JP4332809B2 - 光導波路及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光導波路及びその製造方法に関する。特に、成形法によって製造される光導波路とその製造方法に関する。
従来の光導波路にあっては、材料に石英を使用し、その石英にイオン注入法やイオン交換法などを適用してコアやクラッドを形成していた。そのため、その製造工程においては、高価な設備や装置を用いた半導体製造プロセスを必要とし、コストが高くついていた。
このため、光導波路を複製法(あるいは、スタンパ法)により製造することによって光導波路をローコスト化する試みも行われている。複製法で最も簡単で低コストな方法は、スタンパにより光導波路コアとなる凹溝を形成されたクラッド基板の表面にコア材料(透明樹脂)を塗布するのみ、あるいは塗布したコア材料を上から押さえつけて平らに押し潰す方法である。しかし、塗布するだけでは、コアの表面に凹凸が生じるので、コアの表面で光が乱反射してコア内の光が漏れ出てしまう。また、塗布したコア材料を押し潰す方法では、クラッド層の表面に押し広げられたコア材料を通じてコア内の光が漏れ出てしまう。この結果、これらの方法では、光信号のS/N比が低下するなど特性の劣化が生じ、要求水準を満たす光導波路の製造が不可能であった。
そこで、次のような改良された複製法が従来より提案されている。例えば、特開昭63−139304号で開示されている高分子光導波路の製造方法では、スタンパによる複製で、光導波路コアとなる凹溝をクラッド基板の表面に形成し、この凹溝内にコア材料(透明樹脂)を流し込む。そして、このコア材料が硬化した後、凹溝からはみ出した余分なコア材料を削り取り、凹溝内に光導波路コアを形成している。
また、特開平9−281351号で開示されている高分子光導波路の製造方法では、クラッド基板に複製された凹溝にコア材料を塗布し、このコア材料が硬化する前に、凹溝からはみ出ている余分なコア材料をゴムヘラやスクレイパー等によって掻き取り、その後でコア材料を硬化させている。
これらの複製法によれば、簡単な設備によって光導波路を製造することができ、その製造工程も簡単になり、非常にローコストな光導波路を作製できるという利点がある。
特開昭63−139304号公報 特開平9−281351号公報 特許第2679760号公報
しかし、一方で、このような複製法による光導波路の製造方法では、次に述べるような問題がある。
まず、コア材料が硬化した後にコア材料を削り取る前者の方法では、クラッド基板とコアの屈折率差があまり大きくないため、コアとクラッドの境界面が分かりにくく、どこまでコアを削り取るべきか判定しにくいという難点がある。また、研磨によってコアを一気に削り取ると、塗布されたコア材料の塗布厚やクラッド基板の厚みにバラツキがあるため、コア材料の不要な部分を完全に除去できなかったり、クラッド基板を削り過ぎたりする恐れがある。そして、コア材料に不要な部分が残ると、光の漏洩を防止できず歩留まりが低下し、また、クラッド基板を削ってしまうとコアサイズが変わり、異なった特性の光導波路になってしまう。一方、個別に注意深くコアを削るようにすれば、手間がかかり、生産性が低下し、製品コストが高くつくという問題がある。
次に、コア材料が硬化する前の未硬化の状態でコア材料を掻き取る後者の方法では、ゴムヘラ等で未硬化のコア材料を完全に除去することは困難であり、どうしても余分なコア材料がクラッド基板の上に残り易い。そして、部分的に不要なコア材料が残ると、コア中に光を閉じ込めることができず、歩留まりの低下につながる。また、余分のコア材料をゴムヘラ等で完全に掻き取ろうとすると、コア材料の表面張力のためにコア材料の表面が窪んだ状態になり、その状態でコア材料を硬化させるとコアの表面に窪みが残ったままになり、この結果光の閉じ込めが悪くなり、S/N比が低下したり、異なった特性となったりして歩留まりが低下するという問題がある。
なお、特許第2679760号には、コアの両側に溝を設けた光導波路が記載されているが、この光導波路では、コアの上面は開放されている。また、余分のコア材料がコアから溝に流出してもいない。また、特開平9−101425号には、クラッド基板に設けた凹溝の両側に空間を形成しているが、これはスピンコート後にもコア材料が凹溝内に残るようにしたものであって、凹溝内のコア材料は凹溝の下部にしか存在せず、上側クラッドで押さえたときに凹溝内のコア材料が空間側へ流出するものではない。
本発明の目的とするところは、複製法によって製作でき、しかも、内部の光(信号)がコア内から漏れにくい構造を有する光導波路を提供することにある。また、当該導波路を製造することができる光導波路の製造方法を提供することにある。
本発明にかかる光導波路は、基板上にクラッド樹脂を塗布し押圧、硬化することにより平坦な上面を有するクラッド部を設けるとともに前記クラッド部の前記上面に凹部を設け、前記凹部にコア材料を充填し、該コア材料を型面で押圧してコアを形成した光導波路において、前記クラッド部は、前記凹部の容積よりも大きな容積を持ち、かつ、前記上面に連通する少なくとも一つの空間を有し、前記コアの光軸方向に対して垂直な断面において、前記空間の前記上面から測った深さが前記凹部の深さよりも深く、前記空間の最も深い領域は、前記基板の上面と平行になっており、前記空間の最も深い領域と前記基板の上面との距離が7μm以下であることを特徴としている。ここで、型面とは、コア材料を成形または均すための面であって、例えば、スタンパ、金型、成形済の別なクラッド部分に形成されている。また、空間とは、窪み、開口、空隙、空中などを含む広い概念であり、閉じた空間でも開いた空間でもよい。また、クラッド部分の界面には、異なる工程で成形された同一樹脂からなるクラッド部分どうしの界面も含まれる。
本発明にかかる光導波路のある実施態様は、前記クラッド部の上面と前記コアの上面とが、ほぼ同じ高さに位置していることを特徴としている。
本発明にかかる光導波路の別な実施態様は、前記空間の側壁面が傾斜していることを特徴としている。
本発明にかかる光導波路のさらに別な実施態様は、前記コアが、樹脂からなることを特徴としている。
本発明にかかる光導波路のさらに別な実施態様は、前記コアと前記クラッド部が同種の材料からなり、前記コアの屈折率が前記クラッド部の屈折率よりも高いことを特徴としている。
本発明にかかる光通信部品は、本発明にかかる光導波路と、該光導波路の接続手段となるコネクタとを備えたものである。
本発明にかかる光導波路の製造方法は、基板上にクラッド樹脂を塗布する工程と、コア形成用の凹部を成形するための第一の凸部と、前記凹部の深さよりも深く、最も深い領域が前記基板の上面と平行となる空間を成形するための第二の凸部とを有する第一のスタンパの型面により、前記基板の上面と前記第二の凸部の最も高い領域とが平行になるように、かつ、前記第二の凸部と前記基板が接触することなく前記基板と前記第二の凸部の最も高い領域の間の前記クラッド樹脂の厚みが7μm以下になるように、前記クラッド樹脂を押圧して硬化させ、上面に前記凹部と前記空間が形成されたクラッド部を形成する工程と、前記凹部にコア材料を供給する工程と、平板状の型面を有する第二のスタンパの前記型面と前記クラッド部の上面とを互いに押圧させ、前記凹部に前記コア材料を保持するとともに、前記クラッド部の上面と前記第二のスタンパに挟まれた余剰のコア材料を前記空間へ逃がすようにし、かつ、前記第二のスタンパと前記クラッド部の間に所定の圧力をかけた状態で前記コア材料を硬化させてコアを形成する工程とを有することを特徴としている。
本発明にかかる光導波路の製造方法のある実施態様は、前記クラッド部の界面と前記コアの上面がほぼ同じ高さに位置するように形成することを特徴としている。
本発明にかかる光導波路の製造方法の別な実施態様は、前記空間は、その側壁面が傾斜するように形成されていることを特徴としている。
本発明にかかる光導波路の製造方法のさらに別な実施態様は、前記コアが、樹脂によって形成されていることを特徴としている。
本発明にかかる光導波路の製造方法のさらに別な実施態様は、前記コア材料と前記クラッド部が同種の材料からなり、前記コアの屈折率が前記クラッド部の屈折率よりも高いことを特徴としている。
なお、本発明の以上説明した構成要素は、可能な限り任意に組み合わせることができる。
