JP4329413B2 - 分配回路、および、信号処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、分配回路、および、信号処理装置に関し、特に、構成要素にリレーを必要としない分配回路、および、その分配回路が搭載された信号処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、入力信号をスルーアウトさせ、かつ、分配させるために、例えば、特許文献1や特許文献2に示されるような分配回路が用いられている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000-175172号公報
【0004】
【特許文献2】
特開平06-351022号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示されているように、従来の分配回路においては、入力信号の分配の有無を切り替えるために、リレーが適用されているという課題があった。
【0006】
即ち、従来の分配回路では、入力信号の分配を行う場合、リレーを保持せねばならず、リレーの保持にかなりの電力を必要としていたという課題があった。また、リレーの入動作または切動作に伴うスイッチングノイズや、リレー動作に伴い出力される音等が、ユーザにとって不快となっていたという課題もあった。
【0007】
なお、特許文献2には、衛星コンバータへ供給する電源の切替を行うためのダイオードが開示されているだけであり、衛星からの受信信号の分配の有無を切り替えるための具体的な手法については、開示は勿論、示唆もなされていない。
【0008】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、構成要素にリレーを必要としない分配回路を提供することができるようにするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の分配回路は、信号を入力する入力端子と、入力端子に入力された信号をスルーアウトして出力する第1の出力端子と、一端が入力端子に接続されるコンデンサと、第1の抵抗素子、アノードが第1の抵抗素子側に配置されるダイオード、および、第2の抵抗素子のそれぞれが、その順番で直列に接続され、かつ、ダイオードのアノードにコンデンサの他端が接続された直列回路と、一端が、直列回路の第1の抵抗素子側の端に接続される第3の抵抗素子と、ベースが、直列回路のダイオードのカソードに接続され、コレクタが、直列回路の第2の抵抗素子側の端に接続されるともに接地され、エミッタが、第3の抵抗素子の他端に接続された、PNP型のトランジスタと、トランジスタのエミッタに接続される第2の出力端子とを備え、直列回路の第1の抵抗素子側の端に、所定のレベルの電圧が印加された場合、入力端子に入力された信号を第2の出力端子から出力させ、その電圧の印加が停止された場合、入力端子に入力された信号を第2の出力端子から出力させることを禁止することを特徴とする。
【0010】
直列回路のダイオードは2個以上存在し、2個以上のダイオードのそれぞれは直列に接続されるようにすることができる。
【0011】
本発明の分配回路においては、信号を入力する入力端子と、入力端子に入力された信号をスルーアウトして出力する第1の出力端子と、一端が入力端子に接続されるコンデンサと、第1の抵抗素子、アノードが第1の抵抗素子側に配置されるダイオード、および、第2の抵抗素子のそれぞれが、その順番で直列に接続され、かつ、ダイオードのアノードにコンデンサの他端が接続された直列回路と、一端が、直列回路の第1の抵抗素子側の端に接続される第3の抵抗素子と、ベースが、直列回路のダイオードのカソードに接続され、コレクタが、直列回路の第2の抵抗素子側の端に接続されるともに接地され、エミッタが、第3の抵抗素子の他端に接続されたトランジスタと、トランジスタのエミッタに接続される第2の出力端子とが設けられている。
【0012】
従って、本発明の分配回路においては、直列回路の第1の抵抗素子側の端に、所定のレベルの電圧が印加された場合、入力端子に入力された信号が第2の出力端子から出力され、その電圧の印加が停止された場合、入力端子に入力された信号の、第2の出力端子からの出力が禁止される。
【0013】
本発明の分配回路は、独立した装置であってもよいし、所定の回路に内蔵されていてもよい。さらに、本発明の分配回路は、第1の回路に内蔵されている場合、第1の出力端子からの出力信号を、第1の回路自身に供給してもよいし、或いは、第1の回路とは異なる他の第2の回路に供給してもよい。同様に、本発明の分配回路は、第1の回路に内蔵されている場合、第2の出力端子からの出力信号を、第1の回路自身に供給してもよいし、或いは、第1の回路とは異なる他の第2の回路に供給してもよい。
【0014】
本発明の信号処理装置は、信号を入力する入力手段と、電力を供給する電力供給手段と、入力手段に入力された信号に対して、所定の処理を施す処理手段と、入力手段に入力された信号を、他の信号処理装置に出力するとともに、処理手段に分配する分配手段とを備え、分配手段は、入力手段に入力された信号を入力する入力端子と、入力端子に入力された信号をスルーアウトして、他の信号処理装置に出力する第1の出力端子と、一端が入力端子に接続されるコンデンサと、第1の抵抗素子、アノードが第1の抵抗素子側に配置されるダイオード、および、第2の抵抗素子のそれぞれが、その順番で直列に接続され、かつ、ダイオードのアノードにコンデンサの他端が接続された直列回路と、一端が、直列回路の第1の抵抗素子側の端に接続される第3の抵抗素子と、ベースが、直列回路のダイオードのカソードに接続され、コレクタが、直列回路の第2の抵抗素子側の端に接続されるともに接地され、エミッタが、第3の抵抗素子の他端に接続された、PNP型のトランジスタと、トランジスタのエミッタに接続され、トランジスタのエミッタからの信号を処理手段に出力する第2の出力端子とを有し、電力供給手段が電力を供給している場合、直列回路の第1の抵抗素子側の端に、電力供給手段からの所定のレベルの電圧を印加することで、入力端子に入力された信号を、第2の出力端子を介して処理手段に分配し、電力供給手段が電力の供給を停止した場合、その電圧の印加を停止することで、入力端子に入力された信号を、第2の出力端子を介して処理手段に分配することを禁止することを特徴とする。
