JP2007335558A - 導電性パターン及び導電性パターンの作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基材との接着性が向上し、カール耐性、基材平面性に優れ、かつメッキ処理適性に優れた導電性パターンとその作製方法を提供する。
【解決手段】インク受容基材に、導電性インクを用いて導電性パターン像を形成する工程と、形成した該導電性パターン像に熱エネルギー及び圧力を同時に付与する加熱・加圧工程とを経て形成することを特徴とする導電性パターンの作製方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、基材との密着性が向上し、カール耐性、平面安定性に優れ、かつメッキ適性に優れた導電性パターンとその作製方法に関するものである。
従来、微細な導電性パターンを有するIC、LSIなどの配線基板や電子回路等を形成するには、シート状基材に形成された導電層上に、レジスト剤を用いてレジスト層を形成した後、所望の導電回路パターンを有するフォトマスクで覆って光照射して、導電回路パターン状に形成されたレジスト層以外の未硬化のレジスト層及び導電層を除去して導電性パターンを形成するホトリソグラフによる方法が用いられている。しかしながら、この方法では、レジスト層の付与、光照射、レジスト層の除去等の導電性パターンを形成するための工程を多数必要とし、作業の煩雑性及び経済性の点で問題を抱えている。また、不要物を除去する際に、未硬化のレジスト層が多量に発生し、環境に対する負荷を与えるという課題もある。
また、シート基材上にアルミニウム粉末、銀粉末などの導電性粉末を含む導電性ペーストを印刷して導電回路を作成する方法があるが、印刷機を用いて印刷するため、製版が必要であり、大量生産という観点では適性を備えてはいるが、オンデマンドで少量、多品種の注文に応じることが困難である上、導電性ペースト中の導電性粉末同士の接触により導電性が付与されるため、導電性粒子間の接触不足により導電性が不十分となる場合があるという問題があった。
上記の様な各課題を解決する方法の1つとして、インクジェット吐出方式を備えたインクジェット記録装置を用いて、基材上に導電性粒子等を含有した導電性インクをパターン状に直接射出して、導電性パターンを形成する方法が開示されている(例えば、特許文献1〜3参照)。この様な方法で用いられる導電性インクは、一般的には、導電性粒子として金属ナノコロイドを含有し、この導電性インクを基材シート上に所望のパターンで射出した後、形成したパターン部を加熱、乾燥、溶融させて、金属微粒子を接触させることにより、導電性を付与する方法である。しかしながら、インクジェット吐出方式を用いた上記各特許文献に記載の方法では、導電性パターンを形成した金属微粒子自身は、基材シート、特に、平滑な表面を備えた樹脂シートとの接着性に劣るため、簡単に基材シートから導電性パターンが剥離しまうという課題があった。
上記のような導電性パターンと基材との密着性を向上する方法の1つとして、150〜300℃のオーブン中で、形成した導電性パターンを15〜30分間処理し、導電性パターンを形成する金属微粒子を焼成処理することにより導電性皮膜を形成することにより、基材との接着性を向上させる方法が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。
しかしながら、この様な高温環境下で長時間にわたり処理を行った場合には、基材として樹脂シート等を用いた場合には、樹脂材料の種類によっては基材にカールを生じたり、熱変形を受け、基材平面性を著しく損なう結果となるため、適用することができる基材の種類に制約を受けることとなる。
また、この様な導電性パターンにおいては、より優れた導電性を付与する観点から、導電性パターン表面にメッキ処理を施す工程が用いられる。この様なメッキ処理においては、導電性インク中にメッキ形成を促進するメッキ触媒成分や金属微粒子を添加することが好ましい方法であるが、このメッキ触媒成分は上記のような高温環境下で長時間にわたり焼成処理を行うと、触媒としての活性が簡単に失活してしまい、所望のメッキ形成ができなくなるという課題を抱えている。
特開2004−247667号公報 特開2004−345321号公報 特開2004−345322号公報 特開2002−134878号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、基材との接着性が向上し、カール耐性、基材平面性に優れ、かつメッキ処理適性に優れた導電性パターンとその作製方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.インク受容基材に、導電性インクを用いて導電性パターン像を形成する工程と、形成した該導電性パターン像に熱エネルギー及び圧力を同時に付与する加熱・加圧工程とを経て形成することを特徴とする導電性パターンの作製方法。
2.前記熱エネルギー及び圧力を同時に付与する手段が、ローラー部材を用いて前記導電性パターン像に加熱・加圧処理を施す方法であることを特徴とする前記1に記載の導電性パターンの作製方法。
3.前記導電性インクが、少なくともメッキ触媒として作用する金属微粒子を含有することを特徴とする前記1または2に記載の導電性パターンの作製方法。
4.可視部における平均透過率が、80%以上であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の導電性パターンの作製方法。
