JP6764835B2 - スプリングシートおよび軸受装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ショックアブソーバおよびコイルスプリングを有するサスペンションに加わる車体の荷重を支持する軸受装置に関し、特に、コイルスプリングのバネ座として機能する軸受装置のスプリングシートに関する。
自動車の前輪に用いられるストラット式サスペンション(マクファーソンストラット)は、ショックアブソーバと、ショックアブソーバを取り囲んで配されたコイルスプリングと、を備えており、ステアリング操作によってコイルスプリングがストラット式サスペンションを車体に取り付けるためのアッパーマウントに対して相対的に回動する。このため、この相対的な回動を円滑に許容しつつ、ストラット式サスペンションに加わる荷重を支持するべく、通常、アッパーマウントとコイルスプリングとの間にスラスト軸受装置が配置されている。
例えば、特許文献1には、ストラット式サスペンション用のスラスト軸受装置として、転がり軸受、滑り軸受等の軸受と、コイルスプリングのバネ座として機能する合成樹脂製のスプリングシート(カップ)と、を備えたスラスト軸受装置が開示されている。このスラスト軸受装置において、スプリングシートは、軸受の下面との接触部分を含む上面と、コイルスプリングの上端部を支持する環状の支持部を含む下面と、を有する。軸受の下面との接触部分は、放射状、円状、同心状等のリブで構成される。また、スプリングシートは、環状の支持部を形成するとともに、この支持部の内側にゴム製のバンプストッパの上端部を収容するための円筒状の収容部分を形成する環状の折り返し部をさらに有する。この折り返し部には、上面側に溜まった液体を下面側に排出する排出オリフィスが形成されている。さらに、スプリングシートは、軸受のアッパーケース(保護用のカバー)の外周スカート部と係合してラビリンスシールを形成するラグを有する。
特表2016−532064号公報
特許文献1に記載の軸受装置において、泥水、雨水等の液体がスプリングシートの下側から排出オリフィスに侵入して、スプリングシート上に載置された軸受の摺動性能に影響する可能性がある。これを防止するために、排出オリフィスの内径を小さくする対策が考えられるが、排出オリフィスの内径を小さくすると、スプリングシートの上面側に溜まった液体の排出性が低下し、やはり軸受の摺動性能に影響する可能性がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、上面側に溜まった液体の排出性を維持しつつ、下面側からの液体の侵入を防止することができるスプリングシートおよび軸受装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の合成樹脂製のスプリングシートでは、上面側に溜まった液体を下面側に排水する排水孔を、上面側に位置する上部と、下面側に位置する下部と、を備えて構成し、上部および下部を、互いの軸心をずらして連結した。
例えば、本発明のスプリングシートは、
ショックアブソーバおよびコイルスプリングを有するサスペンションの前記コイルスプリングのバネ座として機能する合成樹脂製のスプリングシートであって、
前記サスペンションを車体に取り付けるためのアッパーマウント側に位置する上面と、
前記コイルスプリング側に位置する下面と、
前記下面に形成され、前記コイルスプリングの上端部を支持する支持部と、
前記上面および前記下面を貫通し、前記上面側の液体を前記下面側に排水する排水孔と、を備え、
前記排水孔は、
前記上面側に位置する上部と、
前記下面側に位置する下部と、を有し、
前記上部および前記下部は、
互いの軸心をずらして連結されている。
また、本発明の軸受装置は、
ショックアブソーバおよびコイルスプリングを有するサスペンションに加わる荷重を支持する軸受装置であって、
前記スプリングシートと、
前記サスペンションを車体に取り付けるためのアッパーマウントと前記スプリングシートとの間に配され、前記スプリングシートの前記アッパーマウントに対する相対的な回動を許容する軸受と、を備えている。
本発明では、排水孔において、上面側に位置する上部と下面側に位置する下部とを、互いの軸心をずらして連結しているので、下面側から排水孔に侵入する水の勢いを弱めて、下面側から上面側への液体の侵入を防止することができる。したがって、本発明によれば、上面側に溜まった液体の排出性を維持しつつ、下面側からの液体の侵入を防止することができる。