本発明の光導波路及びその製造方法によれば、スタンパを用いた複製法などによって光導波路を容易に製作することができる。しかも、クラッド部分の界面に付着したコア材料や凹部からはみ出したコア材料は、型面で押圧されることにより前記空間へ流動することができる。そのため、コアの周囲のクラッド部分界面に残っているコア材料を、実用上十分に短い時間で、コア内の光を漏洩させない薄さにすることができる。また、クラッド部分の界面のコア材料を速やかに薄くすることができるので、コア材料の広がる速度が速くなり、量産性の高い光導波路が得られる。こうしてコアの両側の領域では、コア材料を非常に薄くすることができるので、コア材料のはみ出しがあってもコア内の光信号が漏れにくく、光導波路の光伝送品質を良好に保つことができる。
以下、本発明の実施例を図面に従って詳細に説明する。ただし、本発明は以下に説明する実施例に限定されるものでないことは勿論である。
(第1の実施形態)
図1(a)は本発明の一実施形態による光導波路1の構造を示す断面図である。この光導波路1は、クラッド基板2の凹溝3にコア4を形成したものとなっている。クラッド基板2は比較的屈折率の高い透明樹脂によって形成されており、その上面の一部には光導波路コアとなる凹溝3が設けられ、また、クラッド基板2上面の、凹溝3と隣接する領域には平坦部5が形成され、凹溝3に対して平坦部5を隔てた領域において、クラッド基板2の上面には比較的大きな窪み6が形成されている。また、凹溝3内には、クラッド基板2に用いられている透明樹脂よりも屈折率の高い透明樹脂が埋め込まれてコア4が形成されており、クラッド基板2の上面には、プレート状の上クラッド部7が貼り合わされている。コア4の幅及び高さは、シングルモード導波路であれば、6μm前後にすればよい。コア4は、上クラッド部7やクラッド基板2に用いられている透明樹脂よりも屈折率の高い透明樹脂によって形成されている。上クラッド部7の透明樹脂とクラッド基板2の透明樹脂とは異なる樹脂であっても差し支えないが、同じ樹脂を用いるのが望ましい。
平坦部5の上面と上クラッド部7の下面とは密着していることが理想的であるが、この間にはコア4を形成した透明樹脂8が薄く延びていてもよい。ただし、上クラッド部7と平坦部5の間の透明樹脂8の厚みと平坦部5の幅Lは、それぞれコア4内を伝搬する光(信号)が透明樹脂8を通ってコア4から窪み6側へ漏れないだけの薄さと幅を有している必要がある。例えば、上クラッド部7と平坦部5の間の透明樹脂8の厚みとしては、3μm以下、好ましくは1μm以下にしておけばよい。また、平坦部5の幅は、5μm以上、5mm以下の程度にしておけばよく、例えば、50μm程度にすればよい。
窪み6は、コア4を形成した際の余分な透明樹脂8を吸収させるための空間であるが、窪み6には、図1(a)のように透明樹脂8が充填されてもよく、図1(b)のように、空間が残っていてもよい。従って、窪み6内には、凹溝3から押し出された透明樹脂8を吸収できるだけの空間があればよい。例えば、窪み6の容積は、凹溝3の容積よりも大きくしておけばよい。あるいは、窪み6の深さが、10μm以上あれば良く、例えば30μmとすればよい。また、窪み6は、図1(a)(b)では矩形になっているが、図2(a)のように窪み6の側壁面を傾斜させたり、図2(b)のように窪み6の底面にテーパーをつけて傾斜面にしたり、図2(c)のように円形などのなだらかな曲面で構成されていてもよい。
なお、図1に示した光導波路1は最終製品であってもよく、中間製品であっても差し支えない。すなわち、図1に示されているような形状でそのまま光導波路の製品として用いられてもよく、あるいは、例えば図1に示す一点鎖線Cの位置で裁断して窪み6の部分を除去したものを最終製品としてもよい(従って、この場合には、最終製品の光導波路には、窪み6は存在しなくなる。)。
図3(a)(b)(c)はスタンパ9を用いてクラッド基板2を製作する工程を説明する斜視図である。また、図4(a)(b)(c)(d)は、該クラッド基板2を用いて光導波路を製造する工程を説明する斜視図である。スタンパ9は、合成樹脂もしくは金属によって作製されたものであって、スタンパ9の下面には前記クラッド基板2と同じ形状(クラッド基板2と凹凸の反転した形状)をした凹部10が形成されている。しかして、図3(a)に示すように、クラッド基板2を成形するための透明樹脂(紫外線硬化型のクラッド樹脂)11をガラス基板12の上に塗布した後、透明樹脂11の上からガラス基板12にスタンパ9を押しつけ、スタンパ9の凹部10とガラス基板12の間に透明樹脂11を挟み込んで透明樹脂11を凹部10内の全体に押し広げる。ついで、図3(b)に示すように、下面側からガラス基板12を通して紫外線硬化型の透明樹脂11に紫外線(UV光)を照射し、透明樹脂11を硬化させる。透明樹脂11が硬化したら、スタンパ9をガラス基板12から剥離させると、図3(c)のようにガラス基板12の上にクラッド基板2が成形される。こうして形成されたクラッド基板2の上面には、前記のように凹溝3を挟んで平坦部5と窪み6とが成形される。
ついで、図4(a)に示すように、クラッド基板2をガラス基板12から剥離させた後(あるいは、クラッド基板2の下にガラス基板12を残したままでもよい。)、図4(b)に示すように、クラッド基板2の表面にコア材料となる透明樹脂8(紫外線硬化型のコア樹脂)を塗布する。なお、塗布に代えて、充填、注入、滴下、スピンコート、あるいはディップコートなどの方法で、透明樹脂8をクラッド基板2の表面に供給してもよい。このとき、透明樹脂8は、クラッド基板2の全面に塗布してもよいが、凹溝3内のみ、あるいは平坦部5のみに供給されるようにしてもよい。また、透明樹脂8は窪み6内に充填されるように塗布してもよく(窪み6の側面が開放されている場合)、窪み6内が空間となるように塗布してもよい(例えば、窪み6内には塗布しないようにする。)。透明樹脂8をクラッド基板2の全面に塗布する場合には、表面が平らになるように塗布して、図4(b)のように表面段差が生じないようにしてもよい。
この後、透明樹脂8の上からクラッド基板2の上に平板状のスタンパ13を押し付けて加圧し、図4(c)のように、平坦部5の上の透明樹脂8を薄く押し広げる。このとき、スタンパ13と透明樹脂8との間に気泡を噛み込ませないようにするためには、図5に示すような方法が有効である。すなわち、図5(a)に示すように、クラッド基板2の表面に塗布された透明樹脂8の中央部に、透明樹脂8と同じ透明樹脂8aを滴下し、スタンパ13の下面にも透明樹脂8と同じ透明樹脂8bを付着させて垂れ下がらせておく。ついで、スタンパ13を下降させ、図5(b)に示すように、スタンパ13の下面に垂れ下がっている透明樹脂8bの先端を、クラッド基板2の上で盛り上がっている透明樹脂8aに接触させ、さらにスタンパ13を押し下げていくと、図5(c)に示すように、透明樹脂8a、8bは接触した箇所からスタンパ13と透明樹脂8との間の空間に広がっていき、図5(d)に示すように、スタンパ13と透明樹脂8の間は気泡を噛み込むことなく透明樹脂8(8a、8b)で充填される。
なお、気泡の噛み込みを防止するためには、上記の方法と併用して、あるいは上記の方法に代えて、スタンパ13を押しつけながら水平方向に移動させる方法も有効である。また、図5では単体の光導波路を形成する場合において気泡の噛み込みを防止する方法を説明したが、一般的には、ウエハなどの上で複数の光導波路を一度に製作することが多い(図6及びその説明を参照)。このような場合において気泡の噛み込みを防止するためには、個々の光導波路に対して透明樹脂8a、8bを付着させておくのでなく、ウエハの中央部でクラッド基板側とスタンパ下面とにそれぞれ透明樹脂8a、8bを付着させておき、ウエハの中心から周囲へ透明樹脂8a、8bが広がっていくようにすればよい。
こうして、図4(c)のように透明樹脂8をスタンパ13とクラッド基板2の間で加圧して押し広げると、凹溝3内に透明樹脂8が充填されてコア4が成形され、同時に、余分な透明樹脂8は平坦部5とスタンパ13の間の隙間を通って窪み6へ追い出され、ついには、平坦部5とスタンパ13との間の透明樹脂8も非常に薄い層(例えば、厚みが3μm以下、好ましくは1μm以下の層)となるまで押し潰される。
通常、樹脂は厚みが薄くなるほどその流速や流量が低減し、流動性が悪くなるので、樹脂の厚みが薄くなるほど、その厚みをより薄くするのに要する時間がますます長くなる。具体的にいうと、スタンパ13の下面と平坦部5との間に挟まれている透明樹脂8の厚みをh、透明樹脂8の粘度をμ、透明樹脂8に加わっている押圧力をΔp、透明樹脂8の逃げる幅(平坦部5の長さ)をb、透明樹脂8の逃げる長さ(平坦部5の幅)をLとすると、押圧された透明樹脂8がスタンパ13と平坦部5の間の隙間を通って流れる流量Qは、次の(1)式で表される。
Figure 0004332809
