JPH084754A - 合成樹脂スラスト軸受 - Google Patents
合成樹脂スラスト軸受Info
- Publication number
- JPH084754A JPH084754A JP6155215A JP15521594A JPH084754A JP H084754 A JPH084754 A JP H084754A JP 6155215 A JP6155215 A JP 6155215A JP 15521594 A JP15521594 A JP 15521594A JP H084754 A JPH084754 A JP H084754A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- annular
- synthetic resin
- bearing case
- protrusion
- outer peripheral
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Sliding-Contact Bearings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 相対回転する二つの物体間に配されて、摩擦
変動をきたすことなく当該相対回転を円滑に許容するこ
とのできる合成樹脂スラスト軸受を得ることを目的とす
る。 【構成】 合成樹脂製上部軸受ケ−ス300と合成樹脂
製下部軸受ケ−ス200と合成樹脂製軸受体400と、
シ−ルリング500と、から成り、該軸受体は上、下面
を該上、下部軸受ケ−スの環状凹溝304、環状凹溝2
05にそれぞれ摺接させて上,下部軸受ケ−スに配され
ており、該上部軸受ケ−スは下部軸受ケ−スとの弾性装
着部および内環状垂下部303と第一環状突起部204
の重畳部および外環状垂下部305と第二環状突起部2
06の重畳部にそれぞれラビリンス作用による密封部を
形成して下部軸受ケ−スに組合されているとともに、シ
−ルリングはその薄肉シ−ル部505を上、下部軸受ケ
−スの外周面に囲繞させて該上部軸受ケ−スに配されて
いる。
変動をきたすことなく当該相対回転を円滑に許容するこ
とのできる合成樹脂スラスト軸受を得ることを目的とす
る。 【構成】 合成樹脂製上部軸受ケ−ス300と合成樹脂
製下部軸受ケ−ス200と合成樹脂製軸受体400と、
シ−ルリング500と、から成り、該軸受体は上、下面
を該上、下部軸受ケ−スの環状凹溝304、環状凹溝2
05にそれぞれ摺接させて上,下部軸受ケ−スに配され
ており、該上部軸受ケ−スは下部軸受ケ−スとの弾性装
着部および内環状垂下部303と第一環状突起部204
の重畳部および外環状垂下部305と第二環状突起部2
06の重畳部にそれぞれラビリンス作用による密封部を
形成して下部軸受ケ−スに組合されているとともに、シ
−ルリングはその薄肉シ−ル部505を上、下部軸受ケ
−スの外周面に囲繞させて該上部軸受ケ−スに配されて
いる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は相対回転する二つの物体
間に配されて当該回転を円滑に許容する合成樹脂スラス
ト軸受、具体的には四輪自動車のストラット型サスペン
ション(マクファ−ソン式)に組込まれて好適な合成樹
脂スラスト軸受に関するものである。
間に配されて当該回転を円滑に許容する合成樹脂スラス
ト軸受、具体的には四輪自動車のストラット型サスペン
ション(マクファ−ソン式)に組込まれて好適な合成樹
脂スラスト軸受に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にストラット型サスペンションは、
主として四輪自動車の前輪に用いられ、主軸と一体とな
った外筒の中に油圧式ショックアブソ−バを内蔵したス
トラットアッセンブリにコイルバネを組合せたサスペン
ションである。上記サスペンションには、ステアリング
操作によりストラットアッセンブリがコイルバネととも
に回るさい、該アッセンブリのピストンロッドが回るも
のと、該ピストンロッドが回らない型式のものとがある
が、いずれの型式においてもストラットアッセンブリの
回転を円滑に許容するべく車体の取付部材とコイルバネ
の上部バネ座シ−トとの間に軸受が必要とされる。
主として四輪自動車の前輪に用いられ、主軸と一体とな
った外筒の中に油圧式ショックアブソ−バを内蔵したス
トラットアッセンブリにコイルバネを組合せたサスペン
ションである。上記サスペンションには、ステアリング
操作によりストラットアッセンブリがコイルバネととも
に回るさい、該アッセンブリのピストンロッドが回るも
のと、該ピストンロッドが回らない型式のものとがある
が、いずれの型式においてもストラットアッセンブリの
回転を円滑に許容するべく車体の取付部材とコイルバネ
の上部バネ座シ−トとの間に軸受が必要とされる。
【0003】従来よりこの個所の軸受には合成樹脂スラ
スト軸受が使用されている。(実願昭61−19680
4号(実公平2−6263号:以下「従来技術」とい
う。) 図9は従来技術の合成樹脂スラスト軸受を示す縦断面図
である。この従来技術の合成樹脂スラスト軸受1は合成
樹脂製上部軸受ケ−ス3、合成樹脂製下部軸受ケ−ス2
と該上、下部軸受ケ−ス内に配される合成樹脂製軸受体
4から成り、該上部軸受ケ−スの下面に形成された内環
状垂下部33および外環状垂下部34の端部をそれぞれ
該下部軸受ケ−スの第一環状突起部23および第二環状
突起部25の端部に係合させるとともに該上部軸受ケ−
スの係合フック部37を該下部軸受ケ−スの係合部28
に弾性装着させ、該弾性装着部およびそれぞれの係合部
にラビリンス作用による密封部を形成して組合されてい
るものである。
スト軸受が使用されている。(実願昭61−19680
4号(実公平2−6263号:以下「従来技術」とい
う。) 図9は従来技術の合成樹脂スラスト軸受を示す縦断面図
である。この従来技術の合成樹脂スラスト軸受1は合成
樹脂製上部軸受ケ−ス3、合成樹脂製下部軸受ケ−ス2
と該上、下部軸受ケ−ス内に配される合成樹脂製軸受体
4から成り、該上部軸受ケ−スの下面に形成された内環
状垂下部33および外環状垂下部34の端部をそれぞれ
該下部軸受ケ−スの第一環状突起部23および第二環状
突起部25の端部に係合させるとともに該上部軸受ケ−
スの係合フック部37を該下部軸受ケ−スの係合部28
に弾性装着させ、該弾性装着部およびそれぞれの係合部
にラビリンス作用による密封部を形成して組合されてい
るものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術から
成る合成樹脂スラスト軸受は、ステアリング操作時の操
舵力の増大を防止し、かつラビリンス作用による密封部
により摺動面への塵埃等の侵入を防止し、円滑な操舵力
を長期間にわたって維持することができるものであっ
