JP4329558B2 - 内燃機関用過給システム - Google Patents

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Description

本発明は内燃機関用過給システムに関する。
従来から、予混合圧縮着火燃焼と通常燃焼とを切替可能な内燃機関が知られている。予混合圧縮着火燃焼は、燃料噴射を吸気行程から圧縮行程の中期に行うように進角させて気筒内に予め均一な混合気を生成し、この混合気を圧縮行程の終期に着火させる燃焼態様である。これは、窒素酸化物(NOx)及び煤の発生を抑えることができる点で通常燃焼よりも優れている。しかし、内燃機関が高負荷になると圧縮上死点前に着火するいわゆる過早着火が生じるため、予混合圧縮着火燃焼の実行可能領域は低負荷側の狭い範囲に限定される。従って、それ以外の領域では予混合圧縮着火燃焼から通常燃焼へ適宜に切り替えられている。予混合圧縮着火燃焼の実行可能領域を広げる試みとして、排気ガスの還流量を通常燃焼時よりも大幅に増量して排気還流率を高めることが知られている。
この種の内燃機関に適用される過給システムとして、予混合圧縮着火燃焼時にはターボ過給機のタービン上流からコンプレッサ上流の吸気通路に排気ガスを還流しつつターボ過給機にて過給する一方、通常燃焼時には、排気ガスを還流する位置をコンプレッサの下流に変更するとともに、排気ガスの還流量を予混合圧縮着火時よりも減量する過給システムがある(例えば、特許文献1参照)。その他本発明に関連する先行技術文献として特許文献2〜5がある。
特開2003−286909号公報 特開2003−286876号公報 特開2003−286880号公報 特開平6−288245号公報 特開平6−288246号公報
上記特許文献1に開示された過給システムは、予混合圧縮着火燃焼から通常燃焼へ切り替える際に、排気還流弁の開度を絞ることにより排気ガスの還流量を減量しているため、この減量過渡時に応答遅れ(減量遅れ)が生じるおそれがある。この場合、通常燃焼に対して一時的に高い排気還流率の状態となり、気筒内の酸素が不足してスモーク(黒煙)が発生し排気エミッションが悪化するおそれがある。内燃機関の運転状態の変更により排気ガスの還流を遮断する場合も同様である。
また、大気圧が平地よりも低い高地においては、いわゆるパーシャル加速時等でも内燃機関に供給される新気量が不足する。新気量が不足すると、失火により加速レスポンスが悪化するばかりでなく、スモークや白煙の発生により排気エミッションが悪化するおそれがある。更に、気筒の内壁温度や気筒内の温度が低い場合にも、失火により加速レスポンスが悪化したり、未燃炭化水素による白煙の排出により排気エミッションが悪化するおそれがある。
そこで、本発明は、吸気通路に還流する排気ガスの減量又は遮断過渡時の排気エミッションの悪化を抑制することができ、また大気圧が平地よりも低い高地や機関温度が低い場合に新気量の不足を補い加速レスポンスの悪化を抑えることが可能な内燃機関用過給システムを提供することを目的とする。
本発明の第1の内燃機関用過給システムは、吸気通路及び排気通路と、前記排気通路内の排気ガスの一部を前記吸気通路に還流させる排気還流手段と、前記吸気通路に還流する排気ガスを減量するように前記排気還流手段を制御する排気還流制御手段と、を備えた内燃機関に適用される内燃機関用過給システムであって、前記内燃機関の排気エネルギーを利用して該内燃機関に対して過給するターボ過給機と、前記ターボ過給機のコンプレッサの上流又は下流の前記吸気通路に設けられ、前記ターボ過給機による過給をアシストする電動コンプレッサと、前記吸気通路に還流する排気ガスの減量の制御に同期して前記アシストが行われることによって当該制御の応答遅れに伴う排気還流率の一時的な過剰状態が回避されるように前記電動コンプレッサの作動状態を制御する電動コンプレッサ制御手段と、を具備することにより上述した課題を解決する(請求項1)。
排気ガスを吸気通路に還流させる内燃機関では、その運転状態に応じて吸気通路に還流する排気ガスを減量又は遮断する制御が行われる。ただ、これらの制御の応答性には一定の限界があるため、減量又は遮断の過渡時に応答遅れが発生し、制御目量値に対して一時的に高い排気還流率の状態となる。この場合は、気筒内の酸素が不足してスモーク(黒煙)が発生し排気エミッションが悪化するおそれがある。この発明によれば、過給アシストを排気ガスの減量又は遮断の制御に同期させているので、一時的な応答遅れが発生してもその間は過給アシストによって新気量が増量するため、結果として、高い排気還流率の状態が回避されスモークの発生を抑えることができる。
また、本発明の第1の内燃機関用過給システムにおいて、前記内燃機関は、予混合圧縮着火燃焼と通常燃焼とを運転状態に応じて切替可能であるとともに、前記予混合圧縮着火燃焼から前記通常燃焼への切替時に、前記吸気通路に還流する排気ガスの減量の制御が行われるものであってもよい(請求項2)。予混合圧縮着火燃焼時における過早着火等の問題を解決するため、通常燃焼時よりも排気還流量を大幅に増量することが行われている。このため、予混合圧縮着火燃焼から通常燃焼への切替時に吸気通路へ還流する排気ガスの減量制御が行われる。この態様によれば、過給アシストをこの切替過渡時に同期させているので、一時的な減量遅れが発生してもその間は過給アシストによって新気量が増量するため、結果として、高い排気還流率の状態が回避されスモークの発生を抑えることができる。
また、本発明の第1の内燃機関用過給システムにおいて、前記電動コンプレッサ制御手段は、前記電動コンプレッサによるアシスト量が可変制御されるように該電動コンプレッサを制御してもよい(請求項3)この場合は、実際の排気還流率をより正確に目標となる排気還流率に近づけることができる。
