JP4323755B2 - 回動型現像体及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式或いは静電気録方式の複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置に関するものであり、より詳しくは、カラー複写機、カラーファクシミリ、カラープリンタなどの多色画像の形成が可能な画像形成装置のうち、特に回動型現像体を有するものに好適に適用しうるものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、多色画像形成においては、複数色のトナー像を、例えば像担持体たる電子写真感光体(感光体)上に順次形成し、この複数色のトナー像を記録用紙等の転写媒体上に順次或いは一括して重ね合わせる手法が用いられている。
【0003】
このような多色画像形成装置において、例えば回動型現像体にブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色用の現像器を装着し、この回動型現像体を回転させることにより必要な現像器を順次像担持体たる感光体に対向する現像位置へ移動させて現像動作を行う、所謂、回転現像方式が従来より提案及び実用化されている。
【0004】
一方、従来の電子写真方式或いは静電記録方式の画像形成装置、その中でも特に有彩色の画像形成を行う多色画像形成装置において、主に非磁性トナーと磁性キャリアを混合して現像剤として使用する2成分現像方式が広く利用されている。2成分現像方式は現在提案されている他の現像方式と比較して、画質の安定性、装置の耐久性などの長所を備えている。一方、2成分現像方式では、長期の耐久による現像剤の劣化、特にキャリアの劣化が不可避であったため、装置の長期使用に伴い現像剤交換という作業が必要となり、そのため、サービスコストやランニングコストの増大をもたらしていた。
【0005】
このような問題を解決する方法が従来いくつか提案されている。例えば、現像器に交換可能な現像剤補給カートリッジを装填し、トナーとキャリアを含む現像剤の補給と、現像剤の回収とを行う現像器(特開平6−308829号公報参照)がある。
【0006】
しかし、この現像器では、複数のスクリューを使用して現像器からオーバーフローした現像剤を現像剤補給カートリッジに回収する構造を採用しているため、装置が大掛かりとなり、制御機構も複雑となる。又、このような構成の現像器及び現像剤補給カートリッジを回動型現像体に搭載すると、回動型現像体の径が大きくなって装置が大型になる。更に、現像剤の搬送経路が複雑で、回動型現像体を回転させた際に、現像剤が漏れる虞がある。
【0007】
そこで、特に回転現像方式において、回動型現像体の回転運動に伴う重力作用方向の変化を利用して、現像器へ2成分現像剤を補給し、且つ、現像器から2成分現像剤を排出する現像剤排出方式が実用化されている。
【0008】
例えば、特開平9-218575号公報では、本願の図6に示すように、感光ドラム201と対向する現像位置P1において、現像動作によって消費した分のトナーを含む現像剤を現像器210に補給し、現像器210内の過剰な現像剤は回動型現像体204の回転による重力の作用方向の変化を利用して、排出口221、搬送管222、回収口223を介して現像剤カートリッジ220に排出する構成の回転現像方式を開示している。つまり、回動型現像体204に特有の動きを利用して、現像剤の補給及び回収を行うため、構造がシンプルであり、装置の大型化やコストの高騰を引き起こすことなく、キャリアの帯電能低下を防いでいる。
【0009】
一方、特開平10-142888号公報では、本願の図7に示すように、現像器310が感光ドラム301と対向する現像位置P1において、現像器301から排出口321を介して排出した現像剤を、一時的に貯溜部322で貯溜し、回動型現像体304の回転による重力の作用方向の変化を利用して、貯留部322内の現像剤を回収口323aを介して回動型現像体304の中心の円筒軸323へ搬送し、円筒軸323内の現像剤搬送部材323bにより、円筒軸323の軸端に設けられた現像剤回収容器(図示せず)内で最終的に回収する構成の回転現像方式を開示している。つまり、特開平9-218575号公報で提案された画像形成装置と同様に、回動型現像体304に特有の動きを利用して、現像剤の排出を行っている。そのため、装置の大型化を引き起こすことなく、キャリアの帯電能低下を防いでいる。加えて、単色の画像形成が連続する場合においても、現像動作を停止することなく現像位置において現像器310内の余剰現像剤を現像器310外の貯溜部322へ排出する構成としているため、画像生産性の低下をある程度抑え、現像器310内の現像剤量を許容値内に維持している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来例では以下に掲げるような課題があった。
【0011】
近年フルカラー複写機/プリンタの市場が拡大し、様々な機能が要求されている中で、装置の小型化及び低コスト化を有しつつ、高画像生産性を追求した画像形成装置が多く製品化されており、今後も市場の主流の一つになっていくと思われる。
【0012】
上記特開平9-218575号公報に記載される画像形成装置では、回動型現像体204の回転運動を利用して劣化した現像剤を現像剤カートリッジへ排出するので、構造はシンプルであり、装置の大型化やコスト高を引き起こすことがなく、且つ、劣化した現像剤を新しい現像剤と徐々に入れ替えていくことで、現像剤全体としての特性を安定させている。そのため、現像剤交換が不要となり、メンテナンス性が向上する。しかし、現像位置P1において現像器210内の余剰現像剤が現像器210外へ排出されないため、特に単色の高濃度画像が連続して形成される場合には、現像器210内の現像剤量の増加を防止するため、画像形成中にも拘わらず現像動作を停止して現像剤の排出動作、つまり、回動型現像体204の回転動作を行わなければならず、画像生産性の大幅な低下を避けることができなかった。