図1(A)、図1(B)および図1(C)は、本発明の一実施の形態に係る軸受装置1の平面図、底面図および正面図であり、図1(D)は、図1(A)に示す軸受装置1のA−A断面図である。 図2(A)および図2(B)は、スプリングシート2の平面図および底面図であり、図2(C)および(D)は、図2(A)に示すスプリングシート2のB−B断面図およびC−C断面図である。 図3(A)、図3(B)および図3(C)は、滑り軸受3の平面図、底面図および正面図であり、図3(D)は、図3(A)に示す滑り軸受3のD−D断面拡大図である。 図4は、本発明の一実施の形態に係る軸受装置1が適用されたストラット式サスペンション4の概略断面図である。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1(A)、図1(B)および図1(C)は、本実施の形態に係る軸受装置1の平面図、底面図および正面図であり、図1(D)は、図1(A)に示す軸受装置1のA−A断面図である。
本実施の形態に係る軸受装置1は、軸回りの回転を許容しつつ、ストラット式サスペンション4(図4参照)に加わる荷重を支持するための装置であり、図示するように、スプリングシート2と、スプリングシート2上に載置された滑り軸受3と、を備えている。
図2(A)および図2(B)は、スプリングシート2の平面図および底面図であり、図2(C)および(D)は、図2(A)に示すスプリングシート2のB−B断面図およびC−C断面図である。
スプリングシート2は、ガラス入りポリアミド樹脂等の強度の高い熱可塑性樹脂で形成され、図示するように、滑り軸受3を載置する環状の載置面200を含む上面20と、ストラット式サスペンション4のコイルスプリング42(図4参照)の上端部を支持する環状の支持面210を含む下面21と、下面21に形成され、ストラット式サスペンション4のバンプストッパ43(図4参照)の上端部を収容する筒状の収容部22と、を備えている。
上面20には、載置面200の周囲に複数のリブ201が放射状に形成されており、これにより、隣接するリブ201間に肉盗み202が形成されている。なお、図2では、一部のリブ201、肉盗み202にのみ符号を付している。
上面20の中央には、滑り軸受3の後述するロワーケース31を装着するための装着孔23が、下面21を貫き、収容部22と軸心Oを一致させて形成されている。
装着孔23の内周面230には、軸心Oに沿って、溝深さd1が一定のガイド溝231と、上面20側から下面21側に向かうに従い溝深さd2が浅くなるテーパ付ガイド溝232とが、円周方向に等間隔で交互に複数形成されている。ガイド溝231およびテーパ付ガイド溝232には、滑り軸受3の後述するロワーケース31の回止め314が挿入される。これにより、ロワーケース31がスプリングシート2の載置面200に対して回転するのを防止して、ロワーケース31およびスプリングシート2が両者間の摺動によって摩耗するのを防止することができる。また、テーパ付ガイド溝232に挿入された回止め314がテーパ付ガイド溝232に対してシメシロとなることにより、ロワーケース31がスプリングシート2に固定して、スプリングシート2および滑り軸受3間のガタつきによる異音の発生を防止することができる。なお、図2では、一部のガイド溝231、テーパ付ガイド溝232にのみ符号を付している。
肉盗み202の底面203には、肉盗み202に溜まった液体を排水するための排水孔204が、収容部22の端面220を貫いて形成されている。この排水孔204は、肉盗み202の底面203側に形成された小径部205と、収容部22の端面220側に形成され、小径部205より大きな内径の大径部206と、を有する。
小径部205は、収容部22の端面220側に近づくにつれて内径が小さくなるようテーパが付けられており、大径部206は、肉盗み202の底面203側に近づくにつれて内径が小さくなるようにテーパが付けられている。そして、両者は、互いの軸心(小径部205の軸心C1、大径部206の軸心C2)がずれた状態で、互いに連結されている。
排水孔204において、肉盗み202の底面203側に位置する小径部205の内径を収容部22の端面220側に位置する大径部206の内径より小さくし、かつ小径部205の軸心C1と大径部206の軸心C2とをずらしているので、肉盗み202に溜まった液体の排水性に影響するほど、小径部205の内径を小さくしなくても、下側(収容部22の端面220側)から大径部206に侵入する水の勢いを弱めて、下側から肉盗み202への液体の侵入を防止することができる。