上記(1)式に表されているように、流量Qは、透明樹脂8の厚みhの3乗に比例するので、透明樹脂8の厚みが薄くなると、スタンパ13と平坦部5の間の隙間を通ってほとんど流動しなくなる。そこで、平坦部5の幅Lを短くすることにより透明樹脂8の流動性を高めてやれば、透明樹脂8を速やかに薄くすることができる。しかし、平坦部5の幅Lを短くし過ぎると、コア4内の光が平坦部5の上の透明樹脂8を通って漏れる恐れがある。従って、平坦部5の幅Lとしては、5μm以上5mm以下とするのが望ましい。こうして、平坦部5とスタンパ13の間の不要な透明樹脂8は、平坦部5の領域を通って窪み6側に逃げるが、凹溝3は十分に深いので、スタンパ13で加圧しても、凹溝3内の透明樹脂8は流量が低下することなく、凹溝3内で速やかに流動して凹溝3内に均一に分布することが可能である。
ここで、6インチの基板を用いて凹部の両側に幅Lが500μmの平坦部を形成し、その外側に窪みを形成した本発明の模型と、凹部の両側に十分な幅の平坦部を形成して窪みを設けない従来例の模型とを対象とし、それぞれに粘度160cpの樹脂を塗布し、スタンパで押さえて180kgの荷重を加えた場合を想定し、樹脂を所定の膜厚となるまで薄くするのに要する時間をシミュレーションにより求めた結果は、それぞれ次の通りであった。
(1) 樹脂の厚みを4μmから3μmに薄くするのに要した時間
従来例の模型の場合: 2時間程度
本発明の模型の場合: 0.1秒程度
(2) 樹脂の厚みを3μmから2μmに薄くするのに要した時間
従来例の模型の場合: 4.6時間程度
本発明の模型の場合: 0.2秒程度
(3) 樹脂の厚みを2μmから1μmに薄くするのに要した時間
従来例の模型の場合: 15.5時間程度
本発明の模型の場合: 0.6秒程度
(4) 樹脂の厚みを1μmから0.5μmに薄くするのに要した時間
従来例の模型の場合: 66時間程度
本発明の模型の場合: 2.5秒程度
よって、本発明の構造体によれば、膜厚を所望の薄さにするのに要する時間は、従来例の場合と比較して、ほぼ1/90000倍になった。
従って、この工程で透明樹脂8を十分に加圧して、平坦部5とスタンパ13の間に挟まれている透明樹脂8の厚みを十分に薄くし、コア4内を伝わる光信号が透明樹脂8の層を通って外部に漏れ出ないところまで薄くする(スタンパ13と平坦部5の間に透明樹脂8が残らないことが、より望ましい。)ことにより、コア4の充填不足を起こすこと無く、かつ、光の漏洩(信号漏れ)の恐れのない光導波路1を、複製法(スタンパ法)によって短い時間で、容易に製作することができる。
このようにして、平坦部5の表面を覆っている透明樹脂8を十分に薄くした後、クラッド基板2の裏面側から紫外線硬化型の透明樹脂8に紫外線を照射し、透明樹脂8を硬化させる。スタンパ13が光透過型の材質でできている場合には、スタンパ13の上から透明樹脂8に紫外線を照射し、透明樹脂8を硬化させてもよい。このようにスタンパ13で透明樹脂8を押さえつけた状態で、透明樹脂8を硬化させれば、透明樹脂8の硬化収縮を軽減させられる効果がある。
ついで、スタンパ13をクラッド基板2から剥がした後、図4(d)に示すように、スピンコート法やディップコート法などによって硬化した透明樹脂8の上に透明な紫外線硬化型クラッド用樹脂14を塗布し、紫外線を照射してクラッド用樹脂14を硬化させ、透明樹脂8の上面に上クラッド部7を密着させ、目的とする光導波路1を得ることができる。
これまでの説明では、1つの光導波路1の場合について説明したが、実際の製造工程では、複数個の光導波路が一度に製作され、最終工程で個々の光導波路に分割される。例えば、図6に示す実施形態では、1枚の大きなガラス基板(ウエハ)やクラッド基板等の上に複数個の光導波路1Aが互いに離間させて配設されている。ただし、ここでいう光導波路1Aは、コア4(凹溝3)と平坦部5とからなるものであって、窪み6を含んでいなくてもよい。窪み6(窪み6の形成されている領域を、図6では斜線を施して示している。図7、図8についても同様。)は、光導波路1Aの形成されている領域外のほぼ全体にわたって形成されており、特に、基板の外周縁にまで達して基板外周面で外部に開放されている。クラッド基板の上に透明樹脂8を供給する際には、透明樹脂8の塗布量を制御し、基板からはみ出ないように調整することは重要であるが、図6のような構造であれば、余分な透明樹脂8は基板の縁から排出される。また、基板の縁で窪み6を開放しておくことにより、窪み6内の透明樹脂8の圧力が高くなることが無く、スムーズに不要な透明樹脂8を凹溝3や平坦部5から排出させることができる。
また、窪み6は必ずしも図6のように格子状になっていて縦横につながっている必要はなく、図7に示すように、一方向でのみ連続していてもよい。
さらに、窪み6は、必ずしもつながって連続している必要はなく、図8に示すように、あたかも小さな池が基板全体に散在しているような状態でもよい。このときのA−A線断面における斜視図を図9に示す。図8において、クラッド基板2の全面に透明樹脂8を塗布して上クラッド部7で押し潰す方法を用いると、透明樹脂8又はコア4と上クラッド部7との間に気泡を噛み込む恐れがある。そのため、複数個の光導波路分の面積を有するクラッド基板2の中央部に透明樹脂8を滴下し、これを上クラッド部7で押し潰して中央部から周辺部へと透明樹脂8を押し広げながら各凹溝3に透明樹脂8を充填させる場合が多い。
また、中央部に滴下した透明樹脂8を押し広げる際には、凹溝3から押し出されて窪み6内に入った透明樹脂8を、その外側に位置する凹溝3へ再び押し出さなければならないが、窪み6の縁が垂直面になっていると透明樹脂8が窪み6の側壁面で止められるので、透明樹脂8の流れが悪くなったり、透明樹脂8に気泡を巻き込んだりする恐れがある。
さらに、窪み6の側壁面が垂直面になっていると、そこでクラッド基板2の厚みが急激に変化するので、スタンパで押圧してクラッド基板2を成形する際、クラッド基板2の界面(すなわち、凹溝3が形成されている厚みの大きな領域の表面)のうち窪み6の側壁面と隣接する端部領域に応力集中が起こり、垂直面であるべき側壁面が凸状に湾曲したり、凹状に湾曲したりして不均一に変形する。このため、クラッド基板2が変形し、しかも、その変形の仕方も予測が困難である。そして、クラッド基板2の側壁面に変形が発生すると、スタンパを剥離させにくくなったり、無理に剥離させるとクラッド基板2に傷が付いたり、ダストが発生する恐れがある。また、クラッド基板2のうち凹溝3の形成されている領域に変形が発生すると、コア形状も変形して漏光発生などの損失による特性変動の原因になる。また、クラッド基板2に応力集中が発生すると、導波光の偏光依存性が生じ、PDL(Polarization Dependent Loss)特性が悪くなるなど光学的特性が不均一になるので、外観異常を呈したり、温度変化による特性変動が大きくなる恐れがあった。
そのため、この実施形態では、図10(a)に示すように、窪み6の外周の側壁面6aを傾斜させることにより、透明樹脂8の流動性を改善している。すなわち、図10(a)に示すように、クラッド基板2の中央部に透明樹脂8を滴下し、上クラッド部7によって透明樹脂8を上から押えると、凹溝3に充填された透明樹脂8によってコア4が形成される。凹溝3から溢れた大部分の透明樹脂8は、図10(b)に示すように、窪み6の傾斜面に沿って窪み6内に流れ込み、さらに透明樹脂8を押し広げると、図10(c)のように、窪み6内の透明樹脂8は傾斜面をスムーズに登って隣接する凹溝3内に流れ込んで凹溝3内に充填される。このような動きを繰り返すことにより、図10(d)に示すように、クラッド基板2全体の凹溝3に透明樹脂8が充填されてコア4が形成され、透明樹脂8を紫外線照射によって効果させた後、個々に切断することにより、個々の光導波路1が得られる。
さらに、窪み6の側壁面6aを外側に向けて斜め上がりに傾斜させておけば、クラッド基板2をスタンパ法などによって成形する際に、スタンパの剥離性を良好にすることができ、スタンパからクラッド基板2を剥離させるのが容易になる(図31(b)参照)。スタンパの剥離性が良好になると、クラッド基板2の成形が容易になるばかりでなく、スタンパの角でクラッド基板2を引っ掻いてクラッド基板2に傷を付けることが無くなり、傷やダストの付着を解消して光導波路の歩留まりを向上させることができる。また、透明樹脂8を押し広げる際に、窪み6の隅に空気を噛み込む恐れを無くすこともできる。
