JP4329987B2 - 無菌充填用のガス置換装置 - Google Patents

無菌充填用のガス置換装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4329987B2
JP4329987B2 JP2003121800A JP2003121800A JP4329987B2 JP 4329987 B2 JP4329987 B2 JP 4329987B2 JP 2003121800 A JP2003121800 A JP 2003121800A JP 2003121800 A JP2003121800 A JP 2003121800A JP 4329987 B2 JP4329987 B2 JP 4329987B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
container
gas
air
nozzle
conveyance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003121800A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004323073A (ja
Inventor
哲也 高富
良成 菅沼
和義 江成
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daiwa Can Co Ltd
Original Assignee
Daiwa Can Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daiwa Can Co Ltd filed Critical Daiwa Can Co Ltd
Priority to JP2003121800A priority Critical patent/JP4329987B2/ja
Publication of JP2004323073A publication Critical patent/JP2004323073A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4329987B2 publication Critical patent/JP4329987B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Vacuum Packaging (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気清浄度が高レベル領域であるクリーンブースの内部で、充填工程により内容物が充填された後で密封工程に向けて連続的に搬送されている充填済みの容器に対して、噴射ノズルからの不活性ガスの噴射により、密封される前に容器内のヘッドスペースの空気を窒素ガス等の不活性ガスに置換しておくための、無菌充填用のガス置換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
紙やプラスチックを材料とするカップ状の容器(以下、カップ容器と言う)を、容器を嵌入させる孔を開口させた搬送コンベア(リテーナー)により所定間隔に保持した状態で搬送しながら、容器の内部に内容物を充填してから容器の開口部を密封するような場合に、内容物を充填した後の容器が搬送コンベアにより密封工程に向けて送り込まれるのに対して、供給コイルから連続的に繰り出される長尺の帯状フィルムを送給の途中で予め殺菌してから密封工程に送り込むことで、密封工程において、内容物が充填された容器の開口フランジ部に殺菌済みフィルムを熱溶着して密封するということが従来から行われている。
【0003】
また、そのようにフィルムの熱溶着により密封されるカップ容器において、容器内に収納される内容物の酸化を防止するために、充填済みの容器の開口部を密封工程でフィルムにより密封する前に、フィルムの送給方向を容器の上方で搬送コンベアと略平行にしている箇所の手前で、斜め上方から容器の開口部に向けて搬送下流側の方向に噴射ノズルから不活性ガスを噴射して、密封工程に向けて共に移動する容器とフィルムの間の空間に不活性ガスを流すことにより、容器内のヘッドスペースの空気を窒素ガス等の不活性ガスに置換しておくということが、本出願人の出願に係る特開2002−29507号公報により従来公知となっている。
【0004】
なお、カップ容器のヘッドスペースのガス置換については、例えば、専用のガス置換室内に容器を導入して、このガス置換室内で、ヘッドスペースのガス置換を行なってから、容器にカバーフィルムを被せた後で、ガス置換室から出された容器を密封するような方法(特開昭56−23421号公報参照)や、或いは、ガス噴射器に形成された複数のガス噴射口に対して、それぞれの容器を、ガス噴射口の下側に容器の鍔部の片側が位置するように送り込んで、ガス噴射口の挿入部を残して容器鍔部にフィルムを熱溶着した後、ガス噴射口からガスを噴出してヘッドスペースのガス置換を行なってから、容器鍔部とフィルムの未溶着部分を熱溶着して容器を密封するような方法(特開昭56−131119号公報参照)なども従来から公知となっている。
