JP4328832B2 - 光再生増幅器 - Google Patents

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    • H01S3/1075Controlling the intensity, frequency, phase, polarisation or direction of the emitted radiation, e.g. switching, gating, modulating or demodulating by controlling devices placed within the cavity using electro-optic devices, e.g. exhibiting Pockels or Kerr effect for optical deflection

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電圧の印加によって駆動する偏光素子を利用して共振器での光増幅を行う光再生増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】
光再生増幅器は、レーザ光源等から供給される光のパルスを共振器中に閉じ込め(トラップし)、増幅した光パルスを共振器中から取り出すことによって高出力の光パルスを得る光の増幅手段であり、その光パルスの閉じ込めと取り出しをする手段としては、電圧の印加によって駆動するポッケルスセル(Pockels Cell)等の偏光素子が利用されている。ポッケルスセルは、ポッケルス効果を呈する結晶に電圧を印加して駆動させる偏光素子であり、印加電圧に応じて結晶の光軸特性に異方性が与えられ、結晶を通過する光の偏光方向を変化させる。ポッケルスセルを利用する光再生増幅器では、偏光子等をポッケルスセルと組み合わせて用いることにより、光パルスを共振器中に閉じ込めたり共振器中から取り出したりする光学的なスイッチングを実現して共振器での光増幅を行う。
【0003】
図5は、かかる光再生増幅器の従来における構成例を示した図である。図示の光再生増幅器は、偏光子10、ポッケルスセル11、反射鏡12、レーザ結晶(レーザ媒質)13及び反射鏡14で構成されており、レーザ光源等からのレーザ光パルスが偏光子10への入力光として供給されるものとなっている。偏光子10は、図の紙面垂直方向に直線偏光したS偏光の光を反射し、同水平方向に直線偏光したP偏光の光を透過する偏光子であり、入力光としてS偏光のレーザ光パルスが供給されると、その入力光を反射してポッケルスセル11側へと進行させる。ポッケルスセル11は、印加電圧VPCによって駆動される偏光素子であり、入力光が一旦通過して反射鏡12から戻って来た瞬間に通過光の偏光方向を90度回転させる印加電圧VPCが加えられる。この印加電圧VPCが加えられている間にポッケルスセル11を通過した入力光は、P偏光の光パルスとなって偏光子10を透過するので、以後、反射鏡12、レーザ結晶13及び反射鏡14で構成される共振器内を往復することになる。これにより、P偏光の光パルスとされた入力光が共振器中に閉じ込められ、共振器での光増幅の元になる種光パルスとして注入される。
【0004】
共振器中に閉じ込められた光パルスは、共振器内を往復する間に繰り返しレーザ結晶13を通って増幅される。そして、増幅された光パルスは、反射鏡12側からポッケルスセル11へ入射する瞬間に上記同様の印加電圧VPCが加えられることによってS偏光の光パルスとされる。これにより、S偏光とされた増幅後の光パルスが偏光子10で反射し、高出力の増幅光パルスが出力光として取り出される。なお、取り出された出力光は、共振器外に設けられた図示せぬ光の分離手段により入力光と分離されて利用される。
【0005】
以上のようなポッケルスセルを利用した光再生増幅器においては、光パルスの閉じ込めと取り出しのタイミングがポッケルスセルへの電圧印加タイミングによって決定されるので、共振器内に注入する種光パルスのアライメントや注入した種光パルスの増幅回数を調整することが容易であるという利点がある。さらに、ポッケルスセルを利用した光再生増幅器によれば、一般に良好なビーム質の増幅光パルスが得られるという利点もある。
【0006】
このようなことから、ポッケルスセルの配置形態やポッケルスセルへの電圧印加形態が異なる他の光再生増幅器もいくつか提案されている。例えば、ポッケルスセルの配置形態に関しては、光パルスの閉じ込め用と取り出し用の2つのポッケルスセルを配置する光再生増幅器が提案されており、その光再生増幅器では、一方のポッケルスセルに対して光パルスの閉じ込め時(種光パルスの注入時)にのみ電圧を印加し、他方のポッケルスセルに対して増幅光パルスの取り出し時にのみ電圧を印加することとしている。また、ポッケルスセルへの電圧印加形態に関しては、通過光の偏光方向を45度回転させる電圧を印加することにし、電圧印加中にポッケルスセルを往復した光を偏光させる(P偏光ないしS偏光とする)ものや、電圧を印加して光パルスを閉じ込め、その印加電圧を光増幅中は維持して後に0Vに戻すことにより増幅光パルスを取り出すものが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ポッケルスセルは、上述したように印加電圧に応じて通過光の偏光方向を変化させるが、光再生増幅器で求められる偏光方向の変化を実現するためには、一般に数kVオーダーの高電圧を印加する必要がある。例えば、一般的なKD*P結晶のポッケルスセルで波長1064nmのレーザ光の偏光方向を90度回転させるためには、約7kVの高電圧を印加しなければならない。また、ポッケルスセルに電圧を印加して共振器中に閉じ込めた光パルスは、数十nsで共振器内を往復し(例えば、共振器の長さが1.5m〜3mだとすると、共振器の往復光路長/光速=(1.5m〜3m×2)/(3×10m/s)=10ns〜20nsで共振器内を往復し)、もとのポッケルスセルの位置に戻って来る。このため、ポッケルスセルに印加する電圧は、数nsで立ち上がり、かつ、数nsで立ち下がる極めて短時間のパルス電圧とする必要がある。これらのことから、ポッケルスセルを利用する光再生増幅器においては、数kVの高電圧を数nsの短時間のみポッケルスセルに印加しなければならないという難点があり、ポッケルスセルの駆動回路(印加電圧の制御回路)を実現することが容易でない。
【0008】
例えば、上記図5の光再生増幅器では、図6のタイミングチャートに示したように印加電圧VPCを加えなければならない。図6のタイミングチャートにおいて、上段は、横軸を時間軸、縦軸を印加電圧VPCの大きさとして、経過時間に対する印加電圧VPCの変化の様子を示しており、下段は、横軸を上段同様の時間軸、縦軸の上側をポッケルスセル11の(反射鏡12からの)通過光強度、縦軸の下側を出力光の強度として、経過時間に対する共振器中の光パルスと出力光の変化の様子を示している(なお、上下段の時間軸上で対応する位置は破線によって表してある。)。時間幅TP1のパルス電圧は、入力光がポッケルスセル11に戻って来た上述の瞬間に加えられる印加電圧VPCであり、これによって注入された種光パルスが増幅時間TATの間に増幅され、下段上側に示したように共振器中の光パルスが変化していく。そして、増幅された光パルスがポッケルスセル11へ入射する上述の瞬間に時間幅TP2のパルス電圧が印加電圧VPCとして加えられ、S偏光とされた増幅光パルスが出力光として現れる。したがって、上記図5の光再生増幅器に関しては、図6中の上段に示した2つのパルス電圧が数kVに達していなければならず、かつ、時間幅TP1と時間幅TP2がそれぞれ少なくとも10ns以下でなければならないことになる。