5.前記インク受容基材上に前記導電性インクをパターン状に付与する手段が、インクジェット記録装置を用いたインクジェット記録手段であることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の導電性パターンの作製方法。
6.前記インクジェット記録装置による前記導電性インクの吐出方法が、圧力印加手段と電界印加手段とを用いた方法であることを特徴とする前記5に記載の導電性パターンの作製方法。
7.前記加熱・加圧工程における加熱温度が、100℃以上、170℃以下であることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の導電性パターンの作製方法。
8.前記加熱・加圧工程における加圧する圧力が、線圧で1N/cm以上、100N/cm以下であることを特徴とする前記1〜7のいずれか1項に記載の導電性パターンの作製方法。
9.インク受容基材に、導電性インクを用いて導電性パターン像を形成した後、形成した該導電性パターン像に熱エネルギー及び圧力を同時に付与して形成されたことを特徴とする導電性パターン。
10.前記熱エネルギー及び圧力を同時に付与する手段が、ローラー部材を用いた加熱・加圧処理であることを特徴とする前記9に記載の導電性パターン。
11.前記導電性インクが、少なくともメッキ触媒として作用する金属微粒子を含有することを特徴とする前記9または10に記載の導電性パターン。
12.可視部における平均透過率が、80%以上であることを特徴とする前記9〜11のいずれか1項に記載の導電性パターン。
13.前記インク受容基材上に前記導電性インクをパターン状に付与する方法が、インクジェット記録装置を用いたインクジェット記録方式であることを特徴とする前記9〜12のいずれか1項に記載の導電性パターン。
14.前記インクジェット記録装置による前記導電性インクの吐出方法が、圧力印加手段と電界印加手段とを用いた方法であることを特徴とする前記13に記載の導電性パターン。
15.前記加熱・加圧処理における加熱温度が、100℃以上、170℃以下であることを特徴とする前記10〜14のいずれか1項に記載の導電性パターン。
16.前記加熱・加圧処理時に加圧する圧力が、線圧で1N/cm以上、100N/cm以下であることを特徴とする前記10〜15のいずれか1項に記載の導電性パターン。
本発明により、基材との接着性が向上し、カール耐性、基材平面性に優れ、かつメッキ処理適性に優れた導電性パターンとその作製方法を提供することができた。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、インク受容基材に、導電性インクを用いて導電性パターン像を形成する工程と、形成した該導電性パターン像に熱エネルギー及び圧力を同時に付与する加熱・加圧工程とを経て形成することを特徴とする導電性パターンの作製方法及びそれにより得られた導電性パターンにより、従来のような高温環境下で長時間にわたり焼成処理を行う方法に対し、熱エネルギー及び圧力を同時に付与する加熱・加圧工程、詳しくは、加熱ローラと加圧ローラーを用いて、一定の圧力を付与しながら、極めて短時間で加熱処理を行うことにより、所望の基材との接着性を確保すると共に、インク受容基材、特に、高い透過性を有する樹脂シート等を用いた場合でも、基材に対し、長時間にわたる熱エネルギー付与に伴う変形や不正なカール特性を与えることがなく、また、極めて短時間の加熱処理のみを行うため、導電性パターン中に含まれるメッキ触媒を失活させることがないため、優れたメッキ適性を付与することができることを見出し、本発明に至った次第である。
以下、本発明の詳細について説明する。
〔導電性インク〕
本発明の導電性パターンの作製方法においては、インク受容基材上に導電性インクを用いて導電性パターン像を形成することを特徴の1つとする。
本発明に係る導電性インクには、導電性付与材料として金属微粒子を含有する。
本発明に用いられる金属微粒子としては、例えば、Au、Pt、Ag、Cu、Ni、Cr、Rh、Pd、Zn、Co、Mo、Ru、W、Os、Ir、Fe、Mn、Ge、Sn、Ga、In等が挙げられるが、その中でも特に、Au、Ag、Cuのような金属微粒子を用いると、電気抵抗が低く、かつ腐食に強い回路パターンを形成することができるので好ましい。これらの金属微粒子は、平均粒子径が100nm以下の金属ナノコロイドであることが好ましい。
本発明に係る導電性インクには、金属微粒子の保護コロイドとして重合体または界面活性剤を用いることができ、特に、ポリエステル、ポリアクリルニトリル、ポリウレタンとアルカノールアミンとのブロック共重合体が好ましい。
本発明に係る導電性インクは、水系導電性インクと油系導電性インクとが挙げられる。金属微粒子を、水を主体とする分散媒に分散して構成される水系導電性インクは、例えば、以下に示す方法に従って調製することができる。
塩化金酸や硝酸銀のような金属イオンソース水溶液中に水溶性の重合体を溶解させ、撹拌しながら、ジメチルアミノエタノールのようなアルカノールアミンを添加する。数10秒〜数分で金属イオンが還元され、平均粒子径が100nm以下の金属微粒子が析出する。その後、塩素イオンや硝酸イオンを限外濾過などの濾過方法で除去した後、濃縮・乾燥することにより、高濃度に金属微粒子を含有した水系導電性インクが得られる。この水系導電性インクは、水やアルコール系溶媒、テトラエトキシシランやトリエトキシシランのようなゾルゲルプロセス用バインダーに安定に溶解、混合することが可能である。