【0015】
本発明の信号処理装置においては、電源が供給されている場合、入力された信号は、スルーアウトして他の信号処理装置に出力されるとともに、内部の処理手段にも分配される。一方、電源の供給が停止した場合、入力された信号は、スルーアウトして他の信号処理装置に供給されることは同様であるが、内部の処理手段に分配されることが禁止される。
【0016】
詳細には、本発明の信号処理装置においては、入力された信号を入力する入力端子と、入力端子に入力された信号をスルーアウトして、他の信号処理装置に出力する第1の出力端子と、一端が入力端子に接続されるコンデンサと、第1の抵抗素子、アノードが第1の抵抗素子側に配置されるダイオード、および、第2の抵抗素子のそれぞれが、その順番で直列に接続され、かつ、ダイオードのアノードにコンデンサの他端が接続された直列回路と、一端が、直列回路の第1の抵抗素子側の端に接続される第3の抵抗素子と、ベースが、直列回路のダイオードのカソードに接続され、コレクタが、直列回路の第2の抵抗素子側の端に接続されるともに接地され、エミッタが、第3の抵抗素子の他端に接続された、PNP型のトランジスタと、トランジスタのエミッタに接続され、トランジスタのエミッタからの信号を処理手段に出力する第2の出力端子とを有する分配回路が設けられている。
【0017】
このため、電力が供給されている場合、直列回路の第1の抵抗素子側の端に、所定のレベルの電圧が印加され、入力端子に入力された信号が、第2の出力端子を介して処理手段に分配される。一方、電力の供給が停止された場合、その電圧の印加も停止され、入力端子に入力された信号が、第2の出力端子を介して処理手段に分配されることが禁止される。
【0018】
本発明の信号処理装置は、独立した装置であってもよいし、他の信号処理装置と組み合わさった装置であってもよい。換言すると、他の信号処理装置を、本発明の信号処理装置の1構成要素、即ち、第2の出力端子に接続される信号処理手段とは異なる他の信号処理手段として捉えることも可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、請求項に記載の構成要件と、発明の実施の形態における具体例との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、請求項に記載されている発明をサポートする具体例が、発明の実施の形態に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の実施の形態中には記載されているが、構成要件に対応するものとして、ここには記載されていない具体例があったとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、具体例が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0020】
さらに、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明が、請求項に全て記載されていることを意味するものではない。換言すれば、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明であって、この出願の請求項には記載されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により追加される発明の存在を否定するものではない。
【0021】
請求項1に記載の分配回路(例えば、図1の分配回路1または図2の分配回路2)は、信号を入力する入力端子(例えば、図1と図2の入力端子11)と、前記入力端子に入力された前記信号をスルーアウトして出力する第1の出力端子(例えば、図1と図2の出力端子12)と、一端が前記入力端子に接続されるコンデンサ(例えば、図1と図2のコンデンサ13)と、第1の抵抗素子(例えば、図1と図2の抵抗21)、アノードが前記第1の抵抗素子側に配置されるダイオード(例えば、図1のダイオード22、または、図2のダイオード22とダイオード41とからなる直列回路)、および、第2の抵抗素子(例えば、図1と図2の抵抗23)のそれぞれが、その順番で直列に接続され、かつ、前記ダイオードのアノードに前記コンデンサの他端が接続された直列回路(例えば、図1の直列回路14、または、図2の直列回路31)と、一端が、前記直列回路の前記第1の抵抗素子側の端に接続される第3の抵抗素子(例えば、図1と図2の抵抗15)と、ベースが、前記直列回路の前記ダイオードのカソードに接続され、コレクタが、前記直列回路の前記第2の抵抗素子側の端に接続されるともに接地され、エミッタが、前記第3の抵抗素子の他端に接続された、PNP型のトランジスタ(例えば、図1と図2のトランジスタ16)と、前記トランジスタのエミッタに接続される第2の出力端子(例えば、図1と図2の出力端子17)とを備え、前記直列回路の前記第1の抵抗素子側の前記端に、所定のレベルの電圧(例えば、図1と図2のレベルVccの電圧)が印加された場合、前記入力端子に入力された前記信号を前記第2の出力端子から出力させ、前記電圧の印加が停止された場合、前記入力端子に入力された前記信号を前記第2の出力端子から出力させることを禁止することを特徴とする。
【0022】
請求項2に記載の分配回路(例えば、図2の分配回路2)において、前記直列回路の前記ダイオードは2個以上存在し(例えば、図2の例では、ダイオード22とダイオード41といった2個のダイオードが存在している)、2個以上の前記ダイオードのそれぞれは直列に接続される(例えば、図2のように接続される)ことを特徴とする。
【0023】
