JP4330525B2 - 大型ペリクルの成膜方法 - Google Patents

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Description

本発明は大型ペリクルの成膜方法に関し、特に、特殊な表面処理を施した成膜基板を用いて成膜する大型ペリクルの成膜方法に関する。
大型ペリクルを成膜する方法は次の通りである。まず、ポリマーを溶媒に溶かすことで生成したポリマー溶液を、スピンコート法やスリットコート法を用いて成膜基板上に膜状に形成する。次に、乾燥によって溶媒を蒸発させると、前記成膜基板上には乾燥したペリクル膜が生成される。最後に、前記乾燥したペリクル膜を成膜基板から剥離させることでペリクル膜が形成される。
このようにして得られた膜を、粘着材や保護フィルムつきのフレームに貼り付け、余分な膜をカットすることによりペリクルを製作している。
ここで、従来のペリクルを製作する際に使用する成膜基板は、面積が3000cm2未満の小型のもので、酸化アルミニウム等の研磨剤を用いて物理的に研磨を行うことにより得られていた。
しかしながら、このような成膜基板を用いてペリクル膜の成膜を行うと、徐々に基板表面にポリマーが付着する。すると、基板面に微細な凹凸が形成され、この凹凸がペリクル膜に転写されることにより、ペリクル膜が曇るという現象が起きる。このようにペリクル膜の膜面が曇ると、膜面検査時の付着異物の検出が困難になるという問題があった。このため、このようにポリマーが付着した成膜基板は、ペリクル膜の成膜に使用することができなくなるため、廃棄して新品を使用するか、再研磨や洗浄によって基板表面の微小な凹凸を除去することによって、再度成膜基板として使用していた。
また、シリコンウエハーや面積が400cm2の石英ガラス基板に対してシラザン処理を施したもの(例えば、特許文献1)や、シリコンウエハーや面積が400cm2の石英ガラス基板の表面にパーフルオロアルキル基を有するシリコン化合物を形成したもの(例えば、特許文献2)がある。
特開2000−241960 特開平10−39493
しかしながら、最近では従来に使用されていたペリクルよりも大きな大きさのペリクルが要求されるようになった。これに伴い、成膜基板も3000cm2以上の大型のものを使用する必要がでてきた。しかし、3000cm2以上の大型の成膜基板を用いると、以下のような問題が発生した。
まず、面積が3000cm2のような大きな成膜基板を、従来のように物理研磨を行うと、研磨機における基板支持の不均一性や研磨剤の押しつけ圧力の不均一などの原因により、全面にわたりペリクル膜用成膜基板として実用上問題のないレベルにまで研磨痕なく研磨することは困難である。実用上問題のないレベルの研磨痕とは、幅・深さとも0.5μm以下のことである。
また、成膜基板の価格は面積に応じて高くなるため、面積が3000cm2以上という大型の成膜基板では、成膜基板が使用不可能になった時に、新たなものに変更したり、再研磨をすることはコスト的に実用的ではない。また、洗浄を行うことは成膜をするためのプロセスが増えるため、好ましくはない。
また、成膜基板が大きくなるにつれて、膜と成膜基板との接触面積が増えるため、成膜基板から膜を剥離するためにはより大きな力が必要となる。このため膜を破らずに且つ剥離開始から剥離終了まで連続的に剥離することが困難になる。剥離開始から剥離終了まで連続的に剥離ができず、剥離速度が不連続になった箇所では局所的な膜の延びが発生し、膜面にスジが発生する。
大型の成膜基板にはシラザン処理やパーフルオロアルキル基を有するシリコン化合物を形成したものは用いられておらず、コスト面を考慮した大型ペリクル膜を生成するのに最適な成膜基板の構成、及び成膜方法は把握されていなかった。
本発明は、面積が3000cm2以上の大型の成膜基板を用いてペリクル膜を成膜することにおいて、低コストで高品質のペリクル膜を得ることを目的としている。
前記目的を達成するための本発明に係る第1の方法は、成膜基板上にポリマー溶液を均一に塗布し、該ポリマー溶液を乾燥させた後に仮枠を用いて剥離することによりペリクルを製造する大型ペリクルの製造方法において、前記製造方法に使用される成膜基板は、面積が3000cm2以上であり、ソーダライムガラスを材料とし、物理研磨を行った後に化学研磨を行うことにより研磨痕が幅、深さとも0.5μm以下にしたものであることを特徴としている。この効果は基板面積が大きくなるほど大きくなり、例えば基板面積が5000cm2ではより効果が大きく、7000cm2では更に効果が大きく、10000cm2、20000cm2と大きくなるほど効果が大きくなる。