本発明の第2の内燃機関用過給システムは、吸気通路及び排気通路を備えた内燃機関に適用される内燃機関用過給システムであって、前記内燃機関の排気エネルギーを利用して該内燃機関に対して過給するターボ過給機と、前記ターボ過給機のコンプレッサの上流又は下流の前記吸気通路に設けられ、前記ターボ過給機による過給をアシストする電動コンプレッサと、前記電動コンプレッサの作動状態を制御する電動コンプレッサ制御手段と、前記電動コンプレッサを作動すべき領域であって、大気圧が低いほどその領域が拡大するように設定されたアシスト領域への進入の有無を判定するアシスト領域判定手段と、を具備し、前記電動コンプレッサ制御手段は、前記アシスト領域判定手段により前記アシスト領域へ進入したと判定された場合には、前記アシストが行われるように前記電動コンプレッサを制御することにより上述した課題を解決する(請求項4)。
内燃機関を高地にて運転する場合には、高地は平地よりも大気圧の低いため、いわゆるパーシャル加速時等でも新気量が不足する。新気量が不足すると、失火等により加速レスポンスが悪化するばかりでなく、未燃炭化水素より白煙が発生し排気エミッションが悪化する。この発明によれば、大気圧が低いほど過給アシストを行うべき領域を拡大し、高地において不足する新気量を過給アシストにより補うことができるので、失火或いは白煙の発生を抑制でき、加速レスポンスの悪化及び排気エミッションの悪化を抑えることができる。
本発明の第2の内燃機関用過給システムにおいて、前記電動コンプレッサ制御手段は、前記内燃機関の負荷が高い場合は低い場合に比べてアシスト量が減少するように補正してもよい(請求項5)。内燃機関の負荷が高いほど失火或いは白煙が発生し難くく、少ないアシスト量で十分なためである。これにより、無駄なアシストが回避される。
また、本発明の第2の内燃機関用過給システムにおいて、前記内燃機関は、前記排気通路内の排気ガスの一部を前記吸気通路に還流させる排気還流手段と、前記内燃機関の運転状態に応じて定められた排気還流率となるように前記排気還流手段を制御する排気還流制御手段と、を更に備え、前記排気還流制御手段は、大気圧が1気圧である平地よりも大気圧が低い場合であって前記アシストにより該平地と同等の新気量が確保できる場合には、前記吸気通路に還流する排気ガスを減量することなく前記排気還流手段を制御してもよいし(請求項6)、また大気圧が1気圧である平地よりも大気圧が低い場合であって前記アシストにより該平地と同等の新気量が確保できない場合には、前記吸気通路に還流する排気ガスを減量するとともに、その減量割合を前記アシストによる新気量の増量分に応じて減じてもよい(請求項7)。これらの態様によれば、過給アシストによって新気量の不足を賄える場合には、吸気通路に還流する排気ガスを減量しないのでNOxの排出レベルが大幅に悪化することがない。そして、仮に過給アシストによって新気量Gaの不足を賄えない場合でも、吸気通路に還流する排気ガスの減量を抑えることができるので、NOxの排出レベルの悪化を可能な限り抑制することができる。
また、本発明の第1又は第2の内燃機関用過給システムにおいて、前記電動コンプレッサ制御手段は、機関冷却水温度が低い場合は高い場合に比べてアシスト量が増加するように補正してもよいし(請求項8)、また、吸気温度が低い場合は高い場合に比べてアシスト量が増加するように補正してもよい(請求項9)。このようにアシスト量を補正すれば、過給アシストの実施の際に気筒の内壁温度の低下又は気筒内の温度の低下が考慮される。従って、気筒の内壁温度又は気筒内の温度が低くなるにつれ新気量が増加して実圧縮比が増えるので、失火及び白煙の発生を抑えることができる。
また、本発明の第3の内燃機関用過給システムは、吸気通路及び排気通路を備えた内燃機関に適用される内燃機関用過給システムであって、前記内燃機関の排気エネルギーを利用して該内燃機関に対して過給するターボ過給機と、前記ターボ過給機のコンプレッサの上流又は下流の前記吸気通路に設けられ、前記ターボ過給機による過給をアシストする電動コンプレッサと、前記電動コンプレッサの作動状態を制御する電動コンプレッサ制御手段と、を具備し、前記電動コンプレッサ制御手段は、機関温度が所定温度よりも低い場合に前記アシストが行われるように前記電動コンプレッサを制御するとともに、前記機関温度が低いほどアシスト量が増加するように前記電動コンプレッサを制御することにより上述した課題を解決する(請求項10)。
この発明によれば、機関温度が低いほどアシスト量が増加して消費電力が大きくなるので、内燃機関に設けられたオルタネータの発電量が増え、内燃機関のフリクションが増加する。この結果、燃料噴射量が増加することになるので暖機性が向上する。これにより、未燃炭化水素による白煙の排出、燃費悪化、更に失火による加速レスポンスの低下を抑えることができる。
本発明によれば、吸気通路に還流する排気ガスの減量又は遮断過渡時の排気エミッションの悪化を抑制することができ、また大気圧が平地よりも低い高地や機関温度が低い場合に新気量の不足を補い加速レスポンスの悪化を抑えることが可能な内燃機関用過給システムを提供することができる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る内燃機関用過給システムを図1〜図6を参照しながら説明する。図1は本実施形態の全体構成を示す概略図である。本過給システムは内燃機関としてのディーゼルエンジン1(以下エンジンと称することがある)に適用される。エンジン1は吸気通路としての吸気管2及び排気通路としての排気管3を含んでいる。また、このエンジン1は予混合圧縮着火燃焼と通常燃焼とをエンジン1の運転状態に応じて切替可能である。