さらに、窪み6の側壁面6aを傾斜させておくと、クラッド基板2を成形する際の樹脂変形を均一にすることが可能になり、クラッド基板2内に発生する応力のコントロールが可能になる。その結果、クラッド基板2の内部における光学的性質も均一になり、ポリマー導波路の弱点である温度特性を改善し、光導波路の信頼性を向上させることができる。また、クラッド基板2の応力を制御できるので、クラッド基板2におけるクラックの発生を防止し、成形時の変形を抑制することができる。
よって、上記のように窪み6の側壁面6aを傾斜させることにより、透明樹脂8がクラッド基板2の全面にスムーズに押し広げられ、品質の良い光導波路1を歩留まりよく製造することができる。
窪み6の側壁面6aの傾きとしては、クラッド基板2に立てた法線に対する傾きが7°以上あればよい。スタンパの剥離性を良くするためには、傾きを30°以上にすればよいが、窪み6の側壁面6aの傾きをあまり大きくするとクラッド基板2が大面積になるので、10°〜15°程度が最適であると考えられる。また、窪み6の傾斜した側壁面6aは、平面である必要はなく、湾曲面であっても差し支えない。
ここでは、窪み6が個々に独立している場合における窪み6の側壁面6aの傾斜の効果を説明したが、上記の理由からも明らかなように、図6や図7のように隣接する窪み6がつながっている場合でも、窪み6の側壁面6aを傾斜させておくことにより、窪み6から凹溝3へ透明樹脂8を流れ易くするという効果は得られる。
なお、上記実施形態では、スタンパ13で加圧することによって平坦部5の上の透明樹脂8を薄くしたが、成形済みの上クラッド部7、あるいは、下面に上クラッド層を形成された基板を使用して透明樹脂8を薄く押し潰してもよい。このような方法によれば、スタンパ13が不要になるので、工程数を減らすことができる。また、上記実施形態では、紫外線硬化型の透明樹脂8、11やクラッド用樹脂14を使用しているが、この代わりに熱硬化型の樹脂を使用してもよい。また、クラッド基板2を形成する工程は、スタンパ9を用いた複製法によらず、熱プレスやエッチングによりクラッド基板2を成形してもよい。また、コア用の透明樹脂8やクラッド用の透明樹脂11、クラッド用樹脂14としては、PMMA(メタクリル樹脂)、photo−PCB(光硬化型ポリクロロビフェニール)、脂環エポキシ樹脂、光カチオン重合開始剤、アクリレート系樹脂(Si、F含有)、光ラジカル重合開始剤、フッ素化ポリイミドなどを用いることができる(光硬化型に限らない。また、コア用の透明樹脂8として用いるものは、クラッド用の透明樹脂11やクラッド用樹脂14として用いるものよりも屈折率の大きなものを用いる必要がある。)。
また、スタンパ13を柔らかい材質で形成することにより、クラッド基板2に多少の反り、撓み、凹凸があってもクラッド基板2の表面を均一に押すことが可能になる。
また、最後に上クラッド部7を設けること無く、スタンパ13を剥がした状態で光導波路の最終製品としてもよい。その場合には、空気がクラッド層としての役目をすることになる。
(第2の実施形態)
図11(a)(b)(c)(d)は本発明の別な実施形態による光導波路15の製造方法を説明する断面図である。この実施形態にあっては、例えば図3の工程により凹溝3、平坦部5、窪み6を有するクラッド基板2を製作した(図11(a))後、このクラッド基板2の上に紫外線硬化型の透明樹脂8を滴下する(図11(b))。ついで、クラッド基板2の上の透明樹脂8をスタンパ13で押さえ、凹溝3内に透明樹脂8を充填させると共に平坦部5の上の透明樹脂8を薄く延ばし、余分な透明樹脂8を窪み6側へ逃がす(図11(c))。平坦部5とスタンパ13の間の透明樹脂8の膜厚が目的とする膜厚とするための所定の圧力を加えて所定時間経過した後、クラッド基板2の裏面側から透明樹脂8に紫外線を照射して硬化させる。透明樹脂8が硬化したらスタンパ13を剥がし、透明樹脂8の上に紫外線硬化型のクラッド用樹脂14を塗布し、紫外線を照射して硬化させる(図11(d))。
なお、この場合も、気泡の噛み込みを防止するためには、図11(b)のようにクラッド基板2の上に透明樹脂8を盛り上がらせておき、一方、スタンパ13の下面にも同じ透明樹脂を付着させて垂れさがらせておいてもよい(図5参照)。また、スタンパ13で押さえた後、スタンパ13を水平に動かしてもよい。
(第3の実施形態)
図12(a)(b)(c)(d)(e)は、本発明のさらに別な実施形態による光導波路16の製造方法を説明する断面図である。この実施形態にあっては、例えば図3の工程により凹溝3、平坦部5、窪み6を有するクラッド基板2を製作した(図12(a))後、このクラッド基板2の上に紫外線硬化型の透明樹脂8を滴下する(図12(b))。ついで、クラッド基板2を軽くスピンコートしたり、透明樹脂8にエアを吹き付けたりして透明樹脂8をクラッド基板2上に広げる(図12(c))。クラッド基板2の上の透明樹脂8をスタンパ13で押さえ、凹溝3内に透明樹脂8を充填させると共に平坦部5の上の透明樹脂8を薄く延ばし、余分な透明樹脂8を窪み6側へ逃がす(図12(d))。スピンコートやエアブロアによって透明樹脂8を広げることにより、窪み6内には空間ができるので、スタンパ13で透明樹脂8を加圧したときに平坦部5の上の透明樹脂8は空間のある領域(窪み6)に移動し易くなり、平坦部5の上の透明樹脂8の膜厚を速やかに薄くできる。なお、窪み6の深さを十分に深く形成しておくと、より効果的である。ついで、平坦部5とスタンパ13の間の透明樹脂8の膜厚を目的とする膜厚とするための所定の圧力を加えて所定時間経過した後、クラッド基板2の裏面側から透明樹脂8に紫外線を照射して硬化させる。透明樹脂8が硬化したらスタンパ13を剥がし、透明樹脂8の上に紫外線硬化型のクラッド用樹脂14を塗布し、紫外線を照射して硬化させる(図12(e))。
(第4の実施形態)
図13(a)(b)(c)(d)(e)(f)は、本発明のさらに別な実施形態による光導波路17の製造方法を説明する断面図である。この実施形態にあっては、ガラス基板12上に滴下した透明樹脂11をスタンパ9により押圧し(図13(a))、透明樹脂11に紫外線を照射することにより、ガラス基板12の上にクラッド基板2を形成する(図13(b))。クラッド基板2の上面には、凹溝3と平坦部5と窪み6が形成されている。この後、このクラッド基板2の上に紫外線硬化型の透明樹脂8を滴下する(図13(c))。ついで、クラッド基板2の上の透明樹脂8をスタンパ13で押さえ、凹溝3内に透明樹脂8を充填させると共に平坦部5の上の透明樹脂8を薄く延ばし、余分な透明樹脂8を窪み6側へ逃がす(図13(d))。ついで、平坦部5とスタンパ13の間の透明樹脂8の膜厚を目的とする膜厚とするための所定の圧力を加えて所定時間経過した後(図13(e))、クラッド基板2の裏面側から透明樹脂8に紫外線を照射して硬化させる。透明樹脂8が硬化したらスタンパ13を剥がし、透明樹脂8の上に紫外線硬化型のクラッド用樹脂14を塗布し、紫外線を照射して硬化させる(図13(f))。
こうして製作される光導波路のように、窪み6はクラッド基板2内に設けられる必要はなく、例えばクラッド基板2の外でガラス基板12の上などに設けられていてもよい。
(第5の実施形態)
図14(a)(b)(c)(d)は本発明のさらに別な実施形態による光導波路18の製造方法を説明する断面図である。この実施形態では、製造後当初のクラッド基板2では、図14(a)に示すように、凹溝3と窪み6の間は三角形状に形成されていて上端が尖端部19となっており、平坦部5が形成されていない。このクラッド基板2の上に紫外線硬化型の透明樹脂8を滴下した後(図14(b))、クラッド基板2の上の透明樹脂8をスタンパ13で押さえ、凹溝3内に透明樹脂8を充填させる。同時に、スタンパ13の押圧力で凹溝3の両側の尖端部19を押し潰すことによって凹溝3の両側に平坦部5を形成させる。そして、平坦部5の上の透明樹脂8を薄く延ばし、余分な透明樹脂8を窪み6側へ逃がす(図13(d))。ついで、クラッド基板2の裏面側から透明樹脂8に紫外線を照射して硬化させる。透明樹脂8が硬化したらスタンパ13を剥がし、透明樹脂8の上に紫外線硬化型のクラッド用樹脂14を塗布し、紫外線を照射して硬化させる(図13(f))。
図15(a)(b)(c)(d)(e)は本発明は本発明のさらに別な実施形態による光導波路20の製造方法を説明する断面図である。この実施形態では、ガラス基板12の上に紫外線硬化型の透明樹脂11を塗布した後(図15(a))、上からスタンパ9で押さえてガラス基板12を成形する(図15(b))。ここで用いたスタンパ9では、窪み成形部分21の下端に幅の狭い突起22を突設している。従って、スタンパ9を透明樹脂11に押圧させたとき、突起22の先端が透明樹脂11に食い込んでガラス基板12に当接し、スタンパ9とガラス基板12との距離が所定距離に保たれ、クラッド基板2の厚み精度を出すことができる。