本発明に係る第2の方法は、第1の方法の大型ペリクルの製造方法であって、前記成膜基板には、下記化学式によって示されるシラザンを用いて表面処理を施したことを特徴とする。
Figure 0004330525

本発明に係る第3の方法は、第1の方法の大型ペリクルの製造方法であって、前記成膜基板には、下記化学式によって示されるサイクリックシラザンを用いて表面処理を施したことを特徴とする。
Figure 0004330525

本発明に係る第4の方法は、第1の方法の大型ペリクルの製造方法であって、前記成膜基板には、下記化学式によって示されるヘキサメチルジシラザンを用いて表面処理を施したことを特徴とする。
Figure 0004330525

本発明に係る第5の方法は、第1の方法の大型ペリクルの製造方法であって、前記成膜基板には、下記化学式によって示されるパーフルオロアルキル基を有するシリコン化合物を用いて表面処理を施したことを特徴とする。
Figure 0004330525
本発明は、上述の如く、ソーダライムガラスを使用して、物理研磨、化学研磨、表面処理を行って生成した成膜基板を使用して、ペリクルを製造する。ソーダライムガラスを用いたことにより成膜基板を低コストで製作することができる。また、物理研磨後に化学研磨を施すことで、低コストで実用的な水準まで平滑に研磨することができる。
また、前記成膜基板にシラザン処理やパーフルオロアルキル層を形成するような表面処理を施すことによって、ペリクル膜の前記成膜基板からの剥離性を向上させる。これにより、剥離時にペリクル膜の破れ等が発生することを抑制し、効率的に剥離を行うことができる。また、剥離時に成膜基板の表面にペリクル膜のポリマーが付着して凹凸を形成することを抑制する。この結果、成膜基板の寿命を延長させることができる。
このように、面積が3000cm2以上の大型の成膜基板を低コストで製作し、該成膜基板を使用することでペリクル膜の成膜を低コストで行うことができる。
図を用いて本発明の実施形態を説明する。
(大型ペリクルの成膜方法)
大型ペリクルの製造方法を説明する。ペリクル膜の代表的な成膜方法として、スピンコート法とスリットコート法を例示して説明する。図1はスピンコート法の説明図であり、図2はスリットコート法の説明図である。
まず、スリットコート法を説明する。図1(a)に示すように、回転対称な成膜基板10のほぼ中央にポリマーを溶媒に溶かして生成したポリマー溶液11を滴下し、成膜基板10上をポリマー溶液11によって満たす。次に、図1(b)に示すように、成膜基板10を回転台12にて高速で回転させ、余分なポリマー溶液11を振り飛ばすことにより薄い溶液膜を形成する。
ペリクル膜を構成するポリマーとしては、ニトロセルロース、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、エチルセルロース、シアノエチルセルロース、セルロースカーボネートなどのセルロース誘導体ポリマー;アセチル化プルラン、シアノエチルプルランなどのプルラン誘導体ポリマー;ポリ乳酸ポリマー;ポリフッ化ビニリデン、テトラフロロエチレン−弗化ビニリデン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、クロロトリフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体又はポリフッ化ビニル、主鎖に環構造を有する含弗素ポリマー(CYTOP(旭硝子(株)製、商品名)、TEFLON AF(DuPont社製、商品名)など)などのフッ素ポリマー;ポリビニルブチラール、ポリビニルプロピオナールなどのポリビニルアセタールポリマー;4−メチル−1−ペンテン系共重合ポリマーなどが使用できる。ポリマーの分子量は、ペリクル膜の強度、弾性率や露光光線に対する耐久性、溶媒への溶解性などを考慮し選択する。