予混合圧縮着火燃焼(以下、HCCI又はHCCI燃焼と称することがある。)は、周知のように、燃料噴射を吸気行程から圧縮行程の中期に行うように進角させて気筒内に予め均一な混合気を生成し、この混合気を圧縮行程の終期に着火させる燃焼態様である。これにより、圧縮上死点付近で燃料を噴射して拡散燃焼させる通常燃焼と比較して気筒内の混合気の濃度が均一であるので、窒素酸化物(NOx)及び煤の発生を抑えることができる。ただ、この予混合圧縮着火燃焼は、内燃機関が高負荷となって燃料噴射量が増加すると圧縮上死点前の時期に着火(過早着火)する問題が生じる。このため、内燃機関の負荷が低い限られた運転領域で行われる。この領域を拡大する試みとして、排気ガスの一部を吸気通路へ還流させ、この排気ガスの還流量(EGR量)を通常燃焼時よりも大幅に増量して排気還流率(EGR率)を高めることが一般に行われている。なお、このEGR率は次式で定義される。
EGR率=排気ガス量/(新気量 + 排気ガス量)
本実施形態においては、図1に示したように、排気還流手段としてのEGR(Exhaust Gas Recirculation:排気ガス再循環)システム4が採用されている。このEGRシステム4は、排気還流通路5を備え、この排気還流通路5の途中に、還流される排気ガスを冷却するEGRクーラ6及び排気ガスの還流量(EGR量)を調整するEGR弁7をそれぞれ含む。排気還流通路5の入口側は排気管3に接続され、出口側は吸気管2に接続されている。これにより、排気ガスの一部を所定のEGR率となるように吸気管2に還流することができる。
図1に示したように、エンジン1の燃焼態様の制御及びEGRシステム4の制御は、エンジンコントロールユニット(ECU)8により行われている。ECU8はマイクロプロセッサ、ROM及びRAM等の周辺機器を備えたコンピュータユニットとして構成されている。ECU8は、予めROMに格納され、機関回転数NEと燃料噴射量Qに関連付けて燃焼態様を指定したマップを参照して燃焼状態を予混合圧縮着火燃焼と通常燃焼との間で切り換える。図2はそのマップの一例を模式的に示したものである。この図に示したように予混合圧縮着火燃焼を行う領域(HCCI領域)と通常燃焼を行う領域(通常燃焼領域)とが機関回転数NEと燃料噴射量Qに関連付けてそれぞれ定められている。ECU8は機関回転数NEと燃料噴射量Qから燃焼態様を特定し、これに応じて燃料噴射の時期等の制御を行う。
また、ECU8は各燃焼態様に応じたEGR率となるようにEGRシステム4を制御する排気還流制御手段として機能する。本実施形態のエンジン1では、上述した過早着火の問題を抑制するため、予混合圧縮着火燃焼時のEGR率を通常燃焼時よりも高くなるように設定している。従って、予混合圧縮着火燃焼から通常燃焼への切替時(図2の矢印で示した加速過渡時等)には、ECU8はEGR量を減量するようにEGR弁7の開度を制御する。
本実施形態に係る過給システムは、図1に示したように上記エンジン1に適用され、ターボ過給機10と、電動コンプレッサ11とを備えている。ターボ過給機10は周知のように吸入した空気を圧縮するコンプレッサ10aとコンプレッサ10aを駆動させるためのタービン10bとを有している。コンプレッサ10aは、吸気管2に設けられている。また、タービン10bは排気管3に設けられている。ターボ過給機10は、排気管3を流れる排気ガスによってタービン10bを回転してコンプレッサ10aを駆動する。これにより、所望の過給圧を得ることができる。一方、電動コンプレッサ11はターボ過給機10の上流側の吸気管2に設けられている。電動コンプレッサ11はその駆動装置として電気モータ11aを備えている。電気モータ11aは図示しない電源に接続されている。電気モータ11aを駆動することにより、電動コンプレッサ11は作動し、吸気管2内の空気を圧縮することができる。
また、本過給システムにおいては、電動コンプレッサ11を迂回するバイパス通路12が設けられている。バイパス通路12の途中には、バイパス通路12への空気の流入及びその禁止を切り替える切替弁としてのバイパス弁13が設けられている。バイパス弁13は電動コンプレッサ11が作動中の場合には基本的に閉弁され、バイパス通路12への空気の流入が禁止される。従って、電動コンプレッサ11の上流側の空気は実質的に全て電動コンプレッサ11に導かれる。一方、電動コンプレッサ11が非作動の場合には基本的に開弁され、バイパス通路12へ空気が導かれる。バイパス弁13はソレノイド等でリニアに駆動してもよいが、開弁及び閉弁を切り替えることができればよい。また、このバイパス弁13として、電動コンプレッサ11の下流の圧力と、バイパス通路12の入口の圧力との圧力のバランスで駆動するシャッターバルブを設けてもよい。この場合はバイパス弁13の制御が不要となるので、構造をシンプルにできる。また、バイパス弁13の上流側の吸気管にはエンジン1へ流入する空気量を調整するスロットル弁14が設けられている。このスロットル弁14はその開度を全閉状態から全開状態までソレノイド等でリニアに駆動される。
また、上記ターボ過給機10のコンプレッサ10aの下流側の吸気管2には、コンプレッサ10aにより圧縮された空気を冷却するためにインタークーラ15が設けられている。これにより過給効率を高めることができる。さらに、上記と同様の理由から電動コンプレッサ10とターボ過給機10のコンプレッサ10aの間の吸気管2にインタークーラ16が設けられている。このインタークーラ16を設けることにより、更なる過給効率の向上を図ることができるが、常に設ける必要はない。また、電動コンプレッサ11の上流側の吸気管2には吸入空気の異物を除去するエアクリーナ17が設けられている。
なお、電気モータ11aは発熱するため冷却することが好ましい。この場合、空冷では冷え難くく電動コンプレッサ11の作動時間が限定されるおそれがある。そこで、例えば、電気モータ11aの周囲を図示しないラジエターにより冷却水を循環させる冷却システムを採用してもよい。このラジエターはエンジン1に用いられるものと兼用してもよいが、エンジン1の冷却水は温度が高いので電動コンプレッサ11のために別途用意したほうがなお好ましい。この場合の冷却水の温度は30℃程度がよい。さらに、このラジエターをターボ過給機10の冷却に用いることもできる。このように構成すれば、重大な問題となるコーキング対策として非常に有効である。