【0013】
一方、上記特開平10-142888号公報に記載される画像形成装置では、劣化した現像剤を回動型現像体304の円筒軸323の端部に設けた回収容器内へ排出し、新しい現像剤と徐々に入れ替えていくことで、現像剤全体としての特性を安定させている。これにより、現像剤交換が不要となり、メンテナンス性が向上し、加えて、現像位置P1において現像器310内の余剰現像剤を現像器310外の貯溜部322へ排出する構成であるので、単色連続画像作像中に、ある程度の余剰現像剤排出量までは、回動型現像体304を回転させることなく安定して現像剤を排出できる構成である。従って、その許容範囲内においては、現像剤の排出動作のために画像生産性が低下することはない。
【0014】
しかしながら、この画像形成装置においても、上記特開平9-218575号公報に記載の画像形成装置と同様に、基本的には、現像剤を回収口323aまで排出するのに、回動型現像体304の回転移動による重力方向の変化を利用して落下させているので、貯溜部322に排出現像剤が溜まりすぎてしまう(前述の許容範囲を超えてしまう)と、それ以上排出動作ができなくなる。
【0015】
そのため、特に単色の高濃度画像が連続して形成される場合には、貯溜部322内の現像剤量の増加を防止するために、画像形成中にも拘わらず、現像動作を停止して現像剤の排出動作、つまり、回動型現像体304の回転動作を行わなければならない。このため、やはり、画像生産性の大幅な低下を避けることができなかった。
【0016】
又、現像器310に貯溜部322を別途設けなければならない構成であるため、通常の画像形成には不必要な部材を複数備えなければならず、装置の複雑化及びコストの急騰を避けることができなかった。
【0017】
ところで、従来、回動型現像体を有する電子写真方式の画像形成装置においては、作像動作をしていない場合に、現像器が備える現像剤担持体の強力な磁力によって感光体に悪影響を及ぼさぬよう、現像器に設けられた現像剤担持体を感光体に対向させない位相位置(所謂、ホームポジション)に停止待機させる構成が多く見られる。
【0018】
又、回動型現像体にトナーボトルからなる現像剤カートリッジを着脱する構成をとる場合には、現像剤カートリッジを交換するために停止待機する位相位置も、上記現像位置やホームポジション停止待機位置とは別な位相位置に設ける場合がある。
【0019】
このような構成をとる場合には、各色の現像器が現像位置に配置されるときの回動型現像体の停止位置である「現像停止位置」以外に、複数の回動型現像体の停止待機位置が必要となる。例えば、4色の現像器を保持した回動型現像体が備える現像器の停止位置は、現像位置を0度とし、そこから90度、180度、270度、360度の4箇所に限定されるものではなく、この他に複数の停止位置を有する構成とならざるを得ない。
【0020】
ところが、上述した特開平9-218575号公報及び特開平10-142888号公報にそれぞれ記載される画像形成装置では、ともに回動型現像体の回転移動による重力方向の変化を利用して、余剰現像剤を排出先に落下させる構成であるため、回転停止位置が増すほど排出機構が安定しなくなるこれにより、予期せぬ排出が行われる場合があり、高画質を維持することが難しくなる。
【0021】
特に、回動型現像体を有する画像形成装置においては、近年の高生産性に対応するために、この回動型現像体の切り替え時間の短縮化が進んでいる。この場合、回動型現像体の回転開始・停止時の衝撃力が大きくなる傾向があるが、連続作像動作以外の回転モードでは、衝撃力を小さくするために、加減速カーブを緩やかに設定する場合も多くある。このように、複数の回動型現像体の回転モードを有する場合には、上述した回転停止位置増加に伴う排出機構の不安定性は更に助長される傾向にある。
【0022】
これは、連続作像動作中において前述の現像停止位置は定期的に安定して訪れるのに対して、「ホームポジション待機位置」はジョブの終了後に、又「現像剤カートリッジ交換停止待機位置」はカートリッジ内のトナーが少なくなった場合に、その時にのみ停止待機するためである。これら全ての条件を包括して、且つ、安定した現像剤の排出特性を得ようとするならば、その条件設定に非常に苦労を要するものであった。
【0023】
つまり、従来の技術では、現像剤の交換作業が不要になりメンテナンス性は向上するが、安定した高画質維持特性を得るのは難しく、特に単色の高濃度画像が連続する場合などを考慮すると、装置のシンプル化及び低コスト化と、高画像生産性の両方を同時に実現することは非常に困難であった。
【0024】
従って、本発明の目的は、現像剤の交換が不要であるという高メンテナンス性と高画像生産性とを、簡易な構成で実現することのできる回動型現像体及び画像形成装置を提供することである。
【0025】
本発明の他の目的は、複数の現像器を備える回動型現像体が複数の位相位置で停止する場合であっても、常に安定して高画質画像を維持することを可能とする回動型現像体及び画像形成装置を提供することである。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記目的は本発明に係る回動型現像体及び画像形成装置にて達成される。