて溶離液を流速0.8ml/分にて送液して、分離カラム6、サプレッサー7、検出器8を流通させ、溶離液による当該部分の安定化を行った。前記濃縮の完了後、試料液ポンプ3を停止し、かつバルブを切り替えて溶離液を濃縮カラムの上流側から流速0.8ml/分にて供給し、イオン濃縮カラム5、分離カラム6、サプレッサー7、検出器8を流通させた。イオン濃縮カラム5に吸着濃縮された前記各イオンを溶離液によって溶離させ、分離カラム6で展開して各イオン成分を分離して、サプレッサーでS/N比を向上させた後に、検出器8で定量的に検出した。得られたクロマトグラムを図2に示した。
比較例2
(イオン濃縮カラムの作成と評価)
比較例1で製造した多孔質イオン交換体を用いたこと以外は、実施例5と同様の方法でイオン濃縮カラムを作成し、その評価を行った。得られたクロマトグラムを図3に示す。
比較例を示す図3は、実施例を示す図2に比べピークのテーリングが大きく、良好なクロマトグラムが得られなかった。これに対し、本発明のイオン濃縮カラムを用いて得られたクロマトグラムは、水酸化カリウム水溶液を溶離液に用い、従来のイオン濃縮カラムを用いて得られたクロマトグラムと比較して、ピークのテーリングが抑制されていることがわかる。
イオンクロマトグラフィー装置の構成を模式的に示す図である。 実施例5で得られたクロマトグラムである。 比較例2で得られたクロマトグラムである。
符号の説明
1 試料液タンク
2 溶離液タンク
3 試料液ポンプ
4 溶離液ポンプ
5 濃縮カラム
6 分離カラム
7 サプレッサー
8 検出器
10 イオンクロマトグラフィー装置

Claims (5)

  1. イオン交換基に変換される官能基を有する油溶性モノマー、架橋剤、界面活性剤、水及び必要に応じて重合開始剤とを混合し、油中水滴型エマルジョンを得る工程と、前記油中水滴型エマルジョンを重合させる工程と、前記工程で得られた多孔質体中の前記官能基を陽イオン交換基と陰イオン交換基に変換する工程と、
    を行い得られる有機多孔質イオン交換体であり、
    互いにつながっているマクロポアとマクロポアの壁内に平均径が0.1〜1000μmのメソポアを有する連続気泡構造であって、全細孔容積が1〜50ml/gの多孔質ポリマーに陽イオン交換基と陰イオン交換基が均一に導入され、該陽イオン交換基の一部と該陰イオン交換基の全部または該陽イオン交換基の全部と該陰イオン交換基の一部が反応して内部塩を形成し、イオン交換容量が0.05〜4mg当量/g乾燥多孔質イオン交換体であることを特徴とする有機多孔質イオン交換体。
  2. 前記陽イオン交換基の導入量が0.01〜5ミリモル/g乾燥多孔質イオン交換体、前記陰イオン交換基の導入量が0.01〜5ミリモル/g乾燥イオン多孔質イオン交換体であり、且つ前記陽イオン交換基の導入量と前記陰イオン交換基の導入量が互いに異なることを特徴とする請求項1記載の有機多孔質イオン交換体。
  3. イオン交換基に変換される官能基を有する油溶性モノマー、架橋剤、界面活性剤、水及び必要に応じて重合開始剤とを混合し、油中水滴型エマルジョンを得る工程
    前記油中水滴型エマルジョンを重合させる工程
    前記工程で得られた多孔質体中の前記官能基を陽イオン交換基と陰イオン交換基に変換して、互いにつながっているマクロポアとマクロポアの壁内に平均径が0.1〜1000μmのメソポアを有する連続気泡構造であって、全細孔容積が1〜50ml/gの多孔質ポリマーに陽イオン交換基と陰イオン交換基が均一に導入され、該陽イオン交換基の一部と該陰イオン交換基の全部または該陽イオン交換基の全部と該陰イオン交換基の一部が反応して内部塩を形成し、イオン交換容量が0.05〜4mg当量/g乾燥多孔質イオン交換体である有機多孔質イオン交換体を得る工程
    を有することを特徴とする有機多孔質イオン交換体の製造方法。
  4. 請求項1または2記載の有機多孔質イオン交換体を充填したことを特徴とするイオン濃縮カラム。
  5. 請求項4記載のイオン濃縮カラムを少なくとも備えることを特徴とするイオンクロマトグラフィー装置。
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