JP5024784B2 - 被検体生物の同定方法、この方法に使用する内部標準用dna組成物及びその製造方法 - Google Patents

被検体生物の同定方法、この方法に使用する内部標準用dna組成物及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、被検体生物の同定方法、この方法に使用する内部標準用DNA組成物及びその製造方法に関する。特に本発明は、ランダムPCRと電気泳動を組み合わせた遺伝子型による被検体生物の同定方法において、2種類の内部標準DNAを用い、被検体生物の同定精度を高めた方法である。
従来、微生物を含む生物の同定は、基本的に表現型を用いて行われて来た。しかし、表現型による同定は、生物をより精密に区別することを目的とする同定には不向きであった。特に、種の数が膨大である微生物においては、表現型による同定(特定)には、現実問題として限界があった。一方、日常生活において微生物が係わることは多い。例えば、O157、結核、MRSA、コレラなどの微生物が原因となる疾患は多く、有効な治療法の確立や、感染経路の把握のためには、微生物の精密な同定技術が必要である。また、農産物の生産性や品質に土壌細菌が係わり、あるいは、ヒトの健康に腸内細菌叢の良否が大きく影響していると言われている。しかるに、農産物の生産性や品質と土壌細菌の種類や量、組合せとの関係、さらにはヒトの健康と腸内細菌叢との関係について、精密な検討が行われていないのが現状である。これは、これまでのように表現型による微生物の同定では、精密な同定、判別が不可能であることに起因している。そこで、表現型に代わるものとして遺伝子型による微生物の同定が提案されている。
例えば、各微生物のゲノム(全体)同士を比較することにより微生物の種の同定、判別をすることは、現在のシーケンス技術レベルでは十分可能である。しかし、相当の手間と時間を掛ける必要が有り、簡便な方法ではない。従って、ゲノム(全体)同士の比較による微生物の種の同定、判別は、現実には広汎に行い得る方法ではない。また、より簡便な方法として、ゲノムの一部の配列比較をする方法がある。しかし、例えば、16S rRNAの配列比較では、種の同定、判別には十分な情報が得られない。
そこで本発明者らは、ある程度簡便で現実に実行可能である、遺伝子型による微生物等の生物について、種や類似性等を同定する方法を先に発明し、特許出願した(特開2001-299398号公報、特許文献1)。この方法では、ランダムPCRと電気泳動を組み合わせ、生物のゲノムの配列を比較することなく、遺伝子型により生物の同定を可能にした。
上記方法では、温度勾配ゲル電気泳動法や変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法等の二次元的ゲル電気泳動が用いられる。二次元的ゲル電気泳動は、核酸やタンパク質解析においてその分解能の高さゆえに有効である。しかしその分解能の高さの一方で、温度勾配装置の温度精度制御限界に起因する泳動毎の極わずかなゆらぎや、人の制御が不可能な極微の環境条件変化による泳動毎ゆらぎがある。これらのゆらぎに対して、既知の変性温度や移動度をもつシーケンスの核酸やタンパク質を共泳動させる内部標準試料を用いることで、補正・規格化が可能となる。上記特許文献1に記載の方法においても、内部標準DNAを用い、データを規格化することを提案している。
特許文献1に記載の方法においては、1種類の内部標準DNAを用い、この内部標準DNAの2つの特徴点を用いて、データの規格化を行っている。しかるに、その後の検討において、2つの特徴点の内、一方が不安定であり、その結果、規格化精度に問題があることが判明した。
そこで本発明の目的は、上記遺伝子型による生物の同定方法であって、より規格化精度を高め、その結果、同定精度も高められた方法を提供することにある。
さらに本発明の別の目的は、上記規格化精度を高めるための手段を提供することにある。
本発明は以下のとおりである。
[1](1)被検体生物のゲノムを鋳型として調製した2本鎖DNAを温度勾配ゲル電気泳動(TGGE)または変性剤濃度勾配ゲル電気泳動(DGGE)に付し、
(2)得られた前記2本鎖DNAの電気泳動パターンから、前記2本鎖DNAの特徴点を抽出し、
(3)抽出された特徴点に基づいて被検体生物の同定を行う方法であって、
(4)前記2本鎖DNAのゲル電気泳動を、前記2本鎖DNAに添加した、配列表に示す配列番号2の配列を有するDNA及び配列番号3の配列を有するDNAの組み合わせ、または配列表に示す配列番号4の配列を有するDNA及び配列番号5の配列を有するDNAの組み合わせである2種類の内部標準DNAとともに行い、