【0005】
この特開昭56−23421号公報に記載された方法や、特開昭56−131119号公報に記載された方法と比べて、上記の特開2002−29507号公報に記載された方法によれば、単に噴射ノズルから不活性ガスを噴射するだけで、製造ラインを煩雑化することなく、連続的に搬送されている多数の容器のガス置換を迅速に行うことができる。しかも、噴射された不活性ガスを密封工程に至るまでの搬送経路中に拡散することなく常に流すことができて、ガス噴射位置から密封工程に搬送されるまでの間でヘッドスペース内に再び空気を混入させることがないため、ガス噴射位置でのガス置換が不充分であっても、密封工程に搬送されるまでの間にガス置換を充分に行うことができる。
【0006】
しかしながら、特開2002−29507号公報に記載された方法を採用しても、製造ラインの長さをできるだけコンパクトなものとするためにガス噴射位置から密封工程までの搬送距離を短くしたような場合には、ガス噴射位置から密封工程に搬送されるまでの間でガス置換される率が低くなることから、最終的に高いガス置換率を得るためには、ガス噴射位置から密封工程に向けて容器を送り出す時点(噴射ノズルから不活性ガスを噴射する時点)でのガス置換率を更に高めておくことが必要となる。
【0007】
これに対して、充填済みの容器の開口部を密封工程でフィルムにより密封する前に、フィルムを容器の上方に略平行に近づける箇所の手前で、容器の開口部に対して斜め上方から不活性ガスを噴射する噴射ノズルにより、搬送下流側の方向に向けて不活性ガスを噴射すると共に、更に、それよりも搬送上流側に別の噴射ノズルを設置して、この噴射ノズルにより、上方から容器内のヘッドスペースの空気を隈なく追い出すような方向で不活性ガスを予め噴射しておくということが、本出願人により更に提案されていて、特開2002−193212号公報により既に従来公知となっている。
【0008】
そのような特開2002−193212号公報に記載された方法によれば、搬送上流側の噴射ノズルにより、予め容器内のヘッドスペースの空気を隈なく追い出す方向にガス噴射してから、更に、搬送下流側の噴射ノズルにより、容器の開口部に対して斜め上方から搬送下流側に向けてガス噴射していることから、ガス噴射位置から密封工程に向けて容器を送り出す時点で、ヘッドスペース内に空気を殆ど残すことなくガス置換できて、その後、上記のように密封工程に至るまでの間にヘッドスペース内に再び空気を混入させないようにしたこととの関連によって、最終的に高いガス置換率を得ることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、無菌充填法によりカップ容器の充填・密封を行なう場合には、搬送路を含む充填・密封工程の領域が、空気清浄度が高レベル領域であるクリーンブースの内部に設置されることとなるが、無菌充填法に使用されるクリーンブースでは、その内部を常に高レベルの空気清浄度に維持するために、ラインの中心部分となる充填工程の近傍で、高レベルに清浄化された略無菌の空気が継続的にクリーンブース内に供給されており、また、クリーンブースの内部を外部よりも僅かに高圧に維持した状態で、略無菌の空気が継続的に供給されるのに対応して、クリーンブースの適所からクリーンブース内の空気が外部に排出されていて、それにより、クリーンブースの内部では、充填工程の近傍から搬送下流側および搬送上流側に向けて空気が常に流れている。
【0010】
そのようなクリーンブースの内部において、容器内のヘッドスペースの空気の不活性ガスへの置換を効果的に行なうために、上記の特開2002−193212号公報に記載された方法を採用しようとした場合に、予め容器内のヘッドスペースの空気を隈なく追い出すために行なわれる搬送上流側の噴射ノズルによるガス噴射の方向が、充填工程の近傍から搬送下流側に向けて流れているクリーンブース内の空気の流れによって乱されることとなり、その結果、搬送上流側の噴射ノズルによるヘッドスペース内の空気の追い出しが不充分となることで、ガス置換率の低下を招くような虞が生じる。
【0011】
また、充填工程の近傍から搬送下流側に向けて流れているクリーンブース内の空気の流れが、フィルムと容器の間に吸い込まれるように流れることで、搬送下流側の噴射ノズルから噴射されたガスが空気の流れにより拡散したり、或いは、噴射されたガスに空気を混入したりすることとなり、その結果、ガス噴射位置から密封工程に搬送されるまでの間でヘッドスペース内に再び空気を混入させることで、更に、ガス置換率の低下を招くような虞が生じる。
【0012】