【0009】
さらに、注入した種光パルスを増幅する増幅時間TATは、レーザ結晶13での増幅によって増幅光パルスのパルスエネルギーが飽和する時間等に応じて定められるものであり、一般に100ns〜200ns程度の時間に選定することが求められる。これに対し、上記図5の光再生増幅器では、10ns以下の時間幅で数kVに達するパルス電圧を同一のポッケルスセルに2度印加しなければならず、そのパルス電圧の立ち上がり波形と立ち下がり波形を対称にすることも困難なので、求められる以上の数百nsに増幅時間TATを選定せざるを得ず、増幅時間TATの調整に制限があり、増幅時間TATを精確に調整することも容易でない。
【0010】
最近では、光再生増幅器による光増幅を高速で繰り返し、数十kHz以上の高速増幅光パルスを得ることが望まれている。このため、ポッケルスセルの駆動回路としては、上述したように高速で立ち上がって高速で立ち下がる出力特性の高電圧源を用意しなければならない上に、その高電圧源を数十kHz以上の高速繰り返し動作に対応させなければならず、ポッケルスセルの駆動回路を実現することが極めて困難な実情にある。
【0011】
これに対し、2つのポッケルスセルを配置する上述の光再生増幅器では、一度出力光を得るのにそれぞれのポッケルスセルを一度だけ駆動すればよいので、増幅時間間隔で1つのポッケルスセルに対する電圧印加を繰り返す必要はない。しかし、それぞれのポッケルスセルを駆動するに当たって数kVの高電圧を数nsの短時間のみ印加しなければならない点は上記図5の光再生増幅器と同様であり、ポッケルスセルの駆動回路を実現するのが困難であることに変わりはない。
【0012】
一方、ポッケルスセルへの印加電圧を光増幅中は維持するものにあっては、光パルスを閉じ込める際に印加電圧が高速で立ち上がり、かつ、増幅光パルスを取り出す際に印加電圧が高速で立ち下がらなければならないので、駆動回路として必要とされる高電圧源には上記同様の出力特性が要求される。特に、立ち下がりの高速化には複雑な回路が必要とされるので、依然としてポッケルスセルの駆動回路を実現するのは困難となる。また、一度高速で立ち上がった印加電圧を高速で立ち下げるまでの時間が増幅時間になることから、上記図5の光再生増幅器と同様に増幅時間の調整に制限があり、光増幅の繰り返し動作を高速化することも困難である。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、複雑な駆動回路を要せずにポッケルスセル等の偏光素子に対する電圧の印加を容易に行うことを可能にし、増幅時間を柔軟かつ精確に調整することができ、光増幅の動作を高速で繰り返すこともできる光再生増幅器を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、本発明に係る光再生増幅器は、注入された光を増幅する共振器と、供給された入力光の偏光方向を変化させる偏光手段であって、入力光が供給されたときに当該入力光の偏光方向を前記共振器に注入する偏光方向に変化させると共に、前記共振器に注入した往復する光に対して電圧印加による駆動を継続し、往復後の光の偏光方向を往復前の光の偏光方向とする第1の偏光手段と、電圧の印加によって駆動され、前記共振器で増幅された増幅光の偏光方向を変化させる偏光手段であって、前記共振器から増幅光を取り出すときに電圧を印加されて駆動を開始し、増幅光の偏光方向を前記共振器から取り出す偏光方向に変化させる第2の偏光手段とを有している。
【0015】
ここで、前記第1の偏光手段は、電圧の印加によって駆動される偏光手段であって、当該入力光が供給されたときに電圧を印加されて駆動を開始し、当該入力光の偏光方向を前記共振器に注入する偏光方向に変化させると共に、前記共振器に注入した往復する光に対して駆動を継続し、往復後の光の偏光方向を往復前の光の偏光方向とする偏光手段であるものとしてもよい。この場合の第1の偏光手段は、前記共振器内の光の往復路に設けられ、通過する光の偏光方向を90度回転させる電圧を印加される偏光手段であり、当該入力光が供給されたときに、当該入力光が前記往復路のうちの一方で前記第1の偏光手段を通過した時から前記往復路のうちの他方で前記第1の偏光手段を通過する時までの間に電圧を印加されて駆動を開始するものとしてもよい。
【0016】
あるいは、前記第1の偏光手段は、電圧を印加されていない状態で当該入力光の偏光方向を前記共振器に注入する偏光方向に変化させると共に、電圧を印加されている状態で往復後の光の偏光方向を往復前の光の偏光方向とする偏光手段であって、当該入力光の偏光方向を前記共振器に注入する偏光方向に変化させた後に電圧を印加され、前記共振器に注入した往復する光に対して電圧印加による駆動を継続する偏光手段であるものとしてもよい。この場合の第1の偏光手段は、前記共振器内の光の往復路に設けられた第1及び第2の偏光素子を有し、前記第1の偏光素子が往復する光の偏光方向を定常的に90度回転させる偏光素子であり、前記第2の偏光素子が通過する光の偏光方向を45度回転させる電圧を印加されて駆動する偏光素子であるものとし、当該入力光が供給されたときに、前記第2の偏光素子を当該入力光が一度往復してから次に往復するまでの間に前記第2の偏光素子が電圧を印加されて駆動を開始するものとしてもよい。また、この場合の他の第1の偏光手段としては、前記共振器内の光の往復路に設けられ、電圧を印加されていないときに往復する光の偏光方向を90度回転させると共に、通過光の偏光方向を45度回転させる分の電圧を印加されているときに往復する光の偏光方向を180度回転させるものとし、当該入力光が供給されたときに、前記第1の偏光手段を当該入力光が一度往復してから次に往復するまでの間に前記第1の偏光手段が電圧を印加されて電圧印加による駆動を開始するものとしてもよい。
【0017】
一方、前記第2の偏光手段は、前記共振器内の光の往復路に設けられ、通過する光の偏光方向を90度回転させる電圧を印加される偏光手段であり、前記共振器から増幅光を取り出すときに、当該増幅光が前記往復路のうちの一方で前記第2の偏光手段を通過した時から前記往復路のうちの他方で前記第2の偏光手段を通過する時までの間に電圧を印加されて駆動を開始するものとしてもよい。あるいは、前記第2の偏光手段は、前記共振器内の光の往復路に設けられ、通過する光の偏光方向を45度回転させる電圧を印加される偏光手段であり、前記共振器から増幅光を取り出すときに、当該増幅光が一度往復してから次に往復するまでの間に電圧を印加されて駆動を開始するものとしてもよい。
【0018】
以上のような光再生増幅器においては、前記第1の偏光手段が前記共振器外からの光を受ける第1の偏光子で反射された光を当該入力光として供給されるものとしてもよい。また、前記第2の偏光手段が前記共振器中の光を受ける第2の偏光子で反射される光の偏光方向に前記共振器で増幅された増幅光の偏光方向を変化させるものとしてもよい。
【0019】
そして、本発明に係る光再生増幅器のさらに具体的な第1の構成としては、光の往復路の両端を形成する第1及び第2の反射鏡、並びに前記往復路中で光を増幅する増幅部を有する共振器と、前記第1、第2の反射鏡側にそれぞれ設けられた第1、第2のポッケルスセルと、前記第1、第2のポッケルスセルと前記増幅部との間にそれぞれ設けられた第1、第2の偏光子とを有するものとしてもよい。この場合、前記第1の偏光子で反射した第1の偏光方向の光が前記第1のポッケルスセル側へ進行し、前記第1のポッケルスセルは、前記第1の偏光方向の光が通過して前記第1の反射鏡から戻って来るまでの間に、通過光の偏光方向を90度回転させる電圧を印加され、前記第1の偏光方向の光を第2の偏光方向の光とすると共に、その印加電圧を所定期間維持され、光が通過する度に当該光の偏光方向を90度回転させるポッケルスセルであり、前記第2のポッケルスセルは、前記増幅部を往復して増幅された増幅光を前記共振器から取り出すときに電圧を印加され、当該増幅光を前記第1の偏光方向の増幅光とするポッケルスセルであり、前記第1の偏光方向の増幅光が前記第2の偏光子で反射して前記共振器外に取り出される。
【0020】
また、具体的な第2の構成としては、光の往復路の両端を形成する第1及び第2の反射鏡、並びに前記往復路中で光を増幅する増幅部を有する共振器と、前記第1、第2の反射鏡側にそれぞれ設けられた第1、第2のポッケルスセルと、前記第1、第2のポッケルスセルと前記増幅部との間にそれぞれ設けられた第1、第2の偏光子と、前記第1のポッケルスセルと前記第1の反射鏡との間に設けられ、往復する光の偏光方向を90度回転させる波長板とを有するものとしてもよい。この場合、前記第1の偏光子で反射した第1の偏光方向の光が前記第1のポッケルスセル側へ進行し、前記第1のポッケルスセルは、前記第1の偏光方向の光が前記第1の反射鏡で反射して前記第1のポッケルスセル及び前記波長板を一度往復し、第2の偏光方向の光となって前記増幅部側を往復してから前記第1のポッケルスセルに戻って来るまでの間に、通過光の偏光方向を45度回転させる電圧を印加され、その印加電圧を所定期間維持されて光が通過する度に当該光の偏光方向を45度回転させ、前記第2のポッケルスセルは、前記増幅部を往復して増幅された増幅光を前記共振器から取り出すときに電圧を印加され、当該増幅光を前記第1の偏光方向の増幅光とするポッケルスセルであり、前記第1の偏光方向の増幅光が前記第2の偏光子で反射して前記共振器外に取り出される。
【0021】
さらに、具体的な第3の構成としては、光の往復路の両端を形成する第1及び第2の反射鏡、並びに前記往復路中で光を増幅する増幅部を有する共振器と、前記第1の反射鏡側に設けられ、光軸方向が往復する光の偏光方向を45度回転させる方向に傾けられた第1のポッケルスセルと、前記第2の反射鏡側に設けられた第2のポッケルスセルと、前記第1、第2のポッケルスセルと前記増幅部との間にそれぞれ設けられた第1、第2の偏光子とを有するものとしてもよい。この場合、前記第1の偏光子で反射した第1の偏光方向の光が前記第1のポッケルスセル側へ進行し、前記第1のポッケルスセルは、前記第1の偏光方向の光が前記第1の反射鏡で反射して前記第1のポッケルスセル及び前記波長板を一度往復し、第2の偏光方向の光となって前記増幅部側を往復してから前記第1のポッケルスセルに戻って来るまでの間に、通過光の偏光方向を45度回転させる分の電圧を印加され、その印加電圧を所定期間維持されて光が往復する度に当該光の偏光方向を180度回転させ、前記第2のポッケルスセルは、前記増幅部を往復して増幅された増幅光を前記共振器から取り出すときに電圧を印加され、当該増幅光を前記第1の偏光方向の増幅光とするポッケルスセルであり、前記第1の偏光方向の増幅光が前記第2の偏光子で反射して前記共振器外に取り出される。
【0022】
以上のような第1、第2及び第3の構成による光再生増幅器において、前記第2のポッケルスセルは、当該増幅光が通過して前記第2の反射鏡から戻って来るまでの間に通過光の偏光方向を90度回転させる電圧を印加されて当該増幅光を前記第1の偏光方向の増幅光とするものとしてもよい。あるいは、前記第2のポッケルスセルは、前記増幅部を一度往復して当該増幅光となる光が往復してから当該増幅光が通過する前に通過光の偏光方向を45度回転させる電圧を印加されて当該増幅光を前記第1の偏光方向の増幅光とするものとしてもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態>
(1)基本原理
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態による光再生増幅器の構成を示した図である。
【0024】
レーザ光パルスがポッケルスセルを一度通過した際に偏光方向が90度回転するようにポッケルスセルへの印加電圧が加えられる場合、ポッケルスセルに光を2回通せばトータルで偏光方向は180度回転してもとの偏光方向と同じになる。そこで、ポッケルスセルを2つ用い、まず一つ目のポッケルスセルにだけ電圧を印加する。すると、2つのポッケルスセルを通過した後の光パルスは偏光が90度回転している。次に、一つ目と二つ目の双方のポッケルスセルに電圧を印加すると、光パルスの偏光は180度回転する。この時の光パルスの偏光方向は、ポッケルスセルを1つだけ用いた光再生増幅器で印加電圧を切った時の光パルスの偏光方向と同じになる。すなわち、2つのポッケルスセルに時間差をつけて電圧を印加することにより、1つのポッケルスセルをオン/オフしたときの動作と同じ動作を実現することができる。
【0025】
本実施形態は、このような基本原理に基づく形態であり、本実施形態による光再生増幅器(以下、この<第1実施形態>において「本光再生増幅器」という。)の具体的な構成は次のようなものとなっている。
【0026】
(2)構成
図1に示したように、本光再生増幅器は、偏光子1、ポッケルスセル2、反射鏡3、レーザ結晶4、偏光子5、ポッケルスセル6及び反射鏡7を有している。これらの構成要素のうち、反射鏡3、レーザ結晶4及び反射鏡7は共振器を構成し、その共振器内の反射鏡3側、反射鏡7側にそれぞれポッケルスセル2、ポッケルスセル6が配置されており、ポッケルスセル2とレーザ結晶4の間に偏光子1が配置され、ポッケルスセル6とレーザ結晶4の間に偏光子5が配置されている。
【0027】
偏光子1は、入射した光のうち、一定方向に偏光した光を反射し、当該一定方向に直交する方向に偏光した光を透過する偏光子である。当該一定方向は、偏光子1に供給される入力光の偏光方向に一致するものとし、偏光子1が入力光を反射してポッケルスセル2側へ進行させるようにする。本実施形態では、一例として、偏光子1が図の紙面垂直方向に直線偏光したS偏光の光を反射し、同水平方向に直線偏光したP偏光の光を透過するものとし、図示せぬレーザ光源等からS偏光のレーザ光パルスが偏光子1への入力光として供給されるものとする。ただし、入力光のレーザ光パルスとしては、(偏光子1でS偏光のみが反射して分離されるので)S偏光以外の成分を含む光を用いてもよい。
【0028】
ポッケルスセル2は、図示せぬ駆動回路から加えられる印加電圧VP1によって駆動する偏光素子であり、印加電圧VP1の大きさに応じて通過光の偏光方向を変化させる。本実施形態では、一例として、7kVの印加電圧VP1を加えられたときに通過光の偏光方向を90度回転させるポッケルスセルをポッケルスセル2として利用するものとする。なお、印加電圧VP1が0Vのとき(駆動回路から電圧を印加しないとき)は、通過光の偏光方向は変化せず、ポッケルスセル2に入射した光はそのまま通過して行く。
【0029】
反射鏡3は、共振器の一端を構成しているミラーであり、入射した光を反射して入射方向と逆方向にそのまま進行させる。