(5)前記2種類の内部標準DNAの電気泳動パターンから各内部標準DNAの融解開始点を抽出し、これらの融解開始点を基準点として、前記特徴点を規格化し、かつ
(6)規格化した特徴点に基づいて被検体生物の同定を行う
ことを特徴とする前記方法。
[2](1)前記2本鎖DNAの調製は、ランダムPCRにより行われ、1種又は2種以上の2本鎖DNAが調製される、[1]に記載の方法。
[3]ランダムPCRが、熱変性、アニーリング及び鎖伸長を繰り返し行うPCRであって、アニーリングを25℃〜35℃で1〜2分で行い、かつ鎖伸長を42℃〜47℃で1〜2分で行う[2]に記載の方法。
[4]前記2本鎖DNAの特徴点が、各2本鎖DNAの融解開始点である[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[5](5)で得られた規格化した特徴点群からPaSS及び/又はゲノム準距離を求め、得られたPaSS及び/又はゲノム準距離に基づいて、被検体生物の同定を行う[1]〜[4]のいずれか1項に記載の方法。
]生物の同定が、生物の種同定又は類縁性同定である[1]〜[]のいずれかに記載の方法。
]被検体生物が微生物である[1]〜[]のいずれかに記載の方法。
]配列表に示す配列番号2の配列を有するDNA及び配列番号3の配列を有するDNAの組み合わせ、または配列表に示す配列番号4の配列を有するDNA及び配列番号5の配列を有するDNAの組み合わせを含む、[1]に記載の被検体生物同定方法に用いるための内部標準用DNA組成物。
]配列表に示す配列番号4の配列を有するDNA及び配列番号5の配列を有するDNAを含む、[1]に記載の被検体生物同定方法に用いるための内部標準用DNA組成物の製造方法であって、
pBR322DNAを鋳型DNAとし、配列番号4の配列を有するDNA増幅用のプライマーセット及び配列番号5の配列を有するDNA増幅用のプライマーセットを用いてPCR反応を行うことを特徴とする方法。
10]配列番号4の配列を有するDNA増幅用のプライマーセットが、配列番号12及び配列番号13の配列を有するDNAからなり、配列番号5の配列を有するDNA増幅用のプライマーセットが、配列番号14及び配列番号15からなる[]に記載の方法。
11]PCRサイクル条件として、
a前熱変性(95℃,2分)、
b熱変性(94℃,15秒)、
cアニーリング(55℃,30秒)、
d鎖伸長(72℃,30秒)、
eポスト鎖伸長(72℃,30秒)
を用い、かつb〜dを25回繰り返す[]または[10]に記載の方法。
12]配列表に示す配列番号2の配列を有するDNAおよび配列番号3の配列を有するDNAを含む、[1]に記載の被検体生物同定方法に用いるための内部標準DNA組成物の製造方法であって、fd(M13)ファージDNAを鋳型DNAとし、配列番号2の配列を有するDNA増幅用のプライマーセット及び配列番号3の配列を有するDNA増幅用プライマーセットを用いてPCR反応を行うことを特徴とする方法。
13]配列番号2の配列を有するDNA増幅用のプライマーセットが、配列番号8及び配列番号9の配列を有するDNAからなり、配列番号3の配列を有するDNA増幅用のプライマーセットが、配列番号10及び配列番号11の配列を有するDNAからなる[12]に記載の方法。
14]PCRサイクル条件として、
a前熱変性(94℃,5分)、
b熱変性(94℃,30秒)
cアニーリング(64℃〜65℃,30秒)
d鎖伸長(74℃,30秒)
eポスト鎖伸長(74℃,5分)
を用い、かつb〜dを30回繰り返す[12]または[13]に記載の方法。
15
]に記載の内部標準用DNA組成物を含む、[1]に記載の被検体生物同定方法に用いるための被検体生物同定用キット。
GP等の二次元ゲル電気泳動で使用する従来の標準DNAは、1種類のPCR産物のみで、その第1特徴点と第2特徴点を使って規格化を行っていた。しかし、その後の検討において、第2特徴点の位置が泳動毎で不安定になることが判明し、その結果、GPにおける規格化精度にも悪影響があることが分かった。それに対して、本発明では、安定な第1特徴点を2つ、すなわち2種類の標準DNAを用いることで規格化精度向上を図るために、標準DNAセットのシーケンス(物)とそれの調製法(方法)を改良・考案し、シーケンスの決定とともに、簡便な調製法を確立した。本発明で確立した調製法により作製した標準DNAセットを用いることで、GPにおける規格化精度が従来の1種類の標準DNAを用いたときに比べ格段に向上した。
[被検体生物の同定方法]
本発明は、(1) 被検体生物のゲノムを鋳型として調製した2本鎖DNAを温度勾配ゲル電気泳動(TGGE)または変性剤濃度勾配ゲル電気泳動(DGGE)に付し、(2)得られた前記2本鎖DNAの電気泳動パターンから、前記2本鎖DNAの特徴点を抽出し、(3)抽出された特徴点に基づいて被検体生物の同定を行う方法である。上記(1)、(2)及び(3)の工程を含む被検体生物の同定方法は、前述の特許文献1に記載されている。従って、上記(1)、(2)及び(3)の工程については、特許文献1の記載に従って、実施することができる。
具体的には、(1)における2本鎖DNAの調製は、ランダムPCRにより行われ、1種又は2種以上の2本鎖DNAが調製される。ランダムPCRは、熱変性、アニーリング及び鎖伸長を繰り返し行うPCRであって、アニーリングを25℃〜35℃で1〜2分で行い、かつ鎖伸長を42℃〜47℃で1〜2分で行うことができる。ランダムPCRは、通常のPCRと同様に熱変性、アニーリング及び鎖伸長を繰り返し行うが、アニーリング及び鎖伸長の温度が低く、プライマーと鋳型とのハイブリダイゼーションの特異性を低くして行われる。熱変性は、通常のPCRと同様に行えばよい。
(2)において電気泳動パターンから抽出される2本鎖DNAの特徴点は、例えば、各2本鎖DNAの融解開始点であることができる。被検体生物の同定においては、融解開始点以外の特徴点、例えば、2本鎖DNAの変性過程途中で移動度が最も小さくなる点や、完全に1本鎖に変性しきった点を用いても良い。しかし、2本鎖DNAの融解開始点がゲル組成や泳動環境の微妙な影響を受けにくく、泳動毎に安定であることから、精度保持・再現性という観点から、特徴点として融解開始点を用いることが好ましい。
さらに本発明は、上記(1)、(2)及び(3)の工程を含む被検体生物の同定方法において、(4)前記2本鎖DNAのゲル電気泳動を、2種類の内部標準DNAとともに行い、(5)前記2種類の内部標準DNAの電気泳動パターンから各内部標準DNAの融解開始点を抽出し、これらの融解開始点を基準点として、前記特徴点を規格化し、かつ(6)規格化した特徴点に基づいて被検体生物の同定を行うことを特徴とする。
本発明においては、2本鎖DNAのゲル電気泳動を、2種類の内部標準DNAとともに行う。内部標準DNAの配列は、その配列がGPで表すパターン形状がランダムPCRの断片群に紛れず、容易に識別できるものであることを考慮して決定される。同時に使用される2種類の内部標準DNAは、それぞれの融解開始点が、ある程度離れ、かつ塩基数に違いがあることが、規格化の精度を高めるという観点からは好ましい。具体的には、2種類の内部標準DNAは、融解開始点が、1℃以上、好ましくは5℃以上、より好ましくは9℃以上離れていることが適当である。また、2種類の内部標準DNAは、塩基数が200以上、好ましくは300以上、より好ましくは400以上違うことが適当である。
電気泳動させる2種類の内部標準DNAの量は、泳動後画像検出した際に、対象試料のランダムPCR断片群の識別のしやすさに影響がないように、対象試料のランダムPCR断片群の濃度に同等か、あるいはそれよりも濃度がわずかに小さくなるように考慮して適宜決定される。具体的には、電気泳動させる2種類の内部標準DNAの量は、例えば、それぞれ0.3〜0.6pmolの範囲であることが適当である。
2種類の内部標準DNAは、例えば、配列表に示す配列番号1〜5のいずれかの配列を有する2つのDNAから選ばれることができる。より具体的には、2種類の内部標準DNAは、配列表に示す配列番号1の配列を有するDNA及び配列番号3の配列を有するDNAの組み合わせ、または配列表に示す配列番号4の配列を有するDNA及び配列番号5の配列を有するDNAの組み合わせであることが好ましい。
本発明においては、2種類の内部標準DNAの電気泳動パターンから各内部標準DNAの融解開始点を抽出し、これらの融解開始点を基準点として、2本鎖DNAの特徴点を規格化する。2本鎖DNAの特徴点の規格化は、泳動ゲルのフレームを設け泳動距離間を設定し、その後2種類の内部標準試料の融解開始点をともに打点して座標補正を行うことができる。その後は各バンドの特徴点群を打点していくだけで、自動的に規格化された特徴点群に変換され、標準化された状態で2者間の比較が可能となる。
規格化した特徴点に基づいて被検体生物の同定を行う。具体的には、(5)で得られた規格化した特徴点群からPaSS及び/又はゲノム準距離を求め、得られたPaSS及び/又はゲノム準距離に基づいて、被検体生物の同定を行う。PaSS及び/又はゲノム準距離は、特許文献1(特開2001-299398号公報)に記載の方法を用いて行うことができる。
PaSSとは、パターン類似度(Pattern Similarity Score)であり、ゲノム準距離とは、PaSSを用いた2種の微生物のゲノムの類縁状況を表す指標であり、(1−PaSS)/PaSSで表される。PaSS及びゲノム準距離は、上記のようにして抽出方法で得られ、かつ規格化された特徴点群(spiddos: species identification dots)から以下のように算出され、PaSS及び/又はゲノム準距離を用いて遺伝子型により微生物を同定することができる。微生物の同定は、比較対象ゲノムについて得られた特徴点群と、同定対象である微生物のゲノムについて得られた特徴点群とを比較することにより行われる。
同定対象である微生物の種が予め分かっている場合、その種を比較対象とする。また、同定対象である微生物の種が未知である場合、ゲノムプロフィリング画像の全体的な形態に基づいて予め選定された代表種(たとえば数十種)を仮の比較対象とする。あるいは、試料微生物の種が未知である場合、上述の特徴点抽出処理により得られた各特徴点について類似する特徴点を有する種を順次リストアップする。そして、リストアップされた種を仮の比較対象とする。PaSS及びゲノム準距離の算出法、並びに被検体生物の同定方法は、特許文献1に記載の方法を参照して行うことができる。
本発明の方法において、生物の同定は、生物の種同定又は類縁性同定であることができる。生物の種同定とは、検定対象の生物が、どの種に属するかを同定することであり、例えば、PaSSが0.95以上である場合を同一種とすることができる。また、類縁性同定とは、検定対象の生物が、どの種に類縁性を有するかを同定することであり、例えば、PaSSが、0.95未満で、0.8以上である場合を類縁性がある、とすることができる。この場合、数値が大きくなればなるほどそれだけ近縁種といえる。
さらに、被検体生物は特に限定されないが、微生物であることができる。微生物以外にも、被検体生物は、基本的にゲノムDNAをもつ生物あれば、すべての生物の比較がゲノムレベルで可能である。
[内部標準用DNA組成物]
本発明は、上記被検体生物の同定方法に用いられる内部標準用DNA組成物を包含する。この内部標準用DNA組成物は、配列表に示す配列番号1〜5のいずれかの配列を有する2つのDNAを含む。本発明の内部標準用DNA組成物は、より具体的には、配列番号2と配列番号3の組み合わせ、配列番号2と配列番号5の組み合わせ、配列表に示す配列番号1の配列を有するDNA及び配列番号3の配列を有するDNAの組み合わせ、または配列表に示す配列番号4の配列を有するDNA及び配列番号5の配列を有するDNAの組み合わせ含むことができる。なかでも、配列表に示す配列番号1の配列を有するDNA及び配列番号3の配列を有するDNAの組み合わせ、または配列表に示す配列番号4の配列を有するDNA及び配列番号5の配列を有するDNAの組み合わせ含むことが好ましい。
内部標準用DNA組成物に含まれるDNAは、ラベルされたものであってもよい。ラベルとしては、蛍光ラベルや同位体ラベル等を挙げることができる。但し、これらのDNAが内部標準用であることから、ラベルによりDNAの泳動に影響が出ないようにラベル物質は選択することが適当である。蛍光ラベル用の物質としては、これらに限定する意図ではないが、例えば、Cy5、Cy3、及びFITC等の蛍光色素を挙げることができる。これらの蛍光ラベル用の物質については、DNAの泳動に影響がないことは確認済みである。尚、本発明の方法では、2種類の内部標準用DNAを組み合わせて使用するが、2種類の内部標準用DNAのラベルは同色でも異色でもよい。但し、2種類の内部標準用DNAのラベルは、被検体DNAにラベルした蛍光色素とは異色にすることが適当である。また、ラベリングは、例えば、蛍光色素を作製用プライマーペアのどちらか片方の5'末端にラベルすることで、DNAに導入することができる。
本発明は、上記本発明の内部標準用DNA組成物を含む、被検体生物同定用キット。このキットには、DNA合成時に使用するための緩衝液やDNA合成用の試薬、例えば、DNAポリメラーゼ、基質、プライマー等を含むこともできる。
[内部標準用DNA組成物の製造方法]
本発明は、配列表に示す配列番号4の配列を有するDNA及び配列番号5の配列を有するDNAを含む内部標準用DNA組成物の製造方法を包含する。この製造方法は、pBR322DNAを鋳型DNAとし、配列番号4の配列を有するDNA増幅用のプライマーセット及び配列番号5の配列を有するDNA増幅用のプライマーセットを用いてPCR反応を行うことを特徴とする。
本発明の上記方法によれば、2種類の内部標準用DNAを含む組成物を、1つの鋳型から1回のPCRによる合成操作で調製することができるという利点がある。
鋳型DNAとして用いられるpBR322DNAは、プラスミドとして当該分野で汎用されているDNAである。PCR用のプライマーとして、配列番号4の配列を有するDNA増幅用のプライマーセットと配列番号5の配列を有するDNA増幅用のプライマーセットを用いる。配列番号4の配列を有するDNA増幅用のプライマーセットは、AGTGGTCCTGCAACTTTATC(配列番号12)及びAACATGGGGGATCATGTAAC(配列番号13)の配列を有するDNAからなることが好ましい。但し、何れのプライマーも、配列番号4の配列を有するDNAを増幅できる範囲で、配列を改変することができる。また、配列番号5の配列を有するDNA増幅用のプライマーセットは、GCCGGCATCACCGGCGCCACAGGTGCGGTTG(配列番号14)及びTAGCGAGGTGCCGCCGGCTTCCATTCAGGTC(配列番号15)からなることが好ましい。
PCR反応は、常法により行うことができる。但し、配列番号4の配列を有するDNA及び配列番号5の配列を有するDNA以外のDNAの副生を抑制しつつ、目的とするDNAを増幅されるという観点から、PCRサイクル条件として、例えば、以下の条件を採用することが好ましい。尚、PCRサイクル条件は、配列番号4の配列を有するDNA及び配列番号5の配列を有するDNA以外のDNAの副生を抑制しつつ、目的とするDNAが増幅できる限りにおいて、変更することは可能である。
a前熱変性(95℃,2分)、
b熱変性(94℃,15秒)、
cアニーリング(55℃,30秒)、
d鎖伸長(72℃,30秒)、
eポスト鎖伸長(72℃,30秒)
b〜dを25回繰り返す。
但し、c アニーリングは、55℃〜65℃、15秒〜30秒の範囲で変更することもできる。
上記内部標準用DNA組成物の製造方法は、配列表に示す配列番号4の配列を有するDNA及び配列番号5の配列を有するDNAを含む組成物を一度に合成する方法である。しかし、各内部標準用DNAを個別に合成することも可能である。
例えば、配列表に示す配列番号4の配列を有するDNAは、pBR322DNAを鋳型とし、上記DNA増幅用のプライマーセットを用いてPCR反応を行うことで、合成できる。同様に、配列番号5の配列を有するDNAも、pBR322DNAを鋳型とし、上記DNA増幅用のプライマーセットを用いてPCR反応を行うことで合成できる。
さらに配列表に示す配列番号1〜3の配列を有する内部標準用DNAは、鋳型としてDNA fd(M13)を用いることで、PCR反応により合成することができる。合成方法の詳細は、後述する実施例に示す。いずれにしても、内部標準用DNAは、鋳型DNAの特定領域をPCR法で増幅することで調製できる。
特に、本発明は、配列表に示す配列番号1の配列を有するDNAおよび配列番号3の配列を有するDNAを含む内部標準DNA組成物の製造方法を包含する。この製造方法は、fd(M13)ファージDNAを鋳型DNAとし、配列番号1の配列を有するDNA増幅用のプライマーセット及び配列番号3の配列を有するDNA増幅用プライマーセットを用いてPCR反応を行うことを特徴とする。この製造方法によれば、2種類の内部標準用DNAを含む組成物を、1つの鋳型から1回のPCRによる合成操作で調製することができるという利点がある。
鋳型DNAに用いられるfd(M13)ファージDNAは、DNAシーケンシングに適したファージベクターとして、当該分野で汎用されているDNAである。PCR用のプライマーとして、配列番号1の配列を有するDNA増幅用のプライマーセット及び配列番号3の配列を有するDNA増幅用のプライマーセットを用いる。配列番号1の配列を有するDNA増幅用のプライマーセットは、CTACGTCTCTTCCGATGCTGT(配列番号6)及びTTGAATTCTATCGGTTTATCA(配列番号7)の配列を有するDNAからなることが好ましい。配列番号3の配列を有するDNA増幅用のプライマーセットは、AAATGCCGATGA(配列番号10)及びTAATTGTGCGCT(配列番号11)からなることが好ましい。
PCR反応は、常法により行うことができる。但し、配列番号1の配列を有するDNA及び配列番号3の配列を有するDNA以外のDNAの副生を抑制しつつ、目的とするDNAを増幅させるという観点から、PCRサイクル条件として、例えば、以下の条件を採用することが好ましい。尚、PCRサイクル条件は、配列番号1の配列を有するDNA及び配列番号3の配列を有するDNA以外のDNAの副生を抑制しつつ、目的とするDNAが増幅できる限りにおいて、変更することは可能である。
a前熱変性(94℃,5分)、
b熱変性(94℃,30秒)
cアニーリング(64℃〜65℃,30秒)
d鎖伸長(74℃,30秒)
eポスト鎖伸長(74℃,5分)
b〜dを30回繰り返す。
以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1
内部標準用DNAの調製方法(1)
鋳型DNA fd(M13)DNAを用いたレファレンス1(ref1)、レファレンス3(ref3)、レファレンス4(ref4)の調製法
ref1(塩基配列:配列番号1)の調製