本発明は、上記のような問題の解消を課題とするもので、具体的には、無菌充填用のガス置換装置について、クリーンブース内の空気の流れに影響されることなく、ガス噴射位置から容器を送り出す時点で、容器内のヘッドスペースに空気を殆ど残すことなくガス置換でき、また、ガス噴射位置から密封工程に容器を搬送する間でも空気を混入させることなくガス置換できて、最終的に高いガス置換率が得られるようにすることを課題とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような課題を解決するために、空気清浄度が高レベル領域であるクリーンブースの内部で、充填工程から密封工程に向けて連続的に搬送されている充填済みの容器に対して、容器内のヘッドスペースの空気を不活性ガスに置換するために、蓋用として送給しているフィルムを斜め上方から容器の上方に略平行に近づける箇所の手前に、斜め上方から搬送下流側に向けて不活性ガスを噴射する噴射ノズルが設置されていると共に、それよりも搬送上流側に、別の噴射ノズルが、上方から容器内のヘッドスペースの空気を隈なく追い出すような方向に向けて不活性ガスを噴射するように設置されている無菌充填用のガス置換装置において、クリーンブースの内部で充填工程の近傍から搬送下流側に向けて空気が流れているのに対して、両方の噴射ノズルよりも搬送上流側に、空気の流れを上方に導くための板体が、その下端が容器の開口部の近傍にまで延びるように設置されていると共に、搬送上流側の噴射ノズルに対して、該ノズルから噴射された後で下方の容器のへッドスペースから溢れ出たガスを後続の容器のへッドスペースにまで導くための板体が、該ノズルの後端から後続の容器の開口部の近傍にまで延びるように設置されており、また、搬送下流側の噴射ノズルに対して、容器の開口部の上方で水平方向に延びる板体が、該ノズルの吐出口の上側から前方に延びるように設置され、且つ、フィルムに沿って空気が流れるのを阻止するための板体が、該ノズルの後端からフィルムと近接するように設置されていることを特徴とするものである。
【0014】
上記のような構成によれば、各噴射ノズルからのガス噴射により容器内のヘッドスペースのガス置換を行なう場合に、両方の噴射ノズルよりも搬送上流側に、空気の流れを上方に導くための板体を設置していることで、搬送上流側の噴射ノズルから噴射されたガスが、クリーンブース内の空気の流れによって乱されるようなことなく、適正な所定の角度で確実に該ノズルの下方の容器のヘッドスペースに導入されることとなり、しかも、搬送上流側の噴射ノズルに対して、該ノズルから噴射された後で下方の容器のへッドスペースから溢れ出たガスを後続の容器のへッドスペースにまで導くための板体を設置していることで、該ノズルから噴射されたガスが効率的に利用されるため、搬送上流側の噴射ノズルによるヘッドスペース内の空気の追い出しを充分に行なうことができる。
【0015】
また、予めヘッドスペース内の空気が充分に追い出された容器の開口部に向けて、更に、搬送下流側の噴射ノズルからガス噴射することにより、ガス噴射位置から密封工程に向けて容器を送り出す時点で、容器内のヘッドスペースに空気を殆ど残すことなくガス置換することができる。しかも、搬送下流側の噴射ノズルに対して、容器の開口部の上方で水平方向に延びる板体を設置し、且つ、フィルムに沿って空気が流れるのを阻止するための板体を設置していることで、該ノズルから搬送下流側の方向に向けて噴射されたガスは、拡散することなく、また、空気を混入させることなく、密封工程に至るまでフィルムと容器の間を搬送下流側に向けて流れるため、ガス噴射位置から密封工程に搬送されるまでの間で、容器のヘッドスペース内に再び空気を混入させるようなことなく、更にガス置換が促進されることとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の無菌充填用のガス置換装置の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明の一実施形態について、図1は、カップ容器の無菌充填ラインの全体を概略的に示し、図2は、無菌充填ラインに設置されるガス置換装置の部分を示し、図3は、ガス置換装置の2つの噴射ノズルからのガス噴射の方向とガスの流れを示すものである。
【0017】
カップ容器の無菌充填ラインでは、図1に示すように、積み重ねられた状態から分離されてラインに供給された各容器(図示せず)について、空気清浄度が高レベルに維持されたクリーンブース2の内部で、搬送コンベア(リテーナー)3により複数列(例えば7列)で連続して搬送しながら、容器の重なりを検出して重なった容器を分離除去する装置4と、容器から静電気を除電して容器に付着した粉塵をバキュームで除去する装置5を通過させてから、容器の内面側に殺菌剤を付着させてから熱風乾燥して無菌エアーで冷却する内面殺菌装置6と、容器の内外両面に殺菌剤を付着させてから熱風乾燥して無菌エアーで冷却する内外面殺菌装置7とを順次通過させた後、殺菌済みの空の容器に対して充填装置8により内容物を容器内に充填している。
