JP4329363B2 - スラスト滑り軸受を用いたストラット型サスペンションの取付構造及びそのスラスト滑り軸受 - Google Patents

スラスト滑り軸受を用いたストラット型サスペンションの取付構造及びそのスラスト滑り軸受 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スラスト滑り軸受に関し、更に詳しくは四輪自動車等の車両のストラット型サスペンション(マクファーソン式)をスラスト滑り軸受を介して車体に取り付ける取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
四輪自動車の前輪に用いられるストラット型サスペンションは、一般に、主軸と一体となった外筒の中に油圧式ショックアブソーバを内蔵したストラットアッセンブリにコイルばねを組合わせた構造をもっている。斯かるサスぺンションにおいては、ステアリング操作においてストラットアッセンブリがコイルばねと共に回る際に、ストラットアッセンブリのピストンロッドが回る形式のものと、ピストンロッドが回らない形式のものとがあるが、いずれの形式においてもストラットアッセンブリの円滑な回動を許容するべく、車体の取付部材とコイルばねの上部ばね座部材との間に、ころがり軸受に代えて、合成樹脂製のスラスト滑り軸受が使用される場合がある。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−257146号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
合成樹脂製の滑り軸受は、通常、合成樹脂製の下側ケースと、この下側ケースに重ねられた合成樹脂製の上側ケースとを具備し、これら下側ケースと上側ケースとの間の空間にスラスト滑り軸受片又はスラスト滑り軸受突部を配してなるが、この空間に塵埃、泥水等が侵入すると、所望の軸受機能が得られなくなってしまう虞がある。一方、ストラット型サスペンションは、車両走行中に塵埃、雨水、泥水などが直接作用する部位に装着されるため、車体の取付部材とコイルばねの上部ばね座部材との間に装着される滑り軸受の使用環境も極めて過酷なものとなる。したがって、スラスト滑り軸受片又はスラスト滑り軸受突部が配された空間の外周側及び内周側が直接外部に開口していると、ここからの塵埃、雨水、泥水等の空間への侵入の危険が極めて高くなり、ここでの密封性が極めて重要になる。特に、空間での水分の滞留を防止するために、空間の内周側を下方に開口させて下側ケース及び上側ケースを形成した合成樹脂製の滑り軸受では、上記の危険がますます高くなる。
【0005】
そこで、特開2002−257146号公報に記載のような合成樹脂製の滑り軸受が提案されており、斯かる滑り軸受によれば上記の問題は効果的に解決されるのであるが、スラスト滑り軸受片が配された空間が外周側において外部に連通しているために、ここから空間への塵埃、雨水、泥水等の侵入を更に防止する場合には、必然的にコストアップを招来するダストカバー等を別途設置せざるを得ない。
【0006】
また滑り軸受は、ころがり軸受に比べて摩擦トルクが高いので、スラスト荷重が大きくなると摩擦トルクが大きくなり、ステアリング操作を重くする上に、合成樹脂の組合せによっては、スティックスリップ現象を生じ、往々にして当該スティックスリップ現象に起因する摩擦音を発生するという問題があるので、通常、滑り軸受にはグリース等の潤滑剤が適用されるのであるが、斯かる潤滑剤が摺動面に所望に介在する限りにおいては、上記のような摩擦音は殆ど生じないのであるが、長期の使用による潤滑剤の消失等で摩擦音が生じ始める場合もあり得る。
【0007】
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであって、四輪自動車等の車両のストラット型サスペンションをスラスト滑り軸受を介して車体に取り付ける取付構造であって、コストアップを招来するダストカバー等を別途設けなくても、スラスト滑り軸受片が配された空間への外部からの塵埃、雨水、泥水等の侵入を防止でき、塵埃、雨水、泥水等の侵入に起因する摺動特性の低下をより少なくし得て、ステアリング操作時の円滑な操舵力を更に長期間にわたって維持できる取付構造を提供することを目的とするものである。
【0008】