請求項3に記載の信号処理装置(例えば、図3の信号処理装置51)は、信号(例えば、図3のAV信号出力装置53から出力されるAV信号)を入力する入力手段(例えば、図3の入力端子63)と、電力を供給する電力供給手段(例えば、図3の電力供給部64)と、前記入力手段に入力された前記信号に対して、所定の処理を施す処理手段(例えば、図3の切替部65やA/D変換部66等)と、前記入力手段に入力された前記信号を、他の信号処理装置(例えば、図3のテレビジョン受像機55)に出力するとともに、前記処理手段に分配する分配手段(例えば、図3の分配スイッチ部1(即ち、図1の分配回路1))とを備え、前記分配手段は、前記入力手段に入力された前記信号を入力する入力端子(例えば、図1(図3)の入力端子11)と、前記入力端子に入力された前記信号をスルーアウトして、前記他の信号処理装置に出力する第1の出力端子(例えば、図1(図3)の出力端子12)と、一端が前記入力端子に接続されるコンデンサ(例えば、図1のコンデンサ13)と、第1の抵抗素子(例えば、図1の抵抗21)、アノードが前記第1の抵抗素子側に配置されるダイオード(例えば、図1のダイオード22)、および、第2の抵抗素子(例えば、図1の抵抗23)のそれぞれが、その順番で直列に接続され、かつ、前記ダイオードのアノードに前記コンデンサの他端が接続された直列回路(例えば、図1の直列回路14)と、一端が、前記直列回路の前記第1の抵抗素子側の端に接続される第3の抵抗素子(例えば、図1の抵抗15)と、ベースが、前記直列回路の前記ダイオードのカソードに接続され、コレクタが、前記直列回路の前記第2の抵抗素子側の端に接続されるともに接地され、エミッタが、前記第3の抵抗素子の他端に接続された、PNP型のトランジスタ(例えば、図1のトランジスタ16)と、前記トランジスタのエミッタに接続され、前記トランジスタのエミッタからの信号を前記処理手段に出力する第2の出力端子(例えば、図1(図3)の出力端子17)とを有し、前記電力供給手段が前記電力を供給している場合、前記直列回路の前記第1の抵抗素子側の前記端に、前記電力供給手段からの所定のレベルの電圧(例えば、図1(図3)のレベルVccの電圧)を印加することで、前記入力端子に入力された前記信号を、前記第2の出力端子を介して前記処理手段に分配し、前記電力供給手段が前記電力の供給を停止した場合、前記電圧の印加を停止することで、前記入力端子に入力された前記信号を、前記第2の出力端子を介して前記処理手段に分配することを禁止することを特徴とする。
【0024】
次に、図面を参照して、本実施の形態が適用される、分配回路、および、その分配回路が搭載された信号処理装置のそれぞれについて、その順番に個別に説明する。
【0025】
図1は、本実施の形態が適用される分配回路の構成例を表している。
【0026】
図1の分配回路1において、外部(図示せず)から供給される信号を入力する入力端子11、および、その入力された信号をスルーアウトして出力する出力端子12が設けられている。
【0027】
分配回路1にはまた、コンデンサ13が設けられており、このコンデンサ13のうちの、一端(図中左側の端)が、入力端子11に接続され、他端(図中右側の他端)が、後述する直列回路14に接続されている。コンデンサ13は、カップリングコンデンサとも称され、入力端子11から入力された信号のうちの交流分を、直列回路14側に伝達する。換言すると、コンデンサ13は、入力端子11から入力された信号のうちの直流分を、直列回路14側へ伝達することを阻止する。
【0028】
分配回路1にはさらに、抵抗21、アノードが抵抗21側に配置されるダイオード22、および、抵抗23のそれぞれが、その順番で直列に接続された直列回路14が設けられている。この直列回路14のダイオード22のアノードには、コンデンサ13の、入力端子11との接続端(図中左側の端)とは異なる端(図中右側の端)が接続されている。
【0029】
分配回路1にはまた、抵抗15が設けられており、この抵抗15のうちの、一端(図中上側の端)が、直列回路14の抵抗21側の端(抵抗21の、ダイオード22のアノードとの接続端とは反対側の端)に接続され、他端(図中下側の端)が、トランジスタ16のエミッタに接続されている。
【0030】
この抵抗15と直列回路14との接続端には、セットの電源(図示せず)がオン状態の場合、所定のレベルVccの電圧が印加され、セットの電源がオフ状態の場合、レベルVccの電圧の印加が停止される。
【0031】
分配回路1にはさらに、PNP型のトランジスタ16が設けられている。トランジスタ16においては、ベースが、ダイオード22のカソードに接続され、コレクタが、直列回路14の抵抗23側の端(抵抗23の、ダイオード22のカソードとの接続端とは反対側の端)に接続されるともに接地され、エミッタが、抵抗15の、直列回路14との接続端(図中上側の端)とは反対側の端(図中下側の端)に接続されている。
【0032】
分配回路1にはまた、トランジスタ16のエミッタに接続される出力端子17が設けられている。後述するように、セットの電源がオン状態の場合(レベルVccの電圧が印加されている場合)、入力端子11に入力された信号は、スルーアウトして出力端子12から出力されるともに、この出力端子17からも出力される(分配される)。即ち、出力端子17が、分配用の出力端子となる。
【0033】
次に、図1の分配回路の動作について説明する。
【0034】
セットの電源がオフ状態の場合、レベルVccの電圧が印加されず、入力端子11から出力端子12までのラインから見て、コンデンサ13より後段の回路(コンデンサ13より図中右側の回路)が動作しないので、入力端子11に入力された信号は、スルーアウトして出力端子12からのみ出力される。
【0035】
なお、以下、入力端子11から出力端子12までのラインを、スルーアウトラインと称する。
【0036】
ただし、スルーアウトラインから見て、コンデンサ13より後段の回路は負荷となる。従って、入力端子11に入力され、スルーアウトラインを通過する信号は、この負荷により影響を受けることになる。そこで、その影響を無視できるレベルまでに低減させるために、抵抗21と抵抗23として、それぞれ抵抗値が充分に大きい抵抗を適用するとよい。
【0037】
例えば、入力端子11に入力された信号が、ビデオ信号とされた場合、一般的に75[Ω]のインピーダンス整合が行われるため、この75[Ω]に比較して、充分大きな抵抗値を有する、抵抗21と抵抗23のそれぞれを適用するとよい。
【0038】
具体的には、例えば、抵抗21と抵抗23として、いずれも200[KΩ]の抵抗を適用すれば、入力端子11に入力され、出力端子12から出力されるビデオ信号の縮みを、0.0375[%]以下に抑制することが可能になる。
【0039】
なお、この信号の縮みは、以下のようにして演算される。
【0040】
即ち、いまの場合、スルーアウトラインが、75[Ω]系の信号ラインとされるので、入力側(送り側)の信号の電圧レベルをVinと、出力側(受け側)の信号の電圧レベルをVoutと、入力側(送り側)の負荷の抵抗値をXinと、出力側(受け側)の負荷の抵抗値をXoutと、それぞれ記述すると、次の式(1)に示される関係が成立する。
【0041】
Vout = Vin × Xout/(Xin+Xout) ・・・(1)
【0042】
ここで、送り側の電圧レベルVinと、受け側の電圧レベルVoutのそれぞれの単位を、送り側の交流電圧の一方のピークレベルから他方のピークレベルまでの半分のレベルに統一し、その単位を[Vpp]と記述するとする。即ち、以下、送り側の電圧レベルVinが2[Vpp]であるとして説明する。
【0043】
理想的な状態では、即ち、スルーアウトラインに何の回路も接続されていない状態では、送り側負荷の抵抗値Xinと、受け側負荷の抵抗値Xoutのそれぞれは、75[Ω]となる(即ち、いわゆる75[Ω]送り75[Ω]受けとなる)。このような理想的な状態においては、受け側の電圧レベルVoutは、式(1)より、1[Vpp]となる。
【0044】
このような理想的な状態に対して、図1の例では、スルーアウトラインにコンデンサ13より後段の回路が接続されているので、上述したように、この回路も、受け側負荷として加わってしまうことになる。即ち、受け側負荷は、75[Ω]の負荷に対して、抵抗21と抵抗23が合成された負荷となる。しかしながら、いまの場合、抵抗21と抵抗23の抵抗値がいずれも200[kΩ]と大きい値とされているので、受け側負荷の抵抗値(合成抵抗値)Xoutは、次の式(2)と式(3)に示されるように、74.94379215[Ω]と、ほぼ75[Ω]に近い値となる。なお、式(2)において、Xaは、抵抗21と抵抗23の合成抵抗値を表している。
【0045】
【0046】
従って、上述した式(1)に、送り側の電圧レベルVinとして2[Vpp]を、送り側の負荷の抵抗値Xinとして75[Ω]を、受け側の負荷の抵抗値Xoutとして、式(3)の演算結果である74.94379215[Ω]を、それぞれ代入して、演算すると、受け側の電圧レベルVoutは、0.9996251[Vpp]となる。
【0047】
即ち、入力端子11に2[vpp]の信号が入力された場合、図1の例(ただし、抵抗21と抵抗23の抵抗値がいずれも200[kΩ])では、0.9996251[Vpp]の信号、即ち、理想的な1[Vpp]の信号(スルーアウトラインに負荷となる回路が接続されていない状態で、出力端子12から出力される信号)に対して、0.000375[Vpp]縮んだだけの信号(パーセントに換算すると、0.0375[%]縮んだだけの信号)が、出力端子12から出力される。
【0048】
なお、実際には、スルーアウトラインから見て、ダイオード22も負荷の1つとなるが、ダイオード22の負荷分は、入力信号のレベルに応じて可変するため、上述した例では、ダイオード22の負荷分を無視して説明した。従って、ダイオード22の負荷分を考慮すると、実際の信号の縮みは0.0375[%]以下となる。
【0049】
以上、セットの電源がオフ状態の場合、即ち、レベルVccの電圧が印加されない場合の動作について説明した。
【0050】
次に、セットの電源がオン状態の場合、即ち、レベルVccの電圧が印加される場合の動作について説明する。
【0051】
スルーアウトラインから見て、コンデンサ13より後段の回路は、レベルVccの電圧が印加されても、印加されないときと同様の負荷となり、入力端子11に入力された信号は、スルーアウトして、レベルVccの電圧が印加されていないときとほぼ同一レベルの信号(即ち、抵抗21と抵抗23の抵抗値がいずれも200[kΩ]の場合、約0.0375[%]の縮みがある信号)となり、出力端子12より出力される。
【0052】
入力端子11に入力された信号はまた、コンデンサ13によりカップリングされ(交流分のみ伝達され)、直列回路14によりバイアスを受けて、トランジスタ16のベースにも供給される。
【0053】
このときのバイアス電圧のレベルをVbと、抵抗21の抵抗値をR1と、抵抗23の抵抗値をR2と、ダイオード22のアノードとカソードとの間の電圧のレベルをVfdと、それぞれ記述すると、次の式(4)に示されるような関係が成立する。
【0054】
Vb=(Vcc−Vfd)×R2/(R1+R2) ・・・(4)
【0055】
また、出力端子17の出力(分配出力)のバイアス電圧のレベルをVboutと、トランジスタ16のベースとエミッタとの間の電圧のレベルをVfqと、それぞれ記述すると、次の式(5)に示されるような関係が成立する。
【0056】
Vbout = Vb + Vfq ・・・(5)
【0057】
従って、出力端子17からは、式(5)で示される電圧レベルVboutを中心に振幅する信号が出力されることになる。
【0058】
即ち、セットの電源がオン状態である場合、レベルVccの電圧が印加されるので、入力端子11に入力された信号は、スルーアウトして出力端子12より出力されるとともに、トランジスタ16のバッファにより、出力端子17から分配される(出力される)のである。
【0059】
以上説明したように、本実施の形態の分配回路1は、その構成要素としてリレーを必要としないので、次のような効果を奏することが可能になる。
【0060】
即ち、分配回路1においては、セットの電源がオン状態(レベルVccの電圧が印加されている状態)で、入力端子11から入力された信号(ビデオ信号等)が、出力端子17から分配されている場合(それに接続された、図示せぬセット内部に分配されている場合)、アイドリング電流が、リレーを適用する従来の分配回路のそれに比べて非常に小さくなるという効果を奏することが可能になる。
【0061】