収容部22の内周面221には、内方に突出する突起部222が周方向に等間隔で複数形成されている。突起部222は、収容部22に収容されたバンプストッパ43を径方向内方に押圧して固定する。また、個々の突起部222に対応して、上面20には、下面21まで貫通し、軸心Oに垂直な仮想平面において突起部222を枠内に収める窓孔207が形成されている。個々の突起部222に対応して窓孔207を設けたことにより、軸心O方向に相対移動する2つの金型(上型および下型)を用いて、スライド型なしで突起部222を形成することができる。
図3(A)、図3(B)および図3(C)は、滑り軸受3の平面図、底面図および正面図であり、図3(D)は、図3(A)に示す滑り軸受3のD−D断面拡大図である。
図示するように、滑り軸受3は、環状のアッパーケース30と、ストラット式サスペンション4を構成するショックアブソーバ41のピストンロッド40が挿入されるとともに、アッパーケース30と回動自在に組み合わされる筒状のロワーケース31と、アッパーケース30とロワーケース31との間に配置された環状のセンタープレート32および金属ワッシャ33と、を備えている。
アッパーケース30は、ガラス入りポリアミド樹脂等の強度の高い熱可塑性樹脂で形成され、その上面300には、ストラット式サスペンション4を車体に取り付けるためのアッパーマウント5(図4参照)への取付面301が形成されている。また、アッパーケース30の下面302には、金属ワッシャ33を装着するための装着孔303が上面300を貫いて形成されており、下面302の装着孔303の周囲には、金属ワッシャ33の上面330と接触する環状下面304が形成されている。
ロワーケース31は、ストラット式サスペンション4を構成するショックアブソーバ41のピストンロッド40が挿入される。ロワーケース31は、必要に応じて潤滑油が含浸されたポリアセタール樹脂等の摺動特性に優れた熱可塑性樹脂で形成され、その上端面310には、センタープレート32が載置される環状上面311が形成されている。
ロワーケース31の外周面312には、滑り軸受3をスプリングシート2上に装着した場合に、スプリングシート2の上面20の載置面200と接触するフランジ部313が形成されている。また、外周面312には、滑り軸受3をスプリングシート2上に装着した場合に、スプリングシート2の装着孔23の内周面230に形成されたガイド溝231あるいはテーパ付ガイド溝232に挿入される回止め314が、円周方向に等間隔で複数形成されている。
センタープレート32は、ポリエチレン、熱可塑性ポリエステルエラストマ等の摺動特性に優れた樹脂で形成され、アッパーケース30の環状下面304とロワーケース31の環状上面311との間に配置される。これにより、アッパーケース30およびロワーケース31は、センタープレート32を介して相対的に回動する。
金属ワッシャ33は、アッパーケース30の環状下面304とセンタープレート32の上面320との間に配置され、ストラット式サスペンション4を構成するショックアブソーバ41のピストンロッド40が挿入される。金属ワッシャ33は、鋼、ステンレス等の鋼板、あるいは銅合金、チタン合金等の非鉄合金板で形成され、その上面330には、アッパーケース30の装着孔303に装着される筒状のボス部331が形成されている。
つぎに、本実施の形態に係る軸受装置1の適用例について説明する。
図4は、本実施の形態に係る軸受装置1が適用されたストラット式サスペンション4の概略断面図である。
図示するように、本実施の形態に係る軸受装置1は、例えば、ショックアブソーバ41と、ショックアブソーバ41を取り囲んで配されたコイルスプリング42と、を備えた自動車のストラット式サスペンション4に取り付けられる。この軸受装置1が取り付けられたストラット式サスペンション4は、アッパーマウント5を介して車体(不図示)に取り付けられる。
ショックアブソーバ41は、ピストンロッド40と、ピストンロッド40を取り囲むように配されたバンプストッパ43と、を備えている。
アッパーマウント5は、芯金51が埋設されたゴム等の弾性部材50で構成され、滑り軸受3のアッパーケース30の取付面301と接触するようにして、滑り軸受3を収容している。
スプリングシート2および滑り軸受3からなる軸受装置1は、アッパーマウント5とコイルスプリング42との間に配置され、ピストンロッド40が滑り軸受3に挿入された状態で、スプリングシート2の支持面210がコイルスプリング42の上端部を支持しつつ、スプリングシート2の収容部22がバンプストッパ43の上端部を収容する。
ピストンロッド40は、滑り軸受3のロワーケース31に挿入される大径部400と、大径部400に一体的に形成され、金属ワッシャ33に挿入される、大径部400より小径の小径部401と、小径部401に形成されたねじ部402と、を備えている。
ピストンロッド40の大径部400は、ロワーケース31の内周面315と、円周方向Rに回動自在に接触している。
ピストンロッド40の小径部401のねじ部402には、ナット6が螺合されている。ナット6は、ねじ部402に螺合してピストンロッド40に固定され、アッパーマウント5に対して円周方向Rに回転しないように、アッパーマウント5に収容されている。
滑り軸受3の金属ワッシャ33は、ピストンロッド40の大径部400と小径部401との間に形成される段差面403と、ねじ部402に螺合されたナット6との間に挟持されている。
滑り軸受3において、アッパーケース30は、ストラット式サスペンション4が滑り軸受3を介してアッパーマウント5に取り付けられることにより、ピストンロッド40の段差面403に固定された金属ワッシャ33によってアッパーマウント5に押し当てられる。これにより、アッパーケース30および金属ワッシャ33間の相対的な回転が阻止され、アッパーケース30は、ピストンロッド40に対して円周方向Rに回動しないようにアッパーマウント5に保持される。一方、ロワーケース31は、ロワーケース31およびスプリングシート2間の相対的な回転が阻止された状態でスプリングシート2に装着されており、スプリングシート2に従って円周方向Rに回動する。
上記構成のストラット式サスペンション4において、ステアリング操作によりコイルスプリング42が軸心O回りで円周方向Rに回転すると、コイルスプリング42を支持するスプリングシート2および滑り軸受3のロワーケース31も、コイルスプリング42とともに円周方向Rに回転する。一方、滑り軸受3の金属ワッシャ33およびアッパーケース30は、ピストンロッド40に対して円周方向Rに回動しないようにアッパーマウント5に保持されており、この結果、滑り軸受3において、金属ワッシャ33およびアッパーケース30とロワーケース31との間に、円周方向Rの相対的な回転が発生する。この相対的な回転は、ロワーケース31の環状上面311と金属ワッシャ33との間に配置されたセンタープレート32によりスムーズに行われ、これにより、ステアリング操作も抵抗なく行われる。
このように、軸受装置1は、滑り軸受3により、コイルスプリング42のアッパーマウント5に対する円周方向Rの回動を許容しつつ、スプリングシート2により、コイルスプリング42を介してストラット式サスペンション4に加わる車体の荷重を支持する。
以上、本発明の一実施の形態について説明した。
本実施の形態では、スプリングシート2の肉盗み202の底面203に、肉盗み202に溜まった液体を排水するための排水孔204を設けており、この排水孔204において、肉盗み202の底面203側に位置する小径部205の軸心C1と収容部22の端面220側に位置する大径部206の軸心C2とをずらしている。このため、肉盗み202に溜まった液体の排水性に影響するほど、小径部205の内径を小さくしなくても、下側(収容部22の端面220側)から大径部206に侵入する水の勢いを弱めて、下側から肉盗み202への液体の侵入を防止することができる。したがって、本実施の形態によれば、肉盗み202に溜まった液体の排出性を維持しつつ、下側からの液体の侵入を防止することができる。
また、本実施の形態では、排水孔204の小径部205に、収容部22の端面220側に近づくにつれて内径が小さくなるようテーパを付けるとともに、排水孔204の大径部206に、肉盗み202の底面203側に近づくにつれて内径が小さくなるようにテーパを付けている。このため、肉盗み202に溜まった液体の排出性を維持しつつ、下側からの液体の侵入をさらにより効果的に防止することができる。
また、本実施の形態では、スプリングシート2の載置面200の周囲に複数のリブ201を放射状に形成して、隣接するリブ201間に肉盗み202を設けている。これにより、スプリングシート2の強度を維持しつつ、軽量化を図ることができる。
