JP4330326B2 - 水面浮遊性農薬製剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、高い殺菌効果および/または殺虫効果を安定して発揮する水面浮遊性農薬製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
水田に浮遊させる農薬製剤の剤型として、水田に入らずに畦畔から投げ込むだけで散布可能な農薬製剤が開発され使用されている。このような農薬製剤の例として、次のものが挙げられる。
(1)軽石粒やパーライト粒などの水面に浮く担体に糊状物質で殺菌活性成分を付着したもの(特許文献1参照)、
(2)発泡させた真珠岩または黒曜石に硬化油、パラフィン、石油樹脂で殺虫成分を付着させたもの(特許文献2参照)、
(3)パーライトなどの水に浮く無機担体に殺草活性成分を担持させたもの(特許文献3参照)、
(4)農薬活性成分を含浸した合成樹脂発泡体の細粒体を水溶性高分子フィルムによって密封したもの(特許文献4参照)、
(5)農薬活性成分をロウ状物に溶解もしくは分散させ、水溶性もしくは水分散性物質と押出し造粒機で粒剤に成型したもの(特許文献5参照)、
(6)農薬活性成分と特定の界面活性剤、ベントナイト、水浮遊性中空粒子を含有する組成物(特許文献6参照)、
(7)農薬活性成分、250μm以下のガラス質中空体、特定の界面活性剤を含有する組成物(特許文献7参照)、
(8)農薬活性成分、焼成バーミキュライトあるいは発泡パーライト、発泡シラス、コルクおよびアセチレン系界面活性剤を含有する製剤を水溶紙に分包した組成物(特許文献8参照)、
(9)C〜C10アルキルアルコールのC〜Cアルキレンオキサイド付加物およびその誘導体からなる水面拡展剤および農薬活性成分を含有する水面浮遊性組成物(特許文献9参照)、
(10)農薬活性成分、浮遊性中空体および特定の陰イオン界面活性剤を含有する水面施用農薬製剤(特許文献10参照)、
(11)見かけ比重が1未満でありかつ約300〜1400μmの範囲内の粒径を有する粒核に農薬活性成分、界面活性剤を油状物質にて担持被覆した組成物(特許文献11参照)、
(12)天然ガラス質気泡体を粉砕して得られた平均粒径が100μm以下のガラス質粉末を含有する粒状農薬水和剤(特許文献12参照)、
などがあげられる。
【0003】
【特許文献1】
特公昭48−1179号公報(第2頁左欄10行〜第2頁右欄12行)
【特許文献2】
特公昭48−1181号公報(第1頁右欄24行〜第2頁右欄7行)
【特許文献3】
特公昭48−1182号公報(第2頁左欄6行〜第3頁左欄36行)
【特許文献4】
特開昭53−99327号公報(第1頁右欄15行〜第2頁左下欄16行)
【特許文献5】
特開昭56−30901号公報(第2頁左上7行〜第3頁右上12行)
【特許文献6】
特開平7−82102号公報(第2頁段落番号[0004]〜第4頁段落番号[0024])
【特許文献7】
特開平6−345603号公報(第2頁段落番号[0007]〜第4頁段落番号[0032])
【特許文献8】
特開平6−336403号公報(第4頁段落番号[0017]〜第10頁段落番号[0076])
【特許文献9】
特開2000−351701号公報(第3頁段落番号[0011]〜第10頁段落番号[0088])
【特許文献10】
特開2002−128605号公報(第3頁段落番号[0008]〜第6頁段落番号[0039])
【特許文献11】
特開平9−183701号公報(第2頁段落番号[0008]〜第5頁段落番号[0025])
【特許文献12】
特開平8−143403号公報(第2頁段落番号[0007]〜第5頁段落番号[0019])
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来の浮遊性を付与する技術では、水田中での殺菌活性成分および/または殺虫活性成分の拡散性が不十分であるため散布ムラを生じ、本来殺菌活性成分および/または殺虫活性成分が持っている優れた効果が得られず、また薬害を生じやすいなどの問題点があった。
【0005】