【0030】
レーザ結晶4は、通過光の強度を増幅するレーザ媒質であり、図示せぬ励起光の供給源等によって増幅動作が可能な状態に励起される。
【0031】
偏光子5は、上記偏光子1と同様の偏光子であり、本実施形態ではS偏光の光を反射してP偏光の光を透過するものとなっている。ただし、偏光子1が上述のように入力光の入口として設けられているのに対し、この偏光子5は、出力光の出口として設けられており、後述の動作によりS偏光とされた増幅光パルスを反射して出力光として共振器外へと進行させる。
【0032】
ポッケルスセル6は、図示せぬ駆動回路から加えられる印加電圧VP2によって駆動する偏光素子であり、印加電圧VP2の大きさに応じて通過光の偏光方向を変化させる。本実施形態では、一例として、上記ポッケルスセル2と同様に7kVの印加電圧VP1を加えられたときに通過光の偏光方向を90度回転させるポッケルスセルをポッケルスセル6として利用するものとする。なお、印加電圧VP2が0Vのとき(駆動回路から電圧を印加しないとき)は、通過光の偏光方向は変化せず、ポッケルスセル6に入射した光はそのまま通過して行く。
【0033】
反射鏡7は、共振器の他端を構成しているミラーであり、入射した光を反射して入射方向と逆方向にそのまま進行させる。
【0034】
本光再生増幅器は、以上のような構成要素を有し、反射鏡3、レーザ結晶4及び反射鏡7で構成される共振器内にポッケルスセルと偏光子を2組設けたものとなっている。そして、以下の動作説明で述べるように、ポッケルスセル2と偏光子1の組が入力光を閉じ込める手段として機能し、ポッケルスセル6と偏光子5の組が出力光を取り出す手段として機能する。
【0035】
(3)動作
図2は、本光再生増幅器の動作を経過時間に対するポッケルスセルへの印加電圧と共振器中の光パルス強度によって表したタイミングチャートである。図2のタイミングチャートにおいて、上段は、横軸を時間軸、縦軸をポッケルスセル2への印加電圧VP1の大きさとして、経過時間に対する印加電圧VP1の変化の様子を示している。中段は、横軸を上段同様の時間軸、縦軸をポッケルスセル6への印加電圧VP2の大きさとして、経過時間に対する印加電圧VP2の変化の様子を示している。下段は、横軸を上段同様の時間軸、縦軸の上側をポッケルスセル6の(反射鏡7からの)通過光強度、縦軸の下側を出力光の強度として、経過時間に対する共振器中の光パルスと出力光の変化の様子を示している。ただし、下段上側の点線で示した通過光強度は、動作開始当初にポッケルスセル2を往復する入力光の強度である。なお、上段、中段及び下段の時間軸上で対応する位置は破線によって表してある。以下、このタイミングチャートも併せて参照しつつ、本光再生増幅器の動作を説明する。
【0036】
本光再生増幅器では、上述したように入力光としてS偏光のレーザ光パルスが供給され、その入力光が偏光子1で反射してポッケルスセル2側へ進行する。この時点では印加電圧VP1が0Vとなっており、入力光はそのままポッケルスセル2を通過して反射鏡3へ向かう。したがって、入力光は、S偏光のまま反射鏡3で反射して再びポッケルスセル2へ戻って来るが、その間に印加電圧VP1を7kVに立ち上げ、ポッケルスセル2に通過光の偏光方向を90度回転させる電圧を印加する。すなわち、図2中の上段と下段に示したように、ポッケルスセル2に対しては、入力光が一旦通過して反射鏡3から戻って来るまでの間(入力光がポッケルスセル2と反射鏡3の間を進行している間)に7kVの印加電圧VP1を加え、その7kVの印加電圧VP1を維持する。
【0037】
これにより、入力光は、再度ポッケルスセル2を通過するときに偏光方向が90度回転してP偏光の光パルスとなり、偏光子1を透過する。そして、レーザ結晶4を通って偏光子5を同様に透過し、ポッケルスセル6を通過して反射鏡7で反射する。この時点では印加電圧VP2が0Vとなっており、P偏光の光パルスはそのままポッケルスセル6を通過するので、反射鏡3で反射してからも光パルスは依然としてP偏光のままポッケルスセル6、偏光子5、レーザ結晶4及び偏光子1を通って再びポッケルスセル2に到達する。
【0038】
ここで、ポッケルスセル2では、7kVの印加電圧VP1が維持されているので、到達したP偏光の光パルスがS偏光とされる。しかし、そのS偏光とされた光パルスは、反射鏡3から戻って来る時にもポッケルスセル2で7kVの印加電圧VP1が維持されているので、ポッケルスセル2を通過する際に再びP偏光とされる。したがって、上記同様にP偏光の光パルスが偏光子1を透過して共振器中を往復することになる。
【0039】
以後においても同様に、共振器中の光パルスは、ポッケルスセル2を往復する度にP偏光からS偏光とされて再びP偏光に戻され、偏光子1及び偏光子5を透過して共振器中を往復し続ける。本光再生増幅器では、このようにして入力光が共振器中に閉じ込められ(トラップされ)、繰り返しレーザ結晶4を通って増幅されることになる。すなわち、本光再生増幅器では、供給された入力光が一旦ポッケルスセル2を通過してから再びポッケルスセル2に戻って来るまでの間に、通過光の偏光方向を90度回転させる電圧にまで立ち上がる印加電圧VP1をポッケルスセル2に加えるだけでよく、その印加電圧VP1を加えた時点でポッケルスセル2によりP偏光の光パルスとされた入力光が共振器中に閉じ込められ、共振器での光増幅の元になる種光パルスとして注入される。
【0040】
そして、閉じ込められた光パルスが繰り返しレーザ結晶4を通って増幅されると、ポッケルスセル6に電圧が印加されて増幅光パルスが取り出される(図2中の中段及び下段参照。なお、下段の各通過光強度に付記した数字は、当該各通過光が共振器中を往復した回数を示す。)。すなわち、増幅光パルスがポッケルスセル6を通過して反射鏡7から戻って来るまでの間(増幅光パルスがポッケルスセル6と反射鏡7の間を進行している間)に、印加電圧VP2を7kVに立ち上げ、ポッケルスセル6に通過光の偏光方向を90度回転させる電圧を印加する。すると、増幅光パルスは、ポッケルスセル6を通過するときに偏光方向が90度回転してS偏光の光パルスとなり、偏光子5で反射する。これにより、S偏光とされた増幅後の光パルスが偏光子5から出力され、高出力の増幅光パルスが出力光として取り出される。
【0041】
なお、閉じ込められた光パルスの増幅中に新たに供給された入力光は、偏光子1で反射してポッケルスセル2でP偏光とされるが、反射鏡3で反射して再びポッケルスセル2を通過する際にS偏光に戻されるので、偏光子1で反射して共振器外へと出て行く。また、ポッケルスセル2に上述のような印加電圧VP1を加えないときに供給された入力光は、偏光子1で反射してそのままポッケルスセル2を通過し、反射鏡3で反射して再びそのままポッケルスセル2を通過するので、やはり偏光子1で反射して共振器外へと出て行く。したがって、上述したように印加電圧VP1を加えることによって共振器中に閉じ込めた光パルスのみが増幅され、その光パルスのみを増幅した増幅光パルスが上述したように印加電圧VP2を加えることによって共振器外に取り出される。
【0042】
(4)構成及び動作の分析と作用効果等
本光再生増幅器では、以上のようにして光パルスの閉じ込めと取り出しが行われるが、閉じ込め時に加える印加電圧VP1の立ち上がり時間τR1(図2中の上段参照)は、ポッケルスセル2を通過した入力光が再びポッケルスセル2に戻って来るまでの時間より短くしなければならないので、数nsから10ns程度にする必要がある。また、取り出し時に加える印加電圧VP2の立ち上がり時間τR2(図2中の中段参照)は、ポッケルスセル6を通過した増幅光パルスが再びポッケルスセル6に戻って来るまでの時間より短くしなければならないので、これも数nsから10ns程度にする必要がある。
【0043】
例えば、ポッケルスセル6と反射鏡7の間の距離が100cmである場合には、その往復光路長/光速=200cm/(3×1010cm/s)=6.67nsで増幅光パルスが再びポッケルスセル6に戻って来るので、立ち上がり時間τR2は少なくとも6.67ns以下でなければならない。この場合において、0.05ns程度の非常に短い時間幅の光パルスを入力光として共振器中に閉じ込めたとすると、その光パルスが増幅された後に6.67ns以下の時間でポッケルスセル6の印加電圧VP2をオンにすれば、増幅光パルス全体の偏光方向が90度回転し、共振器からは図2中の下段に示したように増幅光パルスの全体が出力されることになる。
【0044】
このように、本光再生増幅器でもポッケルスセルに印加する電圧は高速で立ち上がる必要がある。しかし、印加電圧VP1については、上述したように立ち上がり後もそのまま維持し、印加電圧VP2については、立ち上がった状態で増幅光パルスの取り出しを行うので、いずれのポッケルスセルに印加する電圧も立ち上がり直後に高速で立ち下がるものではない。したがって、本光再生増幅器においては、ポッケルスセル2、ポッケルスセル6のそれぞれに印加する電圧の立ち上がり時間だけを早くすればよく、立ち下がりを高速化するための複雑な回路は必要ない。印加電圧VP1と印加電圧VP2の立ち下がりは、次の光増幅動作に間に合うようにすればよく、例えば、上述した動作を数十kHで繰り返す場合には、数10μs程度の時間で印加電圧VP1と印加電圧VP2が立ち下がるようにすれば足りる。
【0045】
また、本光再生増幅器において、注入した種光パルスを増幅する増幅時間τA1は、印加電圧VP1の立ち上がりと印加電圧VP2の立ち上がりとの間の時間となる(図2中の上段及び中段参照)。すなわち、本光再生増幅器では、一つのポッケルスセルに対する印加電圧が立ち上がってから別のポッケルスセルに対する印加電圧が立ち上がるまでの時間によって増幅時間τA1が決定される。したがって、増幅時間τA1の調整には何等制限がなく、印加電圧VP1と印加電圧VP2の立ち上がり波形だけを揃えれば増幅時間τA1の精確な調整も可能になる。例えば、一つ目のポッケルスセル2の印加電圧VP1をオンした直後に二つ目のポッケルスセル6の印加電圧VP2をオンすることも負荷なく行うことができるので、従来の光再生増幅器では不可能な非常に短い増幅時間のみ光パルスを共振器中にトラップすることも可能である。
【0046】
ただし、立ち上がり後の印加電圧VP1を維持する時間は、予め所定の期間に定めて必要な増幅時間τA1を確保できるようにしておく。増幅時間τA1を適切かつ柔軟に調整するためには、例えば、図2中の上段に示したように立ち上がり後の印加電圧VP1が持続する時間を200ns以上にしておくとよいが、増幅時間を短めにする場合には50ns以上等にしてもよい(必要に応じて適宜設定することにしてよい)。
【0047】
さらに、本光再生増幅器によれば、上述のように印加電圧VP1と印加電圧VP2の立ち上がり時間だけを早くすればよく、それらを別々のポッケルスセルに加えればよいので、ポッケルスセルの駆動回路に対する負荷が大幅に軽減されている。このため、上述した動作を高速で繰り返すことも容易であり、レーザ光パルスの光増幅を高速で繰り返して数十kHz以上の高速増幅光パルスを得ることも可能である。
【0048】
加えて、本光再生増幅器では、それぞれのポッケルスセルへの印加電圧を数nsでオフする必要がなく、数nsでのオンとオフを一度の光増幅で繰り返す必要もないので、ポッケルスセルの急激な動作が緩和され、ポッケルスセルの駆動頻度も少なくなる。したがって、ポッケルスセルの駆動による劣化が少なくなり、光再生増幅器の耐用性は向上する。また、偏光子1を入力光の入口とし、偏光子5を出力光の出口としているので、図5に示したような従来の光再生増幅器で共振器外に設ける出力光の分離手段が不要であり、光再生増幅器の縮小化等を図ることもできる。
【0049】
本実施形態によれば、以上のように2つのポッケルスセルを用いて立ち上がりのみが高速な印加電圧でそれぞれのポッケルスセルを駆動しているので、ポッケルスセルの印加電圧を高速で(数nsで)立ち上げた直後に高速で立ち下げなければならない従来の光再生増幅器や、ポッケルスセルの印加電圧を高速で立ち上げてから増幅時間の経過後に高速で立ち下げなければならない従来の光再生増幅器に比べ、ポッケルスセルの駆動電圧制御が格段に容易となっている。したがって、ポッケルスセルを駆動制御するための駆動回路設計が容易である上に、レーザ光の精確な増幅が可能であり、設備の費用削減や装置の縮小化等を図ることもできる。
【0050】
<第2実施形態>
(1)基本原理
一定方向に偏光した光を反射し、当該一定方向に直交する方向に偏光した光を透過する偏光子を光の出入口としている光再生増幅器では、共振器中の光が偏光子を通る時に前記直交する方向に偏光した光となっているようにすれば、その光を共振器中に閉じ込めて増幅することができる。このため、上記第1実施形態では、供給された入力光の偏光方向をポッケルスセル2で初めに90度回転させ、以後は共振器中を往復する光パルスの偏光方向をポッケルスセル2で180度回転させることにより、光パルスが偏光子1と偏光子5を通る時にP偏光となっているようにしている。
【0051】
すなわち、上記第1実施形態においては、入力光の偏光方向を初めに90度回転させて以後の往復光の偏光方向を180度回転させることが基本的な原理となっている。そして、この原理に基づいて機能する偏光手段として、上記第1実施形態による光再生増幅器では、印加電圧の高速な立ち下がりを要しないポッケルスセル2を利用しているが、かかる偏光手段は、他の形態による光学的素子を利用して構成することもできる。そこで、本発明の第2の実施形態では、その一例としてポッケルスセルと波長板の組合せを利用し、同等の機能を実現する偏光手段を構成する。
【0052】
(2)構成
図3は、本発明の第2の実施形態による光再生増幅器の構成を示した図である。本実施形態による光再生増幅器(以下、この<第2実施形態>において「本光再生増幅器」という。)は、図示のように、偏光子1、ポッケルスセル2、反射鏡3、レーザ結晶4、偏光子5、ポッケルスセル6、反射鏡7及び1/4波長板8を有している。
【0053】
これらの構成要素のうち、偏光子1、ポッケルスセル2、反射鏡3、レーザ結晶4、偏光子5、ポッケルスセル6及び反射鏡7は、物理的には上記第1実施形態における構成要素と同様のものであるため、上記第1実施形態と同一の参照符号で表して個々の構成説明を省略するが、機能的には本実施形態特有の作用効果を実現するものとなっている。その詳細は後述の動作説明で明らかにするが、例えば、本実施形態では、ポッケルスセル2への電圧印加形態が上記第1実施形態とは異なり、ポッケルスセル2は上記第1実施形態における機能とは異なる機能を果たし、各構成要素を通る光の進行形態も上記第1実施形態とは異なるものとなっている。
【0054】
1/4波長板8は、直線偏光した通過光を円偏光にし、その円偏光が再び通過すると元の直線偏光の偏光方向を90度回転させた光にする波長板であり、ポッケルスセル2と反射鏡3の間に配置されている。すなわち、1/4波長板8は、1度往復した光の偏光方向を90度回転させる偏光素子であり、ポッケルスセル2側から進行して来た光が1/4波長板8を通ると円偏光になり、その円偏光が反射鏡3で反射して再び1/4波長板8を通ると元の光の偏光方向を90度回転させた光となってポッケルスセル2側へ進行する。
【0055】
本光再生増幅器の物理的な構成は、上記第1実施形態による光再生増幅器において、このように往復する光の偏光方向を定常的に90度回転させる1/4波長板8をポッケルスセル2と反射鏡3の間に追加したものとなっている(反射鏡3、レーザ結晶4及び反射鏡7が共振器を構成し、その共振器内の反射鏡3側、反射鏡7側にそれぞれポッケルスセル2、ポッケルスセル6が配置されており、ポッケルスセル2とレーザ結晶4の間に偏光子1が配置され、ポッケルスセル6とレーザ結晶4の間に偏光子5が配置されており、これらに加えてポッケルスセル2と反射鏡3の間に1/4波長板8が配置されている)。そして、以下の動作説明で述べるように、ポッケルスセル2及び1/4波長板8と偏光子1の組が入力光を閉じ込める手段として機能し、ポッケルスセル6と偏光子5の組が出力光を取り出す手段として機能する。
【0056】
(3)動作
本光再生増幅器においては、共振器内に1/4波長板8があるため、ポッケルスセルへの電圧印加をしなくても入力光が共振器内のレーザ結晶4側を1度だけ往復する。すなわち、図示せぬレーザ光源等からS偏光のレーザ光パルスが入力光として供給されると、その入力光は、偏光子1で反射してポッケルスセル2を通過した後に1/4波長板8で円偏光とされ、反射鏡3で反射して再び1/4波長板8を通ってP偏光の光パルス(偏光方向が90度回転した入力光)とされる。したがって、供給された入力光は、ポッケルスセル2に電圧を印加しなくても反射鏡3側から偏光子1に戻って来た時にP偏光の光パルスとなっているので、偏光子1を透過してレーザ結晶4、偏光子5及びポッケルスセル6を通り、ポッケルスセル6にも電圧を印加していなければP偏光のまま反射鏡7で反射してポッケルスセル6、偏光子5、レーザ結晶4、偏光子1及びポッケルスセル2を通って再び1/4波長板8に到達する。そして、1/4波長板8で円偏光とされて反射鏡3で反射し、再び1/4波長板8を通ってS偏光の光パルスとなり、ポッケルスセル2を通過した後に偏光子1で反射して共振器外へと出て行く。
【0057】
このように光パルスの偏光方向を定常的に90度回転させる1/4波長板8に対し、本光再生増幅器は、入力光の偏光方向を初めに90度回転させ、かつ、以後の往復する光パルスの偏光方向を180度回転させることとなるようにポッケルスセル2への電圧印加を行って動作する。図4は、本光再生増幅器の動作を経過時間に対するポッケルスセルへの印加電圧と共振器中の光パルス強度によって表したタイミングチャートであり、上段、中段及び下段が上記図2のタイミングチャートと同種の情報を示している(各段の横軸が時間軸、上段縦軸がポッケルスセル2への印加電圧VP1の大きさ、中段縦軸がポッケルスセル6への印加電圧VP2の大きさ、下段縦軸の上側がポッケルスセル6の(反射鏡7からの)通過光強度、同下側が出力光の強度を示している)。ただし、下段上側において、点線で示した通過光強度は、動作開始当初からポッケルスセル2を往復する通過光の強度を2回目の往復時まで示したものであり、一点鎖線で示した通過光強度は、増幅光パルスの取り出し時に偏光子5側からポッケルスセル6を通過する通過光の強度を示したものである。なお、上段、中段及び下段の時間軸上で対応する位置は破線によって表してある。以下、このタイミングチャートも併せて参照しつつ、本光再生増幅器の動作を説明する。
【0058】
本光再生増幅器では、供給された入力光が1度ポッケルスセル2を往復し終えるまでは印加電圧VP1を加えない(印加電圧VP1を0Vのままにする)。したがって、入力光として供給されたS偏光のレーザ光パルスは、上記同様に偏光子1で反射してポッケルスセル2を通過した後に1/4波長板8で円偏光とされ、反射鏡3で反射して再び1/4波長板8を通ってP偏光の光パルスとされ、そのままポッケルスセル2を通過して偏光子1を透過する。そして、この時点では印加電圧VP2も加えないので、偏光子1を透過したP偏光の光パルスは、P偏光のままレーザ結晶4、偏光子5及びポッケルスセル6を通り、反射鏡7で反射してポッケルスセル6、偏光子5、レーザ結晶4及び偏光子1を通ってポッケルスセル2に戻って来るが、その間に印加電圧VP1を3.5kVに立ち上げ、ポッケルスセル2に通過光の偏光方向を45度回転させる電圧を印加する。すなわち、図4中の上段と下段に示したように、ポッケルスセル2に対しては、入力光が最初に往復した1回目の往復時から次に往復する2回目の往復時までの間(P偏光の光パルスとされた入力光が偏光子1、レーザ結晶4、偏光子5、ポッケルスセル6及び反射鏡7の部分を往復している間)に3.5kVの印加電圧VP1を加え、その3.5kVの印加電圧VP1を維持する。なお、一般にポッケルスセルによる通過光の偏光方向変化は印加電圧に比例するので、ポッケルスセル2は、3.5kVの電圧(上記第1実施形態で印加した7kVの半分の電圧)を印加することにより、通過光の偏光方向を45度回転させる(上記第1実施形態で回転させた90度の半分だけ回転させる)ことができる状態になる。
【0059】
これにより、レーザ結晶4側を1度往復してポッケルスセル2に戻って来たP偏光の光パルスは、ポッケルスセル2を通過するときに偏光方向が45度回転する。そして、1/4波長板8で一旦円偏光とされてから反射鏡3で反射して再び1/4波長板8を通るときに偏光方向が90度回転した光パルスとされ、ポッケルスセル2を再び通過するときに偏光方向がさらに45度回転する。すなわち、レーザ結晶4側を1度往復して来たP偏光の光パルスは、3.5kVの印加電圧VP1が維持されているポッケルスセル2を往復することによって偏光方向が90度(45度×2)回転し、かつ、1/4波長板8を往復することによっても偏光方向が90度回転する。したがって、ポッケルスセル2を通過して再び偏光子1へと進行する光パルスは、偏光方向が180度回転してP偏光に戻っている光パルスとなり、上記同様に偏光子1を透過してレーザ結晶4側を往復することになる。
【0060】
以後においても同様に、共振器中の光パルスは、ポッケルスセル2及び1/4波長板8を往復する度に偏光方向が180度回転し、偏光子1側へ向かうときには常にP偏光となり、偏光子1及び偏光子5を透過して共振器中を往復し続ける(1往復した後では上述のように偏光方向が180度回転してP偏光となり、2往復した後では偏光方向が360度回転して結局偏光方向が回転していないP偏光に戻り、以後、これを繰り返しながら共振器中を往復し続ける)。本光再生増幅器では、このようにして入力光が共振器中に閉じ込められ(トラップされ)、繰り返しレーザ結晶4を通って増幅されることになる。すなわち、本光再生増幅器では、供給された入力光が一旦ポッケルスセル2を往復してから再びポッケルスセル2に戻って来るまでの間に、通過光の偏光方向を45度回転させる電圧にまで立ち上がる印加電圧VP1をポッケルスセル2に加えるだけでよく、その印加電圧VP1を加えた時点でポッケルスセル2と1/4波長板8によりP偏光に維持される光パルスが共振器中に閉じ込められ、共振器での光増幅の元になる種光パルスとして注入される。
【0061】
そして、閉じ込められた光パルスが繰り返しレーザ結晶4を通って増幅されると、ポッケルスセル6に電圧が印加されて増幅光パルスが取り出される(図4中の中段及び下段参照。なお、下段の各通過光強度に付記した数字は、当該各通過光が共振器中を往復した回数を示す。)。この増幅光パルスの取り出しは、上記第1実施形態と同様に行うことができる。すなわち、図4中の中段に実線で示したように、増幅光パルスがポッケルスセル6を通過して反射鏡7から戻って来るまでの間に印加電圧VP2を7kVに立ち上げ、ポッケルスセル6に通過光の偏光方向を90度回転させる電圧を印加する。すると、増幅光パルスは、ポッケルスセル6を通過するときに偏光方向が90度回転してS偏光の光パルスとなり、偏光子5で反射する。これにより、S偏光とされた増幅後の光パルスが偏光子5から出力され、高出力の増幅光パルスが出力光として取り出される。
【0062】
ここで、増幅光パルスの取り出しは、ポッケルスセル6に通過光の偏光方向を45度回転させる電圧(上記ポッケルスセル2同様3.5kVの電圧)を印加して行うこともできる。この場合、図4中の中段に点線で示したように、増幅光パルスが前回の往復時に反射鏡7側からポッケルスセル6を通過した後で偏光子5側から再びポッケルスセル6に戻って来るまでの間に(N+1回目の往復時の通過光強度が現れている時点と一点鎖線の通過光強度が現れている時点との間に)、印加電圧VP2を3.5kVに立ち上げ、ポッケルスセル6に通過光の偏光方向を45度回転させる電圧を印加する。すると、増幅光パルスは、偏光子5側からポッケルスセル6を通過するときに偏光方向が45度回転し、反射鏡7で反射して再びポッケルスセル6を通過するときに偏光方向がさらに45度回転する。すなわち、増幅光パルスは、ポッケルスセル6を往復することによって偏光方向が90度回転し、S偏光の光パルスとなって偏光子5で反射する。これにより、上記同様にS偏光とされた増幅後の光パルスが偏光子5から出力され、高出力の増幅光パルスが出力光として取り出される。
【0063】
なお、閉じ込められた光パルスの増幅中に新たに供給された入力光は、偏光子1で反射してポッケルスセル2及び1/4波長板8を往復した時点で偏光方向が180度回転してS偏光に戻るので、レーザ結晶4側を往復することなくそのまま偏光子1で反射して共振器外へと出て行く。また、ポッケルスセルに電圧を印加しないときに供給された入力光は、上述したように共振器中を1度だけ往復するが、1/4波長板8を2度往復した時点でS偏光に戻り、偏光子1で反射して共振器外に出て行く。したがって、本実施形態においても、印加電圧VP1を加えて共振器中に閉じ込めた光パルスのみを増幅した増幅光パルスが出力光として取り出される。
【0064】
(4)構成及び動作の分析と作用効果等
本光再生増幅器では、以上のようにして光パルスの閉じ込めと取り出しが行われるが、上記第1実施形態による光再生増幅器同様、本光再生増幅器においてもポッケルスセル2とポッケルスセル6に印加する電圧は立ち上がり直後に高速で立ち下がるものではなく、それぞれのポッケルスセルに印加する電圧の立ち上がり間の時間によって増幅時間τA2(図4中の中段参照)が決定されるものとなっている。そしてさらに、光パルスの閉じ込め時にポッケルスセル2に加える印加電圧VP1は、本光再生増幅器では上記第1実施形態の半分の3.5kVとなっており、ポッケルスセル6に加える印加電圧VP2も3.5kVとして増幅光パルスの取り出しを行うことができる。
【0065】
したがって、本光再生増幅器によれば、上記第1実施形態による光再生増幅器と同質の作用効果が得られるのに加え、ポッケルスセルへの印加電圧が上記第1実施形態による光再生増幅器の半分で足りるので、その作用効果がより一層増強されることになる。例えば、ポッケルスセルへの印加電圧は上記第1実施形態の半分の電圧値にまで立ち上げればよいので、ポッケルスセルの駆動回路はより容易に実現することができ、増幅時間の一層柔軟かつ精確な調整も可能になる。また、ポッケルスセルの駆動回路に対する負荷が一層軽減し、レーザ光パルスの光増幅を高速で繰り返して高速の増幅光パルスを得ることもより容易となり、ポッケルスセルの駆動による劣化が一層少なくなって光再生増幅器の耐用性もより向上する。
【0066】
さらに、閉じ込め時に加える印加電圧VP1の立ち上がり時間τR3(図4中の上段参照)は、入力光が一旦ポッケルスセル2を往復してから再びポッケルスセル2に戻って来るまでの時間より短ければよい。また、増幅光パルスの取り出し時にポッケルスセル6に加える印加電圧VP2を3.5kVとする場合には、その立ち上がり時間τR4(図4中の中段参照)は、増幅光パルスが一旦ポッケルスセル6を往復してから再びポッケルスセル6に戻って来るまでの時間より短ければよい(なお、この電圧印加形態による増幅光パルスの取り出しは、上記第1実施形態で採用することも可能である。)。ただし、印加電圧VP2の立ち上がり中に増幅光パルスがポッケルスセル6を通過すると出力光の光パルスがダブルパルスとなってしまうので、印加電圧VP2の立ち上がりタイミングは出力光にダブルパルスが現れないように適宜調整する。
【0067】
一方、印加電圧VP1と印加電圧VP2の立ち下がりは、上記第1実施形態同様に次の光増幅動作に間に合うようにすればよい(例えば、上述した動作を数十kHで繰り返す場合には、図4中の上段及び中段に示したように数10μs程度の時間で印加電圧VP1と印加電圧VP2が立ち下がるようにすれば足りる。)。また、立ち上がり後の印加電圧VP1を維持する時間は、上記第1実施形態同様に予め所定の期間に定めて必要な増幅時間τA2を確保できるようにしておく(例えば、図4中の上段に示したように200ns以上としておくとよいが、増幅時間を短めにする場合には50ns以上等にしてもよく、必要に応じて適宜設定することにしてよい。)。
【0068】
<第3実施形態>
ポッケルスセルは、通常の利用形態で偏光素子として機能させるときの光軸方向を通過光の光軸に対して傾斜させると、電圧を印加されていない状態で波長板と同様の機能を果たす。そこで、本発明の第3の実施形態では、上記第2実施形態で1/4波長板8を設けることとしたのに代えて(1/4波長板8を設けずに)、共振器中の光軸に対してポッケルスセル2の光軸方向を傾斜させることにより、ポッケルスセル2が1/4波長板8の機能を兼ね備えるようにする。
【0069】
すなわち、上記同様に反射鏡3、レーザ結晶4及び反射鏡7で共振器を構成し、その共振器内の反射鏡3側、反射鏡7側にそれぞれポッケルスセル2、ポッケルスセル6を配置すると共に、ポッケルスセル2とレーザ結晶4の間に偏光子1を配置し、ポッケルスセル6とレーザ結晶4の間に偏光子5を配置する。そして、ポッケルスセル2が電圧を印加されていない状態で上記1/4波長板8と同様に往復する光の偏光方向を90度回転させるようにポッケルスセル2の光軸方向を(例えば5度〜6度)傾斜させておき、その傾斜させたポッケルスセル2に対して光パルスの閉じ込め時に通過光の偏光方向を45度回転させる電圧(3.5kV)を印加する。
【0070】
これにより、傾斜させたポッケルスセル2は、電圧を印加されていないときには上記第2実施形態における1/4波長板8と同様の機能を果たし(往復する光パルスを往路で円偏光にして復路で偏光方向が90度回転した光パルスにし)、電圧を印加されたときには上記第2実施形態におけるポッケルスセル2及び1/4波長板8と同様の機能を果たす(往復する光パルスの偏光方向を180度回転させる)。したがって、この第3実施形態による光再生増幅器では、上記図4中の上段及び中段に示したのと同様の電圧印加形態により、同下段に示したのと同様の通過光強度や出力光強度が得られ、上記第2実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
【0071】
以上の第3実施形態は、ポッケルスセル2を傾斜させる角度をある程度試行錯誤して決めなければならないので、構成要素の設定(配置、設置ないし光軸合せ等)には手間がかかるが、上記第1実施形態に比べてポッケルスセルへの印加電圧が低い上に、上記第2実施形態に比べて1/4波長板が不要であるという利点がある。なお、上記第1実施形態は、他の実施形態に比べてポッケルスセルへの印加電圧が高いが、構成は最も単純なので構成要素の設定が容易であるという利点がある。また、上記第2実施形態は、1/4波長板を必要とし、構成要素数が増えるために設定の手間も増えるが、上記第1実施形態に比べてポッケルスセルへの印加電圧が低い上に、上記第3実施形態に比べて試行錯誤によるポッケルスセルの傾斜角決定をしなくて済むという利点がある。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、共振器に入力光を注入するための第1の偏光手段を継続して駆動させ、共振器から増幅光を取り出すときには第2の偏光手段を駆動することとしたので、それぞれの偏光手段に対する印加電圧を高速で遮断したり(立ち下げたり)、一つの偏光手段に対する電圧印加を高速で繰り返したりする必要がない。これにより、複雑な駆動回路を要せずにポッケルスセル等の偏光素子に対する電圧の印加を容易に行うことが可能となり、共振器での増幅時間を柔軟かつ精確に調整することができ、光増幅の動作を高速で繰り返すこともできるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態による光再生増幅器の構成を示した図である。
【図2】 図1に示した光再生増幅器の動作を経過時間に対するポッケルスセルへの印加電圧と共振器中の光パルス強度によって表したタイミングチャートである。
【図3】 本発明の第2の実施形態による光再生増幅器の構成を示した図である。
【図4】 図3に示した光再生増幅器の動作を経過時間に対するポッケルスセルへの印加電圧と共振器中の光パルス強度によって表したタイミングチャートである。
【図5】 光再生増幅器の従来における構成例を示した図である。
【図6】 図5に示した光再生増幅器の動作を経過時間に対するポッケルスセルへの印加電圧と共振器中の光パルス強度によって表したタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 偏光子
2 ポッケルスセル
3 反射鏡
4 レーザ結晶
5 偏光子
6 ポッケルスセル
7 反射鏡
8 1/4波長板

Claims (5)

  1. 光の往復路の両端を形成する第1及び第2の反射鏡、並びに前記往復路中で光を増幅する増幅部を有する共振器と、
    前記第1、第2の反射鏡側にそれぞれ設けられた第1、第2のポッケルスセルと、
    前記第1、第2のポッケルスセルと前記増幅部との間にそれぞれ設けられた第1、第2の偏光子とを有し、
    前記第1の偏光子で反射した第1の偏光方向の光が前記第1のポッケルスセル側へ進行し、
    前記第1のポッケルスセルは、前記第1の偏光方向の光が通過して前記第1の反射鏡から戻って来るまでの間に、通過光の偏光方向を90度回転させる電圧を印加され、前記第1の偏光方向の光を第2の偏光方向の光とすると共に、その印加電圧を所定期間維持され、
    光が通過する度に当該光の偏光方向を90度回転させるポッケルスセルであり、
    前記第2のポッケルスセルは、前記増幅部を往復して増幅された増幅光を前記共振器から取り出すときに電圧を印加され、当該増幅光を前記第1の偏光方向の増幅光とするポッケルスセルであり、
    前記第1の偏光方向の増幅光が前記第2の偏光子で反射して前記共振器外に取り出される、光再生増幅器。
  2. 光の往復路の両端を形成する第1及び第2の反射鏡、並びに前記往復路中で光を増幅する増幅部を有する共振器と、
    前記第1、第2の反射鏡側にそれぞれ設けられた第1、第2のポッケルスセルと、
    前記第1、第2のポッケルスセルと前記増幅部との間にそれぞれ設けられた第1、第2の偏光子と、
    前記第1のポッケルスセルと前記第1の反射鏡との間に設けられ、往復する光の偏光方向を90度回転させる波長板とを有し、
    前記第1の偏光子で反射した第1の偏光方向の光が前記第1のポッケルスセル側へ進行し、
    前記第1のポッケルスセルは、前記第1の偏光方向の光が前記第1の反射鏡で反射して前記第1のポッケルスセル及び前記波長板を一度往復し、第2の偏光方向の光となって前記増幅部側を往復してから前記第1のポッケルスセルに戻って来るまでの間に、通過光の偏光方向を45度回転させる電圧を印加され、その印加電圧を所定期間維持されて光が通過する度に当該光の偏光方向を45度回転させ、
    前記第2のポッケルスセルは、前記増幅部を往復して増幅された増幅光を前記共振器から取り出すときに電圧を印加され、当該増幅光を前記第1の偏光方向の増幅光とするポッケルスセルであり、
    前記第1の偏光方向の増幅光が前記第2の偏光子で反射して前記共振器外に取り出される、光再生増幅器。
  3. 光の往復路の両端を形成する第1及び第2の反射鏡、並びに前記往復路中で光を増幅する増幅部を有する共振器と、
    前記第1の反射鏡側に設けられ、光軸方向が往復する光の偏光方向を45度回転させる方向に傾けられた第1のポッケルスセルと、
    前記第2の反射鏡側に設けられた第2のポッケルスセルと、
    前記第1、第2のポッケルスセルと前記増幅部との間にそれぞれ設けられた第1、第2の偏光子とを有し、
    前記第1の偏光子で反射した第1の偏光方向の光が前記第1のポッケルスセル側へ進行し、
    前記第1のポッケルスセルは、前記第1の偏光方向の光が前記第1の反射鏡で反射して前記第1のポッケルスセル及び波長板を一度往復し、第2の偏光方向の光となって前記増幅部側を往復してから前記第1のポッケルスセルに戻って来るまでの間に、通過光の偏光方向を45度回転させる分の電圧を印加され、その印加電圧を所定期間維持されて光が往復する度に当該光の偏光方向を180度回転させ、
    前記第2のポッケルスセルは、前記増幅部を往復して増幅された増幅光を前記共振器から取り出すときに電圧を印加され、当該増幅光を前記第1の偏光方向の増幅光とするポッケルスセルであり、
    前記第1の偏光方向の増幅光が前記第2の偏光子で反射して前記共振器外に取り出される、光再生増幅器。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の光再生増幅器において、
    前記第2のポッケルスセルは、前記増幅光が通過して前記第2の反射鏡から戻って来るまでの間に、当該通過光の偏光方向を90度回転させる電圧を印加されて当該増幅光を前記第1の偏光方向の増幅光とする、光再生増幅器。
  5. 請求項1ないし3のいずれかに記載の光再生増幅器において、
    前記第2のポッケルスセルは、前記増幅部を一度往復して増幅光となる光が往復してから当該増幅光が通過する前に当該通過光の偏光方向を45度回転させる電圧を印加されて当該増幅光を前記第1の偏光方向の増幅光とする、光再生増幅器。
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