以上の構成により、電動コンプレッサ11が作動中のときは、エアクリーナ17を通過した吸入空気は、電動コンプレッサ11にて圧縮された後、ターボ過給機10のコンプレッサ10aに導かれて更に圧縮されて所望の過給圧にてエンジン1に導かれる。ターボ過給機10は上述したように排気ガスのエネルギーを利用しているため、所望の過給圧が得られるまでにタイムラグを生じる(いわゆるターボラグ)。特に、低速走行時に急加速が要求された場合に顕著である。そこで、このターボラグを補償し、所望の過給圧が得られるまでターボ過給機10をアシストすべく電動コンプレッサ11により過給アシスト(以下、MCアシストと称することがある。)が行われる。本実施形態では、これに加え、上述した燃焼態様の切替過渡時に同期させて電動コンプレッサ11により過給アシストを行い、新気量Gaを増量させている。
上述したように、エンジン1は予混合圧縮着火燃焼から通常燃焼への切替時にEGR量を減量するようにEGR弁7を制御している。しかしこの制御応答性に一定の限界があるため、この切替過渡時にEGR量の応答遅れ(減量遅れ)が発生する。このため、図3に示したように、実際のEGR率(実EGR率)が目標とすべきEGR率(目標EGR率)と合致せず、通常燃焼に対して一時的に高いEGR率の状態となる。この場合、通常燃焼に必要な酸素が減少するので、スモーク(黒煙)が発生し排気エミッションが悪化する。そこで、本実施形態の過給システムは、図4に示したように、この切替過渡時に同期させて電動コンプレッサ11を作動(ON)することにより過給アシストを実行している。これにより、この図に示したようにEGR量の応答遅れがあるものの過給アシストによって新気量Gaが増量するため、実EGR率の応答遅れを解消することができスモークの発生を抑えることができる。
本過給システムのこのような制御は、エンジン1の運転状態を制御する上記ECU8によって行われる。ECU8は各種センサの入力情報に基づいて、電動コンプレッサ11及びバイパス弁13をそれぞれ制御する。
図1に示したように、本実施形態に係る過給システムは、アクセルの開度及びその変化量を検出するアクセル開度センサ20、機関回転数を検知する回転数センサ21、エンジン1の図示しない吸気マニホールド内に設けられ、吸気管2内の圧力(過給圧)を検出する過給圧センサ22、吸気管2内に流入する空気の質量流量を検出するエアフロメータ23、エアフロメータ23に内蔵され、吸気管に流入する空気の圧力(大気圧)を検出する圧力センサ23a、エアフロメータ23に内蔵され、吸気管4に流入する空気の温度を検出する温度センサ23b、エンジン1の冷却水の温度を検出する水温センサ24をそれぞれ備えている。これらの各種センサは、以下に説明する制御態様に応じて適宜に利用される。なお、これらの各種センサは検出対象となる物理量そのものを検出するセンサでも良いし、この物理量を推定するものでも良い。
図5は、本実施形態に係る過給システムの制御ルーチンの概要を示したフローチャートである。本制御ルーチンはECU8のROM等に格納されたプログラムに従って所定間隔で繰り返し実行される。本制御ルーチンをECU8に実行させることにより、ECU8は、電動コンプレッサ制御手段として機能する。
図5に示したように、ECU8は、まずステップS1において、予混合圧縮着火燃焼から通常燃焼への切替の有無を判定する。否定判定された場合には以後の処理をスキップして今回のルーチンを終える。一方、この切替があると肯定された場合は、ECU8はステップS2に処理を進め、電動コンプレッサ11によるアシスト量を算出する。例えば、この切替後の実際の新気量(実新気量)と目標となる新気量(目標新気量)との差を算出し、この差とその時の機関回転数に応じてマップ等で予め設定しておいたアシスト量を算出する。この場合、実新気量及び機関回転数はエアフローメータ23、回転数センサ21(図1参照)から取得する。また、アシスト量の算出手法としては、切替後の実際の過給圧(実過給圧)と目標となる過給圧(目標過給圧)との差を算出し、その差とその時の機関回転数に応じてマップ等で予め設定しておいたアシスト量を算出してもよい。実過給圧及び機関回転数は過給圧センサ22、回転数センサ21(図1参照)から取得する。但し、電動コンプレッサ11の作動状態の制御として、単純に作動、非作動を切り替える制御を採用する場合には、このアシスト量を特に算出しない。
次に、ECU8はステップS3において、過給アシストの実行時間(アシスト時間)を算出する。例えば、領域(燃料噴射量Qと機関回転数NE)に応じたアシスト時間が設定されたマップを参照して、アシスト時間を算出することができる。また、EGR量の減量遅れの時間を予め定めておいたマップ(EGR切れ遅れ時間マップ)を参照することによりアシスト時間を算出してもよい。
そして、ECU8は続くステップS4において、ステップS2及びS3により得たアシスト量及びアシスト時間に応じた過給アシストを実施する。即ち、ECU8は、予混合圧縮着火燃焼から通常燃焼への切替に合わせ、電気モータ11aにステップS2で算出されたアシスト量に対応した電力が供給されるように電動コンプレッサ11を制御するとともに、バイパス弁13を閉じてバイパス通路12への空気の流入を禁止する。そして所定時間後電力の供給を停止して電動コンプレッサ11を非作動とするとともに、バイパス弁13を開いてバイパス通路12へ空気が流入するように制御して今回のルーチンを終了する。これにより、予混合圧縮着火燃焼から通常燃焼への切替時に同期して過給アシストを実行することができる。従って、この過給アシストにより新気量Gaが増量するため、実EGR率の応答遅れを解消し、スモークの発生を抑えることができる。なお、図6に示したように、上記アシスト量をEGR量の応答遅れに応じて可変制御してもよい。このように制御すれば、実EGR率をより正確に目標EGR率に近づけることができるのでより好ましい。