本発明の他の目的は、グリース等の潤滑剤を長期に亘って摺動面に介在させることができる上に、斯かる潤滑剤をスラスト荷重受けにも利用でき、而して、スラスト荷重が大きくなっても摩擦トルクはほとんど変わらず、低い摩擦トルクをもって摺動面を構成できて、長期の使用でも斯かる低い摩擦係数を維持できる上に、摺動面での摩擦音の発生がなく、ころがり軸受と同等の滑らかなステアリング操作を確保し得るスラスト滑り軸受を用いた取付構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の態様の取付構造は、油圧式ショックアブソーバ及びこの油圧式ショックアブソーバを取り囲んで配されたコイルばねを具備した車両のストラット型サスペンションをスラスト滑り軸受を介して車体に取り付けるものであって、ここで、スラスト滑り軸受は、油圧式ショックアブソーバのピストンロッドを車体に取り付ける取付手段とコイルばねを受ける上部ばね受手段との間に配されており、当該スラスト滑り軸受は、合成樹脂製の下側ケースと、この下側ケースに重ねられた合成樹脂製の上側ケースと、上側及び下側ケース間に配された合成樹脂製の円板状のスラスト滑り軸受片とを具備しており、下側ケースは、下側環状板部と、この下側環状板部の内周面側の上面に一体的に形成された内側環状突起部と、下側環状板部の外周面側の上面に一体的に形成された外側環状突起部と、下側環状板部の外周面側の下面に一体的に形成された下側筒部とを具備しており、上側ケースは、上側環状板部と、上側環状板部の内周面側の下面に一体的に形成された内側環状垂下部と、下側筒部よりも径方向の外側において上側環状板部の外周面側の下面に一体的に形成された上側筒部とを具備しており、スラスト滑り軸受片は、内側環状突起部よりも径方向の外側であって外側環状突起部よりも径方向の内側において下側環状板部の上面と上側環状板部の下面との間に配されており、下側筒部の円筒状の外周面と上側筒部の円筒状の内周面とは互いに摺動自在に直接当接可能に又は互いの間に微小隙間のみを介在させて直接対面しており、取付手段は、上側ケースの上側筒部を取り囲むと共に上側ケースの上側筒部の下端部を越えて下方に伸びた円筒部を有した取付部材を具備しており、上部ばね受手段は円筒部の下端が臨む環状溝を形成する凹部を有したばね座板を具備している。
【0010】
第一の態様の取付構造によれば、下側筒部の下端部と上側筒部の下端部と間の隙間の外部開口端がばね座板の凹部によって外部に対して覆われ、しかも、斯かる外部開口端が凹部及び円筒部で形成されるラビリンスを介して外部に連通されることになる結果、外部開口端を介する下側筒部の外周面と上側筒部の内周面との間の空間への外部からの塵埃、雨水、泥水等の直接的な侵入をコストアップを招来するダストカバー等を別途設けなくても防ぐことができ、而して、下側筒部の外周面と上側筒部の内周面との間の空間に連通すると共にスラスト滑り軸受片が配された下側環状板部の上面と上側環状板部の下面との間の空間への外部からの塵埃、雨水、泥水等の侵入を効果的に防ぐことができ、塵埃、雨水、泥水等の侵入に起因する摺動特性の低下を更に少なくし得て、ステアリング操作時の円滑な操舵力を更に長期間にわたって維持できる。
【0011】
本発明の第二の態様の取付構造では、第一の態様の取付構造において、下側ケースは、下側筒部の外周面に一体的に形成されている環状係合突起部を具備しており、上側ケースは、上側筒部の内周面に一体的に形成されていると共に環状係合突起部に係合された環状被係合突起部を具備している。
【0012】
本発明の第三の態様の取付構造では、第一又は第二の態様の取付構造において、ばね座板はその凹部に少なくとも一つの貫通孔を具備しており、斯かる態様の取付構造によれば、円筒部の下端が臨む環状溝に飛来した外部からの塵埃、雨水、泥水等を貫通孔を介して排出できるために、環状溝が塵埃、雨水、泥水等で一杯になり、これにより、下側筒部の外周面と上側筒部の内周面との間の空間に塵埃、雨水、泥水等が侵入するような事態を防ぎ得る。
【0013】
本発明の第四の態様の取付構造では、第一から第三のいずれかの態様の取付構造において、下側ケースは、内側環状突起部よりも径方向の外側であって下側環状板部の内周面側の上面に一体的に形成された中間環状突起部を更に具備しており、内側環状垂下部は、径方向において内側環状突起部よりも内側に配されており、上側ケースは、径方向において内側環状垂下部の外側でかつ径方向において内側環状突起部と中間環状突起部との間であって上側環状板部の内周面側の下面に一体的に形成された外側環状垂下部を更に具備しており、スラスト滑り軸受片は、中間環状突起部よりも径方向の外側であって外側環状突起部よりも径方向の内側において下側環状板部の上面と上側環状板部の下面との間に配されており、外側環状垂下部は、内側環状突起部と中間環状突起部とで形成された環状の凹所内まで伸びており、内側環状垂下部、外側環状垂下部、内側環状突起部及び中間環状突起部により内側のラビリンスが形成されている。
【0014】
第四の態様の取付構造によれば、内側にラビリンスが形成されているために、内側からの下側環状板部の上面と上側環状板部の下面との間の空間への外部からの塵埃、雨水、泥水等の侵入を効果的に防ぐことができ、上記と相俟って塵埃、雨水、泥水等の侵入に起因する摺動特性の低下を更に大幅になくし得る。
【0015】
