JP4323257B2 - 回路基板の製造方法、回路基板及び回路基板の製造装置 - Google Patents

回路基板の製造方法、回路基板及び回路基板の製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、基材の表面に電子回路を形成する回路基板の製造方法、この方法により製造された回路基板及び回路基板の製造装置に関する。
近年、例えば導電性の微粒子を含有するインクをサーマル方式またはピエゾ方式の溶液吐出装置で吐出することにより基材の表面に電子回路を形成する技術が開発されている(例えば、特許文献1及び2参照)。また、導電性や絶縁性の微粒子をそれぞれ含有するインクをピエゾ方式の溶液吐出装置で選択的に吐出し、基材の表面にコンデンサや抵抗器を含んだ電子回路を形成する技術が開発されている(例えば、特許文献3参照)。
これらの技術によれば、数十[μm]程度の線幅の電子回路を備えた回路基板を形成することができる。
特開平9−320363号公報 特開2002−134878号公報 特開平11−274671号公報 特開平8−238774号公報 特開2000−127410号公報
ところで、小型化・高性能化が望まれている携帯電話機やデジタルビデオカメラ等の様々な電化製品においては、回路基板の更なる小型化・高性能化が望まれており、そのため更に微細な線幅の電子回路を形成して欲しいとの要望がある。
しかしながら、上記各従来例には以下の問題があり、微細な線幅の電子回路の形成が妨げられていた。
(1)微小液滴形成の安定性
ノズル径が大きいため、ノズルから吐出される液滴の形状が安定しない。
(2)微小液滴の着弾精度の不足
ノズルから吐出した液滴に付与される運動エネルギーは、液滴半径の3乗に比例して小さくなる。このため、微小液滴は空気抵抗に耐えるほどの十分な運動エネルギーを確保できず、空気対流などによる擾乱を受け、正確な着弾が期待出来ない。さらに、液滴が微細になるほど、表面張力の効果が増すために、液滴の蒸気圧が高くなり蒸発量が激しくなる。このため微細液滴は、飛翔中の著しい質量の消失を招き、着弾時に液滴の形態を保つことすら難しいという事情があった。このように着弾位置の高精度化は液滴の微細化と相反する課題であり、これら2つを同時に実現することは困難であった。
また、基材の表面に液滴を吐出する溶液吐出装置としては、例えば上記特許文献4,5に開示のような静電吸引方式の溶液吐出装置を用いることも考えられるが、これらの溶液吐出装置には、上記と同様の問題点に加えて、以下の問題点があった。
(3)高印加電圧
上記静電吸引方式の溶液吐出装置では、メニスカスの中心に電荷を集中させてメニスカスの隆起を発生する。この隆起したテーラーコーン先端部の曲率半径は、電荷の集中量により定まり、集中した電荷量と電界強度による静電力がそのときのメニスカスの表面張力より勝った時に液滴の分離が始まる。
メニスカスの最大電荷量は、溶液の物性値とメニスカス曲率半径により定まるため、最小の液滴のサイズは溶液の物性値(特に表面張力)とメニスカス部に形成される電界強度により定まる。
一般的に、液体の表面張力は純粋な溶媒よりも溶剤を含んだ方が表面張力は低くなる傾向があり、実際の溶液においても種々の溶剤を含んでいるため、表面張力を高くすることは難しい。このため、溶液の表面張力を一定と考え、電界強度を高くすることにより液滴サイズを小さくする方法が採られていた。
従って、これら静電吸引方式の溶液吐出装置では、両者とも吐出原理として、吐出液滴の投影面積よりもはるかに広い面積のメニスカス領域に強い電界強度のフィールドを形成することにより該メニスカスの中心に電荷を集中させ、該集中した電荷と形成している電界強度からなる静電力により吐出を行うため、2000[V]に近い非常に高い電圧を印加する必要があり、駆動制御が難しいと共に、溶液吐出装置を操作するうえでの安全性の面からも問題があった。
(4)吐出応答性
また、上記静電吸引方式の溶液吐出装置では、両者とも吐出原理として、吐出液滴の投影面積よりもはるかに広い面積のメニスカス領域に強い電界強度のフィールドを形成することにより該メニスカスの中心に電荷を集中させ、該集中した電荷と形成している電界強度からなる静電力により吐出を行うため、メニスカス部の中心に電荷が移動するための電荷の移動時間が吐出応答性に影響し、液滴パターン形成速度の向上において問題となっていた。
本発明の課題は、微細な液滴を吐出し、数十[μm]よりも更に微細な線幅の電子回路を備えた回路基板を確実に形成することができる回路基板の製造方法と、この方法によって製造された回路基板と、回路基板の製造装置とを提供することである。
請求項1記載の発明は、溶液吐出装置によって基材の表面に電子回路を形成する回路基板の製造方法であって、
0.2[μm]より大きくかつ8[μm]以下の内径の吐出口を有するノズル内に供給された、互いに融着して電子回路をなすべき複数の微細粒子とこれら微細粒子を分散させている分散剤とを含有した溶液に、下記式(1)を満足する電圧Vを印加してこの溶液を帯電させることによりその液滴を前記吐出口から前記基材の表面に向かって吐出させ、
次に、前記基材の表面に着弾した液滴に熱または光をあてることによって前記微細粒子同士を融着させることを特徴とする。
Figure 0004323257
但し、γ:溶液の表面張力(N/m)、ε0:真空の誘電率(F/m)、d:ノズル内径(m)、h:ノズル−基材間距離(m)、k:ノズル形状に依存する比例定数(1.5<k<8.5)とする。
上記構成にあっては、ノズルを従来にない超微細径とすることでノズル先端部に電界を集中させて電界強度を高めることに特徴がある。ノズルの小径化に関しては後の記載により詳述する。かかる場合、ノズルの先端部に対向する対向電極がなくとも液滴の吐出を行うことが可能である。そして、ノズル先端部に誘起される静電力により液滴の飛翔が行われる。
但し、本発明の構成は、対向電極を不要とすることを可能とするが、対向電極を併用しても構わない。対向電極を併用する場合には、当該対向電極の対向面に沿わせた状態で基材を配置すると共に対向電極の対向面がノズルからの液滴吐出方向に垂直に配置されることが望ましく、これにより、ノズル−対向電極間での電界による静電力を飛翔電極の誘導のために併用することも可能となるし、対向電極を接地すれば、帯電した液滴の電荷を空気中への放電に加え、対向電極を介して逃がすことができ、電荷の蓄積を低減する効果も得られるので、むしろ併用することが望ましい構成といえる。
請求項1記載の発明によれば、ノズルの吐出口の内径が0.2[μm]より大きくかつ8[μm]以下であり、電界強度分布が狭くなっているため、ノズル内に供給された溶液に上記式(1)を満足する電圧Vを印加することにより電界を集中させることができる。その結果、形成される液滴を微小で且つ形状の安定化したものとすることができる。従って、従来よりも微細な、例えば1[pl(ピコリットル)]未満または100[fl(フェムトリットル)]未満の複数の液滴からなる液滴パターンを基材の表面に形成することができる。また、電界強度分布が狭くなっているため、ノズル内の溶液に印加する総印加電圧を低減することができる。また、液滴は、ノズルから吐出された直後、電界と電荷の間に働く静電力により加速されるが、ノズルから離れると電界は急激に低下するので、その後は、空気抵抗により減速する。しかしながら、微小液滴でかつ電界が集中した液滴は、基材に近づくにつれ、静電力により加速される。この空気抵抗による減速と静電力による加速とのバランスをとることにより、微小液滴を安定に飛翔させ、着弾精度を向上させることが可能となる。
そして、基材の表面に着弾した微細な液滴に熱または光をあてることによって液滴中の分散剤が分解揮散し、液滴中の微細粒子同士が接触して融着するため、10[μm]よりも微細な線幅の電子回路を基材の表面に形成することができる、つまり数十[μm]よりも微細な線幅の電子回路を基材の表面に備えた回路基板を形成することができる。
ここで、電子回路とは電子が流れる回路のことであり、導線や電子素子のみのものも含む。また、ノズルの吐出口の内径は、0.1[μm]〜10[μm]としても良い。また、微細粒子は、溶液の液相に溶解したものであっても良い。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の回路基板の製造方法において、
前記微細粒子の平均粒径は100[nm]以下であることを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、微細粒子の平均粒径は100[nm]以下であるので、0.2[μm]より大きくかつ8[μm]以下の内径の吐出口から微細粒子を容易に吐出させることができるとともに、微細粒子同士を融着させることにより、微細な線幅の電子回路を形成することができる。
ここで、微細粒子の平均粒径は、50[nm]以下であっても良い。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の回路基板の製造方法において、
前記微細粒子は導電性材料からなることを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば、微細粒子は導電性材料からなるので、これら微細粒子同士を融着させることにより、基材の表面に導線や導電膜、電極膜を形成することができる。
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載の回路基板の製造方法において、
前記微細粒子は半導電性材料からなることを特徴とする。
請求項4記載の発明によれば、微細粒子は半導電性材料からなるので、これら微細粒子同士を融着させることにより、基材の表面に抵抗膜を形成することができる。従って、例えばこの抵抗膜の両端に導線を形成することにより、基材の表面に抵抗器を形成することができる。