なお、上記のステップS2〜S4においては、ステップS3において算出したアシスト時間に基づいて過給アシストの実行時間を予め決定していたが、例えば、次の(1)〜(4)のいずれかの手法により過給アシストの開始と終了を制御してもよい。即ち、(1)実際の空気量(実空気量)と目標となる空気量(目標空気量)との差が一定値以上になったら過給アシストを開始し、過給アシストの開始後この差が一定値未満になったら過給アシストを終了する。(2)実際の過給圧(実過給圧)と目標となる過給圧(目標過給圧)との差が一定値以上になったら過給アシストを開始し、過給アシストの開始後この差が一定値未満になったら過給アシストを終了する。(3)予混合圧縮着火燃焼から通常燃焼への切替に合わせて過給アシストを開始し、実過給圧と目標過給圧との差が一定値未満になったら過給アシストを終了する。(4)予混合圧縮着火燃焼から通常燃焼への切替に合わせて過給アシストを開始し、実空気量と目標空気量との差が一定値未満になったら過給アシストを終了する。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る内燃機関用過給システムについて説明する。本実施形態は、排気還流の実施領域から不実施領域への切替時に同期して過給アシスト行われるように電動コンプレッサを制御するものである。適用対象となる内燃機関は上記第1実施形態のエンジン1と同一である。従って、基本構成については図1が参照されることになる。エンジン1は、機関回転数NEと燃料噴射量Qに関連付けて排気還流の実行領域を指定したマップを参照して排気還流の実行及びその停止を切り換えている。この制御は上記ECU8により行われ、エンジン1の運転状態に応じて排気還流の実行及びその停止が切り替えられる。この切替時にECU8は吸気管2に還流する排気ガスを遮断するようにEGRシステム4を制御する排気還流制御手段として機能する。
図7は上記マップの一例を模式的に示したものである。この図に示したように排気還流を行う領域(EGR領域)と排気還流を行わない領域(EGRカット領域)とが機関回転数NEと燃料噴射量Qに関連付けてそれぞれ定められている。例えば、図7の矢印に示した運転状態の変更により排気還流の実行から停止へ切り替わる場合には、ECU8は排気ガスの吸気管2への還流を遮断するようにEGR弁7の開度を全閉状態する。この制御も上述した予混合圧縮着火燃焼から通常燃焼への切り替えの場合と同様に、制御応答性に一定の限界があるため、この切替過渡時に応答遅れ(切り遅れ)が発生する。このため、図8に示したように、実EGR率が目標EGR率(この場合はゼロ)に合致しない。この場合は空燃比がいわゆるオーバーリッチ状態となって、スモークが発生するおそれがある。そこで、本実施形態の過給システムは、図9に示したように、電動コンプレッサ11をこの切替過渡時に同期させて作動(ON)することにより過給アシストを実行している。これにより、この図に示したようにEGR量の応答遅れがあるものの、過給アシストによって新気量Gaが増量するため、実EGR率の応答遅れを解消しスモークの発生を抑えることができる。しかも、このEGR量の応答遅れの対策として、加速レスポンスが悪化してしまう燃料の噴射制限を行う必要がないので、加速レスポンスの悪化を抑えることができる。
本実施形態の制御ルーチンは、図10に示したように、上述した図5のステップS1に代えて、排気還流の実施から停止への切替(EGRカット)の有無を判定する処理(ステップS101)とした点を除き、第1実施形態と基本的に同一である。従って、ECU8はステップS101で肯定判定されたときは、以後のステップS2〜ステップS4の処理を実行することにより過給アシストが行われる。また、図11に示したように、上記アシスト量をEGR量の応答遅れに応じて可変制御してもよい。このように制御すれば、実EGR率をより正確に目標EGR率に近づけることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る内燃機関用過給システムについて説明する。本実施形態の適用対象となる内燃機関は上記エンジン1である。従って基本構成については図1が参照される。エンジン1を高地にて運転する場合には、高地は平地よりも大気圧が低いため、いわゆるパーシャル加速時等でも新気量Gaが不足する。新気量がGaが不足すると、失火等により加速レスポンスが悪化するばかりでなく、未燃炭化水素(HC)より白煙が発生し排気エミッションが悪化する。そこで、本実施形態は、大気圧が低いほど過給アシストを行うべき領域を拡大して、大気圧が低いほど過給アシストが実行されるように電動コンプレッサ11を制御するものである。
図12は、本実施形態に係る過給システムの制御ルーチンを示したフローチャートである。本制御ルーチンはECU8のROM等に格納されたプログラムに従って所定間隔で繰り返し実行される。本制御ルーチンをECU8に実行させることにより、ECU8は、アシスト領域判定手段及び電動コンプレッサ制御手段としてそれぞれ機能する。図12に示したように、ECU8は、まずステップS5において、回転数センサ21(図1参照)の出力値を参照して機関回転数NEの値を取得する。次いでステップS6において、燃料噴射量Qを推定する。燃料噴射量Qはアクセル開度センサ20(図1参照)の出力値とステップS5において取得した機関回転数NEから推定することができる。続くステップS7では、ECU8は圧力センサ23a(図1参照)の出力値を参照して大気圧の値を取得する。
