JP4331819B2 - 運動案内装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工作機械、プレス加工機、免震装置等に使用される運動案内装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
工作機械のテーブル等を精密かつ円滑に案内する手段として、近年は軌道軸に多数の転動体(例えばボール)を介してスライダを取り付けた直線運動案内装置が広く使用されている。この種の運動案内装置を対象として、運動の案内方向(レールの長手方向)の減衰性を高める構造が幾つか提案されている。しかし、ラジアル荷重、すなわちスライダを軌道軸に向かって押し付ける方向の荷重が加わった際に発生する振動の減衰性に着目したものは提案されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した運動案内装置では、スライダの下面側に軌道軸を受け入れるための凹所が全長に亘って形成されている。従って、ラジアル荷重が加わるとその凹所に隣接する一対の袖部がそれぞれ外側、すなわち軌道軸から離れる側に開くように変形する。このため、ラジアル荷重の変動に伴って袖部が軌道軸の横方向に振動し、それに伴って転動体とスライダの転動体転走面との接触位置が変化して軌道軸に対するスライダの取付位置がラジアル荷重の方向に変動する。この結果、例えば工作機械のびびり振動が励起されて加工能力、加工品位、あるいは工具寿命が低下したり、騒音が発生する等、案内対象に好ましくない影響が生じる。
【0004】
そこで、本発明は、ラジアル荷重によって生じる振動の減衰性を改善できる運動案内装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0006】
請求項1の発明は、軌道軸(2)と、前記軌道軸に相対移動可能に組み付けられたスライダ(4)とを備えた運動案内装置(1)において、前記スライダ(4)は転動体転走面(12)が形成されたスライダブロック(10)を含み、前記スライダブロック(10)に制振材(40,44,45,47)が設けられ、前記スライダブロックには取付相手と連結される取付面(10a)が設けられ、前記制振材(40,44,45,47)は、前記スライダブロック(10)の外面または内部のうち、前記取付面と前記軌道軸とに挟まれた領域以外の部分に設けられ、且つ前記スライダブロック(10)の前記取付面(10a)と交差する側部に前記スライダブロック(10)の移動方向に沿って設けられた運動案内装置により、上述した課題を解決する。
【0007】
この発明によれば、スライダまたは軌道軸に組み込まれた制振材によって運動案内装置に負荷されるラジアル荷重の変動に伴う振動エネルギーが消費されて振動の減衰性が改善される。これにより、振動を早期に収束させて案内対象に与える好ましくない影響を抑制できる。
【0009】
また、この発明によれば、取付面と軌道軸とで挟まれた領域にラジアル荷重が直接作用するが、この領域を避けて制振材が設けられるため、制振材の配置による装置の剛性の低下を防ぎつつ振動の減衰性を改善できる。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載の運動案内装置において、前記制振材の外側には前記制振材よりも弾性係数の大きい拘束板(41)が設けられていることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、鋼等で構成されたスライダブロックと拘束板との間に制振材が挟み込まれるため、振動エネルギーの制振材への伝達効率が高まって制振材の振動減衰効果が十分に引き出され、それにより装置の振動減衰性が顕著に改善される。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の運動案内装置において、前記側部には前記取付面と略直交する方向に延びると共に前記スライダブロックの移動方向に沿って延びるスリット(10d)が設けられ、そのスリットに前記制振材(40)が設けられていることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、制振材がスリット内に拘束されるため、振動エネルギーの制振材への伝達効率が高まって制振材の振動減衰効果が十分に引き出され、それにより装置の振動減衰性が顕著に改善される。
【0014】
請求項の発明は、請求項1又は2に記載の運動案内装置において、前記側部には前記スライダブロックの移動方向に沿って延びる穴部(10e,10f,10g)が設けられ、その穴部に前記制振材(40)が設けられていることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、スライダブロックに穴部を形成してそこに制振材を設ける単純な構成により振動の減衰性を改善できる。穴部の位置や大きさは比較的自由度が高く、振動の減衰性の向上に適した形状や配置を容易に得ることができる。スライダの他の構成要素(例えば転動体の戻し路)との干渉を避けることも容易である。
【0016】
請求項の発明は、請求項に記載の運動案内装置において、前記制振材の内部には、前記制振材よりも弾性係数の大きい芯材(42)が設けられていることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、芯材とスライダブロックとの間で制振材が拘束されるので、請求項や請求項の発明と同様に振動エネルギーの制振材への伝達効率が高まって制振材の振動減衰効果が十分に引き出され、それにより装置の振動減衰性が顕著に改善される。
【0019】
この発明によれば、スライダブロックとエンドプレートとで制振材を挟み込んでその減衰効果を十分に引き出すことができる。
【0020】
請求項の発明は、請求項1に記載の運動案内装置において、前記スライダブロックの少なくとも一部が、前記制振材として機能する制振合金(45,47)にて形成されていることを特徴とする。
【0028】
請求項の発明は、請求項に記載の運動案内装置において、前記軌道軸は、前記スライダブロックと組み合わされる軌道軸本体(2B)と、その軌道軸本体と当該軌道軸の取付相手との間に介在される制振プレート(47)とを有し、前記制振プレートの少なくとも一部に前記制振材が設けられていることを特徴とする。
【0029】
この発明によれば、軌道軸本体と取付相手との間に介在された制振プレートによって軌道軸に入力された振動エネルギーが消費されて装置の振動減衰性が改善される。既存の軌道軸とその取付相手との間に制振プレートを介在させるだけで本発明を実現できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1および図2は本発明が適用された直線運動型の転がり案内装置の構成を示している。この案内装置1は、軌道軸としてのレール2と、このレール2に多数のボール(転動体)3を介して取り付けられてレール2の長手方向に移動可能なスライダ4とを有している。レール2は、長手方向の全長に亘って延びる4条の転動体転走面5…5と、レール2を固定するためのボルト取付孔6…6とを有している。スライダ4は、スライダブロック10と、その両端に取り付けられるエンドプレート20,20およびエンドシール30,30とを有している。なお、図示のレール2は直線状であるが、曲線状のレールが使用されることもある。転動体転走面5の本数は左右二条に限らず、左右一条あるいは左右合計で三条や四条等、転がり案内装置の用途等に応じて種々変更され得る。
【0031】
スライダブロック10はスライダ4に加わる荷重を受ける十分な剛性を有しており、一般には鋼によって構成される。負荷が直接加わらない部分に樹脂成型体が使用されることもある。スライダブロック10の下面側にはレール2を受け入れるための凹所11が設けられ、その凹所11を取り囲む壁面にはレール2の転動体転走面5に対応する転動体転走面12…12が形成されている。スライダ4がレール2に沿って移動するとボール3が転動体転走面5,12の間を転走する。そして、転動体転走面12の一端に達したボール3は一方のエンドプレート20の内部の方向転換路(不図示)に導かれ、さらにスライダブロック10の戻し路13および他方のエンドプレート20の内部の方向転換路(不図示)を経由して転動体転走面12の他端側に戻される。なお、一般に転動体転走面5,12の間をボール3の負荷転走路、エンドプレート20の方向転換路およびスライダブロック10の戻し路13の組み合わせを無負荷転走路、負荷転走路および無負荷転走路の組み合わせを無限循環路と呼んでいる。
【0032】
スライダブロック10の上面は例えば工作機械のテーブル等を固定する取付面10aとして使用される。なお、直線運動案内装置1の使用形態として、スライダ4が工作機械のベッド等に固定され、レール2がテーブル下面等に取り付けられてその長手方向に移動するように使用されることもある。以下では、図2のようにレール2を下にして使用するものとして、装置1の上下および左右を定義するが、それらの定義は実際の使用時における上下左右方向までも限定するものではない。
【0033】
以上の直線運動案内装置1において、取付面10aにラジアル荷重Fが加わると、スライダブロック10の袖部10b,10bに横方向(図の矢印Lt方向)の振動が発生し、その結果、転動体転走面5,12とボール3との接触位置が変化して取付面10aの高さ(レール2の下面から取付面10aまでの距離に相当)が変動する。このような振動に対する減衰性を改善するため、図示の案内装置1のスライダブロック10の両側面10c,10cには制振材40,40が取り付けられている。
【0034】
各制振材40はスライダブロック10の側面10cとほぼ同一の大きさの平板状に形成され、適当な接着剤を用いてスライダブロック10に固定される。制振材40としては、スライダブロック10を構成する鋼材や樹脂に生じる振動の減衰性を改善できる粘弾性を備えた各種の材料が使用できる。例えば、市販の樹脂系またはゴム・アスファルト系の制振材、エラストマー系の制振材、その他、粘性減衰作用を奏するゴムや樹脂材が制振材40として好適に使用される。制振材40としての樹脂には、例えば塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイソブチレン系樹脂、エチレン系樹脂、スチレン系樹脂等が使用でき、さらには各樹脂の共重合体等が使用できる。制振材40の種類や寸法はスライダ4の振動特性に合わせて調整することが望ましい。
【0035】
なお、従来より、スライダ4の一部を樹脂にて構成することが行われているが、それらの技術は、いずれもボール3の循環に必要な構成要素である戻し路13やエンドプレート20の方向転換路、あるいは負荷転走面12に導かれたボール3の脱落を阻止するための保持部等、スライダ4をレール2に沿って運動させるために必要な構造の一部を樹脂にて形成するものである。従って、スライダ4に従来使用されている樹脂は構造材料としての高い剛性を有しており、スライダ4に対する制振材としては実質的に機能しない。
【0036】
これに対して、本実施形態の制振材40は、スライダ4に加わるラジアル荷重を受ける必要がない位置に設けられ、上述した戻し路13のようにスライダ4をレール2に沿って運動させるために必要な構造を構成する構造材料として使用されていない。従って、スライダ4に使用されている構造材料としての樹脂と比較した場合、制振材40は可塑剤等を用いて軟化されており、振動減衰性能を示す損失係数が十分に大きく、弾性係数が相当に小さいという特徴を有している。また、制振材40の硬度も、従来のスライダ4に使用されている構造材料としての樹脂材と比較して相当に低い。
【0037】
以上のように制振材40を設けた場合、ラジアル荷重Fに対して袖部10bに生じる振動のエネルギーが制振材40にて消費されて振動が早期に減衰する。従って、ラジアル荷重に対する振動を抑制して案内装置1の案内対象に対する振動の影響を従来よりも小さいものとすることができる。例えば、工作機械のテーブル等を案内装置1にて案内する場合には、テーブルに載置されたワークのびびり振動が抑制されて機械の加工能力、加工精度や加工面の品質、工具寿命がそれぞれ向上する。しかも、図2の構成では、取付面10aを制振材40で覆っていないので、ラジアル荷重Fに対するスライダ4の剛性は制振材40の存在しないものと同等である。従って、工作機械やプレス加工機、免震装置等に使用しても、それらから加えられる重荷重に十分耐えることができる。
【0038】
本発明は図1および図2の構成に限定されず、種々の形態で実施してよい。以下に図3〜図14を参照して他の形態を説明する。但し、各図において、上述した図1および図2と共通する部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0039】
図3の例では制振材40の外側にさらに拘束板41が取り付けられている。拘束板41は制振材40よりも弾性係数が高い材料にて構成され、例えばS45C等の鋼材、FC20等の鋳鉄、ステンレス、アルミニウム等の金属材料、制振材としては機能しない程度まで剛性が高められた樹脂材等が使用される。制振材40と拘束板41とは例えば接着剤にて互いに固定される。このように拘束板41を設けた場合には、制振材40へ振動エネルギーが効率よく伝達されて減衰性が向上する。
【0040】
図4の例では、スライダブロック10の両側に取付面10aとほぼ直交する方向に延びるスリット10d,10dが形成され、それらのスリット10d,10dに制振材40が充填されている。この例によれば、スライダブロック10の両側部が図3の拘束板41と同様に機能して減衰性が向上する。スリット10dは、スライダ4の移動方向に関してスライダブロック10の移動方向に関する全長に亘って設けてもよいし、一部に限定してもよい。スリット10dはスライダブロック10の上面に開口するものでもよい。図5に示すように、スライダブロック10の一側に複数のスリット10d,10dを形成し、それらに制振材40を充填してもよい。この場合、スライダブロック10の上面に開口するスリット10dと下面に開口するスリット10dとを組み合わせるとよい。
【0041】
図6の例では、スライダブロック10の両側部に、スライダ4の移動方向に延びる複数の貫通孔(穴部)10e…10eが形成され、それら貫通孔10eに制振材40が充填されている。この例でも、スライダブロック10の両側部が図3の拘束板41と同様に機能して減衰性が向上する。貫通孔10eの個数はスライダブロック10の片側につき4個としたが、3個以下または5個以上でもよい。
【0042】
図7の例では、スライダブロック10の両側部に断面矩形状の貫通孔(穴部)10fが形成され、それら貫通孔10fに制振材40が充填されている。さらに、制振材40の中心には平板状の芯材42が設けられている。芯材42は例えばS45C等の鋼材やFC20等の鋳鉄等、制振材40よりも弾性係数の大きい材料にて形成され、図3の拘束板41と同様に機能する。図8に示したように、スライダブロック10の両側部に上下方向(ラジアル荷重Fの方向)へ延びる複数の穴部10g…10gを形成し、それら穴部10gに制振材40を充填し、穴部10gの中央に丸棒状の芯材42を設けてもよい。穴部10gはスライダブロック10を上下に貫通してもよいし、スライダブロック10の下面に達しない底付きの穴としてもよい。穴部10gの個数はスライダブロック10の片側につき5個としたが、4個以下または6個以上でもよい。
【0043】
図9の例ではスライダブロック10の穴部10gに合金製の制振材43が圧入されている。この制振材43は、スライダブロック10を構成する素材としての鋼材よりも振動減衰作用が高い制振合金の粉末をバインダーと混合した状態で金型内に射出し、バインダーを熱処理または化学処理にて除去して制振合金を所定形状に焼結処理するMIM(Metal-Injection-Molding)製法にて形成されている。この制振材43に使用される制振合金としては、例えばMn−Cu合金、Fe−Cu合金、Ni−Ti合金が好適である。純Ti、12%Cr鋼等も使用できる。この合金製の制振材43を使用した場合には、ゴム等の非合金系の制振材40と比較して制振材43の剛性を高められる利点がある。従って、剛性が必要な場所にも制振材43を使用できる。
【0044】
以上の実施形態では、スライダブロック10の側部に制振材40または43が設けられているが、それ以外の場所に制振材を設けることもできる。
【0045】
図10の例では、スライダブロック10とエンドプレート20との間に制振プレート44が挟み込まれている。図10(b)に示すように、制振プレート44はエンドプレート20と同様の輪郭形状を有しており、そこにはスライダブロック10のボス穴10h(図10(a)参照)に嵌合する位置決め用の一対の突起44a,44aが形成されている。また、制振プレート44には、スライダブロック10の戻し路13とエンドプレート20の方向転換路とを結ぶためのボール孔44b、エンドプレート20をスライダブロック10に固定するためのボルトを通すためのボルト孔44cが形成される。制振プレート44の材質には、上述した非合金系の制振材または合金系の制振材(制振合金)のいずれも使用できる。
【0046】
図11の例では、レール2の転動体転走面5,5の近傍にレール2の長手方向全長に延びる貫通孔2a,2aが形成され、それら貫通孔2aに制振材43が圧入されている。なお、この例ではスライダ4に制振材を設けていないが、上述した図1〜図10の例と組み合わせてもよい。
【0047】
図12の例では、スライダブロック10が、ブロック本体10Aとそのブロック本体10Aを覆う制振ブロック45とを圧入等で組み合わせて構成されている。ブロック本体10Aは鋼製であり転動体転走面12や戻し路13等を備えている。一方、制振ブロック45は、制振合金を上述したMIM製法にて所定形状に形成したものであり、制振材として機能する。上述したように、合金系の制振材によれば取付面10aに加わるラジアル荷重に対して十分な剛性を確保できる。従って、スライダブロック10の取付面10a側にも制振材を配置してラジアル荷重に対する振動減衰効果を高められる。なお、制振ブロック45はブロック本体10Aの上面または左右側面のいずれかのみに設けてもよい。ブロック本体10Aの移動方向の端面も制振ブロック45で覆ってよい。
【0048】
図13の例では、レール2が鋼製のレール本体2Aと、そのレール本体2Aの外側に配置される制振ブロック46とを圧入等で組み合わせて構成されている。レール本体2Aにはボルト取付孔6(図1参照)が形成される。この制振ブロック46も、制振合金を上述したMIM製法にて所定形状に形成したものであり、制振材として機能する。制振ブロック46には転動体転走面5が形成される。
【0049】
図14の例では、レール2が鋼製のレール本体2Bと、そのレール本体2Bの下面に敷かれる制振プレート47とを組み合わせて構成されている。なお、(a)は側面図、(b)はスライダ4の案内方向と直交する方向の断面図、(c)は制振プレート47の平面図である。レール本体2Bには転動体転走面5およびボルト取付孔6が形成される。制振プレート47は、レール本体2Bの下面と略同一の平面形状を有するプレート本体47aと、そのプレート本体47aから突出してレール本体2Bのボルト取付孔6に嵌合する筒状部47bとを有している。制振プレート47の材質には、上述した非合金系の制振材40または合金系の制振材43のいずれも使用できる。但し、非合金系の制振材を使用した場合には、レール2に加わる負荷により制振プレート47が押し潰されるように弾性変形してスライダ4の高さが変化する。従って、特に高精度が必要とされる場合には適さないが、高精度が必要とされない反面、びびり振動による騒音の低減が要求されている場合には効果がある。
【0050】
本発明は以上の実施形態に限定されず、種々の形態にて実施できる。例えば、スライダ4に制振材40を設けると同時にレール2にも制振材43を設ける等、各実施形態を適当に組み合わせてもよい。本発明は、4方向等荷重の案内装置1に限らず、種々の転がり案内装置に適用できる。転動体はローラでもよい。軌道軸とスライダとが転動体を介さずにすべり接触する運動案内装置であっても本発明は適用可能である。
【0051】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、運動案内装置のスライダまたは軌道軸に制振材を設けたので、ラジアル荷重の入力に伴って発生する振動を早期に減衰させ、それによりスライダの特に袖部の振動が案内対象に与える影響を抑えることができる。例えばスライダにて工作機械のテーブルを案内する場合には、そのテーブルのびびり振動を抑えてワークの加工能力、加工品位、工具の寿命をそれぞれ向上させることができる。特にスライダの取付面と軌道軸との間に挟まれた領域を避けて制振材を設けた場合には、樹脂系、ゴム・アスファルト系その他の非合金系の制振材を使用した場合であっても、スライダの剛性の低下を防止しつつその振動の減衰性を改善できる。一方、制振材として制振合金を使用した場合には、取付面のようにラジアル荷重が直接加わる箇所にも制振材を配置できるので、振動エネルギーの制振材への伝達効率を高めて振動の減衰性を改善できる。軌道軸とその取付相手との間に制振材を介在させた場合には、既存の軌道軸に容易に本発明を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る直線運動案内装置の分解斜視図。
【図2】図1の直線運動案内装置の運動案内方向と直交する方向の断面図。
【図3】図2の制振材の外側に拘束板を取り付けた例を示す断面図。
【図4】図2のスライダブロックのスリットに制振材を充填した例を示す断面図。
【図5】図4のスリットの本数を増加させた例を示す断面図。
【図6】図4のスリットに代えてスライダブロックの各側部に複数の貫通孔を設けた例を示す断面図。
【図7】スライダブロックの各側部に貫通孔を設けて制振材および芯材を設けた例を示す断面図。
【図8】図7の貫通孔に代えて、スライダブロックの上下方向に延びる穴部に制振材および芯材を設けた例を示す平面図。
【図9】図8の制振材および芯材に代え、合金系の制振材を穴部に圧入した例を示す平面図。
【図10】スライダブロックとエンドプレートとの間に制振プレートを設けた例を示す図。
【図11】レールの転動体転走面の近傍に制振材を設けた例を示す断面図。
【図12】スライダブロックの外周を制振ブロックで覆った例を示す断面図。
【図13】レールの外側の部分を制振ブロックにて構成した例を示す断面図。
【図14】レールの下面に制振プレートを取り付けた例を示す図。
【符号の説明】
1 直線運動案内装置
2 レール(軌道軸)
2A,2B レール本体
3 ボール(転動体)
4 スライダ
5,12 転動体転走面
6 ボルト取付孔
10 スライダブロック
10A ブロック本体
10a 取付面
10b 袖部
10c スライダブロックの側面
10d スリット
10e,10f 貫通孔
10g 穴部
11 凹所
13 戻し路
20 エンドプレート
30,30 エンドシール
40 粘弾性体系の制振材
41 拘束板
42 芯材
43 合金系の制振材
44,47 制振プレート
45,46 制振ブロック

Claims (7)

  1. 軌道軸と、前記軌道軸に相対移動可能に組み付けられたスライダとを備えた運動案内装置において、前記スライダは転動体転走面が形成されたスライダブロックを含み、前記スライダブロックに制振材が設けられ、
    前記スライダブロックには取付相手と連結される取付面が設けられ、前記制振材は、前記スライダブロックの外面または内部のうち、前記取付面と前記軌道軸とに挟まれた領域以外の部分に設けられ、且つ前記スライダブロックの前記取付面と交差する側部に前記スライダブロックの移動方向に沿って設けられていることを特徴とする運動案内装置。
  2. 記制振材の外側には前記制振材よりも弾性係数の大きい拘束板が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の運動案内装置。
  3. 記側部には前記取付面と略直交する方向に延びると共に前記スライダブロックの移動方向に沿って延びるスリットが設けられ、そのスリットに前記制振材が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の運動案内装置。
  4. 記側部には前記スライダブロックの移動方向に沿って延びる穴部が設けられ、その穴部に前記制振材が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の運動案内装置。
  5. 前記制振材の内部には、前記制振材よりも弾性係数の大きい芯材が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の運動案内装置。
  6. 前記スライダブロックの少なくとも一部が、前記制振材として機能する制振合金にて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の運動案内装置。
  7. 前記軌道軸は、前記スライダブロックと組み合わされる軌道軸本体と、その軌道軸本体と当該軌道軸の取付相手との間に介在される制振プレートとを有し、前記制振プレートの少なくとも一部に前記制振材が設けられていることを特徴とする請求項に記載の運動案内装置。
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