JP4325404B2 - ホログラム記録材料用フォトポリマー組成物、ホログラム記録媒体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、光の干渉パターンの明暗の強度分布を屈折率の変化として記録するのに使用される新規な体積位相型ホログラム記録材料用フォトポリマー組成物、特にホログラムに要求される基本特性である感度、透明性、回折効率に優れた記録媒体を作製し得るホログラム記録材料用フォトポリマー組成物に関し、さらにこれから得られたホログラム記録媒体およびその製造法に関する。
背景技術
ホログラムはレーザーの可干渉性光の干渉パターンを屈折率変調によって感光材料等に記録したものであり、多機能を持つことから光学素子、立体画像ディスプレイ、干渉計測、画像・情報処理等多岐に亘って利用されている。
従来の代表的なホログラム記録材料組成物として、ハロゲン化銀乳剤、重クロム酸ゼラチンなどの感光材料が一般的に用いられてきた。(例えば「ディスプレーホログラフィーハンドブック」、第66−67頁、暁印書館(1985)、「光工学ハンドブック」、第351−353頁、朝倉書店(1986))。
しかし、重クロム酸ゼラチンは高い回析効率と低いノイズ特性を持つ反面、貯蔵寿命が短いこと、製造されたホログラムの耐候性が悪く、またハロゲン化銀乳剤は高い感度を持つものの、感光材料およびホログラム作製時の処理が複雑であるという欠点があった。
このような問題に対して、複雑な処理を伴わず、耐候性に優れ、保存安定性が高く、高解像度、高回折効率などのホログラム記録材料の有すべき特性を備えた材料として、例えば、シクロヘキシルメタクリレート、N−ビニルカルバゾールおよびベンゾインメチルエーテルからなるホログラム記録用感光性樹脂組成物または、光重合性モノマーとしてのブチルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレートと、重合に関与しない不活性成分としての1−フェニルナフタレンおよび光開始剤を主成分とした光重合型記録材料が挙げられる(米国特許3993485号公報および米国特許第3658526号公報)。これらは、干渉パターンの光量の多い部分で光重合性モノマーを光重合することによってその部分の屈折率変調を起こして体積位相型ホログラムを記録するものである。
しかし、これらの材料は、感度特性という点においてハロゲン化銀乳剤に劣るため、記録時に振動の影響を受ける可能性が高く、広い面積での記録に向かないものであった。また、ホログラムの生産性、特に大量生産という点からも不利なものであった。そのため、複雑な処理を要さず、耐候性、保存安定性に優れ、高解像度、高回折効率で記録を行えるホログラム記録材料の高感度化が望まれた。
本発明の目的は、光干渉パターンの明暗の強度分布を屈折率の変化として記録するのに使用される体積位相型ホログラム記録材料用フォトポリマー組成物において、ホログラムの要求特性である良好な透明性、優れた回折効率に加え、高感度であるホログラム記録材料用フォトポリマー組成物を提供することにある。
発明の開示
本発明者らは、上記課題を解決すべく研究を重ねた結果、下記の新規なホログラム記録材料用フォトポリマー組成物を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、光を干渉させることによって得られる干渉パターンの明暗の強度分布を屈折率の変化として記録するのに使用される体積位相型ホログラム記録材料用フォトポリマー組成物において、有機溶媒に可溶なバインダーポリマー(A)と、エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物(B)と、光重合開始剤(C)と、光増感色素(D)と、強色増感剤(E)とを含み、任意に可塑剤(F)を含むものである。
本発明によるホログラム記録材料用フォトポリマー組成物の好適な例は、ホログラム記録が可能なように重合性化合物(B)の屈折率がバインダーポリマー(A)の屈折率よりも0.01以上大きいか、または小さいものである。また可塑剤(F)を含む場合には、重合性化合物(B)の屈折率がバインダーポリマー(A)の屈折率と可塑剤(F)の屈折率の加重平均よりも0.01以上大きいか、または小さいものである。
本発明で用いられるバインダーポリマー(A)は、重合性化合物(B)と相溶性が良く、また可塑剤(F)を加える場合には、可塑剤(F)とも相溶性が良く、有機溶媒中で不溶部を含有せず完全に溶解しうるものであればよい。代表的なものは、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーを重合してなる単独重合体または共重合体、ジフェノール化合物とジカルボン酸化合物の縮合重合体、分子内に炭酸エステル基を有する重合体、分子内に−SO2−基を有する重合体、セルロース誘導体、およびこれらの2以上の組み合わせからなる群より選ばれるものであってよい。
本発明で用いられるバインダーポリマー(A)は、熱可塑性樹脂であっても、熱硬化性樹脂であってもよいが、前者が好ましい。
バインダーポリマー(A)としての熱可塑性樹脂は、重合性化合物(B)および可塑剤(F)と相溶性が良く、有機溶媒中で不溶部を含有せず完全に溶解しうるものであればよい。代表的なものは、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーを重合してなる単独重合体または共重合体、ジフェノール化合物とジカルボン酸化合物の縮合重合体、分子内に炭酸エステル基を有する重合体、分子内に−SO2−基を有する重合体、セルロース誘導体、およびこれらの2以上の組み合わせからなる群より選ばれるものである。
熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチラート、ポリビニルホルマール、ポリビニルカルバゾール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリメタクリロニトリル、ポリエチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ−1,2−ジクロロエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、シンジオタクチック型ポリメチルメタクリレート、ポリ−α−ビニルナフタレート、ポリカーボネート、セルロースアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチラート、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、ポリ−o−メチルスチレン、ポリ−p−メチルスチレン、ポリ−p−フェニルスチレン、ポリ−2,5−ジクロロスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、ポリ−2,5−ジクロロスチレン、ポリアリーレート、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルピロリドン、ポリ塩化ビニリデン、水素化スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、透明ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、(メタ)アクリル酸環状脂肪族エステルとメチル(メタ)アクリレートとの共重合体等が挙げられる。