【0018】
次いで、充填装置8で内容物が充填された各容器について、ガス置換装置9により容器のヘッドスペースの空気を窒素ガス等の不活性ガスに置換してから、容器の開口フランジ部にフィルム12を線状に溶着するリッド線溶着装置10と、容器の開口フランジ部にフィルム12を面状に溶着してから切断するリッド溶着切断装置11とを順次通過させることで、フィルム供給コイル13から繰り出されて殺菌槽14で殺菌液に浸漬され乾燥装置15で熱風により乾燥された殺菌済みのフィルム12によって、容器の開口部をフィルム状のリッド(蓋)で密封した後、リッド部分が打ち抜かれた使用済みのフィルムをフィルム巻取コイル16に回収する一方、リッドで密封された容器を、リッドシール密封検査装置17を通過させてから、容器排出装置18により搬送コンベア3から排出してラインからクリーンブース2の外部に搬出している。
【0019】
なお、無菌充填ラインでのカップ容器の搬送については、場合によっては単列搬送としても良いが、上記のように幅方向で複数個の容器を同時に進行させる多列搬送によるのが効率的であり、充填や密封については、幅方向で横一列(単列搬送の場合は1個)ずつ行うようにしても良いし、搬送方向と幅方向でそれぞれ複数個(単列搬送では搬送方向で複数個)ずつ行うようにしても良いが、何れにしても、充填や密封を行う時に容器の搬送を一時的に停止させるために、カップ容器は間欠的に進行するように搬送されている。
【0020】
また、カップ容器の搬送に使用される搬送コンベアについては、従来から広く知られた構造のものであり、各カップ容器を所定の間隔で保持するリテーナー(保持具)の機能を有するものであって、図示していないが、搬送コンベアの幅方向と長さ方向のそれぞれで所定間隔で設けられた複数の孔にカップ容器を嵌入させて、カップ容器の上端にある開口フランジ部を搬送コンベアの搬送面上に載置した状態で、多数のカップ容器を所定の間隔で搬送するようにしたベルトコンベアである。
【0021】
上記のようなカップ容器の無菌充填ライン1は、その大部分が、図1に示すように、空気清浄度が高レベル(クラス100以上)の領域であるクリーンブース2の内部に設置されているものであり、また、図示していないが、クリーンブース2の内部に無菌エアー(クラス100以上に清浄化された略無菌状態の空気)を供給するためのフィルター(ULPAフィルターやHEPAフィルター等)のような付属部分を含むクリーンブース2の全体は、更に、クリーンルーム(クラス10,000より空気清浄度の高い室)の内部に設置されている。
【0022】
なお、空気清浄度のクラスについては、NASAの規格によるものであり、所定空間(ft3 )当たりに存在する基準粒子(粒子径0.5ミクロン以上)の数により空気の清浄度を示すものであって、クラス100は基準粒子の数が11〜100個/ft3 、クラス1000は101〜1000個/ft3 、クラス100,000は10,001〜100,000個/ft3 である(クラス1は基準粒子の数が0〜1個/ft3 、クラス10は2〜10個/ft3 である)。
【0023】
クリーンブース2には、その内部の空気清浄度を常にクラス100以上の高レベルに維持するために、ULPAフィルターやHEPAフィルター等のフィルターを通してクラス100以上に清浄化された略無菌状態の空気(無菌エアー)が、ラインの中心部分である充填装置8の近傍に設けられた吸気部21からクリーンブース2の内部に継続的に供給されており、一方、そのような無菌エアーの供給に応じて、クリーンブース2の内部の空気は、容器の供給部や排出部、フィルムの供給部や排出部、および適所に設けられた各排気部22,23,24からクリーンブース2の外に排出されていて、その結果、クリーンブース1の内部の充填工程(充填装置8)と密封工程(リッド線溶着装置10)の間では、充填工程(充填装置8)の近傍から搬送下流側の方向に向けて空気が流れるようになっている。
【0024】
ところで、上記のようなカップ容器の無菌充填ラインでは、容器内に収納される内容物の酸化を防止するために、充填装置8で内容物が充填された各容器について、リッド線溶着装置10とリッド溶着切断装置11による密封工程に送り込むまでに、ガス置換装置9によって容器内のヘッドスペースの空気を窒素ガス等の不活性ガスに置換するようにしており、そのようなガス置換装置9として、図2に示すように、フィルム12を容器30の上方に近接させる箇所の手前に、容器30の搬送方向に沿って2つ(各搬送列毎に2つ)の噴射ノズル91,92がそれぞれ設置されている。
【0025】