本発明によれば、その第五の態様の取付構造のように、スラスト滑り軸受片は、下側ケースの上面と上側ケースの下面とに夫々摺動自在に接触して当該上面及び下面の間に配されていてもよいが、これに代えて、その第六の態様の取付構造のように、取付構造は、スラスト滑り軸受片に重ね合わされてスラスト滑り軸受片と下側ケースとの間に介在された弾性リングを更に具備していてもよく、ここで、スラスト滑り軸受片は、環状板部と、この環状板部の一方の面に一体的に形成されていると共に上側ケースの下面に当該下面に対して摺動自在であって当該下面と協働して密閉環状空間を形成するように接触する少なくとも二つの環状突起部とを具備しており、弾性リングは、スラスト滑り軸受片の環状板部の他方の面と下側ケースの上面とに接触してスラスト滑り軸受片と下側ケースとの間に介在されており、密閉環状空間には潤滑剤が充填されていてもよい。
【0016】
第六の態様の取付構造によれば、二つの環状突起部により形成された密閉環状空間に潤滑剤が密封充填されているために、潤滑剤を二つの環状突起部と上側ケースの下面との間の摺動面に必要微小量だけ供給でき、しかも、密閉環状空間の潤滑剤でもってもスラスト荷重を受けることができるために、上側ケースの下面に接する潤滑剤の面もまた上側ケースに対する下側ケースの回転での摺動面となり、而して、更に低い摩擦トルクをもって摺動面を構成できて、摺動面での摩擦音の発生がなく、ころがり軸受と同等の滑らかなステアリング操作を確保し、その上、二つの環状突起部に偏荷重が加わっても弾性リングにその厚みを小さくする弾性変形を先に生じさせて二つの環状突起部に撓み変形が生じることを防止し、二つの環状突起部の撓み変形による密閉環状空間の容積減少に起因する密閉環状空間から外部への潤滑剤の漏出を効果的に防止できる結果、密閉環状空間に配された潤滑剤を長期に亘って維持でき、密閉環状空間に維持された潤滑剤を二つの環状突起部と上側ケースの下面との間の摺動面に微小量だけ供給できて潤滑剤を長期に亘って安定に摺動面に介在させることができ、而して、上記の作用と相俟ってスラスト荷重が大きくなっても摩擦トルクはほとんど変わらず、低い摩擦トルクをもって摺動面を構成できる。
【0017】
好ましい例では、本発明の第七の態様の取付構造のように、スラスト滑り軸受片は、環状板部の他方の面に一体的に形成された少なくとも二つの他の環状突起部を更に具備しており、弾性リングは、径方向において二つの他の環状突起部間に配されており、斯かる態様のスラスト滑り軸受によれば、弾性リングをスラスト滑り軸受片に対して常時正規の位置に位置決めでき、スラスト滑り軸受片と弾性リングとの互いの正常な重ね合わせを常時維持できる。
【0018】
また本発明の第八の態様の取付構造のように、スラスト滑り軸受片は、径方向において二つの環状突起部間であって環状板部の一方の面に一体的に形成されていると共に上側ケースの下面に当該下面に対して摺動自在であって密閉環状空間を分割して当該下面及び二つの環状突起部と協働して複数の互いに分離された分割密閉環状空間を形成するように接触する少なくとも一つの中間環状突起部を具備していてもよく、第八の態様の取付構造によれば、中間環状突起部でもスラスト荷重を分散して受けることになる結果、二つの環状突起部の撓み変形の生起を更に確実に回避できる上に、複数の分割密閉環状空間のうちの一つの分割密閉環状空間に充填された潤滑剤が多量に漏出したとしても、この漏出が他の分割密閉環状空間に影響することを阻止して、残る他の分割密閉環状空間で上記の作用を行わせることができる結果、フェールセーフなものとなる。
【0019】
弾性リングは、好ましくは本発明の第九の態様の取付構造のように、天然ゴム、合成ゴム又は熱可塑性エラストマーからなっており、弾性リングの断面形状は略矩形であっても略長楕円状であってもよい。
【0020】
潤滑剤は、好ましくは本発明の第十の態様の取付構造のように、スラスト荷重下で密閉環状空間を隙間なしに満たしており、場合により、本発明の第十一の態様のスラスト滑り軸受のように、スラスト無荷重下で密閉環状空間を隙間なしに満たしていてもよい。
【0021】
潤滑剤は、本発明の第十二の態様の取付構造のように、グリース及び潤滑油のうちの少なくとも一つを含んでおり、好ましくは本発明の第十三の態様の取付構造のように、シリコーン系グリースからなる。
【0022】
本発明の取付構造では、上側ケース及び下側ケース間に収容されるスラスト滑り軸受片を構成する合成樹脂は、特に自己潤滑性を有することが好ましく、上側ケース及び下側ケースを構成する合成樹脂は、耐摩耗性、耐衝撃性、耐クリープ性等の摺動特性及び剛性等の機械的特性に優れていることが好ましく、具体的には、上側ケース及び下側ケースは、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂及びフッ素樹脂のうちの少なくとも一つを含む合成樹脂からなっているとよく、より好ましくは、上側ケースは、ポリアセタール樹脂からなっており、下側ケースは、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂及びフッ素樹脂のうちの少なくとも一つを含む合成樹脂からなっているとよく、また、スラスト滑り軸受片は、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリカーボネート樹脂のうちの少なくとも一つを含む合成樹脂からなっているとよい。