請求項5記載の発明は、請求項1または2記載の回路基板の製造方法において、
前記微細粒子は絶縁性材料または誘電性材料からなることを特徴とする。
請求項5記載の発明によれば、微細粒子は絶縁性材料または誘電性材料からなるので、これら微細粒子同士を融着させることにより、基材の表面に絶縁膜を形成することができる。従って、例えばこの絶縁膜を挟んで電極膜を形成することにより、基材の表面にコンデンサを形成することができる。
請求項記載の発明は、請求項1から5の何れか一項に記載の回路基板の製造方法において、
前記吐出口の内径が4[μm]以下であることを特徴とする。
請求項記載の発明によれば、吐出口の内径が4[μm]以下であるので、顕著な電界の集中を図ることができ、最大電界強度を高くすることができ、形状の安定な液滴の超微小化と、液滴の初期吐出速度を大きくすることができる。これにより、飛翔安定性が向上することにより、着弾精度をさらに向上させ、吐出応答性を向上することができる。
また、上記構成において、ノズルの内部直径は0.2[μm]より大きい方が望ましい。ノズルの内径を0.2[μm]より大きくすることで、液滴の帯電効率を向上させることができるので、液滴の吐出安定性を向上させることができる。
請求項記載の発明は、溶液吐出装置によって基材の表面に電子回路を形成する回路基板の製造方法であって、
0.2[μm]より大きくかつ8[μm]以下の内径の吐出口を有するノズル内に供給された、互いに融着して電子回路をなす微細粒子を接着するための複数の接着粒子とこれら接着粒子を分散させている分散剤とを含有した溶液に、下記式(1)を満足する電圧Vを印加してこの溶液を帯電させることによりその液滴を前記吐出口から前記基材の表面に向かって吐出させ、
次に、前記基材の表面に着弾した液滴に前記微細粒子を散布してこれら微細粒子を前記接着粒子に接着させ、
次に、散布された微細粒子のうち、前記接着粒子に接着されていない微細粒子を前記基材の表面から除去し、
次に、前記基材の表面に熱または光をあてることによって前記微細粒子同士を融着させることを特徴とする。
Figure 0004323257
但し、γ:溶液の表面張力(N/m)、ε0:真空の誘電率(F/m)、d:ノズル内径(m)、h:ノズル−基材間距離(m)、k:ノズル形状に依存する比例定数(1.5<k<8.5)とする。
請求項記載の発明によれば、ノズルの吐出口の内径が0.2[μm]より大きくかつ8[μm]以下であり、電界強度分布が狭くなっているため、ノズル内に供給された溶液に上記式(1)を満足する電圧Vを印加することにより電界を集中させることができる。その結果、形成される液滴を微小で且つ形状の安定化したものとすることができる。従って、従来よりも微細な、例えば1[pl]未満または100[fl]未満の複数の液滴からなる液滴パターンを基材の表面に形成することができる。また、電界強度分布が狭くなっているため、ノズル内の溶液に印加する総印加電圧を低減することができる。また、液滴は、ノズルから吐出された直後、電界と電荷の間に働く静電力により加速されるが、ノズルから離れると電界は急激に低下するので、その後は、空気抵抗により減速する。しかしながら、微小液滴でかつ電界が集中した液滴は、基材に近づくにつれ、静電力により加速される。この空気抵抗による減速と静電力による加速とのバランスをとることにより、微小液滴を安定に飛翔させ、着弾精度を向上させることが可能となる。
また、基材の表面に着弾した液滴に微細粒子を散布してこれら微細粒子を接着粒子に接着させた後、散布された微細粒子のうち、接着粒子に接着されていない微細粒子を基材の表面から除去することにより、基材の表面に形成された微細な液滴パターン上に、この液滴パターンと同形状の微細粒子パターンを形成することができる。
そして、基材の表面に熱または光をあてることによって液滴中の分散剤が分解揮散し、液滴中の微細粒子同士が接触して融着するため、10[μm]よりも微細な線幅の電子回路を基材の表面に形成することができる、つまり数十[μm]よりも微細な線幅の電子回路を基材の表面に備えた回路基板を形成することができる。
請求項記載の発明は、回路基板であって、請求項1からの何れか一項に記載の製造方法によって製造されたことを特徴とする。
請求項記載の発明によれば、10[μm]よりも微細な線幅の電子回路を備えた回路基板を形成することができる。
請求項記載の発明は、溶液吐出装置によって基材の表面に電子回路を形成する回路基板の製造装置であって、
前記基材に対向する0.2[μm]より大きくかつ8[μm]以下の内径の吐出口を有するノズル内に供給された、互いに融着して電子回路をなすべき複数の微細粒子とこれら微細粒子を分散させている分散剤とを含有した溶液に、下記式(1)を満足する電圧Vを印加してこの溶液を帯電させることによりその液滴を前記吐出口から前記基材の表面に向かって吐出させる電圧印加手段と、
前記基材の表面に着弾した液滴に熱または光をあてることによって前記微細粒子同士を融着させる融着手段とを備えることを特徴とする。
Figure 0004323257
但し、γ:溶液の表面張力(N/m)、ε0:真空の誘電率(F/m)、d:ノズル内径(m)、h:ノズル−基材間距離(m)、k:ノズル形状に依存する比例定数(1.5<k<8.5)とする。
請求項記載の発明によれば、ノズルの吐出口の内径は0.2[μm]より大きくかつ8[μm]以下であり、電界強度分布が狭くなっているため、ノズル内に供給された溶液に上記式(1)を満足する電圧Vを印加することにより電界を集中させることができる。その結果、形成される液滴を微小で且つ形状の安定化したものとすることができる。従って、従来よりも微細な、例えば1[pl]未満または100[fl]未満の複数の液滴からなる液滴パターンを基材の表面に形成することができる。また、電界強度分布が狭くなっているため、ノズル内の溶液に印加する総印加電圧を低減することができる。
また、液滴は、ノズルから吐出された直後、電界と電荷の間に働く静電力により加速されるが、ノズルから離れると電界は急激に低下するので、その後は、空気抵抗により減速する。しかしながら、微小液滴でかつ電界が集中した液滴は、基材に近づくにつれ、静電力により加速される。この空気抵抗による減速と静電力による加速とのバランスをとることにより、微小液滴を安定に飛翔させ、着弾精度を向上させることが可能となる。
更に、基材の表面に着弾した液滴に熱または光をあてることによって微細粒子同士を融着させる融着手段を備えるので、基材の表面に形成された液滴パターン中の微細粒子同士をこの融着手段によって融着させることによって、例えば線幅が10[μm]よりも微細な線幅の電子回路を基材の表面に形成することができる、つまり数十[μm]よりも更に微細な線幅の電子回路を備えた回路基板を形成することができる。
請求項1記載の発明は、請求項に記載の回路基板の製造装置において、
前記吐出口の内径が4[μm]以下であることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、吐出口の内径が4[μm]以下であるので、顕著な電界の集中を図ることができ、最大電界強度を高くすることができ、形状の安定な液滴の超微小化と、液滴の初期吐出速度を大きくすることができる。これにより、飛翔安定性が向上することにより、着弾精度をさらに向上させ、吐出応答性を向上することができる。
また、上記構成において、ノズルの内部直径は0.2[μm]より大きい方が望ましい。ノズルの内径を0.2[μm]より大きくすることで、液滴の帯電効率を向上させることができるので、液滴の吐出安定性を向上させることができる。
本発明においては、ノズル径を100[μm]未満とすることにより、電界強度分布が狭くなる。このことにより、電界を集中させることができる。その結果、形成される液滴を微小で且つ形状の安定化したものとすることができると共に、総印加電圧を低減することができる。また、液滴は、ノズルから吐出された直後、電界と電荷の間に働く静電力により加速されるが、ノズルから離れると電界は急激に低下するので、その後は、空気抵抗により減速する。しかしながら、微小液滴でかつ電界が集中した液滴は、対向電極に近づくにつれ、静電力により加速される。この空気抵抗による減速と静電力による加速とのバランスをとることにより、微小液滴を安定に飛翔させ、着弾精度を向上させることが可能となる。
また、ノズルの内部直径は、8[μm]以下であることが好ましい。ノズルの内部直径を8[μm]以下とすることにより、さらに電界を集中させることが可能となり、さらなる液滴の微小化と、飛翔時に対向電極の距離の変動が電界強度分布に影響することを低減させることができるので、対向電極の位置精度や基材の特性や厚さの液滴形状への影響や着弾精度への影響を低減することができる。
さらに、ノズルの内部直径を4[μm]以下とすることにより、顕著な電界の集中を図ることができ、最大電界強度を高くすることができ、形状の安定な液滴の超微小化と、液滴の初期吐出速度を大きくすることができる。これにより、飛翔安定性が向上することにより、着弾精度をさらに向上させ、吐出応答性を向上することができる。
また、ノズルの内部直径は0.2[μm]より大きい方が望ましい。ノズルの内径を0.2[μm]より大きくすることで、液滴の帯電効率を向上させることができるので、液滴の吐出安定性を向上させることができる。
さらに、上記各請求項の構成において、
(1)ノズルを電気絶縁材で形成し、ノズル内に電極を挿入あるいはメッキ形成ことが好ましい。
(2)上記各請求項の構成又は上記(1)の構成において、ノズルを電気絶縁材で形成し、ノズル内に電極を挿入或いはメッキ形成すると共にノズルの外側に電極を設けることが好ましい。