したがって、本発明は、殺菌活性成分および/または殺虫活性成分を水田中に均一に拡散し、優れた殺菌効果および/または殺虫効果を示す水面浮遊性農薬製剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これらの課題を解決するべく鋭意研究した。その結果、(a)殺菌活性成分および/または殺虫活性成分、(b)一般式(1)で示される界面活性剤、(c)高沸点溶剤、(d)ガラス質中空体、セラミックス中空体および合成樹脂中空体から選ばれる1種である水面浮遊性中空体、並びに(e)発泡パーライトおよびシラスバルーンから選ばれる1種であるガラス質中空体を粉砕して得られた気泡を有しない不規則な形状の細片からなる平均粒径1〜50μmのガラス質粉末を用いることを特徴とする水面浮遊性農薬製剤が前記した課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【化2】
Figure 0004330326
(式中、Rは炭素数6〜9の脂肪族炭化水素基を示し、Aは、RCO−基または水素原子を示し、mおよびnは、それぞれ0、1または2の整数であって、1≦m+n≦2を満足する整数を示す。)
【0008】
<殺菌活性成分および/または殺虫活性成分について>
本発明の農薬活性成分として、通常水田に使用されるものであれば何れも使用できる。そのような殺虫活性成分としては、有機リン系、カーバメート系、ピレスロイド系、ネライストキシン系、ネオニコチノイド系など、殺菌活性成分としては、銅化合物、有機硫黄、有機リン系、メラニン生合成阻害、ベンゾイミダゾール系、ジカルボキシイミド系、酸アミド系、ステロール生合成阻害、メトキシアクリレート系、アニリノピリミジン系などが例としてあげられる。そして、これらの農薬活性成分は、1種または2種以上を併用しても何ら問題ない。
【0009】
殺菌活性成分および/または殺虫活性成分の製剤中への添加量は特に限定されないが、通常0.1〜70重量%、好ましくは0.3〜60重量%である。
【0010】
また、本発明においては、殺菌活性成分、殺虫活性成分のほかに植物成長調整成分などを添加してもかまわない。
【0011】
なお、上記殺菌活性成分、殺虫活性成分の具体例は、それぞれ単剤、2種以上の混合剤ともに「農薬ハンドブック2001年版」(社団法人日本植物防疫協会発行)に記載(p.2〜353,p.596〜710参照)されている。
【0012】
<一般式(1)の界面活性剤について>
本発明では、一般式(1)で示される界面活性剤がヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸のエチレングリコールまたはプロピレングリコールのエステル化合物であるものが好ましい。また、これらのエステル化合物の中で特に好ましいものとしては、次のものがあげられる。
【0013】
エチレングリコールモノオクタン酸エステル、
エチレングリコールジオクタン酸エステル、
エチレングリコールモノノナン酸エステル、
エチレングリコールジノナン酸エステル、
エチレングリコールモノデカン酸エステル、
エチレングリコールジデカン酸エステル、
プロピレングリコールモノオクタン酸エステル、
プロピレングリコールジオクタン酸エステルなど。
【0014】
本発明で使用できる一般式(1)の界面活性剤としてはこれらの例示のみに限定されるものではない。また、本発明では、一般式(1)で示される界面活性剤は、1種または2種以上を併用しても何ら問題ない。
【0015】
本発明では、一般式(1)で示される界面活性剤の製剤中への添加量は特に限定されないが、通常0.1〜20重量%、好ましくは0.3〜15重量%である。
【0016】
<高沸点溶剤について>
本発明に使用する高沸点溶剤の例としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオレイル、アジピン酸ジイソデシル、フタル酸ジエチルヘキシル、フタル酸ジデシル、トリメット酸2−エチルヘキシル、トリメット酸トリデシルなどの多塩基酸アルコールエステル、2−エチルヘキサン酸セチル、ヤシ脂肪酸セチル、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、オレイン酸メチル、オレイン酸オクチルなどの脂肪酸アルコールエステル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエートなどの多価アルコール脂肪酸エステル、オクチルアルコール、ラウリルアルコール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールなどの高級アルコール、1,2−ジメチル−4−エチル−ベンゼン、メチルナフタレン、1−フェニル−1−キシリルエタン、1−キシリル−1−(3−α−メチルベンジルフェニル)エタンなどの芳香族炭化水素、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、流動パラフィンなどのパラフィン系炭化水素、大豆油、ヤシ油、ナタネ油、キリ油、ヒマシ油、綿実油などの植物油が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0017】
また、これらの高沸点溶剤の中でも、比重1未満のものが好ましく、さらに好ましくは、比重0.6以上1未満のものが好ましく、その中でも、さらに好ましくは、パラフィン系炭化水素である。また、上記の高沸点溶剤は、1種または2種以上を併用しても何ら問題ない。
【0018】
高沸点溶剤の製剤中への添加量は特に限定されないが、通常0.5〜30重量%、好ましくは1〜20重量%である。
【0019】
<水面浮遊性中空体について>
本発明に使用される浮遊性中空体としてガラス質中空体、セラミック中空体、合成樹脂中空体などがあげられる。
【0020】
本発明に使用されるガラス質中空体の例としては、黒曜石、真珠岩、松脂岩などの天然ガラス質の岩石を加熱して発泡させたパーライト、シラスを同様に加工したシラスバルーン(商品名:登録商標、以下同じ)およびタイセツバルーン(商品名:登録商標)など、セラミック中空体の例としては、イースフィアーズ(商品名)、マイクロセルズ(商品名)など、合成樹脂中空体の例としては、フェノール樹脂よりなるフェノールマイクロバルーン、エポキシ樹脂よりなるエコスフェアー、ポリウレタンよりなるポリウレタンフォーム、ポリアクリロニトリルよりなるマイクロスフェアーなどがあげられるが、これらに限定されるわけではない。
【0021】
上記の浮遊性中空体は、1種または2種以上を併用しても何ら問題ない。
【0022】
浮遊性中空体の製剤中への添加量は、通常0.5〜98重量%、好ましくは1〜95重量%である。
【0023】
<ガラス質粉末について>
本発明では天然ガラス質気泡体粉末(ガラス質中空体ともいう)を粉砕して得られた気泡(中空)を有しない不規則な形状の細片からなる平均粒径1〜50μmのガラス質粉末を使用することにより、崩壊性および分散性が良好な水面浮遊性農薬製剤となる。
【0024】
このようなガラス質気泡体粉末の例としては、黒曜石、真珠岩、松脂岩などの天然ガラス質物質を通常の方法で加熱して発泡させた焼成パーライトおよびシラスバルーンを用いるか、市販品を用い、これを通常の粉砕機で平均粒径を1〜50μmにしたものである。
【0025】
ガラス質粉末の平均粒径が50μmを超える粒径になると、造粒後の粒の硬度が弱くなり、紛化しやすくなるなどの問題が生じ、また、平均粒径が1μm未満では造粒手段にもよるが造粒後の粒の硬度が強く、分散性が悪くなる。
【0026】
上記のガラス質粉末は、1種または2種以上を併用しても何ら問題ない。
【0027】
ガラス質粉末の製剤中への添加量は、通常1.0〜60重量%、好ましくは5〜50重量%である。
【0028】
本発明に使用される界面活性剤として一般式(1)で示されるエステル化合物のほか、必要に応じて、その他の界面活性剤を併用してもかまわない。その他の界面活性剤としては、殺菌活性成分および/または殺虫活性成分化合物を水田中に拡散させる働きを有するものであれば特に限定されず、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤および両性界面活性剤などがあげられ、これらの界面活性剤を1種または2種以上を併用してもかまわない。
【0029】
このような非イオン界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキレート、ポリオキシエチレンフェニルエーテルポリマー、ポリオキシエチレンアルキレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、フッ素系界面活性剤(パーフルオロアルキルカルボン酸など)、シリコーン系界面活性剤(ポリオキシアルキレンジメチルポリシロキサンコポリマーなど)、アセチレングリコール系界面活性剤(2,4,7,9−テトラメチル−デシン−4,7−ジオールなど)などがあげられるが、これらの例示のみに限定されるものではない。
【0030】
また、陰イオン界面活性剤の例としては、ポリカルボン酸型界面活性剤(アルキルマレイン酸共重合体など)、ポリオキシエチレンアルキルエーテルフォスフェート、リグニンスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホサクシネート、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルサルフェート、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルサルフェート、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩などがあげられるが、これらの例示のみに限定されるものではない。
【0031】
また、陽イオン界面活性剤および両性界面活性剤の例としては、アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩、アルキルベタイン、アミンオキサイドなどがあげられるが、これらの例示のみに限定されるものではない。
【0032】
本発明では担体として浮遊性中空体を必須として使用するが、浮遊性中空体以外の浮遊性担体を併用してもかまわない。例として、木紛、オガクズ、ケナフ、籾殻、籾殻粉末、コルクなど植物質担体があげられるが、これらに限定されるわけではない。
【0033】
また、浮遊性でない担体でも浮遊性中空体と混合するなどして、製剤全体が浮遊性を有するなら添加してもかまわない。このような固体担体の例として、クレー、タルク、炭酸カルシウム、ベントナイト、ジークライト、セリサイト、酸性白土、珪石、ケイソウ土、ゼオライト、カオリン、ホワイトカーボン、塩化カルシウム、鋸鉄、パルプ、グルコース、フルクトース、マルトース、シュークロース、ラクトースなどの単糖類、二糖類、多糖類などがあげられるが、これらの例示のみに限定されるものではない。上記の担体は、1種または2種以上を併用しても何ら問題ない。
【0034】
本発明の製剤では、必要に応じて、結合剤を製剤中に添加してもかまわない。結合剤の例としては、ポリビニルアルコール、デンプン、デキストリン、アクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、結晶セルロースなどがあげられるが、これらの例示のみに限定されるものではない。
【0035】
本発明の水面浮遊性農薬製剤には、殺菌活性成分および/または殺虫活性成分の安定化剤として、酸化防止剤、紫外線防止剤、結晶析出防止剤、効果増強剤などを添加してもよい。
【0036】
本発明の水面浮遊性農薬製剤は、粒状物、錠型成型物などの剤型に調製するのが好ましく、また、これらは、直接水田に散布してもよいし、水溶性高分子フィルムにより包装して、水田に散布してもよい。
【0037】
水溶性高分子フィルムにより包装し水田に散布する場合には、投入のしやすさおよび省力性を考慮すると、水溶性高分子フィルムで1個あたり5〜100gに包装するのが好ましく、また、水田中へは、3〜40個程度投入するのが好ましい。ここでの、包装形状は特に限定されるものではなく、例えば、球状、円柱状、角状、箱状、不定形のいずれでもよい。
【0038】
【発明の実施の形態】
本発明の水面浮遊性農薬製剤の調製方法は特に限定されないが、例えば次の方法によって調製できる。すなわち、(a)殺菌活性成分および/または殺虫活性成分、(b)一般式(1)で示される界面活性剤、(c)高沸点溶剤、(d)ガラス質中空体、セラミックス中空体および合成樹脂中空体から選ばれる1種である水面浮遊性中空体、並びに(e)発泡パーライトおよびシラスバルーンから選ばれる1種であるガラス質中空体を粉砕して得られた気泡を有しない不規則な形状の細片からなる平均粒径1〜50μmのガラス質粉末、必要であればその他補助剤を添加し、よく混合する。得られた混合物に対して押出し造粒機、転動造粒機、噴霧乾燥造粒機にて粒状成型物と製造するか、または錠剤成型機などで成型して、錠剤成型物を製造してもよく、製造工程において、水や溶剤を使用したり、乾燥してもよい。また、予め、粒状成型物、錠剤成型物を製造後、それらの成型物に一般式(1)で示される界面活性剤、高沸点溶剤をスプレーにて含浸させて調製してもかまわない。また、高沸点溶剤に殺菌活性成分および/または殺虫活性成分を溶解または分散させてスプレーにて含浸させてもよい。本発明の農薬製剤では粒剤および錠剤の大きさ、重量、形状については特に制限はなく、目的を達成しうる範囲内で適宜変更して実施できる。
【0039】
上記の方法により製剤化した本発明の水面浮遊性農薬製剤は、水田に処理すると水面に浮上し、水面上を速やかに拡散する。その間に殺菌活性成分および/または殺虫活性成分を水田中に広く均一に拡散させることができる。
【0040】
【実施例】
次に、実施例で本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0041】
また、部とあるのは、すべて重量部を示す。
【0042】
なお、以下に示した農薬活性成分を前述した各種の系統の水田用殺菌活性成分および/または殺虫活性成分の1種または2種以上の混合成分に置換して製剤化することによって、成分の異なる種々の本発明の水面浮遊性農薬製剤を得ることができる。
【0043】
実施例1
(1)カスガマイシン 2.4部、
エチレングリコールモノヘプタン酸エステル 5.0部、
イソパラフィン 10.0部、
シラスバルーン 49.6部、
真珠岩からなる平均粒径5μmのガラス質気泡体粉末 30.0部、
デキストリン 3.0部
計100.0部
(2)上記(1)で得た混合物100部をハンマーミル(不二パウダル株式会社製)で混合後、この混合物100部に対し、水30部を添加し、双腕ニーダー(不二パウダル株式会社製)で混練混合する。次に、1.5mm径のスクリーンを付けた押出し造粒機(日本薬業株式会社製)で造粒し、さらに流動層乾燥機(不二パウダル株式会社製)で乾燥し、1.7mmと1.18mmの篩を用いて篩別し、粒状の水面浮遊性農薬製剤(表1・No.1)を得た。
【0044】
実施例2
実施例1のエチレングリコールモノヘプタン酸エステルをエチレングリコールモノオクタン酸エステルにかえて実施例1と同様にして調製して得られた粒状物をポリビニルアルコールのフィルム(厚さ40μm)で1個当り50gに包装し、包装した水面浮遊性農薬製剤(表1・No.9)を得た。
【0045】
実施例3
(1)カスガマイシン 2.4部、
プロピレングリコールモノオクタン酸エステル 5.0部、
イソパラフィン 10.0部、
発泡パーライト 25.0部、
真珠岩からなる平均粒径30μmのガラス質気泡体粉末 5.0部、
結晶セルロース 5.0部
ラクトース 47.6部
計100.0部
(2)上記(1)の混合物100部をハンマーミル(不二パウダル株式会社製)で混合後、この混合物100部を錠剤成型機にかけ、20kg/cmの圧力で打錠して、1個当り5gの錠剤型成型物を調製して、錠剤の水面浮遊性農薬製剤(表1・No.18)を得た。
【0046】
実施例4
実施例3と同様に調製して得られた錠剤をポリビニルアルコールのフィルム(厚さ40μm)で1個当り50gに包装し、包装した水面浮遊性農薬製剤(表1・No.19)を得た。
【0047】
実施例5
(1)ダイアジノン 18.0部、
プロピレングリコールモノオクタン酸エステル 10.0部、
イソパラフィン 10.0部、
シラスバルーン 49.0部、
真珠岩からなる平均粒径5μmのガラス質気泡体粉末 10.0部、
デキストリン 3.0部
計100.0部
(2)上記(1)で得た混合物100部を実施例1と同様に調製して得られた粒状物をポリビニルアルコールのフィルム(厚さ40μm)で1個当り50gに包装し、包装した水面浮遊性農薬製剤(表2・No.37)を得た。
【0048】
実施例6
(1)カスガマイシン 2.4部、
シラスバルーン 19.6部、
真珠岩からなる平均粒径10μmのガラス質気泡体粉末 60.0部、
デキストリン 3.0部
計85.0部
(2)上記(1)の混合物をハンマーミル(不二パウダル株式会社製)で混合後、この混合物85.0部に対し、水30部を添加し、双腕ニーダー(不二パウダル株式会社製)で混練混合する。次に、1.5mm径のスクリーンを付けた押出し造粒機(日本薬業株式会社製)で造粒し、さらに流動層乾燥機(不二パウダル株式会社製)で乾燥し、1.7mmと1.18mmの篩を用いて篩別し、粒状の核粒とした。
(3)プロピレングリコールジオクタン酸エステル 5.0部
イソパラフィン 10.0部
計15.0部
(4)上記(3)の混合物をスプレーにて、上記(2)の核粒に吹き付けて粒状物を得た。
(5)上記(4)の粒状物をポリビニルアルコールのフィルム(厚さ40μm)で1個当り50gに包装し、包装した水面浮遊性農薬製剤(表1・No.16)を得た。
【0049】
なお、比較例は実施例に準じて調製した。
【0050】
【発明の効果】
本発明の水面浮遊性農薬製剤を実施すると次のような効果がもたらされる。すなわち、▲1▼水田に散布されると水面浮遊性製剤から溶出した農薬活性成分が水中へ均一に拡散し、優れた殺菌効果および/または殺虫効果を発揮する。▲2▼水田中での拡散性が優れるため、畦畔から水田へ散布するだけでよく、省力的である。
【0051】
次にこれらのこと立証するために、試験例を示す。
【0052】
試験例1 拡散性試験
1区画の面積が100平方メートル(10m×10m)の試験区(湛水深3cm)を作り、その中央(1か所)に実施例、比較例に準じて調製した試料50gを処理した。処理24時間後に試験区の中央(A区)および四隅(B〜E区)より水面下1.5cmの5か所にて水を各50ml採水し、農薬活性成分の濃度をHPLC法(移動相:MeCN/HO=80/20(V/V))によって分析し、下記の式にて計算し、拡散率を求めた。結果は表1〜表4(実施例は表1〜2、比較例は表3〜4)に示す。
【0053】
なお、表中の殺菌効果および/または殺虫効果の防除価で「−」は未試験を表わす。
【0054】
【数1】
Figure 0004330326
【0055】
試験例2 殺菌効果試験
いもち病が毎年発生する水田にて1区画の面積が100平方メートル(10m×10m)の試験区(湛水深3cm)を作り、5月20日に稲苗の移植と同時に、その中央(1か所)に実施例、比較例に準じて調製した試料50gを処理した。薬剤散布60日後に各試験区内より任意の5か所を選び、それぞれ50株につき、いもち病の発病程度を下記基準にて調査して、発病度を求め、無処理区と試験区の発病度から防除価(%)を求めた。その結果は表1〜表4(実施例は表1〜2、比較例は表3〜4)に示す。
【0056】
Figure 0004330326
【0057】
【数2】
Figure 0004330326
【0058】
【数3】
Figure 0004330326
【0059】
試験例3 殺虫効果試験
ニカメイチュウが毎年発生する水田にて1区画の面積が100平方メートル(10m×10m)の試験区(湛水深3cm)を作り、5月25日に稲苗の移植と同時に、その中央(1か所)に実施例、比較例に準じて調製した試料50gを処理した。薬剤散布60日後に各試験区内より任意の5か所を選び、それぞれ100株につき、被害株数を調査して、被害株率を求め、無処理区と試験区の被害株率から防除価(%)を求めた。その結果は表1〜表4(実施例は表1〜2、比較例は表3〜4)に示す。
【0060】
【数4】
Figure 0004330326
【0061】
【数5】
Figure 0004330326
【0062】
【表1】
Figure 0004330326
【0063】
【表2】
Figure 0004330326
【0064】
【表3】
Figure 0004330326
【0065】
【表4】
Figure 0004330326

Claims (5)

  1. (a)殺菌活性成分および/または殺虫活性成分、(b)界面活性剤として下記の一般式(1)で示されるエステル化合物
    Figure 0004330326
    (式中、Rは炭素数6〜9の脂肪族炭化水素基を示し、Aは、RCO−基または水素原子を示し、mおよびnは、それぞれ0、1または2の整数であって、1≦m+n≦2を満足する整数を示す。)、
    (c)高沸点溶剤、(d)ガラス質中空体、セラミックス中空体および合成樹脂中空体から選ばれる1種である水面浮遊性中空体、並びに(e)発泡パーライトおよびシラスバルーンから選ばれる1種であるガラス質中空体を粉砕して得られた気泡を有しない不規則な形状の細片からなる平均粒径1〜50μmのガラス質粉末を用いることを特徴とする、水面浮遊性農薬製剤。
  2. 高沸点溶剤の比重が1未満であることを特徴とする、請求項1に記載の水面浮遊性農薬製剤。
  3. 高沸点溶剤がパラフィン系炭化水素であることを特徴とする、請求項1、2に記載の水面浮遊性農薬製剤。
  4. 製剤が粒剤、錠剤であることを特徴とする、請求項1〜3に記載の水面浮遊性農薬製剤。
  5. 製剤が水溶性高分子フィルムで包装してなることを特徴とする、請求項1〜4に記載の水面浮遊性農薬製剤。
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