上側ケース及び下側ケースには、スラスト滑り軸受片を構成する合成樹脂と同様の合成樹脂が使用され得るが、特にスラスト滑り軸受片に使用される合成樹脂と摩擦特性の良好な組合わせの合成樹脂が使用され、その望ましい組合わせについて例示すると、スラスト滑り軸受片と上側ケース及び下側ケースとに対して、ポリアセタールとポリアミドとの組合わせ、ポリエチレンとポリアセタールとの組合わせ、ポリアセタールとポリブチレンテレフタレート(PBT)との組合わせ及びポリアセタールとポリアセタールとの組合わせがある。
【0023】
次に本発明を、図に示す好ましい実施の形態の例に基づいて更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら例に何等限定されないのである。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1において、本例のスラスト滑り軸受1は、合成樹脂製の下側ケース2と、下側ケース2に重ねられた合成樹脂製の上側ケース3と、上側及び下側ケース3及び2間に配された合成樹脂製の円環板状のスラスト滑り軸受片4とを具備している。
【0025】
下側ケース2は、円筒状の内周面11及び外周面12を有した下側環状板部13と、下側環状板部13の内周面11側の上面14に一体的に形成された内側環状突起部15と、下側環状板部13の外周面12側の上面14に一体的に形成された外側環状突起部16と、下側環状板部13の外周面12側の下面17に一体的に形成された下側筒部18と、下側筒部18の外周面19に一体的に形成されている環状係合突起部20と、内側環状突起部15よりも径方向の外側でかつ外側環状突起部16よりも径方向の内側であって下側環状板部13の内周面11側の上面14に一体的に形成された中間環状突起部21と、下側筒部18の内周面22に一体的に形成されていると共に円周方向に互いに等間隔に離間して配された複数個、本例では四個の爪部23とを具備している。
【0026】
上側ケース3は、円筒状の内周面31及び外周面32を有した上側環状板部33と、内側環状突起部15よりも径方向の内側において上側環状板部33の内周面31側の下面34に一体的に形成された内側環状垂下部35と、下側筒部18よりも径方向の外側において上側環状板部33の外周面32側の下面34に一体的に形成された上側筒部36と、上側筒部36の内周面37に一体的に形成されていると共に環状係合突起部20に係合された環状被係合突起部38と、径方向において内側環状垂下部35よりも外側でかつ径方向において内側環状突起部15と中間環状突起部21との間であって上側環状板部33の内周面31側の下面34に一体的に形成された外側環状垂下部39とを具備している。
【0027】
内側環状垂下部35は、内周面31と面一の円筒状の内周面40を有しており、内側環状突起部15は、内側環状垂下部35と外側環状垂下部39とで形成された環状の凹所内まで伸びており、外側環状垂下部39は、内側環状突起部15と中間環状突起部21とで形成された環状の凹所内まで伸びており、こうして、内側環状垂下部35、外側環状垂下部39、内側環状突起部15及び中間環状突起部21により内側のラビリンス44が形成されている。
【0028】
下側筒部18の円筒状の外周面19と上側筒部36の円筒状の内周面37とは互いに摺動自在に直接当接可能に又は互いの間に微小隙間のみを介在させて直接対面している。
【0029】
断面略矩形状のスラスト滑り軸受片4は、内側環状突起部15及び中間環状突起部21よりも径方向の外側であって外側環状突起部16よりも径方向の内側において下側環状板部13の上面14と上側環状板部33の下面34との間に、当該上面14及び下面34に夫々その下面51及び上面52で摺動自在に接触して配されている。
【0030】
下面51及び上面52の夫々にはグリース(潤滑油材)溜め用の溝を設けてもよい。
【0031】
下側ケース2は、下側環状板部13の内周面11で規定される中央孔55を有しており、上側ケース3は、上側環状板部33の内周面31及び内側環状垂下部35の内周面40で規定される中央孔56を有している。
【0032】
以上のスラスト滑り軸受1では、環状被係合突起部38への環状係合突起部20の合成樹脂の撓み性を利用したスナップフィット式の係合でもって上側ケース3と下側ケース2とが互いに重ね合わされており、軸心Xの周りの上側ケース3に対する下側ケース2の相対的なR方向の回転において、スラスト滑り軸受片4の下面51と下側環状板部13の上面14との間の低摩擦の摺動又はスラスト滑り軸受片4の上面52と上側環状板部33の下面34との間の低摩擦の摺動を生じさせ、而して、軸心Xの周りの上側ケース3に対する下側ケース2の相対的なR方向の回転を極めて低い摩擦抵抗をもって行わせる。