厚み精度よくクラッド基板2が成形されると、ガラス基板12を通して透明樹脂11に紫外線を照射してクラッド基板2を硬化させ、クラッド基板2が硬化したらスタンパ9をクラッド基板2から剥がす。ついで、クラッド基板2の上に透明樹脂8を塗布し(図15(c))、上からスタンパ13で押さえて平坦部5の上の透明樹脂8を薄く延ばすと共に余分な透明樹脂8を窪み6へ逃がし(図15(d))、ガラス基板12を通して透明樹脂8に紫外線を照射して透明樹脂8を硬化させる。こうして凹溝3内にコア4が成形されたら、透明樹脂8からスタンパ13を剥離させ、透明樹脂8の上にクラッド用樹脂14を塗布硬化させて上クラッド部7を成形する(図15(e))。
このようにして製造された光導波路20によれば、クラッド基板2の厚み精度が高くなるので、ガラス基板12の表面からコア4までの高さの精度が高くなり、光ファイバとの位置決めが容易になる。
(第6の実施形態)
図16(a)(b)(c)(d)は本発明のさらに別な実施形態による光導波路23の製造方法を説明する断面図である。この実施形態では、窪み6をスタンパ13に設けている。すなわち、この実施形態で用いられるクラッド基板2には、図16(a)に示すように、凹溝3と平坦部5だけが設けられていて窪み6は設けられていない。このクラッド基板2の上に紫外線硬化型の透明樹脂8を滴下した後、上からスタンパ13で押さえる(図16(b))。スタンパ13の下面には、クラッド基板2の凹溝3から一定距離だけ偏位した位置に窪み6が形成されている。従って、このような構造の光導波路では、クラッド基板2の表面のうち窪み6と対応する領域と凹溝3との間の領域が平坦部5となっている。このような構造であっても、コア4を成形する際、平坦部5の上の余分な透明樹脂8はスタンパ13の窪み6へ逃げることができるので、平坦部5の透明樹脂8を速やかに薄くすることができる。
クラッド基板2の裏面側から紫外線を照射して透明樹脂8を硬化させた後、照射して透明樹脂8からスタンパ13を剥離し、透明樹脂8の上に上クラッド部7を形成する。このとき窪み6内の透明樹脂8がスタンパ13と共に剥離せずクラッド基板2上に残る場合には、光導波路23の構造は図16(c)のようになる。また、窪み6内の透明樹脂8がスタンパ13と共に剥離する場合には、光導波路23の構造は図16(d)のようになる。
なお、図示しないが、クラッド基板2とスタンパ13の両方に窪み6を設けておくことも可能である。また、この実施形態では、複数本のコア4を有する光導波路を示したが、コア4は1本でも差し支えない。また、他の実施形態による光導波路でも、コア4を複線化することは可能である。
(第7〜10の実施形態)
図17(a)(b)(c)(d)は、光導波路のその他の構造を表している。図17(a)に示す実施形態では、複数のクラッド基板2を配列させて、個々のクラッド基板2の間に透明樹脂8を逃がすための空間24を形成したものである。この実施形態では、各クラッド基板2の上に透明樹脂8を滴下した後、スタンパ13又は成形品の上クラッド部7で押さえると、平坦部5(クラッド基板2の上面)の透明樹脂8が空間24へ逃げるので、速やかにクラッド基板2の上面の透明樹脂8を薄くすることができる。なお、この空間24は、個々のクラッド基板2を配列したときの、各クラッド基板2の間の空間であってもよく、クラッド基板2がウエハ状のものである場合には、上記空間24はクラッド基板2の集合体(ウエハ)にあけられた開口によって形成されていてもよい。
図17(b)に示す実施形態では、複数のスタンパ13又は成形品の上クラッド部7配列させて、それらの間に透明樹脂8を逃がすための空間24を形成したものである。この実施形態では、クラッド基板2の上に透明樹脂8を塗布した後、スタンパ13又は成形品の上クラッド部7で押さえると、平坦部5(クラッド基板2の上面)の透明樹脂8が空間24へ逃げるので、速やかにクラッド基板2の上面の透明樹脂8を薄くすることができる。
また、図17(c)に示す光導波路25では、窪み6が両側方に開放されておらず、閉じたものとなっている。このような構造であっても、コア4の成形時に窪み6内へ透明樹脂8が逃げることができるようになっていれば問題ない。
また、図17(d)に示す光導波路26では、クラッド基板2の平坦部5はテーパーを施されていて、上クラッド部7の下面に対して傾斜している。このように平坦部5は必ずしも上クラッド部7の下面と平行になっている必要はない。ただし、あまり急な傾斜は好ましくなく、ある程度の距離(光の漏れを防止するのに必要な幅)にわたって透明樹脂8の膜厚を薄く保てる程度の傾きに止めるべきである。例えば、平坦部5の両側での高低差は、3μm以下とすればよい。
(第11の実施形態)
これまでは、シングルモードの光導波路について説明したが、次に、マルチモードの光導波路について説明する。図18(a)(b)(c)(d)には、コア4が分岐、結合したマルチモードの光導波路の例を示している。このようなマルチモード導波路であれば、コア4の幅及び深さは、数10μm程度にすればよい。
まず、図18(a)(b)(c)(d)に示す実施形態では、一方でコア4が1本となっており、他方で分岐してコア4が2本になったY字型のコア形状を有している。このうち、図18(a)の光導波路27においては、光導波路のチップ形状とほぼ同じ形状、もしくはそれに近い形状となるように平坦部5を形成し、その外周に窪み6を形成している。また、図18(b)の光導波路28では、コア4の形状に沿うようにして平坦部5を形成し、その外周に窪み6を形成している。また、図18(c)の光導波路29においては、コア4が広がった側で平坦部5の幅がステップ状に広くなるようにしたものである。図18(d)の光導波路30では、コア4に近接するようにして複数の窪み6を島状に形成し、コア4及び窪み6以外の領域を平坦部5としたものである。これらの光導波路27〜30では、コア4の端面が露出していないが、各光導波路27〜30の端部をダイシングにより裁断することにより、コア4の端面出しが行われる。
また、図19に示すように、ウエハに複数の光導波路(例えば、図18(d)のような光導波路30)が一度に形成されている場合には、隣接する光導波路の間におけるコア4の端部どうしの距離を、ダイシングに用いるブレードの幅(刃厚)よりも短くしておけば、光導波路をダイシングして個々に分割する際に、同時にコア4の端面出しを行うことができる。あるいは、図18に示されているように、コア4の両端をクラッド基板2内に閉じ込めたままとし、コア4をダイシングすることなく、光導波路とすることも可能である。
(第12の実施形態)
図20に示すものは、曲線状のコア4を有する光導波路31であって、クラッド基板2の表面に、コア4の湾曲部分に沿って円形ないし楕円状をした窪み6を設けている。
(第13の実施形態)
図21(a)は本発明のさらに別な実施形態を示す平面図、図21(b)は同図(a)のB−B線に沿った拡大断面図である。この実施形態は、窪み6は必ずしも1個1個の光導波路32内に設けられている必要がないことを表すものであり、光導波路32どうしの境界に沿って、しかも、境界の一部にのみ窪み6を設けている。このような構成であっても、図21(b)に示すように、各コア4に隣接する位置の片側に窪み6が位置しており、余分な透明樹脂8を吸収できるようになっている。
(第14の実施形態)
図22は本発明のさらに別な実施形態による光導波路の製造法を説明する概略図である。この実施形態では、クラッド基板2及び上クラッド部7をフィルム状もしくはシート状の素材を用いて構成している。クラッド基板2となる下側クラッドシート33はローラ34aを通過して押圧ローラ35a、35b間に送り込まれており、上クラッド部7となる上側クラッドシート36はローラ34bを通過して押圧ローラ35a、35b間に送り込まれている。下側クラッドシート33と上側クラッドシート36は重ね合わせた状態で通過して押圧ローラ35a、35b内に送り込まれ、その直前に下側クラッドシート33の上にコア用の透明樹脂8を塗布される。そして、透明樹脂8を塗布された下側クラッドシート33と上側クラッドシート36は押圧ローラ35a、35bによって均一な圧力を加えられ、透明樹脂8が両シート33、36間に押し広げられる。ついで、押圧ローラ35a、35bから出た両シート33、36には紫外線が照射され、透明樹脂8が硬化させられて光導波路が連続的に製造される。連続的に製造された光導波路は、カッター等によって所定位置で裁断される。このような方法によれば、連続工程により高速で光導波路を製造することができ、しかも、両シート33、36に樹脂を逃がすための窪み6を設けておくことにより、品質の良好な光導波路を製造することができる。
