JP4326455B2 - 高耐熱性樹脂用ポリチオール - Google Patents

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Description

本発明は、高い屈折率及び高い透明性が要求される光学材料やポリウレタン樹脂等の樹脂分野や、塗料、合成樹脂の加硫剤等の樹脂添加剤に好適に使用されるポリチオール及び該ポリチオールの組成物、更には、該ポリチオールを使用して製造される透明樹脂に関する。
プラスチックレンズは、無機レンズに比べ軽量で割れ難く、染色が可能なため近年、眼鏡レンズ、カメラレンズ等の光学素子に急速に普及してきている。
これらプラスチックレンズに要求され続けている性能は光学性能としては高屈折率、高アッベ数、物理的性質としては高耐熱性、低比重である。
現在、これらの要求性能をある程度満足した樹脂としては、樹脂中に硫黄原子を導入した、ポリチオウレタン樹脂が知られている。ポリチオウレタン樹脂は、高屈折率で耐衝撃性が良好である等、バランスの優れた樹脂である(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、更なる高屈折率化、高アッベ数化の要求がなされているものの、その反面、屈折率とアッベ数に関しては屈折率が上昇するほどアッベ数が低くなるという相反する物性であるため両方を同時に向上させることは非常に困難である。そこで、アッベ数の低下を抑えながら、高屈折率化を行う検討が盛んに行われている。
これらの検討の中で最も代表的な提案は、エピスルフィド化合物を使用する方法である。(例えば、特許文献2、特許文献3参照)
しかしながら、エピスルフィド化合物を使用する上記の方法で得られる樹脂は、光学物性が非常に優れたものであるものの、脆さや耐衝撃性が低いなどの物理的性能に劣る面があり、レンズに要求される諸物性を全て満足しているわけではない。
そのような中で、光学物性や物理的物性面でバランスの取れた素材であるポリチオウレタン樹脂を使用した上で、アッベ数の低下を抑えながら、高屈折率化を行う提案が新たになされた。(例えば、特許文献4参照)
特開昭63−46213号公報 WO−89/10575号公報 特開平9−110979号公報 特開2001−342172号公報
特許文献4で提案された樹脂からなる光学材料は、非常に高い屈折率と高屈折率と高アッベ数のバランスを有するなど優れた光学物性を有する。しかしながら、耐熱性が100℃を僅かに越える程度である。近年光学素子等に使用される樹脂としては高い耐熱性や耐候性が要求されており、更なる高耐熱性を有する高屈折率材料の開発が望まれている。
本発明者らは、上述の課題を解決するために鋭意検討した結果、5官能以上のチオール基を有するポリチオール化合物の合成に成功し、該化合物を使用して硬化して得られる樹脂の耐熱性が向上している上に耐候性に優れたものであることを見出し本発明に至った。
即ち、本発明は、
[1] 式(1)乃至(4)のいずれかで表される構造を有するポリチオールに関する。
Figure 0004326455
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Figure 0004326455
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また、以下[2]〜[7]は、それぞれ本発明の好ましい態様の1つである。
[2] 上記[1]に記載のポリチオールを少なくとも1種類含有する透明樹脂用組成物。
[3] 上記[2]に記載の透明樹脂用組成物を硬化して得られる透明樹脂。
[4] 上記透明樹脂用組成物が更にポリイソ(チオ)シアナート、ポリエポキシド、ポリエピスルフィドおよびオレフィン化合物から選択された1つ以上の化合物を含有するものである上記[3]に記載の透明樹脂。
[5] 上記[3]または[4]に記載の透明樹脂からなる光学材料。ここで、「からなる」とは、当該光学材料の全部が当該透明樹脂で構成されている場合、および、当該光学材料の一部が当該透明樹脂で構成されている場合、の双方を含む趣旨である。
[6] 上記[5]に記載の光学材料からなるプラスチックレンズ。ここで、「からなる」とは、当該プラスチックレンズの全部が当該光学材料で構成されている場合、および、当該プラスチックレンズの一部が当該光学材料で構成されている場合、の双方を含む趣旨である。
[7] 上記[3]または[4]に記載の透明樹脂を注型重合で得る工程を含む透明樹脂の製造方法。
本発明により、高屈折率分野における新規な光学材料の原料として有用な化合物が得られ、また、重合硬化して得られる樹脂の光学物性が非常に高い上に耐熱性が向上しており、高耐熱性を要求物性とする光学素子の発展に貢献する。
以下、本発明を詳細に説明するが、まず、本発明のポリチオール化合物について記載する。
本発明に係る、式(1)乃至(4)のいずれかで表される構造を有するポリチオールは、1,2,6,10,11−ペンタメルカプト−4,8−ジチアウンデカン、1,2,9,10−テトラメルカプト−6−メルカプトメチル−4,7−ジチアデカン、1,2,9,13,14−ペンタメルカプト−6−メルカプトメチル−4,7,11−トリチアテトラデカン及び1,2,6,10,14,15−ヘキサメルカプト−4,8,12−トリチアペンタデカンのことを言う。
本発明に係る式(1)乃至(4)のいずれかで表される構造を有するポリチオール化合物は、例えば、次のような方法で合成することが可能である。
式(5)で表される構造を有する4官能のポリチオール化合物(1,2,6,7−テトラメルカプト−4−チアヘプタン)と、式(6)で表される構造を有する2官能ポリチオール化合物(2,3−ジメルカプト−1−プロパノール)を原料として合成される。
Figure 0004326455
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具体的に説明すると、1,2,6,7−テトラメルカプト−4−チアヘプタンとおよそ等モルのアルカリ及び/またはアルカリ土類金属の水酸化物(具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等)やアルカリ金属のアルコラート(具体的には、ナトリウムメトキシドやナトリウムエトキシド、カリウムメトキシドやカリウムエトキシド等)を反応させ、一つのメルカプト基をアルカリ金属塩化する。このとき使用される溶媒としては、極性溶媒が好ましく、水、低級アルコールなどが特に好ましい。反応温度としては、低すぎず、高すぎないことが求められ、おおよそ−10℃〜100℃が好ましい。−5℃〜80℃であればより好ましい。ここで得られた反応液を反応液−1とする。
次いで、2,3−ジメルカプト−1−プロパノールとパロゲン化リン(具体的には、三塩化リンや三臭化リン等)を反応させ、2,3−ジメルカプト−1−ハロゲノプロパンを合成する。このとき使用される溶媒としては、非極性溶媒が好ましく、芳香族炭化水素系化合物やハロゲン化炭化水素系化合物がより好ましい。溶解性を考慮すれば、特にハロゲン化炭化水素系化合物が好ましいが、続く反応に使用しにくいため適宜選択する必要がある。反応温度としては、この反応においても低すぎず、高すぎないことが求められ、おおよそ−10℃〜100℃が好ましい。−5℃〜80℃であればより好ましい。ここで得られた反応液を反応液−2とする。
次に得られた反応液−1へ反応液−2を滴下するなどして装入し反応を進行させる。ここでの反応温度もこの反応においても低すぎず、高すぎないことが求められ、おおよそ−10℃〜100℃が好ましい。−5℃〜80℃であればより好ましい。
以上の反応により式(1)及び(2)で表される化合物が合成できる。更に、得られた式(1)または(2)で表される化合物を前述同様にアルカリ金属塩化した後、反応液−2と反応させれば、式(3)及び(4)で表される構造を有する化合物が合成される。この操作を繰り返せば、理論的には、更なる多官能ポリチオール化合物が合成可能である。しかしながら、分子量の増大と共に、得られる化合物の粘度が上昇し、取り扱い上好ましくない場合がある。実用上分子量は1,000未満が好ましい。
反応終了後、反応液を水などの極性溶媒で洗浄することは、得られる化合物の品質を向上させる意味で好ましい。このとき、薄い酸やアルカリの水溶液を使用して洗浄を行うと得られる品質が更に向上する場合がある。洗浄終了後に使用した反応溶媒を留去すれば目的物の粗体を得ることができる。得られた粗体は比較的純度が高く、そのまま重合して使用することも可能であるが、更に精製を施して品質を向上させることも可能である。ここで言う精製とは、超高真空下での蒸留、シリカゲルや活性炭を使用したクロマトグラム法、洗浄や抽出による方法、濾過等の不溶物を除去する方法が挙げられる。精製により得られた本発明のポリチオールは、無色透明の液体である。
このようにして得られた本発明の式(1)乃至(4)のいずれかで表される構造を有するポリチオールは、ウレタン系の樹脂からなる光学材料に好適に使用することができる。また、エポキシド系及び/またはエピスルフィド系の樹脂からなる光学材料やオレフィン系の樹脂からなる光学材料にも好適に使用することも可能である。更には、ポリウレタン樹脂用の原料や塗料原料、合成樹脂の加硫剤等の原料や添加剤として使用することも可能である。
次に、本発明の透明樹脂用組成物について説明する。式(1)乃至(4)のいずれかで表される構造を有するポリチオールを少なくとも1種類含有する本発明の透明樹脂用組成物は、高い屈折率、高いアッベ数および高い耐熱性を有する透明樹脂を作製するために有用である。本発明の透明樹脂用組成物は、式(1)乃至(4)のいずれかで表される構造を有するポリチオールを少なくとも1種類含んでいれば良く、その他の成分について特に制限はないが、優れた透明樹脂を得る観点からは、更にポリイソシアナートを含有することが好ましい。本発明の透明樹脂用組成物中の式(1)乃至(4)のいずれかで表される構造を有するポリチオールの含有量には特に制限はないが、透明樹脂用組成物全体の重量を100重量部としたとき、通常0.1〜80重量部、好ましくは1〜75重量部である。当該ポリチオールの含有量が上記範囲内にあると、得られる樹脂の耐熱性が向上する点で好ましい。
次に、本発明の透明樹脂に関して記載する。ここで、「透明樹脂」とは、光を透過させる性質を有する樹脂をいう。
眼鏡レンズ、カメラレンズをはじめとする各種レンズ、導光板、表示素子用基板等の光を透過させる用途に使用できる樹脂は、ここでいう「透明樹脂」に該当する。透明樹脂の透過率には特に制限はないが、光を有効に利用する観点からは、使用波長における厚さ1mm換算の光透過率が80%以上であることが好ましい。使用波長は用途との関係において決定される。通常、使用波長は、可視光線の領域に在るが、必ずしもこれに限定されるものではなく、用途によっては紫外光または赤外光の領域に使用波長が在る場合もある。
本発明の式(1)乃至(4)のいずれかで表される構造を有するポリチオールをポリイソ(チオ)シアナートと反応させることで、透明樹脂を製造することが可能である。ここで言うポリイソ(チオ)シアナートとは、分子内に2個以上のイソ(チオ)シアナート基を有する化合物のことを言い、公知のポリイソ(チオ)シアナートから適宜選択して使用可能である。
ここで、分子内に2個以上のイソ(チオ)シアナート基を有する化合物の好ましいものの具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアナート、2,2−ジメチルペンタンジイソシアナート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアナート、ブテンジイソシアナート、1,3−ブタジエン−1,4−ジイソシアナート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、1,6,11−ウンデカトリイソシアナート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアナート、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、ビス(イソシアナトエチル)カーボネート、ビス(イソシアナトエチル)エーテル、リジンジイソシアナトメチルエステル、リジントリイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、ビス(イソシアナトエチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトプロピル)ベンゼン、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアナート、ビス(イソシアナトブチル)ベンゼン、ビス(イソシアナトメチル)ナフタリン、ビス(イソシアナトメチル)ジフェニルエーテル、ビス(イソシアナトエチル)フタレート、メシチリレントリイソシアナート、2,6−ジ(イソシアナトメチル)フラン等の脂肪族ポリイソシアナート、
イソホロンジイソシアナート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、シクロヘキサンジイソシアナート、メチルシクロヘキサンジイソシアナート、ジシクロヘキシルジメチルメタンジイソシアナート、2,2−ジメチルジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタン、3,8−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、3,9−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、4,8−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン、4,9−ビス(イソシアナトメチル)トリシクロデカン等の脂環族ポリイソシアナート、
フェニレンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート、エチルフェニレンジイソシアナート、イソプロピルフェニレンジイソシアナート、ジメチルフェニレンジイソシアナート、ジエチルフェニレンジイソシアナート、ジイソプロピルフェニレンジイソシアナート、トリメチルベンゼントリイソシアナート、ベンゼントリイソシアナート、ビフェニルジイソシアナート、トルイジンジイソシアナート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアナート、3,3−ジメチルジフェニルメタン−4,4−ジイソシアナート、ビベンジル−4,4−ジイソシアナート、ビス (イソシアナトフェニル)エチレン、3,3−ジメトキシビフェニル−4,4−ジイソシアナート、フェニルイソシアナトエチルイソシアナート、ヘキサヒドロベンゼンジイソシアナート、ヘキサヒドロジフェニルメタン−4,4−ジイソシアナート等の芳香族ポリイソシアナート、
ビス(イソシアナトメチル)スルフィド、ビス(イソシアナトエチル)スルフィド、ビス(イソシアナトプロピル)スルフィド、ビス(イソシアナトヘキシル)スルフィド、ビス(イソシアナトメチル)スルホン、ビス(イソシアナトメチル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトエチル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトプロピル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトメチルチオ)メタン、ビス(イソシアナトエチルチオ)メタン、ビス(イソシアナトエチルチオ)エタン、ビス(イソシアナトメチルチオ)エタン、1,5−ジイソシアナト−2−イソシアナトメチル−3−チアペンタン等の含硫脂肪族イソシアナート、
ジフェニルスルフィド−2,4−ジイソシアナート、ジフェニルスルフィド−4,4−ジイソシアナート、3,3−ジメトキシ−4,4−ジイソシアナトジベンジルチオエーテル、ビス(4−イソシアナトメチルベンゼン)スルフィド、4,4−メトキシベンゼンチオエチレングリコール−3,3−ジイソシアナートなどの芳香族スルフィド系イソシアナート、
ジフェニルジスルフィド−4,4−ジイソシアナート、2,2−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5−ジイソシアナート、3,3−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5−ジイソシアナート、3,3−ジメチルジフェニルジスルフィド−6,6−ジイソシアナート、4,4−ジメチルジフェニルジスルフィド−5,5−ジイソシアナート、3,3−ジメトキシジフェニルジスルフィド−4,4−ジイソシアナート、4,4−ジメトキシジフェニルジスルフィド−3,3−ジイソシアナートなどの芳香族ジスルフィド系イソシアナート、2,5−ジイソシアナトチオフェン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)チオフェン等の含硫複素環化合物、
その他にも、2,5−ジイソシアナトテトラヒドロチオフェン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、3,4−ビス(イソシアナトメチル)テトラヒドロチオフェン、2,5−ジイソシアナト−1,4−ジチアン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,4−ジチアン、4,5−ジイソシアナト−1,3−ジチオラン、4,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,3−ジチオラン、4,5−ビス(イソシアナトメチル)−2−メチル−1,3−ジチオランなどが挙げられ、イソシアナト基をイソチオシアナト基に変換した化合物も挙げられるが、例示化合物に限定されるものではない。また、これらの塩素置換体、臭素置換体等のハロゲン置換体、アルキル置換体、アルコキシ置換体、ニトロ置換体や多価アルコールとのプレポリマー型変性体、カルボジイミド変性体、ウレア変性体、ビュレット変性体、ダイマー化あるいはトリマー化反応生成物等も使用できる。
これら化合物の内、本発明の光学物性の要求を加味すれば、より好ましいものとしては、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、キシリレンジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタン、ビス(イソシアナトメチル)スルフィド、ビス(イソシアナトエチル)スルフィド、ビス(イソシアナトメチル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトエチル)ジスルフィド、ビス(イソシアナトメチルチオ)メタン、ビス(イソシアナトエチルチオ)メタン、2,5−ジイソシアナト−1,4−ジチアン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,4−ジチアン、4,5−ジイソシアナト−1,3−ジチオラン、4,5−ビス(イソシアナトメチル)−1,3−ジチオラン、4,5−ビス(イソシアナトメチル)−2−メチル−1,3−ジチオラン、2,5−ジイソシアナトチオフェン、2,5−ビス(イソシアナトメチル)チオフェン、2,4−トリレンジイソシアナートからなる化合物群から少なくとも1種選択された化合物である。
本発明に係る式(1)乃至(4)のいずれかで表される構造を有するポリチオールは多官能であるため、上記の2官能以上のイソシアナートを使用した場合、その3次元架橋性が非常に高く、重合により得られた樹脂は、耐熱性が非常に高く、高耐熱性を要求物性とする樹脂分野に非常に好適である。しかしながら、用途によっては、耐熱性が高すぎる場合もあり、その場合には、3次元架橋性を下げたり、その他の樹脂物性を改質する為に、目的に応じて様々な公知のチオール化合物を添加することも可能である。ここでいうチオール化合物とは、本発明のポリチオール以外のチオール化合物のことであるが、3次元架橋性を極端に損なわないようにすることが目的であれば、分子内に2個以上メルカプト基を有する化合物もしくは、メルカプト基を1個有し、かつ、その他にイソシアナート基と反応可能な活性水素基を1個以上有する化合物や、メルカプト基を有さなくとも、その他にイソシアナート基と反応可能な活性水素基を2個以上有する化合物であれば添加することが可能である。
ここで樹脂の性能を改質するために添加可能なチオール化合物の具体例としては、単官能チオール化合物としては、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、プロピルメルカプタン、ブチルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、ヘキサデシルメルカプタン、オクタデシルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタン、ベンジルメルカプタン、エチルフェニルメルカプタン、2−メルカプトメチル−1,3−ジチオラン、2−メルカプトメチル−1,4−ジチアン等の脂肪族メルカプタン化合物、チオフェノール、メルカプトトルエン等の芳香族メルカプタン化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
2官能以上のポリチオール化合物としては、例えば、1,1−メタンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,1−プロパンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、2,2−プロパンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,2,3−プロパントリチオール、1,1−シクロヘキサンジチオール、1,2−シクロヘキサンジチオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジチオール、3,4−ジメトキシブタン−1,2−ジチオール、2−メチルシクロヘキサン−2,3−ジチオール、1,1−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、チオリンゴ酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール(2−メルカプトアセテート)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール(3−メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,2−ジメルカプトプロピルメチルエーテル、2,3−ジメルカプトプロピルメチルエーテル、2,2−ビス(メルカプトメチル)−1,3−プロパンジチオール、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、エチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパンビス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパンビス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、テトラキス(メルカプトメチル)メタン等の脂肪族ポリチオール化合物、
1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、1,2−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3−トリメルカプトベンゼン、1,2,4−トリメルカプトベンゼン、1,3,5−トリメルカプトベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、2,5−トルエンジチオール、3,4−トルエンジチオール、1,3−ジ(p−メトキシフェニル)プロパン−2,2−ジチオール、1,3−ジフェニルプロパン−2,2−ジチオール、フェニルメタン−1,1−ジチオール、2,4−ジ(p−メルカプトフェニル)ペンタン等の芳香族ポリチオール、
1,2−ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチルチオ)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチルチオ)ベンゼン等、及びこれらの核アルキル化物等のメルカプト基以外に硫黄原子を含有する芳香族ポリチオール化合物、
ビス(メルカプトメチル)スルフィド、ビス(メルカプトエチル)スルフィド、ビス(メルカプトプロピル)スルフィド、ビス(メルカプトメチルチオ)メタン、ビス(2−メルカプトエチルチオ)メタン、ビス(3−メルカプトプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エタン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)エタン、1,2−ビス(3−メルカプトプロピル)エタン、1,3−ビス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,3−ビス(2−メルカプトエチルチオ)プロパン、1,3−ビス(3−メルカプトプロピルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(2−メルカプトエチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(3−メルカプトプロピルチオ)プロパン、1,2−ビス[(2−メルカプトエチル)チオ]−3−メルカプトプロパン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−メルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−メルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−メルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、テトラキス(メルカプトメチルチオメチル)メタン、テトラキス(2−メルカプトエチルチオメチル)メタン、テトラキス(3−メルカプトプロピルチオメチル)メタン、ビス(2,3−ジメルカプトプロピル)スルフィド、ビス(1,3−ジメルカプトプロピル)スルフィド、2,5−ジメルカプト−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン、2,5−ジメルカプトメチル−2,5−ジメチル−1,4−ジチアン、ビス(メルカプトメチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトエチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトプロピル)ジスルフィド等のメルカプト基以外に硫黄原子を含有する脂肪族ポリチオール化合物、及びこれらのチオグリコール酸及びメルカプトプロピオン酸のエステル、
ヒドロキシメチルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシプロピルスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシプロピルスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシプロピルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシプロピルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、2−メルカプトエチルエーテルビス(2−メルカプトアセテート)、2−メルカプトエチルエーテルビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ジチアン−2,5−ジオールビス(2−メルカプトアセテート)、1,4−ジチアン−2,5−ジオールビス(3−メルカプトプロピオネート)、チオジグリコール酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、チオジプロピオン酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、4,4−チオジブチル酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、ジチオジグリコール酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、ジチオジプロピオン酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、4,4−ジチオジブチル酸ビス(2−メルカプトエチルエステル)、チオジグリコール酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、チオジプロピオン酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、ジチオグリコール酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、ジチオジプロピオン酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)等のその他のメルカプト基以外に硫黄原子とエステル結合を含有する脂肪族ポリチオール化合物、3,4−チオフェンジチオール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール等のメルカプト基以外に硫黄原子を含有する複素環化合物、
2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、グリセリンジ(メルカプトアセテート)、1−ヒドロキシ−4−メルカプトシクロヘキサン、2,4−ジメルカプトフェノール、2−メルカプトハイドロキノン、4−メルカプトフェノール、3,4−ジメルカプト−2−プロパノール、1,3−ジメルカプト−2−プロパノール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、1,2−ジメルカプト−1,3−ブタンジオール、ペンタエリスリトールトリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールモノ(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールトリス(チオグリコレート)、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチル−トリス(メルカプトエチルチオメチル)メタン、1−ヒドロキシエチルチオ−3−メルカプトエチルチオベンゼン等のメルカプト基以外にヒドロキシ基を含有する化合物、
1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,1,2,2−テトラキス(メルカプトメチルチオ)エタン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアシクロヘキサン、1,1,5,5−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−3−チアペンタン、1,1,6,6−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−3,4−ジチアヘキサン、2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エタンチオール、2−(4,5−ジメルカプト−2−チアペンチル)−1,3−ジチアシクロペンタン、2,2−ビス(メルカプトメチル)−1,3−ジチアシクロペンタン、2,5−ビス(4,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−2−チアブチル)−1,4−ジチアン、2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−プロパンジチオール、3−メルカプトメチルチオ−1,7−ジメルカプト−2,6−ジチアヘプタン、3,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,9−ジメルカプト−2,5,8−トリチアノナン、4,6−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,9−ジメルカプト−2,5,8−トリチアノナン、3−メルカプトメチルチオ−1,6−ジメルカプト−2,5−ジチアヘキサン、2−(2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エチル)−1,3−ジチエタン、更にこれらのオリゴマー等のジチオアセタールもしくはジチオケタール骨格を有する化合物、
トリス(メルカプトメチルチオ)メタン、トリス(メルカプトエチルチオ)メタン、1,1,5,5−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−2,4−ジチアペンタン、ビス[4,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアブチル](メルカプトメチルチオ)メタン、トリス[4,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアブチル]メタン、2,4,6−トリス(メルカプトメチルチオ)−1,3,5−トリチアシクロヘキサン、2,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3,5−トリチアシクロヘキサン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−2−チアプロパン、ビス(メルカプトメチル)メチルチオ−1,3,5−トリチアシクロヘキサン、トリス[(4−メルカプトメチル−2,5−ジチアシクロヘキシル−1−イル)メチルチオ]メタン、2,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアシクロペンタン、2−メルカプトエチルチオ−4−メルカプトメチル−1,3−ジチアシクロペンタン、2−(2,3−ジメルカプトプロピルチオ)−1,3−ジチアシクロペンタン、4−メルカプトメチル−2−(2,3−ジメルカプトプロピルチオ)−1,3−ジチアシクロペンタン、4−メルカプトメチル−2−(1,3−ジメルカプト−2−プロピルチオ)−1,3−ジチアシクロペンタン、トリス[2,2−ビス(メルカプトメチルチオ)−1−チアエチル]メタン、トリス[3,3−ビス(メルカプトメチルチオ)−2−チアプロピル]メタン、トリス[4,4−ビス(メルカプトメチルチオ)−3−チアブチル]メタン、2,4,6−トリス[3,3−ビス(メルカプトメチルチオ)−2−チアプロピル]−1,3,5−トリチアシクロヘキサン、テトラキス[3,3−ビス(メルカプトメチルチオ)−2−チアプロピル]メタン等、さらにこれらのオリゴマー等のオルトカルボン酸トリチオエステル骨格を有する化合物、
3,3’−ジ(メルカプトメチルチオ)−1,5−ジメルカプト−2,4−ジチアペンタン、2,2’−ジ(メルカプトメチルチオ)−1,3−ジチアシクロペンタン、2,7−ジ(メルカプトメチル)−1,4,5,9−テトラチアスピロ[4,4]ノナン、3,9−ジメルカプト−1,5,7,11−テトラチアスピロ[5,5]ウンデカン、更にこれらのオリゴマー等オルト炭酸テトラチオエステル骨格を有する化合物等が挙げられるが、これらの例示化合物のみに限定されるものではない。
これらの例示化合物も単独でも2種類以上混合して使用しても良い。これら化合物の内、得られる樹脂の光学物性、特にアッベ数を考慮すれば、芳香族系よりも脂肪族系のポリチオール化合物を選択する方が好ましい。更に、光学物性、特に屈折率の要求を考慮すれば、スルフィド結合及び/またはジスルフィド結合等のチオール基以外に硫黄原子を有する化合物を選択するとより好ましく、ジチオアセタール骨格、ジチオケタール骨格、オルトカルボン酸トリチオエステル骨格、オルト炭酸テトラチオエステル骨格を有する化合物を選択すると更に好ましい。
その他に樹脂の性能を改質する目的で、公知のエピスルフィド化合物、エポキシ化合物、オレフィン化合物等を添加することも可能である。
ここで、添加可能なエピスルフィド化合物の具体例としては、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド、ビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィド、ビス(β−エピチオプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(β−エピチオプロピルチオ)エタン、1,2−ビス(β−エピチオプロピルチオ)プロパン、1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオ)プロパン、1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−2−メチルプロパン、1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ブタン、1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−2−メチルブタン、1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ブタン、1,5−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ペンタン、1,5−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−2−メチルペンタン、1,5−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−3−チアペンタン、1,6−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ヘキサン、1,6−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−2−メチルヘキサン、3,8−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−3,6−ジチアオクタン、1,2,3−トリス(β−エピチオプロピルチオ)プロパン、2,2−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)プロパン、2,2−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−1−(β−エピチオプロピルチオ)ブタン、1,5−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−2−(β−エピチオプロピルチオメチル)−3−チアペンタン、1,5−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−2,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3−チアペンタン、1−(β−エピチオプロピルチオ)−2,2−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−4−チアヘキサン、1,5,6−トリス(β−エピチオプロピルチオ)−4−(β−エピチオプロピルチオメチル)−3−チアヘキサン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−4−(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−4,5−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−4,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−2,4,5−トリス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,1,1−トリス[[2−(β−エピチオプロピルチオ)エチル]チオメチル]−2−(β−エピチオプロピルチオ)エタン、1,1,2,2−テトラキス[[2−(β−エピチオプロピルチオ)エチル]チオメチル]エタン、1,11−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−4,8−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−4,7−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−5,7−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン等の鎖状脂肪族のβ−エピチオプロピルチオ化合物、及び、
1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキサン、1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキサン、1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)シクロヘキサン、2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス[[2−(β−エピチオプロピルチオ)エチル]チオメチル]−1,4−ジチアン、2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−2,5−ジメチル−1,4−ジチアン等の環状脂肪族のβ−エピチオプロピルチオ化合物、及び、
1,2−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ベンゼン、1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ベンゼン、1,2−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)ベンゼン、1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)ベンゼン、1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)ベンゼン、ビス[4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニル]メタン、2,2−ビス[4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニル]プロパン、ビス[4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニル]スルフォン、4,4’−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ビフェニル等の芳香族β−エピチオプロピルチオ化合物等を挙げることができるが、これらの例示化合物のみに限定されるものではない。これら例示化合物の内、より好ましい化合物としては、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド及びビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィドであり、より好ましい化合物としてはビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィドである。
また、上記のエピスルフィド化合物のエピチオプロピルチオ基をエピチオプロピルオキシ基に置き変えた化合物も挙げることができる。また、上記の例示化合物のみに限定されるものではなく、これらは単独でも、2種類以上を混合して使用してもかまわない。
更に、添加可能なエポキシ化合物の具体例としては、上記のエピスルフィド化合物のエピチオ基をエポキシ基に置き変えた化合物を挙げることができる。また、上記の例示化合物のみに限定されるものではなく、これらは単独でも、2種類以上を混合して使用してもかまわない。
添加可能なオレフィン化合物の具体例としては、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレングリコールビスグリシジルアクリレート、エチレングリコールビスグリシジルメタクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、2,2−ビス(4−アクロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクロキシジエトキシフェニル)プロパン、ビスフェノールFジアクリレート、ビスフェノールFジメタクリレート、1,1−ビス(4−アクロキシエトキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−メタクロキシエトキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−アクロキシジエトキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−メタクロキシジエトキシフェニル)メタン、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、グリセロールジアクリレート、グリセロールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、メチルチオアクリレート、メチルチオメタクリレート、フェニルチオアクリレート、ベンジルチオメタクリレート、キシリレンジチオールジアクリレート、キシリレンジチオールジメタクリレート、メルカプトエチルスルフィドジアクリレート、メルカプトエチルスルフィドジメタクリレート等の(メタ)アクリレート化合物、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート等のアリル化合物、スチレン、クロロスチレン、メチルスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ジビニルベンゼン、3,9−ジビニルスピロビ(m−ジオキサン)等のビニル化合物、ジイソプロペニルベンゼン等が挙げられるが、例示化合物のみに限定されるものではない。
必要とする物性を満足することが可能である範囲であれば、これらオレフィン化合物はいずれも単独でも2種類以上を混合して使用しても何ら差し支えない。
本発明に用いる硬化触媒としては3級アミン類、ホスフィン類、4級アンモニウム塩類、4級ホスホニウム塩類、ルイス酸類、ラジカル重合触媒類、カチオン重合触媒類等が通常用いられる。
硬化触媒の具体例としては、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリエチレンジアミン、トリフェニルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ジエチルベンジルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、N−メチルジシクロヘキシルアミン、N−メチルモルホリン、N−イソプロピルモルホリン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、β−ピコリン、N,N’−ジメチルピペラジン、N−メチルピペリジン、2,2’−ビピリジル、ヘキサメチレンテトラミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウンデセン等の3級アミン類、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリn−プロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリn−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジメチルホスフィノ)エタン等のホスフィン類、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド等の4級アンモニウム塩類、テトラメチルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブロマイド等の4級ホスホニウム塩類、ジメチル錫ジクロライド、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫ジラウレート、テトラクロロ錫、ジブチル錫オキサイド、ジアセトキシテトラブチルジスタノキサン、塩化亜鉛、アセチルアセトン亜鉛、塩化アルミ、フッ化アルミ、トリフェニルアルミ、テトラクロロチタン、酢酸カルシウム等のルイス酸、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、n−ブチル−4,4’−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のラジカル重合触媒、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロ燐酸、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロ砒酸、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモン、トリフェニルスルフォニウムテトラフルオロ硼酸、トリフェニルスルフォニウムヘキサフルオロ燐酸、トリフェニルスルフォニウムヘキサフルオロ砒酸等のカチオン重合触媒が挙げられるが、これら例示化合物のみに限定されるものではない。
これら例示化合物の内、好ましいものはジメチル錫ジクロライド、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫ジラウレート、テトラクロロ錫、ジブチル錫オキサイド、ジアセトキシテトラブチルジスタノキサン等の有機錫化合物である。
上記硬化触媒は単独でも2種以上を混合して用いても良いが、活性の異なる2種類以上の硬化触媒を併用すると得られる樹脂の色相や光学ひずみ(脈離)が良好となる場合がある。
硬化触媒の添加量は、本発明に係る式(1)乃至(4)のいずれかで表される構造を有するポリチオール化合物を含有する組成物の総重量に対して0.001〜1wt%の範囲で用いるのが好ましく、0.005〜0.5wt%の範囲で使用するとより好ましい。硬化触媒の添加量が0.001〜1wt%の場合、重合性は良好であり、調合時のポットライフや得られる樹脂の透明性、光学物性、又は耐候性の点で好ましい。
本発明の樹脂(例えば、プラスチックレンズ)を得る際の代表的な重合方法としては、注型重合が挙げられる。即ち、ガスケットまたはテープ等で保持された成型モールド間に、硬化触媒を含有する本発明に係る式(1)乃至(4)のいずれかで表される構造を有するポリチオール化合物を含有する組成物を注入する。この時、必要に応じて、減圧下での脱泡処理や加圧、減圧等の濾過処理等の処理を行っても何ら差し支えはない。
次いで、オーブン中または水中等の加熱可能装置内で加熱することにより硬化させ、樹脂を取り出すことができる。
本発明の透明樹脂を得るための硬化触媒等の種類や量、モノマーの種類や割合は重合する組成物の構成により異なり、よって、一概に限定する事はできない。
成型モールドに注入された本発明の組成物の加熱重合条件は、本発明の式(1)乃至(4)のいずれかで表される構造を有するポリチオール化合物を含有する組成物の組成、硬化触媒の種類、モールドの形状等によって大きく条件が異なるため限定できないが、およそ−50〜200℃の温度で1〜100時間かけて行われる。
場合によっては、10℃〜150℃の温度範囲で保持または徐々に昇温し、1〜80時間で重合させると好ましい。
更には、本発明の組成物は、紫外線の照射により重合時間の短縮を図ることも可能な場合がある。この際には、ラジカル重合触媒等の硬化触媒が必要となる場合がある。

本発明の樹脂成形の際には、目的に応じて公知の成形法におけると同様に、安定剤、樹脂改質剤、鎖延長剤、架橋剤、HALS系を代表とする光安定剤、ベンゾトリアゾール系を代表とする紫外線吸収剤、ヒンダードフェノール系を代表とする酸化防止剤、着色防止剤、アントラキノン系分散染料を代表とする染料、充填剤、シリコーン系を代表とする外部離型剤または内部離型剤、密着性向上剤などの種々の物質を添加してもよい。
本発明において用いられる上記内部離型剤の例としては、離型性の効果があり樹脂の透明性などの物性を損なわないものであれば何れでも使用可能であるが、好ましくは、界面活性剤が使用される。離型剤として好ましく用いられる界面活性剤は、イオン型界面活性剤、非イオン型界面活性剤に大別され、イオン型界面活性剤は、アニオン型界面活性剤、カチオン型界面活性剤に分類される。アニオン型界面活性剤の例として、硫酸エステル系、スルホン酸エステル系、リン酸エステル系があげられるが、この中でリン酸エステル系界面活性剤が好ましく、特に酸性リン酸エステル系アニオン界面活性剤が好ましい。4級アンモニウム塩や4級ホスホニウム塩等、前述の触媒として記載した化合物の一部も、離型効果を示す限りにおいて内部離型剤として使用可能である。これら内部離型剤は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。これらはモノマー組合せ、重合条件、経済性、取り扱いの容易さより適宜選ばれる。内部離型剤の使用量は単独または2種以上の混合物として、通常、銃合成組成物の総重量に対して1〜10000ppmの範囲である。添加量が1ppm以上であると離型能が良好であり、10000ppm以下であると注型重合中のモールドから離型が抑制され、レンズ表面の面精度の悪化や得られるレンズの白濁を防ぐことができる。
上記添加を可能とする内部離型剤以外の各種添加剤の添加量は、それぞれの添加剤の種類、構造、効果により異なり一概に限定することは出来ないが、通常、重合性組成物の総重量に対して0.001〜10wt%の範囲で用いられるが、0.01〜5wt%の範囲で使用すると好ましい。染料については、この範囲ではなく、1ppb〜100ppmの範囲で使用すると好ましい。これらの範囲内であれば、良好に硬化した樹脂の製造が可能であり、得られる樹脂の透明性、光学物性が良好なものが得られる場合がある。
また、取り出した樹脂については、必要に応じて、アニール等の処理を行ってもよい。アニール温度は通常50℃〜200℃の間で行われるが、90℃〜150℃で行うと好ましい。100℃〜130℃であればより好ましい。
本発明に係る式(1)または(2)で表される構造を有するポリチオールを含有する組成物を硬化してなる透明樹脂は、色相良好で、屈折率が非常に高く、高い屈折率とアッベ数のバランスもよく、光学歪みのない透明性に非常に優れた樹脂であり、特に耐熱性が非常に高く、従来の高屈折率素材にはない特に優れたものである。本発明の透明樹脂は、注型重合時のモールドを変えることにより種々の形状の成形体として得ることができ、高度な屈折率や透明性を必要とする、眼鏡レンズ、カメラレンズ、発光ダイオード(LED)等の光学用樹脂としての各種の用途に使用することが可能である。特に、カメラレンズ、発光ダイオード等の光学材料、光学素子として好適である。
さらに、本発明の透明樹脂を用いたレンズでは、必要に応じ、反射防止、高硬度付与、耐摩耗性向上、耐薬品性向上、防曇性付与、あるいは、表面研磨、帯電防止処理、ハードコート処理、無反射コート処理、染色処理等の物理的あるいは化学的処理を施すことができる。
[実施例]
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。尚、得られた樹脂の性能試験のうち、屈折率、耐熱性、耐候性は以下の試験法により評価した。
・屈折率(nd):プルフリッヒ屈折計を用い20℃で測定した。
・耐熱性:TMAペネトレーション法(50g荷重、ピン先0.5mmφ)でのTgを耐熱性とした。
・耐候性 :カーボンアークフェードメーターで20時間照射し、樹脂の変色が大きかったものを×、変色が僅かにあったものを△、変色がほとんどなかったものを○とした。
[実施例1]
攪拌機と温度計、ジムロートを備えた反応機中に1,2,6,7−テトラメルカプト−4−チアヘプタン24.6g(0.1mol)とメタノール10gを仕込んだところへ、48.5%水酸化ナトリウム水溶液8.3g(0.1mol)を内温10℃付近で0.5時間かけて滴下し、次いで30℃にて1時間保持した。この反応液を反応液−1とした。この反応液−1とは別に、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール12.4g(0.1mol)とトルエン20gを仕込んだところへ、三臭化リン10.8g(0.04mol)を内温10℃付近で0.5時間かけて滴下し、次いで30℃にて1時間熟成した。得られた反応液を反応液−2とした。次に、反応液−2を仕込んだ後、反応液−1を内温10℃付近で1時間かけて滴下し、次いで徐々に昇温し、50℃にて1時間熟成を行った。次に、得られた反応液へトルエン100gを装入した後、10%塩酸水溶液100gを内温を確認しながら徐々に加えた後、攪拌してトルエン層を洗浄した。静置して分液して有機層を取り出し、更に水100gで3回洗浄を行った。得られたトルエン層は、無色透明であった。トルエン層を無水硫酸マグネシウムで脱水した後に濾過し、更にエバポレーターにて濃縮した。濃縮残渣は、35.0gであった。濃縮残渣のIR分析を行ったところ、2545cm−1にメルカプト基の吸収を確認した。得られた残渣をヘキサンと酢酸エチルを展開溶媒とするシリカゲルのカラムに通液し精製を行い主成分を取り出した。取り出した成分は28.4gであり、無色透明であった。回収した留分は、分析の結果、1,2,6,10,11−ペンタメルカプト−4,8−ジチアウンデカン及び1,2,9,10−テトラメルカプト−6−メルカプトメチル−4,7−ジチアデカンであった。得られた化合物の混合物を以下、化合物(A)とする。
化合物(A)の同定データーを以下に示す。
Figure 0004326455

Figure 0004326455
Figure 0004326455
[実施例2]
攪拌機と温度計、ジムロートを備えた反応機中に実施例1の方法で得られた化合物(A)35.3g(0.1mol)とメタノール10gを仕込んだところへ、48.5%水酸化ナトリウム水溶液8.3g(0.1mol)を内温10℃付近で0.5時間かけて滴下し、次いで30℃にて1時間熟成した。この反応液を反応液−3とした。この反応液−3とは別に、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール12.4g(0.1mol)とトルエン20gを仕込んだところへ、三臭化リン10.8g(0.04mol)を内温10℃付近で0.5時間かけて滴下し、次いで30℃にて1時間熟成した。得られた反応液を反応液−4とした。次に、反応液−4を仕込んだ後、反応液−3を内温10℃付近で1時間かけて滴下し、次いで徐々に昇温し、50℃にて1時間熟成を行った。次に、得られた反応液へトルエン100gを装入した後、10%塩酸水溶液100gを内温を確認しながら徐々に加えた後、攪拌してトルエン層を洗浄した。静置して分液して有機層を取り出し、更に水100gで3回洗浄を行った。得られたトルエン層は、無色透明であった。トルエン層を無水硫酸マグネシウムで脱水した後に濾過し、更にエバポレーターにて濃縮した。濃縮残渣は、44.3gであった。濃縮残渣のIR分析を行ったところ、2543cm−1にメルカプト基の吸収を確認した。得られた残渣をヘキサンと酢酸エチルを展開溶媒とするシリカゲルのカラムに通液し精製を行い主成分を取り出した。取り出した成分は32.1gであり、無色透明であった。回収した留分は、分析の結果、1,2,6,10,14.15−ヘキサメルカプト−4,8,12−トリチアペンタデカン及び1,2,6,10,14,15−ヘキサメルカプト−4,8,12−トリチアペンタデカンであった。得られた化合物の混合物を以下、化合物(B)とする。
化合物(B)の同定データーを以下に示す。
Figure 0004326455

Figure 0004326455
Figure 0004326455
[実施例3]
化合物(A)の性能を確認するために、ポリイソシアナートと重合を行った。化合物(A)28.2gとポリイソシアナートとしてイソホロンジイソシアナート(以下化合物(C)とする)44.4gへ、触媒としてジブチル錫ジクロライドを200ppm、内部離型剤として酸性リン酸エステル(商品名ZelecUN)を1000ppm添加し混合溶解したものと混合した後で濾過を行い透明溶液とした。得られた透明溶液を600Paにて1時間脱気を行った。脱気終了後、ガラスモールドとテープからなるモールド型へ混合液を注入した。このモールド型をオーブンへ投入し、10℃〜120℃まで徐々に昇温し24時間で重合した。重合終了後オーブンからモールド型を取り出し、離型して樹脂を得た。得られた樹脂を更に120℃で3時間アニールを行った。得られた樹脂は無色透明で良好なものであった。得られた樹脂の光学物性及び耐熱性、耐候性を表3に示した。
[実施例4]
化合物(B)の性能を確認するために、ポリイソシアナートと重合を行った。化合物(B)30.6gとポリイソシアナートとして2,5−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタン、2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタンの混合物(以下化合物(D)とする)41.2gへ、触媒としてジブチル錫ジクロライドを200ppm、内部離型剤として酸性リン酸エステル(商品名ZelecUN)を1000ppm添加し混合溶解したものと混合した後で濾過を行い透明溶液とした。得られた透明溶液を600Paにて1時間脱気を行った。脱気終了後、ガラスモールドとテープからなるモールド型へ混合液を注入した。このモールド型をオーブンへ投入し、10℃〜120℃まで徐々に昇温し24時間で重合した。重合終了後オーブンからモールド型を取り出し、離型して樹脂を得た。得られた樹脂を更に120℃で3時間アニールを行った。得られた樹脂は無色透明で良好なものであった。得られた樹脂の光学物性及び耐熱性、耐候性を表3に示した。
[比較例1]
化合物(A)の代わりに1,2−ビス[(2−メルカプトエチル)チオ]−3−メルカプトプロパン(以下化合物(E)とする)を34.7gとポリイソシアナートとして化合物(D)41.2gを使用する以外は、実施例4と同様にして樹脂を作成した。得られた樹脂は無色透明なものであった。得られた樹脂の光学物性及び耐熱性、耐候性を表3に示した。
Figure 0004326455

Claims (7)

  1. 式(1)乃至(4)のいずれかで表される構造を有するポリチオール。
    Figure 0004326455
    Figure 0004326455
    Figure 0004326455
    Figure 0004326455
  2. 請求項1に記載のポリチオールを少なくとも1種類含有する透明樹脂用組成物。
  3. 請求項2に記載の透明樹脂用組成物を硬化して得られる透明樹脂。
  4. 上記透明樹脂用組成物が、更にポリイソ(チオ)シアナート、ポリエポキシド、ポリエピスルフィド、およびオレフィン化合物から選択された1つ以上の化合物またはその混合物を含有するものである請求項3に記載の透明樹脂。
  5. 請求項3または4に記載の透明樹脂からなる光学材料。
  6. 請求項5に記載の光学材料からなるプラスチックレンズ。
  7. 請求項3または4に記載の透明樹脂を注型重合で得る工程を含む透明樹脂の製造方法。
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