【0033】
斯かるスラスト滑り軸受1は、図2及び図3に示すように、油圧式ショックアブソーバ(図示せず)及び油圧式ショックアブソーバを取り囲んで配されたコイルばね61を具備した車両のストラット型サスペンション62を取付手段63を介して車体に取り付ける際に用いられる。
【0034】
ストラット型サスペンション62をスラスト滑り軸受1を介して車体に取り付けるための取付構造64では、スラスト滑り軸受1は、油圧式ショックアブソーバのピストンロッド65を車体に取り付ける取付手段63とコイルばね61の上部ばね受手段66との間に配されており、取付手段63は、互いに重ね合わされていると共にボルト67を介して車体に固着される一対の固定部材68及び69と、油圧式ショックアブソーバのピストンロッド65のねじが切られた上端部70を固定部材68及び69に連結固定するための連結固定手段71と、上側ケース3の上側筒部36を取り囲むと共に上側ケース3の上側筒部36の下端部72を越えて下方に伸びた大径の円筒部73を有した取付部材74とを具備している。
【0035】
固定部材68は、略三角形状の環状の板部75と、板部75から湾曲部76を介して一体的に伸びた円筒部77とを具備しており、固定部材69は、板部75と同形であって板部75に重ね合わされた略三角形状の環状の板部81と、板部81から一体的に伸びた円筒部82と、円筒部82から一体的に伸びた環状板部83とを具備している。
【0036】
連結固定手段71は、湾曲部76及び円筒部77が埋め込まれた略円筒状の弾性部材85と、弾性部材85を挟持すると共に夫々の内周端部86及び87でナット88を介して上端部70に固着された一対の固定部材89及び90とを具備している。
【0037】
取付部材74は、円筒部73に加えて、円筒部73から一体的に伸びた環状板部91と、環状板部91から一体的に伸びていると共に環状板部83の内周面に嵌着された小径の円筒部92とを具備して、固定部材69に溶接等により固着されている。
【0038】
円筒部73は、その円筒状の内周面で上側筒部36の円筒状の外周面93にぴったりと接触しており、環状板部91は、その環状の下面で上側環状板部33の上面94にぴったりと接触している。
【0039】
上部ばね受手段66は、円筒部73の下端95が臨む環状溝96を形成する凹部97を有したばね座板98と、爪部23により下側ケース2に保持された環状のスペーサ板99とを具備しており、ばね座板98は、凹部97に加えて、凹部97から径方向の外側に一体的に伸びた大径の環状ばね受板部101と、凹部97から径方向の内側に一体的に伸びた環状板部102とを具備しており、凹部97は、同心の大径及び小径の円筒部103及び104と、円筒部103及び104の間に一体的に介在した底部105とを具備しており、ばね座板98はその凹部97の底部105に複数個の貫通孔106を具備しており、ばね座板98の環状ばね受板部101にコイルばね61の上端部107が当接しており、スペーサ板99は、下側環状板部13と環状板部102との間において下側環状板部13と環状板部102とに挟持されている。
【0040】
ストラット型サスペンション62は、油圧式ショックアブソーバのピストンロッド65を取り囲んで配されたバンプストッパ111を具備しており、バンプストッパ111の上面は、貫通孔106よりも内側における底部105並びに凹部97の環状板部102及び円筒部104にぴったりと接触している。
【0041】
図2及び3に示す取付構造64において、コイルばね61の軸心Xの周りでのR方向の回転は、ばね座板98及びスペーサ板99を介して下側ケース2に伝達されるようになっており、取付部材74の内周面にスラスト滑り軸受1の上側ケース3が嵌装されており、上側ケース3は、取付部材74を介して固定部材69に軸心Xの周りでR方向に回転しないように保持されている。
【0042】
ステアリング操作によりコイルばね61が軸心Xの周りでR方向に回動されると、上側ケース3に対して下側ケース2が回転され、下側ケース2のこの回転は、下側ケース2及び上側ケース3間に配されたスラスト滑り軸受片4により滑らかになされ、したがってステアリング操作も抵抗なく行われる。
【0043】
取付構造64によれば、下側筒部18の下端部112と上側筒部36の下端部72と間の隙間の環状の外部開口端113がばね座板98の凹部97によって外部に対して覆われ、しかも、斯かる外部開口端113が凹部97及び円筒部73で形成されるラビリンスを介して外部に連通されることになる結果、外部開口端113を介する下側筒部18の外周面19と上側筒部36の内周面37との間の空間への外部からの塵埃、雨水、泥水等の直接的な侵入をコストアップを招来するダストカバー等を別途設けなくても防ぐことができ、而して、下側筒部18の外周面19と上側筒部36の内周面37との間の空間に連通すると共にスラスト滑り軸受片4が配された下側環状板部13の上面14と上側環状板部33の下面34との間の空間114への外部からの塵埃、雨水、泥水等の侵入を効果的に防ぐことができ、塵埃、雨水、泥水等の侵入に起因する摺動特性の低下を更に少なくし得て、ステアリング操作時の円滑な操舵力を更に長期間にわたって維持できる。