また、ガス置換装置9には、クリーンブース2の内部で充填工程(充填装置8)の近傍から搬送下流側に向けて空気が流れているのに対して、両方の噴射ノズル91,92よりも搬送上流側に、空気の流れを上方に導くための板体93が、その下端が容器30の開口部の近傍にまで延びるように設置されていると共に、搬送上流側の噴射ノズル91に対して、該ノズル91の後端から後続の容器30(C)の開口部の近傍にまで延びるように板体94が設置されており、また、搬送下流側の噴射ノズル92に対して、該ノズル92の吐出口の上側から前方に水平方向に延びるように板体95が設置され、且つ、該ノズル92の後端からフィルム12と近接するように板体96が設置されている。
【0026】
なお、各ノズル91,92と各板体93〜96のそれぞれの横幅(搬送方向と直交する方向の長さ)については、何れも、フィルム12の横幅と略同じ長さであって、各ノズル91,92と各板体93〜96は、何れも、クリーンブース2の両側壁との間に僅かな隙間を有するように設置されており、吸気部21からクリーンブース2の内部に供給された空気のうち、板体93によって上方に導かれる空気以外の空気は、このクリーンブース2の両側壁との間の隙間を通って、搬送下流側に向かって流れるようになっている。
【0027】
ガス置換装置9の2つの噴射ノズル91,92による不活性ガスの噴射については、図3に示すように、搬送上流側に配置された噴射ノズル91では、容器30のヘッドスペースの空気を隈なく追い出すことができるように、容器30の開口部の搬送下流側の上方から、真下よりもやや搬送上流側に向けた方向でガスを噴射しており、また、搬送下流側に配置された噴射ノズル92では、容器30の開口部に対して斜め上方から搬送下流側の方向に向けてガスを噴射している。
【0028】
そのように2つの噴射ノズル91,92から噴射されたガスの流れについては、図3に示すように、搬送上流側の噴射ノズル91から噴射されたガスは、下方の容器30(B)のへッドスペースに充満して空気を追い出してから、容器30(B)から溢れ出たガスが、板体94によって後続の容器30(C)のへッドスペースにまで導かれることとなる。一方、搬送下流側の噴射ノズル92から噴射されたガスは、該ノズル92の吐出口の上側から前方に延びる板体95によって上方に拡散するのを妨げられた状態で、一旦は容器30(A)のへッドスペース内に入ってから搬送下流側に流れることとなる。
【0029】
そのように噴射ノズル92から噴射されたガスが搬送下流側に流れる際に、該ノズル92の後端からフィルム12と近接するように設置された板体96により、フィルム12に沿った空気の流れが阻止されていて、該ノズル92からのガスの噴射に連れて引き込まれるように搬送下流側のフィルム12と容器30の間の狭い隙間に空気が吸い込まれるのを防止していることから、噴射ノズル92から噴射されて搬送下流側(フィルム12と容器30の間の狭い隙間)に流れるガスに対して空気が混入するようなことはない。
【0030】
なお、本実施形態では、両方の噴射ノズル91,92よりも搬送上流側に設置される板体93は、取り付け部材を介してクリーンブース2の内壁面に固定されており、搬送上流側の噴射ノズル91に対して設置される板体94は、該ノズル91の後端壁に溶接で一体的に固着されており、搬送下流側の噴射ノズル92に対して設置される板体95は、該ノズル92の吐出口の上側に溶接で一体的に固着されており、搬送下流側の噴射ノズル92に対して設置される板体96は、該ノズル92の後端壁にボルト締めで一体的に固着されている。
【0031】
上記のように2つの噴射ノズル91,92に対して各板体93〜96がそれぞれ設置されている本実施形態のガス置換装置9によれば、ガス置換室のような専用の装置を必要とすることなく、単に各噴射ノズル91,92から不活性ガスを噴射するだけで、製造ラインを煩雑化することなく、搬送コンベア(リテーナー)3により連続的に搬送されている多数の容器30のガス置換を迅速に行うことができる。
【0032】
そして、2つの噴射ノズル91,92からのガス噴射により容器30のヘッドスペースのガス置換を行なう場合に、両方の噴射ノズル91,92よりも搬送上流側に、空気の流れを上方に導くための板体93が設置されていることで、搬送上流側の噴射ノズル91から噴射したガスを、クリーンブース2内の空気の流れによって乱されるようなことなく、適正な所定の角度で確実に該ノズル92の下方の容器30(B)のヘッドスペースに導入することができ、しかも、搬送上流側の噴射ノズル91に対して、該ノズル91から噴射された後で下方の容器30(B)のへッドスペースから溢れ出たガスを後続の容器30(C)のへッドスペースにまで導くための板体94が設置されていることで、該ノズル91から噴射されたガスを効率的に利用することができて、搬送上流側の噴射ノズル91によるヘッドスペース内の空気の追い出しを充分に行なうことができる。
【0033】
また、予めヘッドスペース内の空気が充分に追い出された容器30(A)の開口部に向けて、更に、搬送下流側の噴射ノズル92からガス噴射することにより、ガス噴射位置から密封工程に向けて容器30を送り出す時点で、容器内のヘッドスペースに空気を殆ど残すことなくガス置換することができる。しかも、搬送下流側の噴射ノズル92に対して、容器30(A)の開口部の上方で水平方向に延びる板体95が設置され、且つ、フィルム12に沿って空気が流れるのを阻止するための板体96が設置されていることで、該ノズル92から搬送下流側の方向に向けて噴射されたガスを、拡散させることなく、また、空気を混入させることなく、密封工程に至るまでフィルム12と容器30の間を搬送下流側に向けて流すことができて、ガス噴射位置から密封工程に搬送されるまでの間で、容器30のヘッドスペース内に再び空気を混入させるようなことなく、更にガス置換を促進することができる。
【0034】
なお、例えば、特開昭56−23421号公報に開示されたガス置換装置では、装置の部分を覆うようにハウジングを設けており、また、特開平10−218288号公報に開示されたガス置換装置では、噴射ノズルと容器の開口部を覆うようにフード部材を設けているが、そのようなガス置換装置をクリーンブース内の無菌充填ラインに組み込むと、ハウジング内やフード部材内を殺菌洗浄するために別個の配管等が必要となって、装置を洗浄・殺菌するための構造が面倒なものとなってしまう。
【0035】
これに対して、本実施形態のガス置換装置9では、各噴射ノズル91,92に対して各板体93〜96がそれぞれ設置されているものの、各噴射ノズル91,92は、それらの板体93〜96によって覆われるようなことなく、洗浄可能な状態に露出されていることから、特に別個の配管等を設置しなくても、クリーンブース2の天井や側壁に設けた配管等によりクリーンブース2の内部に洗浄液や殺菌液を充分に散布することで、ガス置換装置9の洗浄・殺菌を支障無く行うことができる。その場合、ラインの搬送方向でクリーンブース2の底部を複数に区画して、それぞれの区画毎にドレン抜きの部分を設ければ、クリーンブース2の内部に設置された各装置を、搬送方向の上流側から下流側に順に洗浄・殺菌することができて、洗浄・殺菌済みの廃液を確実に排除することができる。
【0036】
以上、本発明の無菌充填用のガス置換装置の一実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に示した具体例にのみ限定されるものではなく、例えば、各噴射ノズル91,92から噴射する不活性ガスについては、上記の実施形態に示したような窒素ガスに限られるものではなく、また、各板体93〜96についても、上記の実施形態では何れも固定的に設置しているが、装置の洗浄・殺菌等を一層やり易くするために各板体93〜96の少なくとも何れかを可動的に設置するようにしても良く、さらには、空気の流れを上方に導くための板体93を搬送方向に平行移動可能に設置することにより、ラインスピードを速くした場合や、ラインの稼動開始時に不活性ガスの事前噴出時間を短縮して事前噴出量を削減した場合に、板体93を搬送下流側に移動させることで、板体93よりも下流側の各噴射ノズル91,92付近の領域の容積を小さくして、一定の供給量の不活性ガスにより当該領域を不活性ガスで充満させられるようにしても良い等、適宜に設計変更可能なものであることは言うまでもない。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したような本発明の無菌充填用のガス置換装置によれば、専用のガス置換室を設置したり、製造ラインを煩雑化したりすることなく、単に噴射ノズルから不活性ガスを噴射させるだけで、連続的に搬送されている多数の容器のガス置換を迅速に行うことができると共に、クリーンブースの内部の空気の流れに影響されることなく、ガス噴射位置から容器を送り出す時点で、容器のヘッドスペース内を空気を殆ど残すことなく略完全にガス置換することができて、さらに、その後、密封工程に至るまでの間で容器のヘッドスペース内に空気を混入させることなくガス置換を更に促進できることから、最終的に高いガス置換率を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス置換装置が設置されているカップ容器の無菌充填ラインの概略を示す側面説明図。
【図2】本発明の無菌充填用のガス置換装置の一実施形態を示す断面側面図。
【図3】図2に示したガス置換装置の2つの噴射ノズルからのガス噴射の方向とガスの流れを示す断面側面図。
【符号の説明】
1 無菌充填ライン
2 クリーンブース
8 充填装置(充填工程)
9 ガス置換装置
10 リッド線溶着装置(密封工程)
11 リッド溶着切断装置(密封工程)
12 フィルム
30 容器
91 噴射ノズル
92 噴射ノズル
93 (空気の流れを上方に導くための)板体
94 (後続の容器のへッドスペースにまでガス導くための)板体
95 (容器の開口部の上方で水平方向に延びる)板体
96 (フィルムに沿って空気が流れるのを阻止するための)板体

Claims (1)

  1. 空気清浄度が高レベル領域であるクリーンブースの内部で、充填工程から密封工程に向けて連続的に搬送されている充填済みの容器に対して、容器内のヘッドスペースの空気を不活性ガスに置換するために、蓋用として送給しているフィルムを斜め上方から容器の上方に略平行に近づける箇所の手前に、斜め上方から搬送下流側に向けて不活性ガスを噴射する噴射ノズルが設置されていると共に、それよりも搬送上流側に、別の噴射ノズルが、上方から容器内のヘッドスペースの空気を隈なく追い出すような方向に向けて不活性ガスを噴射するように設置されている無菌充填用のガス置換装置において、クリーンブースの内部で充填工程の近傍から搬送下流側に向けて空気が流れているのに対して、両方の噴射ノズルよりも搬送上流側に、空気の流れを上方に導くための板体が、その下端が容器の開口部の近傍にまで延びるように設置されていると共に、搬送上流側の噴射ノズルに対して、該ノズルから噴射された後で下方の容器のへッドスペースから溢れ出たガスを後続の容器のへッドスペースにまで導くための板体が、該ノズルの後端から後続の容器の開口部の近傍にまで延びるように設置されており、また、搬送下流側の噴射ノズルに対して、容器の開口部の上方で水平方向に延びる板体が、該ノズルの吐出口の上側から前方に延びるように設置され、且つ、フィルムに沿って空気が流れるのを阻止するための板体が、該ノズルの後端からフィルムと近接するように設置されていることを特徴とする無菌充填用のガス置換装置。
JP2003121800A 2003-04-25 2003-04-25 無菌充填用のガス置換装置 Expired - Fee Related JP4329987B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003121800A JP4329987B2 (ja) 2003-04-25 2003-04-25 無菌充填用のガス置換装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003121800A JP4329987B2 (ja) 2003-04-25 2003-04-25 無菌充填用のガス置換装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004323073A JP2004323073A (ja) 2004-11-18
JP4329987B2 true JP4329987B2 (ja) 2009-09-09

