JP4326954B2 - アンカー・アンド・プル僧帽弁治療具および方法 - Google Patents

Description

本発明は、一般的には、心臓の拡張性心筋症治療用の器具および方法に関する。本発明は、より具体的には、僧帽弁輪を再形成するための器具および方法に関する。

ヒトの心臓は一般には４個の弁を含む。これらの弁のうち、最も重要なものは僧帽弁として知られている。僧帽弁は、左心房と左心室との間の左心房心室開口部に位置する。僧帽弁は、左心室が収縮するときに、左心室から左心房への血液の逆流を阻止するためのものである。血液の逆流を阻止するために、僧帽弁は、左心室が収縮する際のかなりの背圧に耐えることができなければならない。

僧帽弁の尖は、該尖を左心室収縮の間支持するために、精巧だが強靱な索によって心臓の筋肉壁に固定されている。健康な僧帽弁では、僧帽弁の形態が、左心室収縮の際の血液の逆流が起こらないように尖が互いに重なることを保証する。

逆流を阻止する僧帽弁の正常な機能は、疾患か、ある種の生まれつきの欠陥かにより発生する拡張性心筋症によって障害されることがある。例えば、ある種の疾患は、僧帽弁輪の拡張を起こすことがある。これは、僧帽弁の形態の変形につながり、左心室収縮の際に僧帽弁の非効果的な閉鎖を引き起こす。かかる非効果的な閉鎖は、僧帽弁を通じる漏れと逆流とにつながる。心臓の細菌性炎症または心不全のような疾患が、上記の僧帽弁輪の歪みまたは拡張を引き起こすことがある。言うまでもなく、僧帽弁閉鎖不全は、治療しないで済ませるわけにはいかない。

機能障害を有する僧帽弁を修復する１つの方法は、前記弁を完全に交換することである。この方法は、尖の１つが著しく損傷し、あるいは、変形したときに僧帽弁を交換するのに特に適していることがわかった。弁全体の交換は、拡張した僧帽弁輪に伴う直接的な問題を除去するが、現在入手可能な心臓の人工弁には天然の心臓の弁と同じ耐久性はない。

さまざまな他の外科的手順が、僧帽弁輪の変形を矯正し、無傷で自然な心臓の弁の機能を保持するために開発されてきた。これらの外科的技術は、拡張または変形した弁輪の形状を修復することを伴う。一般に弁輪形成術として知られるかかる技術は、拡張を最小限にするために、前記弁輪を外科的に拘束する必要がある。ここで、弁輪を再形成し、僧帽弁の開閉の際に弁の動きを拘束するために、プロテーゼが弁の葉状部のほぼ基部に縫合されるのが典型的である。

多くの異なるタイプのプロテーゼが、かかる外科手術用に開発されてきた。一般に、プロテーゼは、弁輪の基部の周りに適合する、環状または部分的に環状の形をした部材である。前記環状または部分的に環状の形をした部材は、金属のような剛直な材料か、あるいは、可撓性の材料かでできている場合がある。

上記の従来技術の方法は、僧帽弁閉鎖不全の治療にある程度成功したが、課題と、望ましくない結果に終わる可能性とがないわけではなかった。例えば、これらの手順は心臓を切開する手術を要する。このような手順は、高額の費用がかかり、かなりの回復時間を要する非常に侵襲的なものであり、かかる手順に伴う付随的な死のリスクがある。さらに、かかる心臓切開の手順は、この疾患を含む（ｃｏｍｐｒｉｓｅｄ）心臓病患者に特に負担が大きい。これらの因子を考慮して、かかる手順は、最後の手段としてとっておかれることがしばしばあり、そのため、僧帽弁閉鎖不全の病状進行の後期に適用される。さらに、かかる手順の有効性は、術中に評価することは困難で、術後かなり後までわからない場合もある。そのため、最適な効果を得るためにプロテーゼを調整し、あるいは、プロテーゼを変化させる能力は非常に制約される。後からの矯正は、行われるとしても、新たな心臓切開手術を要する。

心臓切開手術をしないで僧帽弁閉鎖不全を治療するための改良された治療法が最近提案された。これは、心臓の冠状静脈が、僧帽弁輪の近傍にあるか、少なくとも部分的には僧帽弁輪を取り囲んでいて、大心静脈を含む静脈系に伸びることの認識によって可能になった。ここで用いられる「冠状静脈」という用語は、前記冠状静脈そのものを指すだけではなく、これに加えて、前記大心静脈を含む冠状静脈と関連する静脈系をも指す。前記治療法は、僧帽弁輪の形状を再形成して有利な効果を与えるために冠状静脈の中に導入される器具を使用するものである。

前記器具は、心臓の冠状静脈中に受け入れられる断面寸法と、前記冠状静脈中に配置されるとき応力がかからない弓状の形状を有する長手方向寸法とを有する弾性部材を含む。前記器具は、僧帽弁を部分的に取り囲み、前記僧帽弁に内向きの圧力を加える。前記内向きの圧力が、僧帽弁の形態を実質的に回復させるために、僧帽弁輪か、あるいは僧帽弁輪の少なくとも一部を圧迫する。この手順は有効な弁の閉鎖作用を促進し、僧帽弁の閉鎖不全を除去する。

前記器具は、ペースメーカーのリードのような心臓のリードを埋め込むために用いられる技術と同様の経皮的技術だけを用いて冠状静脈中に埋め込まれる場合がある。前記器具を埋め込むための１つの提案されたシステムは、前記器具と着脱可能に連結するように形作られた細長いイントロデューサを含む。前記イントロデューサは、前記器具を心臓の中の冠状静脈口を通って冠状静脈中に移動させることができるように可撓性であることが好ましい。誘導を促進するために、細長いシース（ｓｈｅａｔｈ）が冠状静脈の中に最初に進入させられる。それから、前記器具とイントロデューサとは、該器具が冠状静脈の中に配置されるまで、前記シースの内腔を通って移動させられる。前記器具は、弾性材料でできているため、前記シースを通って前進する際に前記内腔の湾曲に適合する。そして、前記シースは、前記器具が応力のかからない弓形の形状をとることができるように部分的に抜き出される。いったん前記器具が適当に配置されると、前記イントロデューサは前記器具から脱離して、前記シースに格納される。その後、前記シースの取り出しにより手順は完了する。結果として、前記器具は冠状静脈の中に留置され、僧帽弁の形態を回復するために僧帽弁に内向きの圧力を加える。

上記の治療法は、従来の心臓切開外科手術のアプローチより多くの利点がある。前記器具、システムおよび方法は比較的非侵襲的な手順に用いられるため、僧帽弁閉鎖不全は、前記器具、システムおよび方法で僧帽弁閉鎖不全の病状進行の初期に治療することができる。前記器具は、いかなる非侵襲的な心臓専門医によっても比較的容易に設置できる。心臓は前記手順の間中完全に無傷のままに保たれるため、前記手順の有効性は容易に決定することができる。調整が望ましいと思われる場合には、かかる調整は患者が回復室に送られる前に実行される。

冠状静脈内の器具で僧帽弁逆流を治療する別のアプローチは、僧帽弁輪のはっきり区別できる（ｄｉｓｃｒｅｔｅ）部分に対して局部的な力を加えることが僧帽弁の逆流を止めることができるという観察に基づく。これは、僧帽弁の拡張は局部的で不均一な場合があることを示唆する。したがって、前記器具は、僧帽弁輪の全体的な再形成のかわりに局部的な僧帽弁輪の再形成をもたらすために、冠状静脈の心房壁の１または２以上のはっきり区別できる部分に力を加える。かかる局部的な治療法は、全体的な治療法の利点の全てを有する。さらに、局部的な治療具は、埋め込みおよび調整がより簡単な場合がある。本発明は、僧帽弁輪に隣接する冠状静脈内に配置された器具を用いて僧帽弁逆流を治療する代替策を提供する。

発明の概要
本発明は、心臓の僧帽弁輪の幾何学的配置（ｇｅｏｍｅｔｒｙ）に効果がある器具を提供する。前記器具は、心臓内部の僧帽弁輪に隣接する心臓の冠状静脈の中に定位固定されるように形作られた、第１のアンカーと、第１にアンカーに固定され、第１のアンカーから心臓内に近位方向に伸びるケーブルと、第１のアンカーより近位方向の心臓内に定位固定されるように形作られて、前記ケーブルを摺動可能に受け入れるように配列された、第２のアンカーと、第２のアンカー上で前記ケーブルを固定するロックとを含む。その結果、第１および第２のアンカーが心臓内で固定されるとき、前記ケーブルは近位方向に引かれ、該ケーブルが第２のアンカー上にロックされて、僧帽弁の幾何学的配置に効果が及ぶ。

第２のアンカーは、冠状静脈内に定位固定されるように形作られる場合がある。代替的に、第２のアンカーは右心房内に定位固定されるように形作られる場合がある。

第１のアンカーは、冠状静脈内に固定するために自動的に伸展（ｓｅｌｆ−ｅｘｐａｎｄｉｎｇ）する場合がある。同様に、第２のアンカーは心臓内に固定するために自動的に伸展する場合がある。

第２のアンカーは前記ロックを含む場合がある。該ロックはラチェットを含む場合がある。さらに前記ケーブルはケーブル・テンション装置（ｃａｂｌｅ ｔｅｎｓｉｏｎ ａｓｓｅｍｂｌｙ）との連結を解除するために形作られた連結部（ｃｏｕｐｌｉｎｇ）を含む場合がある。

本発明は、僧帽弁輪に隣接する心臓の冠状静脈内に繋止するための第１のアンカー手段と、第１のアンカー手段の近位方向の心臓内に繋止するためのとを含む、心臓内の僧帽弁輪の幾何学的配置に効果がある器具を提供する。前記器具は、さらに、第１のアンカー手段に固定され、第１のアンカー手段から近位方向に伸びるケーブル手段と、該ケーブル手段に第２のアンカー手段を固定するためのロック手段とを含み、前記ケーブル手段は、第１および第２のアンカー手段の間を繋げるために、第２のアンカーによって摺動可能に受け入れられる。

本発明は、心臓内の僧帽弁輪の幾何学的配置に効果がある方法を提供する。前記方法は、僧帽弁輪に隣接する心臓の冠状静脈内に第１のアンカーを固定するステップと、第１のアンカーの近位方向の心臓内に第２のアンカーを繋止するステップと、第１のアンカーから近位方向に伸び、第２のアンカーを摺動可能に貫通するケーブルを、第１のアンカーに固定するステップと、前記ケーブルに張力を発生させるために第２のアンカーに対して近位方向に前記ケーブルを変位させるステップと、前記ケーブルに第２のアンカーをロックするステップとを含む。

さらに本発明は、僧帽弁輪の幾何学的配置に効果があるシステムを提供する。心臓内の僧帽弁輪に隣接する心臓冠状静脈内に定位固定されるように形作られた第１のアンカーと、第１のアンカーに固定され、第１のアンカーから心臓内に近位方向に伸びるケーブルと、第１のアンカーより近位方向の心臓内に定位固定され、前記ケーブルを摺動可能に受け入れるように形作られた第２のアンカーと、第２のアンカー上に前記ケーブルを固定するロックとを含む、僧帽弁輪器具を含む。さらに前記システムは、前記僧帽弁輪器具を留置する送達装置（ｄｅｌｉｖｅｒｙ ａｓｓｅｍｂｌｙ）であって、第１のアンカーを係合させて冠状静脈内に第１のアンカーを配置するための第１のプッシュ・ツールと、第２のアンカーを係合させて第２のアンカーを心臓内に配置するための第２のプッシュ・ツールと、第１および第２のアンカーの間のケーブルに張力を生じさせる、該ケーブルに連結可能なテンション部材（ｔｅｎｓｉｏｎｉｎｇ ｍｅｍｂｅｒ）とを含む、送達装置を含む。

さらに本発明は、ガイド・カテーテルを僧帽弁輪に隣接する心臓冠状静脈内に前進させるステップと、自動的に配設する（ｓｅｌｆ−ｄｅｐｌｏｙｉｎｇ）第１のアンカーを押し込み、前記ガイド・カテーテルから脱離させて、僧帽弁輪に隣接する冠状静脈内に第１のアンカーを配置するステップと、第１のアンカーから近位方向に伸びて、自動的に配設する第２のアンカーを貫通するケーブルを第１のアンカーに提供するステップと、自動的に配設する第２のアンカーを前記ガイド・カテーテルから第１のアンカーより近位側の位置に変位させるステップとを含む、心臓の僧帽弁の幾何学的配置に効果がある方法を提供する。さらに前記方法は、第２のアンカーを保持しながら前記ガイド・カテーテルを取り出して、第２のアンカーを留置するステップと、前記ケーブルを引いて該ケーブルに張力を発生させるステップと、前記ケーブルを第２のアンカーにロックするステップとを含む。

図１を参照して、図１は、本発明をより良く理解するために、心臓１０の僧帽弁１２、冠状静脈１４、冠状動脈１５および回旋枝１７を露出するべく心房を除去した、ヒトの心臓１０の上面図である。図１に一般的に示されるのは、心臓１０の肺動脈弁２２、大動脈弁２４および三尖弁２６である。

僧帽弁１２は、前尖１６、後尖１８および僧帽弁輪２０を含む。前記輪は、尖１６および１８を取り囲み、左心室収縮の間完全な閉鎖を提供するために、これらの間隔を保持する。周知のとおり、冠状静脈１４は、僧帽弁輪２０に隣接する僧帽弁１２を部分的に取り囲む。同じく周知のとおり、冠状静脈は心臓の静脈系の一部であり、左心房と左心室の間の房室間溝（ＡＶ ｇｒｏｏｖｅ）に沿って伸びる。これは、冠状静脈を実質的に僧帽弁輪と同じ平面上に配置し、本発明の僧帽弁治療具を内部に設置するために冠状静脈が利用できるようにする。

図２は、本発明の実施態様の僧帽弁治療具３０を示す。図２からわかるとおり、治療具３０は、第１のアンカー３２と、ケーブル３４と、第２のアンカー３６とを含む。

第１のアンカー３２は、治療具３０の遠位端に位置する。第１のアンカー３２は、冠状静脈１４内で脱離されるとき、自動的に配設可能であるために自動的に伸展する。より具体的には、アンカー３２は形状記憶性を有することが当業者に周知であるタイプのニッケル／チタン合金である、ニチノール（Ｎｉｔｉｎｏｌ）のような材料でできている場合がある。アンカー３２は、アンカー３２を繋止または固定するために脱離されて冠状静脈１４の内壁に係合するときに伸展する、トグルボルト（ｔｏｇｇｌｅ ｂｏｌｔ）様の形状を有する。アンカー３２は、冠状静脈１４と回旋枝１７との交差点（ｃｒｏｓｓ−ｏｖｅｒ ｐｏｉｎｔ）１９より少し近位方向に留置されることが好ましい。

単一のワイヤーか、複数本のワイヤーか、ポリマーのケーブルか、ニチノールのケーブルかの場合があるケーブル３４は、第１のアンカー３２に固定され、アンカー３２から近位方向に伸びる。前記ケーブルは第１のアンカー３２より近位方向に位置する第２のアンカー３６を貫通して伸びる。ここで、第２のアンカーは冠状静脈１４の開口２１より少し遠位方向の冠状静脈内に配置されることに留意する。第２のアンカー３６は同様のトグルボルト様の形状を有し、自動的に配設可能なように自動的に伸展することが好ましい。

ケーブル３４は連結部３８で終わる。図５に最もよくわかるとおり、連結部３８は、テンション・ケーブル４２によって運ばれた、対応連結部４０と、着脱可能に連動ロック（ｉｎｔｅｒｌｏｃｋ）するように形作られている。

さらに図５でわかるとおり、第２のアンカーまたは近位側のアンカー３６はロック機構４４を含む。ここでロック機構４４は、第２のアンカー３６をケーブル３２にロックするためのラチェットまたはラチェット様の機構４６の形をとる。

治療具３０が図２に示されるように配設されるとき、第１のアンカー３２は冠状静脈１４の中に固定される。ケーブル３４はアンカー３２から近位方向に伸び、第２のアンカー３６を摺動可能に貫通する。そして、第２のアンカー３６はアンカー３２より近位側の心臓内の所望の位置に配置され、心臓内に繋止されるために自動的に伸展することができる。それから、好ましくは第２のアンカー３６が固定位置に保持される間に、前記テンション・ケーブルがケーブルに沿って近位方向に引くのに用いられる。いったん所望量の張力が前記ケーブルに加えられると、前記ラチェットがケーブル３４を第２のアンカー３６に積極的かつ恒久的にロックする。ケーブル３４に張力がかかっている状態で、僧帽弁輪２０の幾何学的配置に有利な効果がある。張力を調整する際にドプラー・エコーのような僧帽弁逆流を示すパラメーターを監視しながら、前記ケーブルの張力が調整される場合がある。張力は、配設された近位側のアンカー３６をさらにケーブル３４の先に押しやって、近位側と遠位側のアンカーの間の距離を短縮することによって、調整される場合がある。いったん近位側のアンカーの位置と、適当なケーブルの張力とが達成されると、テンション・ケーブル装置は、以下により完全に説明するやり方で除去される場合がある。

図２にさらに示されるとおり、ケーブル３４は外被（ｃｏｖｅｒｉｎｇ）３３が用意される。外被３３は、圧縮可能な材料でできているのが好ましく、加えられた前記ケーブルの力を冠状静脈１４の内壁に対して分散させるのに役立つ。この力の分散は、ケーブル３４による冠状静脈への損傷を予防する。

図３および４は、治療具３０およびその配設装置５０のより細部を示す。図４に示すとおり、配設装置５０はカテーテル５２を含む。カテーテル５２は、配設前の状態の治療具３０を摺動可能に受け入れる寸法の内腔５４を有する。カテーテル５２は、その遠位端５６が冠状静脈内で所望の位置にくるまで冠状静脈内に前進する。

さらに装置５０は、第１のアンカー３２の継ぎ環（ｃｏｌｌａｒ）３３と係合する第１のプッシュ・チューブ５８を含む。プッシュ・チューブ５８は第１のアンカー３２を所望の位置にまでカテーテル５２の外に押すのに用いられる場合があり、カテーテル５２の外では第１のアンカー３２は配設のために自動的に伸展する。いったん第１のアンカー３２が冠状静脈内に固定されると、プッシュ・チューブ５８は除去されてもかまわない。

さらに装置５０は、カテーテル５２と、該カテーテルの中を通って第２のアンカー３６と係合する場合がある第１のプッシュ・チューブ５８とともに同軸に配列された第２のプッシュ・チューブ６０を含む。それから、第２のプッシュ・チューブ６０はケーブル３４に沿って第２のアンカー３６を所望の位置まで押すのに用いられる。そして、カテーテル５２は取り出され、第２のアンカー３６を脱離し、自動的に展開して配設させることを可能にする。

テンション・ケーブル４２は、ケーブル３４の連結部３８に連結されて、連結部３８および４０を保持するためのシース（ｓｈｅａｔｈ）６２で覆われている。張力は、第２のプッシュ・チューブ６０が第２のアンカー３６を動かないように保持する間に、テンション・ケーブル４２に近位方向に引くことによりケーブル３４に加えられる。所望の張力がケーブル３４に加えられるとき、さらなる調整が上記のとおり行われる。これが完了するとき、第１のアンカー３２および第２のアンカー３６はケーブル３４の張力で定位固定される。カテーテル５２、シース６２、第２のプッシュ・チューブ６０およびテンション・ケーブル４２は、配設プロセスを完了するために除去される場合がある。

図６は、本発明の実施態様である別の僧帽弁治療具７０を示す。治療具７０は、第２のアンカーまたは近位側のアンカー７６が心臓１０の右心房２３の中に定位固定されることを除いて、治療具３０と類似する。このため治療具７０は、上記のとおり、第１のアンカー３２と、ケーブル３４と、力分散器（ｆｏｒｃｅ ｄｉｓｔｒｉｂｕｔｏｒ）３３とを含む。第２のアンカー７６は、自動的に伸展するとき、右心房２３の内壁２５と係合して定位保持するように形作られる。他の全ての点では、治療具７０は治療具３０と同じ場合がある。

本発明の具体的な実施態様が示されて説明されたが、改変が行われる場合があり、添付した特許請求の範囲では、請求項に記載された発明の趣旨および範囲の範囲内に該当する全てのかかる変更および改変を含むものとする。

心房を除去したヒトの心臓の上面図。

本発明の実施態様の僧帽弁輪圧迫治療具が留置された状態のヒトの心臓の上面図。

図２に示す本発明の実施態様の僧帽弁治療具を配設する中間のステップを示すヒトの心臓の上面図。

図２に示す治療具と、該治療具を配設するための本発明の実施態様の送達装置との部分断面透視図。

図３および４に示す治療具および装置で実施される連結機構およびロック機構の詳細を示す透視図。

本発明の別の実施態様の僧帽弁治療具を示すヒトの心臓の上面図。

符号の説明

１０ 心臓
１２ 僧帽弁
１３ 右心室
１４ 冠状静脈
２０ 僧帽弁輪
２３ 右心房
２５ 右心房の内壁
３０ 僧帽弁治療具
３２ 第１のアンカー
３３ 圧力分散器
３４ ケーブル
３６ 第２のアンカー
３８ 連結部
４０ 対応連結部
４２ テンション・ケーブル
４４ ロック機構
４６ ラチェットまたはラチェット様機構
５０ 配設装置
５２ カテーテル
５８ 第１のプッシュ・チューブ
６０ 第２のプッシュ・チューブ
６２ シース
７０ 僧帽弁治療具
７６ 第２のアンカー

Claims (3)

1. 心臓の僧帽弁輪を治療するアセンブリであって、
   僧帽弁輪に隣接した心臓の冠状静脈内に配置されたときに心臓の僧帽弁輪を再形成する僧帽弁治療具であって、基端に連結構造（３８）を含んでいる僧帽弁治療具と、
   前記僧帽弁治療具がその中を通されて心臓の冠状静脈内へ導かれる内腔を有しているカテーテル（５２）と、
   前記僧帽弁治療具の連結構造（３８）に係止可能である第２の連結構造（４０）と、
   前記僧帽弁治療具の連結構造（３８）と前記第２の連結構造（４０）とを連結状態に維持する係止部材（６２）とを含み、
   前記カテーテル（５２）の内腔内へと前記僧帽弁治療具を押し込む押込部材（４２）を更に含んでおり、前記第２の連結構造（４０）が前記押込部材（４２）の末端に設けられていることを特徴とするアセンブリ。
2. 請求項１に記載のアセンブリであって、
   前記僧帽弁治療具の連結構造（３８）と前記第２の連結構造（４０）とが連結構造を構成し、前記係止部材（６２）が前記連結構造を覆っているシース（６２）からなるアセンブリ。
3. 請求項１に記載のアセンブリであって、
   前記係止部材（６２）が、前記連結構造（３８）と前記第２の連結構造（４０）とを覆ってこれら２つの連結構造を連結状態に維持していることを特徴とするアセンブリ。

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