また、本実施の形態では、スプリングシート2の収容部22の内周面221に設けられた突起部222により、収容部22に収容されたバンプストッパ43を固定するので、スプリングシート2の収容部22の内径を全周に亘りバンプストッパ43の外径に対してシメシロに設定する必要がない。このため、収容部22の内径を全周に亘りシメシロに設定した場合に比べて、バンプストッパ43の上端部をスプリングシート2の収容部22に挿入する際に要求される圧力を下げて抵抗を小さくすることができる。したがって、本実施の形態によれば、バンプストッパ43への装着作業の作業性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、スプリングシート2の上面に、個々の突起部222に対応して、下面21まで貫通し、軸心Oに垂直な仮想平面において突起部222を枠内に収める窓孔207を設けている。このため、軸心O方向に相対移動する2つの金型(上型および下型)を用いて、スライド型なしで突起部222を形成することができる。したがって、本実施の形態によれば、コストを増加させることなく、バンプストッパ43への装着作業の作業性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、スプリングシート2の装着孔23の内周面230に、軸心Oに沿って、溝深さd1が一定のガイド溝231と、上面20側から下面21側に向かうに従い溝深さd2が浅くなるテーパ付ガイド溝232とを、円周方向に等間隔で交互に複数設け、これらのガイド溝231およびテーパ付ガイド溝232に、滑り軸受3のロワーケース31の回止め314を挿入している。これにより、本実施の形態によれば、ロワーケース31がスプリングシート2の載置面200に対して回転するのを防止して、ロワーケース31およびスプリングシート2が両者間の摺動によって摩耗するのを防止することができる。また、テーパ付ガイド溝232に挿入された回止め314がテーパ付ガイド溝232に対してシメシロとなることにより、ロワーケース31をスプリングシート2に固定して、スプリングシート2および滑り軸受3間のガタつきによる異音の発生を防止することができる。
また、本実施の形態のスプリングシート2では、特許文献1に記載のスプリングシートと異なり、環状の折り返し部を設けていないので、スプリングシート2の強度低下を防止することができる。
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
例えば、上記の実施の形態では、スプリングシート2の装着孔23の内周面230に、ガイド溝231およびテーパ付ガイド溝232を、円周方向に等間隔で交互に複数形成し、これに合わせて、滑り軸受3のロワーケース31の外周面312に、回止め314を円周方向に等間隔で複数形成しているが、本発明はこれに限定されない。ガイド溝231およびテーパ付ガイド溝232は、スプリングシート2の装着孔23の内周面230に、円周方向に並んで形成されていればよく、これに合わせて、回止め314も、滑り軸受3のロワーケース31の外周面312に、円周方向に並んで複数形成されていればよい。また、テーパ付ガイド溝232は省略されていてもよい。この場合でも、ロワーケース31がスプリングシート2の載置面200に対して回転するのを防止して、ロワーケース31およびスプリングシート2が両者間の摺動によって摩耗するのを防止することができる。
また、上記の実施の形態では、排水孔204において、肉盗み202の底面203側に位置する上部(小径部205)の内径を収容部22の端面220側に位置する下部(大径部206)の内径より小さくしているが、本発明はこれに限定されない。両者の内径は同じであってもよいし、あるいは、上部の内径が下部の内径より大きくてもよい。また、排水孔204は、円孔である必要はなく、角孔等のその他の形状であってもよい。
また、上記の実施の形態では、滑り軸受のロワーケース31とスプリングシート2とを別体としているが、これらを一体的に形成してもよい。
また、上記の実施の形態では、スプリングシート2の支持面210に直接、コイルスプリング42の上端部を接触させているが、スプリングシート2の下面21あるいはスプリングシート2の下面21および収容部22の外周面を覆うゴム、エラストマ等からなる緩衝材を設け、この緩衝材を介してスプリングシート2の支持面210にコイルスプリング42の上端部を接触させてもよい。この場合、緩衝材は、スプリングシート2と一体化されていても、別個でもよい。
また、上記の実施の形態では、スプリングシート2に組み合わせる軸受として、滑り軸受3を用いた場合を例にとり説明したが、本発明はこれに限定されない。軸受は、コイルスプリング42のアッパーマウント5に対する円周方向Rの回動を許容することができればよく、例えば転がり軸受でもよい。この場合、センタープレート32に代えて複数のボール、ローラ等の転がり部材が軸部材として機能する。