これらを溶解する溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチルなどのエステル系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶媒;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート;パーフルオロアルキルアミン(FLUORINERTシリーズ(3M社製、商品名)、CT-Solvシリーズ(旭硝子(株)製、商品名)など)、パーフルオロアルキルフラン(FLUORINERTシリーズ(3M社製、商品名)など)、ハイドロフルオロエーテル(Novecシリーズ(3M社製、商品名))、パーフルオロエーテル(GALDEN(SOLVAY SOLEXIS社製、商品名))、ハイドロフルオロエーテル(H-GALDEN(SOLVAY SOLEXIS社製、商品名))などのフッ素系溶媒などが使用できる。これらの溶媒は単独で使用してもよいし、混合して使用してもよい。
ポリマーと溶媒の組合せは、異物やゲルを除去するための所望の口径によるろ過ができるように溶解性を考慮したり、所望のペリクル膜厚が得られるよう、成膜に最適な濃度−粘度特性や蒸発速度を考慮して選択する。
ペリクル膜は単層でもよいし、光線透過率を高めるため、屈折率の異なるポリマーを積層し多層膜としても良い。
加熱、加圧、攪拌などの手段によりポリマーを溶媒に溶解しポリマー溶液とする。
ポリマー溶液は、乾燥空気、窒素などの不活性ガス、あるいはポンプなどで加圧ろ過し、溶液中の異物やゲルを取り除く。ろ過に使用するフィルターは、四フッ化エチレン、超高分子量ポリエチレン、ナイロン、ポリプロピレン製のメンブレンフィルターやデプスフィルターが挙げられる。
図1(c)に示すようにホットプレート13や加熱炉による乾燥、減圧乾燥など、あるいはそれらの組み合わせによって乾燥させて、ペリクル膜14を成膜する。最後に、図1(d)に示すように、成膜基板10上にて仮枠15を貼り付け、ペリクル膜14を成膜基板10から剥離させる。このようにして得られたペリクル膜14を、粘着材や保護フィルムつきのフレームに貼り付け、余分な膜をカットすることによりペリクルを製作する。
次に、スリットコート法を説明する。図2に示すように、矩形(長方形)の成膜基板20に対し、ダイ21からペリクル膜原料溶液を吐出しつつ、ダイ21を成膜基板20に沿って移動させる。これによりペリクル膜原料溶液を塗布する。以後の乾燥及び剥離はスピンコート法の場合と同様である。
(成膜基板の材質)
上記成膜方法で使用される成膜基板10、20の材質は、ソーダライムガラス、低熱膨張ガラス、石英ガラスが考えられるが、ソーダライムガラスが好ましい。
低熱膨張ガラスは、母材中に多くの気泡が含まれるため、成膜基板の面積が大きくなると基板表面に気泡が存在する確率が高くなる。このような気泡が成膜基板表面に存在すると、その形状がペリクル膜に転写する。すると、膜面検査時に転写された気泡の形状が、膜面に付着した異物と区別することができないため、そのペリクル膜を使用することができなくなる。ここで、膜面検査とは、暗室内で膜面をハロゲンランプの光を当てることにより、膜面の微小な異物の有無や微小なスジの有無の確認を行う検査方法である。
尚、石英ガラスの母材にはほとんど気泡がないが、石英ガラスは非常に高価である。また、他のガラスの母材と比べて入手が困難であり、基板面積が大きくなるほどその傾向は大きくなる。そのため、大型ペリクルを生成するための成膜基板に石英ガラスを使用すると、成膜基板が非常に高価になり、且つ定常的に入手することが困難になる可能性がある。
ソーダライムガラスは、母材中に気泡は少ない。また、安く、入手しやすい。しかし、硬度が低いために研磨後に微小なスジ状の研磨痕が残りやすい。しかしながら後述するように、化学研磨をも施すことで、実用的な程度にまで傷を解消することができる。
(成膜基板の製法)
上記成膜方法で使用される成膜基板10、20の製法について説明する。説明は、製作工程の順序に沿って行う。即ち、まず前記ソーダライムガラスに対し物理研磨による加工をし、次に化学研磨による加工をし、最後に成膜基板の表面処理をするという順序で説明する。説明では省略するが、必要に応じて各工程で基板の洗浄や乾燥を行ってもよい。
物理研磨工程においては次のように処理する。まず、表面面積が3000cm2以上になるようにソーダライムガラスを切り取って成膜基板とする。次に該成膜基板の表面に、砥粒を供給しつつ回転する研磨盤を押圧しながら研磨する。ここで使用する砥粒としては特に限定はないが、酸化アルミニウム、セリウム等を使用することができる。