(1)及び(2)により、上記各請求項による作用効果に加え、吐出力を向上させることができるので、ノズル径をさらに微小化しても、低電圧で液を吐出することができる。(3)上記各請求項の構成、上記(1)又は(2)の構成において、基材を導電性材料または絶縁性材料により形成することが好ましい。
(4)上記各請求項の構成、上記(1)、(2)又は(3)の構成において、ノズルに印加する電圧Vを
Figure 0004323257
で表される流域において駆動することが好ましい。
ただし、γ:液体の表面張力(N/m)、ε0:真空の誘電率(F/m)、d:ノズル直径(m)、h:ノズル−基材間距離(m)、k:ノズル形状に依存する比例定数(1.5<k<8.5)とする。
(5)上記各請求項の構成、上記(1)、(2)、(3)又は(4)の構成において、印加する任意波形電圧が1000V以下であることが好ましい。
(6)上記各請求項の構成、上記(1)、(2)、(3)、(4)又は(5)の構成において、印加する任意波形電圧が500V以下であることが好ましい。
基材を導電性または絶縁性の基材ホルダーに裁置ことが好ましい。
(7)上記各請求項の構成、上記(1)〜(6)いずれかの構成において、ノズルと基材との距離が500[μm]以下とすることが、ノズル径を微細にした場合でも高い着弾精度を得ることができるので好ましい。
(8)上記各請求項の構成、上記(1)〜(7)いずれかの構成において、ノズル内の溶液に圧力を印加するように構成することが好ましい。
(9)上記各請求項の構成、上記(1)〜(8)いずれかの構成において、単一パルスによって吐出する場合、
Figure 0004323257
により決まる時定数τ以上のパルス幅Δtを印加する構成としても良い。ただし、ε:溶液の誘電率(F/m)、σ:溶液の導電率(S/m)とする。
請求項1記載の発明によれば、ノズルの吐出口の内径が0.2[μm]より大きくかつ8[μm]以下であり、電界強度分布が狭くなっているため、ノズル内に供給された溶液に上記式(1)を満足する電圧Vを印加することにより電界を集中させることができる。その結果、形成される液滴を微小で且つ形状の安定化したものとすることができる。従って、従来よりも微細な、例えば1[pl(ピコリットル)]未満または100[fl](フェムトリットル)未満の複数の液滴からなる液滴パターンを基材の表面に形成することができる。また、電界強度分布が狭くなっているため、ノズル内の溶液に印加する総印加電圧を低減することができる。また、液滴は、ノズルから吐出された直後、電界と電荷の間に働く静電力により加速されるが、ノズルから離れると電界は急激に低下するので、その後は、空気抵抗により減速する。しかしながら、微小液滴でかつ電界が集中した液滴は、基材に近づくにつれ、静電力により加速される。この空気抵抗による減速と静電力による加速とのバランスをとることにより、微小液滴を安定に飛翔させ、着弾精度を向上させることが可能となる。
そして、基材の表面に着弾した微細な液滴に熱または光をあてることによって液滴中の分散剤が分解揮散し、液滴中の微細粒子同士が接触して融着するため、10[μm]よりも微細な線幅の電子回路を基材の表面に形成することができる、つまり数十[μm]よりも微細な線幅の電子回路を基材の表面に備えた回路基板を形成することができる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、0.2[μm]より大きくかつ8[μm]以下の内径の吐出口から容易に吐出させることができるとともに、微細粒子同士を融着させることにより、微細な線幅の電子回路を形成することができる。
請求項3記載の発明によれば、請求項1または2記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、微細粒子同士を融着させることにより、基材の表面に導線や導電膜、電極膜を形成することができる。
請求項4記載の発明によれば、請求項1または2記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、微細粒子同士を融着させることにより、基材の表面に抵抗膜を形成することができる。従って、例えばこの抵抗膜の両端に導線を形成することにより、基材の表面に抵抗器を形成することができる。
請求項5記載の発明によれば、請求項1または2記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、微細粒子同士を融着させることにより、基材の表面に絶縁膜を形成することができる。従って、例えばこの絶縁膜を挟んで電極膜を形成することにより、基材の表面にコンデンサを形成することができる。
請求項記載の発明によれば、請求項1から5の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、吐出口の内径が4[μm]以下であるので、着弾精度をさらに向上させ、吐出応答性を向上することができる。
請求項記載の発明によれば、従来よりも微細な、例えば1[pl(ピコリットル)]未満または100[fl](フェムトリットル)未満の複数の液滴からなる液滴パターンを基材の表面に形成することができる。また、電界強度分布が狭くなっているため、ノズル内の溶液に印加する総印加電圧を低減することができる。また、液滴は、ノズルから吐出された直後、電界と電荷の間に働く静電力により加速されるが、ノズルから離れると電界は急激に低下するので、その後は、空気抵抗により減速する。しかしながら、微小液滴でかつ電界が集中した液滴は、基材に近づくにつれ、静電力により加速される。この空気抵抗による減速と静電力による加速とのバランスをとることにより、微小液滴を安定に飛翔させ、着弾精度を向上させることが可能となる。
また、基材の表面に着弾した液滴に微細粒子を散布してこれら微細粒子を接着粒子に接着させた後、散布された微細粒子のうち、接着粒子に接着されていない微細粒子を基材の表面から除去することにより、基材の表面に形成された微細な液滴パターン上に、この液滴パターンと同形状の微細粒子パターンを形成することができる。
そして、基材の表面に熱または光をあてることによって液滴中の分散剤が分解揮散し、液滴中の微細粒子同士が接触して融着するため、10[μm]よりも微細な線幅の電子回路を基材の表面に形成することができる、つまり数十[μm]よりも微細な線幅の電子回路を基材の表面に備えた回路基板を形成することができる。
請求項記載の発明によれば、請求項1〜の何れか一項に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、10[μm]よりも微細な線幅の電子回路を備えた回路基板を形成することができる。
請求項記載の発明によれば例えば線幅が10[μm]よりも微細な線幅の電子回路を基材の表面に形成することができる、つまり数十[μm]よりも更に微細な線幅の電子回路を備えた回路基板を形成することができる。
請求項1記載の発明によれば、請求項記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、吐出口の内径が4[μm]以下であるので、着弾精度をさらに向上させ、吐出応答性を向上することができる。
以下、本発明にかかる回路基板の製造装置の実施の形態を、図面を参照して説明する。
なお、以下の各実施形態で説明する液体吐出装置のノズル径、即ちノズルの吐出口の内径は、好ましくは8[μm]以下、さらに好ましくは4[μm]以下とすることが好ましい。また、ノズル径は、0.2[μm]より大きいことが好ましい。
[電子回路の製造装置]
(電子回路の製造装置の全体構成)
図1は電子回路の製造装置(以下、製造装置とする)100の概略構成図である。この製造装置100は、基材Kの表面に溶液の液滴を吐出して液滴パターンを形成する溶液吐出装置20と、液滴パターン中の微細粒子同士を融着させる融着装置(融着手段)30と、基材を搬送する搬送装置とからなる。
溶液吐出装置20によって吐出される溶液は、互いに融着して電子回路をなすべき複数の微細粒子または接着性を有する接着粒子と、微細粒子または接着粒子を分散させている分散剤とを溶媒中に含有している。
微細粒子としては、金属や金属化合物などの粒子を用いることができる。金属の微細粒子としては、AuやPt、Ag、In、Cu、Ni、Cr、Rh、Pd、Zn、Co、Mo、Ru、W、Os、Ir、Fe、Mn、Ge、Sn、Ga、Inなど等の導電性の微細粒子がある。特にAuやAg、Cuのような金属の微細粒子を用いると、電気抵抗が低く、かつ腐食に強い電子回路を形成することができ好ましい。金属化合物の微細粒子としては、ZnSやCdS、Cd2SnO4、ITO(In2O3-SnO2)、RuO2、IrO2、OsO2、MoO2、ReO2、WO2、YBa2Cu3O7-x等の導電性の微細粒子、ZnOやCdO、SnO2、InO2、SnO4等、熱によって還元されて導電性を示す微細粒子、Ni-CrやCr-SiO、Cr-MgF、Au-SiO2、AuMgF、PtTa2O5、AuTa2O5Ta2、Cr3Si、TaSi2等の半導電性の微細粒子、SrTiO3やBaTiO3、Pb(Zr,Ti)O3等の誘電性の微細粒子、SiO2やAl2O3、TiO2等の絶縁性の微細粒子がある。
接着粒子としては、熱硬化性樹脂接着剤、ゴム系接着剤、エマルジョン系接着剤、ポリアロマティックス、セラミックス系接着剤等の粒子がある。
分散剤は、微細粒子の保護コロイドとして作用するものである。このような分散剤としては、ポリウレタンとアルカノールアミンとのブロック共重合体やポリエステル、ポリアクリルニトリル等を用いることができる。