【0044】
また取付構造64によれば、内側にラビリンス44が形成されているために、内側からの空間114への外部からの塵埃、雨水、泥水等の侵入を効果的に防ぐことができ、上記と相俟って塵埃、雨水、泥水等の侵入に起因する摺動特性の低下を更に大幅になくし得、また円筒部73の下端95が臨む環状溝96に飛来した外部からの塵埃、雨水、泥水等を貫通孔106を介して排出できるために、環状溝96が塵埃、雨水、泥水等で一杯になり、これにより、下側筒部18の外周面19と上側筒部36の内周面37との間の空間を介して空間114に塵埃、雨水、泥水等が侵入するような事態を防ぎ得る。
【0045】
ところで、取付構造64においては図4に示すようなスラスト滑り軸受1を介してストラット型サスペンション62を車体に取り付けるようにしてもよい。図4に示すスラスト滑り軸受1は、スラスト滑り軸受片4に加えて、スラスト滑り軸受片4に重ね合わされてスラスト滑り軸受片4と下側ケース2の下側環状板部13との間に介在された弾性リング121を更に具備しており、本例でのスラスト滑り軸受片4は、環状板部122と、環状板部122の一方の面123に径方向において離間して一体的に形成されていると共に上側ケース3の上側環状板部33の下面34に当該下面34に対して摺動自在であって当該下面34と協働して密閉環状空間124を形成するように接触する同心の小径及び大径の環状突起部125及び126と、環状板部122の他方の面127に径方向において離間して一体的に形成された同心の小径及び大径の環状突起部128及び129とを具備しており、その径方向の環状の内周面132及び外周面133で中間環状突起部21及び外側環状突起部16の夫々に摺動自在に接触されており、密閉環状空間124にはシリコーン系グリースからなる潤滑剤131が密封充填されている。
【0046】
密閉環状空間124にはスラスト無荷重下で密閉環状空間124を隙間なしに満たす量の潤滑剤131が充填されており、斯かる量の潤滑剤131は、スラスト荷重下でも密閉環状空間124を隙間なしに満たす量となり、密閉環状空間124に隙間なしに満たされた潤滑剤131は、環状突起部125及び126と共に下面34に接触してスラスト荷重を受けるようになっている。
【0047】
天然ゴム、合成ゴム又は熱可塑性エラストマーからなって断面略矩形状の弾性リング121は、環状板部122の面127と下側ケース2の上面14とに接触してスラスト滑り軸受片4及び下側ケース2の間に介在されていると共に径方向において環状突起部128及び129間に配されており、しかも、内側環状突起部15及び中間環状突起部21よりも径方向の外側に配されていると共に外側環状突起部16よりも径方向の内側に配されており、斯かる弾性リング121は、スラスト荷重下で撓み変形してその厚みを薄くするようになっている。
【0048】
図4に示すスラスト滑り軸受1を介してストラット型サスペンション62を車体に取り付けるようにした取付構造64によれば、環状突起部125及び126により形成された密閉環状空間124に潤滑剤131が密封充填されているために、潤滑剤131を環状突起部125及び126と下面34との間の摺動面に必要微小量だけ供給でき、しかも、密閉環状空間124の潤滑剤131でもってもスラスト荷重を受けるようにようになっているために、下面34に接する潤滑剤131の面もまた上側ケース3に対する下側ケース2のR方向の回転での摺動面となり、而して、更に低い摩擦トルクをもって摺動面を構成できて、摺動面での摩擦音の発生がなく、ころがり軸受と同等の滑らかなステアリング操作を確保し、その上、環状突起部125及び126に偏荷重が加わっても弾性リング121にその厚みを小さくする弾性変形を先に生じさせて環状突起部125及び126に撓み変形が生じることを未然に防止し、環状突起部125及び126の撓み変形による密閉環状空間124の容積減少に起因する密閉環状空間124から外部への潤滑剤131の漏出を効果的に防止できる結果、密閉環状空間124に配された潤滑剤131を長期に亘って維持でき、密閉環状空間124に密封維持された潤滑剤131を環状突起部125及び126と下面34との間の摺動面に微小量だけ常時供給できて潤滑剤131を長期に亘って安定に摺動面に介在させることができ、而して、上記の作用と相俟ってスラスト荷重が大きくなっても摩擦トルクはほとんど変わらず、低い摩擦トルクをもって摺動面を構成できる。
【0049】
また図4に示すスラスト滑り軸受1によれば、弾性リング121は径方向において環状突起部128及び129間に配されているため、弾性リング121をスラスト滑り軸受片4に対して常時正規の位置に位置決めでき、スラスト滑り軸受片4と弾性リング121との互いの正常な重ね合わせを常時維持でき、しかも、スラスト滑り軸受片4及び弾性リング121を中間環状突起部21よりも径方向の外側に配していると共に外側環状突起部16よりも径方向の内側に配しているため、斯かる中間環状突起部21及び外側環状突起部16によりスラスト滑り軸受片4及び弾性リング121を径方向に関して位置決めできる上に、スラスト滑り軸受片4を径方向の内周面132及び外周面133で中間環状突起部21及び外側環状突起部16の夫々に摺動自在に接触させているために、スラスト荷重下でのスラスト滑り軸受片4の撓みを防止できる。
【0050】
図4に示すスラスト滑り軸受1では、環状板部122の面127に環状突起部128及び129を設けたスラスト滑り軸受片4を用いたが、これに代えて、図5に示すように面127に環状突起部128及び129を設けないスラスト滑り軸受片4を用いてもよく、更に、環状突起部125及び126に加えて、径方向において環状突起部125及び126間であって環状板部122の面123に一体的に形成されていると共に上側ケース3の下面34に当該下面34に対して摺動自在であって密閉環状空間124を分割して当該下面34並びに環状突起部125及び126と協働して複数(本例では二つ)の互いに分離された同心の分割密閉環状空間135及び136を形成するように接触する中間環状突起部137を具備してスラスト滑り軸受片4を構成してもよく、この場合にも上記と同様に、分割密閉環状空間135及び136の夫々に隙間なしに潤滑剤131を充填するとよい。
【0051】
図5に示すスラスト滑り軸受1では、スラスト荷重を中間環状突起部137でも分散して受けることになる結果、環状突起部125及び126の撓み変形の生起を更に確実に回避できる上に、分割密閉環状空間135及び136のうちの一方の分割密閉環状空間に充填された潤滑剤131が多量に漏出したとしても、この漏出が他方の分割密閉環状空間に影響することを阻止して、残る他方の分割密閉環状空間で上記の作用を行わせることができる結果、フェールセーフなものとなる。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、四輪自動車等の車両のストラット型サスペンションをスラスト滑り軸受を介して車体に取り付ける取付構造であって、コストアップを招来するダストカバー等を別途設けなくても、滑り軸受片が配された空間への外部からの塵埃、雨水、泥水等の侵入を防止でき、塵埃、雨水、泥水等の侵入に起因する摺動特性の低下をより少なくし得て、ステアリング操作時の円滑な操舵力を更に長期間にわたって維持できるストラット型サスペンションの取付構造を提供できる。
【0053】
また本発明によれば、グリース等の潤滑剤を長期に亘って摺動面に介在させることができる上に、斯かる潤滑剤をスラスト荷重受けにも利用でき、而して、スラスト荷重が大きくなっても摩擦トルクはほとんど変わらず、低い摩擦トルクをもって摺動面を構成できて、長期の使用でも斯かる低い摩擦係数を維持できる上に、摺動面での摩擦音の発生がなく、ころがり軸受と同等の滑らかなステアリング操作を確保し得るスラスト滑り軸受を用いた取付構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に用いるスラスト滑り軸受の好ましい一例の断面図である。
【図2】図1に示すスラスト滑り軸受を用いた本発明の実施の形態の好ましい一例の断面説明図である。
【図3】図2に示す例の平面図である。
【図4】スラスト滑り軸受の好ましい他の例の断面図である。
【図5】スラスト滑り軸受の好ましい更に他の例の一部の断面図である。
【符号の説明】
1 スラスト滑り軸受
2 下側ケース
3 上側ケース
4 スラスト滑り軸受片
12 外周面
13 下側環状板部
14 上面
15 内側環状突起部
16 外側環状突起部
17、34 下面
18 下側筒部
33 上側環状板部
35 内側環状垂下部
36 上側筒部
37 内周面
61 コイルばね
62 ストラット型サスペンション
63 取付手段
64 取付構造
65 ピストンロッド
66 上部ばね受手段
72 下端部
73 円筒部
74 取付部材
95 下端
96 環状溝
97 凹部
98 ばね座板

Claims (14)