要約すれば、第1の本発明は、トナーとキャリアとを備える現像剤を用いて現像する現像器を複数支持し、回動軸を中心に回動することで、像担持体に形成された静電潜像を現像する現像位置に所望の現像器を移動する回動型現像体において、前記各現像器に回転可能に設けられ、前記現像剤を層状に保持して担持搬送し、前記静電潜像を現像する現像剤担持体と、前記各現像器に設けられ、前記現像器が前記現像位置にあるとき、前記現像器内における前記現像剤担持体よりも下方に配置され、前記現像器内の現像剤を攪拌搬送するスクリューと、前記現像器の外部から前記現像器内に現像剤を補給するために前記各現像器に設けられた補給口と、前記現像器内の余剰現像剤を前記現像器から排出するために前記各現像器に設けられ、前記現像器が前記現像位置にあるとき、前記スクリューの上部と略同じ高さに配置された排出口と、前記回動型現像体の回動中心近傍に設けられ、前記排出口から排出された余剰現像剤を前記回動型現像体外部へと搬送する搬送部と、前記排出口から排出された余剰現像剤を前記搬送部に回収するために前記搬送部に設けられた回収口と、前記各現像器に対応して設けられ、前記現像器が前記現像位置にあるとき、前記排出口と前記回収口とを連通し、前記排出口から排出された余剰現像剤を前記回収口へと運ぶ連通部と、を有し、前記現像器が前記現像位置にあるときに、前記現像位置にある現像器の前記排出口は、前記現像位置にある現像器に対応する前記回収口よりも上方に位置し、これにより前記排出口から排出された余剰現像剤は、自重により前記連通部を通って前記回収口へと落下し、前記現像剤担持体は、前記現像位置において、前記像担持体に対向する面が下方から上方に向かって移動する方向に回転することを特徴とする回動型現像体である。
【0027】
第2の本発明によると、トナーとキャリアとを備える現像剤を用いて現像する現像器を複数支持し、回動軸を中心に回動することで、像担持体に形成された静電潜像を現像する現像位置に所望の現像器を移動する回動型現像体を備えた画像形成装置において、前記回動型現像体は、前記各現像器に回転可能に設けられ、前記現像剤を層状に保持して担持搬送し、前記静電潜像を現像する現像剤担持体と、前記各現像器に設けられ、前記現像器が前記現像位置にあるとき、前記現像器内における前記現像剤担持体よりも下方に配置され、前記現像器内の現像剤を攪拌搬送するスクリューと、前記現像器の外部から前記現像器内に現像剤を補給するために前記各現像器に設けられた補給口と、前記現像器内の余剰現像剤を前記現像器から排出するために前記各現像器に設けられ、前記現像器が前記現像位置にあるとき、前記スクリューの上部と略同じ高さに配置された排出口と、前記回動型現像体の回動中心近傍に設けられ、前記排出口から排出された余剰現像剤を前記回動型現像体外部へと搬送する搬送部と、前記排出口から排出された余剰現像剤を前記搬送部に回収するために前記搬送部に設けられた回収口と、前記各現像器に対応して設けられ、前記現像器が前記現像位置にあるとき、前記排出口と前記回収口とを連通し、前記排出口から排出された余剰現像剤を前記回収口へと運ぶ連通部と、を有し、前記現像器が前記現像位置にあるときに、前記現像位置にある現像器の前記排出口は、前記現像位置にある現像器に対応する前記回収口よりも上方に位置し、これにより前記排出口から排出された余剰現像剤は、自重により前記連通部を通って前記回収口へと落下し、前記現像剤担持体は、前記現像位置において、前記像担持体に対向する面が下方から上方に向かって移動する方向に回転することを特徴とする画像形成装置が提供される。
【0028】
上記各本発明において、前記補給口から補給される現像剤はキャリアを含んでいてよい。上記各本発明の一実施態様によると、前記排出口を開閉するシャッター部材を有し、該シャッター部材により、前記現像位置において前記排出口は開状態であり、且つ、前記現像位置以外の位置において前記排出口が閉状態とされる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る回動型現像体及び画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0031】
実施例1
図1は本発明に係る画像形成装置の一実施例の概略断面を示す。本実施例の画像形成装置100は、回動型現像体を備えた多色画像形成装置(カラー複写機)である。
【0032】
本実施例の画像形成装置100は、本実施例において最も特徴的である回動型現像体たるロータリ現像器104を有する。又、画像形成装置本体(装置本体)Aは、原稿載置台110、光源111、ミラー系112、レンズ系113及びCCDユニット114などを備えるリーダ部R、給紙部V、画像形成部Iなどを備えている。給紙部Vは、記録用紙、OHPシートなどの転写材Sを収容して装置本体Aに着脱自在なカセット115及び手差しカセット116を有し、このカセット115及び手差しカセット116から転写材Sが供給される。
【0033】
画像形成部Iには、像担持体としての円筒状の電子写真感光体、即ち、感光ドラム101、感光ドラム101を帯電処理する帯電手段としての1次帯電器102、現像剤カートリッジ6が装着されて一体となった複数の現像器(現像手段)11を内蔵するロータリ現像器104(図2)、現像後の画質を調整するポスト帯電器117、例えば4色のトナー像を重ねて転写作像した後、転写材Sへ多色画像を転写する中間転写体たる無端円環状の転写ベルト105、転写後に感光ドラム101上に残留するトナー(転写残トナー)などをクリーニングするドラムクリーナ108、2次転写部N2において転写ベルト105から転写材Sへトナー画像を転写する2次転写手段としての2次転写ローラ107、転写ベルト105上の転写残トナーをクリーニングするベルトクリーナ118などがそれぞれ配設されている。転写ベルト105は複数のローラに掛け渡されて無端移動する。転写ベルト105を介して感光ドラム105と対向する位置には、感光ドラム101上から転写ベルト105へとトナー像を転写するための一次転写手段たる一次転写ローラ106が配置され、1次転写部N1を形成している。
【0034】
尚、図2に示されているように、本実施例においては、ロータリ現像器104は、回動可能な現像器支持体であるロータリ104aに、ブラック用現像器11K、イエロー用現像器11Y、マゼンタ用現像器11M、シアン用現像器11Cの、4色の現像色用の現像器を有している。ロータリ現像器104は、円筒状の回動軸(円筒軸)104bの周りを図中矢印aの反時計方向に回転し、必要時に所望の色用の現像器を感光ドラム101と対向する現像位置P1へと移動させる。
【0035】
転写材Sの搬送経路において、画像形成部Iの上流側には、給紙部Vにおいてカセット115若しくは手差しカセット116からピックアップローラ119、搬送ローラ120、搬送路121を介して供給される転写材Sの姿勢位置精度を高め、転写ベルト105上のトナー像に合わせて転写材Sをタイミングよく送り出すレジストローラ122が設けられている。又、下流側にはトナー像が転写された転写材Sを搬送する搬送装置123、転写材S上の未定着画像を定着する定着装置124、画像が定着された転写材Sを装置本体A外に排出する排出ローラ124などが配設されている。
【0036】
本実施例においては、ロータリ現像器104の一例として4色ロータリの構成を示すが、本発明の主旨からしてロータリに搭載される現像器の数は、これに限定されるものでないことは言うまでもない。
【0037】
次に、本実施例の画像形成装置100の動作を説明する。装置本体Aに設けられている、画像形成装置100の動作を統括制御する制御装置(図示せず)から給紙信号が出力されると、カセット115又は手差しカセット116から転写材Sが供給される。一方、リーダ部Rにて光源111から原稿載置台110に載置されている原稿Dに当てられて反射した光は、一旦CCDユニット114により読み取られた後、電気信号に変換される。この信号は、画像形成部Iが備える露光手段としてのレーザースキャナーユニット103からのレーザー光Lに置き換えられて、図中矢印R1の反時計方向に回転する感光ドラム101上に照射される。感光ドラム101は、予め一次帯電器102により帯電されており、光が照射されることにより静電潜像が形成される。その後、ロータリ現像器104内に配された複数の現像器11により、選択された色のトナー像が形成される。
【0038】
感光ドラム101上に形成されたトナー像は、ポスト帯電器117によって電位が調整され、やがて1次転写部N1にて1次転写ローラ106に印加される1次転写バイアス電圧の作用で転写ベルト105上に転写される。転写ベルト105に転写されたトナー像は、カラーモードの場合には次のトナー像が形成転写されるよう転写ベルト105を更に1回転することで1次転写部N1に向かう。この間、ロータリ現像器104は次の指定色の現像器を感光ドラム101に対向するように図中矢印aの反時計方向に回転し、次の静電潜像を現像する準備をする。
【0039】
こうして、フルカラーモードでは所定画像(色)数のトナー画像が転写ベルト105に順次転写され終わるまで、静電潜像形成・現像・転写の各工程を繰り返す。
【0040】
一方、給紙部Vから給送された転写材Sはレジストローラ122で斜行が補正され、更にタイミングが合わされて画像形成部Iへ送られる。そして、2次転写ローラ107に印加される2次転写バイアス電圧の作用により、転写ベルト105から転写材Sにトナー像が転写される。
【0041】
その後、転写ベルト105から分離された転写材Sは、搬送装置123により定着装置109に搬送され、ここで熱と圧力により転写材Sに未定着転写画像が永久定着される。画像が定着された転写材Sは排出ローラ124により装置本体Aから排出される。
【0042】
このようにして、給紙部Vから給送された転写材Sに画像が形成されて排出される。又、トナー像を転写した後に感光ドラム101に残留する転写残トナーなどは、ドラムクリーナ108で除去・清掃され、転写ベルト105に残留する転写残トナーなどは、ベルトクリーナ118により除去・清掃され、感光ドラム101及び転写ベルト105は繰り返し画像形成に供される。
【0043】
次に、本実施例のロータリ現像器(回動型現像体)104について更に説明する。
【0044】
図2に示されるように、本実施例では、ロータリ現像器104は、回動可能な現像器支持体であるロータリ104aにブラック用現像器11K、イエロー用現像器11Y、マゼンタ用現像器11M、シアン用現像器11Cを有する。ロータリ現像器104は、装置本体Aに設けられた駆動手段としてのモータ(図示せず)により、回動軸(円筒軸)104bの周りを自在に回転可能である。
【0045】
例えば、先ず感光ドラム101上にブラックのトナー像を形成する時は、感光ドラム101と近接する現像位置P1でブラック用現像器11Kにより現像を行い、次にイエローのトナー像を形成する時は、ロータリ現像器104を図中矢印aの反時計方向に略90°回転させ、現像位置P1にイエロー用現像器11Yを配置させて現像を行なう。マゼンタ、シアンのトナー像を形成する際も同様にして、ロータリ現像器104を更に略90°ずつ回転させ、対応する現像器を現像位置P1に配置させて現像を行なう。
【0046】
尚、単色の画像形成を行なう場合は、所望のトナーを収容する現像器により感光ドラム101上に形成されたトナー像は、転写ベルト105上に一次転写された後、すぐに記録紙S上に二次転写される。その後、転写ベルト105から剥離された記録紙Sは搬送装置123により搬送され、定着装置124によって加圧/加熱されて、その表面に永久画像が形成される。この方式による単色画像形成はフルカラー画像形成に比べ4倍程度画像生産性が高い。
【0047】
ここで、図3及び図4を参照して、ロータリ現像器104が備える現像器11について更に説明する。本実施例では、ブラック用現像器11K、イエロー用現像器11Y、マゼンタ用現像器11M、シアン用現像器11Cは現像剤の色を除いて略同一の構成である。従って、以下の説明では、各色の現像器を特に区別する必要のない場合は、各色用の現像器に属する要素であることを示すために与える添字K、Y、M、Cは省略する。
【0048】
現像器11には、主に非磁性トナー(トナー)と磁性キャリア(キャリア)を備える2成分現像剤(現像剤)が収容されており、初期状態の現像剤中のトナー濃度は、本実施例では、重量比で8%程度である。この値はトナーの帯電量、キャリア粒径、多色画像形成装置の構成などで適正に調整されるべきものであって、必ずしもこの数値に従わなければいけないものではない。
【0049】
現像器11は感光ドラム101に対向した現像領域が開口しており、この開口部に一部露出するようにして現像剤担持体としての現像スリーブ8が回転可能に配置されている。磁界発生手段である固定のマグネットを内包する現像スリーブ8は非磁性材料で構成され、現像動作時には図3中矢印bの反時計方向に回転し、現像器11内の現像剤を層状に保持して担持搬送し、感光ドラム11と対向する現像領域に現像剤を供給して、感光ドラム101上の静電潜像を現像する。静電潜像を現像した後の現像スリーブ8上の現像剤は、現像スリーブ8の回転にしたがって搬送され、現像器11内に回収される。
【0050】
現像器11内の現像剤は、現像剤攪拌搬送部材である第1現像剤循環スクリュー7a(現像スリーブ8に近い側)、第2現像剤循環スクリュー7b(現像スリーブ8から遠い側)により現像容器11内を循環し、混合攪拌される。第1現像循環スクリュー7a及び第2現像循環スクリュー7bは、現像スリーブ8と略平行に配設され、現像剤循環の方向は、第1現像剤循環スクリュー7a側で図3の手前側から奥側に向かう方向(図4中矢印c方向)、第2現像剤循環スクリュー7b側では図3の奥側から手前側に向かう方向(図4中矢印d方向)である。現像器11内には、第1現像剤循環スクリュー7aと第2現像剤循環スクリュー7bとの間を、各現像循環スクリュー7a、7bと略平行に仕切るように、仕切壁14が設けられている。仕切壁14の長手方向の端部は、現像器11の内側壁まで達しておらず、連通部13a、13bが形成されている。この連通部13a、13bを介して第1現像剤循環スクリュー7aと第2現像剤循環スクリュー7bとの間で現像剤が受け渡される。
【0051】
現像器11が現像位置P1において現像動作を行なう際には、画像形成で消費した分のトナーを含む2成分現像剤(現像剤)が、現像器11に接続された現像剤補給容器としての現像剤カートリッジ6より補給されるが、その際、重量比で10%程度のキャリアも補給される。つまり、画像形成終了毎に現像器11にはキャリアが補給され、特に、高濃度画像を形成する場合には、装置構成にもよるが数十mg程度の多量のキャリアが補給されることがある。そのため、現像器11内の現像剤量は増加し、現像剤面(上表面)が高くなる。現像剤面が第2現像剤循環スクリュー7bより許容値以上高くなると、第2現像剤循環スクリュー7bが現像剤を十分に攪拌することができないため、補給直後のトナーが十分に帯電されないまま第1現像剤循環スクリュー7aへ搬送され、現像動作に用いられる。そのため、画像白地部にトナーかぶりを生じ、更に、現像剤量が増加すると現像器11から現像剤が溢出し、装置内が汚染される。
【0052】
本実施例では、現像器11は、第2現像剤循環スクリュー7b近傍の現像器11の上壁一端側に現像剤補給口(補給口)9を備えている。又、詳しくは後述するように、上壁の他の一端側には、シャッター部材3を有する現像剤排出口(排出口)1を備えており、現像剤排出通路(排出通路)4の一端部と通じている。排出通路4の他の一端は現像剤回収口(回収口)2に通じている。
【0053】
現像位置P1に現像器11が配置されているとき、排出口1は、第2現像剤循環スクリュー7bの上部と略同じ高さに配置され、且つ、上向きに開口しているため、現像器11内の2成分現像剤の量の増加に伴って現像剤面(上表面)が第2現像剤循環スクリュー7bより許容値以上高くなることはない。
【0054】
図4に示すように、排出口1は、第2現像剤循環スクリュー7b近傍に、補給口9よりも現像剤循環方向上流に配置されている。そのため、現像スリーブ8付近の現像剤循環を乱すことはなく、又、補給されたばかりの現像剤を排出することはない。
【0055】
画像形成によって消費された分のトナーを含有する2成分現像剤は、現像剤補給部10が備える現像剤補給手段たる補給スクリュー10aの回転力と自重によって、補給口9から現像器11内に補給される。補給用の現像剤は、現像剤補給容器としての現像剤カートリッジ6から現像剤供給口(供給口)6bを介して現像剤補給部10に供給される。補給スクリュー10aは、供給口6bから供給された現像剤をその回転に従い補給口9に向かって搬送し、自重によって現像器11に落下させる。
【0056】
現像剤カートリッジ6は、回転可能な現像剤搬送部材6aを備え、内部の現像剤を供給口6bに向かって搬送する。現像剤カートリッジ6は、現像器11及びロータリ現像器104に対して取り外し可能に装着されている。現像カートリッジ6を現像器11に装着することにより、供給口6bが現像器11の現像剤補給部10に連通するようになっている。本実施例にて、現像剤カートリッジ6は、略円筒形状とされる。
【0057】
この補給現像剤のトナーとキャリアとの混合比は、本実施例では重量比で9:1程度であるが、特にこの数値に限定されるものではない。即ち、現像器11内の現像剤のトナーとキャリアとの比と比較すると、補給用現像剤ではトナー量が圧倒的に多く、体積比を考えればトナー中にキャリアが微量混合されているものと考えることもできる。つまり、画像形成によって消費されたトナーを補う際に、微量のキャリアを徐々に補給していくことになる。補給現像剤中のキャリアの割合が多くなれば同じ量のトナー補給でキャリアの入れ替わり量が多くなり、現像器11内の2成分現像剤はフレッシュな状態に近づくが、その分キャリアの消費量が多くなり、ランニングコストアップとなる。このためそれぞれの装置において適当な混合比を別途定めるのが好ましい。
【0058】
現像剤の補給量は補給スクリュー10aの回転数によっておおよそ定められるが、この回転数は図示しないトナー補給量制御手段によって定められる。トナー補給量制御手段としては、画像形成によって消費された分に相当するトナー量を例えば形成画像の画素数をカウントするなどして算出して、これを補給スクリュー10aの回転数に変換制御するものなどを用いることができる。このようなトナー補給量制御手段自体は当業者には周知であるので、これ以上の説明は省略する。
【0059】
次に、本実施例にて最も特徴的な、現像器11からの余剰現像剤の排出方法について説明する。ロータリ現像器104が備える各現像器11で、斯かる排出方法は同様である。
【0060】
図2に示されるように、本実施例のロータリ現像器104は、現像器11に配された余剰現像剤を排出するための現像剤排出口(排出口)1、ロータリ104aに配された余剰現像剤回収用の現像剤回収口(回収口)2を有している。これらは本実施例で最も特徴的な部分として挙げられる。
【0061】
又、本実施例では、現像器11に設けられた排出口1近傍には余剰現像剤の排出位置をコントロールするシャッター部材3が設けられており、又上記排出口1と回収口2とを連通させる連通部たる現像剤排出通路(排出通路)4が設けられている。
【0062】
更に、回収口2より回収された余剰現像剤をロータリ現像器104の外へと搬送するための回収現像剤搬送部(搬送部)5が設けられている。本実施例では、搬送部5は、ロータリ現像器104の回動軸たる円筒軸104bの内部に形成される(以下、「回収現像剤搬送パイプ(搬送パイプ)」と呼ぶ。)。このように、搬送部5を、回動軸104bの内部に形成するなどしてロータリ現像器104の回動中心軸近傍に設けることで、複数の現像器11から現像剤を回収、搬送する場合にロータリ現像器104を最大限コンパクト化し、そして、後述の現像剤排出口1と現像剤回収口2との配置関係を最適化できる。但し、本発明は回動軸が回収現像剤搬送路として機能する構成に限定されるものではない。本実施例にて、上記回収口2は、搬送パイプ5に設けられた開口部である。本実施例では、回収部2は、搬送パイプ5の一端部側に設けられている。
【0063】
搬送パイプ5の内部には、回収現像剤を搬送するために、本実施例ではスクリューとされる搬送部材(図示せず)が回転自在に配されており、装置本体Aに設けられた駆動伝達手段(図示せず)により任意のタイミングで回収現像剤をロータリ現像器104外へ搬送できるように構成されている。搬送パイプ5をロータリ現像器104外へと搬送された現像剤は、例えば搬送パイプ5の長手方向一端部に接続され、装置本体A内に設けられた現像剤回収容器(図示せず)などに回収することができる。
【0064】
尚、排出通路4はロータリ現像器104と一体となって形成され、各色の現像器11に対応した位置に配置されており、ロータリ現像器104の回転に伴って、現像器11と共に回転する。一方、搬送パイプ5は、ロータリ現像器104(ロータリ104a)とは別体となって構成されているため、回収口2は現像位置P1に対応する1箇所のみの開口となっている。つまり、ロータリ現像器104の回転により現像位置P1に配置された現像器11に連通した排出通路4のみが、搬送パイプ5に設けられた回収口2と接続される。
【0065】
本実施例では、シャッター部材は、排出口1より大きい寸法の封止部たるシャッター本体3aを有する。シャッター本体3aは、一端部をシャッター回動軸3bに固定されており、このシャッター回動軸3bを中心に自重により回動して排出口を開閉する。シャッター回動軸3bは、軸受け部材(図示せず)により、排出口1の近傍の現像器11の内壁に対して回動可能に固定されている。つまり、シャッター部材3は、詳しくは後述するように、シャッター回動軸3bを中心に回動して、排出口1を現像器11の内側から開閉する。
【0066】
図5をも参照して、余剰現像剤の排出方法について、ブラック用現像器11Kを例として更に詳しく説明する。その他の色用の現像器、即ち、本実施例では、イエロー用現像器11Y、マゼンタ用現像器11M、シアン用現像器11Cについても、斯かる排出方法は同様である。
【0067】
図5(a)に示すように、排出口1Kは第2現像剤循環スクリュー7b上端と略同じ高さに配設されており、ブラック用現像器11Kが現像位置P1にある場合、排出口1Kを開閉するシャッター部材3Kは、本実施例では自重により開状態となっている。従って、第2現像剤循環スクリュー7bより現像剤面が高くなると、余剰現像剤は排出口1Kより溢出して排出され、ブラック用現像器11K内の現像剤面はほぼ第2現像剤循環スクリュー7bの高さに維持される。そのため、上述したような画像白地部へのトナーかぶりやブラック用現像器11Kからの現像剤溢出が起こることはない。
【0068】
ここで、本実施例では、現像器11が現像位置P1にある場合の排出口1と回収口2との位置関係が特徴的である。
【0069】
つまり、本発明に従って、現像器11が現像位置P1にある場合に、排出口1の方が回収口2よりも上方に位置している。これによって、排出口1から排出された現像剤は、自重により排出通路4に沿って回収口2にまで落下する。このように、現像位置P1において、いつでも連続して現像器11内の余剰現像剤を現像器11外へ排出できるため、特に高濃度画像の単色の画像形成が連続する場合においても、現像剤を排出するためのロータリ現像器104の回転動作を必要とせず、現像器11内の現像剤量を許容範囲内に維持することができる。このため、画像生産性が低下することはない。
【0070】
ブラック用現像器11Kの現像動作が終了すると、次色のイエロー用現像器11Yによる現像動作に備えてロータリ現像器104は略90°回転し、現像位置P1にあったブラック用現像器11Kは、位置P2へ移動する(図5(b))。この時、本実施例では図に示すようにシャッター部材3Kは自重により回転移動し排出口1Kが閉状態となるので、ブラック用現像器11Kの内部の現像剤が排出口1Kから排出通路4Kへ漏出することはない。これもまた、本実施例において非常に特徴的な点として挙げられる。
【0071】
イエロー用現像器11Yの現像動作が終了すると、次色のマゼンタ用現像器11Mによる現像動作に備えて、ロータリ現像器104は再び略90°回転し、ブラック現像器11Kは位置P3へ移動する(図5(c))。この時、図に示す通りシャッター部材3Kは自重により排出口1Kを閉状態としたままであるので、やはりブラック用現像器11Kの内部の現像剤が排出口1Kから排出通路4Kへ漏出することはない。
【0072】
マゼンタ用現像器11Mの現像動作が終了すると、次色のシアン用現像器11Cによる現像動作に備えて、ロータリ現像器104は再び略90°回転し、ブラック用現像器11Kは位置P3へ移動する(図5(d))。この時、図に示す通りシャッター部材3Kはブラック用現像器11Kの内部の現像剤による圧力により排出口1Kを閉状態としたままなので、やはりブラック用現像器11Kの内部の現像剤が排出口1Kから排出通路4Kへ漏出することはない。万が一漏出した場合でも重力方向の作用により排出通路4Kへとは流れることはない。
【0073】
このような構成及び方法により、現像器11の回転停止位置が90°ごとの回転に限らず、従来技術の項で説明したような、ホームポジション、現像剤カートリッジ交換ポジションなど、他の様々な停止位置にロータリ現像器104が停止する場合においても、常に現像位置P1にある姿勢の安定した現像器11からのみ余剰現像剤が排出され、且つ、それ以外の位相位置では排出されないため、非常に安定した余剰現像剤の排出特性を実現し、高画質安定性に寄与する。
【0074】
又、1つの現像器11を用いた単色の連続した画像形成を行う場合であっても、現像器11を現像位置P1から回転移動させることなく、重力方向を利用して、劣化したキャリアを含む現像剤を回収口2に回収し続けることが可能となり、画像生産性が低下することなく、優れた画質維持安定性を実現できる。
【0075】
更に、ロータリ現像器104の回転が行われるまで、現像位置P1にて排出される余剰現像剤を貯留しておく貯溜室等の複雑な構成部材も必要としないため、安価で安定した構成である。そして、現像剤の交換作業の必要性もなくなるので、メンテナンス性の向上やランニングコストダウンを実現することができる。
【0076】
更に説明すると、本発明者の検討によると、長期の使用による現像剤の劣化は、キャリア表面にトナーが固着する、所謂、トナースペントと、トナーから離脱した外添剤がキャリア表面に付着する、所謂、外添剤付着の2つが大きな原因である。このキャリア表面へのトナースペント及び外添剤付着が起こると、トナーを帯電可能なキャリア表面積が減少するため、トナーの帯電量が低下する。そのため、画像濃度アップ、白部へのトナーかぶりなどの画像不良、トナー飛散による画像形成装置の汚染が発生する。
【0077】
しかし、本実施例によれば、劣化したキャリアを含む現像剤を現像器11外へ排出し、新しいキャリアを含む現像剤と徐々に入れ替えることによって、見かけ上のキャリアの劣化進行を止め、現像剤全体としての特性を安定させることが可能となり、高画質の安定性が高まる。
【0078】
一方、回転現像方式においても単色の連続した画像形成が要求される場合が多々ある。本実施例によれば、現像器11が感光ドラム101と近接する現像位置P1において、現像器11内の余剰現像剤が、自重により排出口1から回収口2へと収容される。そのため、単色の連続した画像形成中においても、現像動作を停止することなく、現像器11内の現像剤量を許容値内に維持することが可能であるため、画像形成とは無関係な、現像器11内の現像剤を排出するためのロータリ現像器104の回転動作が不必要となり、画像生産性が低下することがない。加えて、余剰現像剤を一旦貯留するために機構部材など通常の画像形成には不必要な部材及び装置を用いないため、装置の複雑化及び高コスト化を引き起こすことがなく、サービスメンテナンス時における現像剤の交換が不要になるなどのメンテナンス性の向上を実現することができる。
【0079】
又、本実施例によれば、現像位置P1でのみ余剰現像剤の排出・回収を行なうことができ、それ以外の現像器11の位相位置ではシャッター部材3が排出を押えることができる。これにより、従来、回動型現像体を有する画像形成装置において多く見られる、現像スリーブ8を感光ドラム1に対向させないホームポジション位置に停止待機させる構成や、現像剤カートリッジ交換位置に停止待機させる構成のように、ロータリ現像器104が複数の回転停止位置を有する場合であっても、現像位置P1でのみ現像剤の排出・回収を行うことができ、それ以外の現像器位相位置ではシャッター部材3が排出を抑えることができる。よって、更に回転停止位置が増えることがあっても、排出機構が安定しなくなり高画質を維持することが難しくなるようなことはない。従って、連続作像動作中に定期的に安定して訪れる現像停止位置の他、ジョブの終了後に訪れるホームポジション待機位置や、現像剤カートリッジ6内のトナーが少なくなった場合にのみ停止待機する現像剤カートリッジ交換停止待機位置、といったように不安定な停止位置挙動を示した場合においても、安定した現像剤排出特性を得ることができ、その条件設定に苦労を要することもない。
【0080】
以上説明したように、本実施例によれば、現像剤の交換が不要であるという高メンテナンス性と、特に単色の画像形成が連続する場合の高画像生産性とを簡易な構成にて実現することができる。
【0081】
本実施例にて説明した多色画像形成装置の構成は、本発明を説明するための例示であって、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の範囲内で様々な変更が可能であることを理解されたい。例えば、上記各実施例では画像形成装置は中間転写方式を採用しているが、本発明は何ら転写方式を限定するものではなく、当業者には周知の、転写材担持体に担持した記録材に順次トナー像を重ねて転写する方式などであってもよい。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、現像剤の交換が不要であるという高メンテナンス性と高画像生産性とを簡易な構成にて実現することができる。又、本発明によれば、複数の現像器を備える回動型現像体が複数の位相位置で停止する場合であっても、常に安定して高画質画像を維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施例の概略断面正視図である。