次のステップS8では、ECU8は、機関回転数NEと燃料噴射量Qに関連付けて過給アシストを行うべき領域(アシスト領域)を定めたマップを参照し、ステップS5〜S7で取得した各値からアシスト領域への進入の有無を判定する。このマップの一例を図13に示す。この図に示されているように、このマップは機関回転数NEと燃料噴射量Qとを関連付けてアシスト領域と過給アシストを行わない領域(アシスト無し領域)とを定めている。線図A〜Cはこれらアシスト領域とアシスト無し領域との境界を意味する。大気圧の高さに応じて、線図A、線図B、線図Cの順に境界が設定されている。従って、大気圧が低いほどアシスト領域は拡大されている。
図12に戻り説明を続ける。ステップS8でアシスト領域への進入が肯定判定されたときは、処理をステップS9に進め、アシスト量を算出する。一方、ステップS8で否定判定されたときは以後の処理をスキップして、今回のルーチンを終了する。ステップS9においては、図14に示したように、エンジン1の負荷が高いほどアシスト量が減少するように補正して定めるとよい。エンジン1の負荷が高いほど失火或いは白煙が発生し難くく、少ないアシスト量で十分なためである。また、大気圧が低いほどアシスト量が増加するように補正して定めてもよい。続くステップS10では、ECU8は、ステップS9で算出したアシスト量に応じた過給アシストが行われるように電動コンプレッサ11を制御して、今回のルーチンを終える。ステップS9における電動コンプレッサ11及びバイパス弁13に対する制御は、上記第1実施形態に係るステップS4(図5)と同様である。これにより、新気量Gaを補い失火或いは白煙の発生を抑制することができるので、加速レスポンスの悪化及び排気エミッションの悪化を抑えることができる。
なお、本実施形態において排気還流を行う場合には、以下の態様で行うことが好ましい。一般に大気圧が平地よりも低い高地においては、新気量Gaが不足する。このため従来はEGR量をこの不足相当量だけ減量することにより、平地と同等の新気を確保するように制御されている。しかし、この場合はEGR量の絶対量が減少するためNOxの排出レベルが大幅に悪化する問題があった。本実施形態においては、上記の通り新気量Gaの不足を補うべく過給アシストを行うが、エンジン1の運転領域によってはそれでもなお新気量Gaが不足するおそれがある。
そこで、本実施形態において排気還流を行う場合には、図15に示したように、上述したEGR領域(図7参照)を二つの領域I及びIIに分け、領域Iを上記過給アシストの実施により平地並の新気量Gaを確保可能な領域に設定するとともに、領域IIを上記過給アシストを実施しても平地並の新気量Gaを確保できない領域に設定する。そして、領域Iに属する場合には、EGR量を減量することなくエンジン1の運転状態に応じたEGR率となるようにEGRシステム4を制御する。一方、領域IIに属する場合には、EGR量を減量するが、この減量割合を過給アシストによる新気量Gaの増量分減じるようにEGRシステム4を制御する。この制御は図16に示した制御ルーチンに従ってECU8により行われる。
図16は、本実施形態に係る制御ルーチンを示すフローチャートである。本制御ルーチンはECU8のROM等に格納されたプログラムに従って所定間隔で繰り返し実行される。この図に示したように、ECU8はまず、ステップS11において機関回転数NEと燃料噴射量Qを取得する。機関回転数NEは回転数センサ21(図1参照)の出力値を参照して取得する。また、燃料噴射量Qはアクセル開度センサ20(図1参照)の出力値と機関回転数NEから推定すればよい。次にECU8は、ステップS12において図15に示したマップを参照し、上記領域Iに属するか否かを判定する。領域Iに属している場合には、高地においても平地並の新気量Gaを確保できるので、処理をステップS13に進め、EGR量の減量を行うことなく通常のEGR制御を実施する。
一方、ステップS12にて領域Iに属していないと否定された場合には、ECU8はステップS14において、領域II(図15参照)に属しているか否かを判定する。領域IIに属しない場合はEGRカット領域(図15参照)に属することになるので、以後の処理をスキップして今回のルーチンを終了する。一方、領域IIに属していると肯定判定されたときは、ECU8は処理をステップS15に進め、以後の処理のベースとなるEGR量の減量割合(ベース減量割合)を算出する。この値は大気圧を考慮して推定される新気量Gaの不足量から算出される。次に、ECU8は、ステップS16において、過給アシストにより見込まれる新気量Gaの増量分に応じた補正係数を算出する。次に、ECU8は続くステップS17において、ステップS15で算出したベース減量割合に補正係数を乗算した減量割合を算出する。次に、ECU8はステップS18において、ステップS17で算出した減量割合に基づいて、EGR量の減量制御を実施して今回のルーチンを終了する。これにより、過給アシストによって新気量Gaの不足を賄える場合には、EGR量を減量しないのでNOxの排出レベルが大幅に悪化することがない。そして、仮に過給アシストによって新気量Gaの不足を賄えない場合でも、EGR量の減量を抑えることができるので、NOxの排出レベルの悪化を可能な限り抑制することができる。
(第4実施形態)
次に本発明の第4実施形態に係る内燃機関用過給システムについて説明する。本実施形態の適用対象となる内燃機関は上記エンジン1である。従って基本構成については図1が参照される。気筒の内壁温度が低い場合は失火又は白煙が発生し易い状況となる。そこで、本実施形態では、気筒の内壁温度の低下を考慮した過給アシストを実行する。例えば、機関冷却水の温度が低いほどアシスト量を増加するように補正する。この増量補正は、上述したアシスト量の算出処理(図5ステップS2、図12ステップS3)を図17に示したように変更して実施すればよい。