  1. 油圧式ショックアブソーバ及びこの油圧式ショックアブソーバを取り囲んで配されたコイルばねを具備した車両のストラット型サスペンションをスラスト滑り軸受を介して車体に取り付ける取付構造であって、スラスト滑り軸受は、油圧式ショックアブソーバのピストンロッドを車体に取り付ける取付手段とコイルばねを受ける上部ばね受手段との間に配されており、当該スラスト滑り軸受は、合成樹脂製の下側ケースと、この下側ケースに重ねられた合成樹脂製の上側ケースと、上側及び下側ケース間に配された合成樹脂製の円板状のスラスト滑り軸受片とを具備しており、下側ケースは、下側環状板部と、この下側環状板部の内周面側の上面に一体的に形成された内側環状突起部と、下側環状板部の外周面側の上面に一体的に形成された外側環状突起部と、下側環状板部の外周面側の下面に一体的に形成された下側筒部とを具備しており、上側ケースは、上側環状板部と、上側環状板部の内周面側の下面に一体的に形成された内側環状垂下部と、下側筒部よりも径方向の外側において上側環状板部の外周面側の下面に一体的に形成された上側筒部とを具備しており、スラスト滑り軸受片は、内側環状突起部よりも径方向の外側であって外側環状突起部よりも径方向の内側において下側環状板部の上面と上側環状板部の下面との間に配されており、下側筒部の円筒状の外周面と上側筒部の円筒状の内周面とは互いに摺動自在に直接当接可能に又は互いの間に微小隙間のみを介在させて直接対面しており、取付手段は、上側ケースの上側筒部を取り囲むと共に上側ケースの上側筒部の下端部を越えて下方に伸びた円筒部を有した取付部材を具備しており、上部ばね受手段は円筒部の下端が臨む環状溝を形成する凹部を有したばね座板を具備している取付構造。
  2. 下側ケースは、下側筒部の外周面に一体的に形成されている環状係合突起部を具備しており、上側ケースは、上側筒部の内周面に一体的に形成されていると共に環状係合突起部に係合された環状被係合突起部を具備している請求項1に記載の取付構造。
  3. ばね座板はその凹部に少なくとも一つの貫通孔を具備している請求項1又は2に記載の取付構造。
  4. 下側ケースは、内側環状突起部よりも径方向の外側であって下側環状板部の内周面側の上面に一体的に形成された中間環状突起部を更に具備しており、内側環状垂下部は、径方向において内側環状突起部よりも内側に配されており、上側ケースは、径方向において内側環状垂下部の外側でかつ径方向において内側環状突起部と中間環状突起部との間であって上側環状板部の内周面側の下面に一体的に形成された外側環状垂下部を更に具備しており、スラスト滑り軸受片は、中間環状突起部よりも径方向の外側であって外側環状突起部よりも径方向の内側において下側環状板部の上面と上側環状板部の下面との間に配されており、外側環状垂下部は、内側環状突起部と中間環状突起部とで形成された環状の凹所内まで伸びており、内側環状垂下部、外側環状垂下部、内側環状突起部及び中間環状突起部により内側のラビリンスが形成されている請求項1から3のいずれか一項に記載の取付構造。
  5. スラスト滑り軸受片は、下側ケースの上面と上側ケースの下面とに夫々摺動自在に接触して当該上面及び下面の間に配されている請求項1から4のいずれか一項に記載の取付構造。
  6. スラスト滑り軸受片に重ね合わされてスラスト滑り軸受片と下側ケースとの間に介在された弾性リングを具備しており、スラスト滑り軸受片は、環状板部と、この環状板部の一方の面に一体的に形成されていると共に上側ケースの下面に当該下面に対して摺動自在であって当該下面と協働して密閉環状空間を形成するように接触する少なくとも二つの環状突起部とを具備しており、弾性リングは、スラスト滑り軸受片の環状板部の他方の面と下側ケースの上面とに接触してスラスト滑り軸受片と下側ケースとの間に介在されており、密閉環状空間には潤滑剤が充填されている請求項1から4のいずれか一項に記載の取付構造。
  7. スラスト滑り軸受片は、環状板部の他方の面に一体的に形成された少なくとも二つの他の環状突起部を更に具備しており、弾性リングは、径方向において二つの他の環状突起部間に配されている請求項6に記載の取付構造。
  8. スラスト滑り軸受片は、径方向において二つの環状突起部間であって環状板部の一方の面に一体的に形成されていると共に上側ケースの下面に当該下面に対して摺動自在であって密閉環状空間を分割して当該下面及び二つの環状突起部と協働して複数の互いに分離された分割密閉環状空間を形成するように接触する少なくとも一つの中間環状突起部を具備している請求項6又は7に記載の取付構造。
  9. 弾性リングは、天然ゴム、合成ゴム又は熱可塑性エラストマーからなっている請求項6から8のいずれか一項に記載の取付構造。
  10. 潤滑剤は、スラスト荷重下で密閉環状空間を隙間なしに満たしている請求項6から9のいずれか一項に記載の取付構造。
  11. 潤滑剤は、スラスト無荷重下で密閉環状空間を隙間なしに満たしている請求項6から10のいずれか一項に記載の取付構造。
  12. 潤滑剤は、グリース及び潤滑油のうちの少なくとも一つを含む請求項6から11のいずれか一項に記載の取付構造。
  13. 潤滑剤は、シリコーン系グリースからなる請求項6から12のいずれか一項に記載の取付構造。
  14. 請求項1から13のいずれか一項に記載の取付構造に用いるためのスラスト滑り軸受。
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