プライマーMA1: 5'-CTACGTCTCTTCCGATGCTGT-3(配列番号6)とプライマーMA2: 5'-TTGAATTCTATCGGTTTATCA-3(配列番号7)を用い、以下のPCRサイクル条件により、DNA塩基長200bpのref1を増幅する。
具体的な実験は以下のように行った。
PCR反応液組成として、Tris-HCl 10mM、KCl 50mM、MgCl2 1.5mM、dNTP 200μM、プライマー 各120nM、fd(M13)ファージDNA 3.6pM、Taqポリメラーゼ0.03U/μlを調製する。
PCRサイクル条件として、a前熱変性(95℃,5分)、b熱変性(94℃,30秒)、cアニーリング(50℃,30秒)、d鎖伸長(72℃,30秒)、eポスト鎖伸長(72℃,5分)のb〜dを30回繰り返す。
ref3(塩基配列:配列番号2)の調製
プライマーRef3-F:ACCTCCTGTCAATGC(配列番号8)とプライマーRef3-R (cy3): TCACCGGAAC(配列番号9)を用い、以下のPCRサイクル条件により、DNA塩基長135bpのref3を増幅する。
具体的な実験は以下のように行った。
PCR反応液組成として、Tris-HCl 10mM、KCl 50mM、MgCl2 1.5mM、dNTP 200μM、プライマー 各120nM、fd(M13)ファージDNA 3.6pM、Taqポリメラーゼ0.03U/μl を調製する。
PCRサイクル条件として、a前熱変性(95℃,5分)、b熱変性(94℃,30秒)、cアニーリング(60℃,30秒)、d鎖伸長(74℃,30秒)、eポスト鎖伸長(74℃,5分)のb〜dを30回繰り返す。
ref4(塩基配列:配列番号3)の調製
プライマーRef4-F:AAATGCCGATGA(配列番号10)とプライマーRef4-R:TAATTGTGCGCT(配列番号11)を用い、以下のPCRサイクル条件により、DNA塩基長600bpのref4を増幅する。
具体的な実験は以下のように行った。
PCR反応液組成として、Tris-HCl 10mM、KCl 50mM、MgCl2 1.5mM、dNTP 200μM、プライマー 各120nM、fd(M13)ファージDNA 3.6pM、Taqポリメラーゼ0.03U/μlを調製する。
PCRサイクル条件として、a前熱変性(95℃,5分)、b熱変性(94℃,30秒)、cアニーリング(67.5℃,30秒)、d鎖伸長(74℃,30秒)、eポスト鎖伸長(74℃,5分)のb〜dを25回繰り返す。
上記方法により合成された3つの内部標準用DNAの温度勾配ゲル電気泳動(TGGE)結果を図1に示す。尚、ref1の融解開始点は約60.0℃であり、ref3の融解開始点は約70.1℃であり、ref4の融解開始点は約58.0℃である。電気泳動条件は、以下のとおりである。
100V (100mA)
泳動時間 10分
4%ゲル、8M尿素
1xTBE バッファー溶液
温度 20〜60℃
実施例2
内部標準用DNAの調製方法(2)
鋳型DNA pBR322DNAを用いたレファレンス5(ref5(塩基配列:配列番号4))、レファレンス6(ref6(塩基配列:配列番号5))の調製法
プライマーRef5F:AGTGGTCCTGCAACTTTATC(配列番号12)とプライマーRef5R:AACATGGGGGATCATGTAAC(配列番号13)を用いてDNA塩基長200bpを、プライマーRef6F:GCCGGCATCACCGGCGCCACAGGTGCGGTTG(配列番号14)とプライマーRef6R:TAGCGAGGTGCCGCCGGCTTCCATTCAGGTC(配列番号15)を用いて900bpの以下の配列を一括増幅した。
具体的な実験は以下のように行った。
PCR反応液組成として、Tris-HCl 10mM、KCl 50mM、MgCl2 1.5mM、dNTP 200μM、プライマー 各120nM、pBR322 DNA 3.6pM、Taqポリメラーゼ0.03U/μlを調製する。
PCRサイクル条件として、a前熱変性(95℃,2分)、b熱変性(94℃,15秒)、cアニーリング(55℃,30秒)、d鎖伸長(72℃,30秒)、eポスト鎖伸長(72℃,30秒)のb〜dを25回繰り返す。
上記方法により合成された2つの内部標準用DNAの温度勾配ゲル電気泳動(TGGE)結果を図2に示す。尚、ref5の融解開始点は約52.2℃であり、ref6の融解開始点は約61.4℃である。電気泳動条件は、以下のとおりである。
100V
泳動時間 8分
6%(19:1)アクリルアミドゲル、6.5M尿素
1xTBE バッファー溶液
温度 15〜55℃
実施例3
ダブル内部標準試料とシングル内部標準試料の座標補正における安定性の比較テスト
(テストの目的)
TGGEにおけるDNA断片の変性過程は、泳動毎で第一変性(特徴)点に安定性あり、第二変性(特徴)点は不安定であることが経験的にわかっていた。しかし従来のシングル内部標準試料を用いた座標補正における2点の特徴点の取り方は、安定な第一特徴点と不安定な第二特徴点をとっていた。そのため泳動毎の座標補正の不安定性が問題であった。
今回完成したダブル内部標準試料を使用することで、従来型のシングル内部標準試料に比べ、どの程度安定性が改善されたかを定量的に調べることを目的とした。
(テスト方法)
テストの方法は、実際に適当なランダムPCR産物を内部標準試料と共にTGGEを行う。そのときに使用した内部標準試料で規格化によるPaSS計算を行う際、ランダムPCR産物の特徴点の選択はあらかじめ同一の特徴点群を選ぶように決めておく。選択すべき特徴点群が決まったら、PaSS計算用ソフトを用いて計算を実行する。同一のランダムPCR産物で数回TGGEを行い、すべての組み合わせでPaSS値のバラツキ度をみていく。この一連の操作を従来の1種類のみの内部標準試料と今回開発した2種類の内部標準試料について行い、PaSSの平均値と標準偏差で安定性の比較を行う。
同一ランダムPCR産物に対して、ダブル内部標準試料(ref5、ref6混合)とシングル内部標準試料(ref1)それぞれ用いてTGGEを行った。泳動後、解析ソフトを使用してランダムPCR産物の明瞭な特徴点(一定)を打点し、座標補正をダブル内部標準試料についてはref5、ref6のそれぞれの第一特徴点を、シングル内部標準試料についてはref1の第一特徴点と第二特徴点をとり、PaSS計算を行った。
TGGEはダブル内部標準試料、シングル内部標準試料それぞれ4回ずつ(W1〜W4、S1〜S4)行い、ダブル内の6通り(W1/W2,W1/W3,W1/W4,W2/W3,W2/W4,W3/W4)とシングル内の6通り(S1/S2,S1/S3,S1/S4,S2/S3,S2/S4,S3/S4)のPaSS計算を行い、PaSS計算結果からダブルとシングルの安定度の比較を行った。結果を表1及び2に示す。
PaSS平均値 0.9898
標準偏差 0.003438
PaSS平均値 0.9768
標準偏差 0.007727
(結論)
ダブル内部標準試料とシングル内部標準試料の標準偏差を比較すると、ダブル内部標準試料はシングル内部標準試料の半分以下の値を示し、泳動毎のデータ処理におけるバラツキが減少して、データの精度が上昇したことが明らかになった。
実施例4
(テスト方法)
実施例3と同様にして、同一ランダムPCR産物に対して、ダブル内部標準試料(ref3、ref4混合)とシングル内部標準試料(ref5)それぞれ用いてTGGEを行った。泳動後、解析ソフトを使用してランダムPCR産物の明瞭な特徴点(一定)を打点し、座標補正をダブル内部標準試料についてはref3、ref4のそれぞれの第一特徴点を対角形にとり、シングル内部標準試料についてはref5の第一特徴点と第二特徴点を対角形にとった。
TGGEはダブル内部標準試料、シングル内部標準試料についてそれぞれ4回ずつ(W1〜W4、S1〜S4)行った。ダブル内の6通り(W1/W2,W1/W3,W1/W4,W2/W3,W2/W4,W3/W4)とシングル内の6通り(S1/S2,S1/S3,S1/S4,S2/S3,S2/S4,S3/S4)の相同性(PaSS)計算を行い、PaSS計算結果からダブルとシングルの安定度の比較をPaSSの平均値と標準偏差で行った。つまり同一サンプルを用いて同一操作で繰り返しているので、理想的にはPaSS平均値は1により近づき、標準偏差はより0に近づくことが望ましい。結果を表3及び4に示す。
PaSS平均値 0.9859
標準偏差 0.005581
PaSS平均値 0.9404
標準偏差 0.02099
(結論)
まずダブル内部標準試料とシングル内部標準試料の平均値を比較すると、前実施例同様ダブルのほうが大きく、同一サンプルを使用したときの一致度が高い。一方標準偏差を比較すると、ダブル内部標準試料はシングル内部標準試料の約1/4の値を示し、泳動毎のデータ処理におけるバラツキが減少して、データの精度が上昇したことが明らかになった。
本発明の方法によれば、遺伝子型により生物の同定が可能であり、例えば、微生物等の検出が容易に行えるため、医療や食品分野において、広く利用可能である。
実施例1において合成された3つの内部標準用DNAの温度勾配ゲル電気泳動(TGGE)結果。 実施例2において合成された2つの内部標準用DNAの温度勾配ゲル電気泳動(TGGE)結果。

Claims (15)

  1. (1)被検体生物のゲノムを鋳型として調製した2本鎖DNAを温度勾配ゲル電気泳動(TGGE)または変性剤濃度勾配ゲル電気泳動(DGGE)に付し、
    (2)得られた前記2本鎖DNAの電気泳動パターンから、前記2本鎖DNAの特徴点を抽出し、
    (3)抽出された特徴点に基づいて被検体生物の同定を行う方法であって、
    (4)前記2本鎖DNAのゲル電気泳動を、前記2本鎖DNAに添加した、配列表に示す配列番号2の配列を有するDNA及び配列番号3の配列を有するDNAの組み合わせ、または配列表に示す配列番号4の配列を有するDNA及び配列番号5の配列を有するDNAの組み合わせである2種類の内部標準DNAとともに行い、
    (5)前記2種類の内部標準DNAの電気泳動パターンから各内部標準DNAの融解開始点を抽出し、これらの融解開始点を基準点として、前記特徴点を規格化し、かつ
    (6)規格化した特徴点に基づいて被検体生物の同定を行う
    ことを特徴とする前記方法。
  2. (1)前記2本鎖DNAの調製は、ランダムPCRにより行われ、1種又は2種以上の2本鎖DNAが調製される、請求項1に記載の方法。
  3. ランダムPCRが、熱変性、アニーリング及び鎖伸長を繰り返し行うPCRであって、アニーリングを25℃〜35℃で1〜2分で行い、かつ鎖伸長を42℃〜47℃で1〜2分で行う請求項2に記載の方法。
  4. 前記2本鎖DNAの特徴点が、各2本鎖DNAの融解開始点である請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. (5)で得られた規格化した特徴点群からPaSS及び/又はゲノム準距離を求め、得られたPaSS及び/又はゲノム準距離に基づいて、被検体生物の同定を行う請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 生物の同定が、生物の種同定又は類縁性同定である請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  7. 被検体生物が微生物である請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  8. 配列表に示す配列番号2の配列を有するDNA及び配列番号3の配列を有するDNAの組み合わせ、または配列表に示す配列番号4の配列を有するDNA及び配列番号5の配列を有するDNAの組み合わせを含む、請求項1に記載の被検体生物同定方法に用いるための内部標準用DNA組成物。
  9. 配列表に示す配列番号4の配列を有するDNA及び配列番号5の配列を有するDNAを含む、請求項1に記載の被検体生物同定方法に用いるための内部標準用DNA組成物の製造方法であって、
    pBR322DNAを鋳型DNAとし、配列番号4の配列を有するDNA増幅用のプライマーセット及び配列番号5の配列を有するDNA増幅用のプライマーセットを用いてPCR反応を行うことを特徴とする方法。
  10. 配列番号4の配列を有するDNA増幅用のプライマーセットが、配列番号12及び配列番号13の配列を有するDNAからなり、配列番号5の配列を有するDNA増幅用のプライマーセットが、配列番号14及び配列番号15の配列を有するDNAからなる請求項に記載の方法。
  11. PCRサイクル条件として、
    a前熱変性(95℃,2分)、
    b熱変性(94℃,15秒)、
    cアニーリング(55℃,30秒)、
    d鎖伸長(72℃,30秒)、
    eポスト鎖伸長(72℃,30秒)
    を用い、かつb〜dを25回繰り返す請求項または10に記載の方法。
  12. 配列表に示す配列番号2の配列を有するDNAおよび配列番号3の配列を有するDNAを含む、請求項1に記載の被検体生物同定方法に用いるための内部標準DNA組成物の製造方法であって、fd(M13)ファージDNAを鋳型DNAとし、配列番号2の配列を有するDNA増幅用のプライマーセット及び配列番号3の配列を有するDNA増幅用プライマーセットを用いてPCR反応を行うことを特徴とする方法。
  13. 配列番号2の配列を有するDNA増幅用のプライマーセットが、配列番号8及び配列番号9の配列を有するDNAからなり、配列番号3の配列を有するDNA増幅用のプライマーセットが、配列番号10及び配列番号11の配列を有するDNAからなる請求項12に記載の方法。
  14. PCRサイクル条件として、
    a前熱変性(94℃,5分)、
    b熱変性(94℃,30秒)
    cアニーリング(64℃〜65℃,30秒)
    d鎖伸長(74℃,30秒)
    eポスト鎖伸長(74℃,5分)
    を用い、かつb〜dを30回繰り返す請求項12または13に記載の方法。
  15. 請求項に記載の内部標準用DNA組成物を含む、請求項1に記載の被検体生物同定方法に用いるための被検体生物同定用キット。
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