溶媒は、微細粒子との親和性を考慮して選定される。具体的には、溶媒としては、水を主体とする溶媒や、PGMEA、シクロヘキサン、(ブチル)カルビトールアセテート、3―ジメチル―2―イミタゾリジン、BMA、プロピレンモノメチルアセテートを主体とする溶媒などがある。
ここで、例えば微細粒子として金属微粒子が溶解した水性溶液の調製方法を説明する。
まず、塩化金酸や硝酸銀のような金属イオンソース水溶液に水溶性の重合体を溶解させ、撹拌しながらジメチルアミノエタノールのようなアルカノールアミンを添加する。すると数10秒〜数分で金属イオンが還元され、平均粒系100nm以下の金属微粒子が析出する。そして、析出物を含有する溶液から塩素イオンや硝酸イオンを限外ろ過などの方法で除去した後、この溶液を濃縮・乾燥する。このようにして調製された水性溶液は、水やアルコール系溶媒、テトラエトキシシランやトリエトキシシランのようなゾルゲルプロセス用バインダーに安定に溶解・混合することが可能である。
また、微細粒子として金属微粒子が溶解した油性溶液の調製方法を説明する。
まず、油溶解性のポリマーをアセトンのような水混和性有機溶媒に溶解させ、この溶液を、上記のようにして形成された水性溶液と混合する。このとき混合物は不均一系であるが、これを撹拌しながらアルカノールアミンを添加すると金属微粒子は重合体中に分散した形で油相側に析出してくる。そして、この溶液を洗浄・濃縮・乾燥させると油性溶液が得られる。このようにして形成された油性溶液は、芳香族系、ケトン系、エステル系などの溶媒やポリエステル、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂等に安定に溶解・混合することが可能である。
なお、上記のような水性及び油性の溶液における金属微粒子の濃度は、最大80重量%とすることが可能であるが、用途に応じて適宜稀釈して使用する。通常、溶液における金属微粒子の含有量は2〜50重量%、分散剤の含有量は0.3〜30重量%、粘度は3〜100センチポイズ程度が適当である。
基材Kはその表面に電子回路が形成されるべきベース部分である。基材Kとしては、融着装置30による後述の乾燥処理や融着処理に耐える材質のものであれば、用途に応じて任意のものを用いることができる。具体的には、基材Kとしては、ガラスやセラミック、アクリル、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ガラス―エポキシ、紙―フェノール等からなる基材を用いることができる。このような基材のうち、ガラスやセラミック、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ガラス―エポキシ、紙―フェノール等からなる基材Kが特に耐熱性、電気絶縁性に優れており好ましい。
[溶液吐出装置]
(溶液吐出装置の全体構成)
図2〜図4は図1に示す溶液吐出装置20の詳細を示したものであり、図2は溶液吐出装置20の概略を示す側面図であり、図3は後述するノズル21に沿った溶液吐出装置20の断面図であり、図4は溶液の吐出動作と溶液に印加される電圧との関係を示す説明図であって、図4(A)は吐出を行わない状態であり、図4(B)は吐出状態を示す。
溶液吐出装置20は、帯電可能な溶液の液滴を先端部から基材Kに向かって吐出する超微細径のノズル21と、ノズル21の先端部に対向する対向面を有すると共にその対向面で基材Kを支持する対向電極23と、ノズル21内の流路22に溶液を供給する溶液供給手段と、ノズル21内の溶液に任意波形の吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段(電圧印加手段)25とを備えている。なお、上記ノズル21と溶液供給手段の一部の構成と吐出電圧印加手段25の一部の構成とはノズルプレート26と一体的に形成されている。
(ノズル21)
ノズル21は後述するノズルプレート26の下面層26cから垂設され、この下面層26cと一体的に形成されている。ノズル21の先端部は対向電極23に指向している。ノズル21の内部には、その先端部からその中心線に沿って貫通するノズル内流路22が形成されている。
ノズル21についてさらに詳説する。ノズル21は、例えばガラスなどの電気絶縁体により、超微細径で形成されている。ノズル21の各部の寸法の具体例を挙げると、ノズル内流路22の内部直径は1[μm]、ノズル21の先端部における外部直径は2[μm]、ノズル21の根元つまり上端部の直径は5[μm]、ノズル21の高さは100[μm]に設定されている。また、ノズル21の形状は限りなく円錐形に近い円錐台形に形成されている。このようなノズル21はその全体がノズルプレート26の下面層26cと共に絶縁性の樹脂材により形成されている。
なお、ノズル21の各寸法は上記一例に限定されるものではない。特に吐出口の内径については、後述する電界集中の効果により液滴の吐出を可能とする吐出電圧が1000[V]未満を実現する範囲であって、例えば、100[μm]以下であり、より望ましくは、20[μm]以下であって、現行のノズル形成技術により溶液を通す貫通穴を形成することが実現可能な範囲である内径、例えば0.1[μm]をその下限値とする。
(溶液供給手段)
溶液供給手段は、ノズルプレート26の内部であってノズル21の根元となる位置に設けられると共にノズル内流路22に連通する溶液室24と、図示しない外部の溶液タンクから溶液室24に溶液を導く供給路27と、溶液室24への溶液の供給圧力を付与する図示しない供給ポンプとを備えている。
上記供給ポンプは、ノズル21の先端部まで溶液を供給し、当該先端部からこぼれ出さない範囲の供給圧力を維持して溶液の供給を行う(図4(A)参照)。
(吐出電圧印加手段)
吐出電圧印加手段25は、ノズル21内の溶液に吐出電圧を印加してこの溶液を帯電させることにより、この溶液の液滴をノズル21の吐出口から基材Kに向かって吐出させるものである。この吐出電圧印加手段25は、ノズルプレート26の内部であって溶液室24とノズル内流路22との境界位置に設けられた吐出電圧印加用の吐出電極28と、この吐出電極28に常時,直流のバイアス電圧を印加するバイアス電源30と、吐出電極28にバイアス電圧に重畳して吐出に要する電位とするパルス電圧を印加する吐出電圧電源29とを備えている。
吐出電極28は、溶液室24内部において溶液に直接接触し、溶液を帯電させると共に吐出電圧を印加する。
バイアス電源30によるバイアス電圧は、溶液の吐出が行われない範囲で常時電圧印加を行うことにより、吐出時に印加すべき電圧の幅を予め低減し、これによる吐出時の反応性の向上を図っている。
吐出電圧電源29は、溶液の吐出を行う際にのみパルス電圧をバイアス電圧に重畳させて印加する。このときの重畳電圧Vは次式の条件を満たすようにパルス電圧の値が設定されている。
Figure 0004323257
但し、γ:溶液の表面張力(N/m)、ε0:真空の誘電率(F/m)、d:ノズル直径(m)、h:ノズル−基材間距離(m)、k:ノズル形状に依存する比例定数(1.5<k<8.5)とする。
一例を挙げると、バイアス電圧はDC300[V]で印加され、パルス電圧は100[V]で印される。従って、吐出の際の重畳電圧は400[V]となる。
(ノズルプレート)
ノズルプレート26は、図3において最も上層に位置する上面層26aと、その下に位置する溶液の供給路を形成する流路層26bと、この流路層26bのさらに下に形成される下面層26cとを備え、流路層26bと下面層26cとの間には前述した吐出電極28が介挿されている。
このノズルプレート26は、図3に示された状態とは上下逆向きの状態で形成される。具体的には、上面層26aは、シリコン基板或いは絶縁性の高い樹脂又はセラミックにより形成される。この上面層26aの上に溶解可能な樹脂層を形成すると共に供給路27及び溶液室24のパターンに従う部分のみを残して除去し、除去された部分に絶縁樹脂層を形成する。この絶縁樹脂層は、後述のレーザー加工によって流路層26bとなるものである。そして、この絶縁樹脂層の上面に導電素材(例えばNiP)のメッキにより吐出電極28を形成し、さらにその上から絶縁性のレジスト樹脂層を形成する。このレジスト樹脂層は、後述のレーザー加工によって下面層26cとなるものであるため、ノズル21の高さを考慮した厚みで形成される。そして、この絶縁性のレジスト樹脂層を電子ビーム法やフェムト秒レーザにより露光し、ノズル形状を形成する。ノズル内流路22もレーザ加工により形成される。そして、供給路27及び溶液室24のパターンに従う溶解可能な樹脂層を除去し、これら供給路27及び溶液室24が開通してノズルプレート26が完成する。
(対向電極)
対向電極23は、ノズル21に垂直な対向面を備えており、かかる対向面に沿うように基材Kの支持を行う。ノズル21の先端部から対向電極23の対向面までの距離は、例えば100[μm]等、一定に保持されている。
また、対向電極23は接地されているため、常時,接地電位を維持している。従って、パルス電圧の印加時にはノズル21の先端部と対向面との間に生じる電界による静電力により吐出された液滴を対向電極23側に誘導する。
なお、溶液吐出装置20は、ノズル21の超微細化による当該ノズル21の先端部での電界集中により電界強度を高めることで液滴の吐出を行うことから、対向電極23による誘導がなくとも液滴の吐出を行うことは可能ではあるが、ノズル21と対向電極23との間での静電力による誘導が行われた方が望ましい。この場合、ノズル21から吐出され空気抵抗により減速する液滴を、静電力により加速することができる。従って、これら空気抵抗による減速と静電力による加速とのバランスをとることにより、微小液滴を安定に飛翔させ、着弾精度を向上させることができる。またなお、帯電した液滴の電荷を、対向電極23の接地により逃がすことも可能である。