即ち、ECU8は、まずステップS21で基礎となるベースアシスト量を算出する。このベースアシスト量は上述した算出処理(図5ステップS2、図12ステップS3)に沿って算出すればよい。そして、続くステップS22にて機関冷却水温度を取得する。機関冷却水温度は水温センサ24(図1参照)の出力値を参照すればよい。次にECU8は、ステップS23において、ステップS22で取得した冷却水温度に応じたアシスト補正係数を算出する。このアシスト補正係数は、所定の計算式に基づいてその都度演算してもよいが、機関冷却水温度と関連付けて予め実験的に定めてECU8のROMに格納しておきこの処理の際に参照してもよい。次に、ECU8は続くステップS24において、ステップS23で算出したアシスト補正係数に基づいてアシスト量を算出する。このようにアシスト量を補正すれば、過給アシストの実施の際に気筒の内壁温度の低下が考慮される。従って、気筒の内壁温度が低くなるにつれ新気量Gaが増加して実圧縮比が増えるので、失火及び白煙の発生を抑えることができる。なお、気筒の内壁温度の場合と同様に気筒内の温度が低い場合も失火又は白煙が発生し易い状況となるので、気筒内の温度の低下を考慮した過給アシストを実行してもよい。この場合は、気筒内の温度と相関する物理量である吸気温度に基づいて上記アシスト量の増量補正を実施すればよい。この吸気温度は温度センサ23b(図1参照)の出力値を参照して取得すればよい。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態に係る内燃機関用過給システムについて説明する。本実施形態の適用対象はエンジン1であるので、基本構成については図1が参照される。エンジン1の温度が低温であると、未燃HCによる白煙の排出、燃費悪化、更に失火による加速レスポンスの低下するおそれがある。そこで、本実施形態は、エンジン1の温度(機関温度)に応じて過給アシストを実行する。
図18は、本実施形態の概要を示した説明図である。この図に示したように、エンジン1の冷却水の温度は機関温度と相関するので、過給アシストの有無を判断する物理量としては冷却水の温度(水温)を用いている。水温が所定値Tよりも低い場合にはエンジン1が冷えていることになるので過給アシストが実行される。一方、それよりも高い場合にはエンジン1は暖機しているので過給アシストは実行されない。所定値Tは、未燃HCによる白煙の排出、燃費悪化、又は失火による加速レスポンスの低下を抑制できる限界値として予め実験的に求めておけばよい。また、本実施形態では、図示の通り水温が低いほどアシスト量を増加するように補正される。これにより、機関温度が低いほどアシスト量が増加して消費電力が大きくなるので、エンジン1に設けられた図示しないオルタネータの発電量が増え、エンジン1のフリクションが増加する。この結果、燃料噴射量が増加することになるので暖機性を向上することができる。なお、本実施形態に係る制御はECU8により所定の制御ルーチンに沿って実行される。
以上本発明の内燃機関用過給システムについて、第1〜第5実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されない。例えば、図19に示したように、ターボ過給機10のコンプレッサ10aの下流側の吸気管2に電動コンプレッサ11を配置した構成を採用してもよい。この場合、過給システムの基本的な作用は上記と同様である。また、電動コンプレッサ11の制御についても、上述したものをそのまま適用することができる。従って、図1と共通する構成には同一の符号を付すこととし、重複する説明は省略する。
また、上記実施形態においては、本発明の過給システムの適用対象としてディーゼルエンジン1としたが、内燃機関の形式は問わない。従って、本発明を火花点火式のガソリンエンジンに適用してもよいし、他のガソリンエンジンに適用してもよい。
第1実施形態に係る内燃機関用過給システムの全体構成を示す概略図。 機関回転数と燃料噴射量に関連付けて燃焼態様を指定したマップの一例を示した図。 HCCIから通常燃焼への切替過渡時における、燃料噴射量、目標EGR率、実EGR率、新気量、及び実EGR量の関係を示した説明図。 HCCIから通常燃焼への切替過渡時における、燃料噴射量、目標EGR率、実EGR率、新気量、実EGR量、及びMCアシストの関係を示した説明図。 第1実施形態に係る過給システムの制御ルーチンの概要を示したフローチャート。 HCCIから通常燃焼への切替過渡時における、燃料噴射量、目標EGR率、実EGR率、新気量、実EGR量、及びMCアシストの関係を示した説明図であって、アシスト量をEGR量の応答遅れに応じて可変制御した場合の説明図。 第2実施形態に係る機関回転数と燃料噴射量に関連付けてEGR領域領域及びEGRカット領域を指定したマップの一例を示した図。 EGR領域からEGRカット領域への切替過渡時における、燃料噴射量、目標EGR率、実EGR率、新気量、及び実EGR量の関係を示した説明図。 EGR領域からEGRカット領域への切替過渡時における、燃料噴射量、目標EGR率、実EGR率、新気量、実EGR量、及びMCアシストの関係を示した説明図。 第2実施形態に係る過給システムの制御ルーチンの概要を示したフローチャート。 EGR領域からEGRカット領域への切替過渡時における、燃料噴射量、目標EGR率、実EGR率、新気量、実EGR量、及びMCアシストの関係を示した説明図であって、アシスト量をEGR量の応答遅れに応じて可変制御した場合の説明図。。 第3実施形態に係る過給システムの制御ルーチンを示したフローチャート。 機関回転数と燃料噴射量に関連付けてアシスト領域を定めたマップの一例を示した図。 アシスト領域内におけるアシスト量の大小関係を示した説明図。 機関回転数と燃料噴射量に関連付けてEGR領域領域及びEGRカット領域を指定したマップであって、第3実施形態において排気還流を行う場合に好適な一例を示した図。 第3実施形態において排気還流を行う場合に好適な制御ルーチンを示したフローチャート。 第4実施形態に係る過給システムの制御ルーチンを示したフローチャート。 第5実施形態の概要を示した説明図。 ターボ過給機のコンプレッサの下流側の排気管に電動コンプレッサを配置した過給システムの全体構成を示す概略図。