また、金属微粒子を油性分散媒に分散した油系導電性インクは、例えば、以下に示す方法に従って調製することができる。
油溶性ポリマーをアセトンのような水混和性有機溶媒に溶解させ、このポリマー溶液を金属イオンソース水溶液と混合する。混合物は不均一系であるが、これを撹拌しながらアルカノールアミンを添加すると、金属微粒子が重合体中に分散した形で油相側に析出してくる。これを洗浄、濃縮、乾燥させることにより、水系導電性インクと同様の濃厚な金属微粒子を含有する油系導電性インクが得られる。この油系導電性インクは、芳香族系、ケトン系、エステル系などの溶媒やポリエステル、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂等に安定に溶解、混合することが可能である。
導電性インクの分散媒中における金属微粒子の濃度は、最大80質量%程度にすることが可能であるが、用途に応じて適宜稀釈して使用することができる。通常は、導電性インクにおける金属微粒子の含有量は2〜50質量%、界面活性剤および樹脂成分の含有量は0.3〜30質量%、粘度は3〜30mPa・sとすることが好ましい。
〔導電性パターンの形成方法〕
本発明において、本発明に係る導電性パターンの形成方法としては、特に制限はなく、公知のパターン形成方法を適用することができ、例えば、インクジェット方式、スクリーン印刷法、オフセット印刷法等を挙げることができるが、インクジェット記録装置を用いたインクジェット方式を適用することが好ましく、更には、電気回路等に使用される線幅が20μm以下の細線を高精度に形成できる観点から、インクジェット記録装置による導電性インクの吐出方法が、圧力印加手段と電界印加手段とを用いた方法であることが好ましい。
以下、圧力印加手段と電界印加手段とを用いたインクジェット記録方法について説明する。
一般に、電子回路等で要求されている微細な線幅のパターンを高精細に描画するには、インクジェット記録装置から射出するインク液滴をより微細化する必要がある。
しかしながら、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)や電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)のみの出力手段を用いて、極微小インク液滴を吐出した場合、ノズルから吐出したインク液滴に付与される運動エネルギーは、インク液滴の半径の3乗に比例して小さくなるため、微小液滴は空気抵抗に耐えるほどの十分な運動エネルギーを確保できず、空気対流などによる擾乱を受け、正確な着弾が困難となる。さらに、インク液滴が微細になるほど、表面張力の効果が増すために、液滴の蒸気圧が高くなり蒸発量が激しくなる。このため微細液滴は、飛翔中の著しい質量の消失を招き、着弾時に液滴の形態を保つことすら難しいという問題があった。このように着弾位置の高精度化は、インク液滴の微細化と相反する課題であり、これら2つを同時に実現することに対し、障害を抱えていた。
本発明においては、上記課題を解決する方法として、圧力印加手段と電界印加手段とを用いた射出方法を適用することが好ましい。
この射出方法は、0.1〜100μmの内径の吐出口を有するノズルを用い、導電性インクに任意波形の電圧を印加して、この導電性インクを帯電させることにより、そのインク液滴を吐出口から、樹脂層を有するインク受容基材に吐出する方法である。
すなわち、この射出方法は、ノズルの吐出口の内径が0.1〜100μmであり、電界強度分布が狭くなっているため、ノズル内に供給された導電性インクに任意波形の電圧を印加することにより電界を集中させることができる。その結果、形成されるインク液滴を微小で、かつ形状の安定化したものとすることができる。従って、従来よりも微細な、例えば1pl(ピコリットル)未満の複数のインク液滴からなるインク液滴パターンを樹脂層表面に形成することができる。また、電界強度分布が狭くなっているため、ノズル内の導電性インクに印加する総印加電圧を低減することができる。また、インク液滴は、ノズルから吐出された直後、電界と電荷の間に働く静電力により加速されるが、ノズルから離れると電界は急激に低下するので、その後は、空気抵抗により減速する。しかしながら、微小液滴でかつ電界が集中したインク液滴は、樹脂層に近づくにつれ、鏡像力により加速される。この空気抵抗による減速と鏡像力による加速とのバランスをとることにより、微小液滴を安定に飛翔させ、着弾精度を向上させることが可能となる。
図1は、本発明に好ましく適用できる圧力印加手段と電界印加手段とを用い導電性インク吐出装置の一例を示した概略断面図である。
図1において、導電性インク吐出装置20は、帯電可能な導電性インクの液滴を先端部から樹脂層を有するインク受容基材Kに向かって吐出する超微細径のノズル21と、ノズル21の先端部に対向する面側には位置され、その対向面でインク受容基材Kを支持する対向電極23と、ノズル21内の流路22に導電性インクを供給する導電性インク供給手段と、ノズル21内の導電性インクに任意波形の吐出電圧を印加する吐出電圧印加手段(電圧印加手段)25とを備えている。なお、上記ノズル21と導電性インク供給手段の一部の構成と吐出電圧印加手段25の一部の構成とは、ノズルプレート26と一体的に形成されている。
ノズル21は、ノズルプレート26の下面層26cから垂設され、この下面層26cと一体的に形成されている。ノズル21の先端部は、対向電極23に指向している。ノズル21の内部には、その先端部からその中心線に沿って貫通するノズル内流路22が形成されている。
ノズル21は、例えば、ガラスなどの電気絶縁体により、超微細径で形成されている。ノズル21の各部の寸法の具体例を挙げると、ノズル内流路22の内部直径は1μm、ノズル21の先端部における外部直径は2μm、ノズル21の根元、すなわち、上端部の直径は5μm、ノズル21の高さは100μmに設定されている。また、ノズル21の形状は限りなく円錐形に近い円錐台形に形成されている。このようなノズル21はその全体がノズルプレート26の下面層26cと共に絶縁性の樹脂材により形成されている。
なお、ノズル21の各寸法は上記一例に限定されるものではない。特に吐出口の内径については、電界集中の効果により液滴の吐出を可能とする吐出電圧が1000V未満を実現する範囲であって、例えば、100μm以下であり、より望ましくは、20μm以下であって、現行のノズル形成技術により溶液を通す貫通穴を形成することが実現可能な範囲である内径、例えば0.1μmをその下限値とする。
導電性インク供給手段は、ノズルプレート26の内部であってノズル21の根元となる位置に設けられると共にノズル内流路22に連通する溶液室24と、図示しない外部の導電性インクタンクからインク室24に導電性インクを導く供給路27と、インク室24への溶液の供給圧力を付与する図示しない供給ポンプとを備えている。
上記供給ポンプは、ノズル21の先端部まで導電性インクを供給し、当該先端部からこぼれ出さない範囲の供給圧力を維持して導電性インクの供給を行う。
吐出電圧印加手段25は、ノズル21内の導電性インクに吐出電圧を印加してこの導電性インクを帯電させることにより、この導電性インクの液滴をノズル21の吐出口からインク受容基材Kに向かって吐出させるものである。この吐出電圧印加手段25は、ノズルプレート26の内部であってインク室24とノズル内流路22との境界位置に設けられた吐出電圧印加用の吐出電極28と、この吐出電極28に常時,直流のバイアス電圧を印加するバイアス電源30と、吐出電極28にバイアス電圧に重畳して吐出に要する電位とするパルス電圧を印加する吐出電圧電源29とを備えている。
吐出電極28は、インク室24内部において導電性インクに直接接触し、導電性インクを帯電させると共に吐出電圧を印加する。
バイアス電源30によるバイアス電圧は、導電性インクの吐出が行われない範囲で常時電圧印加を行うことにより、吐出時に印加すべき電圧の幅を予め低減し、これによる吐出時の反応性の向上を図っている。
一例を挙げると、バイアス電圧はDC300Vで印加され、パルス電圧は100Vで印される。従って、吐出の際の重畳電圧は400Vとなる。
ノズルプレート26は、最も上層に位置する上面層26aと、その下に位置する導電性インクの供給路を形成する流路層26bと、この流路層26bのさらに下に形成される下面層26cとを備え、流路層26bと下面層26cとの間には、吐出電極28が介挿されている。
対向電極23は、ノズル21に垂直な対向面を備えており、かかる対向面に沿うようにインク受容基材Kの支持を行う。ノズル21の先端部から対向電極23の対向面までの距離は、例えば100μm等、一定に保持されている。
また、対向電極23は接地されているため、常時、接地電位を維持している。従って、パルス電圧の印加時にはノズル21の先端部と対向面との間に生じる電界による静電力により吐出された液滴を対向電極23側に誘導する。
なお、導電性インク吐出装置20は、ノズル21の超微細化による当該ノズル21の先端部での電界集中により電界強度を高めることで液滴の吐出を行うことから、対向電極23による誘導がなくとも液滴の吐出を行うことは可能ではあるが、ノズル21と対向電極23との間での静電力による誘導が行われた方が望ましい。この場合、ノズル21から吐出され空気抵抗により減速する液滴を、鏡像力により加速することができる。従って、これら空気抵抗による減速と鏡像力による加速とのバランスをとることにより、微小液滴を安定に飛翔させ、着弾精度を向上させることができる。またなお、帯電した液滴の電荷を、対向電極23の接地により逃がすことも可能である。
以上のような導電性インク吐出装置20は、図示しない駆動機構により、インク受容基材Kの搬送方向に対して直交する方向に走査自在とされた走査型の導電性インク吐出装置としてもよい。この場合において、導電性インク吐出装置20に複数のノズル21を配列するようにしてもよい。また、導電性インク吐出装置20は、インク受容基材Kの搬送方向に対して直交する方向に多数のノズル21を配列してなるライン型の導電性インク吐出装置としてもよい。
〔インク受容基材〕
本発明に用いられるインク受容材料としては、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエステルフィルム等の樹脂フィルム、ガラス−エポキシ基板、シリコン基板、セラミックス基板、ガラス基板等が挙げられるが、取り扱い性の観点からシート状の樹脂フィルムを用いることが好ましい。また、最終的な高い透過性、具体的には、可視部における平均透過率が80%以上である導電性パターンを形成する観点からは、樹脂フィルムあるいはガラス基板が好ましい。