具体的には、例えば、抵抗21と抵抗23の抵抗値がいずれも200[KΩ]とされ、抵抗15の抵抗値が1[kΩ]とされ、印加される電圧のレベルVccが9[V]とされ、かつ、ダイオード22のアノードとカソードとの間の電圧のレベルVfdと、トランジスタ16のベースとエミッタとの間の電圧のレベルVfqのそれぞれが0.6[V]とされた場合、ダイオード22と抵抗23との接続端における電圧のレベルは、200[kΩ]同士の分圧となるので、4.2(=(Vcc-Vfd)/2=(9-0.6)/2)[V]となる。
【0062】
その結果、トランジスタ16のエミッタにおける電圧のレベルは、4.8(=4.2+Vfq=4.2+0.6)[V]となる。
【0063】
従って、抵抗15の両端の電圧のレベルは、4.2(=9-4.8)[V]となり、抵抗15の抵抗値は1[kΩ]であるので、アイドリング電流のレベルは、4.2[mA]と非常に低いレベルとなる。
【0064】
さらに、分配回路1においては、図示せぬセットの電源が、オン状態とオフ状態とを切り替えるスイッチング動作を行っても、即ち、レベルVccの電圧の印加の有無が繰り返されても、スイッチング時のノイズがのらないという効果を奏することが可能になる。
【0065】
また、分配回路1においては、スイッチングに伴うリレーの動作音がでないという効果を奏することが可能になる。
【0066】
さらに、分配回路1の回路構成は、リレーを適用する従来の分配回路に比べて、簡単、かつ部品点数も少なく、その分、製造コストを抑制することができるという効果を奏することが可能になる。
【0067】
以上、分配回路1が、その構成要素としてリレーを必要としないことで奏する効果について説明したが、分配回路1は、さらに次のような効果を奏することも可能である。
【0068】
即ち、分配回路1においては、抵抗21と抵抗23との間にダイオード22が介装されているので、セットの電源がオフ状態で、即ち、レベルVccの電圧が印加されていない状態で、入力端子11に交流電圧(入力信号)が入力されている場合、その交流電圧のレベルが負のとき、出力端子17から、トランジスタ16やコンデンサ13を経由して、スルーアウトライン(入力端子11と出力端子12側)に電流が流れ込むことを防止することができるという効果、即ち、そのような電流の流れ込みに起因する信号のつぶれを防止することができるという効果を奏することが可能になる。
【0069】
また、分配回路1においては、セットの電源からの電圧を直接印加することができる(レベルVccの電圧として直接印加することができる)ので、セットの電源のオン状態とオフ状態のそれぞれと、分配回路1の分配の有無のそれぞれとを対応付けることができるという効果を奏することが可能になる。
【0070】
ところで、上述したように、図1の分配回路1において、スルーアウトラインから見て、抵抗21と抵抗23が負荷となるため、信号のつぶれが発生する。そこで、これら負荷のうちの、例えば、抵抗23の負荷分の影響をなくすことで、信号のつぶれの度合いを改善することが可能になる。このような思想を実現可能な分配回路の構成例が、図2に示されている。
【0071】
即ち、図2は、本実施の形態が適用される分配回路の他の構成例を表しており、図1の分配回路1と対応する部分には対応する符号が付されている。
【0072】
図2の分配回路2においては、図1の分配回路1に対して、さらにダイオード41が設けられている。ダイオード41において、アノードは、ダイオード22のカソードに接続され、カソードは、抵抗23の、接地端(図中下側の端)とは反対側の端(図中上側の端)、即ち、ダイオード16のベースに接続されている。
【0073】
換言すると、図2の分配回路2においては、図1の直列回路14の代わりに、抵抗21、ダイオード22、ダイオード41、および、抵抗23のそれぞれが、その順番で直列に接続された直列回路31が設けられている。なお、コンデンサ13の、入力端子11との接続端(図中左側の端)とは反対側の端(図中右側の端)は、図1の直列回路14と同様に、図2の直列回路31のうちの、抵抗21とダイオード22のアノードとの接続端に接続されている。
【0074】
即ち、図1の分配回路1においては、抵抗21と抵抗23の間に、1つのダイオード(ダイオード22)のみが介挿されていたが、図2の分配回路2においては、抵抗21と抵抗23の間に、2つのダイオード(ダイオード22とダイオード41)が介挿されている。
【0075】
次に、図2の分配回路2の動作について説明する。
【0076】
セットの電源がオフ状態の場合、即ち、レベルVccの電圧が印加されない場合、スルーアウトライン(入力端子11から出力端子12までのライン)から見て、コンデンサ13より後段の回路が動作しないので、入力端子11に入力された信号は、スルーアウトして出力端子12からのみ出力される。
【0077】
このように、セットの電源がオフ状態の場合における、図2の分配回路2の動作自体は、図1の分配回路1の動作と基本的に同様である。
【0078】
ただし、上述したように、図2の分配回路2においては、このとき、出力端子12から出力される信号のつぶれの度合いが、図1の分配回路1におけるそれに比較して低減される。
【0079】
即ち、入力端子11に入力された信号は、コンデンサ13を介して、直列回路31にも入力され、この直列回路31によるバイアス電圧を中心に振幅する信号となる。
【0080】
例えば、入力端子11に入力された信号が、ビデオ信号とされ、75[Ω]のインピーダンス整合が行われる場合、即ち、75[Ω]送り75[Ω]受けで、受け側の信号の電圧レベルが1[Vpp]の場合、直列回路31によるバイアス電圧を中心に振幅する信号の電圧レベルは1[Vpp]となる。
【0081】
この場合、直列回路31によるバイアス電圧を中心に振幅する信号のうちの、バイアス電圧の上側の信号の電圧レベルは、一般的に1.2[v]を超えない。一方、ダイオード22とダイオード41の電圧(アノードとカソードとの間の電圧)のそれぞれのレベルは、一般的に0.6[v]程度である。即ち、ダイオード22とダイオード41をあわせて、それらの間の電圧のレベルは1.2[v]程度になる。従って、バイアス電圧の上側の信号の電圧レベルが、ダイオード22とダイオード41の2個分の電圧のレベル(1.2[v])を超えることは一般的にないので、スルーアウトラインからみて、抵抗23は負荷とはならない。
【0082】
換言すると、図2の分配回路2のスルーアウトラインにおいては、受け側負荷は、75[Ω]の負荷に対して、抵抗21のみが合成された負荷とみなすことができる。即ち、図2の例では、抵抗21の抵抗値が、上述した例と同様に、200[kΩ]とされた場合、受け側負荷の抵抗値(合成抵抗値)Xoutは、次の式(6)に示されるように、74.94718855[Ω]となり、図1の場合よりも75[Ω]により近い値となる。
【0083】
Xout = 75×200000/(75+200000) = 74.94718855 ・・・(6)
【0084】
従って、上述した式(1)に、送り側の電圧レベルVinとして2[Vpp]を、送り側の負荷の抵抗値Xinとして75[Ω]を、受け側の負荷の抵抗値Xoutとして、式(6)の演算結果である74.94718855[Ω]を、それぞれ代入して、演算すると、受け側の電圧レベルVoutは0.9996478 [Vpp]となる。
【0085】
即ち、入力端子11に2[vpp]の信号が入力された場合、図2の例(ただし、抵抗21の抵抗値が200[kΩ])では、0.9996478[Vpp]の信号、即ち、1[Vpp]の信号に対して、0.000352[Vpp]だけ縮んだだけの信号(パーセントに換算すると、0.0352[%]縮んだだけの信号)が、出力端子12から出力される。
【0086】
即ち、抵抗21と抵抗22の抵抗値がいずれも200[kΩ]の場合、図1の分配回路1における信号の縮み率は、上述したように、0.0375[%]となるので、図2の分配回路2の方が、図1の分配回路1よりも、0.0023(=0.0375-0.0352)[%]だけ信号の縮みを改善することが可能になる。
【0087】
以上、セットの電源がオフ状態の場合、即ち、レベルVccの電圧が印加されない場合における、図2の分配回路2の動作について説明した。
【0088】
なお、セットの電源がオン状態の場合、即ち、レベルVccの電圧が印加される場合における、図2の分配回路2の動作は、図1の分配回路1のそれと基本的に同様であるので、その説明については省略する。
【0089】
また、図2の分配回路2においても、図1の分配回路1と全く同様の効果を奏することが可能であるが、その具体的な効果については、図1の分配回路の効果として上述したので、ここではその説明については省略する。
【0090】
なお、抵抗21と抵抗23の間に介挿されるトランジスタの個数は、図2の例では2個とされているが、上述したバイアス電圧の上側の信号の電圧レベルが、ダイオードの各電圧のレベルの総計を超えなければ、任意の個数で構わない。
【0091】
ところで、図1の分配回路1や、図2の分配回路2は、独立した回路(装置)であってもよいし、所定の装置、または所定の回路に内蔵されていてもよい。
【0092】
具体的には、例えば、図1の分配回路1が内蔵された信号処理装置の構成例が、図3に示されている。
【0093】
即ち、図3は、本実施の形態が適用される信号処理装置の構成例を表している。
【0094】
なお、図3の例では、分配回路1(図1)は、分配スイッチ部1と記述されている。従って、図3の信号処理装置51を説明する場合、分配回路1を、分配スイッチ部1と称することにする。
【0095】
図3に示されるように、信号処理装置51は、例えば、アンテナ52に受信される、テレビジョン放送(衛星デジタル放送等)用の信号のチューナとして機能する。
【0096】
また、信号処理装置51は、ビデオテープレーコーダ等として構成されるAV信号出力装置53より出力された、ビデオ信号と、それに対応する音声信号(以下、AV信号と称する)を入力し、信号処理装置51の電源がオフ状態の場合(即ち、商用電源54から電力が供給されていない場合)、入力したAV信号を、外部のテレビジョン受像機55にスルーアウトし、信号処理装置51の電源がオン状態の場合(即ち、商用電源54から電力が供給されている場合)、入力したAV信号を、外部のテレビジョン受像機55にスルーアウトするとともに、自分自身の内部(後述する切替部65)にも分配する機能を有している。
【0097】
詳細には、信号処理装置51において、チューナ部61は、後述する受信制御部71により指定されたRF信号(例えば、指定されたチャンネルのRF信号)を、アンテナ52を介して受信し、復調部62に供給する。なお、チューナ部61は、必要に応じて、受信したRF信号をIF(Intermediate Frequency)信号に変換し、そのIF信号に対して、フィルタリングや等価処理等の各種処理を施してから、復調部62に供給する。
【0098】
復調部62は、後述する受信制御部71の制御に基づいて、チューナ部61より供給された信号(IF信号等)を、AV信号に復調し、切替部65に供給する。
【0099】
なお、図3においては、復調部62から切替部65まで、1本の矢印のみ図示されているが、実際には、復調されたAV信号は、各種信号(例えば、オーディオ信号(左側と右側のそれぞれ)と、ビデオ信号(コンポーネント信号の場合、さらに3つの各種信号のそれぞれ))毎に個別に切替部65に供給される。
【0100】
また、図示はしないが、復調部62と切替部65の間に、例えば、ゴースト除去のような各種の機能を実現するブロックが設けられることもある。
【0101】
一方、入力端子63は、外部の装置(例えば、図3の例では、AV信号出力装置53)に接続され、接続された外部の装置(AV信号出力装置53)より出力されたAV信号を、分配スイッチ部1に供給する。
【0102】
なお、図3においては、入力端子63は、復調部62から切替部65までに引かれた矢印と同様に、1つだけ図示されているが、実際には、AV信号出力装置53からのAV信号は、各種信号(例えば、オーディオ信号(左側と右側のそれぞれ)と、ビデオ信号(例えば、コンポジット信号))毎に個別に信号処理装置51に供給されることになるので、供給される信号の数だけ存在することになる。
【0103】
従って、分配スイッチ部1の各種端子(入力端子11、出力端子12、および、出力端子17)のそれぞれも、図3においては、1つずつ図示されているが、実際には、入力端子63と同数存在することになる。
【0104】
分配スイッチ部1は、上述したように、図1の分配回路1である。
【0105】
また、電力供給部64は、商用電源54から出力される電力を、信号処理装置51内の各部にそれぞれ供給する。即ち、図3においては、電力供給部64から供給される電力は、白抜きの矢印で示されているが、実際には、電力供給部64と、信号処理装置51内の各部のそれぞれが接続されており、電力供給部64は、各部のそれぞれに対して、対応するレベルの電圧を個別に供給する。
【0106】
例えば、電力供給部64は、分配スイッチ部1に対して、レベルVccの電圧を供給する。即ち、分配スイッチ部1から見た場合、電力供給部64がセットの電源となり、レベルVccの電圧が、図1の直列回路14(抵抗21)と抵抗15との接続端に印加されることになる。
【0107】
従って、分配スイッチ部1は、信号処理装置51の電源の状態(即ち、電力供給部64のオン状態またはオフ状態)に同期して、分配有無の動作を行う。即ち、電力供給部64がオン状態になれば、レベルVccの電圧が印加されるので、分配スイッチ部1は、外部からの信号(図3の例では、AV信号出力装置53から出力され、入力端子63を介して入力されたAV信号)を、後述する切替部65に分配する(入力端子11から入力し、出力端子17から出力する)。一方、電力供給部64がオフ状態になれば、レベルVccの電圧の印加が停止し、分配スイッチ部1は、外部からの信号の分配を禁止する(即ち、出力端子17からAV信号は出力されない)。
【0108】
また、分配スイッチ部1は、信号処理装置51の電源の状態に関わらず(即ち、電力供給部64の状態が、オン状態であってもオフ状態であっても)、外部からの信号を、スルーアウトしてテレビジョン受像機55に供給する(入力端子11から入力し、出力端子12から出力する)。換言すると、AV信号出力装置53とテレビジョン受像機55は、入力端子63、並びに、分配スイッチ部1の入力端子11および出力端子12を介して接続されており、信号処理装置51の電源の状態に関わらず、AV信号出力装置53からの信号は、テレビジョン受像機55に常時供給される。
【0109】
切替部65は、後述する受信制御部71の制御に基づいて、その入力を、分配スイッチ部1側または復調部62側のいずれか一方に切替え、切り替えた側から供給されるAV信号を、A/D変換部66に供給する。
【0110】
なお、図3においては、切替部65に入出力される矢印のそれぞれは、1つのみ図示されているが、上述した他の例と同様に、実際には、切替部65においても、AV信号は各種信号毎に入出力される。
【0111】
A/D変換部66は、切替部65より供給されたAV信号を、A/D変換(Analog to Digital)し、受信データ記憶部67に供給する。
【0112】
受信データ記憶部67は、A/D変換部66より供給されたデジタルのAV信号(データ)を記憶する。
【0113】
CPU(Central Processing Unit)68は、ROM(Read Only Memory)69に記録されているプログラム、または記憶部75からRAM(Random Access Memory)70にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM70にはまた、CPU68が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0114】
受信データ記憶部67、CPU68、ROM69、およびRAM70は、バス72を介して相互に接続されている。
【0115】
このバス72にはまた、受信制御部71、入力部73、出力部74、記憶部75、および、通信部76も接続されている。
【0116】
受信制御部71は、上述したように、信号処理装置51の受信系、即ち、チューナ部61、復調部62、および、切替部65のそれぞれを制御する。
【0117】
入力部73は、例えば、各種ボタン、または、リモートコントローラ(とその受信部)等で構成され、ユーザの操作により様々な指令を入力する。
【0118】
出力部74は、例えば、CRT(Cathode Ray Tub)等の表示部や、スピーカ等で構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
【0119】
記憶部75は、例えば、ハードディスク等で構成され、上述したCPU68が実行するプログラムや、それに伴う各種情報等を記憶する。
【0120】
通信部76は、ネットワーク等を介する、図示せぬ他の装置との通信を制御する。
【0121】
バス72にはまた、必要に応じてドライブ77が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等などからなるリムーバブル記録媒体78が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部75にインストールされる。また、必要に応じて、受信データ記憶部67に記憶されたAV信号(デジタルデータ)等が、ドライブ77に接続されたリムーバブル記録媒体78に記録される。
【0122】
次に、信号処理装置51が、外部から入力したAV信号を記憶または出力する処理の例について説明する。
【0123】
信号処理装置51の電源がオフ状態の場合、即ち、電力供給部64が信号処理装置51に電力を供給していない場合、AV信号出力装置53から出力されたAV信号のみが、信号処理装置51を介して、即ち、入力端子63、並びに、分配スイッチ部1の入力端子11および出力端子12を介して、テレビジョン受像機55に供給される。
【0124】
これに対して、信号処理装置51の電源がオン状態の場合、即ち、電力供給部64が信号処理装置51に電力を供給している場合、分配スイッチ部1にレベルVccの電圧が印加されるので、AV信号出力装置53から出力されたAV信号は、入力端子63を介して分配スイッチ部1に入力されると、分配スイッチ部1をスルーアウトして(入力端子11から出力端子12を通過して)、テレビジョン受像機55に供給されるとともに、分配スイッチ部1より(入力端子11から出力端子17を通過して)切替部65にも分配される。
【0125】
このとき、受信制御部71の制御により切替部65の入力が分配スイッチ部1側に切り替えられていれば、分配スイッチ部1から分配された(出力端子17から出力された)AV信号が、切替部65を介して、A/D変換部66に供給される。
【0126】
一方、受信制御部71の制御により切替部65の入力が復調部62側に切り替えられていれば、アンテナ52を介して、チューナ部61に受信されたRF信号(受信制御部71の指示により選択された所定の
RF信号)が、復調部62により復調されてAV信号となり、切替部65を介して、A/D変換部66に供給される。
【0127】
A/D変換部66に供給されたAV信号は、デジタルデータに変換されて、受信データ記憶部67に記憶される。
【0128】
その後、CPU68は、入力部73より入力された指令に応じて、各種処理を実行する。例えば、AV信号の記録の指令が入力された場合、CPU68は、受信データ記憶部67に記憶されたAV信号(データ)を読み出して、記憶部75、または、ドライブ77に装着されたリムーバブル記録媒体78に記録させる。また、例えば、AV信号の再生の指令が入力された場合、受信データ記憶部67に記憶されたAV信号(データ)を読み出して、出力部74から出力させるか、或いは、通信部76を介して、他の装置(例えば、テレビジョン受像機55や、図示せぬ再生装置等)に供給する。
【0129】
以上、本実施の形態が適用される信号処理装置として、図3のように構成される信号処理装置51について説明したが、分配スイッチ部1(図1の分配回路1)の代わりに、図2の分配回路2(分配スイッチ部2)を適用することも勿論可能である。
【0130】
このように、本実施の形態が適用される信号処理装置は、図1の分配回路1または図2の分配回路2を搭載しているので、図1の分配回路1または図2の分配回路2が有する効果をそのまま奏することが可能になる。
【0131】
【発明の効果】
以上のごとく、本発明によれば、入力信号の分配の有無を切り替えることが可能な分配回路を提供することができる。特に、分配の切り替えの動作にリレーを必要としない分配回路、および、その分配回路が搭載された信号処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態が適用される分配回路の構成例を示す回路図である。
【図2】本実施の形態が適用される分配回路の構成の他の例を示す回路図である。
【図3】本実施の形態が適用される信号処理装置の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 分配回路(分配スイッチ部), 2 分配回路, 11 入力端子, 12 出力端子, 13 コンデンサ, 14 直列回路, 15 抵抗, 16トランジスタ, 17 出力端子, 21 抵抗, 22 ダイオード, 23 抵抗, 31 直列回路, 41 トランジスタ, 51 信号処理装置,63 入力端子, 65 切替部, 66 A/D変換部, Vcc セットの電源の電圧(レベル)
Claims (3)
- 信号を入力する入力端子と、
前記入力端子に入力された前記信号をスルーアウトして出力する第1の出力端子と、
一端が前記入力端子に接続されるコンデンサと、
第1の抵抗素子、アノードが前記第1の抵抗素子側に配置されるダイオード、および、第2の抵抗素子のそれぞれが、その順番で直列に接続され、かつ、前記ダイオードのアノードに前記コンデンサの他端が接続された直列回路と、
一端が、前記直列回路の前記第1の抵抗素子側の端に接続される第3の抵抗素子と、
ベースが、前記直列回路の前記ダイオードのカソードに接続され、コレクタが、前記直列回路の前記第2の抵抗素子側の端に接続されるともに接地され、エミッタが、前記第3の抵抗素子の他端に接続された、PNP型のトランジスタと、
前記トランジスタのエミッタに接続される第2の出力端子と
を備え、
前記直列回路の前記第1の抵抗素子側の前記端に、所定のレベルの電圧が印加された場合、前記入力端子に入力された前記信号を前記第2の出力端子から出力させ、前記電圧の印加が停止された場合、前記入力端子に入力された前記信号を前記第2の出力端子から出力させることを禁止する
ことを特徴とする分配回路。 - 前記直列回路の前記ダイオードは2個以上存在し、2個以上の前記ダイオードのそれぞれは直列に接続される
ことを特徴とする請求項1に記載の分配回路。 - 信号を入力する入力手段と、
電力を供給する電力供給手段と、
前記入力手段に入力された前記信号に対して、所定の処理を施す処理手段と、
前記入力手段に入力された前記信号を、他の信号処理装置に出力するとともに、前記処理手段に分配する分配手段と
を備え、
前記分配手段は、
前記入力手段に入力された前記信号を入力する入力端子と、
前記入力端子に入力された前記信号をスルーアウトして、前記他の信号処理装置に出力する第1の出力端子と、
一端が前記入力端子に接続されるコンデンサと、
第1の抵抗素子、アノードが前記第1の抵抗素子側に配置されるダイオード、および、第2の抵抗素子のそれぞれが、その順番で直列に接続され、かつ、前記ダイオードのアノードに前記コンデンサの他端が接続された直列回路と、
一端が、前記直列回路の前記第1の抵抗素子側の端に接続される第3の抵抗素子と、
ベースが、前記直列回路の前記ダイオードのカソードに接続され、コレクタが、前記直列回路の前記第2の抵抗素子側の端に接続されるともに接地され、エミッタが、前記第3の抵抗素子の他端に接続された、PNP型のトランジスタと、
前記トランジスタのエミッタに接続され、前記トランジスタのエミッタからの信号を前記処理手段に出力する第2の出力端子と
を有し、
前記電力供給手段が前記電力を供給している場合、前記直列回路の前記第1の抵抗素子側の前記端に、前記電力供給手段からの所定のレベルの電圧を印加することで、前記入力端子に入力された前記信号を、前記第2の出力端子を介して前記処理手段に分配し、前記電力供給手段が前記電力の供給を停止した場合、前記電圧の印加を停止することで、前記入力端子に入力された前記信号を、前記第2の出力端子を介して前記処理手段に分配することを禁止する
ことを特徴とする信号処理装置。
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