JP4328255B2 - 核磁気共鳴用プローブ - Google Patents

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Description

本発明は、試料から核磁気共鳴信号を検出する核磁気共鳴用プローブに関する。
核磁気共鳴分光の技術においては、複数の核種から核磁気共鳴信号を検出する必要がある場合がある。例えば、固体高分解核磁気共鳴分光においては、H核から異核Xに交差分極を行う場合がある。このような場合には、HとXの両方の核磁気共鳴信号を検出することが必要である。
ここで、核磁気共鳴信号の帯域は核種によって異なる。例えば、32P核、13C核、15N核、D核、低γ核種などは低域の核磁気共鳴信号を有し、H核、19F核、31P核などは高域の核磁気共鳴信号を有する。このような低域及び高域の核磁気共鳴信号を同時に観測の対象とする場合、これら両方の帯域の信号に対応する核磁気共鳴用プローブが必要である。
図22は、2つの核種を含む従来の核磁気共鳴用プローブの概略的な構成を示す図である。
この核磁気共鳴用プローブは、高域の核磁気共鳴信号を検出する高域信号検出部101、低域の核磁気共鳴信号を検出する低域信号検出部102、及び高域信号検出部101で検出した信号からロック信号を検出するロック信号検出部103を有している。ここで、ロック信号は、D核の核磁気共鳴信号を用いるもので、核磁気共鳴信号を測定する基準とするものである。
高域信号検出部101は、H核又は19F核を想定し、サンプルコイルL101とこれに並列に配置されたコンデンサC101により構成される並列回路によって共振振動数を設定する。さらに、可変容量コンデンサC111,C112によってこの共振振動数を調整することができる。前記コンデンサC101には、Q値が大きく耐電圧が高い機能を有する市販のセラミックチップコンデンサを用いるか、又はこのようなコンデンサを自作する。
低域信号検出部102は、観測する核種に応じて適切な回路配置が異なるが、ここでは13C核などを測定する場合に用いられる一般的な回路を示す。この低域信号検出部102は、サンプルコイルL100とこれに並列に配置された可変容量コンデンサC100とにより構成される並列回路によって共振振動数を設定する。
ロック信号検出部103は、高域信号検出部101で検出した信号からD核の核磁気共鳴信号を検出する。このロック信号検出部103は、ほぼλ/4波長の共振回路を形成したいわゆるヘリカルコイルと呼ばれる分布回路を用いたデカップリング回路によってD核の核磁気共鳴信号を分離している。
ここで、ロック信号の分離について説明する。高域信号検出部101は、H核の振動数では前記デカップリング回路がハイインピーダンスになっているため、ロック信号検出部103に信号をリークしないで高い効率で動作ができる。一方、ロック信号検出部103は、前記デカップリング回路を含めたコイルL101,L102,L103が共振回路のインダクタンスとして動作し、実効電圧効率はほぼ(L101/(L101+L102+L103))1/2である。例えばL101=15nH,L102=80nH,L103=80nHであるとほぼ30%程度の効率になる。
高域信号検出部101は効率ができるだけ高いことが望ましいが、ロック信号進出部103は磁場を固定し測定安定度を確保できればよいのであるからその機能が維持されている限りある程度の犠牲はやむをえない。
このように、例えば13C核及びH核のように低域及び高域の核磁気共鳴信号を同時に観測する場合、従来の核磁気共鳴用プローブでは低域及び高域信号用にそれぞれサンプルコイルを備え、検出回路もそれぞれ用意していた。
このように複数のサンプルコイルや検出回路を備えるため、核種による観測モードによっては検出モードが異なるため、異なる分解能、効率、定量性などで変換するための較正を必要としていた。
また、前記高域信号検出部101のサンプルコイルを13C及びH核の両方の核種の核磁気共鳴信号に適用する技術が開示されている(例えば特許文献1を参照。)。この場合、回路中にダミーコイルを挿入する必要があった。
前述のように、高域信号検出部101及び低域信号検出部102は、互いに独立した回路で構成される。サンプルコイルの配置であるが、H核のような高域の信号を観測したい場合には試料管に近い領域に高域のサンプルコイルL101を配置し、照射に用いる低域のサンプルコイルL102はこれに比べて遠ざかった領域に配置するのが一般的である。これとは逆に、13Cのような低域の信号を観測したい場合には、試料管に近い領域に低域のサンプルコイルL102を配置し、照射に用いる高域のサンプルコイルL101はこれに比べて遠ざかった領域に配置する。
ここで、高域のサンプルコイルL101と低域のサンプルコイルL102間の相互の干渉により、効率が低下していた。この干渉を低減するためには、サンプルコイルL101,L102をラジアル方向に総合に遠ざければよい。例えば、13Cを観測するための低域のサンプルコイルL102を試料に近い領域に配置し、Hの励起するための高域のサンプルコイルL101を試料から遠ざかった領域に配置するとする。この場合、試料から遠い高域のサンプルコイルL101がRF磁場を試料に照射する効率は低下する。また、試料に近い領域にある高域のサンプルコイルL101も、外側にある低域のサンプルコイルL102の磁化による磁化歪みを及ぼされて分解能低下を甘受しなければならなかった。さらに、二つのサンプルコイルL101,L102が共存する状態では、電磁的な結合からクロストーク損失を甘受しなければならなかった。
図23は、勾配磁場(field gradient;FG)を用いる従来の核磁気共鳴用のプローブの概略的な構成を示す図である。
この核磁気共鳴用プローブは、図22の従来の核磁気共鳴用プローブに示した高域の核磁気共鳴信号を検出する高域信号検出部101、低域の核磁気共鳴信号を検出する低域信号検出部102、及び高域信号検出部101で検出した信号からロック信号を検出するロック信号検出部103に加えて、勾配磁場照射部104を有している。この勾配磁場照射部104は、勾配磁場信号を発生する勾配磁場信号(FG)発生部110と、この勾配磁場信号発生部110から供給された勾配磁場信号による勾配磁場を試料に照射する勾配磁場(FG)コイルL104とを有している。
この勾配磁場コイルL104は、例えば一軸に沿った静磁場に対して、数十ガウスから数千ガウスの勾配磁場をパルス状に印加する。試料が励起された状態で所望の核スピンに対し共鳴周波数のRF磁場エネルギーを加えて選択的にコヒーレンスな信号を取り出す核磁気共鳴装置において、この勾配磁場は、コヒーレンス信号成分と非コヒーレンス信号成分(ノイズや不要信号等の除去したいもの)を分離するために一般的に使われている。
このような勾配磁場を用いる従来の核磁気共鳴用のプローブにおいては、従来の核磁気共鳴用プローブに備えられる高域信号検出部101、低域信号検出部及びロック信号検出部103とは独立に勾配磁場照射部104を備えるため、プローブの構成の規模が大きくなっていた。また、勾配磁場コイルL104の材料が磁化を有するため、試料に磁場歪みがもたらされていた。さらに、勾配磁場コイルL104が直流磁場を生成するため、試料に印加されている静磁場と結合し、時間応答が鈍くなっていた。このため、本来の時間分割に沿ったタイミングで勾配磁場を発生するのが難しかった。このことを防止するためには、このような磁場結合を遮断するためのアクティブシールドを設ける必要があった。さらにまた、勾配磁場コイルL104と他のサンプルコイルが相互誘導し、RF共振回路の効率が低下していた。このような相互誘導を防止するためには、勾配磁場コイルL104とサンプルコイル間にファラディーシールドを設ける必要があった。かかるアクティブシールドやファラディーシールドを構造物として設けることは、プローブの小型化を阻害することになる。
特公昭58−24738号公報
前述のように、従来、低域及び高域の核磁気共鳴信号を観測する場合、低域及び高域の信号に対応するサンプルコイル及び検出回路をそれぞれ用意したり、又は回路中に効率を低下させるようなダミーコイルを挿入したりする必要があった。いずれの場合も、低域及び高域の核磁気共鳴信号の検出について相互の効率を十分に引き出せない回路構成を組まざるを得ず、効率の低下の原因になっていた。
本発明は、前述の実情に鑑みて提案されるものであって、少なくとも2つの核種を含む試料から低域及び高域の核磁気共鳴信号を効率よく検出できるような核磁気共鳴用プローブを提供することを目的とする。
前述の課題を解決するために、本発明に係る核磁気共鳴用プローブは、少なくとも2つの核種を含む試料から核磁気共鳴信号を検出する核磁気共鳴用プローブにおいて、前記試料からの核磁気共鳴信号を検出するサンプルコイルを有し、第1の核種の核磁気共鳴信号を検出する際には前記サンプルコイルを集中定数回路として動作させた第1の共振振動数により検出し、第2の核種の核磁気共鳴信号を検出する際には前記サンプルコイルを分布定数回路として動作させた第2の共振振動数により検出するものである。
前記サンプルコイルを分布回路として動作させる際には、前記サンプルコイルの全線路長の中点の両側の線路についてそれぞれλ/4で共振させることが好ましい。
前記中点を給電注入点とすることを特徴とすることが好ましい。
前記中点と前記両側の線路の間の少なくとも一方にコンデンサを挿入することが好ましい。
前記第1の共振振動数は、前記サンプルコイルと、このサンプルコイルに並列に接続されたコンデンサによる並列共振によるものであることが好ましい。
また、本発明に係る核磁気共鳴用プローブは、少なくとも2つの核種を含む試料から核磁気共鳴信号を検出する核磁気共鳴用プローブにおいて、第1及び第2の線路からなるサンプルコイルと、前記第1の線路の端と前記第2の線路の端の間に設けられた位相補償・切換手段であって、第1の核種の核磁気共鳴信号を通過させ、第2の核種に照射する信号を阻止する位相補償・切換回路と、を有し、前記第1の核種の核磁気共鳴信号を検出する際には前記サンプルコイルを集中定数回路として動作させた第1の共振振動数により検出し、前記第2の核種に信号を照射する際には前記第1及び第2の線路をそれぞれ分布定数回路として動作させた第2の共振振動数により照射するものである。
前記第1及び第2の線路を分布回路として動作させる際には、前記第1及び第2の線路についてそれぞれλ/4で共振させることが好ましい。
前記第1及び第2の線路は、線路長が等しいことが好ましい。
前記第1の共振振動数は、前記サンプルコイルと、このサンプルコイルに並列に接続されたコンデンサによる並列共振によるものであることが好ましい。
第2の核種に信号を照射する際には、前記位相補償・切換手段を介して、前記第1の線路の端と第2の線路の端に互いに90度乃至180度位相のシフトした信号が供給されることが好ましい。
第2の核種に信号を照射する際には、前記位相補償・切換手段を介して、前記第1の線路の端と第2の線路の端に互いに135度乃至180度位相のシフトした信号が供給されることが好ましい。
第2の核種に信号を照射する際には、前記位相補償・切換手段は、入力された信号から互いに90度乃至180度位相のシフトした二つの信号を生成し、これらの信号をそれぞれ前記第1の線路の端と第2の線路の端から供給することが好ましい。
第2の核種に信号を照射する際には、前記位相補償・切換手段は、入力された信号から互いに135度乃至180度位相のシフトした二つの信号を生成し、これらの信号をそれぞれ前記第1の線路の端と第2の線路の端から供給することが好ましい。
また、本発明に係る核磁気共鳴用プローブは、少なくとも2つの核種を含む試料から核磁気共鳴信号を検出する核磁気共鳴用プローブにおいて、前記試料の第2の核種に信号を照射するとともに前記試料に前記第1の核種に勾配磁場を印加するサンプルコイルと、前記サンプルコイルとこのサンプルコイルに勾配磁場の信号を供給する回路の間に設けられたゲート回路と、を有し、前記第2の核種の核磁気共鳴信号を検出する際には前記サンプルコイルを集中定数回路として動作させた第1の共振振動数により検出し、前記第1の核種に勾配磁場を印加する際には前記サンプルコイルを分布定数回路として動作させた第2の共振振動数により検出し、前記第1の核種に勾配磁場を印加する期間には前記ゲート回路をオンとし、他の期間には前記ゲート回路をオフとするものである。
前記サンプルコイルを分布回路として動作させる際には、前記サンプルコイルの全線路長の中点の両側の線路についてそれぞれλ/4で共振させることが好ましい。
前記サンプルコイルの中点を給電注入点とし、この中点に前記ゲート回路を介して前記第21の核種に印加する勾配磁場の信号を入力することが好ましい。
前記中点と前記両側の線路の間の少なくとも一方にコンデンサを挿入することが好ましい。
前記第1の共振振動数は、前記サンプルコイルと、このサンプルコイルに並列に接続されたコンデンサによる並列共振によるものであることが好ましい。
そして、本発明に係る核磁気共鳴用プローブは、少なくとも2つの核種を含む試料から核磁気共鳴信号を検出する核磁気共鳴用プローブにおいて、前記試料から第1の核種の核磁気共鳴信号を検出する第1のサンプルコイルと、前記試料の第2の核種に信号を照射するとともに前記試料に前記第1の核種に勾配磁場を印加する第2のサンプルコイルと、前記第2のサンプルコイルとこの第2のサンプルコイルに勾配磁場の信号を供給する回路の間に設けられたゲート回路と、を有し、前記第2の核種の核磁気共鳴信号を検出する際には前記第2のサンプルコイルを集中定数回路として動作させた第1の共振振動数により検出し、前記第1の核種に勾配磁場を印加する際には前記第1のサンプルコイルを分布定数回路として動作させた第2の共振振動数により検出し、前記第1の核種に勾配磁場を印加する期間には前記ゲート回路をオンとし、他の期間には前記ゲート回路をオフとするものである。
前記第2のサンプルコイルを分布回路として動作させる際には、前記第2のサンプルコイルの全線路長の中点の両側の線路についてそれぞれλ/4で共振させることが好ましい。
前記第2のサンプルコイルの中点を給電注入点とし、この中点に前記ゲート回路を介して前記第1の核種に印加する勾配磁場の信号を入力することが好ましい。
前記中点と前記両側の線路の間の少なくとも一方にコンデンサを挿入することが好ましい。
前記第1の共振振動数は、前記第2のサンプルコイルと、この第2のサンプルコイルに並列に接続されたコンデンサによる並列共振によるものであることが好ましい。
本発明によると、2以上の核種を含む試料から、低域及び高域の核磁気共鳴信号を効率よく検出することができるような核磁気共鳴用プローブを提供することができる。
以下、本発明に係る核磁気共鳴用プローブの実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態の核磁気共鳴用プローブを適用した核磁気共鳴分光装置の概略的な構成を示す図である。
本実施の形態においては低域及び高域の核磁気共鳴信号の核種として、それぞれ13C及び19Fを想定するが、他の核種の組み合わせについても同様にして適用することができる。
この核磁気共鳴分光装置は、試料を格納する試料管1にほぼ一様な静磁場を印加するマグネット2と、室温においてマグネット2による静磁場の不均一を補正する室温シム3と、試料管1に格納された試料から核磁気共鳴信号を検出する核磁気共鳴用プローブ4と、試料管1及びNMRプローブ4を格納して温度を変化させる温度可変(VT)装置5と、を有している。
前記核磁気共鳴用プローブ4は、単独のサンプルコイルを有し、少なくとも2つの核種を含む試料から低域及び高域の核磁気共鳴信号を検出することができるようなものである。この核磁気共鳴用プローブ4については、後に詳細に説明する。
また、この核磁気共鳴分光装置は、室温シム3による静磁場の補正を制御する磁場補正装置6と、この核磁気共鳴分光装置の全体を制御するコンピュータ7と、この核磁気共鳴分光装置の稼動状態や観測した核磁気共鳴信号を表示するLCDなどの表示機8と、核磁気共鳴用プローブ4に送受する信号の多重化及び分離を行うデュプレクサ9と、核磁気共鳴用プローブ4からデュプレクサ9を介して送られた信号を増幅する増幅器10と、増幅器10で増幅された核磁気共鳴信号に復調及び検波を施す復調検波器11と、復調検波器11からの信号にアナログ・デジタル変換を施すアナログ・デジタル・コンバータ(ADC)12と、を有している。
さらに、この核磁気共鳴分光装置は、核磁気共鳴用プローブ4にデュプレクサ9を介して送る第1の振動数f1の信号を電力増幅する第1の電力増幅器13と、同じく第2の振動数f2の信号を電力増幅する第2の電力増幅器15と、同じく第3の振動数f3の信号を電力増幅する第3の電力増幅器16と、第1の電力増幅器13、第2の電力増幅器15及び第3の電力増幅器16にそれぞれ第1、第2及び第3の振動数f1,f2,f3の信号を供給する発振器14と、を有している。
ここで、第1及び第2の振動数f1,f2は、13C及び19Fによる低域及び高域の核磁気共鳴信号に対応している。発振器14は、復調検波器11から送られた観測信号に基づいてこれら第1及び第2の振動数f1,f2の信号を生成する。第3の周波数f3は、前記核種以外の第3の核種の核磁気共鳴信号に対応している。
図2は、本実施の形態の核磁気共鳴分光装置に用いられる核磁気共鳴用プローブの構成を示す図である。図2(a)はこの核磁気共鳴用プローブの概略的な構成を示す回路図であり、図2(b)はこの核磁気共鳴用プローブの動作を説明するための模式図である。
図2(a)における核磁気共鳴用プローブのサンプルコイル20は、第1の伝送路(TRL)21と、この第1の伝送路21と同じ長さを有する第2の伝送路22とを有している。このように、サンプルコイル20を分布定数回路から構成されたものとみなすことができる。
この核磁気共鳴用プローブにおいて、第1の伝送路21の一端からは、13C核による低域の核磁気共鳴信号が第1のポート26に出力される。また、サンプルコイル22の全線路長の中点となる第1の伝送路21の他端と第2の伝送路22の接続点からは、19F核による高域の核磁気共鳴信号が第2のポート27に出力される。
図2(b)において、核磁気共鳴のサンプルコイル20を構成する第1の伝送路21及び第2の伝送路22は、第1のコイル23及び第2のコイル24として模式的に示されている。
このように、本実施の形態のサンプルコイル20は、その線路長を分布定数回路とすることができる一方、集中定数回路としてインダクタンスと見ることができる。
サンプルコイル20は、分布定数回路と集中回路定数として動作する場合に異なった共振振動数を有することになる。本実施の形態では、サンプルコイル20を分布定数回路として動作させることにより19Fによる高域の核磁気共鳴信号に対応すると同時に、集中定数回路として動作させることにより13Cによる低域の核磁気共鳴信号に共振するように設定している。
ここで、サンプルコイル20を分布定数回路として動作させる場合には、第1及び第2の伝送路21,22を接続する中点の両側にそれぞれλ/4波長で共振させ、この中点を給電注入点とする。
一方、サンプルコイル20を集中定数回路として動作させる場合は、第1及び第2の伝送路21,22の大きさと比較して長波長となる帯域の信号を適用する。このような帯域においては第1及び第2の伝送路21,22における電位はほぼ定数になるので、サンプルコイル20を集中定数回路とみなすことができる。
図3は、前記核磁気共鳴用プローブに用いられるサンプルコイルの構成を示す図である。
図3(a)はサンプルコイルの展開図であり、図3(b)はサンプルコイルの斜視図である。
サンプルコイル20は、第1の伝送路21と、第2の伝送路22が中央部25で半田付けされてなる、鞍状コイルである。第1及び第2の伝送路21,22の中央部25の長さL3を除いた実効的な長さ(以下、第1及び第2の線路長という。)S1,S2は、それぞれ次のように定義される。
S1=L2+Z4+W4+Z3+W3
S2=L1+W1+Z1+W2+Z2
本実施の形態のサンプルコイル20においては、第1及び第2の線路長S1,S2は同一又はほぼ同一に設定されている。すなわちS1=S2又はS1≒S2である。
さらに、第1及び第2の線路長S1,S2は、高域の核磁気共鳴信号である第1の振動数f2についてともにλ/4波長で共振するような長さに設定されている。
例えば第2の振動数f2=600MHzに対しては第1及び第2の線路長S1,S2をほぼ125mmに設定する。また、例えば第2の振動数f2=500MHzに対しては第1及び第2の線路長S1,S2をほぼ150mmに設定する。
なお、図3においては1回のみ巻回したコイルを示したが、2回以上巻回した場合も、同様にして第1及び第2の線路長S1,S2を設定することができる。
図4は、1回又は2回以上にわたって巻回したサンプルコイルを示す展開図である。
図4(a)は1回のみ巻回した場合、図4(b)は2回にわたって巻回した場合、図4(c)は3回にわたって巻回した場合を示す。図5(d)に示すように、所望のN回にわたって巻回することができる。
以下、図5乃至図12にわたって前述した構成を有する本実施の形態の核磁気共鳴用プローブの実効性をコンピュータによるシミュレーションによって説明する。
ここでは、検出する核磁気共鳴信号として、低域の振動数f1を13C核についてのほぼ150.9MHz、高域の振動数f2を19F核についてのほぼ564.7MHzと想定する。
図5は、シミュレーションに用いる回路と条件を含む回路ツールによる設計モデルを示す図である。これらの回路の定数は、図2(a)中に記載されている。
シミュレーションは、10MHz刻みで0から1500MHzまで実行するものとする。便宜上、回路要素はほぼ理想的な無損失とした。
シミュレーションを行う回路を示す図2(a)を参照すると、サンプルコイル20の両端はコンデンサによって接地され、給電注入点となるサンプルコイル20の全線路長の中点はλ/4波長で電圧共振する。前記中点には、0.528pFのコンデンサを介して給電注入されている。
サンプルコイル20は、第1及び第2の線路長S1,S2をともにほぼ125mm、全線路長を250mmとしてほぼ600MHzを共振振動数として設定されている。
実際にシミュレーションを実行したところ、前記線路長S1,S2ではN=2のコイルがほぼ低域の核磁気共鳴信号の振動数f1に適用できるような集中定数となり、ほぼ220nHであった。
図6は、核磁気共鳴用プローブの第1のポート26の反射特性をシミュレーションした結果を示す図である。
図においては、第1の振動数f1、第2の振動数f2、及びさらに高域の第3の振動数f3として1.22GHz付近で反射が小さくなっていることが見られる。
図7は、核磁気共鳴用プローブの第1のポート26から第2のポート27への透過特性をシミュレーションした結果を示す図である。
図においては、第1の振動数f1においてピークが見られ、第2の振動数f2においてより大きなピークが見られる。
図8は、図6及び図7に示した特性を第1の振動数f1を含む帯域について拡大したスケールで示す図である。
図においては、第1の振動数f1において吸収が小さくなり、前記透過特性についてこの振動数で分散モードで共振が生じたことが見られる。
図9は、図8に示した特性を信号強度について拡大したスケールで示す図である。
13C核に相当する第1の周波数f1の150.9MHzにおける半値幅はほぼ0.6MHzであり、Q値はほぼ252である。
図10は、図7に示した特性を第2の振動数f2を含む帯域について拡大したスケールで示す図である。
第2の振動数f2において吸収が小さくなり、透過が大きくなっていることが見られる。
図11は、図10に示した特性を信号強度について拡大したスケールで示すものである。
19F核に相当する第2の周波数f2の564.7MHzにおける半値幅はほぼ2.0MHzであり、Q値はほぼ282である。
前述のシミュレーション結果によると、本実施の形態の核磁気共鳴用プローブは、低域及び高域の第1及び第2の振動数f1,f2において大きなQ値を有し、優れた共振特性を有することが明らかになった。また、第1及び第2の振動数f1,f2のみならず、第3の振動数f3においても共振することが見られる。
図12は、前述した本実施の形態の核磁気共鳴用プローブの変形例を説明する図である。
図12(a)は、前記図2(b)と同様に、前述の本実施の形態で示した核磁気共鳴用プローブの構成を概略的に示している。
このような核磁気共鳴用プローブの変形例として、図12(b)、図12(c)及び図12(d)に示すように、位相補償が必要な場合や集中定数側の周波数設計上必要な場合、サンプルコイル20において第1及び第2のコイル23,24を接続する接続点の片側または両側にコンデンサを挿入することができる。
言い換えると、前記中点と前記両側の線路の間の少なくとも一方にコンデンサを挿入する。なお、第1及び第2のコイル23,24間に形成される浮遊容量を位相補償に使うこともできる。
図12(e)は、第3のポート29を接続して、第3の振動数f3でも共振するようにした変形例を示す図である。サンプルコイル20の第2のコイル24は、デカップル回路28を介して第3のポート29に接続している。この場合、第1乃至第3の振動数f1〜f3を用いて、3つの核種に対応する3つの振動数の核磁気共鳴数に共振するような核磁気共鳴用プローブを提供することができる。
前述のように、本実施の形態によると、少なくとも2つの周波数モードに対し単独のコイルで純粋な回路構成が可能となる。したがって、核磁気共鳴信号を検出する効率とともに感度が増加する。
また、本実施の形態によると、多様な周波数の組み合わせに応じた最適な回路構成を採用することで観測する核種の幅を広げることができるる。
さらに、本実施の形態によると、核磁気共鳴用プローブに単独のサンプルコイルを備えれば足りるので、この1つのコイルに対して分解能を保証すればそれぞれの観測モードで分解能を補償する必要はない。
なお、本実施の形態においては、19F,13Cを低域及び高域の核磁気共鳴信号を生成する核種として想定したが、本発明はこの組み合わせには限定されない。低域及び高域の核磁気共鳴信号を有する核種としては、次のような組み合わせが可能である。13C/H,31P/19F,31P/H,15N/H,15N/19F,13C/31P,15N/13C,15N/31P,D/H,D/19F,15N以下の低γ核/31P。
また、前述の実施の形態においては、給電注入点として全線路長の中点を目安にしている。このことは完全にバランスが取れたいわゆる平衡回路を意味しているが、本発明はこれに限定されない。本発明は、このようなバランスを崩したいわゆる不平衡回路にしてもよいことはいうまでもない。この場合、中点ではなく、例えば2対1など種々の応用によって適当なバランスに従って分割した比率に給電注入点を持ってくる。
〔第2の実施の形態〕
図13は、第2の実施の形態の核磁気共鳴用プローブの構成を示す図である。
本実施の形態の核磁気共鳴用プローブにおいては、サンプルコイル20の第1の伝送路21と第2の伝送路22の間に、位相補償・切換回路31が設けられている。
図14は、前記核磁気共鳴用プローブに用いられるサンプルコイルの構成を示す図である。図14(a)はサンプルコイルの展開図であり、図14(b)はサンプルコイルの斜視図である。
本実施の形態のサンプルコイル20は、第1の実施の形態と同様に第1の伝送路21と、第2の伝送路22とからなるが、これら第1の伝送路21と第2の伝送路22は、中央部25で分離し、第1の伝送路21と第2の伝送路22の間に位相補償・切換回路31が設けられている。
この点を除いて、本実施の形態のサンプルコイル20の構成は、第1の実施の形態と同様である。図4で示したように、サンプルコイル20を1回乃至所望のN回まで巻回することができる点も第1の実施の実施の形態と同様である。
この核磁気共鳴用プローブにおいて、第1の伝送路21の一端21aからは、13C核による低域の核磁気共鳴信号が第1のポート26に出力される。この低域の核磁気共鳴信号は、第1の伝送路21の一端21aから他端21b、位相補償・切換回路31、第2の伝送路22の一端22aから他端22bを経て流れる。
第2のポート27には、Hに照射するための高域の信号が入力される。この高域の信号は、位相補償・切換回路31によって互いに180度位相がシフトした0度成分と180度成分に変換され、0度成分が第1の伝送路21の他端21bから一端21a、コンデンサC1を経て流れ、180度成分が第2の伝送路22の一端22aから他端22b、コンデンサC2を経て流れる。ここで、第2のポート27から入力された高域の信号の位相を基準の0度としている。
ここで、図3に示した第1の実施の形態のサンプルコイル20は、第1の伝送路21と第2の伝送路22の磁場について、前記高域の信号で逆相の磁場を発生し、低域の核磁気共鳴信号で同相の磁場を発生するような向きで巻回されていた。これに対して、本実施の形態では、位相補償・切換回路31によって、前記高域の信号について、サンプルコイル20の中央部25から、0度成分及び180度成分がそれぞれ第1の伝送路21及び第2の伝送路に供給される。すなわち、第1の伝送路21には0度成分のみが流れ、第2の伝送路22には180度成分のみが流れる。したがって本実施の形態では、第1の伝送路21と第2の伝送路22は、常に同相の磁場を発生する。
図15は、位相補償・切換回路31の構成を示す図である。
位相補償・切換回路31は、第2のポート27から入力された高域の信号を0度成分に変換する第1の位相補償回路31aと、前記高域の信号を180度成分に変換する第2の位相補償回路31bとを有している。本実施の形態では、第1の位相補償回路31aは入力された前記高域の信号を0度成分として出力し、第2の位相補償回路31bは前記高域信号の位相を180度シフトさせて180度成分として出力している。
これら第1の位相補償回路31a及び第2の位相補償回路31bは、容量エレメント、線路、トランス結合等を組み合わせて構成することができる。このような位相補償回路は、例えば、位相補償・切換回路31から第1の伝送路21の他端21b及び一端21a、コンデンサC1を経る長さと、位相補償・切換回路31から第2の伝送路22の一端22a及び他端22b、コンデンサC2を経る長さの比を、20〜30%程度ずらすことによって構成することができる。また、このような位相補償回路は、第1の位相補償回路31a又は第2の位相補償回路31bの一方の線路に、誘電体を並列させることによって実効的な長さを短縮することによっても実現することができる。具体的には、一方の線路に、Q損失が少ないセラミックによる被覆を形成する。炭素核のバックグランドノイズが問題にならない場合には、テフロン(登録商標)被覆を採用することもできる。
また、位相補償・切換回路31は、第1の位相補償回路31aから入力される0度成分をゲートして第1の伝送路21の他端21bに出力する第1のゲート31cと、第2の位相補償回路31bから入力される180度成分をゲートして第2の伝送路22の一端22aに出力する第2のゲート31dとを有している。これら第1のゲート31c及び第2のゲート31dは、第3のポート28から入力されるゲート信号によって動作する。
第1のゲート31c及び第2のゲート31dは、13Cによる低域の核磁気共鳴信号を検出するための第1のポート26からサンプルコイル20に至る低域用の回路と、位相補償・切換回路31を介して第2のポート27に至る高域用の回路との間の接続を遮断し、この間の結合を阻止するために設けられる。これら第1のゲート31c及び第2のゲート31dは、サンプルコイル20に前記高域の信号を供給するタイミングでオンされ、他の期間はオフになるように、第3のポート28から供給されるゲート信号によって制御される。
さらに、位相補償・切換回路31は、第1の伝送路21の他端21bと第2の伝送路22の一端22a間において、13C核による低域の核磁気共鳴信号を通過させるが、Hに照射する高域の信号を遮断するような選択回路31eを有している。この選択回路31eによって、前記高域の信号の0度成分及び180度成分を第1の伝送路21及び第2の伝送路22に別々に入力すると共に、低域の核磁気共鳴信号については第1の伝送路21及び第2の伝送路22を繋いで検出することができるようになる。
この第2の実施の形態によると、一つのサンプルコイル20によって、13Cによる低域の核磁気共鳴信号とHへ照射する高域の信号の二つの共振モードを形成している。したがって、従来の二つのサンプルコイルを用いる場合のような相互の干渉の問題がないので、このサンプルコイル20を試料に接近させることで、低域の核磁気共鳴信号及び高域の信号とも試料の近くで検出及び照射することができる。これによって、従来の同種の測定を実施する場合と比べて効率が格段に良くなる。
また、試料に対する高域の核磁気共鳴信号による検出及び高域の信号の照射を同一のサンプルコイル20で行うので、両方の信号で同一の分解能を確保することができる。
さらに、本実施の形態では、高域の信号について、第1の伝送路21及び第2の伝送路22で同相の磁場を発生させる。したがって、試料の中心においても、この高域の信号による強い磁場を確保することができる。従来の核磁気共鳴プローブにおいては、第1及び第2の伝送路で逆相の磁場を発生させるため、試料の中心においては磁場が打ち消しあい、十分な強さを得ることは困難であった。
なお、本実施の形態の第1の位相補償回路31a及び第2の位相補償回路31bは、0度成分と180度成分のように互いに180度位相がシフトした信号に変換するものとして説明したが、実際には互いに位相のシフトは90度から180度の範囲にあることが好ましく、135度から180度の範囲にあることが好ましい。
また、本実施の形態では、第1のゲート31c及び第2のゲート31dは、第2のポート27からサンプルコイル20に前記高域の信号が流れる方向に沿って、第1の位相補償回路31a及び第2の位相補償回路31bの後段に設けられているが、これとは逆に前段に設けることもできる。
さらに、本実施の形態では、試料にHのための高域の信号を照射し、13Cによる低域の核磁気共鳴信号を検出するものとして説明したが、本実施の形態はこれに限られない。例えば、Hによる高域の核磁気共鳴信号と、Dによる低域のロック信号とを検出するものとしても構成することができる。
〔第3の実施の形態〕
図16は、第3の実施の形態の核磁気共鳴分光装置に用いられる核磁気共鳴用プローブの構成を示す図である。
本実施の形態の核磁気共鳴用プローブにおいては、第2のポート27からの信号がゲート回路41を介してサンプルコイル20の中央部25に入力される点が第1の実施の形態と異なっている。この核磁気共鳴用プローブにおける他の部分は、第1の実施の形態と同様の構成であるので説明を省略する。
この核磁気共鳴用プローブにおいては、第1のポート26から13C核のための低域の信号が入力される。この低域の信号は、第1の伝送路21から第2の伝送路22及びコンデンサを経てアースに流れる。
第2のポート27には、Hに印加する勾配磁場(field gradient;FG)のための高域の信号が入力される。この高域の信号は、ゲート回路41を経て、サンプルコイル20の中央部25から入力される。したがって、この高域の信号は、第1の伝送路21及び第2の伝送路22を逆方向に流れ、互いに逆位相の向きの磁場を発生する。
図17は、サンプルコイルにおいて勾配磁場(FG)のための高域の信号によって発生した磁場の分布を示す図である。
横軸のzは、試料に印加された静磁場方向に取った軸である。z=10.5が試料の中心位置であり、これより大きいzは試料の上部、これより小さいzは試料の下部に相当する。また、縦軸としては、磁場の強度としてRF磁場の正規化した指数B1=√(2×Δf/f0)を用いる。
前記中心位置の上下の所定範囲では、直線的な勾配が実現されている。本実施の形態のサンプルコイル20のz方向の長さは15〜16mmであるので、サンプルコイル20内に配置された試料においては一様な勾配磁場が確保される。
ここで、勾配磁場の具体例を説明する。90度パルス幅(t2)測定で10μsec程度の強度を有するとすると、関係式θ=γ×H×t2により、磁場はH=θ/(γ×t2)で与えられ、磁場は数gauss、電力は数Wattとなる。ただし、θ=π/2rad、H核についてγ=26753(rad・sec−1・gauss−1)、t2=10×10−6secとした。このためには、プローブに数十〜数百Wattの電力を供給する必要がある。
図18は、サンプルコイルにおける低域の核磁気共鳴信号による磁場の分布を示す分布である。
第1のポート26から入力された低域の信号は、第1の伝送路21から中央部25を経て第2の伝送路22に同方向に流れ、同位相の向きの磁場を発生する。図に示すように、中心位置を含む所定範囲において磁場の強度は一様になっている。
図19は、前記核磁気共鳴用プローブを含む核磁気共鳴用プローブの構成を示す図である。
この核磁気共鳴用プローブは、Hの高域の核磁気共鳴信号を検出する高域信号検出部11、13Cのための低域の信号の照射と共にHに印加する勾配磁場(FG)を発生する低域信号照射・勾配磁場発生部12、及び高域信号検出部11で検出した信号からロック信号を検出するロック信号検出部13を有している。
高域信号検出部11は、サンプルコイルL11とこれに並列に配置されたコンデンサC11により構成される並列回路によって共振振動数を設定する。さらに、可変容量コンデンサC11,C12によってこの共振振動数を調整することができる。低域信号照射・勾配磁場発生部12は、前記核磁気共鳴用プローブに相当するものである。この低域信号照射・勾配磁場発生部12は、サンプルコイルL10とこれに並列に配置された可変容量コンデンサC10とにより構成される並列回路によって共振振動数を設定する。ロック信号検出部13は、高域信号検出部11で検出した信号からD核の核磁気共鳴信号を検出する。
高域信号検出部11のサンプルコイルL11は、低域信号照射・勾配磁場発生部12のサンプルコイルL10に入力されたHのための勾配磁場(FG)信号に時系列的な相関を有してHの核磁気共鳴信号を検出する。すなわち、低域信号照射・勾配磁場発生部12のサンプルコイルL10には、第1のポート26からの13Cに照射する低域の信号の入力に少し遅れて、第2のポート27からのHに印加する勾配磁場のための高域信号が入力される。これに続いて、サンプルコイルL11では、Hの核磁気共鳴信号を検出する。
ゲート回路41は、第3のポート29から入力されるゲート信号により、サンプルコイルL10が勾配磁場のための高域信号を入力されるタイミングでオンになるように制御される。他の期間、ゲート回路41はオフとなっている。
これによって、Hの核磁気共鳴信号を検出している期間、ゲート回路41はオフとなり、ゲート回路41から第2のポート26に至る勾配磁場ための回路は、サンプルコイルL10と電気的に分離される。したがって、高域信号検出部11と低域信号照射・勾配磁場発生部12の前記勾配磁場のための回路とのサンプルコイルL10、L11を介した結合が阻止される。