以上のような溶液吐出装置20は、図示しない駆動機構により、基材Kの搬送方向(図1中左方向)に対して直交する方向に走査自在とされた走査型の溶液吐出装置としてもよい。この場合において、溶液吐出装置20に複数のノズル21を配列するようにしてもよい。
また、溶液吐出装置20は、基材Kの搬送方向に対して直交する方向に多数のノズル21を配列してなるライン型の溶液吐出装置としてもよい。
[融着装置30]
(融着装置30の全体構成)
融着装置30は、基材Kの表面に着弾した液滴に熱または光をあてて液滴中の分散剤を分解揮散させることによって微細粒子同士を融着させるものである。
液滴に熱をあてる融着装置30(以下、熱融着装置とする)は、液滴が着弾した基材Kを内部に納めるとともにこの内部の温度を一定に保つチャンバ(図示せず)と、チャンバの内部を加熱し、その温度を制御する温度制御部(図示せず)と、チャンバの内部の空気を循環させる送風機(図示せず)とを備えている。この熱融着装置における温度制御部はチャンバ内を加熱し、基材Kが軟化せず、微細粒子が酸化せず、かつ液滴中の分散剤が分解揮散する温度に保つものである。このような温度環境下においては、分散剤が分解揮散することによって液適中で微細粒子同士が接触し、その結果、融着することとなる。従って、チャンバの内部の温度は、必ずしも微細粒子の融点より高く保たれる必要はなく、融点より低く設定されていても良い。このような温度は基材Kや、分散剤の材料によって異なるものであり、例えば、基材Kとしてガラスやセラミック、アクリル、ポリイミドフィルム等、300℃以下の耐熱性を有する基材を用いた場合には、チャンバ内の温度としては120℃〜250℃が好適である。
ここで、特に熱によって還元されて導電性を示す微細粒子同士を融着させる場合には、融着装置30として熱融着装置が用いられる。この場合、熱融着装置の熱制御部はチャンバ内を加熱し、基材Kが軟化せず、微細粒子が還元され、かつ液滴中の分散剤が分解揮散する温度に保つ。このような温度は、基材Kや分散剤の材料によって異なる。
液滴に光をあてる融着装置30(以下、光融着装置30とする)は、液滴が着弾した基材Kを内部に納めるとともにこの内部の温度を一定に保つチャンバ(図示せず)と、チャンバの内部を加熱し、その温度を制御する温度制御部(図示せず)と、チャンバの内部の空気を循環させる送風機(図示せず)と、液滴が着弾した基材Kにレーザーやランプ等によって紫外線などの光を照射する照射部(図示せず)とを備えている。この光融着装置30においては、照射部から照射される光によって液滴中の分散剤が分解揮散される。なお、この照射部は、本実施の形態においてはチャンバの内部に設けられているが、チャンバの外部に設けられていても良い。またなお、光融着装置30における温度制御部は、チャンバ内を、基材Kが軟化せず、微細粒子が酸化せず、かつ液滴中の溶媒が揮散する温度に保つことにより液滴を乾燥させるものである。このような温度の具体例としては、100℃や150℃程度が挙げられる。
[搬送装置]
(搬送装置の全体構成)
搬送装置は、図2に示すように、基材Kを搬送する搬送ローラ401,402及びベルトコンベア403,404と、搬送ローラ401,402の上方に配置され搬送ローラ401,402との間で基材Kを挟持する圧接ローラ405,406等とを備えている。
搬送ローラ401,402は、対向電極23を水平方向に挟んで設けられたものである。このうち、搬送ローラ401は基材Kの搬送方向上流側に配置されたものであり、搬送ローラ402は下流側に配置されたものである。
ベルトコンベア403,404は、搬送ローラ401,402を水平方向に挟んで設けられたものである。このうち、ベルトコンベア403は基材Kの搬送方向上流側に配置されたものであり、ベルトコンベア404は下流側に配置されたものである。
なお、融着装置30のチャンバーを挟み、基材Kの搬送方向の上流側と下流側とには、ベルトコンベア404によって搬送された基材Kをチャンバーの内部に搬送するとともにチャンバー内の基材Kをベルトコンベア404に搬送する図示しない搬送機が設けられている。
(製造装置による回路基板の製造動作)
次に、図2により製造装置100の動作説明を行う。
まず、ベルトコンベア403及び搬送ローラ401を回転駆動させることにより、基材Kを搬送ローラ401上に搬送し、更に、搬送ローラ401と圧接ローラ405とにより挟持しながら対向電極23の上部に搬送する。
次に、この基材Kに対して、走査型の溶液吐出装置20にあっては、溶液吐出装置20を基材Kの搬送方向に走査させながら基材Kに対して液滴を吐出させ、またライン型の溶液吐出装置20にあっては、基材Kに対してライン状に液滴を吐出させることにより、基材Kに所望の液滴パターンを形成する。なお、溶液吐出装置20の動作の詳細については、以下の(溶液吐出装置による微小液滴の吐出動作)で説明する。
次に、液滴パターンが形成された基材Kを搬送ローラ402と圧接ローラ406とにより挟持して対向電極23の上部から取り除き、ベルトコンベア404及び前記搬送機を介して融着装置30のチャンバ内に搬送する。
次に、チャンバ内の温度を上げることにより基材K表面の液滴を乾燥し(以下、この処理を乾燥処理とする)、次いで乾燥した液滴中の微細粒子同士を融着させ(以下、この処理を融着処理とする)、その結果、電子回路を形成する。
そして、表面に電子回路が形成された基材Kを前記搬送機及びベルトコンベア404によってチャンバから取り除く。
(溶液吐出装置による微小液滴の吐出動作)
次に、図3及び図4により製造装置100における溶液吐出装置20の動作説明を行う。
溶液供給手段の供給ポンプによりノズル内流路22には溶液が供給された状態にあり、かかる状態でバイアス電源30により吐出電極28を介してバイアス電圧が溶液に印加されている。かかる状態で、溶液は帯電すると共に、ノズル21の先端部において溶液による凹状に窪んだメニスカスが形成される(図4(A))。
そして、吐出電圧電源29によりパルス電圧が印加されると、ノズル21の先端部では集中された電界の電界強度による静電力により溶液がノズル21の先端側に誘導され、外部に突出した凸状メニスカスが形成されると共に、かかる凸状メニスカスの頂点により電界が集中し、ついには溶液の表面張力に抗して微小液滴が対向電極側に吐出される(図4(B))。
上記溶液吐出装置20は、超微小径のノズル21により液滴の吐出を行うので、ノズル内流路22内で帯電した状態の溶液により電界が集中され、電界強度が高められる。このため、ノズル21による溶液の吐出を低電圧で行うことを可能としている。
そして、ノズル21の吐出口の内径が微細であるがために、ノズル21コンダクタンスの低さによりその単位時間あたりの吐出流量を低減する制御を容易に行うことができると共に、パルス幅を狭めることなく十分に小さな液滴径による溶液の吐出を実現している。
さらに、吐出される液滴は帯電されているので、微小の液滴であっても蒸気圧が低減され、蒸発を抑制することから液滴の質量の損失を低減し、飛翔の安定化を図り、液滴の着弾精度の低下を防止する。
なお、ノズル21にエレクトロウェッティング効果を得るために、ノズル21の外周に電極を設けるか、また或いは、ノズル内流路22の内面に電極を設け、その上から絶縁膜で被覆しても良い。そして、この電極に電圧を印加することで、吐出電極28により電圧が印加されている溶液に対して、エレクトロウェッティング効果によりノズル内流路22の内面のぬれ性を高めることができ、ノズル内流路22への溶液の供給を円滑に行うことができ、良好に吐出を行うと共に、吐出の応答性の向上を図ることが可能となる。
また、吐出電圧印加手段25ではバイアス電圧を常時印加すると共にパルス電圧をトリガーとして液滴の吐出を行っているが、吐出に要する振幅で常時交流又は連続する矩形波を印加すると共にその周波数の高低を切り替えることで吐出を行う構成としても良い。液滴の吐出を行うためには溶液の帯電が必須であり、溶液の帯電する速度を上回る周波数で吐出電圧を印加していても吐出が行われず、溶液の帯電が十分に図れる周波数に替えると吐出が行われる。従って、吐出を行わないときには吐出可能な周波数より大きな周波数で吐出電圧を印加し、吐出を行う場合にのみ吐出可能な周波数帯域まで周波数を低減させる制御を行うことで、溶液の吐出を制御することが可能となる。かかる場合、溶液に印加される電位自体に変化はないので、より時間応答性を向上させると共に、これにより液滴の着弾精度を向上させることが可能となる。
次に、上記製造装置100を用いて基材Kの表面に電子回路を形成する手順について説明する。
(第一の実施例)
本第一の実施例は、製造装置100を利用してAgの導線からなる電子回路を基材Kの表面に形成するものである。
本第一の実施例において、溶液吐出装置20のノズル21に供給される溶液は、プロピレングリコールモノメチルアセテートとイソプロピルアルコールとの混合溶媒中にAgの微細粒子と分散剤とを含有するものである。より詳細には、この溶液は、Agの微細粒子の含有量が20重量%、分散剤の含有量が5重量%のイソプロピルアルコール分散体溶液にプロピレングリコールモノメチルアセテートを混合してAg微細粒子の含有量を15重量%としたものである。Agの微細粒子の平均粒径は10[nm]である。また、溶液吐出装置20のノズル21はガラス製であり、吐出口の内径が2.0[μm]となっている。また、融着装置30として、熱融着装置を用いている。更に、基材Kとして、ポリイミドフィルム製の基材を用いている。
以下、手順について説明する。
まず、基材Kの表面に溶液吐出装置20によって線幅8[μm]、膜厚0.7[μm]の液滴パターンを描画した。具体的には、基材Kに対して、走査型の溶液吐出装置にあっては溶液吐出装置20を基材Kの搬送方向に走査させながら基材Kに対して液滴を吐出させ、またライン型の溶液吐出装置にあっては基材Kに対してライン状に液滴を吐出させることにより、基材Kに所望の液滴パターンを形成した。