本発明で用いられる樹脂フィルムの材質としては、特に限定はないが、例えば、ポリエステル系フィルム(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム,ポリカーボネートフィルム、シクロオレフィンポリマーフィルム(アートン(JSR社製)、ゼオネックス、ゼオネア(以上、日本ゼオン社製))、ポリエーテルスルフォンフィルム、ポリスルホン系フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム、ポリアクリレート系フィルム、ポリアリレート系フィルム等を挙げることができる。これらの素材を主成分とする異なる材質のフィルムを積層したフィルムであってもよい。
また、本発明においては、インク受容材料とその上に設ける導電性パターンとの密着性を高める観点から、インク受容材料表面に、予め表面をコロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、プライマー処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理を施すことが好ましい。
〔加熱、加圧処理〕
本発明の導電性パターンの作製方法においては、導電性インクを用いて導電性パターン像を形成した後、形成した導電性パターン像に熱エネルギー及び圧力を同時に付与する加熱・加圧処理を施すことを1つの特徴とする。
本発明においては、熱エネルギー及び圧力を同時に付与する手段が、ローラー部材を用いて導電性パターン像に加熱・加圧処理を施す方法であることが好ましい。この様なローーラー部材、例えば、対向した位置に、一対の加熱ローラーと加圧ローラー(保持ローラー)とを配置したローラー対を用い、2つのローラー間隙(ニップ間隙)に、導電性インクを用いて導電性パターン像を形成したインク受容基材を、所望の温度、所望の圧力及び所望の時間で処理することにより、導電性パターン像中に含まれる金属微粒子を極めて短時間で焼結することで、優れた導電性を付与すると共に、処理時間が極めて短時間であるため、例えば、樹脂シート等をインク受容基材として使用した場合であっても、安定したカール特性と基材変形を伴うことがなく、優れた基材平面性を得ることができる。それらの効果に加えて、導電性パターン像を極めて短時間で処理するため、高温環境下で長時間にわたる焼結処理に比べ、導電性パターン中のメッキ触媒に対する触媒失活が極めて低減することができるため、その後のメッキ処理におけるメッキ効果を十分に発揮させることができ、より優れた導電性を備えた導電性パターンを得ることができる。
本発明において、ローラー部材を用いて、同時に加熱・加圧処理を施す方法としては、特に制限はなく、固定したステージ上に導電性パターン像を形成したインク受容基材を置き、加熱及び加圧機能を備えた単一のローラーを押しあてて、加熱・加圧処理を行う方法であっても、あるいは前述のように、加熱ローラーと加圧ローラーとから構成されている一組のローラー対を用い、このローラー間隙に、所望の温度、所望の圧力及び所望の時間でインク受容基材を通過させる方法であっても良いが、特には、後者が好ましい。また、このローラー対は1組のみで処理を行っても、あるいは、必要に応じて、複数個のローラー対を配置して、加熱・加圧処理を行っても良い。
本発明に係る加熱・加圧処理で適用可能な加熱ローラーとしては、特に制限はないが、例えば、金属製のコアの周囲に弾性体層および離型層が形成したもので、コアは、例えば、鉄製、アルミニウム製、SUS製等の円筒体で構成されている。コアの表面には、弾性体層が設けられている。弾性体層としては、耐熱性の高い弾性体を用いることができ、例えば、ゴム硬度45°(JIS−A)のHTV(HighTemperature Vulcanization)シリコーンゴムが所望の厚さをもって形成することができ、また他の材料を使用することができる。弾性体層のその上には離型層が設けられており、例えば、RTV(Room Temperature Vulcanization)シリコーンゴムの他に、Vitonなどのフッ素ゴムや、PFA(パーフルオロアルコキシビニールエーテル共重合樹脂)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合樹脂)などのフッ素樹脂を被覆して用いることができ、これらの離型層は、例えば、ディップコート、チューブで被覆するなどの方法を用いて形成することができる。
また、コアとしては、鉄の他に、例えば、アルミニウムやSUSなどの金属製のものを使用することができる。離型層としては、シリコーンゴム以外にも、Vitonなどのフッ素ゴムや、PFA(パーフルオロアルコキシビニールエーテル共重合樹脂)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合樹脂)などのフッ素樹脂を被覆してもよい。
コアの内部には、加熱源として、例えば、ハロゲンランプ等の発熱体が固定支持されている。また、加熱ローラーの表面に近接して温度センサーを配置し、加熱ローラ表面の温度を計測し、制御することが好ましい。温度センサーの計測信号に基づいて、温度コントローラによって発熱体がフィードバック制御され、加熱ローラの表面が規定の温度となるように調整する。
また、加圧ローラーとしては、例えば、上記と同様に金属製のコア上に、HTV、RTVで形成されたゴム層にポリパーフルオロアルキルエーテルを塗布加工又はポリパーフルオロアルキルエーテル製のチューブを好ましくは50〜140μmに被覆させ、例えば、ゴム硬度がJIS−K6301アスカーCスケールで60〜75度の範囲、表面粗さRaが0.3〜0.8μmの範囲にある加圧ローラーを用いることができる。
本発明の導電性パターンの作製方法においては、加熱・加圧工程における加熱温度が、100℃以上、170℃以下であることが、本発明の目的効果をいかんなく発揮できる観点から好ましく、更に好ましくは110℃以上、160℃以下である。加熱温度が100℃未満では、インク受容基材と導電性パターンとの密着性が不十分となると共に、導電性パターン像中に含まれる金属微粒子の焼結処理が不十分となり、所望の導電性を得ることができない。また、加熱温度が170℃超になると、インク受容基材の変形やカールが生じると共に、導電性パターン中に含有しているメッキ触媒成分のメッキ特性の失活を招く恐れがあるため好ましくない。
また、加熱・加圧工程における加圧する圧力が、線圧で1N/cm以上、100N/cm以下であることが、本発明の目的効果をいかんなく発揮できる観点から好ましく、より好ましくは線圧で1N/cm以上、50N/cm以下、更に好ましくは線圧で1N/cm以上、20N/cm以下である。線圧が1N/cm未満では、導電性パターン像中に含まれる金属微粒子の焼結処理が不十分となり、所望の導電性を得ることができない。また、線圧が100N/cm超になると、導電性パターン像に付与する圧力が過度となり、形成した導電性パターン像を破壊する恐れがあるため好ましくない。
また、本発明においては、加熱・加圧用ローラーでの焼結処理の線速度としては、設定する温度条件により一概に規定することはできないが、概ね16〜60cm/minの範囲とすることが好ましい。
〔メッキ処理〕
本発明の導電性インク、特には、メッキ触媒として作用する金属微粒子を含有する導電性インクにより形成した導電性パターンは、形成後、本発明に係る加熱、加圧による焼成処理により良好な導電性を呈するが、更に、加熱・加圧処理を行った後、導電性パターンが含有している金属微粒子をメッキ触媒としてメッキ処理を施すことが、より優れた導電性が得られる観点から好ましい。
以下、本発明に適用可能なメッキ処理方法について説明する。
本発明においては、従来公知のメッキ法を適用できるが、その中でも、低抵抗の導電性パターンを、煩雑な工程なしに簡便、低コストでメッキ処理することができる観点から、無電解メッキ法を適用することが好ましい。
無電解メッキ法によるメッキ処理は、上述の方法に従ってメッキ触媒として作用する金属微粒子を含有する導電性パターンに、メッキ剤を接触させる方法である。これにより、メッキ触媒である金属微粒子とメッキ剤とが接触し、導電性パターン部に無電解メッキが施されて、より優れた導電性を得ることができる。
本発明に係るメッキ処理で使用できるメッキ剤としては、例えば、メッキ材料として析出させる金属イオンが均一溶解された溶液が用いられ、金属塩とともに還元剤が含有される。ここで、通常は溶液が用いられるが、無電解メッキを生じさせるものであればこれに限らず、ガス状や粉体のメッキ剤を適用することも可能である。
具体的に、この金属塩としては、Au、Ag、Cu、Ni、Co、Feから選択される少なくとも1種の金属のハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、燐酸塩、ホウ酸塩、酢酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩などが適用可能である。また還元剤としては、ヒドラジン、ヒドラジン塩、ボロハライド塩、次亜燐酸塩、次亜硫酸塩、アルコール、アルデヒド、カルボン酸、カルボン酸塩などが適用可能である。なお、これらの還元剤に含有されるボロン、燐、窒素などの元素が、析出する電極に含有されていても構わない。或いはこれらの金属塩の混合物を用いて合金が形成されていても構わない。
メッキ剤は、上記金属塩と還元剤とが混合されたものを適用するようにしてもよいし、或いは金属塩と還元剤とを別個に適用するようにしてもよい。ここで、導電性パターンをより鮮明に形成するためには、金属塩と還元剤とが混合されたものを適用することが好ましい。また、金属塩と還元剤とを別個に適用する場合には、導電性パターン部にまず金属塩を配した後、還元剤を配することで、より安定した電極パターンを形成することができる。
メッキ剤には、必要があれば、pH調整のための緩衝剤、界面活性剤などの添加物を含有させることができる。また、溶液に用いる溶媒としては、水以外にアルコール、ケトン、エステルなどの有機溶剤を添加するようにしてもかまわない。
メッキ剤の組成は、析出させる金属の金属塩、還元剤、および必要に応じて添加物、有機溶媒を添加した組成で構成されるが、析出速度に応じて濃度や組成を調整することができる。また、メッキ剤の温度を調節して析出速度を調整することもできる。この温度調整の方法としては、メッキ剤の温度を調整する方法、また例えばメッキ剤中に浸漬する場合、浸漬前に基板を加熱、冷却して温度調節する方法などが挙げられる。さらに、メッキ剤に浸漬する時間で析出する金属薄膜の膜厚を調整することもできる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
《導電性パターンを有する試料の作製》
〔試料1の作製〕
(インク受容基材)
厚さ100μmの延伸透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(ダイアホイルヘキスト(株)製、T100)を用い、一方の面側に酸素プラズマ処理による親水化処理を施して、これをインク受容基材とした。
(導電性インク液の調製)
下記の各添加剤を攪拌、混合して、金属微粒子を含む導電性インク液を調製した。下記導電性インク液には、微量の界面活性剤を添加して、表面張力を調整した。