また、本発明は、ストラット式サスペンションに限らず、ショックアブソーバおよびコイルスプリングを有するサスペンションに加わる荷重を支持する軸受装置に広く適用可能である。
1:軸受装置、 2:スプリングシート、 3:滑り軸受、 4:ストラット式サスペンション、 5:アッパーマウント、 6:ナット、 20:スプリングシート2の上面、 21:スプリングシート2の下面、 22:スプリングシート2の収容部、 23:スプリングシート2の装着孔、 30:アッパーケース、 31:ロワーケース、 32:センタープレート、 33:金属ワッシャ、 40:ピストンロッド、 41:ショックアブソーバ、 42:コイルスプリング、 43:バンプストッパ、 50:弾性部材、 51:芯金、 200:載置面、 201:リブ、 202:肉盗み、 203:肉盗み202の底面、 204:排水孔、 205:排水孔204の小径部、 206:排水孔204の大径部、 207:窓孔、 210:スプリングシート2の支持面、 220:収容部22の端面、 221:収容部22の内周面、 222:スプリングシート2の突起部、 230:装着孔23の内周面、 231:スプリングシート2のガイド溝、 232:スプリングシート2のテーパ付ガイド溝、 300:アッパーケース30の上面、 301:アッパーケース30の取付面、 302:アッパーケース30の下面、 303:アッパーケース30の装着孔、 304:アッパーケース30の環状下面、 310:ロワーケース31の上端面、 311:ロワーケース31の環状上面、 312:ロワーケース31の外周面、 313:ロワーケース31のフランジ部、 314:ロワーケース31の回止め、 315:ロワーケース31の内周面、 320:センタープレート32の上面、 330:金属ワッシャ33の上面、 331:金属ワッシャ33のボス部、 400:ピストンロッド40の大径部、 401:ピストンロッド40の小径部、 402:ピストンロッド40のねじ部、 403:ピストンロッド40の段差面

Claims (5)

  1. ショックアブソーバおよびコイルスプリングを有するサスペンションの前記コイルスプリングのバネ座として機能する合成樹脂製のスプリングシートであって、
    前記サスペンションを車体に取り付けるためのアッパーマウント側に位置する上面と、
    前記コイルスプリング側に位置する下面と、
    前記下面に形成され、前記コイルスプリングの上端部を支持する支持部と、
    前記上面および前記下面を貫通し、前記上面側の液体を前記下面側に排水する排水孔と、を備え、
    前記排水孔は、
    前記上面側に位置する上部と、
    前記下面側に位置する下部と、を有し、
    前記上部および前記下部は、
    互いの軸心をずらして連結されている
    ことを特徴とするスプリングシート。
  2. 請求項1に記載のスプリングシートであって、
    前記上部は、
    前記下面側に近づくにつれて開口が小さくなるようテーパが付けられており、
    前記下部は、
    前記上面側に近づくにつれて開口が小さくなるようにテーパが付けられている
    ことを特徴とするスプリングシート。
  3. 請求項1または2に記載のスプリングシートであって、
    前記上面に放射状に形成された複数のリブをさらに有する
    ことを特徴とするスプリングシート。
  4. ショックアブソーバおよびコイルスプリングを有するサスペンションに加わる荷重を支持する軸受装置であって、
    請求項1ないし3のいずれか一項に記載のスプリングシートと、
    前記サスペンションを車体に取り付けるためのアッパーマウントと前記スプリングシートとの間に配され、前記スプリングシートの前記アッパーマウントに対する相対的な回動を許容する軸受と、を備えている
    ことを特徴とする軸受装置。
  5. 請求項4に記載の軸受装置であって、
    前記軸受は、
    前記アッパーマウント側に位置するアッパーケースと、
    前記コイルスプリング側に位置するロワーケースと、
    前記アッパーケースおよび前記ロワーケース間に配されて、前記アッパーケースおよび前記ロワーケース間の相対的な回動を許容する軸受部材と、を備え、
    前記ロワーケースは、
    前記スプリングシートと一体化されている
    ことを特徴とする軸受装置。
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