図23は上記下側クラッドシート33に予め凹溝3や窪み6を設けておくための装置を示す概略図である。一対の押圧ロール37a、37bのうち、一方の押圧ロール37aの外周面には、下側クラッドシート33に凹溝3や窪み6を形成するための突条38が円周方向に沿って外周面に周設されている。従って、表面に透明樹脂11を塗布された下側クラッドシート33が押圧ロール37a、37b間を通過すると、図24に示すように、下側クラッドシート33の表面の透明樹脂11に連続的に凹溝3や窪み6が形成され、透明樹脂11は紫外線照射により硬化させられる。
また、下側クラッドシート33に予め凹溝3や窪み6を形成しておくためには、図25(a)に示すように、一方の押圧ロール37aの外周面において、下側クラッドシート33に凹溝3や窪み6を形成するための突条39を、軸芯方向に沿って形成しておいてもよい。この場合には、表面に透明樹脂11を塗布された下側クラッドシート33が押圧ロール37a、37b間を通過すると、図25(b)に示すように、下側クラッドシート33の表面の透明樹脂11に間隔をあけて凹溝3や窪み6が形成され、透明樹脂11は紫外線照射により硬化させられる。
(第15の実施形態)
図26に示すものは本発明のさらに別な実施形態による光導波路の製造方法を説明する概略図である。この実施形態では、上面に透明樹脂11を塗布された下側クラッドシート33を一対のロール37c、37d間で送っており、第1プレス部P1では、透明樹脂11に型押しし紫外線照射して凹溝3や平坦部5、窪み6などを成形して下側クラッドシート33の上にクラッド基板2を形成する。ついで、クラッド基板2の上に透明樹脂8を供給した後、コア形成部P2でスタンパ13によって透明樹脂8を押圧し紫外線照射してコア4を成形すると共に余分な透明樹脂8を窪み6へ排出する。ついで、硬化した透明樹脂8の上にクラッド用樹脂14を供給した後、上部クラッド成形部P3でクラッド用樹脂14を押圧し紫外線照射して上クラッド部7を成形する。このような方法によっても、光導波路を連続的に生産することが可能になる。
(第16の実施形態)
図27(a)(b)(c)(d)は本発明のさらに別な実施形態による光導波路40の製造方法を説明する断面図である。この実施形態は金型41を用いるものであって、金型41には、図27(a)に示すようにコア4を形成するための凹溝42が設けられ、その両側に平坦部43が形成され、その両側に窪み44が形成されている。この金型41の上に紫外線硬化型の透明樹脂8を滴下し(図27(b))、その上から成形品のクラッド基板2で透明樹脂8を押さえる。このとき、図27(c)のように、クラッド基板2に十分な圧力をかけて平坦部5の上の透明樹脂8を十分に薄くし、余分な透明樹脂8を窪み6内へ逃がす。こうして形成された光導波路40を金型41から脱型すると、図27(d)のような光導波路40が得られる。
この光導波路40にあっては、平板状のクラッド基板2の上面には、凹溝42で成形されたコア4と、窪み44で成形された凸部45とが露出しており、コア4の上面及び両側面では空気クラッド層となっている。このような光導波路40でも、コア4と凸部45との間は、光が漏れない程度に十分に薄い透明樹脂8の層でつながっているだけであるので、コア4内の光信号が凸部45側へ漏れる恐れが無く、信号品質を保つことができる。
(第17〜第20の実施形態)
また、図28(a)(b)(c)はいずれも、さらに別な実施形態による光導波路の製造方法における途中工程を示す断面図である。図28(a)の実施形態では、スタンパ13の下面にコア形成用の凹溝3と、透明樹脂8を逃がすための窪み6と、透明樹脂8を排除すると共に押さえつけて十分に薄くするための平坦部5とが形成されている。
また、図28(b)の実施形態では、スタンパ13の下面にコア形成用の凹溝3を設け、クラッド基板2の上面に透明樹脂8を逃がすための窪み6を設けている。透明樹脂8を排除すると共に押さえつけて十分に薄くするための平坦部5は、スタンパ13下面とクラッド基板2上面に形成されている。
また、図28(c)の実施形態では、スタンパ13の下面にコア形成用の凹溝3を設け、クラッド基板2の上面に一方の窪み6を設け、クラッド基板2の上面とスタンパ13の下面との間に他方の窪み6を設けている。また、透明樹脂8を排除すると共に押さえつけて十分に薄くするための平坦部5は、スタンパ13下面とクラッド基板2上面に形成されている。
また、図29は本発明のさらに別な実施形態による光導波路46の断面図である。この光導波路46では、クラッド基板2の上面に複数本のコア4を形成し、クラッド基板2の両端部に窪み6を設け、凹溝3どうしの間もしくは凹溝3と窪み6との間においてクラッド基板2の上面に平坦部5を形成している。この実施形態のように、複数本のコア4を形成している場合、各コア4に対応して1つずつ窪み6を設ける必要はなく、複数個のコア4に対して1個の窪み6が設けられているだけでもよい。
図30(a)もクラッド基板2の上面に複数本のコア4を形成したものであるが、窪み6はコア4の領域の外側において上クラッド部7の下面に設けている。また、図30(b)もクラッド基板2の上面に複数本のコア4を形成したものであるが、窪み6はコア4とコア4の中間に位置するようにして上クラッド部7の下面に設けている。
(第21の実施形態)
図31(a)は別な実施形態による光導波路の構造を示す断面図である。図31(a)の実施形態では、ガラス基板12の上にコア形成用の複数個の凹溝3を有する下クラッド部47を形成してあり、凹溝3内にはコア形成用の透明樹脂11を充填してコア4が形成されている。また凹溝3の両側には、凹溝3の深さよりも深い窪み6が形成されており、窪み6内には凹溝3から溢れた透明樹脂11が溜まっている。下クラッド部47の上面には、上クラッド部48が積層されている。
また、図31(b)は上記下クラッド部47の製造工程の一部を示す図であって、ガラス基板12の上に紫外線硬化型のクラッド樹脂を滴下し、上からスタンパ49で押圧することによって下クラッド部47を成形し、下クラッド部47に紫外線を照射して下クラッド部47を硬化させた後、図31(b)のようにスタンパ49を下クラッド部47から剥離させることにより、ガラス基板12の上に下クラッド部47を成形している。
本発明の光導波路においては、凹溝3内にコア材料を充填させ、上からスタンパの型面又は成形済みの下クラッド部47で押えて凹溝3内にコア4を成形するので、下クラッド部47の上面と上クラッド部48の間に残る透明樹脂層の厚みを薄くし、かつ、均一な厚みにすることによってコア4からの光の漏れを少なくするためには、下クラッド部47の界面が精度良く水平に形成されている必要がある。下クラッド部47は図31(b)のようにして成形されるので、下クラッド部47の界面を水平に形成するためには、スタンパ49を水平に保ったままでクラッド樹脂に押しつける必要がある。
しかしながら、窪み6の底面における下クラッド部47の厚み(窪み6の底面とガラス基板12の上面との間の下クラッド部47の厚み)が厚いと、スタンパ49でクラッド樹脂を押圧する際、押圧力がばらついてスタンパ49が傾き易くなり、その結果、下クラッド部47の界面も水平にするのが困難になる。
そこで、この実施形態では、窪み6の底面における下クラッド部47の厚みTを極めて薄くしている。この厚みTは、薄ければ薄いほど(つまり、0μmが)望ましいが、具体的には、この厚みTを7μm以下にすればよく、好ましくは5μm以下にすればよい。このように窪み6の底面における下クラッド部47の厚みを極めて薄くするためには、下クラッド部47の成形時にスタンパ49がほとんどガラス基板12の表面に接触するように強く押圧されることになるので、スタンパ49が水平に押圧されることになり、下クラッド部47の窪み6以外の部分(凹溝3が形成されている領域)の高さが均一となり、下クラッド部47の表面が平滑で、水平な面となる。また、窪み6の底面における下クラッド部47の厚みを薄くするためには、スタンパ49の形状(例えば、逃げ溝の深さ)を工夫することも有効である。
よって、下クラッド部47の表面が水平で平滑に仕上げられることにより、凹溝3にコア4を充填する際にも、コア4の表面が水平に押圧されることになり、コア4からの光の漏れを小さくすることができる。さらに、コア4の上下方向のバラツキが小さくなることで、コア4の端面にファイバアレイなどを結合する際の結合損失も低減される。
一方、窪み6の底面における下クラッド部47の厚みを極めて薄くした場合、窪み6の深さDと凹溝3の深さdが等しいと、凹溝3の底面における下クラッド部47の厚みも極めて薄くなり、コア4内を伝搬する光はコア4の底面から下クラッド部47を透過してガラス基板12側へ漏れる恐れがある。
そのため、本発明の当該実施形態では、窪み6の深さDが凹溝3の深さdに比較して非常に深くなるようにしている。具体的には、凹溝3の深さが6μm程度であるのに対して、窪み6の深さDが10μm以上、好ましくは15μm以上、より好ましくは20μm程度となるようにすればよい。その結果、窪み6の底面における下クラッド部47の厚みを薄くしても、凹溝3の底面における下クラッド部47の厚みが薄くなるのを避けることができ、コア4内を伝搬する光の漏洩を小さくすることができる。
(第22の実施形態)
図32は別な実施形態による光導波路の構造を示す断面図である。この光導波路にあっては、クラッド基板2に設けられた窪み6の側壁面6aを階段状に形成している。側壁面6aは垂直面であってもよく、図示のように傾斜面となっていてもよく、また、側壁面6aにおけるステップ数やステップ部分(踊り場部分)の幅は問わない。
(応用例1)
次に、本発明にかかる光導波路の応用例を説明する。図33は光トランシーバ51を示す斜視図である。この光トランシーバ51にあっては、基板52の上に下クラッド部53(クラッド基板2)が積層され、下クラッド部53の上に上クラッド部54(上クラッド部7)が積層されており、下クラッド部53内に2本のコア55、56がV字状に埋め込まれており、一方端面では両コア55、56の端面は離間しており、他方端面では両コア55、56が重なり合っており、当該他方端面には波長フィルタ57が貼り付けられている。
この光トランシーバ51の使用状態においては、一方端面に露出しているコア55の端面には光ファイバ58が接続され、一方端面に露出しているコア56の端面には半導体レーザー等の発光素子59が配置され、他方端面のコア55、56に対向する位置には、フォトダイオード等の受光素子60が配置されている。上記波長フィルタ57は、例えば波長1.5μmの光を透過させ、波長1.3μmの光を反射させる特性を有している。
従って、光ファイバ58から波長1.5μmの光信号が伝送されてくると、この光信号はコア55の端面からコア55内に入り、コア55内を伝搬してコア55の他端に達する。コア55の端面に達した波長1.5μmの光信号は、波長フィルタ57を透過するので、受光素子60に受信される。
また、発光素子59から波長1.3μmの光信号が出力されると、この光信号はコア56の端面からコア56内に入り、コア56内を伝搬してコア56の他端に達する。コア56の端面に達した波長1.3μmの光信号は、波長フィルタ57で反射されるので、波長フィルタ57で反射された光信号はコア55内を伝搬して光ファイバ接続側の端面に達し、ここでコア55の端面から出て光ファイバ58内に入り、光ファイバ58を通じて送信される。
この光トランシーバ51は、本発明の光導波路を用いているので、コアからの光の漏れを小さく抑えることができ、信号品質の劣化を小さくできる。また、複製法等によって製作することができるので、量産性も良好となる。
(応用例2)
図34は本発明にかかる光スイッチ61の構造を示す概略斜視図である。この光スイッチ61にあっては、Y字状に分岐したコア62が設けられており、コア62の分岐箇所の両側にはヒーター63R,63Lが設置されている。コア62は熱を掛けられると光信号を遮断するので、例えばヒーター63Rのみに通電して発熱させると、光信号はヒーター63Rと反対側のコア62Lを伝搬して出力される。また、ヒーター63Lのみに通電して発熱させると、光信号はヒーター63Lと反対側のコア62Rを伝搬して出力される。従って、この光スイッチ61にあっては、ヒーター63R,63Lのオン、オフを制御することにより、入力された光信号の出力先を切り替えることができる。
また、図34のような構造を複数段繰り返すことにより、光信号をより多くの出力先に切り替えることができる。例えば、図35に示すように、図34のような分岐構造を3段階に繰り返し、各段にヒーター64R、64L、ヒーター65R、65L、ヒーター66R、66Lを設けることで、各ヒーターの制御によって光信号の出力先を8方向に切り替えることができる。
図36は図34のような光スイッチの具体的な構造を示す斜視図である。この光スイッチ61はベース67の上面中央部に取付けられており、ベース67の両端部には、光スイッチ61の両端面に対向させてファイバ支持プレート68が固定されている。ファイバ支持プレート68の上面には、光ファイバ69を芯出しして位置決めするためのV溝状をしたファイバ固定部70が設けられており、このファイバ固定部70内に光ファイバ69を押し込んで接着剤で固定することにより、光スイッチ61のコア端面と光ファイバ69の光軸とが合わせられる。なお、光スイッチ61とファイバ支持プレート68との間の隙間sは、光ファイバ69を固定するための接着剤が光スイッチ61に付着するのを防止するものである。
なお、ここで説明した光スイッチには、カプラを用いて光ファイバアレイを着脱自在に接続できるようにしてもよい。
(応用例3)
図37は本発明にかかる光アッテネータ71の構造を示す斜視図である。この光アッテネータ71は、コア62の途中を分岐させ、各コア分岐部72R、72Lにそれぞれヒーター73R、73Lを設けたものである。この光アッテネータ71にあっては、各ヒーター73R、73Lに印加して熱を発生させることにより、コア分岐部72R、72Lを通過する光の位相を制御することができるので、ヒーター73R、73Lを制御することで、マッハツェンダー干渉計の原理により光アッテネータ71を通過する光を減衰させることができる。
(応用例4)
図38はAWGの導波路回路81の構成を示すものであって、複数本のコアからなる入射導波路82に、入射側スラブ導波路83を介して複数のコアからなるアレイ導波路84をつなぎ、アレイ導波路84の他端に出射側スラブ導波路85を介して複数のコアからなる出射導波路86をつないでいる。
この導波路回路81にあっては、入射導波路82に波長λ1、λ2、λ3、…の光が入射すると、各波長λ1、λ2、λ3、…の光は、入射側スラブ導波路83と出射側スラブ導波路85の働きで各波長λ1、λ2、λ3、…毎の光に分離され、分離された各波長λ1、λ2、λ3、…の光がそれぞれ出射導波路86を構成する各コアを通じて出力される。
(応用例5)
図39は一方の光通信機で送信された信号を光導波路によって送信し、他方の光通信機で受信するためのシステムである。すなわち、この通信システムは、光導波路91の両側端部に、それぞれ光通信機92、93を設置している。光導波路91は、図40に示すように、複数本のコア94を埋め込んだものであり、両端面から端部上面にかけて斜め45°の角度にカットされている。光通信機92は、発光部95とLSIからなる制御回路96を備えており、発光部95は図41に示すように、各コア94の端面の真下に当たる位置に発光ダイオードや半導体レーザー等の発光素子97を配列されている。同様に、光通信機93は、受光部98とLSIからなる制御回路99を備えており、受光部98は各コア94の端面の真下に当たる位置にフォトダイオード等の受光素子(図示せず)を配列されている。
しかして、制御回路96によって各発光素子97が発光させられ、各発光素子97から真上に向けて光信号が出力されると、この光信号は、図41に示すように、光導波路91の下面から光導波路91内に入って各コア94の傾斜端面で全反射され、コア94の光軸方向に沿って伝搬させられる。コア94の他端に達した光信号は、コア94の傾斜端面で全反射されることによって下方へ向けられ、光導波路91の下面から各受光素子に向けて出射される。下方へ出射された光信号は受光部98の各受光素子で受光され、制御回路99で所定の信号処理を施される。
また、図42に示すものは別な構造の通信システムである。このシステムで用いられる光導波路91は、両端面から端部下面にかけて斜め45°の角度にカットされている。光通信機92の発光部95は、図43に示すように、各コア94の端面の真上に当たる位置に発光ダイオードや半導体レーザー等の発光素子97を配列されている。同様に、光通信機93は、各コア94の端面の真上に当たる位置にフォトダイオード等の受光素子(図示せず)を配列されている。