金属微粒子:平均粒径が20nmのAgコロイド微粒子(保護コロイド成分を15質量%含む) 5質量%
金属微粒子:平均粒径が50nmのPdコロイド微粒子(保護コロイド成分を3質量%含む) 15質量%
プロピレングリコールモノメチルアセテート 80質量%
(導電性パターンの形成)
上記調製した導電性インク液を、図1に記載の圧力印加手段と電界印加手段とを備えたインクジェット記録装置に装填し、上記作製したインク受容基材の樹脂層上に、線幅10μm、乾燥後膜厚0.5μm、線間隔285μmの格子状回路パターンを形成した後、乾燥して導電性パターンを形成した。
(メッキ処理)
導電パターン付きの試料を無電解ニッケルメッキ浴中に浸漬し、平均膜厚が10μmとなるまで無電解めっき処理を行って、導電パターン上にニッケルによる導電パターンを形成し、これを試料1とした。
〔試料2の作製〕
上記試料1の作製において、メッキ処理を施す前に、下記の方法に従って導電性パターンの加熱・加圧処理を行った以外は同様にして、試料2を作製した。
(導電性パターンの加熱・加圧処理)
導電性パターンを形成、乾燥した試料を、上下の対向した位置に配置した下記の構成からなる加熱ローラー及び加圧ローラー間に通過させ、加熱加圧処理を行った。
(加熱ローラー)
ローラー構成:中空の鉄製コアの表面にHTVシリコーンゴムを被覆し、更にその表面にPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)フッ素樹脂をチューブ状に被覆した直径が50mmのローラーを用い、その鉄製コア内部に発熱体が固定支持されている。
(定着ローラー)
ローラー構成:鉄製コアの表面にHTVシリコーンゴムを被覆し、ポリパーフルオロアルキルエーテル製のチューブを100μmの厚さに被覆した直径が50mmのローラーを用いた。
(ローラー条件)
加熱温度:80℃
付与圧力:線圧で20N/cm
搬送線速度:30cm/min
〔試料3〜6の作製〕
上記試料2の作製において、導電性パターンの加熱・加圧処理時の加熱温度を、それぞれ100℃、140℃、170℃、190℃に変更した以外は同様にして、試料3〜6を作製した。
〔試料7の作製〕
上記試料1の作製において、メッキ処理を施す前に、導電性パターンを形成、乾燥した試料を、100℃のオーブン中で15分間の加熱処理(焼結処理)を行った以外は同様にして、試料7を作製した。
〔試料8の作製〕
上記試料1の作製において、メッキ処理を施す前に、導電性パターンを形成、乾燥した試料を、150℃のオーブン中で15分間の加熱処理(焼結処理)を行った以外は同様にして、試料8を作製した。
〔試料9〜12の作製〕
上記試料4(加熱温度:140℃)の作製において、導電性パターンの加熱・加圧処理時の加圧する圧力を、それぞれ0.5N/cm、2N/cm、80N/cm、120N/cmに変更した以外は同様にして、試料9〜12を作製した。
〔試料13の作製〕
上記試料2の作製において、導電性パターンの加熱・加圧処理時に、加熱は行わず、加圧のみを行った以外は同様にして、試料13を作製した。
〔試料14の作製〕
上記試料4の作製において、導電性パターンの形成を図1に記載のインクジェット記録装置に代えて、キャノン社製のバブルジェット(登録商標)カラープリンターBJC−600を用いて、かつ線幅を40μmに変更した以外は同様にして、試料14を作製した。
〔試料15の作製〕
上記試料4の作製において、メッキ処理を行わなかった以外は同様にして、試料15を作成した。
《各試料の特性評価》
〔パターン再現性の評価〕
上記方法で作製した各導電性パターンの細線について、光学顕微鏡を用いて50箇所の線幅を測定してその平均値を求め、線幅バラツキ率を下式に従って測定し、下記の基準に従ってパターン再現性を評価した。なお、設計線幅は、試料6が40μmで、それ以外は10μmである。
線幅バラツキ率:{|設計線幅−測定線幅|/設計線幅}×100(%)
○:線幅バラツキ率が、1%未満である
△:線幅バラツキ率が、1%以上、5%未満であるである
×:線幅バラツキ率が、5%以上である
〔接着性の評価〕
各導電性パターン表面を、イソプロピルアルコールを染み込ませた綿棒を用いて20回のワイピングを行った。次いで、ワイピングを行った各導電性パターンの細線について、光学顕微鏡を用いて50箇所の線幅を測定してその平均値を求め、ワイピング前後における線幅減少率を下式に従って測定して、これを接着性の尺度とし、下記の基準に従って接着性を評価した。
線幅減少率:(ワイピング前の線幅−ワイピング後の線幅/ワイピング前の線幅)×100(%)
○:線幅減少率が、2%未満である
△:線幅減少率が、2%以上、10%未満であるである
×:線幅減少率が、10%以上である
〔光透過性の評価〕
各試料の平均透過率を下記の方法に従って測定した。平均光透過率は、JIS R 1635に準じて、日立製作所製分光光度計1U−4000型を用いて、400nmから700nmの波長で、5nm毎に、各波長における透過率(%)を60点測定した。次いで、各波長の透過率の平均値を求め、これを平均光透過率とする。次いで、下記の基準に従って光透過性を評価した。
○:平均透過率が、85%以上である
△:平均透過率が75%以上、85%未満である
×:平均透過率が75%未満である
〔メッキ適性の評価〕
各試料のメッキ付与状態を光学顕微鏡を用いて観察を行い、下記の基準に従ってメッキ適性を評価した。
○:均一なメッキ加工がなされている
△:一部のパターン部で弱いメッキムラが認められるが、実用上許容される品質である
×:メッキがなされていないか、あるいはメッキに強いバラツキを生じ、実用に耐えない品質である
〔導電性の評価:表面比抵抗の測定〕
各試料を25℃、30%RHの条件下に24時間調湿した後、同条件下で川口電機社製テラオームメーターVE−30を用いて印加電圧100Vで試料の表面比抵抗〔log(Ω/□)〕を測定し、下記の基準に従って導電性を評価した。
○:表面比抵抗値が10Ω/□未満である
△:表面比抵抗値が10Ω/□以上、100Ω/□未満である
×:表面比抵抗値が100Ω/□以上である
〔平面性の評価〕
各試料を、平滑な基盤上に乗せ、カールの状態及び基材変形の有無を目視観察し、下記の基準に従って平面性の評価を行った。
○:カールや基材変形の発生が無く、優れた平面性を有している
△:基材変形はないが、やや弱いカールの発生は見つめられるが、実用上許容される品質にある
×:強いカールまたは基材変形が発生しており、実用に耐えない品質である
以上により得られた結果を、表1に示す。
Figure 2007335558
表1に記載の結果より明らかなように、導電性パターンを形成した後、加熱・加圧処理を同時に施した本発明の試料は、比較例に対し、パターン再現性、基材との接着性、光透過性及び平面性に優れると共に、優れたメッキ適性と導電性を備えていることが分かる。
本発明に好ましく適用できる圧力印加手段と電界印加手段とを用い導電性インク吐出装置の一例を示した概略断面図である。
符号の説明
20 導電性インク吐出装置
21 ノズル
22 ノズル内流路
23 対向電極
24 インク室
25 吐出電圧印加手段
26 ノズルプレート
27 供給路
28 吐出電極
30 バイアス電源
K インク受容基材

Claims (16)

  1. インク受容基材に、導電性インクを用いて導電性パターン像を形成する工程と、形成した該導電性パターン像に熱エネルギー及び圧力を同時に付与する加熱・加圧工程とを経て形成することを特徴とする導電性パターンの作製方法。
  2. 前記熱エネルギー及び圧力を同時に付与する手段が、ローラー部材を用いて前記導電性パターン像に加熱・加圧処理を施す方法であることを特徴とする請求項1に記載の導電性パターンの作製方法。
  3. 前記導電性インクが、少なくともメッキ触媒として作用する金属微粒子を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の導電性パターンの作製方法。
  4. 可視部における平均透過率が、80%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性パターンの作製方法。
  5. 前記インク受容基材上に前記導電性インクをパターン状に付与する手段が、インクジェット記録装置を用いたインクジェット記録手段であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性パターンの作製方法。
  6. 前記インクジェット記録装置による前記導電性インクの吐出方法が、圧力印加手段と電界印加手段とを用いた方法であることを特徴とする請求項5に記載の導電性パターンの作製方法。
  7. 前記加熱・加圧工程における加熱温度が、100℃以上、170℃以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電性パターンの作製方法。
  8. 前記加熱・加圧工程における加圧する圧力が、線圧で1N/cm以上、100N/cm以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電性パターンの作製方法。
  9. インク受容基材に、導電性インクを用いて導電性パターン像を形成した後、形成した該導電性パターン像に熱エネルギー及び圧力を同時に付与して形成されたことを特徴とする導電性パターン。
  10. 前記熱エネルギー及び圧力を同時に付与する手段が、ローラー部材を用いた加熱・加圧処理であることを特徴とする請求項9に記載の導電性パターン。
  11. 前記導電性インクが、少なくともメッキ触媒として作用する金属微粒子を含有することを特徴とする請求項9または10に記載の導電性パターン。
  12. 可視部における平均透過率が、80%以上であることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の導電性パターン。
  13. 前記インク受容基材上に前記導電性インクをパターン状に付与する方法が、インクジェット記録装置を用いたインクジェット記録方式であることを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載の導電性パターン。
  14. 前記インクジェット記録装置による前記導電性インクの吐出方法が、圧力印加手段と電界印加手段とを用いた方法であることを特徴とする請求項13に記載の導電性パターン。
  15. 前記加熱・加圧処理における加熱温度が、100℃以上、170℃以下であることを特徴とする請求項10〜14のいずれか1項に記載の導電性パターン。
  16. 前記加熱・加圧処理時に加圧する圧力が、線圧で1N/cm以上、100N/cm以下であることを特徴とする請求項10〜15のいずれか1項に記載の導電性パターン。
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