JP4329318B2 - Rare earth sintered magnet and manufacturing method thereof - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、R−Fe−B系希土類磁石および当該磁石用合金粉末、ならびにその製造方法に関する。ここで、Rは希土類元素、Feは鉄、Bはホウ素であり、本明細書における「希土類」とは、周期表3A族のうち、スカンジウム(Sc)およびイットリウム(Y)にランタノイドを加えた17元素の総称を言い、希土類元素Rは、この希土類に含まれる少なくとも1種の元素である。
【0002】
【従来の技術】
希土類焼結磁石は、希土類磁石用合金(原料合金)を粉砕して形成した合金粉末をプレス成形した後、焼結工程および時効熱処理工程を経て作製される。現在、希土類焼結磁石としては、サマリウム・コバルト系磁石と希土類・鉄・ホウ素系磁石の二種類が各分野で広く用いられている。なかでも希土類・鉄・ホウ素系磁石(以下、「R−Fe−B系希土類磁石」と称する。)は、種々の永久磁石の中で最も高い磁気エネルギー積を示し、価格も比較的安いため、各種電子機器へ積極的に採用されている。R−Fe−B系希土類磁石は、R2Fe14B型結晶構造を有する化合物からなる主相と、この主相の粒界部分に位置する粒界相とを有している。なお、Feの一部は、Coなどの遷移金属元素と置換されていても良いし、Bの一部はC(炭素)によって置換されていも良い。簡単化のため、このような元素置換が部分的に行われた磁石も、本明細書では「R−Fe−B系希土類磁石」と称することにする。
【0003】
R−Fe−B系希土類磁石用の原料合金粉末は、原料合金の粗粉砕を行う第1粉砕工程と、原料合金の微粉砕を行う第2粉砕工程とを含む方法によって作製されることがある。その場合、第1粉砕工程では、水素吸蔵現象を利用し、原料合金を脆化させ、例えば数百μm以下のサイズに粗く粉砕した後、第2粉砕工程では、粗粉砕された合金(粗粉砕粉)をジェットミル装置などによって平均粒径が数μm程度のサイズに細かく粉砕する。このような粉砕方法は、特許文献1に開示されている。
【0004】
原料合金自体の作製方法には大きく分けて2種類ある。第1の方法は、原料合金の溶湯を鋳型に入れ、比較的ゆっくりと冷却するインゴット鋳造法である。第2の方法は、合金の溶湯を単ロール、双ロール、回転ディスク、または回転円筒鋳型などに接触させることにより急速に冷却し、合金溶湯からインゴット合金よりも薄い凝固合金を作製するストリップキャスト法や遠心鋳造法に代表される急冷法である。ストリップキャスト法は、例えば特許文献2に記載されている。
【0005】
このような急冷法による場合、合金溶湯の平均冷却速度は102℃/秒以上2×104℃/秒以下の範囲にある。従って、本明細書では、合金溶湯を102℃/秒以上2×104℃/秒以下の平均冷却速度で急冷して作製した合金を「急冷合金」と称することとする。ストリップキャスト法などの急冷法によって作製される急冷合金の厚さは、0.03mm以上10mm以下の範囲にある。合金溶湯は冷却ロールの接触した面(ロール接触面)から凝固し、ロール接触面から厚さ方向に結晶が柱状に成長してゆく。その結果、上記急冷合金は、短軸方向サイズが0.1μm以上100μm以下で長軸方向サイズが5μm以上500μm以下のR2Fe14B型結晶構造を有する結晶相(以下、「R2Fe14B型結晶相」と略記する場合がある)と、R2Fe14B結晶相の粒界部分に分散して存在するRリッチ相(希土類元素Rの濃度が相対的に高い相)などを含有する微細結晶組織を有するようになる。Rリッチ相は希土類元素Rの濃度が比較的に高い非磁性相であり、その厚さ(任意断面における粒界相の幅に相当する)は10μm以下である。
【0006】
急冷合金は、従来のインゴット鋳造法(金型鋳造法)によって作製された合金(インゴット合金)に比較して、相対的に短時間で冷却されているため、組織が微細化され、結晶粒径が小さい。また、結晶粒が微細に分散して粒界の面積が広く、Rリッチ相は粒界内を薄く広がっているため、Rリッチ相の分散性にも優れる。
【0007】
このような急冷合金を前述の方法で粉砕した後、粉末をプレス装置で圧縮成形し、粉末の成形体を作製する。この成形体を焼結することにより、R−Fe−B系希土類磁石を得ることができる。
【0008】
R−Fe−B系急冷合金の粉末成形体は、例えば1000〜1100℃の温度で焼結される。焼結過程は、粉末中に含まれる比較的融点の低いRリッチ相が液相に変化することで促進される。1000〜1100℃という高温領域で焼結が進行することによって焼結体が形成された後、引き続いて焼結体の冷却が行われる。このとき、焼結磁石の特性を高めるには、平均冷却速度を100℃/分以上に早めることによって、液相化していた粒界相を非晶質化することが行われている。焼結体温度を焼結温度から室温にまで低下させる際に、冷却速度を調節することや付加的な熱処理を行うことは、例えば、特許文献3〜13に記載されている。
【0009】
R−Fe−B系希土類焼結磁石の保磁力発現機構はニュークリエーション型であるため、粒界相の状態が保磁力に強く影響する。従来より、焼結直後の平均冷却速度が遅すぎると、粒界相が完全に結晶化してしまい、保磁力が低下することが知られている。すなわち、保磁力の高い焼結磁石を量産するためには、粒界相を完全に非晶質化する必要があり、焼結体を室温レベルにまで冷却する際の平均冷却速度を100℃/分以上にすることが行われている。
【0010】
特にCoを原料合金に添加した場合は、焼結後の平均冷却速度が遅いと、Nd(Fe1-xCox)2などの強磁性化合物(x=0.5〜0.7)が粒界相中に析出するため、保磁力が低下してしまうことがある。こうして生成された強磁性化合物は、900℃を超える高温熱処理を加えることによって非磁性化される場合があるが、このような高温熱処理を行えば、焼結体の粒成長が進行するため、結果的に保磁力が低下してしまうことになる。
【0011】
一方、従来より、磁石特性を改善する目的で、焼結体に対する400〜500℃程度の熱処理(時効処理)が行われている。焼結直後における焼結体の粒界には微細な凹凸が存在し、保磁力の向上を妨げているが、このような焼結体に対して400〜500℃程度の熱処理を行えば、粒界相と主相の界面がスムーズなものに変化するため、保磁力が向上する。
【0012】
【特許文献1】
特公平6−6728号公報
【特許文献2】
米国特許第5,383,978号明細書
【特許文献3】
特開昭60−77961号公報
【特許文献4】
特開昭60−182107号公報
【特許文献5】
特開昭60−184626号公報
【特許文献6】
特開昭61−87825号公報
【特許文献7】
特開昭61−81605号公報
【特許文献8】
特開昭61−252604号公報
【特許文献9】
特開昭61−264133号公報
【特許文献10】
特開平1−232704号公報
【特許文献11】
特公平2−16368号公報
【特許文献12】
特許第2720040号明細書
【特許文献13】
特許第2948223号明細書
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、急冷合金から作製した粉末の成形体を焼結した場合は、400〜500℃程度の熱処理を付加的に行っても保磁力の改善効果は十分ではなく、更に高い保磁力を達成するためには、粒界相の詳細な分析と改質が求められている。
【0014】
本発明はかかる諸点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、遷移金属の強磁性化合物が析出しやすい急冷合金を用いながら保磁力の向上した希土類焼結磁石およびその製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の希土類焼結磁石は、R2Fe14B型結晶構造を有する化合物(Rは希土類元素)からなる主相と、前記主相の粒界部分に位置する粒界相とを有する希土類焼結磁石であって、前記粒界相は、前記主相の表面を薄く覆う非晶質層部分と、前記非晶質層部分によって挟まれた領域に存在する非磁性結晶層部分とを含んでいる。
【0016】
好ましい実施形態では、任意断面において前記非磁性結晶層部分が前記粒界相中に占める面積の割合が20%以上である。
【0017】
好ましい実施形態において、前記主相の平均粒径は、1.5μm以上20μm以下である。
【0018】
好ましい実施形態において、前記非磁性結晶層部分は遷移金属元素を含んでいる。
【0019】
好ましい実施形態において、MnおよびSiの含有濃度が1質量%以下に調節されている。
【0020】
好ましい実施形態において、前記粒界相の平均厚さは、1nm以上100nm以下である。
【0021】
好ましい実施形態において、原料合金は急冷合金である。
【0022】
本発明による希土類焼結磁石の製造方法は、R2Fe14B型結晶構造を有する化合物(Rは希土類元素)からなる主相と、前記主相の粒界部分に位置する粒界相とを有する希土類焼結磁石の製造方法であって、R−Fe−B系急冷合金の粉末を用意する工程と、前記粉末を1000℃以上1100℃以下の温度T1で焼結することによって焼結体を形成する工程と、前記焼結体を温度T1から50℃/分以下の平均冷却速度で冷却することにより、前記焼結体の温度を400℃以上900℃以下の温度T2にまで低下させる工程と、前記焼結体に対する温度T2での熱処理を0.01時間以上100時間以下の間実行する工程とを含む。
【0023】
本発明による他の希土類焼結磁石の製造方法は、R2Fe14B型結晶構造を有する化合物(Rは希土類元素)からなる主相と、前記主相の粒界部分に位置する粒界相とを有する希土類焼結磁石の製造方法であって、R−Fe−B系急冷合金の粉末を用意する工程と、前記粉末を1000℃以上1100℃以下の温度T1で焼結することによって焼結体を形成する工程と、前記焼結体を温度T1から冷却することにより、前記焼結体の温度を400℃を下回る温度に低下させる工程と、前記焼結体を加熱することにより、400℃以上900℃以下の温度T2よりも高い温度T3まで前記焼結体の温度を上昇させる工程と、前記焼結体を温度T3から50℃/分以下の平均冷却速度で冷却することにより、前記焼結体の温度を温度T2にまで低下させる工程と、前記焼結体に対する温度T2での熱処理を0.01時間以上100時間以下の間実行する工程とを含む。
【0024】
本発明による更に他の希土類焼結磁石の製造方法は、R2Fe14B型結晶構造を有する化合物(Rは希土類元素)からなる主相と、前記主相の粒界部分に位置する粒界相とを有する希土類焼結磁石の製造方法であって、R2Fe14B型結晶構造を有する化合物からなる主相と、前記主相の粒界部分に位置する非晶質の粒界相とを有する焼結体を用意する工程と、前記焼結体を400℃以上900℃以下の温度T2よりも高い温度T3に加熱した後、50℃/分以下の平均冷却速度で冷却することにより、前記焼結体の温度を400℃以上900℃以下の温度T2にまで低下させ、その温度での熱処理を0.01時間以上100時間以下の間実行する工程とを含む。
【0025】
前記R−Fe−B系急冷合金の粉末を用意する工程は、原料合金の溶湯を102℃/秒以上2×104℃/秒以下の平均冷却速度で冷却することによって急冷合金を作製する工程と、前記急冷合金を粉砕する工程とを包含する。
【0026】
好ましい実施形態において、前記原料合金の溶湯は、ストリップキャスト法によって冷却される。
【0027】
好ましい実施形態において、前記急冷合金を粉砕する工程は、水素処理によって前記急冷合金を脆化する工程を含んでいる。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明者は、急冷合金粉末の成形体を焼結した後に焼結体を冷却する過程を制御すること(制御冷却)によって、従来得られなかった新規な構造を有する粒界相を形成し、それによって保磁力の向上が可能になることを見出し、本発明を想到するに至った。