符号の説明
1 ディーゼルエンジン(内燃機関)
2 吸気管(吸気通路)
3 排気管(排気通路)
4 排気還流システム(排気還流手段)
8 ECU
10 ターボ過給機
10a コンプレッサ
10b タービン
11 電動コンプレッサ

Claims (10)

  1. 吸気通路及び排気通路と、前記排気通路内の排気ガスの一部を前記吸気通路に還流させる排気還流手段と、前記吸気通路に還流する排気ガスを減量又は遮断するように前記排気還流手段を制御する排気還流制御手段と、を備えた内燃機関に適用される内燃機関用過給システムであって、
    前記内燃機関の排気エネルギーを利用して該内燃機関に対して過給するターボ過給機と、前記ターボ過給機のコンプレッサの上流又は下流の前記吸気通路に設けられ、前記ターボ過給機による過給をアシストする電動コンプレッサと、前記吸気通路に還流する排気ガスの減量又は遮断の制御に同期して前記アシストが行われることによって当該制御の応答遅れに伴う排気還流率の一時的な過剰状態が回避されるように前記電動コンプレッサの作動状態を制御する電動コンプレッサ制御手段と、を具備することを特徴とする内燃機関用過給システム。
  2. 前記内燃機関は、予混合圧縮着火燃焼と通常燃焼とを運転状態に応じて切替可能であるとともに、前記予混合圧縮着火燃焼から前記通常燃焼への切替時に、前記吸気通路に還流する排気ガスの減量の制御が行われるものであることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用過給システム。
  3. 前記電動コンプレッサ制御手段は、前記電動コンプレッサによるアシスト量が可変制御されるように該電動コンプレッサを制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関用過給システム。
  4. 吸気通路及び排気通路を備えた内燃機関に適用される内燃機関用過給システムであって、
    前記内燃機関の排気エネルギーを利用して該内燃機関に対して過給するターボ過給機と、前記ターボ過給機のコンプレッサの上流又は下流の前記吸気通路に設けられ、前記ターボ過給機による過給をアシストする電動コンプレッサと、前記電動コンプレッサの作動状態を制御する電動コンプレッサ制御手段と、前記電動コンプレッサを作動すべき領域であって、大気圧が低いほどその領域が拡大するように設定されたアシスト領域への進入の有無を判定するアシスト領域判定手段と、を具備し、
    前記電動コンプレッサ制御手段は、前記アシスト領域判定手段により前記アシスト領域へ進入したと判定された場合には、前記アシストが行われるように前記電動コンプレッサを制御することを特徴とする内燃機関用過給システム。
  5. 前記電動コンプレッサ制御手段は、前記内燃機関の負荷が高い場合は低い場合に比べてアシスト量が減少するように補正することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関用過給システム。
  6. 前記内燃機関は、前記排気通路内の排気ガスの一部を前記吸気通路に還流させる排気還流手段と、前記内燃機関の運転状態に応じて定められた排気還流率となるように前記排気還流手段を制御する排気還流制御手段と、を更に備え、
    前記排気還流制御手段は、大気圧が1気圧である平地よりも大気圧が低い場合であって前記アシストにより該平地と同等の新気量が確保できる場合には、前記吸気通路に還流する排気ガスを減量することなく前記排気還流手段を制御することを特徴とする請求項4又は5に記載の内燃機関用過給システム。
  7. 前記内燃機関は、前記排気通路内の排気ガスの一部を前記吸気通路に還流させる排気還流手段と、前記内燃機関の運転状態に応じて定められた排気還流率となるように前記排気還流手段を制御する排気還流制御手段と、を更に備え、
    前記排気還流制御手段は、大気圧が1気圧である平地よりも大気圧が低い場合であって前記アシストにより該平地と同等の新気量が確保できない場合には、前記吸気通路に還流する排気ガスを減量するとともに、その減量割合を前記アシストによる新気量の増量分に応じて減じることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の内燃機関用過給システム。
  8. 前記電動コンプレッサ制御手段は、機関冷却水温度が低い場合は高い場合に比べてアシスト量が増加するように補正したことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の内燃機関用過給システム。
  9. 前記電動コンプレッサ制御手段は、吸気温度が低い場合は高い場合に比べてアシスト量が増加するように補正したことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の内燃機関用過給システム。
  10. 吸気通路及び排気通路を備えた内燃機関に適用される内燃機関用過給システムであって、
    前記内燃機関の排気エネルギーを利用して該内燃機関に対して過給するターボ過給機と、前記ターボ過給機のコンプレッサの上流又は下流の前記吸気通路に設けられ、前記ターボ過給機による過給をアシストする電動コンプレッサと、前記電動コンプレッサの作動状態を制御する電動コンプレッサ制御手段と、を具備し、
    前記電動コンプレッサ制御手段は、機関温度が所定温度よりも低い場合に前記アシストが行われるように前記電動コンプレッサを制御するとともに、前記機関温度が低いほどアシスト量が増加するように前記電動コンプレッサを制御することを特徴とする内燃機関用過給システム。
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