JP4326510B2 - 折畳み機器 - Google Patents

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本発明は折畳み機器に係り、特に携帯電話機、ノート型パーソナルコンピュータ、電子辞書等の一対の機器ケース同士を連結するヒンジ機構を覆うヒンジカバーに関するものである。
近年、携帯電話機、ノート型パーソナルコンピュータ、電子辞書等の電子情報機器が広く普及し、これらの電子情報機器は、ソフト面ではさまざまなソフトウエアが開発され搭載されて高機能化すると共に、ハード面においては、小型、軽量及びデザイン化が進み、このうち、特に携帯電話機は、ハード面での小型、軽量及びデザイン化が最も進展しており、様々なタイプのものが提案されている(例えば下記特許文献1、2参照)。
図14は下記特許文献1に記載された折畳み式携帯電話機を示し、図14(a)は斜視図、図14(b)は、ヒンジ機構の一部破断拡大正面図である。
この折畳み式携帯電話機80は、表示部81やスピーカ等を備える蓋体ケース82と、無線送受信回路及び各種操作キー83やマイクロフォン等を備える本体ケース84と、ヒンジ機構85、85’とからなり、蓋体ケース82と本体ケース84とがヒンジ機構85、85’により折畳み自在に連結された構成を有している。
ヒンジ機構85、85’は、図14(a)の右側のヒンジ機構85と、左側のヒンジ機構85’とで構成されている。これらのヒンジ機構のうち、右側のヒンジ機構85は、本体ケース84から突設した第1駒部84aと蓋体ケース82から突設した第1駒部82aとが同軸上に配置され、これらの駒部84a、82aの中央孔にヒンジアセンブリ86が嵌入されたものであり、また、左側のヒンジ機構85’は、本体ケース84から突設した第2駒部84bと蓋体ケース82から突設した第2駒部82bとが同軸上に配置され、これらの駒部84b、82bの中央孔にヒンジ軸87が嵌入されたものとなっている。第1駒部84a、82aの中央孔に嵌入されるヒンジアセンブリ86は、図14(b)に示すように、本体ケース84の端部に連結されて、本体ケースと一体に回転する本体駆動部88と、蓋体ケース82の端部に連結されて蓋体ケースと一体に回転する蓋体駆動部89と、本体駆動部88と蓋体駆動部89の間に介在されて、蓋体ケース82の開方向へ蓋体駆動部89を回転させる力を発揮する原動機構(図示省略)と、蓋体ケース82を閉じた状態で、この蓋体ケース82を閉位置に保持するための保持機構とで構成されている。
このようなヒンジ機構を備えることにより、下記特許文献1の折畳み式携帯電話機は、蓋体ケース82が本体ケース84に対してスムーズに折畳み開閉ができるようになる。
図15及び図16は、下記特許文献2に記載された折畳み式携帯電話機であって、図15は携帯電話機の分解斜視図、図16(a)は携帯電話機ケースを折畳んだ状態の側面図、図16(b)はこの携帯電話機のヒンジ機構が設けられた部分の拡大断面図、図16(c)は図16(b)のX―X線の一部省略拡大断面図である。
この折畳み式携帯電話機90は、一対のハウジング91A、91Bからなる送話ケース91と、この送話ケース91の一端部に形成された収納部91Cに第1回動軸線L1を中心として回動可能に連結された連結部材92と、一対のハウジング94A、94Bからなりその一端部に形成された収納部94Cに連結部材92の第1回動軸線L1と平行な第2回動軸線L2を中心として回動可能に連結された受話ケース94と、を備え、送話ケース91と受話ケース94とを連結部材92で連結し互いに逆方向へ同じ角度で回動できる構成としたものである。
送受話ケース91、94は薄い直方体状をなし、これらの収納部91C、94Cの長手方向の両端部にそれぞれ収容凹部が形成され、また、連結部材92はその長手方向両端部の第1回動軸線L1及び第2回動軸線L2の延長線上にそれぞれ一対の収納凹部が設けられ、これら収容凹部に一対の第1ヒンジ95A、95A及び第2ヒンジ95B、95Bがそれぞれ収容されている。この連結部材92と送話ケース91とは、それぞれの収納凹部に第1ヒンジ95A、95Aが配設され、連結部材92と受話ケース94とは、それぞれの収納凹部に第2ヒンジ95B、95Bが配設されることにより、回動可能に連結されている。
連結部材92は、送話ケース91に対して、折畳み位置から最終の開いた位置へ回動する。このとき、折畳み位置では、収納部91Cを区画する壁面のうち、送話ケース91の短手方向に延びる壁面によって構成される第1当接面97に連結部材が突き当たることにより規制されている。また、開いた位置では、収納部91Cの短手方向の外縁部に位置する一端に形成された第2当接面98に連結部材92が突き当たることにより規制されている。
この構成によると、送受話ケースの一方のケースに対する連結部材の回動と、この連結部材に対する他方のケースの回動との回動順序が常に一定になるので、ユーザーに違和感を抱かせることなく折畳み及び開動をスムーズに行なうことができるようになる。
特開2001−251396号公報(図2、図5、段落〔0016〕〜〔0021〕) 特開2004−308710号公報(図1、図4、図5、段落〔0010〕〜〔0015〕)
上記特許文献1、2に記載された折畳み携帯電話機は、いずれも蓋体ケース(受話ケース)と本体ケース(送話ケース)とが折畳み自在なヒンジ機構で連結されているので、蓋体ケースと本体ケースとの折畳み及び開動をスムーズに行なうことができる。
しかしながら、上記特許文献1に開示された折畳み式携帯電話機は、第1駒部内に駆動部材を有するヒンジアセンブリが収容されるので、第1駒部の外形が大きくなり、他の第2駒部も第1駒部の形状に合わせて外形の大きな形状となっている。このため、この携帯電話機においては、開状態では連結部に円筒状の突起物が突出した状態となっている。連結部にこのような突起物が存在すると、ユーザーにこの突起物の存在を意識させてしまいデザイン性に欠けた露骨な機械部品のイメージを与え、また、この突起物の存在により、蓋体ケース及び本体ケースの使用表面積が縮小される。特に、本体ケースは、これらの連結部、すなわち筒状突起物に近接したところに操作キーが配設されるので、このような突起物が存在すると、操作キーの操作エリアが狭くなり、配設される操作キー数が制限され、また、操作時にこの突起物に指先が衝突し、操作に支障をきたすことがある。