熱可塑性樹脂の上記例示物は単独で用いても2以上の組合わせで用いてもよい。
良好な成膜性および回折効率等の光学特性を得るためには、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチラート、セルロースアセテートブチラート、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリビニルホルマール等が好ましく用いられる。
より良好な耐熱性、成膜性および回折効率等の光学特性を得るためには、(メタ)アクリル酸環状脂肪族エステルとメチル(メタ)アクリレートとの共重合体等が好ましく用いられる。
本発明で用いられる(メタ)アクリル酸環状脂肪族エステルとメチル(メタ)アクリレートとの共重合体を構成する(メタ)アクリル酸環状脂肪族エステルとメチル(メタ)アクリレートとの共重合組成比は、モル比(同エステル:同アクリレート)で好ましくは5〜95:95〜5、より好ましくは10〜90:90〜10である。
(メタ)アクリル酸環状脂肪族エステルとメチル(メタ)アクリレートとの共重合体を構成する(メタ)アクリル酸環状脂肪族エステルは、下記一般式[I]で示されるものであってよい。
一般式
[式中、R5は水素原子またはメチル基を示す。R1およびR2は、互いに同一または異なり、水素原子、低級アルキル基を示す。kは0〜6の整数、mは2〜6の整数、nはm>nである1〜5の整数を示す。アルキレン鎖(CH2)k、(CH2)mおよび(CH2)n中の任意の水素原子は低級アルキル基で置換されていても良い。アルキレン鎖(CH2)m中の異なる炭素に結合した2つの水素が、炭素数1〜8の別のアルキレン鎖の両末端で置換され、別のシクロアルカン環を形成していてもよい。この別のシクロアルカン環中の任意の水素はさらに低級アルキル基で置換されていてもよい。アルキレン鎖(CH2)n中の炭素の一つは水酸基を有してこの水酸基に(メタ)アクリル酸がエステル結合している。‥‥‥はこうして形成されたエステル結合を示す。]
(メタ)アクリル酸環状脂肪族エステルとメチル(メタ)アクリレートとの共重合体を構成する(メタ)アクリル酸環状脂肪族エステルの環状脂肪族部分は、ボルニル骨格、イソボルニル骨格またはノルボルニル骨格を有するものであってよい。
(メタ)アクリル酸環状脂肪族エステルとメチル(メタ)アクリレートとの共重合体を構成する(メタ)アクリル酸環状脂肪族エステルの例としてはボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレートが挙げられる。
(メタ)アクリル酸環状脂肪族エステルは一種であっても良いし、二種以上であってもよい。後者の場合は共重合体は二種以上の(メタ)アクリル酸環状脂肪族エステルとメチル(メタ)アクリレートとの三元以上の共重合である。
(メタ)アクリル酸環状脂肪族エステルとメチル(メタ)アクリレートとの共重合体は、その一種を用いてもよいし、二種以上の組み合わせで用いてもよい。
本発明で用いられる、エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物(B)は、好ましくはラジカル重合性化合物である。重合性化合物(B)はモノマーであっても、その2量体または3量体程度のオリゴマーであってもよい。
重合性化合物(B)は、バインダーポリマー(A)および可塑剤(F)と相溶性が良いものであればよく、(メタ)アクリレートモノマーおよびそのオリゴマー、ビニルモノマーおよびそのオリゴマー、ならびにこれらの2以上の組み合わせからなる群より選ばれるものであってよい。
(メタ)アクリレートモノマーの具体例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート、n−ステアリルメタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、シクロヘキシルメタクレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェノキシエチルタメクリレート、イソボルニルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、イソステアリルメタクリレート、n−ブトキシエチルメタクリレート、イソアミルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、イソオクチルアクリレート、イソミリスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ノナエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、グリセリンジアクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
ラジカル重合性化合物は上記(メタ)アクリレートモノマーの2量体または3量体程度のオリゴマーであってもよい。
これらは単独で用いても2以上の組み合せで用いてもよい。
ビニルモノマーの具体例としては、ビニルアセテート、4−ビニルアニリン、9−ビニルアントラセン、4−ビニルアニソール、ビニルベンズアルデヒド、ビニルベンゾエイト、ビニルベンジルクロライド、4−ビニルビフェニル、ビニルブロマイド、N−ビニルカプロラクタム、ビニルクロロホルメート、ビニルクロトネート、ビニルシクロヘキサン、4−ビニル−1−シクロヘキセンジエポキサイド、ビニルシクロペンタン、ビニルデカノエート、4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、ビニルカルボネート、ビニルトリチオカルボネート、ビニル2−エチルヘキサノエート、ビニルフェロセン、ビニリデンクロライド、ビニルホルメート、1−ビニルイミダゾール、2−ビニルナフタレン、ビニルネオデカノエート、5−ビニル−2−ノルボルネン、4−(ビニルオキシ)ブチルベンゾエート、2−(ビニルオキシ)エタノール、4−ビニルフェニルアセテート、ビニルピバレート、ビニルプロピオネート、2−ビニルピリジン、1−ビニル−2−ピロリジノン、ビニルスルホン、ビニルトリメチルシラン等が挙げられる。
ラジカル重合性化合物は上記ビニル化合物モノマーの2量体または3量体程度のオリゴマーであってもよい。
これらは単独で用いても2以上の組み合せで用いてもよい。
重合性化合物(B)は、好ましくは屈折率1.55以上のものである。
重合性化合物(B)は、また、ビス(チオフェニル)スルフィド骨格、ハロゲン化フェニル骨格、カルバゾール骨格、フルオレン骨格を有するものであってもよい。
ビス(チオフェニル)スルフィド骨格を持つモノマーの具体例としては、ビス(4−アクリロイルチオフェニル)スルフィド、ビス(4−アクリロイルチオ−2−シクロヘキセン−1−イル)スルフィド、ビス(2−アクリロイルチエニル)スルフィド、ビス(3−アクリロイルチオピリジル)スルフィド、ビス(5−アクリロイルチオピラニル)スルフィド、ビス(5−(メタ)アクリロイルチオ1,4−ジチアニル)スルフィド等が挙げられる。また、上記化合物の2量体または3量体程度のオリゴマーであってもよい。これらは単独で用いても2以上の組み合せで用いてもよい。
ハロゲン化フェニル骨格を持つモノマーの具体例としては、2,4−ジブロモフェニル(メタ)アクリレート、2,6−ジブロモフェニル(メタ)アクリレート、4,6−ジクロロ−1−ビニルベンゼン、2,6−ジブロモ−3−ヒドロキシ−フェニルアクリレート、2,4,6−トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリクロロ−1−ビニルベンゼン、2,4,6−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,4−ジブロモ−1,3−ジ(メタ)アクリロイルオキシベンゼン、2,4−ジブロモ−6−メチル−1,3,5−トリ(メタ)アクリロイルオキシベンゼン、2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリ(メタ)アクリロイルオキシベン等が挙げられる。また、上記化合物の2量体または3量体程度のオリゴマーであってもよい。これらは単独で用いても2以上の組み合せで用いてもよい。
カルバゾール骨格を持つモノマーの具体例としては、1−ビニルカルバゾール、2−ビニルカルバゾール、3−ビニルカルバゾール、4−ビニルカルバゾール、9−ビニルカルバゾール、1−(メタ)アクリロイルオキシカルバゾール、2−(メタ)アクリロイルオキシカルバゾール、3−(メタ)アクリロイルオキシカルバゾール、4−(メタ)アクリロイルオキシカルバゾール、9−(メタ)アクリロイルオキシカルバゾール、1,9−ジビニルカルバゾール、1,5,9−トリビニルカルバゾール、2,7−ジ(メタ)アクリロイルオキシカルバゾール、2−メチル−1,9−ジビニルカルバゾール、1,9−ジ(メタ)アクリロイルオキシカルバゾール等が挙げられる。また、上記化合物の2量体または3量体程度のオリゴマーであってもよい。これらは単独で用いても2以上の組み合せで用いてもよい。
フルオレン骨格を持つモノマーは、下記一般式[II]で示されるものであってよい。
一般式
[式中、R3およびR4は互いに同一もしくは異なる1価の有機基を意味し、そのうち少なくとも一方は末端に(メタ)アクリロイル基または(メタ)アクリロイルオキシ基を有する。M1およびM2は、互いに同一もしくは異なり、−(OR6)n−(R6は水酸基を有してもよい低級アルキレン基、nは0、1または2)で示される2価の有機基または単結合を意味する。X1およびX2は、互いに同一もしくは異なり、水素原子または低級アルキル基を意味する。]
R3およびR4のうち、(メタ)アクリロイル基を有しない有機基は、炭素数1〜3の低級アルキル基であってよい。
M1およびM2の−(OR6)n−において、nが1または2である場合、低級アルキレン基R6の炭素数は好ましくは1〜3、より好ましくは1〜2である。OR6としては、オキシメチレン、オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシブチレン等が例示され、−(OR6)n−としては、ジオキシメチレン、ジオキシエチレン等が例示される。低級アルキレン基R6が水酸基を有している場合、水酸基は同アルキレン基のどの位置にあってもよいが、水酸基を有するアルキレンは例えば(2−ヒドロキシ)プロピレンである。
有機基X1およびX2は、メチル、エチル、プロピル等の炭素数1〜5のアルキル基であってよい。
重合性化合物(B)のフルオレン骨格を持つモノマーの具体例としては、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシメトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシ−3−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシメトキシ−3−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシメトキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)−3−エチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)−3−エチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ)プロポキシフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ)プロポキシ−3−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス{4−[2−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロポキシ)−エトキシ]フェニル}フルオレン等が挙げられる。また、上記化合物の2量体または3量体程度のオリゴマーであってもよい。これらは単独で用いても2以上の組み合せで用いてもよい。
良好な成膜性および回折効率等の光学特性を得るためには、有機基R3およびR4は共にアクリロイル基およびアクリロイルオキシ基であり、かつ、M1およびM2の−(OR6)n−においてnは0、1または2であり、nが1または2である場合は低級アルキレン基Rの炭素数は1〜2であり、かつ、X1およびX2は水素原子であることが好ましい。
上記の条件を満たす化合物のうち、好ましい化合物としては下記のものが例示される;
9,9−ビス[4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ)プロポキシフェニル]フルオレン(新日鉄化学社製、「9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンのグリシジルエーテルのアクリル酸付加物、ASF400」)、9,9−ビス(4−メタクリロイルオキシフェニル)フルオレン(新日鉄化学社製、「ビスフェノールフルオレンジメタクリレート」)、9,9−ビス(4−アクリロイルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(大阪ガス社製、「ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート、BPEF−A」)、9,9−ビス[4−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(大阪ガス社製、「ビスフェノキシエタノールフルオレンジメタアクリレート、BPEF−MA」)、9,9−ビス[4−[2−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ−プロポキシ)−エトキシ]フェニル]フルオレン(大阪ガス社製、「ビスフェノキシエタノールフルオレンジエポキシアクリレート、BPEF−GA」)、9,9−ビス[4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ)プロポキシ−3−メチルフェニル]フルオレン(大阪ガス社製、「ビスクレゾールフルオレンジエポキシアクリレート、BCF−GA」)。
さらに好ましい化合物としては、下記のものが例示される;
9,9−ビス[4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシ)プロポキシフェニル]フルオレン、
9,9−ビス(4−メタクリロイルオキシフェニル)フルオレン、
9,9−ビス(4−アクリロイルオキシフェニル)フルオレン、
9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、
9,9−ビス[4−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン。
本発明で任意成分として用いられる可塑剤(F)は、バインダーポリマー(A)および重合性化合物(B)と非反応性の化合物である。可塑剤(F)としては、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジオクチルフタレートに代表されるフタル酸エステル類;ジメチルアジペート、ジブチルアジペート、ジメチルセバケート、ジエチルセバケート、ジブチルセバケート、ジエチルサクシネートに代表される脂肪族二塩基酸エステル類;トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェートに代表される正リン酸エステル類;グリセリルトリアセテート、2−エチルヘキシルアセテートに代表される酢酸エステル類;トリフェニルホスファイト、ジブチルハイドロジエンホスファイトに代表される亜リン酸エステル類等の不活性化合物が例示される。
また、以下一般式[III]で示されるアルキレングリコールアルキルエーテルも使用できる。
一般式
(式中、R11およびR12は、互いに同一もしくは異なり、炭素数1〜5のアルキル基、水酸基またはアセチル基を意味し、nは1〜5の整数を意味する。)
アルキレングリコールアルキルエーテル代表的なものとしては、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸セロソルブ、エチレングリコールジアセチルエーテル、エチレングリコールモノアセチルエーテル、ジエチレングリコールジアセチルエーテル、ジエチレングリコールモノアセチルエーテル、トリエチレングリコールジアセチルエーテル、トリエチレングリコールモノアセチルエーテルが例示される。
また、重量平均分子量が10000以下であるポリエチレングリコールもしくはシリコーンオイルを用いることもできる。
可塑剤(F)は上記例示物を単独で用いても2以上の組合わせで用いてもよい。
可塑剤(F)の添加量は、バインダーポリマー(A)と重合性化合物(B)および可塑剤(F)の合計100重量部中、好ましくは0.1〜50重量部程度である。
本発明の好ましい形態は、有機溶媒に可溶なバインダーポリマー(A)が熱可塑性樹脂であり、エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物(B)がラジカル重合性化合物であり、さらに可塑剤(F)を含むものである。
本発明で用いられる光重合開始剤(C)としては、例えば、カルボニル化合物、有機錫化合物、アルキルアリールホウ素塩、オニウム塩類、鉄アレーン錯体、トリハロゲノメチル置換トリアジン化合物、有機過酸化物、ビスイミダゾール誘導体、チタノセン化合物等が好ましく使用される。
上記カルボニル化合物としては、例えばベンジル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン等が例示できる。
有機錫化合物としてはトリブチルベンジル錫が例示できる。
アルキルアリールホウ素塩としてはテトラブチルアンモニウム・トリフェニルブチルボレート、トリフェニル−n−ブチルボレートが例示できる。
オニウム塩類としてジフェニルウヨードニウム塩が例示できる。
鉄アレーン錯体としてη5−シクロペンタジエニル−η6−クメニル−アイアン(1+)−ヘキサフルオロフォスフェイト(1−)が例示できる。
トリハロゲノメチル置換トリアジン化合物としてトリス(トリクロロメチル)トリアジンが例示できる。
有機過酸化物として3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ジ−tert−ブチルパーオキシイソフタレイト、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルパーオキシベンゾエイトが例示できる。
ビスイミダゾール誘導体として2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,1’−ビイミダゾール、ビス(2,4,5−トリフェニル)イミダゾリルが例示できる。
チタノセン化合物としてビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウムが例示できる。
これらは単独で用いても2以上の組み合わせで用いてもよい。
本発明で用いられる光増感色素(D)としては、ホログラム記録時に使用するレーザー:He−Ne(波長633nm)、Ar(波長515,488nm)、YAG(波長532nm)、He−Cd(波長442nm)等のレーザー光を吸収するものが良く、光重合開始剤(C)に対して分光増感作用を示すものが好適である。このような光増感色素としては、例えば、ミヒラケトン、アクリジンイエロー、メロシアニン、メチレンブルー、カンファーキノン、エオシン、脱カルボキシル化ローズベンガル等が好適に使用される。光増感色素は、可視領域の光に吸収を示すものであればよく、上記以外に、例えば、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、フタロシアニン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、アクリジン誘導体、ポルフィリン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、キノロン誘導体、スチルベン誘導体、オキサジン誘導体、チアジン系色素等も使用可能であり、更には「色素ハンドブック」(大河原信他編、講談社、1986年)、「機能性色素の化学」(大河原信他編、シーエムシー、1983年)、「特殊機能材料」(池森忠三郎他編、シーエムシー、1986年)に記載される光増感色素も用いることができる。これらは単独で用いても2以上の組み合わせで用いてもよい。
クマリン誘導体として下記のものを例示できる;
3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノ)クマリン、
3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−ジブチルアミノ)クマリン、
3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−ジオクチルアミノ)クマリン、
3−(2−ベンジミダゾリル)−7−ジエチルアミノ)クマリン。
ケトクマリン誘導体としては下記のものを例示できる;
3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、
3,3’−カルボニルビス−7−ジエチルアミノクマリン−7’−ビス(ブトキシエチル)アミノクマリン、
3,3’−カルボニルビス(7−ジブチルアミノクマリン)。
メロシアニン誘導体としては下記のものを例示できる;
3−エチル−5−[(3−エチル−2(3H)−ベンゾチアゾリリデン)エチリデン]−2−チオキソ−4−オキサゾリジンオン、
1,3−ジエチル−5−[2−(3−エチル−2(3H)−ベンゾチアゾリリデン)エチリデン]−2−チオヒダントイン、
3−エチル−5−[2−(3−エチル−2(3H)−ベンゾチアゾリリデン)エチリデン]−2−チオキソ−4−チアゾリヂンオン、
3−エチル−5−2−(3−エチル−2(3H)−ベンゾチアゾリリデン)エチリデン]−2−チオキソ−4−オキサゾリジンオン、
5−[(1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−2H−インドール−2−イリデン)エチリデン]−3−エチル−2−チオキソ−4−オキサゾリジンオン。
有機過酸化物−光増感色素の組み合わせの具体例としては、3,3’,4,4‘−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンと、日本感光色素研究所社製の光増感色素であるNKX653、NKX3883、NKX1880、NKX1595、NKX1695、NK79、NK85、NK1046、NK4256、NK1886、NK1473、NK1474、NK4795、NK4276、NK4278、NK91、NK1046、NK1237、NK1420、NK1538、NK3590、等との組み合わせが好ましい。
カルボニル化合物−光増感色素の組み合わせの具体例としては、ベンジル−ミヒラケトン、ベンジル−アクリジンイエロー等が挙げられる。また、アミン化合物と組み合わせる光増感色素としては、脱カルボキシル化ローズベンガルが好ましい。ボレート化合物と組み合わせる光増感色素としては、シアニン類、イソシアニン類、プソイドシアニン類等のシアニン系色素が好ましい。
ビスイミダゾール誘導体として保土谷化学社製のB−CIMと、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンズチアゾール等の連鎖移動剤と上記の光増感色素との組み合せも好適に利用できる。
本発明組成物における光重合開始剤(C)の添加量は、バインダーポリマー(A)と重合性化合物(B)の合計100重量部に対して、通常0.1〜20重量%、好ましくは0.3〜15重量%程度である。また本発明組成物が可塑剤(F)を含む場合には、バインダーポリマー(A)、重合性化合物(B)および可塑剤(F)の合計100重量部に対し光重合開始剤(C)の添加量は、通常0.1〜15重量%、好ましくは0.3〜10重量%程度である。
本発明組成物における光増感色素(D)の添加量は、バインダーポリマー(A)と重合性化合物(B)の合計100重量部に対して、通常0.01〜2重量%、好ましくは0.03〜0.15重量%程度である。また本発明組成物が可塑剤(F)を含む場合には、バインダーポリマー(A)、重合性化合物(B)および可塑剤(F)の合計100重量部に対し光増感色素(D)の添加量は、通常0.01〜1重量%、好ましくは0.03〜0.8重量%程度である。
本発明で用いられる強色増感剤(E)は、ホログラム記録時に使用するレーザーが発振する波長の光を吸収しないものが良く、光増感色素(D)を加えなかった場合、それ自身が光重合開始剤(C)に対して分光増感作用を示さないものが好ましい。このような強色増感剤の例としては、ベーススチリル誘導体、アミン化合物等があげられる。これらは単独で用いても2以上の組み合わせで用いてもよい。
ベーススチリル誘導体としては下記のものを例示できる;
2−[p−(ジメチルアミノ)スチリル]ベンゾチアゾール、
2−[p−(ジメチルアミノ)スチリル]ベンゾキサゾール、
2−[p−(ジメチルアミノ)スチリル]−3,3−ジメチル−3H−インドール、
2−[p−(ジメチルアミノ)スチリル]ナフト[1,2−d]チアゾール、
2−[p−(ジメチルアミノ)スチリル]キノリン、
4−[p−(ジメチルアミノ)スチリル]キノリン、
2−[(m−ヒドロキシ−p−メトキシ)スチリル]ベンゾチアゾール。
アミン化合物としては下記のものを例示できる;
トリエチルアミン、ピリジン、2−アミノピリジン、1−アミノピペリジン、N−アミノフタルイミド、2−アミノメチルピリジン、5−アミノ−2−メトキシピリジン。
光増感色素−強色増感剤の組み合わせの具体例としては、シアニン系色素−ベーススチリル系色素、メロシアニン系色素−ベーススチリル系色素、クマリン系色素−ベーススチリル系色素、ケトクマリン系色素−アミン化合物等が挙げられる。
本発明組成物における強色増感剤(E)の添加量は、バインダーポリマー(A)と重合性化合物(B)の合計100重量部に対して、通常0.01〜1.3重量%、好ましくは0.02〜1重量%程度である。また本発明組成物が可塑剤(F)を含む場合には、バインダーポリマー(A)、重合性化合物(B)および可塑剤(F)の合計100重量部に対し光増感色素(D)の添加量は、通常0.01〜1重量%、好ましくは0.02〜0.7重量%程度である。
本発明によるホログラム記録材料組成物中の光増感色素(D)と強色増感剤(E)は、モル比が(E):(F)=10〜90:90〜10であるとき、感度に優れたものとなる。モル比は、好ましくは(E):(F)=30〜70:70〜30である。
強色増感剤(E)としてアミン化合物を用いる場合には、光増感色素(D)としてベーススチリル誘導体を用いることができる。
本発明によるホログラム記録材料組成物は、必要に応じて、増粘剤、熱重合禁止剤、連鎖移動剤等の添加剤や、溶剤等を含むことができる。
増粘剤としては無機微粒子、例えばシリカゲルの微粒子としてダイソー社製の「ダイソーゲルSPシリーズ」、富士シリシア化学社製の「サイリシア」や「フジシリカゲル」、シオノギ製薬社製の「カープレックス」、日本アエロジル社製の「アエロジル」、トクヤマ社製の「レオロシール」、「トクシール」、「ファインシール」等が使用できる。または有機微粒子、例えば特開平10−72510、特開平10−310684各公報に記載の方法で作製され得るジアリルフタレート系ポリマー、若しくは「新材料シリーズ『超微粒子ポリマーの最先端技術』」(シーエムシー、室井宗一監修、1991年)に記載のある花王社製「PB,200シリーズ」、鐘紡社製「ベルパールシリーズ」、積水化成品社製「テクポリマーシリーズ」、積水ファインケミカル社製「ミクロパールシリーズ」、綜研化学社製「MRシリーズ」「MPシリーズ」等が使用できる。これら微粒子の粒径はホログラムの膜厚よりも小さければよく、通常は0.1〜20μmの範囲が好ましい。増粘剤の添加量は、熱可塑性ポリマー(A)と重合性化合物(B)および可塑剤(F)の合計100重量部に対して好ましくは0.5〜30重量部程度である。
熱重合禁止剤の例としては、生成したラジカルを消去する働きのある、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、tert−ブチルカテコール、ナフチルアミン、ジフェニルピクリルヒドラジン、ジフェニルアミン等が挙げられる。
連鎖移動剤の例としては、α−メチルスチレンダイマー、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、tert−ブチルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール、イソプロピルベンゼン、エチルベンゼン、クロロホルム、メチルエチルケトン、プロピレン、塩化ビニル等が挙げられる。
有機溶媒は、粘度調整、相溶性調整の外、製膜性などを向上させるために有効であり、例えば、アセトン、キシレン、トルエン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、塩化メチレン、ジクロロメタン、クロロホルム、メタノール等がよく用いられる。しかしながら、水は粘度調整、相溶性調節、製膜性等を阻害するので使用できない。水はエマルジョン形態でも溶媒として使用できない。
溶剤の使用量は、バインダーポリマー(A)、重合性化合物(B)の合計100重量部に対して1〜1500重量部程度である。また本発明組成物が可塑剤(F)を含む場合には、バインダーポリマー(A)、重合性化合物(B)および可塑剤(F)の合計100重量部に対し溶剤の使用量は、通常0.5〜1000重量部程度である。
ホログラム記録材料組成物を調製するには、例えばバインダーポリマー(A)、重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)、光増感色素(D)および強色増感剤(E)、必要に応じて可塑剤(F)をはじめとする上記任意添加成分を、ガラスビーカー等の耐有機溶剤性容器に入れて、全体を撹拌する。この場合、固体成分の溶解を促進するために、組成物の変性が生じない範囲で、これを例えば40〜90程度に加熱してもよい。
本発明によるホログラム記録材料用フォトポリマー組成物を用いてホログラム記録媒体を作製するには、同記録材料組成物を基板の片面に塗布し、生じた塗膜すなわち記録層と基板とからなる2層構造の記録媒体を得る。また、必要に応じて、基板上の記録層の上にフィルム状、シート状ないしは板状の保護材を被せて3層構造体を得る。組成物の調製工程で有機溶媒を用いることが好ましい。この場合、バインダーポリマー(A)、重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)、光増感色素(D)、強色増感剤(E)、および任意に可塑剤(F)を溶剤に溶解させ、得られた溶液を基板上に塗布し、その後、溶剤を揮散させ記録層を形成する。記録層に保護材を被せる場合は、保護材被覆の前に溶媒を風乾や減圧蒸発等によって除去しておくのがよい。
基板は光学的に透明な材料、例えばガラス板やポリエチレンテレフタレート板、ポリカーボネート板、ポリメチルメタクリレート板のようなプラスチック板もしくはフィルム等からなる。基板の厚みは好ましくは0.02〜10mmである。基板は平面である必要はなく屈曲や湾曲あるいは表面に凹凸構造のあるものでもよい。保護材も基板と同じく光学的に透明な材料からなる。保護材の厚みは好ましくは0.02〜10mmである。塗布方法はグラビア塗布、ロールコーティング塗布、バーコート塗布、スピンコート塗布等である。溶媒除去後の記録層の厚みは、好ましくは1〜100μmになるように塗布することが好ましい。
ホログラム記録媒体にホログラムを記録するには、通常の記録方法が採用できる。すなわち、レーザー光をビームスプリッター等で2つの光線に分光し、ミラー等の使用により両者を再度合わせることで干渉縞を得る。あるいは1つのレーザー光をミラーにより反射させることにより干渉縞を得る。この干渉縞を捉えることのできる位置に記録媒体を設置する。この状態で、通常、数秒から数分間レーザー光照射を行うと、ホログラムとなる干渉縞が記録媒体上に記録される。用いるレーザー光の光量は、光強度と照射時間との積で表して、好ましくは1〜10,000mJ/cm2程度である。光量がこの範囲よりも少ないと記録が困難であり、またこの範囲を超えるとホログラムの回折効率が低下する傾向にあるので、いずれの場合も好ましくない。
ホログラム形成後においては、現像、定着等の後処理は必須ではないが、形成された像の安定化を図るために全面光照射や加熱処理を行って、残存している未反応モノマーを後重合させてもよい。
本発明の記録材料組成物は、露光前はバインダーポリマー(A)、重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)、光増感色素(D)、強色増感剤(E)および任意に可塑剤(F)が相溶しているが、レーザー光照射とともに増感色素(D)および強色増感剤(E)による分光増感作用によって光重合開始剤(C)が重合活性種を発生し、重合性化合物(B)が優先的に光重合して高分子化し、ついにはホログラム記録層となる。
すなわち、本発明による記録材料組成物を基板上に塗布してなる2層構造体、あるいはこの記録層の上に保護材を被せてなる3層構造体に干渉パターンを露光すると、まず、光量の多い部分で光増感色素(D)および強色増感剤(E)による分光増感作用によって光重合開始剤(C)が重合活性種を発生し、光重合反応性に富む重合性化合物(B)が光重合を開始し、その部分が体積収縮を来たす。これによって生じた凹みへ光量の少ない部分から未重合物が流れ込むと共に、バインダーポリマー(A)は重合性化合物(B)から相分離し、光量の少ない部分へ排除される。光量の多い部分へと拡散移動した重合性化合物(B)は、その光重合がさらに進む。これらの結果、光量の多い部分には重合性化合物(B)の重合物が集積し、逆に光量の少ない部分にはバインダーポリマー(A)が集積した構造を形成する。
ここで任意成分である可塑剤(F)が系中に存在する場合、可塑剤(F)は系の粘度および相溶性を調整するための成分であり、バインダーポリマー(A)と重合性化合物(B)の分離を促進させるための成分として機能する。バインダーポリマー(A)が熱可塑性樹脂である場合、露光初期に系中に均一に存在する可塑剤(F)が、最終的には光量の少ない部分、即ち熱可塑性樹脂側へと排除される。こうして、光量に応じた組成分布、すなわち熱可塑性樹脂および可塑剤(F)が多い部分と重合性化合物(B)が多い部分との屈折率の差に基づいた干渉パターンがホログラムとして形成される。
ここで、光増感色素(D)はレーザー光を吸収し分光増感するための成分であり、電子移動ないしはエネルギー移動によって光重合開始剤(C)のラジカル発生を促進させるための触媒として機能する。
強色増感剤(E)は、光増感色素(D)による分光増感の効率を高めるための成分である。
本発明によるホログラム記録媒体に被記録物をホログラムとして記録するには、通常の記録方法が採用できる。すなわち、波長が200〜800nmの範囲にある光を2つに分け、そのうち一方の光線(参照光)と、他方の光線を記録すべき物体に照射して得られる物体からの反射光(物体光)と(または他方の光線を予め該物体の情報を記録した体積位相型マスターホログラムに照射して得られるマスターホログラムからの透過光(物体光)と)を、該記録物体に対してそれぞれ同一平面よりあるいは表裏面より入射させて、干渉させることにより得られる干渉縞を捕らえることが出来る位置に、該ホログラム記録材料用媒体を配置し、同媒体に上記物体を記録する。
より詳しくは、レーザー光をビームスプリッターなどで2つの光線に分光し、ミラーなどの使用により両者を再度合わせることで干渉縞を得る(2光束露光法)。あるいは1つのレーザー光をミラーにより反射させ、入射光と反射光の両者を再度合わせることにより干渉縞を得る(1光束露光法)。干渉パターンを得る際には、別途作成したホログラムをマスターホログラムとして光路上に配置して、1光束および/または2光束露光法にて干渉縞を得ても良い。このように形成した干渉パターンの明暗の強度分布を捉えることの出来る位置に記録媒体を設置する。この状態で、通常、数秒から数分間レーザー光照射を行うと、ホログラムとなる干渉縞が記録媒体上に記録される。用いるレーザー光の光量は、光強度と照射時間との積で表して、好ましくは1〜1万mJ/cm2程度である。光量がこの範囲より少ないと記録が困難であり、またこの範囲を超えるとホログラムの回折効率が低下する傾向にあるので、いずれの場合も好ましくない。本発明で用いられる光源は、光重合開始剤(C)または光重合開始剤(C)と光増感色素(D)または光重合開始剤(C)と光増感色素(D)と強色増感剤(E)の組み合わせからなる光重合開始系に該光源から発する光を照射した際に電子移動を伴い、重合性化合物(B)の重合を誘発させるものであればよい。代表的な光源としては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、低圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ等が例示できる。これらは該記録媒体にマスターホログラムの情報をコピーする時などに使用できる。また、これらは、干渉縞を記録したホログラムの定着処理を行う際の光源としても利用できる。好ましい光源としては、レーザーが使用できる。レーザーは単一波長であり、コヒーレンス性を有しているため、ホログラム記録において好ましい光源である。より好ましい光源はコヒーレンス性に優れた光源、例えば、上記レーザーにエタロン等の光学素子を装着したものであり、これは該単一波長の周波数を単一周波数にしたものである。代表的なレーザーとしては、発振波長200〜800nmのもの、具体的にKr(波長647nm)、He−Ne(波長633nm)、Ar(波長515,488nm)、YAG(波長532nm)、He−Cd(波長442nm)等が例示できる。これら光源は単独で用いても、2個以上組み合わせて使用しても良い。また、該光源は連続光でも、ある一定または任意間隔にてパルス発振しても良い。該光源より得られる光は記録材料に対し、記録時意以外に記録前後にも照射して良い。
ホログラム形成後においては、現像、定着等の後処理は必須ではないが、形成された像の安定化を図るために全面光照射や加熱処理を行って、残存している未反応モノマーを後重合させても良い。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施例を幾つか挙げ、本発明を具体的に説明する。ただし、これら実施例は本発明を限定するものではない。
実施例1
1)熱可塑性樹脂として、酢酸ビニルポリマー(キシダ化学社製、「酢酸ビニルポリマー」、重合度500、ポリマーの屈折率:1.43)を2.5g、常温常圧で粘調液体である重合性化合物(B)として、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート(大阪ガス社製、「BPEFA」、単体の屈折率:1.61)2.2g、可塑剤(F)としてジエチルアセテート(和光純薬社製、「ADE」、屈折率:1.42)1.0g、開始剤(C)として3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン(日本油脂社製、「BTTB−25」)のトルエン溶媒を減圧留去した3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン固体を0.75g、光増感色素としてシアニン系色素(日本感光色素社製、NK1538)0.008g、強色増感剤として光増感色素と等モル数のベーススチリル系色素(日本感光色素社製、NK1819)0.0035g、および溶媒としてアセトン10gを常温で混合し、ホログラム記録材料用フォトポリマー組成物を調整した。
2)この組成物を60mm×60mmのガラス基板の片面に乾燥後の厚みが10〜15μmになるようにスピンコートにより塗布し、加熱処理を施すことにより塗布層から溶媒を除去し、基板と記録層からなる2層構造の記録媒体を作成した。
3)この記録媒体の記録層に厚み50μmのPETフィルムを被せて3層構造のホログラム記録用感光板を作成した。
4)次に515nmのArイオンレーザーをビームスプリッターで分岐し、それぞれをミラーにより角度を変えて、両者を再び合成して干渉させ干渉縞を得た。この干渉縞を捉えることができる位置に上記感光板を設置した。
5)透過型ホログラムおよび反射型ホログラムの例をそれぞれ図1および図2に示す。図中、(A)はレーザー発生装置、(BS)はビームスプリッター、(M)はミラー、(S)は感光板、(B1)は物体光、(B2)は参照光である。
6)この状態で感光板を露光し、ホログラムとなる干渉縞を感光板上に記録した。
透過型ホログラムおよび反射型ホログラムの露光は、感光板上での1つの光強度を0.5mW/cm2として、5秒間から40秒間、露光量として2.5mJ/cm2から20mJ/cm2行った。
実施例2
実施例1の配合組成において、光増感色素(D)としてNK−1538の代わりに、NK−85を、表1に示す割合で使用した。また、透過型ホログラムおよび反射型ホログラムの露光は、感光板上での1つの光強度を0.5mW/cm2として、5秒間から80秒間、露光量として2.5mJ/cm2から40mJ/cm2行った。その他の点は実施例1と同様の操作を行った。
実施例3
実施例1の配合組成において、開始剤(C)として3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンの代わりに、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,1’−ビイミダゾール(保土谷ロジスティックス社製、B−CIM)を2−メルカプトベンゾチアゾール(東京化成工業社製、2−メルカプトベンゾチアゾオール)と合わせて、表1に示す割合で使用した。また、透過型ホログラムおよび反射型ホログラムの露光は、感光板上での1つの光強度を0.5mW/cm2として、5秒間から80秒間、露光量として2.5mJ/cm2から40mJ/cm2行った。その他の点は実施例1と同様の操作を行った。
実施例4
実施例3の配合組成において、2−メルカプトベンゾチアゾール(東京化成工業社製、2−メルカプトベンゾチアゾオール)の代わりに2−メルカプトベンゾオキサゾール(関東化学社製、2−ベンゾオキサゾールチオール)を、表1に示す割合で使用した。また、透過型ホログラムおよび反射型ホログラムの露光は、感光板上での1つの光強度を0.5mW/cm2として、5秒間から80秒間、露光量として2.5mJ/cm2から40mJ/cm2行った。その他の点は実施例1と同様の操作を行った。
実施例5
実施例1の配合組成において、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート(大阪ガス社製、「BPEFA」)の代わりに9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンのグリシジルエーテルのアクリル酸付加物(新日鉄化学社製、「ASF−400」)を、表1に示す割合で使用した。また、透過型ホログラムおよび反射型ホログラムの露光は、感光板上での1つの光強度を0.5mW/cm2として、5秒間から80秒間、露光量として2.5mJ/cm2から40mJ/cm2行った。その他の点は実施例1と同様の操作を行った。
実施例6
実施例3の配合組成において、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート(大阪ガス社製、「BPEFA」)の代わりにペンタエリスリトル トリアクリレート(Aldrich社製、pentaerythritol triacrylate)を、表1に示す割合で使用した。また、透過型ホログラムおよび反射型ホログラムの露光は、感光板上での1つの光強度を0.5mW/cm2として、5秒間から80秒間、露光量として2.5mJ/cm2から40mJ/cm2行った。その他の点は実施例1と同様の操作を行った。
比較例1
実施例1の配合組成から強色増感剤「NK1819」を取り除いた、つまりNK1819を加えない記録用フォトポリマー組成物を調整した。その他の点は実施例1と同様の操作を行った。
比較例2
実施例2の配合組成から強色増感剤「NK1819」を取り除いた、つまりNK1819を加えない記録用フォトポリマー組成物を調整した。その他の点は実施例2と同様の操作を行った。
比較例3
実施例3の配合組成から強色増感剤「NK1819」を取り除いた、つまりNK1819を加えない記録用フォトポリマー組成物を調整した。その他の点は実施例3と同様の操作を行った。
比較例4
実施例4の配合組成から強色増感剤「NK1819」を取り除いた、つまりNK1819を加えない記録用フォトポリマー組成物を調整した。その他の点は実施例4と同様の操作を行った。
比較例5
実施例5の配合組成から強色増感剤「NK1819」を取り除いた、つまりNK1819を加えない記録用フォトポリマー組成物を調整した。その他の点は実施例5と同様の操作を行った。
比較例6
実施例6の配合組成から強色増感剤「NK1819」を取り除いた、つまりNK1819を加えない記録用フォトポリマー組成物を調整した。その他の点は実施例6と同様の操作を行った。この比較例は従来技術として示した米国特許第3658526号のものに相当する。
性能評価
上記実施例および比較例で得られたホログラムについて、記録時の感度、記録後のホログラムの膜厚および回折効率を測定した。
a)膜厚
記録後のホログラムの膜厚をマイクロメーターを用いて測定した。
b)回折効率
透過型ホログラムの回折効率を、光パワーメター(PHOTODYNE社製、OPTICAL POWER/ENERGY METER,MODEL 66XLA)により入射光と回折光の値の比をとり、次式
より算出した。
回折効率(%)=(回折光強度/入射光強度)×100
c)反射型ホログラムの回折効率を、紫外可視分光光度計(日本分光社製、「V−550」)による透過率の測定により求めた。
得られた結果を表1にまとめて示す。
表1から明らかなように、実施例で得られた透過型ホログラムおよび反射型ホログラムは非常に高感度であり、その回折効率および透過率は、いずれも高く、ホログラムは、着色が無く、現像や定着の操作なしでも明るいものであった。また、このホログラム記録は記録層の凹凸ではなく屈折率変調のみによって行われており、可視部にほとんど吸収のない高透明なものであった。
これに対し、比較例1〜6で得られた透過型ホログラムおよび反射型ホログラムの回折効率および透過率はそれぞれ実施例1〜6とほぼ同一ではあるが、感度においては強色増感剤を含む組成物に比べて劣るものであった。
表中、BPEFA:ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート(大阪ガス社製)
B−CIM:2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,1’−ビイミダゾール(保土谷ロジスティックス社製)
BTTB:3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン(日本油脂社製)
ASF−400:9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンのグリシジルエーテルのアクリル酸付加物(新日鉄化学社製)
感度:ホログラムが記録され始めた最小の露光エネルギー(mJ/cm2)
産業上の利用可能性
本発明では、有機溶媒に可溶なバインダーポリマー(A)と、エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物(B)と、光重合開始剤(C)と、光増感色素(D)とを含む組成物に、強色増感剤(E)が含まれることにより、高透明性にて高感度、高回折効率で像を記録できるホログラムを作製することができる。
また、本発明によるホログラム記録用フォトポリマー組成物は、成膜性が優れており、成膜後も固体に近いために、従来品のような流動性組成物固形化のための加熱処理を必要としない。さらに、ホログラム記録後に回折効率増幅のための加熱処理をしなくても、充分に回折効率が高い。そのためホログラム記録媒体の作製における製膜操作および後処理を簡便化することができ作業性が優れたものである。
さらに、ホログラム記録後の記録媒体は、透明性が高く、ただ1回のみの露光によりバインダーポリマー(A)と重合性化合物(B)の重合体とが共に十分な高分子量体として存在しているため、両者が再拡散して記録が不鮮明になる欠点がない。また、これは長期の耐熱性、耐侯光、耐溶剤性等に優れている。そのため、記録像安定化のための現像や定着の操作は必須ではなく、リアルタイムにホログラムを作製できる。
【図面の簡単な説明】
図1は透過型ホログラムの例を示す概略図である。
図2は反射型ホログラムの例を示す概略図である。
Claims (3)
- 光干渉パターンの明暗の強度分布を屈折率の変化として記録するのに利用される体積位相型ホログラム記録材料用フォトポリマー組成物において、有機溶媒に可溶なバインダーポリマー(A)と、エチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物(B)と、光重合開始剤(C)である有機過酸化物またはビスイミダゾール誘導体と、記録に使用するレーザーの発信波長がKr(波長647nm)、He-Ne(波長633nm)、Ar(波長515.488nm)、YAG(波長532nm)およびHe-Cd(波長442nm)から選択した波長において該レーザー光を吸収し、かつ該有機過酸化物またはビスイミダゾール誘導体に対し分光増感作用を有する光増感色素(D)であるシアニン系色素と、該波長において該シアニン系色素を加えなかった場合それ自身が該有機過酸化物またはビスイミダゾール誘導体に対して分光増感作用を示さない強色増感剤(E)であるベーススチリル系色素とを含むホログラム記録材料用フォトポリマー組成物。
- 請求項1記載のホログラム記録材料用フォトポリマー組成物からなる記録層が基板上に形成されてなるホログラム記録媒体。
- 請求項2記載のホログラム記録媒体を製造するに当たり、バインダーポリマー(A)、重合性化合物(B)、光重合開始剤(C)である有機過酸化物またはビスイミダゾール誘導体、光増感色素(D)であるシアニン系色素および強色増感剤(E)であるベーススチリル系色素を溶剤に溶解させ、必要に応じて可塑剤(F)を添加し、得られた溶液を基板上に塗布し、その後、溶剤を揮散させ、記録層を形成するホログラム記録媒体の製造法。
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