【0029】
まず、図1(a)から(c)を参照しながら、本発明の基本的な特徴を説明する。
【0030】
図1(a)は、従来の焼結工程における典型的な温度プロファイルを示している。図示する例では、焼結温度T1が1080℃であり、温度T1での保持時間が6時間である。温度T1における6時間の熱処理により、粉末成形体は焼結し、焼結体が形成される。この時点での焼結体温度はT1であり、粒界部分は液相状態にある。この後、急冷によって焼結体温度はT1から急速に低下させられる。このときの平均冷却速度は通常100℃/分以上、典型的には150℃/分程度に設定され、焼結体の粒界相は非晶質化する。図2(a)は、非晶質化した粒界相を有する従来の希土類焼結磁石の組織構造を模式的に示す断面図である。
【0031】
図1(b)は、本発明で採用する焼結および制御冷却の温度プロファイルの一例を示している。本発明では、1000℃以上1100℃以下の温度T1で所定時間の焼結を行った後、温度T1から50℃/分以下(好ましくは30℃/分以下)の平均冷却速度で徐冷し、焼結体の温度を400℃以上900℃以下の温度T2に低下させる。そして、その温度T2での熱処理を所定時間行った後、室温レベルにまで冷却する。温度T2で熱処理後の平均冷却速度は、100℃/分を超える速度で急速に行ってもよい。
【0032】
図1(b)に示す例では、温度T1は1080℃、温度T2は630℃であり、温度T1から温度T2への冷却に6時間かけている。このときの平均冷却速度は1.25℃/分である。また、温度T2での熱処理は12時間実行している。
【0033】
急冷合金粉末を焼結した後、このようにゆっくりと冷却することにより、焼結体の粒界部分は、図2(b)に示すような構造を有するものとなる。すなわち、R2Fe14B型結晶構造を有する化合物(Rは希土類元素)からなる主相の表面を薄く覆う非晶質層部分(厚さ:例えば0.1nm〜10nm)と、非晶質層部分によって挟まれた領域に存在する結晶層部分(厚さ:例えば1nm〜10nm)とを含む構造(層状構造)を有する粒界相が形成される。非晶質層部分は、希土類元素を相対的に多く含む領域であり、結晶層部分は遷移金属を含む非磁性領域である。上記の非晶質層部分および結晶層部分の厚さは、結晶粒界の三重点近傍を除いた領域における厚さであり、粒界相の平均厚さは、例えば1.2nm以上30nm以下となる。三重点近傍における厚さは、それぞれ、1000nmに達する場合があり、三重点を考量すると、粒界相全体の平均厚さは、1nm以上100nm以下となる。
【0034】
焼結後に急冷を行った場合は、図2(a)に示すように、粒界相が非晶質化するとともに、例えばNdCo2などの遷移金属の強磁性化合物または強磁性元素が析出する。特に、本発明のように粉末を急冷合金から作製した場合は、遷移金属の強磁性化合物が粒界相中に析出しやすい。ストリップキャスト法などによって作製される急冷合金では、原料合金の溶湯が凝固するまでの時間が短いため、溶湯中に含まれていた遷移金属の分布が完全な平衡状態に達する前に凝固が完了してしまう。その結果、遷移金属が粒界相中に多く存在し、強磁性の化合物を形成しやすくなる。
【0035】
一方、本発明によれば、急冷合金粉末を用いて焼結体を作製しているにもかかわらず、冷却過程の温度プロファイルを適切に制御することにより、粒界相中に存在する遷移金属を粒界相中央部に位置する非磁性化合物として濃縮することができ、その結果、磁石の保磁力を向上させることができる。特に、本発明では、粒界相の全てが結晶化しておらず、主相の表面を薄い非晶質層が覆っているため、逆磁区の発生が抑えられ、従来の粒界相を備えた焼結磁石よりも高い保磁力が発現すると考えられる。
【0036】
なお、温度T1から温度T2まで焼結体を単調に冷却する変わりに、温度T1での焼結と温度T2での熱処理の間に、図1(c)に示すような再過熱処理を行ってもよい。
【0037】
図1(c)は、本発明で採用する他の焼結工程の熱処理プロファイル例を示している。この例では、焼結後、いったん400℃を下回る低い温度(典型的には室温レベル)まで焼結体温度を低下させる。このときの平均冷却速度は従来のように100℃/分を超えてもよい。次に、温度T2を超える温度T3(800℃以上1000℃以下の範囲に設定される)まで焼結体を再加熱し、所定の時間保持した後、50℃/分以下の平均冷却速度で焼結体を冷却(制御冷却)し、焼結体温度をT2に低下させ、温度T2て所定時間保持する。図1(c)の例では、温度T3は750℃であり、温度T3での保持時間は8時間、温度T2は630℃であり、温度T2での保持時間は12時間である。
【0038】
図1(c)に示す温度プロファイルのうち、再過熱処理を行う前の焼結に関する部分は、図1(a)に示す温度プロファイルと同様であるため、焼結後、400℃を下回る低い温度(典型的には室温レベル)まで焼結体温度を低下させた時点では、焼結体の粒界相の全体が非晶質化しており、従来の焼結体と同様の状態にある。図1(c)の例では、このような焼結体に対して、再加熱処理および制御冷却処理を連続的に行うことにより、粒界相の構成を、上述した構造(非晶質層部分に囲まれた領域に非磁性結晶部分が存在する構造)に変化させることができる。言い換えると、このような再加熱処理を、市場に出回っている焼結磁石に対して行うことにより、その焼結磁石の粒界相の構造を変化させ、本発明の焼結磁石を得ることが可能にある。
【0039】
800℃〜1000℃の再加熱処理を行っている間に焼結体の粒界部分は液相化し、原子が拡散する。そして、その後の徐冷過程で粒界相の中央部に非磁性の結晶部分が成長する。このとき、粒界相中に存在した遷移金属は粒界相中央部の非磁性結晶中に取り込まれるため、保磁力低下の原因となる強磁性化合物は形成されなくなる。更に、その後の温度T2での熱処理により、強磁性化合物の非磁性化が更に進行し、非磁性化合物が安定化すると考えられる。
【0040】
このような再加熱処理および制御冷却の過程で生じている現象と同様の現象が、図1(b)に示す熱処理(制御冷却過程)でも生じていると考えられる。両者の間にある相違点は、一度非晶質化した粒界相を液相化するか否かの点にある。
【0041】
なお、図2(b)に示す粒界相と主相との界面はスムーズではないが、更に、430℃以上600℃以下の範囲での公知の時効処理を行うことにより、主相と粒界相との界面の形状をスムーズにすることが可能である。図2(c)は、時効処理後における粒界相およびその近傍を模式的に示している。このような時効処理によって界面が整合すると、更に保磁力が向上することになる。
【0042】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を説明する。
【0043】
[原料合金]
まず、図3に示す単ロール式ストリップキャスター(急冷装置)を用いて、所望の組成を有するR−Fe−B系磁石用合金の原料合金を用意する。図3の急冷装置は、その内部を真空状態もしくは不活性ガス雰囲気での減圧状態にすることができる急冷室1を有しており、急冷室1の内部には、合金原料を溶解し、合金溶湯2を形成するための溶解炉3と、溶解炉3から供給される合金溶湯2を急冷・凝固させるための冷却ロール5と、溶解炉3から冷却ロール5に合金溶湯3を導くシュート(タンディッシュ)4と、凝固して冷却ロール5から剥離した薄帯状の合金7を回収するための回収容器8とが設けられている。
【0044】
溶解炉3は、合金原料を溶融することによって作製した溶湯2をシュート4に対して略一定の供給量で供給することができる。この供給量は、溶解炉3を傾ける動作を制御することなどによって、任意に調節することができる。
【0045】
冷却ロール5は、その外周面が銅などの熱伝導性の良好な材料から形成されており、例えば直径30cm〜100cmで幅が15cm〜100cmの寸法を有する。冷却ロール5の冷却はロール内部に通水することによって行なわれる。冷却ロール5は、不図示の駆動装置によって所定の回転速度で回転することができる。この回転速度を制御することによって、冷却ロール5の周速度を任意に調節することができる。この急冷装置による平均冷却速度は、冷却ロール5の回転速度などを選択することにより、例えば102℃/秒〜2×104℃/秒の範囲で制御可能である。
【0046】
シュート4の先端部は、冷却ロール5の最頂部とロールの中心とを結ぶ線に対してある程度の角度θを持った位置に配置される。シュート4上に供給された合金溶湯2は、シュート4の先端部から冷却ロール5に供給される。
【0047】
シュート4は、セラミックス等で構成され、溶解炉3から所定の流量で連続的に供給される合金溶湯2を一時的に貯湯するようにして流速を遅延し、合金溶湯2の流れを整流することができる。
【0048】
シュート4を用いることによって、冷却ロール5の胴長方向(軸線方向)において、一定幅にわたって略均一な厚さに広げた状態で、合金溶湯2を供給することができる。シュート4は上記機能に加え、冷却ロール5に達する直前の合金溶湯2の温度を調整する機能をも有する。シュート4上における合金溶湯2の温度は、液相線温度よりも100℃以上高い温度であることが望ましい。合金溶湯2の温度が低すぎると、急冷後の合金特性に悪影響を及ぼす初晶が局所的に核発生し、これが凝固後に残存してしまうことがあるからである。シュート4上での溶湯滞留温度は、溶解炉3からシュート4に注ぎ込む時点での溶湯温度やシュート3自体の熱容量などを調節によって制御することができるが、必要に応じてシュート加熱設備(不図示)を設けても良い。
【0049】
上記の急冷装置を用いて、例えばNd:33質量%、Dy:1.0質量%、Co:1.0質量%、B:1.0質量%、残部Feおよび不可避不純物(MnおよびSiは0.1質量%以下)からなる組成の合金を溶融し、合金溶湯を形成する。この合金溶湯を1350℃に保持した後、冷却ロールの表面と接触させ、合金溶湯を急冷し、厚さ約0.1〜5mmのフレーク状合金鋳塊を得た。このときの急冷条件は、ロール周速度約1〜3m/秒、平均冷却速度102〜2×104℃/秒とした。
【0050】
こうして作製した急冷合金鋳片を、次の水素粉砕前に1〜10mmの大きさのフレーク状に粉砕する。なお、ストリップキャスト法による原料合金の製造方法は、例えば米国特許第5,383,978号明細書にも開示されている。
【0051】
[第1粉砕工程]
上記のフレーク状に粗く粉砕された原料合金鋳片を複数の原料パック(例えばステンレス鋼製)に充填し、ラックに搭載する。この後、原料パックが搭載されたラックを水素炉の内部へ挿入する。次に、水素炉の蓋体を閉じて、水素脆化処理(以下、「水素粉砕処理」と称する場合がある)工程を開始する。水素粉砕処理は、例えば図4に示す温度プロファイルに従って実行する。図4の例では、まず真空引き過程Iを0.5時間実行した後、水素吸蔵過程IIを2.5時間実行する。水素吸蔵過程IIでは、炉内に水素ガスを供給し、炉内を水素雰囲気にする。そのときの水素圧力は、200〜400kPa程度が好ましい。
【0052】
続いて、0〜3Pa程度の減圧下で脱水素過程IIIを5.0時間実行した後、アルゴンガスを炉内に供給しつつ、原料合金の冷却過程IVを5.0時間実行する。
【0053】
冷却過程IVにおいて炉内の雰囲気温度が比較的に高い段階(例えば、100℃を超えるとき)では、常温の不活性ガスを水素炉の内部に供給し、冷却する。その後、原料合金温度が比較的低いレベルに低下した段階(例えば、100℃以下のとき)で、常温よりも低い温度(例えば室温マイナス10℃程度)に冷却した不活性ガスを水素炉10内部に供給することが冷却効率の観点から好ましい。アルゴンガスの供給量は、10〜100Nm3/min程度にすればよい。
【0054】
原料合金の温度が20〜25℃程度にまで低下したら、ほぼ常温(室温よりも低いが、室温との差が5℃以下の範囲の温度)の不活性ガスを水素炉内部に送風し、原料の温度が常温レベルに達するのを待つことが好ましい。こうすることによって、水素炉の蓋体を開放した際に、炉内部で結露が生じる事態を避けることができる。結露によって炉内部に水分が存在していると、真空引き工程でその水分が凍結・気化するため、真空度を上昇させにくくなり、真空引き過程Iに要する時間が長くなってしまうので好ましくない。
【0055】
水素粉砕後の粗粉砕合金粉末を水素炉から取り出す際、粗粉砕粉が大気と接触しないように、不活性雰囲気下で取り出し動作を実行することが好ましい。そうすれば、粗粉砕粉が酸化・発熱することが防止され、磁石の磁気特性が向上するからである。次に、粗粉砕された原料合金は複数の原料パックに充填され、ラックに搭載される。
【0056】
上記水素処理によって、希土類合金は例えば0.1mm〜数mm程度の大きさに粉砕され、その平均粒径は500μm以下となる。水素粉砕後、脆化した原料合金をロータリクーラなどの冷却装置によって、より細かく解砕するともに冷却することが好ましい。比較的高い温度状態のまま原料を取り出す場合は、ロータリクーラなどによる冷却処理の時間を相対的に長くすれば良い。
【0057】
水素粉砕により作製した粗粉砕粉の表面には、Nd等の希土類元素が多く露出しており、非常に酸化されやすい状態にある。次の微粉砕工程の前に、ステアリン酸亜鉛を粉砕補助剤として0.04質量%程度添加する。
【0058】
[第2粉砕工程]
次に、第1粉砕工程で作製された粗粉砕粉に対してジェットミル装置を用いて微粉砕を実行する。本実施形態では、超微粉除去に適したサイクロン分級機が粉砕機に接続されている。
【0059】
以下、図5を参照しながら、ジェットミル装置を用いて行う微粉砕工程(第2粉砕工程)を詳細に説明する。
【0060】
図示されるジェットミル装置10は、第1粉砕工程で粗く粉砕された希土類合金(被粉砕物)を供給する原料投入機12と、原料投入機12から投入された被粉砕物を粉砕する粉砕機14と、粉砕機14で被粉砕物を粉砕して得られた粉体を分級するサイクロン分級機16と、サイクロン分級機16によって分級された所定の粒度分布を有する粉末を集める回収タンク18とを備えている。
【0061】
原料投入機12は、被粉砕物を収容する原料タンク20と、原料タンク20からの被粉砕物の供給量をコントロールするモータ22と、モータ22に接続されたスパイラル状の供給機(スクリューフィーダ)24とを有している。
【0062】
粉砕機14は、縦長の略円筒状の粉砕機本体26を有しており、粉砕機本体26の下部には、不活性ガス(例えば窒素)を高速で噴出させるノズルを取り付けるための複数のノズル口28が設けられている。粉砕機本体26の側部には、粉砕機本体26内に被粉砕物を投入するための原料投入パイプ30が接続されている。
【0063】
原料投入パイプ30には、供給する被粉砕物を一旦保持し粉砕機14内部の圧力を閉じ込めるためのバルブ32が設けられており、バルブ32は、一対の上バルブ32aと下バルブ32bとを有している。供給機24と原料投入パイプ30とはフレキシブルパイプ34によって連結されている。
【0064】
粉砕機14は、粉砕機本体26の内部上方に設けられた分級ロータ36と、粉砕機本体26の外部上方に設けられモータ38と、粉砕機本体26の上方に設けられた接続パイプ40とを有している。モータ38は分級ロータ36を駆動し、接続パイプ40は分級ロータ36で分級された粉体を粉砕機14の外部に排出する。
【0065】
粉砕機14は、支持部となる複数の脚部42を備えている。粉砕機14の外周近傍には基台44が配設され、粉砕機14は、脚部42によって基台44上に載置される。本実施形態では、粉砕機14の脚部42と基台44との間には、ロードセルなどの重量検出器46が設けられる。この重量検出器46からの出力に基づいて、制御部48はモータ22の回転数を制御し、それによって被粉砕物の投入量をコントロールすることができる。
【0066】
サイクロン分級機16は、分級機本体64を有し、分級機本体64の内部には、排気パイプ66が上方から挿入されている。分級機本体64の側部には、分級ロータ36で分級された粉体を導入する導入口68が設けられ、導入口68はフレキシブルパイプ70によって接続パイプ40と接続されている。分級機本体64の下部には取出口72が設けられ、この取出口72に所望の微粉砕粉末の回収タンク18が接続されている。
【0067】
フレキシブルパイプ34および70は、樹脂もしくはゴムなどによって構成されたもの、または剛性の高い材料を蛇腹状もしくはコイル状に構成することによって柔軟性を持つように構成されたものであることが好ましい。このような柔軟性のあるパイプ34および70を用いると、原料タンク20、供給機24、分級機本体64、および回収タンク18の重量変化が粉砕機14の脚部42には伝達されない。そのため、脚部42に設けた重量検出器46によって重量を検出すれば、粉砕機14内に滞留した被粉砕物の重量やその変化量を正確に検知でき、粉砕機14内に供給する被粉砕物の量を正確に制御することができる。
【0068】
次に、上記のジェットミル装置10による粉砕方法を説明する。
【0069】
まず、被粉砕物を原料タンク20に投入する。原料タンク20内の被粉砕物は、供給機24によって粉砕機14へ供給される。このとき、モータ22の回転数を制御することによって被粉砕物の供給量を調節することができる。供給機24から供給される被粉砕物は、バルブ32において一旦堰き止められる。ここで一対の上バルブ32a、下バルブ32bは、交互に開閉動作を行っている。すなわち、上バルブ32aが開のとき、下バルブ32bは閉状態となり、上バルブ32aが閉状態のとき、下バルブ32bは開状態となる。このように一対のバルブ32a、32bを交互に開閉することによって、粉砕機14内の圧力が原料投入機12側に漏れないようにすることができる。その結果、被粉砕物は、上バルブ32aが開状態となったときに一対の上バルブ32aと下バルブ32bとの間に供給される。そして、次に下バルブ32bが開状態となったときに、原料投入パイプ30に導かれ、粉砕機14内に導入されることになる。バルブ32は制御回路48とは別のシーケンス回路(図示せず)によって高速に駆動され、被粉砕物が粉砕機14内に連続的に供給される。
【0070】
粉砕機14内に導入された被粉砕物は、ノズル口28からの不活性ガスの高速噴射によって粉砕機14内に巻き上げられ、装置内で高速気流とともに旋回する。そして、被粉砕物同士の相互衝突によって細かく粉砕される。
【0071】
このようにして微粉砕された粉末粒子は上昇気流に乗って分級ロータ36に導かれ、分級ロータ36で分級され、粗い粉体は再度粉砕されることになる。一方、所定粒径以下に粉砕された粉体は、接続パイプ40、フレキシブルパイプ70を経由して導入口68からサイクロン分級機16の分級機本体64内に導入される。分級ロータ36を用いることにより、粒度分布のピークを示す粒径よりも粒径の大きな粉末粒子を効率的に除去することができる。最終的に得られる粉末中に粒径10μmを超える粗い粉末粒子が多く存在していると、焼結磁石の保磁力が低下してしまうため、分級ロータ36を用いて粒径10μmを超える粉末粒子を低減することが好ましい。本実施形態では、最終的に得られる粉末において、粒径10μmを超える粒子の粉末全体の粒子体積の10%以下に調節している。
【0072】
分級機本体16内では、所定粒径以上の相対的な大きな粉末粒子が下部に設置された回収タンク18に堆積されるが、超微粉は不活性ガス気流とともに排気パイプ66から外部に排出される。本実施形態では、排気パイプ66を通じて超微粉を除去し、それによって回収タンク18で捕集する粉末に占める超微粉(粒径:1.0μm以下)の体積比率を低減する。好ましい実施形態において、超微粉(粒径:1.0μm以下)の体積比率は10%以下に調節される。
【0073】
このようにしてRリッチな超微粉が取り除かれると、焼結磁石中の希土類元素Rが酸素との結合に消費される量を少なくし、磁石特性を向上させることができる。
【0074】
上述のように本実施形態では、ジェットミル装置(粉砕機14)の後段に接続する分級機としてブローアップ付きのサイクロン分級機16を用いている。このようなサイクロン分級機16によれば、所定粒径以下の超微粉は回収タンク18に捕集されることなく反転上昇し、パイプ66から装置外へ排出される。
【0075】
パイプ66から装置外へ取り除く微粉の粒径は、サイクロンの各部パラメータを適切に規定し、不活性ガス流の圧力を調整することによって制御することができる。
【0076】
本実施形態によれば、平均粒径(FSSS粒径)が例えば4.0μm以下であり、しかも、粒径1.0μm以下の超微粉の体積が粉末全体の体積の10%以下である合金粉末を得ることができる。
【0077】
粉砕工程における酸化をできる限り抑制するためには、微粉砕を行う際に用いる高速気流ガス(不活性ガス)中の酸素量を、例えば1000〜20000体積ppm程度の範囲内に抑えることが好ましく、5000〜10000体積ppm程度に低く抑えることが更に好ましい。高速気流ガス中の酸素濃度を制御する微粉砕方法は、特公平6−6728号公報に記載されている。
【0078】
上述のように微粉砕時における雰囲気中に含まれる酸素の濃度を制御することによって、微粉砕後における合金粉末の酸素含有量を全体の6000質量ppm以下に調整することが好ましい。希土類合金粉末中の酸素量含有量が6000質量ppmを超えて多くなりすぎると、焼結磁石中において非磁性酸化物の占める割合が増加し、最終的な焼結磁石の磁気特性が劣化してしまうからである。
【0079】
なお、本実施形態では、Rリッチな超微粉を適切に除去しているため、微粉砕時の不活性ガス雰囲気中における酸素濃度を調節することによって、粉末の酸素濃度を6000質量ppm以下に制御することが可能であるが、もしもRリッチ超微粉の除去を実行せずに、超微粉の体積比率が全体の10%を超えてしまうと、如何に不活性ガス雰囲気中の酸素濃度を低減しても最終的に得られる粉末中の酸素濃度は6000質量ppmを超えてしまうことになる。ただし、大気雰囲気で粉末を成形する場合には、成形体の酸化・発熱を抑制するため、粉末に3500質量ppm以上の酸素を含有させることが好ましい。
【0080】
なお、本実施形態では図5に示す構成を備えたジェットミル装置10を用いて第2粉砕工程を実行したが、本発明はこれに限定されず、他の構成を備えたジェットミル装置、あるいはその他のタイプの微粉砕装置(例えばアトライタやボールミル粉砕機)を用いてもよい。また、超微粉を除去するための分級機として、サイクロン分級機以外の分級機を用いても良い。
【0081】
[潤滑剤の添加]
上記の方法で作製した原料合金の粉末に対して、脂肪酸エステルなどを主成分とする液体潤滑剤やバインダを添加する。例えばロッキングミキサーなどの装置を用い、不活性雰囲気中で潤滑剤を例えば0.15〜5.0質量%添加・混合することが好ましい。脂肪酸エステルとしては、カプロン酸メチル、カプリル酸メチル、ラウリン酸メチルなとが挙げられる。重要な点は、後の工程で潤滑剤が揮発し、除去され得ることにある。また、潤滑剤それ自体が合金粉末と均一に混合しにくい固形状のものである場合は、溶剤で希釈して用いれば良い。溶剤としては、イソパラフィンに代表される石油系溶剤やナフテン系溶剤等を用いることができる。潤滑剤添加のタイミングは任意であり、微粉砕前、微粉砕中、微粉砕後の何れであっても良い。液体潤滑剤は、粉末粒子の表面を被覆し、粒子の酸化防止効果を発揮する。また、液体潤滑剤は、プレスに際して成形体の密度を均一化して粉末粒子間の摩擦を低減し、圧縮性を改善するとともに、配向の乱れを抑制する機能をも発揮する。また、ステアリン酸亜鉛などの固体潤滑剤を用いる場合、微粉砕前に添加し、粉砕時に混合することができる。この混合は、微粉砕後にロッキングミキサーで行ってもよい。