しかして、この通信システムでも、制御回路96によって各発光素子97が発光させられ、各発光素子97から真下に向けて光信号が出力されると、この光信号は、図43に示すように、光導波路91の下面から光導波路91内に入って各コア94の傾斜端面で全反射され、コア94の光軸方向に沿って伝搬させられる。コア94の他端に達した光信号は、コア94の傾斜端面で全反射されることによって上方へ向けられ、光導波路91の上面から各受光素子に向けて出射される。上方へ出射された光信号は受光部98の各受光素子で受光され、制御回路99で所定の信号処理を施される。
なお、図44(a)に示すように光導波路91の端面を円弧状ないし放物線状に湾曲させたり、図44(b)に示すようにコア94の端部にレンズ部100を設けておけば集光作用を持たせることができ、発光素子からコア内に入射した光や、コアから受光素子へ出射される光を集光させることができる。
(a)は本発明の一実施形態による光導波路の断面図であり、(b)は同じ光導波路において窪み内に空間が残っている状態を示す断面図である。 (a)(b)(c)は、同上の光導波路に用いられるクラッド基板の種々の形状を説明する斜視図である。 (a)(b)(c)は、スタンパを用いてクラッド基板を製作する工程を説明する斜視図である。 (a)(b)(c)(d)は同上のクラッド基板を用いて光導波路を製造する工程を説明する斜視図である。 (a)(b)(c)(d)は、透明樹脂を塗布されたクラッド基板を、気泡を噛み込ませることなくスタンパで加圧する方法を説明する断面図である。 光導波路を形成されたウエハにおける窪みの形成方法を説明する平面図である。 光導波路を形成されたウエハにおける、別な窪みの形成方法を説明する平面図である。 光導波路を形成されたウエハにおける、さらに別な窪みの形成方法を説明する平面図である。 図8のA−A線で破断した斜視図である。 (a)(b)(c)(d)は、各凹溝内に透明樹脂を押し広げてコアを形成する工程を説明する図である。 (a)(b)(c)(d)は本発明の別な実施形態による光導波路の製造方法を説明する断面図である。 (a)(b)(c)(d)(e)は、本発明のさらに別な実施形態による光導波路の製造方法を説明する断面図である。 (a)(b)(c)(d)(e)(f)は、本発明のさらに別な実施形態による光導波路の製造方法を説明する断面図である。 (a)(b)(c)(d)は本発明のさらに別な実施形態による光導波路の製造方法を説明する断面図である。 (a)(b)(c)(d)(e)は本発明は本発明のさらに別な実施形態による光導波路の製造方法を説明する断面図である。 (a)(b)(c)(d)は本発明のさらに別な実施形態による光導波路の製造方法を説明する断面図である。 (a)(b)(c)(d)は、光導波路のその他の構造を示す断面図である。 (a)(b)(c)(d)は、コアが分岐、結合したマルチモードの光導波路の種々の形態を示す平面図である。 複数の光導波路を形成されたウエハの斜視図である。 曲線状のコア4を有する光導波路を示す斜視図である。 (a)は本発明のさらに別な実施形態を示す平面図、(b)は(a)のB−B線に沿った拡大断面図である。 本発明のさらに別な実施形態による光導波路の製造法を説明する概略図である。 図22に示した下側クラッドシートに予め凹溝や窪みを設けておくための装置を示す概略図である。 図23の装置により成形された下側クラッドシートの断面図である。 (a)は図22に示した下側クラッドシートに予め凹溝や窪みを設けておくための別な装置を示す概略図、(b)は当該装置により成形された下側クラッドシートの断面図である。 本発明のさらに別な実施形態による光導波路の製造方法を説明する概略図である。 (a)(b)(c)(d)は本発明のさらに別な実施形態による光導波路の製造方法を説明する断面図である。 (a)(b)(c)はいずれも、さらに別な実施形態による光導波路の製造方法における途中工程を示す断面図である。 本発明のさらに別な実施形態による光導波路の断面図である。 (a)(b)はいずれも、クラッド基板の上面に複数本のコア形成した光導波路の断面図である。 (a)は本発明のさらに別な実施形態による光導波路の断面図、(b)はその下クラッド部の成形された直後の様子を示す概略断面図である。 本発明のさらに別な実施形態による光導波路の断面図である。 本発明にかかる光トランシーバを示す斜視図である。 本発明にかかる光スイッチの構造を示す概略斜視図である。 本発明にかかる別な光スイッチの構造を示す概略斜視図である。 (a)(b)は図34に示したような光スイッチの具体的な構造を示す斜視図とその断面図である。 本発明にかかる光アッテネータの構造を示す斜視図である。 AWGの導波路回路の構成を示す斜視図である。 本発明にかかる通信システムを示す斜視図である。 (a)(b)は同上の通信システムで用いられている光導波路の平面図及び断面図である。 図39の通信システムの一部を拡大して示す斜視図である。 本発明にかかる別な通信システムを示す斜視図である。 同上の通信システムの作用説明のための断面図である。 (a)(b)はいずれも、発光部と光導波路との光結合方法の他例を説明する図である。
符号の説明
1 光導波路
2 クラッド基板
3 凹溝
4 コア
5 平坦部
6 窪み
7 上クラッド部
8 透明樹脂
9 スタンパ
10 凹部
11 透明樹脂
12 ガラス基板
13 スタンパ
14 クラッド用樹脂
33 下側クラッドシート
35a、35b 押圧ローラ
36 上側クラッドシート

Claims (11)

  1. 基板上にクラッド樹脂を塗布し押圧、硬化することにより平坦な上面を有するクラッド部を設けるとともに前記クラッド部の前記上面に凹部を設け、前記凹部にコア材料を充填し、該コア材料を型面で押圧してコアを形成した光導波路において、
    前記クラッド部は、前記凹部の容積よりも大きな容積を持ち、かつ、前記上面に連通する少なくとも一つの空間を有し、
    前記コアの光軸方向に対して垂直な断面において、前記空間の前記上面から測った深さが前記凹部の深さよりも深く、
    前記空間の最も深い領域は、前記基板の上面と平行になっており、
    前記空間の最も深い領域と前記基板の上面との距離が7μm以下である
    ことを特徴とする光導波路。
  2. 前記クラッド部の上面と前記コアの上面とが、ほぼ同じ高さに位置していることを特徴とする、請求項1に記載の光導波路。
  3. 前記空間の側壁面が傾斜していることを特徴とする、請求項1に記載の光導波路。
  4. 前記コアが、樹脂からなることを特徴とする、請求項1に記載の光導波路。
  5. 前記コアと前記クラッド部が同種の材料からなり、前記コアの屈折率が前記クラッド部の屈折率よりも高いことを特徴とする、請求項1に記載の光導波路。
  6. 請求項1または2に記載の光導波路と、該光導波路の接続手段となるコネクタとを備えた光通信部品。
  7. 基板上にクラッド樹脂を塗布する工程と、
    コア形成用の凹部を成形するための第一の凸部と、前記凹部の深さよりも深く、最も深い領域が前記基板の上面と平行となる空間を成形するための第二の凸部とを有する第一のスタンパの型面により、前記基板の上面と前記第二の凸部の最も高い領域とが平行になるように、かつ、前記第二の凸部と前記基板が接触することなく前記基板と前記第二の凸部の最も高い領域の間の前記クラッド樹脂の厚みが7μm以下になるように、前記クラッド樹脂を押圧して硬化させ、上面に前記凹部と前記空間が形成されたクラッド部を形成する工程と、
    前記凹部にコア材料を供給する工程と、
    平板状の型面を有する第二のスタンパの前記型面と前記クラッド部の上面とを互いに押圧させ、前記凹部に前記コア材料を保持するとともに、前記クラッド部の上面と前記第二のスタンパに挟まれた余剰のコア材料を前記空間へ逃がすようにし、かつ、前記第二のスタンパと前記クラッド部の間に所定の圧力をかけた状態で前記コア材料を硬化させてコアを形成する工程と、
    を有することを特徴とする光導波路の製造方法。
  8. 前記クラッド部の界面と前記コアの上面がほぼ同じ高さに位置するように形成することを特徴とする、請求項に記載の光導波路の製造方法。
  9. 前記空間は、その側壁面が傾斜するように形成されていることを特徴とする、請求項に記載の光導波路の製造方法。
  10. 前記コアが、樹脂によって形成されていることを特徴とする、請求項に記載の光導波路の製造方法。
  11. 前記コア材料と前記クラッド部が同種の材料からなり、前記コアの屈折率が前記クラッド部の屈折率よりも高いことを特徴とする、請求項に記載の光導波路の製造方法。
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