また、上記特許文献2に開示された携帯電話機は、回動軸線を2本備えることから、送受話ケースの連結部に突起が形成されることがないため、開状態における表面がフラットになっている。そして、送受話ケースと連結部材とが、第1、第2回動軸線L1、L2上でそれぞれ一対の第1、第2ヒンジで連結されているが、これらのヒンジ部材は、それぞれ独立し個別に回動されるようになっている。
しかしながら、上記特許文献2の携帯電話機においては、連結部材92が樹脂製あるいは金属製の成形品により形成されるが、送受話ケース91、94は一般的に樹脂材料から形成されるためデザイン性の理由からこの連結部材92も同一の樹脂材料で形成すると好ましい。しかしこの連結部材92を樹脂材で形成すると、機械的強度が低く複数回にわたる携帯電話機の開閉動作によって破損する可能性があり好ましくない。反面この連結部材92を金属材料で形成すると機械的強度は向上するが送受話ケース91、94と材料が異なるためにデザイン性が損なわれる。
さらにまた、上記特許文献1、2に記載された折畳み式携帯電話機は、ヒンジ機構を構成する部材と送受話ケースとが互いに連接されているため、送受話ケースの開閉に伴ってヒンジ部材と送受話ケースとが擦れ、この擦れによりユーザーに不快感を与える音、例えばきしみ音が発生することがある。このような音を発生させないようにするには、送受話ケースとヒンジ機構との連結を緩くすれば解消できるが、そうなるとケースとヒンジ機構との間に遊びができて送受話ケースの折り畳みが不安定になる。
本願の発明者らは上記問題点に鑑み、デザイン性と機械的強度とを両立させた連結構造を種々検討した結果、金属製のヒンジ機構を用いるとともにこのヒンジ機構をカバーで覆うようにし、更にカバーの固定手段を工夫すれば、上記課題を解決することができることを見出し、本発明に至ったものである。
すなわち、本発明の目的は一対の機器ケースを備える折畳み機器の連結部におけるデザイン性及び機械的強度を向上させた折畳み機器を提供することにある。
また、本発明の他の目的は一対の機器ケースの開閉動作を行う際に、連結部においてきしみ音等が発生しない折畳み機器を提供することにある。
上記目的を達成するために、本願発明は、一対の機器ケースと、前記一対の機器ケースの一側端部同士を回動自在に連結するヒンジ機構と、前記ヒンジ機構を覆うヒンジカバーと、を備える折畳み機器において、前記一対の機器ケースのヒンジ機構が連結された一側端部はその両隅部が前記一側端部に直交する方向に所定長さ突出し、前記一対の機器ケースの前記突出した両隅部間に前記ヒンジ機構が取り付けられ、前記ヒンジカバーは、前記一側端部に直交する方向の断面が実質的に半楕円形状で箱型の一対のカバー部材からなり、前記一対のカバー部材は、前記一対の機器ケースの前記突出した両隅部間に位置する前記ヒンジ機構を挟み込むように対向させて配設することにより覆うとともに、前記対向させて配設された際の前記一対の機器ケースの少なくとも一方の前記一側端部に近接する辺に前記一対のカバー部材を互いに固定する固定手段が形成され、前記ヒンジ機構は、前記機器ケースの一方に取付けられる所定長さの板状体からなる結合片と、前記結合片の両端部から同一方向に立設されその先端部に結合部が形成された第1、第2アーム片と、を備える第1フレームと、前記機器ケースの他方に取付けられる所定長さの板状体からなる結合片と、前記結合片の両端部から同一方向に立設されその先端部に結合部が形成された第3、第4アーム片と、を備える第2フレームと、所定長さを備えた板状体からなる結合片と、前記結合片の両端部から同一方向に立設されるとともに左右にそれぞれ分岐され、前記分岐された先端部に前記第1〜第4アーム片に連結される第1〜第4結合部を有する第1、第2連結片と、を備える第3フレームと、を備え、前記第1〜第4アーム片に形成された結合部と前記第1〜第4結合部とが回動自在に連結されて、第1〜第4連結部が形成されるとともに、前記第1〜第4連結部の少なくとも1つには前記第1、第2フレームを所定位置に回動・保持する駆動機構が設けられ、前記第1又は第2連結部と前記第3又は第4連結部の少なくとも1組の連結部間が連係機構により連結され、前記第1フレームが前記第1及び第2連結部を軸として前記第3フレームに対し一方向に所定角度回動されると、前記連係機構によりこの回動に連係して前記第2フレームが前記第3及び第4連結部を軸として前記第3フレームに対し反対方向に前記第1フレームと同一の角度だけ回動するように連結され、 前記第3フレームの結合片には、前記一対のカバー部材の少なくとも一方を固定するための固定手段が設けられていることを特徴とする。
本発明は上記構成を備えることにより、以下に示すような優れた効果を奏する。すなわち、請求項1の発明によれば、ヒンジ機構を一対のカバー部材からなるヒンジカバーによって覆い、この一対のヒンジカバーの固定手段を前記一対の機器ケースの少なくとも一方の一側端部に近接する辺に設けたので、この固定手段が機器ケースを開閉しても外部から目視できなくなり、また、ヒンジ機構をこのようなヒンジカバーで覆う構造としたためにヒンジカバーに機械的な強度を求める必要がないので、例えば一対の機器ケースと同一の樹脂材料等を用いることができるので、折畳み機器のデザイン性を向上させることができる。また、第3フレームの結合片にカバー部材を固定することにより、ヒンジ機構に対してヒンジカバーが安定して固定され、機器ケースの両隅部との間隔も安定して維持できる。
以下、図面を参照して本発明の最良の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための折畳み機器を例示するものであって、本発明をこの折畳み機器に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものも等しく適応し得るものである。なお、以下に示す実施例では、折畳み機器として折畳み式携帯電話機に適応した例について説明するが、本発明はこのような携帯電話機に限らず、ノート型PC及び電子辞書など、折畳み機構を備える種々の機器に適応できるものである。
図1は本発明の実施例に係るヒンジ機構を適用した折畳み式携帯電話機を示す斜視図、図2は図1の携帯電話機からハウジング及びケースを取外しリンク機構等の内部機構が見えるようにした状態を示す斜視図、図3は図2の背面からみた斜視図、図4はヒンジ機構を分解して示す分解斜視図、図5は図4を異なる方向から見た分解斜視図である。
この折り畳み式携帯電話機1は、図1〜図3に示すように、無線送受信回路、各種操作キー及びマイクロフォン等が収容された送話ケース2と、表示部やレシーバー等が収容された受話ケース10と、これらの送受話ケース2、10を回動自在に連結するヒンジ機構20とで構成されている。なお、図1において、ヒンジ機構20は一対のカバー部材7、8からなるヒンジカバーCで覆われている。
送話ケース2は、内部に制御回路基板3等の部品が収容され、底部にスピーカ用の開口及びバッテリー取付け部等が形成された細長箱状の裏面ハウジング2aと、この裏面ハウジング2aに収容されるマイクロフォン及びスピーカ等を備える制御回路基板3と、各種操作キー5a〜5cと、各種操作キー5a〜5cを露出させる複数個の穴を有し裏面ハウジング2aの開口部を覆う表面ハウジング2bとを備え、裏面ハウジング2aに制御回路基板3及び各種操作用キースイッチボード等の部品が収容され、その開口部が表面ハウジング2bで覆われている。
制御回路基板3には、通話機能を制御する通話制御回路、ネットワーク接続等を制御するネットワーク制御回路及びその他の機能を制御する制御回路が搭載され、これらの制御回路は内蔵されたCPUによって制御されるようになっている。なお、これらの制御回路は公知のものを使用するので、詳細な説明は省略する。また、スイッチボード、操作シート部材及び制御回路基板等は、支持枠4に固定され、この支持枠4の一端は、ヒンジ機構20の第2フレーム41に固定されている。スイッチボード5は、複数個の操作キー5a〜5cを備えている。
受話ケース10は、表面に開口部10b’を有し、裏面ハウジング10aと、液晶表示装置等からなる表示パネル11と、レシーバー12等の部品と、表示パネル11の表示面を露出させる表示窓を有し裏面ハウジング10aの開口部を覆う表面ハウジング10bとを備え、裏面ハウジング10a内には表示パネル11に表示させる画像を制御するパネル制御基板14及びレシーバー12等の部品が収容されている。この表示パネル11及びこのパネル制御基板14等の部品は、図2に示すように、支持枠13に固定され、この支持枠13の一端は、ヒンジ機構20の第1フレーム21に固定されている。
送話ケース2及び受話ケース10内に収容された各制御回路基板3、14は、図2、図3に示すように、可撓性を有するリード線、すなわちフレキシブルプリント配線基板(以下、FPCという。)6によって接続されている。このFPC6は、絶縁体のフィルム内部に極細線が配線された細幅で所定長の帯状体からなり、その中央部が略コ字状に屈曲されている。このFPC6は、制御回路基板3から送話ケース2のヒンジ機構20が接続される一方の隅部15bを通り、略コ字状に屈曲された部分をヒンジ機構20内部に配設することでヒンジ機構20を経由し、受話ケース10の一方の隅部16bを介して制御回路基板14に接続されている。
ヒンジ機構20は、図4、図5に示すように、送受話ケース2、10内に収容された支持枠4、13に装着される一対の第1、第2フレーム21、41と、これらの第1、第2フレーム21、41を連結する第3フレームとしての連結部材30と、この連結部材30で連結された第1、第2フレーム21、41をそれぞれ折畳み位置から所定角度に回動したとき、その駆動を規制・保持する第1、第2駆動機構50、50と、第1、第2フレーム21、41を連係し、両フレームの駆動を連動させるリンク機構60と、送話ケース2及び受話ケース10の開及び閉時にこの開状態及び閉状態を維持するストッパー機構70、70と、で構成されている。
第1、第2フレーム21、41、連結部材30、第1、第2駆動機構50、50、リンク機構60及びストッパー機構70、70を構成する部品は、殆どが金属製の剛体からなり、これらは金属製の板材を打ち抜き、折曲するプレス加工することによって形成される。金属材としては、高強度、高剛性及び高じん性のステンレス製のばね材(例えば、SUS304CSP−1/2H)が好ましい。また、第1、第2フレーム21、41の板厚は、例えば1.5mm、連結部材30の板厚は、例えば1.2mmである。このように各部品を金属材で形成することにより、従来の樹脂材で作製したものに比べてヒンジ機構の機械的強度を高くできるので部品を小型にできる。また、ヒンジ機構20全体を金属製の剛体で形成することにより、支持枠4、13が電気的に接続されるので、支持枠4、13のいずれかが備えるアンテナの受信面積を大きくでき、アンテナの性能を向上させることができる。
また、第1、第2フレーム21、41は、2つ折りとなる送受話ケース2、10の連結箇所に形成された各凹部内に何らの突出部を設けることなく内蔵されるものである。
第1フレーム21は、図4、図5に示すように、所定長さの結合片26と、この結合片26の両端から同一方向へほぼ直角に折曲された所定長の一対の第1、第2アーム片22、24とからなり、受話ケース10の支持枠13に取付けられ、平面から見ると全体がコ字状をしている。
結合片26の長さは、受話ケース10の幅長より短く、また、第1、第2アーム片22、24には、各先端部に結合部22a、24aがそれぞれ形成されているとともに、各アーム片22、24の腕部にFPCあるいはリード線等を挿通するためのU字状溝23c、25cが形成されている。
第1アーム片22の結合部22aは、筒状キャップ51を挿入できる大きさの開口22bを有するリング状の取付け環となっている。また、この結合部22aには、その外周囲に筒状キャップ51の鍔片52に形成された鉤片53が挿入される溝22cが形成されている。
また、第2アーム片24の結合部24aは、所定の大きさを有する板状体からなり、この板状体にストッパー部材71の第1取付け軸72を取付ける非円形状の取付け穴24bと、板状体の一面(第1アーム片22と対向する面)にストッパー部材71を位置決め固定する一対の突起25a、25bとがそれぞれ形成されている。
これらの突起25a、25bの高さ(板状体表面からの高さ)は、ストッパー部材71の肉厚より短い、すなわち背低に形成され、また、取付け穴24bを中心にして扇型に所定角度開いた仮想線上にあって第2アーム片24の外周縁に設けてある。これらの突起25a、25bは、第2アーム片24の他面から打ち抜き加工することで形成されている。
また、結合片26は、帯状をなしており、この両端部付近には支持枠13に取付けられる取付け穴26a、26bがそれぞれ形成されている。
第2フレーム41は、第1フレーム21とほぼ同じ形状を有し、所定長さの結合片46と、この結合片46の両端から同一方向へほぼ直角に折曲された所定長の一対の第3、第4アーム片42、44とからなり、送話ケース2の支持枠4に取付けられるものである。
結合片46の長さは、送話ケース2の幅長より短く、また、第3、第4アーム片42、44には、各先端部に結合部42a、44aがそれぞれ形成されているとともに、各アーム片42、44の腕部にFPCあるいはリード線等を挿通するためのU字状溝43c、45cが形成されている。
第3アーム片42の結合部42aは、筒状キャップ51を挿入できる大きさの開口42bを有するリング状の取付け環となっている。また、この結合部42aには、その外周囲に筒状キャップ51の鍔片52に形成された鉤片53が挿入される溝42cが形成されている。
また、第4アーム片44の結合部44aは、所定の大きさを有する板状体からなり、この板状体にストッパー部材71を取付ける非円形状の取付け穴44bと、板状体の一面(第3アーム片42と対向する面)にストッパー部材71を位置決め固定する一対の突起45a、45bとがそれぞれ形成されている。
これらの突起45a、45bの高さは、第1フレームの突起25a、25bと同じく背低であり、また、取付け穴44bを中心にして扇型に所定角度開いた仮想線上にあって第4アーム片44の外周縁に設けてある。これらの突起45a、45bは、第4アーム片44の他面から打ち抜き加工することで形成されている。
また、結合片46は、帯状をなしており、この両端部付近には支持枠4に取付けられるU字状溝46a、46bがそれぞれ形成されている。
連結部材30は、図4、図5に示すように、第1フレーム21の結合片26の長さより短長の結合片31と、この結合片31の両端から同一方向へほぼ直角に折曲された第1、第2連結片32、33とを有し、第1、第2連結片32、33と結合片31とは一体に結合されている。各第1、第2連結片32、33は、左右に分岐したほぼ横長な楕円形状の板状体からなり、長手方向中心部の外周縁の一部が結合片31の端部に結合され、この結合部を中心にして左右が第1、第3結合部34、36及び第2、第4結合部35、37となっている。
第1連結片32には、そのほぼ中心に後述するリンク機構60の作動バー61を装着する固定穴38が形成されている。また、第1、第3結合部34、36には、作動桿67に挿通される取付け穴34a、36aが形成されているとともに、外面すなわち組立て時に第1、第3アーム片22、42の内面と対向する面に、複数個のカム34b、36bがプレス加工等により一体に形成されている。これらのカム34b、36bは、各取付け穴34a、36aを中心にして放射状に形成されている。
第2連結片33は、第2、第4結合部35、37を備え、それぞれストッパー部材71、71に設けられた第2取付け軸73、73が装着される取付け穴35a、37aと、第2、第4結合部35、37の外縁部に設けられストッパー部材71、71が装着された状態でこれらのストッパー部材71、71の回動を所定角度に制限する係止突起35b、37bと、がそれぞれ形成されている。したがって、各ストッパー部材71、71が所定角度回動されると、係止爪71a、71bが係止突起35b、37bに衝突して回動が制限される。この回動制限は、第2、第4アーム片24、44の回動制限、すなわち、第1、第2フレーム21、41の回動制限となる。
すなわち、各ストッパー部材71、71は、第2、第4アーム片24、44の取付け穴24b、44b及び突起25a、25b、45a、45bにより回り止めされて固定されるので、第2、第4アーム片24、44が回動されると、この回動にしたがって各ストッパー部材71、71も回動し、所定角度回動すると、各ストッパー部材71、71の係止爪71a、71bが係止突起35b、37bに衝突して回動が制限される。
各係止突起35b、37bの高さは、後述するストッパー部材71の肉厚より低く、それぞれ第2、第4結合部35、37の底辺部に形成されている。なお、第2、第4アーム片24、44に設けられた突起25a、25b、45a、45bと第2、第4結合部35、37に設けられた係止突起35b、37bとが接触しないように、両突起の高さを加算した長さは、ストッパー部材71の肉厚より若干短くしてある。
ここで、以下には先ずストッパー機構70について説明する。
ストッパー機構70は、第1及び第2フレーム21、41に固定された一対のストッパー部材71、71と、第1及び第2フレーム21、41の回動に伴ってこのストッパー部材71、71に当接し、その回動を規制する係止突起35b、37bとから構成されている。
ストッパー部材71、71は、いずれも同一の構造を有しているので、以下には第2アーム片24に取付けられるストッパー部材71について説明する。しかしながら、第2アーム片24に取付けられるストッパー部材71と第4アーム片44に取付けられるストッパー部材71とは連結部材30を境に左右対称に配置されている。
このストッパー部材71は、ほぼ円形で所定肉厚の板体の外周縁の2箇所から法線方向に係止爪71a、71bが突出した形状を有し、平面視においてほぼ三日月状であって、その表裏面のほぼ中心に第1、第2取付け軸72、73を有し、この三日月状の先端部が係止爪71a、71bとなっている。各係止爪71a、71bは、第1取付け軸72を中心にして所定角度θ(図示省略)離れている。第1取付け軸72は取付け穴24bに嵌合されるように非円形状に形成し、第2アーム片24の取付け穴24bへ嵌着されることで回り止めを行う。また、第2取付け軸73は、第2結合部35の取付け穴35aに挿通される太さで、且つ第2結合部35の肉厚より若干長くなっている。そして、取付け穴35aに挿入された後第2取付け軸73の先端部をかしめることで取付け穴35aに回動自在に固定される。なお、各係止爪71a、71bのなす角θは、例えば携帯電話機1に実装された際の所望の最大回転角を等分し、かつその角度に係止突起35b、37bの円周方向の延設角度を加えた角度とする。
ストッパー部材71は、金属材、特に機械的強度の強いステンレス鋼で作製されている。このような金属材でストッパー部材71を作製すると、第1、第2フレーム21、41の一方に過度な力が加わっても各係止爪71a、71bが係止突起35b、37bに係止されるため、破損等が生じにくくなる。
また、これらのストッパー部材71、71の軸心部には、第1、第2取付け軸72,73をも貫通する貫通孔(図示省略)が形成されていてもよく、この貫通孔には、送受話ケース2、10間を電気的に接続する同軸ケーブルが挿通されて基板間の接続がなされるものである。
次に、駆動機構50について説明する。
第1フレーム21の第1アーム片22の結合部22a及び第2フレーム41の第3アーム片42の結合部42aには、それぞれ駆動機構50、50が設けられている。各駆動機構50、50は、第1、第2フレーム21、41を所定位置に規制・保持するカム機構と、このカム機構を駆動するバネ体とを備え、第1、第2フレーム21、41の回動にしたがってこれらのフレームを間歇移動させるものである。第1アーム片22及び第3アーム片42に設けられた駆動機構とは、同様の構成からなるため、同一の符号を付し、以下には第1アーム片22に取付けられた駆動機構50についてのみ説明を行う。
カム機構は、第1結合部34に設けられたカム34bと、このカム34bと噛合するカム55bを一面に有する円盤状のカム板55とからなる。このカム板55には、その一端が筒状キャップ51内に設けられたバネ体(図示省略)によって押圧されるバネ体押圧部54が設けられ、他端がリンク機構60に連結される棒状の作動棹67に一体に固定されている。またカム板55のバネ体押圧部54は、その径が筒状キャップ51の開口部の直径とほぼ同じ径及び所定の肉厚を有し、その内面、すなわち第1結合部34の一面と対向する面に、複数個のカム55bが作動棹67から放射状に形成されている。また、このカム板55は、第1結合部34のカム34bと噛合するようにカム55b同士の間に凹部55cが設けられている。同様に、第1結合部34の外面に設けられた複数個のカム34b同士の間にも凹部34cが形成されている。また、筒状キャップ51は鉤片53により結合部22aの取付け穴22b内に固定され、カム板55のバネ押圧部54がこの筒状キャップ51に固定されているため、このカム板55は、第1フレーム21の回動に伴って回動することとなる。なお、筒状キャップ51の後端部は第1、第3アーム片22、42から突出しているが、この後端部は組立て時に送受話ケース2、10の他方の隅部15a、16aに収納される。
互いのカム34b、55b同士は、携帯電話機1を開状態とする場合の角度に合わせて設けると好ましく、例えば携帯電話機1の開状態を160°とすれば、このカム同士の間隔も160°あるいはその半分の80°毎に設けると、カムが噛合した時点で送受話ケース2、10が固定されるため、開状態、閉状態あるいはその中間部での送受話ケース2、10が安定する。
これにより、第1、第2フレーム21、41が回動されると、駆動機構50のカム板55が回動し、このカム板55に設けられたカム55bが、噛合された第1、第3結合部34、36のカム34b、36bに乗り上げるように、バネ体の付勢力に抗して移動する。これにより、カム同士が噛合していない場合には適度な抵抗を生じるようになり、回動時のスナップアクションを実現する。
次にリンク機構60について説明する。
リンク機構60は、第1、第3アーム片22、42に設けられ、突出棒65aをその一面に有し第1、第3アーム片22、42の回動に連動して回動する一対のカム駒片65と、連結部材30の第1連結片32に固定された規制板63と、中心部に設けられた軸棒61aにより連結部材30に回動可能に固定された長尺な棒状体からなり、規制板63に設けられた規制穴63a、63bに連通された突出棒65aにその両端部が固定されて、第1、第3アーム片22、42の回動をリンクさせる作動バー61と、を備え、駆動機構50、50のいずれか一方が駆動されたとき、他の駆動機構を連動させて作動させるものである。
カム駒片65は、作動棹67の先端部に設けられた固定部材68により第1、第3アーム片22、42に固定され、両アーム片に設けられた駆動機構50、50に連携されており、この固定部材68の先端部には規制板63の係止穴64a、64bに係止される小突起69が設けられている。また、このカム駒片65はほぼ半月状をなし、その内面の回転軸から所定距離離れた位置に規制板63の規制穴63a、63bと係合する突出棒65aが形成されており、この突出棒65aはカム駒片65の回動に合わせて円弧状に揺動する。
規制板63は、第1連結片32とほぼ同じ長さ及び幅長を有するほぼ楕円形の板状体からなり、この板状体の長手方向の両端部には固定部材68の先端部に設けられた小突起69が係止される係止穴64a、64bと、この係止穴を中心として所定角度に渡って屈曲して形成された細溝開口からなり、突出棒65aが挿入される規制穴63a、63bとが設けられている。規制穴63a、63bに挿入された突出棒65aはこの穴内で揺動可能であるとともに、その移動が所定位置で規制されるようになっている。
作動バー61は、規制板63とほぼ同じ長さを有する棒状体からなり、両端部に長手方向に向かって所定長さのアソビを設けた楕円形の穴62a、62bが設けられており、この穴62a、62bにはカム駒片65の突出棒65aが挿入される。
上述の構成により、このリンク機構60は、例えばヒンジ機構20を開状態から閉状態へ第1フレーム21を回動させることにより移行させると、回動された第1フレーム21の回動に伴って第1アーム片22に連結されたカム駒片65が回動し、これによりカム駒片65の突出棒65aが規制穴63a内を右方から見て反時計方向に移動する。この移動に伴って作動バー61の一端部の穴62aにも反時計方向の力が加わり、作動バー61が軸棒61aを中心に時計方向に回動する。そして、作動バー61の他端部の穴62bに連結された、第3アーム片42に連結したカム駒片65の突出棒65aに時計方向の力が加わることによりこのカム駒片65が時計方向に移動し、この移動に伴って第3アーム片42が同じく時計方向に回動することにより、第1フレーム21と第2フレーム41とが互いに反対方向に回動するようになっている。なお、閉状態から開状態へ移行させる場合においても同様の動作がなされることは明白であるので、ここではその説明を省略する。
次に、図4〜図5を参照して、ヒンジ機構20の組立てを説明する。
先ず、連結部材30の第2結合部33にそれぞれストッパー部材71、71を装着する。このストッパー部材71の装着は、第2連結片33の第1、第2結合部35、37に設けられた取付け穴35a、37aにストッパー部材71の第2取付け軸73を挿通し、この取付け穴35a、37aから抜けないようにこの軸の頂部をかしめる。なお、図4、図5は、すでにかしめた状態で図示している。
一方、筒状キャップ51を第1、第3アーム片22、42の取付け穴22b、42bの内側から挿入し、筒状キャップ51の鍔片52を第1、第3アーム片22、42の溝22c、42cに挿入して位置決めする。次いで、この筒状キャップ51内にコイル状バネ体(図示省略)を挿入する。そして、この筒状キャップ51内にカム板55のバネ押圧部54を挿入・固定し、次いで、連結部材30と第1、第2フレーム21、41とを取付ける。この取付けは、バネ体により押圧されたカム板55をバネ体に抗して押し込み、この状態で、第1及び第3アーム片22、42と第2及び第4アーム片24、44との間に連結部材30の第1〜第4結合部34〜37を配置し、第2連結片33の第2、第4結合部35、37に装着されたストッパー部材71、71の第1取付け軸72、72を第2、第4アーム片24、44の取付け穴24a、44aに挿通して回り止めして取付けるとともに、ストッパー部材71、71の係止爪71a、71bを突起25a、25b及び45a、45bに当接させて固定している。
そして作動桿67を取付け穴34a、34b及びカム板55の中心部を挿通させて筒状キャップ51内面の底部にまで挿通するとともに、第1、第3結合部34、36のカム34b、36bをカム板55のカム55bに噛合させる。続いて、この作動桿67にカム駒片65を装着する。この装着は、作動桿67にカム駒片65を挿通し、作動桿67の先端部に固定部材68を取付けてこの固定部材68にカム駒片65を固定し回り止めを行なう。そして作動バー61の軸棒61aを規制板63の挿通穴64cを介して固定穴38に挿通させて回動自在に固定し、次いで、規制板63の係止穴64a、64bを固定部材68先端部の小突起69に挿入する。加えてカム駒片65の突出棒65aを規制板63の穴63a、63b及び作動バー61の両端部に形成された穴62a、62bに挿通して先端をかしめる。
図6〜図8は図4及び図5に示すヒンジ機構を組み立てた状態を示し、図6はヒンジ機構が閉状態の場合を示す斜視図、図7はヒンジ機構が開閉途中の状態を示す斜視図、図8はヒンジ機構が開状態の場合を示す斜視図である。
組み立てられたヒンジ機構20は、図6〜図8に示すように、第1アーム片22と第1結合部34とが連結された第1連結部101、第2アーム片24と第2結合部35とが連結された第2連結部102、第3アーム片42と第3結合部36とが連結された第3連結部103、第4アーム片44と第4結合部37とが連結された第4連結部104、とにより第1、第2フレーム21、41と連結部材30とが一体に形成され、第1、第3連結部101、103には、駆動機構50及びリンク機構60が設けられ、第2、第4連結部102、104にはストッパー機構70が設けられている。
図9はヒンジ機構を覆うヒンジカバーを示す図であり、図9(a)は分解斜視図、図9(b)は組立斜視図、図10は送受話ケースの折畳み状態とヒンジ機構との関係を説明するもので、図10(a)は図1の送受話ケースをA−A線から切断した状態で両ケースを折畳んだ状態を示す側断面図、図10(b)は図10(a)の状態におけるヒンジ機構を示す拡大側断面図、図11は図10の送受話ケースを80°開いた状態を示し、図11(a)は側断面図、図11(b)は図11(a)の状態におけるヒンジ機構を示す拡大側断面図、図12は図10の送受話ケースを160°開いた状態を示し、図12(a)は側断面図、図12(b)は図12(a)の状態におけるヒンジ機構を示す拡大側断面図である。なお、図10(a)、図11(a)、図12(a)はその連結部におけるハウジングの形状が分かりやすいように、リンク機構が省略されており、また、図10(b)、図11(b)、図12(b)のヒンジ機構20は、ストッパー部材が見えるように所定の位置で切断された状態を示している。
ヒンジカバーCは、図9(a)に示すように、箱状でかつヒンジ機構20の回転軸に直交する方向の断面がほぼ半楕円形状の一対のカバー部材7、8からなり、携帯電話機1に取り付けられる際には、携帯電話機1の表面及び裏面側からヒンジ機構20が挟み込むように覆う。すなわち、図9(b)に示すように、カバー部材7、8の開口部同士が対向するように当接させて取り付けられる。
このカバー部材7、8は、ヒンジ機構20の回転軸に直交する方向の一側端部に鉤状の係止部7a、8aが形成され、対向する他側端部に係止ねじ装着口7b、8bが形成されており、係止部7a、8a同士を係止した状態で係止ねじ装着口7b、8b同士を連通させ、この連通させた係止ねじ装着口7b、8bを係止ねじ9によりねじ止めすることで取付けられている。なお、ヒンジ機構20が送受話ケース2、10に取り付けられた状態においては、第1、第2フレーム21、41の第1〜第4アーム片22、24、42、44は、送受話ケース2、10の各隅部15a〜16b内に配設されている。そして、送受話ケース2、10の各隅部15a〜16b間にヒンジカバーCが取り付けられるため、一対のカバー部材7、8の短手方向の両側端部の第1〜第4連結部101〜104を覆う位置には、第1〜第4連結部101〜104の形状に合わせてほぼ円形の切り欠き7c、8cがそれぞれ設けられており、この切り欠き7c、8cによって形成された挿通穴9a、9bに第1〜第4連結部101〜104が挿通されている。
加えて、第1〜第4連結部101〜104の挿通穴9a、9bが位置する部分にスリーブを設けると、この挿通穴9a、9bが送受話ケース2、10の開閉動作時に邪魔になる心配がないので好ましい。
また、図10(a)、図11(a)及び図12(a)に示すように、一方のカバー部材7が連結部材30の結合片31にねじ9cにより固定されているので、ヒンジカバーCがヒンジ機構20に対して安定し、ヒンジカバーCが各隅部15a〜16b内で左右方向等に移動することがなくなる。
このように、係止ねじ装着口7b、8bを送話ケース2、あるいは受話ケース10に近接する長手方向の側端部に設けることにより、送受話ケース2、10の折畳み状態(図10(a)参照)及び所定角度に開いた状態(図11(a)及び図12(a)参照)のいずれの状態においても、送話ケース2と受話ケース10とからねじ9が露出することなく、すなわち外から見えないため美観を向上させることができる。
送受話ケース2、10を折畳んだ状態におけるヒンジ機構20は、図6及び図10(b)に示すように、第1、第2フレーム21、41がほぼ平行状態となっている。すなわち、各ストッパー部材71、71のうち、第4連結部104に設けられたストッパー部材71の係止爪71aが連結部材30の第4結合部37の係止突起37bに当接し、また、第2連結部102に設けられたストッパー部材71の係止爪71aは第2結合部35の係止突起35bから少し離れたところに位置している。すなわち、携帯電話機1を閉状態としたときにおいては、2つのストッパー部材71の係止爪71aのうち、一方のみしか係止突起37bに当接していない。これは、例えば携帯電話機1の送受話ケース2、10の開閉角度を160°としたとき、ストッパー部材71によって規制される開閉角度は、160°よりも若干(例えば1〜3°程度、すなわち1つの回動軸ごとに0.5〜1.5°程度)大きな角度が設定されていることを意味し、このようにストッパー部材71により規制される角度を実際の開閉角度よりも大きな角度とすれば、例えば閉状態においてもストッパー部材71によって規制されていないため、駆動機構50により送話ケース2、受話ケース10が互いに押し付けあうように付勢させた状態とすることができ、これにより、閉状態において送受話ケース2、10間に隙間が生じることを防止することができる。なお、ここではストッパー部材71、71の一方が当接した場合について説明したが、両方のストッパー部材を僅かな隙間(回動軸を中心として0.5〜1.5°、好ましくは1°)を空けた状態とするようにしてもよい。この場合、送受話ケース2、10の閉状態あるいは開状態においてはこの両ケース2、10同士が当接することにより支持されるものである。
次いで、この折畳み状態から、一方のケース、例えば受話ケース10を所定角度回動させると、他の送話ケース2も反対方向へ同じ角度回動する。例えば送受話ケース2、10を図7及び図11(a)に示すように80°開くと、ヒンジ機構20は、図11(b)に示すように、第1、第2フレーム21、41は、連結部材30に対して互いに反対方向へほぼ同じ角度、すなわち40°ずつ回動している。
更に、送受話ケース2、10を回動し、開状態となる160°にまで開くと、ヒンジ機構20は、図8及び図12(b)に示すように、第1、第2フレーム21、41が連結部材30に対して互いに80°ずつ回動しており、また、160°開かれた状態では、送受話ケース2、10の両隅部15a、15b、16a、16bが当接することにより開状態を支持し、ストッパー部材71、71は係止突起35b、37bに対して僅かな隙間(2°)を空けて位置している。ただし、開状態においては、このように僅かな隙間を設けることなく、送受話ケース2、10を当接させるとともにストッパー部材71、71も係止突起35b、37bに当接させるようにしてももちろん良い。
図13は図10(a)のB方向からみた側面図である。この図に示すように、ヒンジ機構20がカバー部材7、8で覆われると、送受話ケース2、10の各隅部15a、15b及び16a、16bにより挟まれたヒンジ機構20が連結される隙間の幅方向の長さが、ヒンジカバーCを構成するカバー部材7、8の幅方向よりも長くなっており、カバー部材7、8の側端と送受話ケース2、10の各隅部15a、15b及び16a、16bとの間には所定長さdの小隙間が形成される。この位置に隙間が形成されると、送受話ケース2、10の開閉動作時に、送受話ケース2、10とカバー部材7、8とが擦れて摩擦音、例えばきしみ音が発生することがなくなる。なお、この小隙間は塵等が侵入しないような構造とすると好ましい。また、一方のカバー部材7が連結部材30の結合片31にねじ9cにより固定されているので、カバー部材7、8の側端と送受話ケース2、10の各隅部15a、15b及び16a、16bとの間に形成された小隙間の長さは一定に維持される。
上述したように、実施例のヒンジ機構は、リンク機構60により、第1、第2フレーム21、41の回動が連結部材30に対して逆位相で連係して駆動するため、一方のフレームのみが回動することはなく、常に両フレームの回動が連係するため、安定した開閉動作を実現できるとともに、閉状態における送受話ケース2、10にズレが生じることもない。
なお、この実施例では、駆動機構50を第1、第3連結部101、103の2箇所に設けたが、第1〜第4連結部101〜104の何れにいくつ設けてもよい。ただし、駆動機構50を1つのみとすると、バックラッシが原因となるアソビあるいはガタが発生するため、好ましくは回動軸ごとに1つずつ設けるものとする。また、リンク機構60は駆動機構50が設けられた第1、第3連結部101、103に設けられているが、第1フレーム21と第2フレーム41とをリンクさせることが可能であれば何れに設けてもよく、好ましくは第1アーム片22と第3アーム片42、又は第2アーム片24と第4アーム片44とをリンクするように設けると最も省スペースで設置することができる。
また、ストッパー機構70についても実施例では第2、第4連結部102、104に設けたが、何れの連結部に何個設けても良いが、好ましくは駆動機構と同様に回転軸ごと1つずつ設けるものとする。また、このストッパー機構70を駆動機構50及びリンク機構60が設けられた連結部であっても設けることができることは当業者にとり自明であろう。
図1は本発明の実施例に係るヒンジ機構を適用した折畳み式携帯電話機を示す斜視図、 図2は図1の携帯電話機からハウジング及びケースを取外しリンク機構等の内部機構が見えるようにした状態を示す斜視図、 図3は図2の背面からみた斜視図、 図4はヒンジ機構を分解して示す分解斜視図、 図5は図4を異なる方向から見た分解斜視図、 図6は図4及び図5に示すヒンジ機構を組み立てた状態においてヒンジ機構が閉状態の場合を示す斜視図、 図7は図4及び図5に示すヒンジ機構を組み立てた状態においてヒンジ機構が開閉途中の状態を示す斜視図、 図8は図4及び図5に示すヒンジ機構を組み立てた状態においてヒンジ機構が開状態の場合を示す斜視図、 図9はヒンジ機構を覆うヒンジカバーを示す図であり、図9(a)は分解斜視図、図9(b)は組立斜視図、 図10は送受話ケースの折畳み状態とヒンジ機構との関係を説明するもので、図10(a)は図1の送受話ケースをA−A線から切断した状態で両ケースを折畳んだ状態を示す側断面図、図10(b)は図10(a)の状態におけるヒンジ機構を示す拡大側断面図、 図11は図10の送受話ケースを80°開いた状態を示し、図11(a)は側断面図、図11(b)は図11(a)の状態におけるヒンジ機構を示す拡大側断面図、 図12は図10の送受話ケースを160°開いた状態を示し、図12(a)は側断面図、図12(b)は図12(a)の状態におけるヒンジ機構を示す拡大側断面図、 図13は図10(a)のB方向からみた側面図、 図14は従来の折畳み式携帯電話機を示し、図14(a)は斜視図、図14(b)は、ヒンジ機構の一部破断拡大正面図、 図15は従来技術の携帯電話機の分解斜視図、 図16は図15の携帯電話を組み立てた状態を示し、図16(a)は携帯電話機ケースを折畳んだ状態の側面図、図16(b)はこの携帯電話機のヒンジ機構が設けられた部分の拡大断面図、図16(c)は図16(b)のX―X線の一部省略拡大断面図。
符号の説明
1 携帯電話機(折畳み機器)
2 送話ケース
6 FPC(リード線)
C ヒンジカバー
7、8 カバー部材
7a、8a 係止ねじ装着口
7b、8b 係止部
7c、8c 切り欠き
9 係止ねじ
9a、9b 連通穴
9c ねじ
10 受話ケース
20 ヒンジ機構
21 第1フレーム
22 第1アーム片
24 第2アーム片
26 結合片
26a、26b 取付け穴
30 連結部材(第3フレーム)
31 結合片
32 第1連結片
33 第2連結片
34 第1結合部
34b カム
35 第2結合部
35b 係止突起
36 第3結合部
36b カム
37 第4結合部
37b 係止突起
41 第2フレーム
42 第3アーム片
44 第4アーム片
46 結合片
46a、46b U字状溝
50 駆動機構
51 筒状キャップ
54 バネ体押圧部
55 カム板
55b カム
60 リンク機構
61 作動バー
63 規制板
65 カム駒片
65a 突出棒
67 作動桿
70 ストッパー機構
71 ストッパー部材
71a、71b 係止爪
101 第1連結部
102 第2連結部
103 第3連結部
104 第4連結部

Claims (1)

  1. 一対の機器ケースと、前記一対の機器ケースの一側端部同士を回動自在に連結するヒンジ機構と、前記ヒンジ機構を覆うヒンジカバーと、を備える折畳み機器において、
    前記一対の機器ケースのヒンジ機構が連結された一側端部はその両隅部が前記一側端部に直交する方向に所定長さ突出し、前記一対の機器ケースの前記突出した両隅部間に前記ヒンジ機構が取り付けられ、
    前記ヒンジカバーは、前記一側端部に直交する方向の断面が実質的に半楕円形状で箱型の一対のカバー部材からなり、前記一対のカバー部材は、前記一対の機器ケースの前記突出した両隅部間に位置する前記ヒンジ機構を挟み込むように対向させて配設することにより覆うとともに、前記対向させて配設された際の前記一対の機器ケースの少なくとも一方の前記一側端部に近接する辺に前記一対のカバー部材を互いに固定する固定手段が形成され、
    前記ヒンジ機構は、前記機器ケースの一方に取付けられる所定長さの板状体からなる結合片と、前記結合片の両端部から同一方向に立設されその先端部に結合部が形成された第1、第2アーム片と、を備える第1フレームと、
    前記機器ケースの他方に取付けられる所定長さの板状体からなる結合片と、前記結合片の両端部から同一方向に立設されその先端部に結合部が形成された第3、第4アーム片と、を備える第2フレームと、
    所定長さを備えた板状体からなる結合片と、前記結合片の両端部から同一方向に立設されるとともに左右にそれぞれ分岐され、前記分岐された先端部に前記第1〜第4アーム片に連結される第1〜第4結合部を有する第1、第2連結片と、を備える第3フレームと、を備え、
    前記第1〜第4アーム片に形成された結合部と前記第1〜第4結合部とが回動自在に連結されて、第1〜第4連結部が形成されるとともに、前記第1〜第4連結部の少なくとも1つには前記第1、第2フレームを所定位置に回動・保持する駆動機構が設けられ、
    前記第1又は第2連結部と前記第3又は第4連結部の少なくとも1組の連結部間が連係機構により連結され、前記第1フレームが前記第1及び第2連結部を軸として前記第3フレームに対し一方向に所定角度回動されると、前記連係機構によりこの回動に連係して前記第2フレームが前記第3及び第4連結部を軸として前記第3フレームに対し反対方向に前記第1フレームと同一の角度だけ回動するように連結され、
    前記第3フレームの結合片には、前記一対のカバー部材の少なくとも一方を固定するための固定手段が設けられていることを特徴とする折畳み機器。
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