【0082】
[プレス成形]
次に、公知のプレス装置を用い、上述の方法で作製した磁性粉末を配向磁界中で成形する。本実施形態では、磁界中での配向性を高めるため、プレス圧力を5〜100MPa、好ましくは15〜40MPaの範囲内に調節する。プレス成形が終了した後、粉末の成形体は下パンチによって押し上げられ、プレス装置の外部へ取り出される。
【0083】
次に、成形体は、例えばモリブデン材料から形成された焼結用台板に載せられて台板とともに焼結ケースへ搭載される。焼結体を搭載した焼結ケースは焼結炉内に移送され、その炉内で焼結工程を行う。
【0084】
本実施形態における焼結工程は、バッチ炉や連続炉の何れを用いて行っても良い。本発明の好ましい実施形態では、図1(b)および(c)に示すようなプロファイルで成形体(焼結体)の温度が変化するように焼結炉のヒータや冷却機構を制御する。
【0085】
なお、図1(b)および(c)に示す温度プロファイルは、本発明で採用しえる一例に過ぎない。温度T1およびT3に保持する時間は、それぞれ、0.5〜100時間および0.01〜100時間の範囲内で適宜決定される。なお、温度T2での保持時間は、前述の通り、0.01時間以上100時間以下の範囲内で設定され、好ましくは、0.5時間以上50時間以下に設定される。
【0086】
また、焼結温度T1に昇温するまでの温度プロファイルは、図1(b)および(c)に示すようなものに限定されず、焼結温度T1に達する前の温度で所定時間保持するような複数ステップの熱処理を行ってもよい。本発明にとって重要な点は、液相化された粒界相の冷却プロセスを制御することによって図2(b)に示す構造の粒界相を形成することにある。なお、焼結温度T1における保持時間を短くして主相の粒成長を抑制するため、焼結温度T1に達する前に800℃前後の温度で所定時間(例えば0.5〜6時間)だけ脱水素工程を行うことが好ましい。
【0087】
焼結のための熱処理を行うときの炉内の雰囲気は、成形体の粉末と反応しにくいガス(アルゴンガスなどの不活性ガス)が用いられる。また、雰囲気ガスの圧力は大気圧よりも低く設定されることが好ましく、例えば17Pa以下に減圧される。
【0088】
本実施形態の焼結工程の後、最終的に室温レベルまで冷却された焼結体に対しては、その後、切断加工、研磨加工、保護膜堆積などの処理が適宜実施される。
【0089】
[合金組成]
希土類元素Rとして、具体的には、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Luの少なくとも一種類の元素を用いることが好ましい。充分な磁化を得るには、希土類元素Rのうちの50原子%以上がPrまたはNdの何れかまたは両方によって占められることが好ましい。
【0090】
希土類元素Rが8原子%を下回ると、α−Fe相の析出によって保磁力が低下するおそれがある。また、希土類元素Rが18原子%を超えると、目的とする正方晶R2Fe14B型化合物以外にRリッチの第2相が多く析出し、磁化が低下するおそれがある。このため、希土類元素Rは、全体の8〜18原子%の範囲内にあることが好ましい。
【0091】
磁石特性向上のため、Feの一部をCoで置換しても良い。Coの添加は、特に急冷合金を用いる場合に粒界相における強磁性化合物の析出を招いて保磁力低下を引き起こしやすいが、本発明によれば、0.5原子%以上のCo添加をした場合でも、強磁性のCo化合物はほとんど形成されず、保磁力の向上が実現する。Feと置換する遷移金属元素として、Co以外に、Ni、V、Cr、Mn、Cu、Zr、Mb、Moなどの遷移金属元素が用いられ得る。遷移金属元素全体のうち、Feの占める割合は50原子%以上であることが好ましい。Feの割合が50原子%を下回ると、Nd2Fe14B型化合物の飽和磁化そのものが減少するからである。
【0092】
Bおよび/またはCは、正方晶Nd2Fe14B型結晶構造を安定的に析出するために必須である(特にBは必須である)。Bおよび/またはCの添加量が3原子%未満ではR2T17相が析出するため保磁力が低下し、減磁曲線の角型性が著しく損なわれる。また、Bおよび/またはCの添加量が20原子%を超えると、磁化の小さな第2相が析出してしまう。
【0093】
粉末の磁気的な異方性をより高めるためには、他の添加元素Mを付与してもよい。添加元素Mとしては、Al、Ti、V、Cr、Ni、Ga、Zr、Nb、Mo、In、Sn、Hf、Ta、Wからなる群から選択された少なくとも1種類の元素が好適に使用される。このような添加元素Mは全く添加されなくても良い。添加する場合は、添加量を3原子%以下にすることが好ましい。添加量が3原子%を超えると、強磁性ではなく第2相が析出して磁化が低下するからである。なお、磁気的に等方性の磁粉を得るには添加元素Mは不要だが、固有保磁力を高めるためにAl、Cu、Ga等を添加してもよい。
【0094】
[実施例と比較例]
本実施例では、33質量%のNd、1.0質量%のDy、1.0質量%のCo、1.0質量%のB、およびFe(残余)を含有する合金の溶湯をストリップキャスト法で冷却凝固させた。
【0095】
上記の急冷合金を、前述した粉砕方法によって粉砕し、平均粒径(FSSS粒度)2.8〜4.0μm程度の微粉砕粉を作製した。粒度分布の測定は、sympatec社製の粒度分布測定装置(品番HELOS Particle Size Analyzer)を用いて行った。この粒度分布測定装置は、高速スキャンされるレーザビームが粒子によって遮れたときに透過光量の減少が生じることを利用し、レーザビームが粒子を通過するのに要した時間から粒径を直接的に求めることができる。
【0096】
次に、これらの粉末に対して、0.3質量%のカプロン酸メチルを石油系溶剤で希釈したものを添加し、混合してから、金型プレス装置によってプレス成形することにより、横20mm×縦20mm×高さ10mmのサイズを持つ粉末成形体を作製した。ブレス圧力は約35MPaとして、成形密度は4.5g/cm3とした。プレスに際し、1軸圧縮方向に対して垂直な方向の配向磁界(1.0MA/m)を印加した。
【0097】
プレス後、アルゴン雰囲気(圧力:2Pa)中で成形体を焼結した。焼結条件は以下の通りである。
【0098】
室温から温度T1(=1080℃)の昇温速度:3℃/分)
温度T1での保持時間:6時間
温度T1から温度T2(=630℃)への冷却速度:1.25℃/分)
温度T2での保持時間:12時間
温度T2から室温の冷却速度:80℃/分)
【0099】
本実施例で得られた焼結磁石の保磁力iHcは、1232kA/m、残留磁束密度Brは1.35Tであった。
【0100】
次に、比較例として、同じ条件で作製した粉末成形体を用い、以下の熱処理条件で焼結工程を行った。
【0101】
室温から温度T1(=1080℃)の昇温速度:3℃/分)
温度T1での保持時間:6時間
温度T1から室温(=20℃)の冷却速度:80℃/分)
時効処理:温度630℃で12時間
【0102】
こうして得られた比較例の焼結磁石の保磁力は、iHcが1159kA/m、残留磁束密度Brが1.35Tであった。
【0103】
実施例と比較例とを比べると、保磁力は同等だが、実施例では保磁力が約6%向上していることがわかる。
【0104】
実施例および比較例の焼結磁石について、透過電子顕微鏡(TEM)による観察を行った。図6および図7は、それぞれ、実施例および比較例についてのTEM写真である。TEM写真に示す部位1および3は主相領域を示し、部位2は粒界を示している。図6のTEM写真からわかるように、実施例の粒界相には、主相に接する側に非晶質層部分(厚さ:0.1nm〜10nm)が存在するとともに、非晶質層部分によって挟まれた領域(粒界相の中央部)に結晶層部分(厚さ:1nm〜10nm)が存在している。これに対して、図7のTEM写真からわかるように、比較例の粒界相は全体的に非晶質である。この非晶質層部分および結晶層部分の厚さは、結晶粒界の三重点を含まない場合の値であり、三重点近傍では、それぞれ、1000nmに達する場合がある。
【0105】
本実施例のTEM写真を解析したところ、本発明による希土類焼結磁石の任意断面においては、非磁性結晶層部分が粒界相中に占める面積の割合が20%以上であり、主相の平均粒径は、1.5μm以上20μm以下であった。粒界相の平均厚さは、1nm以上100nm以下であった。
【0106】
なお、本明細書における主相の平均結晶粒径は、JIS H0501に規定される方法によって測定した値を示している。
【0107】
【発明の効果】
本発明によれば、焼結後の熱処理を最適化することにより、粒界相中に存在する遷移金属が非磁性化合物として粒界相中心部で結晶化し、その周囲に非晶質層が形成される。このような構造の粒界相は、逆磁区の発生を抑えるため、保磁力が向上した希土類磁石が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、従来技術における焼結工程の温度プロファイルを示すグラフであり、(b)は、本発明の第1の態様における焼結工程の温度プロファイルを示すグラフであり、(c)は、本発明の第2の態様における焼結工程の温度プロファイルを示すグラフである。各グラフとも、縦軸が温度、横軸が時間を示している。
【図2】(a)は、従来の希土類焼結磁石における粒界相およびその近傍を模式的に示す断面図でり、(b)は、本発明の希土類焼結磁石における粒界相およびその近傍を模式的に示す断面図であり、(c)は本発明の焼結磁石の時効処理後における粒界相およびその近傍を模式的に示す断面図ある。
【図3】本発明の実施形態に好適に用いられる単ロール式ストリップキャスターの構成を示す図である。
【図4】本発明における粗粉砕工程で実行する水素粉砕処理の温度プロファイルの一例を示すグラフである。
【図5】本発明における微粉砕工程を行うために好適に用いられるジェットミル装置の構成を示す断面図である。
【図6】本発明の実施例における焼結磁石の断面組織構造を示すTEM写真である。
【図7】比較例における焼結磁石の断面組織構造を示すTEM写真である。
【符号の説明】
1 急冷室
2 合金溶湯
3 溶解炉
4 シュート(タンディッシュ)
5 冷却ロール
7 急冷凝固合金
8 回収容器
10 ジェットミル装置
12 原料投入機
14 粉砕機
16 サイクロン分級機
18 回収タンク
20 原料タンク
22 モータ
24 供給機(スクリューフィーダ)
26 粉砕機本体
28 ノズル口
30 原料投入パイプ
32 バルブ
32a 上バルブ
32b 下バルブ
34 フレキシブルパイプ
36 分級ロータ
38 モータ
40 接続パイプ
42 脚部
44 基台
46 重量検出器
48 制御部
64 分級機本体
66 排気パイプ
68 導入口
70 フレキシブルパイプ
72 取出口[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an R-Fe-B rare earth magnet, an alloy powder for the magnet, and a method for producing the same. Here, R is a rare earth element, Fe is iron, and B is boron. In this specification, “rare earth” refers to a group obtained by adding a lanthanoid to scandium (Sc) and yttrium (Y) in the group 3A of the periodic table. This is a general term for elements, and the rare earth element R is at least one element contained in the rare earth element.