次に、熱融着装置のチャンバ内を150℃に10分間保つことによって乾燥処理を行った。そして、同チャンバ内を200℃に20分間保つことによって融着処理を行い導線を形成した。
得られた導線の抵抗値は1.6×10-5[Ωcm]であり、電子回路として使用可能であることが確認できた。
(第二の実施例)
本第二の実施例は、製造装置100を利用してCuの導線からなる電子回路を基材Kの表面に形成するものである。
本第二の実施例において、溶液吐出装置20のノズル21に供給される溶液は、水とプロピレンモノメチルアセテートとの混合溶媒中にCuの微細粒子と分散剤とを含有するものである。より詳細には、この溶液は、Cuの微細粒子と分散剤とを含有する水分散体溶液にプロピレングリコールモノメチルアセテートを混合してCu微細粒子の含有量が30重量%、分散剤の含有量が10重量%となるようにしてものである。Cuの微細粒子の平均粒径は40[nm]である。また、溶液吐出装置20のノズル21はガラス製であり、吐出口の内径が2.0[μm]となっている。また、融着装置30として、熱融着装置を用いている。更に、基材Kとして、ガラス製の基材を用いている。
以下、手順について説明する。
まず、基材Kの表面に溶液吐出装置20によって線幅12[μm]、膜厚0.8[μm]の液滴パターンを上記第一の実施例と同様に描画した。次に、熱融着装置のチャンバ内を150℃に10分間保つことによって乾燥処理を行った。そして、同チャンバ内を200℃に20分間保つことによって融着処理を行い導線を形成した。
得られた導線の抵抗値は3.0×10-5[Ωcm]であり、電子回路として使用可能であることが確認できた。
(第三の実施例)
本第三の実施例は、製造装置100を利用してコンデンサを含んだ電子回路を基材Kの表面に形成するものである。より詳細には、基材Kの表面に絶縁膜101Aと、この絶縁膜101Aを挟んだ導電膜101B、つまり電極とを形成するものである。
なお、本第三の実施例においては、走査型の溶液吐出装置20を用いている。
また、本第三の実施例において絶縁膜101Aを形成する際には、PGMEA、シクロヘキサン、カルビトールアセテート等が溶媒として用いられた溶液(以下、絶縁溶液とする)を溶液吐出装置20のノズル21に供給している。この絶縁溶液には、微細粒子としてSiO2やAl2O3等の絶縁性材料の粒子、SrTiO3、BaTiO3、Pb(Zr,Ti)O3等の誘電性材料の粒子が用いられている。また、湿潤剤またはバインダとしてグリセリンやジエチレングリコール、エチレングリコール等が必要に応じて加えられている。
また、本第三の実施例において導電膜101Bを形成する際には、ブチルカルビトールアセテート、3−ジメチル−2−イミタゾリジン、BMA等が溶媒として用いられた溶液(以下、導電溶液とする)を溶液吐出装置20のノズル21に供給している。この導電溶液には、微細粒子としてRuO2やIrO2、OsO2、MoO2、ReO2、WO2、YBa2Cu3O7−x、Pt、Au、Ag、In、In−Ga合金、Ga、ハンダ等の導電性材料の微細粒子が用いられている。
以下、図5〜図8を参照し、手順を説明する。各図において、(a)は形成されるべきコンデンサの中心線で切断した断面図を示し、(b)は平面図を示す。
まず、図5に示すように、基材Kの表面に絶縁膜101Aを形成する。
具体的には、まず、図5(a)に示すように、絶縁膜101Aを形成するべき領域に溶液吐出装置20を走査させて移動し、絶縁溶液の液滴をノズル21から基材Kの表面に向かって吐出させる。このとき、液滴を吐出させつつ溶液吐出装置20を走査させてノズル21を図5(b)に矢印で示すように動かし、矩形の液滴パターン(以下、絶縁液滴パターンとする)101aを形成する。なお、コンデンサの容量は対向電極の面積、間隙および誘電率により定まるため、形成するべきコンデンサの容量に応じて絶縁液滴パターン101aの幅、長さおよび絶縁性材料の誘電率を設定する。
そして、融着装置30のチャンバ内で乾燥処理および融着処理を行うことにより基材Kの表面に絶縁膜101Aを形成する。なお、液滴が絶縁性材料の微細粒子を含有する場合には、形成された絶縁膜101Aが緻密な膜となっていなくても電気的な悪影響がないので、乾燥処理を行うだけで良い。ただし、絶縁膜101Aを強固にするために融着処理を行うことが望ましい。
ここで、絶縁膜101Aの厚みを厚くする場合には、乾燥した絶縁液滴パターン101aの上にさらに同一の液滴を吐出し乾燥させるか、或いは乾燥した絶縁液滴パターン101aの上に他の材料の微細粒子を含有する絶縁溶液の液滴を吐出し乾燥させることにより、乾燥した絶縁液滴パターン101aを複数積層しても良い。このように積層されたそれぞれの絶縁液滴パターン101a中の微細粒子同士を融着することにより、コンデンサの多層構造に類した機能を持たせることができる。なお、絶縁液滴パターン101aを乾燥させた後に液適を吐出するのは、乾燥していない液滴パターンに重ねて液滴を吐出すると、液滴が流れ絶縁液滴パターン101aが広がってしまい、所望の電気的特性が得られないからである。また、特に、乾燥した絶縁液滴パターン101aの上に他の材料の微細粒子を含有する絶縁溶液の液滴を吐出し乾燥させる場合には、上記のように絶縁液滴パターン101aが広がってしまうとともに、異なる微細粒子を含有する液滴同士が混ざってしまい、所望の電気的特性が得られないからである。
また、形成されるべき導電膜101Bの間隔が小さい場合には、導電膜101Bを形成するために吐出される液滴に対して、最上部に形成される絶縁膜101Aが非親和性を示すよう絶縁性材料を選択することが好ましい。この場合には、導電膜101Bを形成するために吐出される液滴が最上部の絶縁膜101Aによってはじかれるため、電極が短絡するのを防ぐことができる。
次に、図6(a)および図7(a)に示すように、導電膜101Bを形成するべき領域に溶液吐出装置20を走査させて移動し、絶縁膜101Aを挟んで導電膜101B,101Bを形成する。
具体的にはまず、導電溶液の液滴を吐出させつつ溶液吐出装置20を走査させて図6(b)や図7(b)に矢印で示すようにノズル21を動かす。これにより絶縁膜101Aを挟んだ2つのの液滴パターン(以下、導電液滴パターンとする)101b,101bが形成される。なお、このとき形成される導電液滴パターン101b,101bは、図5〜図7のような形の他、種々の形状に変更可能である。例えば、導電液滴パターン101bや上記絶縁液滴パターン101aを鋸歯状や凹凸形状に形成し、導電液滴パターン101a,101a同士が絶縁膜101Aを挟んで噛み合うように形成すれば、更にコンデンサの容量を増加させることができる。また、コンデンサの容量を大きくするために、絶縁膜101Aの高さや導電膜101B,101Bの対向面の高さを高く形成することによって電極面積を大きくしても良い。
そして、図8に示すように融着装置30のチャンバ内で乾燥処理および融着処理を行うことによりコンデンサの電極となる導電膜101Bを形成する。
なお、導電膜101Bの形成を、以下のように行うこととしても良い。
具体的にはまず、ノズル21から複数の接着粒子と接着粒子を分散させる分散粒子とを含んだ溶液(以下、接着溶液とする)の液滴を吐出し、液滴パターン(以下、接着液滴パターンとする)を形成する。
次に、基材Kの上面に導電性材料または誘電性材料からなる微細粒子を散布し、これら微細粒子を接着粒子に接着させる。
次に、基材Kの上面に散布された微細粒子のうち、接着粒子に接着されなかったものを基材Kの上面から吹き払う。これにより、接着液滴パターンの上に、この接着液滴パターンと同形状の微細粒子パターンが形成されて残る。
そして、融着装置30のチャンバ内で乾燥処理および融着処理を行い、コンデンサの電極となる導電膜101Bを形成する。
またなお、形成される導電膜101Bと基材Kの表面との密着性が低い場合には、接着溶液に対して親和性の高い材料を含んだ溶液(以下、親和性溶液とする)を用いて下地層として親和性の膜(以下、親和性膜とする)を形成してもよい。例えば、接着溶液の溶媒が有機溶媒であれば、親和性溶液として樹脂やパラフィン、酸化アルミニウムやシリカ等の多孔質材料を吐出して親和性膜を形成する。この場合、親和性膜は接着溶液と密着性がよいので、親和性膜上に接着溶液を吐出すれば接着溶液が親和性膜上に密着して広がり、密着性のよい導電膜101Bが形成される。一方、形成される導電膜101Bと基材Kとの密着性が良すぎて接着溶液が広がり過ぎる場合には、接着溶液に対して非親和性を示す材料を含んだ溶液(以下、非親和性溶液)を用い、導電膜101Bを形成するべき領域を囲むように非親和性の膜(以下、非親和性膜とする)を形成してもよい。例えば接着溶液が親水性を示す場合には、非親和性溶液として樹脂やパラフィン、酸化アルミニウムやシリカ等の多孔質材料を吐出して非親和性膜を形成する。この場合、非親和性膜が接着溶液をはじくので、接着溶液は、非親和性膜で囲まれる領域より大きく広がらない。このような親和性膜や非親和性膜を設ける工程は、絶縁膜101Aその他の膜を形成する際に適用しても良い。
またなお、形成されたコンデンサの容量が不足している場合には、導電膜101Bを長くして対向電極の面積を広げたり、絶縁膜101A上や導電膜101Bの延長部分に誘電性材料を吐出したりすれば容量の微調整が可能である。
(第四の実施例)
本第四の実施例は、製造装置100を利用して抵抗器を含んだ電子回路を基材Kの表面に形成するものである。より詳細には、基材Kの表面に抵抗膜101Cと、この抵抗膜101Cを挟んだ導電膜101B、つまり電極とを形成するものである。
なお、本第四の実施例においては、走査型の溶液吐出装置20を用いている。
また、本第四の実施例において抵抗膜101Cを形成する際には、PGMEA、シクロヘキサン、カルビトールアセテート等が溶媒として用いられた溶液(以下、抵抗溶液とする)を溶液吐出装置20のノズル21に供給している。この抵抗溶液には、微細粒子としてNi‐CrやCr‐SiO、Cr‐MgF、Au‐SiO2、AuMgF、PtTa2O5、AuTa2O5Ta2、Cr3Si、TaSi2等の半導電性材料の粒子または導電性材料の微細粒子と絶縁性材料の微細粒子との混合物が用いられている。また、湿潤剤またはバインダとして、グリセリンやジエチレングリコール、エチレングリコール等が必要に応じて加えられている。
また、本第四の実施例において、導電膜101Bを形成する際には上記第三の実施例の溶液と同様の導電溶液を用いている。
以下、図9〜図11参照し、手順を説明する。各図において(a)は形成されるべき抵抗器の中心線で切断した断面図を示し、(b)は平面図を示す。
まず、基材Kの表面に、抵抗膜101Cを形成する。
具体的には、まず、抵抗膜101Cを形成するべき領域に溶液吐出装置20を走査させて移動し、図9(a)(b)に示すように、抵抗溶液の液滴を吐出させ、基材Kの表面に液滴パターン(以下、抵抗液滴パターン)101cを形成する。なお、抵抗器の抵抗値は長さに比例し断面積に反比例するため、形成するべき抵抗器の抵抗値に応じて抵抗液滴パターン101cの幅、高さおよび長さ設定する。
そして、融着装置30のチャンバ内で乾燥処理および融着処理を行うことにより基材Kの表面に抵抗膜101Cを形成する。
次に、図10(a)および図11(a)に示すように、導電膜101Bを形成する領域に溶液吐出装置20を走査させて移動し、絶縁膜101Aを挟んで導電膜101B,101Bを形成する。
具体的にはまず、導電溶液の液滴を吐出させつつ溶液吐出装置20を走査させて図10(b)や図11(b)に矢印で示すようにノズル21を動かす。これにより抵抗膜101Cを挟んで直線上に連なる導電液滴パターン101b,101bが形成される。なお、このとき形成される導電液滴パターン101b,101bは、図9〜図11のような形の他、種々の形状に変更可能である。
そして、第三の実施例における導電膜101Bの形成手順と同様に、融着装置30を用い、基材Kの表面に導電膜101B,101Bを形成する。
なお、後に抵抗器124の抵抗値を微調整したい場合には抵抗膜101Cに対して抵抗溶液を吐出しすることにより抵抗膜101Cの厚みを厚くしたり幅を大きくしたりすれば、抵抗値を適正値にまで下げることができる。
以上のような製造装置100によれば、ノズル21の吐出口の内径が0.1[μm]〜100[μm]であり、低コンダクタンス化が図られているため、ノズル内に供給された溶液に任意波形の電圧を印加することにより、単位時間あたりの溶液吐出量を低減させることができる、つまり液滴の微細化を図ることができる。従って、従来よりも微細な、例えば1[pl]未満または100[fl]未満の複数の液滴からなる液滴パターンを基材Kの表面に形成することができる。また、溶液を帯電させてから吐出を行うので、液滴の蒸気圧の低減が図られ、液滴を蒸発させにくくするという効果を得ることができる。そして、蒸発を抑制することから液滴の質量の損失を低減し、飛翔の安定化を図り、液滴の着弾精度を向上することができる。従って、微細な複数の液滴からなる液滴パターンを基材Kの表面に確実に形成することができる。
そして、基材Kの表面に着弾した微細な液滴に熱または光をあてることによって液滴中の分散剤が分解揮散し、液滴中の微細粒子同士が接触して融着するため、10[μm]よりも微細な線幅の電子回路を基材Kの表面に形成することができる、つまり数十[μm]よりも微細な線幅の電子回路を基材Kの表面に備えた回路基板を形成することができる。
また、微細粒子の平均粒径は100[nm]以下であるので、0.1[μm]〜100[μm]の内径の吐出口から微細粒子を容易に吐出させることができるとともに、微細粒子同士を融着させることにより、微細な線幅の電子回路を形成することができる。
また、微細粒子として導電性材料からなるものを用い、これら微細粒子同士を融着させることにより、基材Kの表面に導電膜101Bや導線、電極膜を形成することができる。
また、微細粒子として半導電性材料からなるものを用い、これら微細粒子同士を融着させることにより、基材Kの表面に抵抗膜101Cを形成することができる。従って、例えばこの抵抗膜101Cの両端に導線を形成することにより、基材Kの表面に抵抗器を形成することができる。
また、微細粒子として絶縁性材料または誘電性材料からなるものを用い、これら微細粒子同士を融着させることにより、基材Kの表面に絶縁膜101Aを形成することができる。従って、例えばこの絶縁膜101Aを挟んで電極膜を形成することにより、基材Kの表面にコンデンサを形成することができる。
また、接着溶液を基材Kの表面に吐出し、形成された微細な接着液滴パターン上に微細粒子を散布してこれら微細粒子を接着粒子に接着させた後、散布された微細粒子のうち、接着粒子に接着されていない微細粒子を基材Kの表面から除去することにより、基材Kの表面に形成された微細な接着液滴パターン上に、この接着液滴パターンと同形状の微細粒子パターンを形成することができる。
そして、乾燥処理及び融着処理を行うことにより、10[μm]よりも微細な線幅の電子回路を基材Kの表面に形成することができる、つまり数十[μm]よりも微細な線幅の電子回路を基材Kの表面に備えた回路基板を形成することができる。
なお、上記実施の形態においては、製造装置100によってコンデンサや抵抗器を形成することとして説明したが、有機および無機トランジスタ等、他の電子素子を形成することとしても良い。
(印加電圧低下および微少液滴量の安定吐出実現の方策)
本発明では、静電吸引型インクジェット方式において果たすノズルの役割を再考察し、
Figure 0004323257
即ち、
Figure 0004323257
或いは
Figure 0004323257
という従来吐出不可能として試みられていなかった領域において、マクスウェル力などを利用することで、微細液滴を形成することができる。
このような駆動電圧低下および微少量吐出実現の方策のための吐出条件等を近似的に表す式を導出したので以下に述べる。
以下の説明は、上記各本発明の実施形態で説明した液体吐出装置に適用可能である。
いま、半径rのノズルに導電性溶液を注入し、基材としての無限平板導体からhの高さに垂直に位置させたと仮定する。この様子を図12に示す。このとき、ノズル先端部に誘起される電荷は、ノズル先端の半球部に集中すると仮定し、以下の式で近似的に表される。
Figure 0004323257
ここで、Q:ノズル先端部に誘起される電荷(C)、ε0:真空の誘電率(F/m)、ε:基材の誘電率(F/m)、h:ノズル−基材間距離(m)、d:ノズル内径の直径(m)、V:ノズルに印加する総電圧(V)である。α:ノズル形状などに依存する比例定数で、1〜1.5程度の値を取り、特にd<<hのときほぼ1程度となる。
また、基材としての基板が導体基板の場合、基板内の対称位置に反対の符号を持つ鏡像電荷Q’が仮想的に誘導されると考えられる。基板が絶縁体の場合は、誘電率によって定まる対称位置に同様に反対符号の映像電荷Q’が仮想的に誘導される。
ところで、ノズル先端部に於ける集中電界強度Eloc. [V/m]は、先端部の曲率半径をR[m]と仮定すると、
Figure 0004323257
で与えられる。ここでk:比例定数で、ノズル形状などにより異なるが、1.5〜8.5程度の値をとり、多くの場合5程度と考えられる。(P. J. Birdseye and D.A. Smith, Surface Science, 23 (1970) 198-210)
今簡単のため、d/2=Rとする。これは、ノズル先端部に表面張力で導電性溶液がノズルの半径と同じ半径を持つ半球形状に盛り上がっている状態に相当する。
ノズル先端の液体に働く圧力のバランスを考える。まず、静電的な圧力は、ノズル先端部の液面積をS[m2]とすると、
Figure 0004323257
(7)、(8)、(9)式よりα=1とおいて、
Figure 0004323257
と表される。
一方、ノズル先端部に於ける液体の表面張力をPsとすると、
Figure 0004323257
ここで、γ:表面張力(N/m)、である。
静電的な力により流体の吐出が起こる条件は、静電的な力が表面張力を上回る条件なので、
Figure 0004323257
となる。十分に小さいノズル直径dをもちいることで、静電的な圧力が、表面張力を上回らせる事が可能である。
この関係式より、Vとdの関係を求めると、
Figure 0004323257
が吐出の最低電圧を与える。すなわち、式(6)および式(13)より、
Figure 0004323257
が、上記実施形態における動作電圧となる。
ある半径rのノズルに対し、吐出限界電圧Vcの依存性を図13に示す。この図より、微細ノズルによる電界の集中効果を考慮すると、吐出開始電圧は、ノズル径の減少に伴い低下する事が明らかになった。
従来の電界に対する考え方、すなわちノズルに印加する電圧と対向電極間の距離によって定義される電界のみを考慮した場合では、微小ノズルになるに従い、吐出に必要な電圧は増加する。一方、局所電界強度に注目すれば、微細ノズル化により吐出電圧の低下が可能となる。
静電吸引による吐出は、ノズル端部における流体の帯電が基本である。帯電の速度は誘電緩和によって決まる時定数程度と考えられる。
Figure 0004323257
ここで、ε:流体の比誘電率(F/m)、σ:流体の導電率(S/m)である。流体の比誘電率を10、導電率を10-6 (S/m) を仮定すると、τ=1.854×10-5secとなる。あるいは、臨界周波数をfc[Hz]とすると、
Figure 0004323257
となる。このfcよりも早い周波数の電界の変化に対しては、応答できず吐出は不可能になると考えられる。上記の例について見積もると、周波数としては10 kHz程度となる。このとき、ノズル半径2[μm]、電圧500V弱の場合、ノズル内流量Gは10-13m3/sと見積もることができるが、上記の例の液体の場合、10kHzでの吐出が可能なので、1周期での最小吐出量は10fl(フェムトリットル、1fl:10-15 l)程度を達成できる。
なお、各上記本実施の形態においては、図12に示したようにノズル先端部に於ける電界の集中効果と、対向基板に誘起される静電力の作用を特徴とする。このため、先行技術のように基板または基板支持体を導電性にしたり、これら基板または基板支持体に電圧を印加する必要はない。すなわち、基板として絶縁性のガラス基板、ポリイミドなどのプラスチック基板、セラミックス基板、半導体基板などを用いることが可能である。
また、上記各実施形態において電極への印加電圧はプラス、マイナスのどちらでも良い。
さらに、ノズルと基材との距離は、500[μm]以下に保つことにより、溶液の吐出を容易にすることができる。また、図示しないが、ノズル位置検出によるフィードバック制御を行い、ノズルを基材に対し一定に保つようにする。
また、基材を、導電性または絶縁性の基材ホルダーに裁置して保持するようにしても良い。
図14は、本発明の他の基本例の一例としての液体吐出装置の側面断面図を示したものである。ノズル1の側面部には電極15が設けられており、ノズル内溶液3との間に制御された電圧が引加される。この電極15の目的は、Electrowetting 効果を制御するための電極である。十分な電場がノズルを構成する絶縁体にかかる場合この電極がなくともElectrowetting効果は起こると期待される。しかし、本基本例では、より積極的にこの電極を用いて制御することで、吐出制御の役割も果たすようにしたものである。ノズル1を絶縁体で構成し、その厚さが1[μm]、ノズル内径が2[μm]、印加電圧が300Vの場合、約30気圧のElectrowetting効果になる。この圧力は、吐出のためには、不十分であるが溶液のノズル先端部への供給の点からは意味があり、この制御電極により吐出の制御が可能と考えられる。
前述した図13は、本発明における吐出開始電圧のノズル径依存性を示したものである。液体吐出装置として、図14に示すものを用いた。微細ノズルになるに従い吐出開始電圧が低下し、従来より低電圧で吐出可能なことが明らかになった。
上記各実施形態において、溶液吐出の条件は、ノズル基材間距離(L)、印加電圧の振幅(V)、印加電圧振動数(f)のそれぞれの関数になり、それぞれにある一定の条件を満たすことが吐出条件として必要になる。逆にどれか一つの条件を満たさない場合他のパラメーターを変更する必要がある。
この様子を図15を用いて説明する。
まず吐出のためには、それ以上の電界でないと吐出しないというある一定の臨界電界Ecが存在する。この臨界電界は、ノズル径、溶液の表面張力、粘性などによって変わってくる値で、Ec以下での吐出は困難である。臨界電界Ec以上すなわち吐出可能電界強度において、ノズル基材間距離(L)と印加電圧の振幅(V)の間には、おおむね比例の関係が生じ、ノズル間距離を縮めた場合、臨界印加電圧Vを小さくする事が出来る。
逆に、ノズル基材間距離Lを極端に離し、印加電圧Vを大きくした場合、仮に同じ電界強度を保ったとしても、コロナ放電による作用などによって、流体液滴の破裂すなわちバーストが生じてしまう。そのため良好な吐出特性を得るためには、ノズル基材間距離は100[μm]程度以下に抑えることが吐出特性並びに、着弾精度の両面から望ましい。
電子回路の製造装置の概略構成を示す図である。 溶液吐出装置の概略を示す側面図である。 ノズルに沿った液体吐出装置の断面図である。 溶液の吐出動作と溶液に印加される電圧との関係を示す説明図であって、(A)は吐出を行わない状態であり、(B)は吐出状態を示す。 基材の表面に絶縁膜を形成する手順を示す図であり、(a)は断面図であり、(b)は平面図である。 基材の表面に導電膜を形成する手順を示す図であり、(a)は断面図であり、(b)は平面図である。 基材の表面に導電膜を形成する手順を示す図であり、(a)は断面図であり、(b)は平面図である。 乾燥処理及び融着処理を行っている状態を示す概念図であり、(a)は断面図であり、(b)は平面図である。 基材の表面に抵抗膜を形成する手順を示す図であり、(a)は断面図であり、(b)は平面図である。 基材の表面に導電膜を形成する手順を示す図であり、(a)は断面図であり、(b)は平面図である。 基材の表面に導電膜を形成する手順を示す図であり、(a)は断面図であり、(b)は平面図である。 本発明の実施の形態として、ノズルの電界強度の計算を説明するために示したものである。 ノズルのノズル径とメニスカス部で吐出する液滴が飛翔を開始する吐出開始電圧、該初期吐出液滴のレイリー限界での電圧値及び吐出開始電圧とレイリー限界電圧値の比との関係を示す線図である。 本発明の実施の形態の一例としての液体吐出装置の側面断面図を示したものである。 本発明の実施の形態の液体吐出装置における距離−電圧の関係による吐出条件を説明した図である。
符号の説明
1,21 ノズル
3 溶液
20 溶液吐出装置
25 電圧印加手段
30 融着手段
100 回路基板の製造装置
K 基材

Claims (10)

  1. 溶液吐出装置によって基材の表面に電子回路を形成する回路基板の製造方法であって、
    0.2[μm]より大きくかつ8[μm]以下の内径の吐出口を有するノズル内に供給された、互いに融着して電子回路をなすべき複数の微細粒子とこれら微細粒子を分散させている分散剤とを含有した溶液に、下記式(1)を満足する電圧Vを印加してこの溶液を帯電させることによりその液滴を前記吐出口から前記基材の表面に向かって吐出させ、
    次に、前記基材の表面に着弾した液滴に熱または光をあてることによって前記微細粒子同士を融着させることを特徴とする回路基板の製造方法。
    Figure 0004323257
    但し、γ:溶液の表面張力(N/m)、ε0:真空の誘電率(F/m)、d:ノズル内径(m)、h:ノズル−基材間距離(m)、k:ノズル形状に依存する比例定数(1.5<k<8.5)とする。
  2. 請求項1記載の回路基板の製造方法において、
    前記微細粒子の平均粒径は100[nm]以下であることを特徴とする回路基板の製造方法。
  3. 請求項1または2記載の回路基板の製造方法において、
    前記微細粒子は導電性材料からなることを特徴とする回路基板の製造方法。
  4. 請求項1または2記載の回路基板の製造方法において、
    前記微細粒子は半導電性材料からなることを特徴とする回路基板の製造方法。
  5. 請求項1または2記載の回路基板の製造方法において、
    前記微細粒子は絶縁性材料または誘電性材料からなることを特徴とする回路基板の製造方法。
  6. 請求項1から5の何れか一項に記載の回路基板の製造方法において、
    前記吐出口の内径が4[μm]以下であることを特徴とする回路基板の製造方法。
  7. 溶液吐出装置によって基材の表面に電子回路を形成する回路基板の製造方法であって、
    0.2[μm]より大きくかつ8[μm]以下の内径の吐出口を有するノズル内に供給された、互いに融着して電子回路をなす微細粒子を接着するための複数の接着粒子とこれら接着粒子を分散させている分散剤とを含有した溶液に、下記式(1)を満足する電圧Vを印加してこの溶液を帯電させることによりその液滴を前記吐出口から前記基材の表面に向かって吐出させ、
    次に、前記基材の表面に着弾した液滴に前記微細粒子を散布してこれら微細粒子を前記接着粒子に接着させ、
    次に、散布された微細粒子のうち、前記接着粒子に接着されていない微細粒子を前記基材の表面から除去し、
    次に、前記基材の表面に熱または光をあてることによって前記微細粒子同士を融着させることを特徴とする回路基板の製造方法。
    Figure 0004323257
    但し、γ:溶液の表面張力(N/m)、ε0:真空の誘電率(F/m)、d:ノズル内径(m)、h:ノズル−基材間距離(m)、k:ノズル形状に依存する比例定数(1.5<k<8.5)とする。
  8. 請求項1からの何れか一項に記載の製造方法によって製造されたことを特徴とする回路基板。
  9. 溶液吐出装置によって基材の表面に電子回路を形成する回路基板の製造装置であって、
    前記基材に対向する0.2[μm]より大きくかつ8[μm]以下の内径の吐出口を有するノズル内に供給された、互いに融着して電子回路をなすべき複数の微細粒子とこれら微細粒子を分散させている分散剤とを含有した溶液に、下記式(1)を満足する電圧Vを印加してこの溶液を帯電させることによりその液滴を前記吐出口から前記基材の表面に向かって吐出させる電圧印加手段と、
    前記基材の表面に着弾した液滴に熱または光をあてることによって前記微細粒子同士を融着させる融着手段とを備えることを特徴とする回路基板の製造装置。
    Figure 0004323257
    但し、γ:溶液の表面張力(N/m)、ε0:真空の誘電率(F/m)、d:ノズル内径(m)、h:ノズル−基材間距離(m)、k:ノズル形状に依存する比例定数(1.5<k<8.5)とする。
  10. 請求項に記載の回路基板の製造装置において、
    前記吐出口の内径が4[μm]以下であることを特徴とする回路基板の製造装置。
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