Family

ID=33500244

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003121800A Expired - Fee Related JP4329987B2 (ja) 2003-04-25 2003-04-25 無菌充填用のガス置換装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4329987B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102341153B1 (ko) 2015-05-13 2021-12-17 가부시키가이샤 에아렉크스 파티클 제어 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004323073A (ja) 2004-11-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6351924B1 (en) Method and device for sterilizing and filling packing containers
JP5141185B2 (ja) 容器殺菌装置
JP6041620B2 (ja) 容器処理装置
EP2103528A1 (en) Container filling system
WO2013084530A1 (ja) 充填密封方法及び装置
US7162848B2 (en) Filling device with housing having a directed gas supply
JP2000335525A (ja) ストリップ包装材料を殺菌するユニット
WO2022176907A1 (ja) 充填包装機
JPH05310295A (ja) ボトルを殺菌及び/又は洗浄するための装置及び方法
JP3899812B2 (ja) アセプティック充填缶詰の製造方法と装置
CN113825705A (zh) 无菌填充机以及无菌填充机的填充阀的冷却方法
JP4329987B2 (ja) 無菌充填用のガス置換装置
JP2000355310A (ja) ストリップ包装材料を殺菌するユニット
JP5763061B2 (ja) 連結された2空間の間にガス流バリヤを保持する装置および方法
JP4587420B2 (ja) カップ容器内ヘッドスペースのガス置換方法
JP4251541B2 (ja) 容器殺菌装置の洗浄方法
JP3876603B2 (ja) 缶蓋の滅菌洗浄方法と装置
JP3695476B2 (ja) 無菌充填包装装置及び無菌充填包装装置の殺菌方法
KR20110000218U (ko) 제품용기 청소장치
JP4674833B2 (ja) カップ容器への熱風供給装置
JP4097644B2 (ja) 容器外面の殺菌方法及び容器のリテーナ
JP3736313B2 (ja) 空缶の滅菌方法と装置
JP4281902B2 (ja) 容器の外面殺菌装置
JPH02152633A (ja) 容器の殺菌装置
JP4091997B2 (ja) 殺菌剤ガス化装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060324

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090324

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090611

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090611

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120626

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120626

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130626

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130626

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130626

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees