JP4331379B2 - 遺伝子型による生物の同定方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遺伝子型による微生物等の生物の種または類縁性等の同定方法に関する。
【0002】
【背景技術】
従来、微生物を含む生物の同定は、基本的に表現型を用いて行われて来た。しかし、表現型による同定は、生物をより精密に区別することを目的とする同定には不向きであった。特に、種の数が膨大である微生物においては、表現型による同定(特定)には、現実問題として限界があった。一方、日常生活において微生物が係わることは多い。例えば、O157、結核、MRSA、コレラなどの微生物が原因となる疾患は多く、有効な治療法の確立や、感染経路の把握のためには、微生物の精密な同定技術が必要である。また、農産物の生産性や品質に土壌細菌が係わっていたり、ヒトの健康に腸内細菌叢の良否が大きく影響していると言われている。しかるに、農産物の生産性や品質と土壌細菌の種類や量、組合せとの関係、さらにはヒトの健康と腸内細菌叢との関係について、精密な検討が行われていないのが現状である。これは、これまでのように表現型による微生物の同定では、精密な同定、判別が不可能であることに起因している。
そこで、表現型に代わるものとして遺伝子型による微生物の同定が提案されている。
【0003】
【発明が解決すべき課題】
例えば、各微生物のゲノム(全体)同士を比較することにより微生物の種の同定、判別をすることは、現在のシーケンス技術レベルでは十分可能である。しかし、相当の手間と時間を掛ける必要が有り、簡便な方法ではない。従って、ゲノム(全体)同士の比較による微生物の種の同定、判別は、現実には広汎に行い得る方法ではない。また、より簡便な方法として、ゲノムの一部の配列比較をする方法がある。しかし、例えば、16S rRNAの配列比較では、種の同定、判別には十分な情報が得られない。
そこで本発明の目的は、ある程度簡便で現実に実行可能である、遺伝子型による微生物等の生物について、種や類似性等を同定する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(1)同定対象である生物のゲノムの一部又は全部を鋳型としてランダムPCRにより、1種又は2種以上の2本鎖DNA断片を調製し、
(2)(1)で調製した2本鎖DNA断片を温度勾配ゲル電気泳動(TGGE)または変性剤濃度勾配ゲル電気泳動(DGGE)に付し、
(3)(2)で得られた電気泳動パターンから各DNA断片の同定ポイントを抽出し、
(4)(3)で得られた同定ポイント群からPaSS及び/又はゲノム準距離を求め、
(5)(4)で得られたPaSS及び/又はゲノム準距離に基づいて、微生物の同定を行う方法であって、
TGGEまたはDGGEによる電気泳動の際に、同定ポイントの基準点として、スタンダードDNAを共存させ、スタンダードDNAとの位置関係から同定ポイントの疑絶対位置を決定することを特徴とする方法に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
(1)ランダムPCRによるゲノムから2本鎖DNA断片の調製
ランダムPCRは、本発明者らにより開発された方法である。
通常のPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法は、特定のDNA領域をはさんだ2種のプライマーとDNAポリメラーゼによるDNA合成反応を繰り返し行うことで、特定のDNA領域を増幅する方法である。具体的には、90℃前後の温度で熱処理(デネーチャー)して2本鎖DNAを1本鎖とし、50℃前後の温度でアニーリングすることでプライマーがこの1本鎖DNAに付着し、次いで65℃前後の温度でこのプライマーを起点として1本鎖DNAを鋳型としてモノマーのヌクレオチドを原料とし、DNA鎖がDNAポリメラーゼにより合成される(鎖の伸長反応)。これらデネーチャー、アニーリング及び伸長反応のサイクルを繰り返し行うことで、2種のプライマーと相補的配列を有する部分に挟まれたある特定のDNA領域の配列に対応する2本鎖DNA断片のみが増幅される。
【0006】
上記PCR法は、特定のDNA領域のDNA断片のみを増幅することを目的とする方法である。従って、上記アニーリングの条件は、プライマーがこのプライマーの配列と相補的な配列(GとCの対又はAとTの対)を有する、1本鎖DNAの特定の部位に結合するように設定されている。即ち、アニーリングの条件は、プライマーと鋳型である1本鎖DNAとがミスマッチを起こすことなく、プライマーと1本鎖DNAとが 2本鎖を形成し得る条件としてある。ところが、上記アニーリングを約30℃で行い、かつ鎖の伸長反応を約50℃で行う事でも、DNA鎖を増幅することはできる。しかし、アニーリングの温度が低いために、プライマーと鋳型である1本鎖DNAとの間の一部の塩基対に相補的でないミスマッチ(例えば、GとAの対)が混在し得る。通常は、完全に相補的な配列を有するDNA断片でない限りプライマーとはなり得ず、鎖の増幅はできない。それに対して、上記のように、アニーリングと伸長反応を比較的低温度で行うと、完全に相補的な配列を有しないDNA断片であってもプライマーとなり、鎖の増幅が行われる。
【0007】
そこで、ゲノムDNA等のDNAを鋳型として、ある特定の配列のDNA断片(例えば、12マー程度の長さで、鋳型のDNA配列に関係なく選択した断片)をプライマーとしてデネーチャー、アニーリング及び伸長反応のサイクル(但し、アニーリング及び伸長反応を通常より低い温度で行う)を繰り返し行うと、完全に相補的な配列を有しないDNA断片であってもプライマーとなり、鎖の増幅が行われ、プライマー部分にミスマッチを含み得る2本鎖DNA断片が1種又は2種以上形成される。この方法は、鋳型上の特定の領域を増幅することが目的ではなく、かつ多少のミスマッチを含んでもプライマーとして伸長反応の起点とさえなれば鎖の増幅は行われるので、2種以上の2本鎖DNA断片が形成される可能性がある。しかも、鋳型として用いるDNA及びプライマーとして用いるDNA断片が同一であり、かつデネーチャー、アニーリング及び伸長反応のサイクルの条件が同一であれば、必ず同一の配列を有するDNA鎖(群)が増幅されて得られることが見いだされている。この方法は、鋳型上の特定の領域を増幅することが目的でないことから、ランダムPCRと呼ばれている。
【0008】
ランダムPCRでは、同一のゲノムDNAを鋳型としてもプライマーとして用いるDNA断片の配列を変化させたり、デネーチャー、アニーリング及び伸長反応のサイクルの条件を変化させると、増幅の結果得られるDNA鎖(群)は異なり得る。特に、プライマーの塩基長及び配列により、得られるDNA鎖(群)は大きく変動するので、目的に有ったプライマーを適宜選択することが好ましい。この性質を利用してプライマーの塩基配列を変えることにより、ゲノムの配列情報を多面的に取り出すことができる。
【0009】
本発明の方法では、種の同定等を行うべき微生物のゲノムの一部又は全部を鋳型として、1種又は2種以上の2本鎖DNA断片をランダムPCRにより増幅、調製する。ゲノムの一部又は全部を微生物からゲノムを取得する方法はごく一般的に行われる方法をそのまま用いることができる。ランダムPCRにおいて鋳型として用いられるゲノムの一部又は全部は、例えば、Wangらのアルカリ法(H. Wang, M. Gin, A. J. Cutler, Nucl. Acids Res., 21, 4153(1993))を用いて調製することができる。
【0010】
また、取得したゲノムを鋳型として行うランダムPCRは以下のように行うことができる。
通常のPCR法と異なり、ランダムPCRでは用いるプライマーの配列、長さ及び種類は適宜選択することができる。しかし、実験的にも解析的にも最も簡便な系になるのは、比較的短い唯一のプライマーを用いる場合である。また、唯一のプライマーを用い、同じ微生物由来のゲノムを増幅する場合であっても、プライマーの配列及び長さにより、増幅され得る2本鎖DNA断片の種類及び量は異なる。また、唯一のプライマーを用い、同一の配列及び長さを有するプライマーを用いる場合であっても、ゲノムが由来する微生物が異なることで、増幅され得る2本鎖DNA断片の種類及び量は異なる。このようなことを考慮して、プライマーの配列、長さ及び種類は適宜選択される。プライマーは長くなりすぎるとヘアピン構造をとりやすくなり、アニーリングがしにくくなり、PCR産物の収量が低下する傾向がある。また、プライマーは短くなりすぎるとミスマッチを含有する結合が十分に安定化せず、PCR産物の収量が低下する傾向がある。そこで、プライマーの長さ(塩基長)は、例えば8〜20の範囲とすることが適当であり、10〜16の範囲であることが好ましく、10〜12塩基長であることが特に好ましく、12塩基長であることが最も好ましい。12塩基長のオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いることができ、そのようなオリゴヌクレオチドプライマーとしては、例えば、pfM4(dCAGTCAGGACGT)、pfM12(dAGAACGCGCCTG)、pfM14(dCGTCGCTATTAA)、pfM19(dCAGGGCGCGTAC)、(dA)12(dAAAAAAAAAAAA)、(dA3T3)2 (dAAATTTAAATTT)、(dAATT)3(dAATTAATTAATT)、(dACG)4 (dACGACGACGACG)、(dAT)6(dATATATATATAT)、(dC)12 (dCCCCCCCCCCCC)、(dCCGG)3 (dCCGGCCGGCCGG)、(dCT)6 (dCTCTCTCTCTCT)、(dG)12 (dGGGGGGGGGGGG)、(dGA)6 (dGAGAGAGAGAGA)、(dGGCC)3 (dGGCCGGCCGGCC)、(dT)12 (dTTTTTTTTTTTT)、(dT3G3)2 (dTTTGGGTTTGGG)、(dTGC)4 (dTGCTGCTGCTGC)、(TA)4C2AC(dTATATATACCAC)、Cohesive1 (dGGGCGGCGACCT)、Cohesive2 (dAGGTCGCCGCCC)、G4sand(dGGGGTCGAGGGG)、GCTA9 (dGCTAAAAAAAAA)、notG (dCAATTCTACAAC)、notT (dACGAGCGAGCGC)、Promote1 (dTATAATTATAAT)、Promote2 (dATTATAATTATA)、SD1 (dGATCACCTCCTTA)、SD2(dTAAGGAGGTGATC)、Telomerel (dCCCACCCACCCA)、Telomere2 (dTGGGTGGGTGGG)、FITC17-H-3' (5'GAG GAA ACA GCT ATG AGA TCT TCT C 3')、FITC17-H-5' (5'CAG GAA ACA GCT ATG ACG TTC TCA C 3')、LH-7-3' (5'GGC GAT ATC CCT GAA A 3')、LH-7-5' (5'TAT TAT TTC CGC AAA G 3')、M13 Reverse (5'CAG GAA ACA GCT ATG AC 3')、cy3-pfM12 (5'cy3-AGA ACG CGC CTG 3')(with cy3 fluorescence)、FITC/UCS (5'FITC- CA GGA AAC AGC TAT GAC 3')(with FITC fluorescence)、MA1-FITC (5'FITC- TGC TAC GTC TCT TCC GAT GCT GTC TTT CGC T 3')(with FITC fluorescence)、cy3-MA1 (5'cy3- TGC TAC GTC TCT TCC GAT GCT GTC TTT CGC T 3')(with cy3 fluorescence)、HEX-pfM11 (5'HEX- GAA CCT CCC GAC 3')(with Hex fluorescence)、TAM-TGC4 (5'TAM- TGC TGC TGC TGC 3')(with Tamra fluorescence)等を挙げることができる。
【0011】
ランダムPCRの場合、上述のように、PCR運転条件が低温になるのが通常のPCR法との顕著な違いであり、その他の運転条件では通常のPCR法と実質的に同一である。ランダムPCRでの反応溶液、反応条件などは以下の通りである。
反応溶液100μlには、200μM dNTP(N=G、A、T、C)、0.5μMプライマー、l0mM Tris-HC1(pH9.0)、50mM KCl、2.5mM MgC12、0.1%Triton X-100、0.02unit/μl TaqDNAポリメラーゼ、及び適当量(例えば、別途説明する方法で調製した3μlのDNA溶液を加えて、反応溶液全体を100μlとした)の鋳型DNAを含む。またPCR反応は、94℃で1分間の処理の後に、変性(94℃、30秒)、アニーリング(28℃、2分)、鎖伸長(47℃、2分)のサイクルを20〜30回繰り返し、最後に47℃で2分処理する。ただし、(G+C)含量の低いpfM14をプライマーに用いたときには、アニーリング温度を23℃にし、鎖伸長反応は42℃で10分間にし、最後のチェイス処理も42℃で10分に変更することができる。以上の実験において、反応溶液の調製混合などはクリーンベンチで行い、また、鋳型DNAを加えあわせる直前の溶液(すなわち、鋳型DNA以外をすべて含むもの)に対して紫外線照射(312nm、10分)を行い、夾雑物に由来したPCR産物の予防に努めることが好ましい。
【0012】
上記ランダムPCRにおいて、原料として蛍光マーカーを有するものを用いて、蛍光マーカーを有するDNAを増幅することができる。この場合、スタンダードDNAとして蛍光標識されたDNAを用い、後述の同定ポイントの抽出を、DNAに付された蛍光マーカーを利用して画像処理で行うことができる。蛍光マーカーを有する原料としては、プライマーまたはヌクレオチドであることができる。蛍光マーカーを有するプライマー及びヌクレオチドは、市販品を入手するか、または公知の方法により容易に合成等することができる。
【0013】
(2)2本鎖DNA断片のTGGEまたはDGGEによる電気泳動
本発明の方法では、(1)で得られた2本鎖DNA断片を温度勾配ゲル電気泳動(TGGE:Temperature gradient gel electrophoresis)または変性剤濃度勾配ゲル電気泳動(DGGE:Denaturant gradient gel electrophoresis)により電気泳動する。
TGGE及びDGGEはいずれも公知の方法である。TGGEは、例えば、R. Riesner, et. al Electrophoresis 10, 377-389(1989)に詳細な記載があり、DGGEは、 例えば、E. S. Abrams, V. P. Stanton, Jr., Methods Enzymol., 212, 71(1992)に詳細な記載がある。また、いずれの方法も市販の装置を用いて容易に行うことが出来る。TGGE及びDGGEはいずれも、スラブ型ゲルを用いた2次元電気泳動法であり、2本鎖DNAの泳動方向と垂直方向に温度勾配または変性剤の濃度勾配を設けて行うものである。TGGE及びDGGEによれば、2本鎖DNAが有する塩基配列に固有のメルト(2本鎖の解離)挙動を把握することができる。即ち、泳動に付される2本鎖DNAに存在するある領域中の一群の塩基対が有する結合の強さ(耐熱性あるいは耐変性剤性)を、TGGE及びDGGEにより視覚化することができる。
TGGEにおいては、通常30℃〜70℃の範囲の温度勾配が付与される。DGGEの場合、使用される変性剤としては例えば、尿素やホルムアミドを用いることができ、濃度の勾配は例えば、0〜15Mの範囲である。
【0014】
本発明の方法では、TGGEまたはDGGEによる電気泳動の際に、同定ポイントの基準点として、スタンダードDNAを共存させ、スタンダードDNAとの位置関係から同定ポイントの疑絶対位置を決定する。ランダムPCRで増幅した2本鎖DNAに、同定ポイントの基準点としてスタンダードDNAを共存させ、これを電気泳動し、スタンダードDNAも、その配列に応じた電気泳動パターンを示す。このスタンダードDNAの電気泳動パターンを基準とし、それとの位置関係から、各2本鎖DNAの同定ポイントの疑絶対位置を決定することができる。スタンダードDNAは、一種の標準内部参照試料となる。このようなスタンダードDNAを用いることで、条件にある程度のバラツキがある電気泳動により得られたデータを、同一の基準に基づくものとして、解析することが可能になる。すなわち、スタンダードDNAを用いることで、電気泳動パターンから得られるデータを補正し、規格化することが可能になる。
【0015】
TGGEまたはDGGEによる電気泳動においては、2本鎖DNAの少なくとも一部は、融解開始点、最減速点(最も移動速度が遅くなっている点)、SS移動度収束点(一本鎖DNAの移動速度に収束する点)を特徴点として有する。電気泳動条件によっては、与えられた条件内では、このような特徴点を示さない場合もあり得る。スタンダードDNAについては、採用される電気泳動条件において、融解開始点、最減速点、SS移動度収束点等の特徴点が明瞭に観察されることが、基準点を提供するという観点から好ましい。また、同定対象とするゲノム由来の2本鎖DNAの電気泳動パターンと容易に見分けが付くパターンを有することが、スタンダードDNAとしては好ましい。