なお、高域信号検出部11と前記勾配磁場のための回路間の結合を防ぐためには、少なくとも、サンプルコイルL11でHの核磁気共鳴信号を検出する期間にゲート回路41をオフとすればよい。
なお、低域信号照射・勾配磁場発生部12において、サンプルコイルL10から第1のポート26に至る低域の信号のための回路は、高域信号検出部11とは周波数帯域が異なるので結合するおそれはない。このため、低域の信号は、第1のポート26からゲートを介することなくサンプルコイルL10に入力される。
この第3の実施の形態によると、一つのサンプルコイルを用い、13Cのための低域の信号と、Hのための勾配磁場を発生することができる。これによって、勾配磁場(FG)法による核磁気共鳴測定が容易に実施できるようなった。
また、本実施の形態では、一つのサンプルコイルでRF信号と勾配磁場を発生する。したがって、従来のように勾配磁場を発生するためのコイル(FGコイル)を別に設ける必要がない。このため、FGコイルによるプローブの大型化、FGコイルの磁化による影響などの問題を招来することがない。
さらに、本実施の形態では、試料の位置を基準として、内側に低域信号照射・勾配磁場発生部12のサンプルコイルL10、外側に高域信号検出部11のサンプルL11を設ける第1の配置、内側にサンプルコイルL11、外側にサンプルコイルL10を設ける第2の配置を任意に選択することができる。第1の配置では、サンプルコイルL10の発生した勾配磁場は、サンプルコイルL10及びサンプルコイルL11の径の比率に反比例して強くなる。また、第2の配置では、高域の核磁気共鳴信号を検出するサンプルコイルL11を試料に近づけ、感度を高めることができる。このように、本実施の形態では実験の目的によって第1及び第2の配置を選択できる自由度がある。
さらにまた、本実施の形態では、数十〜数百Wattの電力の供給によって、数gaussの勾配磁場を発生することができる。このような電力は、核磁気共鳴分光装置に標準的に備えられた観測側パワーアンプのレベルである。したがって、本実施の形態のような時分割法を適用する事により、既存設備を大規模に変更することなく流用することができる。
なお、本実施の形態においては、13Cを低域の核磁気共鳴信号、1Hを高域の勾配磁場(FG)信号の対象として想定したが、本実施の形態はこの組み合わせに限定されない。低域の核磁気共鳴信号としては、例えば水素、フッ素、リンを対象とすることが可能である。FG信号としては、リン、炭素、窒素、重水素、低γ核種を対象とすることが可能である。
図20は、第1の変形例を示す図である。
前述の実施の形態では、サンプルコイル20の第2の伝送路をコンデンサを介して接地していたが、図に示すように直接に設置することもできる。
図21は、第2の変形例を示す図である。図21(a)はソレノイドコイル、図21(b)は核磁気共鳴プローブのサンプルコイルに適用したソレノイドコイルを示す図である。
前述の実施の形態においては、鞍状コイルを例示したが、図に示すようにソレノイドコイルに適用することもできる。また、ソレノイドコイル以外にも、バードケージコイルにも適用することができる。
本実施の形態の核磁気共鳴用プローブを適用した核磁気共鳴分光装置の概略的な構成を示す図である。 本実施の形態の核磁気共鳴分光装置に用いられる核磁気共鳴用プローブの構成を示す図である。 核磁気共鳴用プローブに用いられるサンプルコイルの構成を示す図である。 1回又は2回以上にわたって巻回したサンプルコイルを示す図である。 シミュレーションに用いる回路と条件を含む回路ツールによる設計モデルを示す図である。 核磁気共鳴用プローブの第1のポートの反射特性をシミュレーションした結果を示す図である。 核磁気共鳴用プローブの第1のポートから第2のポートへの透過特性をシミュレーションした結果を示す図である。 図6及び図7に示した特性を第1の振動数f1を含む帯域について拡大したスケールで示す図である。 図8に示した特性を信号強度について拡大したスケールで示す図である。 図7に示した特性を第2の振動数f2を含む帯域について拡大したスケールで示す図である。 図10に示した特性を信号強度について拡大したスケールで示す図である。 第1の形態の核磁気共鳴用プローブの変形例を説明する図である。 第2の実施の形態の核磁気共鳴分光装置に用いられる核磁気共鳴用プローブの構成を示す図である。 前記核磁気共鳴用プローブに用いられるサンプルコイルの構成を示す図である。 位相補償・切換回路31の構成を示す図である。 第3の実施の形態の核磁気共鳴分光装置に用いられる核磁気共鳴用プローブの構成を示す図である。 サンプルコイルにおいて勾配磁場(FG)のための高域の信号によって発生した磁場の分布を示す図である。 サンプルコイルにおける低域の核磁気共鳴信号による磁場の分布を示す分布である。 前記核磁気共鳴用プローブを含む核磁気共鳴用プローブの構成を示す図である。 第1の変形例を示す図である。 第2の変形例を示す図である。 従来の核磁気共鳴用プローブの概略的な構成を示す図である。 勾配磁場(FG)を用いる従来の核磁気共鳴用のプローブの概略的な構成を示す図である。

Claims (23)

  1. 少なくとも2つの核種を含む試料から核磁気共鳴信号を検出する核磁気共鳴用プローブにおいて、
    前記試料からの核磁気共鳴信号を検出するサンプルコイルを有し、
    当該サンプルコイルの線路長は、第1の核種の低域の核磁気共鳴信号を検出する際にはサンプルコイルを集中定数回路としてインダクタンスと見なすことができ、第1の核種の核磁気共鳴信号をサンプルコイルに接続されたコンデンサとの共振による第1の共振振動数により検出することが可能な線路長であると共に、当該サンプルコイルを分布定数回路として見なすことができる第2の核種の高域の核磁気共鳴信号を検出する際には、サンプルコイルの線路が前記第1の共振振動数よりも高い第2の共振振動数で共振する線路長であること
    を特徴とする核磁気共鳴用プローブ。
  2. 前記サンプルコイルを分布回路として動作させる際には、前記サンプルコイルの全線路長の中点の両側の線路についてそれぞれλ/4で共振させることを特徴とする請求項1記載の核磁気共鳴用プローブ。
  3. 前記中点を給電注入点とすることを特徴とする請求項2記載の核磁気共鳴用プローブ。
  4. 前記中点と前記両側の線路の間の少なくとも一方にコンデンサを挿入することを特徴とする請求項2又は3記載の核磁気共鳴用プローブ。
  5. 前記第1の共振振動数は、前記サンプルコイルと、このサンプルコイルに並列に接続されたコンデンサによる並列共振によるものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の核磁気共鳴用プローブ。
  6. 少なくとも2つの核種を含む試料から核磁気共鳴信号を検出する核磁気共鳴用プローブにおいて、
    第1及び第2の線路からなるサンプルコイルと、
    前記第1の線路の端と前記第2の線路の端の間に設けられた位相補償・切換手段であって、第1の核種の核磁気共鳴信号を通過させ、第2の核種に照射する信号を阻止する位相補償・切換回路と、
    を有し、
    前記第1の核種の核磁気共鳴信号を検出する際には前記サンプルコイルを集中定数回路として動作させた第1の共振振動数により検出し、前記第2の核種に信号を照射する際には前記第1及び第2の線路をそれぞれ分布定数回路として動作させた第2の共振振動数により照射すること
    を特徴とする核磁気共鳴用プローブ。
  7. 前記第1及び第2の線路を分布回路として動作させる際には、前記第1及び第2の線路についてそれぞれλ/4で共振させることを特徴とする請求項6記載の核磁気共鳴用プローブ。
  8. 前記第1及び第2の線路は、線路長が等しいことを特徴とする請求項6又は7記載の核磁気共鳴用プローブ。
  9. 前記第1の共振振動数は、前記サンプルコイルと、このサンプルコイルに並列に接続されたコンデンサによる並列共振によるものであることを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の核磁気共鳴用プローブ。
  10. 前記第2の核種に信号を照射する際には、前記位相補償・切換手段を介して、前記第1の線路の端と第2の線路の端に互いに90度乃至180度位相のシフトした信号が供給されることを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載の核磁気共鳴用プローブ。
  11. 前記第2の核種に信号を照射する際には、前記位相補償・切換手段を介して、前記第1の線路の端と第2の線路の端に互いに135度乃至180度位相のシフトした信号が供給されることを特徴とする請求項10に記載の核磁気共鳴用プローブ。
  12. 前記第2の核種に信号を照射する際には、前記位相補償・切換手段は、入力された信号から互いに90度乃至180度位相のシフトした二つの信号を生成し、これらの信号をそれぞれ前記第1の線路の端と第2の線路の端から供給することを特徴とする請求項10記載の核磁気共鳴用プローブ。
  13. 第2の核種に信号を照射する際には、前記位相補償・切換手段は、入力された信号から互いに135度乃至180度位相のシフトした二つの信号を生成し、これらの信号をそれぞれ前記第1の線路の端と第2の線路の端から供給することを特徴とする請求項12記載の核磁気共鳴用プローブ。
  14. 少なくとも2つの核種を含む試料から核磁気共鳴信号を検出する核磁気共鳴用プローブにおいて、
    前記試料の第2の核種に信号を照射するとともに前記試料に前記第1の核種に勾配磁場を印加するサンプルコイルと、
    前記サンプルコイルとこのサンプルコイルに勾配磁場の信号を供給する回路の間に設けられたゲート回路と、
    を有し、
    前記第2の核種の核磁気共鳴信号を検出する際には前記サンプルコイルを集中定数回路として動作させた第1の共振振動数により検出し、前記第1の核種に勾配磁場を印加する際には前記サンプルコイルを分布定数回路として動作させた第2の共振振動数により検出し、前記第1の核種に勾配磁場を印加する期間には前記ゲート回路をオンとし、他の期間には前記ゲート回路をオフとすること
    を特徴とする核磁気共鳴用プローブ。
  15. 前記サンプルコイルを分布回路として動作させる際には、前記サンプルコイルの全線路長の中点の両側の線路についてそれぞれλ/4で共振させることを特徴とする請求項14記載の核磁気共鳴用プローブ。
  16. 前記サンプルコイルの中点を給電注入点とし、この中点に前記ゲート回路を介して前記第2の核種に印加する勾配磁場の信号を入力することを特徴とする請求項15記載の核磁気共鳴用プローブ。
  17. 前記中点と前記両側の線路の間の少なくとも一方にコンデンサを挿入することを特徴とする請求項15又は16のいずれかに記載の核磁気共鳴用プローブ。
  18. 前記第1の共振振動数は、前記サンプルコイルと、このサンプルコイルに並列に接続されたコンデンサによる並列共振によるものであることを特徴とする請求項14乃至17のいずれかに記載の核磁気共鳴用プローブ。
  19. 少なくとも2つの核種を含む試料から核磁気共鳴信号を検出する核磁気共鳴用プローブにおいて、
    前記試料から第1の核種の核磁気共鳴信号を検出する第1のサンプルコイルと、
    前記試料の第2の核種に信号を照射するとともに前記試料に前記第1の核種に勾配磁場を印加する第2のサンプルコイルと、
    前記第2のサンプルコイルとこの第2のサンプルコイルに勾配磁場の信号を供給する回路の間に設けられたゲート回路と、
    を有し、
    前記第2の核種の核磁気共鳴信号を検出する際には前記第2のサンプルコイルを集中定数回路として動作させた第1の共振振動数により検出し、前記第1の核種に勾配磁場を印加する際には前記第1のサンプルコイルを分布定数回路として動作させた第2の共振振動数により検出し、前記第1の核種に勾配磁場を印加する期間には前記ゲート回路をオンとし、他の期間には前記ゲート回路をオフとすること
    を特徴とする核磁気共鳴用プローブ。
  20. 前記第2のサンプルコイルを分布回路として動作させる際には、前記第2のサンプルコイルの全線路長の中点の両側の線路についてそれぞれλ/4で共振させることを特徴とする請求項19記載の核磁気共鳴用プローブ。
  21. 前記第2のサンプルコイルの中点を給電注入点とし、この中点に前記ゲート回路を介して前記第1の核種に印加する勾配磁場の信号を入力することを特徴とする請求項20記載の核磁気共鳴用プローブ。
  22. 前記中点と前記両側の線路の間の少なくとも一方にコンデンサを挿入することを特徴とする請求項20又は21のいずれかに記載の核磁気共鳴用プローブ。
  23. 前記第1の共振振動数は、前記第2のサンプルコイルと、この第2のサンプルコイルに並列に接続されたコンデンサによる並列共振によるものであることを特徴とする請求項19乃至22のいずれかに記載の核磁気共鳴用プローブ。
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