化学研磨工程においては次のように処理する、前記物理研磨した成膜基板の表面に対して薬品を供給する。すると、当該薬品が成膜基板の表面の極表層を溶かす。これにより、成膜基板の表層が平滑になる。ここで使用する薬品としては特に限定はないが、例えば臭化メタノールを使用することができる。
表面処理工程について説明する。成膜基板10、20の表面処理は、ペリクル膜の成膜基板に接する層の種類に応じて2種類あり、適宜、シラザン処理やパーフルオロアルキル層の形成等を施す。表面処理を施すことにより、成膜基板表面へのポリマーの付着を防止し、成膜基板の使用回数を大幅に延ばすことができる。また、剥離力が小さくなるため剥離開始から剥離終了まで連続して行うことができ、膜面にスジが入ることなく剥離を行うことができるようになる。
まず、表面処理の種類を説明する。図3に示すように、ペリクル膜の構成には、フッ素膜51のみで形成される単層構造(図3(a))、フッ素膜51の下にセルロース誘導体52が形成される2層構造(図3(b))、該2層構造の下に更にフッ素膜51が形成される3層構造(図3(c))、がある。ここで、成膜基板と接する層がセルロース誘導体52の場合は、成膜基板の表面61にシラザン処理を行う。また、成膜基板と接する層がフッ素膜51の場合は、成膜基板の表面62にパーフルオロアルキル層を形成する。尚、上述した単層構造では、フッ素膜のみで形成したが、セルロース膜のみで単層構造を形成してもよい。
まず、シラザン処理について説明する。成膜基板にペリクル膜のセルロース誘導体52が接する場合、成膜基板の表面にはシラザン処理を施す。シラザン処理に用いるシラザンとしては、図4に示すようなシラザンを使用する。ここで図4(a)は一般的なシラザンであり、図4(b)はサイクリックシラザンであり、図4(c)はヘキサメチルジシラザンである。
シラザン処理の具体的方法としては、スピンコート法、蒸着法、ディップ法、スプレーコート法、ロールコーターによるコーティング法などが挙げられるが、特にスピンコート法や蒸着法が好ましい。ここで、スピンコート法は、シラザンを単体、又はシラザンを分解させないようにベンゼン、トルエン、ヘキサン等の溶剤にシラザンを溶解させて希釈溶液で成膜基板表面にスピンコートを行う方法である。
スピンコートの条件としては、回転数100rpm〜6000rpmで、5秒〜10分間、スピンコートをすることが好ましい。特に回転数300rpm〜5000rpmで20秒〜3分間、スピンコートすることが好ましい。
また、蒸着法は、専用の容器中に前記シラザンと成膜基板を入れ、シラザンの蒸気を前記成膜基板に付着反応させる方法である。圧力は常圧あるいは減圧下が好ましい。蒸着温度は、5℃〜200℃が好ましく、更に好ましくは15℃〜120℃が好ましい。容器は密閉することが好ましいが、外部との通気口があっても構わない。蒸着時間は、10秒〜24時間が好ましく、更に好ましくは1分〜1時間の範囲が好ましい。スピンコート法又は蒸着法のどちらの方法でも、シラザン処理前若しくはシラザン処理後、又はその両方に、基板洗浄若しくは乾燥、又はその両方を行ってもよい。
次に、パーフルオロアルキル層の形成について説明する。成膜基板にペリクル膜のフッ素膜51が接する場合、成膜基板の表面にパーフルオロアルキル層を形成する。パーフルオロアルキル基を有するシリコン化合物としては、図5(a)〜(e)に示すような一般式の溶媒を使用するのが好ましい。
パーフルオロアルキル層の形成の具体的方法としては、いかなる方法でも構わないが、スピンコート法や、蒸着法が好ましく、特に蒸着法が好ましい。蒸着法は、常圧下、減圧下又は加圧下のいずれでもよい。容器中に前記パーフルオロアルキル基を有するシリコン化合物と基板を入れ、パーフルオロアルキル基を有するシリコン化合物の蒸気を基板表面に付着反応させる。蒸着温度は5℃〜200℃が好ましく、更に好ましくは20℃〜130℃が好ましい。容器は密封するのが好ましいが、外部との通気口があっても構わない。蒸着時間は1分間〜7日間が好ましく、更に好ましくは1時間〜3日間が好ましい。スピンコート法又は蒸着法のどちらの方法でも、シラザン処理前若しくはシラザン処理後、又はその両方に、基板洗浄若しくは乾燥、又はその両方を行ってもよい。
次に実施例及び比較例を挙げて対比し、本実施形態を具体的に説明する。
〔実施例1〕
1辺が570mmの正方形のソーダライムガラスを用意し、物理研磨、化学研磨を行った。この基板を純水でスクラブ洗浄後、超音波洗浄を行い、温風乾燥を行った後にヘキサメチルジシラザンの蒸着処理を行い、大型ペリクル用成膜基板とした。セルロースアセテートプロピオネート(CAP 480-20、Eastman Chemical Company製)を乳酸エチルに溶かしたポリマー溶液を窒素で0.01MPaに加圧し、口径0.1μmのメンブレンフィルターを通してろ過した液をスピンコート法でこの成膜基板上に塗布し、ホットプレートで乾燥した。スピンコート法はクローズドカップ方式のスピンコーターに前記ポリマー溶液をガラス基板上に300g供給し、ガラス基板を350rpmで60秒間回転させる。乾燥法は、ポリマー溶液を塗布した成膜基板を60℃のホットプレート上に30分間載せる。
その後、仮枠を用いてペリクル膜の剥離作業を行った。ここで述べる蒸着処理とはクリーンオーブンで100℃、2時間温風乾燥後、室温まで冷却した。次にこの基板とヘキサメチルジシラザン20ccを導入した直径5cmの上部が開放されたポリエチレン容器を清浄な金属製の箱に室温で30分間封入した。成膜基板を取り出した後、クリーンオーブンで100℃、2時間加熱した。
この成膜・剥離作業を繰り返し100回行った。剥離法は、外径が成膜基板と同じで幅20mm、厚み6mmの仮枠に両面テープを貼り付け、両面テープ面を基板面側にして成膜基板に押しつけ、片側から仮枠を持ち上げることにより、成膜基板上の膜を仮枠に移し取った。
この結果、剥離作業は100回とも剥離力が小さくて済み、剥離開始から剥離終了まで連続的に行うことができた。また、剥離を行った各ペリクル膜の膜面検査を行った結果、100枚のペリクル膜の膜面にスジが入ることはなく、各ペリクル膜の表面は曇ることはなかった。また、100枚のペリクル膜の膜面検査を行った結果、同一箇所に輝点は見られなかったことから、基板表面にキズや気泡は無いと判断できる。
〔実施例2〕
1辺が1200mmの正方形のソーダライムガラスを用意し、物理研磨、化学研磨を行った。この基板を純水でスクラブ洗浄後、超音波洗浄を行い、温風乾燥を行った後にヘキサメチルジシラザンの蒸着処理を行い、大型ペリクル用成膜基板とした。蒸着法は実施例1と同じである。
成膜・剥離作業を繰り返し100回行った。使用したポリマー溶液、成膜法、乾燥法、剥離法は実施例1と同じである。
この結果、剥離作業は100回とも剥離力が小さくて済み、剥離開始から剥離終了まで連続的に行うことができた。また、剥離を行った各ペリクル膜の膜面検査を行った結果、100枚のペリクル膜の膜面にスジが入ることはなく、各ペリクル膜の表面は曇ることはなかった。また、100枚のペリクル膜の膜面検査を行った結果、同一箇所に輝点は見られなかったことから、基板表面にキズや気泡は無いと判断できる。
〔実施例3〕
1辺が1400mmの正方形のソーダライムガラスを用意し、物理研磨、化学研磨を行った。この基板を純水でスクラブ洗浄後、超音波洗浄を行い、温風乾燥を行った後にヘキサメチルジシラザンの蒸着処理を行い、大型ペリクル用成膜基板とした。蒸着法は実施例1と同じである。
成膜・剥離作業を繰り返し100回行った。使用したポリマー溶液、成膜法、乾燥法、剥離法は実施例1と同じである。
この結果、剥離作業は100回とも剥離力が小さくて済み、剥離開始から剥離終了まで連続的に行うことができた。また、剥離を行った各ペリクル膜の膜面検査を行った結果、100枚のペリクル膜の膜面にスジが入ることはなく、各ペリクル膜の表面は曇ることはなかった。また、100枚のペリクル膜の膜面検査を行った結果、同一箇所に輝点は見られなかったことから、基板表面にキズや気泡は無いと判断できる。
〔比較例1〕
1辺が1200mmの正方形のソーダライムガラスを用意し、物理研磨のみを行った。この基板を純水でスクラブ洗浄後、超音波洗浄を行い、温風乾燥を行った後にヘキサメチルジシラザンの蒸着処理を行い、大型ペリクル用成膜基板とした。蒸着法は実施例1と同じである。
成膜・剥離作業を繰り返し100回行った。使用したポリマー溶液、成膜法、乾燥法、剥離法は実施例1と同じである。
この結果、剥離作業は100回とも剥離力が小さくて済み、剥離開始から剥離終了まで連続的に行うことができた。また、剥離を行った各ペリクル膜の膜面検査を行った結果、100枚のペリクル膜の表面は曇ることはなかった。しかしながら、100枚のペリクル膜の膜面検査を行った結果、膜面の同一箇所にスジが観察され、基板の当該箇所を観察したところ、スジ状の研磨痕が観察された。
〔比較例2〕
1辺が570mmの正方形のソーダライムガラスを用意し、物理研磨、化学研磨を行った。この基板を純水でスクラブ洗浄後、超音波洗浄及び温風乾燥を行い、大型ペリクル用成膜基板とした。
成膜・剥離作業を繰り返し10回行った。使用したポリマー溶液、成膜法、乾燥法、剥離法は実施例1と同じである。
この結果、剥離作業は10回目では剥離力が大きく、剥離開始から剥離終了まで不連続な剥離となった。また、剥離を行った各ペリクル膜の膜面検査を行った結果、10枚目のペリクル膜の表面は曇っていた。更に、膜面には、剥離が不連続となったことによるスジが入っていた。尚、10枚のペリクル膜の膜面検査を行った結果、同一箇所に輝点は見られなかったことから、基板表面にキズや気泡は無いと判断できる。
〔比較例3〕
1辺が800mmの正方形の低熱膨張ガラスを用意し、物理研磨、化学研磨を行った。この基板を純水でスクラブ洗浄後、超音波洗浄を行い、温風乾燥を行った後にヘキサメチルジシラザンの蒸着処理を行い、大型ペリクル用成膜基板とした。蒸着法は実施例1と同じである。
成膜・剥離作業を繰り返し100回行った。使用したポリマー溶液、成膜法、乾燥法、剥離法は実施例1と同じである。
この結果、剥離作業は100回とも剥離力が小さくて済み、剥離開始から剥離終了まで連続的に行うことができた。また、剥離を行った各ペリクル膜の膜面検査を行った結果、100枚のペリクル膜の膜面にスジが入ることはなく、各ペリクル膜の表面は曇ることはなかった。しかしながら、100枚のペリクル膜の膜面検査を行った結果、同一箇所に輝点が見られた。基板の当該箇所を観察したところ、基板上に気泡が観察された。
本発明は、大型ペリクルの成膜方法に利用することができる。
スピンコート法の説明図。 スリットコート法の説明図。 ペリクル膜の構成と成膜基板の表面処理との関係を説明する図。 表面処理に使用するシラザンを説明する図。 表面処理に使用するパーフルオロアルキル基を有するシリコン化合物を説明する図。
符号の説明
10 …成膜基板
11 …ポリマー溶液
12 …回転台
13 …ホットプレート
14 …ペリクル膜
15 …仮枠
20 …成膜基板
51 …フッ素膜
52 …セルロース誘導体
61 …表面
62 …表面

Claims (5)

  1. 成膜基板上にポリマー溶液を均一に塗布し、該ポリマー溶液を乾燥させた後に仮枠を用いて剥離することによりペリクルを製造する大型ペリクルの製造方法において、
    前記製造方法に使用される成膜基板は、面積が3000cm2以上であり、ソーダライムガラスを材料とし、物理研磨を行った後に化学研磨を行うことにより研磨痕が幅、深さとも0.5μm以下にしたものであることを特徴とする大型ペリクルの製造方法。
  2. 請求項1に記載の大型ペリクルの製造方法であって、
    前記成膜基板には、下記化学式によって示されるシラザンを用いて表面処理を施したことを特徴とする大型ペリクルの製造方法。
    Figure 0004330525
  3. 請求項1に記載の大型ペリクルの製造方法であって、
    前記成膜基板には、下記化学式によって示されるサイクリックシラザンを用いて表面処理を施したことを特徴とする大型ペリクルの製造方法。
    Figure 0004330525
  4. 請求項2に記載の大型ペリクルの製造方法であって、
    前記成膜基板には、下記化学式によって示されるヘキサメチルジシラザンを用いて表面処理を施したことを特徴とする大型ペリクルの製造方法。
    Figure 0004330525
  5. 請求項1に記載の大型ペリクルの製造方法であって、
    前記成膜基板には、下記化学式によって示されるパーフルオロアルキル基を有するシリコン化合物を用いて表面処理を施したことを特徴とする大型ペリクルの製造方法。
    Figure 0004330525
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