た。しかしながら、上記スラスト軸受が組込まれるスト
ラット型サスペンションは車両走行中に塵埃、泥水等が
直接作用する部位で、当該部位に組込まれるスラスト軸
受の使用環境としては極めて過酷な条件である。上述し
た従来技術から成る合成樹脂スラスト軸受は内、外周面
側にそれぞれラビリンス作用による密封手段が構成さ
れ、当該密封手段によって軸受摺動面への塵埃等の侵入
を防止しているが、上述した過酷な環境条件下での使用
では塵埃、とくに泥水の摺動面への侵入に対しては十分
な密封手段とは言えず、往々にして泥水の侵入が起こり
摺動特性に影響をもたらすという問題が新たに提起され
た。本発明は過酷な環境条件下の使用でも塵埃、泥水等
の侵入を防止し、ステアリング操作時の円滑な操舵力を
長期間にわたって維持することができる合成樹脂スラス
ト軸受を得ることを目的とするものである。
成る合成樹脂スラスト軸受は、ステアリング操作時の操
舵力の増大を防止し、かつラビリンス作用による密封部
により摺動面への塵埃等の侵入を防止し、円滑な操舵力
を長期間にわたって維持することができるものであっ
た。しかしながら、上記スラスト軸受が組込まれるスト
ラット型サスペンションは車両走行中に塵埃、泥水等が
直接作用する部位で、当該部位に組込まれるスラスト軸
受の使用環境としては極めて過酷な条件である。上述し
た従来技術から成る合成樹脂スラスト軸受は内、外周面
側にそれぞれラビリンス作用による密封手段が構成さ
れ、当該密封手段によって軸受摺動面への塵埃等の侵入
を防止しているが、上述した過酷な環境条件下での使用
では塵埃、とくに泥水の摺動面への侵入に対しては十分
な密封手段とは言えず、往々にして泥水の侵入が起こり
摺動特性に影響をもたらすという問題が新たに提起され
た。本発明は過酷な環境条件下の使用でも塵埃、泥水等
の侵入を防止し、ステアリング操作時の円滑な操舵力を
長期間にわたって維持することができる合成樹脂スラス
ト軸受を得ることを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば上記目的
は、中央部に挿通孔201を有する円板状部202と該
円板状部の上面に該挿通孔と連なる環状平面部203を
残して該挿通孔と同心円状に突設された第一環状突起部
204と該第一環状突起部と径方向外方に間隔を隔てて
突設され、該第一環状突起部の外周面と円板状部の上面
とで幅広の環状凹溝205を形成する第二環状突起部2
06と該円板状部の外周縁に突設された環状係合突出部
208と該環状係合突出部の外周面に形成された係合部
209とを備えた合成樹脂製下部軸受ケ−ス200と、
中央部に前記挿通孔と同径の挿通孔301を有する円板
状部302と該円板状部の下面に該挿通孔と連通する内
環状垂下部303と該内環状垂下部と径方向外方に間隔
を隔てて垂下し、該内環状垂下部の外周面と円板状部の
下面とで幅広の環状凹溝304を形成する外環状垂下部
305と該円板状部の外周面に垂下する環状係合垂下部
307と該環状係合垂下部の内周面に形成された係合フ
ック部308と該円板状部の上面外周縁に形成された環
状嵌合溝309とを備えた合成樹脂製上部軸受ケ−ス3
00と、中央部に円孔401を有する円板からなる合成
樹脂製軸受体400と、中央部に円孔501を有する薄
肉の円板状部502と該円板状部の内周縁下方に形成さ
れた環状嵌合突出部503と該円板状部の外周縁に形成
された円弧状突出部504と該円弧状突出部から下方に
向けて垂設された薄肉シ−ル部505とを備えたシ−ル
リング500と、から成り、該軸受体400は下面を前
記下部軸受ケ−ス200の環状凹溝205底面に摺接さ
せて該環状凹溝に配されており、該上部軸受ケ−ス30
0は環状凹溝304の底面を該軸受体の上面に摺接さ
せ、内環状垂下部303および外環状垂下部305の端
部をそれぞれ該下部軸受ケ−スの第一環状突起部204
および第二環状突起部206の端部とその径方向に重畳
させて係合させるとともに環状係合垂下部307の係合
フック部308を該下部軸受ケ−スの環状係合突出部外
周面の係合部209に弾性装着させ、該弾性装着部、内
環状垂下部303と第一環状突起部204および外環状
垂下部305と第二環状突起部206のそれぞれの重畳
部にラビリンス作用による密封部を形成して該下部軸受
ケ−スに組合されており、シ−ルリング500は環状嵌
合突出部503を上部軸受ケ−スの環状嵌合溝309に
弾性装着させ、円弧状突出部504を該上部軸受ケ−ス
の上面より突出させるとともに薄肉シ−ル部505を該
上、下部軸受ケ−スの外周面に囲繞させて該上部軸受ケ
−スに配されていることを特徴とする合成樹脂スラスト
軸受によって達成される。
は、中央部に挿通孔201を有する円板状部202と該
円板状部の上面に該挿通孔と連なる環状平面部203を
残して該挿通孔と同心円状に突設された第一環状突起部
204と該第一環状突起部と径方向外方に間隔を隔てて
突設され、該第一環状突起部の外周面と円板状部の上面
とで幅広の環状凹溝205を形成する第二環状突起部2
06と該円板状部の外周縁に突設された環状係合突出部
208と該環状係合突出部の外周面に形成された係合部
209とを備えた合成樹脂製下部軸受ケ−ス200と、
中央部に前記挿通孔と同径の挿通孔301を有する円板
状部302と該円板状部の下面に該挿通孔と連通する内
環状垂下部303と該内環状垂下部と径方向外方に間隔
を隔てて垂下し、該内環状垂下部の外周面と円板状部の
下面とで幅広の環状凹溝304を形成する外環状垂下部
305と該円板状部の外周面に垂下する環状係合垂下部
307と該環状係合垂下部の内周面に形成された係合フ
ック部308と該円板状部の上面外周縁に形成された環
状嵌合溝309とを備えた合成樹脂製上部軸受ケ−ス3
00と、中央部に円孔401を有する円板からなる合成
樹脂製軸受体400と、中央部に円孔501を有する薄
肉の円板状部502と該円板状部の内周縁下方に形成さ
れた環状嵌合突出部503と該円板状部の外周縁に形成
された円弧状突出部504と該円弧状突出部から下方に
向けて垂設された薄肉シ−ル部505とを備えたシ−ル
リング500と、から成り、該軸受体400は下面を前
記下部軸受ケ−ス200の環状凹溝205底面に摺接さ
せて該環状凹溝に配されており、該上部軸受ケ−ス30
0は環状凹溝304の底面を該軸受体の上面に摺接さ
せ、内環状垂下部303および外環状垂下部305の端
部をそれぞれ該下部軸受ケ−スの第一環状突起部204
および第二環状突起部206の端部とその径方向に重畳
させて係合させるとともに環状係合垂下部307の係合
フック部308を該下部軸受ケ−スの環状係合突出部外
周面の係合部209に弾性装着させ、該弾性装着部、内
環状垂下部303と第一環状突起部204および外環状
垂下部305と第二環状突起部206のそれぞれの重畳
部にラビリンス作用による密封部を形成して該下部軸受
ケ−スに組合されており、シ−ルリング500は環状嵌
合突出部503を上部軸受ケ−スの環状嵌合溝309に
弾性装着させ、円弧状突出部504を該上部軸受ケ−ス
の上面より突出させるとともに薄肉シ−ル部505を該
上、下部軸受ケ−スの外周面に囲繞させて該上部軸受ケ
−スに配されていることを特徴とする合成樹脂スラスト
軸受によって達成される。
【0006】上述した構成から成る合成樹脂スラスト軸
受において、シ−ルリング500の薄肉シ−ル部505
は該円弧状突出部から下方に向けて漸次拡径して垂設さ
れた薄肉環状テ−パ−部からなる構成を採ることもでき
る。
受において、シ−ルリング500の薄肉シ−ル部505
は該円弧状突出部から下方に向けて漸次拡径して垂設さ
れた薄肉環状テ−パ−部からなる構成を採ることもでき
る。
【0007】さらに上述した構成から成る合成樹脂スラ
スト軸受において、シ−ルリング500の薄肉シ−ル部
505は該円弧状突出部から下方に向けて垂設された薄
肉円筒状部とからなる構成を採ることもできる。
スト軸受において、シ−ルリング500の薄肉シ−ル部
505は該円弧状突出部から下方に向けて垂設された薄
肉円筒状部とからなる構成を採ることもできる。
【0008】また、上述した構成から成る合成樹脂スラ
スト軸受において、該下部軸受ケ−スの幅広の環状凹溝
には第一環状突起部の外周面と該凹溝の底面とで環状溝
210を画定して突出する環状突起部211が形成され
ており、該上部軸受ケ−スの幅広の環状凹溝には内環状
垂下部の外周面と該凹溝の底面とで環状溝310を画定
して垂下する環状垂下部311が形成されており、該環
状垂下部はその端部を該環状突起部の端部にその径方向
に重畳させて組合されており、該重畳部にラビリンス作
用による密封部が形成されてなる構成を採ることもでき
る。
スト軸受において、該下部軸受ケ−スの幅広の環状凹溝
には第一環状突起部の外周面と該凹溝の底面とで環状溝
210を画定して突出する環状突起部211が形成され
ており、該上部軸受ケ−スの幅広の環状凹溝には内環状
垂下部の外周面と該凹溝の底面とで環状溝310を画定
して垂下する環状垂下部311が形成されており、該環
状垂下部はその端部を該環状突起部の端部にその径方向
に重畳させて組合されており、該重畳部にラビリンス作
用による密封部が形成されてなる構成を採ることもでき
る。
【0009】上述した合成樹脂スラスト軸受は該上部軸
受ケ−スを車体側取付部材に当接させ、該下部軸受ケ−
スを上部バネ座シ−トに当接させるとともにシ−ルリン
グの薄肉シ−ル部の端部を円弧状突出部に作用する組付
け時の与圧による弾性変形により該上部バネ座シ−トの
上面に密に摺接させて、ストラットアッセンブリのスト
ラットの上部バネ座シ−トと車体側取付部材との間に組
込まれて使用される。
受ケ−スを車体側取付部材に当接させ、該下部軸受ケ−
スを上部バネ座シ−トに当接させるとともにシ−ルリン
グの薄肉シ−ル部の端部を円弧状突出部に作用する組付
け時の与圧による弾性変形により該上部バネ座シ−トの
上面に密に摺接させて、ストラットアッセンブリのスト
ラットの上部バネ座シ−トと車体側取付部材との間に組
込まれて使用される。
【0010】上述した構成の合成樹脂スラスト軸受にお
いて、上、下部軸受ケ−スを形成する合成樹脂は、耐摩
耗性、耐衝撃性、耐クリ−プ性などの機械的特性に優れ
ていることが必要であり、また上、下部軸受ケ−ス間に
収納される合成樹脂製軸受体はとくに自己潤滑性を有す
るものが好ましく、例えばポリアセタ−ル樹脂、ポリア
ミド樹脂、ポリブチレンテレフタレ−ト樹脂などの熱可
塑性ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピ
レン樹脂などのポリオレフィン樹脂などが良好に使用さ
れ、この他ポリカ−ボネ−ト樹脂等も使用し得る。上、
下部軸受ケ−スには、上記軸受体と同様の合成樹脂が使
用されるが、特に該軸受体に使用される合成樹脂と摩擦
特性の良好な組合せであって、しかも比較的剛性の高い
合成樹脂材料であることが望ましい。シ−ルリングを構
成する材料は耐摩耗性、耐衝撃性、耐クリ−プ性などの
機械的特性に優れ、かつ上部バネ座シ−トとの摩擦特性
に優れていることが必要であり、ポリエステルエラスト
マ−等の熱可塑性エラストマ−が使用され、ポリウレタ
ン等の合成樹脂も使用しうる。
いて、上、下部軸受ケ−スを形成する合成樹脂は、耐摩
耗性、耐衝撃性、耐クリ−プ性などの機械的特性に優れ
ていることが必要であり、また上、下部軸受ケ−ス間に
収納される合成樹脂製軸受体はとくに自己潤滑性を有す
るものが好ましく、例えばポリアセタ−ル樹脂、ポリア
ミド樹脂、ポリブチレンテレフタレ−ト樹脂などの熱可
塑性ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピ
レン樹脂などのポリオレフィン樹脂などが良好に使用さ
れ、この他ポリカ−ボネ−ト樹脂等も使用し得る。上、
下部軸受ケ−スには、上記軸受体と同様の合成樹脂が使
用されるが、特に該軸受体に使用される合成樹脂と摩擦
特性の良好な組合せであって、しかも比較的剛性の高い
合成樹脂材料であることが望ましい。シ−ルリングを構
成する材料は耐摩耗性、耐衝撃性、耐クリ−プ性などの
機械的特性に優れ、かつ上部バネ座シ−トとの摩擦特性
に優れていることが必要であり、ポリエステルエラスト
マ−等の熱可塑性エラストマ−が使用され、ポリウレタ
ン等の合成樹脂も使用しうる。
【0011】
【作用】上述した構成から成る合成樹脂スラスト軸受は
合成樹脂製軸受体と合成樹脂製上、下部軸受ケ−ス間の
摺動面が、該上、下部軸受ケ−ス間に形成されたラビリ
ンス作用による密封部によって保護され、かつシ−ルリ
ングに形成された薄肉シ−ル部の端部が上部バネ座シ−
トの上面に密に摺接し、当該摺接部に密封部を形成して
いるため、当該摺動面への塵埃、泥水等の侵入が防止さ
れる。上、下部軸受ケ−スに相対回転が生じた場合、当
該回転は下部軸受ケ−スの環状凹溝底面と該環状凹溝内
に配される合成樹脂製軸受体の下面との摺接面あるいは
該軸受体の上面と上部軸受ケ−スの環状凹溝底面との摺
接面のいずれか摩擦抵抗の低い側で許容される。
合成樹脂製軸受体と合成樹脂製上、下部軸受ケ−ス間の
摺動面が、該上、下部軸受ケ−ス間に形成されたラビリ
ンス作用による密封部によって保護され、かつシ−ルリ
ングに形成された薄肉シ−ル部の端部が上部バネ座シ−
トの上面に密に摺接し、当該摺接部に密封部を形成して
いるため、当該摺動面への塵埃、泥水等の侵入が防止さ
れる。上、下部軸受ケ−スに相対回転が生じた場合、当
該回転は下部軸受ケ−スの環状凹溝底面と該環状凹溝内
に配される合成樹脂製軸受体の下面との摺接面あるいは
該軸受体の上面と上部軸受ケ−スの環状凹溝底面との摺
接面のいずれか摩擦抵抗の低い側で許容される。
【0012】
【実施例】以下、本発明をその実施例を示す添付図面に
よって詳細に説明する。図1乃至図4に本発明の好まし
い実施例を示す。図1において合成樹脂スラスト軸受1
00は合成樹脂製下部軸受ケ−ス200と合成樹脂製上
部軸受ケ−ス300と合成樹脂製軸受体400とシ−ル
リング500から構成されている。
よって詳細に説明する。図1乃至図4に本発明の好まし
い実施例を示す。図1において合成樹脂スラスト軸受1
00は合成樹脂製下部軸受ケ−ス200と合成樹脂製上
部軸受ケ−ス300と合成樹脂製軸受体400とシ−ル
リング500から構成されている。
【0013】合成樹脂製下部軸受ケ−ス200は、中央
部に挿通孔201を有する円板状部202と該円板状部
の上面に該挿通孔と連なる環状平面部203を残して該
挿通孔と同心円状に突設された第一環状突起部204と
該第一環状突起部と径方向外方に間隔を隔てて突設さ
れ、該第一環状突起部の外周面と円板状部の上面とで幅
広の環状凹溝205を形成する第二環状突起部206と
該円板状部の外周縁に突設され該第二環状突起部の外周
面と該円板状部の上面とで環状係合溝207を形成する
環状係合突出部208と該環状係合突出部の外周面に形
成された係合部209とを備えている。該円板状部20
2の下面には径方向に相対向して突起212が形成され
ており、該突起は後述する合成樹脂スラスト軸受100
をストラットアッセンブリAに組込み固定するさいの位
置決めの役割を果たす。該環状係合突出部208の外周
面に形成された係合部209は該環状係合突出部208
の外周上端部から外方に向けて拡がるテ−パ−面部と該
テ−パ−面部と連続し内方に向けて収束して該円板状部
202の外周円筒面に連なるテ−パ−面部とからなる。
部に挿通孔201を有する円板状部202と該円板状部
の上面に該挿通孔と連なる環状平面部203を残して該
挿通孔と同心円状に突設された第一環状突起部204と
該第一環状突起部と径方向外方に間隔を隔てて突設さ
れ、該第一環状突起部の外周面と円板状部の上面とで幅
広の環状凹溝205を形成する第二環状突起部206と
該円板状部の外周縁に突設され該第二環状突起部の外周
面と該円板状部の上面とで環状係合溝207を形成する
環状係合突出部208と該環状係合突出部の外周面に形
成された係合部209とを備えている。該円板状部20
2の下面には径方向に相対向して突起212が形成され
ており、該突起は後述する合成樹脂スラスト軸受100
をストラットアッセンブリAに組込み固定するさいの位
置決めの役割を果たす。該環状係合突出部208の外周
面に形成された係合部209は該環状係合突出部208
の外周上端部から外方に向けて拡がるテ−パ−面部と該
テ−パ−面部と連続し内方に向けて収束して該円板状部
202の外周円筒面に連なるテ−パ−面部とからなる。
【0014】合成樹脂製上部軸受ケ−ス300は、中央
部に前記挿通孔と同径の挿通孔301を有する円板状部
302と該円板状部の下面に該挿通孔と連通する内環状
垂下部303と該内環状垂下部と径方向外方に間隔を隔
てて垂下し、該内環状垂下部の外周面と円板状部の下面
とで幅広の環状凹溝304を形成する外環状垂下部30
5と該外環状垂下部305の外周面と円板状部下面とで
環状係合溝306を形成する環状係合垂下部307と該
環状係合垂下部の内周面に形成された係合フック部30
8と該円板状部302の上面外周縁に形成された環状嵌
合溝309とを備えている。該環状係合垂下部307の
内周面に形成された係合フック部308は環状係合溝3
06の外側上端から外方に向けて拡がるテ−パ−面部と
該テ−パ−面部と連続し内方に向けて収束するテ−パ−
面部と該テ−パ−面部と連続する円筒面部とからなる。
部に前記挿通孔と同径の挿通孔301を有する円板状部
302と該円板状部の下面に該挿通孔と連通する内環状
垂下部303と該内環状垂下部と径方向外方に間隔を隔
てて垂下し、該内環状垂下部の外周面と円板状部の下面
とで幅広の環状凹溝304を形成する外環状垂下部30
5と該外環状垂下部305の外周面と円板状部下面とで
環状係合溝306を形成する環状係合垂下部307と該
環状係合垂下部の内周面に形成された係合フック部30
8と該円板状部302の上面外周縁に形成された環状嵌
合溝309とを備えている。該環状係合垂下部307の
内周面に形成された係合フック部308は環状係合溝3
06の外側上端から外方に向けて拡がるテ−パ−面部と
該テ−パ−面部と連続し内方に向けて収束するテ−パ−
面部と該テ−パ−面部と連続する円筒面部とからなる。
【0015】合成樹脂製軸受体400は中央部に円孔4
01を有する円板からなり、該下部軸受ケ−ス200の
第一環状突起部204の外径より大きい内径を有し、第
二環状突起部206の内径より小さい外径を有する。該
合成樹脂製軸受体400の上、下面には該円孔401周
縁から外周面に貫通する複数個の溝402が円周方向に
等間隔に形成されている。該溝402はグリ−ス等の潤
滑剤の溜まり部となる。該軸受体400の上面に形成さ
れた溝402と下面に形成された溝402とは周方向に
位相差をもって形成されている。
01を有する円板からなり、該下部軸受ケ−ス200の
第一環状突起部204の外径より大きい内径を有し、第
二環状突起部206の内径より小さい外径を有する。該
合成樹脂製軸受体400の上、下面には該円孔401周
縁から外周面に貫通する複数個の溝402が円周方向に
等間隔に形成されている。該溝402はグリ−ス等の潤
滑剤の溜まり部となる。該軸受体400の上面に形成さ
れた溝402と下面に形成された溝402とは周方向に
位相差をもって形成されている。
【0016】シ−ルリング500は中央部に円孔501
を有する薄肉の円板状部502と該円板状部の内周縁下
方に形成された環状嵌合突出部503と該円板状部の外
周縁に形成された円弧状突出部504と該円弧状突出部
から下方に向けて漸次拡径して垂設された薄肉環状テ−
パ−部から構成されている。
を有する薄肉の円板状部502と該円板状部の内周縁下
方に形成された環状嵌合突出部503と該円板状部の外
周縁に形成された円弧状突出部504と該円弧状突出部
から下方に向けて漸次拡径して垂設された薄肉環状テ−
パ−部から構成されている。
【0017】合成樹脂製軸受体400は下面を下部軸受
ケ−ス200の環状凹溝205の底面に摺接させて該環
状凹溝に配されており、上部軸受ケ−ス300は環状凹
溝304の底面を該軸受体400の上面に摺接させ、内
環状垂下部303の端部および外環状垂下部305の端
部を該下部軸受ケ−ス200の第一環状突起部204の
端部および第二環状突起部206の端部とそれぞれの径
方向に重畳させて係合させるとともに環状係合垂下部の
係合フック部308を該下部軸受ケ−スの環状係合突出
部の外周面の係合部209に弾性装着させ、該弾性装着
部、内環状垂下部303と第一環状突起部204および
外環状垂下部305と第二環状突起部206のそれぞれ
の重畳部にラビリンス作用による密封部を形成して該下
部軸受ケ−スに組合されており、シ−ルリング500は
環状嵌合突出部503を該上部軸受ケ−スの環状嵌合溝
309に弾性装着させ、円弧状突出部504を該上部軸
受ケ−スの上面より突出させるとともに薄肉環状テ−パ
−部を該上、下部軸受ケ−スの外周面に囲繞させ該上部
軸受ケ−スに配され、合成樹脂スラスト軸受100が構
成される。
ケ−ス200の環状凹溝205の底面に摺接させて該環
状凹溝に配されており、上部軸受ケ−ス300は環状凹
溝304の底面を該軸受体400の上面に摺接させ、内
環状垂下部303の端部および外環状垂下部305の端
部を該下部軸受ケ−ス200の第一環状突起部204の
端部および第二環状突起部206の端部とそれぞれの径
方向に重畳させて係合させるとともに環状係合垂下部の
係合フック部308を該下部軸受ケ−スの環状係合突出
部の外周面の係合部209に弾性装着させ、該弾性装着
部、内環状垂下部303と第一環状突起部204および
外環状垂下部305と第二環状突起部206のそれぞれ
の重畳部にラビリンス作用による密封部を形成して該下
部軸受ケ−スに組合されており、シ−ルリング500は
環状嵌合突出部503を該上部軸受ケ−スの環状嵌合溝
309に弾性装着させ、円弧状突出部504を該上部軸
受ケ−スの上面より突出させるとともに薄肉環状テ−パ
−部を該上、下部軸受ケ−スの外周面に囲繞させ該上部
軸受ケ−スに配され、合成樹脂スラスト軸受100が構
成される。
【0018】図3は図1に示す合成樹脂スラスト軸受の
他の実施例を示すものである。この実施例からなる合成
樹脂スラスト軸受は、前述した実施例からなるスラスト
軸受にさらに内周面側にラビリンス作用による密封部を
形成したものである。図中のその他の構成は前記実施例
と同様で、同様の符号をもって示している。この実施例
では該上部軸受ケ−ス300と該下部軸受ケ−ス200
の間に形成される軸受摺動面は前記実施例で述べた係合
フック部308と係合部209との弾性装着部、内環状
垂下部303と第一環状突起部204との重畳部、外環
状垂下部305と第二環状突起部206との重畳部に加
えて、環状垂下部311と環状突起部211との重畳部
のそれぞれにラビリンス作用による密封部が形成されて
いる。
他の実施例を示すものである。この実施例からなる合成
樹脂スラスト軸受は、前述した実施例からなるスラスト
軸受にさらに内周面側にラビリンス作用による密封部を
形成したものである。図中のその他の構成は前記実施例
と同様で、同様の符号をもって示している。この実施例
では該上部軸受ケ−ス300と該下部軸受ケ−ス200
の間に形成される軸受摺動面は前記実施例で述べた係合
フック部308と係合部209との弾性装着部、内環状
垂下部303と第一環状突起部204との重畳部、外環
状垂下部305と第二環状突起部206との重畳部に加
えて、環状垂下部311と環状突起部211との重畳部
のそれぞれにラビリンス作用による密封部が形成されて
いる。
【0019】図4は上述した構成から成る合成樹脂スラ
スト軸受100をストラットアッセンブリAに組込んだ
状態を示すものである。該合成樹脂製下部軸受ケ−ス2
00の円板状部202の挿通孔201と該合成樹脂製上
部軸受ケ−ス300の内環状垂下部303の挿通孔30
1とをストラットの上部バネ座シ−ト700の平面部7
01中央に形成された挿通孔702を挿通して配された
ピストンロッド600の外周面に挿通し、該下部軸受ケ
−ス200の円板状部202下面に相対向して形成され
た突起212を該上部バネ座シ−ト700の平面部70
1に形成された孔703に嵌合させる。該下部軸受ケ−
ス200の円板状部202下面を上部バネ座シ−ト70
0の平面部701に当接させるとともに該上部軸受ケ−
ス300の上面を車体側取付部材800に当接させ、シ
−ルリング500の円弧状突出部504に作用する組付
け時の与圧による弾性変形により薄肉環状テ−パ−部の
端部を上部バネ座シ−ト700の平面部701に密接さ
せて合成樹脂スラスト軸受100を上部バネ座シ−ト7
00と車体側取付部材800との間に配置するものであ
る。シ−ルリング500の薄肉環状テ−パ−部の端部は
円弧状突出部504の弾性変形により常に上部バネ座シ
−ト700の平面部701に密接させることが可能で、
安定した摺接となる。このように合成樹脂スラスト軸受
100を組込んだストラットアッセンブリAにおいて、
ステアリング操作により車体側取付部材800と上部バ
ネ座シ−ト700との間に相対回転が生じた場合、該下
部軸受ケ−ス200と該上部軸受ケ−ス300は該合成
樹脂製軸受体400を介して該下部軸受ケ−ス200と
該合成樹脂製軸受体400の摺接面、該上部軸受ケ−ス
300と該合成樹脂製軸受体400の摺接面の何れか摩
擦係数の小さい方で相対回転し、円滑な操舵力が得られ
る。
スト軸受100をストラットアッセンブリAに組込んだ
状態を示すものである。該合成樹脂製下部軸受ケ−ス2
00の円板状部202の挿通孔201と該合成樹脂製上
部軸受ケ−ス300の内環状垂下部303の挿通孔30
1とをストラットの上部バネ座シ−ト700の平面部7
01中央に形成された挿通孔702を挿通して配された
ピストンロッド600の外周面に挿通し、該下部軸受ケ
−ス200の円板状部202下面に相対向して形成され
た突起212を該上部バネ座シ−ト700の平面部70
1に形成された孔703に嵌合させる。該下部軸受ケ−
ス200の円板状部202下面を上部バネ座シ−ト70
0の平面部701に当接させるとともに該上部軸受ケ−
ス300の上面を車体側取付部材800に当接させ、シ
−ルリング500の円弧状突出部504に作用する組付
け時の与圧による弾性変形により薄肉環状テ−パ−部の
端部を上部バネ座シ−ト700の平面部701に密接さ
せて合成樹脂スラスト軸受100を上部バネ座シ−ト7
00と車体側取付部材800との間に配置するものであ
る。シ−ルリング500の薄肉環状テ−パ−部の端部は
円弧状突出部504の弾性変形により常に上部バネ座シ
−ト700の平面部701に密接させることが可能で、
安定した摺接となる。このように合成樹脂スラスト軸受
100を組込んだストラットアッセンブリAにおいて、
ステアリング操作により車体側取付部材800と上部バ
ネ座シ−ト700との間に相対回転が生じた場合、該下
部軸受ケ−ス200と該上部軸受ケ−ス300は該合成
樹脂製軸受体400を介して該下部軸受ケ−ス200と
該合成樹脂製軸受体400の摺接面、該上部軸受ケ−ス
300と該合成樹脂製軸受体400の摺接面の何れか摩
擦係数の小さい方で相対回転し、円滑な操舵力が得られ
る。
【0020】該上部軸受ケ−ス300と該下部軸受ケ−
ス200の間に形成される軸受摺動面はシ−ルリング5
00の薄肉環状テ−パ−部と上部バネ座シ−トとの密接
部に形成された密封部と係合フック部308と係合部2
09との弾性装着部、内環状垂下部303と第一環状突
起部204との重畳部、外環状垂下部305と第二環状
