JP4326062B2 - 振動式搬送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、物品が載置されるトラフを振動させることにより、物品を搬送させる振動式搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
この種の振動式搬送装置として、傾斜姿勢とした板ばねを介してベース上にトラフを支持し、トラフをその下側から電磁石で間欠的に引き付けて、電磁石による引付けと、板ばねの復元力による引付け解除とを繰り返すことにより、トラフを搬送方向に対して前方上向きとなる方向に跳ね上げて、トラフ上の物品を搬送させるようにした板ばね式の搬送装置が知られている。この場合、電磁石によるトラフの引付け量を可変設定することによって、トラフの往復動ストローク(振幅)を調整することができる。
【0003】
しかし、前記構成の板ばね式搬送装置では、板ばねを一旦搬送装置に取り付けると、その振動方向、つまりトラフの駆動方向は一定となるので、物品の種類に応じた適切な振動方向に変更できない。また、板ばねの復元力を利用するので、トラフの移動速度や加速度を制御できないために、物品の種類や搬送量などが変わっても十分対応できず、所望量の物品の搬送が行えない。
【0004】
これとは別に、1次巻線鉄心により構成される固定子と磁石とからなるリニアモータを駆動源として使用し、前記固定子をベース上に設けるとともに、前記磁石を、物品を載せるトラフの下面に前記固定子と所定の間隔を隔てた状態に取り付け、リニアモータの駆動でトラフを所定の搬送方向に往復動させることにより、トラフ上の物品を搬送するようにしたものも知られている(特公昭54−35395号公報)。
【0005】
しかし、この搬送装置の場合も、搬送する物品の種類や搬送量に応じて、トラフの駆動方向、駆動速度および往復動ストロークなどの切換え選択が容易でないので、やはり、物品の種類や搬送量などが変わっても十分対応できない。また、駆動源として使用するリニアモータは高価であり、装置のコストアップを招くという問題点もある。
【0006】
本発明は、以上のような問題に鑑みてなされたもので、搬送する物品の種類に応じて、トラフの駆動方向や駆動速度、往復動ストロークなどを切換え選択して、物品の種類が変わっても所望量の物品を適正に搬送でき、かつ、安価に構成できる振動式搬送装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するために、本発明に係る振動式搬送装置は、物品が載置されるトラフと、前記トラフに連結されて該トラフを変更自在な傾斜角を持つ駆動方向に沿って前後に往復動させることにより前記物品を前方に搬送する駆動手段と、前記トラフの駆動方向を制御する制御手段とを備え、
前記駆動手段は、モータと、このモータの回転力により前記トラフを駆動方向に沿って往復動させる動力伝達機構とを有し、
前記動力伝達機構は平行四辺形を形成するリンク機構からなり、
前記リンク機構は、トラフを連結する第1のリンク部材と、前記第1のリンク部材に対向する第2のリンク部材と、ならびにリンク機構の側辺をそれぞれ形成する第3および第4のリンク部材とから構成されており、前記第3および第4のリンク部材の一方が前記モータに連結され、第3および第4のリンク部材は、垂直姿勢を基準にして、第3および第4のリンク部材上のそれぞれの揺動支軸の周りに、モータの回転角度に対応する所定の角度範囲で揺動することにより、前記駆動方向の傾斜角が変更自在であるように構成されている。
【0008】
本発明の振動式搬送装置によれば、トラフの駆動方向の傾斜角が変更自在であるから、搬送する物品の種類に応じて前記傾斜角を適切に変更設定できる。例えば、野菜のような剛性が低い物品に対しては、傾斜角を大きくして搬送効率を上げ、薬の錠剤のような剛性が高い物品に対しては、傾斜角を小さくすることで、トラフからの落下を防止しながら搬送させることができる。ここで、傾斜角とは、トラフを側方から見たとき、トラフの前後往復動のストロークの再端位置を結ぶ直線が水平面となす角度をいう。また、駆動源として、高価なリニアモータを使用する必要がなく、ステッピングモータやサーボモータなどを使用できるので、安価に構成できる。
【0009】
また、本発明においては、前記駆動手段が、モータと、このモータの回転力により前記トラフを駆動方向に沿って往復動させる動力伝達機構とを有し、前記動力伝達機構が平行四辺形を形成するリンク機構からなり、前記平行四辺形の一辺を形成するリンク部材が前記モータに連結されて揺動するようになっている。この構成によれば、平行四辺形の一辺にモータを連結させるだけの簡単な構成で、トラフを変更自在な傾斜角を持つ駆動方向に沿って前後に往復動させることができる。
【0010】
本発明の好ましい実施形態では、前記制御手段が、搬送する物品の種類に応じて前記駆動方向を制御する。これにより、物品の種類が変わっても、物品を適正に搬送できる。
【0011】
前記制御手段は、例えば、前記駆動手段の駆動の始点と終点の少なくとも一方を変更することにより、前記駆動方向とストロークを制御することができる。
【0012】
第2のリンク部材に重錘が連結されることにより、トラフが前方に移動するとき重錘は後方に移動し、またトラフが後方に移動するとき重錘は前方に移動するので、トラフの往復動による慣性力が重錘により打ち消され、その結果、トラフの慣性力による反力が抑制されて、反力が振動となってベースに伝達されるのを防止でき、その振動による計量装置の計量精度の低下を防止できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る振動式搬送装置を備えた組合せ計量装置を示す一部切断した概略側面図である。図1において、搬送コンベア1によって搬送されてきた被計量物であるスナック菓子のような物品Mは、投入シュート2を介して平坦な円錐状の単一の分散フィーダ3上に供給される。この分散フィーダ3は加振器4の駆動により上下に加振されて振動し、物品Mを全方位に分散させる。分散フィーダ3の下方周囲には本発明の振動式搬送装置からなる複数の移送フィーダ7が放射状に配置され、各移送フィーダ7の先端部下方には、複数のプールホッパ9が各移送フィーダ7に個々に対応させて円形に配置されている。さらに、プールホッパ9の下方には、複数の計量ホッパ10が各プールホッパ9に個々に対応させて円形に配置されている。
【0014】
前記各移送フィーダ7は、分散フィーダ3から受けた物品Mを前後の振動によって対応するプールホッパ9に供給し、プールホッパ9は、投入された物品Mを一時的にプールしたのちに、この物品Mをゲート13の開動により排出して計量ホッパ10に供給する。
【0015】
前記計量ホッパ10は、この計量ホッパ10内の物品Mの重量を計量するロードセルのような計量手段11を介して後述するケース23に支持されている。こうして、プールホッパ9、計量ホッパ10および計量手段11により、計量部が形成されている。計量ホッパ10の下方には、計量ホッパ10から排出された物品Mを中央下部に集める集合排出シュート17が配置されており、計量ホッパ10から排出された物品Mは、集合排出シュート17により集合されたのち、振分シュート18を通って包装機19に供給されて包装される。
【0016】
図示しない床に支持された支持架台20上に本体フレーム21が載置されており、この本体フレーム21に、複数の支持脚22を介して前記ケース23が支持されている。このケース23の上部に、前記投入シュート2、分散シュート3、移送フィーダ7およびプールホッパ9が配置されているとともに、ケース23の外周部に計量ホッパ10が、内側に計量手段11が、それぞれ配置されている。ケース23内には、プールホッパ9および計量ホッパ10の制御部24や駆動モータなどが収納されている。
【0017】
前記ケース23内の制御部24は、複数の計量ホッパ10に投入された物品Mの計量値を組合せ演算し、許容範囲内の組合せ重量となる計量ホッパ10内の物品Mを選択して、それらの計量ホッパ10のゲート14を開動し、包装機19に供給する。
【0018】
図2は、前記移送フィーダ7の制御系の構成を示すブロック図である。この移送フィーダ7を構成する振動式搬送装置は、搬送する物品Mが載置されるトラフ25と、このトラフ25を駆動することにより前記物品を前方Xに搬送する駆動手段DRと、この駆動手段DRの駆動特性を制御するコントローラ(制御手段)28とを備えている。前記駆動手段DRは、駆動源である回転式のモータ26と、トラフ25に連結されてモータ26の回転力により前記トラフ25を前方斜め上方に傾斜した傾斜角βを持つ駆動方向Pに沿って往復動、つまり振動させる動力伝達機構27とを有している。トラフ25の往復動(振動)の前記傾斜角βは、側面視で、トラフ25の往復動ストローク(振幅)Sの後端位置A1と前端位置A2とを結ぶ直線Lが水平面Hとなす角度である。
【0019】
前記コントローラ28は、前記モータ26を前記駆動特性に従って制御して、前記トラフ25の往復動により物品Mを搬送させる。このコントローラ28には、物品Mの種類などに応じた前記駆動条件が、表示器29を備えた駆動条件設定手段30を使用して、オペレータにより設定される。駆動特性には、トラフ25の駆動方向P、往復動のストローク(振幅)S、駆動速度などが含まれる。
【0020】
図3(A),(B),(C)は、前記移送フィーダ7の正面図、図2におけるIII−III線矢視断面図、および前記動力伝達機構27の要部分解斜視図を示す。前記動力伝達機構27は、図2に示す第1〜第4のリンク部材31〜34によって平行四辺形を形成するリンク機構からなり、そのリンク機構の水平な上辺を形成する第1のリンク部材31に、連結部材35を介して前記トラフ25が連結されている。また、前記リンク機構の両側辺を形成する第3および第4のリンク部材33,34の中間部には、それぞれ水平姿勢とした揺動支軸38,39が設けられ、これらの揺動支軸38,39が、ケース23の上壁であるベース40上に立設された支脚41の上端の軸受42に回転自在に支持されている。第3のリンク部材33の中間部に設けられた揺動支軸38は、図3(A)に示すように、支脚41に設けられたモータ26の回転軸26aに、カップリング43を介して連結されている。モータ26は、ステッピングモータまたはサーボモータ等からなる。
【0021】
前記移送フィーダ7による物品Mの搬送動作は、図4に示すように行われる。すなわち、図4(A)のようにトラフ25の上に物品Mが載せられた状態で、モータ26が所定角度だけ正転駆動(図において左回転)して、図4(B)のように動力伝達機構27を構成するリンク機構の第3のリンク部材33を同じ角度だけ揺動させる。これにともない、リンク機構の第1のリンク部材31は、搬送方向X(前方)に向け、トラフ25に対する物品Mの静摩擦抵抗に打ち勝たない程度のピーク値を持つ速度VFで、前方斜め上方に傾斜(傾斜角β)した駆動方向Pに移動する。なお、物品Mは、わかり易くするために一部分のみを表示している。
【0022】
次に、モータ26が前進時と同じ角度だけ逆転駆動(図において右回転)して、図4(C)のようにトラフ25が、トラフ25に対する物品Mの静摩擦抵抗に打ち勝つように、前記前進速度VFより大きいピーク値を持つ速度VRで駆動方向Pに沿って後方Yに移動する。これにより、物品Mは、トラフ25上を、静摩擦抵抗より小さい動摩擦抵抗を受けながら相対的に前方Xに滑って移動する。以下、図4(D),(E)に示すように、トラフ25の前記往復動を繰り返すことにより、物品Mが前方Xに順次移動して搬送が行われ、トラフ25の先端側の計量部のプールホッパ9(図1)に物品Mが投入される。
【0023】
なお、前記組合せ計量装置において、放射状に配置される複数の移送フィーダ7の往復動は1〜数秒継続するが、各移送フィーダ7の往復動の動作タイミングは、隣接する移動フィーダ7の相互間で前記サイクル時間より短い時間(例えば0.1秒)だけずれるように設定される。これにより、複数の移送フィーダ7間で往復動のタイミングが一致して大きな振動が起きるのを防止できる。
【0024】
図5(A)は、前記移送フィーダ7の動作モードの一例を示す。この動作モードは、例えばスナック類などの粘性の低い物品Mを搬送する場合のものであって、左の縦軸はトラフ25の移動速度を表し、右の縦軸はトラフ25の移動加速度を表し、横軸は時間を表す。また、各縦軸の上側は前進時の速度VFおよび加速度αFを、下側は後退時の速度VRおよび加速度αRを表す。上述したように、後退速度VRのピーク値は、前進速度VFのピーク値より大きい値とされる。なお、同図において、前進速度VFおよび後退速度VRの波形と時間軸(横軸)とで囲まれる部分の面積(波形の時間積分値)は、トラフ25の往復動ストロークを表す。この例では、その往復動ストロークは8mmとされる。前進速度VFの部分の面積と後退速度VRの部分の面積とは等しく、ピーク値の小さい前進速度VFの波形の時間幅TFは、ピーク値の大きい後退速度VRの波形の時間幅TRよりも長くなる。
【0025】
図5(B)は、前記移送フィーダ7の動作モードの他の一例を示す。この動作モードは、漬物や餅のような粘性の高い物品Mを搬送する場合のものであって、前進速度VFのピーク値は、図5(A)の場合とほぼ同じ(やや大きい)であるが、後退速度VRのピーク値は、図5(A)の場合よりも大きい値とされる。これにより、物品Mが粘性の高い場合でも、トラフ25の後退動作において、物品Mはその大きな静摩擦抵抗に打ち勝ってトラフ25上を相対的に前方Xに滑るので、前方下方の計量部へ向けて物品Mを適正に搬送できる。なお、この例では、トラフ25の往復動ストロークは13mmとされる。
【0026】
なお、図5では、物品Mの粘性に対応させて、トラフ25の後退速度VRや往復動ストロークなどに差異を与えた場合を示したが、このほか、例えば単位時間当りの搬送量に対応させて、後退速度VRのピーク値や往復動ストロークなどに差異を与えてもよい。
【0027】
この移送フィーダ7では、オペレータが、搬送する物品Mの種類や搬送量に対応した駆動条件を、図2の駆動条件設定手段30によりコントローラ28に設定すると、設定された駆動条件に対応する動作モードでモータ26が制御される。このため、物品の種類や搬送量が変わっても、計量部へ搬送量に見合った所望量の物品を適正に搬送できる。なお、ここでは、前記駆動条件設定手段30によりコントローラ28に設定される駆動条件に応じた移送フィーダ7の往復動速度、往復動加速度、往復動ストロークなどが、駆動条件設定手段30の一部を構成する表示器29に、図5に示すような波形図として表示される。
【0028】
駆動条件の設定方法としては、上記と異なり、オペレータが物品Mの種類または搬送量を駆動条件設定手段30に入力するだけで、駆動条件設定手段30が記憶したデータに基づいて駆動条件を自動的に求めて、コントローラ28に設定するようにしてもよい。また、駆動条件としては、トラフ25の駆動方向P、往復動のストロークSおよび駆動速度であるが、これらに往復動の加速度を加えてもよい。さらに、これら駆動方向P、往復動のストロークS、駆動速度および加速度のうち、いずれか1つのみ、または2つ以上を組み合わせたものを駆動条件としてもよい。
【0029】
図5に示す移送フィーダ7の動作説明では、図2の動力伝達機構27の側辺を形成するリンク部材33,34が垂直姿勢を中心にした前後の角度範囲で揺動することにより、移送フィーダ7が小さな傾斜角βで駆動方向Pに往復動(振動)するようにした場合を示したが、図6に示すように、前記リンク部材33,34を、垂直姿勢から後方Yに偏った角度範囲で揺動させるようにしてもよい。これにより、トラフ25の駆動方向Pの傾斜角βが大きくなる。この場合には、トラフ25を搬送方向である前方Xに対して上向きとなる方向に大きく跳ね上げて、トラフ25上の物品Mを搬送させることができる。
【0030】
例えば、レタス、もやし等の野菜のような剛性が低い物品Mを搬送する場合は、前方へ跳ね上げながら搬送した方が効率よく搬送できるので、傾斜角βを大きく設定する。これに対し、薬の錠剤のような剛性が高い物品Mを搬送する場合は、傾斜角βが小さくても効率よく搬送できる反面、傾斜角βが大きくなると物品Mの跳ね上がりが大きくなってトラフ25から落下するおそれがあるので、傾斜角βを小さく設定する。
【0031】
本発明の振動式搬送装置では、傾斜角βの変更により駆動方向Pを適宜変更できるとともに、往復動のストロークSも容易に変更できる。この様子を図7に示す。図7(A)は、駆動方向Pの傾斜角βが小さい状態を示し、図7(B)は、図7(A)の状態から、リンク部材33の駆動の始点、つまり水平面Hからの始点角度θ1と、駆動の終点、つまり水平面Hからの終点角度θ2の両方を小さくしたものであり、これによって、駆動方向Pの傾斜角βが大きくなっている。図7(C)は、傾斜角βを図7(B)と同一に保ちながら、往復動のストロークSを大きくした場合を示す。この場合、図7(B)よりも始点角度θ1を小さくし、終点角度θ2を大きくしている。図7からもわかるとおり、始点角度θ1と終点角度θ2の一方のみを変更するだけでも、傾斜角βおよびストロークSを変更することができる。
【0032】
図8(A)は、振動式搬送装置である前記移送フィーダ7の他の実施形態を示す。この移送フィーダ7は、図2に示す実施形態の移送フィーダ7において、動力伝達機構27を構成するリンク機構の平行四辺形の、水平な底辺を形成する第2のリンク部材32に重錘45が連結されている。その他の構成は、図2の場合と同様である。ただし、トラフ25の往復動の傾斜角は図2の場合よりもさらに小さくなって、駆動方向がほぼ水平な前後方向X−Yに合致している。
【0033】
このように移送フィーダ7を構成した場合、図8(B),(C)に示すようにトラフ25が前方Xに移動するとき重錘45は後方Yに移動し、またトラフ25が後方Yに移動するとき重錘45は前方Xに移動するので、トラフ25の往復動による慣性力が重錘45により打ち消されることになる。その結果、トラフ25の慣性力による反力が抑制され、動力伝達機構27を支持する支脚41を介して前記反力が振動となってベース40に伝達されるのを防止でき、その振動により組合せ計量装置の計量精度が低下するのを防止できる。
【0034】
なお、前記各実施形態では、トラフ25を駆動方向Pに往復動させる動力伝達機構27であるリンク機構のリンク部材33に、モータ26の回転を直接伝達するようにしているが、モータ26の回転をギアを介して前記リンク部材33に伝達するようにしてもよい。
【0035】
また、前記各実施形態では、トラフ25を駆動方向Pに往復動させる動力伝達機構27として、平行四辺形を形成するリンク機構を使用したが、このようなリンク機構に限らず、例えばラックとピニオンからなる機構を使用して、モータの回転を往復動に変換してトラフ25に伝達するようにしてもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上のように、本発明の振動式搬送装置によれば、物品を搬送するトラフの駆動方向の傾斜角が変更自在であるから、搬送する物品の種類に応じて前記傾斜角を適切に設定できる。また、駆動源として、高価なリニアモータを使用する必要がなく、ステッピングモータやサーボモータなどを使用できるので、安価に構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る振動式搬送装置を使用した組合せ計量装置を示す一部切断した概略側面図である。
【図2】同搬送装置の制御系を示すブロック図である。
【図3】(A)は図2の搬送装置の正面図、(B)は図2のIII−III矢視断面図、(C)は図2の搬送装置の要部分解斜視図である。
【図4】(A)〜(E)は、同搬送装置の搬送動作を示す側面図である。
【図5】(A)および(B)は、同搬送装置の動作モードの例を示す特性図である。
【図6】同搬送装置の搬送動作の他の例を示す側面図である。
【図7】(A)〜(C)は、トラフの傾斜角とストロークの変更調整の要領を示す概念図である。
【図8】(A)は本発明の他の実施形態に係る振動式搬送装置の側面図、(B),(C)は同搬送装置の搬送動作を示す側面図である。
【符号の説明】
7…移送フィーダ(振動式搬送装置)、25…トラフ、26…モータ、27…動力伝達機構、28…コントローラ(制御手段)、30…駆動条件設定手段、31〜34…リンク部材、45…重錘、A1,A2…往復動の両端位置、DR…駆動手段、M…物品、β…傾斜角、θ1…始点、θ2…終点
Claims (4)
- 物品が載置されるトラフと、
前記トラフに連結されて該トラフを変更自在な傾斜角を持つ駆動方向に沿って前後に往復動させることにより前記物品を前方に搬送する駆動手段と、
前記トラフの駆動方向を制御する制御手段とを備え、
前記駆動手段は、モータと、このモータの回転力により前記トラフを駆動方向に沿って往復動させる動力伝達機構とを有し、
前記動力伝達機構は平行四辺形を形成するリンク機構からなり、
前記リンク機構は、トラフを連結する第1のリンク部材と、前記第1のリンク部材に対向する第2のリンク部材と、ならびにリンク機構の側辺をそれぞれ形成する第3および第4のリンク部材とから構成されており、
前記第3および第4のリンク部材の一方が前記モータに連結され、第3および第4のリンク部材は、垂直姿勢を基準にして、第3および第4のリンク部材上のそれぞれの揺動支軸の周りに、モータの回転角度に対応する所定の角度範囲で揺動することにより、前記駆動方向の傾斜角が変更自在である、
振動式搬送装置。 - 請求項1において、前記制御手段は、搬送する物品の種類に応じて前記駆動方向を制御する振動式搬送装置。
- 請求項1において、前記制御手段は、前記駆動手段の駆動の始点と終点の少なくとも一方を変更することにより、前記駆動方向と往復動ストロークを制御する、振動式搬送装置。
- 請求項1において、第2のリンク部材に重錘が連結されている、振動式搬送装置。
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