【図2】図1の画像形成装置が備えるロータリ現像器の概略断面正視図である。
【図3】図2のロータリ現像器が備える現像器の概略断面正視図である。
【図4】図3の現像器を説明する上視展開図である。
【図5】現像剤排出動作を説明するための説明図である。
【図6】従来の回動型現像体の一例の概略断面正視図である。
【図7】従来の回動型現像体の他の例の概略断面正視図である。
【符号の説明】
1 現像剤排出口(排出口)
2 現像剤回収口(回収口)
3 シャッター部材
4 現像剤排出通路(排出通路、連通部)
5 回収剤搬送パイプ(円筒軸、搬送部)
6 現像剤カートリッジ(現像剤補給容器)
7a 第1現像剤循環スクリュー
7b 第2現像剤循環スクリュー
8 現像スリーブ
9 現像剤補給口
10a 補給スクリュー
11 現像器(現像手段)
101 感光ドラム(像担持体、電子写真感光体)
102 1次帯電器(帯電手段)
103 レーザスキャナユニット(露光手段)
104 回動型現像体
105 転写ベルト(中間転写体)
106 1次転写ローラ(1次転写手段)
107 2次転写ローラ(2次転写手段)
108 ドラムクリーナ(クリーニング手段)
109 定着装置
S 転写材
Claims (6)
- トナーとキャリアとを備える現像剤を用いて現像する現像器を複数支持し、回動軸を中心に回動することで、像担持体に形成された静電潜像を現像する現像位置に所望の現像器を移動する回動型現像体において、
前記各現像器に回転可能に設けられ、前記現像剤を層状に保持して担持搬送し、前記静電潜像を現像する現像剤担持体と、
前記各現像器に設けられ、前記現像器が前記現像位置にあるとき、前記現像器内における前記現像剤担持体よりも下方に配置され、前記現像器内の現像剤を攪拌搬送するスクリューと、
前記現像器の外部から前記現像器内に現像剤を補給するために前記各現像器に設けられた補給口と、
前記現像器内の余剰現像剤を前記現像器から排出するために前記各現像器に設けられ、前記現像器が前記現像位置にあるとき、前記スクリューの上部と略同じ高さに配置された排出口と、
前記回動型現像体の回動中心近傍に設けられ、前記排出口から排出された余剰現像剤を前記回動型現像体外部へと搬送する搬送部と、
前記排出口から排出された余剰現像剤を前記搬送部に回収するために前記搬送部に設けられた回収口と、
前記各現像器に対応して設けられ、前記現像器が前記現像位置にあるとき、前記排出口と前記回収口とを連通し、前記排出口から排出された余剰現像剤を前記回収口へと運ぶ連通部と、
を有し、
前記現像器が前記現像位置にあるときに、前記現像位置にある現像器の前記排出口は、前記現像位置にある現像器に対応する前記回収口よりも上方に位置し、これにより前記排出口から排出された余剰現像剤は、自重により前記連通部を通って前記回収口へと落下し、前記現像剤担持体は、前記現像位置において、前記像担持体に対向する面が下方から上方に向かって移動する方向に回転することを特徴とする回動型現像体。 - 前記補給口から補給される現像剤はキャリアを含むことを特徴とする請求項1の回動型現像体。
- 前記排出口を開閉するシャッター部材を有し、該シャッター部材により、前記現像位置において前記排出口は開状態であり、且つ、前記現像位置以外の位置において前記排出口が閉状態とされることを特徴とする請求項1又は2の回動型現像体。
- トナーとキャリアとを備える現像剤を用いて現像する現像器を複数支持し、回動軸を中心に回動することで、像担持体に形成された静電潜像を現像する現像位置に所望の現像器を移動する回動型現像体を備えた画像形成装置において、
前記回動型現像体は、
前記各現像器に回転可能に設けられ、前記現像剤を層状に保持して担持搬送し、前記静電潜像を現像する現像剤担持体と、
前記各現像器に設けられ、前記現像器が前記現像位置にあるとき、前記現像器内における前記現像剤担持体よりも下方に配置され、前記現像器内の現像剤を攪拌搬送するスクリューと、
前記現像器の外部から前記現像器内に現像剤を補給するために前記各現像器に設けられた補給口と、
前記現像器内の余剰現像剤を前記現像器から排出するために前記各現像器に設けられ、前記現像器が前記現像位置にあるとき、前記スクリューの上部と略同じ高さに配置された排出口と、
前記回動型現像体の回動中心近傍に設けられ、前記排出口から排出された余剰現像剤を前記回動型現像体外部へと搬送する搬送部と、
前記排出口から排出された余剰現像剤を前記搬送部に回収するために前記搬送部に設けられた回収口と、
前記各現像器に対応して設けられ、前記現像器が前記現像位置にあるとき、前記排出口と前記回収口とを連通し、前記排出口から排出された余剰現像剤を前記回収口へと運ぶ連通部と、
を有し、
前記現像器が前記現像位置にあるときに、前記現像位置にある現像器の前記排出口は、前記現像位置にある現像器に対応する前記回収口よりも上方に位置し、これにより前記排出口から排出された余剰現像剤は、自重により前記連通部を通って前記回収口へと落下し、前記現像剤担持体は、前記現像位置において、前記像担持体に対向する面が下方から上方に向かって移動する方向に回転することを特徴とする画像形成装置。 - 前記補給口から補給される現像剤はキャリアを含むことを特徴とする請求項4の画像形成装置。
- 前記排出口を開閉するシャッター部材を有し、該シャッター部材により、前記現像位置において前記排出口は開状態であり、且つ、前記現像位置以外の位置において前記排出口が閉状態とされることを特徴とする請求項4又は5の画像形成装置。
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