[0002]
[Prior art]
The rare earth sintered magnet is manufactured through a sintering step and an aging heat treatment step after press-molding an alloy powder formed by pulverizing a rare earth magnet alloy (raw material alloy). Currently, two types of sintered rare earth magnets are widely used in each field: samarium / cobalt magnets and rare earth / iron / boron magnets. Among them, rare earth / iron / boron magnets (hereinafter referred to as “R—Fe—B rare earth magnets”) have the highest magnetic energy product among various permanent magnets and are relatively inexpensive. Actively adopted in various electronic devices. R-Fe-B rare earth magnets are R 2 Fe 14 It has a main phase composed of a compound having a B-type crystal structure and a grain boundary phase located at the grain boundary portion of this main phase. Part of Fe may be substituted with a transition metal element such as Co, and part of B may be substituted with C (carbon). For simplification, a magnet in which such element substitution is partially performed is also referred to as an “R—Fe—B rare earth magnet” in this specification.
[0003]
The raw material alloy powder for R-Fe-B rare earth magnets may be produced by a method including a first pulverization step for coarsely pulverizing the raw material alloy and a second pulverization step for finely pulverizing the raw material alloy. . In that case, in the first pulverization step, the hydrogen storage phenomenon is used to embrittle the raw material alloy, for example, coarsely pulverized to a size of several hundred μm or less, and then in the second pulverization step, the coarsely pulverized alloy (coarse pulverization). The powder is finely pulverized to a size having an average particle diameter of about several μm by a jet mill apparatus or the like. Such a grinding method is disclosed in
[0004]
There are roughly two types of methods for producing the raw material alloy itself. The first method is an ingot casting method in which a molten raw material alloy is placed in a mold and cooled relatively slowly. The second method is a strip casting method in which a molten alloy is rapidly cooled by bringing it into contact with a single roll, a twin roll, a rotating disk, or a rotating cylindrical mold, and a solidified alloy thinner than an ingot alloy is produced from the molten alloy. And a rapid cooling method represented by centrifugal casting. The strip casting method is described in
[0005]
In the case of such a rapid cooling method, the average cooling rate of the molten alloy is 10 2 ℃ / second or more 2 × 10 Four It is in the range of ° C / second or less. Therefore, in this specification, the molten alloy is 10 2 ℃ / second or more 2 × 10 Four An alloy prepared by quenching at an average cooling rate of 0 ° C./second or less is referred to as a “quenched alloy”. The thickness of the quenched alloy produced by a quenching method such as a strip cast method is in the range of 0.03 mm to 10 mm. The molten alloy solidifies from the contact surface (roll contact surface) of the cooling roll, and crystals grow in a columnar shape from the roll contact surface in the thickness direction. As a result, the quenched alloy has a short axis size of 0.1 μm to 100 μm and a long axis size of 5 μm to 500 μm. 2 Fe 14 Crystal phase having a B-type crystal structure (hereinafter referred to as “R 2 Fe 14 May be abbreviated as “B-type crystal phase”), R 2 Fe 14 It has a fine crystal structure containing an R-rich phase (a phase in which the concentration of the rare earth element R is relatively high) present in a dispersed manner in the grain boundary portion of the B crystal phase. The R-rich phase is a nonmagnetic phase in which the concentration of the rare earth element R is relatively high, and its thickness (corresponding to the width of the grain boundary phase in an arbitrary cross section) is 10 μm or less.
[0006]
The quenched alloy is cooled in a relatively short time compared to an alloy (ingot alloy) produced by a conventional ingot casting method (die casting method). Is small. Further, since the crystal grains are finely dispersed and the area of the grain boundary is wide, and the R-rich phase spreads thinly in the grain boundary, the R-rich phase is excellent in dispersibility.
[0007]
After such a quenched alloy is pulverized by the above-described method, the powder is compression-molded by a press device to produce a powder compact. By sintering this compact, an R—Fe—B rare earth magnet can be obtained.
[0008]
The powder compact of the R—Fe—B based quenched alloy is sintered at a temperature of 1000 to 1100 ° C., for example. The sintering process is promoted by changing the R-rich phase having a relatively low melting point contained in the powder into a liquid phase. After the sintered body is formed by the sintering in a high temperature region of 1000 to 1100 ° C., the sintered body is subsequently cooled. At this time, in order to improve the characteristics of the sintered magnet, the grain boundary phase that has been in the liquid phase is made amorphous by increasing the average cooling rate to 100 ° C./min or more. For example,
[0009]
Since the coercive force expression mechanism of the R—Fe—B rare earth sintered magnet is a nucleation type, the state of the grain boundary phase strongly affects the coercive force. Conventionally, it is known that if the average cooling rate immediately after sintering is too slow, the grain boundary phase is completely crystallized and the coercive force is lowered. That is, in order to mass-produce sintered magnets with high coercive force, it is necessary to completely amorphize the grain boundary phase, and the average cooling rate when cooling the sintered body to the room temperature level is 100 ° C. / More than a minute is done.
[0010]
In particular, when Co is added to the raw material alloy, if the average cooling rate after sintering is low, Nd (Fe 1-x Co x ) 2 Since a ferromagnetic compound such as x (0.5 to 0.7) is precipitated in the grain boundary phase, the coercive force may be lowered. The ferromagnetic compound thus produced may be demagnetized by applying a high-temperature heat treatment exceeding 900 ° C. However, if such a high-temperature heat treatment is performed, the grain growth of the sintered body proceeds. As a result, the coercive force is lowered.
[0011]
On the other hand, conventionally, heat treatment (aging treatment) at about 400 to 500 ° C. has been performed on the sintered body for the purpose of improving the magnet characteristics. Fine irregularities exist in the grain boundary of the sintered body immediately after sintering, which hinders the improvement of the coercive force, but if such a sintered body is subjected to heat treatment at about 400 to 500 ° C., Since the interface between the field phase and the main phase changes to a smooth one, the coercive force is improved.
[0012]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Publication No. 6-6728
[Patent Document 2]
US Pat. No. 5,383,978
[Patent Document 3]
JP-A-60-77961
[Patent Document 4]
JP 60-182107 A
[Patent Document 5]
JP-A-60-184626
[Patent Document 6]
JP-A-61-87825
[Patent Document 7]
JP 61-81605 A
[Patent Document 8]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 61-252604
[Patent Document 9]
JP-A 61-264133
[Patent Document 10]
JP-A-1-232704
[Patent Document 11]
Japanese Patent Publication No. 2-16368
[Patent Document 12]
Japanese Patent No. 272040
[Patent Document 13]
Japanese Patent No. 2948223
[0013]
[Problems to be solved by the invention]
However, when a powder compact made from a quenched alloy is sintered, the effect of improving the coercive force is not sufficient even if a heat treatment of about 400 to 500 ° C. is additionally performed, so that a higher coercive force is achieved. Requires detailed analysis and modification of the grain boundary phase.
[0014]
The present invention has been made in view of such various points, and its main object is to provide a rare earth sintered magnet having improved coercive force while using a quenched alloy in which a ferromagnetic compound of a transition metal is likely to precipitate, and a method for producing the same. There is to do.
[0015]
[Means for Solving the Problems]
The rare earth sintered magnet of the present invention is R 2 Fe 14 A rare earth sintered magnet having a main phase composed of a compound having a B-type crystal structure (R is a rare earth element) and a grain boundary phase located at a grain boundary portion of the main phase, wherein the grain boundary phase is It includes an amorphous layer portion that covers the surface of the main phase thinly, and a nonmagnetic crystal layer portion that exists in a region sandwiched by the amorphous layer portions.
[0016]
In a preferred embodiment, the ratio of the area occupied by the nonmagnetic crystal layer portion in the grain boundary phase in an arbitrary cross section is 20% or more.
[0017]
In a preferred embodiment, the main phase has an average particle size of 1.5 μm or more and 20 μm or less.
[0018]
In a preferred embodiment, the nonmagnetic crystal layer portion contains a transition metal element.
[0019]
In a preferred embodiment, the concentration of Mn and Si is adjusted to 1% by mass or less.
[0020]
In a preferred embodiment, the average thickness of the grain boundary phase is 1 nm or more and 100 nm or less.
[0021]
In a preferred embodiment, the raw material alloy is a quenched alloy.
[0022]
The method for producing a rare earth sintered magnet according to the present invention is described as R 2 Fe 14 A method for producing a rare earth sintered magnet having a main phase composed of a compound having a B-type crystal structure (R is a rare earth element) and a grain boundary phase located at a grain boundary portion of the main phase, wherein R-Fe- A step of preparing a B-based quenched alloy powder, a step of forming a sintered body by sintering the powder at a temperature T1 of 1000 ° C. or higher and 1100 ° C. or lower; The step of lowering the temperature of the sintered body to a temperature T2 of 400 ° C. or higher and 900 ° C. or lower by cooling at an average cooling rate of less than or equal to minutes, and the heat treatment at the temperature T2 for 0.01 hours for the sintered body And a step of performing for 100 hours or less.
[0023]
Another method of manufacturing a rare earth sintered magnet according to the present invention is R 2 Fe 14 A method for producing a rare earth sintered magnet having a main phase composed of a compound having a B-type crystal structure (R is a rare earth element) and a grain boundary phase located at a grain boundary portion of the main phase, wherein R-Fe- A step of preparing a B-based quenched alloy powder, a step of forming a sintered body by sintering the powder at a temperature T1 of 1000 ° C. to 1100 ° C., and cooling the sintered body from the temperature T1. The step of lowering the temperature of the sintered body to a temperature lower than 400 ° C. and heating the sintered body to a
[0024]
Still another method of manufacturing a rare earth sintered magnet according to the present invention is R 2 Fe 14 A method for producing a rare earth sintered magnet having a main phase composed of a compound having a B-type crystal structure (R is a rare earth element) and a grain boundary phase located at a grain boundary portion of the main phase, 2 Fe 14 Preparing a sintered body having a main phase composed of a compound having a B-type crystal structure and an amorphous grain boundary phase located at a grain boundary portion of the main phase; and After heating to a temperature T3 higher than a temperature T2 of 900 ° C. or lower, and cooling at an average cooling rate of 50 ° C./min or lower, the temperature of the sintered body is reduced to a temperature T2 of 400 ° C. or higher and 900 ° C. or lower. And performing the heat treatment at that temperature for 0.01 hour or more and 100 hours or less.
[0025]
The step of preparing the R-Fe-B quenching alloy powder is performed by using a molten
[0026]
In a preferred embodiment, the molten material alloy is cooled by a strip casting method.
[0027]
In a preferred embodiment, the step of crushing the quenched alloy includes a step of embrittlement of the quenched alloy by hydrogen treatment.
[0028]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present inventor forms a grain boundary phase having a novel structure that has not been conventionally obtained by controlling the process of cooling the sintered body after sintering the compact of the quenched alloy powder (controlled cooling), As a result, it has been found that the coercive force can be improved, and the present invention has been conceived.
[0029]
First, basic features of the present invention will be described with reference to FIGS.
[0030]
FIG. 1 (a) shows a typical temperature profile in a conventional sintering process. In the illustrated example, the sintering temperature T1 is 1080 ° C., and the holding time at the temperature T1 is 6 hours. By the heat treatment for 6 hours at temperature T1, the powder compact is sintered and a sintered body is formed. The sintered body temperature at this time is T1, and the grain boundary part is in a liquid phase. Thereafter, the sintered body temperature is rapidly lowered from T1 by rapid cooling. The average cooling rate at this time is usually set to 100 ° C./min or more, typically about 150 ° C./min, and the grain boundary phase of the sintered body becomes amorphous. FIG. 2A is a cross-sectional view schematically showing a structure of a conventional rare earth sintered magnet having an amorphized grain boundary phase.
[0031]
FIG. 1 (b) shows an example of a temperature profile for sintering and controlled cooling employed in the present invention. In the present invention, after sintering for a predetermined time at a temperature T1 of 1000 ° C. or more and 1100 ° C. or less, it is gradually cooled from the temperature T1 at an average cooling rate of 50 ° C./min or less (preferably 30 ° C./min or less), The temperature of the sintered body is lowered to a temperature T2 of 400 ° C. or higher and 900 ° C. or lower. And after performing the heat processing at the temperature T2 for a predetermined time, it cools to room temperature level. The average cooling rate after the heat treatment at the temperature T2 may be rapidly performed at a rate exceeding 100 ° C./min.
[0032]
In the example shown in FIG. 1B, the temperature T1 is 1080 ° C., the temperature T2 is 630 ° C., and the cooling from the temperature T1 to the temperature T2 takes 6 hours. The average cooling rate at this time is 1.25 ° C./min. The heat treatment at temperature T2 is performed for 12 hours.
[0033]
After the rapidly cooled alloy powder is sintered, the grain boundary portion of the sintered body has a structure as shown in FIG. That is, R 2 Fe 14 An amorphous layer portion (thickness: for example, 0.1 nm to 10 nm) that thinly covers the surface of the main phase made of a compound having a B-type crystal structure (R is a rare earth element), and a region sandwiched between the amorphous layer portions A grain boundary phase having a structure (layered structure) including a crystal layer portion (thickness: for example, 1 nm to 10 nm) existing in the film is formed. The amorphous layer portion is a region containing a relatively large amount of rare earth elements, and the crystalline layer portion is a nonmagnetic region containing a transition metal. The thickness of the amorphous layer portion and the crystal layer portion is a thickness in a region excluding the vicinity of the triple point of the crystal grain boundary, and the average thickness of the grain boundary phase is, for example, 1.2 nm or more and 30 nm or less. Become. The thickness in the vicinity of the triple point may reach 1000 nm. When the triple point is considered, the average thickness of the entire grain boundary phase is 1 nm or more and 100 nm or less.
[0034]
When quenching is performed after sintering, as shown in FIG. 2A, the grain boundary phase becomes amorphous and, for example, NdCo 2 A transition metal ferromagnetic compound or a ferromagnetic element is deposited. In particular, when the powder is made of a quenched alloy as in the present invention, the transition metal ferromagnetic compound is likely to precipitate in the grain boundary phase. In the case of a quenched alloy manufactured by the strip casting method, etc., the time required for the molten alloy alloy to solidify is short, so solidification is completed before the transition metal distribution contained in the molten alloy reaches a complete equilibrium state. End up. As a result, a large amount of transition metal is present in the grain boundary phase, and a ferromagnetic compound is easily formed.
[0035]
On the other hand, according to the present invention, the transition metal present in the grain boundary phase is controlled by appropriately controlling the temperature profile of the cooling process, despite the fact that the sintered body is produced using the quenched alloy powder. It can concentrate as a nonmagnetic compound located in the center part of a grain boundary phase, and as a result, the coercive force of a magnet can be improved. In particular, in the present invention, since all of the grain boundary phase is not crystallized and the surface of the main phase is covered with a thin amorphous layer, the occurrence of reverse magnetic domains is suppressed, and the conventional grain boundary phase is provided. It is thought that coercive force higher than that of a sintered magnet is developed.
[0036]
In addition, instead of monotonously cooling the sintered body from the temperature T1 to the temperature T2, a resuperheat treatment as shown in FIG. 1C is performed between the sintering at the temperature T1 and the heat treatment at the temperature T2. Also good.
[0037]
FIG.1 (c) has shown the example of the heat processing profile of the other sintering process employ | adopted by this invention. In this example, the sintered body temperature is lowered to a low temperature (typically a room temperature level) once lower than 400 ° C. after sintering. The average cooling rate at this time may exceed 100 ° C./min as in the prior art. Next, the sintered body is reheated to a temperature T3 exceeding the temperature T2 (set in a range of 800 ° C. or higher and 1000 ° C. or lower), held for a predetermined time, and then sintered at an average cooling rate of 50 ° C./min or lower. The bonded body is cooled (controlled cooling), the sintered body temperature is lowered to T2, and the temperature T2 is maintained for a predetermined time. In the example of FIG. 1C, the temperature T3 is 750 ° C., the holding time at the temperature T3 is 8 hours, the temperature T2 is 630 ° C., and the holding time at the temperature T2 is 12 hours.
[0038]
Of the temperature profile shown in FIG. 1 (c), the portion related to sintering before performing re-superheat treatment is the same as the temperature profile shown in FIG. 1 (a), so a low temperature below 400 ° C. after sintering. When the temperature of the sintered body is lowered to (typically the room temperature level), the entire grain boundary phase of the sintered body is amorphized, and is in the same state as a conventional sintered body. In the example of FIG. 1 (c), the structure of the grain boundary phase is changed to the above-described structure (amorphous layer portion) by continuously performing reheating treatment and controlled cooling treatment on such a sintered body. In a region surrounded by a non-magnetic crystal portion). In other words, it is possible to obtain the sintered magnet of the present invention by changing the structure of the grain boundary phase of the sintered magnet by performing such reheating treatment on the sintered magnet on the market. Is possible.
[0039]
During the reheating treatment at 800 ° C. to 1000 ° C., the grain boundary portion of the sintered body becomes a liquid phase and atoms diffuse. In the subsequent slow cooling process, a non-magnetic crystal part grows in the center of the grain boundary phase. At this time, since the transition metal present in the grain boundary phase is taken into the nonmagnetic crystal at the center of the grain boundary phase, a ferromagnetic compound that causes a reduction in coercive force is not formed. Further, it is considered that the nonmagnetic property of the ferromagnetic compound further proceeds and the nonmagnetic compound is stabilized by the subsequent heat treatment at the temperature T2.
[0040]
It is considered that a phenomenon similar to the phenomenon occurring in the process of such reheating treatment and control cooling occurs also in the heat treatment (control cooling process) shown in FIG. The difference between the two lies in whether or not the grain boundary phase once amorphized is converted into a liquid phase.
[0041]
Note that the interface between the grain boundary phase and the main phase shown in FIG. 2B is not smooth, but further, by performing a known aging treatment in the range of 430 ° C. to 600 ° C., the main phase and the grain boundary The shape of the interface with the phase can be made smooth. FIG. 2 (c) schematically shows the grain boundary phase and its vicinity after the aging treatment. When the interface is matched by such an aging treatment, the coercive force is further improved.
[0042]
Hereinafter, preferred embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0043]
[Raw material alloy]
First, using a single roll strip caster (quenching device) shown in FIG. 3, a raw material alloy of an R—Fe—B magnet alloy having a desired composition is prepared. The quenching device of FIG. 3 has a quenching
[0044]
The
[0045]
The outer peripheral surface of the
[0046]
The tip of the
[0047]
The
[0048]
By using the
[0049]
Using the above quenching apparatus, for example, Nd: 33% by mass, Dy: 1.0% by mass, Co: 1.0% by mass, B: 1.0% by mass, the balance Fe and inevitable impurities (Mn and Si are 0 .1% by mass or less) is melted to form a molten alloy. After this molten alloy was kept at 1350 ° C., it was brought into contact with the surface of a cooling roll, and the molten alloy was quenched to obtain a flaky alloy ingot having a thickness of about 0.1 to 5 mm. The rapid cooling conditions at this time are a roll peripheral speed of about 1 to 3 m / sec and an average cooling speed of 10 2 ~ 2x10 Four C./second.
[0050]
The quenched alloy slab thus produced is pulverized into flakes having a size of 1 to 10 mm before the next hydrogen pulverization. In addition, the manufacturing method of the raw material alloy by the strip casting method is also disclosed in, for example, US Pat. No. 5,383,978.
[0051]
[First grinding step]
The raw material alloy slabs roughly crushed into flakes are filled into a plurality of raw material packs (for example, made of stainless steel) and mounted on a rack. Thereafter, the rack on which the raw material pack is mounted is inserted into the hydrogen furnace. Next, the lid of the hydrogen furnace is closed, and a hydrogen embrittlement process (hereinafter sometimes referred to as “hydrogen pulverization process”) is started. The hydrogen crushing process is executed according to a temperature profile shown in FIG. 4, for example. In the example of FIG. 4, first, the vacuuming process I is performed for 0.5 hours, and then the hydrogen storage process II is performed for 2.5 hours. In the hydrogen storage process II, hydrogen gas is supplied into the furnace and the furnace is filled with a hydrogen atmosphere. The hydrogen pressure at that time is preferably about 200 to 400 kPa.
[0052]
Subsequently, after the dehydrogenation process III is performed for 5.0 hours under a reduced pressure of about 0 to 3 Pa, the raw material alloy cooling process IV is performed for 5.0 hours while supplying argon gas into the furnace.
[0053]
In the cooling process IV, when the atmospheric temperature in the furnace is relatively high (for example, when the temperature exceeds 100 ° C.), normal temperature inert gas is supplied into the hydrogen furnace and cooled. Thereafter, when the raw material alloy temperature is lowered to a relatively low level (for example, when the temperature is 100 ° C. or lower), the inert gas cooled to a temperature lower than normal temperature (for example, about room temperature minus 10 ° C.) is introduced into the
[0054]
When the temperature of the raw material alloy is lowered to about 20 to 25 ° C., an inert gas at a substantially normal temperature (a temperature lower than room temperature, but a temperature within a range of 5 ° C. or less) is blown into the hydrogen furnace, It is preferable to wait until the temperature reaches the normal temperature level. By doing so, it is possible to avoid a situation in which condensation occurs inside the furnace when the lid of the hydrogen furnace is opened. If moisture is present inside the furnace due to condensation, the moisture is frozen and vaporized in the evacuation process, which makes it difficult to increase the degree of vacuum and the time required for the evacuation process I is not preferable.
[0055]
When the coarsely pulverized alloy powder after hydrogen pulverization is taken out from the hydrogen furnace, it is preferable to perform the take-out operation in an inert atmosphere so that the coarsely pulverized powder does not come into contact with the atmosphere. This is because the coarsely pulverized powder is prevented from oxidizing and generating heat, and the magnetic properties of the magnet are improved. Next, the coarsely pulverized raw material alloy is filled into a plurality of raw material packs and mounted on a rack.
[0056]
By the hydrogen treatment, the rare earth alloy is pulverized to a size of about 0.1 mm to several mm, for example, and the average particle size becomes 500 μm or less. After the hydrogen pulverization, it is preferable that the embrittled raw material alloy is further crushed and cooled by a cooling device such as a rotary cooler. When the raw material is taken out in a relatively high temperature state, the time for the cooling process by a rotary cooler or the like may be made relatively long.
[0057]
A large amount of rare earth elements such as Nd are exposed on the surface of the coarsely pulverized powder produced by hydrogen pulverization, and it is very easily oxidized. Before the next pulverization step, zinc stearate is added as a pulverization aid in an amount of about 0.04% by mass.
[0058]
[Second grinding step]
Next, the coarsely pulverized powder produced in the first pulverization step is finely pulverized using a jet mill device. In the present embodiment, a cyclone classifier suitable for removing ultrafine powder is connected to the pulverizer.
[0059]
Hereinafter, the fine pulverization step (second pulverization step) performed using the jet mill apparatus will be described in detail with reference to FIG.
[0060]
The illustrated
[0061]
The raw
[0062]
The pulverizer 14 has a vertically long and substantially
[0063]
The raw
[0064]
The pulverizer 14 includes a
[0065]
The pulverizer 14 includes a plurality of
[0066]
The
[0067]
The
[0068]
Next, a grinding method using the
[0069]
First, the material to be crushed is charged into the
[0070]
The object to be crushed introduced into the pulverizer 14 is wound up into the pulverizer 14 by high-speed injection of an inert gas from the
[0071]
The finely pulverized powder particles are guided to the classifying
[0072]
In the
[0073]
When the R-rich ultrafine powder is removed in this way, the amount of the rare earth element R in the sintered magnet consumed for bonding with oxygen can be reduced, and the magnet characteristics can be improved.
[0074]
As described above, in the present embodiment, the
[0075]
The particle size of the fine powder removed from the
[0076]
According to this embodiment, the alloy powder has an average particle size (FSSS particle size) of, for example, 4.0 μm or less, and the volume of ultrafine powder having a particle size of 1.0 μm or less is 10% or less of the total powder volume. Can be obtained.
[0077]
In order to suppress oxidation in the pulverization process as much as possible, it is preferable to suppress the amount of oxygen in the high-speed gas stream (inert gas) used when pulverizing to within a range of, for example, about 1000 to 20000 volume ppm, It is more preferable to keep it low to about 5000 to 10000 volume ppm. A fine pulverization method for controlling the oxygen concentration in the high-speed gas stream is described in Japanese Patent Publication No. 6-6728.
[0078]
As described above, it is preferable to adjust the oxygen content of the alloy powder after pulverization to 6000 mass ppm or less as a whole by controlling the concentration of oxygen contained in the atmosphere during pulverization. If the oxygen content in the rare earth alloy powder exceeds 6000 ppm by mass, the proportion of non-magnetic oxide in the sintered magnet increases and the magnetic properties of the final sintered magnet deteriorate. Because it ends up.
[0079]
In the present embodiment, since the R-rich ultrafine powder is appropriately removed, the oxygen concentration of the powder is controlled to 6000 mass ppm or less by adjusting the oxygen concentration in the inert gas atmosphere at the time of fine pulverization. It is possible to reduce the oxygen concentration in the inert gas atmosphere if the volume ratio of the ultrafine powder exceeds 10% of the total without removing the R-rich ultrafine powder. However, the oxygen concentration in the finally obtained powder exceeds 6000 mass ppm. However, when the powder is molded in an air atmosphere, it is preferable to contain 3500 mass ppm or more of oxygen in the powder in order to suppress oxidation and heat generation of the molded body.
[0080]
In the present embodiment, the second pulverization step is performed using the
[0081]
[Addition of lubricant]
A liquid lubricant or binder mainly composed of a fatty acid ester or the like is added to the raw material alloy powder produced by the above method. For example, it is preferable to add and mix, for example, 0.15 to 5.0% by mass of a lubricant in an inert atmosphere using an apparatus such as a rocking mixer. Examples of fatty acid esters include methyl caproate, methyl caprylate, and methyl laurate. The important point is that the lubricant can be volatilized and removed in a later step. In addition, when the lubricant itself is a solid that is difficult to be uniformly mixed with the alloy powder, the lubricant may be diluted with a solvent. As the solvent, a petroleum solvent typified by isoparaffin, a naphthene solvent, or the like can be used. The timing of addition of the lubricant is arbitrary, and may be any of before pulverization, during pulverization, and after pulverization. The liquid lubricant coats the surface of the powder particles and exhibits an antioxidant effect on the particles. The liquid lubricant also has a function of making the density of the molded body uniform during pressing, reducing friction between powder particles, improving compressibility, and suppressing the disorder of orientation. When a solid lubricant such as zinc stearate is used, it can be added before pulverization and mixed during pulverization. This mixing may be performed with a rocking mixer after pulverization.
[0082]
[Press molding]
Next, the magnetic powder produced by the above-described method is molded in an orientation magnetic field using a known press machine. In the present embodiment, the press pressure is adjusted in the range of 5 to 100 MPa, preferably 15 to 40 MPa, in order to increase the orientation in the magnetic field. After the press molding is completed, the powder compact is pushed up by the lower punch and taken out of the press apparatus.
[0083]
Next, the molded body is placed on a sintering base plate made of, for example, a molybdenum material and mounted on the sintering case together with the base plate. The sintered case carrying the sintered body is transferred into a sintering furnace and a sintering process is performed in the furnace.
[0084]
The sintering process in this embodiment may be performed using either a batch furnace or a continuous furnace. In a preferred embodiment of the present invention, the heater and cooling mechanism of the sintering furnace are controlled so that the temperature of the molded body (sintered body) changes with a profile as shown in FIGS.
[0085]
The temperature profiles shown in FIGS. 1B and 1C are merely examples that can be adopted in the present invention. The time for maintaining the temperatures T1 and T3 is appropriately determined within the range of 0.5 to 100 hours and 0.01 to 100 hours, respectively. As described above, the holding time at the temperature T2 is set within the range of 0.01 hours to 100 hours, and preferably 0.5 hours to 50 hours.
[0086]
Further, the temperature profile until the temperature is raised to the sintering temperature T1 is not limited to that shown in FIGS. 1B and 1C, and the temperature profile is maintained for a predetermined time at the temperature before reaching the sintering temperature T1. A plurality of steps of heat treatment may be performed. The important point for the present invention is to form the grain boundary phase having the structure shown in FIG. 2B by controlling the cooling process of the liquid phase grain boundary phase. In order to suppress the grain growth of the main phase by shortening the holding time at the sintering temperature T1, dehydration is performed at a temperature around 800 ° C. for a predetermined time (for example, 0.5 to 6 hours) before reaching the sintering temperature T1. It is preferable to perform an elementary process.
[0087]
As the atmosphere in the furnace when performing the heat treatment for sintering, a gas (inert gas such as argon gas) that does not easily react with the powder of the compact is used. Further, the pressure of the atmospheric gas is preferably set lower than the atmospheric pressure, and is reduced to, for example, 17 Pa or less.
[0088]
After the sintering process of the present embodiment, the sintered body finally cooled to the room temperature level is appropriately subjected to processing such as cutting, polishing, and protective film deposition.
[0089]
[Alloy composition]
Specifically, as the rare earth element R, it is preferable to use at least one element of Pr, Nd, Sm, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, and Lu. In order to obtain sufficient magnetization, 50 atomic% or more of the rare earth element R is preferably occupied by either or both of Pr and Nd.
[0090]
If the rare earth element R is less than 8 atomic%, the coercive force may decrease due to precipitation of the α-Fe phase. When the rare earth element R exceeds 18 atomic%, the desired tetragonal R 2 Fe 14 In addition to the B-type compound, a large amount of the R-rich second phase may be precipitated and the magnetization may be reduced. For this reason, it is preferable that the rare earth element R exists in the range of 8-18 atomic% of the whole.
[0091]
In order to improve the magnet characteristics, a part of Fe may be replaced with Co. Co addition is likely to cause the precipitation of ferromagnetic compounds in the grain boundary phase, particularly when a quenched alloy is used, leading to a decrease in coercive force. However, according to the present invention, when 0.5 atomic% or more of Co is added However, almost no ferromagnetic Co compound is formed, and the coercive force is improved. In addition to Co, transition metal elements such as Ni, V, Cr, Mn, Cu, Zr, Mb, and Mo can be used as the transition metal element that replaces Fe. The proportion of Fe in the entire transition metal element is preferably 50 atomic% or more. When the proportion of Fe falls below 50 atomic%, Nd 2 Fe 14 This is because the saturation magnetization itself of the B-type compound is reduced.
[0092]
B and / or C is tetragonal Nd 2 Fe 14 It is essential for stably depositing the B-type crystal structure (particularly B is essential). When the addition amount of B and / or C is less than 3 atomic%, R 2 T 17 Since the phase precipitates, the coercive force decreases, and the squareness of the demagnetization curve is significantly impaired. On the other hand, when the addition amount of B and / or C exceeds 20 atomic%, a second phase with small magnetization is precipitated.
[0093]
In order to further increase the magnetic anisotropy of the powder, another additive element M may be added. As the additive element M, at least one element selected from the group consisting of Al, Ti, V, Cr, Ni, Ga, Zr, Nb, Mo, In, Sn, Hf, Ta, and W is preferably used. The Such an additive element M may not be added at all. When adding, it is preferable to make addition amount into 3 atomic% or less. This is because if the added amount exceeds 3 atomic%, the second phase precipitates, not ferromagnetism, and the magnetization decreases. In order to obtain magnetically isotropic magnetic powder, the additive element M is not necessary, but Al, Cu, Ga, or the like may be added to increase the intrinsic coercive force.
[0094]
[Examples and Comparative Examples]
In this example, an alloy melt containing 33 mass% Nd, 1.0 mass% Dy, 1.0 mass% Co, 1.0 mass% B, and Fe (residue) is strip cast. And solidified by cooling.
[0095]
The quenched alloy was pulverized by the pulverization method described above to produce finely pulverized powder having an average particle size (FSSS particle size) of about 2.8 to 4.0 μm. The particle size distribution was measured by using a particle size distribution measuring apparatus (product number HELOS Particle Size Analyzer) manufactured by Sympatec. This particle size distribution measuring device uses the fact that the amount of transmitted light is reduced when a laser beam scanned at high speed is blocked by particles, and directly calculates the particle size from the time required for the laser beam to pass through the particles. Can be requested.
[0096]
Next, 0.3% by mass of methyl caproate diluted with a petroleum solvent was added to these powders, mixed, and then press-molded with a mold press machine to obtain a width of 20 mm × A powder compact having a size of 20 mm in length and 10 mm in height was produced. The breath pressure is about 35 MPa and the molding density is 4.5 g / cm. Three It was. During pressing, an orientation magnetic field (1.0 MA / m) in a direction perpendicular to the uniaxial compression direction was applied.
[0097]
After pressing, the compact was sintered in an argon atmosphere (pressure: 2 Pa). The sintering conditions are as follows.
[0098]
Temperature increase rate from room temperature to T1 (= 1080 ° C .: 3 ° C./min)
Holding time at temperature T1: 6 hours
(Cooling rate from temperature T1 to temperature T2 (= 630 ° C.): 1.25 ° C./min)
Holding time at temperature T2: 12 hours
(Cooling rate from temperature T2 to room temperature: 80 ° C./min)
[0099]
The coercive force iHc of the sintered magnet obtained in this example was 1232 kA / m, and the residual magnetic flux density Br was 1.35T.
[0100]
Next, as a comparative example, a sintering process was performed under the following heat treatment conditions using a powder compact produced under the same conditions.
[0101]
Temperature increase rate from room temperature to T1 (= 1080 ° C .: 3 ° C./min)
Holding time at temperature T1: 6 hours
Cooling rate from temperature T1 to room temperature (= 20 ° C): 80 ° C / min)
Aging treatment: 12 hours at a temperature of 630 ° C
[0102]
As for the coercive force of the sintered magnet of the comparative example thus obtained, iHc was 1159 kA / m and the residual magnetic flux density Br was 1.35T.
[0103]
A comparison of the example and the comparative example shows that the coercive force is the same, but the coercive force is improved by about 6% in the example.
[0104]
The sintered magnets of Examples and Comparative Examples were observed with a transmission electron microscope (TEM). 6 and 7 are TEM photographs of the example and the comparative example, respectively.
[0105]
When the TEM photograph of this example was analyzed, in the arbitrary cross section of the rare earth sintered magnet according to the present invention, the proportion of the area occupied by the nonmagnetic crystal layer portion in the grain boundary phase was 20% or more, and the average of the main phase The particle size was 1.5 μm or more and 20 μm or less. The average thickness of the grain boundary phase was 1 nm or more and 100 nm or less.
[0106]
In addition, the average crystal grain size of the main phase in this specification indicates a value measured by a method defined in JIS H0501.
[0107]
【The invention's effect】
According to the present invention, by optimizing the heat treatment after sintering, the transition metal present in the grain boundary phase is crystallized at the center of the grain boundary phase as a nonmagnetic compound, and an amorphous layer is formed around it. Is done. The grain boundary phase having such a structure provides a rare earth magnet with improved coercive force in order to suppress the occurrence of reverse magnetic domains.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1A is a graph showing a temperature profile of a sintering process in the prior art, and FIG. 1B is a graph showing a temperature profile of a sintering process in the first aspect of the present invention. c) is a graph which shows the temperature profile of the sintering process in the 2nd aspect of this invention. In each graph, the vertical axis represents temperature and the horizontal axis represents time.
2A is a cross-sectional view schematically showing a grain boundary phase in a conventional rare earth sintered magnet and its vicinity, and FIG. 2B is a grain boundary phase in the rare earth sintered magnet of the present invention and its vicinity. It is sectional drawing which shows the vicinity typically, (c) is sectional drawing which shows typically the grain boundary phase after the aging treatment of the sintered magnet of this invention, and its vicinity.
FIG. 3 is a view showing a configuration of a single roll type strip caster suitably used in the embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a graph showing an example of a temperature profile of a hydrogen pulverization process performed in a coarse pulverization step according to the present invention.
FIG. 5 is a cross-sectional view showing a configuration of a jet mill apparatus suitably used for performing a pulverization step in the present invention.
FIG. 6 is a TEM photograph showing a cross-sectional structure of a sintered magnet in an example of the present invention.
FIG. 7 is a TEM photograph showing a cross-sectional structure of a sintered magnet in a comparative example.
[Explanation of symbols]
1 quenching room
2 Alloy melt
3 Melting furnace
4 Shoot (tundish)
5 Cooling roll
7 Rapidly solidified alloy
8 Collection container
10 Jet mill equipment
12 Raw material charging machine
14 Crusher
16 Cyclone classifier
18 Collection tank
20 Raw material tank
22 Motor
24 Feeder (screw feeder)
26 Crusher body
28 Nozzle port
30 Raw material input pipe
32 valves
32a Upper valve
32b Lower valve
34 Flexible pipe
36 classification rotor
38 motor
40 Connection pipe
42 legs
44 base
46 Weight detector
48 Control unit
64 classifier
66 Exhaust pipe
68 Inlet
70 Flexible pipe
72 Exit
Claims (10)
前記粒界相は、前記主相の表面を薄く覆う非晶質層部分と、前記非晶質層部分によって挟まれた領域に存在する非磁性結晶層部分とを含んでおり、
前記主相は、平均粒径が1.5μm以上20μm以下であり、
前記非晶質層部分は、希土類元素を相対的に多く含み、結晶粒界の三重点近傍を除いた領域において厚さが0.1nm〜10nmであり、
前記非磁性結晶層部分は、遷移金属を含み、結晶粒界の三重点近傍を除いた領域において厚さが1nm〜10nmであり、
希土類焼結磁石の任意断面において、前記非磁性結晶層部分が前記粒界相中に占める面積の割合が20%以上である、R−Fe−B系希土類焼結磁石。A rare earth sintered magnet having a main phase composed of a compound having an R 2 Fe 14 B type crystal structure (R is a rare earth element) and a grain boundary phase located at a grain boundary portion of the main phase,
The grain boundary phase includes an amorphous layer portion that thinly covers the surface of the main phase, and a nonmagnetic crystal layer portion that exists in a region sandwiched between the amorphous layer portions,
The main phase has an average particle size of 1.5 μm or more and 20 μm or less,
The amorphous layer portion contains a relatively large amount of rare earth elements and has a thickness of 0.1 nm to 10 nm in a region excluding the vicinity of the triple point of the crystal grain boundary,
The nonmagnetic crystal layer portion includes a transition metal, and has a thickness of 1 nm to 10 nm in a region excluding the vicinity of the triple point of the grain boundary,
An R—Fe—B based rare earth sintered magnet in which, in an arbitrary cross section of the rare earth sintered magnet, the proportion of the area occupied by the nonmagnetic crystal layer portion in the grain boundary phase is 20% or more.
R−Fe−B系急冷合金の粉末を用意する工程と、
前記粉末を1000℃以上1100℃以下の温度T1で焼結することによって焼結体を形成する工程と、
前記焼結体を温度T1から30℃/分以下の平均冷却速度で冷却することにより、前記焼結体の温度を400℃以上900℃以下の温度T2にまで低下させる工程と、
前記焼結体に対する温度T2での熱処理を、0.01時間以上100時間以下の間、実行する工程と、
を含むR−Fe−B系希土類焼結磁石の製造方法。An R—Fe—B rare earth sintered magnet having a main phase composed of a compound having an R 2 Fe 14 B type crystal structure (R is a rare earth element) and a grain boundary phase located at a grain boundary portion of the main phase. A manufacturing method comprising:
Preparing a powder of R-Fe-B quenching alloy;
Forming a sintered body by sintering the powder at a temperature T1 of 1000 ° C. or higher and 1100 ° C. or lower;
Cooling the sintered body at a mean cooling rate of 30 ° C./min or less from the temperature T1 to lower the temperature of the sintered body to a temperature T2 of 400 ° C. or more and 900 ° C. or less;
Performing a heat treatment at a temperature T2 on the sintered body for a period of 0.01 hours to 100 hours;
Of manufacturing R-Fe-B rare earth sintered magnet containing
R−Fe−B系急冷合金の粉末を用意する工程と、
前記粉末を1000℃以上1100℃以下の温度T1で焼結することによって焼結体を形成する工程と、
前記焼結体を温度T1から冷却することにより、前記焼結体の温度を400℃を下回る温度に低下させる工程と、
前記焼結体を加熱することにより、400℃以上900℃以下の温度T2よりも高い温度T3まで前記焼結体の温度を上昇させる工程と、
前記焼結体を温度T3から30℃/分以下の平均冷却速度で冷却することにより、前記焼結体の温度を温度T2にまで低下させる工程と、
前記焼結体に対する温度T2での熱処理を0.01時間以上100時間以下の間実行する工程と、
を含むR−Fe−B系希土類焼結磁石の製造方法。An R—Fe—B rare earth sintered magnet having a main phase composed of a compound having an R 2 Fe 14 B type crystal structure (R is a rare earth element) and a grain boundary phase located at a grain boundary portion of the main phase. A manufacturing method comprising:
Preparing a powder of R-Fe-B quenching alloy;
Forming a sintered body by sintering the powder at a temperature T1 of 1000 ° C. or higher and 1100 ° C. or lower;
Cooling the sintered body from temperature T1 to lower the temperature of the sintered body to a temperature lower than 400 ° C .;
Heating the sintered body to raise the temperature of the sintered body to a temperature T3 higher than a temperature T2 of 400 ° C. or higher and 900 ° C. or lower;
Lowering the temperature of the sintered body to a temperature T2 by cooling the sintered body at an average cooling rate of 30 ° C./min or less from the temperature T3;
Performing a heat treatment at a temperature T2 on the sintered body for 0.01 hours to 100 hours;
Of manufacturing R-Fe-B rare earth sintered magnet containing
R2Fe14B型結晶構造を有する化合物からなる主相と、前記主相の粒界部分に位置する非晶質の粒界相とを有する焼結体を用意する工程と、
前記焼結体を400℃以上900℃以下の温度T2よりも高い温度T3に加熱した後、30℃/分以下の平均冷却速度で冷却することにより、前記焼結体の温度を400℃以上900℃以下の温度T2にまで低下させ、その温度での熱処理を0.01時間以上100時間以下の間実行する工程と、
を含むR−Fe−B系希土類焼結磁石の製造方法。An R—Fe—B rare earth sintered magnet having a main phase composed of a compound having an R 2 Fe 14 B type crystal structure (R is a rare earth element) and a grain boundary phase located at a grain boundary portion of the main phase. A manufacturing method comprising:
Providing a sintered body having a main phase composed of a compound having an R 2 Fe 14 B-type crystal structure and an amorphous grain boundary phase located in a grain boundary portion of the main phase;
After heating the sintered body to a temperature T3 higher than the temperature T2 of 400 ° C. or more and 900 ° C. or less, the sintered body is cooled at an average cooling rate of 30 ° C./min or less, so that the temperature of the sintered body is 400 ° C. or more and 900 ° C. Lowering to a temperature T2 of not more than ° C., and performing a heat treatment at that temperature for 0.01 hours or more and 100 hours or less,
Of manufacturing R-Fe-B rare earth sintered magnet containing
原料合金の溶湯を102℃/秒以上2×104℃/秒以下の平均冷却速度で冷却することによって急冷合金を作製する工程と、
前記急冷合金を粉砕する工程と
を包含する請求項5または6に記載のR−Fe−B系希土類焼結磁石の製造方法。The step of preparing the R-Fe-B quenching alloy powder,
A step of producing a quenched alloy by cooling a molten raw material alloy at an average cooling rate of 10 2 ° C / second or more and 2 × 10 4 ° C / second or less,
The method for producing an R—Fe—B rare earth sintered magnet according to claim 5, comprising a step of pulverizing the quenched alloy.
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