スタンダードDNAは、例えば、設定温度勾配(または濃度勾配)の範囲で、両端の各々に近いところで明瞭な転移を生じるもの(二本鎖DNAまたはヘアピン型DNA/RNAなど)1組であり、通常転移を観察する200〜1000塩基長の転移領域において紛れないタイプのものであることが適当である。
また、より正確に基準点(群)を提供するという観点から、2種以上のスタンダードDNAを用いることもできる。
スタンダードDNAとしては、例えば、配列表に示した配列番号1及び2に示す配列を挙げることができる。ただし、これらの配列に限定されないことは当然である。
配列番号1及び2に示されたスタンダードDNAについてTGGEで得られる電気泳動パターンを図1に示すとともに、その性状を表1に示す。尚、上記TGGEは、タイテック社製電気泳動装置TG-180で、4%ポリアクリルアミドゲル(8M尿素含有40mMトリス緩衝液(pH8.0)を用い、30℃〜70℃の直線温度勾配を用い、300Vの下で90分間の条件で行ったものである。
【0016】
【表1】
Figure 0004331379
【0017】
(3)電気泳動パターンからの種同定ポイントの抽出
TGGE及びDGGEにより得られた電気泳動ゲル上のDNA(スタンダードDNAを含む)のバンド(電気泳動パターン)を、例えば、銀染色することで視覚化し、視覚化した各パターンから同定ポイントを抽出する。
ゲルの銀染色は、例えば、BoulikasとHancockらの方法(T. Boulikas, R. Hancock, J. Biochem. Biophys. Methods, 5, 219(1981))を基にして,OhsawaとEbataらのPEG処理の改善点(K. Ohsawa, N. Ebata, Anal. Biochem., 135, 409(1983))を付け加えた方法によることができる。
【0018】
以下、方法の概要を述べる。
1)ゲルボンドフィルムに付着した状態のゲルをそのまま、30%PEG2000水溶液(200ml)の入ったプラスチック容器に移し、室温(15-30℃)で30分間ふりまぜる。この間にゲルはフィルムからはく離し、さらに収縮、白濁する。
2)一回蒸留水150mlで置換し、よくすすぐ。これを2度行う。なお、すすぎ液はアスピレーターで完全に吸い出す。
3)すすぎ液を除いた後に、約200mlの銀染色液(200mlの2回蒸留水に10mlの1MNaOHと2mlの25%アンモニア水を添加、混合した後に、硝酸銀0.4gを溶解したもの)を注ぎ、 30分間ふりまぜる。
4)二回蒸留水200mlに置換し、1分間ふりまぜ、排液した後、再度同じ洗浄を行う。
5)約200ml現象液(200mlの2回蒸留水に、200μlの10%クエン酸と200μlのホルマリンを加え溶解したもの)に置換し、軽く揺すりながらバンドが適当な濃さになるのを待つ。
6)適当な濃さになったらす早く現像液を除き、予め調製しておいた200mlの停止液(10%酢酸、40%メタノールの水溶液)を加え、約10分間ふりまぜ、染色されたゲル試料を得る(なお、現像廃液は乾固させてはならない。爆発性の雷銀を生じることがあるため)、以上の処理で、PCR反応溶液100μl中に数ng存在するDNA断片(仮に21ngで、300塩基長とすれば、約10fmolすなわち、6x109分子)が十分検出される。(条件さえよければ実際にはこの十分の一量でも検出されうる。)
【0019】
DNA量が十分に多い場合(数10ng/バンド)にはEtBr(エチジウムブロマイド)法、泳動後のゲルを水洗いの後、5μg/mlの濃度のEtBr溶液に浸し(10分ぐらい)、直接、紫外線ランプ(360nmぐらい)の下で、蛍光を観察する方法を用いることもできる。
【0020】
あるいは(1)のランダムPCRによる増幅工程において、ランダムPCRの原料に蛍光マーカーを有するものを用いて、蛍光マーカーを有するDNAを増幅し、種同定ポイントの抽出を、DNAに付された蛍光マーカーを利用して行うこともできる。蛍光マーカーを有する原料は、プライマーまたはDNAポリメラーゼの基質となるヌクレオチドであることができ、蛍光マーカーを有するプライマー及びヌクレオチドはいずれも公知であり、市販品を容易に入手することができる。
ランダムPCRの原料、例えば、プライマーに蛍光マーカーを有するものを用い、かつ異なる励起波長及び蛍光波長を有する蛍光マーカーを用いて別々に増幅した複数のDNA群を1つのプレートで電気泳動させ、各DNAについてのパターンを異なる励起波長及び蛍光波長を用いることで別々に検出することが可能になる。具体的には、同一の配列を有するプライマーであって異なる蛍光マーカーを有するプライマーA、B、Cを異なる種の生物a、b、cのDNAの増幅にそれぞれ使用し、得られた増幅DNAを、生物aについてはプライマーAの蛍光マーカーに対応する励起波長及び蛍光波長を用い、生物bについてはプライマーBの蛍光マーカーに対応する励起波長及び蛍光波長を用い、生物cについてはプライマーCの蛍光マーカーに対応する励起波長及び蛍光波長を用いて、それぞれ別々に検出することができる。あるいは、配列及び蛍光マーカーのいずれもが異なるプライマーA、B、Cを、同一の生物のDNAの増幅にそれぞれ使用し、得られた増幅DNAを、プライマーAについてはプライマーAの蛍光マーカーに対応する励起波長及び蛍光波長を用い、プライマーBについてはプライマーBの蛍光マーカーに対応する励起波長及び蛍光波長を用い、プライマーCについてはプライマーCの蛍光マーカーに対応する励起波長及び蛍光波長を用いて、それぞれ別々に検出することができる。
【0021】
ここで、同定ポイントとは、各パターン(曲線)が有する変曲点や等移動度点などである。
同定ポイント(変曲点や等移動度点)の選択は、例えば、以下のようにして行うことができる。融解開始点(Ti)は、2次微分の極大値または2次微分の値が0となる2点の中間点求める。不連続点(Xの微少増に対して大きなYの変化のある点)を求め、それをTmin(最小移動度点)とする。一本鎖状態の移動度に終着する点(最終的移動度に最初に到達する点)Teを求める。以上の作業を明確なバンドから順に行い、例えば全体で10〜12点得るまで行う。但し、サンプリングするバンドの数は適宜選択することができる。また、例えば、予め種がわかっており、対応するバンドが明らかである場合、予め指定されたバンドについて上記操作を行うことができる。
【0022】
同定ポイントの抽出は、具体的には、CCDカメラとコンピューターを用いた画像処理により行うことができる。画像処理には、上述のように銀染色することで視覚化した電気泳動パターンを、適当な撮像手段を介して、適当な電子記録媒体にカラー画像またはグレースケール画像として取り込む。具体的には、デジタルカメラのような撮像手段を用いて、電気泳動パターンの画像をコンピューターにゲノムプロフィリング画像として、取り込むことができる。ゲノムプロフィリング画像の例を図1に示す。図1は、上述のように、内部標準用の配列のゲノムプロフィリング画像である。
ゲノムプロフィリング画像は、コンピューター上で、必要なら歪み補正をした後、規格化処理を施される。歪み補正は、ゲノムプロフィリング画像の歪みが通常の誤差範囲内であれば省略することができる。規格化処理は、内部標準参照試料の特徴点及び実験条件パラメーターなどに基づいて、縦軸(Y軸:移動度)方向及び横軸(X軸:温度または濃度)方向を規格化する画像処理である。この規格化処理により、移動度Mは0から1までの間で無次元化される。または、温度Tとして、例えばゲル中に存在する尿素の変性効率を温度換算した後に得られる実効的温度すなわち還元温度が適用される。
【0023】
規格化処理後、線分を抽出し、さらに抽出された線分を関数化処理する。
線分抽出(肉付き線分抽出)は、ゲノムプロフィリング画像中のいくつかのバントのそれぞれについて、いわゆる連形成参照点シフト方式により行われる。なお、対象となるバンドが変性前と変性後で連続している場合には、バンド上の1点を指定すれば、肉付き線分を抽出することができる。しかし、対象となるバンドが変性前と変性後で連続していない場合には、変性前と変性後の2点を指定して肉付き線分を抽出する。また、連形成参照点シフト方式に代えて二値化方式を用いて肉付き線分の抽出をすることも可能である。
【0024】
ゲノムプロフィリング画像から抽出された各バンドに対応する肉付き線分は、次いでスリム化処理される。スリム化処理は、肉付き線分をいわゆる1価関数のスリム化線分へ変換する処理である。スリム化処理は、例えば、ランニングアベレージ法を用いて、ある重心のY座標と両側に隣接する重心点のY座標との平均座標をその重心点におけるY座標と設定するスムージング処理により、多数の重心点からなる滑らかな連鎖(曲線)からなるスリム化線分が得られる。
スリム化線分に対して関数化処理が施される。関数化処理は、例えばニュートン・ラプソン法を用いて、各スリム化線分を適当な次数(例えば10次)のn次斉関数か、三角関数に近似する。
【0025】
スリム化線分及び関数化処理された各バンド曲線について、特徴点抽出処理を行う。抽出される特徴点としては、例えば、融解開始点Pint、最小移動度点Pmin、移動度終着点Pendを挙げることができる。融解開始点Pintは、変性前における融解の開始に対応するバンド曲線上の点である。最小移動度点Pminは、移動度が最小値に達するバンド曲線上の点である。移動度終着点Pendは、変性後の一本鎖状態の移動度に終着するバンド曲線上の点である。
【0026】
図2は、第1の典型的なバンド曲線の形態を示す図である。
図2に示すように、典型的な第1バンド曲線51では、融解が開始する温度Tiniよりも低い温度において移動度Mは温度Tに関してほぼ線形的に増大する。融解開始点Piniに対応する温度Tiniに達して融解が開始すると、移動度Mは温度Tに関してほぼ線形的に減少した後に、その減少率が漸減しながら、やがて最小移動度点Pminに達する。
【0027】
最小移動度点Pminに対応する温度Tminに達した後、温度の上昇に対して移動度Mが急増し、やがて変性後の一本鎖状態の移動度すなわち移動度終着点Pendに達する。移動度終着点Pendに対応する温度Tendよりも高い温度では、移動度Mは再び温度Tに関してほぼ線形的に増大する。これは温度上昇に伴う粘度の低下のためであって、形態の変化はほとんどないと考えられている。なお、最小移動度点Pminが不連続点となり、最小移動度点Pminに対応する温度Tminと移動度終着点Pendに対応する温度Tendよりもわずかに低い温度との間でバンド曲線が不連続になることが多い。
【0028】
図3は、第2の典型的なバンド曲線の形態を示す図である。
図3に示すように、典型的な第2バンド曲線61では、第1バンド曲線51と同様に、融解が開始する温度Tiniよりも低い温度において移動度Mは温度Tに関してほぼ線形的に増大し、融解開始点Piniに対応する温度Tiniに達して融解が開始すると移動度Mは温度Tに関してほぼ線形的に減少する。しかしながら、第1バンド曲線51の場合とは異なり、やがて最小移動度点Pminに達した後、最小移動度点Pminに対応する温度Tminよりも高い温度では、移動度Mは再び温度Tに関してほぼ線形的に増大する。すなわち、第2バンド曲線61では、最小移動度点Pminと移動度終着点Pendとが一致し、バンド曲線が不連続になることはない。
【0029】
関数化処理を介して得られたバンド曲線の一次微分、二次微分、その不連続点などの情報に基づいて、たとえば融解開始点Pini、最小移動度点Pmin、移動度終着点Pendを特徴点として抽出する。
具体的には、融解開始点Piniは、2つの直線部分52(62)と53(63)とによって挟まれた曲線部分の中間点として抽出される。したがって、融解開始点Piniは、バンド曲線51(61)の一次微分値および二次微分値に基づいて求められる。
【0030】
また、最小移動度点Pminは、第1バンド曲線51の場合、たとえば曲線上の不連続点として抽出される。一方、第2バンド曲線61の場合、最小移動度点Pminは、移動度終着点Pendと同じ点として後述のように求められる。
さらに、移動度終着点Pendは、直線部分54(64)を−X方向に沿って見ると直線部分から離れる点として、バンド曲線51(61)の一次微分値および二次微分値に基づいて求められる。
【0031】
以上の特徴点抽出処理は、明瞭なバンドすなわち明瞭に線分化されたバンド曲線から順に行われ、全体として所定数の特徴点が得られるまで行われる。なお、試料微生物の種が予め分かっており、特徴点を抽出すべき指定バンドが自明である場合には、それらの指定バンドについて特徴点抽出処理を行う。図4では、3つのバンド曲線から抽出された合計8個の特徴点Pj(j=1〜8)すなわち特徴点群を模式的に示している。実際には、3つよりも多くのバンド曲線から8個よりも多くの特徴点を抽出する。
【0032】
なお、上述の説明では、スリム化処理および関数化処理を介して得られたバンド曲線から特徴点を抽出しているが、スリム化処理および関数化処理を行うことなく、各肉付け線分から直接的に特徴点を抽出することもできる。
【0033】
(4)同定ポイント群(温度及び移動度)からPaSS及び/又はゲノム準距離を求める
PaSSとは、パターン類似度(Pattern Similarity Score)であり、ゲノム準距離とは、PaSSを用いた2種の微生物のゲノムの類縁状況を表す指標であり、(1−PaSS)/PaSSで表される。PaSS及びゲノム準距離は、上記のようにして抽出方法で得られた特徴点群(spiddos: species identification dots)から以下のように算出され、PaSS及び/又はゲノム準距離を用いて遺伝子型により微生物を同定することができる。微生物の同定は、比較対象ゲノムについて得られた特徴点群と、同定対象である微生物のゲノムについて得られた特徴点群とを比較することにより行われる。
【0034】
同定対象である微生物の種が予め分かっている場合、その種を比較対象とする。また、同定対象である微生物の種が未知である場合、ゲノムプロフィリング画像の全体的な形態に基づいて予め選定された代表種(たとえば数十種)を仮の比較対象とする。あるいは、試料微生物の種が未知である場合、上述の特徴点抽出処理により得られた各特徴点について類似する特徴点(たとえば図において原点Oから各特徴点までの距離の差異が5%以内)を有する種を順次リストアップする。そして、リストアップされた種を仮の比較対象とする。
【0035】
次いで、比較対象ゲノムの特徴点群に基づいて、上述の特徴点抽出処理で得られた特徴点群から対応特徴点(たとえば10点)を決定する。ここで、対応特徴点とは、比較対象ゲノムの特徴点群の各特徴点に対して位置的に対応する特徴点である。対応特徴点の決定は、(1)実験者がコンピュータディスプレー上で対応特徴点を1つづつ手動で指定する実験者指定方式、(2)比較対象ゲノムの特徴点群の各特徴点が属する座標ゾーン(XY座標において二次元的な所定の面積を占める領域)を決定し、その座標ゾーンに属する試料特徴点を対応特徴点として順次自動的に割り当てる自動割当方式、(3)対応特徴点数を適当に設定し、比較対象ゲノムの特徴点群および抽出された試料特徴点からそれぞれ対応特徴点数だけ任意に選択し、対応付けを組み合わせ論的に行い、後に定義するPaSSが最も大きくなる組み合わせに基づいて対応特徴点を自動的に求める最適対応付け自動計算法を挙げることができる。
【0036】
こうして、図5に示すように、比較対象ゲノムのn個の特徴点P0i(i=1〜n)に対応して、試料微生物についてn個の特徴点P1i(i=1〜n)が得られる。ここで、各特徴点Pi(比較対象ゲノムのn個の特徴点P0i および試料微生物についてn個の特徴点P1i)は、位置ベクトルVi(比較対象ゲノムのn個の特徴点の位置ベクトルV0iおよび試料微生物についてn個の特徴点の位置ベクトルV1i)を有する。なお、位置ベクトルViの原点として、たとえばM=0でT=最小温度の点Oを採用することができる。
【0037】
各特徴点Piの位置ベクトルViを用いて、以下の式(1)で規定されるPaSSが得られる。
【数1】
PaSS=1−{Σγ(i)}/n (1)
ここで、Σはi=1〜nまでの総和記号であり、γ(i)は以下の式(2)で表される。
【数2】
γ(i)=2×|V1i−V0i|/(|V1i|+|V0i|) (2)
【0038】
なお、上述の説明では、ベクトル(依存)型の計算法にしたがってPaSSの値を求めているが、以下に示すようにスカラー型の計算法に基づいてPaSSの値を求めることもできる。
【数3】
PaSS=1−{Σr(i)}/n (4)
ここで、Σはi=1〜nまでの総和記号であり、r(i)は以下の式(5)で表される。
【数4】
r(i)=[[(T1i−T0i)/(Tw/α)]2 +[(M1i−M0i)/(M1i+M0i) /2]21/2
(α2+121/2 (5)
【0039】
ここで、T0iは比較対象ゲノムのn個の特徴点P0iの温度であり、T1iは試料生物のn個の特徴点P1iの温度である。また、M0iは比較対象ゲノムのn個の特徴点P0iの移動度であり、M1iは試料生物のn個の特徴点P1iの移動度である。さらに、Twは、特徴点の現れる温度範囲幅(たとえば約60℃)に相当する温度規格化因子である。また、αは、移動度変化と温度変化の両方の「重み」の相対値であって、1である。ところで、式(5)の分母部分(α2+121/2は、第2の規格化因子(r(i)の値を1以下にするための)を構成している。
【0040】
また、式(1)または(4)に基づいて得られるPaSSを用いて、以下の式(3)で規定されるゲノム準距離dsが得られる。
【数5】
s=(1−PaSS)/PaSS (3)
一般に、試料微生物の種と比較対象ゲノムの種とが同じ場合、PaSSの値(スコア)は1に近くなり、ゲノム準距離dsの値は0に近くなる。
【0041】
(5)PaSS及び/又はゲノム準距離に基づく微生物の同定(種同定及び/又は類縁性同定)
同定対象である微生物の種が未知である場合、各比較対象ゲノムに対してPaSSおよび必要に応じてゲノム準距離dsを計算する。そして、PaSSの値が標準値(たとえば0.96)を上回るまで、あるいはゲノム準距離dsの値が標準値(たとえば0.04)を下回るまで、他の対象ゲノムとの比較を繰り返す。こうして、PaSSの値またはゲノム準距離dsの値に基づいて試料微生物の種の同定を行うことができる。
【0042】
一方、同定対象である微生物の種が既知である場合、PaSSの値またはゲノム準距離dsの値に基づいて同一種における個体間の類縁性を判定することができる。すなわち、同一種に属する2つの試料微生物についてPaSSまたはゲノム準距離dsを求め、2つのPaSSの値が十分に近い場合または2つのゲノム準距離dsの値が十分に近い場合には2つの試料微生物が同一種であってその個体間の類縁性が高いものと判定される。
【0043】
さらに、ある一定のゲノム準距離以内にある種や個体の集合を近隣情報としてゲノム配列空間にプロットすることにより保存することが好ましい。
こうして、ゲノムプロフィリング画像、特徴点群、判断情報、近隣情報などは、適当なデータベースに登録され、随時利用可能に構成されることが好ましい。
【0044】
以上のように、変性前における融解の開始に対応する融解開始点、鎖解離前において移動度が最小値に達する最小移動度点、および変性後の一本鎖状態の移動度に最初に終着する移動度終着点を特徴点としてゲノムプロフィリング画像から抽出している。その結果、得られた特徴点群を用いた定量的な手法で、微生物の種の同定および同一種の微生物における個体間の類縁性の同定を正確に且つ簡便に行うことができる。
【0045】
なお、以上は遺伝子型による微生物の種同定方法および類縁性同定方法について説明している。しかしながら、本発明の方法は、微生物に限定されることなく、一般の生物の種同定方法および類縁性同定方法等の同定方法にも適用することができる。
【0046】
【実施例】
以下本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1
予め酵母菌、大腸菌、枯草菌、納豆菌のそれぞれについて、そのそれぞれの変異体株をも含めて、以下に示す方法により本発明のゲノムプロフィリング(GP)を行い、そのspiddosをコンピューター上で求め、データベース登録した(全20種類)。新たに市販の納豆から納豆菌を抽出し、そのDNAを調製し、GPを行い、spiddosを得た。これを仮の未知試料Xのspiddosとした。
[ランダムPCRによる2本鎖DNA断片の調製]
200μM dNTP(N=G、A、T、C)、0.5μMプライマー(pfM12(dAGAACGCGCCTG))、l0mM Tris-HC1(pH9.0)、50mM KCl、2.5mM MgC12、0.1%Triton X-100、0.02unit/μl TaqDNAポリメラーゼ、及び適当量(3μlのDNA溶液を加えて、反応溶液全体を100μlとした)の鋳型DNAを含む反応溶液100μlを各DNAについて調製した。またPCR反応は、94℃で1分間の処理の後に、変性(94℃、30秒)、アニーリング(28℃、2分)、鎖伸長(47℃、2分)のサイクルを20〜30回繰り返し、最後に47℃で2分処理して、2本鎖DNA断片を調製した。
[2本鎖DNA断片のTGGE]
上記で得られた2本鎖DNA断片(約3μg)にスタンダードDNAとして、配列番号1の配列を有するDNAを0.3μg添加した後、TGGEによる電気泳動を行った。TGGEによる電気泳動の条件は以下のとおりである。
4%ポリアクリルアミドゲル(8M尿素含有40mMトリス緩衝液(pH8.0)を用い、30℃〜70℃の直線温度勾配を用い、400Vの下で110分間電気泳動を行った。尚、この電気泳動には、タイテック社製電気泳動装置TG-180を用いた。
【0047】
[電気泳動パターンから各DNA断片の同定ポイントの抽出]
TGGEにより得られた電気泳動ゲル上のDNA(スタンダードDNAを含む)のバンド(電気泳動パターン)を、以下の方法により銀染色し、視覚化した各パターンから同定ポイントを抽出した。
1)ゲルボンドフィルムに付着した状態のゲルをそのまま、30%PEG2000水溶液(200ml)の入ったプラスチック容器に移し、室温(15-30℃)で30分間ふりまぜる。この間にゲルはフィルムからはく離し、さらに収縮、白濁する。
2)一回蒸留水150mlで置換し、よくすすぐ。これを2度行う。なお、すすぎ液はアスピレーターで完全に吸い出す。
3)すすぎ液を除いた後に、約200mlの銀染色液(200mlの2回蒸留水に10mlの1MNaOHと2mlの25%アンモニア水を添加、混合した後に、硝酸銀0.4gを溶解したもの)を注ぎ、 30分間ふりまぜる。
4)二回蒸留水200mlに置換し、1分間ふりまぜ、排液した後、再度同じ洗浄を行う。
5)約200ml 現像液(200mlの2回蒸留水に、200μlの10%クエン酸と200μlのホルマリンを加え溶解したもの)に置換し、軽く揺すりながらバンドが適当な濃さになるのを待つ。
6)適当な濃さになったら素早く現像液を除き、予め調製しておいた200mlの停止液(10%酢酸、40%メタノールの水溶液)を加え、約10分間ふりまぜ、染色されたゲル試料を得る。
【0048】
以上の方法で視覚化した各パターンから同定ポイントを抽出し、spiddosを求めた。同定ポイントの抽出は、以下の方法で行った。
GPのゲル写真をスキャナーでコンピューター入力し、得られた画像をコンピューターにより補正規格化処理を行った後に、ディスプレー上に現れる画像についてマウスを用いて特徴点を指示する方法(マン−マシン方式)で、同定ポイントを抽出した。
このようにして求められた未知試料Xのspiddosとデータベース上の種々のゲノムのspiddo10点とを対比し、PaSSを全組合せ計算法により計算した。
Xとの間で最も高いPaSSを与えるゲノムを先に登録した20種類の中から自動抽出した。
結果をコンピューター出力し、その付帯情報から、Xが最も高い類似性を示した生物のゲノムは納豆菌であることが判明した。
【0049】
実施例2
枯草菌DNAを鋳型として用い、かつプライマーとして蛍光体cy3を有するcy3-pfM12 (5'cy3-AGA ACG CGC CTG 3')または蛍光体FITCを有するFITC/UCS (5'FITC- CA GGA AAC AGC TAT GAC 3')を用いた以外は実施例1と同様にしてランダムPCRを各プライマーについて行い、得られた2本鎖増幅DNA断片を混合した後に実施例1と同様にTGGEに付した。TGGEの泳動パターンを蛍光体cy3の励起波長/蛍光波長である550 nm /570nm及び蛍光体FITC励起波長/蛍光波長である494 nm /519nmで視覚化した。図6の(a)にcy3-pfM12 (5'cy3-AGA ACG CGC CTG 3')をプライマーとして用いた場合の泳動パターンを示し、(b)にFITC/UCS (5'FITC- CA GGA AAC AGC TAT GAC 3') をプライマーとして用いた場合の泳動パターンを示す。各パターンから同定ポイントを抽出した。得られた同定ポイントから、鋳型として用いた菌は枯草菌であると同定された。
【配列表】
Figure 0004331379
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【図面の簡単な説明】
【図1】 ゲノムプロフィリング画像の例(配列番号1及び2に示されたスタンダードDNAについてTGGEで得られる電気泳動パターン)を示す。
【図2】 第1の典型的なバンド曲線の形態を示す図である。
【図3】 第2の典型的なバンド曲線の形態を示す図である。
【図4】 3つのバンド曲線から抽出された合計8個の特徴点Pj(j=1〜8)すなわち特徴点群を模式的に示している。
【図5】 比較対象ゲノムのn個の特徴点P0i(i=1〜n)に対応する試料微生物についてのn個の特徴点P1i(i=1〜n)を示す図。
【図6】実施例2で得られたcy3-pfM12 (5'cy3-AGA ACG CGC CTG 3')をプライマーとして用いた場合の泳動パターン(a)及びFITC/UCS (5'FITC- CA GGA AAC AGC TAT GAC 3') をプライマーとして用いた場合の泳動パターン(b)。

Claims (6)

  1. (1)同定対象である生物のゲノムの一部又は全部を鋳型としてランダムPCRにより、1種又は2種以上の2本鎖DNA断片を調製し、(2)(1)で調製した2本鎖DNA断片を温度勾配ゲル電気泳動(TGGE)または変性剤濃度勾配ゲル電気泳動(DGGE)に付し、(3)(2)で得られた電気泳動パターンから各DNA断片の同定ポイントを抽出し、(4)(3)で得られた同定ポイント群からPaSS及び/又はゲノム準距離を求め、(5)(4)で得られたPaSS及び/又はゲノム準距離に基づいて、微生物の同定を行う方法であって、TGGEまたはDGGEによる電気泳動の際に、同定ポイントの基準点として、スタンダードDNAを共存させ、スタンダードDNAとの位置関係から同定ポイントの疑絶対位置を決定することを特徴とする方法。
  2. スタンダードDNAが、配列表に示す配列番号1又は2の配列を有するDNAである請求項1に記載の方法。
  3. 生物の同定が、生物の種同定又は類縁性同定である請求項1または2に記載の方法。
  4. (1)において、ランダムPCRの原料に蛍光マーカーを有するプライマーまたはヌクレオチドを用いて、蛍光マーカーを有するDNAを増幅し、スタンダードDNAとして蛍光標識されたDNAを用い、(3)における同定ポイントの抽出を、DNAに付された蛍光マーカーを利用して画像処理で行う、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. (3)で得られる同定ポイントは、温度勾配ゲル電気泳動(TGGE)の場合には、温度軸と移動度軸の座標として表され、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動(DGGE)の場合には、変性剤濃度軸と移動度軸の座標として表される請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  6. 生物が微生物である請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
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