突起部206との重畳部のそれぞれに形成されたラビリ
ンス作用による密封部とによって塵埃、泥水等の侵入か
ら保護される。シ−ルリングの薄肉環状テ−パ−部は上
部バネ座シ−トとの摺接において、摩擦特性の優れた熱
可塑性エラストマ−で形成されているため摺動特性の低
下をきたすことがなく、円滑なステアリング操作に影響
を与えることはない。
ス200の間に形成される軸受摺動面はシ−ルリング5
00の薄肉環状テ−パ−部と上部バネ座シ−トとの密接
部に形成された密封部と係合フック部308と係合部2
09との弾性装着部、内環状垂下部303と第一環状突
起部204との重畳部、外環状垂下部305と第二環状
突起部206との重畳部のそれぞれに形成されたラビリ
ンス作用による密封部とによって塵埃、泥水等の侵入か
ら保護される。シ−ルリングの薄肉環状テ−パ−部は上
部バネ座シ−トとの摺接において、摩擦特性の優れた熱
可塑性エラストマ−で形成されているため摺動特性の低
下をきたすことがなく、円滑なステアリング操作に影響
を与えることはない。
【0021】図5は本発明の合成樹脂スラスト軸受のさ
らに他の実施例を示すものである。シ−ルリング500
は中央部に円孔501を有する薄肉の円板状部502と
該円板状部の内周縁下方に形成された環状嵌合突出部5
03と該円板状部の外周縁に形成された円弧状突出部5
04と該円弧状突出部から下方に向けて垂設された薄肉
円筒状部とからなり、環状嵌合突出部503を該上部軸
受ケ−スの環状嵌合溝309に弾性装着させ、円弧状突
出部を該上部軸受ケ−スの上面より突出させるとともに
薄肉円筒状部を該上、下部軸受ケ−スの外周面に囲繞さ
せ該上部軸受ケ−スに配されている。
らに他の実施例を示すものである。シ−ルリング500
は中央部に円孔501を有する薄肉の円板状部502と
該円板状部の内周縁下方に形成された環状嵌合突出部5
03と該円板状部の外周縁に形成された円弧状突出部5
04と該円弧状突出部から下方に向けて垂設された薄肉
円筒状部とからなり、環状嵌合突出部503を該上部軸
受ケ−スの環状嵌合溝309に弾性装着させ、円弧状突
出部を該上部軸受ケ−スの上面より突出させるとともに
薄肉円筒状部を該上、下部軸受ケ−スの外周面に囲繞さ
せ該上部軸受ケ−スに配されている。
【0022】図6は図5に示す合成樹脂スラスト軸受の
さらに他の実施例を示すものである。この実施例からな
る合成樹脂スラスト軸受は、上述した実施例からなるス
ラスト軸受にさらに内周面側にラビリンス作用による密
封部を形成したものである。図中のその他の構成は前記
実施例と同様で、同様の符号をもって示している。この
実施例においても図3に示す実施例と同様に弾性装着
部、重畳部に加えて、環状垂下部311と環状突起部2
11との重畳部のそれぞれにラビリンス作用による密封
部が形成されている。
さらに他の実施例を示すものである。この実施例からな
る合成樹脂スラスト軸受は、上述した実施例からなるス
ラスト軸受にさらに内周面側にラビリンス作用による密
封部を形成したものである。図中のその他の構成は前記
実施例と同様で、同様の符号をもって示している。この
実施例においても図3に示す実施例と同様に弾性装着
部、重畳部に加えて、環状垂下部311と環状突起部2
11との重畳部のそれぞれにラビリンス作用による密封
部が形成されている。
【0023】図7は図5に示す合成樹脂スラスト軸受を
ストラットアッセンブリAに組込んだ状態を示すもので
ある。該下部軸受ケ−ス200の円板状部202下面を
上部バネ座シ−ト700の平面部701に当接させ、該
上部軸受ケ−ス300の上面を車体側取付部材800に
当接させ、シ−ルリング500の薄肉円筒状部の端部を
上部バネ座シ−ト700の平面部701に密接させて合
成樹脂スラスト軸受100を上部バネ座シ−ト700と
車体側取付部材800との間に配置するものである。こ
のように合成樹脂スラスト軸受100を組込んだストラ
ットアッセンブリAにおいても図4のアッセンブリと同
様に円滑な操舵力が得られる。
ストラットアッセンブリAに組込んだ状態を示すもので
ある。該下部軸受ケ−ス200の円板状部202下面を
上部バネ座シ−ト700の平面部701に当接させ、該
上部軸受ケ−ス300の上面を車体側取付部材800に
当接させ、シ−ルリング500の薄肉円筒状部の端部を
上部バネ座シ−ト700の平面部701に密接させて合
成樹脂スラスト軸受100を上部バネ座シ−ト700と
車体側取付部材800との間に配置するものである。こ
のように合成樹脂スラスト軸受100を組込んだストラ
ットアッセンブリAにおいても図4のアッセンブリと同
様に円滑な操舵力が得られる。
【0024】図8は図1に示す合成樹脂スラスト軸受の
さらに他の実施例を示す縦断面図である。この実施例は
前記合成樹脂スラスト軸受100における合成樹脂製下
部軸受ケ−ス200の円板状部202下面に形成された
相手取付部への位置決め用の突起212に代えて、該下
部軸受ケ−ス200の円板状部202下面に、円板状部
の中央挿通孔201と連通して円筒突出部212aを形
成したもので、その他の構成は前記実施例と同一の符号
をもって示している。この実施例から成る合成樹脂スラ
スト軸受100は、該円筒突出部212aを前記上部バ
ネ座シ−ト700の平面部701中央に形成された孔7
02に圧入固定される。
さらに他の実施例を示す縦断面図である。この実施例は
前記合成樹脂スラスト軸受100における合成樹脂製下
部軸受ケ−ス200の円板状部202下面に形成された
相手取付部への位置決め用の突起212に代えて、該下
部軸受ケ−ス200の円板状部202下面に、円板状部
の中央挿通孔201と連通して円筒突出部212aを形
成したもので、その他の構成は前記実施例と同一の符号
をもって示している。この実施例から成る合成樹脂スラ
スト軸受100は、該円筒突出部212aを前記上部バ
ネ座シ−ト700の平面部701中央に形成された孔7
02に圧入固定される。
【0025】前述した図3、図5、又は図6の構成から
成る合成樹脂スラスト軸受においても、該合成樹脂製下
部軸受ケ−ス200の円板状部202下面に該円板状部
の中央挿通孔201と連通する円筒突出部212aを形
成することもできる。
成る合成樹脂スラスト軸受においても、該合成樹脂製下
部軸受ケ−ス200の円板状部202下面に該円板状部
の中央挿通孔201と連通する円筒突出部212aを形
成することもできる。
【0026】
【発明の効果】合成樹脂製上、下部軸受ケ−スの弾性装
着部および内、外周側の重畳部に形成されたラビリンス
作用による密封部およびシ−ルリングの薄肉シ−ル部と
上部バネ座シ−トの上面との間に形成された密封部によ
り、特に軸受外径面からの軸受摺動面への塵埃、泥水等
異物の侵入が防止されるので軸受摺動面への異物の侵入
に起因する摩擦摩耗特性を低下させることなく円滑な操
舵力が長期間にわたって維持される。
着部および内、外周側の重畳部に形成されたラビリンス
作用による密封部およびシ−ルリングの薄肉シ−ル部と
上部バネ座シ−トの上面との間に形成された密封部によ
り、特に軸受外径面からの軸受摺動面への塵埃、泥水等
異物の侵入が防止されるので軸受摺動面への異物の侵入
に起因する摩擦摩耗特性を低下させることなく円滑な操
舵力が長期間にわたって維持される。
【図1】本発明による合成樹脂スラスト軸受の好ましい
実施例を示す縦断面図である。
実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1における合成樹脂製下部軸受ケ−スと合成
樹脂製軸受体とを示す平面図である。
樹脂製軸受体とを示す平面図である。
【図3】図1に示す合成樹脂スラスト軸受の他の実施例
を示す縦断面図である。
を示す縦断面図である。
【図4】図1に示す合成樹脂スラスト軸受をストラット
アッセンブリに組込んだ状態を示す縦断面図である。
アッセンブリに組込んだ状態を示す縦断面図である。
【図5】本発明による合成樹脂スラスト軸受の他の実施
例を示す縦断面図である。
例を示す縦断面図である。
【図6】図5に示す合成樹脂スラスト軸受の他の実施例
を示す縦断面図である。
を示す縦断面図である。
【図7】図5に示す合成樹脂スラスト軸受をストラット
アッセンブリに組込んだ状態を示す縦断面図である。
アッセンブリに組込んだ状態を示す縦断面図である。
【図8】図1に示す合成樹脂スラスト軸受のさらに他の
実施例を示す縦断面図である。
実施例を示す縦断面図である。
【図9】従来の合成樹脂スラスト軸受を示す縦断面図で
ある。
ある。
100 合成樹脂スラスト軸受 200 合成樹脂製下部軸受ケ−ス 202 円板状部 203 環状平面部 204 第一環状突起部 205 環状凹溝 206 第二環状突起部 208 環状係合突出部 209 係合部 210 環状溝 211 環状突起部 300 合成樹脂製上部軸受ケ−ス 302 円板状部 303 内環状垂下部 304 環状凹溝 305 外環状垂下部 307 環状係合垂下部 308 係合フック部 309 環状嵌合溝 310 環状溝 311 環状垂下部 400 合成樹脂製軸受体 500 シ−ルリング 502 円板状部 503 環状嵌合突出部 504 円弧状突出部 505 薄肉シ−ル部
Claims (5)
- 【請求項1】 中央部に挿通孔(201)を有する円板
状部(202)と該円板状部の上面に該挿通孔と連なる
環状平面部(203)を残して該挿通孔と同心円状に突
設された第一環状突起部(204)と該第一環状突起部
と径方向外方に間隔を隔てて突設され、該第一環状突起
部の外周面と円板状部の上面とで幅広の環状凹溝(20
5)を形成する第二環状突起部(206)と該円板状部
の外周縁に突設された環状係合突出部(208)と該環
状係合突出部の外周面に形成された係合部(209)と
を備えた合成樹脂製下部軸受ケ−ス(200)と、中央
部に前記挿通孔と同径の挿通孔(301)を有する円板
状部(302)と該円板状部の下面に該挿通孔と連通す
る内環状垂下部(303)と該内環状垂下部と径方向外
方に間隔を隔てて垂下し、該内環状垂下部の外周面と円
板状部の下面とで幅広の環状凹溝(304)を形成する
外環状垂下部(305)と該円板状部の外周面に垂下す
る環状係合垂下部(307)と該環状係合垂下部の内周
面に形成された係合フック部(308)と該円板状部の
上面外周縁に形成された環状嵌合溝(309)とを備え
た合成樹脂製上部軸受ケ−ス(300)と、中央部に円
孔(401)を有する円板からなる合成樹脂製軸受体
(400)と、中央部に円孔(501)を有する薄肉の
円板状部(502)と該円板状部の内周縁下方に形成さ
れた環状嵌合突出部(503)と該円板状部の外周縁に
形成された円弧状突出部(504)と該円弧状突出部か
ら下方に向けて垂設された薄肉シ−ル部(505)とを
備えたシ−ルリング(500)と、から成り、該軸受体
(400)は下面を前記下部軸受ケ−ス(200)の環
状凹溝(205)底面に摺接させて該環状凹溝に配され
ており、該上部軸受ケ−ス(300)は環状凹溝(30
4)の底面を該軸受体の上面に摺接させ、内環状垂下部
(303)および外環状垂下部(305)の端部をそれ
ぞれ該下部軸受ケ−スの第一環状突起部(204)およ
び第二環状突起部(206)の端部とその径方向に重畳
させて係合させるとともに環状係合垂下部(307)の
係合フック部(308)を該下部軸受ケ−スの環状係合
突出部外周面の係合部(209)に弾性装着させ、該弾
性装着部、内環状垂下部(303)と第一環状突起部
(204)および外環状垂下部(305)と第二環状突
起部(206)のそれぞれの重畳部にラビリンス作用に
よる密封部を形成して該下部軸受ケ−スに組合されてお
り、シ−ルリング(500)は環状嵌合突出部(50
3)を上部軸受ケ−スの環状嵌合溝(309)に弾性装
着させ、円弧状突出部(504)を該上部軸受ケ−スの
上面より突出させるとともに薄肉シ−ル部(505)を
該上、下部軸受ケ−スの外周面に囲繞させて該上部軸受
ケ−スに配されていることを特徴とする合成樹脂スラス
ト軸受。 - 【請求項2】 シ−ルリング(500)の薄肉シ−ル部
(505)は該円弧状突出部から下方に向けて漸次拡径
して垂設された薄肉環状テ−パ−部からなる請求項1に
記載の合成樹脂スラスト軸受。 - 【請求項3】 シ−ルリング(500)の薄肉シ−ル部
(505)は該円弧状突出部から下方に向けて垂設され
た薄肉円筒状部からなる請求項1に記載の合成樹脂スラ
スト軸受。 - 【請求項4】 該下部軸受ケ−スの幅広の環状凹溝には
第一環状突起部の外周面と該凹溝の底面とで環状溝(2
10)を画定して突出する環状突起部(211)が形成
されており、該上部軸受ケ−スの幅広の環状凹溝には内
環状垂下部の外周面と該凹溝の底面とで環状溝(31
0)を画定して垂下する環状垂下部(311)が形成さ
れており、該環状垂下部はその端部を該環状突起部の端
部にその径方向に重畳させて組合されており、該重畳部
にラビリンス作用による密封部が形成されてなる請求項
1乃至3の何れか一項に記載の合成樹脂スラスト軸受。 - 【請求項5】 該上部軸受ケ−スを車体側取付部材に当
接させ、該下部軸受ケ−スを上部バネ座シ−トに当接さ
せるとともにシ−ルリングの薄肉シ−ル部の端部を円弧
状突出部に作用する組付け時の与圧による弾性変形によ
り該上部バネ座シ−トの上面に密に摺接させて、ストラ
ットアッセンブリのストラットの上部バネ座シ−トと車
体側取付部材との間に配されてなる請求項1乃至4の何
れか一項に記載の合成樹脂スラスト軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15521594A JP3509195B2 (ja) | 1994-06-14 | 1994-06-14 | 合成樹脂スラスト軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15521594A JP3509195B2 (ja) | 1994-06-14 | 1994-06-14 | 合成樹脂スラスト軸受 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH084754A true JPH084754A (ja) | 1996-01-09 |
JP3509195B2 JP3509195B2 (ja) | 2004-03-22 |
Family
ID=15601037
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15521594A Expired - Fee Related JP3509195B2 (ja) | 1994-06-14 | 1994-06-14 | 合成樹脂スラスト軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3509195B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2382630A (en) * | 2001-11-30 | 2003-06-04 | S Di Albiero Lara & C S N C Ab | Prefabricated plastic ball bearing assembly |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5927347U (ja) * | 1982-08-16 | 1984-02-20 | オイレス工業株式会社 | ストラツトスラスト軸受 |
JPS60161737U (ja) * | 1984-04-05 | 1985-10-26 | 日産自動車株式会社 | ストラツトスラスト軸受 |
JPS60166611U (ja) * | 1984-04-16 | 1985-11-05 | オイレス工業株式会社 | ストラツトスラスト軸受 |
JPS63101326U (ja) * | 1986-12-23 | 1988-07-01 | ||
JPH02107823U (ja) * | 1989-02-14 | 1990-08-28 |
-
1994
- 1994-06-14 JP JP15521594A patent/JP3509195B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5927347U (ja) * | 1982-08-16 | 1984-02-20 | オイレス工業株式会社 | ストラツトスラスト軸受 |
JPS60161737U (ja) * | 1984-04-05 | 1985-10-26 | 日産自動車株式会社 | ストラツトスラスト軸受 |
JPS60166611U (ja) * | 1984-04-16 | 1985-11-05 | オイレス工業株式会社 | ストラツトスラスト軸受 |
JPS63101326U (ja) * | 1986-12-23 | 1988-07-01 | ||
JPH02107823U (ja) * | 1989-02-14 | 1990-08-28 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2382630A (en) * | 2001-11-30 | 2003-06-04 | S Di Albiero Lara & C S N C Ab | Prefabricated plastic ball bearing assembly |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3509195B2 (ja) | 2004-03-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5332379B2 (ja) | 合成樹脂製スラスト滑り軸受 | |
EP1365162B1 (en) | Synthetic resin sliding bearing | |
EP0656483B1 (en) | Synthetic resin bearing with a disc-shaped thrust bearing member and a radial bearing member in the form of a slotted sleeve | |
US7293918B2 (en) | Sliding bearing | |
US20080310780A1 (en) | Sliding bearing | |
JP5842402B2 (ja) | スラスト滑り軸受 | |
US9239081B2 (en) | Synthetic resin-made sliding bearing | |
JP4273699B2 (ja) | 合成樹脂製スラスト滑り軸受 | |
GB2201383A (en) | Plastics thrust bearing for Macpherson strut | |
JP3709939B2 (ja) | 合成樹脂軸受 | |
JPH082500Y2 (ja) | 合成樹脂スラスト軸受 | |
JPH026263Y2 (ja) | ||
JPH10122233A (ja) | 合成樹脂製のスラスト軸受 | |
JPH04105218U (ja) | 合成樹脂スラスト軸受 | |
JPH07269562A (ja) | 合成樹脂スラスト軸受 | |
JP4174081B2 (ja) | 合成樹脂軸受 | |
JP3509195B2 (ja) | 合成樹脂スラスト軸受 | |
JPH021532Y2 (ja) | ||
JP2600940Y2 (ja) | 合成樹脂スラスト軸受 | |
JPH07301226A (ja) | 合成樹脂スラスト軸受 | |
JP2593089Y2 (ja) | 合成樹脂スラスト軸受 | |
JP2593088Y2 (ja) | 合成樹脂スラスト軸受 | |
JPH0434254Y2 (ja) | ||
JPH0339614Y2 (ja) | ||
JPH0328183Y2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20031216 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20031222 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080109 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090109 Year of fee payment: 5 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |