JP4324481B2 - 植物形質転換用システム - Google Patents

植物形質転換用システム Download PDF

Info

Publication number
JP4324481B2
JP4324481B2 JP2003583091A JP2003583091A JP4324481B2 JP 4324481 B2 JP4324481 B2 JP 4324481B2 JP 2003583091 A JP2003583091 A JP 2003583091A JP 2003583091 A JP2003583091 A JP 2003583091A JP 4324481 B2 JP4324481 B2 JP 4324481B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plant
microporous
transformation
microporous body
gene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003583091A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2003086053A1 (ja
Inventor
龍男 赤井
大輔 鈴村
智子 小島
昭雄 小林
英一郎 福崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Phytoculture Control Co Ltd
Original Assignee
Phytoculture Control Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Phytoculture Control Co Ltd filed Critical Phytoculture Control Co Ltd
Publication of JPWO2003086053A1 publication Critical patent/JPWO2003086053A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4324481B2 publication Critical patent/JP4324481B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01HNEW PLANTS OR NON-TRANSGENIC PROCESSES FOR OBTAINING THEM; PLANT REPRODUCTION BY TISSUE CULTURE TECHNIQUES
    • A01H1/00Processes for modifying genotypes ; Plants characterised by associated natural traits
    • A01H1/06Processes for producing mutations, e.g. treatment with chemicals or with radiation
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01HNEW PLANTS OR NON-TRANSGENIC PROCESSES FOR OBTAINING THEM; PLANT REPRODUCTION BY TISSUE CULTURE TECHNIQUES
    • A01H6/00Angiosperms, i.e. flowering plants, characterised by their botanic taxonomy
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/82Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for plant cells, e.g. plant artificial chromosomes (PACs)
    • C12N15/8201Methods for introducing genetic material into plant cells, e.g. DNA, RNA, stable or transient incorporation, tissue culture methods adapted for transformation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/82Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for plant cells, e.g. plant artificial chromosomes (PACs)
    • C12N15/8201Methods for introducing genetic material into plant cells, e.g. DNA, RNA, stable or transient incorporation, tissue culture methods adapted for transformation
    • C12N15/8202Methods for introducing genetic material into plant cells, e.g. DNA, RNA, stable or transient incorporation, tissue culture methods adapted for transformation by biological means, e.g. cell mediated or natural vector
    • C12N15/8205Agrobacterium mediated transformation

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Environmental Sciences (AREA)
  • Developmental Biology & Embryology (AREA)
  • Botany (AREA)
  • Physiology (AREA)
  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Cultivation Of Plants (AREA)

Description

技術分野
本発明は、植物形質転換用器具および植物形質転換用システムならびに植物形質転換方法、より詳細にはイン・プランタ(in planta)法による植物体の形質転換に好適な器具およびシステムならびに方法に関する。さらに、本発明は、親形質転換植物体の異種遺伝子を保有する植物の選抜方法にも関する。
背景技術
現在、高等植物における形質転換は、食糧増産のための育種改良や植物固有の有用物質生産の高速・効率化につながるとして大きな注目を集めている。その中でも、高等植物のモデル植物として特に研究が進められているシロイヌナズナおよびイネ、その他タバコなどでは簡便なイン・プランタ法による形質転換が盛んに行われ、研究・開発速度が高速化している。したがって、健全で高品質の植物体を質的および量的に安定して供給し得る、より厳密・簡便、かつより高速・効率的な実験、研究および開発方法が求められている。
しかしながら、従来行われている植物体のイン・プランタ法による形質転換では、図1に示すように、植物栽培用ポットなどの容器に入れた培養土で生育させた植物体を用いるために、潅水などの環境管理が必要であった。また、1の容器は被験植物体の数、大きさに比して大きく、多数の植物体を生育するためには広いスペースや大型の環境制御設備が必要となり、比較的大きな研究施設でないと実験効率を向上させることができなかった。また、容器単位で植物体を形質転換しているため、形質転換時に植物体の生育度合いを細かく揃えた実験ができなかったり、担体溶液に浸漬するのに適していない被験植物体もあり、実験効率が低かった。また、植物体は容器に植えた状態で形質転換用の溶液に浸漬するために、培養土も形質転換用の溶液に浸漬されたり、溶液に不純物が混入したり、培養土に溶液が浸潤するなどの不具合を生じることがあった。また、イン・プランタ法のうち減圧浸潤法を用いる場合には、用いる減圧用チャンバーにも容積制限があるため、一回の操作で処理し得る植物体の数が制限されていた。さらに、形質転換後の順化処理にも特別なスペースを必要とし、開花・結実までの植物体の管理にミスが生じ易いという問題があった。
また、従来、親形質転換植物体の異種遺伝子を保有する植物の選抜は、通常、異種遺伝子と同時に導入される薬剤耐性遺伝子の保有の有無について、種子が該薬剤を含有する選抜用培地で発芽ないし生育する能力を有するか否かを判定することにより行われ、その後、生育した植物体は培養土に植え替えられているが、複数の選抜を行う場合には、その都度、異なる選抜用培地に植物種子ないし植物体を移す煩雑な操作が必要であり、また、植物体を選抜用培地から培養土に植え替える際に根が切断されるという問題があった。さらに、従来の選抜方法では、植物体を複数の選抜用培地間でまたは選抜用の条件から通常の生育条件下に移行する際には急激な環境変化によるストレスがかかることも考えられるため、望ましくない。
上述のように、従来の培養土で生育させる植物体の形質転換法および親形質転換体の異種遺伝子を保有する植物の選抜方法では、厳密・簡便、かつより高速・効率的な実験、研究および開発方法を行うことができなかった。
発明の開示
本発明者らは、前記の問題点に鑑みて鋭意検討した結果、微多孔質体を介して形質転換用の植物体を生育させ、そのままイン・プランタ法による形質転換に付すことにより、また、形質転換植物体から得られた種子を選抜用培地に浸漬した微多孔質体上で発芽、生育させることにより前記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、第1の態様において、
その表面で植物種子を発芽・生育させる微多孔質体と、ここに植物種子は微多孔質体が有する連通孔により保持された養水分を該微多孔質体の表面から吸収して発芽・生育し;
形質転換用遺伝子を保持する担体溶液とを含み、ここに生育した植物体を該担体溶液に浸漬してイン・プランタ(in planta)法により形質転換することを特徴とする植物形質転換用器具を提供する。
本発明の第1の態様によれば、植物体が微多孔質体によって供給される養水分を吸収して生育するため、長期間、潅水などの環境管理が不要となる。また、土壌を必要としないため、1の植物体当りの占有面積を小さく抑えることができ、多数の植物体を効率よく生育させ、また、効率よく形質転換に付すことができる。また、1の植物体単位で独立して生育し得るため、生育度合いを細かく揃えた植物体を選抜して形質転換に付する実験が可能となる。また、土壌などの流動性の媒体を用いないため、取扱い易く、形質転換用の溶液に不純物が混入することなく、厳密な実験を行うことができる。さらに、従来の方法では、形質転換時に担体溶液が土壌に浸潤しやすく、生物的封じ込めの観点から土壌から担体溶液を搾り出すなどの作業が必要であり、実験および作業効率が低下する上、植物体にストレスを与えることもあったが、本発明では、微多孔質体に養水分が充満しているため、形質転換時に、担体溶液が微多孔質体に接触してもその担体溶液中の微生物等が微多孔質体に侵入しにくく、担体溶液を搾り出すなどの作業が不必要となり、実験および作業効率が向上し、植物体にストレスを与えることもなくなる。また、使用後、微多孔質体は、生物的封じ込めおよび再利用または廃棄の観点からオートクレーブ等の制限された空間中で殺菌処理しなければならないが、その際にも上述した理由によって効率的に処理することができる。
また、本発明は、第2の態様において、
イン・プランタ法が減圧浸潤法であることを特徴とする第1の態様の植物形質転換用器具を提供する。
本発明の第2の態様によれば、第1の態様における植物体の形質転換効率をさらに高めることができる。
また、本発明は、第3の態様において、
その各々の表面で植物種子を発芽・生育させる複数の微多孔質体と、該複数の微多孔質体を着脱可能に保持する保持手段とを含み、ここに植物種子は微多孔質体が有する連通孔により保持された養水分を該微多孔質体の表面から吸収して発芽・生育し、ここに該保持手段に保持された複数の微多孔質体の表面に生育した複数の植物体を形質転換用遺伝子を保持する担体溶液に略同時に浸漬してイン・プランタ法により形質転換することを特徴とする植物形質転換用システムを提供する。
本発明の第3の態様によれば、上述した第1の態様の利点に加えて、複数の植物体を平行して同時に形質転換に付する実験が可能となるため、より高速・効率的な実験を行うことができる。
また、本発明は、第4の態様において、
イン・プランタ法が減圧浸潤法であることを特徴とする第3の態様の植物形質転換用システムを提供する。
本発明の第4の態様によれば、第3の態様における植物体の形質転換効率をさらに高めることができる。
また、本発明は、第5の態様において、
養水分が微多孔質体と接して保持手段内に貯溜されている第3または4の態様の植物形質転換用システムを提供する。
本発明の第5の態様によれば、養水分を保持手段に貯溜し得るため、微多孔質体と保持手段のみでシステムを構成し得、したがってより簡便かつ単純なシステム構成とし、より簡便、小スペースかつより効率的な実験を行うことができる。
また、本発明は、第6の態様において、
さらに、養水分を貯溜する貯溜タンクと、微多孔質体と貯溜タンク内の養水分とを連絡する養水分供給手段とを含み、該養水分供給手段を介して貯溜タンク内の養水分が微多孔質体に供給される第3または4の態様の植物形質転換用システムを提供する。
本発明の第6の態様によれば、第3および4の態様の利点に加えて、微多孔質体のサイズおよび養水分容量等の要件が緩和され、例えば短い微多孔質体であっても養水分供給手段を介して貯溜タンクから養水分を供給することができ、微多孔質体をより小型化することができ、また、より簡便に実験を行うことができる。
また、本発明は、第7の態様において、
微多孔質体が円筒形であって、その内側表面で植物種子を発芽・生育させる第3〜6いずれか1の態様の植物形質転換用システムを提供する。
本発明の第7の態様によれば、1の微多孔質体当りの占有面積をより小さく抑えることができ、小スペースで多数の植物体を効率よく生育させ、また、効率よくイン・プランタ法に付することができる。
また、本発明は、第8の態様において、
植物がドクゼリモドキ(Ammi majus)、タマネギ(Allium cepa)、ニンニク(Allium sativum)、セロリ(Apium graveolens)、アスパラガス(Asparagus officinalis)、テンサイ(Beta vulgaris)、カリフラワー(Brassica oleracea var.botrytis)、メキャベツ(Brassica oleracea var.gemmifera)、キャベツ(Brassica oleracea var.capitata)、セイヨウアブラナ(Brassica napus)、ヒメウイキョウ(Carum carvi)、キク(Chrysanthemum morifolium)、ドクニンジン(Conium maculatum)、オウレン(Coptis japonica)、キクニガナ(Cichorium intybus)、カザリカボチャ(Curcurbita pepo)、アメリカチョウセンアサガオ(Datura meteloides)、ニンジン(Daucus carota)、カーネーション(Dianthus caryophyllus)、ソバ(Fagopyrum esculentum)、ウイキョウ(Foeniculum vulgare)、イチゴ(Fragaria chiloensis)、ダイズ(Glycine max)、ヒヤシンス(Hyacinthus orientalis)、サツマイモ(Ipomoea batatas)、レタス(Lactuca sativa)、セイヨウミヤコグサ(Lotus corniculatus)、ミヤコグサ(Lotus japonicus)、トマト(Lycopersicon esculentum)、ムラサキウマゴヤシ(Medicago sativa)、タバコ(Nicotiana tabacum)、イネ(Oryza sativa)、パセリ(Petroselinum hortense)、エンドウ(Pisum sativum)、セイヨウバラ(Rosa hybrida)、ナス(Solanum melongena)、ジャガイモ(Solanum tuberosum)、コムギ(Triticum aestivum)、トウモロコシ(Zea mays)、サトウダイコン(Beta vulgaris)、ワタ(Gossypium indicum)、アブラナ(Brassica campestris)、アマ(Linum usitatissimum)、サトウキビ(Saccharum officinarum)、パパイヤ(Carica papaya)、ニホンカボチャ(Cucurbita moschata)、キュウリ(Cucumis sativus)、スイカ(Citrullus vulgaris)、メロン(Cucumis melo)、セイヨウカボチャ(Cucurbita maxima)などの有用植物、キンギョソウ(Antirrhinum majus)、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)、クロトン(Codiaeum variegatum)、シクラメン(Cyclamen persicum)、ポインセチア(Euphorbia pulcherrima)、ガーベラ(Gerbera jamesonii)、ヒマワリ(Helianthus annuus)、ゼラニウム(Pelargonium hortorum)、ペチュニア(Petunia hybrida)、セントポーリア(Saintpaulia ionatha)、セイヨウタンポポ(Taraxacum officinale)、トレニア(Torenia fournieri)、シロツメクサ(Trifolium repens)、シンビジウム属(Cymbidium)などの観賞植物、インドセンダン(Azadirachta indica)、ミカン属(Citrus)、アラビアコーヒーノキ(Coffea arabica)、ユーカリ属(Eucalyptus)、パラゴムノキ(Hevea brasiliensis)、セイヨウヒイラギ(Ilex aquifolium)、カラタチ(Poncirus trifoliata)、アーモンド(Prunus amygdalus)、カナダポプラ(Populus canadensis)、コノテガシワ(Biota orientalis)、スギ(Cryptomeria japonica)、ドイツトウヒ(Picea abies)、マツ属(Pinus)、ブドウ(Vitis vinifera)、リンゴ(Malus pumila)、アンズ(Prunus armeniaca)、カキ(Diospyros kaki)、イチジク(Ficus carica)、ニホングリ(Castanea crenata)、セイヨウハコヤナギ(Populus nigra)、エゾウコギ(Acanthopanax senticosus)などの木本類よりなる群から選択される第3〜7いずれか1の態様の植物形質転換用システムを提供する。
本発明の第8の態様によれば、形質転換を利用する研究が現在盛んに行われている植物体についてより高速・効率的な実験を行うことができる。
また、本発明は、第9の態様において、
微多孔質体の表面で植物種子を発芽・生育させ、ここに植物種子は微多孔質体が有する連通孔により保持された養水分を該微多孔質体の表面から吸収して生育し;ついで
該微多孔質体の表面に生育した植物体を形質転換用遺伝子を保持する担体溶液に浸漬してイン・プランタ法により形質転換することを含む植物形質転換方法を提供する。
本発明の第9の態様によれば、第1の態様において記載したような利点を有する植物形質転換方法を提供し得る。
また、本発明は、第10の態様において、
イン・プランタ法が減圧浸潤法であることを特徴とする第9の態様の植物形質転換方法を提供する。
本発明の第10の態様によれば、第2の態様において記載したような利点を有する植物形質転換方法を提供し得る。
また、本発明は、第11の態様において、
複数の微多孔質体を保持手段に着脱可能に保持し;
各微多孔質体の表面に植物種子を播種し、ここに植物種子は微多孔質体内部が有する連通孔により保持された養水分を該微多孔質体の表面から吸収して発芽・生育し;ついで
該保持手段に保持された複数の微多孔質体の表面に生育した複数の植物体を形質転換用遺伝子を保持する担体溶液に略同時に浸漬してイン・プランタ法により形質転換することを含む植物形質転換方法を提供する。
本発明の第11の態様によれば、第3の態様において記載したような利点を有する植物形質転換方法を提供し得る。
また、本発明は、第12の態様において、
イン・プランタ法が減圧浸潤法であることを特徴とする第11の態様の植物形質転換方法を提供する。
本発明の第12の態様によれば、第4の態様において記載したような利点を有する植物形質転換方法を提供し得る。
また、本発明は、第13の態様において、
さらに、担体溶液に浸漬する前に、形質転換に好適な段階まで生育した植物体を有する微多孔質体のみを選抜して1の保持手段に保持して、形質転換に付すことを含む第11または12の態様の植物形質転換方法を提供する。
本発明の第13の態様によれば、生育段階の揃った植物体のみを形質転換実験に付すことができ、より厳密な実験を行うことができる。
さらに、本発明は、第14の態様において、
(i)微多孔質体の一部分を1以上の第1の選抜用薬剤を含有する養水分に浸漬し;
(ii)形質転換植物体から得られた植物種子を該微多孔質体の表面に播種し、ここに形質転換植物体は該第1の選抜用薬剤に対する耐性遺伝子を含む少なくとも1の異種遺伝子で形質転換されており、ここに植物種子は微多孔質体内部が有する連通孔により保持された選抜用薬剤を含有する養水分を該微多孔質体の表面から吸収して、親形質転換植物体の該異種遺伝子を保有する植物種子は発芽ないし生育することができ、親形質転換植物体の該異種遺伝子を保有しない植物種子は発芽ないし生育することができず;ついで
(iii)発芽ないし生育することができた植物体を得るか、または、
さらに、この植物体から得られた植物種子と該第1の選抜用薬剤またはその代わりに該第1の選抜用薬剤とは異なる1以上の選抜用薬剤とを用いて(i)ないし(iii)の工程を1回以上繰返すことを含み、ここに該形質転換植物体がその選抜用薬剤に対する耐性遺伝子をも含むことを特徴とする親形質転換植物体の異種遺伝子を保有する植物の選抜方法を提供する。
本発明の第14の態様によれば、微多孔質体を浸漬する選抜用の養水分を取り換えるだけで異型接合体遺伝子を保有する種子ないし植物体を複数の選抜に簡便に付すことができ、培養土に植え替える必要がないため生育した植物体の根が切断されることもなく、また、異なる選抜に付す場合にも選抜用の養水分が微多孔質体内で徐々に置換されるため種子ないし植物体に急激な環境変化によるストレスがかかることもなく、親形質転換植物の異種遺伝子を保有する植物体およびその植物体から得られる種子を厳密・簡便、かつより高速・効率的に選抜することができる。
さらに、本発明は、第15の態様において、
第14の態様で得られた、第1の選抜用薬剤に対する耐性遺伝子を有する植物種子を該微多孔質体の表面に播種し、ここに、該植物種子は微多孔質体内部が有する連通孔により保持された該第1の選抜用薬剤とは異なる1以上の選抜用薬剤もしくは養水分を該微多孔質体の表面から吸収して、発芽ないし生育し、該第1の選抜用薬剤とは異なる選抜用薬剤に対する耐性遺伝子を含むこと、もしくは導入目的とした遺伝子の形質が表現形として表現し得ることを確認する作業を少なくとも1回以上行うことを特徴とする親形質転換植物体の異種遺伝子を保有する植物の選抜方法を提供する。
本発明の第15の態様によれば、第14の態様において記載したような利点に加えて、さらに厳密に親形質転換植物体の異種遺伝子を保有し、かつ、それを形質発現する植物を選抜することができる。
なお、本明細書中にて「植物種子」とは、未発芽状態の植物の種をいい、また「植物体」とは、発芽後の植物からイン・プランタ法による形質転換に好適な段階まで生育した植物までをいい、単に「植物」という場合はこれら植物種子および植物体を包含することを意味する。さらに、「形質転換植物体」とは、本発明の形質転換方法または当該技術分野で知られているいずれか他の形質転換方法により異種遺伝子が導入された植物体をいい、ここに「異種遺伝子」とは、植物に導入することを目的とするいずれの外来の遺伝子をもいい、形質転換された植物をスクリーニングするための薬剤耐性等のマーカー遺伝子のほか、植物の形態形成に関与する遺伝子、特定の酵素の遺伝子、有用物質の生産に関与する遺伝子、病害抵抗性に関連する遺伝子などが含まれる。
また、本明細書中にて「担体溶液」とは、イン・プランタ法により植物体を形質転換し得る、特定の異種遺伝子を担持するプラスミドベクターを含む細菌、ウイルスなどの担体の懸濁液またはホモジネートをいい、例えば、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)、アグロバクテリウム・リゾゲネス(Agrobacterium rhizogenes)の懸濁液などが挙げられ、この担体溶液には、例えば緩衝剤、浸透圧調整剤、pH調整剤、表面活性剤、植物成長調節剤などの植物体のイン・プランタ法による形質転換に好適な添加剤を含有させることができる。また、形質転換方法としては、イン・プランタ法のうち減圧浸潤法を用いることにより、植物体の形質転換効率をさらに高めることができ、その場合においても同様の添加剤を含有させることができ、同様の担体を用いることができる。
また、本明細書中にて「上端」および「下端」という場合は、各々、微多孔質体の植物種子を設置する側およびそれと対峙する側の部分をいう。
発明を実施するための最良の形態
つぎに、図2〜15に参照して本発明の実施形態を説明する。なお、本発明の植物形質転換用器具は、本発明の植物形質転換用システムで用いる微多孔質体および担体溶液にも相当するため、ここでは主として植物形質転換用システムを説明し、併せて植物形質転換用器具および植物形質転換法ならびに植物の選抜方法を説明する。
まず、図2においては、その表面で植物種子を発芽・生育させる微多孔質体(1)が示されており、ここにおいて微多孔質体は円筒形の態様で図示されており、養水分などを十分に供給した後に端部付近の内側表面に植物種子を播種して植物種子を発芽・生育させる。微多孔質体の内部は連通孔からなり、微多孔質体の一部分に養水分が供給されれば、連通孔を通して微多孔質体の全体にわたって養水分が供給されて内部に保持される。微多孔質体の表面に播種された種子は、その微多孔質体の内部に保持された養水分を該微多孔質体の表面から吸収することにより発芽・生育する。
すなわち、必ずしもこの理論に拘束されるものではないが、植物までの養水分の移動は、養水分と微多孔質体、微多孔質体と植物、それぞれの接点での吸引力の差に基づいて生じ、植物が利用した分だけ微多孔質体が保持する養水分が乾燥し、微多孔質体が乾燥した分だけ毛管力が回復し、再び微多孔質体が養水分を吸収・保持すると考えられ、常に植物に養水分が過不足なく供給される。これにより、乾燥や多湿潤に弱い植物も安定かつ簡便に発芽・生育させることができる。
また、図2には、複数の上記微多孔質体(1)を着脱可能に保持し得る保持手段(2)が示されており、ここにおいて保持手段(2)には、円筒形の微多孔質体を着脱可能に保持することができるように、微多孔質体の外径と略同じ径を有する孔(3)が設けられており、一方、微多孔質体の1の端部にはテーパ(4)およびリング(5)が設けられている。これらのテーパ(4)およびリング(5)を設けることにより、微多孔質体の外径および保持手段の孔の径が高い寸法誤差で作成されていない場合でも、微多孔質体(1)を孔(3)に挿嵌して両者を一定の位置で確実に保持することができる。さらに、挿嵌後、保持手段(2)の下側から図示していないもう1のリングを微多孔質体の下端から通してリング(5)と共に保持手段(2)を挟持することにより、反転等した際にも微多孔質体(1)の保持手段(2)上の位置がずれることなく、確実に保持することができる。これらのテーパおよびリングは、微多孔質体(1)と同じ材料からなるものであってもよく、樹脂などの材質からなるものであってもよく、あるいはテーパ(4)およびリング(5)については微多孔質体自体をこれらの形状に一体成型してもよい。本発明の植物形質転換用システムは、少なくともこれらの微多孔質体と保持手段とからなる。
つぎに、図3に図示するように、前記のように保持手段(2)の孔(3)に挿嵌した複数の微多孔質体(1)の一部分を貯溜タンク(6)に貯めたの養水分(7)に浸漬して、微多孔質体の全体にわたって養水分を供給させた後に、微多孔質体(1)の上端付近の内側表面に植物種子を播種し、その植物の通常の発芽・生育条件下でインキュベートすることにより発芽・生育させる。なお、この実施形態においては、保持手段(2)のサイズと貯溜タンク(6)のサイズとを略合致させることによって、微多孔質体を保持手段に安定して設置している。
また、もう1の実施形態として、図4に図示するように、微多孔質体(1)に係止手段(8)と共に養水分供給手段(9)を付設して、その養水分供給手段を介して養水分を間接的に微多孔質体に供給することもできる。かかる係止手段(8)は、好ましくは、発泡スチロール、発泡ポリウレタン、発泡ポリエチレンなどの収縮・反発力を有する素材、またはポリプロピレン、ポリエチレンなどの素材で構成され、養水分供給手段の養水分供給能力を低下せずに養水分供給手段を微多孔質体に係止し得る素材、構造を有する。また、養水分供給手段(9)は、略垂直に微多孔質体から懸架してその他端を養水分に浸漬した場合にも養水分を微多孔質体に供給し得る材質、形状からなり、好ましくは、紐形のポリビニルアルコールのような連続気泡型発泡プラスチックや、グラスファイバー、炭素繊維、アクリル繊維などの繊維束や不織布からなる。
また、もう1の実施形態として、図5に示す植物形質転換用システムにおいては、微多孔質体(1)の下端を圧入することにより着脱可能に保持することができる形態の保持手段(30)に保持された複数の微多孔質体が示されており、ここにおいて保持手段にはテーパ状凹部(10)が設けられており、そこに一端を圧入することによって微多孔質体(1)が保持される。また、保持手段(30)のテーパ状凹部(10)に養水分を貯溜することにより養水分が直接的に微多孔質体に供給され、微多孔質体(1)および保持手段(30)のみからなる植物形質転換システムを構成することができる。あるいは、テーパ状凹部の底部が開口され、微多孔質体を保持した保持手段を、ここに図示しない一定量の養水分が貯溜された貯溜タンクに浸漬または浮遊させることもできる。
つぎに、前記したような実施形態で植物種子を播種し、発芽させ、形質転換に好適な段階まで生育した植物体を選抜し、イン・プランタ法による形質転換に付すまでの一連の工程を説明する。
図6に示す一連の植物形質転換工程には、複数の微多孔質体を保持手段に着脱可能に圧入して保持手段のテーパ状凹部に養水分を分注する工程(I)、養水分が全体に供給された各微多孔質体表面に植物種子を播種する工程(II)、植物種子を発芽・生育させる工程(III)、一定期間経過後、植物体を成長段階に応じてグループ別けする工程(IV)、形質転換に好適なグループのみを選抜する工程(V)、ついで選抜したグループの植物体を保持手段と一緒に反転させて、担体溶液に浸漬して形質転換する工程(VI)が含まれる。ここにおいては、保持手段として前記したテーパ状凹部を有するものを用いた形態を示しているが、保持手段は複数の微多孔質体を保持し得るものであればいずれの形態であってもよい。
なお、形質転換された植物の確認は、遺伝子工学の分野の当業者によく知られているいずれの方法によっても確認することもできるが、好ましくは、ある種の薬剤選択マーカーを予め担体に含ませ、ついで植物体から得られた種子をその薬剤を含有する培地で生育する能力について選抜したり、その後、その選抜した植物を交配し、その種子を採取し、生育し、選抜して、最終的に導入を目的とした異種遺伝子の発現(植物の形態、酵素活性、特定の物質の生産、病害抵抗性など)を確認することができる。
かかる本発明に用いる微多孔質体は、前記したようにその一部に接触した養水分を内部の連通孔を介してその全体の内部に供給して保持し得るものであれば、特に限定されるものではないが、20℃において通常0.05〜0.5(重量/重量)倍量、好ましくは0.05〜0.3倍量、より好ましくは0.1〜0.2倍量の水を保持し得る吸水能を有し、通常0.2〜900μm、好ましくは0.2〜80μm、さらに好ましくは0.2〜9μm、最も好ましくは0.2〜3μmの孔隙径の連通する孔を、通常0.05〜1、好ましくは0.1〜0.4、より好ましくは0.2〜0.3の孔隙率(体積/体積)で有する微多孔質体が好ましい。
このような微多孔質体は、例えば10号土、磁器2号土(城山セラポット株式会社)、村上粘土(新潟県産)などの非金属無機質固体原料などを通常の方法に従って混練、成型、焼成することによって得られる微多孔質体や、ポリビニルアルコールフォーム、ポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、塩化ビニル樹脂フォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、フェノール樹脂フォーム、ユリア樹脂フォームなどの連続気泡型プラスチックフォーム材料を材質とするものが挙げられる。特に、非金属無機質固体原料を、微多孔質であって、水分を吸収および放出し易い微多孔質体とする場合には、例えば、ペタライト、アルミナなどを50〜60重量%含有させて焼成することが好ましい。なお、一般的に、前記のペタライトとしては、通常70〜90重量%、好ましくは75〜85重量%、より好ましくは75〜80重量%のSiO、通常10〜20重量%、好ましくは12〜18重量%、より好ましくは15〜17重量%のAl、通常2〜5重量%、好ましくは3〜4.5重量%、より好ましくは3.5〜4.2重量%のLiO、通常0.1〜0.5重量%、好ましくは0.2〜0.5重量%、より好ましくは0.3〜0.45重量%のKO、および通常0.5〜2重量%、好ましくは0.7〜1.8重量%、より好ましくは0.8〜1.6重量%の不可避的不純物を含むものが好ましい。また、非金属無機質固体原料には、粉状無機質発泡体を含有させておいてもよい。さらに、本発明に用いる微多孔質体は、吸水した場合においても実質的にその強度が低下しない非金属無機質からなっていてもよい。
非金属無機質固体原料の成型方法としては、例えば、鋳込み成型、押し出し成型、プレス成型、ろくろ成型などの当該技術分野で知られている成型方法が挙げられるが、特に大量生産およびコスト削減の見地から押し出し成型が好ましい。また、成型後の乾燥は、当該技術分野で知られている通常の方法および条件を用いて行うことができる。つづく成型体の焼成は、通常行われている条件および方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、所望の孔隙が得られやすい酸化焼成などを選択し得、焼成温度は1000℃〜2000℃、好ましくは1100℃〜1500℃、より好ましくは1150〜1300℃、最も好ましくは1200℃付近である。非金属無機質固体原料の焼成温度が1000℃未満である場合には硫黄成分が残留し易く、一方、2000℃を超える場合には所望の吸水性が得られない。
一方、連続気泡型プラスチックフォームを材質とする微多孔質体の成型方法としては、例えば、溶融発泡成型、固相発泡成型、注型発泡成型などの方法が挙げられる。
溶融発泡成型の主な工程は、溶融混練、未発泡シート成型、加熱発泡または押し出し発泡、冷却、裁断および加工である。固相発泡成型では、ポリマーを固相または固相に近い状態で発泡させる。また、注型発泡成型では、液体原料(モノマーまたはオリゴマー)を使用して大気中で反応させながら注型して発泡させる。また、連続気泡型プラスチックフォームを発泡させるためには、一般的に発泡剤が用いられる。
また、微多孔質体は、対象となる植物の種類や使用状況に応じていずれの形状とすることもできるが、好ましくは、円筒形、平板形、柱状形、有底円筒形、蜂の巣状断面を有する柱状体、多角形断面を有する筒形(例えば、六角筒や四角筒)のような形状とすることができる。
つぎに、本発明に用いる保持手段は、前記微多孔質体を挿嵌または圧入などにより保持して、前記したように植物体を担体溶液に浸漬してイン・プランタ法により形質転換し得るものであればいずれの材料および形状からなるものであってもよいが、好ましくは、前記したように孔またはテーパ状凹部を有する板状の発泡スチロール、発泡ポリエチレン、発泡ポリウレタンからなるものとし得る。また、保持手段は、弾力性を有して微多孔質体を繰返して着脱可能に保持し得る材質のものが好ましい。また、保持手段は、図7に示すような反転して担体溶液に植物体を浸漬する間水に浮く比重を有するものが好ましい。このような特性を有する保持手段を用いることにより、本発明の植物形質転換用システムを別の手段によって保持する必要なしに担体溶液に浮かべて植物体を担体溶液に浸漬し、イン・プランタ法に付すことができる。あるいは、図15に示すように、複数の微多孔質体を紐等(25)によって束ねて固定し、その微多孔質体の間に棒状の保持手段(26)を通して貯溜タンクの側壁に載置することもできる。
しかしながら、本発明の植物形質転換用システムにおいては、ここに図示していない別の輸送手段によって微多孔質体を保持する保持手段が担体溶液の上方まで運動され、そこで同輸送手段によって反転され、下降して担体溶液に浸漬されることも意図する。
さらに、別の実施形態において、本発明に用いる保持手段は、図8に示すように微多孔質体を側方から装着し得る部分円筒状凹部を有する保持手段(40)とすることができる。この実施形態においては、微多孔質体を挿嵌した保持手段を上下反転させた後に、図9に示すような案内板(11)および係止部(12)を有し、担体溶液を入れたタンク(担体溶液タンク)に挿嵌することにより複数の植物体を略同時に浸漬することができる。
また、別の実施形態において、本発明に用いる保持手段は、図10に示すようなフック(13)または磁石(14)を付装したキャップを介して複数の微多孔質体を懸架し得るものとすることができる。
また、別の実施形態において、本発明に用いる保持手段は、図11に示すように、微多孔質体の外径サイズと略同じ口径を有する凹部(15)が表面に設けられた平板状の保持手段(50)とすることができる。この形態においては、この凹部に微多孔質体の下端を挿嵌して、1の板状体に複数の微多孔質体を保持することができる。さらに、このように複数の微多孔質体を保持した保持手段は、反対側に設けられたフックにより懸架して、複数の微多孔質体上の植物体を担体溶液に略同時に浸漬することができる。
また、別の実施形態において、本発明に用いる保持手段は、図12に示すように、微多孔質体係入部(16)およびピン(17)を有するキャップ(18)とそのピンを案内することにより該キャップと嵌合して微多孔質体を安定に保持できる案内溝(19)を有する凹部(20)を凸設した平板からなる。この実施形態においても、複数の微多孔質体を保持した保持手段は、ここに図示していない反対側に設けられたフックにより懸架することができる。なお、流通・輸送時を考慮すると、フックは着脱可能なものが好ましい。
また、別の実施形態において、本発明に用いる保持手段は、図13に示すように、複数の微多孔質体の側部を拘持する保持手段(60)とすることができる。この実施形態の保持手段には微多孔質体(1)が抜け落ちないように拘持し得る波状のツメが設けられている。また、この実施形態の保持手段には微多孔質体を支持する労力を軽減し、また植物体を浸漬する際には貯溜タンクの側壁に載置できるような翼部(21)が設けられている。
さらに、本発明においては、植物体を形質転換用遺伝子を保持する担体溶液に浸漬する際には、前記したごとき実施形態における植物体を発芽・生育させた微多孔質体を保持手段から離脱して、これを図14に示すような担体溶液タンク(70)の斜面(22)に載置して植物体をイン・プランタ法による形質転換に付すこともできる。この担体溶液タンクの斜面端部には係止板(23)が設けられており、斜面に載置した微多孔質体を一定の位置に係止しつつ植物体を担体溶液に浸漬することができる。
また、本発明においては、図15に示すように、イン・プランタ法による形質転換に適当な段階まで微多孔質体上で生育した植物体の周囲をスリーブ(24)で覆うこともできる。それにより、複数の微多孔質体および植物体が高密度で配置された場合にも単体で扱い易く、また隣接した植物体同士の接触による損傷から植物体を保護することができる。また、植物体を高密度で栽培すると隣接する植物体の葉同士が接着し、単体で取り扱う際に葉を損傷することや、輸送時の震動により隣接する植物体が損損することも想定されるが、スリーブで覆うことによって防止することができる。
スリーブは、植物体の周囲を覆うことができるものであればいずれの形状および材質のものであってもよいが、植物体の状態を観察し得る透明な材質のものが好ましく、セロハンフィルムなどのプラスチックフィルムからなるものがさらに好ましい。また、スリーブは、図15に示すように微多孔質体の上部のほか、保持手段に紐、輪ゴム等で固定してもよい。
このように本発明の植物形質転換用システムの対象となる植物の例としては、イン・プランタ法または減圧浸潤法により形質転換し得る植物であれば特に限定されるものではないが、好ましくは、ドクゼリモドキ(Ammi majus)、タマネギ(Allium cepa)、ニンニク(Allium sativum)、セロリ(Apium graveolens)、アスパラガス(Asparagus officinalis)、テンサイ(Beta vulgaris)、カリフラワー(Brassica oleracea var.botrytis)、メキャベツ(Brassica oleracea var.gemmifera)、キャベツ(Brassica oleracea var.capitata)、セイヨウアブラナ(Brassica napus)、ヒメウイキョウ(Carum carvi)、キク(Chrysanthemum morifolium)、ドクニンジン(Conium maculatum)、オウレン(Coptis japonica)、キクニガナ(Cichorium intybus)、カザリカボチャ(Curcurbita pepo)、アメリカチョウセンアサガオ(Datura meteloides)、ニンジン(Daucus carota)、カーネーション(Dianthus caryophyllus)、ソバ(Fagopyrum esculentum)、ウイキョウ(Foeniculum vulgare)、イチゴ(Fragaria chiloensis)、ダイズ(Glycine max)、ヒヤシンス(Hyacinthus orientalis)、サツマイモ(Ipomoea batatas)、レタス(Lactuca sativa)、セイヨウミヤコグサ(Lotus corniculatus)、ミヤコグサ(Lotus japonicus)、トマト(Lycopersicon esculentum)、ムラサキウマゴヤシ(Medicago sativa)、タバコ(Nicotiana tabacum)、イネ(Oryza sativa)、パセリ(Petroselinum hortense)、エンドウ(Pisum sativum)、セイヨウバラ(Rosa hybrida)、ナス(Solanum melongena)、ジャガイモ(Solanum tuberosum)、コムギ(Triticum aestivum)、トウモロコシ(Zea mays)、サトウダイコン(Beta vulgaris)、ワタ(Gossypium indicum)、アブラナ(Brassica campestris)、アマ(Linum usitatissimum)、サトウキビ、(Saccharum officinarum)、パパイヤ(Carica papaya)、ニホンカボチャ(Cucurbita moschata)、キュウリ(Cucumis sativus)、スイカ(Citrullus vulgaris)、メロン(Cucumis melo)、セイヨウカボチャ(Cucurbita maxima)などの有用植物、キンギョソウ(Antirrhinum majus)、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)、クロトン(Codiaeum variegatum)、シクラメン(Cyclamen persicum)、ポインセチア(Euphorbia pulcherrima)、ガーベラ(Gerbera jamesonii)、ヒマワリ(Helianthus annuus)、ゼラニウム(Pelargonium hortorum)、ペチュニア(Petunia hybrida)、セントポーリア(Saintpaulia ionatha)、セイヨウタンポポ(Taraxacum officinale)、トレニア(Torenia fournieri)、シロツメクサ(Trifolium repens)、シンビジウム属(Cymbidium)などの観賞植物、インドセンダン(Azadirachta indica)、ミカン属(Citrus)、アラビアコーヒーノキ(Coffea arabica)、ユーカリ属(Eucalyptus)、パラゴムノキ(Hevea brasiliensis)、セイヨウヒイラギ(Ilex aquifolium)、カラタチ(Poncirus trifoliata)、アーモンド(Prunus amygdalus)、カナダポプラ(Populus canadensis)、コノテガシワ(Biota orientalis)、スギ(Cryptomeria japonica)、ドイツトウヒ(Picea abies)、マツ属(Pinus)、ブドウ(Vitis vinifera)、リンゴ(Malus pumila)、アンズ(Prunus armeniaca)、カキ(Diospyros kaki)、イチジク(Ficus carica)、ニホングリ(Castanea crenata)、セイヨウハコヤナギ(Populus nigra)、エゾウコギ(Acanthopanax senticosus)などの木本類などが挙げられる。
また、本発明で用いる養水分とは、水、または植物種子を発芽・生育させるために必要な硝酸態窒素、アンモニア態窒素、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄およびマンガン、銅、亜鉛、モリブデン、ホウ素などの無機要素、チアミン、ピリドキシン、ニコチン酸、ビオチン、葉酸などの各種ビタミン、ココナットミルク、カゼイン加水分解物、酵母抽出物などの天然物質、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニンなどの有機窒素源、オーキシン、サイトカイン、ジベレリンなどの植物生長調節物質、ブドウ糖、ショ糖、果糖、麦芽糖などの炭素源、カナマイシン、ハイグロマイシンなどの抗生物質、バスタなどの農薬などを含有する水溶液である。
また、本発明で用いるイン・プランタ法および減圧浸潤法は、例えば、Bechtold N,Ellis J,Pelletier(1993)In planta Agrobacterium mediated gene transfer by infiltration of adult Arabidopsis thaliana plants.C.R.Acad.Sci.Paris,Life Sciences 316:1194−1199.や“モデル植物ラボマニュアル”、編者 岩渕雅樹、岡田清孝、島本功、シュプリンガー・フェアラーク東京株式会社、2000年4月13日発行に記載されているごとく行うことができる。減圧浸潤法の場合、簡単には、例えば、本発明による微多孔質体上で生育させた植物体を形質転換に好適な形態に整えた後、形質転換用の担体溶液に浸漬して減圧用チャンバーに入れ、減圧下にて所定時間(例えば、対象植物がシロイヌナズナの場合には、約400mmHg(約50kPa)にて4〜12分)置き、その後、減圧を徐々に解除する。処理後、植物体は適当な順化条件に付して生育させ、常法により抗生物質などを含有する培地上で形質転換体を選抜し、所望により種子などを収獲し得る。
実施例
以下に、本発明の植物形質転換用システムを用いた形質転換の試験例を記載する。
シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)の形質転換
村上粘土(新潟県産)を原料として製造した初期成長用の円筒形の微多孔質体(外径14mm、内径9mm、高さ45mm)を液体肥料1(ハイポネックス0.1%)を加えた水に浸し、湿った微多孔質体の内壁上端部にシロイヌナズナ種子を張り付けた。
23℃、3000lux連続照明下で約4週間栽培した後、同原料から製造した拡大成長用の円筒形の微多孔質体(外径14mm、内径9mm、高さ85mm)を液体肥料2(NaHPO・2HO 1.5mM、NaHPO・12HO 0.25mM、MgSO・7HO 1.5mM、Ca(NO・4HO 2mM、KNO 3mM、Na・EDTA67μM、FeSO・7HO 8.6μM、MnSO・4HO 10.3μM、HBO 30μM、ZnSO・7HO 1.0μM、CuSO・5HO 1.0μM、(NH・Mo24・4HO 0.024μM、CoCl・6HO 0.13μM)を加えた水に浸し、湿った微多孔質体の内側表面に根が接触するように植えかえ、再び、23℃、3000lux連続照明下で、約4週間栽培した。
一方、バイナリーベクターpBI121を含むアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacaterium tumefaciens)(EHA105)をカナマイシン100mg/lを含むLB培地中、28℃にて48時間培養した。遠心後に、細菌ペレットを初期培養液の2倍量の浸潤用培地(IM)に再懸濁した(IM=0.1%ハイポネックス5−10−5、1%スクロース、0.02% Silwet L−77および0.044μM 6−ベンジルアミノプリンを含有する1/2 Gamborg’s B−5培地)。
上述のように10の微多孔質体上で生育させたシロイヌナズナ植物体を反転させて、500ml容積ビーカー中の300mlの上記アグロバクテリウムを含有するIM培地に浸漬した。このビーカーに浸漬した状態のシロイヌナズナ植物体を真空チャンバー中で減圧(50kPa)に5分間付した。浸潤させた植物体を前記と同じ条件下にて6週間生育させて、最終的に約10000個の種子を回収した。
そのうちの約5000個の種子を選択培地(カナマイシン100mg/lを含有する1/2 MS培地)上に播種し、2週間後にも生育している形質転換植物体を選抜した。
その結果、播種した種子数に対して0.14%、0.10%および0.12%に相当する形質転換植物体が得られた(3回反復実験の結果)。従来の土壌栽培のシロイヌナズナを用いた実験では60000粒の種子に対して70個体の形質転換体が得られることが報告されている(0.12%の形質転換効率、前掲のBechtoldら)ことから、本発明の微多孔質体上で栽培した植物においても、土壌栽培と同様の形質転換効率が得られることが判明した。
しかし、上述したように、本発明の微多孔質体を用いる植物栽培では、従来の土壌栽培よりも1の植物体あたりに必要な栽培面積が少なくてすむため(シロイヌナズナの場合、土壌栽培:54植物体/30×40cm、微多孔質体栽培:63植物体/46×20cm)、人工気象機などの限られたスペースでより多くの植物体を栽培することができる。したがって、より多くの植物体に対して形質転換処理を行ない得ることから、実際の形質転換効率以上の効果が奏される。
産業上の利用分野
本発明によれば、健全で高品質の植物体を質的および量的に安定して供給し得る、より厳密・簡便、かつより高速・効率的な実験、研究および開発に用いることができる植物形質転換用器具、植物形質転換用システムおよび植物形質転換方法ならびに親形質転換植物体の異種遺伝子を保有する植物種子の選抜方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
図1は、イン・プランタ法により植物体を形質転換するために従来用いられていた方法を示す図である。
図2は、本発明の1の実施形態の植物形質転換用システムを示す図である。
図3は、1の保持手段に挿嵌された複数の微多孔質体を貯溜タンクに設置している本発明の1の実施形態の植物形質転換用システムを示す図である。
図4は、本発明の1の実施形態における養水分供給手段を付設した微多孔質体を示す部分断面図である。
図5は、テーパ状凹部を有する保持手段に複数の微多孔質体を挿嵌した本発明の1の実施形態の植物形質転換用システムを示す図である。
図6は、図5の実施形態の植物形質転換用システムを用いて植物体をイン・プランタ法により形質転換する工程を示す図である。
図7は、本発明の1の実施形態の植物形質転換システムを用いて、担体溶液に浮遊させつつイン・プランタ法による植物体の形質転換を示す図である。
図8は、本発明の1の実施形態の植物形質転換システムを示す図である。
図9は、図8の植物形質転換システムおよびそれを挿嵌して植物体を担体溶液に浸漬する担体溶液タンクを示す図である。
図10は、微多孔質体を保持手段に懸架するためのフックおよび磁石を付装したキャップを示す図である。
図11は、本発明の1の実施形態の植物形質転換用システムを示す図である。
図12は、本発明の1の実施形態の植物形質転換用システムを示す図である。
図13は、本発明の1の実施形態の植物形質転換用システムを示す図である。
図14は、本発明の1の実施形態における担体溶液タンクを示す図である。
図15は、本発明の1の実施形態の植物形質転換用システムを示す図である。

Claims (13)

  1. その各々の表面で植物種子を発芽・生育させる複数の微多孔質体と、該複数の微多孔質体を着脱可能に保持する保持手段とを含み、ここに植物種子は微多孔質体が有する連通孔により保持された養水分を該微多孔質体の表面から吸収して発芽・生育し、ここに該保持手段に保持された複数の微多孔質体の表面に生育した複数の植物体を形質転換用遺伝子を保持する担体溶液に略同時に浸漬してイン・プランタ法により形質転換することを特徴とする植物形質転換用システム。
  2. イン・プランタ法が減圧浸潤法であることを特徴とする請求項1記載の植物形質転換用システム。
  3. 養水分が微多孔質体と接して保持手段内に貯溜されている請求項1または2記載の植物形質転換用システム。
  4. さらに、養水分を貯溜する貯溜タンクと、微多孔質体と貯溜タンク内の養水分とを連絡する養水分供給手段とを含み、該養水分供給手段を介して貯溜タンク内の養水分が微多孔質体に供給される請求項1または2記載の植物形質転換用システム。
  5. 微多孔質体が円筒形であって、その内壁表面で植物種子を発芽・生育させる請求項1〜4いずれか1項記載の植物形質転換用システム。
  6. 植物がドクゼリモドキ(Ammi majus)、タマネギ(Allium cepa)、ニンニク(Allium sativum)、セロリ(Apium graveolens)、アスパラガス(Asparagus officinalis)、テンサイ(Beta vulgaris)、カリフラワー(Brassica oleracea var. botrytis)、メキャベツ(Brassica oleracea var. gemmifera)、キャベツ(Brassica oleracea var. capitata)、セイヨウアブラナ(Brassica napus)、ヒメウイキョウ(Carum carvi)、キク(Chrysanthemum morifolium)、ドクニンジン(Conium maculatum)、オウレン(Coptis japonica)、キクニガナ(Cichorium intybus)、カザリカボチャ(Curcurbita pepo)、アメリカチョウセンアサガオ(Datura meteloides)、ニンジン(Daucus carota)、カーネーション(Dianthus caryophyllus)、ソバ(Fagopyrum esculentum)、ウイキョウ(Foeniculum vulgare)、イチゴ(Fragaria chiloensis)、ダイズ(Glycine max)、ヒヤシンス(Hyacinthus orientalis)、サツマイモ(Ipomoea batatas)、レタス(Lactuca sativa)、セイヨウミヤコグサ(Lotus corniculatus)、ミヤコグサ(Lotus japonicus)、トマト(Lycopersicon esculentum)、ムラサキウマゴヤシ(Medicago sativa)、タバコ(Nicotiana tabacum)、イネ(Oryza sativa)、パセリ(Petroselinum hortense)、エンドウ(Pisum sativum)、セイヨウバラ(Rosa hybrida)、ナス(Solanum melongena)、ジャガイモ(Solanum tuberosum)、コムギ(Triticum aestivum)、トウモロコシ(Zea mays)、サトウダイコン(Beta vulgaris)、ワタ(Gossypium indicum)、アブラナ(Brassica campestris)、アマ(Linum usitatissimum)、サトウキビ(Saccharum officinarum)、パパイヤ(Carica papaya)、ニホンカボチャ(Cucurbita moschata)、キュウリ(Cucumis sativus)、スイカ(Citrullus vulgaris)、メロン(Cucumis melo)、セイヨウカボチャ(Cucurbita maxima)などの有用植物、キンギョソウ(Antirrhinum majus)、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)、クロトン(Codiaeum variegatum)、シクラメン(Cyclamen persicum)、ポインセチア(Euphorbia pulcherrima)、ガーベラ(Gerbera jamesonii)、ヒマワリ(Helianthus annuus)、ゼラニウム(Pelargonium hortorum)、ペチュニア(Petunia hybrida)、セントポーリア(Saintpaulia ionatha)、セイヨウタンポポ(Taraxacum officinale)、トレニア(Torenia fournieri)、シロツメクサ(Trifolium repens)、シンビジウム属(Cymbidium)などの観賞植物、インドセンダン(Azadirachta indica)、ミカン属(Citrus)、アラビアコーヒーノキ(Coffea arabica)、ユーカリ属(Eucalyptus)、パラゴムノキ(Hevea brasiliensis)、セイヨウヒイラギ(Ilex aquifolium)、カラタチ(Poncirus trifoliata)、アーモンド(Prunus amygdalus)、カナダポプラ(Populus canadensis)、コノテガシワ(Biota orientalis)、スギ(Cryptomeria japonica)、ドイツトウヒ(Picea abies)、マツ属(Pinus)、ブドウ(Vitis vinifera)、リンゴ(Malus pumila)、アンズ(Prunus armeniaca)、カキ(Diospyros kaki)、イチジク(Ficus carica)、ニホングリ(Castanea crenata)、セイヨウハコヤナギ(Populus nigra)、エゾウコギ(Acanthopanax senticosus)などの木本類よりなる群から選択される請求項1〜5いずれか1項記載の植物形質転換用システム。
  7. 微多孔質体の表面で植物種子を発芽・生育させ、ここに植物種子は微多孔質体が有する連通孔により保持された養水分を該微多孔質体の表面から吸収して生育し;ついで
    該微多孔質体の表面に生育した植物体を形質転換用遺伝子を保持する担体溶液に浸漬してイン・プランタ法により形質転換することを含む植物形質転換方法。
  8. イン・プランタ法が減圧浸潤法であることを特徴とする請求項7記載の植物形質転換方法。
  9. 複数の微多孔質体を保持手段に着脱可能に保持し;
    各微多孔質体の表面に植物種子を播種し、ここに植物種子は微多孔質体内部が有する連通孔により保持された養水分を該微多孔質体の表面から吸収して発芽・生育し;ついで
    該保持手段に保持された複数の微多孔質体の表面に生育した複数の植物体を形質転換用遺伝子を保持する担体溶液に略同時に浸漬してイン・プランタ法により形質転換することを含む植物形質転換方法。
  10. イン・プランタ法が減圧浸潤法であることを特徴とする請求項9記載の植物形質転換方法。
  11. さらに、担体溶液に浸漬する前に、形質転換に好適な段階まで生育した植物体を有する微多孔質体のみを選抜して1の保持手段に保持して、形質転換に付すことを含む請求項9または10記載の植物形質転換方法。
  12. (i)微多孔質体の一部分を1以上の第1の選抜用薬剤を含有する養水分に浸漬し;
    (ii)形質転換植物体から得られた植物種子を該微多孔質体の表面に播種し、ここに形質転換植物体は該第1の選抜用薬剤に対する耐性遺伝子を含む少なくとも1の異種遺伝子で形質転換されており、ここに植物種子は微多孔質体内部が有する連通孔により保持された選抜用薬剤を含有する養水分を該微多孔質体の表面から吸収して、親形質転換植物体の該異種遺伝子を保有する植物種子は発芽ないし生育することができ、親形質転換植物体の該異種遺伝子を保有しない植物種子は発芽ないし生育することができず;ついで
    (iii)発芽ないし生育することができた植物体を得るか、または、
    さらに、この植物体から得られた植物種子と第1の選抜用薬剤またはその代わりに該第1の選抜用薬剤とは異なる1以上の選抜用薬剤とを用いて(i)ないし(iii)の工程を1回以上繰返すことを含み、ここに該形質転換植物体がその選抜用薬剤に対する耐性遺伝子をも含むことを特徴とする親形質転換植物体の異種遺伝子を保有する植物の選抜方法。
  13. 請求項12で得られた、第1の選抜用薬剤に対する耐性遺伝子を有する植物種子を該微多孔質体の表面に播種し、ここに、該植物種子は微多孔質体内部が有する連通孔により保持された該第1の選抜用薬剤とは異なる1以上の選抜用薬剤もしくは養水分を該微多孔質体の表面から吸収して、発芽ないし生育し、該第1の選抜用薬剤とは異なる選抜用薬剤に対する耐性遺伝子を含むこと、もしくは導入目的とした遺伝子の形質が表現形として表現し得ることを確認する作業を少なくとも1回以上行うことを特徴とする親形質転換植物体の異種遺伝子を保有する植物の選抜方法。
JP2003583091A 2002-04-15 2003-04-14 植物形質転換用システム Expired - Fee Related JP4324481B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002111943 2002-04-15
JP2002111943 2002-04-15
PCT/JP2003/004681 WO2003086053A1 (fr) 2002-04-15 2003-04-14 Systeme de transformation de plantes

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2003086053A1 JPWO2003086053A1 (ja) 2005-08-18
JP4324481B2 true JP4324481B2 (ja) 2009-09-02

Family

ID=29243299

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003583091A Expired - Fee Related JP4324481B2 (ja) 2002-04-15 2003-04-14 植物形質転換用システム

Country Status (9)

Country Link
US (1) US20050155101A1 (ja)
EP (1) EP1495670A4 (ja)
JP (1) JP4324481B2 (ja)
KR (1) KR20050003368A (ja)
CN (1) CN100475948C (ja)
AR (1) AR039415A1 (ja)
AU (1) AU2003236241A1 (ja)
TW (1) TW200307501A (ja)
WO (1) WO2003086053A1 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7343351B1 (en) 1999-08-31 2008-03-11 American Express Travel Related Services Company, Inc. Methods and apparatus for conducting electronic transactions
TW200516147A (en) * 2003-10-15 2005-05-16 Phytoculture Control Co Ltd Method for transforming plants and equipment for use therein
ES2725570T3 (es) 2012-02-15 2019-09-24 Medicago Inc Dispositivo de infiltración de plantas
GB2527132A (en) * 2014-06-13 2015-12-16 Jerome A Schneir A seedling device and associated method
CN104263645B (zh) * 2014-09-16 2016-03-23 云南省农业科学院生物技术与种质资源研究所 一种水稻真空渗透遗传转化装置
CN104195170B (zh) * 2014-09-16 2016-04-13 云南省农业科学院生物技术与种质资源研究所 一种水稻真空渗透遗传转化方法
WO2016196714A1 (en) * 2015-06-02 2016-12-08 Clemson University Plant propagation system and method
GB201905542D0 (en) * 2019-04-18 2019-06-05 Phytoform Labs Ltd Methods, systems and apparatus for plant material screening and propagation
DE202020000320U1 (de) * 2020-01-27 2021-04-28 Pöppelmann Holding GmbH & Co. KG Pflanzenanzuchtbehältnis für die In-Vitro-Vermehrung
WO2022103865A1 (en) * 2020-11-10 2022-05-19 Georgia Tech Research Corporation Method and devices for in vitro plant material for growing and cutting plant material

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3044006B2 (ja) * 1996-09-30 2000-05-22 ハイトカルチャ株式会社 栽培装置およびその製造方法
AU762964B2 (en) * 1998-10-15 2003-07-10 Protein Research Trust Transformation process
NZ513993A (en) * 1999-04-21 2001-09-28 Samuel Roberts Noble Found Inc Plant transformation process
US6306645B1 (en) * 1999-06-25 2001-10-23 Incell Ltd. Container for explant culture, method of using same, and process, mold and apparatus of making same
KR100952246B1 (ko) * 2001-11-16 2010-04-09 화이토칼쳐 가부시키가이샤 생물 배양 장치 및 생물 배양 방법

Also Published As

Publication number Publication date
EP1495670A4 (en) 2005-04-13
EP1495670A1 (en) 2005-01-12
TW200307501A (en) 2003-12-16
US20050155101A1 (en) 2005-07-14
CN100475948C (zh) 2009-04-08
AR039415A1 (es) 2005-02-16
KR20050003368A (ko) 2005-01-10
JPWO2003086053A1 (ja) 2005-08-18
CN1662135A (zh) 2005-08-31
WO2003086053A1 (fr) 2003-10-23
AU2003236241A1 (en) 2003-10-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Paek et al. Application of bioreactor systems for large scale production of horticultural and medicinal plants
RU2364622C2 (ru) Устройство для культивирования организмов и способ культивирования организмов
JP4324481B2 (ja) 植物形質転換用システム
CN109652444B (zh) 发根农杆菌介导的桃根系稳定转化方法及其应用
CA2705037A1 (en) Method for pine cell tissue culture on support membrane
WO1997023126A2 (en) Process for propagation and/or selection of plant material
CN110172473A (zh) 一种棉花早期基因沉默方法Si-VIGS
Yoeup et al. Micropropagation of woody plants using bioreactor
Takayama et al. Practical aspects of bioreactor application in mass propagation of plants
Ledger et al. Transformation of lisianthus (Eustoma grandiflorum)
Chen et al. Agrobacterium‐Mediated Transformation of Brachypodium distachyon
Frame et al. Maize (Zea mays L.)
Young et al. Approaching mechanization of plant micropropagation
WO2005036953A1 (ja) 植物形質転換方法およびそれに用いる植物形質転換用器具
CN105794622A (zh) 一种植物水培方法及其专用装置
CN205584987U (zh) 一种植物水培装置
Sharma et al. Chickpea (Cicer arietinum L.)
CN108307915B (zh) 柑橘幼年态节间茎段的叠氮化钠诱变处理方法
CN106171971B (zh) 一种丁香叶忍冬组培快繁的方法
EP3251493A1 (en) A method and device for producing a stabilized growing medium for cultivation of a plant or seedling
CN108522280A (zh) 一种转基因百脉根组培苗的培育方法
CN114921491B (zh) 一种农杆菌介导的芍药瞬时表达的方法
CN114149996B (zh) GhAIL6基因在促进棉花胚性愈伤组织形成的用途
WO1998056932A1 (en) Genetic modification of plant material
CN117187294B (zh) BnaC5.ACBP4基因在提高植物耐水淹性中的应用

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060331

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090210

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090413

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090512

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090608

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120612

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130612

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees